JP2004516011A - エポチロンのための発酵プロセス - Google Patents

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ダニエル サンティ,
ブライアン メットキャルフ,
ギャリー アシュレイ,
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Abstract

デスオキシエポチロン化合物を、P450酵素インヒビターの存在下でエポチロン微生物の発酵により産生する。1つの実施形態において、本発明は、デスオキシエポチロン(エポチロンAおよびBに見出されるC−12〜C−13エポキシド部分を欠いているエポチロン)を、エポチロンエポキシダーゼ遺伝子産物(例えば、EpoK)のインヒビターの存在下で、エポチロン産生微生物の発酵により、産生するためのプロセスを提供する。1つの局面において、その微生物は、Sorangium cellulosumである。別の局面において、その微生物は、エポチロン生合成遺伝子クラスターを含有する組換え微生物である。

Description

【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本特許出願は、35U.S.C.§119(e)に基づいて、2000年7月25日に出願された米国仮出願番号60/220,651(本明細書中で参考として援用される)に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、エポチロン(エポシロン)およびエポチロン誘導体を生成する方法および材料を提供する。本発明は、農業、化学、医化学、医学、分子生物学、および薬理学の分野に関する。
【0003】
(発明の背景)
エポチロンは、最初に、National Biotechnology Research InstituteのGerhard Hofleおよび彼の同僚らにより、粘液細菌であるSorangium cellulosumから抽出された抗真菌活性として同定された(K.Gerthら、1996、J.Antibiotics 49:560−563およびドイツ国特許第DE4138042号を参照のこと)。エポチロンは、後に、抗腫瘍剤を同定するためのチューブリン重合アッセイ(D.Bollagら、1995、Cancer Res.55:2325−2333を参照のこと)において活性を有することが見出され、そしてそれ以来、癌の処置のための潜在的な抗腫瘍剤として広範に研究されてきた。
【0004】
Sorangium cellulosum株であるSo ce 90によって生成されるエポチロンの化学構造は、Hofleら、1996、「Epothilone A and B−novel 16−membered macrolides with cytotoxic activity:isolation,crystal structure,and conformation in solution」Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35(13/14):1567−1569に記載され、これは、本明細書中で参考として援用される。その株は、以下に示すようにA(R=H)およびB(R=CH)と呼ばれる2つのエポチロン化合物を生成することが見出され、これらは、真核生物細胞に対する広範な細胞障害活性ならびに乳癌細胞株および結腸癌細胞株に対する顕著な活性および選択性を示した。
【0005】
【化2】
Figure 2004516011
エポチロンAおよびBのデスオキシ対応物もまた、エポチロンC(R=H)およびD(R=CH)として公知であり、細胞傷害性がより少ないことが知られ、そしてこれらのエポチロンの構造は、以下に示される。
【0006】
【化3】
Figure 2004516011
他の天然に存在するエポチロンが記載されている。これらには、エポチロンEおよびFが含まれ、エポチロンAおよびBのチアゾール部分のメチル側鎖が、ヒドロキシル化されて、エポチロンEおよびFをそれぞれ生ずる。
【0007】
エポチロンを抗癌剤として使用する可能性があるので、そして天然のSo ce 90株によって生成されるエポチロンが低レベルであるので、多数の研究チームが、エポチロンを合成する努力を行った。この努力は、成功している(Balogら、1996、Total synthesis of (−)−epothilone A、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35(23/24):2801−2803;Suら、1997、「Total synthesis of (−)−epothilone B:an extension of the Suzuki coupling method and insights into structure−activity relationships of epothilones」、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(7):757−759;Mengら、1997、「Total syntheses of epothilones A and B」、JACS 119(42):10073−10092;およびBalogら、1998、「A nobel aldol condensation with 2−methyl−4−pentenal and its application to an improved total synthesis of epothilone B」、Angew. Chem.Int.Ed.Engl.37(19):2675−2678(これらの各々が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。これらの努力の成功にもかかわらず、エポチロンの化学合成は、退屈で、時間がかかり、そして高価なものである。実際、その方法は、エポチロンのフルスケール(full−scale)での薬学的開発のためには実用的ではないものとして特徴づけされている。
【0008】
多数のエポチロン誘導体ならびにエポチロンA〜Dが、インビトロおよびインビボで研究されている(Suら、1997、「Structure−activity relationships of the epothilones and the first in vivo comparison with paclitaxel」、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(19):2093−2096;およびChouら、Aug.1998,「Desoxyepothilone B:an efficacious microtubule−targeted antitumor agent with a promising in vivo profile relative to epothilone B」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:9642−9647(これらの各々が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。エポチロンおよびエポチロン誘導体を合成するためのさらなるエポチロン誘導体および方法が、PCT特許公開第99/54330号、同第99/54319号、同第99/54318号、同第99/43653号、同第99/43320号、同第99/42602号、同第99/40047号、同第99/27890号、同第99/07692号、同第99/02514号、同第99/01124号、同第98/25929号、同第98/22461号、同第98/08849号、および同第97/19086号;米国特許第5,969,145号;ドイツ国特許公開第DE4138042号に記載されている。これらの各々が、本明細書中で参考として援用される。
【0009】
現在までに研究されている天然に存在するエポチロンのうち、エポチロンDは、最も低い毒性(Chouら、1998、Proc.Nat.Acad.Sci.95:15798およびChouら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.95:9642を参照のこと)、および最も高い効力(Harrisら、1999、Soc.Chem.Ther.25:187を参照のこと)を有しているようである。しかし、エポチロンDは、この化合物を天然に産生するSorangium cellulosum宿主細胞中に非常に低量で産生される。さらに、エポチロンDは、これらの細胞中で、エポチロンの複雑な混合物中の微量の成分として産生される。
【0010】
エポチロンDおよびその他のデスオキシエポチロンを臨床試験に必要な量で産生するための、そしてこれらの試験が首尾よい場合にはヒトの治療用の使用のための、経済的な手段に対する必要性が残存する。十分な量のエポチロンDが利用可能である場合、特性の改善された新たなエポチロンD誘導体が産生され得る。本発明は、これらおよび他の必要性を満たす。
【0011】
(発明の要旨)
1つの実施形態において、本発明は、デスオキシエポチロン(エポチロンAおよびBに見出されるC−12〜C−13エポキシド部分を欠いているエポチロン)を、エポチロンエポキシダーゼ遺伝子産物(例えば、EpoK)のインヒビターの存在下で、エポチロン産生微生物の発酵により、産生するためのプロセスを提供する。1つの局面において、その微生物は、Sorangium cellulosumである。別の局面において、その微生物は、エポチロン生合成遺伝子クラスターを含有する組換え微生物である。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、エポチロンエポキシダーゼ遺伝子産物EpoKのインヒビターおよびそのような化合物を産生するための方法を提供する。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、epoK遺伝子がランダム変異誘発によって不活性化されており、そしてそのためエポチロンCおよびDのみを産生する組換えSorangium cellulosumを提供する。別の実施形態において、この組換え微生物は、エポチロンポリケチド合成酵素(PKS)をコードする遺伝子における変更に起因して、エポチロンCまたはDのみを産生する。
【0014】
本発明のこれらおよびその他の実施形態は、以下の説明、実施例、および上記の請求の範囲において、より詳細に記載される。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、デスオキシエポチロン、特にエポチロンCおよびDの産生において有用な方法および試薬を提供する。エポチロン(エポチロンA、B、C、D、E、およびF)およびこれらに構造的に関連する化合物(エポチロン誘導体)は、真核生物細胞に特異的な強力な細胞傷害性薬剤である。これらの化合物は、抗真菌剤、癌化学療法剤、および免疫抑制剤としての適用を有する。エポチロンは、それらが同定された天然に存在するSorangium cellulosum細胞において、非常に低レベルで産生される。
【0016】
