JP2004519498A - 有機ヒドロコロイドから成る自己発泡性または発泡された調製物 - Google Patents
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Abstract
本発明はI)A)10〜40炭素原子の鎖長を有する、全体的に、部分的に中和された、または中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸から成る群から選択される少なくとも1種の乳化剤(A)、B)10〜40炭素原子の鎖長、および5〜100のエトキシル化度を有するポリエトキシル化脂肪酸エステルから成る群から選択される少なくとも1種の乳化剤(B)、並びにC)10〜40炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールから成る群から選択される、少なくとも1種の共乳化剤(C)、から成る乳化剤系、を含む自己発泡性のおよび/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物に関する。本発明の調製物はまた、II)調製物の総重量に対して30重量%までの脂質相、III)調製物の総容量に対して1〜90容量%の、空気、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、笑気ガス(N2O)および二酸化炭素(CO2)から成る群から選択される少なくとも1種のガス、並びにIV)有機ヒドロコロイドから成る群から選択される1種もしくは複数の物質を含有する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は自己発泡性(self−foaming)および/または発泡体様(foam−like)の化粧品および皮膚科学的調製物、とりわけ皮膚手入れ用化粧品および皮膚科学的調製物に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡体(foams)または発泡体様調製物は分散系(disperse system)の1種である。
【0003】
もっとも重要でもっとも周知の分散系は圧倒的にエマルションである。エマルションは相互に不溶性かまたはごくわずかに可溶性の2種以上の液体の2相または多相系である。概括的にごく限られた安定性のみを有する液体(純粋なまたは溶液としての)は、多少とも細かい(fine)分布状態でエマルション中に存在する。
【0004】
発泡体は液体、半流動体、高粘度または固体の気泡(cell)のリブ(rib)により区画される、ガスの充填された、球状のもしくは多面体の気泡の構造物である。交差地点を介して接合された気泡のリブが連続的な枠組みを形成する。発泡体の層状体(lamellae)が気泡のリブ間に延伸する(閉鎖された気泡の発泡体)。発泡体の層状体が混乱させられたりまたは発泡体形成の終結時に気泡のリブ中に逆流する場合には、開放−気泡の発泡体が得られる。表面積の減少が表面エネルギーの生産をもたらすために、発泡体はまた、熱力学的に不安定である。従って、発泡体の安定性およびそれに従うその存在は、それがその自動破壊を妨げることができる度合いに左右される。
【0005】
化粧品発泡体は通常、そこで液体が分散剤を表わし、ガスが分散される物質を表わす、液体とガスの分散系である。低粘度の液体の発泡体は界面活性物質(界面活性剤、発泡体安定剤)により一時的に安定化される。それらの大きい内部表面積のために、これらの界面活性剤の発泡体は、例えば清浄化および洗浄操作に利用される高い吸着能をもつ。従って、化粧品の発泡体はとりわけ、清浄化の分野で、例えば髭剃り用発泡体としての、そして毛髪手入れの分野で使用される。
【0006】
発泡体を形成するためには、適当な液体中にガスを通気するか、または問題のガス雰囲気中で液体を激しくビートするか、震盪するか、噴霧するかまたは撹拌することにより発泡体形成が実施されるが、ただし、液体は、界面活性とは別にまた、ある程度の膜形成能を有する適当な界面活性剤または他の界面活性物質(「発泡体形成剤」)を含んで成ることとする。
【0007】
化粧品発泡体は、皮膚上への有効成分の微細な(fine)分配を可能にするという、他の化粧品調製物に優る利点を有する。しかし、化粧品発泡体は概括的に、更にしばしば皮膚により十分に許容されない具体的な界面活性剤を使用して初めて達成することができる。
【0008】
先行技術の更なる欠点は、このような発泡体がその理由のために、それらが通常約24時間以内に崩壊する、低い安定性のみを有する点である。しかし、化粧品調製物の必要条件は、それらができるだけ長く、数年間の安定性を有することである。この問題は概括的に、その目的のためには例えば、その中で、液化圧縮ガスが噴射ガスとして働くスプレー缶を使用することができる、適当なスプレーシステムを使用して、消費者が自身で、使用直前に実際の発泡体を生成することにより考慮されている。圧力弁を開放する時に、噴射剤液体混合物は微細なノズルをとおって逃げ、噴射剤は蒸発し、発泡体を残す。
【0009】
適用後発泡性の化粧品調製物もまた、それ自体は知られている。それらは最初に流動性形態でエアゾール容器から皮膚に適用され、わずかに遅れて、それらが、存在する適用後発泡剤、例えば髭剃り用発泡体の作用下にある皮膚上にある時にのみ、実際の発泡体を形成する。適用後発泡調製物はしばしば、特別の調製形態(例えば適用後発泡髭剃り用ゲル剤等)にある。
【0010】
しかし、先行技術には、調製中のような早期に発泡させて、しかし通常の方法で包装し、貯蔵し、市場に出荷するために十分に高い安定性をもつことができると考えられるどんな種類の化粧品または皮膚科学的調製物も含まれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は先行技術を充実させ、先行技術の欠点をもたない化粧品のまたは皮膚科学的な自己発泡性および/または発泡体様調製物を提供することであった。
【0012】
独国特許出願公開第197 54 659号明細書は二酸化炭素が、透過性バリヤーを高め、経皮的水分喪失量を減少し、そして相対的皮膚の湿気を増加する働きをすることができる、表皮のセラミド合成速度を安定化または増強するために適切な有効成分であることを開示している。皮膚を処置するためには、CO2を例えば、水中に溶解し、次にそれを使用して皮膚をすすぐ。しかし、これまでの先行技術には気体の有効成分を適当な濃度、すなわち有効濃度で取り込むことができるどんな種類の化粧品または皮膚科学的基剤も含まれていない。
【0013】
従って、その中に有効量の気体有効成分を取り入れることができる化粧品または皮膚科学的基剤を発見することが本発明の更なる目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
III.調製物の総容量に基づいて1〜90容量%の、空気、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、亜酸化窒素(N2O)および二酸化炭素(CO2)から成る群から選択される少なくとも1種のガス、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る自己発泡性および/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物が先行技術の欠点を克服することは、驚くべきことで、当業者により予見されることができなかった。
【0015】
今日までの先行技術に従うと、高い空気導入量を特徴とする発泡体様化粧品エマルションは噴射ガスを伴なわずには工業的に処方もしくは調製することができない。これは、とりわけ、古典的な乳化剤およびゲル化剤に基づき、剪断作用(撹拌、ホモジナイズ化)の結果として、極めて高い安定性をもつ発泡体を形成する系に当てはまる。本発明の結果として、ガスの導入は補助され、例えば、噴射ガスによるような先行技術に従う通常の適用後発泡剤を含むことなしに、比較的高温(例えば40℃)ですら、長期の貯蔵期間にわたり安定化させる、著明な適用後発泡効果が達成される。
【0016】
本発明に従う説は本仮説の精度に左右されることはないが−有利な特性はとりわけ無機ゲル化剤の存在に基づくと仮定される。
【0017】
この結果として、今日までの先行技術に比較して、初めて、優れた、新規のタイプの化粧品作用をもち、高温で長い貯蔵期間にわたり、並外れて高いガス容量(空気および/または他のガス(例えば、酸素、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等))を伴なう調製物を安定に形成することができる。同時に、それらは平均を上回る良好な皮膚手入れ性および非常に良好な感触性を特徴としてもつ。
【0018】
本発明の目的のための「自己発泡性」または「発泡体様」は、調製物が必ずしも肉眼的意味での発泡体の外観をもつ必要はない、1種(もしくは複数)の液相中に、気泡が(あらゆる)分配形態で存在することを意味すると理解される。本発明に従う自己発泡性および/または発泡体様化粧品または皮膚科学的調製物は例えば、液体中に分散されたガスの、肉眼で可視的に分散された系であることができる。しかし、発泡体の特徴は例えば、また(光学)顕微鏡下でのみ可視的であることもできる。更に、本発明に従う自己発泡性および/または発泡体様調製物は、特に気泡が光学顕微鏡下で認めるには小さすぎる時にまた、系の容量の急激な増加から認識することもできる。
【0019】
本発明に従う調製物はすべての点で極めて満足な調製物である。本発明に従う発泡体様調製物が、異常に高いガス容量の場合ですら、並外れて安定であることは特に驚くべきことであった。従って、それらは広範な使用目的をもつ調製形態のための基剤としての使用に特に適する。本発明に従う調製物は非常に良好な感触性(例えば、皮膚上への分配性または皮膚中への吸収能)をもち、更に平均を上回る皮膚手入れ性を特徴としてもつ。
【0020】
本発明は更に、
I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る、気体の有効成分のための化粧品のまたは皮膚科学的基剤としての、自己発泡性および/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物の使用を提供する。
【0021】
1種もしくは複数の乳化剤Aは好ましくは、通常のアルカリ(例えば水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸カリウム、並びにモノ−および/もしくはトリエタノールアミン)で全体的もしくは部分的に中和された脂肪酸の群から選択される。例えばステアリン酸およびステアレート、イソステアリン酸およびイソステアレート、パルミチン酸およびパルミテート、並びにミリスチン酸およびミリステートが特に有利である。
【0022】
1種もしくは複数の乳化剤Bは好ましくは、次の群:PEG−9ステアレート、PEG−8ジステアレート、PEG−20ステアレート、PEG−8ステアレート、PEG−8オレエート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−40ソルビタンラノレート、PEG−15グリセリルリチノーレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルイソステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−20ステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキステアレート、PEG−30グリセリルイソステアレート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30ステアレート、PEG−30グリセリルステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−50ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−150ラウレート、から選択される。例えばポリエトキシル化ステアリン酸エステルが特に有利である。
【0023】
1種もしくは複数の共乳化剤Cは好ましくは、次の群:ブチルオクタノール、ブチルデカノール、ヘキシルオクタノール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール(C22H45OH)、セテアリルアルコール[セチルアルコール(C16H33OH)およびステアリルアルコール(C18H37OH)の混合物]、ラノリンアルコール(羊毛ワックスの鹸化後に得られる羊毛ワックスの鹸化不可能なアルコール画分である、羊毛ワックスアルコール)から本発明に従って選択される。セチルアルコールおよびセチルステアリルアルコールが特に好ましい。
【0024】
乳化剤A:乳化剤B:共乳化剤Cの重量比(A:B:C)をa:b:cとして選択することが本発明に従って有利であり、ここでa、bおよびcは相互に独立に、1〜5、好ましくは1〜3の有理数であることができる。約1:1:1の重量比が特に好ましい。
【0025】
乳化剤AおよびBおよび共乳化剤Cの総量を調製物の総重量に基づいてそれぞれ、2〜20重量%、有利には5〜15重量%、とりわけ8〜13重量%の範囲から選択することが本発明の目的に有利である。
【0026】
本発明の目的のためには、調製物の気相が二酸化炭素を含んで成るかまたは二酸化炭素のみから成る場合に特に好ましい。二酸化炭素が本発明に従う調製物中の1有効成分もしくは有効成分である場合に特に有利である。
【0027】
本発明に従う組成物はそれらの調製中−例えば、撹拌中またはホモジナイズ中−ですら微細な泡の発泡体に発達する。本発明に従うと、優れた美容的エレガンスをもつ微細な泡の、濃厚な発泡体を得ることができる。更に、本発明に従って、貴重な成分を特に良好な方法で皮膚上に分配することができる、皮膚により特に良好に許容される調製物が得られる。
【0028】
本発明に従う調製物は必須ではないが、更なる乳化剤を含んで成ることが有利であるかも知れない。W/Oエマルションの調製に適した乳化剤を使用することが好ましく、それらは単独でもまたは相互とのあらゆる組み合わせ物中にでも存在することができる。
【0029】
更なる1種もしくは複数の乳化剤は有利には、次の化合物を含んで成る群から選択される:
ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、セチルジメチコン・コポリオール、グリコールジステアレート、グリコールジラウレート、ジエチレングリコールジラウレート、ソルビタントリオレエート、グリコールオレエート、グリセリルジラウレート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールジステアレート、スクロースジステアレート、PEG−3ヒマシ油、ペンタエリスリチルモノステアレート、ペンタエリスリチルセスキオレエート、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルジイソステアレート、ペンタエリスリチルモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、イソステアリルジグリセリルスクシネート、グリセリルカプレート、ヤシグリセリド、コレステロール、ラノリン、グリセリルオレエート(40%のモノエステルを含む)、ポリグリセリル−2セスキイソステアレート、ポリグリセリル−2セスキオレエート、PEG−20ソルビタン蜜蝋、ソルビタンオレエート、ソルビタンイソステアレート、トリオレイルホスフェート、グリセリルステアレートとセテアレス−20(Th.GoldschmidtからのTeginacid)、ソルビタンステアレート、PEG−7水素化ヒマシ油、PEG−5−ソーヤステロール、PEG−6ソルビタン蜜蝋、グリセリルステアレートSE、メチルグルコースセスキステアレート、PEG−10水素化ヒマシ油、ソルビタンパルミテート、PEG−22/ドデシルグリコール・コポリマー、ポリグリセリル−2PEG−4ステアレート、ソルビタンラウレート、PEG−4ラウレート、ポリソルベート61、ポリソルベート81、ポリソルベート65、ポリソルベート80、トリセテアレス−4ホスフェート、トリセテアレス−4ホスフェートとナトリウムC14−17アルキルsecスルホネート(HoechstからのHostacerin CG)、グリセリルステアレートとPEG−100ステアレート(ICIからのArlacel 165)、ポリソルベート85、トリセテアレス−4ホスフェート、PEG−35ヒマシ油、スクロースステアレート、トリオレス−8ホスフェート、C12−15パレス−12、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−16ソヤステロール、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート、PEG−40ヒマシ油、ナトリウムセテアリルスルフェート、レシチン、ラウレス−4ホスフェート、プロピレングリコールステアレートSE、PEG−25水素化ヒマシ油、PEG−54水素化ヒマシ油、グリセリルステアレートSE、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、グリセリルオレエートとプロピレングリコール、グリセリルラノレート、ポリソルベート60、グリセリルミリステート、グリセリルイソステアレートとポリグリセリル−3オレエート、グリセリルラウレート、PEG−40ソルビタンペルオレエート、ラウレス−4、グリセロールモノステアレート、イソステアリルグリセリルエーテル、セテアリルアルコールとナトリウムセテアリルスルフェート、PEG−22ドデシルグリコール・コポリマー、ポリグリセリル−2PEG−4ステアレート、ペンタエリスリチルイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート、ソルビタンオレエートと水素化ヒマシ油とCera albaとステアリン酸、ナトリウムジヒドロキシセチルホスフェートとイソプロピルヒドロキシセチルエーテル、メチルグルコースセスキステアレート、メチルグルコースジオレエート、ソルビタンオレエートとPEG−2水素化ヒマシ油とオゾケライトと水素化ヒマシ油、PEG−2水素化ヒマシ油、PEG−45/ドデシルグリコール・コポリマー、メトキシPEG−22/ドデシルグリコール・コポリマー、水素化ココグリセリド、ポリグリセリル−4イソステアレート、PEG−40ソルビタンペルオレエート、PEG−40ソルビタンペルイソステアレート、PEG−8蜜蝋、ラウリルメチコンコポリオール、ポリグリセリル−2ラウレート、ステアラミドプロピルPGジモニウムクロリドホスフェート、PEG−7水素化ヒマシ油、トリエチルシトレート、グリセリルステアレートシトレート、セチルホスフェート、ポリグリセロールメチルグルコースジステアレート、ポロキサマー101、カリウムセチルホスフェート、グリセリルイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート。
【0030】
本発明の目的のための1種もしくは複数の更なる乳化剤は好ましくは、親水性乳化剤の群から選択される。本発明に従うと、ソルビトールのモノ−、ジ−およびトリ−脂肪酸エステルが特に好ましい。
【0031】
本発明に従う更なる乳化剤の総量は有利には、調製物の総重量に基づき5重量%未満であるように選択される。
【0032】
本発明の目的のために使用することができる与えられる更なる乳化剤のリストはもちろんそれらを制約する意図はもたれない。
【0033】
本発明の目的のために特に有利な自己発泡性および/または発泡体様調製物はモノ−もしくはジグリセリル脂肪酸エステルを含まない。グリセリルステアレート、グリセリルイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルオレエート、グリセリルパルミテート、グリセリルミリステート、グリセリルラノレートおよび/またはグリセリルラウレートを含まない、本発明に従う調製物が特に好ましい。
【0034】
本発明に従う調製物の油相は有利には、≧30mN/mの極性を有する非極性の脂質の群から選択される。本発明の目的に特に有利な非極性脂質は下記に挙げられる。
【0035】
【表1】
【0036】
炭化水素のうちでは、とりわけパラフィン油および更なる水素化ポリオレフィン(例えば水素化ポリイソブテン、スクアランおよびスクアレン)を、本発明の目的のために有利に使用することができる。
【0037】
脂質相の含量は有利には、調製物の総重量に基づき、それぞれ、30重量%未満、好ましくは、2.5と30重量%の間、特に好ましくは5と15重量%の間であるように選択される。脂質相はまた、脂質相の総重量に基づき40重量%までの極性脂質(≦20mN/mの極性をもつ)および/または中間の極性の脂質(20〜30mN/mの極性をもつ)を含んで成ることが、必須ではないが、有利であるかも知れない。
【0038】
本発明の目的のために特に有利な極性脂質はすべての天然脂質(例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、ヤシ油、ココナツ油、ヒマシ油、麦胚油、ブドウの種油、アザミ油、ツキミソウ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、アボカド油等)および次に挙げるものである。
【0039】
【表2】
【0040】
本発明の目的のために特に有利な中程度に極性の脂質は下記のものである。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
「ヒドロコロイド」は、より正確な名称の「親水性コロイド」の技術的略語である。ヒドロコロイドは大部分線状の構造をもち、個々の分子の間に二次および一次原子価結合(secondary and primary valence bond)、並びに従って網状構造物の形成を許す分子間の相互作用力を有する高分子である。幾つかは、水系中でゲルまたは粘性溶液を形成する水溶性の天然のまたは合成のポリマーである。それらは水の移動性を制限すると同時に、水分子と結合すること(水和)によるかまたはそれらの相互に織込まれた高分子中に水を吸収し、封入することにより水の粘度を増加する。このような水溶性ポリマーは、それらの共通の特徴物が水中もしくは水性溶媒中のそれらの溶解度である、化学的に非常に異なる天然のおよび合成のポリマーの大きい群を表わす。この前提条件はこれらのポリマーが水中の溶解度のために十分な多数の親水性基をもち、かつあまり強度に架橋されていないことである。親水性基は、例えば次記:
【0044】
【化1】
【0045】
のように、非イオン、アニオンまたはカチオンの性質をもつことができる。
【0046】
美容的におよび皮膚科学的に関連したヒドロコロイドの群は下記:
・有機の天然化合物(例えば寒天、カラゲーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ポリオース、グア粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン)、
・有機の修飾された天然物質(例えばカルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースおよび微細結晶セルロース)、
・有機の完全に合成の化合物(例えばポリアクリルおよびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン)、
・無機化合物、例えば、ポリケイ酸、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカ)、
のように分類することができる。
【0047】
