JP2004517930A - サイクリン依存性キナーゼ阻害プリン誘導体類 - Google Patents
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Abstract
本発明は、構造式(I)の一連のCDK阻害性プリン誘導体類またはその薬学的に許容できる塩および/またはプロドラッグ形態に関し、式中、Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;Dは、NZ1Z2(式中、Z1は、H、C1−4アルキル、C1−4ハイドロキシアルキル、無置換または置換アリルまたはヘテロアリル、および無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択され、Z2は、無置換または置換アリルまたはヘテロアリル、および無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択される)であり;Aは、H,C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキル)から選択され;Bは、H、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、任意に置換されていてもよいアリルまたは任意に置換されていてもよいアラルキル、およびC=O互変転位を受けていてもよい水酸基から選択され:およびYは、無置換または置換された4乃至8員の炭素環または複素環を含み、任意により大きな融合環構造の一部を形成してもよく、または、Yは、任意に置換されていてもよい直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される。これらのプリン誘導体類は潜在的化学療法剤類であり、従って、本発明は、また、癌類または他の細胞増殖疾患類の治療におけるこれらの化合物類の用途およびこれらの化合物類を含む薬剤組成物類に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はある化合物類、特にプリン誘導体類に関し、それらは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤類として生物系において活性を示し、かつ、従って、例えば抗癌または癌治療と関連して哺乳類における細胞成長すなわち増殖を制御するかまたは阻害する際に使用される薬剤組成物類または処方類に取り込むことができる潜在的に有用な治療薬剤として関心が寄せられる。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ類(CDK類)は、サイクリン類として公知の他の活性化蛋白質類と複合体を形成し動物細胞において成長と分裂の制御に関与する重要な制御因子類を提供する酵素類の一族である。さらに詳細には、細胞分裂サイクル(G1、S、G2およびM相)を介しての動物細胞の進展は、一連のCDK/サイクリンダイマー複合体類の順次形成、活性化およびその後の不活性化によって制御されており、これらの複合体類は、セルサイクルチェックポイント後の経過および連続セルサイクル相間の移行を前記複合体類の触媒性サブユニット類としてCDKが作用することによって制御する。
【0003】
実際いくつかの異なるサイクリン蛋白質類があり、これらは、異なるCDK類と同様、やや関係が弱いCDK活性化蛋白質類族を形成する。また、異なるCDK/サイクリン複合体類は、セルサイクル中のサイクリン発現およびM相におけるサイクリン分解の逐次増加および減少を伴う異なるセルサイクルのさまざまな段階において機能し、通常、秩序だったセルサイクル進行を決定する重要な因子である。従って、哺乳類セルサイクルのG1を経由してS相への進展は、主にサイクリン依存性キナーゼ類CDK2、CDK3およびCDK4(および一部の細胞ではCDK6もあり得る)によって、少なくともサイクリン類DおよびEと関連し制御されると考えられており、D型サイクリン類とCDK2およびCDK4(およびCDK6もあり得る)の複合体類は、特に、G1制限点を介して進展を制御する際に重要な役割を演じ、一方、CDK2/サイクリンE複合体類は、G1からS相への移行をもたらすために必須である。いったんS相に入ると、セルサイクルG2相への進展と開始にサイクリンAと称される別のサイクリンとCDK2との活性化複合体類、すなわちCDK2/サイクリンAの複合体類が必要となる。最後に、G2相からM相への移行と有糸分裂の開始には、CDK1と称される(またCdc2としても公知)サイクリン依存性キナーゼとサイクリンBと称されるサイクリンとの活性化複合体類(および、また、サイクリンAとCDK1の複合体類)が必要である。
【0004】
一般に、セルサイクルおよびCDK類の活性の制御には、一連の刺激性および阻害性のリン酸化と脱リン酸化反応を伴い、それらの制御機能を作用させる際、CDK/サイクリン複合体類は活性化されるとATPを基質として用いてさまざまな他の基質細胞蛋白質類をリン酸化するが、通常、そのセリンおよびスレオニン基類上で行われる。セルサイクルの制御にはまたCDK/サイクリン複合体類の阻害剤類を要し、それらは、セルサイクル阻止をもたらすためこれらの酵素類の触媒機能を阻害する。例えばp16およびp21として公知の阻害性蛋白質類のようなある天然の阻害剤類は、CDK/サイクリン複合体類に選択的に結合して後者を不活性化することによってセルサイクルの進行を阻害できる。
【0005】
阻害剤類によるCDK機能の制御は、従って、セルサイクル進行を制御するためのさらなるメカニズムを提供し、これによって、例えば異常増殖細胞を標的としてセルサイクル進行を阻止するための抗癌療法において抗増殖性治療薬剤としてのCDK阻害剤の用途が提案されることになった。ヒト腫瘍細胞においてセルサイクル進展の重篤な障害または異常が頻繁に起こり、しばしばCDK類およびそれに関連する他の蛋白質類の過剰発現を伴うので、このことは、特に適切であるように思われる。また、確立された細胞毒性抗癌剤と比較して、CDK類を介して作用する細胞進展阻害剤類の使用は、DNAとの直接相互作用を避けることができるという利点を有し、それによって、続発性癌の発生リスクを低下できる。
【0006】
したがって、前記の可能な治療適用および他の可能な用途類のゆえに、広範囲のCDK類の化学阻害剤類が検索されることになり、特に薬剤用途に適した選択的阻害剤類の検索がなされた。選択されたCDK/サイクリン複合体類の阻害活性および選択性は、一般的に、阻害剤として疑わしい被験物質の存在下における蛋白質ヒストンH1(通常良好なCDK基質を提供する主要染色体蛋白質成分のひとつ)のリン酸化における前記キナーゼ活性を測定することによって、アッセイする。このようにして同定確認されたCDK阻害性を有する潜在的に有用ないくつかの化合物類は、Cell Biology(第6巻)、1996年10月発表、Laurent Meijerによる標題“Chemical inhibitors of cyclin−dependent kinases(サイクリン依存性キナーゼ類の化学阻害剤類)”というレビュー論文に記載されており、それは、内容をここで参考として引用する。上記論文で記載されている化合物類のなかでも、CDK1およびCDK2阻害性の強力なアデニン誘導体で“オロモウシン”と命名された2−(2−ハイドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチル−プリンと2、6および9位において修飾したアナログである6−(ベンジルアミノ)−2(R)−〔{1−(ハイドロキシメチル)プロピル}アミノ〕−9−イソプロピルプリンがある。この後者の化合物は“ロスコビチン”と命名され、CDK阻害剤としてオロモウシンよりもはるかに強力である。オロモウシンのこの強力ではあるが選択的なCDK阻害性は、J.Veselyらによる標題“Inhibition of cyclin−dependent kinases by purine analogs(プリンアナログ類によるサイクリン依存性キナーゼ類の阻害)”、Eur.J.Biochem.、224、771−786(1994)に初めて記載され、さらに、オロモウシンおよびロスコビチンを含むアデニン誘導体類の形状となっているある範囲のプリン化合物類のCDK阻害性に関する研究が、J.Med.Chem.(1997)40、408−412における標題“Cytokinin−Derived Cyclin−dependent Kinase Inhibitors:Synthesis and cdc2 Inhibitory Activity of Olomoucine and Related Compounds (サイトカイニン由来サイクリン依存性キナーゼ阻害剤類:オロモウシンおよび関連化合物類の合成とcdc2阻害活性)”に報告され検討されている。同様に、これらの刊行物の内容は、本文で参考として引用されていると見なすべきである。
【0007】
オロモウシンおよびロスコビチン両者の阻害活性は、これらの化合物類がATP結合に対して競合阻害剤類として作用することから結果として生じることが明らかにされている。オロモウシンは少なくとも、CDK類以外の多くの一般的なキナーゼ類に関して阻害活性を全く欠いていることが報告されている。さらに、選択性は、オロモウシンおよびロスコビチンの両者ともCDK1、CDK2およびCDK5の活性を阻害するが、どちらもCDK4またはCDK6に対して活性であるとは見なされていないという事実によって明白である。
【0008】
特にオロモウシンは、さらなるプリン系CDK阻害剤類の同定識別さらに設計に役立つ手がかりとなる化合物を提供するとみなされてきており、構造/活性研究に基づき、Veselyらによる上記論文で、メチル、2−ハイドロキシエチルまたはイソプロピルのような疎水性残基によるN9置換が例えばCDKとの直接疎水性相互作用を提供するために重要であることおよびC2の側鎖が必須であるように思われると示唆された。同様に、Havlicekらの論文においてCDK阻害活性を有するプリン化合物についてプリン環の1及び7位およびおそらく3位が水素結合を可能にするために遊離したままでなければならないという所見のほかに、2位の極性側鎖が必須であるように思われることおよび疎水性残基によるN9置換もおそらく陽性結合に重要であろうと述べられた。プリン環の2、6、7および9位は、CDK1への結合を制御する位置として確認された。
【0009】
Meijerのレビュー論文では、また、CDK阻害剤複合体類の結晶化の結果、および特にCDKとの共結晶化の結果として、オロモウシンおよびロスコビチンのような阻害剤類はCDK蛋白質分子の小及び大ローブの間の裂け目に局在するATP結合ポケット中に局在すること、および、特異性はおそらく、ATP結合部位の外部でキナーゼ類と相互作用する阻害剤分子類部分が供するのであろうということが見出された。
【0010】
しかし、その後本明細書と関連させて読むことができる我々の国際特許出願PCT/GB98/02025の公開明細書WO99/02162に開示されているように、プリン環の2−NH2位または9位のいずれかに置換基を有しておらずかつ6−Oによって置換された6−NHを有するO6−シクロヘキシルメチルグアニンがこうしたことにもかかわらず細胞毒性でありオロモウシンのCDK1(cdc2)/サイクリンB複合体類に対する活性に匹敵する非常に高い阻害活性を示したことが、予測外にも見出された。
【0011】
また、WO99/02162に開示されているように、オロモウシンやロスコビチンのような化合物に対してよりもO6−シクロヘキシルメチルグアニンにより近縁の他のグアニン誘導体類が同定され、有意なCDK阻害活性を示し、結晶学研究により、CDK2(少なくとも触媒性結合部位に関してCDK2と相同)のO6−シクロヘキシルメチルグアニンおよびO6−シクロへキセ−1−エニルメチルグアニンのようなグアニン誘導体類との複合体類が、アデニン誘導体オロモウシンとCDK2の複合体とは異なり、互いに結合することが明らかになった。このことは、さらに、WO99/02162において説明されている。
【0012】
(発明の開示)
WO99/02162に開示されたプリン誘導体類は哺乳類における癌および他の細胞増殖性疾患の治療に有用なCDK阻害活性を有すると考えられ、それらは、下記構造式:
(式中、
Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;
Dは、H、ハロまたはNZ1Z2(式中、Z1およびZ2はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルまたはC1−4ハイドロキシアルキル)であり;
Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキル)から選択され;
Bは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、任意に置換されていてもよいアリル(例 フェニル)または任意に置換されていてもよいアラルキル(例ベンジル)、およびC=O互変異性体を供する水酸基から選択され:および
Yは、任意に置換されていてもよい4乃至8員の炭素環または複素環であるかまたはそれを含むかまたは任意に置換されていてもよい直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される)
によって定義された。
【0013】
有効CDK阻害活性のため、プリン環の2位の置換基Dが上記で特定した基NZ1Z2
である時、Z1およびZ2のそれぞれが独立してH、C1−4アルキルまたはC1−4ハ
イドロキシアルキルである必要があると考えられた。さらに、置換基Dは通常NH2であ
ろうと考えられた、すなわち、Z1およびZ2は、それぞれ水素であろうと考えられた。
しかし現在、このようなプリン化合物類においてZ1およびZ2はそれぞれ独立して任意に置換されていてもよいアリル、アラルキル、ヘテロアリルまたはヘテロアラルキル基であることが明らかとなり、さらに、驚くべきことに、上記化合物類が、WO99/02162に開示された化合物類の活性に匹敵するかまたはそれを凌ぐCDK阻害活性を有する
ことができることがわかった。実際、Z1およびZ2が特に水酸基、ハイドロキシアルキル、アシル、カルボキシル、シアノ、およびさらに特にカルボキサミド(カルバモイル)、スルホンアミド(スルファミル)、スルホン、スルホキシドまたは他のイオウ系置換基類である選択された置換基を有するアリルまたはヘテロアリル基である時、CDK阻害活性の有意な増加が得られ、ある場合に少なくともスルホンアミド系置換基を有するそれらは、劇的とも考えられる。
【0014】
従って、本発明は、WO99/02162における開示と対照的に、哺乳類における癌および他の細胞増殖性疾患の治療に有用なCDK阻害活性を有するプリン化合物類を提供し、前記化合物類は下記の構造式Iを有し、
またはその薬学的に許容できる塩および/またはそのプロドラッグ形態に関し、式中、
Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;
Dは、NZ1Z2(式中、Z1は、H、C1−4アルキル、C1−4ハイドロキシアルキル、無置換または置換アリルまたはヘテロアリルおよび無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択され、およびZ2は、無置換または置換アリルまたはヘテロアリルおよび無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択される)であり;
Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキル)から選択され;
Bは、H、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、無置換または置換アリルまたは無置換または置換アラルキル、およびC=O互変転位を受けることができる水酸基から選択され:および
Yは、無置換または置換4乃至8員の炭素環または複素環を含み、任意により大きな融合環構造の一部を形成してもよく、または、任意に置換されていてもよい直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される。
【0015】
本発明は、さらに、新規化学範疇であるかまたは少なくとも新規治療薬剤であるCDK阻害プリン化合物類を含む。
【0016】
用語“アリル”は、本文で、ある場合には複数回縮合した環構造の一部を形成してもよい少なくとも1個の芳香環を有する炭素環基または構造を示すために用いられる。好適には、“アリル”置換基類が存在する時にはフェニルである。
【0017】
用語“アラルキル”は、本文で、低級アルキル基すなわち1個乃至6個の炭素原子を有しアリル置換基がある環状、分枝状または直鎖アルキル基を示すために用いられる。ベンジル基は、特に好適なアラルキル置換基である。
【0018】
用語“置換アリル”は、本文で、任意に1個以上の官能基で置換されたアリル基類を示すために用いられる。好適には、前記“置換アリル”は、1個以上の(1個乃至3個が最も好適である)官能基で置換されたフェニル基を示すために用いられる。
【0019】
用語“置換アラルキル”は、本文で、任意に1個以上の官能基で置換されたアラルキル基を示すために用いられる。好適には、前記“置換アラルキル”は、1個以上の(1個乃至3個が最も好適である)官能基で置換されたベンジル基を示すために用いられる。
【0020】
用語“ヘテロアリル”は、本文で、前記少なくとも1個の芳香環中にN、OまたはSのような少なくとも1個のヘテロ原子を含むアリル置換基を示すために用いられる。好適なヘテロアリル置換基はピリジルである。
【0021】
用語“ヘテロアラルキル”は、本文で、前記少なくとも1個の芳香環が例えばN、OまたはSから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含むアラルキル置換基を示すために用いられる。好適な“ヘテロアラルキル”置換基はピリジルメチルである。
【0022】
用語“置換ヘテロアリル”および“置換へテロアラルキル”は、本文で、1個以上の官能基で置換されているヘテロアリルおよびヘテロアラルキルを示すために用いられる。
【0023】
用語“ハロ”は、本文で、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示すために用いられる。
【0024】
特に重要な化合物類は、置換基DがNHZ2(式中、Z1はHでありおよびZ2が無置換アリル芳香環であるか、または、アミノ、ハロ、シアノ、OHまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖;無置換または置換アリルまたはアラルキル;ハロ;OH;SH;C1−C6アシル;OR1;SR1;NR2R3:(CH2)qR2R3;NO2;N3;CN;O(CH2)qO(式中、(CH2)q部分は、1個以上の官能基によって任意に置換されている);COR4;CONR5R6;(CH2)qCONR5R6;COOR4;SOR4;SO2R4およびSO2NR5R6
{式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、アミノ、OH、ハロまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖であり;R4、R5およびR6は、それぞれ独立してH;ハロ、OH、C1−4アルコキシおよびNR7R8から選択された1個以上の置換基で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル;C3−C8シクロアルキル;または無置換または置換アラルキル、アリルまたは無置換または置換5乃至7員複素環を含む基を表し;およびqは、1から6の範囲にあり;およびR7およびR8は独立して、H;OH、アミノまたは置換アミノによって任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す}から選択された少なくとも1個のX’を有するアリル芳香環である)ものである。
【0025】
好適には、Z2は、1個ないし3個の置換基類X’を有する置換アリルである。さらに、X’、R1、R2、R3、R4、R5またはR6のいずれかが任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す本発明の化合物類において、前記アルキル基は、好適には、1個、2個または3個の置換基類を付与されている。さらに、X、R1、R2、R3、R4、R5またはR6のいずれかがハロ置換アルキル基である化合物において、CF3またはCH2CF3のような3個のハロ置換基類を含むアルキル基類が好適ではあるが、前記アルキル基は、1個、2個または3個のハロ置換基類を含む。
【0026】
R4、R5またはR6が独立して複素環を含む基を表す化合物において、前記複素環は好適には、N、OおよびSから構成される群から選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含む。好適には、この環は、5乃至7員の複素環である。さらに、この複素環は、芳香環または非芳香環のいずれかであることができる。芳香族複素環を含む基類は、好適には、ヘテロアリルまたはヘテロアラルキル基類であり、一方、非芳香複素環を含む基類は、ヘテロ脂環基(例 テトラハイドロフラン−2−イル)またはヘテロ脂環アルキル基(例 テトラハイドロフラン−2−イルメチル)であることができる。前記環は、また、C1−C4アルキル、OH、ハロ、アミノまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよい。
【0027】
本発明のある化合物類において、R5およびR6は連結され、5乃至7員複素環を形成する。前記複素環は、また、R5およびR6の両者が付着している窒素原子に加えて、N、OまたはSから選択されたさらに1個以上のヘテロ原子を含むことができる。R5およびR6が連結したとき形成される複素環構造類の例は、モルホリノおよびピペリジノ環構造類である。
【0028】
R4、R5およびR6がNR7R8基によって置換されたC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す本発明の態様において、前記置換基類R7およびR8の両者は融合して5乃至7員の複素環構造を形成することもできる。前記複素環は、また、R7およびR8の両者が付着している窒素原子に加えて、N、OまたはSから選択されたさらに1個以上の追加ヘテロ原子を含むことができる。上記にも述べたように、R7およびR8が連結したとき形成される複素環構造類の例は、モルホリノおよびピペリジノ環構造類である。
【0029】
