JP2004519465A - ヘテロ環式インデン類似体の調製方法 - Google Patents

ヘテロ環式インデン類似体の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(II)(式中、R1、R2、R3及びXは、本明細書に定義のとおりである)で示される化合物を環化カルボニル化し、式(III)(式中、R1、R2、R4及びXは、本明細書に定義のとおりである)で示される化合物を得て、続いてけん化することを含む、式(I)(式中、R1、R2及びXは、本明細書に定義のとおりである)で示される化合物の新規な調製方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ環式インデン類似体の新規調製方法、特に4−ヒドロキシカルバゾール又はN−保護された4−ヒドロキシカルバゾールの調製方法に関する。これらの化合物は、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール(カルベジロール)のような薬剤学的に活性な化合物のビルディングブロックとして用いられてもよい。この化合物は、当該技術分野において公知であり、例えば、EP0004920に記載されている。例えば、高血圧、冠動脈性心疾患、狭心症などのような、心臓及び循環器系の疾患の予防及び治療に、特に有用である。
【0002】
ピロール及びインドール誘導体の触媒的環化カルボニル化の方法は、Hidayら、「Advances in Metal-Organic Chemistry」, Volume 4, 275-309頁に記載されている。これらの方法は、高温、高触媒添加量及び低選択性といった特徴がある。さらに当該反応に必須な遊離体は、冗長な手順によって調製されなければならず、商業的に入手することが出来ないため、高価である。
【発明の開示】
【0003】
驚くべきことに、本発明の方法を用い、インドール又はカルバゾール誘導体(例えば4−ヒドロキシカルバゾール又はN−保護された4−ヒドロキシカルバゾール)のようなヘテロ環式インデン類似体を、市販の遊離体から、上述のような欠点なしに調製することが出来ることが見出された。
【0004】
本発明は、式(I):
【0005】
【化17】
Figure 2004519465
【0006】
〔式中、
1及びR2は、独立して、水素又は低級アルキルから選択されるか;あるいは
1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、1価の炭素環又はフェニル環(ここで、1価の炭素環又はフェニル環は、場合によりハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシで置換されていてもよい)を形成し;
Xは、O、S又はN-Zであり;
Zは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2から選択されるアミノ保護基であり;そして
aは、低級アルキル又はアリールであり;
b及びRcは、低級アルキルである〕
で示されるヘテロ環式インデン類似体の調製方法であって、
該方法は、式(II):
【0007】
【化18】
Figure 2004519465
【0008】
(式中、R3は、低級アルキル、アリール又はアラルキルであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である)
で示される化合物を環化カルボニル化し、式(III):
【0009】
【化19】
Figure 2004519465
【0010】
(式中、R4は、低級アルキル又はアリールであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である)
で示される化合物を得て、続いてけん化することを含む方法に関する。
【0011】
この方法は、緩和な条件下での、効率のよい環化カルボニル化反応を提供する。加えて、環化カルボニル化反応の基質(式(II)で示される化合物)を、例えば結晶化や蒸留によって精製する必要がなく、「粗」原料として用いることが出来る。
【0012】
本発明によれば、用語「環化カルボニル化(cyclocarbonylation)」とは、芳香族環式環構造の形成に連動したカルボニル基の導入を意味する。
【0013】
用語「遷移金属化合物」は、金属−ホスフィン錯体化合物(ここで、用語「金属」は、Pd、Pt、Ru、Co、Rh又はNi、好ましくはPdを意味する)を意味する。
【0014】
用語「リガンド」は、ホスフィン、アルシン又はスチビン誘導体、好ましくは一般式:P(R5)(R6)(R7)、(R5)(R6)P−(X)−P(R5)(R6)で示されるホスフィン誘導体、As(R5)(R6)(R7)又はSb(R5)(R6)(R7)、好ましくはP(R5)(R6)(R7)(ここで、R5、R6、及びR7は、以下に定義される)を意味する。
【0015】
用語「アルキル」は、(別に指示がなければ)1〜9個の炭素原子を有する分岐又は直鎖状の1価のアルキル基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する分岐又は直鎖状の1価のアルキル基を意味する。さらにこの用語は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、i−ブチル、n−ブチル、t−ブチルなどの基によって例示される。
【0016】
用語「アルコキシ」は、単独で又は組み合わせて、式:アルキル−O−(ここで、用語「アルキル」は、上記の意味を有する)で示される基を意味する。このような「アルコキシ」基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシであり、好ましくはメトキシ及びエトキシである。
【0017】
用語「アリール」は、1価の炭素環式芳香族基、例えば、場合によりハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、カルボキシ、トリフルオロメチルなどにより独立して置換されたフェニル又はナフチルを意味する。
【0018】
用語「アラルキル」は、残基:−CH2−アリール(ここで、用語「アリール」は、上記と同義である)を意味する。
【0019】
用語「アルキレンジオキシ」は、C1-3−アルキル−ジオキシ基、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシ又はプロピレンジオキシを意味する。
【0020】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、及び臭素を意味する。
【0021】
より詳細には、本発明は式(I):
【0022】
【化20】
Figure 2004519465
【0023】
〔式中、
1及びR2は、独立して、水素又は低級アルキルから選択されるか;あるいは
1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、1価の炭素環又はフェニル環(ここで、1価の炭素環又はフェニル環は、場合によりハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシで置換されていてもよい)を形成し;
Xは、O、S又はN-Zであり;
Zは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2から選択されるアミノ保護基であり;そして
aは、低級アルキル又はアリールであり;
b及びRcは、低級アルキルである〕
で示される化合物の調製方法であって、
該方法は、式(II):
【0024】
【化21】
Figure 2004519465
【0025】
(式中、R3は、低級アルキル、アリール又はアラルキルであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である)
で示される化合物を環化カルボニル化し、式(III):
【0026】
【化22】
Figure 2004519465
【0027】
〔式中、R4は、低級アルキル又はアリールであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である〕
で示される化合物を得て、続いてけん化することを含む方法に関する。
【0028】