微細結晶セルロースは本発明の目的に有利なヒドロコロイドである。それは例えば、Avice(R)の商品名で”FMC Corporation Food and Pharmaceutical Products”から入手できる。本発明の目的のために特に有利な製品は89%の微細結晶セルロースおよび11%のカルボキシメチルセルロースナトリウムから成る修飾微細結晶セルロースである、Avice(R)等級RC−591である。このクラスの原料の更なる市販品はAvice(R)RC/CL、Avice(R)CE−15、Avice(R)500である。
【0048】
本発明に従って有利な更なるヒドロコロイドは例えば、セルロースのメチルエーテルに使用される用語であるメチルセルロースである。それらは下記の構造式
【0049】
【化2】
【0050】
[ここでRは水素またはメチル基であることができる]
を特徴としてもつ。
【0051】
主要な含有物のメチル基に加えて、更に2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基または2−ヒドロキシブチル基を含有する、概括的に同様にメチルセルロースとも称されるセルロース混合エーテルは本発明の目的に特に有利である。例えば、Dow Chemical Comp.から商品名Methocel(R) E4Mとして入手可能な、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロースが特に好ましい。
【0052】
構造式I中のRが水素および/またはCH2−COONaであることができるセルロースのグリコールエーテルのナトリウム塩の、カルボキシメチルセルロースナトリウムもまた、本発明に従って有利である。Aqualonから商品名Natrosol Plus 330 CSとして入手でき、セルロースガムとも呼ばれるカルボキシメチルセルロースナトリウムが特に好ましい。
【0053】
通常、トウモロコシの糖からの発酵により形成され、カリウム塩として単離されるアニオンのヘテロ多糖類であり、キサンタンガムとも呼ばれるキサンタン(CAS No.11138−66−2)もまた本発明の目的に好ましい。それは好気性条件下でキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)および幾つかの他の種により産生され、2×106〜24×106の分子量を有する。キサンタンは側鎖をもつβ−1,4−結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。サブグループの構造はグルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルベートから成る。キサンタンは最初の微生物によるアニオンのヘテロ多糖類に与えられた名称である。それは好気性条件下でキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)および幾つかの他の種により産生され、2〜15×106の分子量を有する。キサンタンは側鎖をもつβ−1,4−結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。サブグループの構造はグルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルベートから成る。ピルベート単位の数がキサンタンガムの粘度を決定する。キサンタンは使用される炭水化物に基づいて70〜90%の収率で2日間のバッチ培養物中で産生される。これに関しては25〜30g/lの収率が達成される。培養物を死滅させた後に、例えば2−プロパノールによる沈殿により仕上げ処理を実施する。次にキサンタンを乾燥し、粉砕する。
【0054】
本発明の目的のために有利なゲル形成剤はまた、紅藻(Florideae)[(トチャカ(Chondrus crispus)およびギガルチナ・ステラタ(Gingartina stellata)]に属する北大西洋紅藻からの、寒天に類似の構造をもつ、ゲル−形成抽出物のカラゲーンである。
【0055】
カラゲーンの用語はしばしば乾燥寒天生成物に対して、そしてカラゲーナンはその抽出物に対して使用される。寒天の熱水抽出物から沈殿されたカラゲーンは100 000〜800 000の範囲の分子量および約25%の硫酸塩含量を有する無色から砂色の粉末である。温水に非常に易溶性のカラゲーンは含水量が95〜98%である場合でも、冷却すると揺変性ゲルを形成する。ゲルの硬度はカラゲーンの二重らせん構造により影響を受ける。カラゲーナンの場合には、3種の主要成分が区別される:ゲル−形成性κ画分はD−ガラクトース4−スルフェートおよび、1,3−位および1,4−位において交互のグリコシド結合を有する3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトースから成る(それに対し、寒天は3,6−アンヒドロ−α−L−ガラクトースを含む)。非ゲル化λ画分は1,3−グリコシドにより結合されたD−ガラクトース2−スルフェートおよび1,4−結合されたD−ガラクトース−2,6−ジスルフェート基から成り、冷水に易溶性である。1,3−結合におけるD−ガラクトース4−スルフェートおよび1,4−結合における3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトース2−スルフェートから成るτ−カラゲーナンは双方とも、水溶性で、かつまたゲル−形成性である。更なるカラゲーン等級も同様にギリシャ文字、α、β、γ、μ、υ、ξ、π、ω、χを使用して言及される。存在するカチオンの種類(K+、NH4 +、Na+、Mg2+、Ca2+)もまたカラゲーンの溶解度に影響を与える。
【0056】
化粧品調製物中へのキトサンの使用それ自体は知られている。キトサンは部分的に脱アシル化されたキチンを表わす。このバイオポリマーはなかでも、膜形成性をもち、皮膚上にシルキーな感触を特徴として与える。しかし、欠点は、とりわけ適用中に−一時的に−起る皮膚上でのそのひどい粘つきである。個々の場合に、それらは消費者により許容されず、そして/または否定的にみられるので、その場合には、対応する調製物は商品化できないであろう。知られているように、キトサンは例えば毛髪の手入れに使用される。それは、増粘剤または安定剤としてそれが基礎とするキチンよりも、より良い程度に適切であり、ポリマーの膜の付着および水抵抗性を改善する。先行技術の多数の参考文献の代表は、H.P.Fiedler,”Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete”[Lexikon of Axiliaries for Pharmacy,Cosmetics and Related Fields],第3版 1989,Editio Cantor,Aulendorf,p.293,キーワード「キトサン」である。
【0057】
キトサンは下記の構造式
【0058】
【化3】
【0059】
を特徴としてもち、ここで、nは10 000までの値を採り、Xはアセチル基または水素のいずれかである。キトサンは、下記の構造式
【0060】
【化4】
【0061】
を特徴としてもつキチンの脱アセチル化および部分的解重合(加水分解)により形成される。キチンは節足類(例えば、昆虫、蟹、クモ)の外部骨格[’οχιτωυ=ギリシャ語:外皮]の本質的成分であり、他の生物(例えば、軟体動物、寒天、カビ)の支持組織中にも認められる。
【0062】
キトサンは約pH<6の領域では正に帯電し、その領域ではまた水系中に可溶性である。それはアニオンの原料と非相容性である。このために、キトサン含有の水中油エマルションを調製するためには、非イオン乳化剤の使用が適当である。これら自体は、例えば、欧州特許第776 657号明細書から知られる。
【0063】
本発明に従うと、>25%、とりわけ>55〜99%の脱アセチル化度[1H−NMRにより測定]をもつキトサンが好ましい。
【0064】
10 000と1 000 000の間の分子量をもつキトサン、とりわけ100 000と1 000 000の間の分子量をもつものを選択することが有利である[ゲル透過クロマトグラフィーにより測定]。
【0065】
ポリアクリレートも同様に本発明の目的に有利に使用することができるゲル化剤である。本発明に従って有利なポリアクリレートはアクリレート−アルキルアクリレート・コポリマー、とりわけいわゆるカーボマーまたはカーボポールの群から選択されるものである(Carbopol(R)は実際B.F.Goodrich Companyの登録商標である)。とりわけ、本発明に従って有利なアクリレート−アルキルアクリレート・コポリマーは下記の構造:
【0066】
【化5】
【0067】
[ここで、R’は長鎖のアルキル基であり、xおよびyは各コモノマーのそれぞれの化学量論的割合を記号化する数字を表わす]
を特徴としてもつ。
【0068】
本発明に従うと、B.F.Goodrich Companyから商品名のCarbopol(R)1382、Carbopol(R)981およびCarbopol(R)5984として入手できるアクリレートコポリマーおよび/またはアクリレート−アルキルアクリレートコポリマー、好ましくは、Carbopol等級980、981、1382、2984、5984の群からのポリアクリレート、および特に好ましくは、Carbomer2001が特に好ましい。
【0069】
C10−30−アルキルアクリレートと、スクロースのアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋しているアクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの1種もしくは複数のモノマーとのコポリマーもまた有利である。
【0070】
INCI名「アクリレート/C10−30−アルキルアクリレート・クロスポリマー」をもつ化合物は有利である。B.F.Goodrichから商品名Pemulen TR1およびPemulen TR2として入手できるポリマーが特に有利である。
【0071】
INCI名アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン・コポリマーをもつ化合物は有利である。
【0072】
本発明に従うアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン・コポリマーは実験式[C7H16N2SO4]n[C6H9NO]mをもち、それは下記の統計的構造
【0073】
【化6】
【0074】
に対応する。
【0075】
本発明の目的に好ましい群はケミカルアブストラクト(Chemical Abstracts)中の登録番号58374−69−9、13162−05−5および88−12−0下にリストに載せられ、Clariant GmbHから商品名Aristoflex(R)AVCとして入手できる。
【0076】
例えば、Seppic S.A.からのSimugel(R)EGまたはSimugel(R)EGのようなアクリロイルジメチルタウレートを含んで成るコポリマー/クロスポリマーも有利である。
【0077】
本発明に従って有利に使用することができる更なるヒドロコロイドはまた、
1.水中に可溶性または分散性で、かつ
i)1分子当り2個以上の活性水素原子を含む少なくとも1種の化合物、
ii)酸または塩の基を含む少なくとも1種のジオール、並びに
iii)少なくとも1種のジイソシアネート、
から有利に得ることができるアニオンのポリウレタン、
である。
【0078】
成分i)はとりわけ、後記の化合物の3モル%までがトリオールまたはトリアミンにより置換されていてもよい、それぞれ3000までの平均分子量数をもつジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエステロール、ポリエテロール、またはそれらの混合物である。ジオールおよびポリエステルジオールが好ましい。成分(a)はとりわけ、成分(a)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のポリエステルジオールを含んで成る。適当なポリエステルジオールはポリウレタンの調製に通常使用されるものすべて、とりわけフタル酸とジエチレングリコールの、イソフタル酸と1,4−ブタンジオールの、イソフタル酸/アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの、およびアジピン酸とエチレングリコールまたは5−NaSO3−イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの反応生成物、である。
【0079】
使用することができるジオールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエテロール(例えば、3000までの分子量をもつポリエチレングリコール)、エチレン・オキシドと3000までの平均分子量値をもつプロピレン・オキシドのブロックコポリマーまたは、不作為の分配またはブロックの形態でコポリマー化されたアルキレン・オキシド単位を含むエチレン・オキシド、プロピレン・オキシドおよびブチレン・オキシドのブロックコポリマー、である。エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−もしくはヘキサエチレングリコールが好ましい。使用することができる他のジオールはポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)ジオールである。適したアミノアルコールは例えば、2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノールまたは4−アミノブタノールである。
【0080】
適したジアミンの例はエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタンおよび1,6−ジアミノヘキサン、並びにアンモニアによるポリアルキレン・オキシドのアミノ化により調製することができるα,ω−ジアミンである。
【0081】
成分ii)はとりわけ、ジメチロールプロパン酸または式
【0082】
【化7】
【0083】
[ここで、RRはそれぞれ、C2−C18−アルキレン基であり、MeはNaまたはKである]
の化合物である。
【0084】
成分iii)はとりわけ、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルジフェニルイソシアネート(MDI)および/またはトリレンジイソシアネートである。
【0085】
ポリウレタンはi)およびii)群の化合物を不活性ガス雰囲気下で70〜130℃の温度の不活性溶媒中でiii)群の化合物と反応させることにより得ることができる。この反応は場合によっては、比較的高分子量をもつポリウレタンを調製するために連鎖延長剤の存在下で実施することができる。ポリウレタンの調製において通常のように、成分[(i)+(ii)]:iii)]は有利には0.8〜1.1:1のモル比で使用される。ポリウレタンの酸価は組成、および成分(i)+(ii)の混合物中の成分(ii)の化合物の濃度により決定される。
【0086】
ポリウレタンは15〜100、好ましくは、25〜50の、H.FikentscherによるK値(25℃でpH7におけるN−メチルピロリドン中0.1重量%濃度溶液中で決定)を有する。
【0087】
固有粘度とも呼ばれるK値はポリマー溶液の粘度測定により決定が容易なパラメーターであり、従ってポリマーの特徴を表わすために工業部門でしばしば使用される。ある種のポリマーに対しては、研究された試料の平均モル質量に応じて、それ自体の標準化測定条件下でそれが認容され、フィケンチャー(Fikentscher)等式
【0088】
【数1】
【0089】
[式中、ηr=相対粘度(溶液の動力学的粘度/溶媒の動力学的粘度)であり、c=溶液中のポリマーの質量濃度(g/cm3)である]
に従う等式のK値=1000kにより計算される。
【0090】
酸の基を含有するポリウレタンは、中和(部分的または完全な)後、乳化剤の補助を伴なわずに水溶性または分散性である。ポリウレタンの塩は概括的に非中和ポリウレタンよりもより良い水中溶解性または分散性を有する。ポリウレタンの中和に使用することができる塩基はアルカリ金属塩基(例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、ソーダ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウム)、およびアルカリ土類金属塩基(例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウム)並びにアンモニアおよびアミンである。2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエチルアミノプロピルアミンおよびトリイソプロパノールアミンは酸の基を含むポリウレタンの中和のために特に有用であることが判明した。酸の基を含むポリウレタンの中和はまた、2種以上の塩基の混合物、例えば、水酸化ナトリウム溶液とトリイソプロパノールアミンの混合物、を使用して実施することもできる。意図される用途に応じて、中和は部分的、例えば、20〜40%まででも、または完全、すなわち100%にすることができる。
【0091】
これらのポリマーおよびそれらの調製は、その全体の範囲が本明細書中に引用されている独国特許第42 25 045号明細書に、より詳細に記載されている。
【0092】
2.a)1分子当たり2個以上の活性水素原子を含む1種もしくは複数の化合物と前以てすでに反応させることができる少なくとも1種のジイソシアネート、および
b)1種もしくは複数の第三級、第四級もしくはプロトン化第三級アミノ窒素原子をもつ少なくとも1種のジオール、第一級もしくは第二級アミノアルコール、第一級もしくは第二級ジアミンまたは第一級もしくは第二級トリアミン、
を含んで成る水溶性または水分散性カチオンのポリウレタンおよびポリ尿素。
【0093】
好ましいジイソシアネートは上記1)の項に与えられたものである。2個以上の活性水素原子をもつ化合物にはジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエテロール、ポリアミドジアミンおよびポリエテロールがある。この種類の適当な化合物は上記1)の項に与えられたものである。
【0094】
ポリウレタンは1)の項に前述されたように調製される。帯電したカチオン基がポリ尿素中で、例えば、乳酸のようなカルボン酸によるプロトン化により、または例えば、C1−C4−アルキルハロゲン化物もしくはスルフェートのようなアルキル化剤による第四級化により、存在する第三級アミノ窒素原子から生成することができる。これらのアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチルおよび硫酸ジエチルである。
【0095】
これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書中に引用されている、独国特許第42 41 118号明細書に、より詳細に記載されている。
【0096】
3.i)ポリウレタン1g当たり0.35〜2.25ミリ当量の、ポリウレタン中に存在することができるカルボキシル基に十分な量で使用される、式
【0097】
【化8】
【0098】
[ここで、RR’は水素原子またはC1−C20−アルキル基である]
の2,2−ヒドロキシメチル−置換カルボン酸、
ii)ポリウレタンの重量に基づいて10〜90重量%の、2個を超えない活性水素原子を含む1種もしくは複数の有機化合物、並びに
iii)1種もしくは複数の有機ジイソシアネート
を含んで成るカルボキシレート基を含む線状ポリウレタン。
【0099】
ポリウレタン中に存在するカルボキシル基は最後に、適当な塩基により少なくとも部分的に中和される。これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書に引用されている、欧州特許第619 111号明細書に記載されている。
【0100】
4.トリ−もしくはテトラカルボン酸およびジオール、ジアミンまたはアミノアルコールの無水物のカルボキシル−含有の重縮合生成物(ポリエステル、ポリアミドまたはポリエステルアミド)。これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書に引用されている、独国特許第42 24 761号明細書に、より詳細に記載されている。
【0101】
5.独国特許第43 14 305号、第36 27 970号および第29 17 504号明細書に、より詳細に記載されているような、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート。これらの刊行物の全体が本明細書に引用されている。
【0102】
本発明に従って使用されるポリマーは好ましくは、25〜100、好ましくは25〜50のK値を有する。ポリマーは概括的に、組成物の総重量に基づいて0.2〜20重量%の範囲の量で本発明に従う組成物中に存在する。塩はポリマーの交換性を改善するための有効量で使用される。概括的に、塩は組成物の総重量に基づいて0.02〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%そしてとりわけ、0.1〜3重量%の量で使用される。
【0103】
完成化粧品または皮膚科学的調製物中の1種もしくは複数のヒドロコロイドの総量は有利には、調製物の総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは0.1と1.0重量%の間であるように選択される。
【0104】
本発明に従う化粧品および/または皮膚科学的調製物は通常の組成をもつことができる。本発明の目的のための皮膚手入れ用調製物は特に有利であり:それらは美容的および/または皮膚科学的光線遮蔽のために、そして更に皮膚および/または毛髪の処置のため、そして装飾化粧品におけるメークアップ製品として使用することができる。本発明の更なる有利な態様は日焼け後用製品にある。
【0105】
化粧品のまたは局所用皮膚科学的組成物は、それらの構造に対応して、例えば、皮膚保護クリーム、デイクリームまたはナイトクリーム等として本発明の目的のために使用することができる。本発明に従う組成物を医薬調製物の基剤として使用することは可能であり、有利であるかも知れない。
【0106】
ちょうど、液体および固体のコンシステンシーのエマルションが化粧品のクレンジングローションまたはクレンジングクリームとして使用されるように、本発明に従う調製物もまた、例えば、メークアップ落としのためまたは、恐らくはまた疾患皮膚のための緩和な洗浄発泡体として使用することができる「クレンジングフォーム」であることもできる。このようなクレンジングフォームは有利にはまた、適用後に皮膚からすすぎ落とされる「リンスオフ」調製物として使用することもできる。
【0107】
本発明に従う化粧品および/または皮膚科学的調製物はまた、有利には、毛髪または頭皮の手入れ用フォーム剤、とりわけ整髪用フォーム剤、毛髪をブロードライする時に使用されるフォーム剤、スタイルフォームおよびトリートメントフォーム剤の形態にすることができる。
【0108】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は使用のためには、化粧品として通常の方法で、適量を皮膚および/または毛髪に適用される。
【0109】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は、このような調製物中に通常使用されるような化粧品補助剤、例えば保存剤、保存剤補助剤、殺バクテリア剤、香料、染料、着色作用をもつ顔料、加湿剤および/または保湿剤、皮膚上の感触を改善する充填剤、脂肪、油、ワックスまたは化粧品または皮膚科学的調製物のその他の通常の成分(例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体)を含んで成ることができる。
【0110】
