JP2004519169A - 可動コイルのためのエアーギャップの領域において音響的に漏れのない電気音響変換器 - Google Patents
可動コイルのためのエアーギャップの領域において音響的に漏れのない電気音響変換器 Download PDFInfo
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Abstract
変換器軸(2)と、膜(3)と、外側磁石システム部(7)と内側磁石システム部(8)とを有する磁石システム(6)と、上記膜(3)に接続され且つコイルキャリヤ(28)とコイルキャリヤ(28)によって2つの磁石システム部(7,8)の間のエアーギャップ(14)内に保持される可動コイル(29)とを有する可動コイル構造(27)と、変換器軸(2)に平行な上記可動コイル構造(27)の直線ガイドのためのガイド手段(36)とを有する変換器(1)であって、上記可動コイル構造(27)が上記外側磁石システム部(7)の上記円筒境界面(15)と一緒に多くとも100Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性の円筒ギャップ(43)を定める円筒境界面(42)を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変換器軸及び膜と、協働してエアーギャップを囲む外部磁石システム部及び内側磁石システム部を有する磁石システムと、膜に接続され且つコイルキャリヤ及びこのコイルキャリヤによって支持されエアーギャップ内に保持される可動コイルを有する可動コイル構造と、可動コイル構造を変換器軸に対し平行に直線的にガイドするガイド手段とを有する電気音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような電気音響変換器は特許文献GB383,376から既知である。既知の変換器の中空の円筒可動コイルは、可動コイルと外側マグネットシステム部の円筒境界面との間に比較的大きなスペースが存在するように、外側磁石システム部の円筒境界面に対向するように配されており(この特許文献には、ブッシュ状のコイルキャリヤに対向する可動コイルのフリーな部分についての情報は無い)、この結果、可動コイルと外側磁石システム部の境界面との間のギャップ状の領域は比較的高周波数、即ち約900Hz乃至1100Hzの範囲の周波数に対してのみ音響的に非透過性であるのに対して、このギャップ状の領域は、より低周波数に対しては音響的に非透過性ではない。その結果、既知の電気音響変換器は、約900Hz乃至1100Hzの周波数範囲より上の信号に対してのみ申し分のない再生を達成するのに対して、より低周波数の信号を十分な品質で再生することは実際は不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、その目的として、上記の状況を避けること、及び改良された電気音響変換器を作ることを有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による電気音響変換器では、この目的を達成するために、本発明による電気音響変換器が以下に与えられたやり方で特徴付けることができるように、本発明による特徴が備えられる。
【0005】
変換器軸と、上記変換器軸に対し平行に振動可能な膜と、外側磁石システム部と内側磁石システム部とを有し、上記外側磁石システム部及び上記内側磁石システム部が上記外側磁石システム部の円筒境界面と上記内側磁石システム部の円筒境界面とによって制限されるエアーギャップを囲む磁石システムであって、上記膜の裏面に直に接続する裏面チャンバボリュームが上記膜の裏面から上記変換器軸の方向に平行に離れた追加の裏面チャンバボリュームに連通するように備えられる少なくとも1つ通路を有する磁石システムと、上記膜に接続され且つ中空の円筒コイルキャリヤと上記中空の円筒コイルキャリヤに接続される中空の円筒形の可動コイルとを有する可動コイル構造であって、上記可動コイルが少なくとも実質的にエアーギャップに存在するように保持され且つ上記磁石システムに対して調整可能である可動コイル構造と、可動コイル構造のためのガイド手段であって、上記磁石システムに対する上記可動コイルの調整時に上記変換器軸に平行に上記可動コイル構造をガイドするガイド手段とを有する電気音響変換器であって、上記可動コイル構造が上記外側磁石システム部の上記円筒境界面に対向する領域に円筒境界面を有し、上記外側磁石システム部の上記円筒境界面及び上記可動コイル構造の上記円筒境界面が、相互に同軸に配され且つ多くとも100Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性の円筒ギャップを定める電気音響変換器。
【0006】
本発明による構造的に単純なやり方の手段は、電気音響変換器の動作中であっても、可動コイル構造の円筒境界面が外側磁石システム部の円筒境界面から僅かに且つ常に一定の距離だけ離れて保持され、一方、多くとも100Hzの下限周波数より上の周波数に対して音響的に非透過性であるように、可動コイル構造の円筒境界面と外側磁石システム部の円筒境界面との間に形成される円筒ギャップの幅が非常に小さい電気音響変換器を提供し、このことは、100Hzの下限周波数から下の周波数に対して申し分のない音響信号の再生を保証することを意味する。
