JP2004515899A - 反射器付きランプ - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の属する技術分野)
この発明は、凹面の反射部を具える反射器と、少なくとも1個の先端部分を持つ密閉されたランプ容器と、このランプ容器内に配置された電気要素と、この先端部分を通して電気要素に延びる導線とからなる電気ランプとを具える、反射器付きランプに関する。この発明はまた、反射器付きランプが収納されるランプハウジングと、このランプを制御する制御器との組立体、及びこれらを組立てる方法に関する。
【0002】
(従来の技術)
ランプを反射器内に設置した後、これを反射器の凹面の基部に接着剤(セメント)で固着し支持する形式の反射器付きランプは、既に知られている。この種のランプの欠点は、接着剤が、ランプの反射器内で位置調節される期間より長く、両者を固定していることである。また他の欠点は、このような薬剤を用いた接着の結果、薬剤の蒸気が反射器の反射面に吸収されて、高湿度中で使用される反射ランプの反射の妨げになることである。
【0003】
さらに、ランプ容器が反射器の基部に、機械的固着手段によって固着し支持される形式の反射器付きランプも既知である。この種の固着構造は、例えば欧州特許出願第1055873A2(未公開)明細書に記載されている。
【0004】
(発明が解決しようとする課題)
このような既知の反射器付きランプの欠点は、ランプがランプ容器内で別個の固着手段によって固着し支持される前に、ランプの位置調節が行われることに起因している。このことは、ランプが設置された後では不十分な位置調節しかなされないことを意味する。それに加えて、上記のような位置調節は、比較的複雑である。この発明は、上記のような欠点を解消した、改良された反射器付きランプを得ることを目的とする。
【0005】
(課題を解決するための手段)
第1実施態様によれば、この発明の反射器付きランプは、反射器本体を固着し支持させるための反射器本体固着手段を有する支持体と、この支持体をランプ容器の先端部分に固着し支持するための機械的ランプ容器固着手段と、支持体をランプハウジング内に固着し支持させるハウジング固着手段とからなる。これにより一つのランプと反射器本体固着手段の複合体が形成され、その結果、ランプはハウジング内に配置される時、適切に位置調節がなされる。それに加えて、必要な構成要素の数が減少し、より簡単な構成となっている。
【0006】
この発明の好ましい実施例では、支持体は実質的に反射器本体の周縁部を包囲するように構成され、反射器本体固着手段は、反射器本体を軸方向に支持するよう反射器の先端面上に付き合わされる1個又は数個の付き合せフランジと、支持体に連結された一連の弾性タグとから構成され、このタグは反射器本体に係合し、この反射器本体は付き合せフランジによって付勢される。このように構造が簡単である利点を有する外に、この反射器本体の位置調節機能は、この実施例において保持される。
【0007】
反射器本体固着手段は、好ましくは等間隔に配置された3個の弾性タグにより構成され、これにより支持体内の反射器本体の中心位置調節は促進される。さらに改良された、反射器本体の中心位置調節機能を達成するために、支持体を反射器本体に係止するための、1個又は数個の接線方向弾性体が反射器本体固着手段に付加される。
【0008】
一つの好ましい実施例では、反射器本体固着手段は、その支持体(及び反射器本体とその中に固着し支持されるランプ容器)をランプハウジング内に係合するために、一連の外向きの弾性タグを具える。この弾性タグの先端は、溶接手段または接着剤を用いてランプハウジング内面に固着し支持される。他の好ましい実施例では、支持体そのものがランプハウジング内にクランプ止めされるか、または接着剤又は溶接手段で直接固着し支持されることも可能である。
【0009】
この発明の他の実施態様では、前述した反射器付きランプは、
− 凹面の反射部を具える1個の反射器本体と、
− 先端部と反対側の先端部とを持つ密閉されたランプ容器と、ランプ容器内に配置された電気発光要素と、前記先端部から電気発光要素に伸びている導電線とからなる電気ランプと
からなり、前記反射器本体の凹面には開口が形成され、該開口がランプの第一先端部を挿通させるために用いられ、該先端部は前記開口の周囲の反射器本体に配置される支持体の機械的固着手段によって固着し支持される。この機械的固着手段は前記開口の内部またはその直上でランプの第一先端部に係合している。
【0010】
(発明の効果)
このように反射器本体にネックを形成しないでランプを係合させることは、ランプ(バーナー)をより焦点近くに配置することができるので、ランプのより安定した位置調節を可能にする。他方、反射器本体は前記開口周辺に容器を収納することができるので、そのための変形をより少なくすることができ、これにより反射器の光ビームの性能を高め、またより簡単な構成で、製造単価の低減にも資する。それに加えて、製造部品点数が少なくなり、組立作業がより簡便になる。
【0011】
好ましくは、支持体の機械的固着手段はランプ容器を反射器本体内に適正に配置し、それを適正な状態に保持するように構成される。この構成はランプ容器の位置調節手段を具える。