低級アルキル残基R1及びR2は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルであって、メチルであることが好ましい。置換基R1及びR2と、それらが結合している環炭素原子とが一緒になって形成される好ましい1価の炭素環は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニルであり、好ましくはシクロヘキセニルである。このような環は、メチル及びエチルのような低級アルキルにより置換されてもよい。置換基R1及びR2と、それらが結合している環炭素原子とが一緒になって形成される最も好ましい1価の炭素環は、非置換のシクロヘキセニルである。R1及びR2と、それらが結合している環炭素原子とが一緒になって形成されるフェニル残基は、ハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシにより、好ましくはクロロ、ブロモ、メチル又はメトキシにより、置換されてもよい。最も好ましくは、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、非置換のフェニル環を形成する。
【0029】
置換基R3における、アリール残基の例は、フェニル、及びハロゲン又は低級アルキルにより置換されたフェニルであり、好ましくは、非置換のフェニルである。好ましいアラルキル残基R3は、場合によりハロゲン又は低級アルキルにより置換されたベンジルである。最も好ましいアラルキル残基R3は、非置換のベンジルである。低級アルキル残基R3の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びt−ブチルであって、メチルであることが好ましい。
【0030】
4は、環化カルボニル化反応において使用される、酸無水物による。低級アルキル残基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びt−ブチルであって、メチルであることが好ましい。アリール残基の例は、フェニルである。かかるフェニル残基は、ハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシにより、好ましくはクロロ、ブロモ、メチル又はメトキシにより置換されてもよい。最も好ましいアリール残基R4は、非置換のフェニルである。
【0031】
低級アルキル残基Ra、Rb及びRcの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びt−ブチルであって、メチルであることが好ましい。アリール残基Raの例は、フェニル及びナフチルである。かかる環は、ハロゲン又は低級アルキルにより、好ましくはクロロ、メチル、エチル、又はイソプロピルにより置換されてもよい。より好ましくは、アリール残基Raは、ハロゲン又は低級アルキルにより、好ましくはクロロ、メチル、エチル、又はイソプロピルにより置換されたフェニルである。最も好ましいアリール残基Raは、フェニルである。
【0032】
別の好ましい実施態様において、本発明は上記に記載したような環化カルボニル化工程〔ここで、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、フェニル環を形成し、R3は、メチル又はフェニルであり、Xは、N−Zであり、Zは上記で定義したようなアミノ保護基、好ましくは式:SO2a(ここで、Raは、フェニルである)の基である〕に関する。
【0033】
本発明の好ましい実施態様において、環化カルボニル化反応は、塩基、酸無水物、並びに遷移金属化合物及びリガンドを含む触媒の存在下に実施される。
【0034】
本発明の方法に有用である遷移金属化合物は、Pd、Pt、Ru、Co、Rh又はNiの塩を含み、そしてPd/Cもまた含む。触媒としての遷移金属化合物の使用は、Matsuzaka ら、J. Org. Chem. 53, 3832 (1988) に、例として記載されている。好ましい遷移金属化合物は、パラジウムの塩、例えば、Pd(OAc)2、Pd2dba3、PdCl2、Pd2Cl2(π-アリル)2、PdCl2(NCMe)2、[Pd(NCMe)4](BF42であり、最も好ましくはPd(OAc)2である。ここに挙げた触媒は、当該技術分野で公知であるか(例えば、米国特許No. 5,380,861、「Carbonylation, Direct Synthesis of Carbonyl Compounds」, H. M. Colquhoun, D. J. Thompson, M. V. Trigg, Plenum Press, 1991)及び/又は商業的に入手可能である(例えば、フルカ(Fluka)、Buchs、Switzerland 又は ストレム・ケミカルズ(Strem Chemicals)、Kehl、Germanyから)。
【0035】
触媒における遷移金属化合物のリガンドは、ホスフィン、アルシン又はスチビン誘導体からなる群より選択されてよく、好ましくは一般式:P(R5)(R6)(R7)、(R5)(R6)P−(Y)−P(R5)(R6)で示されるホスフィン誘導体、As(R5)(R6)(R7)又はSb(R5)(R6)(R7)、好ましくはP(R5)(R6)(R7)(ここで、Y、R5、R6、及びR7は、下記に定義される)を意味する。
【0036】
特に適切なリガンドは、例えば、Houben-Weyl,「Methoden der organischen Chemie」, vol. E1, 106頁, et seq. Georg Thieme Verlag Stuttgart, 1982及びAspects Homog. Catal., 4, 145-202 (1981)に記載されたようなキラル及び非キラルのモノ−及びジ−リン化合物であって、特に式:
【0037】
【化23】
Figure 2004519465
【0038】
(ここで、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、C1-8−アルキル、シクロヘキシル、ベンジル、ナフチル、2−又は3−ピロリル、2−又は3−フリル、2−又は3−チオフェニル、2−又は3−又は4−ピリジル、フェニル、あるいはC1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アルキリデンジオキシ又はフェニルで置換されているフェニルであり、
Yは、ビナフチル、6,6’−ジメチル−又は6,6’−ジメトキシ−ビフェニル−2,2’−ジイル、あるいは基:−(CH2)n−、−CH2CH2−P(C65)−CH2CH2−、
【0039】
【化24】
Figure 2004519465
【0040】
の一つであり、そしてnは、1〜8の数である〕で示される化合物である。
【0041】
適切なリンのリガンドは、トリフェニルホスフィン及びスキーム1に示されたリガンドである。
【0042】
【化25】
Figure 2004519465
【0043】
好ましいリンのリガンドは、トリフェニルホスフィン、
【0044】
【化26】
Figure 2004519465
【0045】
であり、最も好ましいリンのリガンドは、トリフェニルホスフィンである。
【0046】
遷移金属錯体の調製を、対応するパラジウム−ホスフィン錯体に関して、より詳細に説明する:パラジウム−ホスフィン錯体化合物は、便利には、パラジウム成分とホスフィンリガンドからインサイチューで形成される。これらのパラジウム成分は、例えば、場合により炭素のような担体物質に担持されている金属性パラジウム、あるいは0−、2−若しくは4-価のパラジウムの錯体又は塩、例えばパラジウム−ビス(ジベンジリデンアセトン)、塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどである。インサイチューでの調製のためには、リンのリガンド/遷移金属化合物の比(mol/mol;P/Pd)は、約0.1:1〜100:1、好ましくは約6:1〜15:1となる。適切なホスフィンリガンドは、例えばHouben-Weyl,「Methoden der organischen Chemie」, vol. E1, page 106, et seq. Georg Thieme Verlag Stuttgart, 1982及びAspects Homog. Catal., 4, 145-202 (1981)に記載されたような、キラル及び非キラルのモノ−及びジ−リン化合物であり、特には上記に記載された化合物である。
【0047】
パラジウム−ホスフィン錯体化合物のインサイチューでの調製のためには、塩化パラジウム(II)又は酢酸パラジウム(II)、パラジウム−ジクロロ−ビス(アセトニトリル)及びトリフェニルホスフィンを用いてもよい。
【0048】
更に、本発明の方法は、トリ−アルキル−アミン、ジ−アルキル−アリール−アミン、ピリジン、アルキル−N−ピペリジンのような3級塩基、及び例えばNaOH、KOH又は炭酸塩のような無機塩基のように、環化カルボニル化反応のための塩基の使用を含む。トリエチルアミン、エチル−ジ−イソプロピルアミンのような(アルキル)3アミン、ピリジン、N−メチル−ピペリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムなどが例である。好ましい塩基は、トリエチルアミンである。
【0049】