ある態様において、Z2は、隣接炭素原子に付与された2個の置換基類X’を付与されていてもよく、これらは、融合して環置換基を形成する。上記化合物において、Z2は、例えば、下記の構造式IIまたはIIIのいずれかによって表される構造であることもできる:
または
(式中、p=1または2であり、mは、2乃至5の範囲にある)。
【0030】
多くの好適な態様において、Z2は、例えば4’位においてハロゲン原子、さらに好適には水酸基、ハイドロキシアルキル、アセチル、カルバモイルによってまたはスルホンアミド基によって置換された置換フェニル基であろう。上記で特定したようにCOR4、CONR5R6、COOR4、SOR4、SO2R4またはSO2NR5R6である置換基類X’は、最も活性の高いCDK阻害化合物類のいくつかを提供するために特に重要であると見なされる。通常、これらの置換基類は、パラ位または4’位にあるのが好適である。上記フェニル基(または他のアリル基)における置換基がスルホンアミド基であるとき、これはそれ自体、そのアミノ基中で置換されることもできる。
【0031】
特に重要であると述べられている上記化合物類のほとんどは、少なくとも、下記の構造式IVによって表すことができる。
式中、Gは、CHまたはNであり、X’は、Hまたは上記で述べたとおりであり、さらに他の置換基類(A、B、XまたはY)は、既に述べたとおりである。
【0032】
上記化合物類の多くは2−アニリノプリン類であろうし、前記構造の代表的例をいくつか下記に示した。
【0033】
一部の場合において、本発明のプリン化合物類のCDK阻害活性は、異なるCDK類に対して選択的であることがわかったが、このことは、オロモウシンのそれと大きく異なっている。
【0034】
CDK蛋白質のATPリボース結合ポケットに固定されるかまたは位置しCDK蛋白質への結合が可能である限りにおいて、Yに適するような置換基類は広範囲にあり、その詳細な組成は、重要ではないようである。一部の場合において、Yが極性水酸基置換基類等を含む環構造を含むことが有用であることができる。
【0035】
多くの態様において、Yは、シクロアルカンまたはシクロアルケン環であろうが、好適には、2個までの二重結合を有する5乃至6員の環である。シクロヘキセニルおよびシクロフェニルは、特に重要である。しかし、前記環中の1個または2個の炭素原子は、ヘテロ原子または基類、特にO、S、NR’(式中、R’は、HまたはC1−C4アルキルである)によって置換することもでき、またはシクロアルケン環中における−N=によって置換することもできる。前記環が置換されている場合、前記置換基または各置換基(いかなる位置であってもよい)は、好適には、C1−4アルキル、OH、C1−4アルコキシ、ハロゲン、CF3、CN、N3およびNRy1Ry2(式中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択されるであろう。さらに、環の隣接原子に2個の置換基類がある場合、
例
これらの置換基類PおよびQは連結して、例えば、4、5、または6員の炭素環または複素環のような追加の融合環を形成することもできる。この追加環構造は、例えば2個までのO、SまたはNHのようなヘテロ原子類または基類を含むことができ、それはまた、C1−4アルキル基または基類またはフェニルまたは置換フェニル基のような1個以上の置換基類によって置換できる。いくつかの態様において、Yはまた、アダマンチルであることもできる。
【0036】
Yによって表される環構造の例は、
(式中、VおよびWはそれぞれ独立して、O、S、NR’(式中、R’は、HまたはC1−4アルキル)、CH2および/または=CH−から選択され;
R1およびR2は、それぞれHまたはC1−4アルキルである)
である。
【0037】
上記にも述べたように、Yによって表されるこれらの環構造類は同一であっても異なっていてもよく、特にC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、−OH、NRy1Ry2(式中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立してHまたはC1−4アルキルである)、CF3、ハロゲン、N3、CN、任意に置換されていてもよいアリル(例 フェニル)、および任意に置換されていてもよいアラルキル(例 ベンジル)から選択されることができる置換基類を有することができる。また、上記にも述べたように、例えば溶解度を向上させるため、ある場合において前記環構造が例えば水酸基のような極性置換基類を複数含むことは有用である。
【0038】
式Iの化合物について本明細書で述べる場合、こうした記載は、妥当なそれらの薬学的に許容できる塩類および他の薬学的に許容できるバイオ前駆体類(プロドラッグ形態)にも拡大できると見なされる。用語“プロドラッグ”は本明細書において、哺乳類の治療過程において投与後特に経口または静注投与後に前記活性化合物に変換されるように生物分解するかまたはインビボで変換される薬学的活性化合物の修飾形態類または誘導体類を示すものとして用いる。このようなプロドラッグ類は一般的に水性媒体中における溶解度増加のゆえに選択され、処方上の問題を克服するのに役立ち、かつ、ある場合には前記活性薬剤の放出を実質的に遅くまたは制御する。
【0039】
また、述べた化合物類のいずれかが1個を超えるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー形状で存在できる場合、このような形状、その混合物およびそれらの調製物および用途全てが本発明の範囲に含まれる。しかし、立体化学的検討が重要であるらしいことに留意すべきであり、さらに、異なるエナンチオマー類またはジアステレオマー類が有意に異なる阻害活性を有するというかなりの選択性があることについても留意すべきである。
【0040】
本発明を実施する際に用いた構造式Iの化合物類において、好適には、Xは酸素であろう。また、そのままでまたはアルコキシまたは他の基中における部分として存在する各アルキル基は、他に断りがなければ、1個乃至6個の炭素原子を含む。
【0041】
通常Yは、飽和または部分飽和炭素環または複素環構造を含むのが好適であろうが、ある場合において、Yが芳香環系(例 任意に置換されたアリルまたはアラルキル)を含むことができ、さらに、本発明の範疇において、有用な、潜在的に選択性のCDK阻害剤類として重要な化合物類を提供することを認識すべきである。
【0042】
本発明の実施の際に現在特に重要であるかまたはその用途において好適でありかつCDK1および/またはCDK2に対して少なくともインビトロでアッセイした時同定された最も強力なCDK阻害剤類を含む化合物類の例は、下記を含む:
2−アニリノ−6−シクロヘキシルメトキシプリン
2−(3’−ブロモアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−クロロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−エチルアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
メチル 4−N−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノベンゾアート
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメチルオキシ−2−(4’−ハイドロキシアニリノ)プリン
4−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノ−アセトフェノン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−スルファモイルアニリノ)プリン
N−ベンジル−4−(シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
4−〔(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)メチル〕−ベンゼンスルホンアミド
メチル−4−〔(6’−シクロへキシルメトキシプリン−2−イル)アミノ〕フェニルスルホキシド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−イソブチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−シクロプロピル−ベンゼンスルホンアミド
N−(3−クロロフェニル)−4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド.
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチルベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジエチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−安息香酸
〔3−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−フェニル〕メタノール
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−フェニルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−(N−ピリジン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イル)−(4−メタン−スルホニルフェニル)アミン
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(3−ジエチルアミノプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−(−2−メチル−シクロへキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼン(3’−メトキシ)スルホンアミド
4−〔6−(シクロへキセ−3−エニルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミド
2−〔4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)〕−フェニルアセタミド
4−〔6−シクロペンチルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド
【0043】
生物活性
CDK1/サイクリンA、CDK1/サイクリンB、CDK1/サイクリンF、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK5/35およびCDK6/サイクリンD3を含むある範囲のCDK/サイクリン複合体類に対する問題の化合物類の阻害活性を試験するため、アッセイが利用可能である。異なるCDK類に対する前記化合物類のいくつかの選択性に留意することが特に重要である。
【0044】
調製した本発明プリン化合物類のいくつかについて測定したCDK阻害活性値を示す試験結果を、本明細書の最後の表1に示した。前記化合物類が異なるエナンチオマー形状で存在する場合、前記アッセイは一般的にラセミ混合物で行った。参考化合物類の他に、示した化合物類にはNU参照すなわち識別コード番号を付した。表1は、まだ全てについて完全に試験したわけではないが調製した化合物類の中で現在最も好適な化合物類を含む。
【0045】
一般に、実施した研究から、試験化合物類のCDK阻害特性がこれらの化合物類の有効抗癌薬剤として作用する能力を反映するという考えが裏付けられる。
【0046】
阻害アッセイは、前にも述べたJ.Veselyらの論文中およびL.Azziら(1992)Eur.J.Biochem.203、353−360の論文中に記載のものに基づく方法を用いて行った。しかし、例示のため、典型的プロトコールを下記に要約しておく。
【0047】
CDKアッセイ例
試薬類:
緩衝液C (60mM β−グリセロリン酸、30mM ニトロフェニルリン酸、25mM MOPS pH7.0、5mM EGTA、15mM MgCl2、1mM MgCl2および0.1mM オルソバナジン酸ナトリウムを含有)を下記のようにして調製する。
(a)精製水約80ml中に最初に上記成分類を溶解させ、最終的にpH7.0とする。
(b)次いで、10mM オルソバナジン酸ナトリウムを1ml追加。
(1.84mg/ml−FW=183.9RT)
最終濃度=0.1mM、および
4℃に冷却。
(c)次いで、
4−ニトロフェニルリン酸(−20℃) 279.2 1.112 30mM
DTT(4℃) 154.2 .0154 1mM
を添加。
(これとは別に、100mM DTT(15.4mg/ml)を調製し、フリーザーで1.2mlアリコットとして保存。融解し、上記緩衝液に1mlを添加。)
(d)100mlとし、フリーザーで5mlアリコットとして保存。
20%グリセロール中M相ヒトデ(Marthasterias glacialis) 由来のアフィニティ精製p34 cdc2(CDK1)/サイクリンBをチェストフリーザー中−80℃で保存。
100mM オロモウシン(Cat#LC−0−3590−M025 Alexis Co.Bingham Nottingham)、FW=298.35 29.835mg/ml=100mMを25mLアリコットとしてフリーザー中で保存。
1%リン酸(85%リン酸58.8ml+水4.942リットル)
アッセイ当日に下記を調製。
緩衝液C中ヒストンH1(III−S型(Sigma)4℃)5mg/ml
〔32P〕ATP75mM:下記割合を(複数)用いて調製。
〔32P〕ATP(3000Ci/mMol PB168 Amersham、放射性物質用フリーザーに保存)2ml+1mM冷ATP(−20℃)7.5ml(0.551mg/ml−フリーザー保存200mlアリコット)+緩衝液C 90.5ml
濃度=最終アッセイで12.5mM
【0048】
アッセイ操作
DMSOは、アッセイ混合物中で1%を越えてはいけない。阻害剤類は、最終アッセイ容量の1/10でかつ最終強度の10倍として添加。DMSO保存溶液は、従って、90%緩衝液C以上で10%DMSO以下として最終所望濃度の10倍に希釈しなければならない。示唆された濃度範囲=0、1、10、100mMであるので、0、100、1000および10,000mMのDMSO保存溶液は、アッセイ添加前に緩衝液Cで1/10に希釈する。
【0049】
調製:
適当なラックに入れたラベル付き(例 A0、A1、A10、A100)0.2mlアッセイ用ミクロ試験管セットと薬剤希釈用エッペンドルフTM溶液セット。
鉛筆でホスホセルロースフィルターにラベル(例 A0、A1、A10、A100)し、縦方向に折りたたんで“勾配付き屋根”を作る。
ミクロ試験官用第2ラックを入れた水浴を30℃に設定する。
ワイヤメッシュインサートおよびメッシュインサート下に磁気フリーを入れたビーカーを、磁気スターラー上の1%リン酸400mLとともに用意する。
【0050】
反応混合物:
全試薬類(DMSOストック以外)をアッセイ開始まで氷上で保存する。
アッセイ試験管ラックを氷上に置く。
各試験管には、緩衝液C 16ml、cdc2/サイクリンBキナーゼ1ml、ヒストンH1 5ml、阻害剤3mlを入れる。
30秒間隔で〔32P〕ATP5mlを添加して、攪拌し,30℃の水浴中ラックに置くことによって、各試験管中で反応を開始させる。
反応混合物25mlを取り出し、適当なラベル付きフィルターにスポットし、20〜30秒間乾燥させ、そして、1%リン酸との攪拌に移行させ、同一順序で試験管中で30秒間隔に行い、10分後に反応を停止させる。
ブランクのインキュベーションは、ヒストンを入れないこと以外は(代わりに5mlの緩衝液Cを添加)上記のように行い、ブランク洗浄は、フィルターに直接ATP 5mlを添加する。
フィルターを5〜6回それぞれ5分洗浄する。
フィルターをペーパータオルで乾燥させる。
シンチラント5mlでミニシンチレーションバイアル中でカウント。
5ml ATPの3倍標準でもカウント(375pモルATP)
NB.アッセイは、下記のようにストック反応混合物を調製することによって簡易にできる。
(cdc2/サイクリンB1部、緩衝液C16部、ヒストンH1を5部)×アッセイ試験管数+1、および22mlを緩衝液C3ml±阻害剤含有各アッセイ試験管に添加。しかし、アッセイブランク(すなわち、ヒストン含まない)を別々に調製することがそれでもなお必要である。
【0051】
治療用途
本発明は、また、先に定義したプリン化合物類の治療用途に関する。従って、本発明は、別の一面において、これまで定義したようなプリン化合物を治療用途に提供する。さらに詳細には、本発明はまた、これまで定義したようなプリン化合物を活性薬剤物質として癌または他の細胞増殖疾患類の治療用途に提供する。
【0052】
さらに本発明の別の面において、癌または他の細胞増殖性疾患の治療用薬剤の製造におけるこれまで定義したようなプリン化合物類の用途が提供される。
【0053】
既に示唆したように、本発明の化合物類は、癌細胞増殖を阻害でき、有意な選択的抗癌活性を有することができる。抗癌活性は、例えば乳癌のような担癌哺乳類における腫瘍細胞数を低下させることによって明らかとすることもでき、未処置動物によって得られるコントロールに比較して生存時間の延長が結果として得られる。さらに、抗癌活性は、未処置コントロール動物の癌に比較して本発明の化合物類による処置後固形癌の大きさの低下が測定可能であることによって明らかにされる。
【0054】
従って、本発明の化合物類は、ある範囲の選択された癌類の治療用に特に重要で、本発明はさらに、ある種の癌に罹患している患者の治療方法を提供する。この目的のため、先に定義したような式(I)の化合物を無毒性治療有効量、経口的、非経口的(皮下、筋肉内および静脈内を含む)または局所的に適当に投与できる。前記投与は、一般に、間隔をおいて、例えば1日1回または数回繰り返し実施される。
【0055】
ほ乳類治療用抗癌剤として有効であるために必要な式(I)の化合物の量は、もちろん変化するであろうし、最終的には、それぞれの特定の場合においてほ乳類を治療する医師または獣医師の裁量による。例えば医師のような臨床家が考慮すべき要因として、投与経路と薬剤処方;ほ乳類の体重、表面積、年齢および全身状態;および投与する化合物の化学形態が含まれる。しかし、適切な抗癌有効投与量は、約1.0乃至約75mg/kg体重の範囲、より好適には、約5乃至40mg/kgの範囲であり、非常に適した投与量は、例えば、10乃至30mg/kgの範囲であろう。例えば毎日の治療において、総1日投与量を単回投与、例えば1日2回ないし6回の複数回投与、あらゆる選択した期間にわたる静脈内点滴によって投与できる。例えば、ほ乳類75kgの場合、投与範囲は、約75ないし500mg/日とできるが、典型的投与量は多くの場合約100mg/日であろう。もし分割複数回投与を処方するならば、典型的には、錠剤、カプセル、液剤(例 シロップ)または注射の形状で1日4回に分け式(I)の化合物を50mg投与できる。
【0056】
式(I)の化合物類を単独で未加工の化学物質として投与できるばあい、前記化合物類を薬剤組成物として投与するのが好ましい。従って、本発明はまた、上記に定義し活性治療成分を形成するためのプリン化合物をCDK阻害有効無毒量だけ含む薬剤組成物類を提供する。医療用のこのような薬剤組成物類は、いずれの便利な方法によっても投与のための薬学技術で周知の方法類のいずれかに従って製剤されるであろう。前記のCDK阻害化合物類は、通常、適合性の薬剤学的に許容できる添加物、担体、希釈剤または賦形剤を供給する少なくとも1個の他の成分類と混合され、単位製剤として供することができる。
【0057】
前記担体(類)は、前記製剤の他の成分類と適合できるという意味において薬学的に許容できなければならず、そのレシピ−エントに対して有害であってはならない。
【0058】
可能な製剤として、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与または肺または鼻腔のような異なる吸収部位への投与に適したそれらが含まれる。
【0059】
このような薬剤組成物類の調製における処方の方法類全ては、一般に、式(I)の化合物を1個以上の副成分類を構成する担体と付着させる段階が含まれるであろう。通常、前記製剤類は、式(I)の化合物を液状担体または微細にした固体担体またはその両者と均一かつしっかりと付着させ、その後もし必要であれば前記生成物を所望の製剤に形成することによって、調製する。
【0060】
経口投与に適した本発明の製剤類は、あらかじめ定めた量の式(I)の化合物を含むカプセル類、カシュ剤類、錠剤類またはロゼンジ類のような分割単位として、粉末または顆粒として、または、シロップ、エレキシル、エマルジョン、またはひとのみ分のような水性液体または非水性液体中懸濁剤として提供することもできる。式(I)の化合物は、また、ボーラス、舐剤またはペーストとして提供することもできる。
【0061】
錠剤は、適宜1個以上の副成分類とともに圧縮または成形によって作製できる。圧縮錠剤は、適切な機械中で式(I)の化合物を粉末または顆粒のような流動自由な形状で適宜結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤とともに圧縮することによって作製できる。成形錠剤は、適切な機械中で式(I)の粉末化合物と任意の適切な担体の混合物を成形することにより作製できる。
【0062】
シロップは、式(I)の化合物を例えばショ糖のような砂糖の濃縮水溶液に添加することによって調製できるが、それに対しては、所望のいかなる副成分も添加できる。このような副成分(類)には、芳香剤、砂糖の結晶化を妨げるもの、または、例えばグリセロールまたはソルビトールのような多価アルコールのような他のあらゆる成分の溶解度を上昇させるものを含むことができる。
【0063】
直腸投与用処方は、カカオバターのような通常の担体を有する坐薬として供することができる。
【0064】
非経口投与に適した製剤は、式(I)の化合物の無菌水性物を含むのが好都合であり、それは、好適にはレシピーエントの血液と等張である。
【0065】
例えば軟膏、クリーム等のような本発明の製剤は、上記成分類に加えて、例えば、希釈剤、緩衝液、芳香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤および/または保存剤(抗酸化剤を含む)または他の薬学的に不活性の賦形剤を含むことができる。
【0066】
本発明の化合物類はまた、リポゾーム製剤として投与用に作製でき、それらは、当該技術で周知の方法によって調製できる。
【0067】
従って、本発明はまた腫瘍または他の細胞増殖性疾患類を治療するための医薬類または薬剤組成物類の製造のための上記CDK阻害プリン化合物類の用途を含み、前記プリン化合物はそれ自体、有効な独立した抗癌または細胞増殖阻害剤を提供することがわかるであろう。
