JP2004517499A - 携帯通信装置のケース - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、パーソナル通信装置と、そのハウジングに関する。
【0002】
(背景技術)
ここ数年、携帯電話から電子手帳にいたるまで、パーソナル通信装置は、エリートの持ち物から一般的な道具へと変化してきた。しかし、その数年間で、ケースの設計基準はあまり変化してこなかった。
このタイプの通信装置のケースは、何よりも組み立て易さ、耐久性、コストに配慮して設計されている。元来、ケースはモールド部品から作られてきた。なぜなら、モールド部品は自動化された生産に適しており、自動で簡単に組み立てられるからである。使用されているプラスチック材料も比較的柔軟で弾力性に富んでおり、使用頻度が高い個人用携帯用装置が受けざるを得ない衝撃に耐えるようになっている。こうした設計基準は、同様の装置に使われるケースがすべて似たようなタイプのものとなってしまうという結果を招いてきた。
【0003】
(発明の開示)
本発明によって提供されるのは、携帯通信装置のエンジンを収容するための内部空間を区画するケースである。このケースは、ユーザ入力部材を有する操作面を備えている。また、スペーサ部材に対する動きに対抗するように配置され、前記スペーサ部材により分離された一対の強化部材を備えている。これによって、ケースはたわみに対して強くなる。
【0004】
本発明は、ケースを強化するための機構を提供する。ケースは特に縦方向の柔軟性に対する保護を提供する。縦方向の柔軟性は、基本的に横方向よりも縦方向に長いハンドヘルド装置にとって、ケースの形成に脆い材料が使用される場合に問題となる。これは特に、ケースを形成する材料のうち少なくともいくつかがフレキシブルでなく、比較的脆い場合に当てはまる。
【0005】
一対の強化部材を、強化部材の間に位置するスペーサ部材に対する動きに対抗するように固定することによって、スペーサ部材の面における屈曲やたわみに対する強度がかなり向上する。また、ねじれに対する強度もいくらか増す。組み立ての強度は分離距離に関係する。分離体が、対の部材の相対的な位置を維持するのに十分な強度を持っているのであれば、強度は分離距離と比例して増す傾向にある。強化部材を分離させることによって、2つの部材の間に起こる屈曲は最小限度に抑えられる。その際、それがどんな屈曲であっても、屈曲の内側の部材は圧縮され、屈曲の外側の部材は拡張される。これは、強化部材とスペーサ部材との間にずれがなければ効果をもたらすであろう。このずれは、1つの部材が別の部材に対して滑ったり、1つの部材が他の部材から離れて屈曲する結果生じる。対になった強化部材に関係する動きに対してスペーサ部材を保持する結合は、曲がる力の範囲全体の結合を維持するのに十分なほど強くなければならない。
【0006】
スペーサ部材に対する動きに対抗するように固定された一対の部材を曲げるのに必要とされる力は、各部材をそれぞれ曲げるのに必要な力よりも大きい。組み立て品全体を曲げるのにはさらに大きな力が必要である。これは、組み立て品が強化部材を曲げるためには、その長さに沿って拡張または圧縮する必要があるからである。
【0007】
ケースは一般的に縦と横に広がっている。縦方向の広がりは、横方向の広がりよりも著しく大きくてよい。こうした状況の下では、操作面における縦方向のたわみや屈曲を防ぐため、強化部材が操作面と背面とに平行であることが望ましい。したがって、対の強化部材は、操作面の横断面に分かれているのが望ましい。スペーサ部材の面は、ケースの屈曲が妨げられる面を区画してもよい。
【0008】
強化部材は、例えば棒や板であってもよい。細長い強化部材は、ケースの一部あるいは全体の周囲に広がってもよい。強化部材の広がりが大きければ大きいほど、たわみや屈曲から保護されるケースの部位が広くなる。細長い強化部材をケースの全体の周囲に設置することによって、ケースは横方向及び縦方向の屈曲から保護される。
強化部材がケースの周囲に位置していれば、強化部材は、さらに、ケースを形成するハウジング部材の端部を、組み立てられたハウジングの外面から見えなくすることができる。
【0009】