Sorangium cellulosumは、多数の構造的に関連するエポチロンを産生する。エポチロンAおよびBは、最も豊富に産生され、そして最初に発見されたエポチロンである(PCT特許公開第93/10121号(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。エポチロンAおよびBは、C−12〜C−13にエポチロン部分を含み、そしてこの点において、対応するアナログであるエポチロンCおよびD(これらはこの位置にC−C二重結合を含む)とは異なる。エポチロンCおよびDは、Sorangium cellulosum中で、エポチロンAおよびBよりもずっと低い量で産生される(PCT特許公開第97/19086号(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。さらなる分析により、プロデューサー生物(producer organism)は、比較的多数の異なるエポチロンアナログを産生することが示されている(PCT特許公開第98/22461号および同第99/65913号を参照のこと。これらの各々は、本明細書中で参考として援用される)。
【0017】
エポチロンが産生されるメカニズムは、エポチロン生合成経路における酵素活性をコードする遺伝子のクローニングおよび特徴づけによって、部分的に決定されている(PCT特許公開第00/031247号を参照のこと;また、PCT特許公開第99/66028号を参照のこと;これらの各々が、本明細書中で参考として援用される)。米国特許出願第09/443,501号(1999年11月19日出願(本明細書中で参考として援用される))は、約72kbのSorangium cellulosum染色体DNAの直線形セグメントにわたるエポチロン生合成遺伝子クラスターのヌクレオチド配列を開示する。分析により、ローディングドメインおよび9個のモジュールを有するポリケチド合成酵素(PKS)遺伝子クラスターが明らかになった。PKS配列の下流は、epoKと呼ばれるORFであり、これは、チトクロムP450オキシダーゼ遺伝子に対する強力な相同性を示し、そしてエポチロンエポキシダーゼをコードする。
【0018】
エポチロンPKS遺伝子は、6個のオープンリーディングフレームで組織化されている。ポリペプチドレベルでは、ローディングドメインおよびモジュール1、2、および9は、個々のポリペプチド上に現れ;それらの対応する遺伝子は、epoA、epoB、epoC、およびepoFとそれぞれ命名されている。モジュール3、4、5および6は、その遺伝子がepoDと命名される単一のポリペプチド上に含まれており、そしてモジュール7および8は、その遺伝子がepoEと命名された別のポリペプチド上にある。これは、epoC、epoD、epoE、およびepoFがオペロンを構成するORF間の間隔から明らかである。epoA、epoB、およびepoK遺伝子はまた、大きなオペロンの一部であるが、epoBとepoCとの間には約100bpの間隔が、そしてepoFとepoKとの間には115bpの間隔が存在し、これらはプロモーターを含み得る。エポチロン生合成遺伝子クラスターは、以下に模式的に示される。
【0019】
【化4】
Figure 2004516011
そのモジュールの詳細な検査により、エポチロンの生合成のために使用され得るものと一致する組織および組成が示される。以下の説明は、ポリペプチドレベルである。ローディングモジュール中およびモジュール3、4、5、および9中のアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメインの配列は、マロニル特定化ATドメインについてのコンセンサス配列に対する類似性を示し、これは、C−14、C−12(エポチロンAおよびC)、C−10、およびC−2のそれぞれ、ならびにローディングドメインでのH側鎖の存在と一致する。モジュール2、6、7、および8中のATドメインは、メチルマロニル特定化ATドメインについてのコンセンサス配列に類似し、これもまたC−16、C−8、C−6、およびC−4それぞれでのメチル側鎖の存在に一致する。
【0020】
ローディングモジュールは、活性部位に通常存在するシステイン残基が、代わりにチロシンであるケトシンターゼ(KS)ドメインを含む。このドメインは、KSyと命名され、そしてデカルボキシラーゼとして作用し、これは、その通常の機能の一部であるが、縮合酵素として機能し得ない。したがって、そのローディングドメインは、マロニルCoAをロードし、それをアシルキャリアタンパク質(ACP)に移動し、そしてそれを脱炭酸して、システインでの縮合のために要求されるアセチル残基を生じることが期待される。
【0021】
モジュール1は、システインを活性化し、そしてローディングモジュールにおいてアセテートでの縮合を触媒する非リボソームペプチドシンセターゼ(NRPS)である。その配列は、アミノ酸の活性化に必要なATP結合ドメインおよびATPaseドメイン、ホスホパントテン酸化部位、および延長ドメイン(elongation domain)に高度に類似したセグメントを含む。
【0022】
モジュール2は、C−15〜C−17でのエポチロンの構造を決定する。モジュール2におけるデヒドラターゼ(DH)ドメインの存在は、その分子中のC−16〜C−17デヒドロ部分を生じる。モジュール3中でのそのドメインは、C−14およびC−15でのエポチロンの構造と一致する;ケトレダクターゼ(KR)の作用から生じるOHは、その分子のラクトン化において利用される。
【0023】
モジュール4は、C−12およびC−13での構造を制御し、そこでは二重結合がエポチロンCおよびDにおいて見出され、これはDHドメインの存在と一致する。ATドメインの配列がマロネートのローディングを特定するものと類似しているようであるが、それはまた、メチルマロネートをロードし得、それにより、天然に生じる生物の発酵ブロスに見出されるエポチロンの混合物の一部分を占める。その予想された沢山の機能からの有意な逸脱は、モジュール4に見出された。このモジュールは、DHドメインを含むことが予想され、それによりエポチロンCおよびDのPKSの産物としての合成を指向する。厳密な分析により、モジュール4のATドメインとKRドメインとの間の間隔は、機能的DHドメインを収容するために十分大きくなかったことが明らかとなった。したがって、モジュール4での還元の程度は、モジュール4によって指向される縮合後に形成されるβケトのケト還元(ketoreduction)を超えて進行しない。C−12,13不飽和が実証されているので(エポチロンCおよびD)、二重結合を導入するさらなるデヒドラターゼ機能が存在しなければならず、そしてこの機能は、PKS自体に存在すると考えられている。なぜなら、エポチロンCおよびDは、エポチロンPKS遺伝子を含む異種宿主細胞において産生されるからである。
【0024】
モジュール5および6は、各々、還元ドメイン(KR、DH、およびエノイルレダクターゼ(ER))の全セットを有し、C−11およびC−9においてメチレン官能基を生じる。モジュール7および9は、KRドメインを有し、C−7およびC−3においてヒドロキシルを生じ、そしてモジュール8は機能的KRドメインを有さず、これはC−5でのケト基の存在と一致する。モジュール8はまた、C−4でジェミナルの(geminal)ジメチル官能基の存在を生じるメチルトランスフェラーゼ(MT)ドメインを含む。モジュール9は、ポリケチド合成を終結しそして環の閉鎖を触媒するチオエステラーゼドメインを有する。エポチロンPKSの遺伝子、タンパク質、モジュール、およびドメインは、以下の表に要約される。
【0025】
【表1】
Figure 2004516011
エポチロン生合成遺伝子クラスターにおけるクローン化された遺伝子の分析およびエポチロンの異種生産から、生合成経路は、以下のようであると推定された。まず、エポチロンPKSが、モジュール4のATドメインがマロニルCoAに結合する(エポチロンCを形成する)かまたはメチルマロニルCoAに結合する(エポチロンDを形成する)かに依存して、エポチロンCおよびエポチロンDを生産する。次いで、epoK遺伝子産物は、エポチロンCおよびエポチロンDに作用し、それぞれ、エポキシ化誘導体のエポチロンAおよびエポチロンBを形成する。
【0026】
Sorangium cellulosumにおける合成の順序において最初であるにもかかわらず、エポチロンCおよびエポチロンDは、これまで報告された全ての天然単離物においてエポチロンAおよびエポチロンBよりもよりずっと少ない量で生産される。非エポキシ化エポチロンCおよびエポチロンDは、エポキシ化対応物よりも毒性が低いので、それらの生産のための効率的な発酵プロセスが存在しないことは、改善された癌療法の開発に対する顕著な障壁である。本発明は、エポチロンCおよびエポチロンDを豊富に生産するためにこの障壁を克服するための手段を提供する。
【0027】
1つの実施形態において、本発明は、エポチロンCおよびエポチロンDを、それらがSorangium cellulosum So ce 90(DSM 6773)で生産されるよりも大量に調製するための方法を提供する。1つの形態では、エポチロンCおよびエポチロンDは、エポチロンAおよびエポチロンBよりも大量に生産される。別の形態では、エポチロンCおよびエポチロンDのみが生産される。別の形態では、エポチロンCのみが生産される。別の形態では、エポチロンDのみが生産される。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、P450酵素のインヒビターの存在下におけるSorangium cellulosum宿主細胞の発酵によりエポチロンCおよびエポチロンDを調製するための方法を提供する。1つの形態では、このインヒビターは、可逆的インヒビターである。別の形態では、このインヒビターは、不可逆的インヒビターである。好ましい形態では、このインヒビターは、epoK遺伝子産物の特異的インヒビターである。1つの実施形態では、このインヒビターは、メチラポン(metyrapone)(2−メチル−1,2−ジ−3−ピリジル−1−プロパノン)である。
【0029】
epoK遺伝子産物のインヒビターは、組換えEpoK酵素および推定インヒビターのパネルを用いるインビトロアッセイを使用して容易に同定され得る。組換えEpoK酵素の生産およびインビトロアッセイは、以下の実施例1に記載される。このアッセイにおいて試験され得、そして有効であれば、本発明の方法において使用され得る多数の公知のP450酵素インヒビターが存在する。このようなP450インヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ケトコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、フラフィリン、スルファフェナゾール、プロアジフェン、デブリソキン、およびそれらの誘導体。好ましい実施形態では、これらのインヒビターは、アセチレン機構ベースの不可逆的インヒビターのクラスのメンバーである。
【0030】
1つの実施形態では、本発明は、EpoKの特異的かつ不可逆的なインヒビターを提供する。これらのインヒビターは、以下の一般構造によって表される:
【0031】
【化5】
Figure 2004516011
ここで、Rは、アリール、複素環、アリール−CH=CR−、または複素環−CH=CRである;Rは、低級アルキル(C1−C6)または置換アルキル、好ましくはC1−3アルキルである;Rは、Hまたは低級アルキル(C1−C6)または置換アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである;そしてRは、Hまたは低級アルキル(C1−C6)または置換アルキル、好ましくは、メチルである。
【0032】
本明細書中で使用される場合、用語アリールは、1つまたは2つの芳香族環を有する単環または二環式の炭素環式環系をいう。このようなものとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなど。アリール基(二環式アリール基を含む)は、未置換であり得るか、または1、2、もしくは3つの置換基で置換され得る。このような置換基は、独立して、低級アルキル(C1−C6)、置換低級アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびカルボキサミドから選択される。さらに、置換アリール基としては、テトラフルオロフェニルおよびペンタフルオロフェニルが挙げられる。
