JP2004514907A - 生物分析的アッセイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、特異的結合反応物からなるナノ粒子であって、該結合反応物にとって特異的な検体または複合体が含有する該検体を測定するのに有用であるナノ粒子に関する。ナノ粒子の特徴は、該ナノ粒子の直径が200nm未満であり;該ナノ粒子が多数の特異的反応結合物で、該反応物に対する該ナノ粒子の親和定数が、該検体に対する遊離の該結合反応物の親和定数を本質的に超え、および/もしくは該ナノ粒子と該検体とのあいだの会合速度定数が、遊離の該結合反応物と該検体とのあいだの会合速度定数を本質的に超える程度にコートされており;ならびに、該ナノ粒子が検出可能な特徴を含むことである。本発明はまた該ナノ粒子を用いる生化学的アッセイに関する。該アッセイはまた、エネルギー供与化合物(ドナー)で標識化された第1群およびエネルギー受容化合物(アクセプター)で標識された第2群からなる近接ベースのホモジニアスアッセイに関し、ここでドナーは発光性であり、また長い励起状態寿命を有し、アクセプターは発光性で、短いまたは長い励起状態寿命を有するか、またはアクセプターは非発光性であり、そして両群のあいだの距離の短縮または延長からそれぞれ生じる、ドナーからアクセプターへのエネルギー移動の増加または減少が測定される。本アッセイの特徴は、ドナーがナノ粒子であることである。

Description

【0001】
[技術分野]
本発明は、生物特異的(biospecific)結合反応物でコートされたナノ粒子を利用する生化学的アッセイにおける改善に関する。本発明はまた、発光の時間分解検出を用いる、近接ベースのホモジニアス(homogeneous)アッセイにおける改善に関する。具体的な改善は、高い特異的活性の適用、エネルギードナーと同様に長い長寿命発光性ナノ粒子、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の強化された動力学的性質の利用、および優れたスペクトル特性を有するエネルギーアクセプターに関する。
【0002】
[発明の背景]
バイオアフィニティー(bioaffinity)または酵素的触媒反応に基づく多くのアッセイが、様々な生物学的サンプル(血清、血液、血漿、唾液、尿、糞、精漿、汗、羊水、羊膜液、組織ホモジネート、腹水など)、環境研究におけるサンプル(排水、土壌サンプル)、工業的生産物(工程溶液、生成物)および化合物ライブラリー(有機化合物、無機化合物、天然産物、生物学的ソースの抽出物、生物学的タンパク質、ペプチドまたはヌクレオチドなどからなるスクリーニングライブラリー)に由来する生物学的に重要な化合物を分析するために開発されてきた。これらのアッセイのいくつかは、特異的なバイオアフィニティー認識反応に依存しており、そこでは一般的な天然生物学的結合成分が、特異的結合アッセイ(抗体、天然ホルモン結合タンパク質、レクチン、酵素、受容体、DNA、RNAなどの生物学的結合成分を用いる)を形成するために用いられており、あるいは遺伝子工学的にまたは化学工学的に得られる抗体、形成された可塑性刷込み(molded plastic imprint)(分子刷込み)、LNA(ロックド核酸(locked nucleic acid))およびPNA(ペプチド核酸)などが用いられている。このようなアッセイは一般的に、認識、結合反応および適当な分離(沈殿および遠心分離などの分離、ろ過、コートされたアッセイチューブ、スライドもしくは微粒子などのプラスチック表面へのアフィニティー回収、溶媒抽出、ゲルろ過、または他のクロマトグラフシステム、など)ののち、形成された複合体を定量するための標識に依存する。遊離のまたは結合した画分中の標識を定量すれば、一般に未知のサンプルと比較される一式の標準を使用することによって、サンプル中の検体を直接的にまたは間接的に計算することが可能となる。
【0003】
イムノアッセイの原理は、プライス(Price)およびニューマン(Newman)により詳しく概説されている(プライス シーピーおよびニューマン ディージェー、Principles and Practice of Immunoassay, 1997, Macmillan Reference Ltd., London, UK)。生化学的アッセイの感度を改善する戦略としては、強い結合アフィニティー 、標識化した反応物の低い非特異的結合、および標識の高い特異的活性を含む。抗体工学および組換え抗体がアフィニティーを改善するために首尾よく採用されているが(ラミンメキ ユー(Lamminmaeki U)ら、J. Mol. Biol. 1999, 291, 589−602; エリクソン エス(Eriksson S)ら、Clin. Chem. 2000, 46, 658−66)、結合アフィニティーは、たとえば、免疫応答による抗体の場合に限られている。非特異的結合は、通常、アッセイ緩衝液中で固相をブロッキングする多量タンパク質(solid−phase blocking and bulk proteins)を用いて最小限にされる。新しい標識分子およびバックグラウンドノイズの減少を使用して標識の特異的活性を改善するためにも、研究努力がなされてきた(クリッカ エルジェー(Kricka LJ.)、Pure Appl. Chem. 1996, 68, 1825−30; クリッカ エルジェー、Clin. Chem. 1999, 45, 453−8)。しかしながら、標識の増幅(エバンゲリスタ アールエー(Evangelista RA)ら、Anal. Biochem. 1991,197,214−24)、多価標識化(モートン アールシー(Morton RC)およびダイアマンディス イーピー(Diamandis EP)、Anal. Chem. 1990, 62, 1841−5)または増大した特異的活性(クウ ワイワイ(Xu YY)ら、Analyst 1992, 117, 1061−9)が適用されているものの、ごく限られた感度改善が従来方法に導入されてきているに過ぎない。
【0004】
広範な理論的研究により、非常に高い特異的活性をもつ標識が入手できる場合には、優れた感度を有する2段階のヘテロジニアスマイクロスポットイムノアッセイ(heterogeneous microspot immunoassay)において、環境検体イムノアッセイの開発が支持されてきた(エキンス アールピー(Ekins RP), Clin. Biochem. Revs. 1987, 8, 12−23)。明らかに、超高感度イムノアッセイの開発は、方法論的進展に加えて、強い結合アフィニティー、低い非特異的結合および高い特異的活性を含む普通の制限的要素の改善を必要とする。ホモジニアスな発光性酸素チャネリングイムノアッセイ(ウルマン イーエフ(Ullman EF)ら, Clin. Chem. 1996, 42, 1518−26)(LOCITM)、ヘテロジニアスな多重検体マイクロスポットイムノアッセイ(エキンス アールピーおよびチュー エフダブリュ(Chu FW), Clin. Chem. 1991, 37, 1955−67; エキンス アールピーおよびチュー エフダブリュ、1993年 国際公開第9308472号パンフレット)(Microspot(登録商標))および微粒子蛍光標識イムノアッセイは、標識成分として、ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲート(bioconjugate)を利用する。微粒子展開コンジュゲート(particulate developing conjugate)上の結合部位の表面密度は、マイクロスポットイムノアッセイにおける感度の重要な決定要素を表わしている可能性があると言われている(エキンス アールピーおよびチュー エフダブリュ、1993年、国際公開第9308472号パンフレット)。効率的なアフィニティーの能力増大は、それが所与のサンプルに適用できたかどうかは述べられていないが、単一抗原の異なるエピトープに向けられた2つ以上の別個の抗体を介した、個々の抗原分子に対する展開結合材料(developing binding material)の多価結合に由来すると推測された。他方、ウルマン イーエフら(Clin. Chem. 1996, 42, 1518−26)は、一方がジゴキシンでコートされており、他方が抗ジゴキシン抗体でコートされている2つのナノ粒子のあいだの会合速度が、LOCI(登録商標)システムで増大することを示した。しかし、ナノ粒子の相互作用は、ジゴキシンと抗ジゴキシン抗体との多重結合の結果であり、一価結合事象(1つの抗ジゴキシン抗体に対する1つのジゴキシンの相互作用)の結果ではなかった。微粒子蛍光標識イムノアッセイにおいては、多くの表面に結合したマウス抗体検体に対する、抗マウス抗体でコートされたナノ粒子追跡子の多重結合が、このアッセイ機構の結合活性を高めることを示した(ホール エム(Hall M)ら、Anal. Biochem 1999, 272, 165−70)。
【0005】