【0007】
本発明による電気音響変換器では、上記外側磁石システム部の上記円筒境界面及び上記可動コイル構造の上記円筒境界面が、50Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性である円筒ギャップの範囲を定める場合、非常に有利であることがわかった。このことは、50Hzの低周波数から下の周波数に対して申し分ない音響信号再生を保証することを意味する。20Hzの下限周波数から上の周波数のギャップの音響的な非透過性が、それに応じて形作られたギャップで保証される場合特に有利であることがわかった。円筒ギャップはこのような構造、即ち、このような変換器軸に平行なギャップ長及びギャップ幅を有することができ、このギャップはわずか10Hz又は5Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性であることに言及する。
【0008】
本発明による電気音響変換器では、可動コイルは、プラスチックケースに入れることができ、そのプラスチックケースとともに中空の円筒コイルキャリヤの外側境界面上に配することができ、この場合、プラスチックケースは、可動コイル構造の円筒境界面を形成し且つ外側磁石システム部の円筒境界面に対向して配される円筒外側境界面を有する。しかしながら、可動コイル構造の円筒境界面が中空の円筒コイルキャリヤの外側境界面によって形成され、可動コイルが中空の円筒コイルキャリヤの内側に備えられてそのコイルキャリヤに接続される場合、特に有利であることがわかった。このような設計は、試験によって非常に有利であることがわかった。
【0009】
本発明による変換器では、ガイド手段を変換器軸に平行に延びるガイド溝及びガイドストリップによって形成することができる。このガイドストリップはガイド溝において突き出ている。しかしながら、ガイド手段が変換器軸に平行に延びる少なくとも2つの凹状のボールケージを有するボールベアリング構造によって形成され、一方ボールは2つの軸レベルに配されケージに入っている場合特に有利であることがわかった。このような設計は、最も容易な移動によって可動コイルの直線ガイドをする観点から、有利であることがわかった。このような設計も高い精度で達成することができ、このことは、できるだけ狭く且つ均一な幅を有する円筒ギャップの製造の観点から、大きな利点である。
【0010】
このようなホールベアリング構造では、ボールが合成樹脂材料(例えばポリアセタール又はポリウレタン)から作られるのが特に有利であることがわかった。好ましくは、研削ボールが備えられる。
【0011】
本発明による電気音響変換器では、膜が可動コイル構造の中空の円筒コイルキャリヤにのみ接続される場合、特に有利であることがわかった。このことは、例えば、上に挙げられた特許文献GB383376の図4に示されている、可動コイル接続のための戻り手段も膜に接続されている変換器のように、膜と他の変換器部品との間に如何なる形式の機械的接続も存在しないことを意味する。本発明による設計によって、膜が中空の円筒コイルキャリヤにのみ接続され、実際にどんな低い自然共振周波数も、膜と可動コイル構造とから形成されるアセンブリによって有利に達成され、これによって、低周波数において信号の高品質再生という利益を得る。
【0012】
本発明の上記及び他の態様は、以下に記載される実施例から明白になり、この実施例を基準にして説明される。
【0013】
本発明は、図面に示されている実施例を基準にして以下に記載されるが、本発明はその実施例には限定されない。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は電気音響変換器1を示す。ここでは、この電気音響変換器1はダイナミックスピーカである。このダイナミックスピーカの独特な特徴は、スピーカが小さい外径、即ち、約20mm乃至25mmの範囲の総体外径を有し、このスピーカはその小さな寸法にもかかわらず、特に高い再生品質(即ち、ハイファイの再生品質)を有し、このスピーカによって、20Hzと50Hzとの間の範囲にある超長波をこのスピーカによって優れた品質で再生することも達成できることである。
【0015】
この変換器1は変換器軸2を有する。変換器1は、変換器軸2に対し平行に振動可能な膜3が取り付けられている。ここでは、この膜3は、概してカップ状又はドーム状であり、カップ状又はドーム状の部分4と、この部分4から突き出た、変換器軸2に平行な中空の円筒固定部分5とを有する。
【0016】
変換器1は磁石システム6も備えている。この磁石システムは、外側磁石システム部7及び内側磁石システム部8並びに永久磁石9を有する。外側磁石システム部7はポット形状であり、底壁10と中空の円筒側壁11とを有する。内側磁石システム部8もポット形状であり、底壁12と中空の円筒側壁13とを有する。永久磁石9は円形のディスク状構造を有し、外側磁石システム部7の底壁10と内側磁石システム部8の底壁12との間に備えられる。2つの磁石システム部7及び8は、磁気的に高い透過性の材料、好ましくは軟鉄で作られる。
【0017】