本発明の目的に有利な保存剤は例えば、ホルムアルデヒド供与体(例えば、DMDMヒダントイン)、ヨードプロピルブチルカルバメート(例えば、Lonzaからの商品名Koncyl−L、Koncyl−SおよびKonkaben LMBとして市販のもの)、パラベン、フェノキシエタノール、エタノ−ル、安息香酸等である。本発明に従う保存剤系は通常また、有利には、保存剤補助剤、例えば、オクトキシグリセロール、大豆グリシン等を含んで成る。
【0111】
特に有利な調製物はまた、抗酸化剤が添加剤または有効成分として使用される場合に得られる。本発明に従う調製物は有利には、1種もしくは複数の抗酸化剤を含んで成る。好ましいが、場合により使用される使用可能な抗酸化剤は、美容的および/または皮膚科学的適用に通常のまたは適したすべての抗酸化剤である。
【0112】
抗酸化剤は有利には、非常に少量の許容投与量(例えばpmol〜μmol/kg)における、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプロファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)のようなペプチド、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びに、それらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシイミン化合物(例えばブチオニン・スルホキシイミン、ホモシステイン・スルホキシイミン、ブチオニン・スルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニン・スルホキシイミン)、並びに更に、(金属)錯体形成剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(パルミチン酸ビタミンA)およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば酸化スチルベン、,酸化トランス−スチルベン)並びに、本発明に従って適切な前記の活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)から成る群から選択される。
【0113】
本発明の目的のためには、水溶性抗酸化剤(例えば、ビタミン、例えば、アルコルビン酸およびその誘導体)を特に有利に使用することができる。
【0114】
本発明に従う調製物の驚くべき特性は、それらが皮膚中への化粧品のまたは皮膚科学的有効成分のための非常に良好なビヒクルであることであり、そこで、好ましい有効成分は酸化的ストレスに対して皮膚を防護することができる抗酸化剤である。ここで好ましい抗酸化剤は、ビタミンEおよびその誘導体並びにビタミンAおよびその誘導体である。
【0115】
調製物中の抗酸化剤(1種もしくは複数の化合物)の量は好ましくは、調製物の総重量に基づいて、0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、とりわけ0.1〜10重量%である。
【0116】
ビタミンEおよび/もしくはその誘導体が1種もしくは複数の抗酸化剤である場合には、調製物の総重量に基づいて、0.001〜10重量%の範囲からそれらそれぞれの濃度を選択することが有利である。
【0117】
ビタミンAもしくはビタミンA誘導体、またはカロテンもしくはそれらの誘導体が1種もしくは複数の抗酸化剤である場合には、調製物の総重量に基づいて、0.001〜10重量%の範囲からそれらそれぞれの濃度を選択することが有利である。
【0118】
有効成分(1種もしくは複数の化合物)はまた非常に有利には、親油性有効成分の群から、とりわけ下記の群:
アセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ヒドロコーチゾンおよびその誘導体(例えばバレリン酸ヒドロコーチゾン−17)、BおよびDシリーズのビタミン、非常に好ましくは、ビタミンB1、ビタミンB12およびビタミンD1、しかし更にビサボロール、不飽和脂肪酸、すなわち必須脂肪酸(しばしばビタミンFとも呼ばれる)、とりわけガンマ−リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸およびそれらの誘導体、クロロアンフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン、チモール、カンファー、植物または動物由来の抽出物または他の製品(例えば、ツキミソウ油、ルリジサ油またはスグリの種油、魚油、肝油および更にセラミドおよびセラミド−様化合物、等)、
から本発明に従って選択することができる。
【0119】
再脂肪補充物質、例えば、パーセリン(purcellin)油、Eucerit(R)およびNeocerit(R)の群から有効成分を選択することも有利である。
【0120】
特に本発明に従う調製物が内因性および/または外因性皮膚老化の症候の処置および予防のため、そして皮膚に対する紫外線の有害効果の治療および予防のために使用される場合には、1種もしくは複数の有効成分はまた、NOシンターゼ阻害剤の群から特に有利に選択される。
【0121】
好ましいNOシンターゼ阻害剤はニトロアルギニンである。
【0122】
1種もしくは複数の有効成分はまた有利には、カテキンおよびカテキンの胆汁エステル並びにカテキンまたはカテキンの胆汁エステルを含む植物または植物の部分例えば、ツバキ(Theaceae)の木族、とりわけチャ(Camellia sinensis)(緑茶)種の葉からの水性または有機抽出物を含む群から選択される。それらの具体的な成分(例えば、ポリフェノールまたはカテキン、カフェイン、ビタミン、糖、ミネラル、アミノ酸、脂質)が特に有利である。
【0123】
カテキン類は水素化フラボンまたはアントシアニジンとみなすことができる化合物の1群であり、「カテキン」(カテコール、3,3’,4’,5,7−フラバンペンタオール、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)クロマン−3,5,7−トリオール)の誘導体である。エピカテキン((2R,3R)−3,3’,4’,5,7−フラバンペンタオール)もまた、本発明の目的のための有利な有効成分である。
【0124】
更に、カテキンを含む植物抽出物、とりわけ緑茶の抽出物、例えば、カメリア種の植物、極めて特には、チャ(Camellia sinensis)、カメリア・アッサミカ(Camellia assamica)、カメリア・タリエンシス(Camellia taliensis)およびカメリア・イラワジエンシス(Camellia irrawadiensis)のタイプおよび例えば、ツバキ(Camellia japonica)とのこれらの雑種の植物の葉からの抽出物も有利である。
【0125】
好ましい有効成分はまた、ポリフェノールまたは、(−)−カテキン、(+)−カテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(+)−エピカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンおよび(−)−エピガロカテキンガレートの群からのカテキンである。
【0126】
フラボンおよびその誘導体(しばしば集合的に「フラボン類」とも呼ばれる)もまた、本発明の目的のために有利な有効成分である。それらは下記の基礎構造(置換位置が示される):
【0127】
【化9】
【0128】
を特徴としてもつ。
【0129】
更に、本発明に従う調製物中に好ましく使用することができる、より重要なフラボンのいくつかを次表に与える。
【0130】
【表5】
【0131】
自然界では、フラボンは通常、グリコシル化形態にある。
【0132】
本発明に従うフラボノイドは好ましくは、一般構造式
【0133】
【化10】
【0134】
[式中、Z1〜Z7は相互に独立に、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシから成る群から選択され、ここでアルコキシおよびヒドロキシアルコキシ基は分枝でも非分枝でもよく、1〜18炭素原子をもつことができ、かつGlyはモノ−およびオリゴグリコシド基の群から選択される]
の物質の群から選択される。
【0135】
しかし、本発明に従うフラボノイドは更に、有利には、一般構造式
【0136】
【化11】
【0137】
[式中、Z1〜Z6は相互に独立に、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシから成る群から選択され、ここでアルコキシおよびヒドロキシアルコキシ基は分枝または非分枝であり、1〜18炭素原子をもつことができ、ここでGlyはモノおよびオリゴグリコシド基の群から選択される]
の物質の群から選択することもできる。
【0138】
好ましくは、このような構造物は一般構造式
【0139】
【化12】
【0140】
[式中、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、モノグリコシド基である。Gly2およびGly3はまた、個別にまたは一緒に、水素原子による飽和体を表わすことができる]
の物質の群から選択することができる。
【0141】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、ヘキソシル基、とりわけラムノシル基およびグルコシル基の群から選択される。しかし、他のヘキソシル基(例えばアロシル、アトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシル)もまた、いくつかの状況においては有利に使用することができる。ペントシル基を使用することも、本発明に従って有利であるかも知れない。
【0142】
Z1〜Z5は相互に独立に、H、OH、メトキシ、エトキシおよび2−ヒドロキシエトキシから成る群から有利に選択され、フラボングリコシドは構造
【0143】
【化13】
【0144】
を有する。
【0145】
本発明に従うフラボングリコシドは特に有利には下記の構造:
【0146】
【化14】
【0147】
[式中、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、モノグリコシド基である。Gly2およびGly3はまた個別にまたは一緒に、水素原子による飽和体を表わすことができる]
により与えられる群から選択される。
【0148】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、ヘキソシル基、とりわけラムノシル基およびグルコシル基の群から選択される。しかし、他のヘキソシル基(例えばアロシル、アトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシル)もまた、いくつかの状況においては有利に使用することができる。ペントシル基を使用することも、本発明に従って有利であるかも知れない。
【0149】
α−グルコシルルチン、α−グルコシルミリセチン、α−グルコシルイソクエルシトリン、α−グルコシルイソクエルセチンおよびα−グルコシルクエルシトリンから成る群から1種もしくは複数のフラボングルコシドを選択することは本発明の目的のために特に有利である。
【0150】
α−グルコシルルチンは本発明に従って、特に好ましい。
【0151】
更に、ナリンギン(アウランチン、ナリンゲニン−7−ラムノグルコシド)、ヘスペリジン(3’,5,7−トリヒドロキシ−4’−メトキシフラバノン−7−ルチノシド、ヘスペリドシド、ヘスペレチン−7−O−ルチノシド)、ルチン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン−3−ルチノシド、クエルセチン−3−ルチノシド、ソホリン、ビルタン、ルタビオン、タウルチン、フィトメリン、メリン)、トロキセルチン(3,5−ジヒドロキシ−3’,4’,7−トリス(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、モノキセルチン(3,3’,4’,5−テトラヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、ジヒドロロビネチン(3,3’,4’,5’,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、タキシホリン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、エリオジクチオール−7−グルコシド(3’,4’,5,7−テトラヒドロキシフラバノン−7グルコシド)、フラバノンマレイン(3’,4’,7,8−テトラヒドロキシフラバノン−7グルコシド)およびイソクエルセチン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバノン−3−(β−D−グルコピラノシド)も本発明に従って有利である。
【0152】
ユビキノンおよびプラストキノンの群から1種もしくは複数の有効成分を選択することもまた有利である。
【0153】
ユビキノンは構造式
【0154】
【化15】
【0155】
を特徴とし、もっとも普及しており、従ってもっとも研究された生物キノンである。ユビキノンは側鎖に結合されたイソプレン単位の数によりQ−1、Q−2、Q−3等、または炭素原子数によりU−5、U−10、U−15等と呼ばれる。それらは好ましくは、ある鎖長を伴なって出現し、例えば、いくつかの微生物および酵母菌においてはn=6である。ヒトを含む大部分の哺乳動物においてはQ10が主流である。
【0156】
補酵素Q10は特に有利であり、下記の構造式
【0157】
【化16】
【0158】
を特徴としてもつ。
【0159】
プラストキノンは一般構造式
【0160】
【化17】
【0161】
をもつ。
【0162】
プラストキノンはイソプレン基の数nが異なり、それに従って、例えば、PQ−9(n=9)と呼ばれる。更に、キノン環上に様々な置換体をもつ他のプラストキノンが存在する。
【0163】
クレアチンおよび/もしくはクレアチン誘導体は本発明の目的のために好ましい有効成分である。クレアチンは下記の構造
【0164】
【化18】
【0165】
を特徴としてもつ。
【0166】
好ましい誘導体はリン酸クレアチンおよび硫酸クレアチン、酢酸クレアチン、アスコルビン酸クレアチンおよび、カルボキシル基において一価−もしくは多価アルコールでエステル化された誘導体である。
【0167】
更なる有利な有効成分はL−カルニチン[3−ヒドロキシ−4−(トリメチルアンモニオ)−ブチロベタイン]である。下記の一般構造式
【0168】
【化19】
【0169】
[式中、Rは10個までの炭素原子をもつ分枝および非分枝アルキル基の群から選択される]
の物質の群から選択されるアシルカルニチンは本発明の目的のために有利な有効成分である。プロピオニルカルニチンおよびとりわけ、アセチルカルニチンが好ましい。双方のエナンチオマー(DおよびL型)を本発明の目的のために有利に使用することができる。更に、あらゆるエナンチオマー混合物、例えば、DおよびL型のラセミ体を使用することも有利かも知れない。
【0170】
更なる有利な有効成分はセリコシド、ピリドキソール、ビタミンK、ビオチンおよび芳香物質である。
【0171】
本発明に従う調製物中に使用することができる前記の有効成分および有効成分の組み合わせ物のリストはもちろん、制約することを意図されない。有効成分は個別にまたは相互とのあらゆる組み合わせ物中に使用することができる。
【0172】
皮膚老化は例えば、内因性の、遺伝的にに決定された因子により誘起される。老化の結果として、表皮および真皮は「老人性乾皮症」の用語でカバーすることもできる、例えば下記の構造的損傷および機能的障害、
a)乾燥、荒れおよび(乾燥)皺の形成、
b)掻痒並びに
c)皮脂腺による再脂肪補充の減少(例えば、洗浄後)
を経験する。
【0173】
UV光線および化学的有害物のような外因性因子は蓄積効果をもち、例えば、内因性老化過程を加速またはそれに追加する可能性がある。表皮および真皮は、とりわけ外因性因子の結果として、年代的老化の場合の損傷の程度および質を越える、例えば皮膚の下記の構造的損傷および機能的障害:
d)可視的血管拡張(毛細管拡張症、クペロシス(cuperosis))、
e)弛緩および皺の形成、
f)局所的色素沈着亢進、低色素症および色素沈着異常(例えば、老人斑)並びに
g)機械的ストレスに対する感受性増加(例えば、ひび割れ)
を経験する。
【0174】
驚くべきことには、本発明に従って選択される調製物はまた、皺抑制効果をもつかまたは既知の皺抑制有効成分の作用を著しく増加することができる。従って、本発明の目的のための調製物は特に有利には、例えば皮膚老化時に発生するような美容的または皮膚科学的な皮膚変化の予防および処置に適する。それらはまた、有利には、乾燥したまたは荒れた皮膚の発生を妨げるのに適する。
【0175】
従って、本発明は具体的な態様において、自然の方法で老化した皮膚の手入れのため、そして光線老化の二次的損傷、とりわけa)からg)に挙げられた現象の処置のための製品に関する。
【0176】
本発明に従う調製物の水相は有利には、通常の化粧品補助剤、例えばアルコール、とりわけ低炭素数のもの、好ましくは低炭素数のエタノールおよび/またはイソプロパノール、ジオールもしくはポリオールおよびそれらのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルおよび類似製品、ポリマー、気泡安定剤、電解質および加湿剤を含んで成ることができる。
【0177】
加湿剤は皮膚の表面上への適用または分配後に、化粧品または皮膚科学的調製物に対して、角化層による水分喪失量[経皮的水分喪失量(TEWL)とも呼ばれる]を減少させる特性を与え、そして/または角化層の水和に対して有益な効果を有する物質または物質の混合物を表わすために使用される用語である。
【0178】
本発明の目的のために有利な加湿剤は例えば、グリセロール、乳酸、ピロリドンカルボン酸および尿素である。更に、水に可溶性でそして/または水中で膨潤性で、そして/または水を使用してゲル化可能な多糖類の群からのポリマー加湿剤を使用することが特に有利である。例えばヒアルロン酸、キトサンおよび/または、ケミカアルアブストラクト(Chemical Abstracts)中の登録番号178463−23−5下に挙げられ、例えば、SOLABIA S.A.から商品名Fucogel(R)1000として入手可能な、フコース濃度の高い多糖類が特に有利である。
【0179】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は、特にそれらが装飾用化粧品の形態にある時に染料および/または色彩顔料を含んで成ることができる。染料および色彩顔料はCosmetics Directive(化粧品指針)の対応する有効なリストまたは化粧品着色剤のEC(欧州共同体)のリストから選択することができる。大部分の場合、それらは食品に対して認可された染料に等しい。有利な色彩顔料は例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えば、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH))および/または酸化錫である。有利な染料は例えば、カーマイン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよび/またはマンガンバイオレットである。染料および/または色彩顔料を下記のリストから選択することは特に有利である。カラーインデックス番号(CIN)はRowe Colour Index,3rd Edition,Society of Dyers and Colourists,Bradford,England,1971から採られている。
【0180】
【表6】
【0181】
【表7】
【0182】
【表8】
【0183】
【表9】
【0184】
【表10】
【0185】
【表11】
【0186】
【表12】
【0187】
本発明に従う調製物が顔面領域への使用を意図される製品の形態にある場合には、染料として次の群からの1種もしくは複数の物質を選択することが好ましい:2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2’−クロロ−4’−ニトロ−1’−フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド、2−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2’−アゾナフタレン−1’−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウムおよびバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミナム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のアルミナム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、4−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−1−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミナム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミナムおよびジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインのアルミナムおよびジルコニウム塩、3’,4’,5’,6’−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインおよびそのアルミナム塩、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインのアルミナム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミナム塩、インジゴジスルホン酸のアルミナム塩、赤および黒の酸化鉄(CIN:77491(赤)および77499(黒))、水和酸化鉄(CIN:77492)、二リン酸アンモニウムマンガンおよび二酸化チタン。
【0188】
油溶性の天然染料(例えばパプリカ抽出物、β−カロテンまたはコチニール)もまた有利である。
【0189】
真珠光沢顔料を含有する調製物もまた本発明の目的に有利である。とりわけ、下記のリストに挙げる型の真珠光沢顔料が好ましい:
1.天然の真珠光沢顔料、例えば、
・「真珠エッセンス」(魚鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)および
・「真珠の母」(粉砕カラスガイの殻)
2.単結晶の真珠光沢顔料(例えば、オキシ塩化ビスマス(BiOCl))
3.層状基剤の顔料(例えば、雲母/金属酸化物)。
【0190】
真珠光沢顔料のための基剤は例えば、オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタン、並びに雲母上オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンの微粉砕顔料またはヒマシ油分散物である。例えば、CIN77163下に挙げた光沢顔料が特に有利である。
【0191】
例えば、雲母/金属酸化物に基づいた下記の型の真珠光沢顔料もまた有利である。
【0192】
【表13】
【0193】
例えば、Timiron,ColoronaまたはDichronaの商品名でMerckから入手できる真珠光沢顔料が特に好ましい。
【0194】
与えられた真珠光沢顔料のリストはもちろん制約する意図はもたれない。本発明の目的に有利な真珠光沢顔料はそれ自体は知られた多数の方法により入手することができる。例えば、雲母以外の他の基剤を更なる金属酸化物(例えば、シリカ等)で被覆することができる。例えば、Merckにより販売され、微細なラインの光学的減少(optical reduction)に特に適したTiO2およびFe2O3で被覆されたSiO2粒子(「ロナスフィア」)は有利である。