【0068】
本発明はまた、上記医薬類または薬剤組成物類を用いる異常細胞増殖疾患類の治療を含む。
【0069】
(発明を実施するための最良の形態)
問題のさまざまな例示的化合物類の調製における合成経路中の段階についての下記の実施例および説明は、さらに、本発明を説明するために役立つが、いかなる意味でもその限定として見なされるべきではない。また、多くの場合において記載の化合物類には、NU参照すなわち識別コード番号を付けてある。
【0070】
例示のためにのみ、6−シクロヘキシルメトキシプリン誘導体類が本発明を説明するために選択されている。
【0071】
次の章において、ある範囲の本発明活性プリン誘導体類の調製を説明する。しかし、実施例1乃至8において調製を説明した最初の8種の化合物類は、主に、以下で説明した他の活性化合物類いくつかの調製で使用した中間化合物類である。さらに詳細には、実施例1乃至5は、本発明のある態様の調製に使用できるさまざまなアニリン誘導体類の調製を記載している。
【0072】
ここで具体的実施例に記載した活性プリン化合物類は、実際に、O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリン(NU6061)を用いて通常、“A”、“B”、“C”および“D”と称される4種の一般的操作方法のひとつを選択し調製する。これらのプリン誘導体類調製のためのこれらの一般的操作または方法類を下記に述べる。
【0073】
プリン誘導体類調製。一般操作A
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのEtOHまたはn−BuOH溶液を室温で窒素下に攪拌し、適切なアニリン(7当量)およびトリフルオロ酢酸(TFA)(0.4当量)を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を攪拌しながら特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、生成物をろ過によって採取し適当な溶媒から再結晶した。
【0074】
プリン誘導体類調製。一般操作B
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのn−BuOHまたはn−BuOHとグリセロール混合物溶液を攪拌し、適切なアニリン誘導体(4当量)およびトリフルオロ酢酸(TFA)(10当量)を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を窒素下特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、溶液をNaHCO3によって中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、適切な溶媒から再結晶させた。
【0075】
プリン誘導体類調製。一般操作C
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのn−BuOH溶液に対して適切なアニリン(2当量)およびTFA(5当量)のグリセロール中混合物を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を窒素下特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、揮発物を真空中で除去した。残渣を水に溶解させ、溶液をNaHCO3によって中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、シリカによるクロマトグラフィによって精製した。
【0076】
プリン誘導体類調製。一般操作D
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのグリセロールとn−BuOHまたはEtOHとの混合溶液に対して、適切なアニリン誘導体(7当量)およびTFA(0.4当量)を同時に滴下した。TLC分析(シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM)で反応完了を確認できるまでこの溶液を特定温度に加熱した。冷却後、溶媒を真空中で除去し、水を添加し、溶液をNaHCO3によって中和した。溶液をEtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO4)、有機相をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、シリカによるクロマトグラフィによって精製した。
【0077】
下記で具体的実施例を説明する。
実施例
実施例1
1−(4−アミノフェニル)エタノンの調製
1−(4−ニトロ−フェニル)エタノンからEtOH中SnCl2(5当量)を用いて還流させ調製した。4時間後、溶液を冷却し(氷浴)、NaOHを用いて中和し、EtOAcによって抽出した。有機層をまとめて乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗化合物を得た。
【0078】
実施例2
4−アミノベンゼンスルホンアミド類の調製
N−4−アセチルベンゼンスルホニルクロリド(1当量)のEtOH中懸濁液を適切なアミン(2当量)に添加し、溶液を60℃に加熱した。30分後、混合物を冷却し(氷浴)、水を添加し粗生成物を沈殿させ、採取し水で洗浄した。得られた化合物をHClのEtOH溶液に添加し、5時間加熱還流した。溶液をその後連続的に水およびNaHCO3溶液(2.0M)で洗浄し、粗化合物をジクロロメタン(DCM)に抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ、所望の4−アミノベンゼンスルホンアミドを得た。
【0079】
実施例3
4−アミノベンズアミド類の調製
適切なアミン(1当量)とトリエチルアミン(1.2当量)のCHCl3中混合物を攪拌しながら、4−ニトロベンゾイルクロリド(1.1当量)の氷冷溶液に滴下した。この混合物を室温で3時間攪拌し、水、NaHCO3溶液(2M)および水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ粗化合物を得て、HClおよびAcOHの水性混合物中に再度溶解させた。SnCl2(4当量)を添加し、この混合物を3時間加熱還流した。この溶液を冷却させ(氷浴)、NaOH溶液で中和し、EtOAcによって抽出した。有機層をまとめ乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ、所望の4−アミノベンズアミド誘導体を得た。
【0080】
実施例4
4−(メタンスルフィニル)フェニルアミン
尿素−過酸化水素(過剰)を含む過酸化水素(水中27%v/v)を4−メチルスルファニルフェニルアミンのアセトン溶液に添加した。混合物を10時間60℃で攪拌し、室温に冷却し、DCMによって抽出した。有機層をまとめ乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空中で蒸発させ、所望のスルホキシドを調製した。
【0081】
実施例5
4−(メタンスルホニル)フェニルアミン
4−メチルスルファニルフェニルアミンの酢酸水溶液(60w/v%)溶液に対して、硫酸(3M)を添加した。過酸化水素溶液(27%水性)を、沈殿生成が観察されるまでこの混合物に滴下した。混合物を15分間攪拌し、室温に冷却し、水で希釈した。溶液をDCMによって抽出し、乾燥(MgSO4)させ、有機層をまとめて真空中で濃縮させ、所望のスルホンを得た。
【0082】
実施例6
2−アミノ−6−(1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクト−1−イル)プリニウムクロリド(‘DABCO−プリン’)
2−アミノ−6−クロロプリン(1当量)のDMSO溶液(24mL/g出発物質)に対して、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(5.5当量)を攪拌しながら少しずつ添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌し、反応の完了は、TLC〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕によって確認した。溶媒バルクを減圧下に除去し、Et2Oによって粉砕することによって最後の微量のDMSOを除去した。固体をろ過によって採取し、H2Oに再度溶解させ、EtOAcに抽出した。水層を乾燥するまで蒸発させ、白色固体(97%)、融点>230℃を得た。
【0083】
実施例7
2−アミノ−O6−シクロヘキシルメチルプリン(NU2058)
シクロへキシルメタノール(4当量)を室温で、NaH(3当量)の無水DMSO懸濁液を攪拌したものに滴下した。1時間後、DABCO−プリン(1当量)を少しずつ5分間かけて添加した。反応混合物を室温で4〜5日間攪拌し、反応の完了は、TLC〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕によって確認した。反応混合物を氷酢酸によって中和し、水を添加し、溶液をEtOAcに抽出した。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、粗生成物をDCMによって洗浄し残留しているシクロヘキシルメタノールを全て除去し、標題化合物を白色粉末(93%)、融点191〜193℃として得た。
【0084】
実施例8
O6−シクロへキシルメチル−2−フルオロプリン(NU6061)
−12℃の2−アミノ−O6−シクロへキシルメチルプリン(NU2058)の攪拌48%フルオロホウ酸水溶液(25当量;HBF4)に対して、NaNO2(0.3M、2当量)の水溶液を80分かけて滴下した。生成した溶液を室温まで加温した。1時間後、この溶液を0℃まで冷却し、濃NaOH水溶液によってpH7まで中和した。溶液を乾燥するまで減圧下で蒸発させ、残留白色固体を、溶離液としてDCM:MeOH(9:1)を用いるシリカによるフラッシュクロマトグラフィによってまたはジエチルエーテルを溶媒として用いるソクスレー抽出によって精製した。標題化合物は、白色粉末(44%)、融点232〜233℃として得られた。
【0085】
実施例9
2−アニリノ−6−シクロへキシルメトキシプリン(NU6094)
O6−シクロへキシルメチル−2−フルオロプリン(1当量)のn−BuOH溶液に対して、アニリン(5当量)を添加し、この混合物を120℃で16時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、DCMを添加し、得られた化合物をろ過し、白色固体を得た。生成物を溶出溶剤としてDCM、次いでDCM:MeOH(95:5)を用いるシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(46%)として得た。MeOHからの再結晶により、融点196〜199℃の標題化合物が得られた。
【0086】
実施例10
2−(3’−クロロアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン(NU6086)
3−クロロアニリンおよびn−BuOHを用いて、一般操作Aに従ってこれを調製した。この溶液を24時間加熱還流して、MeOHを添加することによって粗化合物を沈殿させた。MeOHからの再結晶によって標題化合物が白色固体(28%)、融点196〜199℃として得られた。
【0087】
実施例11
2−(3’−ブロモアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン(NU6095)
3−ブロモアニリンおよびn−BuOHから一般操作Aに従って調製した。この溶液を18時間加熱還流して、MeOHを添加することによって粗化合物を沈殿させた。生成物を溶出溶剤としてDCM、次いでDCM:MeOH(95:5)を用いるシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(35%)、融点204〜207℃として得た。
【0088】
実施例12
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メトキシアニリノ)プリン(NU6096)
3−メトキシアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。溶液を2時間加熱還流して、DCM添加により生成物を沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物を白色固体(40%)、融点186〜189℃として得た。
【0089】
実施例13
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−フルオロアニリノ)プリン(NU6098)
3−フルオロアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を1時間加熱還流して、MeOHを添加することによって白色固体(50%)、融点224〜227℃として粗化合物を沈殿させた。
【0090】
実施例14
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−エチルアニリノ)プリン(NU6099)
3−エチルアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を1時間加熱還流して、粗化合物を冷却して直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(34%)、融点180〜183℃として得られた。
【0091】
実施例15
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−メトキシアニリノ)プリン(NU6100)
4−メトキシアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、化合物を冷却によって直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(41%)、融点189〜192℃として得られた。
【0092】
実施例16
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−メチルメルカプトアニリノ)プリン(NU6101)
3−メチルメルカプトアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物を冷却によって直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(44%)、融点190〜192℃として得られた。
【0093】
実施例17
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−フルオロアニリノ)プリン(NU6116)
4−フルオロアニリンおよびn−BuOHから一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(25%)、融点207〜209℃として得られた。
【0094】
実施例18
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−メチルメルカプトアニリノ)プリン(NU6117)
4−メチルメルカプトアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物を冷却によって直接沈殿させた。EtOHおよびMeOHそれぞれからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(18%)、融点159〜160℃として得られた。
【0095】
実施例19
メチル 4−N−(6’−シクロヘキシルメトキシプリン−2’−イル)アミノベンゾアート(NU6118)
メチル−4−アミノベンゾアートおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗生成物をMeOH添加によって沈殿させた。溶離液としてDCM:MeOH(9:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィ、その後、MeOHからの再結晶により精製し、標題化合物がオフホワイト固体(8%)、融点244−246℃として得られた。
【0096】
実施例20
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)プリン(NU6119)
3−クロロ−4−フルオロアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(21%)、融点225〜226℃として得られた。
【0097】
実施例21
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−ハイドロキシアニリノ)プリン(NU6120)
4−アミノフェノールおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(51%)として得られた。
【0098】
実施例22
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−シアノメチルアニリノ)プリン(NU6121)
4−アミノフェニルアセトニトリルおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(17%)として得られた。
【0099】
実施例23
4−(6−シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)安息香酸(NU6147)
下記のようにNU6118をケン化することによって調製した:KOHのEtOH(2当量)溶液をNU6118の氷冷THF溶液に滴下し、この混合物を24時間攪拌した。水を添加し、溶液をHCl水溶液によって中和した。混合物をDCMによって抽出し、有機層をまとめてMgSO4によって乾燥させ、真空中で蒸発させ、標題化合物(41%)を得た。
【0100】
実施例24
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−スルファモイルアニリノ)プリン(NU6102)
n−BuOH/グリセロールとスルファニルアミドの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を4.5日間加熱還流した。粗化合物をEt2Oおよびペトロールの混合物によって洗浄し、熱水から再結晶させ、標題化合物を白色固体(60%)、融点152〜154℃として得た。
【0101】
実施例25
4−(6’シクロヘキシルメチルプリン−2−イル)アミノアセトフェノン(NU6125)
n−BuOHと1−(4−アミノフェニル)エタノン(実施例1由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を0.5日間加熱還流した。粗生成物を熱水で洗浄し、標題化合物を黄色粉末(61%)、融点236〜238℃として得た。
【0102】
実施例26
メチル−4−〔(6’−シクロヘキシルメチルプリン−2−イル)アミノ〕フェニルスルホキシド(NU6126)
n−BuOHと4−(メタンスルフィニル)フェニルアミン(実施例4由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗生成物を溶離液としてEtOAc:ペトロール(95:5)次にDCM:MeOH(9:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を茶色固体(46%)、融点150〜152℃として得た。
【0103】
実施例27
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(NU6127)
n−BuOHと4−アミノ−N−メチルベンゼンスルホンアミド(実施例2由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を溶離液としてEtOAc:ペトロール(1:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(27%)、融点>250℃(分解)として得た。
【0104】
実施例28
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(NU6128)
溶媒としてのn−BuOHとグリセロールの混合物を用いてかつ4−アミノ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミドを用いて、一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として1%MeOH/99%DCM、最大4%MeOH/96%DCM)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を茶色固体(12%)、融点151〜153℃として得た。
【0105】
実施例29
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−エチルベンゼンスルホンアミド(NU6129)
n−BuOHと4−アミノ−N−エチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として40%EtOAc/60%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(45%)、融点245〜247℃として得た。
【0106】
実施例30
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−イソブチルベンゼンスルホンアミド(NU6130)
n−BuOHと4−アミノ−N−イソブチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(17%)、融点240〜242℃として得た。
【0107】
実施例31
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−シクロプロピルベンゼンスルホンアミド(NU6131)
n−BuOHと4−アミノ−N−シクロプロピルベンゼン−スルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(38%)、融点220〜221℃として得た。
【0108】
実施例31
N−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(NU6132)