2つの磁石システム部7及び8は、2つの側壁11及び13の領域においてエアーギャップ14を囲む。このエアーギャップ14は、外側磁石システム部7の円筒境界面15と内側磁石システム部8の円筒境界面16とによって制限される。
【0018】
磁石システム6に関して、この磁石システム6は、ここでは、3つの通路17、18及び19を有し、これら通路は、膜3の裏面20に直接に接続されている裏面チャンバボリューム21が膜3の裏面20から離れており変換器軸2の方向に平行な追加の裏面チャンバボリューム22に連通するように備えられることを念頭におくべきである。図4から明らかなように、追加の裏面チャンバボリューム22は、図4の変換器軸2を横切る方向の全体の大きさが図示されていない筐体23によって制限されている。通路17を示す図2及び図4から明らかなように、3つの通路17、18及び19の各々は、内側磁石システム部8のスロット状の通路24と外側磁石システム部7の同じくスロット状の通路25とから成る。2つの通路24及び25は、永久磁石9に隣接し且つそれに応じて通路17又は18又は19に割り当てられる中間チャンバ26を通じて、相互に接続されている。従って、3つの通路17、18及び19は、追加の裏面チャンバボリューム22によって、膜3の裏面20に直接に接続している裏面チャンバボリューム21を拡大する役割をし、このことは、20Hzと数百Hzとの間の範囲の低周波数の信号の申し分のない品質の音響再生を保証する場合に必要である。
【0019】
変換器1は可動コイル構造27も備えている。可動コイル構造27は膜3に接続されている。可動コイル構造27は、プラスチックブッシュによって形成される中空の円筒コイルキャリヤ28を有する。更に、可動コイル構造27は、コイルキャリヤ28に接続される中空の円筒可動コイル29を有する。ここでは、可動コイル29は、全体的にエアーギャップ24に位置するように保持される。可動コイル29は、磁石システム6に対して調整することができる。変換器1が動作すると、可動コイル29に電気信号が供給され、その結果、可動コイル29は供給された信号に従って磁石システム6に対して変換器軸2の方向に平行に振動するように設定され、この振動は膜3によって音波に変換される。
【0020】
図2及び図4は定位置の可動コイル構造27を示す。可動コイルの定位置は、コイルキャリヤ28が3つのラバーウェブ30、31及び32に接続されて規定される。これらウェブは、その自由端の領域において、変換器軸2の方向に平行な外側磁石システム部7の側壁11から突出する保持ブロック33、34及び35に接続される。ラバーウェブ30、31及び32は、図2及び図4に示す定位置からの正の偏りの場合と負の偏りの場合との両方において、同じ復帰力が実質的に常に可動コイル構造27に作用するという利点を提供する。従って、ラバーウェブ30、31及び32は、可動コイル構造27の定位置を規定するだけでなく、可動コイル構造27をその定位置に戻すための手段としても使用される。可動コイル構造27の定位置は別のやり方(例えば螺旋状に巻かれた圧縮バネ又は板バネ又は他のバネの使用、機械的な助けの無い例えば磁気復帰力が利用できる復帰手段)によって確保されてもよいことに注意されたい。いかなる場合にも存在する変換器1の磁石システム6の使用によって復帰機能を成し遂げることも考えられる。
【0021】
変換器1は、可動コイル構造27のためにガイド手段36も有する。ガイド手段36は、磁石システム6に対する可動コイル29の調整の間、可動コイル構造27を変換器軸2に対し平行に正確にガイドする。変換器1のガイド手段36は、ここでは、変換器軸2に対し平行に延びる3つの溝型のボールケージ37を有するボールベアリング構造36によって形成される。図2及び図4において、これらボールケージ37のうちの1つのみが見えている。更に、ボールベアリング構造36は、ボール38及び39を有する。このボール38及び39はボールケージ37に入っており、点線40及び41で示される2つの軸レベルに配されている。従って、変換器1は、このようなボール38及び39を合計6個有しており、図2及び図4では2つのボール38及び39のみが見えている。
【0022】
変換器1は、可動コイル構造27が外側磁石システム部7の円筒境界面15に対向する領域に円筒境界面42を有し、外側磁石システム部7の円筒境界面15及び可動コイル構造27の円筒境界面42が相互に同軸に配され、ここに円筒ギャップ43を規定するように構成されることが有利である。円筒ギャップ43は半径方向のギャップ幅を有し、変換器軸2に平行なギャップ長を有する。これら2つのギャップの寸法は、ギャップ43が約20Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性、即ち音響的に非透過性の挙動を有することを保証するように設けられる。
【0023】
開発の間に構成された変換器1のサンプルの一例では、ギャップ幅が約0.1mmの値を有し且つギャップ長が約10mmの値を有する円筒ギャップ43が製造された。しかしながら、円筒ギャップ43がかなり狭い(例えば、0.05mm、また0.02mm乃至0.01mm)他のサンプルも製造された。これらの非常に狭いギャップ43にもかかわらず、ボールベアリング構造36が可動コイル構造27を変換器軸2に対し平行に高精度で直線的にガイドするために、外側磁石システム部7の円筒境界面15に対する可動コイル構造27の望ましくないノッキングに関しては、これまで重大な問題は生じていない。円筒ギャップ43の小さいギャップ幅の結果、このギャップ43は非常に低い下限周波数に対して実質上音響的に非浸透性であり、このことは、低周波数信号の申し分のない音響再生を可能にするためには極めて重要な条件である。