強化部材はケースの周りを囲むレールであってもよい。このレールは、連続的であってもよいし、あるいは部分的に切れていてもよい。レールは別々のケース部材の間に適切な形で挟まれ、一方がもう一方の上を滑るようなことがないように、定位置に固定される。強化部材は直接スペーサ部材に取り付けられてもよいし、又は、スペーサ部材に対して固定されるケースの他の部材に取り付けられてもよい。強化部材は、多くの実施例において、ケースの全部分を強化するようケースの周囲全体に及んでいる。しかし、本発明の実施例は、必要に応じて、ケースの特定部位を強化するためにも使用され得る。すると、例えば、ケースの周りを囲むレールの割れ目が耐久性をもつ。
【0010】
ハウジング部材が、フロント面と、背面と、フロント面と背面とを押し離して内部空間を創出するための側面部材とを備えている実施例においては、強化部材は、フロント面と側面部材および/または側面部材と背面の交点に設置されてもよい。そうすれば、対の強化部材は、側面部材のうちどちらかの側に容易に設置することができ、また、側面部材に対する動きから保護される。
【0011】
このケースは、従来の一部式ケースや折りたたみ型であってもよい。または、ユーザ入力部材やキーがディスプレイとは異なる面に位置するような、二部式以上のケースであってもよい。二部式の場合には、一方が他方に対して可動性をもつように互いのケース部分が取り付けられているのが一般的である。動かし方は、回転、または横向きである。
次に、本発明の実施例が、添付の図1乃至10を参照してより詳しく説明される。
【0012】
(発明を実施するための最良の形態)
図1に説明される実施例は、高価なケース2を備えた携帯通信装置1である。この装置のケース2は、個人の好みに応じて、高価な材料を使用してカスタマイズできるように設計されている。こうした装置を製作するには、従来の通信装置に比べ、より多くの外部部品がケースの形成に必要となる。
ケース2は、光透過性のフロント面3を有している。このフロント面3には、ディスプレイ部4からキーアレイ6を含む入力部5にいたるまで、継ぎ目がない。キーアレイ6は、電話番号の入力、テキストメッセージ(SMS)の入力、および(電話番号と関連した)名前の入力などに使用される英数字キー7の第1グループを含んでいる。12個の英数字キーにはそれぞれ、0〜9、#、*の符号が割り当てられている。アルファモードでは、それぞれのキーは、文書編集に使用される文字や特別な印と関連付けられている。キーアレイ6にはさらに、2つのソフトキー8及び9と、2つの呼処理キー10及び11と、2つのスクロールキー12と、電源キー13とが含まれている。
【0013】
ソフトキー8及び9の機能は、通信装置の状態、およびスクロールキー12を使用してアクセスするメニュー内の位置によって異なる。ソフトキー8、9の現在の機能は、すぐ上にあるディスプレイ部4にそれぞれ示される。
2つの呼処理キー10及び11は、通話や会議電話の確立、通話の終了や、着信呼を拒否するのに用いられる。
図示されたハンドセット中の2つの方向キー、すなわちスクロールキー12は、この通信装置のフロント面中央、つまりディスプレイ部4と一連の英数字キー7の間に位置し、スクロール機能を実行する。
【0014】
継ぎ目のないフロント面3は、光学的に継ぎ目のない導光板14から形成されている。この導光板14が発する光によって、ディスプレイ部4と、導光板14上のキー表示15が照らされる。表示15はキーアレイ6のそれぞれのキーに対応している。
フロント面3にはクッション16が被せられ、これが穴17にスピーカ18からの音を伝達するとともに、ユーザの耳の近くで使用される装置に適切な感触をもたらす。フロント面3は、貴金属から形成されるベゼル19に囲まれている。ベゼル19は、導光板14の端部を保護するとともに、いくつかの実施例においては、ケース2の部材を保護する働きももつ。
【0015】
この特別な実施例においては、ユーザがキーを感触で察知できるようになっている。設計の面でも、脆い材料、注意深く扱われるべき材料、損壊から保護されるべき材料を含めた、幅広い種類の材料から導光板14を作ることが可能になっている。
【0016】