n−BuOHと4−アミノ−N−(3−クロロフェニル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(16%)、融点248〜249℃として得た。
【0109】
実施例32
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピルベンゼンスルホンアミド(NU6133)
n−BuOHと4−アミノ−N−プロピルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(32%)、融点207〜208℃として得た。
【0110】
実施例33
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(テトラハイドロフラン−2−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6134)
n−BuOHと4−アミノ−N−(テトラハイドロフラン−2−イルメチル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(32%)、融点134〜136℃として得た。
【0111】
実施例34
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−メトキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6135)
n−BuOHと4−アミノ−N−(2−メトキシエチル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAC/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(16%)、融点120〜122℃として得た。
【0112】
実施例35
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンズアミド(NU6136)
n−BuOHと4−アミノ−N,N−ジメチルベンズアミド(実施例3由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として40%EtOAc/60%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(32%)、融点184〜186℃として得た。
【0113】
実施例36
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)ベンズアミド(NU6141)
n−BuOHと4−アミノベンズアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流した。粗生成物をEt2O/ペトロールの混合物で洗浄し、Et2O/EtOHから再結晶し、標題化合物を白色固体(46%)、融点156〜158℃として得た。
【0114】
実施例37
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピルベンズアミド(NU6142)
n−BuOHと4−アミノ−N−プロピルベンズアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(50%)、融点226〜228℃として得た。
【0115】
実施例38
〔3−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)フェニル〕メタノール(NU6151)
n−BuOH/グリセロールと(3−アミノ−フェニル)メタノールの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。冷却後、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、混合物をEtOAcによって抽出し、乾燥させ(MgSO4)、有機層をまとめて蒸発させた。真空中有機層について、粗化合物をEt2Oによる粉砕によって精製し、ろ過後標題化合物を白色固体(59%)として得た。
【0116】
実施例39
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−(N−ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(NU6154)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミドの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流し、冷却後、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、生成物をEtOAcによって抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめて真空中で蒸発させた後、粗生成物を(溶離液として70%EtOAc/30%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(32%)として得た。
【0117】
実施例40
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチルベンズアミド(NU6139)
4−アミノ−N−メチルベンズアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をピンク色固体(29%)、融点139〜142℃として得た。
【0118】
実施例41
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジエチルベンズアミド(NU6140)
4−アミノ−N,N−ジエチルベンズアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡茶色固体(29%)、融点138〜140℃として得た。
【0119】
実施例42
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−エチルベンズアミド(NU6143)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−エチルベンズアミドの混合物を用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体(11%)、融点156〜158℃として得た。
【0120】
実施例43
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6144)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−(2−ハイドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミドの混合物を用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として5%MeOH/95%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(8%)、融点158〜160℃として得た。
【0121】
実施例44
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド(NU6145)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として5%MeOH/95%DCM、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(4%)、融点152〜154℃として得た。
【0122】
実施例45
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(NU6146)
n−BuOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノ−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。冷却後、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(13%)、融点236〜238℃として得た。
【0123】
実施例46
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド(NU6152)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−フェニル−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体として得た。
【0124】
実施例47
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(NU6153)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−(2,3−ジハイドロキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。生成物をEt2O/ペトロール混合物およびEtOHによる粉砕によって精製し、標題化合物を白色固体(11%)として得た。
【0125】
実施例48
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イル)−(4−メタンスルホニルフェニル)アミン(NU6155)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−メタンスルホニルフェニルアミンを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として70%EtOAc/30%ペトロール、その後5%MeOH/95%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(4.5%)として得た。
【0126】
実施例49
N−ベンジル−4−(シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(NU6123)
EtOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノ−N−ベンジルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Dに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。MeOHから再結晶させ、目的化合物をオフホワイト色固体(12%)、融点222〜224℃として得た。
【0127】
実施例50
4−〔(6−シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)メチル〕ベンゼンスルホンアミド(NU6124)
n−BuOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノメチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Dに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。黄色生成物をジエチルエーテルによって洗浄し、標題化合物を淡緑色固体(11%)、融点150℃(分解)として得た。
【0128】
実施例51
4−〔6−(2−メチル−シクロヘキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕ベンゼンスルホンアミド(NU6158)
O6−〔2−(2−メチル−シクロヘキシル)−エトキシ〕−2−フルオロプリンとスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(60%EtOAc/40%ペトロール、最大3%MeOH/97%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(15%)として得た。
【0129】
実施例52
4−(6−シクロヘキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド(NU6160)
(2、6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(3%MeOH/97%DCM)クロマトグラフィによって精製し、MeOHから再結晶させ、標題化合物を淡黄色固体(9%)、融点233℃として得た。
【0130】
実施例53
4−〔6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼン(3’−メトキシ)スルホンアミド(NU6161)
4−アミノ−2−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物を(50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体(39%)、融点170〜173℃として得た。
【0131】
実施例54
4−〔6−(シクロヘキセ−3−エニルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド(NU6162)
O6−(2−シクロヘキセ−3−エニル−エトキシ)−2−フルオロプリンおよびスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(70%EtOAc/30%ペトロール、最大7%MeOH/93%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡茶色固体(2%)、融点165℃として得た。
【0132】
実施例55
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミド(NU6163)
4−アミノ−N−(2、2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(40%EtOAc/60%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、EtOAc−ペトロールから再結晶させ、標題化合物を淡ベージュ色粉末(65%)、融点223.2〜223.7℃として得た。
【0133】
実施例56
2−〔4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−フェニル〕アセタミド(NU6164)
2−(4−アミノ−フェニル)アセタミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物をエーテル−EtOAcから再結晶させ、標題化合物をベージュ色固体(6%)、融点233.5〜233.8℃として得た。
【0134】
実施例57
4−〔6−シクロペンチルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド(NU6166)
本反応の出発物質であるO6−(シクロペンチルメトキシ)−2−フルオロプリンを、実施例7と8に記載のO6−(シクロヘキシルメトキシ)−2−フルオロプリンと全く同様にただしシクロペンチルメタノール(4当量)をシクロヘキシルメタノールの代わりに用いて調製した。この化合物NU6166をその後、O6−(シクロペンチルメトキシ)−2−フルオロプリンとスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(70%EtOAc/30%ペトロール、最大7%MeOH/93%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(6%)として得た。
【0135】
実施例58
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチル−ベンズアミド(NU6167)
4−アミノ−N−(2(S)−ハイドロキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をピンク色固体(29%)、融点139〜142℃として得た。
【0136】
(表1)
CDK1およびCDK2の2−アニリノプリン類による阻害
およびCDK2の2−アニリノプリン類による阻害
【0001】
本発明はある化合物類、特にプリン誘導体類に関し、それらは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤類として生物系において活性を示し、かつ、従って、例えば抗癌または癌治療と関連して哺乳類における細胞成長すなわち増殖を制御するかまたは阻害する際に使用される薬剤組成物類または処方類に取り込むことができる潜在的に有用な治療薬剤として関心が寄せられる。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ類(CDK類)は、サイクリン類として公知の他の活性化蛋白質類と複合体を形成し動物細胞において成長と分裂の制御に関与する重要な制御因子類を提供する酵素類の一族である。さらに詳細には、細胞分裂サイクル(G1、S、G2およびM相)を介しての動物細胞の進展は、一連のCDK/サイクリンダイマー複合体類の順次形成、活性化およびその後の不活性化によって制御されており、これらの複合体類は、セルサイクルチェックポイント後の経過および連続セルサイクル相間の移行を前記複合体類の触媒性サブユニット類としてCDKが作用することによって制御する。
【0003】
実際いくつかの異なるサイクリン蛋白質類があり、これらは、異なるCDK類と同様、やや関係が弱いCDK活性化蛋白質類族を形成する。また、異なるCDK/サイクリン複合体類は、セルサイクル中のサイクリン発現およびM相におけるサイクリン分解の逐次増加および減少を伴う異なるセルサイクルのさまざまな段階において機能し、通常、秩序だったセルサイクル進行を決定する重要な因子である。従って、哺乳類セルサイクルのG1を経由してS相への進展は、主にサイクリン依存性キナーゼ類CDK2、CDK3およびCDK4(および一部の細胞ではCDK6もあり得る)によって、少なくともサイクリン類DおよびEと関連し制御されると考えられており、D型サイクリン類とCDK2およびCDK4(およびCDK6もあり得る)の複合体類は、特に、G1制限点を介して進展を制御する際に重要な役割を演じ、一方、CDK2/サイクリンE複合体類は、G1からS相への移行をもたらすために必須である。いったんS相に入ると、セルサイクルG2相への進展と開始にサイクリンAと称される別のサイクリンとCDK2との活性化複合体類、すなわちCDK2/サイクリンAの複合体類が必要となる。最後に、G2相からM相への移行と有糸分裂の開始には、CDK1と称される(またCdc2としても公知)サイクリン依存性キナーゼとサイクリンBと称されるサイクリンとの活性化複合体類(および、また、サイクリンAとCDK1の複合体類)が必要である。
【0004】
一般に、セルサイクルおよびCDK類の活性の制御には、一連の刺激性および阻害性のリン酸化と脱リン酸化反応を伴い、それらの制御機能を作用させる際、CDK/サイクリン複合体類は活性化されるとATPを基質として用いてさまざまな他の基質細胞蛋白質類をリン酸化するが、通常、そのセリンおよびスレオニン基類上で行われる。セルサイクルの制御にはまたCDK/サイクリン複合体類の阻害剤類を要し、それらは、セルサイクル阻止をもたらすためこれらの酵素類の触媒機能を阻害する。例えばp16およびp21として公知の阻害性蛋白質類のようなある天然の阻害剤類は、CDK/サイクリン複合体類に選択的に結合して後者を不活性化することによってセルサイクルの進行を阻害できる。
【0005】
阻害剤類によるCDK機能の制御は、従って、セルサイクル進行を制御するためのさらなるメカニズムを提供し、これによって、例えば異常増殖細胞を標的としてセルサイクル進行を阻止するための抗癌療法において抗増殖性治療薬剤としてのCDK阻害剤の用途が提案されることになった。ヒト腫瘍細胞においてセルサイクル進展の重篤な障害または異常が頻繁に起こり、しばしばCDK類およびそれに関連する他の蛋白質類の過剰発現を伴うので、このことは、特に適切であるように思われる。また、確立された細胞毒性抗癌剤と比較して、CDK類を介して作用する細胞進展阻害剤類の使用は、DNAとの直接相互作用を避けることができるという利点を有し、それによって、続発性癌の発生リスクを低下できる。
【0006】
したがって、前記の可能な治療適用および他の可能な用途類のゆえに、広範囲のCDK類の化学阻害剤類が検索されることになり、特に薬剤用途に適した選択的阻害剤類の検索がなされた。選択されたCDK/サイクリン複合体類の阻害活性および選択性は、一般的に、阻害剤として疑わしい被験物質の存在下における蛋白質ヒストンH1(通常良好なCDK基質を提供する主要染色体蛋白質成分のひとつ)のリン酸化における前記キナーゼ活性を測定することによって、アッセイする。このようにして同定確認されたCDK阻害性を有する潜在的に有用ないくつかの化合物類は、Cell Biology(第6巻)、1996年10月発表、Laurent Meijerによる標題“Chemical inhibitors of cyclin−dependent kinases(サイクリン依存性キナーゼ類の化学阻害剤類)”というレビュー論文に記載されており、それは、内容をここで参考として引用する。上記論文で記載されている化合物類のなかでも、CDK1およびCDK2阻害性の強力なアデニン誘導体で“オロモウシン”と命名された2−(2−ハイドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチル−プリンと2、6および9位において修飾したアナログである6−(ベンジルアミノ)−2(R)−〔{1−(ハイドロキシメチル)プロピル}アミノ〕−9−イソプロピルプリンがある。この後者の化合物は“ロスコビチン”と命名され、CDK阻害剤としてオロモウシンよりもはるかに強力である。オロモウシンのこの強力ではあるが選択的なCDK阻害性は、J.Veselyらによる標題“Inhibition of cyclin−dependent kinases by purine analogs(プリンアナログ類によるサイクリン依存性キナーゼ類の阻害)”、Eur.J.Biochem.、224、771−786(1994)に初めて記載され、さらに、オロモウシンおよびロスコビチンを含むアデニン誘導体類の形状となっているある範囲のプリン化合物類のCDK阻害性に関する研究が、J.Med.Chem.(1997)40、408−412における標題“Cytokinin−Derived Cyclin−dependent Kinase Inhibitors:Synthesis and cdc2 Inhibitory Activity of Olomoucine and Related Compounds (サイトカイニン由来サイクリン依存性キナーゼ阻害剤類:オロモウシンおよび関連化合物類の合成とcdc2阻害活性)”に報告され検討されている。同様に、これらの刊行物の内容は、本文で参考として引用されていると見なすべきである。