本発明の方法はまた、環化カルボニル化反応のための、式:(R4(C=O))2Oで示される酸無水物の使用を含む。本発明に関する酸無水物の例は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ピバル酸、無水安息香酸などである。好ましい酸無水物は、無水酢酸及び無水安息香酸である。
【0050】
上記反応のための溶媒は、当業者には知られている。好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族系溶媒、CH2Cl2のようなハロゲン化炭化水素、アセトニトリルのようなニトリル類、酢酸エチルのようなエステル、DMFのようなアミド、THF、ジオキサンのようなエーテル、TMUのようなウレタン類、DMSOのようなスルホキシド類及びそれらの混合物である。好ましい溶媒は、トルエンである。
【0051】
上記の環化カルボニル化反応の反応条件は、ある程度は変化してもよい。
【0052】
温度は、40〜170℃、好ましくは60〜120℃の間で変化してもよく、最も好ましくは反応は約90℃で実施される。
【0053】
基質/触媒の比(mol/mol;S/Pd)は、1〜10000、好ましくは100〜5000、より好ましくは100〜1500、そして最も好ましくは100〜1000になる。
【0054】
インサイチュー調製では、上述のようにリンのリガンド/遷移金属化合物の比(mol/mol;P/Pd)は、約0.1:1〜100:1、好ましくは約6:1〜15:1となる。
【0055】
一酸化炭素(CO)圧の上限は、使用されるオートクレーブの仕様書によってのみ制限される。圧の下限に関しては、カルボニル化反応は1barのCO圧でさえ進行するだろう。好ましくは、CO圧は、約20〜70bar、より好ましくは35〜60barである。
【0056】
式(II)で示される「粗」化合物を、式(I)で示される化合物の調製に使用できることを見出した。粗原料の調製は、式(II)で示される化合物、例えば酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルを有機溶媒を用いて回収し、更なる精製なしに乾燥することによって行われる。この原料の調製は、実施例2及び3に例示されており、実施例5は、式(I)で示される化合物の調製のための、粗出発原料の使用を示している。
【0057】
環化カルボニル化反応に続き、けん化される。けん化反応の条件は、当該技術分野において公知であり、例えば「Practical Organic Chemistry」, A. I. Vogel, Longmans Ed., 1967, p. 390-393に記載されている。本発明の好ましい実施態様において、けん化は、水酸化ナトリウム水溶液とトルエンから成る二相性の混合物中で又はメタノール中のナトリウムメトキシドから成る均一な混合物中で実施される。
【0058】
式(II)で示される化合物は、当該技術分野において公知の方法、例えば、式(V):
【0059】
【化27】
Figure 2004519465
【0060】
(式中、R1、R2及びXは、上記と同義である)
で示される化合物を、式:ビニル−metal−X(−metal−Xは、−MgCl、−MgBr、−MgI又は−Liである)で示される試薬と反応させ、続いて、(R3−CO)2O、又はR3−(CO)−Hal(ここで、R3は、上記と同義であり、Halは、Cl又はBrである)よりなる群から選択される酸誘導体と反応させることにより、調製してもよい。
【0061】
式(V)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、又は式(Va):
【0062】
【化28】
Figure 2004519465
【0063】
で示される化合物から、当該技術分野で公知の方法により調製されうる。
【0064】
好ましくは、式(II)で示される化合物は、式(VI):
【0065】
【化29】
Figure 2004519465
【0066】
(式中、R1、R2及びXは、上記と同義であり、Mは、−MgCl、−MgBr、−MgI又は−Liである)
で示される化合物を、アクロレインと反応させ、次いで、(R3−CO)2O又はR3−(CO)−Hal(ここで、R3は、上記と同義であり、Halは、Cl又はBrである)よりなる群から選択される酸誘導体と反応させることにより調製されてもよい。
【0067】
式(VI)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、又は式(VIa)又は式(VIb):
【0068】
【化30】
Figure 2004519465
【0069】
(式中、M1は、クロロ、ブロモ又はヨードである)
で示される化合物から、当該技術分野で公知の方法により調製されうる。
【0070】
好ましい実施態様において、本発明は、4−ヒドロキシカルバゾール又はN−保護された4−ヒドロキシカルバゾールの調製方法に関する。N−保護された4−ヒドロキシカルバゾールは、上記のような酸無水物及び塩基の存在下で、上記式(II)〔ここで、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、R3は、上記と同義であり、Xは、N−Zであり、そしてZは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2(Ra、Rb及びRcは、上記と同義を有する)から選択されるアミノ保護基である〕で示される化合物から出発する上述のような環化カルボニル化反応、続くけん化により調製することができる。N−保護された4−ヒドロキシカルバゾールを、以下に述べるような脱保護により、4−ヒドロキシカルバゾールに変換することができる。4−ヒドロキシカルバゾール及びN−保護された4−ヒドロキシカルバゾールは、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール(カルベジロール)及び場合によりその塩のような薬剤学的に活性な物質の調製に有用である。この化合物の調製方法は、例えば欧州特許出願EP0004920に記載されている。
【0071】
加えて、この化合物を下記の方法により調製してもよい:
第一工程は、上記式(I)〔ここで、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、Xは、N−Zであり、そしてZは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2(Ra、Rb及びRcは、上記と同義を有する)から選択されるアミノ保護基である〕で示される化合物を、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、式(VII):
【0072】
【化31】
Figure 2004519465
【0073】
(式中、Zは、上記と同義である)
で示される化合物に変換してもよい。反応を、THF、DMF又はDMSOのような極性有機溶媒中で、好ましくは大過剰のエピクロロヒドリン中無溶媒で行ってもよい。塩基性化合物は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム、好ましくは水酸化ナトリウムである。温度は、20〜100℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、40〜60℃である。
【0074】
上記の方法に続いて、式(VII)で示される化合物を、ベンジル−[2−(2−メトキシフェノキシ)−エチル]−アミンと反応させることにより、式(VIII):
【0075】
【化32】
Figure 2004519465
【0076】
(式中、Zは、上記と同義である)
で示される化合物に変換してもよい。反応を、エタノール、メタノール、イソプロパノール、THF及びDMFのような有機溶媒中で、好ましくはエタノールを用いて行ってもよい。温度は、40〜140℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、60〜90℃である。
【0077】
式(VIII)で示される化合物の脱保護は、式(IX):
【0078】
【化33】
Figure 2004519465
【0079】
で示される、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを現す。
【0080】
脱保護反応の方法は、当該技術において公知であり、例えばP. J. Kocienski, Protecting Groups, Thieme 1994に記載されている。上記式(VIII)(例えば、式中、Zは、SO2aであり、Raは、フェニルである)で示される化合物から、塩基性条件下に、エタノール、メタノール、イソプロパノール、THF及びDMF又はこれらの溶媒の混合物のような有機溶媒中で、好ましくはTHFとメタノールの混合物を用いて、式(IX)で示される、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを合成することができる。塩基性化合物は、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及びカリウムtert−ブトキシド、好ましくは水酸化ナトリウムである。温度は、20〜100℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、40〜60℃である。
