JP2004517043A - ヒドラジド結合部分を有する巨大分子およびそれらの製造用試剤 - Google Patents

ヒドラジド結合部分を有する巨大分子およびそれらの製造用試剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、巨大分子を基材表面または他の連結標的に結合させるための結合化学に関する。さらに詳しくは、本発明は、巨大分子を基材表面に結合させるための、または他の連結反応のための1個または2個以上のヒドラジド結合部分を有する分枝したまたは線状の構造を含む結合化学に関する。保護されたヒドラジド結合部分またはそのようなヒドラジドの前駆体形を、単一のヒドラジドまたは複数のヒドラジドのいずれかとして巨大分子に導入するための新規な修飾試剤が提供される。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、巨大分子を基材表面または他の連結標的に結合させるための結合化学に関する。さらに詳しくは、本発明は、巨大分子を基材表面に結合させるために、または他の連結反応のために1個または2個以上のヒドラジド結合部分を有する分枝構造または線状構造を必要とする結合化学に関する。保護されたヒドラジド結合部分またはこのようなヒドラジドの前駆体形を、単一のヒドラジドかまたは複数のヒドラジドのいずれかとして巨大分子に導入するための新規な修飾剤が提供される。
【0002】
発明の背景
次の説明は、本発明に関連した情報の概要となるものである。本明細書中に与えられる情報のいずれもが現在特許請求されている発明に対する従来技術であることも、或いはまた明確にまたは暗に参照される刊行物のいずれもが本発明に対する従来技術であることも容認するものではない。
【0003】
オリゴヌクレオチドの基材に対する固定化は、DNAチップ技術、表面プラズモン共鳴実験、または他のバイオセンサー用途のような多くの用途に重要かつ必要な工程である。伝統的には、オリゴヌクレオチドは1つの反応性基による3’−または5’−末端の修飾によって基材上に固定化される。オリゴヌクレオチドは、末端のアミン、チオール若しくはアルデヒド(共有結合用)、または安定な錯体、例えばビオチン、フェニルボロン酸(phenylboronic acid)等を形成し得る基(非共有結合用)で修飾されていた。この修飾オリゴヌクレオチドは、次に、固定化が望まれる場所に置かれ、そして基材上のアルデヒド、マレイミド等々のような適切な官能基と反応せしめられるか、またはストレプトアビジン等々のような結合用分子と錯体を形成する。基材上の特定の場所に置くのは、機械的な斑点発生法または噴霧法(ピンまたは滴下付着法)で、電子的にアドレス指定して(electronic addressing)、または色々な他の方法で行うことができる。ある場合には、固定化の反応は遅く、従ってオリゴヌクレオチドの基材上における長い(一晩)インキュベーションが必要とされる。これらの固定化反応は可逆的であることもあり、その結果経時的に巨大分子が開放される可能性がある。
【0004】
他の文脈においてであるが、巨大分子上におけるデンドリマー構造が説明されている(例えば、WO99/10362、WO96/19240およびWO99/43287)。しかし、これらのデンドリマー構造の使用は、検出のためのような信号部位を提供することに焦点を合わせたものであって、巨大分子自体は、古典的な手段を用いることにより、存在する何らかの基材に単に結合されているだけである。
【0005】
発明の概要
上記の情報に対して、本発明は、巨大分子、特に複数の反応部位を含むオリゴ類、即ち求核試薬、求電子試薬およびルイス酸または同塩基の改善された固定化法を述べるものである。このアプローチの利点は、固定化の速度がいっそう速いこと、結合の安定性がいっそう高いこと、および基材表面上により短い時間でより多量の固定化オリゴが得られる可能性があることである。これらの利点は固定化に用いられるアプローチとは無関係である。共有結合および非共有結合の両化学により複数の結合部分を有するオリゴを得ることができる。しかし、以下において説明されるように、本発明の方法および組成物における使用には、オリゴまたは巨大分子を、(透過層または他の検定固定化フォーマットのような)表面に共有結合させるためのヒドラジド結合化学が好ましい。
【0006】
さらに、本発明は、表面結合用部分に対する連結(conjugation)に、または他の巨大分子、標識付け用部分等々との溶液連結に利用できる1種または2種以上のヒドラジドを含んでいるオリゴ類の製造について説明する。ヒドラジド類は、図18に示されるように、広範囲の連結反応に使用できる求核反応性基である。それらは、例えば(還元によりさらに安定化され得る)ヒドラゾン類を形成する求電子性アルデヒド類と、および安定な共有結合を形成する活性エステルと反応することができる;図18を参照されたい。この化学は、蛍光体、蛋白質またはペプチド、レポーター基(reporter groups)、その他のオリゴマーをオリゴ類に結合させるために利用することができる。ヒドラジド類の反応は、実施例で証明されるように、巨大分子を基材上に固定化するのに有利に利用できる。ヒドラジド類によるオリゴ類の固定化は、試剤1モル当たりの固定化分子に、より旧式のアミノ修飾と比較して顕著な増加を示す。このようなヒドラジド修飾オリゴ類は以前に述べられていない。
【0007】
本発明のこれら面の利点は数多くある。例えば、マルチ部位結合部分で修飾された巨大分子は、固定化に要する反応時間が短く、結合実体1個当たりの結合用部位が複数であることを許し、比較的広いpH範囲にわたって安定性となし、そして無水および水性の両条件下で結合する能力を与え、これらによって任意の適用可能な用途のための任意の固相表面に対して分子を結合させる改善された方法を提供する。
【0008】
本発明の方法および組成物は、固相合成および/または、限定されるものではないが、DNA、RNA、PNA、p−RNA(ピラノシル−RNA)およびペプチドを含めて巨大分子のような小さい分子ライブラリーの合成との関連において有用である。好ましい態様は、旧来のホスホロアミダイト(phosphoramidite)化学合成技術との関連において特に有用である。
【0009】
本発明は、また、複数の結合部分を有するオリゴヌクレオチドのような固定化された試剤を必要とする分析技術用の固定化された巨大分子成分を製造するのにも有用であり、および/またはヒドラジド修飾が本発明により容易になされ得、核酸ハイブリダイゼーション(hybridization)に基づく検定法、SNP検定法、STR検定法、遺伝子配列定量、同定法等のような検定法が、本発明で製造される固定化された試剤を容易に組み込むことができる。さらに、説明される方法および化合物は、抗原または抗体診断法用の固定化された試剤の製造に容易に適合させることができる。
【0010】
本発明の第一の態様においては、官能性または反応性の結合部分を巨大分子に接続している分枝構造またはデンドリマー構造を有する巨大分子が提供される。巨大分子のこれらの修飾は、その巨大分子上の結合部分と反応できるか、またはそれら結合部分に非共有結合できる結合用基を含む基材表面に結合させるのに理想的である。
【0011】
1つのオリゴ内に複数の反応性部位または錯体形成剤を有するオリゴ類の使用は、固定化に重要な利点を提供する。第一に、それは固定化プロセスの速度を高める。この効果の1つの理由は、結合相手間の拡散による初期生成性接触の可能性が、1つの巨大分子、例えばオリゴが複数の反応性部位を有しているときより高いと言うことである。さらに、オリゴは、一次結合後(または一次結合と同時)に形成される、二次の複数の共有または非共有結合によって固定化することができる。これら二次結合の一次結合後における形成は、分子間一次結合の形成後は反応関与物質の近接度(局所濃度)が高まっているために動力学的に有利である分子内の過程である。
【0012】
第二に、結合の総合的な安定性は、オリゴと基材との間に複数の結合が形成されるにつれて高まる。簡単に言えば、固定化オリゴを基材から完全に解離させるのに必要なエネルギーは、切断しなければならない各結合(共有結合または非共有結合)と共に増加する。この効果は巨大分子を基材と接触させるために用いられるアプローチとは無関係である。しかし、可逆的共有結合、即ちヒドラジドとアルデヒドとの間でのヒドラゾンの形成に対する効果は、実施例において全く劇的に証明されている。
【0013】
複数の非共有結合錯体の形成は、その結果としてオリゴと基材との間の錯体の総合安定性をいっそう高め、安定な固定化をもたらすために比較的低い親和性の錯体形成部分を使用できるようにする。オリゴ類にしばしば適用される固定化化学のあるものは水溶液中で可逆的であって(例えば、アミンとアルデヒドとの間におけるシッフ塩基の形成)、例えばNaCNBHによる還元による後続の安定化工程を必要とする。これらの可逆反応の場合、安定化反応前に形成される中間体の安定性がより高いために、複数の結合による固定化が有益である。ある場合には、安定性の増加が安定化反応が不要になるほど充分に大きい。実際、これは、実施例で、色々なアルデヒド部分含有基材上に固定化されたヒドラジド試剤について証明されている。
【0014】
第三に、複数の結合部位を有するオリゴの使用は、オリゴ付加(loading)がより高い基材の製造を可能にする。通常、基材上の反応性の結合用部分はオリゴに比較してモル大過剰となっており、そして複数の結合部分に起因する改善された結合は、より効率的で安定なオリゴ−基材間相互作用を通じて基材上の利用可能部位をより良好に利用できるようにする。
【0015】
かくして、本発明のもう1つの面では、巨大分子上に与えられたその複数の反応性結合部分がその巨大分子が共有結合様式か非共有結合様式のいずれかで基材表面に結合できるようにする方法が提供される。本発明のもう1つの面であるが、これら方法の生成物として、巨大分子が複数の結合部分を介して結合されている新規な基材が提供される。これらの新規な修飾された基材は、一般構造式:
【0016】
【化31】
Figure 2004517043
【0017】
を有する:但し、上記の式において、基材(Sub)は、この基材に対して、結合部分Aに(共有または非共有)結合されている複数の結合部分Aを共有結合しており、その結合部分Aは分枝したリンカー部分Lを介して巨大分子Mに共有結合されている。AはAに共有結合で結合されているのが好ましく、ジアシルヒドラジン結合で結合されているのがさらに好ましい。
【0018】
非共有結合が利用される態様では、その複数の結合部分はビオチン、ストレプトアビジン、フェニルボロン酸(PBA)およびサリチルヒドロキサム酸(SHA)のような化学的部分から成ることができる。共有結合を利用する態様では、任意の適当な反応性部分、例えば表1に挙げられるものが利用できる。使用に好ましい1つの部分はヒドラジド部分である。このような構造は分枝していても、或いは分枝していなくてもいずれでもよく、それによって利用できる可能な結合部分のレベルに大きな融通性が許される。従って、巨大分子は樹枝状(dendritic)分枝構造を備えているだけでなく、それら反応性結合部分自体も各枝が巨大分子を基材表面に結合させる際に使用するための反応性ヒドラジド要素を有するように分枝されていることができる。
【0019】
本発明の固定化された巨大分子面のもう1つの態様において、巨大分子上のその複数の結合部分は、電子的にアドレス指定可能な(electronically addressable)マイクロチップを含む基材表面に結合されている巨大分子がマイクロチップ上の結合部位から意図的でなく除去されるのを防ぐ手段を提供する。このような除去は、マイクロチップの電極の電子がバイアスされることの結果としてもたらされる高局在化電圧および電流に由来することがある。従って、1つの好ましい態様では、本発明の多重結合反応図式が、その固定化が少なくとも4mA/cmの電流密度に耐え得るように巨大分子を基材に結合させるようにする。
【0020】
さらにもう1つの態様において、本発明は、巨大分子に結合されている樹枝状構造または巨大分子自体に対して反応性結合部分を付加させる方法を提供する。これらの反応は、例えば複数のエステル前駆体からのヒドラジン処理によるヒドラジドの現場生成、または複数の保護されたヒドラジンを含んでいる分枝ホスホロアミダイトの付加によるような単一の反応工程で起こり得る。
【0021】
さらに他の面において、本発明はオリゴ類を含めて巨大分子のヒドラジン結合用部分を付加させる修飾のための新規な組成物を提供する。これらの新規な修飾試剤は、一般に、脂肪族または芳香族のリンカー部分に共有結合され、そのリンカー部分が1種または2種以上の保護されたヒドラジド部分またはヒドラジド前駆体エステルにさらに共有結合されている生体分子合成用のホスフェート保有反応性基を含む。本発明のこの面の一組の態様では、これらの修飾試剤は少なくとも1種の保護された芳香族ヒドラジドを含み、そして一般構造式:
【0022】
【化32】
Figure 2004517043
【0023】
を有する:但し、上記の式において、
Bzはベンゼン環であり;
は炭素1〜12個の分枝または非分枝炭化水素であり、そしてLは場合によりそれらの炭素間に、さらに好ましくは (CH(但し、nは1〜12の整数である)間に1〜4個のエーテル結合またはアミド結合を含んでいることができ;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0024】
【化33】
Figure 2004517043
【0025】
であり;
およびRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
各PGaは独立に合成および脱保護の工程中にヒドラジドを保護するのに適した任意の保護基であり、さらに好ましくはトリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれ;そして
mは1、2または3である。好ましい態様では、mは1または2である。
【0026】
この組の好ましい態様は:
【0027】
【化34】
Figure 2004517043
【0028】
特にPGaがモノメトキシトリチルである場合の上記化合物を包含する。
この面のもう1つの態様の組において、上記試剤は1種または2種以上の保護された脂肪族ヒドラジドを含み、そして一般式:
【0029】
【化35】
Figure 2004517043
【0030】
を有する:但し、上記の式において、
は炭素1〜12個の分枝または非分枝炭化水素であり、さらにLはm>1であるならば分枝しており、そしてLは場合によりそれらの炭素間に1〜4個のエーテル結合またはアミド結合を含んでいることができ;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0031】
【化36】
Figure 2004517043
【0032】
であり;
およびRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
各PGaは独立に合成および脱保護の工程中にヒドラジドを保護するのに適した任意の保護基であり、さらに好ましくはトリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれ;そして最も好ましくはトリチルであり;そして
mは1、2、3または4である。好ましい態様では、mは1である。他の好ましい態様では、m>1である。
【0033】
この組の好ましい態様は、
【0034】
【化37】
Figure 2004517043
【0035】
特にPGaがトリチルである場合の上記化合物を包含する。
この面の態様のもう1つの組において、上記試剤は3個または4個以上の保護された芳香族ヒドラジドを有し、一般式:
【0036】
【化38】
Figure 2004517043
【0037】
を持つ:但し、上記の式において、
は分枝用部分、好ましくは炭素、窒素またはベンゼン環であり;
Bzはベンゼン環であり;
は官能性結合、好ましくはエーテル結合またはアミド結合であり;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0038】
【化39】
Figure 2004517043
【0039】
であり;
およびRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
各PGaは独立に合成および脱保護の工程中にヒドラジドを保護するのに適した任意の保護基であり、さらに好ましくはトリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれ、そして最も好ましくはトリチルであり;
nおよびpは独立に0〜12の整数であり;
mは独立に1、2または3であり;そして
qは1、2または3である。
【0040】
この組からの好ましい態様は:
【0041】
【化40】
Figure 2004517043
【0042】
を包含する。
本発明のこの面の態様のもう1つの組において、上記試剤は芳香族ヒドラジド−前駆体エステルを含み、そして一般構造式:
【0043】
【化41】
Figure 2004517043
【0044】
を有する:但し、上記の式において、
Bzはベンゼン環であり;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0045】
【化42】
Figure 2004517043
【0046】
であり;
、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;そして
nは1〜12の整数である。
【0047】
この組の好ましい態様は:
【0048】
【化43】
Figure 2004517043
【0049】
特にRがメチルである場合のものを包含する。
この局面の態様のもう1つの組において、上記試剤は3個または4個以上の芳香族ヒドラジド前駆体エステルを有し、そして一般式:
【0050】
【化44】
Figure 2004517043
【0051】
を持つ:但し、上記の式において、
は分枝用部分、好ましくは炭素、窒素またはベンゼン環であり;
Bzはベンゼン環であり;
は官能性結合、好ましくはエーテル結合またはアミド結合であり;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0052】
【化45】
Figure 2004517043
【0053】
であり;
、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
nおよびpは独立に0〜12の整数であり;
mは独立に1、2または3であり;そして
qは1、2または3である。
【0054】
この組の好ましい態様は、
【0055】
【化46】
Figure 2004517043
【0056】
特にRがメチルである場合のものを包含する。
この局面の態様のもう1つの組において、上記試剤は、少なくとも1種の芳香族ヒドラジド前駆体エステル、並びに固相ホスホロアミダイト化学によるさらなる付加に使用できる保護されたアルコール部分を含み、そして一般式:
【0057】
【化47】
Figure 2004517043
【0058】
を有する:但し、上記の式において、
は分枝用部分、好ましくは炭素、窒素またはベンゼン環であり;
は官能性結合、好ましくはエーテル結合またはアミド結合であり;
は生体分子合成用のリン保有反応性基、好ましくは
【0059】
【化48】
Figure 2004517043
【0060】
であり;
、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり、さらに好ましくはベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から独立に選ばれ;
は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
Gaは合成および脱保護の工程中にアルコールを保護するのに適した任意の保護基であり、さらに好ましくはトリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれ;
n、pおよびrは独立に0〜12の整数であり;そして
mは1、2または3である。
【0061】
もう1つの局面において、本発明は、また、上記試剤のいずれかで修飾されて1個または2個以上のヒドラジドまたはヒドラジド前駆体エステルを含むようにされた新規な巨大分子、好ましくはオリゴ類も提供する。これらのヒドラジドは反応性基を含み、蛍光体若しくは他の小分子、ペプチド、蛋白質若しくは抗体、または基材表面に対するオリゴ類の連結に使用できる。
【0062】
かくして、本発明のさらにもう1つの態様では、修飾された巨大分子であって、それらのヒドラジド結合部分を介して基材表面に結合されたそのような修飾巨大分子が本発明により提供される。これらの新規な修飾された基材は、一般構造式:
【0063】
【化49】
Figure 2004517043
【0064】
を有する:但し、上記の式において、基材(Sub)はこの基材にヒドラジド反応性中心を含む結合部分Rを共有結合している。
好ましい態様において、Rはカルボニル(−CO−)、−CH−、−CH=、−CHOH−および
【0065】
【化50】
Figure 2004517043
【0066】
より成る群から選ばれる、ヒドラジドに共有結合した反応性中心を含む。さらに好ましい態様では、Rはカルボニル反応性中心を含む。Rは少なくとも1個のヒドラジドに共有結合されており、この場合ヒドラジドがRに2つの結合で結合されているならばn=0であり、またヒドラジドがRに単結合で結合されているならばn=1である。ヒドラジドは分枝または非分枝リンカー部分Lに共有結合されている。Lは、1〜50個の炭素原子を含む、そして場合によって官能性結合中に1〜10個のヘテロ原子を含む、分枝しまたは分枝していない、置換されまたは置換されていない、芳香族または脂肪族の炭化水素リンカー部分であり、この場合ヘテロ原子はO、N、SおよびPより成る群から選ばれ、そしてLはm>1ならば分枝している。Lは、(帯電していても、していなくてもよい、またはアルキルオキシ基若しくはシアノアルキルオキシ基含んでいても、いなくてもよいホスフェートである)ホスフェート−リンカー基Pに共有結合されており、そのPは修飾された巨大分子M、好ましくはオリゴに共有結合されている。
【0067】
本発明のなおもう1つの局面において、その結合方式は、巨大分子の表面合成、および化合物の表面固定化を必要とする分析用途に適用することができる。
好ましい態様の詳細な説明
今度は本発明の特定の態様を参照して説明すると、複数の基材表面結合部分を有する巨大分子が提供される。
【0068】
「巨大分子(macromolecule)」とは比較的大きい有機分子を意味する。これら巨大分子には、試験試料中で分子的実体を接触させるのに使用される生物関連分子、即ち、例えば核酸、抗原、抗体および酵素のような生物学的試料源から誘導される他の巨大分子と相互作用することができるものが含まれる。これらは、一般に、少なくとも一部は、オリゴヌクレオチド類およびポリヌクレオチド類を含めて核酸類、DNA類、RNA類、またはp−MeNA類(メチルまたはメトキシホスフェート核酸類)、ペプチド核酸類(PNA類)および閉じ込め核酸類(locked nucleic acids:LNA類)のような化学的に修飾された核酸類似物のような分子がある。巨大分子には、また、CAN類(シクロヘキシル核酸類)、p−RNA類(ピラノシルRNA類)、p−DNA類(ピラノシルDNA類)、および生物学的に誘導された核酸類または他の分子と相互作用せず、共に構造的複雑さを有する複雑な高分子構造物である他の分子のような天然産分子から構造的に誘導された非天然または合成分子もある。便宜上、天然/生物活性オリゴヌクレオチド類(例えば、DNA、RNA、PNA等々)、並びにp−RNA、p−DNAおよびCNAのような非生物学的活性分子を含めて、糖の環に共有結合されている塩基より成る、化学結合した単量体単位を含む上記のような高分子タイプの分子が、全て、本発明で使用される用語「オリゴ(oligo)」に包含される。これは、合成巨大分子の単量体単位は技術的にはヌクレオシドではないので、「オリゴヌクレオチド」の短縮形としての一般的な語法の修正である。オリゴ類は巨大分子を基材表面に結合させるための結合部分により有利に修飾することができる。
【0069】
巨大分子として蛋白質、ペプチド、酵素および抗体も挙げられ、これらもまたその巨大分子を基材表面に結合させるための結合部分により修飾することができる。
【0070】
このような結合部分を有するとき、巨大分子は「誘導体化された(derivatized)」または「修飾された(modified)」巨大分子と称することもできる。このような巨大分子は、従って、酸化されたリボース、アミン末端部(amine terminations)、またはここで参照することにより本明細書に含められるHermanson(Hermanson, G. T.著・Bioconjugate Techniques、版権・1996年、Academic Press社、San Diego市、CA州)が概説する周知のバイオコンジュゲート対(bioconjugate pairs)のいかなる実存物も、および/またはpRNA類(ここで参照することにより含められる、1999年8月13日に出願された出願中の米国特許出願第09/374,338号明細書に記載されるpRNA類を参照)のような別の非核酸構造物を包含する。
【0071】
一般的には、この化学的部分の巨大分子に対する結合は共有結合から成る。誘導体化巨大分子の基材表面に対する結合に関し、そのような結合は共有結合或いは非共有結合のいずれを利用してもよい。本発明の開示から明らかである、本明細書で明示的に説明される本発明の結合部分は、ホスホロアミダイト結合化学を利用して共有結合されるのが好ましい。かくして、DNA、RNA、p−MeNA類等々のようなホスフェート骨格の核酸、並びにpRNAおよびpDNAのようなホスフェート骨格の非核酸高分子構造物が、開示される結合部分で修飾するための巨大分子としての使用に、ホスホロアミダイト結合をそれらの標準固相合成技術に容易に組み込むことができるので幾らか好ましい。しかし、他の生体分子および合成構造物の(特に第一アルコールによる)修飾にホスホロアミダイト試剤を利用する方法は周知であって、当業者であれば、開示された手法に小さい修正を加えることにより、開示されたホスホロアミダイト結合部分を非ホスフェート骨格タイプの巨大分子(例えば、PNA、CNA、ペプチド等々)にカップリングさせることができるだろう。
【0072】
「結合部分(attachment moiety)」とは、一般に、巨大分子の基材表面に対する結合において利用される任意の化学的部分を意味する。結合部分は巨大分子上に含まれていてもよいし、或いは基材表面に含まれていてもよい。表1:結合部分は、使用される結合部分のリストを与えるものである。
【0073】
【表1】
Figure 2004517043
【0074】
Figure 2004517043
【0075】
Figure 2004517043
【0076】
「ルイス塩基」とは、一般に、一対の電子を電子不足中心に供与することができる任意の化学的部分を意味する。1つの好ましい態様において、ルイス塩基はさらに特定的には求核試薬と称されるが、この求核試薬においては、この技術分野の当業者が認めているように、反応中心が一対の電子を炭素に供与し、その結果としてその反応中心と炭素との間に共有結合をもたらす。(拡張された定義については、Smith, M. B.著・Organic Synthesis、版権・1994年、McGraw Hill Inc.、New York市、NY州、または有機化学に関する何らかの教科書を参照されたい。)
「ルイス酸」とは、一般に、一対の電子を受け取ることができる任意の電子不足の化学的部分を意味する。1つの好ましい態様において、ルイス酸はさらに特定的には求電子試薬と称されるが、それは、この技術分野の当業者が認めるように、求核試薬から一対の電子を受け取ることができる反応中心である。(拡張された定義については、Smith, M. B.著・Organic Synthesis、版権・1994年、McGraw Hill Inc.、New York市、NY州、または有機化学に関する何らかの教科書を参照されたい。)1つの好ましい態様において、例としてであるが、サリチリックヒドロキサム酸(salicylic hydroxamic acid)は、ルイス酸である、フェニルボロン酸のホウ素に一対の電子を供与して非共有結合をもたらすルイス塩基として作用することができる。さらにもう1つの好ましい態様において、例としてであるが、ヒドラジド部分は、求電子試薬であるNHSエステルの反応性炭素中心に一対の電子を供与し、その炭素中心に対して共有結合を形成する求核試薬として作用することができる。
【0077】
「分枝結合用部分(branched linking moiety)」とは、一般に、特定の反応性部分を介して巨大分子にカップリングすることができ、かつまたもう1つ別の反応中心を介して2個以上の分子にさらに結合することができる任意の化学的種を意味する。1つの好ましい態様において、分枝結合用部分はホスホロアミダイトであって、その例が表2の記載No.1−4に示されている。これらの例において、リンが反応部分として作用し、一方記載No.1、2および3のエステル並びにNo.4の保護されたアルコールがもう1つ別の反応中心である。
【0078】
「分枝結合用構造物(branched linking structure)」とは、一般に、分枝結合用部分を持つ巨大分子の処理により得られる巨大分子を意味する。分枝結合用部分のもう1つ別の反応中心が、今や分枝結合用構造物内に含まれる。1つの典型的態様において、分枝結合用構造物は表2の記載No.5で表されるもので、ここでNo.5に示される巨大分子はある1つの巨大分子を分枝結合用部分、具体的には表2の記載No.4に示される化合物により処理した結果である。もう1つの好ましい態様において、分枝結合用構造物は同種(homogeneous)系列において化合することができ、その同種系列においては、巨大分子は分枝結合用部分により修飾され、それがまた得られた分枝結合用構造物のもう1つ別の反応中心を介して同じ分枝結合用部分によってさらに修飾され、新しい分枝結合用構造物を生成させる。分枝結合用部分の一連の結合によるより大きい分枝結合用構造物のこの組み立ては、表2の記載No.6−8に示されるようにさらに続けることができる。さらにもう1つの態様において、分枝結合用部分は同種系列において化合することができ、その同種系列においては、巨大分子は分枝結合用部分により修飾され、それがまた初めの分枝結合用部分のもう1つ別の反応中心を介して異なる分枝結合用部分によってさらに修飾され、新しい分枝結合用構造物を生成させる。分枝結合用部分の一連の結合によるより大きい分枝結合用構造物のこの組み立ては、表2の記載No.9−12に示されるようにさらに続けることができる。
【0079】
【表2】
Figure 2004517043
【0080】
Figure 2004517043
【0081】
Figure 2004517043
【0082】
Figure 2004517043
【0083】
「基材(substrate)」とは、一般に、表面が巨大分子の反応性結合部分(例えば単一のまたは複数のヒドラジド結合部分)がカップリングできる部分を含む任意の材料を意味する。基材は、平面の表面、マイクロウエル(microwell)、ディップスティック、ビーズ等々を含めて任意の有用な形状をしていることができる。かくして、基材は、とりわけ、ガラススライド、官能化ガラススライド、化学的に活性化されたマイクロチップ表面、単一もしくは複数の反応性分子層で被覆された表面、または巨大分子の複数の反応性結合部分が反応できる部分を有する重合体またはヒドロゲル(合成重合体または天然重合体)で被覆された表面であることができる。巨大分子が結合される(即ち、基材の表面において結合される)基材材料は任意の適当な材料であることができるが、それは固定化される巨大分子に対する使用に主として依存する。典型的な基材材料を挙げると、ケイ素系材料(例えばケイ素、ガラス、官能化ガラス、窒化ケイ素、セラミック、ゾル−ゲル等々)、金属および金属シリシリド(metal silicilides)(例えば白金、金、チタン、アルミニウム、タングステン、それらの合金等々)、重合体およびプラスチック(例えばポリカーボネート、ポリアルキレン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ナイロン、ポリハロゲン化ビニル、それらの共重合体等々)、ヒドロゲル(例えばポリアクリルアミドまたはポリメタクリルアミド、ポリエポキシド、ポリアルキレングリコールのような合成ヒドロゲル;またはアガロースのような炭水化物系ヒドロゲル等)、或いはキトサン、セルロース、または実にコラーゲンマトリックスのような天然誘導材料がある。1つの好ましい態様において、基材表面は電子的にアドレス指定可能なマイクロチップの透過層である。1つの特に好ましい態様では、透過層は、ヒドロゲル上および/またはヒドロゲル内に反応性部分を含むように修飾されたそのようなヒドロゲルから成る。好ましいヒドロゲルに、ポリアクリルアミドまたはポリメタクリルアミドのような合成重合体のヒドロゲルがある。もう1つの好ましい群はアガロースのような炭水化物のヒドロゲルである。1つの好ましい態様において、基材の官能性の化学的に活性な、即ち反応性の部分は、(限定されないが)表1に記載される官能基から選ばれる。特に好ましい態様では、基材の反応性部分は、アルデヒド、N−ヒドロキシスクシニミジルエステル、スルホン化されたN−ヒドロキシスクシニミジルエステル、カルボン酸およびアシルハリドから選ばれる。これらの基は、図18に示されるヒドラジド部分との反応に特に有用である。
【0084】
「前駆体」とは、一般に、1種または2種以上の化学試剤の処理によりもう1つ別の反応性部分に変換され得る任意の反応性部分を意味する。1つの好ましい態様において、例としてであるが、1d(表2の記載No.3)の3個のエステル部分はヒドラジドに対する前駆体である。それらはヒドラジンの処理によりヒドラジド部分に変換される。
【0085】
「保護された」とは、一般に、反応性部分の反応性を1種または2種以上の試剤で封鎖するが、同時に、同じ化合物の別の反応部位で、初めの反応性部分による妨害または複雑化なしに化学反応を行うことができることを意味する。上記の別の反応性部位での変換が終わると、その反応性部分の保護基を取り除いて反応中心の封鎖を解くことができる。好ましい保護性部分に、トリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルがある。特に好ましい態様においては、例えばジメトキシトリチルよりもトリチルの方がむしろ使用される。発明者等は、トリチルが合成および精製工程中に他の保護基よりも安定であることを見いだした。1つの好ましい態様において、保護された部分は特定のタイプの前駆体である。さらにもう1つの好ましい態様では、例としてであるが、図9Aの1aのヒドラジド部分がトリチル基で保護される。1aが巨大分子に付加されると、そのトリチル基は化学的に除去され、そのヒドラジド官能基を脱保護する。
【0086】
「活性化性」とは、一般に、1種または2種以上の化学試剤で処理されるときに反応性部分に変換を受ける能力がある任意の官能基を意味する。「活性化された」とは、反応性部分にこのような変換を受けた官能基を意味する。1つの好ましい態様において、活性化性部分は保護された部分または前駆体であることができる。さらにもう1つの好ましい態様では、この官能基は、一般に、穏やかであるか、非反応性であるか、または基材若しくは巨大分子に結合することができないと考えられる。1種または2種以上の試剤で処理すると、この官能基は基材または巨大分子に結合し得る部分に変換される。1つの好ましい態様において、例としてであるが、表2、記載No.1−3に記載される化合物のエステル基はヒドラジンによる処理でヒドラジドに変換される。さらにもう1つの好ましい態様では、例としてであるが、アセタール基を含んでいる基材は一般に非反応性であると考えられる。酸性試剤源で処理すると、そのアセタールは、ヒドラジド修飾巨大分子に結合することができるアルデヒドに変換される。
【0087】
「マイクロアレイ(microarray)」とは、一般に、定義された巨大分子を含む複数の場所の幾何学的配置を意味するもので、このような個々の場所は1mmまたはそれ以下の直線寸法まで制限される。マイクロアレイには、「APEXチップ」または「NanoChip(登録商標)」と称されるアレイ、およびここで参照することにより全体が本明細書に含められる米国特許第5,632,957号、同第6,254,827号、同第6,245,508号および同第6,238,624号明細書に記載される構造物のような、電子的に処理できるマイクロアレイがある。
【0088】
概観
図2は本発明の固定化された巨大分子の基本的模式図を示し、この場合巨大分子は基材表面に複数の結合部分を介して結合される。この複数の結合部分は、巨大分子に次の方法を用いて与えることができる。これらの方法は、各々、オリゴ類の標準固相合成に、特にホスホロアミダイト化学技術を用いると適合する。
【0089】
1.複数の結合部位を有するオリゴ類の製造
1.1 分枝用ホスホロアミダイトによるオリゴ合成