【0024】
変換器1の可動コイル構造27の円筒境界面42は、中空の円筒コイルキャリヤ28の外側境界面42によって形成され、このことは、円筒境界面42が単一部品、即ちコイルキャリヤ28によってのみ決定されるので、可動コイル構造27の円筒境界面42が軸全体に渡って正確な一定の直径を有するように実現されるという利点を有する。
【0025】
変換器1は、可動コイル29が中空の円筒コイルキャリヤ28の内側に備えられコイルキャリヤ28の内側においてそのコイルキャリヤ28に接続されるという他の利点を有する。ここでは、可動コイル29のコイルキャリヤ28への接続は、接着剤接合(図示せず)によって達成されている。しかしながら、この接続は、上記のやり方に代えて、異なるやり方で達成することもできる。
【0026】
円筒ギャップ43の変換器軸2に平行に延びるギャップ長に関して、このギャップ長は、可動コイル構造27が外側磁石システム部7の底壁10から最も離れているストローク位置に存在している場合でも、ギャップ43の音響的に非透過性の挙動を保証するように十分に長いことに注意すべきである。
【0027】
変換器1の膜3は、膜3の振動部4から突き出た、変換器軸2に平行な中空の円筒固定部分5であって、コイルキャリヤ28上に配され接着剤接合によってコイルキャリヤ28に接続されている中空の円筒固定部5によって、可動コイル構造27の中空の円筒コイルキャリヤ28にのみ接続されている。従って、膜とコイルキャリヤ28以外の部品との間には機械的接続が存在せず、このことは、結果として膜3と可動コイル構造27とから成る構成要素の低い共振周波数を実質上達成するので、特に有利である。
【0028】
本発明による変換器1では、
1)このような変換器1において膜3の前方の領域と膜3の後方の領域との間に必要な音響的な非透過性;
2)可動コイル構造27の正確な軸方向のガイド;及び
3)可動コイル構造27の戻りが、3つの独立した手段によって、構造的に簡単且つ信頼できるやり方で達成され、これにより、これらの手段の各々を他の手段とは独立に必要な大きさで構成することができ、このため、これらの手段によって達成されるべき機能の各々に対して最適条件を作ることができる。従って、本発明による変換器1は、高い伝達線形性を保証すると同時に、長い膜ストロークに対して申し分なく適している。
【0029】
図1乃至図4の変換器1の可動コイル構造27のコイルキャリヤ28及び可動コイル29は、製造後に接続される別々に製造された2つの部品によって形成されることに注意されたい。その代わりに、可動コイル構造27が、独立したコイルとして単独で最初に巻かれる可動コイル29を有し、その上において、この可動コイル29が可動コイル29の周りで成形されることによって形成されるコイルキャリヤ28に接続され、この場合、コイルキャリヤ28は可動コイル29の軸方向の大きさよりも十分長く形成され、従って、図1乃至図4を基準にして上述された変換器1と同じ方法で、ボールベアリング構造によってガイドすることができるように、可動コイル構造27を生産及び構成することも可能である。
【0030】
図1乃至図4の変換器1は、外側磁石システム部7の円筒境界面15と内側磁石システム部8の円筒境界面16と可動コイル構造27の円筒境界面42と中空の円筒ギャップ43とを有することに注意されたい。円形状の円筒デザインであることが好ましいが、円筒デザインは底面として円形状の有する必要は無く、その代わりに底面として正方形又は三角形又は多角形を有してもよいので、円形状の円筒デザインが絶対的に必須ではない。ガイド手段として、ボールベアリング構造の代わりにローラーベアリングを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電気音響変換器の平面図を示す。
【図2】図1による電気音響変換器の図1におけるII−II線に沿う断面を示す。
【図3】図1及び図2の電気音響変換器の図2におけるIII−III線の底面図である。
【図4】図2と同じやり方であるが、より大きなスケールで、図1乃至図3の電気音響変換器を筐体内に保持された状態で示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、変換器軸及び膜と、協働してエアーギャップを囲む外部磁石システム部及び内側磁石システム部を有する磁石システムと、膜に接続され且つコイルキャリヤ及びこのコイルキャリヤによって支持されエアーギャップ内に保持される可動コイルを有する可動コイル構造と、可動コイル構造を変換器軸に対し平行に直線的にガイドするガイド手段とを有する電気音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような電気音響変換器は特許文献GB383,376から既知である。