【0012】
ランプの電気的発光要素は、可能であれば不活性ガスを封入した発光体、又はイオン性媒体、例えば稀ガス、稀ガスと水銀蒸気及び/又はソジウム内に配置され、使用中は高圧放電が維持される一対の電極からなる。
【0013】
この発明のこれ以上の利点ないしは特性は、以下に詳述するこの発明の好ましい実施例において説明がなされる。
【0014】
図1は例えば自動車工業で用いられる、光ファイバケーブルfに光束を伝送する光発生器を示している。これに替わる実施例として、例えば、反射器ランプは投影テレビジョン(ビーマー)内で用いられる。
【0015】
図示された実施例では、光ファイバケーブルfはカップリング1を介してランプハウジング2に連結される。凹面反射器本体3がランプハウジング2内に形成され、反射器本体の内面は、例えばアルミ又は銀等の金属からなる反射コーティングがほどこされる。ランプ4は導電線5,6に結線され、固着手段7によりランプハウジング2内に固着し支持される。ランプ4は既知の方法で、スタータ9、エラーデテクタ10、その他の電子部品又はバラスト8によって制御される。この装置全体はコード11により電源(図示せず)に接続されている。
【0016】
図2、3及び4は反射器付きランプ12の一つの好ましい実施例を示している。電気ランプ15は凹面反射器本体13と、この本体の頂部に形成された開口14とからなる。ランプ容器の第一の先端部18は前記開口14を通って外側に伸び、この反対側の第2の先端部16は、実質的に反射器本体13の左右対称軸又は光軸上に位置している。電気要素17がこのランプ容器内に配置され、導電線19,20が第一の先端部18と第2の先端部16内から電気要素17に伸びる。この導電線19,20は夫々遮蔽スリーブ21,22とを備え,夫々反射器本体13の開口13内を通るように配置される。
【0017】
支持体23は好ましくは金属板により形成され,ランプ容器を反射器本体に、また反射器本体をもし有ればランプハウジングに取付けるための、複合的な締着具となる。この支持体は上側壁面24を備え,その上側壁面に懸吊壁面25が締着される。この懸吊壁面25の下側側面に数個のタグ26が形成され、これらのタグは夫々下端部が折り曲げられ、反射器本体13の先端面28をそれら付き合せ折曲フランジ27の上に載せて支持する。
【0018】
懸吊壁面25には合計8個の切欠き開口が形成され、それらの内4個の切欠き弾性タグ30は支持体23を反射器本体13に締着するために用いられ、他の4個の弾性タグは支持体23をランプハウジング(図示せず)に締着するために用いられる。
【0019】
図4の断面図では、1個の弾性タグ30が部分31で支持体から外側放射状に伸び、曲部32を経て放射状内側に伸びてタグ部34に連結している様子を示している。この構成は、夫々のタグ部34が支持体内で、タグ26の付き合せ折曲フランジ27に対して反射器本体13を下方向(矢印で示す方向)に押圧し締着するようにされていることを示している。その結果、反射器本体13は支持体内に締着される。
【0020】
好ましくは、金属製の帯40がタグ26の周りに嵌められ、この帯40には数個所に弾性部41が設けられる。弾性部41のバネ力がタグ26を内側に向けて付勢し、付き合せ折曲フランジ27が、正確に反射器本体13の先端面28の下側に位置するようにする。この構成はとりわけ、金属製支持体23と反射器本体13を下側で密閉するカバーガラス29の熱膨張率の違いに関して,大きな意味を持つ。この、ガラスとそれを取巻く金属部分との熱膨張率の違いは帯40内で補償され、それに従ってタグ26には、適度のバイアス力が掛かる。
【0021】
それに加えて、上に述べたタグ26、30の一連の構成は、金属製帯40との組合わせ如何に関係なく、反射器本体13を支持体23の中心位置に正確に保持する作用をする。
【0022】
支持体23をランプハウジングに締着させるために、一連の弾性タグ42が支持体23に設けられる。これらのタグは実施例で示すように、断面S字状を呈している。これらのタグは、使用されるランプハウジングの形状に応じて種々の形状又は構造を具えることができる。
【0023】
支持体23の壁面の内、反射器を締着していない側には弾性タグ42が設けられ、支持体をランプハウジング内に締着させることができる。ある種の実施態様では、タグ42は溶接又は接着によりランプハウジングに実質的に固着し支持させる。
【0024】
ランプ容器先端部18を支持体23の上側壁面24に機械的に固着し支持させるには、種々の方策がある。図示の実施例では、1枚の板体25が上側壁面24上に固着し支持され、この板体45には、ランプ容器先端部18と導電線22とを夫々通すための、2個の開口が設けられる。4個の弾性舌片46が板体45の面から上向きに切り起こされる。図示されない他の実施例では、この板体45が省略され、これら舌片は支持体23の上側壁面24から直接切り起こされる。
【0025】