ケース2は、ベゼル19と、側面フレーム20と、後部カバー21とに囲まれたフロント面3から形成されている。側面フレーム20とベゼル19、および側面フレーム20と後部カバー21の界面は、この実施例においては、レール22と23とによって保護されている。レール22及び23は、装置1に耐久性と上品さをもたせると同時に、未加工の端部を隠す役割も果たしている。必要な場合には内部のエンジン24を簡単に更新できるように、ケース2は開けることができる。また、ケース2は、異なる大きさや形のエンジン24が装置に使用できるようにも設計されている。このエンジン24は、装置が使用される限り必要となる。
【0017】
この設計の他の部材については、後の図面を参照しながら、より詳細に述べられる。前置きとして、機能的な部材を参照して、この装置について簡単に説明する。
通信装置1は、キーアレイ6、ディスプレイ25、アンテナ26、受話スピーカ18、多音スピーカ27、マイクロホン28を具備する。通信装置1は、ワイヤレスネットワークなどの無線電気通信網を経由した通信に適応する。しかし、この通信装置は、コードレスネットワーク用にも設計されている。図3は、通信装置1の部材を概略的・機能的に示したものである。マイクロホン28は、ユーザの音声を記録し、それによってアナログ信号が形成される。A/D変換機が、アナログ信号をA/D変換した後、音声がオーディオ部分29において符号化される。符号化された音声信号は、プロセッサ30に伝達される。プロセッサ30は、電話機中のソフトウェアをサポートする。プロセッサ30は、この装置の周辺装置ともインタフェースを形成する。周辺装置には、ランダムアクセスメモリ(RAM)31とフラッシュ読み出し専用メモリ(ROM)32、SIMカード33、ディスプレイ25、キーアレイ6、そしておそらくブラウザアプリケーション34と、ロケーションモジュール35が含まれるであろう。
【0018】
ブラウザアプリケーション34は、インターネットからの情報を要求したり受信したりするときに使用される。ロケーションモジュール35によって、端末1が現在の位置を決定することが可能である。
【0019】
プロセッサ30は、トランシーバ36と通信する。トランシーバ36は、たとえば電気通信ネットワークにおいて、メッセージの送受信を行うよう調整された回路などである。電気通信ネットワークは、GSMネットワークであってもよい。しかし、本発明は、他のネットワークとの接続にも適用できる。これは例えば、他の種類の無線ネットワークや様々なコードレス電話システム、あるいはこうしたシステムやネットワークにアクセスするデュアルバンド電話などである。オーディオ部29は、プロセッサ30からD/A変換機を経由して受話スピーカ18に送られる信号を、音声復号化する。
【0020】
図1に説明されている実施例は、サファイアや類似の貴石から形成され得る光透過性のフロント面3を有している。サファイアは、引っかき抵抗性と適切な光透過性という特性を持っており、利用可能である。導光板は装置にふさわしい外面を提供する。ガラスやセラミック材料、その他の鉱物、貴石も、サファイアと組み合わせて、あるいはサファイアの代わりに使用することができる。サファイアなどの鉱石が使われると、材料のもつ特性との関係上、追加的な問題が現れる。例えば、耐久性のある装置を設計する際、フロント面に脆い材料を使用すると、多くの困難が生じる。これは特に、フロント面の柔軟性を高めたり低下させたりするのに役立つ。
【0021】
図4からはっきりとわかるように、合成導光板51の第2層は、部品52乃至58からなる。これは、第2層51への脆い材料の使用を可能にする柔軟性を高める。説明される実施例においては、脆い部品はすべて、衝撃吸収に優れたプラスチックやチタンなどからつくられるキャリアに接着される。実施例においては、サファイアは、製造の簡易化のために、個々の部品52乃至58になる。
【0022】
