JP2004518678A - 抗癌剤2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリンのコバルトおよびクロムとの錯体 - Google Patents

抗癌剤2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリンのコバルトおよびクロムとの錯体 Download PDF

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Abstract

本発明は、あるクラスの複素環およびその金属錯体に関し、そして詳細には、癌の処置における、酵素によるか、または治療的な電離放射線による低酸素状態下で活性化され得るプロドラッグの調製において、またはプロドラッグとしての、これらの化合物の使用に関する。本発明はまた、医薬の調製における、これらの複素環および対応する金属錯体の使用に、ならびにこれらの複素環またはそれらの金属錯体を含む組成物に、ならびにこれらの化合物を調製する方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な複素環およびその金属錯体に関し、そして詳細には、癌の治療における、酵素によるか、または治療的な電離放射線による低酸素状態下で活性化され得るプロドラッグの調製における、またはプロドラッグとしての、これらの化合物の使用に関する。本発明はまた、医薬の調製における、これらの新規な複素環および対応する金属錯体の使用に、ならびにこれらの組成物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低酸素領域は、ヒト腫瘍において広範に生じ、そしてこれらの領域内の細胞は電離放射線に対して比較的耐性である。このことは、これらの放射線耐性細胞の生存に起因して、放射線療法後の腫瘍の頻繁な再発をもたらす。酸素模倣的な放射線増感剤の使用がまた、広範に検討されているが、成功ははっきりしたものではない。このような低酸素性領域の存在は、本質的に腫瘍組織に対して限定されており、この結果、これらの低酸素性領域でのみ酵素的還元によって活性化され得る生体内還元性プロドラッグ(低酸素活性化プロドラッグ(hypoxia−activated prodrug):HAP)の開発が行われた。これらのプロドラッグのほとんどは、全ての細胞において一過性の一電子中間体へと活性化されるが、この中間体は、正常な組織における分子酸素によって再酸化され、これによって完全に低酸素の細胞中でのみ、毒性種への活性化が生じることが可能になる。
【0003】
現在の放射線療法が腫瘍領域にのみ電離放射線を送達するという標的化能力の改善によって、プロドラッグ(照射活性化プロドラッグ(radiation−activated prodrug);RAP)を活性化するため、細胞の酵素ではなく、この照射由来の還元当量を用いることの可能性が示唆されている。従って、これらのプロドラッグの活性化は、照射領域内の低酸素領域に限定され、これによって二重のレベルの選択性が提供される。このような機構の活性化は、HAPを上回る他の理論的な利点を有する(非特許文献1)。
【0004】
これらの利点としては以下が挙げられる:
・部分的に低酸素性の正常組織(照射領域の外側)では近傍の活性化がない。
【0005】
・このプロドラッグを活性化するために、低酸素性腫瘍容積の全体(活性なレダクターゼも還元補助因子もない壊死領域を含む)を使用することができる。
【0006】
・可能性のある種々の酵素レベル、および酵素基質としての有効性の程度に対する依存性を回避することができる。
【0007】
HAPについては多くの報告がある(例えば、非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4)が、RAPについての報告は比較的少ない。プロドラッグを活性化するために治療用の電離放射線を使用するアプローチが報告されており(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7および非特許文献8)、このアプローチでは、化合物Aのような5−フルオロウラシル(5−FU)に基づく化合物の放射線分解による活性化を使用している。
【化1】
Figure 2004518678
【0008】
しかし、放射線療法の間に用いた照射の用量(代表的には2Gy/日)では、わずか約1.2μmol/kgの総一次ラジカル収量しか得られない。還元によってプロドラッグを活性化し得る還元種を含むのは、このラジカル収率の約半分でしかない。従って、遊離されたエフェクター5−FU(上記では化合物Bとして図示)は、治療用レベルの照射後、臨床的に有効な濃度を保障するほど十分強力ではない。
【0009】
下に図示する化合物Cのような二座マスタードの金属錯体の使用がまた、RAPとして、報告されている(非特許文献9)。しかし、下に図示する化合物Dのような、遊離されたマスタードはまた、治療用レベルの照射後、臨床的に有効な濃度を保障するほど十分に強力ではないようである(約1μMのIC50)。
【化2】
Figure 2004518678
【0010】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、複素環およびその金属錯体を、酵素、もしくは他の内因性の還元剤によるか、または治療的な電離放射線による低酸素状態下で活性化されるプロドラッグとして、提供すること、あるいは少なくとも、有用な選択肢を一般に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第一の局面において、本発明は以下の構造式Iによって表されるあるクラスの金属錯体;ならびにそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、および任意の生理的塩誘導体を含む金属錯体を提供する:
【化3】
Figure 2004518678
【0013】
ここで、
Aは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Dは、CまたはNから選択され;
Eは、直接結合、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは、DがCを表す場合、独立してHまたはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換されるか;あるいは
Mは、CoIII、CoII、CrIII、またはCrIIから選択され、
Zは、O、NRから選択され、ここでRは、HまたはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換され、
およびSは一緒になって下記の構造式Vを表し、
【化4】
Figure 2004518678
【0014】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CHOCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、またはCHOSO、またはCHOSONHRを含む群から選択され、ここでRは、HまたはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HまたはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換され;そして
Rは、以下の構造式VIまたはVIIのうちの1つから選択され:
【化5】
Figure 2004518678
【0015】
ここで、各々のT、T、およびTは、独立してH、OPO(OH)、OR、NR 、またはNHCORから選択され、(ここで各Rは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され);またはO(CHNR を表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして黒点・は、上記で規定される構造式Vに対するRの付着の点を表し、そして
は、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ基、または水酸基で置換される];OR、NR 、またはCONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された5員環系もしくは6員環系を表し、ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択され、そして
ここで、配位子L〜Lは、各々が独立して、アニオン性単座配位子;二座配位子;または以下の三座配位子VIIIa〜VIIIc(R〜R=Hの場合、それぞれ、TACH、TAME、およびTACNである)の組み合わせから選択され:
【化6】
Figure 2004518678
【0016】
このアニオン性単座配位子は、CN、SCN、ハライド、NO を含み、この二座配位子は、MeCOCHJCOMe(Jacac;この錯体中で脱プロトン化された)を含み、ここでJ=H、Me、Cl、SMe、SOMe、MeNCS 、S(CHSOH、S(CHCOH、S(CHOP(O)(OH)、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHOP(O)(OH)、S(CHP(O)(OH)、またはCH(CHP(O)(OH)であり、ここで、nは、1〜4であり、
ここで、各々のR〜Rは独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHP(O)(OH)、CH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNR から選択され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは独立して、H、またはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;または
〜Lはまた、四座配位子IX〜XVIIのいずれか1つ、もしくは二座配位子XVIIIのいずれか2つ、もしくは上記で規定された単座配位子L〜Lのいずれかと一緒になった二座配位子XVIIIのいずれかの組み合わせから選択され得;
【化7】
Figure 2004518678
【0017】
ここで構造式IX〜XVIIIにおいて、R1’〜R8’は各々独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHP(O)(OH)、CH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNMeを表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり;
各々のZ〜Zは独立して、−(CH−、−(CH−、−CHOCH−、または−CHN(R)CH−から選択され;ここでRは、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして
各々のY’は、独立して、H、ハロゲン、SOMe、O(C−Cアルキル)、NR10 、またはQ(CHから選択され、ここで各々のR10は、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでQは、−O−、−CH−、−NH−、−CONH−、−CO−、または−SO−から選択され、そしてQは、−COH、−SOH、−OP(O)(OH)もしくは−NR11 から選択され、ここで各々のR11は、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
ここで、この錯体の全体的荷電は中性、陽性、もしくは陰性であり、そして非中性の場合、錯体Fcounterchargeは、生理学的に受容可能なある範囲の対イオンから選択され、この対イオンとしては、ハライド、NO 、NH 、またはNaが挙げられ;そして
ここで、qは、この錯体上の全体的電荷を中和するのに必要な数である。
【0018】
好ましくは、上記で規定した構造式Iの化合物の環Aおよび環Bは、一緒になって、8置換キノリン系を表す。
【0019】
本発明のさらなる局面においては、癌の治療を提供する方法を提供する。この方法は、以下の工程:
(a)上記で規定された構造式Iの化合物の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程、および
(b)酵素的還元剤、もしくは非酵素的な内因性還元剤、または電離放射線のいずれかによる還元を介して低酸素性の条件下で構造式Iの化合物を活性化する工程、を包含し、
ここで、この活性化によって、構造式Iの化合物この有効量から、十分な量のエフェクターが遊離される。
【0020】
さらなる局面において、本発明はさらに、組成物であって、活性因子として上記で規定された構造式Iの化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む組成物を提供する。
【0021】
さらなる局面において、本発明はさらに、医薬の製造における使用であって、癌の治療の必要な患者を治療するにおいて使用するための構造式Iの化合物の有効量の使用を提供する。
【0022】
別の局面において、本発明は以下の構造式Iaによって表されるあるクラスの金属錯体であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む金属錯体を提供する:
【化8】
Figure 2004518678
【0023】
ここで:
Aは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Dは、CまたはNから選択され;
Eは、5員環系または6員環系から選択され、この環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Mは、CoIII、CoII、CrIII、またはCrIIから選択され;
Zは、NH、またはNHMeを表し;
Qは、H、C1−6アルキル、または(CHNHを表し、Qが(CHNHを表す場合、Qは、Mについての配位子となり、かつ下記で規定される配位子L〜Lの1つを置換し、
およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
【化9】
Figure 2004518678
【0024】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CHOCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、CHOSO、またはCHOSONHRを含む群から選択され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
【化10】
Figure 2004518678
【0025】
ここで、各々のT、T、およびTは、独立してH、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして黒点・は、上記で規定される構造式Vに対するRの付着の点を表し、そして
は、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ基、またはハロゲン基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択され、そして
ここで、配位子L〜Lは、各々が独立して、アニオン性単座配位子;二座配位子;または三座配位子VIIIa〜VIIIc(R〜R=Hの場合、それぞれ、TACH、TAME、およびTACNである)の組み合わせから選択され:
【化11】
Figure 2004518678
【0026】
このアニオン性単座配位子は、CN、SCN、ハライド、NO を含み;この二座配位子は、MeCOCHJCOMe(Jacac)を含み、ここでJ=H、Me、Cl、SMe、SOMe、S(CHSOH、S(CHCOH、S(CHOP(O)(OH)、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHOP(O)(OH)であり、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、ここでR〜Rは各々独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)CHまたはCH(CHNR から選択され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいは
〜Lはまた、以下の四座配位子IX〜XVIIのいずれか1つ、もしくは二座配位子XVIIIのいずれか2つ、もしくは上記で規定された単座配位子L〜Lのいずれかと一緒になった二座配位子XVIIIのいずれかの組み合わせから選択され得;
【化12】
Figure 2004518678
【0027】
ここで構造式IX〜XVIIIにおいて、R1’〜R8’は各々独立してH、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNMeを表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり;
各々のZ1’〜Z4’は独立して、−(CH−、−(CH−、−CHOCH−、または−CHN(R)CH−から選択され;ここでRは、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして
各々のY’は、独立して、H、ハロゲン、SOMe、O(C−Cアルキル)、NR 、またはQ(CHから選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでQは、−O−、−CH−、−NH−、−CONH−、−CO−、または−SO−から選択され、そしてQは、−COH、−SOH、−OP(O)(OH)もしくは−NR から選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
ここで、この錯体の全体的荷電は中性、陽性、もしくは陰性であり、そしてここで非中性の場合、錯体Fcounterchargeは、生理学的に受容可能なある範囲の対イオンから選択され、この対イオンとしては、ハライド、NO 、NH 、またはNaが挙げられ;そして
ここで、qは、この錯体上の全体的電荷を中和するのに必要な数である。
【0028】
好ましくは、上記で規定された構造式Iaの化合物の環Aおよび環Bは、一緒になって、8置換キノリン系を表す。
【0029】
さらなる局面において、本発明は癌の治療を提供する方法を提供する。この方法は、以下の工程:
(c)上記で規定された構造式Iaの化合物の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程、および
(d)酵素的還元剤、もしくは非酵素的な内因性還元剤、または電離放射線のいずれかによる還元を介して低酸素性の条件下で構造式Iaの化合物を活性化する工程、を包含し、
ここで、この活性化によって、構造式Iaのこの化合物のこの有効量から十分な量のエフェクターが遊離される。これは癌細胞を殺傷するのに十分な力価である。
【0030】
さらなる局面において、本発明は、組成物であって、活性因子として上記で規定される構造式Iaの化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む組成物を提供する。
【0031】
さらなる局面において、本発明は、医薬の製造における使用であって、癌の治療の必要な患者を治療するにおいて使用するための構造式Iaの化合物の有効量の使用、を提供する。
【0032】
別の局面において、本発明は、以下の構造式XIXのあるクラスの複素環であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む複素環を提供する:
【化13】
Figure 2004518678
【0033】
ここで
Aは、5員の芳香族環系または6員の芳香族環系から選択され、この環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Zは、OH、またはNR から選択され、ここでRは、HまたはC−Cアルキルを表し、このC−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
【化14】
Figure 2004518678
【0034】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CHOCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、またはCHOSO、またはCHOSONHRを含む群から選択され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
【化15】
Figure 2004518678
【0035】
ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式Vに対する付着の点を表し、