【0007】
オロモウシンおよびロスコビチン両者の阻害活性は、これらの化合物類がATP結合に対して競合阻害剤類として作用することから結果として生じることが明らかにされている。オロモウシンは少なくとも、CDK類以外の多くの一般的なキナーゼ類に関して阻害活性を全く欠いていることが報告されている。さらに、選択性は、オロモウシンおよびロスコビチンの両者ともCDK1、CDK2およびCDK5の活性を阻害するが、どちらもCDK4またはCDK6に対して活性であるとは見なされていないという事実によって明白である。
【0008】
特にオロモウシンは、さらなるプリン系CDK阻害剤類の同定識別さらに設計に役立つ手がかりとなる化合物を提供するとみなされてきており、構造/活性研究に基づき、Veselyらによる上記論文で、メチル、2−ハイドロキシエチルまたはイソプロピルのような疎水性残基によるN9置換が例えばCDKとの直接疎水性相互作用を提供するために重要であることおよびC2の側鎖が必須であるように思われると示唆された。同様に、Havlicekらの論文においてCDK阻害活性を有するプリン化合物についてプリン環の1及び7位およびおそらく3位が水素結合を可能にするために遊離したままでなければならないという所見のほかに、2位の極性側鎖が必須であるように思われることおよび疎水性残基によるN9置換もおそらく陽性結合に重要であろうと述べられた。プリン環の2、6、7および9位は、CDK1への結合を制御する位置として確認された。
【0009】
Meijerのレビュー論文では、また、CDK阻害剤複合体類の結晶化の結果、および特にCDKとの共結晶化の結果として、オロモウシンおよびロスコビチンのような阻害剤類はCDK蛋白質分子の小及び大ローブの間の裂け目に局在するATP結合ポケット中に局在すること、および、特異性はおそらく、ATP結合部位の外部でキナーゼ類と相互作用する阻害剤分子類部分が供するのであろうということが見出された。
【0010】
しかし、その後本明細書と関連させて読むことができる我々の国際特許出願PCT/GB98/02025の公開明細書WO99/02162に開示されているように、プリン環の2−NH2位または9位のいずれかに置換基を有しておらずかつ6−Oによって置換された6−NHを有するO6−シクロヘキシルメチルグアニンがこうしたことにもかかわらず細胞毒性でありオロモウシンのCDK1(cdc2)/サイクリンB複合体類に対する活性に匹敵する非常に高い阻害活性を示したことが、予測外にも見出された。
【0011】
また、WO99/02162に開示されているように、オロモウシンやロスコビチンのような化合物に対してよりもO6−シクロヘキシルメチルグアニンにより近縁の他のグアニン誘導体類が同定され、有意なCDK阻害活性を示し、結晶学研究により、CDK2(少なくとも触媒性結合部位に関してCDK2と相同)のO6−シクロヘキシルメチルグアニンおよびO6−シクロへキセ−1−エニルメチルグアニンのようなグアニン誘導体類との複合体類が、アデニン誘導体オロモウシンとCDK2の複合体とは異なり、互いに結合することが明らかになった。このことは、さらに、WO99/02162において説明されている。
【0012】
(発明の開示)
WO99/02162に開示されたプリン誘導体類は哺乳類における癌および他の細胞増殖性疾患の治療に有用なCDK阻害活性を有すると考えられ、それらは、下記構造式:
(式中、
Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;
Dは、H、ハロまたはNZ1Z2(式中、Z1およびZ2はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルまたはC1−4ハイドロキシアルキル)であり;
Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキル)から選択され;
Bは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、任意に置換されていてもよいアリル(例 フェニル)または任意に置換されていてもよいアラルキル(例ベンジル)、およびC=O互変異性体を供する水酸基から選択され:および
Yは、任意に置換されていてもよい4乃至8員の炭素環または複素環であるかまたはそれを含むかまたは任意に置換されていてもよい直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される)
によって定義された。
【0013】
有効CDK阻害活性のため、プリン環の2位の置換基Dが上記で特定した基NZ1Z2
である時、Z1およびZ2のそれぞれが独立してH、C1−4アルキルまたはC1−4ハ
イドロキシアルキルである必要があると考えられた。さらに、置換基Dは通常NH2であ
ろうと考えられた、すなわち、Z1およびZ2は、それぞれ水素であろうと考えられた。
しかし現在、このようなプリン化合物類においてZ1およびZ2はそれぞれ独立して任意に置換されていてもよいアリル、アラルキル、ヘテロアリルまたはヘテロアラルキル基であることが明らかとなり、さらに、驚くべきことに、上記化合物類が、WO99/02162に開示された化合物類の活性に匹敵するかまたはそれを凌ぐCDK阻害活性を有する
ことができることがわかった。実際、Z1およびZ2が特に水酸基、ハイドロキシアルキル、アシル、カルボキシル、シアノ、およびさらに特にカルボキサミド(カルバモイル)、スルホンアミド(スルファミル)、スルホン、スルホキシドまたは他のイオウ系置換基類である選択された置換基を有するアリルまたはヘテロアリル基である時、CDK阻害活性の有意な増加が得られ、ある場合に少なくともスルホンアミド系置換基を有するそれらは、劇的とも考えられる。
【0014】
従って、本発明は、WO99/02162における開示と対照的に、哺乳類における癌および他の細胞増殖性疾患の治療に有用なCDK阻害活性を有するプリン化合物類を提供し、前記化合物類は下記の構造式Iを有し、
またはその薬学的に許容できる塩および/またはそのプロドラッグ形態に関し、式中、
Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;
Dは、NZ1Z2(式中、Z1は、H、C1−4アルキル、C1−4ハイドロキシアルキル、無置換または置換アリルまたはヘテロアリルおよび無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択され、およびZ2は、無置換または置換アリルまたはヘテロアリルおよび無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択される)であり;
Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキル)から選択され;
Bは、H、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、無置換または置換アリルまたは無置換または置換アラルキル、およびC=O互変転位を受けることができる水酸基から選択され:および
Yは、無置換または置換4乃至8員の炭素環または複素環を含み、任意により大きな融合環構造の一部を形成してもよく、または、任意に置換されていてもよい直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される。
【0015】
本発明は、さらに、新規化学範疇であるかまたは少なくとも新規治療薬剤であるCDK阻害プリン化合物類を含む。
【0016】
用語“アリル”は、本文で、ある場合には複数回縮合した環構造の一部を形成してもよい少なくとも1個の芳香環を有する炭素環基または構造を示すために用いられる。好適には、“アリル”置換基類が存在する時にはフェニルである。
【0017】
用語“アラルキル”は、本文で、低級アルキル基すなわち1個乃至6個の炭素原子を有しアリル置換基がある環状、分枝状または直鎖アルキル基を示すために用いられる。ベンジル基は、特に好適なアラルキル置換基である。
【0018】
用語“置換アリル”は、本文で、任意に1個以上の官能基で置換されたアリル基類を示すために用いられる。好適には、前記“置換アリル”は、1個以上の(1個乃至3個が最も好適である)官能基で置換されたフェニル基を示すために用いられる。
【0019】
用語“置換アラルキル”は、本文で、任意に1個以上の官能基で置換されたアラルキル基を示すために用いられる。好適には、前記“置換アラルキル”は、1個以上の(1個乃至3個が最も好適である)官能基で置換されたベンジル基を示すために用いられる。
【0020】
用語“ヘテロアリル”は、本文で、前記少なくとも1個の芳香環中にN、OまたはSのような少なくとも1個のヘテロ原子を含むアリル置換基を示すために用いられる。好適なヘテロアリル置換基はピリジルである。
【0021】
用語“ヘテロアラルキル”は、本文で、前記少なくとも1個の芳香環が例えばN、OまたはSから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含むアラルキル置換基を示すために用いられる。好適な“ヘテロアラルキル”置換基はピリジルメチルである。
【0022】
用語“置換ヘテロアリル”および“置換へテロアラルキル”は、本文で、1個以上の官能基で置換されているヘテロアリルおよびヘテロアラルキルを示すために用いられる。
【0023】
用語“ハロ”は、本文で、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示すために用いられる。
【0024】
特に重要な化合物類は、置換基DがNHZ2(式中、Z1はHでありおよびZ2が無置換アリル芳香環であるか、または、アミノ、ハロ、シアノ、OHまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖;無置換または置換アリルまたはアラルキル;ハロ;OH;SH;C1−C6アシル;OR1;SR1;NR2R3:(CH2)qR2R3;NO2;N3;CN;O(CH2)qO(式中、(CH2)q部分は、1個以上の官能基によって任意に置換されている);COR4;CONR5R6;(CH2)qCONR5R6;COOR4;SOR4;SO2R4およびSO2NR5R6
{式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、アミノ、OH、ハロまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖であり;R4、R5およびR6は、それぞれ独立してH;ハロ、OH、C1−4アルコキシおよびNR7R8から選択された1個以上の置換基で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル;C3−C8シクロアルキル;または無置換または置換アラルキル、アリルまたは無置換または置換5乃至7員複素環を含む基を表し;およびqは、1から6の範囲にあり;およびR7およびR8は独立して、H;OH、アミノまたは置換アミノによって任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す}から選択された少なくとも1個のX’を有するアリル芳香環である)ものである。
【0025】
好適には、Z2は、1個ないし3個の置換基類X’を有する置換アリルである。さらに、X’、R1、R2、R3、R4、R5またはR6のいずれかが任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す本発明の化合物類において、前記アルキル基は、好適には、1個、2個または3個の置換基類を付与されている。さらに、X、R1、R2、R3、R4、R5またはR6のいずれかがハロ置換アルキル基である化合物において、CF3またはCH2CF3のような3個のハロ置換基類を含むアルキル基類が好適ではあるが、前記アルキル基は、1個、2個または3個のハロ置換基類を含む。
【0026】
R4、R5またはR6が独立して複素環を含む基を表す化合物において、前記複素環は好適には、N、OおよびSから構成される群から選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含む。好適には、この環は、5乃至7員の複素環である。さらに、この複素環は、芳香環または非芳香環のいずれかであることができる。芳香族複素環を含む基類は、好適には、ヘテロアリルまたはヘテロアラルキル基類であり、一方、非芳香複素環を含む基類は、ヘテロ脂環基(例 テトラハイドロフラン−2−イル)またはヘテロ脂環アルキル基(例 テトラハイドロフラン−2−イルメチル)であることができる。前記環は、また、C1−C4アルキル、OH、ハロ、アミノまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよい。
【0027】
本発明のある化合物類において、R5およびR6は連結され、5乃至7員複素環を形成する。前記複素環は、また、R5およびR6の両者が付着している窒素原子に加えて、N、OまたはSから選択されたさらに1個以上のヘテロ原子を含むことができる。R5およびR6が連結したとき形成される複素環構造類の例は、モルホリノおよびピペリジノ環構造類である。
【0028】
R4、R5およびR6がNR7R8基によって置換されたC1−C6直鎖または分枝状アルキルを表す本発明の態様において、前記置換基類R7およびR8の両者は融合して5乃至7員の複素環構造を形成することもできる。前記複素環は、また、R7およびR8の両者が付着している窒素原子に加えて、N、OまたはSから選択されたさらに1個以上の追加ヘテロ原子を含むことができる。上記にも述べたように、R7およびR8が連結したとき形成される複素環構造類の例は、モルホリノおよびピペリジノ環構造類である。
【0029】
ある態様において、Z2は、隣接炭素原子に付与された2個の置換基類X’を付与されていてもよく、これらは、融合して環置換基を形成する。上記化合物において、Z2は、例えば、下記の構造式IIまたはIIIのいずれかによって表される構造であることもできる:
または
(式中、p=1または2であり、mは、2乃至5の範囲にある)。
【0030】
多くの好適な態様において、Z2は、例えば4’位においてハロゲン原子、さらに好適には水酸基、ハイドロキシアルキル、アセチル、カルバモイルによってまたはスルホンアミド基によって置換された置換フェニル基であろう。上記で特定したようにCOR4、CONR5R6、COOR4、SOR4、SO2R4またはSO2NR5R6である置換基類X’は、最も活性の高いCDK阻害化合物類のいくつかを提供するために特に重要であると見なされる。通常、これらの置換基類は、パラ位または4’位にあるのが好適である。上記フェニル基(または他のアリル基)における置換基がスルホンアミド基であるとき、これはそれ自体、そのアミノ基中で置換されることもできる。
【0031】
特に重要であると述べられている上記化合物類のほとんどは、少なくとも、下記の構造式IVによって表すことができる。
式中、Gは、CHまたはNであり、X’は、Hまたは上記で述べたとおりであり、さらに他の置換基類(A、B、XまたはY)は、既に述べたとおりである。
【0032】
上記化合物類の多くは2−アニリノプリン類であろうし、前記構造の代表的例をいくつか下記に示した。
【0033】
一部の場合において、本発明のプリン化合物類のCDK阻害活性は、異なるCDK類に対して選択的であることがわかったが、このことは、オロモウシンのそれと大きく異なっている。
【0034】
CDK蛋白質のATPリボース結合ポケットに固定されるかまたは位置しCDK蛋白質への結合が可能である限りにおいて、Yに適するような置換基類は広範囲にあり、その詳細な組成は、重要ではないようである。一部の場合において、Yが極性水酸基置換基類等を含む環構造を含むことが有用であることができる。
【0035】
多くの態様において、Yは、シクロアルカンまたはシクロアルケン環であろうが、好適には、2個までの二重結合を有する5乃至6員の環である。シクロヘキセニルおよびシクロフェニルは、特に重要である。しかし、前記環中の1個または2個の炭素原子は、ヘテロ原子または基類、特にO、S、NR’(式中、R’は、HまたはC1−C4アルキルである)によって置換することもでき、またはシクロアルケン環中における−N=によって置換することもできる。前記環が置換されている場合、前記置換基または各置換基(いかなる位置であってもよい)は、好適には、C1−4アルキル、OH、C1−4アルコキシ、ハロゲン、CF3、CN、N3およびNRy1Ry2(式中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである)から選択されるであろう。さらに、環の隣接原子に2個の置換基類がある場合、
例
これらの置換基類PおよびQは連結して、例えば、4、5、または6員の炭素環または複素環のような追加の融合環を形成することもできる。この追加環構造は、例えば2個までのO、SまたはNHのようなヘテロ原子類または基類を含むことができ、それはまた、C1−4アルキル基または基類またはフェニルまたは置換フェニル基のような1個以上の置換基類によって置換できる。いくつかの態様において、Yはまた、アダマンチルであることもできる。
【0036】
Yによって表される環構造の例は、
(式中、VおよびWはそれぞれ独立して、O、S、NR’(式中、R’は、HまたはC1−4アルキル)、CH2および/または=CH−から選択され;
R1およびR2は、それぞれHまたはC1−4アルキルである)
である。
【0037】
上記にも述べたように、Yによって表されるこれらの環構造類は同一であっても異なっていてもよく、特にC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、−OH、NRy1Ry2(式中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立してHまたはC1−4アルキルである)、CF3、ハロゲン、N3、CN、任意に置換されていてもよいアリル(例 フェニル)、および任意に置換されていてもよいアラルキル(例 ベンジル)から選択されることができる置換基類を有することができる。また、上記にも述べたように、例えば溶解度を向上させるため、ある場合において前記環構造が例えば水酸基のような極性置換基類を複数含むことは有用である。
【0038】
式Iの化合物について本明細書で述べる場合、こうした記載は、妥当なそれらの薬学的に許容できる塩類および他の薬学的に許容できるバイオ前駆体類(プロドラッグ形態)にも拡大できると見なされる。用語“プロドラッグ”は本明細書において、哺乳類の治療過程において投与後特に経口または静注投与後に前記活性化合物に変換されるように生物分解するかまたはインビボで変換される薬学的活性化合物の修飾形態類または誘導体類を示すものとして用いる。このようなプロドラッグ類は一般的に水性媒体中における溶解度増加のゆえに選択され、処方上の問題を克服するのに役立ち、かつ、ある場合には前記活性薬剤の放出を実質的に遅くまたは制御する。
【0039】
また、述べた化合物類のいずれかが1個を超えるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー形状で存在できる場合、このような形状、その混合物およびそれらの調製物および用途全てが本発明の範囲に含まれる。しかし、立体化学的検討が重要であるらしいことに留意すべきであり、さらに、異なるエナンチオマー類またはジアステレオマー類が有意に異なる阻害活性を有するというかなりの選択性があることについても留意すべきである。
【0040】
本発明を実施する際に用いた構造式Iの化合物類において、好適には、Xは酸素であろう。また、そのままでまたはアルコキシまたは他の基中における部分として存在する各アルキル基は、他に断りがなければ、1個乃至6個の炭素原子を含む。
【0041】
通常Yは、飽和または部分飽和炭素環または複素環構造を含むのが好適であろうが、ある場合において、Yが芳香環系(例 任意に置換されたアリルまたはアラルキル)を含むことができ、さらに、本発明の範疇において、有用な、潜在的に選択性のCDK阻害剤類として重要な化合物類を提供することを認識すべきである。
【0042】
本発明の実施の際に現在特に重要であるかまたはその用途において好適でありかつCDK1および/またはCDK2に対して少なくともインビトロでアッセイした時同定された最も強力なCDK阻害剤類を含む化合物類の例は、下記を含む:
2−アニリノ−6−シクロヘキシルメトキシプリン
2−(3’−ブロモアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−クロロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−エチルアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
メチル 4−N−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノベンゾアート
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメチルオキシ−2−(4’−ハイドロキシアニリノ)プリン
4−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノ−アセトフェノン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−スルファモイルアニリノ)プリン
N−ベンジル−4−(シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
4−〔(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)メチル〕−ベンゼンスルホンアミド
メチル−4−〔(6’−シクロへキシルメトキシプリン−2−イル)アミノ〕フェニルスルホキシド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−イソブチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−シクロプロピル−ベンゼンスルホンアミド
N−(3−クロロフェニル)−4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド.