【0033】
本明細書中で使用される場合、芳香族部分を含む置換基は、少なくとも1つの芳香族環(例えば、フェニル、ピリジル、ピリミジル、チオフェニル、またはチアゾリル)を含む。置換基はまた、融合された芳香族残基(例えば、ナフチル、インドリル、ベンゾチアゾリルなど)を含み得る。また、芳香族部分は、非芳香族環に融合されていても、かつ/または非芳香族を通じた置換基である化合物(例えば、アルキレン残基)の残りにカップリングされていてもよい。芳香族部分は、置換基の残りであり得るように、置換されても置換されていなくてもよい。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語低級アルキルは、1つの水素原子の除去により1〜3個、1〜6個、および1〜12個の炭素原子を含む炭化水素部分からそれぞれ誘導される、C−Cアルキル、C−Cアルキル、およびC−C12アルキル飽和の直鎖または分枝鎖炭化水素基をいう。例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、およびn−ドデシル。
【0035】
用語アルコキシは、酸素原子を通じて親部分に結合された低級アルキル基をいう。例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、およびn−ヘキソキシ。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語ハロおよびハロゲンは、以下から選択される原子をいう:フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素。本明細書中で使用される場合、用語ハロアルキルは、1個、2個、または3個のハロゲン原子が任意の1つの炭素に結合される低級アルキル基を示し、そしてこのようなハロアルキルとしては、クロロメチル、ブロモメチル、トリフルオロメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書中で使用される場合、用語ヘテロアリールは、5個〜10個の環原子を有する環式芳香族基であって、そのうちの1つの環原子がS、O、およびNから選択され;0、1、または2つの環原子が、独立してS、O、およびNから選択されるさらなる異種原子であり;そして残りの環原子が炭素であり、ここで上記基が、環原子のいずれかを介して分子の残りに結合される、基をいう。このような基としては、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどが挙げられる。
【0038】
用語複素環は、以下を含むが、これらに限定されない:ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリル。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語置換は、Cl、Br、F、I、OH、CN、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ(アリールで置換された)、ハロアルキル、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびカルボキサミドでの、基における水素原子の1、2、または3つの独立した置換によって置換された基をいう。任意の1つの置換基は、アリール、ヘテロアリール、または複素環式アルキル基であり得る。
【0040】
好ましい実施形態では、インヒビターは、以下からなる群から選択される:メチラポン(metyrapone)、1−フェニル−3−ブチン−1−イル−アセテート、1−フェニルヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート 1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(4ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、および1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート。これらの化合物を作製するための方法は、以下の実施例2に記載される。従って、1つの実施形態では、本発明は、1−フェニル−3−ブチン−1−イル−アセテート、1−フェニルヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート 1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、および1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートからなる群から選択されるP450酵素インヒビターの存在下での、Sorangium cellulosumの発酵により、デスオキシエポチロンを生産するための方法を提供する。
【0041】
実施例3は、Sorangium cellulosumにおいてエポチロンを生産するための発酵プロトコルを記載する。一般には、エポチロンの調製のための培養培地は、これらの化合物を生産する微生物(代表的には、ミキソバクテリア(myxobacteria)(例えば、Sorangium cellulosum So ce 90)(PCT公開公報93/10121を参照のこと)またはそれらの改変形態)を、水ならびに他の従来のおよび適当な培養培地成分(例えば、バイオポリマー、糖、アミノ酸、塩、核酸、ビタミン類、抗生物質、増殖培地、生体材料由来の抽出物(例えば、酵母または他の細胞抽出物)、大豆粉(soy meal)、デンプン(例えば、ジャガイモデンプン)、および/または微量元素(例えば、鉄イオン(錯体形態)、またはこれらの構成成分の全てもしくはいくらかの適切な組み合わせ)を含む培地において、含む。適切な培養培地は、当業者に公知であるか、または公知のプロセスによって生成され得る(例えば、PCT公開公報93/10121の実施例における培養培地を参照のこと)。示されるように、好ましいSorangiumは、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ,Braunschweig,Germany)に受託番号DSM 6773で寄託されているSo ce 90株である。実施例4は、メチラポンでepoKを阻害することにより、Sorangium cellulosumにおいてエポチロン(epothilines)CおよびエポチロンDを生産するためのプロトコルを記載する。メチラポンは、EpoKを阻害し、そしてエポチロンCおよびエポチロンDの生産を増大するのに有効であるが、Sorangium cellulosumの増殖を有害には阻害しない量で生産培地中に含まれる。
【0042】
本発明の方法によれば、エポチロン生産Sorangium株が、EpoKの可逆的または不可逆的なインヒビターを含有する培地において発酵される。この方法を用いて、インヒビターの不在下で同一の株および方法を用いて生産するよりもより多くのデスオキシエポチロンを生産し得る。本方法において使用されるインヒビターの量および性質に依存して、エポキシ化エポチロンの形成を完全に抑制し得る。しかしながら、特定のインヒビターおよび特定の濃度のインヒビターは細胞増殖に有害であり得るので、EpoKが完全には阻害されず、そしてエポキシ化エポチロンのいくらかの生産が観察されるように本発明を実施するように選択し得る。当業者は、本発明の目的のためにSorangiumが好ましいエポチロン生産者であるが、本発明の方法および化合物は、EpoKまたは別のエポチロンエポキシ化酵素が存在する任意のエポチロン生産細胞またはシステムと共に有用であることを理解する。
【0043】
本発明のインヒビターは、1nM〜1Mの範囲、好ましくは1μM〜100mMの範囲、最も好ましくは10μM〜10mMの範囲の培地中の最終濃度を達成するように、発酵培地に添加される。インヒビターは、塊りとしてまたは経時的に分けて発酵に添加され得る;代表的には、インヒビターは、エポチロンの生産の開始前に添加される。
【0044】
代替の実施形態では、本発明は、epoK遺伝子が変異によって不活性化された Sorangium宿主細胞を提供する。得られた変異株は、機能的EpoKの不在のため、非変異株と比較して、エポチロンAおよびエポチロンBを大きく減少させた量で生産するか、または全く生産しない。このような変異株は、1つ以上の変異誘発工程(例えば、200〜400nm、より詳細には250〜300nmの範囲の放射線によるUV誘発変異誘発)、次いで非変異型の対応する株に対して、エポチロンAおよびエポチロンBの少ない量を、そしてエポチロンCおよびエポチロンDの増加した量を生産する変異体の同定によって得られ得る。実施例5は、このような変異株を得るための方法を記載する。
【0045】
従って、本発明は、デスオキシエポチロンを作製するための2つの異なる方法を提供する。第一の方法においては、EpoKのインヒビターが発酵培地に添加され、そして第二の方法においては、変異で不活性化されたepoK遺伝子を含む変異Sorangium株が発酵される。両方法は、目的のエポチロン誘導体を生産するようにさらに改変された株と共に実施され得る。多くの場合、これらのさらなる改変は、エポチロンPKS遺伝子、およびPKSの酵素機能を変化させる。
【0046】
相同組換えは、遺伝子を欠失、破壊、または変化させるために使用され得る。相同組換えのプロセスは、所望の相同二重交差組換え事象が生じるように変化および位置する遺伝子セグメントに隣接する領域に相同なDNAを含むベクターを用いる。米国特許第5,686,295号(本明細書中に参照として援用される)は、相同組換えによりSorangium宿主細胞を形質転換するための方法を記載するが、他の方法もまた使用され得る。従って、相同組換えが使用されて、変化されるモジュールまたはモジュールのドメインのコード配列を所望の特異性のモジュールまたはドメインを特定化する配列と置換することにより、PKSモジュールの特異性を変化させ得る。
【0047】
1つの好ましい実施形態では、本発明は、epoD遺伝子によりコードされたモジュール4のATドメインのコード配列が、メチルマロニルCoAのみに結合するATドメインをコードするように相同組換えにより変化された、組換えエポチロン生産Sorangium cellulosum宿主細胞を用いて実施される。本発明の方法に従って発酵されるこの宿主細胞は、エポチロンDの好ましい供給源である。別の実施形態では、本発明は、epoD遺伝子によりコードされたモジュール4のATドメインのコード配列が、マロニルCoAのみに結合するATドメインをコードするように相同組換えにより変化された、組換えエポチロン生産Sorangium cellulosum宿主細胞を用いて実施される。本発明の方法に従って発酵されるこの宿主細胞は、エポチロンCの好ましい供給源である。
【0048】