は、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ、または水酸基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、
ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される。
【0036】
ただしこれは、Z、A、B、X、S、S、およびSが一緒になって以下:
【化16】
Figure 2004518678
【0037】
を表す場合に、Rが以下:
【化17】
Figure 2004518678
【0038】
の1つを表さないという条件下である。
【0039】
好ましくは、上記で規定される構造式XIXの化合物の環Aおよび環Bは、一緒になって、8置換キノリン系を表す。
【0040】
さらなる局面において、本発明は、癌の治療を提供する方法を提供する。この方法は以下の工程:
以下の構造式XIX:
【化18】
Figure 2004518678
【0041】
の化合物であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む化合物の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程を包含し、
ここで、Aは、5員環系または6員環系から選択され、この環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C −6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Zは、OH、またはNR から選択され、ここでRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、このC−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
【化19】
Figure 2004518678
【0042】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CH−リン酸基、CHOCOR、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、必要に応じて1つ以上のアミノ基もしくは水酸基で置換されるC1−6アルキルを表し、ここで、Rは、HまたはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水素もしくはアミノ基で置換され;そして
Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
【化20】
Figure 2004518678
【0043】
ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式Vに対する付着の点を表し;
は、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ基、または水酸基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、
ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される。
【0044】
さらなる局面において、本発明は、活性因子として以下の式XIXの化合物であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む組成物を提供する:
【化21】
Figure 2004518678
【0045】
ここで、
Aは、5員の芳香族環系または6員の芳香族環系から選択され、この環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Zは、O、またはNRから選択され、ここでRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、このC−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
【化22】
Figure 2004518678
【0046】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CH−リン酸基、CHOCOR、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、Rは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
【化23】
Figure 2004518678
【0047】
ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式Vに対する付着の点を表し、
は、H、OH、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ、または水酸基で置換される]、OR、NR、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される。
【0048】
さらなる局面において、本発明は、癌の治療の必要な患者を治療するのに使用するための医薬の製造における使用であって、以下の構造式XIXの化合物であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む化合物の有効量の使用を提供する:
【化24】
Figure 2004518678
【0049】
ここで、
Aは、5員環系または6員環系から選択され、この環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、この芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
Zは、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、このC−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
【化25】
Figure 2004518678
【0050】
ここで、Xは、CH−ハロゲン、CH−リン酸基、CHOCOR、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、独立してC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基もしくは水酸基で置換され、Rは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
【化26】
Figure 2004518678
【0051】
ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式XIX(構造式V)に対する付着の点を表し;
は、H、OH、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここでこのアルキルは、必要に応じてアミノ、または水酸基で置換される]、OR、NR、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここでこの置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される。
【0052】
上記で規定される本発明の化合物は、異なるエナンチオマー型、および/またはジアステレオマー型で存在し得ることが認識されるべきである。このような場合、構造式I、Ia、およびXIXは、それらの任意の可能性のあるエナンチオマー型もしくはジアステレオマー型、またはこのような型の任意の混合物、そしてまた任意の生理学的に機能的な塩誘導体を表し得る。
【0053】
最後の局面において、本発明は、上記で規定された一般構造式I、Ia、およびXIXの化合物を調製する方法を提供する。このような方法を以下に記載する。
【0054】
本明細書を通じて用いられる場合、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシという用語は、このような基の直鎖型および分枝型の両方を含むと解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【0055】
本発明を上記では広範に規定しているが、本発明のさらなる局面が、一例としてのみ与えられる以下の図面および添付の実施例を参照して明白になることが当業者には明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
上記で規定されるように、本発明は、新規な複素環およびその金属錯体を提供し、そして詳細には、癌の治療における、酵素によるか、または治療用電離放射線による低酸素条件下で活性化されるプロドラッグとしての、これらの化合物の使用に関する。
【0057】
本発明の構造式IおよびIaの錯体(プロドラッグ)、および構造式XIXの複素環(細胞毒素またはエフェクター)が、臨床上有効であることを確実にするために、この錯体および複素環は、好ましくは以下の特性を有する:
・+III金属酸化状態の高い化学的安定性
・酵素または照射による還元的活性化の前にプロドラッグとしての毒性が最小限である
・活性化の際、このプロドラッグが強力な細胞障害性単位またはエフェクター単位を遊離する。
【0058】
これらの一般的基準を満たすプロドラッグ錯体または複素環化合物の例としては、上記のような構造式I、Ia,またはXIXの化合物が挙げられる。これらの化合物は、1例としてのみ以下に記載される、以下のスキームおよびプロセスによって調製され得る。
【0059】
(調製の実施例1)
(A:5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロピロロ[3.2−f]キノリンの合成)
一般に、式(XIX;Z=O)の5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロピロロ[3,2−f]キノリンは、前駆体14から作製され得る。前駆体14は、スキーム1に概説される方法によって順次調製され得る。改善された手順を用いて[Battersbyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1979,2250]、Skraup反応による、公知[Curdら、J.Chem.Soc.,1947,69,1613]の1の転化によって、80%の収率で2が得られた。メチルからベンジルへの転化(2→3→4)(合成の終了時に、より迅速な除去を可能にするため)と、その後のFe/AcOHを用いた4の還元によって、5を得る。これをBOC保護して、6を獲得し得る。この6を、NIS/MeCNを用いてヨウ素して、7aを獲得しても、またブロム化して(NBS/MeCN)7bを獲得してもよい。3−ブロモ−1,1−ジメトキシプロパンを用いた7a/7bのアルキル化によって、8a/8bを得る。この8a/8bを脱保護して(TsOH)、9a/9bにし得、次いで酢酸ビニル1oa/10bに転化し得る(AcO,DMAP,THF,還流)。これらがラジカル環化を受けて(BuSnH/AIBN)、11が得られる。この11を脱保護して(CsCO)、12を獲得し得る。これを直接(PhP、CCl)か、またはメシレート13(MsCl、EtN;次いでLiCl,DMF)を介するかのいずれかで、所望のラセミのピロロキノリン14に転化し得る。
【化27】
Figure 2004518678
【0060】
7a/7bから14への別の経路およびより短い経路をスキーム2に示す。1,3−ジクロロプロペンを用いた7a/7bのアルキル化、および得られた塩化ビニル15a/15bのラジカル環化によって、14が高収率で得られる。
【化28】
Figure 2004518678
【0061】
14のベンジル基は、水素化分解によって除去され得(スキーム3)、そして得られたフェノール16は、N−脱保護され、そして適切な側鎖Rとカップリングされ得る(式XIX)。別の経路はN脱保護/カップリング、その後のベンジル基の除去(14→17→18)(水素化分解、または酸処理のいずれかによる)である。
【化29】
Figure 2004518678
【0062】
(調製の実施例2)
(5−アミノ−2,3−ジヒドロピロロ[3,2−f]キノリンの合成)
一般に、5−アミノ−2,3−ジヒドロピロロ[3,2−f]キノリン(XIX,ZがNHを表す)は、前駆体25から調製され得る。前駆体25は、スキーム4に概説される方法によって合成され得る。エチル4−アミノ−3−ニトロベンゾエート上で、Skraup反応によって調製されたキノリン酸19[Jungら、Eur.Pat.Appln.EP581500(1994);Chem Abstr,1994,122,205125]は、DPPA/t−BuOH/EtNを用いてキノリン20に転化される。ニトロ基還元によってアミン21が得られ、これはフタロイル誘導体22に変換され、次いでブロム化して(NBS/MeCN)、23が得られる。1,3−ジクロロプロペンを用いたこれのN−アルキル化、その後の得られたクロロ中間体24のBuSnH/AIBNを用いたラジカル環化によって、三環系ピロロキノリノン25が得られる。スキーム4に示されるように、25のNBOC脱保護、その後の酸とのEDCIカップリングによって、式26の化合物(R=5,6,7−トリメトキシインドール−2−イルの場合の例について例示している)が得られる。最終的に、ヒドラジン分解による化合物26のデブロッキング(deblocking)によって式XIXの化合物が得られる。ここでZはNHを表す(R=5,6,7−トリメトキシインドール−2−イルの場合の例について例示している;27)。
【化30】
Figure 2004518678
【0063】
(調製の実施例3)
(5−(2−アミノエチルアミノ)ベンズインドール(benz[e]indole)の合成)
これらは、BOC保護されたアミノアセトアルデヒドを用いた縮合によって、その後のナトリウムシアノボロハイドライドまたは他の適切な還元剤を用いた還元、およびBOC基の脱保護によって、適切な5−アミノ化合物から調製され得る。スキーム5は、公知の[Atwellら、J.Org.Chem.1998,63,9414〜9420]5−アミノ化合物28からの代表的な化合物29の合成を示す。この合成はまた、5−アミノアザ化合物27由来の類似の誘導体の調製に適用され得ることが理解される。
【化31】
Figure 2004518678
【0064】
(調製の実施例4)
(補助的な配位子の合成)
新しい補助的なサイクレン型の四座配位子の合成の例として、ペルヒドロ−3,6,9,12−テトラアザシクロペンテノ[1,3−f,g]アセナフチレン(30)[Weismanら、Tetrahedron Lett.,21,1980,335]の1,3−プロパンスルトンとの反応によって、ビス−四級塩(31)を得、これをヒドラジン一水和物で処理して、ビス(プロパンスルホン酸)(32)を得る(スキーム6)。他のアルキル化試薬との30の類似の反応によって、スキーム6において化合物33〜36のように表される化合物のような、他の類似体(アナログ)が得られることが理解される。
【化32】
Figure 2004518678
【0065】
(調製の実施例5)
(金属錯体の合成)
上記で規定される構造式Iの金属錯体の合成の例として、四座の補助的な配位子を用いて、不安定なトリフレート配位子を保有する錯体39と18aとの反応によって、スキーム27に例示されるようなCoIII錯体M1が得られる。
(スキーム7)(表1のM1)
【化33】
Figure 2004518678
【0066】
上記で規定される構造式Iaの金属錯体の合成の例として、二座の補助的な配位子を用いて、18aと[Cr(acac)(HO)]ClO]・2HO含有無水CHCNとの反応によって、所望のCr(acac)−18a錯体M4が得られる。この反応経路はスキーム8に示される。29の同様の反応によって、対応するCr(acac)−29錯体M6が得られる。
(スキーム8)(錯体M4、錯体M6)
【化34】
Figure 2004518678
【0067】
他の四座大環系とのCrIII錯体は、CoIIIを用いる上記の実施例において使用したのと同様の合成経路によって調製され得る。同様であるとは、すなわち、両方とも重要な中間体は、反応性のビス[トリフレート]錯体(または溶液中の溶媒種)であるということである。トリフレート錯体に対する前駆体としてのニトロ錯体の使用は、CrIIIについてはありそうにない。なぜならニトロはCrIII上で乏しい配位子であるからである。その代わり、クロロ錯体が、この目的を十分に果たす。強力に酸性のトリフルオロメタンスルホン酸(triflic acid)中では、配位されたClのプロトン化は重要であり、そして不安定化および配位子の損失(ガス状のHCl副産物の除去によって不可逆にされた)をもたらす。
【0068】
三座配位子を有する金属錯体の例として、トリアミンTACNとNa[Co(NO]との反応によって、錯体[Co(TACN)(HO)](OTf)が得られる(スキーム9)。これとモデルのキノリンである8−ヒドロキシキノリン(8−HQ)との反応によって錯体M7を得る。
【化35】
Figure 2004518678
【0069】
(本発明の実施例)
表1における金属錯体M1〜M9の以下の例は、本発明の錯体の代表であり、そして表の後に記載された本発明の詳細なプロセスによって調製され得る。
(表1.金属錯体の構造および物理的特性)
【表1】
Figure 2004518678
【0070】
(実施例A.スキーム1〜3の方法による、1−(クロロメチル−5−ヒドロキシ−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18a)、および類似体(アナログ)18b〜18fの調製)
8−ヒドロキシ−6−ニトロキノリン臭化水素酸塩(3)。8−メトキシ−6−ニトロキノリン(2)[Battersbyら、J.Chem.,Soc.Perkin Trans.1,1979,2550の方法によって2−メトキシ−4−ニトロアニリン 1から調製した](50.0g,0.245mol)を含有する48%のHBr水溶液(0.205L,1.22mol)を、還流して65時間撹拌した。この混合物を氷中で冷却し、そして沈殿物を濾過により取り除き、そしてデシケーター中で乾燥して臭化水素酸塩として3を得た(58.0 g,87%):昇華点140℃,mp>230℃;H NMR(DMSO)δ 10.69(br s,2H),9.20(dd,J=4.9,1.5Hz,1H),9.11(dd,J=8.5,1.5Hz,1H),8.64(d,J=2.4Hz,1H),8.05(dd,J=8.5,4.9Hz,1H),7.90(d,J=2.4Hz,1H);13C NMR(DMSO)δ 152.0,149.4,146.4,144.3,135.4,128.3,124.1,114.5,106.5.分析値。C・HBrとしての計算値:C,40.01;H,2.61;N,10.37。実測値:C,40.44;H,2.17;N,10.83。
【0071】
8−ベンジルオキシ−6−ニトロキノリン(4)。3(58.0g,0.214mol)と、DMF(400mL)と、KCO(103.5g,0.75mmol)と、NaI(1.60g,10.7mmol)との混合物を、室温で撹拌し、一方ベンジルブロミド(25.4mL,0.214mmol)を、半時間ごとの間隔で4部で添加した。最初の添加から全部で9時間後、この混合物を氷上に注ぎ(1.5kg)、そしてこの沈殿物を濾過によって取り出し、水で洗浄し、乾燥した。粗材料をCHClに溶解し、そしてこの溶液をアルミナを通して濾過して4(59.55g,99%)を得た:mp(EtOH)152〜153℃;HNMR(CDCl)δ 9.13(dd,J=4.2,1.8Hz,1H),8.35(d,J=2.3Hz,1H),8.29(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),7.83(d,J=2.3Hz,1H),7.59(dd,J=8.4,4.2Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,2H),7.40(dd,J=7.6,7.2Hz,2H),7.33(t,J=7.2Hz,1H),5.50(s,2H);13C NMR(CDCl)δ 155.4,152.5,145.6,142.6,137.9,135.4,128.8,128.4,127.8,127.5,123.3,116.3,103.1,71.4.分析値。C16l2としての計算値:C,68.57;H,4.32;N,9.99。実測値:C,68.51;H,4.29;N,10.04。
【0072】