分枝したホスホロアミダイトは商業的に入手でき(Chemgenes社、Ashland、MA州;Glenn Research社、Sterling、VA州)、またオリゴヌクレオチド(DNA、RNAおよびそれらの化学修飾された変種)は、商業的供給源から3’または5’末端に結合された分枝ホスホロアミダイトを用いて注文製造することができる。固相オリゴ合成におけるこのような分枝用アミダイトの1回または2回以上の連続カップリング(図5AおよびB)後に、2個または3個以上の末端ヒドロキシル基を有するオリゴが生成する。ここで、枝をオリゴに導入する追加のホスホロアミダイト構成単位(building block)は同様の様式で適用することができ、またはこれらのヒドロキシル基はこれらを第二のタイプのホスホロアミダイトと反応させて、基材に対する巨大分子の結合用の反応性基(即ち、結合部分)を生成させることができる。このホスホロアミダイトは、ビオチンアミダイト類(例えば、Glenn Research社、Cat No. 10595002)、アミノ修飾剤(例えば、Glenn Research社、Cat No. 10190602)、チオール修飾剤(例えば、Glenn Research社、Cat No. 10192602)、フェニルボロン酸アミダイト類(Prolinx社、Bothell、WA州)、その他のような数種の入手可能なアミダイト類から選ぶことができる。
【0090】
好ましい態様において、ヒドラジド、特に本発明で説明される新規なヒドラジドまたはヒドラジド前駆体ホスホロアミダイト試剤を含んでいるホスホロアミダイト(図9A)が使用できる。結果は、分枝用ホスホロアミダイトの数および使用される結合部分ホスホロアミダイトのタイプに依存するが、2個または3個以上(好ましくは2〜8個)の反応性基を有するオリゴである。単一ヒドラジドまたは前駆体を導入するのに有用なホスホロアミダイトに次のものがあるが、但し前記で一般的に説明した単一の保護されたヒドラジドまたはヒドラジド前駆体エステルがいずれも使用できる:
【0091】
【化51】
Figure 2004517043
【0092】
もう1つ別の態様では、固相法で合成される巨大分子またはオリゴは、単一ヒドラジドまたはヒドラジド前駆体エステル試剤と反応して、脱保護またはヒドラジン処理の後に、モノヒドラジド修飾巨大分子を生成させることができる。オリゴ類を含めてこれらの修飾巨大分子は、非基材連結反応において(例えば、[例えば蛍光体、発色性部分、化学ルミネッセンス部分、消光剤、放射性部分、可視色素または粒子部分、磁性または常磁性粒子、およびあまり好ましくないが標識付け用酵素等々のような]標識付け用部分が巨大分子に結合されるべきとき)使用するのに望ましい。
【0093】
上記で議論したように、これらの方法は、ホスフェート骨格タイプのオリゴ類の合成において使用すべく特に適応させることができるが、しかしそれら方法は、遊離ヒドロキシル基を有する任意の巨大分子に対する反応性ホスフェート基試剤の付加にも容易に適応させることができる。
【0094】
1.2 結合用反応性基を2つ以上有するオリゴ類の製造
分枝用ホスホロアミダイト試剤を用いて上記の分枝用構造物を製造する方法は順応性が非常に高く、複雑な、広がったデンドリマー構造物の製造を可能にするけれども、この方法には商業的製造に関してある種の欠点がある。構造発展の各レベルで、その合成プロセスにもう1ラウンドのホスホロアミダイト付加および脱保護が必要とされるのである。加えて、使用される分枝用ホスホロアミダイト試剤は大量合成にはかなり高価である。複数の結合部位を有する巨大分子は、また、基材における固定化のための2個以上の反応性基を、保護されたまたは前駆体の形で有する特別なホスホロアミダイトのカップリングによっても得ることができる。分枝アミダイト中の反応性基は、この場合もまた、アミノ基、チオール基、アルデヒド基またはヒドラジド基のような既知の官能基の1つであることができ、そして好ましくは保護されたヒドラジド基である。
【0095】
1回のカップリングで複数(2個、3個)のヒドラジドを導入できる、説明した構成単位試剤の内の幾つかは、ヒドラジド前駆体エステル試剤である。これらの生体分子は、活性なヒドラジド部分を生成させるためにヒドラジンで脱保護されなければならない。有用なヒドラジド前駆体エステル試剤に:
【0096】
【化52】
Figure 2004517043
【0097】
並びに上記で一般的に説明したヒドラジド前駆体エステル試剤がある。
これらの試剤は、複数のヒドラジド前駆体部分を巨大分子またはオリゴに単一の合成工程で付加させるのに非常に有効であるけれども、ヒドラジン脱保護はオリゴ合成の標準的な手法ではない。また、ヒドラジドのこの現場生成は、脱保護されたヒドラジドを有するオリゴを生成させる。これらは、逆相HPLCにおける、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル等々のような非極性保護基により引き起こされる保持時間のシフトを通常利用する、オリゴ合成で使用される標準的な手法で精製することは幾らか困難である。かくして、適切な保護基で保護される複数の前もって形成されたヒドラジドを付加させることができる試剤構成単位が、標準的な合成手法による使用に有利である。
【0098】
複数の保護されたヒドラジドを付加させるのに有効なホスホロアミダイト試剤に:
【0099】
【化53】
Figure 2004517043
【0100】
並びに上記で一般的に説明した他の複数の保護されたヒドラジド試剤がある。これら試剤で修飾されたオリゴ類は、標準のHPLC法を用いて容易に精製される。
1.3 複合方法
複数の反応性基を有する巨大分子合成の第三のアプローチは、前に説明した(図8A−C)ように、分枝用アミダイトと複数の反応性部位を持つアミダイトとのカップリングの組み合わせである。
【0101】
1.4 非末端結合部分ホスホロアミダイト
別法として、複数の結合部分を、巨大分子またはオリゴに、1個または2個以上の保護された結合部分または前駆体結合部分、並びにさらなる反応性ホスフェート試剤の付加用の保護されたアルコール部分の両者を含む試剤を利用することによって、直線形式で付加させることができる。例えば、保護されたヒドラジドまたはヒドラジド前駆体エステルの外に(ジメトキシトリチル保護ヒドロキシル基のような)保護された官能基を含む修飾剤構成単位は、修飾用構成単位のカップリング後も生体分子合成の継続を可能にする。このような方法で有効な典型的なホスホロアミダイト試剤は、
【0102】
【化54】
Figure 2004517043
【0103】
並びに上記で一般的に説明した他の保護されたアルコール試剤である。この構成単位は、合成プロセス中にn回カップリングせしめられるとき、2n個のヒドラジドを持つ巨大分子を生成させるように、連続的にカップリングすることができる。さらに、この種の構成単位試剤は、巨大分子またはオリゴに生成物のHPLC精製を容易にするための非極性保護基を有せしめる方法を、ヒドラジンを有する生体分子を精製後に脱保護することにより、反応性ヒドラジド部分を現場生成させるアプローチと結びつける。
【0104】
線状マルチヒドラジド修飾をもたらすことに加えて、この種の試剤は、また、オリゴ合成の継続も可能にする。かくして、標準的オリゴ合成の追加のラウンドによって、基材に対するオリゴの固定化用マルチヒドラジド部位の両側に2個のオリゴを持つ巨大分子を製造することができる。
【0105】
2.0 結合部分として使用するための好ましい官能基としてのヒドラジド
特に好ましい態様において、基材表面に共有結合によって結合させるための1個または2個以上のヒドラジド部分を有する巨大分子が提供される。オリゴ類を含めてこれらの巨大分子は、基材にまたは他の分子に、ヒドラジドと反応する、NHSおよびスルホ−NHSエステル、その他の部分のような官能基を用いてカップリングすることができる。図18に描かれるように、広範囲の反応がヒドラジドのカップリングに利用できる。
【0106】
本発明において、説明されたヒドラジドの結合法は、基材に対する巨大分子の結合を行わせることができる新規な手段となる。説明されるヒドラジドカップリング化学は、電子マイクロチップの電子的アドレス指定に関連した極端な局所環境条件によるコンジュゲート結合の分解によって引き起こされることがある、束縛された巨大分子の基材からの解離に対して抵抗性を与える。かくして、本発明のヒドラジド化学および多重結合図式は、巨大分子の水溶性、固定化用基材上の巨大分子とそのカップリング対の水性条件に対する安定性、および約pH4のpHまでの官能性の必要を含めて、電子システムの環境における残存性(survivability)の要件を満たす。
【0107】
2.1 脂肪族および芳香族ヒドラジド
脂肪族ヒドラジドと芳香族ヒドラジドは、固定化および連結の反応に関して反応性が異なるということに留意すべきである。かくして、本発明においては脂肪族ヒドラジドのみならず芳香族ヒドラジドの付加用試剤が提供され、そしてそれらは固定化/連結巨大分子の収率を高めるために有利に用いることができる。
【0108】
2.2 基材に対するヒドラジドのカップリング法
ヒドラジド結合部分を付加し、そして本発明で利用する方法が次の実施例で例証される。これらの実施例は、結合が電子的アドレス指定可能なマイクロアレイの上にあるN−ヒドロキシスクシニミジル(NHS)修飾ポリアクリルアミド透過層上へのヒドラジド修飾オリゴの電子的濃縮によって、または物理的堆積によって成し遂げられる、オリゴから成る巨大分子の部位特異性共有結合を示すものである。このオリゴマーのヒドラジド部分はそのNHSエステルに取って代わり、ジアシルヒドラジン結合を形成する。
【0109】
これらの実施例は、従って、1.)新規な保護されたヒドラジドおよびヒドラジド前駆体ホスホロアミダイト類の合成、および標準合成手法を用いてのこれらアミダイトの合成オリゴマーに対する好結果の組み込み;2.)N−ヒドロキシ−またはN−ヒドロキシスルホ−スクシニミジル修飾透過層の製造;3.)活性化された単量体が上面層だけに組み込まれる電子的にアドレス指定可能なマイクロアレイの上の2層透過層;4.)ヒドラジド修飾オリゴのガラススライドのような非透過層基材上へのカップリング;および5.)色々な結合部分および条件の幾つかの比較を示す。
【0110】
実施例
特に指示されない限りは、全ての反応混合物は磁気攪拌された。試剤はAldrich Chemical Company(Milwaukee、WI州)からの分析等級であり、また溶媒はRiedel社から得られた。カラムクロマトグラフィーはシリカゲル60(Merck社、230−400メッシュ)を用いて成し遂げられる。融点は無補正である。IRスペクトルはGraseby Specac 10500 ATR装置を備えるPerkin Elmer Paragon 1000 FT−IRで測定される。H−NMRスペクトルは500MHzで;13Cスペクトルは125MHzで;そして31Pは202MHzでBruker DMX 500分光計で記録された。H、13C、31Pの化学シフトは内部標準としてTMSを用いるδの単位で報告され、そしてカップリング定数はHz単位で報告される。ESI質量スペクトルはFinnigan LCQ測定器で正のイオン化モードで記録される。「痕跡量」とは0.1〜0.05%の濃度を意味する。
【0111】
実施例1:ヒドラジン結合部分を巨大分子に付加させるための
色々なホスホロアミダイト試剤の合成
実験1.1 N−トリフェニルメチル−6−ヒドロキシカプロン酸ヒドラジド、化合物5の合成(図9A)
6.2g(20ミリモル)のトリチルヒドラジン塩酸塩のTHF200mL溶液に2.22g(22ミリモル、1.1当量)のトリエチルアミンを加えた。この溶液を室温(rt)で15分間攪拌し、濾過し、濃縮して3を与え、次いで2.29g(20ミリモル、1当量)のε−カプロラクトン(4)で処理した。この混合物を65℃まで5時間昇温、加熱し、そして室温まで18時間降温、冷却した。その沈殿を濾過し、そして酢酸エチルから再結晶化して3.55g(45%)の白色粉末5を与えた:
【0112】
【化55】
Figure 2004517043
【0113】
実験1.2 6−[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシ]−N’−トリチルヘキサノヒドラジド化合物1aの合成(図9A)
3.0g(7.7ミリモル)のN−トリフェニルメチル−6−ヒドロキシカプロン酸ヒドラジド(5)の乾燥ジクロロメタン50mL中溶液に、室温において4.0g(31ミリモル、4当量)のN−エチルジイソプロピルアミンおよび2.01g(8.5ミリモル、1.1当量)のクロロ(ジイソプロピルアミノ)−β−シアノエトキシホスフィン(6)を15分間にわたってゆっくり加えた。完全に添加し終わったとき、その反応混合物を1時間攪拌し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(痕跡量のトリエチルアミンを有する酢酸エチル/n−ヘプタン2/3)で精製して、3.19g(70%)の1aを淡黄色の発泡物として与えた。
【0114】
【化56】
Figure 2004517043
【0115】
実験1.3 エチル 6−[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシ]ヘキサノエート化合物1bの合成(図9B、反応図式2)
1.65g(10ミリモル)のエチル 6−ヒドロキシヘキサノエート(7)のジクロロメタン30mL中溶液に、室温において5.17g(40ミリモル、4当量)のN−エチルジイソプロピルアミンおよび2.6g(11ミリモル、1.1当量)の6を15分間にわたってゆっくり加える。完全に添加し終わったとき、その反応混合物を15分間さらに攪拌し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(痕跡量のトリエチルアミンを有する酢酸エチル/n−ヘプタン1/4)で精製して2.47g(69%)の1bを透明な油として与えた:
【0116】
【化57】
Figure 2004517043
【0117】
実験1.4 ジエチル 5−{[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシ]メチル}イソフタレート化合物1cの合成(図6B)
1.29g(5ミリモル)のジエチル 5−(ヒドロキシメチル)イソフタレートの乾燥ジクロロメタン20mL中溶液に、室温において2.59g(40ミリモル、4当量)のN−エチルジイソプロピルアミンおよび1.3g(11ミリモル、1.1当量)の2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル−クロロ−ホスホロアミダイトを15分間にわたって加える。この混合物を濃縮し、n−ヘプタン/酢酸エチル(3/2)で希釈し、そして濾過した。その濾液を濃縮し、そしてn−ヘプタン/酢酸エチル(4/1)および痕跡量のトリエチルアミンを用いてクロマトグラフィーで精製、溶離して1.6g(70%)の1cを無色の油として与えた:
【0118】
【化58】
Figure 2004517043
【0119】
実験1.5 ジメチル 3,3’−(2−{[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシ]メチル}−2−{[2−(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}プロパン−1,3−ジイルビスオキシ)ジプロピオネート、化合物1dの合成(図8B)
300mg(0.760ミリモル)のトリス−2,2,2−{[(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}エタノール(Coutts, S.; Jones, D.S.; Livingston, D.A.; Yu, L., 1995, 欧州特許出願EP第0642798A2号明細書)の乾燥ジクロロメタン2mL中溶液に、0.45Mの1H−テトラゾールの乾燥アセトニトリル中0.4M溶液2滴および274mg(0.91ミリモル、1.1当量)の2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトを加え、そしてTLCが出発物質の完全消費を示すまで(3時間)室温において攪拌する。この混合物を濃縮し、そしてクロマトグラフィー(痕跡量のトリエチルアミンを有するn−ヘプタン/酢酸エチル3/2)で精製して240mg(53%)の1dを無色の油として与えた:
【0120】
【化59】
Figure 2004517043
【0121】
実験1.6 5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−モノメトキシトリチルヒドラジド)化合物6の合成(図30a)
5−ヒドロキシメチルイソフタル酸ジヒドラジド2の合成
2.0g(7.9ミリモル)のジエチル 5−ヒドロキシメチルイソフタレート(1)のエタノール30mL中溶液に、4.0g(80ミリモル)のヒドラジン水和物を加えた。1.5時間攪拌した後に4.0gの追加のヒドラジン水和物を加え、そしてその混合物を一晩放置した。沈殿を濾過し、エタノールで2回洗浄し、そして減圧下で乾燥して1.75g(99%)の白色粉末状の2を生成させた:
【0122】
【化60】
Figure 2004517043
【0123】
5−ヒドロキシメチルイソフタル酸 ビス(N’−モノメトキシトリチルヒドラジド)5
2.0g(8.92ミリモル)のジヒドラジド2のDMF20mL中溶液に、6.92g(53.5ミリモル、6当量)のジイソプロピルエチルアミンおよび6.25g(19.6ミリモル、2.2当量)のモノメトキシトリチルクロリドをゆっくり加えた。この混合物を2.5時間攪拌し、濃縮し、酢酸エチルで希釈して100mLとし、2x100mLの水および2x100mLの飽和NaHCOで洗浄した。その有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして勾配溶離(痕跡量のトリエチルアミンを有する1/1〜1/3のヘキサン/酢酸エチル)でクロマトグラフィー精製して6.52g(95%)の白色粉末状の5を与えた:
【0124】
【化61】
Figure 2004517043
【0125】
5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−モノメトキシトリチルヒドラジド):6
1.0g(1.3ミリモル)のアルコール5の、15mLのジクロロメタン、1.5mLのDMFおよび数滴のジイソプロピルエチルアミン中の溶液に、アセトニトリル中に0.65mL(3.9ミリモル)のジイソプロピルエチルアミン、2.9mL(1.1ミリモル)の0.45Mテトラゾールおよび0.51g(1.69ミリモル)のビス−(ジイソプロピルアミン)−(2−シアノエトキシ)−ホスフィンを含んでいる溶液を滴下した。この混合物を3.5時間攪拌し、20gの脱酸シリカゲルを加え、続いて溶媒を除去した。その残分を勾配溶離(痕跡量のトリエチルアミンを含む1/1〜1/2のヘキサン/酢酸エチル)でクロマトグラフィー精製して0.59g(47%)の白色粉末状の6を与えた:
【0126】
【化62】
Figure 2004517043
【0127】
実験1.7 5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−トリチルヒドラジド)、化合物4の合成(図30a)
5−ヒドロキシメチルイソフタル酸 ビス(N’−トリチルヒドラジド)3の合成