合成導光板14の耐久性を高め、衝撃に対して強くするために、部品52乃至58は、さらにフレキシブルなパースペックス層37に接着される。このパースペックス層37は、受話スピーカ18を収容するための切り抜き38を有し、スピーカは耳の近くでの使用に適するよう調整されている。ライトパイプ拡散器39を収容する別の切り抜きもある。これらの部分は横幅いっぱいに広がる隙間59を残してパースペックス層37に接着されている。隙間59は蝶番のような働きをして、合成層14が縦軸に沿って比較的柔軟であるようにする。実施例においては、キーアレイ6の配列は、このことを考慮して設計されている。英数字キー7は、合成導光板51の第2層の横幅いっぱいに広がって3つ一組に配置される。機能キー、すなわちソフトキー8及び9も、3つずつ二組に配置される。ソフトキー8、9と、上のスクロールキー12aは、英数字キー7と同様に配置される。呼処理キー10、11と、下のスクロールキー12bは、他のキーとは異なって配置され、部材57のうち1つの下端を定めるとともに、部材56の別の1つの上端を定める。これによって、キー10、11、12bから成る第2列は、他とは異なったものになり、部材52乃至58の製造における問題を回避する。
【0023】
ここでの実施例は、サファイアなどの脆い材料を使用することを念頭に置いて設計されているが、示される配列は、プラスチックなど、必要とされる光学的特徴を備えるほかの材料からも形成され得る。同様に、開示されているような、創意に富んだ概念から離れることなく、異なるキー配列が使用されることもある。
【0024】
フロント面導光板14に脆い材料を使用する場合、フロント面3を残りのケース部材と接合する際に問題が生じる。この実施例においては、脆い部材52乃至58の端部は、ベゼル19によって保護されている。ベゼル19は面全体の周囲に及んでいる。ベゼル19は、ベゼルサポート60から形成されており、ベゼルサポート60は厚さ0.5ミリの金属板であるベゼルカバー61に覆われている。この金属板61は、プラスチック製のベゼルサポート60に、2液型エポキシ接着剤または2液型アクリル系接着剤などの接着剤を用いて接着されている。金属板61は比較的薄いので、ケース2の重量は軽く保たれ、チタンや金などの貴重な金属を比較的安い費用で使用することを可能にする。ベゼル19は、単一部品であっても良く、および/またはチタンなどの単一材料から形成されても良い。
【0025】
この実施例における透明な面3は、頑丈な機構によって、しっかりと定位置に保持されている。部材52乃至58が接着されているパースペックス層37は、唇状部分や端部62を有する部材によって覆われる領域を超えて広がり、合成導光板14全体に及ぶ。端部62は、フロント面の周囲を区画するベゼル19の下に押し込まれるとともに、ベゼル19と側面フレーム20の間に挟まれて、フロント面3を定位置に保つために使用される。
【0026】
図1に見られるように、ベゼル19はフロント面プロテクタ63を用いて強調されている。フロント面プロテクタ63の機能については、後でより詳しく述べる。フロント面プロテクタ63は、この実施例においては、ケース部材を一緒に留めておくという役割を果たしている。
【0027】
フロント面プロテクタ63は、ベゼル19上に広がる先端部分64と、ベゼル19を通ってプラスチックの側面フレーム20に達する軸65とを有している。軸65は、ナット95を使用してフレーム20に固定される。この場合、ナットはフロント面プロテクタが装置からはずれて落下するのを防止する。ある実施例においては、軸65は一端を先端64に、もう一端を側面フレーム部材20にネジで固定される。固定に関しては、他の方法がとられてもよい。軸65と先端64も、2つではなく1つの部品であってもよい。ベゼル19と透明な面2のパースペックス層37は、図8(b)にみられるように、フロント面プロテクタ63と側面フレーム部材20に収納される。したがって、フロント面プロテクタ63は、側面フレーム20とベゼル19の間に透明な面3をしっかりとグリップする。フロント面プロテクタ63は、キーアレイ6の隣にしか位置しない。透明な面3の周囲を保護するために、追加的なネジ66が、ベゼル19を側面フレーム20に近づけ、定位置で透明な面3を締め付けるために用いられる。ある実施例においては、ネジ66は側面フレーム20を貫通してベゼルサポート60に入り込む。いったんベゼルサポート60が側面フレーム20に固定されると、ベゼル19の外殻61は、はみ出したネジ66の端を隠すためにサポート60に接着される。あるいは、ベゼル19を、最初に支持材(部分組立品)に貼り付け、次に、この部分組立品をフレームに取り付ける。
【0028】