6−アミノ−8−ベンジルオキシキノリン(5)。4(8.00g,28.5mmol)およびAcOH(16mL,0.285mol)を含有するEtOH−水(5:1,240mL)の溶液に、鉄の粉塵(16.0g,0.285mol)を、還流しながら添加した。10分後、飽和したNaHCO水溶液(300mL)中にこの混合物を注意深く注いだ。この混合物をセライトを通して濾過し、そして濾過ケーキを、水(100mL),EtOH(3×50mL)、およびCHCl(3×100mL)を用いて洗浄した。合わせた濾液を水(300mL)を用いて希釈し、そして水層を分離してCHClで抽出した(2×50mL)。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そしてエバポレートして、黄褐色固体として5を得た(7.13g,100%):mp 183〜185℃;H NMR(CDCl)δ 8.66(dd,J=4.2,1.6Hz,1H),7.84(dd,J=8.3,1.6Hz,1H),7.48(dd,J=8.1,1.7Hz,2H),7.23−7.39(m,3H),7.28(dd,J=8.3,4.2Hz,1H),6.51,6.48(各々、2×d,J=2.3Hz,1H),5.36(s,2H),3.85(br s,2H);13C NMR(CDCl)δ 155.2,155.7,144.8,136.8,135.9,133.5,130.8,128.6,127.8,127.0,122.0,102.6,100.0,70.6.分析値。C1614Oとしての計算値:C,76.78;H,5.64;N,11.19。実測値:C,76.54;H,5.61;N,11.15。
【0073】
8−ベンジルオキシ−6−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)キノリン(6)。5(7.63g,30.5mmol)と、BOCO(8.65g,39.6mmol)と、ジオキサン(70 mL)との混合物を2時間、還流して撹拌した。さらなるBOCO(0.86g,4.0mmol)を、添加し、そしてその混合物をさらに1時間、還流して加熱した。ジオキサンをエバポレートし、残りの油状物をペンタンで倍散し、そして得られた固体を濾過によって取り出し、CHClに溶解し、そしてアルミナを通して濾過して、クリーム色固体として6を得た(10.42g,98%):mp 180〜181℃;H NMR(CDCl)δ 8.77(dd,J=4.2,1.6Hz,1H),7.98(dd,J=8.3,1.6Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.41(dd,J=7.4,2.2Hz,2H),7.34(dd,J=8.3,4.2Hz,1H),7.20−7.29(m,3H),7.02(d,J=2.1Hz,1H),5.28(s,2H),1.49(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 154.6,152.7,147.4,137.2,136.8,136.3,135.2,129.9,128.4,127.7,127.2,122.0,105.8,103.5,80.6,70.6,28.2。分析値。C2122としての計算値:C,71.98;H,6.33;N,7.99。実測値:C,71.80;H,6.31;N,7.98。
【0074】
8−ベンジルオキシ−6−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−5−ヨードキノリン(7a)。6(1.04g,3.0mmol)と、NIS(0.70g,3.1mmol)と、CHCN(10mL)との混合物を30分間、還流して撹拌した。さらなるNIS(40mg,0.18mmol)を添加し、そしてこの混合物をさらに30分間、還流して撹拌した。CHCNを、エバポレートし、そして残留物をEtOAc(30 mL)中にとり、そしてNaおよびNaCOを含有する水で洗浄した(×3)。この洗浄水をEtOAcで戻し抽出した(×2)。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥し(ブライン、MgSO)、シリカゲルを通して濾過し、そしてエバポレートして、黄褐色の針状物としてヘキサンから結晶化した7a(1.33g,93%)を得た:mp118〜119℃;H NMR(CDCl)δ 8.79(dd,J=4.2,1.4Hz,1H),8.32(dd,J=8.6,1.4Hz,1H),8.29(s,1H),7.59(dd,J=8.0,1.7Hz,2H),7.43(dd,J=8.6,4.2Hz,1H),7.25−7.39(m,3H),7.24(br s,1H),5.43(s,2H),1.57(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 155.2,152.4,148.1,139.5,138.9,138.3,136.2,130.7,128.5,128.0,123.4,103.9,81.5,78.1,71.0,28.3.計算値。C2121INとしての計算値;C,52.96;H,4.44;N,5.88。実測値:C,53.18;H,4.39;N,5.95。
【0075】
8−ベンジルオキシ−6−[N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−N−(3,3−ジメトキシプロピル)アミノ]−5−ヨードキノリン(8a)。窒素下のNaH(油中60%,92mg,2.3mmol)を、ペンタン(2×2mL)で洗浄し、冷却し(氷−水)、そして7a(1.00g,2.10mmol)を含有するDMF(10mL)の溶液で5分以上処理した。この混合物を室温まで暖めて、30分間撹拌した。この30分を越えればこの混合物は、鮮黄色になり泡立ちが収まった。3−ブロモ−1,1−ジメトキシプロパン(0.69g,3.77mmol)を含有するDMF(0.5mL)の溶液を添加し、そしてこの混合物を室温で22時間撹拌した。この混合物をpH7.4のリン酸緩衝液(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し(2×50mL)、乾燥し(ブライン,NaSO)、エバポレートし、そしてドライ−フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,10〜90% EtOAc/ヘキサン)で精製して、クリーム色粉末として8a(1.00g,83%)を得た:mp 120〜121℃;H NMR(CDCl)主な回転異性体δ 8.94(br d,J=2.9Hz,1H),8.52(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),7.45−7.58(m,3H),7.25−7.40(m,3H),6.96(br s,1H),5.46(s,2H),4.40(t,J=4.7Hz,1H),3.84(br ddd,J=14.6,7.3,7.3Hz,1H),3.33(ddd,J=14.6,8.2,5.8Hz,1H),3.28,3.25(各々、2×s,3H),1.65〜1.95(m,2H),1.23(br s,9H);13C NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 154.6,153.6,149.9,143.8,141.3,139.8,136.0,131.2,128.7,128.0,127.0,123.4,112.3,102.9,93.3,80.3,70.9,53.1,52.7,45.4,31.2,28.1;C2631INは、M578.1278を要する。実測値:578.1257。
【0076】
8−ベンジルオキシ−6−[N(tert−ブチルオキシカルボニル)−N(3−オキソプロピル)アミノ]−5−ヨードキノリン(9a)。8a(0.75g,1.30mmol)と、TsOH・HO(0.12g,0.65mmol)と、水(3.75mL)とを含有するアセトン(38mL)の溶液を、2.25時間還流して撹拌した。アセトンの大部分をエバポレートして、その残留物を水(50mL)および飽和したNaHCO(5mL)水溶液で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(2×50mL)で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、そしてエバポレートして淡黄色泡状物として9aを得た(0.68g,99%);H NMR(CDCl)主な回転異性体δ 9.68(s,1H),8.97(dd,J=4.2,1.5Hz,1H),8.51(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),7.53(dd,J=8.6,4.2Hz,1H),7.47−7.55(m,2H),7.25−7.40(m,3H),6.87(br s,1H),5.49(s,2H),4.17(br dt,J=14.5,7.1Hz,1H),3.59(dt,J=14.5,6.5Hz,1H),2.57(br dd,J=7.1,6.5Hz,2H),1.23(s,9H);13C NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 200.3,154.8,153.4,150.0,143.0,141.0,139.7,135.9,131.0,128.6,127.9,127.0,123.4,112.1,93.1,80.7,70.7,42.9,42.5,27.9;C2425INは、M532.0859を要する。実測値:532.0862。
【0077】
6−[N−(3−アセトキシ−2−プロペニル)−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)アミノ]−8−ベンジルオキシ−5−ヨードキノリン(10a)。9a(0.62g,1.16mmol)と、EtN(0.40mL,2.87mmol)と、AcO(0.25mL,2.65mmol)と、DMAP(14mg,0.11mmol)と、THF(12mL)との混合物を、2時間、還流して撹拌した。さらなるEtN(0.80mL,5.74mmol)と、AcO(0.50mL,5.3mmol)と、DMAP(10mg,0.08mmol)とを添加して、加熱をさらに2時間続けた。この溶媒をエバポレートし、そしてこの残留物をpH7.4のリン酸緩衝液(50mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(50mL)で洗浄し、乾燥(ブライン,NaSO)する前にNaHCO水溶液(50mL)および水(50mL)で希釈して、エバポレートした。この残留物をドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,10−80% EtOAc−ヘキサン)で精製して、白色泡状物として、10aを得た(0.54g,81%)。この10aは、Z異性体およびE異性体の1:4混合物を含んでいた:H NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 8.94(br s,1H),7.45−7.55(m,3H),7.27−7.40(m,3H),6.84−7.12(m,2H),5.36−5.58(m,2.8H),4.91(ddd,J=7.6,6.5,5.9Hz,0.2H),4.57(dd,J=15.0,5.9Hz,0.2H),4.39(dd,J=14.7,6.8Hz,0.8H),4.06(dd,J=15.0,7.6Hz,0.2H),3.86(dd,J=14.7,7.9Hz,0.8H),2.08(s,2.4H),1.88(s,0.6H),1.57(br s,1.8H),1.26(br s,7.2H);13C NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 167.4,167.0,154.5,149.8,154.3,149.8,153.3,153.1,142.8,140.9,139.7,138.8,139.7,143.1,135.8,130.9,136.0,127.8,126.8,126.7,128.4,123.2,112.1,112.0,109.1,108.2,93.5,93.1,80.9,80.4,70.8,70.7,46.4,42.7,27.9,28.1,20.3,20.1;C2627INは、M574.0965を要する。実測値:574.0962。
【0078】
1−(アセトキシメチル)−5−ベンジルオキシ−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(11)。10a(0.54g,0.94mmol)と、AIBN(15mg,0.09mmol)と、BuSnH(0.32g,1.13mmol)とを含有するベンゼン(45mL)の溶液を、5.5時間窒素下で還流して撹拌した。この溶媒をエバポレートし、この残留物をペンタンで倍散し、そして沈殿物を濾過によって収集して、蛍光淡黄色長方形プレートとして、MeOHから結晶化した、11を得た(0.32g,77%):mp 172〜173℃;H NMR(CDCl)δ 8.82(dd,J=4.1,1.4Hz,1H),8.14(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),8.07(br s,1H),7.55(br s,2H),7.41(dd,J=8.4,4.1Hz,1H),7.36(dd,J=7.3,7.3Hz,2H),7.30(tt,J=7.3,2.4Hz,1H),5.44,5.39(各々、2×d,J=12.5Hz,1H),4.42−4.52(m,1H),4.05−4.14(m,2H),3.82−3.93(m,2H),2.08(s,3H),1.57(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 171.0,155.2,152.3,146.9,142.0(br),137.0,136.3,131.1,128.5,127.9,127.7,126.0,122.1,113.3(v.br),100.4(br),81.4(br),70.7,65.8,52.6,37.7,28.4,20.9。分析値。C2628としての計算値:C,69.63;H,6.29;N,6.25。実測値:C,69.46;H,6.27;N,6.30。
【0079】
5−ベンジルオキシ−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(12)。11(0.22g,0.50mmol)と、CsCO(0.42g,1.29mmol)と、EtOH−水(2:1,6mL)との混合物を、30分間、還流して撹拌した。この混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、そしてNaHCO水溶液(50mL)で希釈した。分離した水相をEtOAc(30mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(ブライン,NaSO)、そしてエバポレートして、小さい白色針状物として、MeOHから結晶化した、12を得た(0.19g,95%):mp 170〜171℃;H NMR(CDCl)δ 8.54(br s,1H),7.99(br d,J=8.0Hz,1H),7.91(br s,1H),7.55(d,J=6.6Hz,2H),7.20−7.40(m,4H),5.29(s,2H),4.00−4.22(m,2H),3.65−3.78(m,3H,H−1),3.23(br s,1H),1.56(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 154.4,152.5(br),146.2(br),142.2(v.br),136.3,136.2,131.3,128.5,128.0(v.br),127.9,125.9,121.6,114.7(v.br),100.4(br),81.0(br),70.7,64.6,52.3,40.9(br),28.4.分析値。C2426・HOとしての計算値:C,67.91;H,6.65;N,6.60。実測値:C,68.16;H,6.47;N,6.71。
【0080】
5−ベンジルオキシ−1−(メチルスルホニルオキシメチル)−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)−2,3ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(13)。12(0.17g,0.41mmol)およびEtN(0.2mL,1.4mmol)を含有するCHCl(3mL)の冷却(氷−水)した溶液に、MsCl(0.06mL,0.7mmol)を添加し、その混合物を30分間混合した。CHClをエバポレートし、そしてこの残留物を10分間水(25mL)と撹拌した。この混合物をEtOAc(2×25mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を水(2×50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そしてエバポレートして、小さいクリーム色の針状物として、MeOHから結晶化した、13を得た(0.17g,86%):mp 156〜157℃;H NMR(CDCl)δ 8.80(dd,J=4.2,1.4Hz,1H),8.02(dd,J=8.7,1.4Hz,1H),7.97(br s,1H),7.55(br d,J=6.9Hz,2H),7.41(dd,J=8.7,4.2Hz),7.25−7.38(m,3H),5.40(s,2H),4.46(dd,J=9.8,3.7Hz,1H),3.93−4.24(m,4H),2.90(s,3H),1.57(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 155.6,152.1,147.0,141.0(v.br),137.1,136.1,130.5,128.4,127.9,127.6(br),125.7,122.3,112.7(v.br),100.3,81.6(br),70.7,69.9,52.0,38.2(br),37.4,28.3.分析値。C2528Sとしての計算値:C,61.97;H,5.82;N,5.78;S,6.62。実測値:C,62.15;H,5.96;N,5.88;S,6.54。
【0081】
5−ベンジルオキシ−3−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(14)。方法1。13(50mg,0.10mmol)と、LiCl(25mg,0.59mmol)と、DMF(0.25mL)との混合物を1時間80℃で撹拌し、その後、氷(3g)を添加した。沈殿物を濾過によって取り出し、水で洗浄し、EtOAc(20mL)中に採取した。この溶液を水(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そしてエバポレートして、蛍光のクリーム色針状物として、MeOHから結晶化した、14を得た(39mg,89%):mp 178〜179℃;H NMR(CDCl)δ 8.82(dd,J=4.2,1.5Hz,1H),8.05(br s,1H),7.99(br d,J=8.4Hz,1H),7.55(br s,2H),7.41(dd,J=8.4,4.2Hz,1H),7.35(dd,J=7.3,7.3Hz,2H),7.30(tt,J=7.3,2.4Hz,1H),5.42,5.38(各々、2×d,J=12.4Hz,1H),4.23(br d,J=11.7Hz,1H),4.12(dd,J=11.7,8.9Hz,1H),3.92(dddd,J=10.1,8.9,3.2,2.6Hz,1H),3.81(dd,J=11.1,3.2Hz,1H),3.45(dd,J=11.1,10.1Hz,1H),1.56(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 155.5,152.3,146.9,141.9(br),137.1,136.3,130.3,128.5,127.9,127.7(br),125.6,122.2,113.4(v.br),100.4(br),81.6(br),70.8,53.0,46.3,41.1,28.4.分析値。C2425ClNとしての計算値:C,67.84;H,5.93;Cl,8.34;N,6.59。実測値:C,67.85;H,5.94;N,6.68;Cl,8.26。
【0082】