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチルベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジエチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−安息香酸
〔3−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−フェニル〕メタノール
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−フェニルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−(N−ピリジン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イル)−(4−メタン−スルホニルフェニル)アミン
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(3−ジエチルアミノプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−(−2−メチル−シクロへキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼン(3’−メトキシ)スルホンアミド
4−〔6−(シクロへキセ−3−エニルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミド
2−〔4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)〕−フェニルアセタミド
4−〔6−シクロペンチルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド
【0043】
生物活性
CDK1/サイクリンA、CDK1/サイクリンB、CDK1/サイクリンF、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK5/35およびCDK6/サイクリンD3を含むある範囲のCDK/サイクリン複合体類に対する問題の化合物類の阻害活性を試験するため、アッセイが利用可能である。異なるCDK類に対する前記化合物類のいくつかの選択性に留意することが特に重要である。
【0044】
調製した本発明プリン化合物類のいくつかについて測定したCDK阻害活性値を示す試験結果を、本明細書の最後の表1に示した。前記化合物類が異なるエナンチオマー形状で存在する場合、前記アッセイは一般的にラセミ混合物で行った。参考化合物類の他に、示した化合物類にはNU参照すなわち識別コード番号を付した。表1は、まだ全てについて完全に試験したわけではないが調製した化合物類の中で現在最も好適な化合物類を含む。
【0045】
一般に、実施した研究から、試験化合物類のCDK阻害特性がこれらの化合物類の有効抗癌薬剤として作用する能力を反映するという考えが裏付けられる。
【0046】
阻害アッセイは、前にも述べたJ.Veselyらの論文中およびL.Azziら(1992)Eur.J.Biochem.203、353−360の論文中に記載のものに基づく方法を用いて行った。しかし、例示のため、典型的プロトコールを下記に要約しておく。
【0047】
CDKアッセイ例
試薬類:
緩衝液C (60mM β−グリセロリン酸、30mM ニトロフェニルリン酸、25mM MOPS pH7.0、5mM EGTA、15mM MgCl2、1mM MgCl2および0.1mM オルソバナジン酸ナトリウムを含有)を下記のようにして調製する。
(a)精製水約80ml中に最初に上記成分類を溶解させ、最終的にpH7.0とする。
(b)次いで、10mM オルソバナジン酸ナトリウムを1ml追加。
(1.84mg/ml−FW=183.9RT)
最終濃度=0.1mM、および
4℃に冷却。
(c)次いで、
4−ニトロフェニルリン酸(−20℃) 279.2 1.112 30mM
DTT(4℃) 154.2 .0154 1mM
を添加。
(これとは別に、100mM DTT(15.4mg/ml)を調製し、フリーザーで1.2mlアリコットとして保存。融解し、上記緩衝液に1mlを添加。)
(d)100mlとし、フリーザーで5mlアリコットとして保存。
20%グリセロール中M相ヒトデ(Marthasterias glacialis) 由来のアフィニティ精製p34 cdc2(CDK1)/サイクリンBをチェストフリーザー中−80℃で保存。
100mM オロモウシン(Cat#LC−0−3590−M025 Alexis Co.Bingham Nottingham)、FW=298.35 29.835mg/ml=100mMを25mLアリコットとしてフリーザー中で保存。
1%リン酸(85%リン酸58.8ml+水4.942リットル)
アッセイ当日に下記を調製。
緩衝液C中ヒストンH1(III−S型(Sigma)4℃)5mg/ml
〔32P〕ATP75mM:下記割合を(複数)用いて調製。
〔32P〕ATP(3000Ci/mMol PB168 Amersham、放射性物質用フリーザーに保存)2ml+1mM冷ATP(−20℃)7.5ml(0.551mg/ml−フリーザー保存200mlアリコット)+緩衝液C 90.5ml
濃度=最終アッセイで12.5mM
【0048】
アッセイ操作
DMSOは、アッセイ混合物中で1%を越えてはいけない。阻害剤類は、最終アッセイ容量の1/10でかつ最終強度の10倍として添加。DMSO保存溶液は、従って、90%緩衝液C以上で10%DMSO以下として最終所望濃度の10倍に希釈しなければならない。示唆された濃度範囲=0、1、10、100mMであるので、0、100、1000および10,000mMのDMSO保存溶液は、アッセイ添加前に緩衝液Cで1/10に希釈する。
【0049】
調製:
適当なラックに入れたラベル付き(例 A0、A1、A10、A100)0.2mlアッセイ用ミクロ試験管セットと薬剤希釈用エッペンドルフTM溶液セット。
鉛筆でホスホセルロースフィルターにラベル(例 A0、A1、A10、A100)し、縦方向に折りたたんで“勾配付き屋根”を作る。
ミクロ試験官用第2ラックを入れた水浴を30℃に設定する。
ワイヤメッシュインサートおよびメッシュインサート下に磁気フリーを入れたビーカーを、磁気スターラー上の1%リン酸400mLとともに用意する。
【0050】
反応混合物:
全試薬類(DMSOストック以外)をアッセイ開始まで氷上で保存する。
アッセイ試験管ラックを氷上に置く。
各試験管には、緩衝液C 16ml、cdc2/サイクリンBキナーゼ1ml、ヒストンH1 5ml、阻害剤3mlを入れる。
30秒間隔で〔32P〕ATP5mlを添加して、攪拌し,30℃の水浴中ラックに置くことによって、各試験管中で反応を開始させる。
反応混合物25mlを取り出し、適当なラベル付きフィルターにスポットし、20〜30秒間乾燥させ、そして、1%リン酸との攪拌に移行させ、同一順序で試験管中で30秒間隔に行い、10分後に反応を停止させる。
ブランクのインキュベーションは、ヒストンを入れないこと以外は(代わりに5mlの緩衝液Cを添加)上記のように行い、ブランク洗浄は、フィルターに直接ATP 5mlを添加する。
フィルターを5〜6回それぞれ5分洗浄する。
フィルターをペーパータオルで乾燥させる。
シンチラント5mlでミニシンチレーションバイアル中でカウント。
5ml ATPの3倍標準でもカウント(375pモルATP)
NB.アッセイは、下記のようにストック反応混合物を調製することによって簡易にできる。
(cdc2/サイクリンB1部、緩衝液C16部、ヒストンH1を5部)×アッセイ試験管数+1、および22mlを緩衝液C3ml±阻害剤含有各アッセイ試験管に添加。しかし、アッセイブランク(すなわち、ヒストン含まない)を別々に調製することがそれでもなお必要である。
【0051】
治療用途
本発明は、また、先に定義したプリン化合物類の治療用途に関する。従って、本発明は、別の一面において、これまで定義したようなプリン化合物を治療用途に提供する。さらに詳細には、本発明はまた、これまで定義したようなプリン化合物を活性薬剤物質として癌または他の細胞増殖疾患類の治療用途に提供する。
【0052】
さらに本発明の別の面において、癌または他の細胞増殖性疾患の治療用薬剤の製造におけるこれまで定義したようなプリン化合物類の用途が提供される。
【0053】
既に示唆したように、本発明の化合物類は、癌細胞増殖を阻害でき、有意な選択的抗癌活性を有することができる。抗癌活性は、例えば乳癌のような担癌哺乳類における腫瘍細胞数を低下させることによって明らかとすることもでき、未処置動物によって得られるコントロールに比較して生存時間の延長が結果として得られる。さらに、抗癌活性は、未処置コントロール動物の癌に比較して本発明の化合物類による処置後固形癌の大きさの低下が測定可能であることによって明らかにされる。
【0054】
従って、本発明の化合物類は、ある範囲の選択された癌類の治療用に特に重要で、本発明はさらに、ある種の癌に罹患している患者の治療方法を提供する。この目的のため、先に定義したような式(I)の化合物を無毒性治療有効量、経口的、非経口的(皮下、筋肉内および静脈内を含む)または局所的に適当に投与できる。前記投与は、一般に、間隔をおいて、例えば1日1回または数回繰り返し実施される。
【0055】
ほ乳類治療用抗癌剤として有効であるために必要な式(I)の化合物の量は、もちろん変化するであろうし、最終的には、それぞれの特定の場合においてほ乳類を治療する医師または獣医師の裁量による。例えば医師のような臨床家が考慮すべき要因として、投与経路と薬剤処方;ほ乳類の体重、表面積、年齢および全身状態;および投与する化合物の化学形態が含まれる。しかし、適切な抗癌有効投与量は、約1.0乃至約75mg/kg体重の範囲、より好適には、約5乃至40mg/kgの範囲であり、非常に適した投与量は、例えば、10乃至30mg/kgの範囲であろう。例えば毎日の治療において、総1日投与量を単回投与、例えば1日2回ないし6回の複数回投与、あらゆる選択した期間にわたる静脈内点滴によって投与できる。例えば、ほ乳類75kgの場合、投与範囲は、約75ないし500mg/日とできるが、典型的投与量は多くの場合約100mg/日であろう。もし分割複数回投与を処方するならば、典型的には、錠剤、カプセル、液剤(例 シロップ)または注射の形状で1日4回に分け式(I)の化合物を50mg投与できる。
【0056】
式(I)の化合物類を単独で未加工の化学物質として投与できるばあい、前記化合物類を薬剤組成物として投与するのが好ましい。従って、本発明はまた、上記に定義し活性治療成分を形成するためのプリン化合物をCDK阻害有効無毒量だけ含む薬剤組成物類を提供する。医療用のこのような薬剤組成物類は、いずれの便利な方法によっても投与のための薬学技術で周知の方法類のいずれかに従って製剤されるであろう。前記のCDK阻害化合物類は、通常、適合性の薬剤学的に許容できる添加物、担体、希釈剤または賦形剤を供給する少なくとも1個の他の成分類と混合され、単位製剤として供することができる。
【0057】
前記担体(類)は、前記製剤の他の成分類と適合できるという意味において薬学的に許容できなければならず、そのレシピ−エントに対して有害であってはならない。
【0058】
可能な製剤として、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与または肺または鼻腔のような異なる吸収部位への投与に適したそれらが含まれる。
【0059】
このような薬剤組成物類の調製における処方の方法類全ては、一般に、式(I)の化合物を1個以上の副成分類を構成する担体と付着させる段階が含まれるであろう。通常、前記製剤類は、式(I)の化合物を液状担体または微細にした固体担体またはその両者と均一かつしっかりと付着させ、その後もし必要であれば前記生成物を所望の製剤に形成することによって、調製する。
【0060】
経口投与に適した本発明の製剤類は、あらかじめ定めた量の式(I)の化合物を含むカプセル類、カシュ剤類、錠剤類またはロゼンジ類のような分割単位として、粉末または顆粒として、または、シロップ、エレキシル、エマルジョン、またはひとのみ分のような水性液体または非水性液体中懸濁剤として提供することもできる。式(I)の化合物は、また、ボーラス、舐剤またはペーストとして提供することもできる。
【0061】
錠剤は、適宜1個以上の副成分類とともに圧縮または成形によって作製できる。圧縮錠剤は、適切な機械中で式(I)の化合物を粉末または顆粒のような流動自由な形状で適宜結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤とともに圧縮することによって作製できる。成形錠剤は、適切な機械中で式(I)の粉末化合物と任意の適切な担体の混合物を成形することにより作製できる。
【0062】
シロップは、式(I)の化合物を例えばショ糖のような砂糖の濃縮水溶液に添加することによって調製できるが、それに対しては、所望のいかなる副成分も添加できる。このような副成分(類)には、芳香剤、砂糖の結晶化を妨げるもの、または、例えばグリセロールまたはソルビトールのような多価アルコールのような他のあらゆる成分の溶解度を上昇させるものを含むことができる。
【0063】
直腸投与用処方は、カカオバターのような通常の担体を有する坐薬として供することができる。
【0064】
非経口投与に適した製剤は、式(I)の化合物の無菌水性物を含むのが好都合であり、それは、好適にはレシピーエントの血液と等張である。
【0065】
例えば軟膏、クリーム等のような本発明の製剤は、上記成分類に加えて、例えば、希釈剤、緩衝液、芳香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤および/または保存剤(抗酸化剤を含む)または他の薬学的に不活性の賦形剤を含むことができる。
【0066】
本発明の化合物類はまた、リポゾーム製剤として投与用に作製でき、それらは、当該技術で周知の方法によって調製できる。
【0067】
従って、本発明はまた腫瘍または他の細胞増殖性疾患類を治療するための医薬類または薬剤組成物類の製造のための上記CDK阻害プリン化合物類の用途を含み、前記プリン化合物はそれ自体、有効な独立した抗癌または細胞増殖阻害剤を提供することがわかるであろう。
【0068】
本発明はまた、上記医薬類または薬剤組成物類を用いる異常細胞増殖疾患類の治療を含む。
【0069】
(発明を実施するための最良の形態)
問題のさまざまな例示的化合物類の調製における合成経路中の段階についての下記の実施例および説明は、さらに、本発明を説明するために役立つが、いかなる意味でもその限定として見なされるべきではない。また、多くの場合において記載の化合物類には、NU参照すなわち識別コード番号を付けてある。
【0070】
例示のためにのみ、6−シクロヘキシルメトキシプリン誘導体類が本発明を説明するために選択されている。
【0071】
次の章において、ある範囲の本発明活性プリン誘導体類の調製を説明する。しかし、実施例1乃至8において調製を説明した最初の8種の化合物類は、主に、以下で説明した他の活性化合物類いくつかの調製で使用した中間化合物類である。さらに詳細には、実施例1乃至5は、本発明のある態様の調製に使用できるさまざまなアニリン誘導体類の調製を記載している。
【0072】
ここで具体的実施例に記載した活性プリン化合物類は、実際に、O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリン(NU6061)を用いて通常、“A”、“B”、“C”および“D”と称される4種の一般的操作方法のひとつを選択し調製する。これらのプリン誘導体類調製のためのこれらの一般的操作または方法類を下記に述べる。
【0073】
プリン誘導体類調製。一般操作A
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのEtOHまたはn−BuOH溶液を室温で窒素下に攪拌し、適切なアニリン(7当量)およびトリフルオロ酢酸(TFA)(0.4当量)を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を攪拌しながら特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、生成物をろ過によって採取し適当な溶媒から再結晶した。
【0074】
プリン誘導体類調製。一般操作B
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのn−BuOHまたはn−BuOHとグリセロール混合物溶液を攪拌し、適切なアニリン誘導体(4当量)およびトリフルオロ酢酸(TFA)(10当量)を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を窒素下特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、溶液をNaHCO3によって中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、適切な溶媒から再結晶させた。
【0075】
プリン誘導体類調製。一般操作C
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのn−BuOH溶液に対して適切なアニリン(2当量)およびTFA(5当量)のグリセロール中混合物を滴下した。TLC分析〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕で反応完了を確認できるまでこの溶液を窒素下特定温度で加熱した。反応混合物を冷却し、揮発物を真空中で除去した。残渣を水に溶解させ、溶液をNaHCO3によって中和し、EtOAcで抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、シリカによるクロマトグラフィによって精製した。
【0076】
プリン誘導体類調製。一般操作D
O6−シクロヘキシルメチル−2−フルオロプリンのグリセロールとn−BuOHまたはEtOHとの混合溶液に対して、適切なアニリン誘導体(7当量)およびTFA(0.4当量)を同時に滴下した。TLC分析(シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM)で反応完了を確認できるまでこの溶液を特定温度に加熱した。冷却後、溶媒を真空中で除去し、水を添加し、溶液をNaHCO3によって中和した。溶液をEtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO4)、有機相をまとめ、真空中で蒸発させ、必要化合物を得て、シリカによるクロマトグラフィによって精製した。
【0077】
下記で具体的実施例を説明する。
実施例
実施例1
1−(4−アミノフェニル)エタノンの調製
1−(4−ニトロ−フェニル)エタノンからEtOH中SnCl2(5当量)を用いて還流させ調製した。4時間後、溶液を冷却し(氷浴)、NaOHを用いて中和し、EtOAcによって抽出した。有機層をまとめて乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗化合物を得た。
【0078】
実施例2
4−アミノベンゼンスルホンアミド類の調製
N−4−アセチルベンゼンスルホニルクロリド(1当量)のEtOH中懸濁液を適切なアミン(2当量)に添加し、溶液を60℃に加熱した。30分後、混合物を冷却し(氷浴)、水を添加し粗生成物を沈殿させ、採取し水で洗浄した。得られた化合物をHClのEtOH溶液に添加し、5時間加熱還流した。溶液をその後連続的に水およびNaHCO3溶液(2.0M)で洗浄し、粗化合物をジクロロメタン(DCM)に抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ、所望の4−アミノベンゼンスルホンアミドを得た。
【0079】
実施例3
4−アミノベンズアミド類の調製
適切なアミン(1当量)とトリエチルアミン(1.2当量)のCHCl3中混合物を攪拌しながら、4−ニトロベンゾイルクロリド(1.1当量)の氷冷溶液に滴下した。この混合物を室温で3時間攪拌し、水、NaHCO3溶液(2M)および水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ粗化合物を得て、HClおよびAcOHの水性混合物中に再度溶解させた。SnCl2(4当量)を添加し、この混合物を3時間加熱還流した。この溶液を冷却させ(氷浴)、NaOH溶液で中和し、EtOAcによって抽出した。有機層をまとめ乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮させ、所望の4−アミノベンズアミド誘導体を得た。
【0080】
実施例4
4−(メタンスルフィニル)フェニルアミン
尿素−過酸化水素(過剰)を含む過酸化水素(水中27%v/v)を4−メチルスルファニルフェニルアミンのアセトン溶液に添加した。混合物を10時間60℃で攪拌し、室温に冷却し、DCMによって抽出した。有機層をまとめ乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空中で蒸発させ、所望のスルホキシドを調製した。
【0081】
実施例5
4−(メタンスルホニル)フェニルアミン
4−メチルスルファニルフェニルアミンの酢酸水溶液(60w/v%)溶液に対して、硫酸(3M)を添加した。過酸化水素溶液(27%水性)を、沈殿生成が観察されるまでこの混合物に滴下した。混合物を15分間攪拌し、室温に冷却し、水で希釈した。溶液をDCMによって抽出し、乾燥(MgSO4)させ、有機層をまとめて真空中で濃縮させ、所望のスルホンを得た。
【0082】
実施例6
2−アミノ−6−(1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクト−1−イル)プリニウムクロリド(‘DABCO−プリン’)
2−アミノ−6−クロロプリン(1当量)のDMSO溶液(24mL/g出発物質)に対して、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(5.5当量)を攪拌しながら少しずつ添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌し、反応の完了は、TLC〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕によって確認した。溶媒バルクを減圧下に除去し、Et2Oによって粉砕することによって最後の微量のDMSOを除去した。固体をろ過によって採取し、H2Oに再度溶解させ、EtOAcに抽出した。水層を乾燥するまで蒸発させ、白色固体(97%)、融点>230℃を得た。
【0083】
実施例7
2−アミノ−O6−シクロヘキシルメチルプリン(NU2058)