固相イムノアッセイにおける標識としてのコロイド性ナノ粒子の歴史は、ゾル−粒子イムノアッセイ(ロイベリング ジェイエッチダブリュ(Leuvering JHW)ら、J. Immunoassay 1980, 1, 77−91)の開発、およびそれにつづく分散色素(グリブナウ ティシージェー(Gribnau TCJ)ら、J. Chromatography 1986, 376, 175−89)および蛍光ナノ粒子(サウンダース ジーシー(Saunders GC)ら、Clin. Chem. 1985, 31, 2020−3)の適応から始まる。ナノ粒子ベースの固相アッセイは、従来の酵素標識および放射性同位元素標識に勝る感度向上を示し、これは現行のアッセイ系におけるナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートの機能(サウンダース ジーシーら、Clin. Chem. 1985, 31, 2020−3; オカノ ケー(Okano K)ら、Anal. Biochem. 1992, 202, 120−5; クビッツシュコ エス(Kubitschko S)ら、Anal. Biochem. 1997, 253, 112−22; ホール エムら、Anal. Biochem. 1999, 272, 165−70)の詳細な検討、ならびに新規方法論および標識の開発(フランク ディー(Frank D)ら、1981年、米国特許第4283382号明細書;チャン ダブリュシーダブリュ(Chan WCW)およびニー エス(Nie S)、Science 1998, 281, 2016−8; ベベルロー エッチビー(Beverloo HB)ら、Anal. Biochem. 1992, 203, 326−34;ウルマン イーエフら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1994, 91, 5426−30);シュルツ エス(Schultz S)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2000, 97, 996−1001;ロバーツ ディー(Roberts D)ら、J. Lumin. 1998, 79, 225−31;ジジュルマンズ エッチジェーエムエーエー(Zijlmans HJMAA)ら、Anal. Biochem. 1999, 267, 30−6)に寄与した。オカノ ケーら(Anal. Biochem. 1992, 202, 120−5)により明らかにされているように、ナノ粒子表面に抗体を高度に搭載することにより、ナノ粒子標識の反応性は強化され得る。しかし、高い抗体密度の粒子では、非特異的結合は増大した。観察され、向上された結合アフィニティーは、長いインキュベーション時間により、表面結合検体への大きなバイオコンジュゲートの多価結合として容易に判断され、この長いインキュベーション時間は、表面から溶液への検体の解離を導き、したがって表面への再結合ののち、ナノ粒子の多価結合を増大する。また、ナノ粒子の大きなサイズ、760nm、は明らかに多価結合に導く。
【0006】
もとの抗体に比べて多価である複合体のアフィニティー向上は、様々なFv断片−IgG(イトー ダブリュ(Ito W)ら、J. Biol. Chem. 1993, 268, 20668−75)および4価のFv断片−コア ストレプトアビジン複合体(キプリヤノフ エス(Kipriyanov S)ら、Prot. Eng. 1996, 9, 203−11)を用いて示された。上昇したアフィニティーの少なくとも一部は、上昇した会合速度定数によるものであり、4価scFv:ストレプトアビジン複合体については1価Fvに比べて3.5倍高かった。同様の現象が、24個の同じサブユニットを有するフェリチンタンパク質について以前に記載され、そのタンパク質の1価結合アフィニティーは1.6・1010 M−1であり、一方個々のサブユニットの内在的なアフィニティーは6.7・10 M−1であった(ホッグ ピー(Hogg P)ら、J. Arch. Biochem. Biophys. 1987, 254, 92−101)。
【0007】
アビジン(ストレプトアビジン)コンジュゲートは、様々なイムノアッセイおよび核酸アッセイに長いあいだ使用されてきた(ウィルチェク エム(Wilchek M)およびバイエル イーエム(Bayer EA)編、In Methods in Enzymol, 1990, 184)。多くの異なる発蛍光団(fluorophores)および酵素が、アビジン(これはついでビオチン化した生物特異的結合反応物と反応する)とコンジュゲートされた(パパナスタシオウ−ディアマンディ エー(Papanastasiou−Diamandi A)ら、Clin. Chem. 1992, 38, 545−8)。ビオチンのアビジンに対する極めて高いアフィニティー(〜1015)と特異性のために、このプラットホームの使用が可能になった(グリーン エヌエム(Green NM)、ウィルチェク エムおよびバイエル イーエー編、Methods in Enzymology 1990, 184, 51−67)。多くの分析で、アビジンを酵素または即時発蛍光団(prompt fluorophores)で標識することにより、ビオチン−アビジン複合体の使用は、優れたアッセイ能力を発揮するに至った。アッセイ能力をさらに改善するために、1回の結合事象あたりの酵素または発蛍光団の数を増加させるために、アビジンをより大きな分子に結合させた。ディアマンディス(Diamandis)らは、ストレプトアビジンを、時間分解蛍光Eu−キレートで予め標識したチログロブリンにコンジュゲートさせた(ディアマンディス イーピー、Clin Chem 1991, 37, 1486−91)。検体を追跡する形成複合体は、複雑であって、またタンパク質、ランタニドイオンおよびキレートの多重結合が首尾よい複合体を形成するのに必要であるので制御が難しいと考えられている。ホールらおよびベナー(Vener)らは、即時発蛍光団を含む大きな追跡子ナノ粒子にストレプトアビジンをコンジュゲートさせた(ホール エムら、Anal. Biochem. 1999, 272, 165−70; ベナー ティーアイら、Anal. Biochem. 1991, 198, 308−11)。ベナーらは、ペトリ皿の膜上でビオチン化した標的DNAをアッセイするために、直径1.8μmという大きな粒子を使用し、その結果、アッセイ(1時間インキュベーション)の検出感度を、追跡子分子が可溶性のピロニンG標識化ストレプトアビジンであるアッセイに比べて、3オーダーより多く改善した。ホールらは、マウス抗体をアッセイするために2つのアプローチを用いた。ビオチン化された抗マウス抗体を、220μmのストレプトアビジンナノ粒子と一緒にプレインキュベーションした。この複合体を、マイクロタイターウェルの表面に結合した検体と20時間反応させた。もしストレプトアビジンナノ粒子を、マイクロタイタープレートの表面に結合した複合体、すなわち表面捕捉抗体−検体−ビオチン化抗マウス抗体と反応させることができたのであれば、ホールらはこのようなアッセイの実用性を立証するのに失敗したであろう。
【0008】
より慣用的なアッセイ形式においては、検体インキュベーション工程のあと、標識化ストレプトアビジンなどの標識分子を添加する前に、洗浄工程が導入されている。洗浄工程は、ビオチン化抗体などのビオチン化生物特異的結合反応物が用いられるこのアッセイ形式において、きわめて重要である。なぜなら、遊離のビオチン化生物特異的結合反応物が溶液中で標識化されたストレプトアビジンと結合するからである。これは溶液中の遊離の標識分子の量を著しく変化させ、アッセイにおける主要な誤差原因となった。マイクロタイターウェル型アッセイシステムにおいて、ベナーらおよびホールらは、ストレプトアビジンナノ粒子を用いる彼らの研究において、ストレプトアビジンでコートされた追跡子粒子を添加する前に、洗浄工程を用いた(ホール エムら、Anal. Biochem. 1999, 272, 165−70; ベナー ティーアイら、Anal. Biochem. 1991, 198, 308−11)。ウルマンらは、ストレプトアビジンナノ粒子を洗浄することなく、あるアッセイにおいてナノ粒子を用いたが、これはヘテロジニアスアッセイとは異なって、洗浄工程を必要としないホモジニアスなLOCI(登録商標)アッセイ方式において実用化された(ウルマン イーエフら、Clin. Chem. 1996, 42, 1518−26)。
【0009】
解離が増強されたランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA(登録商標))において、ランタニドイオンが、追跡子分子の標識化のために用いられるキレートから解離する。ランタニドイオンは、溶液中で新たな蛍光複合体を形成する(ヘミレ アイ(Hemmilae I)ら、Anal Biochem. 1984; 137:335−43)。ランタニドイオンがキレートから開放されない別の方法が、文献に記載されている(ムッカラ ブイ−エム(Mukkala V−M)ら、Helvetica Chim. Acta 1993, 76, 1361−78; ヘルメ エッチ(Haermae H)ら、Anal. Chim. Acta 2000, 410, 85−96)。これらアッセイ方式においては、検体が結合した、固有蛍光性キレート標識化抗体が、洗浄工程後に、その表面で直接検出される。
【0010】