8−ベンジルオキシ−6−[N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−N(3−クロロ−2−プロペニル)アミノ]−5−ヨードキノリン(15a)。窒素下のNaH(油中60%分散,0.26g,6.5mmol)を、ペンタン(3×2mL)で洗浄し、冷却し(氷−水)、そして7a(2.80g,5.88mmol)を含有するDMF(28mL)の溶液で5分以上処理した。冷却槽を取り出し、そして混合物を30分間撹拌させた。この30分によって溶液は濃い黄色になり、気泡がおさまった。1,3−ジクロロプロペン(0.98g,8.82mmol)を、添加して、この混合物を86時間撹拌した。この混合物を水(150mL)で希釈し、そしてEtOAc(4×25mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(ブライン,NaSO)、そしてエバポレートした。この残留物をペンタンで倍散し、そして沈殿物を濾過によって収集して黄褐色の粉末として15a(3.02g,93%)を得た:mp 115〜135℃(Z異性体およびE異性体の1:1混合物を含有);H NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 8.95(br s,1H),8.50(dd,J=8.4,2.5Hz,1H),7.46−7.55(m,3H),7.27−7.41(m,3H),6.79−6.96(m,1H),5.30−6.03(m,4H),4.54(dd,J=15.5,5.6Hz,0.5H),4.38(dd,J=14.8,6.8Hz,0.5H),4.18(dd,J=15.5,6.9Hz,0.5H),3.79(dd,J=14.8,7.8Hz,0.5H),1.23−1.82(m,9H);13C NMR(CDCl)主な回転異性体 δ 154.7,155.2,153.6,153.3,150.2,150.1,143.2,142.8,141.2,140.2,136.2,136.0,131.13,131.08,128.79,128.73,128.12,127.99,127.2,126.6,126.98,126.90,123.5,123.4,122.0,121.1,112.2,111.9,93.65,93.58,80.90,80.85,71.0,70.9,48.8,45.4,28.4,28.1。C2424ClINは、M550.0520,552.0491を要する。実測値:550.0536,552.0503。ドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,10−60% EtOAc−ヘキサン)によって母液を精製してさらなる15aを得た(0.14g,4%)。
【0083】
方法2による化合物14の調製。15a(3.00g,5.45mmol)と、AIBN(89mg,0.54mmol)と、BuSnH(1.75g,6.0mmol)とを含有するベンゼン(270mL)の溶液を3時間、窒素下で還流して、加熱した。このベンゼンをエバポレートし、そして残留物をペンタンで倍散し、そして沈殿物を濾過によって回収して、上記で調製した材料と同一の14を得た(2.21g,95%)。
【0084】
方法3による化合物14の調製。12(19mg,0.047mmol)と、PhP(37mg,0.14mmol)と、CHCl(0.4mL)との混合物をCCl(0.05mL,0.52mmol)で処理し、そしてこの混合物を窒素下で4時間撹拌した。この混合物を希NaHCO水溶液(5mL)で希釈して、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた抽出物を(NaSO)で希釈し、エバポレートし、そしてドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,10−90% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、上記で調製した材料と同一の14を得た(20mg,100%)。
【0085】
3−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(16)。窒素下の、14(0.11g,0.27mmol)と、10% Pd/C(55mg)と、THF(5mL)との冷却(氷−水)した混合物を25%のNHHCO水溶液(0.67mL)を用いて処理した。この混合物を0℃で6時間撹拌し、次いでEtOAc(20mL)で希釈し、乾燥し(NaSO)、セライトを通して濾過し、エバポレートし、そしてドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,10−50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、白色固体として、16を得た(39mg,44%):mp 148〜149℃;H NMR(CDCl)δ 8.61(dd,J=4.2,1.2Hz,1H),8.01(dd,J=8.5,1.2Hz,1H),7.83(br s,1H),7.41(dd,J=8.5,4.2Hz,1H),4.26(dd,J=11.8,2.2Hz,1H),4.14(dd,J=11.8,8.5Hz,1H),3.93(dddd,J=9.8,8.5,3.2,2.2Hz,1H),3.80(dd,J=11.1,3.2Hz,1H),3.46(dd,J=11.1,9.8Hz,1H),1.61(s,9H);13C NMR(CDCl)δ 153.5,152.3,145.3,142.4(br),135.0,130.6,124.9,122.6,112.4(v.br),100.0,81.7(br),53.0,46.5,40.9,28.4。C1719ClNは、M334.1084,336.1055を要する。実測値:334.1081,336.1058。
【0086】
5−ベンジルオキシ−1−(クロロメチル)−3−(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イルカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(17a)。ジオキサン(40mL)中に14(0.65g,1.53mmol)を含有する懸濁液をHClで飽和し、1時間静置させ、そしてエバポレートさせた。5,6,7−トリメトキシインドール−2−カルボン酸(0.38g,1.53mmol)、EDCI(0.88g,4.6mmol)、およびDMA(25mL)を、残留している黄緑(green−yellow)色の固体に添加し、そしてこの赤い混合物を室温で39時間撹拌した。この混合物を氷(60g)およびpH7.4のリン酸緩衝液(60mL)の混合物に注いだ。この沈殿物を濾過によって取り出し、水で洗浄し、そしてEtOAc(60mL)中に採取した。この溶液を水(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(ブライン,NaSO)、そしてエバポレートした。残りの油状物をEtOで倍散した。その沈殿物を濾過によって収集し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc)によって精製し、そしてEtOを用いて倍散して、淡黄色固体として17aを得た(0.38g,44%):mp 182〜184℃;H NMR(CDCl)δ 9.59(s,1H),8.84(dd,J=4.2,1.6Hz,1H),8.37(s,1H),7.95(dd,J=8.5,1.6Hz,1H),7.58(br d,J=7.2Hz,2H),7.38(dd,J=8.5,4.2Hz,1H),7.36(dd,J=7.3,7.2Hz,2H),7.30(t,J=7.3Hz,1H),6.93(d,J=2.2Hz,1H),6.84(s,1H),5.48,5.42(2×d,J=12.5Hz,1H each),4.69(dd,J=10.8,1.9Hz,1H),4.57(dd,J=10.8,8.5Hz,1H),4.06,3.93,3.90(3×s,各々、3H),4.02(dddd,J=10.3,8.5,3.2,1.9Hz,1H),3.83(dd,J=11.4,3.2Hz,1H),3.42(dd,J=11.4,10.3Hz,1H);13C NMR(CDCl)δ 160.5,155.3,147.8,150.2,142.3,140.6,138.8,138.2,129.5,125.1,123.5,136.4,130.4,128.6,128.0,127.7,125.6,122.3,115.3,106.7,102.3,97.6,70.8,61.4,61.1,56.2,55.1,45.9,42.5.C3l28ClNは、M+H 558.1796,560.1766を要する。実測値(FAB)558.1770,560.1786。分析値。C3128ClNとしての計算値:C,66.72;H,5.06;N,7.53。実測値:C,66.96;H,5.36;N,7.50。
【0087】
1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18a)。方法1。THF(10mL)、その後25%NHHCO水溶液(1.1mL)を、窒素下で、17a(0.25g,0.45mmol)と、10% Pd/C(0.13g)との冷却した(氷−水)混合物に添加した。この混合物を7.5時間0℃で撹拌し、次いでセライトを通して濾過した。濃HCl(2mL)およびMeOH(40mL)の溶液を用い、続いてCHCl−MeOH(3:1,40mL)を用いてこのセライトを洗浄した。合わせた濾過液を水(40mL)およびCHCl(30mL)で希釈し、pH 7.4のリン酸緩衝液で中和した。下部の層を分離し、次いでMeOH(20mL)で希釈し、そして懸濁された固体を溶解するために暖めた。この水相をCHCl(2×20mL)で希釈した。この抽出物を合わせて、水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして容積20mLまで濃縮した。この濃縮物をMeOH(20mL)で希釈し、そして容積10mLまで濃縮した。この沈殿物を濾過によって取り除き、MeOHで洗浄して、淡黄色微結晶性固体として、18aを得た(0.14g,66%):mp>230℃;H NMR[(CDSO]δ 11.50(d,J=2.1Hz,1H),10.03(br s,1H),8.76(dd,J=4.1,1.3Hz,1H),8.40(dd,J=8.4,1.3Hz,1H),7.97(s,1H),7.56(dd,J=8,4,4.1Hz,1H),7.09(d,J=2.1Hz,1H),6.97(s,1H),4.77(dd,J=11.0,9.3Hz,1H),4.48(dd,J=11.0,2.0Hz,1H),4.25(dddd,J=9.3,3.9,3.3,2.0Hz,1H),4.03(dd,J=10.6,3.3Hz,1H),3.93,3.82,3.80(各々、3×s,3H),3.89(dd,J=10.6,3.9Hz,1H);13C NMR((CDSO)δ 160.3,153.9,146.3,149.1,142.7,139.9,139.0,136.0,130.7,125.4,124.8,123.1,131.6,122.4,114.6,106.2,102.8,98.0,61.0,60.9,55.9,55.0,47.6,40.5.分析値。C2422ClNとしての計算値:C,61.61;H,4.74;Cl,7.58;N,8.98。実測値:C,61.50;H,4.98;N,8.84。
【0088】
方法2による化合物18aの調製。ジオキサン(9mL)中に16(0.14g,0.43mmol)を含有する溶液をHClで飽和し、1時間静置させ、そしてエバポレートした。5,6,7−トリメトキシインドール−2−カルボン酸(0.11g,0.43mmol)、EDCI(0.25g,1.28mmol)、およびDMA(5mL)を残留している黄色固体に添加し、そしてこの赤色混合物を室温で22時間撹拌した。この混合物を氷(20g)およびpH7.4のリン酸緩衝液(20mL)の混合物中に注いだ。この沈殿物を濾過によって取り出し、水で洗浄し、そしてCHCl−MeOH(2:1,30mL)の中に採取した。煮沸してこのCHClを除き、残留している混合物を氷中で冷却し、そしてこの沈殿物を濾過によって取り出して、上記で調製した材料と同一の18aを得た(18mg,9%)。
【0089】
以下を同様に調製した:
1−(クロロメチル)−3−({5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−5−ヒドロキシインドール−2−イル}カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18b)。
【0090】
冷却した(0℃)ジオキサン(5mL)中の14(0.20g,0.47mmol)の懸濁物をHClで飽和させ、2時間にわたって室温まで暖めさせ、そしてエバポレートさせた。5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−1−H−インドール−2−カルボン酸塩酸塩(0.13g,0.47mmol)[Milbankら、J.Med.Chem.,1999,42,649]、EDCl(0.27g,1.42mmol)、およびDMA(3mL)を、残りの黄色固体に添加し、そしてその赤色混合物を20時間室温で撹拌した。その混合物をEtOAcと、5% NaHCO溶液との間で分配させた。その水層をEtOAc(×3)で抽出した。このEtOAc抽出物を乾燥させた(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(アルミナ,EtOAc/MeOH;49:1,次いで9:1)によって、黄色固体として、2−[(2−{[5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ピロロ[3,2−f]キノリン−3−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)オキシ]−N,N−ジメチルエタンアミン(17b)を得た(0.22g,84%):mp 176〜179℃;H NMR[(CDSO]δ 11.68(s,1H),8.79(dd,J=4.1,1.5Hz,1H),8.41(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),8.29(s,1H),7.56(m,3H),7.40(m,4H),7.17(d,J=2.3Hz,1H),7.11(d,J=1.5Hz,1H),6.92(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),5.32(s,2H),4.82(dd,J=10.7,9.6Hz,1H),4.58(dd,J=10.9,2.1Hz,1H),4.32(m,1H),4.05(t,J=5.7Hz,2H),4.04(m,1H),3.93(dd,J=11.2,6.9Hz,1H),2.65(t,J=5.8Hz,2H),2.23(s,6H);13C NMR[(CDSO]δ 160.3,154.5,153.0,147.3,142.3,137.4,136.7,131.6,131.3,130.6,128.4,127.9,127.7,127.4,125.1,122.4,116.2,116.0,113.1,105.5,103.1,102.0,70.0,66.9,66.2,57.8,54.9,47.7,45.5,40.7。
【0091】
THF(8mL)、次いでHCONH(0.23g,3.6mmol)を含有するHO(1mL)を、N下で、17b(0.20g,0.36mmol)および10% Pd/C(0.1g)の冷却(0℃)した混合物に添加した。この混合物を0℃で14時間撹拌し、次いで、セライトを通して濾過した。このセライトをCHCl/HOで洗浄した。この水層をCHCl(×3)で抽出した。CHCl抽出物を乾燥し(ブライン,NaSO)、そしてシリカゲルの短いプラグを通過させて、黄色固体として18bを得た(0.16g,93%):mp 209〜215℃;H NMR[(CDSO]δ 11.66(s,1H),10.02(bs,1H),8.76(dd,J=4.1,1.4,1H),8.41(dd,J=8.5,1.3,1H),8.07(s,1H),7.56(dd,J=8.5,4.1,1H),7.40(d,J=8.9,1H),7.17(d,J=2.2,1H),7.11(d,J=1.2,1H),6.93(dd,J=8.9,2.3,1H),4.82(dd,J=10.7,9.6,1H),4.57(dd,J=11.0,2.1,1H),4.29(m,1H),4.06(t,J=5.9,2H),4.04(m,1H),3.91(dd,J=11.1,7.2,1H),2.64(t,J=5.8,2H),2.28(s,6H);13C NMR[(CDSO]δ 160.3,153.9,153.0,146.4,142.8,136.1,131.6,130.7,127.4,124.8,124.7,122.5,116.0,114.6,113.1,105.5,103.1,103.0,66.1,57.8,54.9,47.7,45.5,40.7。
【0092】
1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−プロペノイル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18c)。
【0093】
冷却した(0℃)ジオキサン(5mL)中の14(0.20g,0.47mmol)の懸濁液をHClで飽和し、1時間にわたって室温まで温めさせ、そしてエバポレートさせた。(E)−4−[2(ジメチルアミノ)エトキシ]桂皮酸塩酸塩(0.13g,0.47mmol)[Atwellら、J.Med.Chem.,1999,42,3400]、EDCI(0.27g,1.42mmol)、およびDMA(3.mL)を、残りの黄色固体に添加し、そしてその赤色混合物を室温で30時間撹拌させた。その混合物をCHClと、5% NaHCO溶液との間で分配させた。その水層をCHCl(×3)で抽出した。CHCl抽出物を乾燥させた(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(アルミナ,EtOAc/MeOH;49:1,次いで24:1)によって、黄色固体として2−(4−{(1E)−3−[5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ピロロ[3,2−f]キノリン−3−イル]−3−オキソ−1−プロペニル}フェノキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(17c)を得た(0.18g,70%):mp 172〜175℃;H NMR[(CDSO]δ 8.76(dd,J=4.1,1.4,1H),8.47(bs,1H),8.35(dd,J=8.5,1.4,1H),7.76(d,J=8.7,2H),7.67(d,J=15.3,1H),7.58(d,J=7.3,2H),7.54(dd,J=8.5,4.1,1H),7.44(t,J=7.2,2H),7.37(t,J=7.2,1H),7.08(d,J=15.3,1H),7.02(d,J=8.7,2H),5.31(s,2H),4.55(dd,J=10.7,9.5,1H),4.44(dd,J=10.9,2.5,1H),4.30(m,1H),4.11(t,J=5.8,2H),3.99(dd,J=11.0,3.0,1H),3.91(dd,J=11.2,7.2,1H),2.64(t,J=5.7,2H),2.23(s,6H);13C NMR[(CDSO]δ 164.1,160.1,154.6,147.1,142.6,142.2,137.2,136.7,131.1,130.1,128.3,127.83,127.78,127.3,125.1,122.3,116.9,115.7,114.7,101.6,70.0,65.9,57.5,52.9,47.8,45.4,40.1。
【0094】
17c(0.56g,1.03mmol)の溶液をCFCOOH(15mL)に溶解して、48時間、還流させた。CFCOOHを、エバポレートさせ、そしてその残留物をCHClと5%冷NaHCO溶液との間で分配させた。その水層をCHCl(×3)で抽出した。このCHCl抽出物を乾燥させた(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NH;95:5:微量)によって、黄色固体として18c(0.16g,34%)を得た:mp 174〜180℃;H NMR[(CDSO] δ 9.96(bs,1H),8.73(dd,J=4.0,1.3,1H),8.36(dd,J=8.4,1.3,1H),8.18(bs,1H),7.77(d,J=8.7,2H),7.66(d,J=15.2,1H),7.54(dd,J=8.5,4.1,1H),7.08(d,J=15.4,1H),7.02(d,J=8.7,2H),4.54(dd,J=10.7,9.5,1H),4.44(dd,J=11.0,2.5,1H),4.28(m,1H),4.11(t,J=5.7,2H),4.00(dd,J=11.1,3.1,1H),3.88(dd,J=11.0,7.4,1H),2.64(t,J=5.8,2H),2.22(s,6H)。
【0095】
1−(クロロメチル)−3−[(5−メトキシインドール−2−イル)カルボニル]−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18d)。
【0096】