シクロへキシルメタノール(4当量)を室温で、NaH(3当量)の無水DMSO懸濁液を攪拌したものに滴下した。1時間後、DABCO−プリン(1当量)を少しずつ5分間かけて添加した。反応混合物を室温で4〜5日間攪拌し、反応の完了は、TLC〔シリカ、1:9(v/v)MeOH/DCM〕によって確認した。反応混合物を氷酢酸によって中和し、水を添加し、溶液をEtOAcに抽出した。有機層をまとめ、真空中で蒸発させ、粗生成物をDCMによって洗浄し残留しているシクロヘキシルメタノールを全て除去し、標題化合物を白色粉末(93%)、融点191〜193℃として得た。
【0084】
実施例8
O6−シクロへキシルメチル−2−フルオロプリン(NU6061)
−12℃の2−アミノ−O6−シクロへキシルメチルプリン(NU2058)の攪拌48%フルオロホウ酸水溶液(25当量;HBF4)に対して、NaNO2(0.3M、2当量)の水溶液を80分かけて滴下した。生成した溶液を室温まで加温した。1時間後、この溶液を0℃まで冷却し、濃NaOH水溶液によってpH7まで中和した。溶液を乾燥するまで減圧下で蒸発させ、残留白色固体を、溶離液としてDCM:MeOH(9:1)を用いるシリカによるフラッシュクロマトグラフィによってまたはジエチルエーテルを溶媒として用いるソクスレー抽出によって精製した。標題化合物は、白色粉末(44%)、融点232〜233℃として得られた。
【0085】
実施例9
2−アニリノ−6−シクロへキシルメトキシプリン(NU6094)
O6−シクロへキシルメチル−2−フルオロプリン(1当量)のn−BuOH溶液に対して、アニリン(5当量)を添加し、この混合物を120℃で16時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、DCMを添加し、得られた化合物をろ過し、白色固体を得た。生成物を溶出溶剤としてDCM、次いでDCM:MeOH(95:5)を用いるシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(46%)として得た。MeOHからの再結晶により、融点196〜199℃の標題化合物が得られた。
【0086】
実施例10
2−(3’−クロロアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン(NU6086)
3−クロロアニリンおよびn−BuOHを用いて、一般操作Aに従ってこれを調製した。この溶液を24時間加熱還流して、MeOHを添加することによって粗化合物を沈殿させた。MeOHからの再結晶によって標題化合物が白色固体(28%)、融点196〜199℃として得られた。
【0087】
実施例11
2−(3’−ブロモアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン(NU6095)
3−ブロモアニリンおよびn−BuOHから一般操作Aに従って調製した。この溶液を18時間加熱還流して、MeOHを添加することによって粗化合物を沈殿させた。生成物を溶出溶剤としてDCM、次いでDCM:MeOH(95:5)を用いるシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(35%)、融点204〜207℃として得た。
【0088】
実施例12
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メトキシアニリノ)プリン(NU6096)
3−メトキシアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。溶液を2時間加熱還流して、DCM添加により生成物を沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物を白色固体(40%)、融点186〜189℃として得た。
【0089】
実施例13
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−フルオロアニリノ)プリン(NU6098)
3−フルオロアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を1時間加熱還流して、MeOHを添加することによって白色固体(50%)、融点224〜227℃として粗化合物を沈殿させた。
【0090】
実施例14
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−エチルアニリノ)プリン(NU6099)
3−エチルアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を1時間加熱還流して、粗化合物を冷却して直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(34%)、融点180〜183℃として得られた。
【0091】
実施例15
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−メトキシアニリノ)プリン(NU6100)
4−メトキシアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、化合物を冷却によって直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(41%)、融点189〜192℃として得られた。
【0092】
実施例16
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−メチルメルカプトアニリノ)プリン(NU6101)
3−メチルメルカプトアニリンおよびEtOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物を冷却によって直接沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物が白色固体(44%)、融点190〜192℃として得られた。
【0093】
実施例17
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−フルオロアニリノ)プリン(NU6116)
4−フルオロアニリンおよびn−BuOHから一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(25%)、融点207〜209℃として得られた。
【0094】
実施例18
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−メチルメルカプトアニリノ)プリン(NU6117)
4−メチルメルカプトアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物を冷却によって直接沈殿させた。EtOHおよびMeOHそれぞれからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(18%)、融点159〜160℃として得られた。
【0095】
実施例19
メチル 4−N−(6’−シクロヘキシルメトキシプリン−2’−イル)アミノベンゾアート(NU6118)
メチル−4−アミノベンゾアートおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗生成物をMeOH添加によって沈殿させた。溶離液としてDCM:MeOH(9:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィ、その後、MeOHからの再結晶により精製し、標題化合物がオフホワイト固体(8%)、融点244−246℃として得られた。
【0096】
実施例20
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)プリン(NU6119)
3−クロロ−4−フルオロアニリンおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(21%)、融点225〜226℃として得られた。
【0097】
実施例21
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−ハイドロキシアニリノ)プリン(NU6120)
4−アミノフェノールおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(51%)として得られた。
【0098】
実施例22
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−シアノメチルアニリノ)プリン(NU6121)
4−アミノフェニルアセトニトリルおよびn−BuOHを用いて一般操作Aに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流して、粗化合物をMeOH添加によって沈殿させた。MeOHからの再結晶により、標題化合物がオフホワイト固体(17%)として得られた。
【0099】
実施例23
4−(6−シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)安息香酸(NU6147)
下記のようにNU6118をケン化することによって調製した:KOHのEtOH(2当量)溶液をNU6118の氷冷THF溶液に滴下し、この混合物を24時間攪拌した。水を添加し、溶液をHCl水溶液によって中和した。混合物をDCMによって抽出し、有機層をまとめてMgSO4によって乾燥させ、真空中で蒸発させ、標題化合物(41%)を得た。
【0100】
実施例24
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(4’−スルファモイルアニリノ)プリン(NU6102)
n−BuOH/グリセロールとスルファニルアミドの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を4.5日間加熱還流した。粗化合物をEt2Oおよびペトロールの混合物によって洗浄し、熱水から再結晶させ、標題化合物を白色固体(60%)、融点152〜154℃として得た。
【0101】
実施例25
4−(6’シクロヘキシルメチルプリン−2−イル)アミノアセトフェノン(NU6125)
n−BuOHと1−(4−アミノフェニル)エタノン(実施例1由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を0.5日間加熱還流した。粗生成物を熱水で洗浄し、標題化合物を黄色粉末(61%)、融点236〜238℃として得た。
【0102】
実施例26
メチル−4−〔(6’−シクロヘキシルメチルプリン−2−イル)アミノ〕フェニルスルホキシド(NU6126)
n−BuOHと4−(メタンスルフィニル)フェニルアミン(実施例4由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗生成物を溶離液としてEtOAc:ペトロール(95:5)次にDCM:MeOH(9:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を茶色固体(46%)、融点150〜152℃として得た。
【0103】
実施例27
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(NU6127)
n−BuOHと4−アミノ−N−メチルベンゼンスルホンアミド(実施例2由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を溶離液としてEtOAc:ペトロール(1:1)を用いてシリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(27%)、融点>250℃(分解)として得た。
【0104】
実施例28
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(NU6128)
溶媒としてのn−BuOHとグリセロールの混合物を用いてかつ4−アミノ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミドを用いて、一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として1%MeOH/99%DCM、最大4%MeOH/96%DCM)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を茶色固体(12%)、融点151〜153℃として得た。
【0105】
実施例29
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−エチルベンゼンスルホンアミド(NU6129)
n−BuOHと4−アミノ−N−エチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として40%EtOAc/60%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(45%)、融点245〜247℃として得た。
【0106】
実施例30
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−2−イルアミノ)−N−イソブチルベンゼンスルホンアミド(NU6130)
n−BuOHと4−アミノ−N−イソブチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(17%)、融点240〜242℃として得た。
【0107】
実施例31
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−シクロプロピルベンゼンスルホンアミド(NU6131)
n−BuOHと4−アミノ−N−シクロプロピルベンゼン−スルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(38%)、融点220〜221℃として得た。
【0108】
実施例31
N−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(NU6132)
n−BuOHと4−アミノ−N−(3−クロロフェニル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(16%)、融点248〜249℃として得た。
【0109】
実施例32
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピルベンゼンスルホンアミド(NU6133)
n−BuOHと4−アミノ−N−プロピルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(32%)、融点207〜208℃として得た。
【0110】
実施例33
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(テトラハイドロフラン−2−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6134)
n−BuOHと4−アミノ−N−(テトラハイドロフラン−2−イルメチル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(32%)、融点134〜136℃として得た。
【0111】
実施例34
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−メトキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6135)
n−BuOHと4−アミノ−N−(2−メトキシエチル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAC/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(16%)、融点120〜122℃として得た。
【0112】
実施例35
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンズアミド(NU6136)
n−BuOHと4−アミノ−N,N−ジメチルベンズアミド(実施例3由来)を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として40%EtOAc/60%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(32%)、融点184〜186℃として得た。
【0113】
実施例36
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)ベンズアミド(NU6141)
n−BuOHと4−アミノベンズアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を16時間加熱還流した。粗生成物をEt2O/ペトロールの混合物で洗浄し、Et2O/EtOHから再結晶し、標題化合物を白色固体(46%)、融点156〜158℃として得た。
【0114】
実施例37
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピルベンズアミド(NU6142)
n−BuOHと4−アミノ−N−プロピルベンズアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(50%)、融点226〜228℃として得た。
【0115】
実施例38
〔3−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)フェニル〕メタノール(NU6151)
n−BuOH/グリセロールと(3−アミノ−フェニル)メタノールの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。冷却後、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、混合物をEtOAcによって抽出し、乾燥させ(MgSO4)、有機層をまとめて蒸発させた。真空中有機層について、粗化合物をEt2Oによる粉砕によって精製し、ろ過後標題化合物を白色固体(59%)として得た。
【0116】
実施例39
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−(N−ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(NU6154)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミドの混合物を用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流し、冷却後、溶媒を真空中で除去した。水を添加し、生成物をEtOAcによって抽出し、乾燥させた(MgSO4)。有機層をまとめて真空中で蒸発させた後、粗生成物を(溶離液として70%EtOAc/30%ペトロール、最大100%EtOAc)シリカによるクロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(32%)として得た。
【0117】
実施例40
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチルベンズアミド(NU6139)
4−アミノ−N−メチルベンズアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をピンク色固体(29%)、融点139〜142℃として得た。
【0118】
実施例41
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジエチルベンズアミド(NU6140)
4−アミノ−N,N−ジエチルベンズアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡茶色固体(29%)、融点138〜140℃として得た。
【0119】
実施例42
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−エチルベンズアミド(NU6143)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−エチルベンズアミドの混合物を用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体(11%)、融点156〜158℃として得た。
【0120】
実施例43
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(NU6144)
n−BuOH/グリセロールと4−アミノ−N−(2−ハイドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミドの混合物を用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として5%MeOH/95%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(8%)、融点158〜160℃として得た。
【0121】
実施例44
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド(NU6145)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として5%MeOH/95%DCM、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(4%)、融点152〜154℃として得た。
【0122】
実施例45
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(NU6146)
n−BuOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノ−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。冷却後、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を(溶離液として50%EtOAc/50%ペトロール、最大100%EtOAc)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を白色固体(13%)、融点236〜238℃として得た。
【0123】
実施例46
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド(NU6152)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−フェニル−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体として得た。
【0124】
実施例47
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(NU6153)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−アミノ−N−(2,3−ジハイドロキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。生成物をEt2O/ペトロール混合物およびEtOHによる粉砕によって精製し、標題化合物を白色固体(11%)として得た。