【0081】
式(IX)で示される化合物の水素化は、式(X)で示される、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール(カルベジロール)を現す。反応を、エタノール、メタノール、イソプロパノール及びTHFのような有機溶媒中で、好ましくはメタノールを用いて行ってもよい。水素圧は、1〜50barの間で変化させることができ、好ましい水素圧は、1〜10barである。温度は、20〜100℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、40〜60℃である。
【0082】
【化34】
Figure 2004519465
【0083】
本発明の別の実施態様は、以下:
a)酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル又は安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルの環化カルボニル化により、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルを得る;
b)酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルのけん化により、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを得る;
c)9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを得る;
d)9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを、ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミンと反応させることにより、1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}プロパン−2−オールを得る;
e)塩基性条件下で、1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}プロパン−2−オールを脱保護することにより、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを得る;
f)有機溶媒中で、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを水素化することにより、式(X)で示される、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールを得る;
ことを含む、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールの調製方法に関する。
【0084】
あるいは、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール(カルベジロール)の上記調製方法は、N−保護された4−ヒドロキシカルバゾールに替えて、式(XI):
【0085】
【化35】
Figure 2004519465
【0086】
で示される4−ヒドロキシカルバゾールから出発する類似の方法で行われてもよい。
【0087】
上記式(I)〔ここで、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、Xは、N−Zであり、そしてZは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2(Ra、Rb及びRcは、上記と同義を有する)から選択されるアミノ保護基である〕で示される化合物を、脱保護することにより、式(XI)で示される4−ヒドロキシカルバゾールに変換してもよい。脱保護反応の方法は、当該技術において公知であり、例えばP. J. Kocienski, Protecting Groups, Thieme 1994に記載されている。上記式(I)(例えば、式中、R1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、Xは、N−Zであり、Zは、SO2aであり、そしてRaは、フェニルである)で示される化合物から、塩基性条件下に、エタノール、メタノール、イソプロパノール、THF及びDMF又はこれらの溶媒の混合物のような有機溶媒中で、好ましくはTHFを用いて、4−ヒドロキシカルバゾールを合成することができる。塩基性化合物は、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド及びカリウムtert−ブトキシド、好ましくはカリウムtert−ブトキシドである。温度は、10〜100℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、20〜40℃である。
【0088】
4−ヒドロキシカルバゾール(XI)は、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、式(XII)で示される化合物に変換されてもよい。反応は、THF、DMF又はDMSOのような極性有機溶媒中で、好ましくは大過剰のエピクロロヒドリン中無溶媒で行われてもよい。塩基性化合物は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム、好ましくは水酸化ナトリウムである。温度は、20〜100℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、40〜60℃である。
【0089】
【化36】
Figure 2004519465
【0090】
上記の方法に続いて、式(XII)で示される化合物を、ベンジル−[2−(2−メトキシフェノキシ)−エチル]−アミンと反応させることにより、式(IX):
【0091】
【化37】
Figure 2004519465
【0092】
で示される化合物に変換してもよい。反応は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、THF及びDMFのような有機溶媒中で、好ましくはエタノールを用いて行われてもよい。温度は、40〜140℃の間で変化させることができ、好ましい温度は、60〜90℃である。
【0093】
式(IX)で示される化合物の水素化は、式(X)で示される、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール(カルベジロール)を現す。
【0094】
【化38】
Figure 2004519465
【0095】
この反応は、上述のように行われてもよい。
【0096】
本発明の別の実施態様は、以下:
a)酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル又は安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルの環化カルボニル化により、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルを得る;
b)酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルのけん化により、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを得る;
c)9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールの脱保護により、4−ヒドロキシ−カルバゾールを得る;
d)塩基性条件下で、4−ヒドロキシ−カルバゾールを、エピクロロヒドリンと反応させることにより、4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを得る;
e)4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを、ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミンと反応させることにより、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを得る;