2.0g(8.92ミリモル)のジヒドラジド2のDMF20mL中溶液に、9.1mL(53.5ミリモル)のジイソプロピルアミンおよび5.6g(19.6ミリモル)のトリチルクロリドを加えた。この混合物を2.5時間攪拌し、濃縮し、そして100mLの酢酸エチル中で結晶化させた。この生成物を濾過し、冷エタノールで洗浄し、低真空度の下で40℃において18時間乾燥して5.2g(82%)の3を生成させた:
【0128】
【化63】
Figure 2004517043
【0129】
5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−トリチルヒドラジド)、4の合成
1.3mL(7.8ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンのジクロロメタン20mL中溶液に、1.02g(3.38ミリモル)のビス−(ジイソプロピルアミノ)−(2−シアノエトキシ)ホスフィンを加え、続いてアセトニトリル/DMF(1/1)中に1.84g(2.6ミリモル)のアルコール3および5.8mL(2.6ミリモル)の0.45Mテトラゾールを含んでいる溶液をゆっくり加えた。この混合物を2時間攪拌し、12gの脱酸シリカゲルで処理し、濃縮し、そして勾配溶離(n−ヘプタン、n−ヘプタン/酢酸エチル2/3)でクロマトグラフィー精製して0.36g(16%)の無色の油4を与えた:
【0130】
【化64】
Figure 2004517043
【0131】
実験1.8 4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸メチルエステル、化合物11の合成(図31a)
3.73g(22ミリモル)の4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(10)および0.16g(2.2ミリモル)のテトラゾールのジクロロメタン50mL中溶液に、7.4g(24.6ミリモル)のビス−(ジイソプロピルアミノ)−(2−シアノエトキシ)−ホスフィンのジクロロメタン20mL中溶液を20分間にわたって加えた。完全に加え終わったとき、その混合物を室温において1.5時間攪拌し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(痕跡量のトリエチルアミンを有するヘプタン/酢酸エチル4/1)により精製して5.06g(63%)の11を与えた:
【0132】
【化65】
Figure 2004517043
【0133】
実験1.9 1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エチルオキシカルボニル)フェニルカルボニルアミド]−2−[(2’’−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)−ホスファニルオキシ]−プロパン、化合物9の合成(図30b)
1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エチルオキシカルボニル)フェニルカルボニルアミド]−プロパン−2−オール、8の合成
トルエン100mL中に懸濁された9.0g(34ミリモル)のジエチル−1,3,5−ベンゼントリカルボキシレート(7)および2滴のDMFの溶液に、5.6g(3.8mL、44ミリモル)のオキサリルクロリドをゆっくり加えた。この混合物を5.5時間攪拌し、水で中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして減圧下で乾燥して9.6gの粗製酸クロリドを淡黄色の油として与えた。
【0134】
上記酸クロリドを20mLのクロロホルムに溶解し、そして1.43g(15.7ミリモル)の1,3−ジアミノ−2−プロパノールおよび6.6mL(47.7ミリモル)のトリエチルアミンのクロロホルム20mLおよびDMF5mL中の、0℃においてアルゴン下にある溶液にゆっくり加えた。完全に加え終わったとき、その混合物を室温まで加温し、2.5時間攪拌し、2x50mLで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残分を40gのシリカゲルと混合し、乾燥状態になるまで蒸発させ、そして勾配溶離(n−ヘプタン/酢酸エチル1/1乃至酢酸エチル)でクロマトグラフィー精製して4.2g(37%)の白色粉末状の8を与えた:
【0135】
【化66】
Figure 2004517043
【0136】
1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エチルオキシカルボニル)フェニルカルボニルアミド]−2−[(2’’−シアノエチルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)−ホスファニルオキシ]−プロパン、化合物9の合成
15.2mL(6.82ミリモル)の0.45Mテトラゾールのアセトニトリル中溶液に、2.65g(3.57mL、20.5ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンおよび2.67g(8.87ミリモル)のビス(ジイソプロピルアミノ)−(2−シアノエチルオキシ)ホスファン(phosphan)のアセトニトリル5mL中溶液を加えた。この混合物を15分間攪拌し、次いで4.0g(6.28ミリモル)のアルコール8のジクロロメタン30mLおよびDMF5mL中懸濁液に加えた。この混合物を3時間攪拌し、11gのシリカゲルで処理し、濃縮し、そして勾配溶離(n−ヘプタン/酢酸エチル4/1〜2/3)でクロマトグラフィー精製して3.17g(59%)の9を淡黄色の発泡物として与えた:
【0137】
【化67】
Figure 2004517043
【0138】
実験1.10 4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸 N’−モノメトキシトリチルヒドラジド、化合物22の合成(図31d)
4−ヒドロキシメチル安息香酸ヒドラジド、20の合成
1.66g(10.0ミリモル)のメチル 4−ヒドロキシメチルベンゾエート(19)のエタノール20mL中溶液に、3.0g(60ミリモル)のヒドラジン水和物を加えた。この混合物を2時間攪拌し、3.0gの追加のヒドラジン水和物を加え、そしてその混合物を一晩放置した。その沈殿を濾過し、エタノールで2回洗浄し、そして真空乾燥して20を白色粉末として生成させた。(化合物についての文献:Yaroshenko, V.V.; Grekov, A.P.; Tkach, V.P.; Yakovenko, A.G.のIns. Khim. Vysokomol. Soedin. Sint. Fiz.−Khim. Palm., 1975, 1797;およびGaliano, R.; Joaquin, A.; Soria, A. (Instituto de Investigacion y Desarrollo Quimico Biologico, S.A., Spain). Span. (1993), 24pp. CODEN: SPXXAD ES 2039161 A1 19930816)。
【0139】
4−ヒドロキシメチル安息香酸 N’−モノメトキシトリチルヒドラジド、21
1.40g(8.4ミリモル)のジヒドラジド20のDMF20mL中溶液に、4.95g(38.4ミリモル、6当量)のジイソプロピルエチルアミンおよび5.58g(18.5ミリモル、2.2当量)のモノメトキシトリフェニルメチルクロリドをゆっくり加えた。この混合物を2.5時間攪拌し、濃縮し、100mLの酢酸エチルで希釈し、2x100mLの水および100mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして勾配溶離(痕跡量のトリエチルアミンを有するヘキサン/酢酸エチル1/1〜1/3)でクロマトグラフィー精製して白色粉末21を与えた。
【0140】
4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸 N’−モノメトキシトリチルヒドラジド22
10mLのジクロロメタン、1.0mLのDMFおよび痕跡量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中における0.57g(1.3ミリモル)のアルコール21の溶液に、3.0mL(1.3ミリモル)の0.45モル濃度テトラゾール、およびアセトニトリル5mL中のビス−(ジイソプロピルアミノ)−(2−シアノエトキシ)−ホスフィン0.55g(1.66ミリモル)で処理された、0.65mL(3.9ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンのアセトニトリル3mL中溶液をゆっくり加えた。この混合物を3時間攪拌し、15gの脱酸シリカゲルを加え、そしてそのスラリーを濃縮した。その残分を勾配溶離(痕跡量のトリエチルアミンを有するヘキサン/酢酸エチル1/1〜1/2)でクロマトグラフィー精製して22を無色の粉末として与えた。
【0141】
実験1.11 1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エトキシカルボニル)−ベンジルオキシ]−5−[(2’−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−ベンゼン、化合物15の合成(図31b)
0.52g(0.85ミリモル)のアルコール14(文献 prep.:J. Am. Chem. Soc., 1996, 118,8847)および0.33g(2.55ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンのジクロロメタン5mL中溶液に、0.23g(0.93ミリモル)の2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル−クロロ−ホスホロアミダイトを滴下した。この混合物を室温において1時間攪拌し、そして直ちに勾配溶離(ヘプタン〜ヘプタン/酢酸エチル1/1)でクロマトグラフィー精製して0.51g(74%)の15を淡黄色の油として与えた:
【0142】
【化68】
Figure 2004517043
【0143】
実施例2:保護されたヒドラジドホスホロ
アミダイト類を使用するオリゴ類の合成
概要:トリチル/ MMT DMT 保護ヒドラジドアミダイト類(例えば、化合物1a、4、6、22)を有するオリゴ類の合成
オリゴ類(例えばDNA、RNA、PNA等々)は、自動化オリゴ合成装置で固相ホスホロアミダイト化学を用いて合成される。保護されたヒドラジドを有するホスホロアミダイトをアセトニトリル中0.1M溶液として適用し、そして標準的な活性化試剤およびカップリング時間を用いて配列中の所望とされる場所でカップリングさせる。
【0144】
上記のCPG結合オリゴ(1ミリモル)を1.5mLの試験管に入れ、そして2.0mLの濃NHOHで処理する。55℃において2時間後に、そのアンモニア溶液を取り除き、減圧下で乾燥状態になるまで蒸発させる。その残分を1mLの水に溶解させ、そして0.45μmのシリンジフィルターを通して濾過する。このトリチル保護ヒドラジドオリゴを前記実験について説明した逆相HPLCで精製する。生成物上にトリチルを含んでいる画分をプールし、そして乾燥状態になるまで蒸発させる。
【0145】
トリチル保護基の除去のために、上記オリゴを80%酢酸で室温において30分間処理する。その酸を真空中で除去し、そして残分を水に溶解させ、次いで酢酸エチルで2回抽出する。その水性層を再び乾燥し、再溶解させる。分析用HPLCは、通常、単一種の生成物(ある場合には二重ピークとして)示し、それは精製することなくさらなる反応に使用することができる。別法として、HPLC精製は前記の溶媒系を用いて行うことができる。
【0146】
便宜上、合成されたオリゴマーはそれらのオリゴ番号、例えば01と称することにする。以下に記載される“dp”は脱保護ヒドラジドホスホロアミダイトであることを示す。
【0147】
実験2.1 オリゴ09:ヒドラジド−15 mer :( dp 1a−TTT TTT TTT TTT TTT−3’ )の合成
合成および脱保護をアミダイト化合物1aに関して説明したように行った。そのトリチル保護ヒドラジドオリゴを、緩衝液Aとして0.1M、pH=7.0のトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液Bとして緩衝液A中75%のアセトニトリルを使用するMerck LiChrospher RP 18カラム、10μM(分析用:4x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)を用いて逆相HPLCにより精製した。分析分離および調製分離に100分で0%B〜100%Bの勾配を用いた。トリチルON生成物は記載した条件下で42.2分に溶離する。オリゴ9は25.6分に溶離する(二重ピーク)。LRMS(ESI):M計算値:4709.15、実測値:4709.5。
【0148】
実験2.2 オリゴ10:ヒドラジド19 mer :( dp−1a−dGA TGA GCA GTT CTA CGT GG−3’
合成および脱保護をアミダイト化合物1aに関して説明したように行った。HPLCを実験2.1におけるように行った。トリチルON生成物は、記載した条件下で41.5分に溶離する。オリゴ10は25.1分に溶離する(単一ピーク)。HRMS(ESI):M計算値:6092、実測値:6092。
【0149】
実験2.3 オリゴ31( dp−1a− TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物1aを用いて上に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを上記で概説したように処理した。トリチル保護ヒドラジドオリゴを、緩衝液Aとして0.1M、pH=7.0のトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液中95%のアセトニトリルを使用するPhenomex Luna Phenyl Hexyl RP 18カラム、10μm(分析用:4x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)を用いて逆相HPLCにより精製する。勾配は80分で20%B…100%Bであった。ヒドラジドオリゴは16.88分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5217、実測値:5214。
【0150】
実験2.4 オリゴ32( dp−6−ACA ACA ATT TGA AGC TTC TGT AAT TTT G−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物6を用いて、上に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを上記で概説したように処理した。トリチル保護ヒドラジドオリゴを、緩衝液Aとして0.1M、pH=7.0のトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液中95%のアセトニトリルを使用するPhenomex Luna Phenyl Hexyl RP 18カラム、10μm(分析用:4x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)を用いて逆相HPLCにより精製する。勾配は100分で0%B…100%Bであった。ヒドラジドオリゴは36.58分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5439、トリチルを有する、実測値:5837。
【0151】
実施例3:ヒドラジドエステル前駆体
ホスホロアミダイト類を用いるオリゴの合成
概要:前駆体形(例えば、図9B、反応式2の化合物1bのようなエステル:図17Bも参照されたい)を含むホスホロアミダイト類を用いるオリゴ類のヒドラジド官能基を合成する現場生成
オリゴ類は自動化オリゴ合成装置で固相ホスホロアミダイト化学を用いて合成される。ヒドラジドの前駆体形を有するホスホロアミダイトを、アセトニトリル中0.1M溶液として適用し、そして標準的な活性化試剤およびカップリング時間を用いて、配列中の所望とされる場所でカップリングさせる。ヒドラジド前駆体のみならず、酸に不安定な保護基で標識されたヒドロキシル基を含んでいるホスホロアミダイトの使用は、ヒドラジドの前駆体形がオリゴ合成の条件に対して安定であり、同時に反応性ヒドラジドは、ヒドラジンとのインキュベーションまで形成されないので、オリゴの任意の位置におけるヒドラジドの導入を可能にする。
【0152】
上記のCPG結合オリゴ(1ミリモル)を50mgのジエチルアミンのジクロロメタン3.5mL中溶液で処理する。一晩インキュベートした後(暗中)、その上澄み液を除去し、そして支持体結合オリゴをジクロロメタンで数回洗浄し、そして真空乾燥する。
【0153】
ベンゾイル保護基およびイソブチリル保護基の開裂、オリゴの5’−末端におけるエステルのヒドラジドへの転化、およびオリゴの支持体からの開裂(図17B)のために、結合オリゴを有するCPGを1mLの24%ヒドラジン水和物で処理する。4℃において一定攪拌下で18時間後に反応は完了する。オリゴのヒドラジン溶液からの単離は、逆相抽出(例えば、Sep−PakまたはHPLC)により達成することができる。
【0154】
C18 Sep−Pakカートリッジ(0.5gのWaters、No.20515)を、10mLのアセトニトリルで、次いで10mLの0.1Mトリエチルアンモニウム・ビカーボネート緩衝液、pH7.0(TEAB)で洗浄することによって活性化する。ヒドラジン溶液を5倍容量のTEABで希釈し、そしてカートリッジに適用する。オリゴをSep−Pakカラムに結合させた後、残留ヒドラジンを10mLのTEABで洗い落とす。次に、オリゴをカラムからTEAB/アセトニトリル(1:2)を用いて溶離させる。オリゴ含有画分をプールし、そして乾燥状態になるまで蒸発させる。生成物のRP−HPLCキャラクタライゼーションおよび精製には、上記の2.1または2.3に記載された同じ条件を適用することができる。
【0155】
以下に記載される“hz”は、ヒドラジン処理されたヒドラジド前駆体ホスホロアミダイトであることを示す。
実験3.1 オリゴ11( hz−1b−GA TGA GCA GTT CTA CGT GG−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物1bを用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを上記で概説したように処理し、そして生成物をRP−HPLCにより精製した。ヒドラジドオリゴは実施例2.1で説明されたHPLC条件下で31.8分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:6599.7、実測値:6598±2。