他の実施形態では、Sorangium宿主細胞は、他の好ましいエポチロン誘導体を作製するために、モジュール4 ATドメインコード配列の変化以外にまたはこれに加えて変化を含むエポチロンPKS遺伝子を含む。このような変化としては、ネイティブPKSと比較して、KR、DH、またはERドメインの挿入、KR、DH、またはERドメインの欠失、およびATドメインの置換を含むエポチロンPKS酵素を生じる変化が挙げられる。本方法を用いて生産され得るエポチロンアナログとしては、以下が挙げられる;14−メチルエポチロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有するハイブリッドモジュール3の利用によって作製される);8,9−デヒドロエポチロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにDHおよびKRを有するハイブリッドモジュール6の利用により作製される);10−メチルエポチロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有するハイブリッドモジュール5の利用により作製される);9−ヒドロキシエポチロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにKRを有するハイブリッドモジュール6の利用により作製される);8−デスメチル−14−メチルエポチロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有するハイブリッドモジュール3およびメチルマロニルCoAの代わりにマロニルCoAに結合するハイブリッドモジュール6の利用により作製される);ならびに8−デスメチル−8,9−デヒドロエポチロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにDHおよびKR、ならびにメチルマロニルCoAの代わりにマロニルCoAを特定化するATを有するハイブリッドモジュール6の利用により作製される)。
【0049】
従って、当業者は、本発明の方法が広範な種々のデスオキシエポチロンを生産するために使用され得ることを理解する。これらの生産方法は、当該分野で公知の方法より優れる。なぜなら、デスオキシエポチロンは、より複雑でない混合物(エポキシ化エポチロンをより少ない量で含有するか、または全く含有しない)で生産されるからである。多くの実施形態では、1つの所望のデスオキシエポチロン化合物のみが生産される。このような宿主細胞としては、エポチロンDのみを作製する細胞、およびエポチロンCのみを作製する細胞が挙げられる。
【0050】
本発明の宿主細胞は、本発明の化合物を生産する他の目的のために、当該分野で公知の条件下で増殖および発酵され得る。本発明の化合物は、これらの培養細胞の発酵ブロスから単離され得、そして標準的な手順によって精製され得る。Sorangium宿主細胞から本発明の化合物を生産するための発酵条件は、PCT特許公開番号93/10121、97/19086、98/22461、および99/42602(これらの各々は本明細書中に参考として援用される)に記載のプロトコルに基づき得る。本発明の方法を用いて生産されるエポチロンは、PCT特許公開番号93/10121、97/19086、98/08849、98/22461、98/25929、99/01124、99/02514、99/07692、99/27890、99/39694、99/40047、99/42602、99/43653、99/43320、99/54319、99/54319、および99/54330、ならびに米国特許番号5,969,145(これらの各々は本明細書中に参考として援用される)に記載のようにして誘導体化され、そして処方され得る。
【0051】
本発明の方法によって生産される化合物は、薬学的組成物を提供するために容易に処方され得る。薬学的組成物は、例えば、固体、半固体、または液体形態の、薬学的調製物の形態で、使用され得る。この調製物は、外部適用、経腸適用または非経口適用に適した有機または無機のキャリアまたは賦形剤と混合して、活性成分として本発明の化合物の1つ以上を含有する。活性成分は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、座剤、腟坐薬、液剤、乳剤、懸濁剤、および使用に適した任意の他の形態のための通常の無毒の薬学的に受容可能なキャリアと配合され得る。
【0052】
使用され得るキャリアとしては、水、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、澱粉糊、三ケイ酸マグネシウム、滑石、トウモロコシデンプン、ケラチン、コロイダル・シリカ、ジャガイモデンプン、尿素、および調製物の製造における使用に適した他のキャリア(固体、半固体、または液体化形態)が挙げられる。さらに、補助的な安定剤、濃化剤、および着色剤ならびに香料が使用され得る。例えば、本発明の化合物は、米国特許番号4,916,138(本明細書中に参照として援用される)に本質的に記載のようにヒドロキシプロピルメチルセルロースとともに、またはEPO特許公開番号428,169号(本明細書中に参照として援用される)に本質的に記載のように界面活性剤とともに利用され得る。
【0053】
経口投薬剤形は、Hondoら、1987,Transplantation Proceedings XIX,Supp.6:17−22(本明細書中に参照として援用される)に本質的に記載のように調製され得る。外部適用のための投薬剤形は、EPO特許公開番号423,714(本明細書中に参照として援用される)に本質的に記載のように調製され得る。活性化合物は、疾患経過または状態に所望の効果を生じるのに十分な量で薬学的組成物中に含まれる。
【0054】
感染により引き起こされる状態および疾患、免疫系障害(または免疫機能を抑制する)、または癌の処置のために、本発明の化合物は、従来の無毒の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、およびビヒクルを含む投薬量単位処方物で、経口で、局所的に、非経口で、吸入スプレーにより、または直腸で投与され得る。本明細書中で使用される場合、用語非経口には、皮下注射、および静脈内、髄腔内、筋内、胸骨下の注射または注入技術が含まれる。
【0055】
化合物の投薬レベルは、1日あたり体重キログラム当たり約0.01mg〜約100mg、好ましくは1日あたり体重1キログラム当たり約0.1mg〜約50mgである。この投薬レベルは、上記に示した状態の処置において有用である(70kgの患者と仮定した場合1日あたり1患者あたり約0.7mg〜約3.5mg)。さらに、本発明の化合物は、間欠的に、すなわち、週2回、週1回、月2回、または月1回の間隔で、投与され得る。
【0056】
単一投薬剤形を生成するためにキャリア材料と合わされ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与形態に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与が意図される処方物は、適切なかつ従来の量のキャリア材料と配合される0.5mg〜5gの活性剤を含み、これは、総組成の約5%から約95%まで変動し得る。投薬単位剤形は、一般に、約0.5mg〜約500mgの活性成分を含む。外部投与のために、本発明の化合物は、例えば、0.00001重量%〜60重量%、好ましくは、0.001重量%〜10重量%、および最も好ましくは、約0.005重量%〜0.8重量%の範囲内で処方され得る。
【0057】
しかし、任意の特定の患者についての具体的な用量レベルは、種々の要因に依存することが理解される。これらの要因としては、以下が挙げられる:用いられる具体的な化合物の活性;被験体の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食事;薬物の投与時間および経路ならびに排出速度;処置において薬物の組み合わせが使用されるか否か;および治療が求められる特定の疾患または状態の重篤度。
【0058】
本発明の詳細な説明を上に提供してきたが、以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明または特許請求の範囲の範囲に対する限定であるとはみなされるべきでない。
【0059】
(実施例1)
(EpoKおよびEpoKインヒビターの異種発現アッセイ)
本実施例は、Sorangium cellulosum epoK遺伝子の異種発現についてのE.coli発現ベクターの構築を示す。このE.coli産生されたEpoK酵素をアッセイに使用して、本発明の方法において使用するためのインヒビターを同定し得る。epoK遺伝子産物を、E.coliにおいて、ポリヒスチジンタグ(hisタグ)を有する融合タンパク質として発現させた。この融合タンパク質を精製および使用して、エポチロンDをエポチロンBに転換した。このアッセイは、EpoKインヒビターを同定するために容易に適応され得る。
【0060】
プラスミドを構築して、EpoKのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに融合された6つのヒスチジン残基を含む融合タンパク質をコードした。以下のオリゴヌクレオチドを使用してプラスミドを構築した:
55−101.a−1:
5’−AAAAACATATGCACCACCACCACCACCACATGACACAGGAGCAAGCGAAT−CAGAGTGAG−3’(配列番号1)、
55−101.b:
5’−AAAAAGGATCCTTAATCCAGCTTTGGAGGGCTT−3’(配列番号2)、
55−101.c:
5’−AAAAACATATGACACAGGAGCAAGCGAAT−3’(配列番号3)、および、
55−101.d:
5’−AAAAAGGATCCTTAGTGGTGGTGGTGGTGGTGTCCAGCTTTGGAGGGCTTC−AAGATGAC−3’(配列番号4)。
【0061】
アミノ末端hisタグ化融合タンパク質をコードするプラスミド(pKOS55−121)を、テンプレートDNAとしてpKOS35−83.5を含むPCR反応において、プライマー55−101.a−lおよびプライマー55−101.bを使用して構築し、そしてカルボキシ末端hisタグをコードするプラスミド(pKOS55−129)を、プライマー55−101.cおよびプライマー55−101.dを使用して構築した。プラスミドpKOS35−83.5は、pBluescriptSKII+(Stratagene)に結合されたepoK遺伝子を含む約5kbのNotIフラグメントを含む。PCR産物を制限酵素(BamHIおよびNdeI)で切断し、そしてpET22b(Invitrogen)のBamHI部位およびNdeI部位に結合させた。両方のプラスミドを配列決定して、変異がPCR増幅の間に導入されないことを確認した。タンパク質ゲルを、当該分野で公知のように泳動させた。
【0062】
EpoKの精製を、以下のように行った。プラスミドpKOS55−121およびpKOS55−129を、groELS発現プラスミドpREP4−groELS(Caspersら、1994,Cellular and Molecular Biology 40(5):635−644)を含むBL21(DE3)に形質転換した。この株を、2mM MgSO、1%グルコース、20mg チアミン、5mg FeCl、4mg CaClおよび50mg レブリン酸を補充した250mLのM9培地中に播種した。この培養物を、0.4と0.6との間のOD600まで増殖し、この時点で、IPTGを1mMまで加え、そしてこの培養物を、さらに2時間増殖させた。この細胞を収集し、そして−80℃で凍結した。この凍結細胞を、10mlの緩衝液1(5mM イミジゾール(imidizol)、500mM NaClおよび45mM Tris(pH7.6))に再懸濁し、そして設定8において、各々15秒間で3回の超音波処理によって溶解させた。この細胞細片を、SS−34ローター内で、16,000rpmにて30分間遠心分離することによってペレット化(pellet)した。この上清を除去し、再度、16,000rpmにて30分間遠心分離した。この上清を、5mLのニッケルカラム(Novagen)にロードし、その後、このカラムを、50mLの緩衝液1(Novagen)で洗浄した。EpoKを、5mM〜1M勾配のイミジゾールで溶出した。EpoKを含む画分をプールし、そして1Lの透析緩衝液(45mM Tris(pH7.6)、0.2mM DTT、0.1mM EDTAおよび20% グリセロール)に対して2回透析した。アリコートを液体窒素中で凍結し、そして−80℃で保存した。タンパク質調製物は、90%より高い純度であった。