ジオキサン(15mL)中の14(0.10g,0.24mmol)の懸濁液をHClで飽和させ、室温で5時間撹拌させ、そしてエバポレートさせた。5−メトキシ−1−H−インドール−2−カルボン酸(0.054g,0.28mmol)、EDCI(0.23g,1.17mmol)、およびDMA(5mL)を残留している黄色固体に添加し、そしてその赤色混合物を室温で52時間撹拌させた。その混合物をCHClと5%冷KHCO溶液との間で分配させた。その水層をCHCl(×3)で抽出した。このCHCl抽出物を乾燥させた(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル;7:3)によって、黄色固体として5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−3−[(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(17d)を得た(0.11g,98%):mp 186〜189℃;H NMR(CDCl)δ 9.55(s,1H),8.88(dd,J=4.2,1.7,1H),8.37(s,1H),7.99(dd,J=8.3,1.6,1H),7.56(d,J=7.3,2H),7.42(dd,J=8.3,4.1,1H),7.33(m,4H),7.10(d,J=2.3,1H),6.99(m,2H),5.48(d,J=12.5,1H),5.42(d,J=12.6,1H),4.74(dd,J=10.9,2.0,1H),4.61(dd,J=10.6,8.7,1H),4.05(m,1H),3.85(s,3H),3:84(dd,J=11.2,4.1,1H),3.45(dd,J=11.0,10.5,1H);13C NMR(CDCl)δ 160.7,155.4,154.7,147.9,142.4,138.4,136.4,131.4,130.5,130.2,128.6,128.2,128.0,127.7,125.2,122.4,117.0,115.4,112.7,106.2,102.5,102.4,70.9,55.7,55.2,45.9,42.6。
【0097】
THF(6mL)、次いでHCONH(0.14g,2.21mmol)を含有するHO(0.7mL)を、N下で17d(0.11g,0.22mmol)と、10% Pd/C(0.05g)との冷却した(0℃)混合物に添加させた。この混合物を0℃で5時間撹拌させ、次いでセライトを通して濾過させた。このセライトをCHCl/HOで洗浄した。その水層をCHCl(×3)で抽出した。このCHCl抽出物を乾燥させ(ブライン,NaSO)、そしてCHClをエバポレートさせた。CHCl/MeOHからの沈殿によって、灰色固体として18d(0.077g,89%)を得た:mp 224〜227℃;H NMR[(CDSO]δ 11.66(s,1H),10.02(bs,1H),8.77(dd,J=4.1,1.3,1H),8.41(dd,J=8.4,1.4,1H),8.07(s,1H),7.57(dd,J=8.4,4.1,1H),7.40(d,J=9.0,1H),7.16(d,J=2.4,1H),7.12(d,J=1.6,1H),6.92(dd,J=8.9,2.3,1H),4.82(dd,J=10.8,9.4,1H),4.57(dd,J=11.0,2.3,1H),4.30(m,1H),4.04(dd,J=11.1,3.3,1H),3.91(dd;J=11.1,7.2,1H),3.78(s,3H)。
【0098】
1−(クロロメチル)−3−[(2E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18e)。
【0099】
ジオキサン(5mL)中の16(0.10g,0.30mmol)の懸濁液をHClで飽和させ、室温で5時間にわたって撹拌させ、そしてエバポレートさせた。4−メトキシ桂皮酸(優先的にtrans)(0.064g,0.36mmol)、EDCI(0.29g,1.50mmol)、およびDMA(3mL)を残留している黄色固体に添加し、そしてその赤色混合物を室温で3時間撹拌させた。その混合物をCHClと5%冷KHCO溶液との間で分配させた。その水層をCHCl(×3)で抽出した。このCHCl抽出物を乾燥させた(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH;93:7)、続いて再結晶化(CHCl/EtO)によって、黄色固体として18eを得た(0.02g,17%):mp 208〜211℃;H NMR[(CDSO]δ 9.96(bs,1H),8.73(d,J=3.3,1H),8.35(d,J=7.7,1H),8.18(bs,1H),7.78(d,J=8.7,2H),7.67(d,J=15.3,1H),7.54(dd,J=8.5,4.1,1H),7.08(d,J=15.4,1H),7.01(d,J=8.7,2H),4.54(dd,J=10.3,9.5,1H),4.45(m,1H),4.27(m,1H),3.99(dd,J=11.1,3.2,1H),3.88(dd,J=11.1,7.3,1H),3.82(s,3H)。C2220ClNは、M+H395.1163,397.1133を要する。実測値(FAB)395.1161,397.1169。
【0100】
1−(クロロメチル)−3−[(2E)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(18f)。
【0101】
ジオキサン(5mL)中の16(0.10g,0.30mmol)の懸濁液をHC1で飽和し、室温で5時間にわたって撹拌し、そしてエバポレートした。3−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸(優先的にtrans)(0.070g,0.36mmol)、EDCI(0.29g,1.50mmol)およびDMA(3mL)を、残留している黄色固体に添加し、そしてその赤色混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物をCHClと5%冷KHCO溶液との間で分配させた。この水層をCHCl(×3)で抽出した。このCHCl抽出物を乾燥した(ブライン,NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH;93:7)、それに続く再結晶化(CHCl/EtO)によって、黄色固体として、18fを得た(0.01g,8%):mp 215〜218℃;H NMR[(CDSO]δ 9.96(bs,1H),9.13(s,1H),8.73(dd,J=4.1,1.4,1H),8.36(dd,J=8.5,1.4,1H),8.17(bs,1H),7.57(d,J=15.3,1H),7.54(dd,J=8.5,4.1,1H),7.25(d,J=2.0,1H),7.20(dd,J=8.4,2.0,1H),6.99(d,J=8.1,1H),6.96(d,J=15.0,1H),4.54(dd,J=10.5,9.4,1H),4.44(dd,J=11.1,2.6,1H),4.00(dd,J=11.2,3.3,1H),3.88(dd,J=11.1,7.5,1H),3.83(s,3H)。C2219 35ClNは、M+H 411.1112を要した。実測値(FAB)411.1127。
【0102】
(実施例B.スキーム4の方法による、5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン27の調製)
8−ニトロキノリン−6−カルボン酸(19)。これは、報告された方法[Jungら、Eur.Pat.Appln.EP 581500(1994);Chem Abstr,1994,122,205125]によって、41%の収率で調製された:mp(EtOAc)258〜263℃;H NMR[(CDSO]δ 13.80(v br,1H),9.16(dd,J=4.3,1.7Hz,1H),8.96(d,J=1.7Hz,1H),8.80(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),8.63(d,J=1.7Hz,1H),7.84(dd,J=8.4,4.2Hz,1H)。
【0103】
6−(tert.−ブチルオキシカルボニルアミノ)−8−ニトロキノリン(20)。無水t−BuOH(60mL)中に、19(4.82g,22.1mmol)と、DPPA(6.99g,25.4mmol)と、EtN(3.69mL,26.5mmol)とを含有する混合物を、N下で8時間還流して加熱した。この混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残留物をCHClと10%KHCO水溶液との間で分配した。その有機層を10%KHCO水溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で濃縮し、次いで、シリカゲル上でクロマトグラフィーに供した。CHCl/EtOAc(17:3)を用いた溶出と、それに続く、MeOH/HOおよびCHCl/石油エーテルからの連続的再結晶化によって20を得た(3.82g,60%):mp 134〜135℃;H NMR[(CDSO]δ 10.09(s,1H),8.87(dd,J=4.1,1.5Hz,1H),8.47(dd,J=8.5,1.6Hz,1H),8.33(d,J=1.9Hz,1H),8.25(d,J=2,2Hz,1H),7.65,m(dd,J=2.2Hz,1H),7.65(dd,J=8.5,4.2Hz,1H),1.53(s,9H)。分析値。C1415としての計算値:C,58.12;H,5.23;N,14.53。実測値:C,58.39;H,5.21;N,14.65%。
【0104】
8−アミノ−6−(tert.−ブチルオキシカルボニルアミノ)キノリン(21)。MeOH(50mL)中の20(3.30g,11.4mmol)の溶液を50psiで3時間、10%Pd/Cを越えて水素化した。得られた粗生成物を、EtOPAc中のシリカゲルカラムを通して濾過して、21を得た(2.71g,92%):mp(i−PrO/石油エーテル)131〜132℃;H NMR[(CDSO]δ 9.39(s,1H),8.54(dd,J=4.1,1.6Hz,1H),8.01(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.36(dd,J=8.3,4.1Hz,1H),7.24(d,J=2.0Hz,1H),6.97(d,J=2.1Hz,1H),5.90,5.88(2×s,2H,NH),1.50(s,9H)。分析値。C1417としての計算値:C,64.85;H,6.61;N,16.20。実測値:C,64.60;H,6.77;N,16.19%。
【0105】
6−(tert.−ブチルオキシカルボニル)−8−(1.3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)キノリン(22)。無水ピリジン(15mL)中の、21(1.53g,5.90mmol)と、無水フタル酸(1.05g,7.09mmol)と、DMAP(36mg,5mol%)との混合物を撹拌しながら80℃で1時間加熱した。この混合物を減圧下で濃縮し、次いでAcOH(10mL)およびAcO(5mL)を添加し、そしてこの混合物を80℃でさらに45分間撹拌した。減圧下での濃縮、その後のKHCO水溶液の添加によって、固体を得て、これをシリカゲル上でクロマトグラフィーに供した。CHCl/EtOAc(4:1)を用いた溶出によって、粗生成物を得、これをCHCl/iPrOから結晶化して、22を得た(2.09g):mp 217〜218℃(分解);H NMR[(CDSO]δ 10.00(s,1H),8.67(d,J=3.2Hz,1H),8.39(d,J=8.1Hz,1H,H−4),8.24(s,1H),8.80−7.89(m,5H),7.53(dd,J=8.3,4.1Hz,1H),1.53(s,9H)。分析値。C2219としての計算値:C,67.85;H,4.92;N,10.79。実測値:C,67.87;H,4.94;N,10.87%。
【0106】
5−ブロモ−6−(tert.−ブチルオキシカルボニルアミノ)−8−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)キノリン(23)。無水CHCN(50mL)中の22(1.79g,4.6mmol)と、NBS(0.98g,5.5mmol)との混合物を45分間、還流して撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。この残留物をCHClに溶解し、そしてこの溶液をNa/NaHCO水溶液および水(2×)を用いて洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮して乾燥した。その残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、そしてCHCl/EtOAc(3:2)を用いた溶出によって、粗生成物を得、これをEtOAc/iPrOから結晶化して、23を得た(1.91g,89%):mp 210−211℃(分解);H NMR[(CDSO]δ 9.19(s,1H),8.85(dd,J=4.1,1.4Hz,1H),8.65(dd,J=8.6,1.4Hz,1H),8.21(s,1H),8.07−7.92(m,4H),7.75(dd,J=9.7,4.2Hz,1H),1.50(s,9H)。分析値。C2218BrNとしての計算値:C,56:42;H,3.87;N,8.98;Br,17.06。実測値:C,56.49;H,4.04;N,8.86;Br,16.87%。
【0107】
5−ブロモ−6−[N−(tert.−ブチルオキシカルボニル)−N−(3−クロロ−2−プロペン−1−イル)アミノ]−8−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)キノリン(24)。23(1.82g,3.89mmol)を含有する無水DMF(20mL)の溶液を0℃でN下で、NaH(0.20g,5.00mmol,油中で60%)を用いて処理し、次いで25℃で45分間撹拌した。次いで、この混合物を0℃に冷却し、そして1,3−ジクロロプロペン(1.11mL,11.7mmol)を添加した。この反応混合物を25℃に暖め、4時間撹拌し、次いでCHCl(200mL)で希釈した。この溶液を10%KHCO水溶液、および水(2×)で洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、そして25℃高真空下で濃縮した。その残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーに供し、CHClを用い、続いてCHCl/EtOAc(17:3)を用いて溶出して、泡状物として24を得て(1.62g,77%)、これを直接用いた;H NMR[(CDSO](EアルケンとZアルケンの回転異性体の混合物)δ 8.94(d,J=4.0Hz,1H),8.73(d,J=8.6Hz,1H),8.12−7.93(m,5H),7.80(dd,J=8.6,4.2Hz,1H),6.50−6.35(m,1H),6.21−6.02(m,1H),4.62−4.06(m,2H),1,51,1.32(2×s,9H)。分析値。C2521BrClN・2HOとしての計算値:C,51.87;H,4.35;N,7.26。実測値:C,51.69;H,3.87;N,6.86%。
【0108】
3−(tert.ブチルオキシカルボニル)−1−(クロロメチル)−5−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(25)。無水ベンゼン(20mL)中の24(1.96g,3.61mmol)と、触媒性AIBN(60mg,10mol%)との混合物を、BuSnH(1.16mL,4.33mmol)で処理し、そしてN下で3時間、還流して、加熱した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーに供した。CHCl/EtOAc(17:3)を用いた溶出、それに続いてCHCl/石油エーテルからの結晶化によって、25を得た(1.28g,76%):mp 163〜165℃;H NMR[(CDSO]δ 8.70(dd,J=4.1,1.3Hz,1H),8.51(dd,J=8.6,1.4Hz,1H),8.45(v br,1H),8.06−7.90(m,4H),7.57(dd,J=8.5,4.1Hz,1H),4.44−4.34(m,1H),4.29(t,J=10.5Hz,1H),4.19−3.99(m,3H),1.54(s,9H)。分析値。C2522ClNとしての計算値:C,64.72;H,4.78;N,9.06。実測値:C,64.76;H,4.92;N,9.03%。
【0109】
1−(クロロメチル)−5−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(26)。
【0110】
25(500mg,108mmol)を含有するジオキサンの溶液(10℃)を、HClガスで飽和し、20℃で1時間静置させ、次いで30℃未満で減圧下でエバポレートして乾燥させ、次いで、5,6,7−トリメトキシインドール−2−カルボン酸(298mg,1.19mmol)、EDCI(518mg,2.70mmol)、および無水DMA(10mL)を添加し、そしてその混合物を20℃で3時間撹拌した。10%KHCO水溶液の添加によって、固体を沈殿させ、これをシリカゲルのクロマトグラフィーに供した。CHCl/EtOAc(1:1)を用いた溶出、続いてEtOAc/iPrOからの結晶化によって、1−(クロロメチル)−5−(フタルイミド)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン26を得た(392mg,61%):mp 189〜191℃;H NMR[(CDSO]δ 11.54(s,1H),8.77(dd,J=4.1,1.4Hz,1H),8.75(s,1H),8.59(dd,J=8.5,1.4Hz,1H),8.08−7.92(m,4H),7.61(dd,J=8.5,4.2Hz,1H),7.14(d,J=1.7Hz,1H),6.98(s,1H),4.89(dd,J=10.8,9.7Hz,1H),4.61(dd,J=11.0,2.3Hz,1H),4.55−4.44(m,1H),4.20−4.05(m,2H),3.94,3.83,3.81(3×s,3×3H)。分析値。C3225ClNとしての計算値:C,64.37;H,4.22;N,9.39。実測値:C,64.04;H,4.28;N,9.29%。
【0111】
5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン(27)。26(160mg,0.27mmol)を含有するCHCl(6mL)の溶液をEtOAc(8mL)で希釈し、そして直ちにヒドラジン一水和物(155μL,3.19mmol)で処理した。この反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次いでCHCl(40mL)で希釈し、10%NaCO(2×)水溶液で洗浄し、そしてNaCl水溶液で飽和し(2×)、乾燥し(NaSO)、そして30℃未満の減圧下で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィーを、CHCl/EtOAc(1:1)で溶出して、27(81mg,65%)を得た:mp 225〜227℃;H NMR[(CDSO]δ 11.44(s,1H),8.63(dd,J=4.1,1.4Hz,1H),8.25(dd,J=8.5,1.4Hz,1H),7.82(s,1H),7.47(dd,J=8.5,4.1Hz,1H),7.05(d,J=1.2Hz,1H),6.99(s,1H),6.18,6.16(2×s,2H),4.70(dd,J=10.8,9.1Hz,1H),4.43(dd,J=11.0,1.8Hz,1H),4.16−4.08(m,1H),3.97(dd,J=11.0,3.3Hz,1H),3.94,3.82,3.80(3×s,3×3H),3.76(dd,J=10.0,7.8Hz,1H)。分析値。C2423ClNとしての計算値:C,61.74;H,4.96;N,12.00。実測値:C,61.51;H,5.04;N,11.69%。
【0112】
(実施例C:スキーム5の方法による、5−(2−アミノエチルアミノ)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンズインドール(benz[e]indole)二塩酸塩29の調製)。5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンズインドール(benz[e]indole)28[Atwellら,J.Org.Chem.1998,63,9414](252mg,0.54mmol)と、N−(tert−ブチルオキシカルボニル)アミノアセトアルデヒド(430mg,2.70mmol)と、TsOH(10 mg)と、マイクロ波乾燥粉末A4分子篩(3g)との混合物を含有するDMA(3mL)およびMeOH(0.5mL)を、20℃、N下、暗夜で、48時間撹拌させた。NaBHCN(170mg,2.70mmol)を、添加し、そしてその混合物を20℃でさらに4時間撹拌させ、次いで水に注いだ。長時間冷却した後、得られた油状沈殿物を収集し、そしてCHClで抽出した。濾過の後、その溶液を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、次いで減圧下、30℃未満で濃縮した。その残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、CHCl/EtOAc(9:2)で溶出して、材料を得て、これを20℃で石油エーテルを用いてCHCl溶液から沈殿させ、5−[2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチルアミノ]−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンズインドール(benz[e]indole)(132mg,40%)を得た:mp 110〜115℃。H NMR[(CDSO]δ 11.45(s,1H),8.09(d,J=8.5Hz,1H),7.79(d,J=8.3Hz,1H),7.53−7.26(基礎にあるv br s,1H),7.49(t,J=7.7Hz,1H),7.33(t,J=7.6Hz,1H),7.04(s,1H),約7.07−7.00(不明瞭なシグナル,1H),6.97(s,1H),6.28(br s,1H),4.68(t,J=9.8Hz,1H),4.45(dd,J=11.0,1.4Hz,1H),4.17−4.07(m,1H),3.98(dd,J=11.0,3.0Hz,1H),3.92(s,3H),3.82(s,3H),3.80(s,3H),3.76(dd,J=10.7,8.0Hz,1H),約3.3(br s,HOシグナルによっては不明瞭、しかしDO変換後は可視,2H),3.18(br s,2H),1.39(s,9H)。分析値。C3237ClNとして、計算値:C,63.1;H,6.1;N,9.2;Cl,5.8。実測値:C,63.0;H,6.1;N,9.4;Cl,5.7%。