高感度アッセイがこれらの標識技術を用いて実施され得るが、これらは依然としてシグナルレベルが低いという難点がある。加えて、固有蛍光性キレートおよび一般的な全ての発蛍光団は、環境変化に対して著しく感受性である。環境の影響を低減する1つの手段は、測定条件を厳格に制御することである。一体型イムノアッセイの概念では、制御は、検出前にマイクロタイターウェルを乾燥することにより可能となる(レブグレン ティー(Loevgren T)ら、Clin. Chem. 1996, 42, 1196−201)。水が発光を消すことは知られており、したがって、乾燥はシグナルレベルを増大し、検出変動を減少させる。
【0011】
ナノサイズの粒子のコロイド安定性は、凝集していない粒子懸濁液を確保するために重要でない(グリフィン シー(Griffin C)ら、Microparticle Reagent Optimization, A laboratory reference manual. Seradyn, Particle Technology. インディアナポリス、IN)。ラテックス粒子は、粒子間の疎水性相互作用と反発力欠如のために、容易に凝集することが知られている。凝集傾向を減じるために、粒子上に表面基が導入された。反発力を増すために最も有効な手段の1つは、表面にカルボン酸基を導入することである。これらの基は、中程度のpH領域で脱プロトン化すると、効果的に互いに反発する。凝集試験では、これらの官能基の数は、粒子の所望の凝集が簡単には生じないとの事実により、多くてもよい。しかしながら、凝集試験が重要でなく、また目的がナノサイズの粒子を固相表面に結合した検体と反応させることである場合には、より大きな反発力が好ましい。これは、たとえばナノ粒子上に多くの官能基を導入し、したがって、明らかな凝集と固相への非特異的結合を減少させることによって、達成される。
【0012】
先行技術で知られている発光の時間分解検出を用いる、近接ベースのホモジニアスアッセイは、たとえば、低分子化合物に適用される蛍光偏光アッセイ、酵素モニターイムノアッセイ(enzyme−monitored immunoassays)(シバ社(Syva Co.))、蛍光を減衰させまたは増強する様々なアッセイ(概説として、たとえば、ヘミレのApplications of Fluorescence in Immunoassays, Wiley, NY, 1991を参照)がある。シグナルを直接発生させる他の手段としては、アッセイ媒体中への放射粒子の短距離浸透および捕捉試薬でコートされた固体シンチレーター(Anal Biochem, (1987) 161, 494)に基づくシンチレーション近接原理(sintillation proximity principle)(アムシャム ファルマシア バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech))、ならびに1重項酸素(singlet oxygen)の光増幅形成に基づくALPHAスクリーン(バイオシグナル パッカード(BioSignal Packard))技術があげられ、該1重項酸素は、光増幅剤を含有するナノ粒子から化学発光剤を含有する別のナノ粒子に移動して、遅延型発光放射を生じさせる(Clin. Chem,(1996) 42, 1518)。簡素化されたアッセイ技術の別のカテゴリーは、ホモジニアスアッセイと同じように、分離工程と洗浄工程とを避ける非分離アッセイである。この種の技術の典型的な例は、2光量子励起と微粒子固相に基づく微量アッセイ技術(microvolume assay technology)である(Nat. Biotechnol., (2000), 18, 548)。また、他の類似の非分離アッセイ技術が存在している(概説として、たとえば、メサ(Mesa)のDrug Discovery Today, 2000, 1:38−41を参照)。
【0013】
今日までに公開された数多くのホモジニアスアッセイ設計(概説として、ウルマンの1999, J. Chem. Ed. 76:781−788を参照)にもかかわらず、汎用性と感度が、良好な分離アッセイのそれらに匹敵するような方法はない。その理由は多様であり、たとえば、ヘテロジニアスアッセイに対して、ホモジニアスアッセイが最適化されなければならない異なる方法、低いアフィニティー非特異的結合の制御、および現存するほとんどのホモジニアスアッセイ技術の適用限界などに関連する。くわえて、従来のホモジニアスな蛍光光度アッセイは、試料中の様々な成分に由来するバックグラウンド干渉を非常に受けやすい。蛍光偏光アッセイは低いアフィニティー非特異的結合(たとえばアルブミンに結合するプローブ)および試料の自己蛍光により干渉される。
【0014】
時間分解(TR)蛍光光度分析(マイクロ秒またはミリ秒範囲での時間領域における時間分解)は、ホモジニアスアッセイのための完全な測定方式である。なぜなら、有機化合物に由来するバックグラウンド蛍光を完全に区別できるからである。充分に長い遅延時間(パルス化された励起と放射記録の開始のあいだの時間)が用いられる場合には、すべてのバックグラウンド干渉が除かれ得る(概説として、たとえば、ヘミレ (1991); グジン ディキンソン(Gudgin Dickinson)ら(1995) J Photochem Photobiol 27, 3を参照)。分離を基礎とするアッセイに加えて、数々のホモジニアスな時間分解蛍光アッセイもまた記載され、特許を受けているが(マチス(Mathis) (1995) Clin Chem, 41, 1391;セルビン(Selvin)ら、(1994) Proc Natl Acad Sci, USA, 91, 10024、へミレら、(1996, 1999)、 国際公開第98/15830号パンフレットおよび欧州特許出願公開第0973036号明細書)、それらには限界と欠点がある。
【0015】
開発された錯体化合物(キレート)は、様々な型の多座配位錯体、すなわちキレートに関連している。様々の研究によると、これらは様々な名称が与えられているが、それらの全てが、キレート化されたランタニドイオンおよび多座配位配位子に由来する有機金属錯体に基づいている。名称としては、超分子化合物(supramolecular compounds)、錯体、キレート、コンプレクソン、クリプテート、クラウンエーテル錯体、カリキサレン(calixarenes)、混合配位子錯体などがあげられる。
【0016】
非常に多くの安定した蛍光キレートがあり、それらは特許および文献に記載されており、また時間分解FRETアッセイで使用され得るものであり、このようなものとして、たとえば米国特許第4,761,481;5,032,677;5,055,578;5,106,957;5,116,989;4,761,481;4,801,722;4,794,191;4,637,988;4,670,572;4,837,169および4,859,777号明細書で述べられているものがあげられる。好ましいキレートは、テルピリジン(terpyridine)(欧州特許出願公開第403593号明細書;米国特許第5,324,825号明細書;米国特許第5,202,423号明細書;米国特許第5,316,909号明細書)または1もしくは2個の5員環(たとえば、ピラゾール、チアゾール、トリアジン)を有するテルピリジン類似体(欧州特許出願公開第077061041号明細書および国際公開第93/11433号パンフレット)などの非多座配位キレーティング配位子から構成される。非常に適したキレートはまた、つぎの論文に記載されている:タカロ(Takalo)ら、(1994) Bioconjugate Chem, 5, 278; ムッカラ(Mukkala)ら、(1993) Helv Chim Acta, 76, 1361; レムイナン(Remuinnan)ら、(1993) J Chem Soc Perkin Trans, 2, 1099; ムッカラら、(1996) Helv Chim Acta, 79, 295; タカロら、(1996) Helv Chim Acta, 79)。
【0017】
くわえて、蛍光キレートを含有する蛍光ラテックス粒子が、標識として記載されている(フランク(Frank)およびサンドベルグ(Sundberg)、1978年、米国特許第4283382号明細書、1979年、米国特許第425313号明細書;シェファー(Schaeffer)ら、1985年、米国特許第4735907号明細書、1987年、米国特許第4784912号明細書、ブルディック(Burdick)およびダニエルソン(Danielson)、1989年、米国特許第4801504号明細書、ならびに調製方法として、スットン(Sutton)ら、1992年、米国特許第5234841号明細書)。粒子内のポリマーは蛍光キレートを安定化し、またランタニド蛍光に対する環境的影響を防止する。この方法はまた、コンジュゲートできないか、またはそうでなければ望ましくないキレートを、標識として使用することを可能とする。蛍光ラテックスは、ランタニドキレートが高濃度では自己消光(self quenching)をもたないので、該キレートを非常に高密度に詰め込むことができる。最も優れていると思われる発光特性を有するキレートを選択することにより、優れた蛍光特性も可能となる。アクセプターの放射波長での長寿命の蛍光バックグラウンドが相対的に増大し、利点が明らかに得られないため、FRETアッセイにおいて蛍光ラテックス粒子の適用は存在しない。同じ問題が蛍光ユーロピウムキレートを含有するリポソーム標識にも当てはまる(たとえば、ドナーとしてのユーロピウムリポソームおよびアクセプターとしてのアロフィコシアニン、オカバヤヒ(Okabayahi)およびイケウチ(Ikeuchi)、1998, Analyst 123:1329−1332を参照)。