図に見られるように、さらにフレキシブルな透明基板37は、フロント面プロテクタ63と他のコネクタによって定位置に固定されているベゼル19によって覆われているが、サファイアはベゼル19と離隔して保持されている。これは、接触によってサファイアが削られたり損傷を受けるのを防ぐためである。サファイア部材の端部は、さらに傷つきやすい端部を保護するために、ベゼル19の端部の上には突き出さない。ここで説明される構成においては、透明な面3は、ベゼル19と側面フレーム20との間で定位置にある。しかし、さらにフレキシブルな基板37は、脆いサファイア層を傷つけることなく、他のフレーム部材に対して位置決めするネジや留め具を収納する。
【0029】
埃や流動体の進入を減らすため、ベゼル19と透明な面3との間には封止剤が用いられる。封止剤を入れる方法の1つは、ベゼル19の底面に下地塗料を塗ることである。乾いていれば、ベゼル19と側面フレームが一緒に引っ張られるときに、透明な導光板14とベゼル19との間が固められる。
【0030】
図6、7または8にみられるように、第1のレール22は、側面フレーム部材20とフロント面3との界面に位置している。第2のレール23は側面フレーム部材20と背面21との間に設置される。各レールは側面フレームと他のケース部材との間にトラップされ、側面フレームの平面において側面ケース部材に対する動きを妨げるようになっている。フレームの端部に沿った側面フレームに対する動きに対しても、レールの穴70にはめ込まれているフロント面及び背面上のピン99によって制限が加えられる。レールは、ケースを縦方向の屈曲に対して強化するのに適した材料で、装置の長さに沿った屈曲から作られている。レールを側面フレームのどちらか一端に固定することによって、ケースが屈曲する場合に生じる必要のある圧縮や拡張の度合いが大きくなる。側面フレームの中心は、最小限度のたわみを示す。また、上下のレールには、これに対応してより大きな拡張や圧縮が生じる。こうした拡張や圧縮は、中心からの距離によって拡大する。レールの材料と構造を適切に選択することによって、側面部材との結合や、材料の見地からの特性、そして、側面フレームによって提供される離隔距離と、ケースの柔軟性は、必要とされる程度まで抑制される。
【0031】
ケースを強化するのに加え、実施例のレール22及び23の形は、部品間の切れ目を隠すとともに、装置1の耐久性を高めるために、傷つきやすい端部を保護する。レール22は断面がT字型になるよう削られた金属で、側面フレーム20の周囲に広がっている。T字68の幹は、側面フレーム部品20とベゼル19が組み立てられて一まとめにされる際に、両者の間に捕らわれている。T字の幹には穴70がある。側面フレーム20上の突起71と対応する穴70は、定位置にあればかみ合うようになっている。T字の先端は、キャリア板として機能する。これには、追加的に押し出された部品72が結合あるいは継ぎ目のないように接着される。T字の幹は、代わりにプラスチック材料から形成されてもよい。その場合には、押し出された部品を幹に接着するのに接着剤を用いることが可能である。他の実施例においては、レールは単一の部材から作られてもよい。レールは単一体でもよいし、複数の部材からなっていてもよい。レールの形は、ケースに必要とされる強度がもたらされるのであれば、重要ではない。上のレール22をオーバーレイするベゼル19は、レールに追加的な強度を提供し、それによってケースにも強度が備わる。
【0032】
この実施例において、側面フレーム部材20は外面カバー74を備えたプラスチックサポート73である。カバー74は金属のシートでもよいし、木の化粧張りや皮革のような別の層から作られてもよい。この層をプラスチックのフレーム部材73に接着するのに最も適した接着剤は、接着される材料によって異なるであろう。金属をプラスチックに接着するのに適した接着剤は、2液型エポキシ樹脂または2液型アクリル系接着剤である。金属を金属に接着する場合には、反応性ポリウレタンフィルムか2液型エポキシ樹脂で接着するのがよい。同様に、この実施例における背面カバー21は、プラスチックフレームを有しており、皮や木材、あるいは金属の化粧張りで覆われている。革などの柔軟性のある化粧張り材料を用いる場合には、フレーム上にぴんと張られるのが望ましい。これは、化粧張りの工程で、従来の技術を用いれば可能である。