既知の変換器の中空の円筒可動コイルは、可動コイルと外側マグネットシステム部の円筒境界面との間に比較的大きなスペースが存在するように、外側磁石システム部の円筒境界面に対向するように配されており(この特許文献には、ブッシュ状のコイルキャリヤに対向する可動コイルのフリーな部分についての情報は無い)、この結果、可動コイルと外側磁石システム部の境界面との間のギャップ状の領域は比較的高周波数、即ち約900Hz乃至1100Hzの範囲の周波数に対してのみ音響的に非透過性であるのに対して、このギャップ状の領域は、より低周波数に対しては音響的に非透過性ではない。その結果、既知の電気音響変換器は、約900Hz乃至1100Hzの周波数範囲より上の信号に対してのみ申し分のない再生を達成するのに対して、より低周波数の信号を十分な品質で再生することは実際は不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、その目的として、上記の状況を避けること、及び改良された電気音響変換器を作ることを有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による電気音響変換器では、この目的を達成するために、本発明による電気音響変換器が以下に与えられたやり方で特徴付けることができるように、本発明による特徴が備えられる。
【0005】
変換器軸と、上記変換器軸に対し平行に振動可能な膜と、外側磁石システム部と内側磁石システム部とを有し、上記外側磁石システム部及び上記内側磁石システム部が上記外側磁石システム部の円筒境界面と上記内側磁石システム部の円筒境界面とによって制限されるエアーギャップを囲む磁石システムであって、上記膜の裏面に直に接続する裏面チャンバボリュームが上記膜の裏面から上記変換器軸の方向に平行に離れた追加の裏面チャンバボリュームに連通するように備えられる少なくとも1つ通路を有する磁石システムと、上記膜に接続され且つ中空の円筒コイルキャリヤと上記中空の円筒コイルキャリヤに接続される中空の円筒形の可動コイルとを有する可動コイル構造であって、上記可動コイルが少なくとも実質的にエアーギャップに存在するように保持され且つ上記磁石システムに対して調整可能である可動コイル構造と、可動コイル構造のためのガイド手段であって、上記磁石システムに対する上記可動コイルの調整時に上記変換器軸に平行に上記可動コイル構造をガイドするガイド手段とを有する電気音響変換器であって、上記可動コイル構造が上記外側磁石システム部の上記円筒境界面に対向する領域に円筒境界面を有し、上記外側磁石システム部の上記円筒境界面及び上記可動コイル構造の上記円筒境界面が、相互に同軸に配され且つ多くとも100Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性の円筒ギャップを定める電気音響変換器。
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本発明による構造的に単純なやり方の手段は、電気音響変換器の動作中であっても、可動コイル構造の円筒境界面が外側磁石システム部の円筒境界面から僅かに且つ常に一定の距離だけ離れて保持され、一方、多くとも100Hzの下限周波数より上の周波数に対して音響的に非透過性であるように、可動コイル構造の円筒境界面と外側磁石システム部の円筒境界面との間に形成される円筒ギャップの幅が非常に小さい電気音響変換器を提供し、このことは、100Hzの下限周波数から下の周波数に対して申し分のない音響信号の再生を保証することを意味する。
【0007】
本発明による電気音響変換器では、上記外側磁石システム部の上記円筒境界面及び上記可動コイル構造の上記円筒境界面が、50Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性である円筒ギャップの範囲を定める場合、非常に有利であることがわかった。このことは、50Hzの低周波数から下の周波数に対して申し分ない音響信号再生を保証することを意味する。20Hzの下限周波数から上の周波数のギャップの音響的な非透過性が、それに応じて形作られたギャップで保証される場合特に有利であることがわかった。円筒ギャップはこのような構造、即ち、このような変換器軸に平行なギャップ長及びギャップ幅を有することができ、このギャップはわずか10Hz又は5Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性であることに言及する。
【0008】
本発明による電気音響変換器では、可動コイルは、プラスチックケースに入れることができ、そのプラスチックケースとともに中空の円筒コイルキャリヤの外側境界面上に配することができ、この場合、プラスチックケースは、可動コイル構造の円筒境界面を形成し且つ外側磁石システム部の円筒境界面に対向して配される円筒外側境界面を有する。しかしながら、可動コイル構造の円筒境界面が中空の円筒コイルキャリヤの外側境界面によって形成され、可動コイルが中空の円筒コイルキャリヤの内側に備えられてそのコイルキャリヤに接続される場合、特に有利であることがわかった。このような設計は、試験によって非常に有利であることがわかった。
【0009】