【0156】
次の実験について、CPG結合オリゴ(1μモル)を50mgのジエチルアミンのジクロロメタン3.5mL中溶液で処理する。一晩(暗中)インキュベートした後、上澄み液を除去し、そして支持体結合オリゴをジクロロメタンで数回洗浄し、そして真空乾燥する。
【0157】
ベンゾイル保護基およびイソブチリル保護基の開裂、ヒドラジド前駆体(例えばエステル)のヒドラジドへの転化、およびオリゴの支持体からの開裂のために、結合オリゴを有するCPGを1mLの24%ヒドラジン水和物で処理する。4℃において一定攪拌下で18時間後に反応は完了する。オリゴのヒドラジン溶液からの単離は逆相抽出(例えば、Sep−PakまたはHPLC)により達成することができる。
【0158】
C18 Sep−Pakカートリッジ(0.5gのWaters、No.20515)を、10mLのアセトニトリルで、次いで10mLの0.1Mトリエチルアンモニウム・ビカーボネート緩衝液、pH7.0(TEAB)で洗浄することによって活性化する。ヒドラジン溶液を5倍容量のTEABで希釈し、そしてカートリッジに適用する。オリゴをSep−Pakカラムに結合させた後、残留ヒドラジンを10mLのTEABで洗い落とす。次に、オリゴをカラムからTEAB/アセトニトリル(1:2)を用いて溶離させる。オリゴ含有画分をプールし、そして乾燥状態になるまで蒸発させる。生成物のRP−HPLCキャラクタライゼーションおよび精製には、実施例2.3に記載された同じ条件が適用された。
【0159】
実験3.2 オリゴ33( hz−11−TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物11を用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを60分で10%B…70%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは26.60分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5236、実測値:5234。
【0160】
実験3.3 オリゴ34( hz−1c−TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物1cを用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを45分で25%B…70%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは16.87分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5295、実測値:5293。
【0161】
実験3.4 オリゴ37( hz−9−TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物9を用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを45分で25%B…70%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは11.15分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5601、実測値:5599。
【0162】
実験3.5 オリゴ38( hz−9−ACA ACA ATT TGA AGC TTC TGT AAT TTT −Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物9を用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを60分で10%B…70%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは23.55分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:9677、実測値:9674。
【0163】
実験3.6 オリゴ39( hz−15−TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物15を用いて、前に説明したように行った。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを45分で25%B…70%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは16.87分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5295、実測値:5293。
【0164】
実施例4:核酸オリゴ用の分枝用構造結合部分の製造
概要:分枝用オリゴの合成
複数のヒドラジドをオリゴに導入するために、分枝用ホスホロアミダイト類、ヒドラジドに転化される2個以上のエステル基を有するホスホロアミダイト類、並びに両アプローチの組み合わせを用いた。ヒドラジド前駆体ホスホロアミダイト類は、実施例3で説明されたようにヒドラジドに転化される。この柔軟性のある方策は、1個〜数十個(〜40個)の間のヒドラジド類の規定された数を有するオリゴの合成を可能にする。以下の実施例5の実験はp−RNAオリゴについての方法を説明するもので、DNAのような他のオリゴにも適用可能である。
【0165】
実験4.1 オリゴ35( hz−(1c) SBA−TTT TTT TTT TTT TTT−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物1cをヒドラジド前駆体として用いて、上記の一般的手法において説明したように行い、そして表2の化合物4である合成分枝用アミダイト(SBA)を分枝用構成単位として用いた。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを80分で20%B…100%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは16.57分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:5733、実測値:5732。
【0166】
実験4.2 オリゴ36( hz−(1c) SBA−ACA ACA ATT TGA AGC TTC TGT ATT TTT G−Cy3 )の生成
オリゴの合成を、化合物1cをヒドラジド前駆体として用いて、上記の概要法において説明したように行い、そして表2の記載No.4の化合物である合成分枝用アミダイト(SBA)を分枝用構成単位として用いた。Cy3色素を付加したCPG支持体を用いて、オリゴの3’末端に蛍光体を標識として付けた。CPG結合オリゴを前記で概説したように処理した。RP−HPLCを80分で20%B…100%Bの勾配で行った。ヒドラジドオリゴは13.43分に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:9809、実測値:9807。
【0167】
実施例5:分枝および非分枝結合部分を有するpRNAオリゴの製造
実験5.1 p−RNA オリゴの合成
p−RNAオリゴの合成を、次の点を除外および修正して、Miculka, C.; Windhab, N.; Brandstetter, T.; Burdinski, G.のPCT特許出願第WO99/15540号(1999年)に記載されるように行う:ペントピラノシルヌクレオシド類のホスホロアミダイト類をKOH上で真空乾燥し、そして乾燥アセトニトリルに溶解して0.1M溶液を与える。この溶液を新しく活性化した分子篩(3Å)上で3時間乾燥し、次いでPE Biosystems Expedite 8905 DNA合成装置での固相オリゴ合成に使用する。他のホスホロアミダイト類を乾燥アセトニトリルに0.1Mで溶解し、そしてそれ以上処理せずに使用する。モノメトキシトリチル保護Cy3(CAS:182873−80−9、AP−Biotech社、Freiburg、ドイツ)が装填された特注CPG支持体を用いての2’−末端にCy3色素を有するp−RNAオリゴ類には、無水塩酸ピリジニウムの乾燥アセトニトリル中0.1M溶液を活性化剤として用いる。ペントピラノシルヌクレオシド類の脱トリチル化時間を10分に延ばし、またカップリング時間を25分に延ばす。他の全ての試剤と溶液および手法は器械メーカーの推奨による。
【0168】
実験5.2 p−RNA オリゴの脱保護
β−シアノエチル保護基の開裂のために、オリゴをジエチルアミンのジクロロメタン中1.5%(重量/容量)溶液で室温において一晩処理する(暗中)。その上澄み液を除去し、そして支持体結合オリゴをジクロロメタンで数回洗浄し、そして真空乾燥する。
【0169】
ベンゾイル保護基およびイソブチリル保護基の開裂、オリゴの5’−末端におけるエステルのヒドラジドへの転化、およびオリゴの支持体からの開裂のために、結合オリゴを有するCPGを1mLの24%ヒドラジン水和物で処理する。4℃において一定攪拌下で18時間後に反応は完了する。オリゴのヒドラジン溶液からの単離は、逆相抽出(例えば、Sep−PakまたはHPLC)により達成することができる。
【0170】
C18 Sep−Pakカートリッジ(0.5gのWaters、No.20515)を、10mLのアセトニトリルで、次いで10mLの0.1Mトリエチルアンモニウム・ビカーボネート緩衝液、pH7.0(TEAB)で洗浄することによって活性化する。ヒドラジン溶液を5倍容量のTEABで希釈し、そしてカートリッジに適用する。オリゴをSep−Pakカラムに結合させた後、残留ヒドラジンを10mLのTEABで洗い落とす。次に、オリゴをカラムからTEAB/アセトニトリル(1:2)を用いて溶離させる。オリゴ含有画分をプールし、そして乾燥状態になるまで蒸発させる。生成物のキャラクタライゼーションおよび精製は、緩衝液Aとして0.1M、pH=7.0のトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液Bとして緩衝液A中75%のアセトニトリルを使用するMerck LiChrospher RP 18カラム、10μM(分析用:4x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)を用いて逆相HPLCにより達成される。分析分離および調製分離に100分(HPLC法A)または30分(HPLC法B)で0%B〜100%Bの勾配を用いる。
【0171】
実験5.2.1 オリゴ12:1個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−hz−1b−TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護をアミダイト化合物1bに関して説明したように行った。
【0172】
実験5.2.2 オリゴ13:3個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−hz−1b−TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護をアミダイト化合物1dに関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で37.9分(HPLC法A)に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:3516.6、実測値:3515。
【0173】
実験5.2.3 オリゴ14:4個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−hz−(1c) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、アミダイト化合物1cに関して、および対称分枝用ホスホロアミダイト(SBA;Clontech社、No.5252−2)に関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で37.3分(HPLC法A)に溶離する。LRMS(MALDI):M計算値:3784.7、実測値:3784。
【0174】
実験5.2.4 オリゴ15:8個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−hz−(1c) (SBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、アミダイト化合物1cに関して、および対称分枝用ホスホロアミダイト(SBA;Clontech社、No.5252−2)に関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で36.9分(HPLC法A)に溶離する。LRMS(MALDI):M計算値:4661.1、実測値:4464。
【0175】
実験5.2.5 オリゴ16:スペーサーおよび8個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−hz−(1c) (SBA) (SBA)(S18) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、アミダイト化合物1cに関して、および対称分枝用ホスホロアミダイト(SBA;Clontech社、No.5252−2)およびスペーサー18(S18、Glen research社、No. 10−1918−02)に関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で38.7分(HPLC法A)に溶離する。
【0176】
実験5.2.6 オリゴ17:16個のヒドラジドを有する Cy3 標識 p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’(1c) (SBA) (SBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、アミダイト化合物1cに関して、および対称分枝用ホスホロアミダイト(SBA;Clontech社、No.5252−2)に関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で38.7分(HPLC法A)に溶離する。
【0177】
実験5.2.7 オリゴ18:4個のヒドラジドを有する p−RNA オリゴ( Cy3 色素なし): p−RNA オリゴ 4’−(1c) (BSA) TAG GCA TT−2’
合成および脱保護をアミダイト化合物1cに関して説明したように行った。生成物は説明した条件下で12.75分(HPLC法B)に溶離する。LRMS(ESI):M計算値:3275.1、実測値:3275.4。
【0178】
実験5.3 オリゴ26:保護ヒドラジドホスホロアミダイトを用いるモノヒ ドラジド pRNA の製造: pRNA オリゴ 4’−dp−6−AGA CGT AGA G−Cy3−2’
β−シアノエチル保護基の開裂のために、オリゴをジエチルアミンのジクロロメタン中1.5%(重量/容量)溶液により室温において一晩処理した(暗中)。その上澄み液を除去し、そして支持体結合オリゴヌクレオチドをジクロロメタンで数回洗浄し、そして真空乾燥した。
【0179】
ベンゾイル保護基およびイソブチリル保護基の開裂およびオリゴの支持体からの開裂のために、結合オリゴを有するCPGを1mLの24%ヒドラジン水和物で処理した。4℃において一定攪拌下で18時間後に反応は完了した。オリゴのヒドラジン溶液からの単離を、逆相抽出(例えば、Sep−PakまたはHPLC)により達成した。
【0180】
C18 Sep−Pakカートリッジ(0.5gのWaters、No.20515)を、10mLのアセトニトリルで、次いで10mLの0.1Mトリエチルアンモニウム・ビカーボネート緩衝液、pH7.0(TEAB)で洗浄することによって活性化した。ヒドラジン溶液を5倍容量のTEABで希釈し、そしてカートリッジに適用した。オリゴをSep−Pakカラムに結合させた後、残留ヒドラジンを10mLのTEABで洗い落とした。次に、オリゴをカラムからTEAB/アセトニトリル(1:2)を用いて溶離させた。オリゴ含有画分をプールし、そして乾燥状態になるまで蒸発させる。生成物のキャラクタライゼーションおよび精製を、緩衝液Aとして0.1M、pH=7.0のトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液Bとして緩衝液A中75%のアセトニトリルを使用するPhenomex Luna Phenyl Hexyl RP 18カラム、10μM(分析用:4x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)を用いて逆相HPLCにより達成した。
【0181】
トリチル保護基の除去のために、オリゴを80%酢酸で室温において30分間処理した。その酸を真空中で除去し、そしてその残分を水に溶解させ、次いで酢酸エチルで2回抽出した。その水性層を再び乾燥し、そして再溶解させた。分析用HPLCは、通常、単一種の生成物を(ある場合には二重ピークとして)示し、それは精製することなくさらなる反応に使用することができる。80分で20%B…100%Bの勾配を用いると、生成物は16.83分で溶離する。LRMS(ESI):M計算値:4055、実測値:4053。
【0182】
実施例6:ヒドラジドオリゴのボロネートオリゴへの転化
概要:ヒドラジドオリゴのボロネートオリゴへの転化手法
50ミリモルのヒドラジドオリゴを200μLのpH4.0、10mMの酢酸アンモニウム緩衝液に溶解し、そしてヒドラジド1当量につき15当量の4−ホルミルフェニルボロン酸(Aldrich社、No. C43,196−6;CAS: 87199−17−5)を加える。例えば4個のヒドラジドを含んでいるオリゴでは、4−ホルミルフェニルボロン酸のDMSO(3μモル)中0.1M溶液30μLを使用する。この混合物を室温で1時間インキュベートし、4−ホルミルフェニルボロン酸1当量当たり20当量のNaCNBHを加え、そしてインキュベーションを室温でもう1時間続ける。例えば4個のヒドラジドを有するオリゴでは、NaCNBHの、pH4の10mM酢酸アンモニウム緩衝液中1M溶液(1mLに6.3mg溶解)150μL(150μモル)が必要である。
【0183】
過剰の4−ホルミルフェニルボロン酸およびナトリウム・シアノボロヒドリドの除去は、HPLC、ゲル濾過(Pharmacia PD10カラム)または固相抽出(Merck LiChroluteカラム)によって行われる。ボロネート(boronate)修飾オリゴについては、端部キャップ付きHPLCカラムを用いることが非常に重要である。典型的な条件は、緩衝液AとしてpH=7.0の0.1Mトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)を、緩衝液Bとして緩衝液A中75%のアセトニトリルを使用する5μLのPhenomenex Luna Phenyl Hexylカラム(分析用:4.6x250mm、流量=1.0mL/分;調製用:10x250mm、流量=3.0mL/分)である。分析分離および調製分離に100分(HPLC法A)または30分(HPLC法B)で0%B〜100%Bの勾配を用いる。生成物含有画分をプールし、そして乾燥状態まで蒸発させる。