f)有機溶媒中で、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを水素化することにより、式(X)で示される、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールを得る;
ことを含む、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールの調製方法に関する。
【0097】
更なる実施態様において、本発明は、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノール及び場合によりその塩の上記調製方法のいずれかの使用に関する。
【0098】
式(IIa):
【0099】
【化39】
Figure 2004519465
【0100】
(式中、R8は、水素、アセチル又はベンゾイルである)
で示される化合物は、本発明による方法の好ましい遊離体である。これらの化合物は、新規であり、また本発明の目的でもある。
【0101】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0102】
実施例1
1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルアルコール
テトラヒドロフラン110ml中の、1−(フェニルスルホニル)インドール(T. Sakamoto; Y. Kondo; N. Takazawa; H. Yamanaka; J. Chem. Soc. Perkin Trans.1; 16; 1996; 1927-1934と同様に合成された)10.3g(40mmol)を、−20℃に冷却した。攪拌溶液に、1.6M n−ブチルリチウム30mlを、−20℃で20分以内に加えた。得られた懸濁液を10℃まで温め、10℃で4時間攪拌した。混合物を再び−20℃に冷却し、アクロレイン3.4g(61mmol)のTHF20ml溶液を、−20℃で20分以内に滴下した。この溶液を、20℃で16時間攪拌した。水150mlを滴下し、混合物を10分間激しく攪拌した。相を分離し、水相をメチル−t−ブチル−エーテル(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を、ブライン100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発させた(35℃、20mbar)。残渣を液体クロマトグラフィー(溶離液 トルエン/酢酸エチル 6:1)により精製し、純粋な画分を回収し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた(40℃、15mbar)。
収率:10.0g(80%)。
【0103】
1H NMR (δ, DDMSO): 5.78 (OH, d), 5.86 (CH-O, dd), 6.20 (CH=CH2, ddd), 5.19 (CH=CH2, dd), 5.40 (CH=CH2, dd), 芳香族シグナル6.7-8.1。
【0104】
実施例2
酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル
1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルアルコール19.1g(74mmol)のジクロロメタン244ml溶液に、トリエチルアミン34ml及び4−ジメチルアミノピリジン0.7gを加えた。この溶液を3℃に冷却した。マグネチックスターラーで攪拌した溶液に、無水酢酸23.5mlを、滴下ロートを用い、5℃以下の温度で加えた。反応混合物を22℃で2時間攪拌した。氷浴で冷却後、水250mlを20〜24℃の温度で加えた。混合物を10分間激しく攪拌した。相を分離し、水溶液をジクロロメタン250mlで抽出した。合わせた有機相を、水250mlで3回抽出し、ブライン250mlで1回抽出した。ジクロロメタン溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、最後にロータリーエバポレーターで蒸発させ(35℃、50mbar)、22.8g得た。次の工程(環化カルボニル化)に、得られた油状物を精製せずに使用した(粗製品)。
【0105】
1H NMR (δ, DDMSO): 2.07 (CH3-CO, s), 6.87 (CH-O, d), 6.19 (CH=CH2, ddd), 5.37 (CH=CH2, dd), 5.38 (CH=CH2, dd), 芳香族シグナル6.9-8.0。
【0106】
実施例3
安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル
1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルアルコール10.0g(32mmol)のピリジン100mlの攪拌溶液に、塩化ベンゾイル5.6ml(48mmol)を10℃で滴下した。この混合物を20℃でさらに1時間攪拌した。大部分のピリジンを留去し、残渣を氷水300mlに数回で加えた。pHを濃HClで2〜3に調整した。水を留去し、残渣をジエチルエーテル100mlに溶解させた。1時間後、生成物が晶出した。懸濁液を氷浴中で2時間攪拌し、個体を濾別した。粗原料をメタノール90mlから再結晶し、35℃で12時間乾燥させた。
収率:5.2g(39%)、HPLC:98.4(Area-%)、融点:112〜114℃。
【0107】
1H NMR (δ, DDMSO): 7.19 (CH-O, d), 6.35 (CH=CH2, ddd), 5.44 (CH=CH2, dd), 5.48 (CH=CH2, dd), 芳香族シグナル7.0-8.1。
【0108】
実施例4
酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル
1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−カルボアルデヒド(M. G. Saulnier, G. W. Gordon, J. Org. Chem.; 47; 5; 1982, 757-761と同様に合成された)2.9g(10mmol)のTHF10ml溶液に、塩化ビニルマグネシウム(1.7M THF溶液)6.5mlを−20℃で1時間以内に加えた。温度を30分以内に0℃まで上げ、当該温度で20分間保持した。懸濁液に、無水酢酸1.3ml(14mmol)を0℃で15分以内に加えた。冷却浴を除去し、20℃で1時間攪拌後、水10mlを10〜15℃で加えた。混合物をさらに20℃で1時間攪拌した。相を分離し、水相を酢酸エチル20mlで抽出した。合わせた有機相をブライン20mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発させた(35℃、12mbar)。粗原料を液体クロマトグラフィー(溶離液 イソヘキサン/酢酸エチル 9:1)により精製した。
収率:3.9g(NMR分析による純度 60%)。
【0109】
1H NMR (δ, DDMSO): 2.07 (CH3-CO, s), 6.87 (CH-O, d), 6.19 (CH=CH2, ddd), 5.37 (CH=CH2, dd), 5.38 (CH=CH2, dd), 芳香族シグナル6.9-8.0。
【0110】
実施例5
酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル(粗製品)の環化カルボニル化
アルゴン気流下、酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル1.066g(3.0mmol、油状物、粗製品)、無水酢酸0.57ml(6.0mmol)、トリエチルアミン0.92ml(6.6mmol)及び触媒溶液(トルエン25ml中で、酢酸パラジウム6.73mg(0.030mmol)及びトリフェニルホスフィン78.7mg(0.30mmol)から調製した)2.5mlをオートクレーブに充填した。次いでオートクレーブを密封し、一酸化炭素20barで3回加圧及び排気し、最後に一酸化炭素50barで加圧した。反応混合物をマグネチックスターラーで攪拌し、90℃で20時間加熱した。オートクレーブを冷却及び排気後、暗色の反応混合物を氷水に注加し、二相性の溶液を1時間激しく攪拌した。水相をトルエン20mlで抽出し、一方トルエン相を分液ロート中で水10ml及びブライン10mlで抽出した。合わせたトルエン相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、最後にロータリーエバポレーターで蒸発させた(47℃、10mbar)。得られた褐色残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/t−ブチルメチルエーテル 2:1 vol/vol)により精製し、淡褐色の油状物として、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルを960mg(88%)得た。