【0125】
実施例48
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イル)−(4−メタンスルホニルフェニル)アミン(NU6155)
n−BuOH/グリセロール混合物と4−メタンスルホニルフェニルアミンを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。粗生成物を(溶離液として70%EtOAc/30%ペトロール、その後5%MeOH/95%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をベージュ色固体(4.5%)として得た。
【0126】
実施例49
N−ベンジル−4−(シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(NU6123)
EtOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノ−N−ベンジルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Dに従って調製した。この溶液を3日間加熱還流した。MeOHから再結晶させ、目的化合物をオフホワイト色固体(12%)、融点222〜224℃として得た。
【0127】
実施例50
4−〔(6−シクロヘキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)メチル〕ベンゼンスルホンアミド(NU6124)
n−BuOHおよびグリセロールの混合物と4−アミノメチルベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Dに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。黄色生成物をジエチルエーテルによって洗浄し、標題化合物を淡緑色固体(11%)、融点150℃(分解)として得た。
【0128】
実施例51
4−〔6−(2−メチル−シクロヘキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕ベンゼンスルホンアミド(NU6158)
O6−〔2−(2−メチル−シクロヘキシル)−エトキシ〕−2−フルオロプリンとスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(60%EtOAc/40%ペトロール、最大3%MeOH/97%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(15%)として得た。
【0129】
実施例52
4−(6−シクロヘキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド(NU6160)
(2、6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(3%MeOH/97%DCM)クロマトグラフィによって精製し、MeOHから再結晶させ、標題化合物を淡黄色固体(9%)、融点233℃として得た。
【0130】
実施例53
4−〔6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼン(3’−メトキシ)スルホンアミド(NU6161)
4−アミノ−2−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物を(50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を黄色固体(39%)、融点170〜173℃として得た。
【0131】
実施例54
4−〔6−(シクロヘキセ−3−エニルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド(NU6162)
O6−(2−シクロヘキセ−3−エニル−エトキシ)−2−フルオロプリンおよびスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(70%EtOAc/30%ペトロール、最大7%MeOH/93%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡茶色固体(2%)、融点165℃として得た。
【0132】
実施例55
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミド(NU6163)
4−アミノ−N−(2、2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を2日間加熱還流した。粗化合物(油)を(40%EtOAc/60%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、EtOAc−ペトロールから再結晶させ、標題化合物を淡ベージュ色粉末(65%)、融点223.2〜223.7℃として得た。
【0133】
実施例56
2−〔4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−フェニル〕アセタミド(NU6164)
2−(4−アミノ−フェニル)アセタミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物をエーテル−EtOAcから再結晶させ、標題化合物をベージュ色固体(6%)、融点233.5〜233.8℃として得た。
【0134】
実施例57
4−〔6−シクロペンチルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド(NU6166)
本反応の出発物質であるO6−(シクロペンチルメトキシ)−2−フルオロプリンを、実施例7と8に記載のO6−(シクロヘキシルメトキシ)−2−フルオロプリンと全く同様にただしシクロペンチルメタノール(4当量)をシクロヘキシルメタノールの代わりに用いて調製した。この化合物NU6166をその後、O6−(シクロペンチルメトキシ)−2−フルオロプリンとスルファニルアミドを用いて一般操作Bに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(70%EtOAc/30%ペトロール、最大7%MeOH/93%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物を淡黄色固体(6%)として得た。
【0135】
実施例58
4−(6−シクロヘキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチル−ベンズアミド(NU6167)
4−アミノ−N−(2(S)−ハイドロキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドを用いて一般操作Cに従って調製した。この溶液を1日間加熱還流した。粗化合物(油)を(50%EtOAc/50%ペトロール、最大10%MeOH/90%DCM)クロマトグラフィによって精製し、標題化合物をピンク色固体(29%)、融点139〜142℃として得た。
【0136】
(表1)
CDK1およびCDK2の2−アニリノプリン類による阻害
およびCDK2の2−アニリノプリン類による阻害
Claims (41)
- ほ哺乳類における癌および他の細胞増殖性疾患の治療に
有用なCDK阻害活性を有するプリン化合物で、前記化合物は、下記構造式I:
を有するかまたはその薬学的に許容できる塩および/またはそのプロドラッグ形状であり、式中
Xは、O、SまたはCHRx(式中、RxはHまたはC1−4アルキル)であり;
Dは、NZ1Z2(式中、Z1は、H、C1−4アルキル、C1−4ハイドロキシアルキル、無置換または置換アリルまたはヘテロアリル、および無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択され、Z2は、無置換または置換アリルまたはヘテロアリル、および無置換または置換アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択される)であり;
Aは、H、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、CH2(CH2)nOH(n=1−4)およびNRa1Ra2(Ra1およびRa2は、それぞれ独立してHまたはC1−4アルキル)から選択され;
Bは、H、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CF3、無置換または置換アリルまたは無置換または置換アラルキル、およびC=O互変転位を受けることができる水酸基から選択され:および
Yは、無置換または置換された4乃至8員の炭素環または複素環を含み、任意により大きな融合環構造の一部を形成してもよく、または、Yは無置換または置換直鎖または分枝状炭化水素鎖から構成される。 - Z1がHである請求項1記載のプリン化合物。
- Z2が無置換アリルまたは下記から選択された少なくとも1個の置換基X’を有するまたは置換アリルである請求項2記載のプリン化合物:
アミノ、ハロ、シアノ、OHまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖;無置換または置換アリルまたはアラルキル;ハロ;OH;SH;C1−C6アシル;OR1;SR1;NR2R3:(CH2)qR2R3;NO2;N3;CN;O(CH2)qO(式中、(CH2)q部分は、1個以上の官能基によって任意に置換される);COR4;CONR5R6;(CH2)qCONR5R6;COOR4;SOR4;SO2R4およびSO2NR5R6
{式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、アミノ、OH、ハロ、またはC1−C4アルコキシ基から選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖を表し;R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、H;ハロ、OH、C1−4アルコキシまたはNR7R8から選択された1個以上の置換基で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル;C3−C8シクロアルキル;または無置換または置換アラルキル、アリルまたは無置換または置換5乃至7員複素環を含む基を表し;およびqは、1から6の範囲にあり;およびR7およびR8は独立して、H、OH、アミノまたは置換アミノによって任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖を表す}。 - 前記化合物が1個ないし3個の置換基類X’を含む置換アリルである請求項3記載のプリン化合物。
- Z2が置換または無置換フェニルである請求項3記載のプリン化合物。
- 前記化合物が下記に示した構造式IVを有する請求項1または2記載のプリン化合物:
および式中、X’は、H、またはアミノ、ハロ、シアノ、OHまたはC1−C4アルコキシから選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖;無置換または置換アリルまたはアラルキル;ハロ;OH;SH;C1−C6アシル;OR1;SR1;NR2R3:(CH2)qR2R3;NO2;N3;CN;O(CH2)qO(式中、(CH2)q部分は、1個以上の官能基によって任意に置換されている);COR4;CONR5R6;(CH2)qCONR5R6;COOR4;SOR4;SO2R4およびSO2NR5R6
{式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、アミノ、OH、ハロまたはC1−C4アルコキシ基から選択された1個以上の置換基類で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖を表し;R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、H;ハロ、OH、C1−4アルコキシまたはNR7R8から選択された1個以上の置換基で任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル;C3−C8シクロアルキル;または無置換または置換アラルキル、アリルまたは無置換または置換5乃至7員複素環を含む基を表し;およびqは、1から6の範囲にあり;およびR7およびR8は独立して、H、OH、アミノまたは置換アミノによって任意に置換されていてもよいC1−C6直鎖または分枝状アルキル鎖を表す;およびGはCHまたはNである}を表す。 - GがCHである請求項6記載のプリン化合物。
- 少なくとも1個の置換基X’が4’またはパラ位に存在する請求項6または7記載のプリン化合物。
- X’、R1、R2、R3、R4、R5またはR6のいずれかひとつが3個のハロ置換基類により置換されたC1−C6アルキル基を表す請求項3乃至8記載のプリン化合物。
- 3個のハロ置換基類により置換された前記アルキル基が、CF3またはCH2CF3から選択される請求項9記載のプリン化合物。
- R4、R5またはR6が独立して、N、OまたはSから選択された1個の以上のヘテロ原子を有する無置換または置換複素環を含む基を表す請求項3乃至8のいずれか1項に記載のプリン化合物。
- 前記複素環がC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロ、OHおよびアミノから選択された1個以上の置換基類によって任意に置換される請求項11記載のプリン化合物。
- 前記基がヘテロアリルまたはヘテロアラルキル基である請求項11または12記載のプリン化合物。
- R5およびR6が連結して5乃至7員の複素環を形成する請求項3または6記載のプリン化合物。
- R7またはR8が連結して5乃至7員の複素環を形成する請求項3または6記載のプリン化合物。
- 前記複素環がN、OまたはSから選択された1個以上の追加のヘテロ原子を含む請求項14または15記載のプリン化合物。
- 前記複素環がピペリジノまたはモルホリノ環構造である請求項14または15記載のプリン化合物。
- 2個の置換基類X’が隣接炭素原子上に存在しかつ連結して環状置換基を形成する請求項3乃至7記載のプリン化合物。
- Yが極性水酸基置換基類を含む環構造を含む上記全ての請求項に記載のプリン化合物。
- Yがシクロアルカンまたはシクロアルケン環である上記全ての請求項に記載のプリン化合物。
- Yが1個または2個の二重結合を有する5または6員のシクロアルカンまたはシクロアルケン環である上記全ての請求項に記載のプリン化合物。
- 前記シクロアルカンまたはシクロアルケン環中の炭素原子類の1個または2個がヘテロ原子類または基類によって置換されていることを除いて請求項22または23に記載のプリン化合物。
- 前記へテロ原子類または基類が、O、S、NR’(式中、R’は、HまたはC1−4アルキル)およびシクロアルケン環中の−N=から選択される請求項24記載のプリン化合物。
- Yが、置換された4乃至8員の炭素環または複素環であり、ここで前記または各置換基がH、C1−4アルキル、OH、C1−4アルコキシ、ハロゲン、CF3、CN、N3およびNRy1Ry2(式中、Ry1およびRy2が、それぞれ独立してHまたはC1−4アルキルである)から選択される請求項1記載のプリン化合物。
- 前記置換基類のうちの2個が前記環の隣接原子上にあり、かつ、連結して追加の融合炭素環または複素環構造を形成する請求項26記載のプリン化合物。
- AがHであり、BがHでありおよびXがOである上記全ての請求項に記載のプリン化合物。
- 前記プリン化合物がさらに下記の特徴のひとつによって特徴付けられる上記全ての請求項に記載のプリン化合物:
(i)存在する時にはアリル置換基類はフェニルであり;
(ii)存在する時にはアラルキル置換基類はベンジルであり;
(iii)存在する時にはハロ置換基類がフッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子類から選択される。 - 前記化合物が下記のひとつであるプリン化合物:
2−アニリノ−6−シクロヘキシルメトキシプリン
2−(3’−ブロモアニリノ)−6−シクロヘキシルメトキシプリン
6−シクロヘキシルメトキシ−2−(3’−クロロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−エチルアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メトキシアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−メチルメルカプトアニリノ)プリン
メチル 4−N−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノベンゾアート
6−シクロへキシルメトキシ−2−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)プリン
6−シクロへキシルメチルオキシ−2−(4’−ハイドロキシアニリノ)プリン
4−(6−シクロへキシル−メトキシプリン−2−イル)アミノ−アセトフェノン
6−シクロへキシルメトキシ−2−(4’−スルファモイルアニリノ)プリン
N−ベンジル−4−(シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
4−〔(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)メチル〕−ベンゼンスルホンアミド
メチル−4−〔(6’−シクロへキシルメトキシプリン−2−イル)アミノ〕フェニルスルホキシド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシプリン−2−イルアミノ)−N−イソブチル−ベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−シクロプロピル−ベンゼンスルホンアミド
N−(3−クロロフェニル)−4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド.
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジメチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−メチルベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N,N−ジエチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−プロピル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−エチル−ベンズアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−安息香酸
〔3−(6−シクロへキシルオキシメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−フェニル〕メタノール
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−フェニルベンゼン−スルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジハイドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−(N−ピリジン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イル)−(4−メタン−スルホニルフェニル)アミン
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(3−ジエチルアミノプロピル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−(−2−メチル−シクロへキシルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,6−ジメチルピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−〔6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼン(3’−メトキシ)スルホンアミド
4−〔6−(シクロへキセ−3−エニルメトキシ)−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−ベンゼンスルホンアミド
2−〔4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)〕−フェニルアセタミド
4−〔6−シクロペンチルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ〕−ベンゼンスルホンアミド
4−(6−シクロへキシルメトキシ−9H−プリン−2−イルアミノ)−N−(2−ハイドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド - 治療用に使用するための請求項1乃至32記載のプリン化合物。
- 癌類または他の細胞増殖性疾患類の治療用活性薬剤物質としての用途のためである請求項1乃至32記載のプリン化合物。
- 癌類または他の細胞増殖性疾患類の治療用医薬の製造における請求項1乃至32記載のプリン化合物の用途。
- 請求項1乃至32記載のプリン化合物の有効CDK阻害量を薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む薬剤処方または組成物。
- 前記処方または組成物が、非経口投与用に適応させてある請求項36記載の薬剤処方または組成物。
- 請求項1乃至32記載のプリン化合物の有効CDK阻害量を薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む単位投与量薬剤処方または組成物。
- 癌類または他の細胞増殖性疾患類の治療用請求項36乃至38のいずれか1項に記載の薬剤処方または組成物。
- 癌類または他の細胞増殖性疾患類の治療用薬剤処方または組成物の製造方法で、前記方法は、請求項1乃至32のいずれか1項に記載のプリン化合物を薬学的に許容できる添加物、担体、希釈剤または賦形剤と混合する段階を含む。
- 治療を必要とするほ乳類に対して請求項1乃至32のいずれか1項に記載のプリン化合物またはその薬学的に許容できる塩またはプロドラッグ形状の治療有効すなわちCDK阻害量を投与することを含む治療方法。
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