【0063】
EpoKアッセイを、以下のように行った。簡潔には、反応物は以下から構成された:50mM Tris(pH7.5)、21μM ホウレンソウフェレドキシン、0.132単位のホウレンソウフェレドキシン:NADPオキシドレダクターゼ、0.8単位のグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、1.4mM NADP、および7.1mM グルコース−6−ホスフェート、100μMまたは200μMのエポチロンD(S.Danishefskyから与えられた贈物品)、ならびに1.7μM アミノ末端hisタグ化EpoKまたは1.6μM カルボキシ末端hisタグ化EpoKを含有する100μL容量。この反応物を、30℃にて67分間インキュベートし、そして90℃にて2分間加熱により反応を停止した。不溶性物質を、遠心分離によって除去し、そして50μLの上清をLC/MSによって分析した。EpoKおよびエポチロンDを含む反応物は、コントロールにおいて存在しない化合物を含み、これは、純粋なエポチロンBと同じ保持時間、分子量およびマスフラグメンテーションパターンを示した。100μMのエポチロンD濃度物を用いて、アミノ末端hisタグ化EpoKおよびカルボキシ末端hisタグ化EpoKを、それぞれエポチロンBに82%および58%転換させることができた。200μM存在する場合、転換は、それぞれ44%および21%であった。これらの結果により、EpoKがエポチロンDをエポチロンBに転換させ得ることが証明された。
【0064】
EpoKの不可逆性インヒビターを同定するためのプロトコルを行うために、初めに、好ましくは、エポチロンDに対するEpoKのKmを決定する。反応混合物(100μl)を、エポチロンDの濃度が20μM〜200μMまで変化し、かつ各基質濃度において初期速度を決定することを除いて、上記EpoKのアッセイについて記載されるように調製する。Kmを、初期速度 対 エポチロンDの濃度のプロットから決定する。1/2Vmax(すなわち、Km)において基質濃度が範囲の中間にあるように、Kmを決定するのに選択した基質濃度の範囲を調整することが必要であり得る。一旦この決定がなされると、次に、推定インヒビター化合物を用いて時間依存性阻害を測定する。これを行うために、酵素学的アッセイにおいて使用されるものよりも10倍高い濃度のEpoKを、初期濃度が1mMのインヒビターを有するアッセイ緩衝液中で予めインキュベートする。種々の時間において、この予めインキョベートした混合物を、10×Kmの濃度でエポチロンDを含む反応混合物中に10倍希釈する。酵素活性 対 時間をプロットし、そして不可逆性阻害を、インヒビターを加えていないコントロールと比較して、時間依存的な活性の減少により特徴付ける。
【0065】
この方法論を用いて、EpoKに対する阻害活性についての広範な種々の潜在的なインヒビター化合物を試験し得る。不可逆性インヒビターであると見出された化合物を本発明の方法において使用し得る。
【0066】
(実施例2)
(EpoKインヒビターの合成)
この実施例は、本発明の多数の好ましいEpoKインヒビター化合物:1−フェニル−3−ブチン−1−イル−アセテート、1−フェニルヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、および1−(2−メチル−4−チアゾリル)−2−メチルヘキシ−1−エン−5−イン−3−イルアセテート、の合成を示す。
【0067】
(A.1−フェニル−3−ブチン−1−オールの合成:)
【0068】
【化6】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(turnings)(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下した。発熱性反応が起こり、その後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)およびベンズアルデヒド(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下した。添加した後、この反応物を温めて、3時間還流を維持し、次いで、一晩冷却した。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈した。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離した。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして濃い黄色油状物を得た。減圧下での蒸留によって、無色油状物の生成物を得た。H−NMR(CDCl,400MHz):δ7.4−7.2(5H,m)、4.86(1H,t,J=6.4Hz)、2.63(2H,dd,J=2.4,6.4Hz)、2.06(1H,t,J=2.4Hz)。13C−NMR(CDCl,100MHz):δ142.46、128.56、127.99、125.75、80.68、72.33、70.96、29.43。
【0069】
(B.1−フェニル−3−ブチン−1−イルアセテートの合成:)
【0070】
【化7】
Figure 2004516011
1−フェニル−3−ブチン−1−オール(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(5mLのエーテル中に2mL)の混合物を、氷上で冷却し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を加えた。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、2NのHC1、飽和NaHCO、およびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートして油状物を得た。シリカゲル上のクロマトグラフィー(5:1 ヘキサン/エーテル)により、1.04gの純粋な生成物を得た。H−NMR(CDCl,400MHz):δ7.4−7.2(5H,m)、5.89(1H,t,J=6.8Hz)、2.78(1H,ddd,J=2.7,7.0,16.8Hz)、2.70(1H,ddd,J=2.7,10.4,16.8Hz)、2.10(3H,s)、1.97(1H,t,J=2.4Hz)。13C−NMR(CDCl,100MHz):δ169.97、138.95、128.46、128.37、126.51、79.44、73.49、70.66、26.46、21.06、21.08。
【0071】
(C.1−フェニル−1−ヘキセン−5−イン−3−オールの合成:)
【0072】
【化8】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下した。初期発熱性反応後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)およびシンナムアルデヒド(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下した。添加した後、この反応物を温めて、1時間還流を維持し、次いで、冷却した。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈した。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離した。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートした。シリカゲルクロマトグラフィー(1:1 エーテル/ヘキサン)により、生成物を得た。H−NMR(CDCl,400MHz):δ7.4−7.2(5H,m)、6.65(1H,d,J=16Hz)、6.26(1H,dd,J=6,16Hz)、4.47(1H,m)、2.58(1H,ddd,J=2.7,5.5,16.8Hz)、2.52(1H,ddd,J=2.7,6.4,16.8Hz)、2.24(1H,br d,J=4Hz)、2.08(1H,t,J=2.7Hz)。13C−NMR(CDCl,100MHz):δ136.36、131.33、130.01、128.60、127.89、126.61、80.25、71.11、70.71、27.74。
【0073】
(D.1−フェニル−1−ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートの合成:)
【0074】
【化9】
Figure 2004516011
1−フェニル−1−ヘキセン−5−イン−3−オール(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(5mLのエーテル中2mL)の混合物を氷上で冷却し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を加える。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、そして2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。シリカゲル上のクロマトグラフィー(5:1 ヘキサン/エーテル)により純粋な生成物を得る。H−NMR(CDCl,400MHz):δ7.4−7.2(5H,m)、6.65(1H,d,J=16Hz)、6.23(1H,dd,J=7,16Hz)、5.53(1H,ddd,J=1,3,6)、2.62(2H,dd,J=3,6)、2.10(3H,s)、2.03(1H,t,J=2.8Hz)。13C−NMR(CDCl,100MHz):δ170.10、135.98、133.57、128.60、128.18、126.73、125.66、79.28、72.20、70.77、24.90、21.21。
【0075】
(E.1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−オールの合成:)
【0076】
【化10】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下する。発熱性反応が生じ、その後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)および3−ピリジンカルボキシアルデヒド(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下する。添加した後、この反応物を温めて、3時間還流を維持し、次いで、一晩冷却する。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈した。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離する。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。減圧下での蒸留により、生成物を得る。
【0077】
(F.1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテートの合成:)