【0018】
大きくて制御可能なストークシフト(Stoke’s shift)を有し、共鳴エネルギー移動アクセプターに非常に適した、微粒子の蛍光化合物が発表された。ポリマーマトリックスに埋め込まれた多重蛍光化合物を用いることによる粒子中の分子内エネルギー移動により、所望のスペクトル特性を有する新規標識の製造が可能になる(ブエックラー(Buechler)ら、1998年、米国特許第5763189号明細書;シンガー(Singer)およびホウグランド(Haugland)、1996年、米国特許第5573909号明細書;ロバーツ(Roberts)ら、1998, J. Luminescence 79:225−231)。通常の赤外線発色団は、通常、低い溶解性を有しているが、可溶性の表面を有するポリマーマトリックスへの埋め込みにより、それらの使用が可能になるであろう。別のクラスの微粒子蛍光化合物、セミコンダクターナノクリスタル(semiconductor nanocrystals)(ブルチェズ(Bruchez)ら、1998, Science 281:2013−2015参照)は、放射波長を調整できるサイズを有し、放射ピークよりも短い波長で効率的に励起される。量子ドット(quantum dots)としても知られているこれらのナノクリスタルは、励起波長に関係なく、同じ特徴的な狭い、対称性の放射スペクトルを有し、放射波長は可視光から赤外線まで調整され得る(たとえば、ベイレイ(Bailey)、チャン(Chan)およびニー(Nie)、2000, Near−Infrared−Emitting nanocrystals as biological labels, Abstract, Pittcon 2000 Symposium: Emerging Nanotechnologies for Chemical Analysis 参照)。近赤外線放射は、生物学的マトリクスにおける比較的低いバックグラウンドと低い吸収のため、分析への適用に対してとくに有利である(たとえば、パトネイ(Patonay)ら、2000, Near infrared absorption and fluorescence spectroscopy in analytical chemistry: moving to longer wavelengths, Abstract, Pittcon 2000 参照)。量子ドットは、それらが高い発光性があり(1量子ドット=20有機色素分子)、放射ピークよりも短い波長で励起され得るので、効率的なドナーとして使用されてきた(ジェイン(Jain)ら、2000, Semiconductor Quantum dots for ultrasensitive FRET, Abstract, Pittcon 2000 参照)。原則として、この現象は、もし量子ドットが時間分解なしに共鳴エネルギー移動においてアクセプターとして使用されるのであれば、重大な問題を引き起こす。
【0019】
長寿命ドナーと短寿命放射アクセプター分子のあいだの特定のエネルギー移動に基づく、時間分解ホモジニアスアッセイの原理は、図1に要約されている。複合体において、ドナーとアクセプター標識が近接している場合、短い光パルス(A)により励起されたドナーエネルギー(D)は、共鳴エネルギー移動によりアクセプターへ移動する。エネルギー移動で励起されたアクセプター放射(AE)は、光増幅管(photomultiplier tube)からのカウントが記録されない遅延時間(d)を適用することにより、光パルス(A)により直接励起されるアクセプター放射(B)と区別することができる。ドナーからの遅延放射(D)は、感作された(エネルギー移動で励起された)アクセプター放射(AE)とは異なった波長を有しており、そのことがスペクトルとシグナルの時間分離との組み合せを可能にする。したがって、ホモジニアスバイオアフィニティーアッセイ(受容体−リガンド結合、ハイブリダイゼーション反応、免疫結合、酵素−基質結合など)において、ドナー−アクセプター対の会合または解離は、エネルギー移動で励起されたアクセプターからのシグナルの増加または減少をそれぞれ測定することにより、追跡することができる。
【0020】
[発明の目的と要約]
本発明の目的は、検体を測定するアッセイに有用なナノ粒子を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、該ナノ粒子を用いて検体を測定するための改善されたアッセイを提供することである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、改善された近接ベースのホモジニアスアッセイを提供することである。
【0023】
しかして、本発明は、特異的結合反応物(specific binding reactant)を含むナノ粒子であって、該結合反応物にとって特異的な検体または複合体が含む該検体を測定するために有用であるナノ粒子を提供するものである。ナノ粒子はつぎの特性を有する:
a)該ナノ粒子の直径が200nm未満、好ましくは120nm未満である、
b)該ナノ粒子が多数の該特異的結合反応物でつぎの程度にコートされている、
i)該検体に対する該ナノ粒子の親和定数が、該検体に対する遊離の該結合反応物の親和定数を本質的に超え、および/もしくは
ii)該ナノ粒子と該検体とのあいだの会合速度定数が、遊離の該結合反応物と該検体とのあいだの会合速度定数を本質的に超える;ならびに
c)該ナノ粒子が検出可能な特徴を含む。
【0024】
本発明はさらに、特異的結合反応物を含むナノ粒子を使用するアッセイであって、該結合反応物にとって特異的な検体または複合体が含有する該検体を測定するためのアッセイを提供するものである。使用されるナノ粒子は、つぎの特性を有する:
a)該ナノ粒子の直径は200nm未満、好ましくは120nm未満である、
b)該ナノ粒子が、多数の該特異的結合反応物でつぎの程度にコートされている、
i)該検体に対する該ナノ粒子の親和定数が、該検体に対する遊離の該結合反応物の親和定数を本質的に超え、および/もしくは
ii)該ナノ粒子と該検体とのあいだの会合速度定数が、遊離の該結合反応物と該検体とのあいだの会合速度定数を本質的に超える;ならびに
c)該ナノ粒子が検出可能な特徴を含む。
【0025】
本発明はまた、エネルギー供与化合物(ドナー)で標識化された第1群およびエネルギー受容化合物(アクセプター)で標識された第2群からなる近接ベースのホモジニアスアッセイを提供するものであり、ここで
− ドナーは発光性であり、また長い励起状態寿命を有し、そしてアクセプターは発光性で、短いまたは長い励起状態寿命を有するか、またはアクセプターは非発光性であり、そして
− 両群のあいだの距離の短縮または延長からそれぞれ生じる、ドナーからアクセプターへのエネルギー移動の増加または減少が測定される。
【0026】
本アッセイの特徴は、ドナーがナノ粒子であることである。
【0027】
[詳細な説明および好ましい態様]
本出願に関連して、「ナノ粒子」という用語は、平均直径がナノメーター範囲にある、すなわち1μmまでの平均直径を有するあらゆる粒子をさす。
【0028】
本出願に関連して、「特異的結合反応物」という用語は、言及される状況下で関連性がある化合物に対して特異的であると考えられ得るあらゆる反応物をさす。特異的結合反応物としては、たとえば、抗体、抗原、受容体リガンド、特異的結合タンパク質、プロテインA、プロテインG、アビジン、アビジン誘導体、ストレプトアビジン、ビオチン、DNA、RNA、LNA(ロックド核酸)およびPNA(ペプチド核酸)などの核酸、ペプチド、糖、ハプテン、ウイルス、バクテリアならびに細胞があげられる。
【0029】
本出願に関連して、「検出可能な特徴」という用語は、既知の方法により定性的にまたは定量的に、直接または間接的に検出できる「検出可能な特徴」からなる単体(entity)をなすあらゆる特徴をさす。検出可能な特徴は、したがって、たとえば、発光標識などの標識である。
【0030】
「ヘテロジニアスアッセイ」という表現は、分離または洗浄工程を必要とするアッセイに関する。「ホモジニアスアッセイ」という表現は、分離または洗浄工程を必要としないアッセイに関する。
【0031】
「第1群」および「第2群」という用語は、バイオアフィニティー認識成分(群の間の距離が減少する反応において、たとえばバイオアフィニティー反応において)または分子もしくは基質の一部(たとえば、ペプチド分子の開裂により2つの標識された群が互いに分離される該ペプチド分子の遠心端(distal ends))などのあらゆる成分を含むと理解されるべきである。
【0032】
「ドナー」という用語は、可視光または赤外線の波長で長い寿命放射をともなう微粒子状(直径400nm以下、好ましくは50nm未満)発光化合物として定義される。ドナーは、長い励起状態寿命を有する、たとえば無機蛍りん光体(inorganic phosphor)などのランタニド発光性ナノ粒子、あるいは、長い励起状態寿命を有する、たとえばランタニドキレートなどの、エネルギー供与ランタニド発光性化合物が埋め込まれたポリマー性ナノ粒子であり得る。これはまた、ランタニド蛍りん光体およびアップコンバーティング蛍りん光体(upconverting phosphors)を含む。