【0033】
組み立てられたケース2は、エンジン部品24とバッテリ79を擁するプリント回路基板50のハウジングである。装置1が無線電話機である場合、SIMカードホルダ80は、SIMカード81を収容する。いくつかの無線プロトコルのもとでの操作には、これは明らかに必要ではない。
【0034】
パースペックスやサファイアは、比較的冷たい感触を持っている。クッション16の材料は選択することができ、触ったときにもっと温かく、透明できらきらする表層よりも目立たないものにすることもできる。特に適していると考えられる材料は、木材や革の化粧張りである。クッション16は、バッテリの容量と信号強度をそれぞれ表示するために使用される、対向する三角部分82及び83が形成されるようにLCD25の一部を覆う形状である。
【0035】
ケース2は、その構造を完全にするために、背面カバー21と内部区画84及び85を有している。これらはエンジン24とバッテリ79、そして、この実施例においてはSIMカード81を保持するのに適している。背面カバー21は、3つの部分96、97、98から形成される。ここで説明される装置には、他の多くの無線電話機との共通点があり、バッテリ79を定期的に交換する必要があるとき、バッテリ区画85にアクセスできることを利点としている。エンジン24がバッテリの交換作業の間保護されるように、バッテリ79は、エンジン24とのコネクタを有する区画に保持される。この実施例において、バッテリ区画85の側面に沿っているのは、SIMカードホルダ80である。SIMカード81が加入登録情報を保持するプロトコルのもとでは、ユーザはSIMカード81を取り外したいと考えるかもしれない。このため、バッテリ79とSIMカード81の両方を露出できるように、背面カバー21が取り外し可能になっていると便利である。バッテリ区画85とSIMカードホルダ80とは、側面フレーム20に固定される内部ケース部材87である。ある実施例においては、この区画は、ステンレス鋼などのスタンプ金属シートから作られる。
【0036】
ここで説明された実施例において、フロント面3と背面ケース部材96、97、98は、側面フレーム20に固定されている。シリコン封止剤69や類似のものが、埃や流動体の不要な進入を防ぐために、背面カバー21の内側の周囲に押し出される。
当業者には、部品の数やその接続方法が、説明されたいくつかの発明的概念と離れることなく変更され得ることは明らかであろう。例えば、他の実施例においては、ケースは他の技術と方法を用いて組み立てられてもよい。
【0037】
不透明な露出端部と同様、レール22及び23はオーダーメイドの追加部材である。というのは、これらのレールは、多様な材料、特に金やプラチナなど、色々なタイプの貴金属から作られているからである。レールの重量や製作費用は、基板の材料を必要に応じてプラスチックなど軽量の材料に変更し、切れ目を埋める、押し出されたひも状部品を提供することによって決定される。ひも状部品は魅力的な材料から作られ、目に見えるように露出される。レールは代わりに合金その他の材料であってもよい。あるいは、制作費用と重量を減らすためには、中を空洞にしたり、型打ちされた1つの材料からなっていてもよい。
レールは、化粧張りされたフレームの傷つきやすい端部が露出して損傷することのないように保護する。この端部は見えないように隠されている。そのため通信装置のケースの全体的な概念と調和しつつ、質と耐久性とが備わることになる。
【0038】
この発明の持つ特徴は、無線電話機能を参照して検討されてきた。当業者には、これらの特徴が他の携帯通信装置や、あるいは電子手帳など他の機器にも適用できることが明らかであろう。
本発明は、ここに示された目新しい特徴あるいは特徴の組み合わせを、はっきりとあるいは総括的に含む。本発明が請求の範囲に記載されている説明と関係するかどうか、あるいは、記載された問題のいずれか又はすべてが軽減されるかどうかは、ここでは論点ではない。
上の記述の観点から、当業者には、本発明の範囲内でさまざまな修正が行われてもよいことが明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す、通信装置の斜視図である。
【図2】