【0078】
【化11】
Figure 2004516011
1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−オール(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(5mLのエーテル中2mL)の混合物を氷上で冷却し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を加える。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、そして2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、純粋な生成物を得る。
【0079】
(G.1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−オールの合成:)
【0080】
【化12】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下する。発熱性反応が生じ、その後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)および3−(3−ピリジル)プロペナール(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下する。添加した後、この反応物を温めて、3時間還流を維持し、次いで、一晩冷却する。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈する。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離する。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。減圧下での蒸留により、生成物を得る。
【0081】
(H.1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートの合成:)
【0082】
【化13】
Figure 2004516011
1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−オール(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(5mLのエーテル中2mL)の混合物を氷上で冷却し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を加える。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、そして2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、純粋な生成物を得る。
【0083】
(I.1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−オールの合成:)
【0084】
【化14】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下する。発熱性反応が生じ、その後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)および4−ピリジンカルボキシアルデヒド(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下する。添加した後、この反応物を温めて、3時間還流を維持し、次いで、一晩冷却する。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈する。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離する。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。減圧下での蒸留により、生成物を得る。
【0085】
(J.1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテートの合成:)
【0086】
【化15】
Figure 2004516011
1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−オール(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(5mLのエーテル中2mL)の混合物を氷上で冷却し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を加える。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、そして2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過しそしてエバポレートする。シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、純粋な生成物を得る。
【0087】
(K.1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−オールの合成:)
【0088】
【化16】
Figure 2004516011
臭化プロパルギル(1mL、トルエン中80%)を、マグネシウム削り状(2.0g)および塩化亜鉛(5mLの1M含有エーテル溶液)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の懸濁液に滴下する。発熱性反応が生じ、その後、臭化プロパルギル(10mL、トルエン中80%)および3−(4−ピリジル)プロペナール(5mL)の混合物を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下する。添加した後、この反応物を温めて、3時間還流を維持し、次いで、一晩冷却する。得られた暗色混合物を、攪拌しながら希釈HSOに注ぎ、エーテルで希釈する。水相のpHを、pH4に調整し、そしてこの相を分離する。有機相を、2NのHC1、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。減圧下での蒸留により、生成物を得る。
【0089】
(L.1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートの合成)
【0090】
【化17】
Figure 2004516011
1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−ol(1.0g)、ピリジン(1mL)および無水酢酸(エーテル5mL中の2mL)の混合物を氷冷し、そして4−(ジメチルアミノ)ピリジン(100mg)を添加する。1時間後、この混合物をエーテルで希釈し、そして飽和2N HC1、NaHCOおよびブラインで連続的に洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ、濾過し、エバポレートさせる。シリカゲルでのクロマトグラフィーで、純粋生成物を得る。
【0091】
(M.1−(2−メチル−4−チアゾリル)−2−メチルヘキシ−1−エン−5−イン−3−イルアセテートの合成)
【0092】
【化18】
Figure 2004516011
この化合物を、参考文献の手順(Bin ZhuおよびJames S.Panek;Tetrahedron Letters(2000)41(12)、1863−1866)に従って調製する。
【0093】
(実施例3)
(Sorangium cellulosumにおける、エポチロンおよびエポチロン誘導体の生成)
この実施例は、エポチロン生成Sorangium cellulosum 株のための発酵プロトコルを記載する。(分散された)Sorangium cellulosum株SMP44宿主細胞の新鮮なプレートを、S42培地上で調製する(他の株、例えば、So ce90(DSM6773)もまた使用され得る)。S42培地は、脱イオン水と共に、トリプトン、0.5g/L;MgSO、1.5g/L;HEPES、12g/L;寒天、12g/Lを含む。S42培地のpHは、KOHで7.4に設定される。S42培地を調製するために、少なくとも30分間の121℃でのオートクレーブの後、以下の成分(1リットルあたり)を添加する:CaCl、1g;KHPO、0.06g;クエン酸鉄、0.008g;グルコース、3.5g;硫酸アンモニウム、0.5g; Spent液体培地、35mL;そして200mg/mLのカナマイシンを、汚染を防ぐために添加する。培養物を、32℃で4〜7日間か、またはオレンジ色のsorangiaが表面に現れるまでインキュベートする。
【0094】
寒天プレート/バイオリアクターに播種するための種培養物を調製するため、以下のプロトコルを続ける。Sorangium細胞のパッチを、寒天(約5mm)からこすりつけ、ジャガイモデンプン、8g;脱脂大豆ミール、2g;酵母抽出物、2g;鉄(III)ナトリウム塩EDTA、0.008g;MgSO・7HO、1g;CaCl・2HO、1g;グルコース、2g;HEPES緩衝液、11.5gを含む大豆ミール培地の50mlを含む、38mmのシリコーンフォーム栓を備えた250mlのバッフルフラスコに移す。脱イオン水を使用し、そしてpHを10%KOHを用いて7.4に調節する。消泡剤Bを2〜3滴添加し、泡形成を防止する。この培養物を30℃および250RPMで4〜5日間、シェーカーでインキュベートする。この培養物は、オレンジ色に見えるはずである。この種培養物を、スケールアップのために繰り返して継代培養して、所望の容積の生成培地に播種し得る。
【0095】
同じ調製物を、1リットル当たりCaCl・2HO、1g;酵母抽出物、2g;Soytone、2g;FeEDTA、0.008g;MgSO・7HO、1g;HEPES、11.5gを含む培地1と共に使用し得る。10%KOHを用いてpHを7.4に調節し、そして121℃で30分間オートクレーブする。滅菌後に40%グルコースを8mL添加する。バッフルフラスコの代わりに、箔で覆った250mlのコイルバネ状フラスコを使用する。消泡剤Bを2〜3滴含み、そして37℃および250RPMで7日間、シェーカー中でインキュベートする。50mL全体を、38mmシリコーンフォーム栓を備えたバッフル細口Fernbachフラスコ中の500mLの新鮮な培地に継代培養する。培養物に、0.5mlの消泡剤を含める。同じ条件下で2〜3日インキュベートする。少なくとも10%の播種材料を、バイオリアクター発酵のために使用する。
【0096】
固体培地上で培養するために、以下のプロトコルを使用する。CNS培地1リットル当たり、KNO、0.5g;NaHPO、0.25g;MgSO・7HO、1g;FeCl、0.01g;HEPES、2.4g;寒天、15gを含む寒天プレートを調製し、Whatman濾紙を滅菌する。寒天は完全には固体化していないが、その表面に滅菌濾紙のディスクを配置する。プレートが乾燥した時に、その表面を平らに覆うのに過不足のない種培養物(約1mL)を添加する。滅菌ループまたは塗布器具で平らに塗布し、そして32℃のインキュベーターに7日間配置する。プレートを回収する。
【0097】