【0033】
「ランタニド」という用語は、可視光または近赤外線または赤外線の波長での発光放射および長い蛍光崩壊を有する発光性ランタニドイオンとして定義され、たとえば、ユーロピウム(III)、テルビウム(III)、サマリウム(III)、ジスプロシウム(III)、イッテルビウム(III)、エルビウム(III)およびネオジニウム(III)である。また、白金(III)およびパラジウム(III)も、フォルフィリン(phorphyrins)と複合体を形成すると、同様のスペクトル特性と時間特性(temporal properties)を有することは注目されるべきである。
【0034】
「キレート」という用語は、中心のイオンが単一のリガンド(多座配位リガンド)に対して少なくとも2つの配位結合で配位されている配位錯体として定義される。これらは異なる原則で命名されることができ、キレート、超分子化合物、錯体、コンプレクソンなどの名称が使用される。典型的なキレートのタイプとしては、大環状錯体(macrocyclic complexes)、クラウンエーテル、クリプテート、カリキサレン、フォルフィリンなどがあげられる。
【0035】
ナノ粒子の好ましい大きさは、直径1〜200nmの範囲である。使用されるナノ粒子は、ポリマー、金、銀、炭素、シリカ、CdSeまたはCdSなどの有機または無機の物質から製造され得る。
【0036】
ナノ粒子は、ナノ粒子の励起もしくは散乱により、または電気的パルスもしくは化学反応により生じる光を放射し得る。たとえば特定の検体の発光(蛍光、時間分解蛍光、りん光、化学発光、生物発光)検出を用いる、イムノアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、受容体−結合アッセイおよび細胞結合アッセイなどの特異的バイオアフィニティーアッセイに使用されるナノ粒子上の、生物特異的結合反応物のアフィニティーは、標識化された可溶性の単一の生物特異的結合反応物のアフィニティーを超える。ナノ粒子は、発光分子、または以下の発光分子もしくは発光放射に至る分子の1つ以上を用いることによりナノ粒子内もしくはナノ粒子の表面上で発光放射に至る分子を、1つ以上担持してもよく、担持していなくてもよい。
【0037】
時間分解蛍光標識、たとえば
Eu(III)、Tb(III)、Sm(III)、Dy(III)キレート、すなわちランタニドキレート、
PtおよびPdホルフィリン標識、
ランタニド蛍りん光体;
アップコンバーティング蛍光標識、たとえば
(Y.Yb.Er)O
(Y.Yb.Tm)
急速崩壊蛍光標識、たとえば
フルオレセインおよびフルオレセイン誘導体、ローダミンおよびローダミン誘導体、
CdSおよびCdSeナノクリスタル、
緑色蛍光タンパク質および緑色蛍光タンパク質誘導体;
化学発光標識、たとえば
ジオキセタン誘導体、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ;および
生物発光標識
アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ
【0038】
生物特異的結合反応物は、次の手段の1つ以上によりナノ粒子に結合させる:
吸着、共有結合、グラフティング(grafting)、固相合成、または他の生物特異的反応物。好ましい方法は吸着および共有結合である。
【0039】
ナノ粒子は、任意に、その表面に1つ以上の官能基を含有する。そのような官能基としては、カルボキシル(COOH)、アミノ(NH2、NHR、NR1R2、NR1R1)、アルデヒドまたはケトン(CHO、CO)、ヒドロキシル(OH)またはチオール(SH)があげられる。
【0040】
本発明は、いくつかの生物特異的結合反応物をナノ粒子上に導入することにより、同じ単一の可溶性生物特異的結合物のアフィニティーを超えるアフィニティーの生物特異的結合反応物を用いて、生物特異的アッセイを可能にする。生物特異的結合反応物のアフィニティーが増大するにつれて、該生物特異的アッセイのキネティクスおよび感度が、可溶性の標識化した生物特異的結合反応物を用いる同様のアッセイに比べて、顕著に改善される。生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子は、ヘテロジニアスアッセイ方式においても、ホモジニアスアッセイ方式においても使用され得る。これらのアッセイは、非競合的であっても、競合的であってもよい。ナノ粒子を用いるアッセイは、各検体に対して特異的なナノ粒子により検出される2つ以上の検体を同時に測定するために使用され得る。
【0041】
本発明にしたがったヘテロジニアスアッセイは、つぎの工程からなっている:
a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させる工程;
b)任意に該検体を該第1結合反応物と反応させる工程;
c)工程a)で得られた組成物に、第2結合反応物(この反応物は該検体の第2結合部位に対して特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
d)該ナノ粒子の第2結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した検体と反応させる工程;
e)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に生物特異的に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
f)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程。
【0042】
任意反応工程b)が実施されなければ、工程a)およびc)は本質的に同時に実施される。
【0043】
本発明にしたがった別のヘテロジニアスアッセイは、つぎの工程からなっている:
a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させる工程;
b)工程a)で得られた組成物に、第3結合反応物に結合した第2結合反応物(この第2結合反応物は該検体の第2結合部位に対して特異的である)を添加する工程;
c)工程b)で得られた組成物に、第4結合反応物(この反応物は該第3結合反応物に対して特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
d)該ナノ粒子の第4結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した検体に結合した第2結合反応物に結合した第3結合反応物と反応させる工程;
e)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第4結合反応物に結合した第3結合反応物に結合した第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に生物特異的に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
f)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程。
【0044】
このアッセイで、第2および第3結合反応物は、1つの結合部位が検体に対して向けられており、他の結合部位がナノ粒子に結合した第4結合反応物に対して向けられている、2つの結合部位を有する同一の単体、たとえば抗体であり得る。
【0045】
このアッセイで、第3結合反応物は好ましくはビオチンであり、第4結合反応物は好ましくはアビジンまたはストレプトアビジンである。あるいは、好ましい第3結合反応物は、アビジンまたはストレプトアビジンであり、好ましい第4結合反応物はビオチンであり得る。好ましい選択は、工程c)で言及されている粒子であって、かつ本件出願の特許請求の範囲により規定されているナノ粒子であるけれども、前記a)〜f)からなるアッセイは、いかなるナノ粒子を用いても適用可能でありまた効率的であることにも留意すべきである。
【0046】
本発明にしたがった、さらに別のヘテロジニアスで競合的なアッセイは、つぎの工程からなり得る:
a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させ、かつナノ粒子に結合した追加の該検体と接触させる工程;
b)該固相(この固相は、該ナノ粒子に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
c)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程。
【0047】
本発明にしたがった、ヘテロジニアスで競合的な別のアッセイは、つぎの工程からなる:
a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させ、かつ第2結合反応物に結合した追加の該検体と接触させる工程;
b)工程a)で得られた組成物に、第3結合反応物(この反応物は該第2結合反応物に特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