図1の通信装置のフロント面図、背面図、両側面図、および上面図である。
【図3】
本発明の実施例に適した通信装置の略図である。
【図4】
本発明の、一実施例における、キーを除いた状態での通信装置のフロント面の分解図である。
【図5】
(a)および(b)は、ディスプレイ領域における、図1の通信装置の断面図である。
【図6】
側面フレーム部材と、ケースを組み立てるために設置されたレールとの斜視図である。
【図7】
(a)および(b)は、側面ケースとの結合を示す、図1のレールの断面図である。
【図8】
(a)および(b)は、バッテリ領域における、図1の通信装置の断面図である。
【図9】
通信装置の縦断面図である
【図10】
(チンフェイスプロテクタが取り除かれた状態での)図1の装置の底面図である。
Claims (15)
- 携帯通信装置のエンジンを収容するための内部空間を区画するケースであって、
前記ケースは、ユーザ入力部材を有する操作面を備え、
前記ケースがたわみに対して強化されるように、スペーサ部材に対する動きに対抗するように配置され、前記スペーサ部材に分離される一対の強化部材を含むことを特徴とするケース。 - 請求項1に記載のケースにおいて、
前記強化部材が細長いことを特徴とするケース。 - 請求項2に記載のケースにおいて、
前記細長い強化部材がケース全周に広がることを特徴とするケース。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のケースにおいて、
前記一対の強化部材の少なくとも1つが、前記スペーサ部材に取り付けられていることを特徴とするケース。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のケースにおいて、
前記強化部材が前記ケースの外側に広がることを特徴とするケース。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のケースにおいて、
前記強化部材が、前記ケースを形成するハウジング部材の端部を、組み立てられたハウジングの外観から隠すことを特徴とするケース。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載のケースにおいて、
前記強化部材がレールであることを特徴とするケース。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載のケースにおいて、
前記強化部材が個々のケース部材の間に挟まれることを特徴とするケース。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載のケースにおいて、
前記操作面がディスプレイを備え、前記ケースが、個々のハウジング部材と、隣り合う前記ハウジングの交差部分に沿って、ハウジングの外面に切れ目を形成するように前記ハウジング部材を相対的に位置させる手段とを備え、さらに、前記強化部材が、前記ハウジング部材の端部を、組み立てられたハウジングの外観から隠すための手段を提供することを特徴とするケース。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載のケースにおいて、
前記一対の強化部材の少なくとも1つが、前記ハウジングの前記端部の少なくとも1つの全体に沿って継ぎ目を持たないことを特徴とするケース。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載のケースにおいて、
前記一対の強化部材の少なくとも1つが、前記強化部材に対して位置決めするスペーサ部材上の対応する突起に嵌合する穴を有することを特徴とするケース。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載のケースを備えた携帯通信装置。
- 請求項12に記載の携帯通信装置であって、
前記装置が無線電話機であることを特徴とする装置。 - 添付図面の図1乃至10を参照して明細書において詳述されたケース。
- 添付図面の図1乃至10を参照して明細書において詳述された携帯通信装置。
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