本発明による変換器では、ガイド手段を変換器軸に平行に延びるガイド溝及びガイドストリップによって形成することができる。このガイドストリップはガイド溝において突き出ている。しかしながら、ガイド手段が変換器軸に平行に延びる少なくとも2つの凹状のボールケージを有するボールベアリング構造によって形成され、一方ボールは2つの軸レベルに配されケージに入っている場合特に有利であることがわかった。このような設計は、最も容易な移動によって可動コイルの直線ガイドをする観点から、有利であることがわかった。このような設計も高い精度で達成することができ、このことは、できるだけ狭く且つ均一な幅を有する円筒ギャップの製造の観点から、大きな利点である。
【0010】
このようなホールベアリング構造では、ボールが合成樹脂材料(例えばポリアセタール又はポリウレタン)から作られるのが特に有利であることがわかった。好ましくは、研削ボールが備えられる。
【0011】
本発明による電気音響変換器では、膜が可動コイル構造の中空の円筒コイルキャリヤにのみ接続される場合、特に有利であることがわかった。このことは、例えば、上に挙げられた特許文献GB383376の図4に示されている、可動コイル接続のための戻り手段も膜に接続されている変換器のように、膜と他の変換器部品との間に如何なる形式の機械的接続も存在しないことを意味する。本発明による設計によって、膜が中空の円筒コイルキャリヤにのみ接続され、実際にどんな低い自然共振周波数も、膜と可動コイル構造とから形成されるアセンブリによって有利に達成され、これによって、低周波数において信号の高品質再生という利益を得る。
【0012】
本発明の上記及び他の態様は、以下に記載される実施例から明白になり、この実施例を基準にして説明される。
【0013】
本発明は、図面に示されている実施例を基準にして以下に記載されるが、本発明はその実施例には限定されない。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は電気音響変換器1を示す。ここでは、この電気音響変換器1はダイナミックスピーカである。このダイナミックスピーカの独特な特徴は、スピーカが小さい外径、即ち、約20mm乃至25mmの範囲の総体外径を有し、このスピーカはその小さな寸法にもかかわらず、特に高い再生品質(即ち、ハイファイの再生品質)を有し、このスピーカによって、20Hzと50Hzとの間の範囲にある超長波をこのスピーカによって優れた品質で再生することも達成できることである。
【0015】
この変換器1は変換器軸2を有する。変換器1は、変換器軸2に対し平行に振動可能な膜3が取り付けられている。ここでは、この膜3は、概してカップ状又はドーム状であり、カップ状又はドーム状の部分4と、この部分4から突き出た、変換器軸2に平行な中空の円筒固定部分5とを有する。
【0016】
変換器1は磁石システム6も備えている。この磁石システムは、外側磁石システム部7及び内側磁石システム部8並びに永久磁石9を有する。外側磁石システム部7はポット形状であり、底壁10と中空の円筒側壁11とを有する。内側磁石システム部8もポット形状であり、底壁12と中空の円筒側壁13とを有する。永久磁石9は円形のディスク状構造を有し、外側磁石システム部7の底壁10と内側磁石システム部8の底壁12との間に備えられる。2つの磁石システム部7及び8は、磁気的に高い透過性の材料、好ましくは軟鉄で作られる。
【0017】
2つの磁石システム部7及び8は、2つの側壁11及び13の領域においてエアーギャップ14を囲む。このエアーギャップ14は、外側磁石システム部7の円筒境界面15と内側磁石システム部8の円筒境界面16とによって制限される。
【0018】
磁石システム6に関して、この磁石システム6は、ここでは、3つの通路17、18及び19を有し、これら通路は、膜3の裏面20に直接に接続されている裏面チャンバボリューム21が膜3の裏面20から離れており変換器軸2の方向に平行な追加の裏面チャンバボリューム22に連通するように備えられることを念頭におくべきである。図4から明らかなように、追加の裏面チャンバボリューム22は、図4の変換器軸2を横切る方向の全体の大きさが図示されていない筐体23によって制限されている。通路17を示す図2及び図4から明らかなように、3つの通路17、18及び19の各々は、内側磁石システム部8のスロット状の通路24と外側磁石システム部7の同じくスロット状の通路25とから成る。2つの通路24及び25は、永久磁石9に隣接し且つそれに応じて通路17又は18又は19に割り当てられる中間チャンバ26を通じて、相互に接続されている。従って、3つの通路17、18及び19は、追加の裏面チャンバボリューム22によって、膜3の裏面20に直接に接続している裏面チャンバボリューム21を拡大する役割をし、このことは、20Hzと数百Hzとの間の範囲の低周波数の信号の申し分のない品質の音響再生を保証する場合に必要である。
【0019】
変換器1は可動コイル構造27も備えている。可動コイル構造27は膜3に接続されている。可動コイル構造27は、プラスチックブッシュによって形成される中空の円筒コイルキャリヤ28を有する。更に、可動コイル構造27は、コイルキャリヤ28に接続される中空の円筒可動コイル29を有する。ここでは、可動コイル29は、全体的にエアーギャップ24に位置するように保持される。可動コイル29は、磁石システム6に対して調整することができる。変換器1が動作すると、可動コイル29に電気信号が供給され、その結果、可動コイル29は供給された信号に従って磁石システム6に対して変換器軸2の方向に平行に振動するように設定され、この振動は膜3によって音波に変換される。