【0184】
実験6.1 オリゴ19:1個のボロネートを有する p−RNA p−RNA オリゴ 4’−(PBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ12を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。
【0185】
実験6.2 オリゴ20:3個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ13を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。
【0186】
実験6.3 オリゴ21:4個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ14を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。
【0187】
実験6.4 オリゴ22:8個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) (SBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ15を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。生成物は記載した条件下で46.3分(HPLC法A)に溶離する。
【0188】
実験6.5 オリゴ23:スペーサー18および8個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) (SBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ16を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。
【0189】
実験6.6 オリゴ24:16個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) 16 (SBA) (SBA) (SBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ17を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。生成物は記載した条件下で49.0分(HPLC法A)に溶離する。
【0190】
実験6.7 オリゴ25:1個のボロネートを有する p−RNA オリゴ: p−RNA オリゴ 4’−(PBA) TAG GCA TT(Cy3)−2’
合成および脱保護を、出発物質としてオリゴ18を用いて、上記の一般的プロトコルで説明されるように行った。
【0191】
実施例7:HPLC分析
ヒドラジドオリゴの合成が終わったとき、実験の第一の組みでNHSエステルまたはスルホ−NHSエステルを有するヒドラジド標識オリゴの溶液反応動力学が調べられた。5μLの132μMヒドラジドATA5の50mMヒスチジン30μL中溶液に、5μLの10mM NHSアクリレートを加えた。この溶液を室温で短時間攪拌し、次いでHPLC装置系に注入した。その溶液中の化合物類のHPLCトレースは、反応混合物中に所定反応時間の間存在するヒドラジドATA5およびN’アクリロ−ATA5ジヒドラジドの量であることを示した。出発ATA5ヒドラジドおよび修飾されたATA5ヒドラジドの保持時間は、明瞭かつ分離可能であった。
【0192】
図10A−Cは反応混合物の3つの別個のトレースを示す。第一のトレース(A)は、無修飾ATA5ヒドラジドAから得られたものであり、そして第三のトレース(C)は、NHSアクリレートとの5分の反応時間後の完全修飾ATA5ヒドラジド(B)を表す。中央のトレース(B)は、反応に1分捕獲された不完全修飾のものを表す。ATA5ヒドラジドの近似消費を仮定すれば、疑一次反応速度は1200M−1−1となる。
【0193】
用いられた他の結合系に対するこの速度の比較が図11に示される。NHSエステルについての、水性環境におけるヒドラジドとの反応速度は、例外的に効率的な反応であることを表している。さらに、ヒドラジド修飾のpH依存性を決定するために反応のpHが変えられた。実験は、HClでpH=6、5.5、5.0、4.5および4に調整された50mMヒスチジンの緩衝系を用いて行われた。しかし、pH=4ではヒドラジドオリゴは影響を受けず、形質転換を構成せず、従ってpHの下限は約4.5である。
【0194】
実施例8:電子的に処理できるマイクロチップ
ディバイスに対するヒドラジドオリゴの結合
概要:電子的にアドレス指定可能なマイクロチップの製造
電子的にアドレス指定可能なマイクロチップ[Nanogen, Inc., La Jolla, CA州]を含むマイクロアレイをアルゴン下で5分プラズマ洗浄する。次に、1cmx1cmの25サイトチップ(25 site chips)を気相堆積法を用いてシラン化する。このマイクロアレイの中央に、0.3%のDaracur 4265をUV開始剤として有する、9:1(モル比)のアクリルアミド/ビアクリルアミドの1:1DMSO/HO中20%(質量)溶液0.10μLを加える。そのチップを、そのマイクロアレイサイトが4平方μmのキャビティを含んでいる一辺3mmのUV窓に押しつけられるマイクロ反応(microreaction)成形装置系に入れる。上記溶液にUV光を20秒間照射し、それを成形装置系から取り外し、水で洗浄し、そして風乾する。そのウエル(well)はマイクロアレイを覆う四角のヒドロゲル層をなす。そのモールドのパラメーターを超える過剰の重合を除く。
【0195】
存在する透過層に10/83/7(モル比)のNHSまたはスルホ−NHS/Am/Bisを20%(質量)単量体濃度で含んでいる溶液0.80μLを加え、そして存在する重合体を1分間飽和させる。そのチップをマイクロ反応成形装置系上に載せ、そして直径4.6mmおよびウエルの深さ5μmを有する環状モールドを用いて上記のように重合させる。この第二のモールドは存在する四角の層を完全に包囲し、かつその層を越えて広がっている。第二の層の付着は重合体鎖の差し込みによって成し遂げられ、シランを結合する。それらチップを水で洗浄し、そして圧縮空気で乾燥し、続いて次の実験で試験する。
【0196】
実験8.1:活性エステル濃度および標識捕獲手段処理
0、1、2および4%のスルホ−NHSを含んでいる上記の2重透過層で修飾されたチップに、500ヒドラジド−T12−BTR(Bodipy Texas Red)を特異性標識捕獲手段(specific labeled capture)として電子的に装填し、一方50mM nMビオチン−T12−BTRを非特異性標識捕獲手段として用いた。溶液を全て5mMヒスチジンで緩衝剤処理した。捕獲手段を、500nA/パッドの電流において、120秒間、一度に4パッドずつ処理した。各チップを1%SDS、0.2xSTEで洗浄し、そして1%SDS中に20分間浸漬した。これらのチップを1秒間画像形成させ、そして平均MFI値を記録した。
【0197】
図12に見ることができるように、標識されたヒドラジドオリゴの共有結合は透過層中の活性エステルに依存し、濃度が高まるにつれて増加する。ビオチン標識されたオリゴの非特異性結合もかなり低く、この実験の場合平均40MFI/秒である。
【0198】
実験8.2:電子的条件および透過層の結合
10%のNHFまたはスルホ−NHSを含んでいる上記の2重透過層で修飾されたチップに、500および5nMヒドラジド−T12−BTRを特異性標識捕獲手段として電子的にローディングした。500mM nMビオチン−T12−BTRを非特異性標識捕獲手段として用いた。溶液を全て5mMヒスチジンで緩衝剤処理した。捕獲手段を、400、500、600、700および800nA/パッドの電流において、120秒間、一度に3パッドずつ処理した。非特異性捕獲手段は800nA/パッドで装填された。各チップを1%SDS、0.2xSTEで洗浄し、そして1%SDS中に20分間浸漬した。これらのチップに1秒間画像形成させ、そして平均MFI値を記録した。
【0199】
図13に見ることができるように、NHD修飾透過層に対する特異性捕獲手段の結合は600nAにおいて劇的に増加し、一方スルホ−NHS修飾ヒドロゲルは最大結合について僅かに高い電流を必要とする(図14)。
【0200】
実験8.3:複数の結合部分のオリゴに及ぼす効果
10%のNHFを含んでいる上記の2重透過層で修飾されたチップに、1、2、4または8個のヒドラジド部分を含んでいるCy3標識ATA5オリゴをローディングした。この4種のオリゴマーを、500nMにおいて、700か800nA/パッドのいずれかの電流を用いて120秒間電子的にアドレス指定化処理をし、50mMヒスチジンで緩衝剤処理した。完了したとき、これらのチップを洗浄し、そして結合レベルを測定した。
【0201】
記録されたMFI/秒値は図15に示される。オリゴマー1個当たりの、結合に有効なヒドラジド部分の数の与えられた等しい電流における比較は、オリゴマー上のヒドラジド数の増加と共に結合レベルが高くなることを示している。
【0202】
実験8.4:リバースドット−ブロット( reverse dot−blot )電子ハイブリダイゼーション
15%のNHFを含んでいる上記の2重透過層で修飾されたチップに、Cy3標識を特異性捕獲手段として有するオクタヒドラジドATA5オリゴマーをローディングした。この特異性捕獲手段は、500nMにおいて、600か700nA/パッドのいずれかの電流を用いて120秒間ローディングされ、50mMヒスチジンで緩衝剤処理された。電子ハイブリダイゼーションは、5nMのRCA5−T12−Cy5を特異性標的として用いて行われ、一方5nMのRCA4−Cy5の溶液が非特異性標的として用いられた。これらの標的を400nA/パッドにおいて60秒間ローディングし、それらチップを標準のプロトコルに従って洗浄し、そして画像形成した。
【0203】
図16に与えられるデータは、特異性標的の非特異性標的に対する優先ハイブリダイゼーションを示している。上記で記録されたデータに一致して、捕獲手段の電子装填について600から700nAまでの電流増加は、ハイブリダイゼーションの増加をもたらすことにも留意されるべきである。
【0204】
実施例9:非共有結合部分を有する巨大分子の合成
図4並びに図5AおよびBは、複数の結合部分を含んでいるオリゴの合成を描くものである。図4には、オリゴ合成が描かれており、この場合2個のPBAを含んでいる単一の分枝したホスホロアミダイトが付加されている。図5AおよびBは、4個のPBAを有する2個の枝、および8個のPBAを有する3個の枝をそれぞれ示している。描かれた合成はABI394 DNA合成装置で行われた。分枝ホスホロアミダイトの段階的カップリング収率は通例のヌクレオチドホスホロアミダイト類と同様で、約96−98%であった。PBAホスホロアミダイトは最後の工程で適用された。オリゴ類の固体支持体からの開裂および保護基の除去は、この技術分野の当業者によく知られている通例のオリゴ類の処理と同じであった。オリゴ上でヒドラジド部分からPBA部分を現場生成させる代替法についての前記実施例6を参照されたい。
【0205】
PBAを含む分枝オリゴはHPLCで精製および分析された。PBA含有オリゴのHPLCは、通例のオリゴのピークよりも広いピークを示した。
実験9.1:非共有結合部分を介してのオリゴの電子的ローディング
20nMの非分枝および分枝PBA含有ATA5捕獲プローブを、ヒドロゲル基材上に電子的にローディングした。これらの捕獲プローブを50mMのヒスチジン中に一度に10パッドずつ120秒間ローディングした。20nMのRCA5−BTRを5分間受動的に(passively)ローディングした。これら基材を洗浄し、そして画像形成した。分析は、分枝および非分枝の両捕獲プローブが所望のとおり透過層に固定されたことを示した。
【0206】
実験9.2:非共有結合部分を有する電子的ローディング巨大分子の安定性
オリゴ20、21および22(3、4および8個のPBA結合部位を含むp−RNA)を、SHA修飾ヒドロゲルチップに対して電子的にアドレス指定化処理をした。完了したときに、前記の標準洗浄手順の後に初期画像を記録した。次に、これらのチップアレイを10μLの50mMヒスチジンでの反復洗浄による規則的洗浄に付した。5回の洗浄後に画像を記録した。図21に示される結果は2つ特長を含む。第一に、オリゴ1個当たりより多数の結合部位を有するより高次のデンドリマーに記録された信号は明確により高い。また、この信号は25回の洗浄サイクルにわたってかなり安定で、デンドリマー結合系使用の改善された安定性を例証している。オリゴ22はその初期信号の約14%を失い、一方オリゴ20および21はそれぞれ25%および35%減少した。
【0207】
実施例6:複数ヒドラゾン形成による共有結合
単一のアミンまたはヒドラジドにより修飾されたオリゴ類は、アルデヒド修飾ヒドロゲル類上に電子的にローディングすることができる。アルデヒドとアミンまたはヒドラジドとの相互作用の結果として、アミン(窒素に二重結合を有する炭素)またはヒドラゾンがそれぞれ形成される。これらの反応は水性条件下で可逆的であって、安定な不可逆性共有結合を形成させるにはNaBHCNによるさらなる還元が必要とされる。実際、単一のヒドラジドを含むオリゴマーの電子濃度は、オリゴマーをヒドラゾン形成によって表面に結合させた。還元工程をなくすことは、結合したオリゴがアレイの多くの用途に関連する時間内に拡散で離散してしまう、比較的容易に加水分解される不安定な結合をもたらした。
【0208】
デンドリマーヒドラジドの使用は、オリゴ1個につき形成されるヒドラゾンが十分な数であるとすれば、さらなる還元を必要としない幾らか不安定な結合による共有結合の手段となる。可逆的なヒドラゾン形成は一部の結合部位により起こり得、一方他の結合部位はそのままになっている(図22)。そのヒドラジドは拡散することができず、アルデヒドリッチの環境内に閉じ込められ、容易に再形成可能である。この平衡は、オリゴ1個当たりの増加した結合部位数を利用して、全ての結合が一度には加水分解しないとの条件で、安定な結合系を与えようとするものである。アルデヒドリッチの透過層はグリオキシルアガロースにおけるように直接製造することもできるし、或いはアセタール修飾透過層から得ることもできる。後者では、アセタール部分は酸の存在下で容易に加水分解されてアルデヒドをもたらす。アセタールは保護基として働き、アルデヒド官能基を活性化が望まれるまで保存する。加水分解は酸性条件に対する1時間の暴露により、または希薄塩溶液で緩衝剤処理された緩和な電流に付すことによって完了させることができる。後者の方法は、陰極で生成した酸を利用することによって部位特異性加水分解をさせる。
【0209】
実験9.1:グリオキシルアガロースに結合されたデンドリマーヒドラジドオリゴマー
標準の25サイトチップにグリオキシルアガロース(FMC社、Princeton、NJ州)を回転塗布した。1、2、4および8個のヒドラジドを含む500nMのヒドラジドCy3標識オリゴを、50mMのヒスチジンで緩衝剤処理して500nA/パッドにおいて各々2分間電子的にローディングした。これらチップを確立された手順により洗浄し、そして画像形成した。記録されたMFI/秒が図23に示される。1個または2個のヒドラジドを有するオリゴはかなり不安定で、予想されるように、バックグランドノイズ以上の検出可能な蛍光をほとんど与えなかった。それより多い数のヒドラジドを有するオリゴは、アルデヒド修飾表面と安定な共有結合を形成することができる。
【0210】
実験9.2:アセタール修飾ヒドロゲルに結合されたデンドリマーヒドラジドオリゴマー:脱保護および共有結合
電子的にアドレス指定可能な25アレイサイトマイクロチップを、15:2:3比のアクリルアミド、ビスアクリルアミドおよびビニルアセタールより構成される単一層ヒドロゲルで修飾した。選択した部位を、50mMのNaCl溶液中で、300nA/パッドの電流において2分間活性化してアセタール官能基を加水分解し、アルデヒドを露出させた。オリゴ1個につき8個のヒドラジドを含むデンドリマーヒドラジドオリゴマーを、50mMのヒスチジンで緩衝剤処理して、活性化済みパッドおよび活性化されていないパッドに、500nA/パッドで2分間電子的にローディングした。非特異性オリゴもアセタールおよびアルデヒド修飾された両部位上に電子的にローディングした。標準洗浄サイクル後に、それらチップを画像形成させた。記録されたMFI/秒データは図24に示される。
【0211】
図24に見ることができるように、電子的に活性化され、次いでデンドリマー標識オリゴマーが電子的にローディングされたパッドは最高の蛍光信号を示す。興味深いことに、予備処理されず、アセタールとして留まっているそのようなパッドもヒドラジド修飾オリゴマーのある種の結合を示す。多分、オリゴマーを濃縮するために適用された電流が、局所的にヒスチジンの緩衝能力を超えるに十分なほど酸を生成させ、従って有意な量のアセタール部分を加水分解することができた。
【0212】
実施例10:非基材表面カップリング反応における
ヒドラジド修飾オリゴの使用:標識付け等々
実験10.1:ヒドラジド− 15mer 9とベンジルオキシアセトアルデヒドとの反応;図19
10μモルのヒドラジドオリゴ9を、60μLの10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)に溶解させた。1滴のベンジルオキシアセトアルデヒド(CAS:6065−87−2;C9H10O2 [150.1760]; Aldrich社、No. 28,218−3)を加え、その混合物を室温で1時間放置した。その溶媒と過剰のアルデヒドを真空中で除去し、そして生成物をHPLC(カラム:Merck LiChrospher RP 18;10μM、4x250mm;緩衝液A=0.1Mのトリエチルアンモニウムアセテート、pH=7.0、緩衝液B=緩衝液A中75%アセトニトリル;流量=1.0mL/分;勾配:100分で0%B〜100%B)で分析した。この生成物の保持時間は30.7分で、オリゴ9は25.5分で溶離する。
【0213】
実験10.2:オリゴ10とペプチドとの連結反応、図20