【0113】
上記化合物(122mg,0.20mmol)を含有するジオキサン(3mL)の溶液をHCl−飽和したEtOAc(3mL)で処理し、そしてその混合物を20℃に1時間置いた。次いで、過剰のEtOAcを添加して、この生成物を完全に分離し、これを収集し、そしてMeOH/EtOAc/石油エーテル/HClから再結晶化して、5−(2−アミノエチルアミノ)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンズインドール(benz[e]indole)二塩酸塩29を得た(86mg,74%):mp>200℃。H NMR[(CD)SO中の遊離塩基]δ 11.46(br s,1H),8.17(d,J=8.6Hz,1H),7.78(d,J=8.2Hz,1H),約7.5〜7.3(基礎にあるv br s,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.32(t,J=7.7Hz,1H),7.04(s,1H),6.97(s,1H),6.28(t,J=5.0Hz,1H),4.67(t,J=9.5Hz,1H),4.45(dd,J=11.0,1.3Hz,1H),4.19−4.07(m,1H),3.98(dd,J=10.9,3.0Hz,1H),3.92(s,3H),3.82(s,3H),3.80(s,3H),3.77(dd,J=11.0,8.2Hz,1H),3.12(br s,2H),2.84(br s,2H)。分析値。C2729ClN・2HC1・0.5HOとしての計算値:C,54.9;H,5.5;N,9.5。実測値:C,55.1;H.,5.5;N,9.1%。
【0114】
(実施例D:補助的な配位子の調製)
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジプロパンスルホン酸四塩酸塩(32)。
【0115】
ペルヒドロ−3,6,9,12−テトラアザシクロペンテノ[1,3−f,g]アセナフチレン(30)(0.50g,2.58mmol)[Weismanら,Tetrahedron Lett.,21,1980,335]と、1,3−プロパンスルトン(1.57g,12.9mmol)を含有するCHCN(20mL)の溶液を、80℃、N下で、72時間撹拌させた。この懸濁液を室温まで冷却させ、そして白色沈殿を濾過し、過剰のCHCNで洗浄して、1,7−bis(3−スルホプロピル)−4,10−ジアザ−1,7−ジアゾニアテトラシクロ[5.5.2.0.4,1410,13]テトラデカン(31)を得た(0.98g,86%):mp 279〜281℃;H NMR(DO)δ 4.49(s,2H),3.95(m,8H),3.82(bd,J=13.3,2H),3.60(m,4H),3.38(bd,J=14.0,2H),3.05(m,8H),2.39(m,2H),2.27(m,2H);13C NMR(DO)δ 81.6,64.2,58.7,57.6,49.8,49.0,45.3,21.4。C1630は、M+H439.1685を要する。実測値(FAB)439.1686。
【0116】
31(0.50g,1.14mmol)と、ヒドラジン一水和物(15mL,98%)との混合物を、N下で48時間、加熱(100℃)した。過剰なヒドラジンを取り除き、そして残留物をHOに溶解した。HClを用いた酸性化によって黄色溶液を得た。HOのエバポレーションによって、褐色固体(吸湿性)を得た。MeOH(×10)での倍散によって、クリーム色粉末として32(0.59g,91%)を得た:mp 322〜325℃;H NMR(DO)δ 3.24(m,8H),2.94(m,12H),2.82(m,4H),1.95(五重項,J=7.4,4H);13C NMR(DO)δ 53.9,51.7,49.9,45.1,21.7。
【0117】
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−ブタンスルホン酸四塩酸塩(34)。
【0118】
30(0.50g,2.58mmol)と、1,4−ブタンスルトン(1.75g,12.9mmol)とを含有するCHCN(15mL)の溶液を、60℃、N下で48時間撹拌した。この懸濁液を室温まで冷却して、白色沈殿物を濾過し、そして過剰のCHCNで洗浄して、4−デカヒドロ−4a,6a,8a−トリアザ−2a−アゾニアシクロペンタ[f,g]アセナフチレン−2a−イル−1−ブタンスルホナート(33)を得た(0.82g,96%):mp 301〜303℃;H NMR(DO)δ 3.91(m,1H),3.91(d,J=2.5,1H),3.80(m 3H),3.67(m,1H),3.58(d,J=2.7,1H),3.53(m,1H),3.43(m,1H),3.24(m,4H),3.00(t,J=7.3,2H),2.87(m,5H),2.50(m,2H),2.09(m,1H),1.98(m,1H),1.85(m,2H);13C NMR(DO)δ 86.5,74.4,64.8,60.4,59.6,53.9,52.5,51.1,50.9,50.4,50.3,46.3,24.2,24.0。C1426Sは、M+H 331.1804を要する。実測値:(FAB)331.1806。
【0119】
33(0.30g,0.92mmol)とヒドラジン一水和物(6mL,98%)との混合物を、N下で、36時間加熱(80℃)した。過剰のヒドラジンを取り除き、そしてその残留物をHOに溶解した。HClを用いた酸性化によって、黄色溶液を得た。HOのエバポレーションによって、褐色固体(吸湿性)を得た。MeOH(×10)での倍散によって、クリーム色粉末として34を得た(0.41g,97%):mp 322〜325℃;H NMR(DO)δ 3.20(m,16H),2.95(m,4H),1.78(m,4H);13C NMR(DO)δ 56.2,52.9,52.1,51.6,46.4,45.5,44.9,25.1,24.4。
【0120】
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジペンタン酸(36)。
【0121】
30(0.10g,0.52mmol)と、エチル 4−ヨードブチレート(0.79g,3.09mmol)[Nudelmanら、Bioorg.Chem.,26,1998,157]とを含有するCHCN(5mL)の溶液を、60℃、N下で6日間撹拌した。ヨウ化物のさらなる部分(0.26g,1.03mmol)を、添加し、そしてその反応物を60℃、N下で3週間撹拌した。CHCNを取り除き、そしてその残留物をCHClと、HOとの間で分配させた。その水層をCHCl(×6)で抽出した。HOをエバポレートし、そしてその残留物をCHCN/EtOで、続いてEtO(×4)を用いて倍散させて、1,7−bis(エトキシカルボニルブチル)−4,10−ジアザ−1,7−ジアゾニアテトラシクロ[5.5.2.0.4,1410,13]テトラデカン二ヨウ化物(35)を得た(0.32g,87%):H NMR(DO)δ 4.46(s,2H),4.17(q,J=7.2,4H),3.92(m,6H),3.77(m,4H),3.59(m,2H),3.45(td,J=12.8,4.1,2H),3.35(bd,J=13.9,2H),3.06(m,4H),2.48(t,J=7.3,4H),1.96(m,2H),1.85(m,2H),1.69(五重項,J=7.3,4H),1.25(t,J=7.2,6H);13C NMR(DO)δ 178.6,81.2,64.5,64.4,60.2,57.9,49.0,45.3,35.9,24.8,23.8,16.1。C2444は、M+H−I 579.2407を要する。実測値:(FAB)579.2410。
【0122】
35(0.05g,0.08mmol)と、15%KOH水溶液(5mL)との混合物を70℃、N下で48時間撹拌した。水をエバポレートさせ、そしてHClを用いて残留物をpH2.5に酸性化した。この混合物を、DOWEX 50W−X8陽イオン交換樹脂(H型)にロードした。HO、続いて0.5M NHでの溶出によって、無色の油状物質として36を得た(0.03g,100%):H NMR(DO)δ 2.86(m,8H),2.68(m,8H),2.53(t,J=7.4,4H),2.20(q,J=7.0,4H),1.55(m,4H),1.47(m,4H);13C NMR(DO)δ 183.1,53.1,49.1,42.8,37.1,24.1,23.8。C1836は、M+H 373.2815を要する。実測値:(FAB)373.2810。
【0123】
(実施例E.金属錯体の調製)
表1の錯体M1である[[Co(サイクレン)18a]](ClO]の調製。[Co(サイクレン)(NO](NO)(38)[CollmanおよびSchneider、Inorg.Chem.1966,5,1380](1.03g,2.79mmol)を、氷浴中で冷却したニートなトリフルオロメタンスルホン酸(triflic acid)(10mL)に、撹拌しながら注意深く添加した。その溶液をNを用いてバブリングし、NOガスを取り除き、そして反応が終了するまで40〜50℃で短時間、暖めた。無水EtO(250mL)を、激しく撹拌しながら、上記の冷溶液(氷浴)に緩徐に添加し、そして得られた沈殿物を濾過して除き、洗浄し(4×dry EtO)、そしてデシケーター中で乾燥させて、[Co(サイクレン)(OTf)](OTf)(39)を得た(1.95g,100%)。分析値。C1124CoF11としての計算値:C,18.49;H,3.39;N,7.85。実測値:C,18.43;H,3.49;N,7.84。(HRMS FAB[M−OTf]は以下として算出:C1020CoF=529.00605)。実測値:529.00406。(39)(90mg,0.132mmol)を、無水CHCN(3mL)に溶解し、そして18a(62mg,0.132mmol)を添加した。この撹拌した溶液に添加したのは、iPrNEt(25mg,1.5当量)であった。これによって、この溶液の褐色への急速な暗化が生じた。ただしこのとき、懸濁された黄色固体(未反応/未溶解)18aが十分な量、存在した。この混合物を室温で11日間撹拌させ、この間に、この懸濁した固体のほぼ全体が消失した。少量の残留物を、0.45μのメンブレンフィルターを通した濾過によって取り除き、そしてこの濾過液を、希HClO水溶液を用いてわずかに酸性にさせた。過剰の1 M NaClO(水溶液)を、添加し、そしてその溶液を5mL CHNO(4×)で抽出した。合わせた抽出物をエバポレートさせて乾燥し、その残留物を無水EtO(15mL)中に再懸濁させて、再度エバポレートさせ、20℃未満で乾燥(最初はRotovaporで、最後は真空ラインで)させて、ガラス状材料の褐色フレークとして粗生成物を得た(103mg,86%)。HRMS FAB[M−ClO。この材料をさらに逆相HPLCで精製し、そしてプールした純粋画分を減圧下で濃縮し、次いで過剰の1M NaClO水溶液と合わせて、CHCl(5×)で抽出した。この合わせた有機抽出物を上記のように処理して、茶色がかったフレークとして錯体M1を得た(約70mg)。HRMS FAB[M−2C1O−H]3241 35ClCoNとしての計算値:697.21897。実測値:697.21327。C3241 37ClCoNについての計算値:699.21602。実測値:699.21601。
【0124】
表1の錯体M2[[Co(サイクレン)(18c)](ClO]の調製。[Co(サイクレン)(OTf)](OTf)(39)(0.087g,0.128mmol)を、無水CHCN(4mL)に溶解し、そして18c(0.052g,0.115mmol)を添加した。その混合物を室温で8時間撹拌し、次いで5℃で一晩冷却した。少量の未反応18cを、濾過によって取り出し、そして鮮黄色固体を冷CHCNで洗浄して、その洗浄物を濾過液に添加した。この濃褐色溶液を、室温で減圧下での溶媒のエバポレーションによって約2mLまで減少させ、次いで短い(3.3×40mm)フラッシュシリカゲルカラム(0.32−0.60μm)のクロマトグラフィーに供した。溶出は、MeOH/CHNO(5%)で開始し、これを15%までのMeOHを用いて段階的に濃くした。この濃度で主なバンドが最初に溶出され、そのすぐ後ろに小さい黄褐色(yellow brown)のバンドが溶出された。定常的な赤いバンドがそのカラムの頂部に残る。ロータリーエバポレーター、次いで真空ラインでの溶媒の除去によって、褐色ガラス状残留物としてM2を得た(0.089g,79%)。HRMS FAB[M−2OTf]3345 35ClCoNとしての計算値:681.26044。実測値:681.26064;37Cl=683.25749とすれば、実測値:683.26086。
【0125】
表1の錯体M3[[Co(サイクレン)(18b)](C1O]の調製。これは、上記のように、39(0.101g,0.149mmol)および18b(0.055g,0.118mmol)から調製して、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー後に、M3を得た(0.078g,67%)。HRMS FAB[M−20Tf]3344 35ClCoNとしての計算値:694.25569。実測値=694.25305;37Cl=696.25274として、実測値=696.25401。
【0126】
表1の錯体M4[Cr(acac)(18a)]の調製。
【0127】
[Cr(acac)(HO)]ClO・2HO(シス異性体とトランス異性体との混合;Oginoら、Inorg.Chem 1988,27,986)(0.03g,0.071mmol)を含有する無水CHCN(3mL)の溶液に、固体18a(20mg,0.0427mmol)を添加した。この混合物を撹拌し、そしてiPrNEt(6mg,0.0464mmol)を含有するCHCN(0.5mL)の溶液を1時間にわたって徐々に添加した。この溶液を50℃で0.5時間、油浴中で温め、次いで環境温度で2週間、撹拌させた。この期間の間、未溶解18aは、錯体化反応が進行するにつれて徐々に消失し、透明な赤褐色の溶液が生じた。この溶媒を減圧下で取り除き、そして残留物をCHCl(1.0mL)中に溶解し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。CHCN/CHClの0〜50%CHCNまでの勾配を用いた溶出によって、単一の黄褐(yellow−brown)色のバンドを溶出した。このバンドは、そのカラムのほぼ底部近くまで後を引いていた。この後を引いた材料を100%CHCNを用いて別々に溶出した。少量の緑の不可逆的に吸収された材料が頂部に残った。この主なバンドおよびテーリングした画分を、減圧下でエバポレートさせて乾燥させ、それぞれ、Cr(acac)(18a)(18mg,59%)、および(5mg,16%)の黄褐(yellow−brown)色粉末を得た。
【0128】
これらの2つのサンプルは、同一の正確な質量スペクトルの結果を生じた;相対的強度で観察した、ほぼ等量の[M]イオンおよび[M+H]イオンの両方が1分子あたり1つの35Clまたは1つの37Clと一致している。FAB−MS:C3435 35Cl52CrNとして計算値は、[M]=716.14669。実測値は、[M]=716.14642。C3436 37Cl52CrNとして、計算値は、[M+H]=719.15157。実測値は[M+H]=719.15122。acac配位子の損失に対応するフラグメントを観察し、そして基準ピークは、Cr(acac)に対応する。80%CHCN水溶液とリン酸緩衝液(pH7.4,0.04M)との1:1(v/v)混合物から開始する勾配溶出を用いるRP C−18カラムでの分析的HPLCによって、339nmの突出したUV吸収バンドを伴う1つの主要なピーク(96.7%)が示された。少量(0.45%)の未錯体化の2を検出し得、そしてその同一性をスパイクによって確認した。この錯体に存在するCr(III)の常磁性特性の理由で、Hの共鳴も13Cの共鳴もNMRによって観察されなかった。
【0129】
表1の錯体M5[Co(Medtc)(18a)]の調製。
【0130】
18a(46mg,0.0983mmol)を含有する5% MeOH/CHCl(4mL)の懸濁液に、[Co(Medtc)]BF(105mg,0.1303mmol)[Hendricksonら、J.Chem.Soc.Dalton Trans.1975,2182]を添加した。iPrNEt(25mg,2当量)を、撹拌した懸濁液に二部添加し、このとき、初回の1日後に二回目を添加した。撹拌を室温で8日間継続し、この時点までに、ごく少量の懸濁した/未反応の18aが確認され、そしてその溶液の色は副産物Co(Medtc)の濃緑色であった。その溶液を濾過して、その濾過液を減圧下でエバポレートさせた。その残留物をCHCl(2mL)中に採取し、そしてフラッシュシリカゲルカラムのクロマトグラフィーに供した。溶出はCHClで開始し、そしてCo(Medtc)の大きい緑のバンドを溶出させた。生成物−[Co(Medtc)(18a)](M5)が溶出される(約50%CHCN/CHClを用いて)まで、10%ずつ増加させるCHCNの段階的濃度上昇を実施した。主要な濁った黄緑色のバンドを収集し、そして溶媒を減圧下で除去して、褐色がかった緑の非結晶(アモルファス)残留物として生成物を得た(48mg,63%)。分析的逆相HPLCによって、検出可能な遊離の細胞傷害性配位子18aは存在しないことが示された。
【0131】
表1の錯体M6[[Cr(acac)(29)] ClO)]の調製。
【0132】
29(31mg,0.058mmol)を含有するCHOH(0.5mL)の懸濁液を、CHOH(0.5mL)に溶解したNaOH(5mg,0.119mmol)溶液で処理し、そして中和した溶液を、CHCN(1.0mL)に溶解したシス−[Cr(acac)(OH]ClO・2HOおよびトランス−[Cr(acac)(OH]ClO・2HOの混合物(29mg,0.069mmol)を含有する別の溶液に直ちに添加した。この合わせた混合物を50℃で15分間撹拌させ、室温まで冷却させ、そして減圧下で溶媒を除去した。シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、シリカゲル乾燥剤を用いた真空下での乾燥後に紫色の残留物として、[Cr(acac)(29)]ClO(M6)を得た。HRMS(FAB/NBA):C3743 35ClCrOとして、計算値の[M]は、758.21834。実測値は、758.21745。
【0133】
表1の錯体M7[[Co(TACN)(8−HQ)(CN)]ClO]の調製。Wieghardtらの方法(Chem.Ber.,1979,112,2220〜2230)を用いて、Co(TACN)(NOを、Na[Co(NO]から調製した。次いで、これを用いて、本質的にGalsboelらの方法(Acta Chem.Scand.,1996,50,567〜570)によって、[Co(TACN)(HO)](OTf)を調製した(91%収率)。[Co(TACN)(HO)](OTf)(360mg,0.509mmol)をEtOH(9mL)中で溶解し、そして8−ヒドロキシキノリン(8−HQ)(73mg,0.6mmol)を固体として添加した。直ちに、撹拌した溶液に、EtN(62mg)含有EtOH(約4mL)の溶液を添加した。次いで、この溶液を短時間暖めて、コバルト中心への8−HQの配位を完了させた。NaCN(150mg,4当量)を、滴下し、そしてその混合物を24時間撹拌させた。NaCNの添加中に、そして時には添加後に、0.1M HClOの添加によって、pHを約7に調整した。形成した、赤色の結晶およびオレンジ色の沈殿物を、HOを用いてこの混合物を希釈することによって溶解させ、そしてその全体をSephadex SP C−25陽イオン交換カラムにロードさせ、そしてHOで徹底的に洗浄した。0.05MのNaClO、次いで0.1MのNaClO、を用いた溶出によって、主なバンドを溶出させ、そして減圧下でのエバポレーションによって溶出物を濃縮して、[Co(TACN)(8−HQ)(CN)] ClO(M7)の赤褐色結晶を生成した(117mg,51%)。これを収集して、少量の氷冷HO、続いてEtO(3×)で洗浄した。分析値。C1621ClOCoとして、計算値;C,41.98;H,4.62;N,15.30;Cl,7.74。実測値;C,41.99;H,4.44;N,15.28;Cl,7.93。