【0195】
更に、雲母のような基剤で完全に分散させることは有利である可能性がある。雲母を使用せずに調製された鉄の真珠光沢顔料は特に好ましい。これらの顔料は例えば、BASFから商品名Sicopearl Kupfer 1000として入手できる。
【0196】
更に、Flora Tech.から様々な色彩(黄色、赤、緑、青)の、商品名Metasome Standard/Glitterとして入手できる有効な顔料もまた特に有利である。ここではきらめき粒子が様々な助染剤および染料(例えば、カラーインデックス(CI)番号19140,77007,77289,77491をもつ染料)との混合物中に存在する。
【0197】
染料および顔料は別個にも混合物中にも存在することができ、相互に被覆することができ、異なる被膜の厚さが概括的に異なる彩色効果をもたらす。染料および彩色顔料の総量は有利には、それぞれ調製物の総重量に基づいて例えば、0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜15重量%、とりわけ1.0〜10重量%の範囲から選択される。
【0198】
本発明の目的のためには、その主要目的は日光の遮蔽ではないが、しかしUV遮蔽物質を含む化粧品および皮膚科学的調製物を提供することも有利である。従って、例えばUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター物質が通常、デイクリームまたはメークアップ製品中に取り入れられる。UV遮蔽物質は抗酸化剤および、所望の場合には保存剤のように、また、劣化に対する調製物自体の有効な防護体を構成する。日焼け止め剤の形態の化粧品および皮膚科学的調製物もまた好ましい。
【0199】
従って、本発明の目的のための調製物は、本発明に従う1種もしくは複数のUVフィルター物質を含んで成ると同時に更に、少なくとも1種の更なるUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター物質を含んで成る。調製物は必須ではないが、場合によってはまた、水相および/または油相中に存在することができるUVフィルター物質として1種もしくは複数の有機および/または無機顔料を含んで成ることができる。
【0200】
好ましい無機顔料は、水に不溶性または実質的に不溶性の金属酸化物および/またはその他の金属化合物、とりわけチタン酸化物(TiO2)、亜鉛酸化物(ZnO)、鉄酸化物(例えばFe2O3)、ジルコニウム酸化物(ZnO2)、ケイ素酸化物(SiO2)、マンガン酸化物(例えばMnO)、アルミナム酸化物(Al2O3)、セリウム酸化物(例えばCe2O3)、対応する金属の混合酸化物、およびこれら酸化物の混合物である。
【0201】
本発明の目的のためのこれらの顔料は有利には、表面処理(被覆)することができ、その意図は例えば、両親媒性または疎水性を形成または保持することである。この表面処理は、それ自体は既知の方法により、顔料に薄い疎水性層を提供することから成ることができる。
【0202】
例えばオクチルシラノールで被覆された二酸化チタン顔料は本発明に従って有利である。適当な二酸化チタン粒子はDegussaから商品名T805として入手できる。ステアリン酸アルミナムで被覆されたTiO2顔料、例えば、TAYCAから商品名MT 100Tとして入手可能なものも特に有利である。
【0203】
無機顔料の更に有利な被膜はジメチルポリシロキサン(更に:ジメチコンとも呼ばれる)、トリメチルシロキシ単位で末端をブロックされた完全にメチル化された、線状のシロキサンポリマーの混合物、から成る。このように被覆された酸化亜鉛顔料が本発明の目的に特に有利である。
【0204】
ジメチルポリシロキサン、とりわけ200〜350個のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチルポリシロキサンおよび、シメチコンとも呼ばれるシリカゲルの混合物による無機顔料の被膜もまた有利である。とりわけ、無機顔料が更に水酸化アルミナムまたは酸化アルミナム水和物(更に:アルミナとも呼ばれる、CAS No.1333−84−2)で被覆されることも有利である。シメチコンおよびアルミナで被覆された二酸化チタンは特に有利であり、被膜が水を含んで成ることも可能である。その一例はMerckから商品名Eusolex T2000として入手可能な二酸化チタンである。
【0205】
本発明の目的に有利な有機顔料は2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)[INCI:ビスオクチルトリアゾール]であり、それは化学構造式
【0206】
【化20】
【0207】
を特徴としてもち、CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)として入手可能である。
【0208】
本発明に従う調製物は有利には、UV−Aおよび/またはUV−B領域のUV光線を吸収する物質を含んで成り、全領域の紫外線から毛髪および皮膚を遮蔽する化粧品調製物を提供するためのフィルター物質の総量は例えば、調製物の総重量に基づいて0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜20重量%、とりわけ1.0〜15.0重量%である。それらはまた毛髪または皮膚のための日焼け止め剤として使用することもできる。
【0209】
本発明の目的に有利なUV−Aフィルター物質はジベンゾイルメタン誘導体、とりわけ、GivaudanによりParsol(R)1789の商品名として、そしてMerckにより商品名Eusolex(R)9020として販売されている、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン(CAS No.70356−09−1)である。
【0210】
更に有利なUV−Aフィルター物質はフェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸
【0211】
【化21】
【0212】
およびその塩、特に対応するナトリウム、カリウムまたはトリエタノールアンモニウム塩、とりわけ、例えばHaarmann&ReimerからNeo Heliopan APの商品名で入手できる、INCI名ビスイミダジレート(Bisimidazylate)を有する、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩
【0213】
【化22】
【0214】
である。
【0215】
ベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル−10−スルホン酸)とも呼ばれ、下記の構造、
【0216】
【化23】
【0217】
を特徴としてもつ、1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよびその塩(とりわけ、対応する10−スルファト化合物、とりわけ対応するナトリウム、カリウムまたはトリエタノールアンモニウム塩)もまた有利である。
【0218】
本発明の目的に有利なUVフィルター物質はまた、広域フィルター、すなわちUV−Aおよび更にUV−B光線双方を吸収するフィルター物質、である。
【0219】
有利な広域フィルターまたはUV−Bフィルター物質は例えば、下記の構造
【0220】
【化24】
【0221】
[式中、R1、R2およびR3は相互に独立に1〜10炭素原子を有する分枝および非分枝アルキル基の群から選択されるか、または1個の水素原子である]
を有するビスレソルシニルトリアジン誘導体である。CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)Sとして入手できる2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:アニソ・トリアジン)は特に好ましい。
【0222】
高いまたは非常に高いUV−A遮蔽性を特徴としてもつ、本発明の目的に特に有利な調製物は好ましくは、2種以上のUV−Aおよび/または広域フィルター、とりわけ、それぞれ、個別にまたは相互とのあらゆる組み合わせ物としての、ジベンゾイルメタン誘導体[例えば、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン]、ベンゾトリアゾー誘導体[例えば2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)]、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’,5,5’−テトラスルホン酸および/もしくはその塩、1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよび/もしくはその塩並びに/または2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを含んで成る。
【0223】
構造式
【0224】
【化25】
【0225】
を有する他のUVフィルター物質、例えば、欧州特許出願公開第570 838号明細書に記載のs−トリアジン誘導体もまた、本発明の目的に有利なUVフィルター物質であり、その化学構造は一般式
【0226】
【化26】
【0227】
[式中、
Rは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基で置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基であり、
Xは酸素原子またはNH基であり、
R1は、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基もしくは式
【0228】
【化27】
【0229】
(ここで、
Aは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキルまたはアリール基であり、
R3は水素原子またはメチル基であり、
nは1〜10の数である)
の基であり、
R2は、XがNH基である時には、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基であり、そして
Xが酸素原子である時には、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基もしくは式
【0230】
【化28】
【0231】
(ここで、
Aは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキルまたはアリール基であり、
R3は水素原子もしくはメチル基であり、
nは1〜10の数である)
の基である]
により表わされる。
【0232】
本発明の目的に特に好ましいUVフィルター物質はまた、非対称的に置換されたs−トリアジンであり、その化学構造は式
【0233】
【化29】
【0234】
により表わされ、下記でジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI:ジオクチルブタミドトリアゾン)とも呼ばれ、Sigma 3VからUVASORB HEBの商品名で入手可能である。
【0235】
更に、商品名UVINUL(R)T 150としてBASF Aktiengesellschaftにより市販されている、対称的に置換されたs−トリアジン、4,4’,4”−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリス安息香酸トリス(2−エチルヘキシル)、同義語:2,4,6−トリス[アニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:オクチルトリアゾン)もまた本発明の目的に有利である。
【0236】
欧州特許出願公開第775 698号明細書はまた、好ましいビス−レソルシニルトリアジン誘導体につき記載しており、その化学構造は一般式
【0237】
【化30】
【0238】
[式中、R1、R2およびA1は非常に異なる有機基を表わす]
により表わされる。
【0239】
更に、2,4−ビス{[4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2”−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4−ビス{[4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2”−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンも本発明の目的に有利である。
【0240】
本発明の目的に有利な広域フィルターは2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)であり、それは化学構造式
【0241】
【化31】
【0242】
を特徴としてもち、CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)Mとして入手可能である。
【0243】
本発明の目的に有利なもう1種の広域フィルターは、INCI名ドロメトリゾール・トリシロキサンをもつ、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール(CAS No.:155633−54−8)であり、化学構造式
【0244】
【化32】
【0245】
を特徴としてもつ。
【0246】
UV−Bおよび/または広域フィルターは油溶性でも水溶性でもよい。有利な油溶性UV−Bおよび/または広域フィルター物質の例は、
・ 3−ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファー、
・ 4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミル、
・ 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、
・ ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは、4−メトキシベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、
・ ケイ皮酸のエステル、好ましくは、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸イソペンチル、
・ ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、および
・ ポリマーに結合したUVフィルター
である。
【0247】
有利な水溶性UV−Bおよび/または広域フィルター物質の例は、
・ 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸の塩(例えば、そのナトリウム、カリウムもしくはそのトリエタノールアンモニウム塩)、およびまたスルホン酸自体、
・ 3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体(例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸およびそれらの塩)、
である。
【0248】
本発明に従って有利に使用することができる更なる光線遮蔽フィルター物質は2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルヘキシル(オクトクリレン)であり、それはUvinul(R)N 539の名称でBASFから入手可能で、下記の構造
【0249】
【化33】
【0250】
を特徴としてもつ。
【0251】
本発明に従う調製物中に、ポリマー結合した、またはポリマーのUVフィルター物質、とりわけ国際公開第92/20690号パンフレットに記載のものを使用することもまた、著しく有利である可能性がある。
【0252】
更に、場合によっては、化粧品または皮膚科学的調製物中に、本発明に従う更なるUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター、例えばある種のサリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸2−エチルヘキシル(=サリチル酸オクチル)、サリチル酸ホモメンチル)を取り入れることもまた有利である可能性がある。
【0253】
本発明の目的のために使用することができる与えられたUVフィルターのリストはもちろん制限的意図はもたれない。
【0254】
全領域の紫外線から毛髪または皮膚を遮蔽する化粧品調製物を製造するためには本発明に従う調製物は有利には、、それぞれ調製物の総量に基づいて例えば0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜20重量%、とりわけ1.0〜15.0重量%の総量の、UV−Aおよび/またはUV−B領域のUV光線を吸収する物質を含んで成る。それらはまた毛髪または皮膚のための日焼け止め剤として使用することもできる。
【0255】
次の実施例は本発明を制約することなく、具体的に示す役割をもつ。別記されない限り、量、割合および百分率はすべて調製物の重量および総量または総重量に基づく。
【実施例】
【0256】
実施例1(発泡体様O/Wクリーム)
【0257】
【表14】
【0258】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。75℃に加熱した脂肪相を70℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。0.7バールの窒素ガスを通気しながら45分間撹拌し、冷却する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。27℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0259】
実施例2(発泡体様O/Wローション)
【0260】
【表15】
【0261】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を72℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。1.2バールの二酸化炭素を通気しながら45分間撹拌し、冷却する。30℃で添加剤(香料)を添加する。30℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0262】
実施例3(発泡体様O/Wローション)
【0263】
【表16】
【0264】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。開放反応容器中で30℃までの温度で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。25℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0265】
実施例4(発泡体様O/Wエマルションメークアップ)
【0266】
【表17】
【0267】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。78℃に加熱した脂肪相および顔料相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1.3バールの酸素を通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。添加物(香料および有効成分)を30℃で添加する。25℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0268】
実施例5(発泡体様O/Wクリーム)
【0269】
【表18】
【0270】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら0.7バールの亜酸化窒素を通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。26℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0271】
実施例6(発泡体様O/Wローション)
【0272】
【表19】
【0273】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。78℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1バールのアルゴンを通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。23℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0274】
実施例7(発泡体様日焼け止めクリーム)
【0275】
【表20】
【0276】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤(ヘクトライト)を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。熱い脂肪相中にクオターニウム−18ヘクトライトを前以て分散させる。78℃に加熱した脂肪相/光線遮蔽フィルター相を75℃に加熱した水相/光線遮蔽フィルター相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1バールのヘリウムを通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料)を添加する。23℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0001】
本発明は自己発泡性(self−foaming)および/または発泡体様(foam−like)の化粧品および皮膚科学的調製物、とりわけ皮膚手入れ用化粧品および皮膚科学的調製物に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡体(foams)または発泡体様調製物は分散系(disperse system)の1種である。
【0003】
もっとも重要でもっとも周知の分散系は圧倒的にエマルションである。エマルションは相互に不溶性かまたはごくわずかに可溶性の2種以上の液体の2相または多相系である。概括的にごく限られた安定性のみを有する液体(純粋なまたは溶液としての)は、多少とも細かい(fine)分布状態でエマルション中に存在する。
【0004】
発泡体は液体、半流動体、高粘度または固体の気泡(cell)のリブ(rib)により区画される、ガスの充填された、球状のもしくは多面体の気泡の構造物である。交差地点を介して接合された気泡のリブが連続的な枠組みを形成する。発泡体の層状体(lamellae)が気泡のリブ間に延伸する(閉鎖された気泡の発泡体)。発泡体の層状体が混乱させられたりまたは発泡体形成の終結時に気泡のリブ中に逆流する場合には、開放−気泡の発泡体が得られる。表面積の減少が表面エネルギーの生産をもたらすために、発泡体はまた、熱力学的に不安定である。従って、発泡体の安定性およびそれに従うその存在は、それがその自動破壊を妨げることができる度合いに左右される。
【0005】
化粧品発泡体は通常、そこで液体が分散剤を表わし、ガスが分散される物質を表わす、液体とガスの分散系である。低粘度の液体の発泡体は界面活性物質(界面活性剤、発泡体安定剤)により一時的に安定化される。それらの大きい内部表面積のために、これらの界面活性剤の発泡体は、例えば清浄化および洗浄操作に利用される高い吸着能をもつ。従って、化粧品の発泡体はとりわけ、清浄化の分野で、例えば髭剃り用発泡体としての、そして毛髪手入れの分野で使用される。
【0006】