5Lのバイオリアクターでの生成のために、以下のプロトコルを使用する。発酵を、B.Braun Biostat MD−1 5Lバイオリアクターで実行し得る。4Lの生成培地(HEPES緩衝液なしの、種培養物のための大豆ミール培地と同じもの)を調製する。未洗浄かつ未処理の2%(容積対容積)XAD−16吸着樹脂を添加する(例えば、生成培地50mL当たり、1mLのXADを添加する)。酸のビンについて2.5NのHSOを使用し、塩基のビンについて10%KOHを使用し、そして消泡ビンについて50%消泡剤Bを使用する。サンプルポートについて、培養物ブロスと接触するチュービングが、サンプルを毎日収集するためのバイアルへとXADを通すことを可能にする小開口部を有することを確認する。オートクレーブ前に、成分を均質に分散するように、混合物を完全に攪拌する。pHプローブおよび試験溶存酸素プローブを較正して、適切な機能を確認する。約3インチの長さの小さい消泡剤プローブを使用する。ビンについては、滅菌的に溶接され得るチュービングを使用するが、サンプルポートについてはシリコーンチュービングを使用する。全ての付属物を、固定すべきであり、そしてチューブを、Cクランプで挟んで締め付ける(排気コンデンサーへのチュービングを挟んではならない)。空気に接している任意の開口チュービングに、0.2μmのフィルターディスクを装着する。より大きなACRO 50フィルターディスクを、より大きなチュービング(例えば、排気コンデンサーおよび空気吸い込み口チュービング)のために使用する。播種のために、滅菌の空のビンを調製する。90分の滅菌時間で121℃でオートクレーブする。一旦、リアクターをオートクレーブから取り出したら、チュービングを、酸、塩基および消泡剤のビンに、それぞれのポンプヘッドを介して接続する。これらのビンへのクランプを外し、チュービングが密着して塞がっていないかを確認する。温度プローブを、制御ユニットに接続する。低空気流速で、空気吸い込み口を介して空気を散布しながら、リアクターを冷却する。
【0098】
ポンプが作動していること、および流速または目詰まりに問題が存在しないことを確認した後、水浴からのホースをウォータージャケットおよび排気コンデンサーに接続する。ウォータージャケットがほぼ満たされていることを確認する。温度を32℃に設定する。pHプローブ、D.O.プローブおよび消泡剤プローブを、メイン制御ユニットに接続する。適切な機能について、消泡剤プローブを試験する。培養物の設定ポイントを7.4に調節する。攪拌を400RPMに設定する。溶存酸素(D.O.)プローブを、空気および窒素ガスを使用して較正する。発酵が作用する速度(例えば、1LPM(1分あたりのリットル))を使用して、気流を調節する。D.O.レベルを制御するため、カスケード設定下でパラメーターを調節し、その結果、攪拌が低レベルの空気を補償して、50%のD.O.値を維持する。最小の攪拌および最大の攪拌を、制御ユニットの設定に基づいて、それぞれ、400RPMおよび1000RPMに設定する。必要な場合、設定を調節する。
【0099】
発酵槽を播種する前に、任意の汚染について種培養物をチェックする。Sorangium cellulosum細胞は、丸薬のような棒状の形状であり、細胞の向かい合った末端に2つの大きな別個の丸い小胞を有する。長さは、細胞の幅の約5倍である。10%の播種材料(最少)容積(例えば、生成培地4L中に400mL)を使用する。容器から最初のサンプルを取得し、ベンチpHに対してチェックする。発酵槽のpHとベンチpHとの間の差異が0.1単位以上外れる場合、1ポイントの再較正を行う。デッドバンドを、0.1に調整する。25mLのサンプルを毎日取得し、発酵槽のpH、ベンチpH、温度、D.O.、空気の流れ、攪拌、酸、塩基および消泡剤のレベルに注目する。必要な場合、pHを調整する。回収前に、発酵を7日間実行する。
【0100】
液体培地を等容積の酢酸エチルで3回抽出し、有機抽出物を合わせてエバポレートし、そして残渣をLC/MS分析のためにアセトニトリルに溶解させる。寒天プレート培地を切り刻み、そして等容積のアセトンを用いて2回抽出し、そしてアセトン抽出物を合わせて水性スラリーまでエバポレートし、このスラリーを、等容積の酢酸エチルで3回抽出する。有機抽出物を合わせてエバポレートし、そして残渣をLC/MS分析のためにアセトニトリルに溶解させる。
【0101】
エポチロンの生成を、LC質量分析法を使用して評価し得る。分析用HPLCのUV検出器からの出力流れを、Perkin−Elmer/Sciex API100LC質量分析器とAlltech 500蒸発光散乱検出器との間で等しく分かれている。サンプルを、1.0mL/分の流速で水中で平衡化された4.6×150mmの逆相HPLCカラム(MetaChem 5m ODS−3 Inertsil)に注入する。UV検出を、250nmに設定する。サンプル成分を、HOを使用して1分間分離し、次いで、0〜100%のアセトニトリルの直線勾配を10分間にわたって使用して分離する。これらの条件下で、エポチロンAは、10.2分で溶出し、エポチロンBは、10.5分で溶出する。これらの化合物の同定を、それぞれ、75Vおよび300Vに設定されたオリフィス開口部電圧および環電圧、および0.1amuの質量解像度を用いて、大気化学イオン源を使用して獲得される質量分析によって確認し得る。
【0102】
本発明の方法を実行するために、上記の発酵プロトコルに続いて、1以上の本発明のインヒビターが発酵培地に添加されて、1nM〜1Mの範囲、好ましくは1μM〜100mMの範囲、最も好ましくは10μM〜10mMの範囲の倍地中の最終濃度が達成され得る。インヒビターは、経時的にボーラスまたはアリコートとして発酵物に添加され得る;代表的には、インヒビターは、エポチロンの生成の開始前に添加される。
【0103】
(実施例4)
(EpoKインヒビター、メチラポンを用いた、エポチロンCおよびエポチロンDの生成)
この実施例は、Sorangium cellulosum So ce90株における、メチラポン(2−メチル−1,2−ジ−3−ピリジル−1−プロパノン)を用いたepoKの阻害によってエポチロンCおよびエポチロンDを生成するためのプロトコルを記載する。So ce90は、登録番号DSM6773で、German Collection of Microorganismsから入手され得る。
【0104】
種培養物を調製するため、50mLの滅菌大豆ミールを含む、38mmのシリコーンフォーム栓を備えた250mLのバッフルエルレンマイヤーフラスコ中に、DSM6773のアンプルから細胞を移す。大豆ミールは、ジャガイモデンプン(製品番号S−2004、Sigma)、8g/L;脱脂大豆ミール(Type 4890、Archer Daniels Midland)、2g/L;酵母抽出物(製品番号BP1422−500、Fisher Biotech)、2g/L;鉄(III)ナトリウム塩EDTA(製品番号EDFS、Sigma)、0.008g/L;MgSO・7HO(製品番号M−5921、Sigma)、1g/L;CaCl・2HO(製品番号C−3991、Sigma)、1g/L;グルコース(製品番号G−5400、Sigma)、2g/L; HEPES緩衝液(製品番号H−3375、Sigma)、11.5g/Lを含む。脱イオン水を使用し、10%KOHを用いてpHを7.4に調節する。フラスコを、121℃で少なくとも30分間オートクレーブして滅菌する。オートクレーブ後、消泡剤Bを2〜3滴添加して泡形成を予防する。培養物を32℃で250RPMのシェーカーで4日間インキュベートする。4日後、培養物は、オレンジ色に見えるはずである。生成培地を、250mLのバッフルエルレンマイヤーフラスコ中の、50mLの滅菌大豆ミール培地および1gのAmberlite XAD−16吸着樹脂を滅菌することによって調製した。メチラポン(製品番号856525、Sigma)を、50:50(v/v)のDMSO:HOを用いて、2.5Mの最終濃度に再構成することによって調製する。メチラポンを、各フラスコ中に5mMおよび10mMの最終濃度で添加した。5mLの種培養物を、各フラスコに播種し、そして250RPMのシェーカー中で30℃で7日間インキュベートした。
【0105】
エポチロンCおよび/またはエポチロンDを抽出するため、培養物を、50mLの遠心管(製品番号21008−178、VWR Scientific Products)に移す。樹脂を流し去らずに、遠心管の過剰な培地をデカントする。25mLのHOでXAD−16樹脂を洗浄し、そして管の重力によって、XAD−16樹脂を沈降させる。HOを注意深くデカントし、そして20mLの100%メタノールを管に添加する。遠心管を175RPMでシェーカー上に20〜30分間配置し、樹脂からエポチロン生成物を抽出する。XAD−16ペレットを沈降させ、そしてピペットを使用して2mLをHPLC管(製品番号C4010−13、C4010−60A、National Scientific Company)に移す。エポチロンCおよびエポチロンDの定量を、250nmでのUV−DAD検出を用いるHPLC分析によって実行した。50μLのメタノール抽出物を、4.6×10mmのガードカラム(Inertsil、C18 OD 53、5μm)および4.6×150mmのガードカラム(Inertisil、C18 OD 53、5μm)を通して注入した。アッセイ方法は、60%のアセトニトリルおよび40%の水を用いた、1ml/分の流速で18分間の定組成溶出であった。これらの条件下で、エポチロンCを、10.3分で検出し、そしてエポチロンDを13.0分で検出した。メチラポンおよび種々の他のインヒビターの存在下で、エポチロンCおよびエポチロンDの最大の生成、ならびにエポチロンAおよびエポチロンBの最小の生成を示す結果を、図1に示す。図1に示されるように、So ce90株は、エポチロンAおよびエポチロンBを、それぞれ、3.6mg/Lおよび1.7mg/L生成し、そしてエポチロンCおよびエポチロンDを、それぞれ、1.0mg/Lおよび0.5mg/L生成した。10mMのメチラポンの存在下で、So ce90株は、エポチロンAおよびエポチロンBを、それぞれ、0.9mg/Lおよび0.3mg/L生成し、そしてエポチロンCおよびエポチロンDを、それぞれ、0.5mg/Lおよび0.1mg/L生成した。図2は、5mMおよび10mMの濃度で、メチラポンが、Sorangium cellulosum 株So ce90の増殖を不利に阻害しないことを示す。
【0106】
(実施例5)
(Sorangium cellulosum株So ce90の変異誘発)
この実施例は、変異的に不活化されたepoK遺伝子を含むSorangium cellulosumの変異株を獲得するためのプロトコルを記載する。Sorangium cellulosum So ce90を、登録番号DSM6773で、German Collection of Microorganismsから入手する。
【0107】
DSM6773アンプルの細胞を、50mLのエルレンマイヤーフラスコ中の、10mLのG52培地に移し、そして攪拌器中で30℃および180rpmで6日間インキュベートする。G52培地は、2g/L酵母抽出物、低塩(Springer、Maison Alfort、France);1g/L MgSO(7HO);1g/L CaCl(2HO);2g/L 脱脂大豆ミール(Mucedola S.r.l.、Settimo Milan、Italy);8g/LジャガイモデンプンNoredux(Blattmann、Wadenswil、Switzerland);2g/Lグルコース無水物;1mL/L Fe−EDTA 8g/L(製品番号03625、Fluka Chemie AG、CH)を含み;pHを、KOHを用いて7.4に調節し;培地を120℃で20分間滅菌する。約5mLのこの培養物を、50mLのG52培地(200mLのエルレンマイヤーフラスコ中)に移し、そして攪拌器中で180rpmで3日間、30℃でインキュベートする。
【0108】