c)該ナノ粒子の第3結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した追加的検体に結合した第2結合反応物と反応させる工程;
d)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第3結合反応物に結合した第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
e)該検体の測定を可能にするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程。
【0048】
第1の非競合的でヘテロジニアスな方式において、検体は固相に添加される。洗浄工程後、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子は、固相表面に結合した検体と共にインキュベーションされる。最後の洗浄工程後、発光シグナルは、乾燥後またはシグナル増強後またはシグナル増幅後に、固相表面から直接読み取られる。
【0049】
第2の非競合的でヘテロジニアスな方式において、検体は、固相表面に結合した捕捉分子上で、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子と共に、一工程でインキュベーションされる。洗浄後、発光シグナルは、乾燥後、シグナル増強後またはシグナル増幅後に、固相表面から直接読み取られる。
【0050】
第3の非競合的でヘテロジニアスな方式において、検体は、固相表面に結合した捕捉分子上で、第3結合反応物に任意に結合した第2検体特異的結合反応物と一緒にまたは個別に、一または二工程でインキュベーションされる。
【0051】
洗浄工程後、生物特異的反応物でコートされたナノ粒子は、固相表面に結合した検体と共にインキュベーションされる。さらなる洗浄工程後、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子は、固相表面に結合した検体と共にインキュベーションされる。最後の洗浄工程後、発光シグナルは、乾燥後、シグナル増強後またはシグナル増幅後に、固相表面から直接読み取られる。
【0052】
第4の非競合的でヘテロジニアスな方式において、検体は、固相表面に結合した捕捉分子上で、第3結合反応物に任意に結合した第2検体特異的結合反応物と一緒にまたは個別に、一または二工程でインキュベーションされる。検体インキュベーション後、洗浄工程は、第2検体特異的結合分子の数および反応におけるナノ粒子上の利用可能な生物特異的結合反応物の数のために、省略される。このようなアッセイにおいて、第2検体特異的結合分子の数は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の表面上の生物特異的結合反応物の数を超えない。ナノ粒子に結合した生物特異的結合反応物が過剰の場合には、検体に結合していない第2検体特異的結合分子は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の反応前に、溶液中に存在する生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子と反応するかもしれないが、本アッセイは、溶液中に存在する遊離の第2検体特異的結合分子により、干渉されないことがわかった。最終の洗浄工程後、発光シグナルは、乾燥後、シグナル増強後またはシグナル増幅後に、固相表面から直接読み取られる。
【0053】
第5の非競合的でヘテロジニアスな方式において、検体は、固相表面に結合した捕捉分子上で、第3結合反応物に任意に結合した第2検体特異的結合反応物の2つ以上と一緒にまたは個別に、一または二工程でインキュベーションされる。2つ以上の第2検体特異的結合分子を用いると、該第2検体特異的結合分子または該生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の解離は減少し、偽似平衡状態が得られる。検体のインキュベーション後、固相を洗浄することができる。最終洗浄工程後、発光シグナルは、乾燥後、シグナル増強後またはシグナル増幅後に、固相表面から直接読み取られる。
【0054】
第3のアッセイ方式を利用する非競合的アッセイにおいては、該アッセイのダイナミックレンジ(dynamic range)は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の数を基礎にして調整され得る。すなわち、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の数が多ければ多いほど、ダイナミックレンジは大きくなる。なぜならば、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の数が増加する場合は、アッセイの非特異的結合は増加しないからである。
【0055】
第2または第3の方式を用いる、好ましい非競合的なヘテロジニアスアッセイの設計概念において、第2生物特異的結合反応物分子の数は、第1のアッセイ方式においてナノ粒子上に生物特異的結合反応物を固定化するために用いられるよりも、少ない。第3、第4および第5のアッセイ設計概念は、アッセイで必要とされる第2生物特異的結合反応物の量を著しく減少させる。
【0056】
第2および第3のヘテロジニアスアッセイ方式において、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子のインキュベーション工程は、非平衡または平衡のいずれのときでも実施される。典型的な第2および第3のアッセイ方式においては、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子のインキュベーション工程は、非平衡のときならいつでも実施され、より典型的には2時間未満で、好ましくは1時間未満で実施される。
【0057】
第1の競合的なヘテロジニアスアッセイにおいて、検体は、競合する標識化検体誘導体と一緒に、または別々に、固相に添加される。標識は、たとえば、つぎのうちの1つである。
ビオチン、ストレプトアビジン、アビジンまたはアビジン誘導体、
抗体、プロテインA、プロテインGまたは抗原
【0058】
任意の洗浄工程ののち、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子は、固相表面に結合した標識化検体と一緒にインキュベーションされる。最後の洗浄工程ののち、発光シグナルは、固相表面から直接、または乾燥後またはシグナル増強後またはシグナル増幅後に、読み取られる。
【0059】
第2の競合的なヘテロジニアスアッセイ方式において、検体インキュベーション工程において競合する要素は、検体または検体誘導体分子(analyte derivative molecules)でコートされたナノ粒子である。このアッセイ方式において、ナノ粒子の表面上の競合する検体または検体誘導体分子の数は、制御することができ、これによりアッセイに対する制御が著しく改善される。
【0060】
前記で例示した本発明にしたがったアッセイにおいて、非任意的な反応工程は、典型的には、平衡になる前に本質的に中止される。この非任意的な反応工程の時間は、典型的には2時間未満、好ましくは1時間未満である。
【0061】
前記で例示した本発明にしたがったアッセイにおいて、固相は、典型的には本質的に平坦な表面、たとえばマイクロタイターウェルの表面、スライドの表面、粒子の表面または細片(strip)の表面である。
【0062】
前記で例示した本発明にしたがったアッセイにおいて、アッセイすべき個々の試料あたりにつき添加されるナノ粒子の量は、アッセイ量および粒子のサイズに依存する。
【0063】
しかして、本発明にしたがったヘテロジニアスアッセイは、検体およびビオチン化抗体もしくは抗マウス抗体などの第2生物特異的結合反応物をインキュベーションしたのち、該生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を添加する前に、固相が洗浄されないアッセイを包含する。本発明にしたがったヘテロジニアスアッセイは、検体および固相上の第2生物特異的結合反応物が、非平衡状態または平衡状態のいずれのときでも、該生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子で追跡されるアッセイも包含する。
【0064】
本発明はまた、ドナー粒子からのエネルギーが、1つ以上のアクセプター分子に、または1つ以上のアクセプター分子を含有する1つ以上の粒子に移動するホモジニアスアッセイも包含する(該アクセプター分子は同一または異なるタイプである)。
【0065】
好ましいアクセプター分子は:
急速崩壊発蛍光団、たとえばAPC、Cy5、Cy7、NN−382、FluoSpheres
半導体材料、たとえばCdSeナノクリスタルズ(すなわち、量子ドット)
蛍光エネルギー移動錯体、たとえばTransFluoSpheres、Cy7−APCタンデム色素、および
時間分解発蛍光団、たとえばイッテルビウムキレート、無機蛍りん光体。
【0066】
1つ以上の同一または異なるタイプのアクセプター分子が生物特異的結合反応物に結合され得る。
【0067】
