JP2004517666A - 分配シリンジ - Google Patents

Abstract

【課題】分配シリンジ（１０）は、バレル（２０）を有しており、このバレル（２０）は、相補的なキー面（４２）を有している把持組立体（４０）に、キー（３１，３２）締めされる。異なる直径の二重螺子（６１，６２）を有しているナットが、バレル（２０）の一方の端部に螺着させられると共に、螺合するように螺子（７１）を刻設されているプランジャ（７０）を受容する。プランジャ（７０）の回転は、螺合している螺子（６２，７１）の相互作用により、バレル（２０）内でそれが前進することを引き起こす。把持組立体（４０）は、シリンジ（１０）の取扱い及び操作を容易にする翼状突出部（５０）を設けられている。相補的にキーを形成されている面（３１，３２及び４２）は、物理的に相互作用し、もって、使用している間に、把持組立体（４０）がバレル（２０）の回りで回転し又は捩れるのが、防止される。

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、一般的には、流動性材料を分配するのに使用されるシリンジに向けられている。より具体的には、本発明は、螺子を刻設されているプランジャを有しているシリンジであって、材料をシリンジから押し出すのに使用されるものに向けられている。より特定的には、本発明は、翼状把持組立体を備えているシリンジであって、ユーザによるシリンジの向上した取扱性及び操作性をもたらすものを含んでいる。
【０００２】
【発明の背景】
幾つかの競合しているシリンジ（例えば３Ｍ）は、翼状延長部を螺子込ナット上に配置しており、その螺子込ナットは、スクリュープランジャをシリンジのバレルに固定する。これは、望ましくない。何故ならば、それは、バレルを把持するのではなく、ナットを把持する使用法を、目指しているからである。そうすることにより、ナットは、静止状態に保たれ、そして、スクリュープランジャを回転させる摩擦力が、意図しないのに、ナットをバレルから後退させるべく作用する。別のシリンジ（Ｕｌｔｒａｄｅｎｔ、Ｃｏｓｍｅｄｅｎｔ 及び Ｖｉｖａｄｅｎｔ）は、摺動ナット機構であって、ナットをバレルに固定して、回転するのを防止するものを使用している。これは、望ましい。しかし、それは、シリンジをより良好に把持する使用法を、援助しない。Ｋｕｌｚｅｒ、Ｊｅｎｅｒｉｃ／Ｐｅｎｔｒｏｎ、及び３Ｍによって使用されているシリンジは、この同じ摺動ナット原理を組み入れているが、明らかにより良好な把持のための延長部をも組み込んでいる。しかし、それらは、有効であるには小さすぎるか又はユーザの手の中に快適にフィットするには厚すぎるかのいずれかである。本発明者の新規なシリンジにおける翼状延長部は、飛行機における翼のように薄く、そして、それらは、指の間に快適にフィットする。更に、それらは、バレルの一方の側部へオフセットされており、ユーザの手の中への快適なフィットをもたらす。他のシリンジ（Ｄｉｓｃｕｓ 及び Ｋｅｒｒ）は、螺子込バレルの端部上に螺子込ナットを単に有しているだけであり、ナットを後退させる傾向のある力に対して反対に作用すべきことは何もしていない。
【０００３】
【発明の概要】
従って、本発明の目的は、歯科用材料又は他の材料を分配するのに有用なシリンジを提供することである。
【０００４】
本発明の別の目的は、シリンジであって、そのユーザによって容易に且つ能率的に操作され得るものを提供することである。
【０００５】
本発明の更に別の目的は、材料の分配に有用なシリンジであって、シリンジを把持するための改良された構造体を設けられているものを提供することである。
【０００６】
本発明のこれらの及び他の目的であって、本議論から明らかになるであろうものは、以下に記載されている本発明によって達成される。
【０００７】
概して、分配シリンジは、バレルを具備しており、このバレルは、その中に通し内腔を有しており、この通し内腔は、バレルの入口オリフィスと出口オリフィスとの間を延在している。バレルは、また、入口オリフィスの近傍位置に、雄キー・螺子部を設けられている。内腔を有している把持組立体が、設けられており、この把持組立体は、前記バレル上へ、前記把持組立体の前記内腔を通して前記バレルを通過させることにより、受容され得る。前記把持組立体の内腔は、前記バレルの雄キー部の少なくとも部分と相補的な形状を有しており、もって、把持組立体が前記バレル上へ受容されると、前記バレルの入口オリフィスの近傍にある前記雄キー・螺子部は、前記把持組立体の内腔の前記相補的内側部分と物理的に係合する。