上記の培養物の0.1mLの部分を、寒天培地S42を含むいくつかのペトリ皿にプレートする(Jaouaら、1992、Plasmid 28:157−165)。次いで、プレートを、それぞれ、UV光線(250〜300nmの最大放射範囲)に、1cmあたり500μワットで、90〜120秒間曝露させる。次いで、プレートを、1〜2mmの個々のコロニーが得られるまで、30℃で7〜9日間インキュベートする。次いで、100〜150コロニーの細胞を、個々のコロニーから、プラスチックループを用いて、S42寒天を含むペトリ皿に扇型に各々プレートし(プレート1枚あたり、4個の扇型)、そして30℃で7日間インキュベートする。ca.1cmの寒天の領域で増殖した細胞を、50mLのエルレンマイヤーフラスコ中の10mLのG52培地に、プラスチックループによって移し、そして、攪拌器中で180rpmで30℃にて7日間インキュベートする。約5mLのこの培養物を、(200mLのエルレンマイヤーフラスコ中の)50mLのG52培地に移し、そして攪拌器中で180rpmで30℃にて3日間インキュベートする。約10mLのこの培養物を、50mLの23B3培地に移し、そして攪拌器中で180rpmで30℃にて7日間インキュベートする。23B3培地は、2g/Lのグルコース;20g/LのジャガイモデンプンNoredux;16g/Lの脱脂大豆ミール;8g/LのFe−EDTA;5g/LのHEPES(Fluka、Buchs、Switzerland);2%v/vのポリスチレン樹脂XAD16(Rohm and Haas);脱イオン水を含み;pHを、NaOHで7.8に調節し;そして培地を120℃で20分間滅菌する。
【0109】
この培養物中に形成されたエポチロンA、B、CおよびDの量を決定するため、以下の手順を使用する。50mLの培養溶液を、ナイロン篩(150μm孔サイズ)で濾過し、そして篩に残されたポリスチレン樹脂Amberlite XAD16を、1リットルの水でリンスし、続いてフィルターと一緒に50mLの遠心管(Falcon Labware、Becton Dickinson AG Immengasse 7、4056 Basle)に添加する。10mLのイソプロパノール(>99%)を、フィルターと共に管に添加する。その後、十分密封された管を、イソプロパノール中に、樹脂に結合したエポチロンを溶解させるために180rpmで1時間攪拌する。続いて、1.5mLの液体を遠心分離し、そしてca.0.8mLの上清をピペットを使用してHPLC管に添加する。これらのサンプルのHPLC分析を、以下に記載のようにもたらす。HPLC分析は、どの培養物が、エポチロンAおよびBの最小含量と共にエポチロンCおよびDの最大含量を含むのかを決定する。対応するコロニーの上記の扇形プレート(一時的に4℃で保存されたプレート)から、ca.1cmの寒天領域殻の細胞を、プラスチックループによって、50mLのエルレンマイヤーフラスコ中の10mLのG52培地に移し、そして攪拌器中で180rpmで30℃にて7日間インキュベートする。約5mLのこの培養物を、(200mLのエルレンマイヤーフラスコ中の)50mLのG52培地に移し、そして攪拌器中で180rpmで30℃にて3日間インキュベートする。
【0110】
変異誘発の第一ラウンドは、所望のようなepoK遺伝子を生成するべきだが、変異誘発のさらなるラウンドおよびスクリーニングが使用され得る。例えば、より多くのエポチロンCおよびD、または別のエポチロンよりも1つのエポチロン(例えば、エポチロンD)をより多く生成する変異体を同定し得る。変異誘発の第二、第三および続くラウンドのために、この手順は、その後の変異誘発工程において使用される、先の変異誘発工程由来の最良のコロニーの選択された培養物を用いて、変異誘発の第一ラウンドについて上記されたのと正確に同じである。
【0111】
HPLCサンプル分析を、以下のように実施する。約50mLのサンプルを、2mLのポリエチレン樹脂Amberlite XAD16(Rohm&Haas、Frankfurt、Germany)と混合し、そして180rpmで30℃にて1時間攪拌する。続いて、この樹脂を、150μmのナイロン篩を使用して濾過し、1リットルの水で洗浄し、次いで、フィルターと一緒に15mLのNunc管に添加する。生成物を、以下のように樹脂から溶出する。約10mLのイソプロパノール(>99%)を、フィルターおよび樹脂と共に管に添加する。その後、密封された管を、Rota−Mixer(Labinco BV、Netherlands)で、室温で30分間攪拌する。次いで、2mLの液体を遠心分離して除き、そして上清をピペットを使用してHPLC管に添加する。HPLCカラムは、Waters−Symetry C18、100×4mm、3.5μm WAT066220および予備カラム3.9×20mm WAT054225である。溶媒は、A:0.02%のリン酸;およびB:アセトニトリル(HPLC品質)である。勾配は、41%のBで0〜7分、100%のBで7.2〜7.8分、そして41%のBで8〜12分である。オーブンの温度は、30℃である。検出は、250nmのUV−DAD検出である。注入容積は、10μLである。エポチロンAおよびBについての反応時間は、それぞれ、4.30分および5.38分である。
【0112】
あるいは、培養物の分析は、以下に記載のように実施され得る。XAD−16の存在下で増殖した培養物の分析のために、増殖培養物を、低速で遠心分離して、XAD−16をペレット化し、そして上清を廃棄する。XAD−16を、1mLの水で懸濁し、そして再遠心分離し、上清を再び廃棄する。XAD−16を、一晩風乾させる。等容積のアセトニトリルを添加し、そして懸濁物を1時間緩やかに攪拌し、次いで遠心分離して固体をペレット化する。上清を収集し、そして分析のために使用する。この抽出物の1アリコート(代表的には20〜50μL)を、0.3mL/分の流速でアセトニトリルを使用して、PE/Sciex API−100LC質量分析器のAPCI供給源に直接注入する。この分析器を、0.1amuの質量解像度を用いて、多チャンネル分析モードを使用して、450〜550amuのm/z範囲にわたるイオン電流を収集するように設定する。データを、次のサンプルの注入前に2分間蓄積する。エポチロンA、B、CおよびDの存在を、それぞれ、m/z=494.7、508.7、478.7および492.7でイオン電流によって検出する。
【0113】
XAD−16なしで増殖した培養物の分析のために、増殖した培養物を、高速で遠心分離して細胞をペレット化する。上清を、C18固相抽出カートリッジを通過させ、次いで、これを水で洗浄する。有機物を、アセトニトリルでリンスすることによって、カートリッジから溶出する。この有機抽出物の1アリコート(代表的には20〜50μL)を、0.3mL/分の流速でアセトニトリルを使用して、PE/Sciex API 100LC質量分析器のAPCI供給源に直接注入する。この分析器を、0.1amuの質量解像度を用いて、多チャンネル分析モードを使用して、450〜550amuのm/z範囲にわたるイオン電流を収集するように設定する。データを、次のサンプルの注入前に2分間蓄積する。エポチロンA、B、CおよびDの存在を、それぞれ、m/z=494.7、508.7、478.7および492.7でイオン電流によって検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、種々のP450インヒビターの存在下での、Sorangium cellulosum株So ce 90によるエポチロンA、B、C、およびDの産生を示す。
【図2】
図2は、Sorangium cellulosum株So ce 90の増殖に対するメチラポンの効果を示す。

Claims (16)

  1. デスオキシエポチロンを産生する方法であって、エポチロンオキシダーゼのインヒビターの存在下で、エポチロン産生微生物の発酵を包含する、方法。
  2. 前記デスオキシエポチロンがエポチロンDである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記デスオキシエポチロンがエポチロンCである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記デスオキシエポチロンがエポチロンCおよびエポチロンDの混合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記微生物が、Sorangium cellulosumである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記インヒビターが、2−メチル−1,2−ジ−3−ピリジル−1−プロパノンである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記インヒビターが、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、フラフィリン、スルファフェナゾール、プロアジフェン、およびデブリソキンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記インヒビターが、アセチリン機構に基づく不可逆インヒビターのクラスのメンバーである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記インヒビターが、
    Figure 2004516011
    であり、ここで、Rがアリール、複素環、アリール−CH=CR−、または複素環−CH=CRであり;Rが、低級アルキル、好ましくは、C1〜3アルキルであり;RがHまたは低級アルキル、好ましくは、メチルもしくはエチルであり;そしてRがHまたは低級アルキル、好ましくは、メチルである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記インヒビターが、1−フェニル−3−ブチン−1−イル−アセテート、1−フェニルヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、および1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記微生物がSorangium cellulosumであり、そして前記インヒビターが、1−フェニル−3−ブチン−1−イル−アセテート、1−フェニルヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(3−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、1−(3−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテート、1−(4−ピリジル)−3−ブチン−1−イルアセテート、および1−(4−ピリジル)ヘキセン−5−イン−3−イルアセテートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. エポチロンCまたはエポチロンDあるいはその両方を生成する変異によって不活性化されているepoK遺伝子を含む、組換えSorangium cellulosum宿主細胞。
  13. エポチロンAおよびエポチロンBより多くのエポチロンCおよびエポチロンDを生成する、請求項12に記載の宿主細胞。
  14. エポチロンAもエポチロンBも生成しない、請求項12に記載の宿主細胞。
  15. エポチロンDを生成するが、エポチロンCを生成しない、請求項12に記載の宿主細胞。
  16. エポチロンCを生成するが、エポチロンDを生成しない、請求項12に記載の宿主細胞。
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