発泡体を形成するためには、適当な液体中にガスを通気するか、または問題のガス雰囲気中で液体を激しくビートするか、震盪するか、噴霧するかまたは撹拌することにより発泡体形成が実施されるが、ただし、液体は、界面活性とは別にまた、ある程度の膜形成能を有する適当な界面活性剤または他の界面活性物質(「発泡体形成剤」)を含んで成ることとする。
【0007】
化粧品発泡体は、皮膚上への有効成分の微細な(fine)分配を可能にするという、他の化粧品調製物に優る利点を有する。しかし、化粧品発泡体は概括的に、更にしばしば皮膚により十分に許容されない具体的な界面活性剤を使用して初めて達成することができる。
【0008】
先行技術の更なる欠点は、このような発泡体がその理由のために、それらが通常約24時間以内に崩壊する、低い安定性のみを有する点である。しかし、化粧品調製物の必要条件は、それらができるだけ長く、数年間の安定性を有することである。この問題は概括的に、その目的のためには例えば、その中で、液化圧縮ガスが噴射ガスとして働くスプレー缶を使用することができる、適当なスプレーシステムを使用して、消費者が自身で、使用直前に実際の発泡体を生成することにより考慮されている。圧力弁を開放する時に、噴射剤液体混合物は微細なノズルをとおって逃げ、噴射剤は蒸発し、発泡体を残す。
【0009】
適用後発泡性の化粧品調製物もまた、それ自体は知られている。それらは最初に流動性形態でエアゾール容器から皮膚に適用され、わずかに遅れて、それらが、存在する適用後発泡剤、例えば髭剃り用発泡体の作用下にある皮膚上にある時にのみ、実際の発泡体を形成する。適用後発泡調製物はしばしば、特別の調製形態(例えば適用後発泡髭剃り用ゲル剤等)にある。
【0010】
しかし、先行技術には、調製中のような早期に発泡させて、しかし通常の方法で包装し、貯蔵し、市場に出荷するために十分に高い安定性をもつことができると考えられるどんな種類の化粧品または皮膚科学的調製物も含まれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は先行技術を充実させ、先行技術の欠点をもたない化粧品のまたは皮膚科学的な自己発泡性および/または発泡体様調製物を提供することであった。
【0012】
独国特許出願公開第197 54 659号明細書は二酸化炭素が、透過性バリヤーを高め、経皮的水分喪失量を減少し、そして相対的皮膚の湿気を増加する働きをすることができる、表皮のセラミド合成速度を安定化または増強するために適切な有効成分であることを開示している。皮膚を処置するためには、CO2を例えば、水中に溶解し、次にそれを使用して皮膚をすすぐ。しかし、これまでの先行技術には気体の有効成分を適当な濃度、すなわち有効濃度で取り込むことができるどんな種類の化粧品または皮膚科学的基剤も含まれていない。
【0013】
従って、その中に有効量の気体有効成分を取り入れることができる化粧品または皮膚科学的基剤を発見することが本発明の更なる目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
III.調製物の総容量に基づいて1〜90容量%の、空気、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、亜酸化窒素(N2O)および二酸化炭素(CO2)から成る群から選択される少なくとも1種のガス、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る自己発泡性および/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物が先行技術の欠点を克服することは、驚くべきことで、当業者により予見されることができなかった。
【0015】
今日までの先行技術に従うと、高い空気導入量を特徴とする発泡体様化粧品エマルションは噴射ガスを伴なわずには工業的に処方もしくは調製することができない。これは、とりわけ、古典的な乳化剤およびゲル化剤に基づき、剪断作用(撹拌、ホモジナイズ化)の結果として、極めて高い安定性をもつ発泡体を形成する系に当てはまる。本発明の結果として、ガスの導入は補助され、例えば、噴射ガスによるような先行技術に従う通常の適用後発泡剤を含むことなしに、比較的高温(例えば40℃)ですら、長期の貯蔵期間にわたり安定化させる、著明な適用後発泡効果が達成される。
【0016】
本発明に従う説は本仮説の精度に左右されることはないが−有利な特性はとりわけ無機ゲル化剤の存在に基づくと仮定される。
【0017】
この結果として、今日までの先行技術に比較して、初めて、優れた、新規のタイプの化粧品作用をもち、高温で長い貯蔵期間にわたり、並外れて高いガス容量(空気および/または他のガス(例えば、酸素、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等))を伴なう調製物を安定に形成することができる。同時に、それらは平均を上回る良好な皮膚手入れ性および非常に良好な感触性を特徴としてもつ。
【0018】
本発明の目的のための「自己発泡性」または「発泡体様」は、調製物が必ずしも肉眼的意味での発泡体の外観をもつ必要はない、1種(もしくは複数)の液相中に、気泡が(あらゆる)分配形態で存在することを意味すると理解される。本発明に従う自己発泡性および/または発泡体様化粧品または皮膚科学的調製物は例えば、液体中に分散されたガスの、肉眼で可視的に分散された系であることができる。しかし、発泡体の特徴は例えば、また(光学)顕微鏡下でのみ可視的であることもできる。更に、本発明に従う自己発泡性および/または発泡体様調製物は、特に気泡が光学顕微鏡下で認めるには小さすぎる時にまた、系の容量の急激な増加から認識することもできる。
【0019】
本発明に従う調製物はすべての点で極めて満足な調製物である。本発明に従う発泡体様調製物が、異常に高いガス容量の場合ですら、並外れて安定であることは特に驚くべきことであった。従って、それらは広範な使用目的をもつ調製形態のための基剤としての使用に特に適する。本発明に従う調製物は非常に良好な感触性(例えば、皮膚上への分配性または皮膚中への吸収能)をもち、更に平均を上回る皮膚手入れ性を特徴としてもつ。
【0020】
本発明は更に、
I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る、気体の有効成分のための化粧品のまたは皮膚科学的基剤としての、自己発泡性および/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物の使用を提供する。
【0021】
1種もしくは複数の乳化剤Aは好ましくは、通常のアルカリ(例えば水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸カリウム、並びにモノ−および/もしくはトリエタノールアミン)で全体的もしくは部分的に中和された脂肪酸の群から選択される。例えばステアリン酸およびステアレート、イソステアリン酸およびイソステアレート、パルミチン酸およびパルミテート、並びにミリスチン酸およびミリステートが特に有利である。
【0022】
1種もしくは複数の乳化剤Bは好ましくは、次の群:PEG−9ステアレート、PEG−8ジステアレート、PEG−20ステアレート、PEG−8ステアレート、PEG−8オレエート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−40ソルビタンラノレート、PEG−15グリセリルリチノーレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルイソステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−20ステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキステアレート、PEG−30グリセリルイソステアレート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30ステアレート、PEG−30グリセリルステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−50ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−150ラウレート、から選択される。例えばポリエトキシル化ステアリン酸エステルが特に有利である。
【0023】
1種もしくは複数の共乳化剤Cは好ましくは、次の群:ブチルオクタノール、ブチルデカノール、ヘキシルオクタノール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール(C22H45OH)、セテアリルアルコール[セチルアルコール(C16H33OH)およびステアリルアルコール(C18H37OH)の混合物]、ラノリンアルコール(羊毛ワックスの鹸化後に得られる羊毛ワックスの鹸化不可能なアルコール画分である、羊毛ワックスアルコール)から本発明に従って選択される。セチルアルコールおよびセチルステアリルアルコールが特に好ましい。
【0024】
乳化剤A:乳化剤B:共乳化剤Cの重量比(A:B:C)をa:b:cとして選択することが本発明に従って有利であり、ここでa、bおよびcは相互に独立に、1〜5、好ましくは1〜3の有理数であることができる。約1:1:1の重量比が特に好ましい。
【0025】
乳化剤AおよびBおよび共乳化剤Cの総量を調製物の総重量に基づいてそれぞれ、2〜20重量%、有利には5〜15重量%、とりわけ8〜13重量%の範囲から選択することが本発明の目的に有利である。
【0026】
本発明の目的のためには、調製物の気相が二酸化炭素を含んで成るかまたは二酸化炭素のみから成る場合に特に好ましい。二酸化炭素が本発明に従う調製物中の1有効成分もしくは有効成分である場合に特に有利である。
【0027】
本発明に従う組成物はそれらの調製中−例えば、撹拌中またはホモジナイズ中−ですら微細な泡の発泡体に発達する。本発明に従うと、優れた美容的エレガンスをもつ微細な泡の、濃厚な発泡体を得ることができる。更に、本発明に従って、貴重な成分を特に良好な方法で皮膚上に分配することができる、皮膚により特に良好に許容される調製物が得られる。
【0028】
本発明に従う調製物は必須ではないが、更なる乳化剤を含んで成ることが有利であるかも知れない。W/Oエマルションの調製に適した乳化剤を使用することが好ましく、それらは単独でもまたは相互とのあらゆる組み合わせ物中にでも存在することができる。
【0029】
更なる1種もしくは複数の乳化剤は有利には、次の化合物を含んで成る群から選択される:
ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、セチルジメチコン・コポリオール、グリコールジステアレート、グリコールジラウレート、ジエチレングリコールジラウレート、ソルビタントリオレエート、グリコールオレエート、グリセリルジラウレート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールジステアレート、スクロースジステアレート、PEG−3ヒマシ油、ペンタエリスリチルモノステアレート、ペンタエリスリチルセスキオレエート、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルジイソステアレート、ペンタエリスリチルモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、イソステアリルジグリセリルスクシネート、グリセリルカプレート、ヤシグリセリド、コレステロール、ラノリン、グリセリルオレエート(40%のモノエステルを含む)、ポリグリセリル−2セスキイソステアレート、ポリグリセリル−2セスキオレエート、PEG−20ソルビタン蜜蝋、ソルビタンオレエート、ソルビタンイソステアレート、トリオレイルホスフェート、グリセリルステアレートとセテアレス−20(Th.GoldschmidtからのTeginacid)、ソルビタンステアレート、PEG−7水素化ヒマシ油、PEG−5−ソーヤステロール、PEG−6ソルビタン蜜蝋、グリセリルステアレートSE、メチルグルコースセスキステアレート、PEG−10水素化ヒマシ油、ソルビタンパルミテート、PEG−22/ドデシルグリコール・コポリマー、ポリグリセリル−2PEG−4ステアレート、ソルビタンラウレート、PEG−4ラウレート、ポリソルベート61、ポリソルベート81、ポリソルベート65、ポリソルベート80、トリセテアレス−4ホスフェート、トリセテアレス−4ホスフェートとナトリウムC14−17アルキルsecスルホネート(HoechstからのHostacerin CG)、グリセリルステアレートとPEG−100ステアレート(ICIからのArlacel 165)、ポリソルベート85、トリセテアレス−4ホスフェート、PEG−35ヒマシ油、スクロースステアレート、トリオレス−8ホスフェート、C12−15パレス−12、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−16ソヤステロール、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート、PEG−40ヒマシ油、ナトリウムセテアリルスルフェート、レシチン、ラウレス−4ホスフェート、プロピレングリコールステアレートSE、PEG−25水素化ヒマシ油、PEG−54水素化ヒマシ油、グリセリルステアレートSE、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、グリセリルオレエートとプロピレングリコール、グリセリルラノレート、ポリソルベート60、グリセリルミリステート、グリセリルイソステアレートとポリグリセリル−3オレエート、グリセリルラウレート、PEG−40ソルビタンペルオレエート、ラウレス−4、グリセロールモノステアレート、イソステアリルグリセリルエーテル、セテアリルアルコールとナトリウムセテアリルスルフェート、PEG−22ドデシルグリコール・コポリマー、ポリグリセリル−2PEG−4ステアレート、ペンタエリスリチルイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート、ソルビタンオレエートと水素化ヒマシ油とCera albaとステアリン酸、ナトリウムジヒドロキシセチルホスフェートとイソプロピルヒドロキシセチルエーテル、メチルグルコースセスキステアレート、メチルグルコースジオレエート、ソルビタンオレエートとPEG−2水素化ヒマシ油とオゾケライトと水素化ヒマシ油、PEG−2水素化ヒマシ油、PEG−45/ドデシルグリコール・コポリマー、メトキシPEG−22/ドデシルグリコール・コポリマー、水素化ココグリセリド、ポリグリセリル−4イソステアレート、PEG−40ソルビタンペルオレエート、PEG−40ソルビタンペルイソステアレート、PEG−8蜜蝋、ラウリルメチコンコポリオール、ポリグリセリル−2ラウレート、ステアラミドプロピルPGジモニウムクロリドホスフェート、PEG−7水素化ヒマシ油、トリエチルシトレート、グリセリルステアレートシトレート、セチルホスフェート、ポリグリセロールメチルグルコースジステアレート、ポロキサマー101、カリウムセチルホスフェート、グリセリルイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート。
【0030】
本発明の目的のための1種もしくは複数の更なる乳化剤は好ましくは、親水性乳化剤の群から選択される。本発明に従うと、ソルビトールのモノ−、ジ−およびトリ−脂肪酸エステルが特に好ましい。
【0031】
本発明に従う更なる乳化剤の総量は有利には、調製物の総重量に基づき5重量%未満であるように選択される。
【0032】
本発明の目的のために使用することができる与えられる更なる乳化剤のリストはもちろんそれらを制約する意図はもたれない。
【0033】
本発明の目的のために特に有利な自己発泡性および/または発泡体様調製物はモノ−もしくはジグリセリル脂肪酸エステルを含まない。グリセリルステアレート、グリセリルイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルオレエート、グリセリルパルミテート、グリセリルミリステート、グリセリルラノレートおよび/またはグリセリルラウレートを含まない、本発明に従う調製物が特に好ましい。
【0034】
本発明に従う調製物の油相は有利には、≧30mN/mの極性を有する非極性の脂質の群から選択される。本発明の目的に特に有利な非極性脂質は下記に挙げられる。
【0035】
【表1】
【0036】
炭化水素のうちでは、とりわけパラフィン油および更なる水素化ポリオレフィン(例えば水素化ポリイソブテン、スクアランおよびスクアレン)を、本発明の目的のために有利に使用することができる。
【0037】
脂質相の含量は有利には、調製物の総重量に基づき、それぞれ、30重量%未満、好ましくは、2.5と30重量%の間、特に好ましくは5と15重量%の間であるように選択される。脂質相はまた、脂質相の総重量に基づき40重量%までの極性脂質(≦20mN/mの極性をもつ)および/または中間の極性の脂質(20〜30mN/mの極性をもつ)を含んで成ることが、必須ではないが、有利であるかも知れない。
【0038】
本発明の目的のために特に有利な極性脂質はすべての天然脂質(例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、ヤシ油、ココナツ油、ヒマシ油、麦胚油、ブドウの種油、アザミ油、ツキミソウ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、アボカド油等)および次に挙げるものである。
【0039】
【表2】
【0040】
本発明の目的のために特に有利な中程度に極性の脂質は下記のものである。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
「ヒドロコロイド」は、より正確な名称の「親水性コロイド」の技術的略語である。ヒドロコロイドは大部分線状の構造をもち、個々の分子の間に二次および一次原子価結合(secondary and primary valence bond)、並びに従って網状構造物の形成を許す分子間の相互作用力を有する高分子である。幾つかは、水系中でゲルまたは粘性溶液を形成する水溶性の天然のまたは合成のポリマーである。それらは水の移動性を制限すると同時に、水分子と結合すること(水和)によるかまたはそれらの相互に織込まれた高分子中に水を吸収し、封入することにより水の粘度を増加する。このような水溶性ポリマーは、それらの共通の特徴物が水中もしくは水性溶媒中のそれらの溶解度である、化学的に非常に異なる天然のおよび合成のポリマーの大きい群を表わす。この前提条件はこれらのポリマーが水中の溶解度のために十分な多数の親水性基をもち、かつあまり強度に架橋されていないことである。親水性基は、例えば次記:
【0044】
【化1】
【0045】
のように、非イオン、アニオンまたはカチオンの性質をもつことができる。
【0046】
美容的におよび皮膚科学的に関連したヒドロコロイドの群は下記:
・有機の天然化合物(例えば寒天、カラゲーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ポリオース、グア粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン)、
・有機の修飾された天然物質(例えばカルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースおよび微細結晶セルロース)、
・有機の完全に合成の化合物(例えばポリアクリルおよびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン)、
・無機化合物、例えば、ポリケイ酸、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカ)、
のように分類することができる。
【0047】
微細結晶セルロースは本発明の目的に有利なヒドロコロイドである。それは例えば、Avice(R)の商品名で”FMC Corporation Food and Pharmaceutical Products”から入手できる。本発明の目的のために特に有利な製品は89%の微細結晶セルロースおよび11%のカルボキシメチルセルロースナトリウムから成る修飾微細結晶セルロースである、Avice(R)等級RC−591である。このクラスの原料の更なる市販品はAvice(R)RC/CL、Avice(R)CE−15、Avice(R)500である。
【0048】
本発明に従って有利な更なるヒドロコロイドは例えば、セルロースのメチルエーテルに使用される用語であるメチルセルロースである。それらは下記の構造式
【0049】
【化2】
【0050】
[ここでRは水素またはメチル基であることができる]
を特徴としてもつ。
【0051】
主要な含有物のメチル基に加えて、更に2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基または2−ヒドロキシブチル基を含有する、概括的に同様にメチルセルロースとも称されるセルロース混合エーテルは本発明の目的に特に有利である。例えば、Dow Chemical Comp.から商品名Methocel(R) E4Mとして入手可能な、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロースが特に好ましい。
【0052】
構造式I中のRが水素および/またはCH2−COONaであることができるセルロースのグリコールエーテルのナトリウム塩の、カルボキシメチルセルロースナトリウムもまた、本発明に従って有利である。Aqualonから商品名Natrosol Plus 330 CSとして入手でき、セルロースガムとも呼ばれるカルボキシメチルセルロースナトリウムが特に好ましい。
【0053】
通常、トウモロコシの糖からの発酵により形成され、カリウム塩として単離されるアニオンのヘテロ多糖類であり、キサンタンガムとも呼ばれるキサンタン(CAS No.11138−66−2)もまた本発明の目的に好ましい。それは好気性条件下でキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)および幾つかの他の種により産生され、2×106〜24×106の分子量を有する。キサンタンは側鎖をもつβ−1,4−結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。サブグループの構造はグルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルベートから成る。キサンタンは最初の微生物によるアニオンのヘテロ多糖類に与えられた名称である。それは好気性条件下でキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)および幾つかの他の種により産生され、2〜15×106の分子量を有する。キサンタンは側鎖をもつβ−1,4−結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。サブグループの構造はグルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルベートから成る。ピルベート単位の数がキサンタンガムの粘度を決定する。キサンタンは使用される炭水化物に基づいて70〜90%の収率で2日間のバッチ培養物中で産生される。これに関しては25〜30g/lの収率が達成される。培養物を死滅させた後に、例えば2−プロパノールによる沈殿により仕上げ処理を実施する。次にキサンタンを乾燥し、粉砕する。
【0054】
本発明の目的のために有利なゲル形成剤はまた、紅藻(Florideae)[(トチャカ(Chondrus crispus)およびギガルチナ・ステラタ(Gingartina stellata)]に属する北大西洋紅藻からの、寒天に類似の構造をもつ、ゲル−形成抽出物のカラゲーンである。