前記バレルの入口オリフィスの近傍にある前記雄キー・螺子部の螺子部は、十分な長さのものであり、もって、相補的キー関係において前記把持組立体が前記バレル上へ受容されると、前記バレルの螺子部の少なくとも一部が、前記把持組立体を通り且つこの把持組立体を物理的に越えて延在する。把持組立体は、少なくとも２つの対向している翼状突出部あって、この把持組立体から延出しているものを有しており、この場合、各前記翼状突出部は、少なくとも１つの表平面であって、他方の翼状突出部の同様の表平面に対して角度をなして配置されている。シリンジは、また、ナットを備えており、このナットは、同軸に配置されている第１直径螺子と第２直径螺子とをその中に有していると共に、ナット通し内腔をその中に有しており、もって、前記ナットは、その前記第１同軸螺子と前記バレルの前記雄螺子との間の螺合係合状態で、前記バレル上へ受容され得る。シリンジは、更に、雄螺子を刻設されているプランジャを具備しており、このプランジャは、前記ナット内に受容され得、この場合、プランジャの雄螺子は、前記ナットの前記第２同軸螺子と螺子作用で相互作用し且つ協働する。前記プランジャの前記螺子と前記ナットの前記第２同軸螺子とであって、一の方向に前記プランジャを回転させつつあるような協働配置状態にあるものは、前記プランジャが、前記ナットの前記内腔内で、従って、前記バレルの前記通し内腔内で前進することを引き起こす。これにより、前記通し内腔内に収容されている材料は、前記バレルの前記出口オリフィスに向けて押され即ち移動させられ、もって、そこから分配されよう。
【０００８】
【発明を実施するための好適な実施形態】
本発明に係るシリンジが、添付図面において、数字１０によって全体的に指示されている。シリンジ１０は、その個々の部品を、適切なプラスチック、ゴム又は他の同様な材料から成形することにより、好適に作られている。あらゆる材料が、本発明の範囲内である。
【０００９】
シリンジ１０は、あらゆる流動性材料を分配するのに有用であるが、水よりも大きい粘度を有している流動性材料（例えば、ペースト、パテ等）を分配すべく特に構成されている。そのような材料が、図面（図２）において材料１１として表されている。そのような材料を重力のみの影響の下で流さしめるのは、多分長い時間を掛けることのみを除いて、多くの場合、困難である。これらの材料のうちの或る物（例えば、歯科用充填材等）は、本発明のシリンジによって分配され得る。広く言えば、本発明は、材料１１を貯蔵し、移送し且つ分配するシリンジ１０を提供する。
【００１０】
分配シリンジ１０は、その中に通し内腔２１を有しているバレル２０を具備しており、その通し内腔２１は、バレル２０の入口オリフィス２２と出口オリフィス２３との間を延在していると共に、これらの入口オリフィス２２と出口オリフィス２３とを接続している。バレル２０は、また、入口オリフィス２２の近傍位置に、雄キー・螺子部３０を設けられている。キー構造は、多くの技術において周知であり、そして、キー・螺子部３０は、どのような形状又は設計のものであってもよい。一の好適なキー部３０は、真っ直ぐな壁部３１及び３２を備えており、これらの壁部３１及び３２は、バレル２０の両側に、互いに離隔させられている、対向させられている且つ平行な態様で位置させられている。キー部３０は、また、ストップ壁部３３を備え得、このストップ壁部３３の機能は、以下で、より十分に説明されよう。バレル２０は、また、バレル２０の入口オリフィス２２の近傍位置に、雄螺子３４を好適に設けられており、この雄螺子３４の機能も、後述されよう。
【００１１】
内腔４１を有している把持組立体４０が、用意されており、把持組立体４０は、この把持組立体４０の内腔４１を通してバレル２０を通過させることにより、バレル２０上へ受容され得る。把持組立体４０の内腔４１は、好適に、バレル２０の雄キー部３０の少なくとも部分と相補的な形状になされており、もって、把持組立体４０がバレル２０上へ受容されると、バレル１０の入口オリフィス２２の近傍にある雄キー３０・螺子部３４は、把持組立体４１の内腔４０の相補的な内側部分と物理的に係合する。一実施形態によると、内腔４１は、側壁部４２によって少なくとも部分的に画成されており、それらの側壁部４２は、バレル２０の真っ直ぐな壁部３１及び３２と、相補的に離隔させられている、平行な且つ対向している関係にあるものである。認識されるであろうように、バレル２０にキー締めされることにより、表面即ち壁部３１，３２及び４２間の相互作用が、使用時に、バレル２０上で把持組立体４０が捩れる又は回転するのを防止しよう。
【００１２】