【0020】
図2及び図4は定位置の可動コイル構造27を示す。可動コイルの定位置は、コイルキャリヤ28が3つのラバーウェブ30、31及び32に接続されて規定される。これらウェブは、その自由端の領域において、変換器軸2の方向に平行な外側磁石システム部7の側壁11から突出する保持ブロック33、34及び35に接続される。ラバーウェブ30、31及び32は、図2及び図4に示す定位置からの正の偏りの場合と負の偏りの場合との両方において、同じ復帰力が実質的に常に可動コイル構造27に作用するという利点を提供する。従って、ラバーウェブ30、31及び32は、可動コイル構造27の定位置を規定するだけでなく、可動コイル構造27をその定位置に戻すための手段としても使用される。可動コイル構造27の定位置は別のやり方(例えば螺旋状に巻かれた圧縮バネ又は板バネ又は他のバネの使用、機械的な助けの無い例えば磁気復帰力が利用できる復帰手段)によって確保されてもよいことに注意されたい。いかなる場合にも存在する変換器1の磁石システム6の使用によって復帰機能を成し遂げることも考えられる。
【0021】
変換器1は、可動コイル構造27のためにガイド手段36も有する。ガイド手段36は、磁石システム6に対する可動コイル29の調整の間、可動コイル構造27を変換器軸2に対し平行に正確にガイドする。変換器1のガイド手段36は、ここでは、変換器軸2に対し平行に延びる3つの溝型のボールケージ37を有するボールベアリング構造36によって形成される。図2及び図4において、これらボールケージ37のうちの1つのみが見えている。更に、ボールベアリング構造36は、ボール38及び39を有する。このボール38及び39はボールケージ37に入っており、点線40及び41で示される2つの軸レベルに配されている。従って、変換器1は、このようなボール38及び39を合計6個有しており、図2及び図4では2つのボール38及び39のみが見えている。
【0022】
変換器1は、可動コイル構造27が外側磁石システム部7の円筒境界面15に対向する領域に円筒境界面42を有し、外側磁石システム部7の円筒境界面15及び可動コイル構造27の円筒境界面42が相互に同軸に配され、ここに円筒ギャップ43を規定するように構成されることが有利である。円筒ギャップ43は半径方向のギャップ幅を有し、変換器軸2に平行なギャップ長を有する。これら2つのギャップの寸法は、ギャップ43が約20Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性、即ち音響的に非透過性の挙動を有することを保証するように設けられる。
【0023】
開発の間に構成された変換器1のサンプルの一例では、ギャップ幅が約0.1mmの値を有し且つギャップ長が約10mmの値を有する円筒ギャップ43が製造された。しかしながら、円筒ギャップ43がかなり狭い(例えば、0.05mm、また0.02mm乃至0.01mm)他のサンプルも製造された。これらの非常に狭いギャップ43にもかかわらず、ボールベアリング構造36が可動コイル構造27を変換器軸2に対し平行に高精度で直線的にガイドするために、外側磁石システム部7の円筒境界面15に対する可動コイル構造27の望ましくないノッキングに関しては、これまで重大な問題は生じていない。円筒ギャップ43の小さいギャップ幅の結果、このギャップ43は非常に低い下限周波数に対して実質上音響的に非浸透性であり、このことは、低周波数信号の申し分のない音響再生を可能にするためには極めて重要な条件である。
【0024】
変換器1の可動コイル構造27の円筒境界面42は、中空の円筒コイルキャリヤ28の外側境界面42によって形成され、このことは、円筒境界面42が単一部品、即ちコイルキャリヤ28によってのみ決定されるので、可動コイル構造27の円筒境界面42が軸全体に渡って正確な一定の直径を有するように実現されるという利点を有する。
【0025】
変換器1は、可動コイル29が中空の円筒コイルキャリヤ28の内側に備えられコイルキャリヤ28の内側においてそのコイルキャリヤ28に接続されるという他の利点を有する。ここでは、可動コイル29のコイルキャリヤ28への接続は、接着剤接合(図示せず)によって達成されている。しかしながら、この接続は、上記のやり方に代えて、異なるやり方で達成することもできる。
【0026】
円筒ギャップ43の変換器軸2に平行に延びるギャップ長に関して、このギャップ長は、可動コイル構造27が外側磁石システム部7の底壁10から最も離れているストローク位置に存在している場合でも、ギャップ43の音響的に非透過性の挙動を保証するように十分に長いことに注意すべきである。
【0027】
変換器1の膜3は、膜3の振動部4から突き出た、変換器軸2に平行な中空の円筒固定部分5であって、コイルキャリヤ28上に配され接着剤接合によってコイルキャリヤ28に接続されている中空の円筒固定部5によって、可動コイル構造27の中空の円筒コイルキャリヤ28にのみ接続されている。従って、膜とコイルキャリヤ28以外の部品との間には機械的接続が存在せず、このことは、結果として膜3と可動コイル構造27とから成る構成要素の低い共振周波数を実質上達成するので、特に有利である。