1つ以上のタイプのアクセプター分子および1つ以上のタイプのアクセプター分子が、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の表面に結合されてもよく、または該生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の中に埋め込まれてもよい。
【0068】
アクセプター粒子の好ましいサイズは、直径が1nm〜1mmの範囲である。
【0069】
好ましいヘテロジニアスアッセイ方式において、アッセイ性能の改善は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の一価アフィニティー(mono−valent affinity)を用いて達成される。本アッセイにおいて、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の一価アフィニティーは、可溶性の生物特異的結合反応物の一価アフィニティーを超える。これは、ナノ粒子の表面上の生物特異的結合反応物の結合部位の数を増加させることにより達成される。このアフィニティーの改善は、主として会合速度の増加から、また部分的に生化学的検体の解離速度の減少から生じていることが立証された。会合速度は、ほぼ直線的に増加することが示された。一価の検体分子に加えて、細胞全体(whole cells)、細菌、ウイルスおよび多量体タンパク質などの複数の結合部位を有する検体は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子標識の使用によって利益を得る。なぜなら、該生物特異的反応物でコートされたナノ粒子のアフィニティーは、複数の結合部位を有する検体の表面における複数結合部位に対して、より高いからである。アフィニティーの改善は、主に解離速度の減少から、また部分的には会合速度の向上から生じる。
【0070】
非競合的なまた競合的なアッセイ形式において、検体に特異的な捕捉分子は、固相の表面に直接的にまたは間接的に固定化される。
【0071】
本アッセイシステムは、単一のナノ粒子または凝集したナノ粒子のいずれを用いても、充分に機能する。凝集していないナノ粒子が好ましい。
【0072】
ホモジニアスアッセイにおいて、検体は、第1生物特異的結合反応物でコートされたドナーナノ粒子、および第2生物特異的結合反応物に結合したアクセプター分子、もしくは第2生物特異的結合反応物でコートされ、アクセプター分子を含む粒子と一緒にインキュベーションされる。発光シグナルは溶液から直接読み取られる。
【0073】
好ましいホモジニアスアッセイ形式において、アッセイ性能の改善は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の一価アフィニティーを用いて達成される。本アッセイにおいて、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の一価アフィニティーは、可溶性の生物特異的結合反応物の一価アフィニティーを超える。これは、ナノ粒子の表面における生物特異的結合反応物の結合部位の数を増加させることにより達成される。
【0074】
本発明はまた、発光の時間分解検出を利用する、近接ベースのホモジニアスアッセイの改善に関する。具体的な改善は、ナノ粒子ドナーの特異的活性の向上、エネルギー吸収(励起)と発光放射との大きなスペクトル分離を有するアクセプター化合物を用いることによる、アクセプターの放射波長における長寿命の発光バックグラウンドの減少、ならびにナノ粒子でラベル化した生物特異的結合反応物の向上した会合速度定数および親和定数の利用に関する。会合と解離、すなわち標識間距離の短縮と延長が引き続いて起きるアッセイにおいて、長寿命ナノ粒子ドナーの高い特異的活性およびアクセプターの大きなストークシフトの組み合せは、発光の時間分解検出を用いる、以前に記載されたホモジニアス方法で見込まれるよりも、より少ない数の複合体の検出を可能にする。
【0075】
すべての先行技術の方法においてドナーが選択されていた方法とは反対に、本発明で使用されるドナーは、共鳴エネルギー移転ドナーである、高い特異的活性を有する粒状化合物を含有する光放射ランタニドであって、そこではアクセプターは、該アクセプターの放射波長においてドナーからの長寿命蛍光バックグラウンド全てを実質的に避けるために、エネルギー吸収とエネルギー放射との間に非常に広いストークシフトをもつものが選択される。改善された近接ベースのホモジニアスな時間分解発光アッセイは、長い励起状態寿命を有するエネルギー供与発光性ナノ粒子(ドナー)または長い励起状態寿命を有するエネルギー供与発光性化合物が埋め込まれたナノ粒子(ドナー)で標識化された1つの群、および短いもしくは長い励起状態寿命を有するエネルギー受容発光性化合物(アクセプター)で標識化されているかまたは非発光性化合物で標識化されたもう1つ別の群とからなる。
【0076】
本発明の特徴は、本改善のために、少量のアッセイされる群または活性の存在に応答して、前記両群間の距離の短縮または延長それぞれから生じる、ドナーからアクセプターへのエネルギー移動の増加または減少の検出が可能になることである。アクセプターは典型的には発光性であり、そのアクセプターの発光は、ドナーが発光を有しないかまたは本質的に発光を有しない波長で、すなわちドナーの発光がバックグラウンド発光に比べて有意でない波長で、好適に測定される。
【0077】
ランタニド類は、放射において様々な遷移を生じる幾つかの基底状態を有する。放射が鋭くかつ充分特徴づけられているという事実にかかわらず、アクセプターが測定される波長ではマイナーなバックグラウンドが常に存在する傾向にある。しかしながら、相対的なバックグラウンドは長波長では問題が少なく、たとえばEuに関しては、Euが700および800nmの間では非常にマイナーなバックグラウンドを有しているが、800nmを超える波長ではいかなる直接的な放射も出さないという領域がある。Tbに関しては、波長範囲の延長により、700nmを超える波長で放射するアクセプターを使用し得る可能性が生じており、そこでは、Tbがいかなるバックグラウンドをも生じない。重複しない波長領域を選択することにより、長寿命の蛍光バックグラウンドは低いので、感度および時間分解蛍光エネルギー移動のダイナミックレンジを改善することができる。ドナーは、エネルギー移動ののちに検出可能なアクセプター放射を生じるだけの高い特異的活性を有していなければならず、たとえば蛍光キレートなどの従来の時間分解発蛍光団を用いても、感度の改善は達成されないかもしれない。
【0078】
会合が測定され、また発光性で短い崩壊時間のアクセプターおよび長い崩壊時間のドナーが使用されるアッセイにおいて、アクセプターの直接発光の干渉(アクセプターの直接励起からの放射)を避けるために、アクセプター分子の放射につづき、崩壊時間、すなわち時間分解蛍光光度法を用いる。アクセプター分子が過剰にあり(時間分解モードでは、それらの干渉は無視できる)、かつドナーとアクセプターとのあいだのエネルギー移動がシグナルの増強を生じ得るような方法で、本アッセイを構築するのが好ましい。
【0079】
エネルギー移動をベースとするアッセイの感度は、得られるシグナルの強度レベルと全バックグラウンドの両方に依存する。特定のアッセイにおけるシグナルレベルは、錯体において使用されるキレート、励起状態の全個体数および持続時間に依存する。励起状態の個体数は、キレートの発光特性,すなわちモル吸収性(molar absorptivity)(e)、量子収量(quantum yield)(f)および崩壊時間(t)の一次関数である。したがって、好ましいドナーは、非常に高い発光収量(先行文献、国際公開第98/15830号パンフレットにとくに記載されているよりも著しく高い)および長い励起状態寿命(好ましくは1msより長い)を有していなければならない。
【0080】
会合アッセイのための好ましいアクセプター分子は、高い発光性(できる限り1ユニットに近い量子収量を有する)を有し、ドナー放射波長で高いモル吸収係数(好ましくは、100000より大きい)を有するものである。アクセプターは高い量子収量を有し、使用されるランタニドが無視し得るバックグラウンドを有する波長で、光を放射することが重要である。
【0081】
アッセイ混合物中に希釈された試料の吸収を追跡すると同時に、試料吸収による励起もしくは放射の消失にしたがって放射の読み取りを補正することによって、試料が引き起こし得る励起消失を、装置が自動的に補正するのが好ましい。
【0082】
本発明は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を用いるアッセイ能力の改善に関する。具体的な改善は、会合速度の増大、したがって生物特異的結合反応物のアフィニティーの増大に関し、このとき、複数の生物特異的結合反応物がナノ粒子上にコートされて、結合部位の数が増大する。くわえて、具体的な改善は、生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を用いて生物特異的アッセイを実施する手段に関する。
【0083】
本発明にしたがったアッセイの利点は、つぎの通りである。
【0084】
可溶性の特異的結合反応物のアフィニティーが、充分な量の前記特異的結合反応物をナノ粒子上に導入することにより、著しく改善される。
【0085】