バレル２０の入口オリフィス２２の近傍にある螺子部３４は、十分な長さのものであり、もって、記載され且つ図面に示されているような相補的キー関係において把持組立体４０がバレル２０上へ受容されると、以下の議論において明らかになるであろうところの理由により、バレル２０の螺子部３４の少なくとも一部が、把持組立体４０を通り且つこの把持組立体４０を物理的に越えて延在する。
【００１３】
把持組立体４０は、少なくとも２つの対向している翼状突出部５０であって、その把持組立体４０から延出しているものを好適に有しており、この場合、各翼状突出部５０は、少なくとも１つの表面５１を有しており、この表面５１の平面は、他方の翼状突出部５０の同様の表平面に対して角度をなして配置されている。即ち、翼状突出部５０は、好適に、互いに他方に対して角度をなして把持組立体４０から延出している。
【００１４】
シリンジ１０は、また、ナット６０を備えており、このナット６０は、同軸に配置されている第１直径螺子６１と第２直径螺子６２とをその中に有していると共に、ナット通し内腔６３をその中に有している。ナット６０は、その第２同軸螺子６２とバレル２０の雄螺子３４との間の螺合係合状態で、バレル２０上へ受容され得る。
【００１５】
シリンジ１０は、更に、雄螺子を刻設されているプランジャ７０を有しており、このプランジャ７０は、雄螺子７１を有していると共に、ナット６０の内腔６３内に受容され得、この場合、プランジャ７０の雄螺子７１は、ナット６０の第１同軸螺子６１と螺子作用で相互作用し且つ協働する。プランジャ７０の螺子７１とナット６０の第１同軸螺子６１とであって、矢印７２によって示されている方向のような一の方向に前記プランジャを回転させつつあるような協働配置状態にあるものは、プランジャ７０が、ナット６０の内腔６３内で、従って、バレル２０の通し内腔２１内で前進することを引き起こす。これにより、通し内腔２１内に収容されている材料１１は、バレル２０の出口オリフィス２３に向けて押され即ち移動させられ、もって、そこから分配されよう。ユーザ（図示せず）は、そのような行為を容易にすべく、把持組立体４０を把持し得る、特に、そのような操作においては翼状突出部５０を利用するであろう、ということが、認識されよう。
【００１６】
翼状突出部５０は、必ずしも、記載され且つ図示されているように互いに他方に対して角度をなさしめられていなくてもよいが、好適に、そのように角度をなさしめられている。互いに他方に対して、翼状突出部５０は、対称であっても、非対称であってもよいが、図示されているように、角度をなさしめられており且つオフセットされているのが、好ましい。この位置は、便利且つ快適な親指レストをユーザにもたらすと共に、ユーザによって所望され得る多数の方法でシリンジ１０が保持され且つ操作されるのを可能にする。複数の、好適に２つの翼状突出部５０を用いることにより、シリンジ１０は、右利き又は左利きのユーザによって同等に使用され得る、ということも、認識されよう。翼状突出部５０は、把持組立体４０と一体に成形され又は他の方法で形成されているが、それらは、また、別体の形でそれに物理的に固定され得る、ということも、理解されよう。また、ナット６０の設計は、当業界において知られている摺動タイプ（図示せず）のものであってもよく、やはり本発明の範囲内であり得る。
【００１７】
シリンジ１０は、また、プランジャ７０の一端部にピストン８０を設けられ得ると共に、プランジャ７０にスナップ嵌めされ得又は他の方法で接続され得る。図示されていないが、プランジャ８０は、プランジャ７０に接続されていなくてもよいが、いずれの場合においても、使用されるならば、上述した内腔２１内での材料１１の移動を容易にすべく、材料１１とプランジャ７０との間で、バレル２０の通し内腔２１内に好適に置かれる。
【００１８】
本発明の一の好適な側面によると、翼状組立体４０は、ストップ肩部８１であって、側壁部４２によって好適に形成されているものを設けられており、そのストップ肩部８１は、把持組立体４０がバレル２０上に適切に位置させられ且つ受容されると、バレル２０のストップ壁部３３と物理的に係合すべく作用する。このように、ストップ壁部３３の位置は、前もって決められており、もって、組み立ての間、把持組立体４０は、この把持組立体４０とストップ壁部３３との間の物理的且つ制限的な係合が達成されるまで、バレル２０上へ置かれる。バレル２０は、シリンジ１０の組み立ての前又は後のいずれかにおいて材料１１で満たされ、そして、キャップ８２が、材料１１を分配することが所望されるまで、出力オリフィス２３を塞ぐべく使用され得る。