4.4nモルのオリゴ10を60μLの10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)に溶解させた。15μLの緩衝液中における44nモル(10当量)のアンチパイン塩酸塩(CAS:37682−72−7; C27H44N10O6・2HCl;[677.6304]; Calbio社、No. F 178220)を加え、そして室温において3時間攪拌した。この中間体生成物をNaBHCN(100当量)で室温において1時間還元した。生成物をHPLC(カラム:Merck LiChrospher RP 18;10μM、4x250mm;緩衝液A=0.1Mのトリエチルアンモニウムアセテート、pH=7.0、緩衝液B=緩衝液A中75%アセトニトリル;流量=1.0mL/分;勾配:60分で10%B〜85%B)で単離した。この生成物(オリゴペプチドコンジュゲート)の保持時間は16.5分で、オリゴ10は13.9分で溶離する。MS(ESI):計算値:6680.6;実測値:6679.6。
【0214】
実施例11:ヒドラジド修飾巨大分子の
スライド表面上への受動的適用
ヒドラジド修飾オリゴの商業的に入手できるスライドに対する結合のために、1〜16個のヒドラジドを含むp−RNAオリゴを使用した。オリゴ12、13および14と共に、1dから製造された3個および6個のヒドラジドを有するオリゴマーを使用した。さらに、アミン末端基付きオリゴマー(5’アミノ修飾剤C6;Glenn Research社)および修飾のないオリゴを非特異性対照として使用する。全オリゴマーをその2’末端においてCy3で標識し、そして同じヌクレオチド配列を保持させる。
【0215】
実験11.1:アミン結合用スライドである Surmodics 3D Link (商標)に対する結合
オリゴを、10μM〜100nMの範囲の濃度を有するpH=8.5の3D Link(商標)プリント緩衝液(Surmodics, Inc.、Eden Prairie、ミネソタ州)に溶解させる。各溶液から、0.5μLをスライド表面に直接適用し、そして飽和NaCl溶液の上のシールされたチャンバー中で、暗所、室温において一晩インキュベートした。これらスライドを、次に、3D Link(商標)封鎖用緩衝液により50℃で15分間処理して未処理表面部位を封鎖した。これらスライドを水で2回洗浄し、続いて50℃において0.2%SDSで30分間洗浄し、最後に2回の水洗浄を行い、次いで風乾した。蛍光の検出はPhamacisスキャナーで20秒の積分時間を用いて行った。画像および強度分布は図25に示される。
【0216】
非特異性オリゴは、10μMにおいて10x10〜25x10相対単位の間の信号を与えた。この信号は、単一のアミノ基を含んでいるオリゴについて観察された信号の強度比較である。これに対して、ヒドラジド修飾オリゴは、35〜40x10蛍光単位という上記よりもはるかに高いローディング量をもたらす。さらに、ヒドラジド修飾オリゴは、検出下限が5μMであるアミン修飾オリゴマーと比較して、検出下限が1.25μMであるより低い濃度でより高い蛍光信号を有する。
【0217】
実験11.2:SuperAldehyde スライドに対する結合
オリゴを、10μM〜100nMの範囲の濃度を有するpH=8.5のSurmodics 3D Link(商標)プリント緩衝液またはpH=4.0の10mM酢酸アンモニウム緩衝液のいずれにも溶解させた。各溶液から、0.5μMをSuperAldehydeスライド(Telechem International, Inc.、Sunnyvale、CA州)の表面に適用し、そして室温において一晩インキュベートする。これらスライドを、次に、0.2%SDSで2回処理し、そして水で4回(各2分)洗浄した。次に、その表面を133mLのエタノールと共にpH=7のPBS緩衝液中0.3%のNaBHCN溶液で処理して泡立ちを除いた。この後に0.2%SDS および水で洗浄を1分ずつ3回行った。蛍光の検出をPhamacisスキャナーで20秒の積分時間を用いて行った。画像および強度分布は図26に示される。
【0218】
図26に見ることができるように、pH=8.5および4.0の両pHにおいて、ヒドラジドオリゴはアミン末端基付きオリゴマーと比較してそれよりはるかに高い信号強度を与え、それはpHの変化によって影響されない。さらに、濃度が同じだとすれば、ヒドラジド修飾オリゴマーがアミン修飾オリゴマーよりもはるかに高い信号強度を与える。アミンオリゴは2.5μM未満ではもはや検出できないが、一方ヒドラジドオリゴマーは1.25μMもの低濃度で検出される。
【0219】
実施例12:活性エステル表面上における
ヒドラジン結合部分とアミン結合部分との比較
比較のために、アミノ−C6−修飾およびCy3標識オリゴヌクレオチドT15(5’−アミノC6−TTT TTT TTT TTT TTT Cy3)をBiospring GmbH、Frankfurt/Main、ドイツから購入した。このオリゴおよび次のオリゴ、即ちO31、O33、O34、O35、O37、O39を用いて、50mMヒスチジン緩衝液中20μMおよび100μMの溶液を調製し、そしてMillipore ULTRAFREE−MC 0.22μmフィルターユニットを通して濾過した。得られたこれら溶液を、2つのパッドを2.2Vにおいて180秒間、各プローブについて同時に処理することによって、活性エステルNHS透過層Nanogen Chip上で処理した。Cy3を低利得(low gain)において64μ秒間記録した。同時に処理されたパッドからの信号を平均した。このデータは図29に示される。この実験におけるオリゴO39の精製、および透過層における活性エステルの徐分解に関する問題が、このデータ点を他のデータと相容れないものとし、そのためそのデータ点をグラフから省いた。しかし、O39は、依然として、その未知の有効濃度において、単一ヒドラジド修飾オリゴに匹敵する結合を明らかにした。
【0220】
得られたデータは、ヒドラジド修飾全てが、活性エステル表面上での固定化に関してアミノ修飾オリゴヌクレオチド類より優れた性能を有することを証明している。かくして、単一ヒドラジドオリゴでさえも、現在広く使用されているアミノ修飾オリゴよりも改善された性能を証明している。
【0221】
さらに、1つの合成工程で4個のヒドラジド基の導入を許す新規なアミダイト化合物9を用いて製造されたオリゴ37は、固定化に関してオリゴ35と同様の挙動を示す。
【0222】
以上の説明は本発明の諸態様を例証しようとするものであって、いかなる意味でも本発明を限定しようとするものではない。本発明を特定の修飾に関して説明したけれども、それらの細部は限定と解されるべきではなく、それについて、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、色々な均等物、変更および修正に頼ることができることは明白であり、かつそのような均等な態様は本発明に含められるべきであることが分かる。全ての刊行物および特許出願は、ここで参照することにより、個々の刊行物および特許出願が、各々、あたかも、具体的かつ個別に参照されて含められていると示されているかのごとく、本明細書に同程度に含められるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、オリゴ類を平らな基材上に固定化するための典型的なアプローチを描いている模式図である。一般に、オリゴマーを基材表面に結合させるのに単一の反応性基が用いられる。
【図2】
図2は、巨大分子が基材に対するその巨大分子の共有または非共有結合に関与することができる複数の結合または結合部分を有する、本発明の固定化アプローチの模式図である。
【図3】
図3は、基材表面に結合させるための複数の反応性部分に結合されている核酸鎖の1例のより詳細な図である。この例においては、分枝ホスホロアミダイト類の化学構造が多重様式で付加されて、巨大分子に結合されたデンドリマー構造をもたらしている。
【図4】
図4は、フェニルボロン酸(PBA)結合部分を含んでいるデンドリマー構造を有する構造物を生成させる一連の化学的工程を示す。
【図5】
図5AおよびBは、オリゴ巨大分子を基材表面に非共有結合させるための、4個(A)か8個(B)のいずれかの結合部分を有するオリゴ巨大分子を含む化学構造をもたらす一連の化学的工程を示す。
【図6】
図6A−Cは、ホスホロアミダイト類を用いて複数の反応部位を有する巨大分子を生成させる合成工程を図解する。これらの部分は、オリゴ類のヒドラジンによる脱保護中にヒドラジドに転化されるエステル基を含む。
【図7】
図7は、共有結合による巨大分子の基材に対する固定化で使用するためのヒドラジド部分の直接結合を有する巨大分子を含む化学構造AおよびBを示す。
【図8】
図8A−Dは、複数の結合部分を有する構造物を生成させる化学合成を示す。(A)において、分枝ホスホロアミダイトがオリゴに付加され、そのオリゴが二官能性ホスホロアミダイトで修飾され、続いてジエチルアミン/CHClおよびヒドラジンにより脱保護されて基材に結合するための4個のヒドラジド基を有する結合部分を生成させる。(B)においては(A)と同様の反応図式が与えられ、その結果6個のヒドラジド結合部分がもたらされる。(C)においては、2種の異なる分枝ホスホロアミダイトの逐次使用の結果、巨大分子1個当たり16個のヒドラジド結合部分がもたらされる。(D)では、分枝ホスホロアミダイトがデンドリマー構造を形成するために2つの工程で使用され、続いてホスホロアミダイトおよびヒドラジン処理が行われて、巨大分子1個当たり4個のヒドラジド結合部分がもたらされる。
【図9】
図9A−Cは、3つの反応図式を示すもので、その内AおよびBはオリゴ巨大分子に組み込むための新規なホスホロアミダイトを製造する工程を示す。図9Cは、ヒドラジドで標識されたオリゴは活性エステル単量体と反応することができ、従って巨大分子の固定化用基材を形成するのに使用できる反応図式を示す。
【図10】
図10A−Cは、ヒドラジド標識オリゴを図9の反応図式3に示されるもののような活性エステル単量体にカップリングさせるための反応混合物の3つの別々のHPLCトレースのグラフである。
【図11】
図11は、マルチ標識巨大分子の結合の反応速度を示すグラフである。ヒドラジド/N−ヒドロキシスクシニミジル(NHS)エステル結合は、このアミン/NHSエステル結合系を含めて他の共有結合系の速度よりもかなり高いく、そして2つの非共有結合系の速度に近い速度で生じた。
【図12】
図12は、標識されたヒドラジドオリゴの共有結合が、基材表面中における活性エステルの量に依存することを示すグラフである。
【図13】
図13は、NHSエステルかN−ヒドロキシ−スルホスクシニミジル(スルホ−NHS)エステルのいずれかで修飾された基材表面の共有結合の増強(proficiency)をそれぞれ示しているグラフである。これらのグラフは、ある印加電流範囲にわたる電極に結合された標識されたオリゴマーからの特異性および非特異性蛍光強度を示す。
【図14】
図14は、NHSエステルかN−ヒドロキシ−スルホスクシニミジル(スルホ−NHS)エステルのいずれかで修飾された基材表面の共有結合の増強(proficiency)をそれぞれ示しているグラフである。これらのグラフは、ある印加電流範囲にわたる電極に結合された標識されたオリゴマーからの特異性および非特異性蛍光強度を示す。
【図15】
図15は、ヒドラジド部分の多重結合が基材上で巨大分子をより高いレベルで検出できるようにすることを示すグラフである。
【図16】
図16は、ハイブリダイゼーションがヒドラジド修飾オリゴ(ATA5)を含んでいるそれら部位上だけで完了された電子リバースドット−ブロットの結果を示すグラフである。捕獲プローブは、適切な電子条件下では活性エステル含有基材に特定的に結合された。ヒドラジドを有しない非特異性捕獲手段は活性エステルと反応せず、従ってハイブリダイゼーションには利用できない。
【図17】
図17は、2つの別個のプロトコルAおよびBに従って進むヒドラジド修飾オリゴの合成を示す。Aにおいて、オリゴマーを修飾するのに、保護されたヒドラジドホスホロアミダイトが用いられ、それが次いで脱保護される。Bでは、オリゴマーを修飾するのにエステルホスホロアミダイトが用いられ、それが次いでヒドラジンと反応せしめられる。
【図18】
図18は、ヒドラジド修飾オリゴマーと反応し得る色々な官能基を例示している模式図を示す。
【図19】
図19は、アルデヒドと縮合するヒドラジドオリゴマーの例である。
【図20】
図20は、アルデヒドと縮合するヒドラジドオリゴマーの例である。
【図21】
図21は、オリゴ1個当たり3個、4個および8個のフェニルボロン酸により標識されたオリゴマーについての記録された平均蛍光強度(mean fluorescent intensity:MFI)を示す。結合系の安定性をモニターするために、結合されたオリゴマーは激しい洗浄条件に付された。
【図22】
図22は、アルデヒドリッチの透過層上へのデンドリマーヒドラジドの動的平衡および安定性を例証している模式図である。4個のヒドラジド部分と共に示されているオリゴマーがアルデヒドリッチ透過層上に電子的にローディングされ、その結果複数のヒドラゾン結合がもたらされる。この特定の例では、結合は個々に加水分解を受けやすい。複数の結合部位の利用により得られる安定性は、一部のヒドラゾンを他のヒドラゾンはそのままにしておきながら加水分解させるのを可能にする。隣接したヒドラゾン結合部位により束縛されているヒドラジドは拡散する能力がなく、従って結合を再確立し得るそのアルデヒドリッチ透過層内に保持される。
【図23】
図23は、ヒドラゾン結合(1個または2個以上)を介してカップリングされているグリオキサールアガロース透過層上への、1個、2個、4個および8個のヒドラジドを有するデンドリマーオリゴマーの結合を示しているグラフである。
【図24】
図24は、アセタール修飾ヒドロゲル上へのデンドリマーオリゴマーの結合を示しているグラフである。アセタール部分は、共有結合能力のためのアルデヒドを生成させるための酸による加水分解を必要とする。
【図25】
図25は、Surmodics 3D Link(商標)アミン結合用スライド上でのヒドラジドオリゴマーの色々な濃度における使用とそれらオリゴマーの改善された結合を図示する。図25Bはガラススライドに結合されたオリゴマーの実際の蛍光写真画像であって、それらの結合レベルは図25Aにグラフとして示されている。
【図26】
図26は、図25で使用されているSurmodicsスライドに対する非特異性結合レベルを示す。図26Bはガラススライドに結合されたオリゴマーの実際の蛍光写真画像であって、それらの結合レベルは図26Aにグラフとして示されている。
【図27】
図27Aは、ヒドラジドオリゴマーが固体支持体に効果的に固定化され得る適用可能なpH範囲を示し;図27Bは、標準アミン修飾オリゴマーよりも、より低い濃度で検出可能であるヒドラジドオリゴマーの改善された感受性を示す。
【図28】
図28は、分枝したまたは分枝していないヒドラジド修飾オリゴマーが、どのようにすればそれに代わる別の結合系に容易に修飾され得るかの1例を図示する。この特定の例においては、6個のヒドラジドを有する分枝オリゴマーがp−ホルミルフェニルボロン酸で修飾されて分枝PBA結合プローブをもたらしている。
【図29】
図29は、バイオ電子アレイディバイス(bioelectronic array device)(NanoChip(商標)カートリッジ)上のNHS活性エステルに対する数種のヒドラジド修飾オリゴ(具体的には、−T15−Cy3オリゴ類)の結合の比較をグラフとして示す。単一のヒドラジド修飾オリゴO31が、使用された両濃度においてアミノ修飾オリゴよりも>7倍以上固定化されたオリゴを生成させ、またテトラヒドラジド修飾オリゴO35およびO37は、アミノ修飾オリゴの約12〜15倍もの多量の固定化オリゴを生成させた。
【図30】
図30aは、一対の保護された芳香族ヒドラジド部分を含む2種のホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。
図30bは、二対の芳香族ヒドラジド前駆体エステル部分を含むアミド−分枝ホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。
【図31】
図31aは、単一の芳香族ヒドラジド前駆体エステル部分を含むホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。
図31bは、二対の保護された芳香族ヒドラジド部分を含むエーテル−分枝ホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。
図31cは、一対の芳香族ヒドラジド前駆体エステル部分および1つの保護されたアルコール部分を含む、さらなる固相合成に標準のホスホロアミダイト化学技術により利用することができるホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。
図31dは、単一の保護された芳香族ヒドラジド部分を含むホスホロアミダイト化合物の合成反応図式を示す。

Claims (132)

  1. 一般式:
    Figure 2004517043
    の化合物:但し、上記の式において、
    Bzはベンゼン環であり;
    は炭素1〜12個の分枝または非分枝炭化水素であり、そしてLは場合によりそれらの炭素間に1〜4個のエーテル結合またはアミド結合を含んでいることができ;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    及びRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
    各PGaは独立に任意の適当なヒドラジド保護基であり;そして
    mは1、2または3である。
  2. 各PGaが、独立に、トリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
  3. Gaがモノメトキシトリチルである、請求項1に記載の化合物。
  4. が (CH(式中、nは1〜12の整数である)である、請求項59に記載の化合物。
  5. mが1である、請求項1に記載の化合物。
  6. mが2である、請求項1に記載の化合物。

  7. Figure 2004517043
    である、請求項1に記載の化合物。
  8. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項7に記載の化合物。
  9. が2−シアノエチルである、請求項7に記載の化合物。
  10. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項7に記載の化合物。
  11. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  12. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  13. 5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−モノメトキシトリチルヒドラジド)である、請求項1に記載の化合物。
  14. 5−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−イソフタル酸 ビス(N’−トリチルヒドラジド)である、請求項1に記載の化合物。