【0134】
(生物学的活性)
表1の選択した錯体を、錯体化していない細胞傷害性配位子と一緒に、細胞傷害性(4時間の好気性薬物曝露後に、IC50値(μM)として測定)について、哺乳動物細胞株のパネルで評価し、そしてその結果を表2に示す。AA8は、チャイニーズハムスター卵巣細胞株であり、そしてUV4細胞株は、修復欠陥性のERCC−1変異体であり、因子(その細胞傷害性が、バルキーなDNA付加体に起因する)に対して感受性である。EMT6は、マウス乳腺癌腫株であり、そしてSKOV3は、ヒト卵巣癌細胞株である。
【0135】
表2は、種々の細胞毒およびその金属錯体についての生物活性の結果を示す。IC50値は、好気性条件下で4時間、示した細胞株を化合物に曝露した場合の平均±標準誤差(カッコ内は実験の数)である。
【表2】
Figure 2004518678
【0136】
表2の結果によって、細胞傷害性配位子29、18a、および27が際立って細胞傷害性であることが示される。表2の結果によってまた、金属錯体化は細胞傷害性をかなり抑制することが示され、このことは、これらの化合物の毒性の低いプロドラッグを形成するのに、このアプローチが有用であることを示す。
【0137】
表1に列挙した錯体M1をまた、それが、脱酸素した蟻酸ナトリウム緩衝液中で電離放射線に曝露された場合、細胞傷害性配位子を遊離する能力(全還元剤についてのG値を0.68μM/Gyとした場合、放射線分解性還元についてのG値(μM/Gy)として測定した)について評価した。その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2004518678
【0138】
表3の結果は、これらの特定の金属錯体がまた、電離放射線に対する曝露後に、その細胞傷害性配位子を手際よく、良好な収率で遊離する能力を有することを示す。特定の例として、図1は、低酸素性条件下で、0.1M蟻酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で照射された場合の錯体M1(SN27892)からの細胞毒18a(SN26800)の遊離を示す。
【0139】
このプロドラッグの活性化の機構は、以下の機構の経路に例示されているとおりであると考えられる。
【化36】
Figure 2004518678
【0140】
この金属錯体はまた、表4および図2における金属錯体M1について示されるとおり、低酸素下で内因性酵素によって活性化される能力を示す。表4および図2はまた、対応する細胞傷害性配位子18aが、低酸素性条件下で内因性酵素によって活性化されないことを示す。従って、この金属錯体は、低酸素活性化細胞毒として、および照射活性化細胞毒としての有用性を有する。
【表4】
Figure 2004518678
【0141】
表4において、A549wt/sは、野生型ヒト結腸癌腫細胞株であり、SKOV3は、ヒト卵巣癌細胞株であり、WiDr−2は、WiDrヒト結腸癌腫株由来のクローン性細胞株である。有酸素条件および無酸素条件の両方においてIC50s(μM)を決定し、そして低酸素性細胞傷害性比(HCR)とは、有酸素性条件および低酸素性条件下で測定したIC50sの実験内における比の平均である。
【0142】
前述の説明の参考文献が、試薬、またはその公知の等価物を有する全体に対してなされた場合、それらの参考文献の等価物は、個々に記載されるかのように、本明細書において援用される。
【0143】
本発明は、特定の実施形態および実施例を参照して記載されているが、本発明の趣旨からも範囲からも逸脱することなく、実施形態および実施例に対して、さらなる改変およびバリエーションがなされ得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】図1は、低酸素条件下で蟻酸緩衝液(pH7.0)中で照射した場合の、構造式Iの化合物M1(SN27892)からの細胞傷害性エフェクター18a(SN26800)の遊離をグラフで示す。
【図2】図2は、HT29培養物における金属錯体M1の低酸素選択性をグラフで示す。

Claims (55)

  1. 以下の構造式I:
    Figure 2004518678
    によって表される金属錯体であって;かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、および任意の生理的塩誘導体を含み;
    ここで:
    Aは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Dは、CまたはNから選択され;
    Eは、直接結合、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは、DがCを表す場合、独立してHまたはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換されるか;あるいは
    Mは、CoIII、CoII、CrIII、またはCrIIから選択され、
    Zは、O、NRから選択され、ここでRは、HまたはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換され、
    およびSは一緒になって下記の構造式Vを表し、
    Figure 2004518678
    ここで、Xは、ハロゲン、CH−ハロゲン、CHOCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、またはCHOSO、またはCHOSONHRを含む群から選択され、ここでRは、HまたはC1−6アルキルで置換され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、Rは、HまたはC1−6アルキルを表し、C1−6アルキルは1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で必要に応じて置換され;そして
    Rは、以下の構造式VIまたはVII:
    Figure 2004518678
    のうちの1つから選択され、
    ここで、各々のT、T、およびTは、独立してH、OPO(OH)、OR、NR 、またはNHCORから選択され、(ここで各Rは、独立してH、C1−6アルキルを表し、このC1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され);またはO(CHNR を表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして黒点・は、上記で規定される構造式Vに対するRの付着の点を表し、
    そしてSは、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ、または水酸基で置換される];OR、NR 、またはCONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された5員環系もしくは6員環系を表し、ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択され、そして
    ここで、配位子L〜Lは、各々が独立して、アニオン性単座配位子;二座配位子;または以下の三座配位子VIIIa〜VIIIc(R〜R=Hの場合、それぞれ、TACH、TAME、およびTACNである)の組み合わせから選択され:
    Figure 2004518678
    該アニオン性単座配位子は、CN、SCN、ハライド、NO を含み、該二座配位子は、MeCOCHJCOMe(Jacac;該錯体中で脱プロトン化された)を含み、ここでJ=H、Me、Cl、SMe、SOMe、S(CHSOH、S(CHCOH、S(CHOP(O)(OH)、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHOP(O)(OH)、S(CHP(O)(OH)、またはCH(CHP(O)(OH)であり、ここで、nは、1〜4であり、
    ここで、各々のR〜Rは独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHP(O)(OH)、またはCH(CHNR から選択され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは独立して、H、またはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;または
    〜Lはまた、四座配位子IX〜XVIIのいずれか1つ、もしくは二座配位子XVIIIのいずれか2つ、もしくは上記で規定された単座配位子L〜Lのいずれかと一緒になった二座配位子XVIIIのいずれかの組み合わせから選択され得;
    Figure 2004518678
    ここで構造式IX〜XVIIIにおいて、R1'〜R8'は各々独立してH、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNMeを表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり;
    各々のZ〜Zは独立して、−(CH−、−(CH−、−CHOCH−、または−CHN(R)CH−から選択され;ここでRは、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして
    各々のY'は、独立して、H、ハロゲン、SOMe、O(C−Cアルキル)、NR10 、またはQ(CHから選択され、ここで各々のR10は、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでQは、−O−、−CH−、−NH−、−CONH−、−CO−、または−SO−から選択され、そしてQは、−COH、−SOH、−OP(O)(OH)もしくは−NR11 から選択され、ここで各々のR11は、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
    ここで、該錯体の全体的荷電は中性、陽性、もしくは陰性であり、そして非中性の場合、錯体Fcountercharge(カウンターチャージ)は、生理学的に受容可能なある範囲の対イオンから選択され、該対イオンとしては、ハライド、NO 、NH 、またはNaが挙げられ;そして
    ここで、qは、該錯体上の全体的電荷を中和するのに必要な数である、金属錯体。
  2. 請求項1に記載の構造式Iの環Aおよび環Bが、一緒になって、8置換キノリン系を表す、請求項1に記載の金属錯体。
  3. 前記Zが−O−を表す、請求項1または請求項2のいずれかに記載の金属錯体。
  4. 前記Zが、−NH−を表す、請求項1または3のいずれかに記載の金属錯体。
  5. 前記Rが、以下:
    Figure 2004518678
    のうち1つから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属錯体。
  6. 前記配位子L〜Lが、以下:
    Figure 2004518678
    から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属錯体。
  7. 前記Xが、CHClである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属錯体。
  8. 以下のうちの1つから選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属錯体;
    Figure 2004518678
  9. 癌の治療を提供する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造式Iの金属錯体の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程、および
    (b)酵素的還元剤、もしくは非酵素的な内因性還元剤、または電離放射線のいずれかによる還元を介して低酸素性の条件下で構造式Iの金属錯体を活性化する工程、を包含し、
    ここで、該活性化によって、構造式Iの該金属錯体から十分な量のエフェクターが遊離される、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、該方法は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造式Iの金属錯体の活性化の工程の、放射線療法の照射による代替的な工程を包含する、方法。
  11. 組成物であって、活性因子として請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造式Iの金属錯体と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む、組成物。
  12. 医薬の製造における使用であって、癌の治療の必要な患者を治療するにおいて使用するための請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造式Iの金属錯体の有効量の使用。
  13. 以下の構造式Ia:
    Figure 2004518678
    によって表される金属錯体であって;かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、および任意の生理的塩誘導体を含み;
    ここで:
    Aは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Dは、CまたはNから選択され;
    Eは、5員環系または6員環系から選択され、該環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Mは、CoIII、CoII、CrIII、またはCrIIから選択され;
    Zは、NH、またはNHMeを表し、
    Qは、H、C1−6アルキル、または(CHNHを表し、Qが(CHNHを表す場合、Qは、Mについての配位子となり、かつ下記で規定される配位子L〜Lの1つを置換し、
    およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
    Figure 2004518678
    ここで、Xはハロゲン、CH−ハロゲン、CHCN、CHCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、CHOSO、またはOSOを含む群から選択され、(ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され)、またはCHOSONHRを表し、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され
    ;そして
    Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
    Figure 2004518678
    ここで、各々のT1、T、およびTは、独立してH、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして黒点・は、上記で規定される構造式Vに対するRの付着の点を表し、そしてSは、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ基、またはハロゲン基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;またはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択され、そして
    ここで、配位子L〜Lは、各々が独立して、アニオン性単座配位子;二座配位子;または三座配位子VIIIa〜VIIIc(R〜R=Hの場合、それぞれ、TACH、TAME、およびTACNである)の組み合わせから選択され:
    Figure 2004518678
    該アニオン性単座配位子は、CN、SCN、ハライド、NO を含み;該二座配位子は、MeCOCHJCOMe(Jacac;該錯体中で脱プロトン化された)を含み、ここでJ=H、Me、Cl、SMe、SOMe、S(CHSOH、S(CHCOH、S(CHOP(O)(OH)、CH(CHSOH、CH(CHCOH、CH(CHOP(O)(OH)、S(CHP(O)(OH)CH(CHP(O)(OH)であり、各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、ここでR〜Rは各々独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)CH(CHP(O)(OH)またはCH(CHNR から選択され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは独立して、H、またはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいは
    〜Lはまた、以下の四座配位子IX〜XVIIのいずれか1つ、または二座配位子XVIIIのいずれか2つ、または上記で規定された単座配位子L〜Lのいずれかと一緒になった二座配位子XVIIIのいずれかの組み合わせから選択され得;
    Figure 2004518678
    ここで構造式IX〜XVIIIにおいて、R1'〜R8'は各々独立してH、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNMeを表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり;各々のZ〜Zは独立して、−(CH−、−(CH−、−CHOCH−、または−CHN(R)CH−から選択され;ここでRは、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして
    各々のY'は、独立して、H、ハロゲン、SOMe、O(C−Cアルキル)、NR 、またはQ(CHから選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでQは、−O−、−CH−、−NH−、−CONH−、−CO−、または−SO−から選択され、そしてQは、−COH、−SOH、−OP(O)(OH)もしくは−NR から選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
    ここで、該錯体の全体的荷電は中性、陽性、もしくは陰性であり、そしてここで非中性の場合、錯体Fcounterchargeは、生理学的に受容可能なある範囲の対イオンから選択され、該対イオンとしては、ハライド、NO 、NH 、またはNaが挙げられ;そして
    ここで、qは、該錯体上の全体的電荷を中和するのに必要な数である、金属錯体。
  14. 前記環Aおよび環Bが、一緒になって、8置換キノリン系を表す、請求項13に記載の金属錯体。
  15. 前記Zが−OHを表す、請求項13または請求項14に記載の金属錯体。
  16. 前記Zが、−NHを表す、請求項13または請求項14に記載の金属錯体。
  17. 前記Rが、以下:
    Figure 2004518678
    のうち1つから選択される、請求項13〜16のいずれか1項に記載の金属錯体。
  18. 前記配位子L〜Lのうちの1つが、以下:
    Figure 2004518678
    から選択される、請求項13〜17のいずれか1項に記載の金属錯体。
  19. 前記Xが、CHClである、請求項13〜18のいずれか1項に記載の金属錯体。
  20. 以下を表す、請求項13〜17、および請求項19のいずれか1項に記載の金属錯体:
    Figure 2004518678
  21. 癌の治療を提供する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)請求項13〜20のいずれか1項に記載の構造式Iの金属錯体の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程、および
    (b)酵素的還元剤、もしくは非酵素的な内因性還元剤、または電離放射線のいずれかによる還元を介して低酸素性の条件下で構造式Iaの金属錯体を活性化する工程、
    を包含し、
    ここで、該活性化によって、構造式Iaの該錯体の該有効量から十分な量のエフェクターが遊離される、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、該方法は、請求項13〜20のいずれか1項に記載の構造式Iaの金属錯体の活性化の工程の、放射線療法の照射による代替的な工程を包含する、方法。