【0028】
本発明による変換器1では、
1)このような変換器1において膜3の前方の領域と膜3の後方の領域との間に必要な音響的な非透過性;
2)可動コイル構造27の正確な軸方向のガイド;及び
3)可動コイル構造27の戻りが、3つの独立した手段によって、構造的に簡単且つ信頼できるやり方で達成され、これにより、これらの手段の各々を他の手段とは独立に必要な大きさで構成することができ、このため、これらの手段によって達成されるべき機能の各々に対して最適条件を作ることができる。従って、本発明による変換器1は、高い伝達線形性を保証すると同時に、長い膜ストロークに対して申し分なく適している。
【0029】
図1乃至図4の変換器1の可動コイル構造27のコイルキャリヤ28及び可動コイル29は、製造後に接続される別々に製造された2つの部品によって形成されることに注意されたい。その代わりに、可動コイル構造27が、独立したコイルとして単独で最初に巻かれる可動コイル29を有し、その上において、この可動コイル29が可動コイル29の周りで成形されることによって形成されるコイルキャリヤ28に接続され、この場合、コイルキャリヤ28は可動コイル29の軸方向の大きさよりも十分長く形成され、従って、図1乃至図4を基準にして上述された変換器1と同じ方法で、ボールベアリング構造によってガイドすることができるように、可動コイル構造27を生産及び構成することも可能である。
【0030】
図1乃至図4の変換器1は、外側磁石システム部7の円筒境界面15と内側磁石システム部8の円筒境界面16と可動コイル構造27の円筒境界面42と中空の円筒ギャップ43とを有することに注意されたい。円形状の円筒デザインであることが好ましいが、円筒デザインは底面として円形状の有する必要は無く、その代わりに底面として正方形又は三角形又は多角形を有してもよいので、円形状の円筒デザインが絶対的に必須ではない。ガイド手段として、ボールベアリング構造の代わりにローラーベアリングを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電気音響変換器の平面図を示す。
【図2】図1による電気音響変換器の図1におけるII−II線に沿う断面を示す。
【図3】図1及び図2の電気音響変換器の図2におけるIII−III線の底面図である。
【図4】図2と同じやり方であるが、より大きなスケールで、図1乃至図3の電気音響変換器を筐体内に保持された状態で示す。
Claims (6)
- 変換器軸と、
前記変換器軸に対し平行に振動可能な膜と、
外側磁石システム部と内側磁石システム部とを有し、前記外側磁石システム部及び前記内側磁石システム部が前記外側磁石システム部の円筒境界面と前記内側磁石システム部の円筒境界面とによって制限されるエアーギャップを囲む磁石システムであって、前記膜の裏面に直に接続する裏面チャンバボリュームが前記膜の裏面から前記変換器軸の方向に平行に離れた追加の裏面チャンバボリュームに連通するように備えられる少なくとも1つの通路を有する磁石システムと、
前記膜に接続され且つ中空の円筒コイルキャリヤと前記中空の円筒コイルキャリヤに接続される中空の円筒形の可動コイルとを有する可動コイル構造であって、前記可動コイルが少なくとも実質的にエアーギャップに存在するように保持され且つ前記磁石システムに対して調整可能である可動コイル構造と、
可動コイル構造のためのガイド手段であって、前記磁石システムに対する前記可動コイルの調整時に前記変換器軸に平行に前記可動コイル構造をガイドするガイド手段とを有する電気音響変換器であって、
前記可動コイル構造が前記外側磁石システム部の前記円筒境界面に対向する領域に円筒境界面を有し、前記外側磁石システム部の前記円筒境界面及び前記可動コイル構造の前記円筒境界面が、相互に同軸に配され且つ多くとも100Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性の円筒ギャップを定める電気音響変換器。 - 前記外側磁石システム部の前記円筒境界面及び前記可動コイル構造の前記円筒境界面が、多くとも50Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性である円筒ギャップの範囲を定める請求項1に記載の変換器。
- 前記外側磁石システム部の前記円筒境界面及び前記可動コイル構造の前記円筒境界面が、最大20Hzの下限周波数から上の周波数に対して音響的に非透過性である円筒ギャップの範囲を定める請求項2に記載の変換器。
- 前記可動コイル構造の前記円筒境界面が前記中空の円筒コイルキャリヤの外側境界面により形成され、前記可動コイルが前記中空の円筒コイルキャリヤの内側に備えられ且つ前記コイルキャリヤに接続される請求項1に記載の変換器。
- 前記ガイド手段がボールベアリング構造によって形成され、前記ボールベアリング構造が、前記変換器軸に平行に延びる少なくとも2つの溝型のボールケージと前記ボールケージに入るボールとを有し、前記ボールは2つの軸レベルに配される請求項1に記載の変換器。
- 前記膜が前記可動コイル構造の前記中空の円筒コイルキャリヤにのみ接続される請求項1に記載の変換器。
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