  15. 4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸 N’−モノメトキシトリチルヒドラジド)である、請求項1に記載の化合物。
  16. 一般式:
    Figure 2004517043
    の化合物:但し、上記の式において、
    は炭素1〜12個の分枝または非分枝炭化水素であり、さらにLはm>1であるとき分枝しており、そしてLは場合によりそれらの炭素間に1〜4個のエーテル結合またはアミド結合を含んでいることができ;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    及びRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
    各PGaは独立に任意の適当なヒドラジド保護基であり;そして
    mは1、2、3または4である。
  17. 各PGaが、独立に、トリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれる、請求項16に記載の化合物。
  18. Gaがトリチルである、請求項16に記載の化合物。
  19. mが1である、請求項16に記載の化合物。
  20. mが>1である、請求項16に記載の化合物。

  21. Figure 2004517043
    である、請求項16に記載の化合物。
  22. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項21に記載の化合物。
  23. が2−シアノエチルである、請求項21に記載の化合物。
  24. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項21に記載の化合物。
  25. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項16に記載の化合物。
  26. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項16に記載の化合物。
  27. 6−[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシ]−N’−トリチルヘキサノヒドラジドである、請求項16に記載の化合物。
  28. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する化合物:但し、上記の式において、
    は、炭素、窒素およびベンゼン環より成る群から選ばれる分枝用部分であり;
    Bzはベンゼン環であり;
    は官能性結合であり;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    及びRは1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
    各PGaは独立に任意の適当なヒドラジド保護基であり;そして
    nおよびpは独立に0〜12の整数であり;
    mは独立に1、2または3であり;そして
    qは1、2または3である。
  29. が炭素である、請求項28に記載の化合物。
  30. が窒素である、請求項28に記載の化合物。
  31. がベンゼン環である、請求項28に記載の化合物。
  32. がエーテル結合およびアミド結合より成る群から選ばれる、請求項28に記載の化合物。
  33. がエーテル結合である、請求項28に記載の化合物。
  34. がアミド結合である、請求項28に記載の化合物。
  35. qが2である、請求項28に記載の化合物。
  36. qが3である、請求項28に記載の化合物。
  37. 各PGaが、独立に、トリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれる、請求項28に記載の化合物。
  38. 各PGaがトリチルである、請求項28に記載の化合物。
  39. mが1である、請求項28に記載の化合物。
  40. m>1である、請求項28に記載の化合物。

  41. Figure 2004517043
    である、請求項28に記載の化合物。
  42. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項41に記載の化合物。
  43. が2−シアノエチルである、請求項41に記載の化合物。
  44. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項41に記載の化合物。
  45. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項28に記載の化合物。
  46. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項28に記載の化合物。
  47. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する化合物:但し、上記の式において、
    Bzはベンゼン環であり;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;そして
    nは1〜12の整数である。
  48. がベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項47に記載の化合物。
  49. がメチルである、請求項47に記載の化合物。

  50. Figure 2004517043
    である、請求項47に記載の化合物。
  51. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項50に記載の化合物。
  52. が2−シアノエチルである、請求項50に記載の化合物。
  53. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項50に記載の化合物。
  54. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項47に記載の化合物。
  55. 4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸メチルエステルである、請求項47に記載の化合物。
  56. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する化合物:但し、上記の式において、
    は、炭素、窒素およびベンゼン環より成る群から選ばれる分枝用部分であり;
    Bzはベンゼン環であり;
    は官能性結合であり;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
    nおよびpは独立に0〜12の整数であり;
    mは独立に1、2または3であり;そして
    qは1、2または3である。
  57. がベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項56に記載の化合物。
  58. がメチルである、請求項57に記載の化合物。
  59. が炭素である、請求項56に記載の化合物。
  60. が窒素である、請求項56に記載の化合物。
  61. がベンゼン環である、請求項56に記載の化合物。
  62. がエーテル結合およびアミド結合より成る群から選ばれる、請求項56記載の化合物。
  63. がエーテル結合である、請求項56に記載の化合物。
  64. がアミド結合である、請求項56に記載の化合物。
  65. qが2である、請求項56に記載の化合物。
  66. qが3である、請求項56に記載の化合物。
  67. mが1である、請求項56に記載の化合物。
  68. m>1である、請求項56に記載の化合物。

  69. Figure 2004517043
    である、請求項56に記載の化合物。
  70. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項69に記載の化合物。
  71. が2−シアノエチルである、請求項69に記載の化合物。
  72. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項69に記載の化合物。
  73. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項56に記載の化合物。
  74. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する、請求項56に記載の化合物。
  75. 1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エチルオキシカルボニル)フェニルカルボニルアミド]−2−[(2’’−シアノエチルオキシ)(ジイソプロピルアミノ)−ホスファニルオキシ]−プロパンである、請求項56に記載の化合物。
  76. 1,3−ビス−[3’,5’−ビス(エチルオキシカルボニル)−ベンジルオキシ]−5−[(2’−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−ベンゼンである、請求項56に記載の化合物。
  77. 一般式:
    Figure 2004517043
    を有する化合物:但し、上記の式において、
    は、炭素、窒素またはベンゼン環より成る群から選ばれる分枝用部分であり;
    は官能性結合であり;

    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれるリン保有反応性基であり;
    、RおよびRは、独立に、1〜12個の炭素を有する分枝または非分枝炭化水素であり;
    は2−シアノエチル、アリル、メチル、エチルおよび他のアルキル部分より成る群から選ばれ;
    Gaは任意の適当なアルコール保護基であり;
    n、pおよびrは独立に0〜12の整数であり;そして
    mは1、2または3である。
  78. がベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項77に記載の化合物。
  79. がメチルである、請求項78に記載の化合物。
  80. が炭素である、請求項77に記載の化合物。
  81. が窒素である、請求項77に記載の化合物。
  82. がベンゼン環である、請求項77に記載の化合物。
  83. がエーテル結合およびアミド結合より成る群から選ばれる、請求項77に記載の化合物。
  84. がエーテル結合である、請求項77に記載の化合物。
  85. がアミド結合である、請求項77に記載の化合物。
  86. mが1である、請求項77に記載の化合物。
  87. mが2である、請求項77に記載の化合物。

  88. Figure 2004517043
    である、請求項77に記載の化合物。
  89. およびRが、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルより成る群から選ばれる、請求項88に記載の化合物。
  90. が2−シアノエチルである、請求項88に記載の化合物。
  91. およびRがイソプロピルであり、そしてRが2−シアノエチルである、請求項88に記載の化合物。
  92. Gaが、トリチル、メチルトリチル、モノメトキシトリチルおよびジメトキシトリチルより成る群から選ばれる、請求項77に記載の化合物。
  93. Gaがトリチルである、請求項92に記載の化合物。
  94. 4−[(2−シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニルオキシメチル]−安息香酸 N’−モノメトキシトリチルヒドラジドである、請求項77に記載の化合物。
  95. 修飾された巨大分子を製造する方法であって、
    a)反応性のヒドロキシル基を有する修飾しようとする巨大分子を
    b)請求項1〜94のいずれかに記載の化合物と
    接触させる工程を含み、
    この場合、リン保有反応性基のリンが上記反応性ヒドロキシル基の酸素と共有結合を形成し、かくして修飾された巨大分子を生成させる
    上記の方法。
  96. 巨大分子がオリゴである、請求項95に記載の方法。
  97. 巨大分子がホスフェート骨格の重合体である、請求項95に記載の方法。
  98. 巨大分子がDNA類、RNA類およびそれらの誘導体より成る群から選ばれる、請求項95に記載の方法。
  99. 巨大分子がpRNA 、pDNAおよびそれらの誘導体より成る群から選ばれる、請求項95に記載の方法。
  100. 巨大分子が固相合成に適した固体支持体に結合される、請求項95に記載の方法。
  101. 化合物が請求項1〜46に記載の化合物より成る群から選ばれ;方法が保護されたヒドラジドを脱保護させて修飾巨大分子上に活性ヒドラジド部分を生成させる工程をさらに含む、請求項95に記載の方法。
  102. 化合物が請求項47〜94に記載の化合物より成る群から選ばれ;方法が生成物をヒドラジンで処理して修飾巨大分子上に活性ヒドラジド部分を生成させる工程をさらに含む、請求項95に記載の方法。
  103. 基を介して巨大分子に共有結合されている請求項1〜94に記載のいずれかに記載の化合物を含む修飾された巨大分子。
  104. 巨大分子がオリゴ分子である、請求項103に記載の修飾された巨大分子。
  105. 巨大分子がホスフェート骨格の重合体である、請求項103に記載の修飾された巨大分子。
  106. 巨大分子がDNA類、RNA類およびそれらの誘導体より成る群から選ばれる、請求項103に記載の修飾された巨大分子。
  107. 巨大分子がpRNA 、pDNAおよびそれらの誘導体より成る群から選ばれる、請求項103に記載の修飾された巨大分子。
  108. 請求項103〜107の任意の1項に記載の修飾された巨大分子の、溶解状態の第二分子との連結反応における使用であって、修飾された巨大分子がその修飾巨大分子上に少なくとも1個の反応性ヒドラジド部分を生成させるように処理され、次いで上記第二分子と接触せしめられ、この場合その第二分子はヒドラジドと反応性の部分を含む上記の使用。
  109. 第二分子が標識付け用分子である、請求項108に記載の使用。
  110. 標識付け用分子が蛍光体、発色性部分、化学ルミネッセンス性部分、消光剤、放射性部分、可視色素または粒子部分、および磁性または常磁性粒子より成る群から選ばれる部分を含む、請求項109に記載の使用。
  111. 請求項103〜107の任意の1項に記載の修飾された巨大分子の、基材との固定化反応における使用であって、修飾された巨大分子がその巨大分子上に少なくとも1個の反応性ヒドラジド部分を生成させるように処理され、次いで上記基材と接触せしめられ、この場合その基材はヒドラジドと反応性の部分を含む上記の使用。
  112. 基材がケイ素系材料、金属、金属シリシリド、重合体、プラスチック、ヒドロゲルおよび天然誘導材料より成る群から選ばれる材料から成る、請求項111に記載の使用。
  113. 固定化結合が、一般式:
    Figure 2004517043
    を有する固定化巨大分子を含む基材:但し、上記の式において、
    Subは基材材料であり;
    は、ヒドラジドに共有結合したヒドラジド反応性中心を含む結合部分であり;
    は、1〜50個の炭素原子を含む、場合により官能性結合中に1〜10個のヘテロ原子を含んでいる、分枝したまたは分枝していない、置換されまたは置換されていない芳香族または脂肪族の炭化水素リンカー部分であり、この場合上記ヘテロ原子はO、N、SおよびPより成る群から選ばれ、そしてLはm>1ならば分枝しており;

    Figure 2004517043
    であり、ここでRは水素、一対の電子、アルキル部分およびシアノアルキル部分より成る群から選ばれ;
    は巨大分子であり;そして
    ヒドラジドがRに二重結合で結合されているならばn=0であり、またヒドラジドがRに単結合で結合されているならばn=1である。
  114. がカルボニル(−CO−)、−CH−、−CH=、−CHOH−および
    Figure 2004517043
    より成る群から選ばれる、ヒドラジドに共有結合されている反応性中心を含む、請求項113に記載の基材。
  115. がカルボニル反応性中心を含む、請求項113に記載の基材。
  116. が水素である、請求項113に記載の基材。
  117. mが1である、請求項113に記載の基材。
  118. m>1である、請求項113に記載の基材。
  119. mが2である、請求項113に記載の基材。
  120. mが4である、請求項113に記載の基材。
  121. 巨大分子がオリゴである、請求項113に記載の基材。
  122. 巨大分子がホスフェート骨格の重合体である、請求項113に記載の基材。
  123. 巨大分子がDNA類、RNA類およびそれらの化学的に修飾された誘導体より成る群から選ばれる、請求項113に記載の基材。
  124. 巨大分子がpRNA およびpDNAより成る群から選ばれる、請求項113に記載の基材。
  125. 基材がケイ素系材料、金属、金属シリシリド、重合体、プラスチック、ヒドロゲルおよび天然誘導材料より成る群から選ばれる材料から成る、請求項113に記載の基材。
  126. 基材がケイ素、ガラス、官能化ガラス、窒化ケイ素、セラミックおよびゾル−ゲルより成る群から選ばれるケイ素系材料から成る、請求項125に記載の基材。
  127. 基材が白金、金、チタン、アルミニウム、タングステン、それらの合金およびそれらのシリシリドより成る群から選ばれる金属または金属シリシリドから成る、請求項125に記載の基材。
  128. 基材がポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ナイロン、ポリビニルハリドおよびそれらの共重合体より成る群から選ばれる重合体またはプラスチックから成る、請求項125に記載の基材。
  129. 基材が合成ヒドロゲルおよび炭水化物系ヒドロゲルより成る群から選ばれるヒドロゲルから成る、請求項125に記載の基材。
  130. ヒドロゲルがポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリエポキシドおよびポリアルキレングリコールより成る群から選ばれる、請求項129に記載の基材。
  131. ヒドロゲルがアガロースである、請求項129に記載の基材。
  132. 基材がキトサンおよびセルロースより成る群から選ばれる天然誘導材料から成る、請求項125に記載の基材。
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