  23. 組成物であって、活性因子として請求項13〜20のいずれか1項に記載の構造式Iaの金属錯体と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む、組成物。
  24. 医薬の製造における使用であって、癌の治療の必要な患者を治療するにおいて使用するための請求項13〜20のいずれか1項に記載の構造式Iaの化合物の有効量の使用。
  25. 以下の構造式XIX:
    Figure 2004518678
    の複素環式化合物であって;かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、および任意の生理的塩誘導体を含み;
    ここで:
    Aは、5員環系または6員環系から選択され、該環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Zは、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
    およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
    Figure 2004518678
    ここで、Xはハロゲン、CH−ハロゲン、CHCN、CHCO−(1つ以上のアミノ基または水酸基で必要に応じて置換されるC−Cアルキル)、CH−リン酸基、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
    Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
    Figure 2004518678
    ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式XIXに対する付着の点を表し、そしてSは、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ、または水酸基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;またはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される、複素環式化合物であり、
    ただしこれは、Z、A、B、X、S、S、およびSが一緒になって以下:
    Figure 2004518678
    を表す場合に、Rが以下:
    Figure 2004518678
    の1つを表さないという条件下である、
    複素環式化合物。
  26. 前記環Aおよび環Bが、一緒になって、8置換キノリン系を表す、請求項25に記載の複素環式化合物。
  27. 前記Zが−OHを表す、請求項25または26に記載の複素環式化合物。
  28. 前記Zが、−NHを表す、請求項25〜27のいずれか1項に記載の複素環式化合物。
  29. 前記Rが、以下:
    Figure 2004518678
    のうち1つから選択される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の複素環式化合物。
  30. 前記Xが、−CHClである、請求項25〜29のいずれか1項に記載の複素環式化合物。
  31. 以下のうちの1つから選択される、請求項25〜30のいずれか1項に記載の複素環式化合物:
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−({5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−インドール−2−イル}カルボニル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−プロペノイル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5−メトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、および
    5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン。
  32. 癌の治療を提供する方法であって、該方法は、請求項25〜31のいずれかに記載の構造式XIX:
    Figure 2004518678
    の複素環式化合物の有効量を、このような治療の必要な患者に投与する工程を包含し;この複素環式化合物にはそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、および任意の生理的塩誘導体を含み;
    ここで、Aは、5員環系または6員環系から選択され、該環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Zは、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
    およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
    Figure 2004518678
    ここで、Xはハロゲン、CH−ハロゲン、CHCN、CH−リン酸基、CHCO、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるC1−6アルキルを表し、ここで、Rは、HまたはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水素もしくはアミノ基で置換され;そして
    Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
    Figure 2004518678
    ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式XIXに対する付着の点を表し、
    は、H、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ、またはハロゲン基で置換される]、OR、NR 、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、
    ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される、方法。
  33. 請求項32に記載の方法であって、前記構造式XIXの前記環Aおよび環Bが、一緒になって、8置換キノリン系を表す、請求項32に記載の方法。
  34. 前記構造式XIXのZが−OHを表す、請求項32または請求項33に記載の方法。
  35. 前記構造式XIXのZが、−NHを表す、請求項32〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記構造式XIXのRが、以下:
    Figure 2004518678
    のうち1つから選択される、請求項32〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記構造式XIXのXが、−CHClである、請求項32〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記構造式XIXが、以下のうちの1つから選択される請求項32〜37のいずれか1項に記載の方法:
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−({5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−インドール−2−イル}カルボニル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−プロペノイル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5−メトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、および
    5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン。
  39. 組成物であって、活性因子として以下の構造式XIX:
    Figure 2004518678
    の化合物であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤と、アジュバント、またはキャリアとを含む、組成物であり、
    ここで:
    Aは、5員環系または6員環系から選択され、該環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Zは、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
    Zは、O、またはNRから選択され、ここでRはC−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
    およびSは一緒になって、以下の構造式Vを表し:
    Figure 2004518678
    ここで、Xはハロゲン、CH−ハロゲン、CHCN、CH−リン酸基、CHCO、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基もしくは水酸基で置換され、Rは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され
    ;そして
    Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
    Figure 2004518678
    ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、黒点・は、上記で規定される構造式XIXに対する付着の点を表し;そしてSは、H、OH、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ基、または水酸基で置換される]、OR、NR、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;またはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される、組成物。
  40. 前記構造式XIXの環系AおよびBが一緒になって8置換キノリン系を表す、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記構造式XIXのZが、−OHを表す、請求項39または40に記載の組成物。
  42. 前記構造式XIXのZが、−NHを表す、請求項39〜41のいずれか1項に記載の組成物。
  43. 前期構造式XIXのRが、以下のうちの1つから選択される、請求項39〜42のいずれか1項に記載の組成物:
    Figure 2004518678
  44. 前記構造式XIXのXが−CHClである、請求項39〜43のいずれか1項に記載の組成物。
  45. 請求項39〜44のいずれか1項に記載の組成物であって、前記構造式XIXが以下のうちの1つを表す、組成物:
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イルカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−({5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−プロペノイル)−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、および
    5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン。
  46. 癌の治療の必要な患者の治療における使用のための医薬の製造における、使用であって、以下の構造式XIX:
    Figure 2004518678
    の化合物であって、かつそれらの任意のエナンチオマー型またはジアステレオマー型、ならびに任意の生理的塩誘導体を含む、化合物の有効量の使用であり、
    ここで、
    Aは、5員環系または6員環系から選択され、該環系は、必要に応じて1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Bは、5員環または6員環の芳香族環系から選択され、該芳香族環系は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ必要に応じて1つ以上のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン基、水酸基、リン酸基、シアノ基、またはアミノ基で置換され;
    Zは、OH、またはNR から選択され、ここで各々のRは独立して、HまたはC−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上のアミノ基、水酸基、ハロゲン基、またはシアノ基で置換され;
    Figure 2004518678
    ここで、Xはハロゲン、CH−ハロゲン、CHCN、CH−リン酸基、CHCO、CHOSO、またはCHOSONHRを含む脱離基から選択され、ここでRは、C−Cアルキルを表し、該C−Cアルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでRは、HもしくはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そして
    Rは、以下の構造式VIもしくはVIIのうちの1つから選択され:
    Figure 2004518678
    ここで、各々のT、T、およびTは独立して、H、OPO(OH)、OR、NR 、またはO(CHNR から選択され、ここで各々のRは、独立してH、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは、独立して、H、またはC1−6アルキルから選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;黒点・は、上記で規定される構造式XIXに対する付着の点を表し;Sは、H、OH、シアノ、リン酸、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、CO(C1−6アルキル)[ここで該アルキルは、必要に応じてアミノ基、または水酸基で置換される]、OR、NR、CONHRから選択され、ここで各々のRは独立して、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいはSは、上記で規定された環系Aに含まれる1つ以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換された4〜8員環系を表し、ここで該置換基は、OH基、シアノ基、リン酸基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびハロゲン基から選択される、使用。
  47. 前記構造式XIXの環系AおよびBが一緒になって8置換キノリン系を表す、請求項46に記載の使用。
  48. 前記構造式XIXのZが−OHを表す、請求項46または請求項47に記載の使用。
  49. 前記構造式XIXのZが、−NHを表す、請求項46〜48のうちいずれか1項に記載の使用。
  50. 前記構造式XIXのRが、以下:
    Figure 2004518678
    のうち1つから選択される、請求項46〜49のいずれか1項に記載の組成物。
  51. 前記構造式XIXのXが、−CHClである、請求項46〜50のうちいずれか1項に記載の組成物。
  52. 前記構造式XIXが以下のうちの1つを表す、請求項46〜51のうちいずれか1項に記載の組成物:
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イルカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−({5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−5−ヒドロキシ−2−プロペノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−3−[(2E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    1−(クロロメチル)−3−[(2E)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペノイル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン−5−オール、および
    5−アミノ−1−(クロロメチル)−3−[(5,6,7−トリメトキシインドール−2−イル)カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−f]キノリン、
    それらのエナンチオマー型もしくはジアステレオマー型、またはこのような型の任意の混合物、および任意の生理的に機能的な塩誘導体。
  53. 請求項1〜8、または請求項13〜20のいずれか1項に記載の金属錯体を調製する方法であって、請求項25〜31のいずれか1項に記載の複素環式化合物と、1つ以上の配位子L〜Lとをカップリングさせる工程を包含し、ここで配位子L〜Lは各々が独立して、アニオン性単座配位子;二座配位子;または以下の三座配位子VIIIa〜VIIIc(R〜R=Hの場合、それぞれ、TACH、TAME、およびTACNである)の組み合わせから選択され:
    Figure 2004518678
    該アニオン性単座配位子は、CN、SCN、ハライド、NO を含み、該二座配位子は、MeCOCHJCOMe(Jacac;該錯体中で脱プロトン化された)を含み、ここでJ=H、Me、Cl、SMe、SOMe、S(CHSOH、S(CHCOH、S(CHOP(O)(OH)、CH(CHSOH、CH(CHCOH、S(CHP(O)(OH)、またはCH(CHP(O)(OH)であり、ここで、各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり、
    ここで、R〜Rは各々が独立して、H、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)CH(CHP(O)(OH)、またはCH(CHNR から選択され、ここで各々のnは、独立して1、2、3、または4であり、そして各々のRは独立して、H、またはC1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換されるか;あるいは
    〜Lはまた、四座配位子IX〜XVIIのいずれか1つ、もしくは二座配位子XVIIIのいずれか2つ、もしくは上記で規定された単座配位子L〜Lのいずれかと一緒になった二座配位子XVIIIのいずれかの組み合わせから選択され得;
    Figure 2004518678
    ここで構造式IX〜XVIIIにおいて、R1'〜R8'は各々独立してH、Me、CH(CHSOH、CH(CHCOH、もしくはCH(CHOP(O)(OH)、またはCH(CHNMeを表し、ここで各々のnは、独立して1、2、3、もしくは4であり;
    各々のZ〜Zは独立して、−(CH−、−(CH−、−CHOCH−、または−CHN(R)CH−から選択され;ここでRは、H、C1−6アルキルを表し、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、そして
    各々のY'は、独立して、H、ハロゲン、SOMe、O(C−Cアルキル)、NR 、またはQ(CHから選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され、ここでQは、−O−、−CH−、−NH−、−CONH−、−CO−、または−SO−から選択され、そしてQは、−COH、−SOH、−OP(O)(OH)もしくは−NR から選択され、ここで各々のRは、HもしくはC1−6アルキルから独立して選択され、該C1−6アルキルは、必要に応じて1つ以上の水酸基もしくはアミノ基で置換され;そしてここで、該配位子は、CoIII、CoII、CrIII、またはCrIIから選択される金属と錯体形成される、方法。
  54. 請求項25〜32のうちいずれか1項に記載の複素環式化合物を調製する方法であって、以下の反応経路:
    Figure 2004518678
    を包含する、方法。
  55. 請求項54に記載の方法であって、以下の経路:
    Figure 2004518678
    によって表されるさらなる工程を包含する、方法。
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