【0055】
カラゲーンの用語はしばしば乾燥寒天生成物に対して、そしてカラゲーナンはその抽出物に対して使用される。寒天の熱水抽出物から沈殿されたカラゲーンは100 000〜800 000の範囲の分子量および約25%の硫酸塩含量を有する無色から砂色の粉末である。温水に非常に易溶性のカラゲーンは含水量が95〜98%である場合でも、冷却すると揺変性ゲルを形成する。ゲルの硬度はカラゲーンの二重らせん構造により影響を受ける。カラゲーナンの場合には、3種の主要成分が区別される:ゲル−形成性κ画分はD−ガラクトース4−スルフェートおよび、1,3−位および1,4−位において交互のグリコシド結合を有する3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトースから成る(それに対し、寒天は3,6−アンヒドロ−α−L−ガラクトースを含む)。非ゲル化λ画分は1,3−グリコシドにより結合されたD−ガラクトース2−スルフェートおよび1,4−結合されたD−ガラクトース−2,6−ジスルフェート基から成り、冷水に易溶性である。1,3−結合におけるD−ガラクトース4−スルフェートおよび1,4−結合における3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトース2−スルフェートから成るτ−カラゲーナンは双方とも、水溶性で、かつまたゲル−形成性である。更なるカラゲーン等級も同様にギリシャ文字、α、β、γ、μ、υ、ξ、π、ω、χを使用して言及される。存在するカチオンの種類(K+、NH4 +、Na+、Mg2+、Ca2+)もまたカラゲーンの溶解度に影響を与える。
【0056】
化粧品調製物中へのキトサンの使用それ自体は知られている。キトサンは部分的に脱アシル化されたキチンを表わす。このバイオポリマーはなかでも、膜形成性をもち、皮膚上にシルキーな感触を特徴として与える。しかし、欠点は、とりわけ適用中に−一時的に−起る皮膚上でのそのひどい粘つきである。個々の場合に、それらは消費者により許容されず、そして/または否定的にみられるので、その場合には、対応する調製物は商品化できないであろう。知られているように、キトサンは例えば毛髪の手入れに使用される。それは、増粘剤または安定剤としてそれが基礎とするキチンよりも、より良い程度に適切であり、ポリマーの膜の付着および水抵抗性を改善する。先行技術の多数の参考文献の代表は、H.P.Fiedler,”Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete”[Lexikon of Axiliaries for Pharmacy,Cosmetics and Related Fields],第3版 1989,Editio Cantor,Aulendorf,p.293,キーワード「キトサン」である。
【0057】
キトサンは下記の構造式
【0058】
【化3】
【0059】
を特徴としてもち、ここで、nは10 000までの値を採り、Xはアセチル基または水素のいずれかである。キトサンは、下記の構造式
【0060】
【化4】
【0061】
を特徴としてもつキチンの脱アセチル化および部分的解重合(加水分解)により形成される。キチンは節足類(例えば、昆虫、蟹、クモ)の外部骨格[’οχιτωυ=ギリシャ語:外皮]の本質的成分であり、他の生物(例えば、軟体動物、寒天、カビ)の支持組織中にも認められる。
【0062】
キトサンは約pH<6の領域では正に帯電し、その領域ではまた水系中に可溶性である。それはアニオンの原料と非相容性である。このために、キトサン含有の水中油エマルションを調製するためには、非イオン乳化剤の使用が適当である。これら自体は、例えば、欧州特許第776 657号明細書から知られる。
【0063】
本発明に従うと、>25%、とりわけ>55〜99%の脱アセチル化度[1H−NMRにより測定]をもつキトサンが好ましい。
【0064】
10 000と1 000 000の間の分子量をもつキトサン、とりわけ100 000と1 000 000の間の分子量をもつものを選択することが有利である[ゲル透過クロマトグラフィーにより測定]。
【0065】
ポリアクリレートも同様に本発明の目的に有利に使用することができるゲル化剤である。本発明に従って有利なポリアクリレートはアクリレート−アルキルアクリレート・コポリマー、とりわけいわゆるカーボマーまたはカーボポールの群から選択されるものである(Carbopol(R)は実際B.F.Goodrich Companyの登録商標である)。とりわけ、本発明に従って有利なアクリレート−アルキルアクリレート・コポリマーは下記の構造:
【0066】
【化5】
【0067】
[ここで、R’は長鎖のアルキル基であり、xおよびyは各コモノマーのそれぞれの化学量論的割合を記号化する数字を表わす]
を特徴としてもつ。
【0068】
本発明に従うと、B.F.Goodrich Companyから商品名のCarbopol(R)1382、Carbopol(R)981およびCarbopol(R)5984として入手できるアクリレートコポリマーおよび/またはアクリレート−アルキルアクリレートコポリマー、好ましくは、Carbopol等級980、981、1382、2984、5984の群からのポリアクリレート、および特に好ましくは、Carbomer2001が特に好ましい。
【0069】
C10−30−アルキルアクリレートと、スクロースのアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋しているアクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの1種もしくは複数のモノマーとのコポリマーもまた有利である。
【0070】
INCI名「アクリレート/C10−30−アルキルアクリレート・クロスポリマー」をもつ化合物は有利である。B.F.Goodrichから商品名Pemulen TR1およびPemulen TR2として入手できるポリマーが特に有利である。
【0071】
INCI名アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン・コポリマーをもつ化合物は有利である。
【0072】
本発明に従うアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン・コポリマーは実験式[C7H16N2SO4]n[C6H9NO]mをもち、それは下記の統計的構造
【0073】
【化6】
【0074】
に対応する。
【0075】
本発明の目的に好ましい群はケミカルアブストラクト(Chemical Abstracts)中の登録番号58374−69−9、13162−05−5および88−12−0下にリストに載せられ、Clariant GmbHから商品名Aristoflex(R)AVCとして入手できる。
【0076】
例えば、Seppic S.A.からのSimugel(R)EGまたはSimugel(R)EGのようなアクリロイルジメチルタウレートを含んで成るコポリマー/クロスポリマーも有利である。
【0077】
本発明に従って有利に使用することができる更なるヒドロコロイドはまた、
1.水中に可溶性または分散性で、かつ
i)1分子当り2個以上の活性水素原子を含む少なくとも1種の化合物、
ii)酸または塩の基を含む少なくとも1種のジオール、並びに
iii)少なくとも1種のジイソシアネート、
から有利に得ることができるアニオンのポリウレタン、
である。
【0078】
成分i)はとりわけ、後記の化合物の3モル%までがトリオールまたはトリアミンにより置換されていてもよい、それぞれ3000までの平均分子量数をもつジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエステロール、ポリエテロール、またはそれらの混合物である。ジオールおよびポリエステルジオールが好ましい。成分(a)はとりわけ、成分(a)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のポリエステルジオールを含んで成る。適当なポリエステルジオールはポリウレタンの調製に通常使用されるものすべて、とりわけフタル酸とジエチレングリコールの、イソフタル酸と1,4−ブタンジオールの、イソフタル酸/アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの、およびアジピン酸とエチレングリコールまたは5−NaSO3−イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの反応生成物、である。
【0079】
使用することができるジオールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエテロール(例えば、3000までの分子量をもつポリエチレングリコール)、エチレン・オキシドと3000までの平均分子量値をもつプロピレン・オキシドのブロックコポリマーまたは、不作為の分配またはブロックの形態でコポリマー化されたアルキレン・オキシド単位を含むエチレン・オキシド、プロピレン・オキシドおよびブチレン・オキシドのブロックコポリマー、である。エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−もしくはヘキサエチレングリコールが好ましい。使用することができる他のジオールはポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)ジオールである。適したアミノアルコールは例えば、2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノールまたは4−アミノブタノールである。
【0080】
適したジアミンの例はエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタンおよび1,6−ジアミノヘキサン、並びにアンモニアによるポリアルキレン・オキシドのアミノ化により調製することができるα,ω−ジアミンである。
【0081】
成分ii)はとりわけ、ジメチロールプロパン酸または式
【0082】
【化7】
【0083】
[ここで、RRはそれぞれ、C2−C18−アルキレン基であり、MeはNaまたはKである]
の化合物である。
【0084】
成分iii)はとりわけ、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルジフェニルイソシアネート(MDI)および/またはトリレンジイソシアネートである。
【0085】
ポリウレタンはi)およびii)群の化合物を不活性ガス雰囲気下で70〜130℃の温度の不活性溶媒中でiii)群の化合物と反応させることにより得ることができる。この反応は場合によっては、比較的高分子量をもつポリウレタンを調製するために連鎖延長剤の存在下で実施することができる。ポリウレタンの調製において通常のように、成分[(i)+(ii)]:iii)]は有利には0.8〜1.1:1のモル比で使用される。ポリウレタンの酸価は組成、および成分(i)+(ii)の混合物中の成分(ii)の化合物の濃度により決定される。
【0086】
ポリウレタンは15〜100、好ましくは、25〜50の、H.FikentscherによるK値(25℃でpH7におけるN−メチルピロリドン中0.1重量%濃度溶液中で決定)を有する。
【0087】
固有粘度とも呼ばれるK値はポリマー溶液の粘度測定により決定が容易なパラメーターであり、従ってポリマーの特徴を表わすために工業部門でしばしば使用される。ある種のポリマーに対しては、研究された試料の平均モル質量に応じて、それ自体の標準化測定条件下でそれが認容され、フィケンチャー(Fikentscher)等式
【0088】
【数1】
【0089】
[式中、ηr=相対粘度(溶液の動力学的粘度/溶媒の動力学的粘度)であり、c=溶液中のポリマーの質量濃度(g/cm3)である]
に従う等式のK値=1000kにより計算される。
【0090】
酸の基を含有するポリウレタンは、中和(部分的または完全な)後、乳化剤の補助を伴なわずに水溶性または分散性である。ポリウレタンの塩は概括的に非中和ポリウレタンよりもより良い水中溶解性または分散性を有する。ポリウレタンの中和に使用することができる塩基はアルカリ金属塩基(例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、ソーダ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウム)、およびアルカリ土類金属塩基(例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウム)並びにアンモニアおよびアミンである。2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエチルアミノプロピルアミンおよびトリイソプロパノールアミンは酸の基を含むポリウレタンの中和のために特に有用であることが判明した。酸の基を含むポリウレタンの中和はまた、2種以上の塩基の混合物、例えば、水酸化ナトリウム溶液とトリイソプロパノールアミンの混合物、を使用して実施することもできる。意図される用途に応じて、中和は部分的、例えば、20〜40%まででも、または完全、すなわち100%にすることができる。
【0091】
これらのポリマーおよびそれらの調製は、その全体の範囲が本明細書中に引用されている独国特許第42 25 045号明細書に、より詳細に記載されている。
【0092】
2.a)1分子当たり2個以上の活性水素原子を含む1種もしくは複数の化合物と前以てすでに反応させることができる少なくとも1種のジイソシアネート、および
b)1種もしくは複数の第三級、第四級もしくはプロトン化第三級アミノ窒素原子をもつ少なくとも1種のジオール、第一級もしくは第二級アミノアルコール、第一級もしくは第二級ジアミンまたは第一級もしくは第二級トリアミン、
を含んで成る水溶性または水分散性カチオンのポリウレタンおよびポリ尿素。
【0093】
好ましいジイソシアネートは上記1)の項に与えられたものである。2個以上の活性水素原子をもつ化合物にはジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエテロール、ポリアミドジアミンおよびポリエテロールがある。この種類の適当な化合物は上記1)の項に与えられたものである。
【0094】
ポリウレタンは1)の項に前述されたように調製される。帯電したカチオン基がポリ尿素中で、例えば、乳酸のようなカルボン酸によるプロトン化により、または例えば、C1−C4−アルキルハロゲン化物もしくはスルフェートのようなアルキル化剤による第四級化により、存在する第三級アミノ窒素原子から生成することができる。これらのアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチルおよび硫酸ジエチルである。
【0095】
これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書中に引用されている、独国特許第42 41 118号明細書に、より詳細に記載されている。
【0096】
3.i)ポリウレタン1g当たり0.35〜2.25ミリ当量の、ポリウレタン中に存在することができるカルボキシル基に十分な量で使用される、式
【0097】
【化8】
【0098】
[ここで、RR’は水素原子またはC1−C20−アルキル基である]
の2,2−ヒドロキシメチル−置換カルボン酸、
ii)ポリウレタンの重量に基づいて10〜90重量%の、2個を超えない活性水素原子を含む1種もしくは複数の有機化合物、並びに
iii)1種もしくは複数の有機ジイソシアネート
を含んで成るカルボキシレート基を含む線状ポリウレタン。
【0099】
ポリウレタン中に存在するカルボキシル基は最後に、適当な塩基により少なくとも部分的に中和される。これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書に引用されている、欧州特許第619 111号明細書に記載されている。
【0100】
4.トリ−もしくはテトラカルボン酸およびジオール、ジアミンまたはアミノアルコールの無水物のカルボキシル−含有の重縮合生成物(ポリエステル、ポリアミドまたはポリエステルアミド)。これらのポリマーおよびそれらの調製はその全体の範囲が本明細書に引用されている、独国特許第42 24 761号明細書に、より詳細に記載されている。
【0101】
5.独国特許第43 14 305号、第36 27 970号および第29 17 504号明細書に、より詳細に記載されているような、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート。これらの刊行物の全体が本明細書に引用されている。
【0102】
本発明に従って使用されるポリマーは好ましくは、25〜100、好ましくは25〜50のK値を有する。ポリマーは概括的に、組成物の総重量に基づいて0.2〜20重量%の範囲の量で本発明に従う組成物中に存在する。塩はポリマーの交換性を改善するための有効量で使用される。概括的に、塩は組成物の総重量に基づいて0.02〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%そしてとりわけ、0.1〜3重量%の量で使用される。
【0103】
完成化粧品または皮膚科学的調製物中の1種もしくは複数のヒドロコロイドの総量は有利には、調製物の総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは0.1と1.0重量%の間であるように選択される。
【0104】
本発明に従う化粧品および/または皮膚科学的調製物は通常の組成をもつことができる。本発明の目的のための皮膚手入れ用調製物は特に有利であり:それらは美容的および/または皮膚科学的光線遮蔽のために、そして更に皮膚および/または毛髪の処置のため、そして装飾化粧品におけるメークアップ製品として使用することができる。本発明の更なる有利な態様は日焼け後用製品にある。
【0105】
化粧品のまたは局所用皮膚科学的組成物は、それらの構造に対応して、例えば、皮膚保護クリーム、デイクリームまたはナイトクリーム等として本発明の目的のために使用することができる。本発明に従う組成物を医薬調製物の基剤として使用することは可能であり、有利であるかも知れない。
【0106】
ちょうど、液体および固体のコンシステンシーのエマルションが化粧品のクレンジングローションまたはクレンジングクリームとして使用されるように、本発明に従う調製物もまた、例えば、メークアップ落としのためまたは、恐らくはまた疾患皮膚のための緩和な洗浄発泡体として使用することができる「クレンジングフォーム」であることもできる。このようなクレンジングフォームは有利にはまた、適用後に皮膚からすすぎ落とされる「リンスオフ」調製物として使用することもできる。
【0107】
本発明に従う化粧品および/または皮膚科学的調製物はまた、有利には、毛髪または頭皮の手入れ用フォーム剤、とりわけ整髪用フォーム剤、毛髪をブロードライする時に使用されるフォーム剤、スタイルフォームおよびトリートメントフォーム剤の形態にすることができる。
【0108】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は使用のためには、化粧品として通常の方法で、適量を皮膚および/または毛髪に適用される。
【0109】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は、このような調製物中に通常使用されるような化粧品補助剤、例えば保存剤、保存剤補助剤、殺バクテリア剤、香料、染料、着色作用をもつ顔料、加湿剤および/または保湿剤、皮膚上の感触を改善する充填剤、脂肪、油、ワックスまたは化粧品または皮膚科学的調製物のその他の通常の成分(例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体)を含んで成ることができる。
【0110】
本発明の目的に有利な保存剤は例えば、ホルムアルデヒド供与体(例えば、DMDMヒダントイン)、ヨードプロピルブチルカルバメート(例えば、Lonzaからの商品名Koncyl−L、Koncyl−SおよびKonkaben LMBとして市販のもの)、パラベン、フェノキシエタノール、エタノ−ル、安息香酸等である。本発明に従う保存剤系は通常また、有利には、保存剤補助剤、例えば、オクトキシグリセロール、大豆グリシン等を含んで成る。
【0111】
特に有利な調製物はまた、抗酸化剤が添加剤または有効成分として使用される場合に得られる。本発明に従う調製物は有利には、1種もしくは複数の抗酸化剤を含んで成る。好ましいが、場合により使用される使用可能な抗酸化剤は、美容的および/または皮膚科学的適用に通常のまたは適したすべての抗酸化剤である。
【0112】
抗酸化剤は有利には、非常に少量の許容投与量(例えばpmol〜μmol/kg)における、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプロファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)のようなペプチド、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びに、それらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシイミン化合物(例えばブチオニン・スルホキシイミン、ホモシステイン・スルホキシイミン、ブチオニン・スルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニン・スルホキシイミン)、並びに更に、(金属)錯体形成剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(パルミチン酸ビタミンA)およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば酸化スチルベン、,酸化トランス−スチルベン)並びに、本発明に従って適切な前記の活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)から成る群から選択される。
【0113】
本発明の目的のためには、水溶性抗酸化剤(例えば、ビタミン、例えば、アルコルビン酸およびその誘導体)を特に有利に使用することができる。
【0114】
本発明に従う調製物の驚くべき特性は、それらが皮膚中への化粧品のまたは皮膚科学的有効成分のための非常に良好なビヒクルであることであり、そこで、好ましい有効成分は酸化的ストレスに対して皮膚を防護することができる抗酸化剤である。ここで好ましい抗酸化剤は、ビタミンEおよびその誘導体並びにビタミンAおよびその誘導体である。
【0115】
調製物中の抗酸化剤(1種もしくは複数の化合物)の量は好ましくは、調製物の総重量に基づいて、0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、とりわけ0.1〜10重量%である。
【0116】
ビタミンEおよび/もしくはその誘導体が1種もしくは複数の抗酸化剤である場合には、調製物の総重量に基づいて、0.001〜10重量%の範囲からそれらそれぞれの濃度を選択することが有利である。
【0117】
ビタミンAもしくはビタミンA誘導体、またはカロテンもしくはそれらの誘導体が1種もしくは複数の抗酸化剤である場合には、調製物の総重量に基づいて、0.001〜10重量%の範囲からそれらそれぞれの濃度を選択することが有利である。
【0118】
有効成分(1種もしくは複数の化合物)はまた非常に有利には、親油性有効成分の群から、とりわけ下記の群:
アセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ヒドロコーチゾンおよびその誘導体(例えばバレリン酸ヒドロコーチゾン−17)、BおよびDシリーズのビタミン、非常に好ましくは、ビタミンB1、ビタミンB12およびビタミンD1、しかし更にビサボロール、不飽和脂肪酸、すなわち必須脂肪酸(しばしばビタミンFとも呼ばれる)、とりわけガンマ−リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸およびそれらの誘導体、クロロアンフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン、チモール、カンファー、植物または動物由来の抽出物または他の製品(例えば、ツキミソウ油、ルリジサ油またはスグリの種油、魚油、肝油および更にセラミドおよびセラミド−様化合物、等)、
から本発明に従って選択することができる。
【0119】
再脂肪補充物質、例えば、パーセリン(purcellin)油、Eucerit(R)およびNeocerit(R)の群から有効成分を選択することも有利である。
【0120】
特に本発明に従う調製物が内因性および/または外因性皮膚老化の症候の処置および予防のため、そして皮膚に対する紫外線の有害効果の治療および予防のために使用される場合には、1種もしくは複数の有効成分はまた、NOシンターゼ阻害剤の群から特に有利に選択される。
【0121】
好ましいNOシンターゼ阻害剤はニトロアルギニンである。
【0122】
1種もしくは複数の有効成分はまた有利には、カテキンおよびカテキンの胆汁エステル並びにカテキンまたはカテキンの胆汁エステルを含む植物または植物の部分例えば、ツバキ(Theaceae)の木族、とりわけチャ(Camellia sinensis)(緑茶)種の葉からの水性または有機抽出物を含む群から選択される。それらの具体的な成分(例えば、ポリフェノールまたはカテキン、カフェイン、ビタミン、糖、ミネラル、アミノ酸、脂質)が特に有利である。
【0123】
カテキン類は水素化フラボンまたはアントシアニジンとみなすことができる化合物の1群であり、「カテキン」(カテコール、3,3’,4’,5,7−フラバンペンタオール、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)クロマン−3,5,7−トリオール)の誘導体である。エピカテキン((2R,3R)−3,3’,4’,5,7−フラバンペンタオール)もまた、本発明の目的のための有利な有効成分である。
【0124】
更に、カテキンを含む植物抽出物、とりわけ緑茶の抽出物、例えば、カメリア種の植物、極めて特には、チャ(Camellia sinensis)、カメリア・アッサミカ(Camellia assamica)、カメリア・タリエンシス(Camellia taliensis)およびカメリア・イラワジエンシス(Camellia irrawadiensis)のタイプおよび例えば、ツバキ(Camellia japonica)とのこれらの雑種の植物の葉からの抽出物も有利である。
【0125】
好ましい有効成分はまた、ポリフェノールまたは、(−)−カテキン、(+)−カテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(+)−エピカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンおよび(−)−エピガロカテキンガレートの群からのカテキンである。
【0126】
フラボンおよびその誘導体(しばしば集合的に「フラボン類」とも呼ばれる)もまた、本発明の目的のために有利な有効成分である。それらは下記の基礎構造(置換位置が示される):
【0127】
【化9】
【0128】
を特徴としてもつ。
【0129】
更に、本発明に従う調製物中に好ましく使用することができる、より重要なフラボンのいくつかを次表に与える。
【0130】
【表5】
【0131】
自然界では、フラボンは通常、グリコシル化形態にある。
【0132】
本発明に従うフラボノイドは好ましくは、一般構造式
【0133】
【化10】
【0134】
[式中、Z1〜Z7は相互に独立に、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシから成る群から選択され、ここでアルコキシおよびヒドロキシアルコキシ基は分枝でも非分枝でもよく、1〜18炭素原子をもつことができ、かつGlyはモノ−およびオリゴグリコシド基の群から選択される]
の物質の群から選択される。
【0135】
しかし、本発明に従うフラボノイドは更に、有利には、一般構造式
【0136】
【化11】
【0137】
[式中、Z1〜Z6は相互に独立に、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシから成る群から選択され、ここでアルコキシおよびヒドロキシアルコキシ基は分枝または非分枝であり、1〜18炭素原子をもつことができ、ここでGlyはモノおよびオリゴグリコシド基の群から選択される]
の物質の群から選択することもできる。
【0138】
好ましくは、このような構造物は一般構造式
【0139】
【化12】
【0140】
[式中、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、モノグリコシド基である。Gly2およびGly3はまた、個別にまたは一緒に、水素原子による飽和体を表わすことができる]
の物質の群から選択することができる。
【0141】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、ヘキソシル基、とりわけラムノシル基およびグルコシル基の群から選択される。しかし、他のヘキソシル基(例えばアロシル、アトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシル)もまた、いくつかの状況においては有利に使用することができる。ペントシル基を使用することも、本発明に従って有利であるかも知れない。
【0142】
Z1〜Z5は相互に独立に、H、OH、メトキシ、エトキシおよび2−ヒドロキシエトキシから成る群から有利に選択され、フラボングリコシドは構造
【0143】
【化13】
【0144】
を有する。
【0145】
本発明に従うフラボングリコシドは特に有利には下記の構造:
【0146】
【化14】
【0147】
[式中、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、モノグリコシド基である。Gly2およびGly3はまた個別にまたは一緒に、水素原子による飽和体を表わすことができる]
により与えられる群から選択される。
【0148】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立に、ヘキソシル基、とりわけラムノシル基およびグルコシル基の群から選択される。しかし、他のヘキソシル基(例えばアロシル、アトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシル)もまた、いくつかの状況においては有利に使用することができる。ペントシル基を使用することも、本発明に従って有利であるかも知れない。
【0149】
α−グルコシルルチン、α−グルコシルミリセチン、α−グルコシルイソクエルシトリン、α−グルコシルイソクエルセチンおよびα−グルコシルクエルシトリンから成る群から1種もしくは複数のフラボングルコシドを選択することは本発明の目的のために特に有利である。
【0150】
α−グルコシルルチンは本発明に従って、特に好ましい。
【0151】
更に、ナリンギン(アウランチン、ナリンゲニン−7−ラムノグルコシド)、ヘスペリジン(3’,5,7−トリヒドロキシ−4’−メトキシフラバノン−7−ルチノシド、ヘスペリドシド、ヘスペレチン−7−O−ルチノシド)、ルチン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン−3−ルチノシド、クエルセチン−3−ルチノシド、ソホリン、ビルタン、ルタビオン、タウルチン、フィトメリン、メリン)、トロキセルチン(3,5−ジヒドロキシ−3’,4’,7−トリス(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、モノキセルチン(3,3’,4’,5−テトラヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、ジヒドロロビネチン(3,3’,4’,5’,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、タキシホリン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、エリオジクチオール−7−グルコシド(3’,4’,5,7−テトラヒドロキシフラバノン−7グルコシド)、フラバノンマレイン(3’,4’,7,8−テトラヒドロキシフラバノン−7グルコシド)およびイソクエルセチン(3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバノン−3−(β−D−グルコピラノシド)も本発明に従って有利である。
【0152】
ユビキノンおよびプラストキノンの群から1種もしくは複数の有効成分を選択することもまた有利である。
【0153】
ユビキノンは構造式
【0154】
【化15】
【0155】
を特徴とし、もっとも普及しており、従ってもっとも研究された生物キノンである。ユビキノンは側鎖に結合されたイソプレン単位の数によりQ−1、Q−2、Q−3等、または炭素原子数によりU−5、U−10、U−15等と呼ばれる。それらは好ましくは、ある鎖長を伴なって出現し、例えば、いくつかの微生物および酵母菌においてはn=6である。ヒトを含む大部分の哺乳動物においてはQ10が主流である。
【0156】
補酵素Q10は特に有利であり、下記の構造式
【0157】
【化16】
【0158】
を特徴としてもつ。
【0159】
プラストキノンは一般構造式
【0160】
【化17】
【0161】
をもつ。
【0162】
プラストキノンはイソプレン基の数nが異なり、それに従って、例えば、PQ−9(n=9)と呼ばれる。更に、キノン環上に様々な置換体をもつ他のプラストキノンが存在する。
【0163】
クレアチンおよび/もしくはクレアチン誘導体は本発明の目的のために好ましい有効成分である。クレアチンは下記の構造
【0164】
【化18】
【0165】
を特徴としてもつ。
【0166】
好ましい誘導体はリン酸クレアチンおよび硫酸クレアチン、酢酸クレアチン、アスコルビン酸クレアチンおよび、カルボキシル基において一価−もしくは多価アルコールでエステル化された誘導体である。
【0167】
更なる有利な有効成分はL−カルニチン[3−ヒドロキシ−4−(トリメチルアンモニオ)−ブチロベタイン]である。下記の一般構造式
【0168】
【化19】
【0169】
[式中、Rは10個までの炭素原子をもつ分枝および非分枝アルキル基の群から選択される]
の物質の群から選択されるアシルカルニチンは本発明の目的のために有利な有効成分である。プロピオニルカルニチンおよびとりわけ、アセチルカルニチンが好ましい。双方のエナンチオマー(DおよびL型)を本発明の目的のために有利に使用することができる。更に、あらゆるエナンチオマー混合物、例えば、DおよびL型のラセミ体を使用することも有利かも知れない。
【0170】
更なる有利な有効成分はセリコシド、ピリドキソール、ビタミンK、ビオチンおよび芳香物質である。
【0171】
本発明に従う調製物中に使用することができる前記の有効成分および有効成分の組み合わせ物のリストはもちろん、制約することを意図されない。有効成分は個別にまたは相互とのあらゆる組み合わせ物中に使用することができる。
【0172】
皮膚老化は例えば、内因性の、遺伝的にに決定された因子により誘起される。老化の結果として、表皮および真皮は「老人性乾皮症」の用語でカバーすることもできる、例えば下記の構造的損傷および機能的障害、
a)乾燥、荒れおよび(乾燥)皺の形成、
b)掻痒並びに
c)皮脂腺による再脂肪補充の減少(例えば、洗浄後)
を経験する。
【0173】
UV光線および化学的有害物のような外因性因子は蓄積効果をもち、例えば、内因性老化過程を加速またはそれに追加する可能性がある。表皮および真皮は、とりわけ外因性因子の結果として、年代的老化の場合の損傷の程度および質を越える、例えば皮膚の下記の構造的損傷および機能的障害:
d)可視的血管拡張(毛細管拡張症、クペロシス(cuperosis))、
e)弛緩および皺の形成、
f)局所的色素沈着亢進、低色素症および色素沈着異常(例えば、老人斑)並びに
g)機械的ストレスに対する感受性増加(例えば、ひび割れ)
を経験する。
【0174】
驚くべきことには、本発明に従って選択される調製物はまた、皺抑制効果をもつかまたは既知の皺抑制有効成分の作用を著しく増加することができる。従って、本発明の目的のための調製物は特に有利には、例えば皮膚老化時に発生するような美容的または皮膚科学的な皮膚変化の予防および処置に適する。それらはまた、有利には、乾燥したまたは荒れた皮膚の発生を妨げるのに適する。
【0175】
従って、本発明は具体的な態様において、自然の方法で老化した皮膚の手入れのため、そして光線老化の二次的損傷、とりわけa)からg)に挙げられた現象の処置のための製品に関する。
【0176】
本発明に従う調製物の水相は有利には、通常の化粧品補助剤、例えばアルコール、とりわけ低炭素数のもの、好ましくは低炭素数のエタノールおよび/またはイソプロパノール、ジオールもしくはポリオールおよびそれらのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルおよび類似製品、ポリマー、気泡安定剤、電解質および加湿剤を含んで成ることができる。
【0177】
加湿剤は皮膚の表面上への適用または分配後に、化粧品または皮膚科学的調製物に対して、角化層による水分喪失量[経皮的水分喪失量(TEWL)とも呼ばれる]を減少させる特性を与え、そして/または角化層の水和に対して有益な効果を有する物質または物質の混合物を表わすために使用される用語である。
【0178】
本発明の目的のために有利な加湿剤は例えば、グリセロール、乳酸、ピロリドンカルボン酸および尿素である。更に、水に可溶性でそして/または水中で膨潤性で、そして/または水を使用してゲル化可能な多糖類の群からのポリマー加湿剤を使用することが特に有利である。例えばヒアルロン酸、キトサンおよび/または、ケミカアルアブストラクト(Chemical Abstracts)中の登録番号178463−23−5下に挙げられ、例えば、SOLABIA S.A.から商品名Fucogel(R)1000として入手可能な、フコース濃度の高い多糖類が特に有利である。
【0179】
本発明に従う化粧品および皮膚科学的調製物は、特にそれらが装飾用化粧品の形態にある時に染料および/または色彩顔料を含んで成ることができる。染料および色彩顔料はCosmetics Directive(化粧品指針)の対応する有効なリストまたは化粧品着色剤のEC(欧州共同体)のリストから選択することができる。大部分の場合、それらは食品に対して認可された染料に等しい。有利な色彩顔料は例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えば、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH))および/または酸化錫である。有利な染料は例えば、カーマイン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよび/またはマンガンバイオレットである。染料および/または色彩顔料を下記のリストから選択することは特に有利である。カラーインデックス番号(CIN)はRowe Colour Index,3rd Edition,Society of Dyers and Colourists,Bradford,England,1971から採られている。
【0180】
【表6】
【0181】
【表7】
【0182】
【表8】
【0183】
【表9】
【0184】
【表10】
【0185】
【表11】
【0186】
【表12】
【0187】
本発明に従う調製物が顔面領域への使用を意図される製品の形態にある場合には、染料として次の群からの1種もしくは複数の物質を選択することが好ましい:2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2’−クロロ−4’−ニトロ−1’−フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド、2−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2’−アゾナフタレン−1’−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウムおよびバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミナム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のアルミナム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、4−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−1−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミナム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミナムおよびジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインのアルミナムおよびジルコニウム塩、3’,4’,5’,6’−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインおよびそのアルミナム塩、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインのアルミナム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミナム塩、インジゴジスルホン酸のアルミナム塩、赤および黒の酸化鉄(CIN:77491(赤)および77499(黒))、水和酸化鉄(CIN:77492)、二リン酸アンモニウムマンガンおよび二酸化チタン。
【0188】
油溶性の天然染料(例えばパプリカ抽出物、β−カロテンまたはコチニール)もまた有利である。
【0189】
真珠光沢顔料を含有する調製物もまた本発明の目的に有利である。とりわけ、下記のリストに挙げる型の真珠光沢顔料が好ましい:
1.天然の真珠光沢顔料、例えば、
・「真珠エッセンス」(魚鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)および
・「真珠の母」(粉砕カラスガイの殻)
2.単結晶の真珠光沢顔料(例えば、オキシ塩化ビスマス(BiOCl))
3.層状基剤の顔料(例えば、雲母/金属酸化物)。
【0190】
真珠光沢顔料のための基剤は例えば、オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタン、並びに雲母上オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンの微粉砕顔料またはヒマシ油分散物である。例えば、CIN77163下に挙げた光沢顔料が特に有利である。
【0191】
例えば、雲母/金属酸化物に基づいた下記の型の真珠光沢顔料もまた有利である。
【0192】
【表13】
【0193】
例えば、Timiron,ColoronaまたはDichronaの商品名でMerckから入手できる真珠光沢顔料が特に好ましい。
【0194】
与えられた真珠光沢顔料のリストはもちろん制約する意図はもたれない。本発明の目的に有利な真珠光沢顔料はそれ自体は知られた多数の方法により入手することができる。例えば、雲母以外の他の基剤を更なる金属酸化物(例えば、シリカ等)で被覆することができる。例えば、Merckにより販売され、微細なラインの光学的減少(optical reduction)に特に適したTiO2およびFe2O3で被覆されたSiO2粒子(「ロナスフィア」)は有利である。
【0195】
更に、雲母のような基剤で完全に分散させることは有利である可能性がある。雲母を使用せずに調製された鉄の真珠光沢顔料は特に好ましい。これらの顔料は例えば、BASFから商品名Sicopearl Kupfer 1000として入手できる。
【0196】
更に、Flora Tech.から様々な色彩(黄色、赤、緑、青)の、商品名Metasome Standard/Glitterとして入手できる有効な顔料もまた特に有利である。ここではきらめき粒子が様々な助染剤および染料(例えば、カラーインデックス(CI)番号19140,77007,77289,77491をもつ染料)との混合物中に存在する。
【0197】
染料および顔料は別個にも混合物中にも存在することができ、相互に被覆することができ、異なる被膜の厚さが概括的に異なる彩色効果をもたらす。染料および彩色顔料の総量は有利には、それぞれ調製物の総重量に基づいて例えば、0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜15重量%、とりわけ1.0〜10重量%の範囲から選択される。
【0198】
本発明の目的のためには、その主要目的は日光の遮蔽ではないが、しかしUV遮蔽物質を含む化粧品および皮膚科学的調製物を提供することも有利である。従って、例えばUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター物質が通常、デイクリームまたはメークアップ製品中に取り入れられる。UV遮蔽物質は抗酸化剤および、所望の場合には保存剤のように、また、劣化に対する調製物自体の有効な防護体を構成する。日焼け止め剤の形態の化粧品および皮膚科学的調製物もまた好ましい。
【0199】
従って、本発明の目的のための調製物は、本発明に従う1種もしくは複数のUVフィルター物質を含んで成ると同時に更に、少なくとも1種の更なるUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター物質を含んで成る。調製物は必須ではないが、場合によってはまた、水相および/または油相中に存在することができるUVフィルター物質として1種もしくは複数の有機および/または無機顔料を含んで成ることができる。
【0200】
好ましい無機顔料は、水に不溶性または実質的に不溶性の金属酸化物および/またはその他の金属化合物、とりわけチタン酸化物(TiO2)、亜鉛酸化物(ZnO)、鉄酸化物(例えばFe2O3)、ジルコニウム酸化物(ZnO2)、ケイ素酸化物(SiO2)、マンガン酸化物(例えばMnO)、アルミナム酸化物(Al2O3)、セリウム酸化物(例えばCe2O3)、対応する金属の混合酸化物、およびこれら酸化物の混合物である。
【0201】
本発明の目的のためのこれらの顔料は有利には、表面処理(被覆)することができ、その意図は例えば、両親媒性または疎水性を形成または保持することである。この表面処理は、それ自体は既知の方法により、顔料に薄い疎水性層を提供することから成ることができる。
【0202】
例えばオクチルシラノールで被覆された二酸化チタン顔料は本発明に従って有利である。適当な二酸化チタン粒子はDegussaから商品名T805として入手できる。ステアリン酸アルミナムで被覆されたTiO2顔料、例えば、TAYCAから商品名MT 100Tとして入手可能なものも特に有利である。
【0203】
無機顔料の更に有利な被膜はジメチルポリシロキサン(更に:ジメチコンとも呼ばれる)、トリメチルシロキシ単位で末端をブロックされた完全にメチル化された、線状のシロキサンポリマーの混合物、から成る。このように被覆された酸化亜鉛顔料が本発明の目的に特に有利である。
【0204】