1個のクランプ43がランプ容器先端部18に締着される。このクランプ43は先端部の軸から放射方向に伸びる3個の突出片44を備え、この突出片はそれぞれ弾性舌片46に対向している。これら突出片44は夫々、隣接する舌片46の上端部を囲む凹所が設けられる。ランプ容器の、図示Z方向の最適位置はクランプ43がランプ容器先端部18に対して正確な位置調節をすることにより達成される。それに加えて、ランプ容器のXY方向の位置は,舌片46を適宜曲げることによって決められる。ランプは、上述した機械的構成により、簡単な方法で位置調節ができる。
【0026】
最初にランプを位置調節し,その後で板体45を支持体23の上側壁面24の適正位置に溶接固定してランプを板体に固着し支持させるようにすることも、また可能である。
【0027】
前述した構成のほかにも、種々の代替手段が可能である。ランプ容器を反射器本体13又は支持体23にバネキャップを用いて固着し支持することも可能である。この実施例はより少ない部品で構成される利点がある。
【0028】
この発明により、反射器を機械的に固定させる際に、通常起こる隘路が解消した。この隘路の除去により、ランプ本体を焦点のより短い距離内に固着し支持することができるようになり、この締着をより安定的に行うことができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射器付きランプとその制御機構を,ランプハウジングとともに示した模式図である。
【図2】この発明によるランプの一実施例の見取り図である。
【図3】図2で示すこの発明の実施例の底部を示す見取り図である。
【図4】図2及び3に示すこの発明の実施例の断面図である。
Claims (16)
- 凹面反射部を具える1個の反射器本体と、
少なくとも1個の先端部を持つランプ容器と、密閉されたランプ容器内に配置された電気発光要素と、前記先端部から電気発光要素に伸びている導電線とからなる電気ランプと、
支持体を前記反射器本体に固着し支持させるための反射器本体固着手段と、支持体を前記ランプ容器の先端部に固着し支持させるための機械的固着手段と、支持体をランプハウジング内に固着し支持させるためのハウジング固着手段とを具える支持体と、からなる反射器付きランプ。 - 前記支持体は、反射器本体の凹面反射部に固着し支持している、請求項1に記載の反射器付きランプ。
- 支持体は反射器本体を実質的に包囲し、反射器本体固着手段は、反射器本体を軸方向に支持するよう反射器の先端面上に付き合わされる1個又は数個の付き合せフランジと、支持体に連結された一連の弾性タグとから構成され、該タグは反射器本体に係合し、該反射器本体は付き合せフランジによって付勢される、請求項1又は2に記載の反射器付きランプ。
- 反射器本体固着手段は実質的に等間隔に配置された3個の弾性タグからなる、請求項3に記載の反射器付きランプ。
- 反射器本体固着手段は、支持体を反射器本体に対して係合させる1個又は数個の接線方向弾性体を付加的に具える、請求項3又は4に記載の反射器付きランプ。
- 前記接線方向弾性体は反射器本体の端面に当接するようにした、請求項1乃至5の内1項に記載の反射器付きランプ。
- 前記ハウジング固着手段は、支持体をランプハウジング内に支持する一連の弾性タグからなる、請求項1乃至6の内1項に記載の反射器付きランプ。
- 前記弾性タグの先端は、溶接手段または接着剤を用いてランプハウジング内面に固着し支持される、請求項7に記載の反射器付きランプ。
- 前記支持体は1枚の金属板から形成される、請求項1乃至8の内1項に記載の反射器付きランプ。
- 凹面の反射部を具える1個の反射器本体と、
少なくとも1個の先端部を持つランプ容器と、密閉されたランプ容器内に配置された電気発光要素と、前記先端部から電気発光要素に伸びている導電線とからなる電気ランプとからなり、
反射器本体の凹面には開口が形成され、該開口がランプの第一先端部を挿通させるために用いられ、該先端部は前記開口の周囲の反射器本体に配置される支持体の機械的固着手段によって固着し支持される、請求項1乃至9の内1項に記載の反射器付きランプ。 - 前記機械的固着手段は、ランプ容器の第1先端部を前記開口内又はその直上で係合するようにした、請求項10に記載の反射器付きランプ。
- 前記機械的固着手段は、ランプ容器を位置調節し,適正位置で固着させる手段を具える、請求項11に記載の反射器付きランプ。
- 前記機械的固着手段はバネキャップを具える、請求項10乃至12の内1項に記載の反射器付きランプ。
- 前記機械的固着手段はランプ容器先端部に締着される1個のクランプと、該クランプに係合する一連の弾性タグを具える、請求項10乃至12の内1項に記載の反射器付きランプ。
- 1個のランプハウジングと、
該ランプハウジング内に配置された制御手段と、
前記ランプハウジング内に配置され前記制御手段に連結された1個又は複数個の,請求項1乃至14の内1項に記載の反射器付きランプと、
を具える装置 - 支持体を反射器本体に係合することと、
ランプ容器の先端部を支持体に係合することと、
支持体をランプハウジング内に固着させることと
固着させた状態でランプの位置調節をすることとを含む、請求項15に記載の反射器付きランプの組立方法。
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