【００１９】
本発明の別の側面は、プランジャ７０の回転を容易にすべく、回転ノブ９０をプランジャ７０に設けることである。ノブ９０は、また、インサート９１を設けられ得る。インサート９１は、どのような材料であってもよいが、好適に、ノブ９０におけるユーザの把持を向上させるゴム様材料のものである。インサート９１は、また、バレル２０内の材料１１の表示としてカラーコード化され得る。図示されていないが、翼状突出部５０又はシリンジ１０の他の部分も、同様のインサート９１を設けられ得る。
【００２０】
材料を分配するシリンジが、上述した本発明の目的を達成すると共に、当業界に進歩をもたらす、ということは、明らかであろう。本明細書に記載され且つ図示されているシリンジは、本発明の全ての側面であって、変形させられ得且つそれでもなお本発明の範囲内にあるものを、必ずしも描写していない。従って、本発明の範囲は、請求項によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明に係る分配シリンジの種々の協働する部品の分解斜視図である。
【図２】
請求項１に係る、組み立てられたシリンジの斜視図であって、環境目的のためにその出口オリフィスから分配されつつある材料を示しているものである。
【図３】
図１の組み立てられたシリンジの側面図である。
【図４】
図１の組み立てられたシリンジの底面図である。
【図５】
図３のシリンジの背面図である。
【図６】
図１のシリンジと共に使用されるナットの側断面図である。

Claims (4)

1. 分配シリンジであって、
   バレルであって、前記バレルは、その中に通し内腔を有しており、この通し内腔は、前記バレルの入口オリフィスと出口オリフィスとの間を延在していると共に、これらの入口オリフィスと出口オリフィスとを接続しており、前記バレルは、また、前記入口オリフィスの近傍位置に、雄キー・螺子部を設けられている、もの、
   を具備しており、
   内腔を有している把持組立体が、設けられており、この把持組立体は、前記バレル上へ、前記把持組立体の前記内腔を通して前記バレルを通過させることにより、受容され得、
   前記把持組立体の前記内腔は、前記バレルの前記雄キー部の少なくとも部分と相補的な形状を有しており、もって、前記把持組立体が前記バレル上へ受容されると、前記バレルの入口オリフィスの近傍にある前記雄キー・螺子部は、前記把持組立体の前記内腔の前記相補的内側部分と物理的に係合し、
   前記バレルの前記入口オリフィスの近傍にある前記雄キー・螺子部の前記螺子部は、十分な長さのものであり、もって、前記相補的キー関係において前記把持組立体が前記バレル上へ受容されると、前記バレルの前記螺子部の少なくとも一部が、前記把持組立体を通り且つこの把持組立体を物理的に越えて延在し、
   前記把持組立体は、少なくとも２つの対向している翼状突出部あって、この把持組立体から延出しているものを有しており、この場合、各前記翼状突出部は、少なくとも１つの表平面であって、他方の翼状突出部の同様の表平面に対して角度をなして配置されており、
   前記シリンジは、また、ナットを備えており、このナットは、同軸に配置されている第１直径螺子と第２直径螺子とをその中に有していると共に、ナット通し内腔をその中に有しており、もって、前記ナットは、その前記第１同軸螺子と前記バレルの前記雄螺子との間の螺合係合状態で、前記バレル上へ受容され得、
   前記シリンジは、更に、雄螺子を刻設されているプランジャを具備しており、このプランジャは、前記ナット内に受容され得、この場合、前記プランジャの前記雄螺子は、前記ナットの前記第２同軸螺子と螺子作用で相互作用し且つ協働し、
   前記プランジャの前記螺子と前記ナットの前記第２同軸螺子とであって、一の方向に前記プランジャを回転させつつあるような協働配置状態にあるものは、前記プランジャが、前記ナットの前記内腔内で、従って、前記バレルの前記通し内腔内で前進することを引き起こす、
   シリンジ。
2. 前記バレルが、ストップ壁部であって、前記把持組立体が前記バレル上へ受容される際に前記把持組立体と物理的に係合するものを設けられている請求項１のシリンジ。
3. 前記プランジャが、一方の端部にピストンを設けられており、前記ピストンは、前記バレルの前記通し内腔内に受容され得る請求項１のシリンジ。
4. 前記プランジャが、その一方の端部に回転ノブを設けられている請求項１のシリンジ。

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