ジメチルポリシロキサン、とりわけ200〜350個のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチルポリシロキサンおよび、シメチコンとも呼ばれるシリカゲルの混合物による無機顔料の被膜もまた有利である。とりわけ、無機顔料が更に水酸化アルミナムまたは酸化アルミナム水和物(更に:アルミナとも呼ばれる、CAS No.1333−84−2)で被覆されることも有利である。シメチコンおよびアルミナで被覆された二酸化チタンは特に有利であり、被膜が水を含んで成ることも可能である。その一例はMerckから商品名Eusolex T2000として入手可能な二酸化チタンである。
【0205】
本発明の目的に有利な有機顔料は2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)[INCI:ビスオクチルトリアゾール]であり、それは化学構造式
【0206】
【化20】
【0207】
を特徴としてもち、CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)として入手可能である。
【0208】
本発明に従う調製物は有利には、UV−Aおよび/またはUV−B領域のUV光線を吸収する物質を含んで成り、全領域の紫外線から毛髪および皮膚を遮蔽する化粧品調製物を提供するためのフィルター物質の総量は例えば、調製物の総重量に基づいて0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜20重量%、とりわけ1.0〜15.0重量%である。それらはまた毛髪または皮膚のための日焼け止め剤として使用することもできる。
【0209】
本発明の目的に有利なUV−Aフィルター物質はジベンゾイルメタン誘導体、とりわけ、GivaudanによりParsol(R)1789の商品名として、そしてMerckにより商品名Eusolex(R)9020として販売されている、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン(CAS No.70356−09−1)である。
【0210】
更に有利なUV−Aフィルター物質はフェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸
【0211】
【化21】
【0212】
およびその塩、特に対応するナトリウム、カリウムまたはトリエタノールアンモニウム塩、とりわけ、例えばHaarmann&ReimerからNeo Heliopan APの商品名で入手できる、INCI名ビスイミダジレート(Bisimidazylate)を有する、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩
【0213】
【化22】
【0214】
である。
【0215】
ベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル−10−スルホン酸)とも呼ばれ、下記の構造、
【0216】
【化23】
【0217】
を特徴としてもつ、1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよびその塩(とりわけ、対応する10−スルファト化合物、とりわけ対応するナトリウム、カリウムまたはトリエタノールアンモニウム塩)もまた有利である。
【0218】
本発明の目的に有利なUVフィルター物質はまた、広域フィルター、すなわちUV−Aおよび更にUV−B光線双方を吸収するフィルター物質、である。
【0219】
有利な広域フィルターまたはUV−Bフィルター物質は例えば、下記の構造
【0220】
【化24】
【0221】
[式中、R1、R2およびR3は相互に独立に1〜10炭素原子を有する分枝および非分枝アルキル基の群から選択されるか、または1個の水素原子である]
を有するビスレソルシニルトリアジン誘導体である。CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)Sとして入手できる2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:アニソ・トリアジン)は特に好ましい。
【0222】
高いまたは非常に高いUV−A遮蔽性を特徴としてもつ、本発明の目的に特に有利な調製物は好ましくは、2種以上のUV−Aおよび/または広域フィルター、とりわけ、それぞれ、個別にまたは相互とのあらゆる組み合わせ物としての、ジベンゾイルメタン誘導体[例えば、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン]、ベンゾトリアゾー誘導体[例えば2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)]、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’,5,5’−テトラスルホン酸および/もしくはその塩、1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよび/もしくはその塩並びに/または2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを含んで成る。
【0223】
構造式
【0224】
【化25】
【0225】
を有する他のUVフィルター物質、例えば、欧州特許出願公開第570 838号明細書に記載のs−トリアジン誘導体もまた、本発明の目的に有利なUVフィルター物質であり、その化学構造は一般式
【0226】
【化26】
【0227】
[式中、
Rは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基で置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基であり、
Xは酸素原子またはNH基であり、
R1は、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基もしくは式
【0228】
【化27】
【0229】
(ここで、
Aは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキルまたはアリール基であり、
R3は水素原子またはメチル基であり、
nは1〜10の数である)
の基であり、
R2は、XがNH基である時には、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基であり、そして
Xが酸素原子である時には、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基もしくは式
【0230】
【化28】
【0231】
(ここで、
Aは、場合により1個もしくは複数のC1−C4−アルキル基により置換されていてもよい分枝もしくは非分枝C1−C18−アルキル基、C5−C12−シクロアルキルまたはアリール基であり、
R3は水素原子もしくはメチル基であり、
nは1〜10の数である)
の基である]
により表わされる。
【0232】
本発明の目的に特に好ましいUVフィルター物質はまた、非対称的に置換されたs−トリアジンであり、その化学構造は式
【0233】
【化29】
【0234】
により表わされ、下記でジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI:ジオクチルブタミドトリアゾン)とも呼ばれ、Sigma 3VからUVASORB HEBの商品名で入手可能である。
【0235】
更に、商品名UVINUL(R)T 150としてBASF Aktiengesellschaftにより市販されている、対称的に置換されたs−トリアジン、4,4’,4”−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリス安息香酸トリス(2−エチルヘキシル)、同義語:2,4,6−トリス[アニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:オクチルトリアゾン)もまた本発明の目的に有利である。
【0236】
欧州特許出願公開第775 698号明細書はまた、好ましいビス−レソルシニルトリアジン誘導体につき記載しており、その化学構造は一般式
【0237】
【化30】
【0238】
[式中、R1、R2およびA1は非常に異なる有機基を表わす]
により表わされる。
【0239】
更に、2,4−ビス{[4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−[4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2”−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4−ビス{[4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2”−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンも本発明の目的に有利である。
【0240】
本発明の目的に有利な広域フィルターは2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)であり、それは化学構造式
【0241】
【化31】
【0242】
を特徴としてもち、CIBA−Chemikalien GmbHから商品名Tinosorb(R)Mとして入手可能である。
【0243】
本発明の目的に有利なもう1種の広域フィルターは、INCI名ドロメトリゾール・トリシロキサンをもつ、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール(CAS No.:155633−54−8)であり、化学構造式
【0244】
【化32】
【0245】
を特徴としてもつ。
【0246】
UV−Bおよび/または広域フィルターは油溶性でも水溶性でもよい。有利な油溶性UV−Bおよび/または広域フィルター物質の例は、
・ 3−ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファー、
・ 4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミル、
・ 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、
・ ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは、4−メトキシベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、
・ ケイ皮酸のエステル、好ましくは、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸イソペンチル、
・ ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、および
・ ポリマーに結合したUVフィルター
である。
【0247】
有利な水溶性UV−Bおよび/または広域フィルター物質の例は、
・ 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸の塩(例えば、そのナトリウム、カリウムもしくはそのトリエタノールアンモニウム塩)、およびまたスルホン酸自体、
・ 3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体(例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸およびそれらの塩)、
である。
【0248】
本発明に従って有利に使用することができる更なる光線遮蔽フィルター物質は2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルヘキシル(オクトクリレン)であり、それはUvinul(R)N 539の名称でBASFから入手可能で、下記の構造
【0249】
【化33】
【0250】
を特徴としてもつ。
【0251】
本発明に従う調製物中に、ポリマー結合した、またはポリマーのUVフィルター物質、とりわけ国際公開第92/20690号パンフレットに記載のものを使用することもまた、著しく有利である可能性がある。
【0252】
更に、場合によっては、化粧品または皮膚科学的調製物中に、本発明に従う更なるUV−Aおよび/もしくはUV−Bフィルター、例えばある種のサリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸2−エチルヘキシル(=サリチル酸オクチル)、サリチル酸ホモメンチル)を取り入れることもまた有利である可能性がある。
【0253】
本発明の目的のために使用することができる与えられたUVフィルターのリストはもちろん制限的意図はもたれない。
【0254】
全領域の紫外線から毛髪または皮膚を遮蔽する化粧品調製物を製造するためには本発明に従う調製物は有利には、、それぞれ調製物の総量に基づいて例えば0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.5〜20重量%、とりわけ1.0〜15.0重量%の総量の、UV−Aおよび/またはUV−B領域のUV光線を吸収する物質を含んで成る。それらはまた毛髪または皮膚のための日焼け止め剤として使用することもできる。
【0255】
次の実施例は本発明を制約することなく、具体的に示す役割をもつ。別記されない限り、量、割合および百分率はすべて調製物の重量および総量または総重量に基づく。
【実施例】
【0256】
実施例1(発泡体様O/Wクリーム)
【0257】
【表14】
【0258】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。75℃に加熱した脂肪相を70℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。0.7バールの窒素ガスを通気しながら45分間撹拌し、冷却する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。27℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0259】
実施例2(発泡体様O/Wローション)
【0260】
【表15】
【0261】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を72℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。1.2バールの二酸化炭素を通気しながら45分間撹拌し、冷却する。30℃で添加剤(香料)を添加する。30℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0262】
実施例3(発泡体様O/Wローション)
【0263】
【表16】
【0264】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。開放反応容器中で30℃までの温度で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。25℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0265】
実施例4(発泡体様O/Wエマルションメークアップ)
【0266】
【表17】
【0267】
水相中で撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。78℃に加熱した脂肪相および顔料相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1.3バールの酸素を通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。添加物(香料および有効成分)を30℃で添加する。25℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0268】
実施例5(発泡体様O/Wクリーム)
【0269】
【表18】
【0270】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。80℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら0.7バールの亜酸化窒素を通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。26℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0271】
実施例6(発泡体様O/Wローション)
【0272】
【表19】
【0273】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。78℃に加熱した脂肪相を75℃に加熱した水相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1バールのアルゴンを通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料、有効成分)を添加する。23℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
【0274】
実施例7(発泡体様日焼け止めクリーム)
【0275】
【表20】
【0276】
水相中に撹拌しながら無機ゲル化剤(ヘクトライト)を前以て分散し、ヒドロコロイドを膨潤させる。熱い脂肪相中にクオターニウム−18ヘクトライトを前以て分散させる。78℃に加熱した脂肪相/光線遮蔽フィルター相を75℃に加熱した水相/光線遮蔽フィルター相と合わせる。65℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。30℃に冷却しながら1バールのヘリウムを通気しながら、Becomix中で45分間撹拌する。30℃で添加剤(香料)を添加する。23℃で歯付きリムの分散機(回転子−固定子の原理)によりホモジナイズする。
Claims (12)
- I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に
中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
III.調製物の総容量に基づいて1〜90容量%の、空気、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、亜酸化窒素(N2O)および二酸化炭素(CO2)から成る群から選択される少なくとも1種のガス、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る自己発泡性および/もしくは発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物。 - 乳化剤A:乳化剤B:共乳化剤Cの重量比(A:B:C)がa:b:cとして選択され、ここでa、bおよびcは相互に独立に、1〜5、好ましくは1〜3の有理数であることを特徴とする請求項1記載の調製物。
- 乳化剤A:乳化剤B:共乳化剤Cの重量比(A:B:C)が例えば、1:1:1として選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- A.、B.およびC.に従う物質の総量が調製物の総重量に基づいて2〜20重量%の範囲から選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- それが親水性乳化剤、とりわけソルビトールのモノ−、ジ−、トリ−脂肪酸エステルの群から選択される更なる乳化剤を含んで成ることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- 更なる乳化剤の総量が調製物の総重量に基づいて5重量%未満であるように選択されることを特徴とする、請求項5記載の調製物。
- 完成化粧品または皮膚科学的調製物中の1種もしくは複数のヒドロコロイドの総量が調製物の総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは、0.1と1.0重量%の間であるように選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- 1種もしくは複数のガスの容量の割合が調製物の総容量に基づいて10〜80容量%から選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- 選択されるガスが二酸化炭素であることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- それが加湿剤の群から選択される1種もしくは複数の物質を含んで成ることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の調製物。
- I.A.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、全体的に中和された、部分的に中和されたまたは中和されていない分枝および/もしくは非分枝の飽和および/もしくは不飽和脂肪酸の群から選択される少なくとも1種の乳化剤A、
B.10〜40炭素原子の鎖長および5〜100のエトキシル化度をもつ、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の乳化剤B、並びに
C.10〜40炭素原子の鎖長をもつ、飽和および/もしくは不飽和の分枝および/もしくは非分枝脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の共乳化剤C、
から成る乳化剤系、
II.調製物の総重量に基づいて、30重量%までの脂質相、
IV.有機ヒドロコロイドの群から選択される1種もしくは複数の物質、
を含んで成る、気体の有効成分のための化粧品のまたは皮膚科学的基剤としての、自己発泡性および/または発泡体様の化粧品または皮膚科学的調製物の使用。 - 1種もしくは複数の有機ヒドロコロイドが、
a)ポリアクリル酸の有機の完全に合成の化合物、好ましくはカーボポール980、981、1382、2984、5984の群からの1種もしくは複数のポリアクリレートおよび特に好ましくはカーボマー2001、
b)ポリアクリル酸誘導体のコポリマーおよびクロスポリマー(例えばポリメタクリレート、アクリレートコポリマー、アルキルアクリレートコポリマー、アクリルアミド、アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリロ窒素(acrylonitrogen)コポリマー)、
c)アンモニウム・ジメチルタウルアミド/ビニルホルムアミド・コポリマーのようなコポリマーおよびクロスポリマー、
d)アクリロイルジメチルタウレートを含んで成るコポリマー/クロスポリマー、
e)アニオンのもの(例えば、寒天、アルギン酸、カラゲーン、ゼラチン、アラビアゴム、ペクチン、トラガカント)、非イオノゲンのもの(例えばガラクトマンナン(グアガム)、イナゴマメの種のグレイン、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸プロピレングリコール、デンプン)、を含む親水性ガムおよびそれらの親水性誘導体、
f)セルロースおよび/または微細結晶セルロース、および特に好ましくは、アルキル−修飾セルロース誘導体(例えばメチルセルロース)およびアルキルヒドロキシセルロース(例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)およびそれらのあらゆる混合物、を含むセルロース誘導体、
の群から選択されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の調製物または使用。
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