【0111】
1H NMR (δ, CDCl3): 2.48 (OAc, singlet), 芳香族シグナル7.2-8.4。
【0112】
実施例6
酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルのけん化
酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステル0.96g(2.62mmol)のメタノール15ml溶液を、4M水酸化ナトリウム3.5ml(14mmol)で処理し、50℃で1.5時間攪拌した。室温に冷却後、反応混合物からメタノールをロータリーエバポレーターにより除去し、残渣をt−ブチルメチルエーテルと2N HCl水溶液の間に分配した。乾燥(Na2SO4)後、有機相を蒸発乾固させ、橙褐色の油状物として、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを0.84g(99%)得た。
【0113】
1H NMR (δ, CDCl3): 5.6 (OH, broad), 6.7 (1H, d), 他の芳香族シグナル7.3-8.4。
【0114】
実施例7
スルホニル保護基の除去
9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オール0.83g(2.57mmol)のTHF18ml溶液を、カリウムtert−ブトキシド2.88g(25.7mmol)で処理し、懸濁液をアルゴン下室温で一晩攪拌した。次いで、2N塩酸溶液を、pHが3になるまで加え、得られた褐色の溶液をt−ブチルメチルエーテル20mlと水5mlの間に分配した。硫酸ナトリウムで乾燥後、有機相をロータリーエバポレーターで蒸発させ(50℃、10mbar)、暗色の油状物500mgを得て、HPLC分析(Symmetry C8 カラム、5μm 250×4.6mm、リン酸緩衝液(pH7)/アセトニトリル/水 2:1:7(40%)及びアセトニトリル(60%)の混合物で溶出;保持時間4.2分)によれば、これは4−ヒドロキシ−9H−カルバゾールを70%含有していた。
【0115】
1H NMR (δ, CDCl3): 5-5.5 (OH, very broad), 6.5 (1H, d), 8.0 (NH, broad), 他の芳香族シグナル6.9-8.2。
【0116】
油状物を、メタノール中で活性炭(Darco KB-B)を用い室温で1時間処理し、濾過し、そして蒸発させ、淡褐色の固体として4−ヒドロキシ−9H−カルバゾールを得、それをトルエンからの結晶化により精製することができた。
【0117】
実施例8
晶出させた酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルから出発した9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オール
の合成
酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル16.60g(46.7mmol、粗製品)を、ジイソプロピルエーテル20ml及びヘキサン10mlから、2℃で結晶化させた。濾過により、純粋な酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルを、融点81〜84℃のわずかにベージュ色の結晶として、12.7g(76%)得た。この原料9.953gを、実施例1と同様に環化カルボニル化反応に付し、後処理した後、HPLC分析による純度91%を有する淡褐色の油状物として、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルを10.62g(単離収率94.4%)得た。この原料10.50gを、実施例6と同様に更に精製することなくけん化に付し、HPLCによる純度85%を有する橙褐色の結晶性原料として、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを9.60g得た。2工程にわたる全収率は、90.8%であった。
【0118】
実施例9
安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルの環化カルボニル化
アルゴン気流下、安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル4.17g(10.0mmol)、無水酢酸1.89ml(20.0mmol)、トリエチルアミン3.08ml(22.0mmol)、トルエン15ml及び触媒溶液(トルエン20ml中で、酢酸パラジウム9.0mg(0.04mmol)及びトリフェニルホスフィン105mg(0.40mmol)から調製した)5.0mlをオートクレーブに充填した。次いでオートクレーブを密封し、一酸化炭素20barで3回加圧及び排気し、最後に一酸化炭素50barで加圧した。反応混合物をマグネチックスターラーで攪拌し、90℃で20時間加熱した。オートクレーブを冷却及び排気後、暗色の反応混合物を氷水に注加し、二相性の溶液を1時間激しく攪拌した。トルエン相を重炭酸ナトリウムの半飽和溶液で2回抽出し、そして合わせた有機相をトルエン20mlで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、最後にロータリーエバポレーターで蒸発させた(47℃、10mbar)。得られた橙色油状残渣(4.15g、収率91%)は、HPLC分析による純度80%を有する、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルであった。MS:365.0(M)。
【0119】
実施例10
酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルのけん化
酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステル(実施例9で調製した)4.15gを、実施例6に記載されたのと同様の方法で処理することにより、HPLC分析による純度73%を有する橙褐色の結晶性原料として、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを4.15g得た。
【0120】
実施例11
9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾール
マグネチックスターラー、温度計及び窒素引入口を備える1lの三口ガラスフラスコに、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オール23.6g(73mmol)及びエピクロロヒドリン236ml(3.0mol)を充填し、得られた溶液に、5N水酸化ナトリウム溶液236mlを20℃で一度に加えた。油浴の温度を45℃に上げ、内部温度は55℃までゆっくりと上がり、そして30分後、内部温度は45℃であった。攪拌を3時間続けた。エピクロロヒドリン及び水の大部分を、ロータリーエバポレーターで留去し(浴温50℃、10mbar)、残渣をTHF236ml及び5N水酸化ナトリウム溶液236mlの混合物中に溶解し、30℃で18時間攪拌した。20℃に冷却し、相を分離した。水相を酢酸エチル300mlで抽出し、合わせた有機相をブライン(2×300ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ロータリーエバポレーターで蒸発させた(浴温40℃、20mbar)。得られた褐色の油状物をジエチルエーテル700ml中、20℃で1時間攪拌し、生成物が晶出した。懸濁液を氷浴中で1時間攪拌し、生成物を吸引濾過し、冷ジエチエルエーテル50mlで洗浄した。この物質を50℃で6時間乾燥させた。
収率:淡褐色の固体として、9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾール18.7g(67.5%)、融点:107/108〜110℃。
【0121】
1H NMR (δ, DDMSO): 4.09 (CH2-O, dd), 4.56 (CH2-O, dd), 3.49 (CH-O, cycle, dddd), 2.80 (CH2-O, cycle, dd), 2.90 (CH2-O, cycle, dd), 芳香族シグナル6.9-8.3。
【0122】
母液から、さらに5.3gの物質を単離した。融点:100/103〜107℃。
【0123】
実施例12
1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}プロパン−2−オール
ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミン7.4g(29mmol)をエタノール47mlに溶解した。攪拌溶液に、9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾール10g(26mmol)を加え、混合物を15時間加熱還流した。沸騰溶液を、活性炭1gで30分間処理した。活性炭を熱時に濾別し、エタノール20mlで洗浄した。エタノールをロータリーエバポレーターで蒸発させ(浴温40℃、20mbar)、粗原料は液体クロマトグラフィー(溶離液 トルエン/酢酸エチル 4:1)により精製し、純粋な画分を回収し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた(40℃、15mbar)。
収率:11.1g(67%)。
【0124】
1H NMR (δ, DDMSO): 4.21 (-O-CH2-CH-O, dd), 4.09 (-O-CH2-CH-O, m), 4.10 (-O-CH2-CH-O, m), 4.91 (-OH, d), 2.72 (-O-CH-CH2-N, dd), 2.86 (-O-CH-CH2-N, dd), 3.72 (N-CH2-Ph, d), 3.81 (N-CH2-Ph, d), 2.89 (N-CH2-CH2-O, m), 3.99 (N-CH2-CH2-O, t), 3.64 (-O-CH3, s), 芳香族シグナル6.7-8.3。
【0125】
実施例13
1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オール
1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−プロパン−2−オール3.3g(5.2mmol)をTHF/メタノール(2:1)33mlに溶解した。水酸化ナトリウム1.1gの水1.7ml溶液を一度に加えた。この混合物を50℃で18時間攪拌した。混合物をロータリーエバポレーターで蒸発させた(35℃、20mbar)。残渣をトルエン25ml及び水20mlに溶解した。相を分離し、トルエン相を水25mlで3回洗浄した。有機相をロータリーエバポレーターで蒸発させ(40℃、15mbar)、残渣をエタノール9mlで晶出させた。生成物を吸引濾過し、冷エタノールで3回洗浄した。この物質を50℃で12時間乾燥させた。
収率:1.7g(65%)、融点:92〜96℃。
【0126】
実施例14
4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾール
4−ヒドロキシ−カルバゾール10.4g(57mmol)をDMSO31.1mlに溶解した。エピクロロヒドリン6.9ml(88mmol)を加え、次いで1N水酸化ナトリウム溶液57mlを加えた。混合物を40℃で8時間攪拌した。20℃に冷却し、水130mlを加えた。生成物を吸引濾過し、水(30ml×3)で洗浄した。粗原料をイソプロパノールから再結晶させた。この物質を60℃で12時間乾燥させた。
収率:9.8g(72%)、融点:128〜132℃。
【0127】
実施例15
1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オール
ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミン35.0g(136mmol)をエタノール225mlに溶解した。攪拌溶液に、4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾール30.1g(126mmol)を加え、混合物を15時間加熱還流した。沸騰溶液を、活性炭3gで30分間処理した。活性炭を熱時に濾別し、エタノール20mlで洗浄した。溶液を室温で3時間、次いで0℃で5時間攪拌した。生成物を吸引濾過し、冷エタノール10mlで2回洗浄した。この物質を50℃で12時間乾燥させた。
収率:51.0g(82%)、HPLC分析による純度 99.3%。
【0128】
実施例16
1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチルアミノ]−プロパン−2−オール(カルベジロール)
1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オール10g(20mmol)を、メタノール80mlに溶解した。Pd−C(10%)1gを加え、懸濁液を50℃に温めた。混合物を常圧で約7時間水素化した。Pd−触媒を吸引濾過し、熱メタノール25mlで洗浄した。メタノール80mlを留去し、残渣を0℃に冷却し、当該温度で6時間保持した。生成物を濾過し、冷メタノール3mlで2回洗浄した。この物質を60℃で12時間乾燥させた。
収率:7.5g(91%)、融点:112〜114℃。

Claims (31)

  1. 式(I):
    Figure 2004519465
    〔式中、
    1及びR2は、独立して、水素又は低級アルキルから選択されるか;あるいは
    1及びR2は、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、1価の炭素環又は1価の炭素環式芳香環(ここで、1価の炭素環又は1価の炭素環式芳香環は、場合によりハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシで置換されていてもよい)を形成し;
    Xは、O、S又はN-Zであり;
    Zは、SO2a、NMe2、CO2b及びCON(Rc2から選択されるアミノ保護基であり;
    aは、低級アルキル又はアリールであり;そして
    b及びRcは、低級アルキルである〕
    で示される化合物の調製方法であって、
    式(II):
    Figure 2004519465
    (式中、R3は、低級アルキル、アリール又はアラルキルであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である)
    で示される化合物を環化カルボニル化し、式(III):
    Figure 2004519465
    (式中、R4は、低級アルキル又はアリールであり、そしてR1、R2及びXは、上記と同義である)
    で示される化合物を得て、続いて式(III)の化合物をけん化することを含む調製方法。
  2. Xが、N-Zである、請求項1記載の方法。
  3. Zが、SO2aであり、Raが、フェニルである、請求項1〜2いずれか記載の方法。
  4. 1及びR2が、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、フェニル環を形成する、請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
  5. 3が、メチル又はフェニルである、請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
  6. 環化カルボニル化反応を、塩基、酸無水物、並びに遷移金属化合物及びリガンドを含む触媒の存在下で実施する、請求項1〜5いずれか1項記載の方法。
  7. 遷移金属化合物が、パラジウム塩である、請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
  8. 遷移金属化合物が、Pd(OAc)2、Pd2dba3、PdCl2、Pd2Cl2(π-アリル)2、PdCl2(NCMe)2、[Pd(NCMe)4](BF42又はPd/Cからなる群より選択される、請求項7記載の方法。
  9. 遷移金属化合物が、Pd(OAc)2である、請求項8記載の方法。
  10. リガンドが、P(R5)(R6)(R7)又は(R5)(R6)P−(Y)−P(R5)(R6
    (ここで、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、C1-8−アルキル、シクロヘキシル、ベンジル、ナフチル、2−又は3−ピロリル、2−又は3−フリル、2−又は3−チオフェニル、2−又は3−又は4−ピリジル、フェニル、あるいはC1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アルキリデンジオキシ又はフェニルで置換されているフェニルであり、
    Yは、ビナフチル、6,6’−ジメチル−又は6,6’−ジメトキシ−ビフェニル−2,2’−ジイル、あるいは基:−(CH2n−、−CH2CH2−P(C65)−CH2CH2−、
    Figure 2004519465
    の一つであり、そしてnは、1〜8の数である)
    である、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  11. リガンドが、トリフェニルホスフィン、並びに
    Figure 2004519465
    からなる群より選択される、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  12. リガンドが、トリフェニルホスフィン、
    Figure 2004519465
    である、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  13. 環化カルボニル化反応が、トリ−アルキル−アミン、ジ−アルキル−アリール−アミン、ピリジン、アルキル−N−ピペリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸塩からなる群より選択される塩基の存在下で実施される、請求項1〜12いずれか1項記載の方法。
  14. 環化カルボニル化反応が、トリエチルアミンの存在下で実施される、請求項1〜12いずれか1項記載の方法。
  15. 環化カルボニル化反応が、式:(R4(C=O))2
    (式中、R4は、請求項1と同義である)
    で示される酸無水物の存在下で実施される、請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
  16. 環化カルボニル化反応が、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ピバル酸及び無水安息香酸から選択される無水物の存在下で実施される、請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
  17. 式(V):
    Figure 2004519465
    (式中、R1、R2及びXは、上記と同義である)
    で示される化合物を、式:ビニル−metal−X
    (−metal−Xは、−MgCl、−MgBr、−MgI又は−Liである)
    で示される試薬と反応させ、
    続いて、(R3−CO)2O、又はR3−(CO)−Hal
    (ここで、R3は、請求項1〜16と同義であり、Halは、Cl又はBrである)
    からなる群より選択される酸誘導体と反応させることにより、式(II)の化合物を調製する、請求項1〜16いずれか1項記載の方法。
  18. 式(VI):
    Figure 2004519465
    (式中、R1、R2及びXは、上記と同義であり、Mは、−MgCl、−MgBr、−MgI又は−Liである)
    で示される化合物を、アクロレインと反応させ、
    続いて、(R3−CO)2O又はR3−(CO)−Hal
    (ここで、R3は、請求項1〜17と同義であり、Halは、Cl又はBrである)
    からなる群より選択される酸誘導体と反応させることにより、式(II)の化合物を調製する、請求項1〜15いずれか1項記載の方法。
  19. けん化反応が、トルエン中の水酸化ナトリウムから成る二相性の混合物中で又はメタノール中のナトリウムメトキシドから成る均一な混合物中で実施される、請求項1〜17いずれか1項記載の方法。
  20. 1及びR2が、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、フェニル環を形成し;Xが、N-Zであり、Zが請求項1又は3と同義である、請求項1〜19いずれか1項記載の方法。
  21. 式(I)で示されるN−保護された4−ヒドロキシカルバゾールを、脱保護することにより、式(XI):
    Figure 2004519465
    で示される4−ヒドロキシカルバゾールに変換する、請求項20記載の方法。
  22. 式(XI)で示される4−ヒドロキシカルバゾールを、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、式(XII):
    Figure 2004519465
    で示される化合物に変換する、請求項21記載の方法。
  23. 式(XII)で示される化合物を、ベンジル−[2−2(2−メトキシフェノキシ]−エチルアミンと反応させることにより、式(IX):
    Figure 2004519465
    で示される化合物に変換する、請求項22記載の方法。
  24. 式(I)で示されるN−保護された4−ヒドロキシカルバゾールを、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、式(VII):
    Figure 2004519465
    (式中、Zは、請求項1と同義である)
    で示される化合物に変換する、請求項20記載の方法。
  25. 式(VII)で示される化合物を、ベンジル−[2−(2−メトキシフェノキシ]−エチル−アミンと反応させることにより、式(VIII):
    Figure 2004519465
    (式中、Zは、請求項1と同義である)
    で示される化合物に変換する、請求項24記載の方法。
  26. 式(VIII)で示される化合物を、脱保護することにより、式(IX):
    Figure 2004519465
    で示される化合物に変換する、請求項25記載の方法。
  27. 式(IX)で示される化合物を、水素化することにより、式(X):
    Figure 2004519465
    で示される、1−(4−カルバゾイルオキシ)−3−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチルアミノ]−2−プロパノールに変換する、請求項23又は26のいずれか記載の方法。
  28. 1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールの調製のための、請求項1〜27いずれか記載の方法であって、
    a)酢酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステル又は安息香酸1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−2−イル)−アリルエステルの環化カルボニル化により、酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルを得る;
    b)酢酸9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルエステルのけん化により、9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを得る;
    c)9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−オールを、塩基性条件下で、エピクロロヒドリンと反応させることにより、9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを得る;
    d)9−ベンゼンスルホニル−4−オキシラニルメトキシ−9H−カルバゾールを、ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミンと反応させることにより、1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}プロパン−2−オールを得る;
    e)塩基性条件下で、1−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}プロパン−2−オールを脱保護することにより、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)−エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを得る;
    f)有機溶媒中で、1−{ベンジル−[2−(2−メトキシ−フェノキシ)エチル]−アミノ}−3−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−プロパン−2−オールを水素化することにより、1−(9H−カルバゾール−4−イルオキシ)−3−[[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]−2−プロパノールを得る、
    ことを含む方法。
  29. 1−(4−カルバゾイルオキシ)−3−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチルアミノ]−2−プロパノールの調製のための、請求項1〜28いずれか1項記載の方法の使用。
  30. 式(IIa):
    Figure 2004519465
    (式中、R8は、水素、アセチル又はベンゾイルである)
    で示される化合物。
  31. 本明細書に記載の発明。
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