特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の会合速度が、可溶性の特異的結合反応物の会合速度に匹敵するかまたはそれを超える。
【0086】
特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の解離速度が、可溶性の特異的結合反応物の解離速度より低い。
【0087】
ナノ粒子が、多量の発光標識を含有し、非常に高い特異的活性を有する。
【0088】
急速に崩壊する発蛍光団とは反対に、ナノ粒子内の時間分解蛍光標識は、非常に高濃度でも減衰効果(quenching effect)を有しない。
【0089】
ナノ粒子は、水、消光剤または酸素により引き起こされる環境的影響に対して、非常に非感受性である。
【0090】
ナノ粒子は、前記環境的影響を取り除かなくても、表面上で直接検出され得る。
【0091】
ナノ粒子は、非常に感度のよい生物特異的アッセイを可能にする。
【0092】
ナノ粒子は、単一分子を検出するのに使用し得る。
【0093】
検体および第2生物特異的結合反応物が、第3生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を添加する前に、第1の固相表面結合キャプチャー生物特異的結合反応物と反応するアッセイでは、より少ない第2生物特異的結合反応物がアッセイで使用され、ナノ粒子ベースのアッセイで必要とされる第2生物特異的結合反応物の量を著しく減少させる。
【0094】
検体および第1生物特異的結合反応物が、第2生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を添加する前に、固相表面結合キャプチャー生物特異的結合反応物と反応する場合には、第2生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の非常に迅速な、すなわち5分未満のインキュベーション工程が使用され得る。
【0095】
検体および第1生物特異的結合反応物が、第2生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子を添加する前に、固相表面結合キャプチャー生物特異的結合反応物と反応するアッセイにおいて、該アッセイのダイナミックレンジは、第2生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の固相表面への非特異的結合に影響することなく、第2生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の量に基づいて調整され得る。
【0096】
ナノ粒子はサイズが小さく、したがって容易に沈降しない。
【0097】
ナノ粒子はその表面に官能基を含有することができ、該官能基を介して特異的結合反応物がナノ粒子上で共有結合で結合し得る。
【0098】
特異的結合反応物でコートされたナノ粒子は、標識のためには潜在的に優れた解決策である。なぜならば、従来の標識化(一般に、分子当たり5個より多い標識)タンパク質は、タンパク質の結合アフィニティーおよび非特異的結合に著しく干渉するが、大きな表面面積のために、結合部位の実質的な数が検体の結合に利用されることが保証されているナノ粒子ベースの標識の場合には、そうではないからである。この影響はとくに、位置特異的にビオチン化された抗体フラグメントなどの第3特異的結合反応物を用いることにより、最小限にされる。
【0099】
固相表面が、コーティング処理前に変性工程または部分的変性工程を用いることなく抗体でコートされる場合は、該生物特異的結合反応物でコートされたナノ粒子の、コートされた固相表面への非特異的結合は、著しく減少される。
【0100】
抗体のより小さいフラグメントがナノ粒子上にコートされる場合には、結合部位数は増加し、トレーサー分子のアフィニティーはさらに改善され得る。
【0101】
アッセイにおける生物特異的結合反応物の量は、より多くの生物特異的結合反応物をナノ粒子上にコーティングすることにより増大させ得るが、標識分子の数は、標識された可溶性の生物特異的結合反応物が用いられる典型的な先行技術の生物特異的アッセイとは反対に、同じままである。なぜならば、先行技術では、標識された可溶性の生物特異的結合反応物の数を増加させることにより、標識の数量もそれにしたがって増加するからである。
【0102】
ナノ粒子は、ホモジニアスアッセイでドナー分子として使用され得る。
【0103】
ドナーたるナノ粒子は、エネルギー移動方法において使用されるとき、通常、高いバックグラウンドシグナルを生じる。これは、適当なアクセプター分子またはアクセプター分子を含む粒子を用いて充分なエネルギーを移動させることにより回避することができる。
【0104】
非常に広い吸収スペクトルのために、急速に崩壊する色素が使用されるときには、量子ドットはアクセプター分子としては適当でない。その理由は、量子ドットがドナー分子と同時に励起されて、特異的なエネルギー移動が起きないからであり、これに対して、非常に長い励起状態寿命を有するドナー色素を用いると、アクセプター量子ドットへの特異的なエネルギー移動が検出され得る。
【0105】
標識としてのナノ粒子は、標識分子のサイズを制御するための利点を与え、したがって、ストレプトアビジン−チログロブリンをベースとする標識などのコンジュゲートされた分子とは反対に、使用される標識成分を均質にする。
【0106】
ストレプトアビジンでコートされたナノ粒子がアッセイに使用されるとき、標識分子(ナノ粒子)の数が遊離のビオチン化生物特異的結合反応物により影響を受けないので、洗浄工程を必要としない。遊離のビオチン化生物特異的結合反応物はストレプトアビジンでコートされたナノ粒子に結合するけれども、利用できるストレプトアビジン結合部位の数が多いので、アッセイ能力の不利益な喪失なしにアッセイを実施することが依然可能である。
【0107】
アミノ基を介したタンパク質の標識化は、一般に、タンパク質当たりの標識の数を制御できない状態に導く不規則過程(random process)である。ディアマンディスらにより立証されているように、分子あたりの標識の数を増加させる方策においては、不規則性という同じ問題に遭遇する(ディアマンディス イーピー、Clin Chem 1991, 37, 1486−91)。しかしながら、標識化の程度は、発蛍光団を粒子中に埋め込むときには、より容易に制御される。
【0108】
ナノ粒子上のタンパク質の数は、アッセイでトレーサー分子として最も好ましくふるまうナノ粒子を取得するために、制御されるべきである。より大きなタンパク質/標識−複合体を形成する場合には、タンパク質と標識との同時制御は非常に難しい。しかしながら、ナノ粒子を用いると、タンパク質の数および標識の量を制御することができる。さらに、COOHなどの表面−活性基(surface−active groups)が存在する場合、タンパク質の数の制御は、ナノ粒子の表面上の活性化された部位を制御することによりなし得る。限られた数の表面基のみを活性化することにより、より多くの反発的な基(repulsive groups)が表面上に残されて、粒子のゼータ電位が上昇し、したがって、非特異的結合も減少する。
【0109】
実験の部
ナノ粒子−抗体およびナノ粒子−ストレプトアビジンのバイオコンジュゲート
モノクローナル抗体、Mab5A10またはストレプトアビジンを、2段階EDAC(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド、フルカ(Fluka)、ブッチス(Buchs)、スイス)およびスルホ−NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド、フルカ、ブッチス、スイス)カップリング化学を使用し、主として第1級アミン基により、活性化されたナノ粒子に共有結合させた。ナノ粒子を、500kDポリエーテルスルホン限外ろ過膜(ミリポア(Millipore)、ベドフォード(Bedford)、MA)を備えたAmicon限外ろ過撹拌セル(ミリポア)を使用して、25mmol l−1リン酸緩衝液、pH7.0であらかじめ洗浄し、Labsonic U(ビー ブラウン(B. Braun)、メルスンゲン(Melsungen)、ドイツ)チップ ソニケーター(10秒、80W電力レベル)を用いてリン酸緩衝液に再懸濁した。2mmol l−1EDACおよび100mmol l−1スルホ−NHSを含有するリン酸緩衝液中、15分間、ナノ粒子をインキュベーションして、カルボキシル基を活性化した。活性化されたナノ粒子を25mmol l−1炭酸緩衝液、pH8.5で洗浄し、Mab5A10またはストレプトアビジンを含有する炭酸緩衝液に混合した。カップリング反応におけるナノ粒子の濃度は、0.4w/v%であった。Mab5A10の濃度は5〜0.078g l−1で変化させ、ストレプトアビジン濃度は0.9 mg l−1であった。カップリング反応はゆっくりと振とうしながら2時間インキュベーションし、そののち、1%ウシ血清アルブミンを添加し、15分間残存する活性基をブロッキングした。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートを、0.01%Tween40および50mmol l−1サリチル酸を含有する2mmol l−1Tris−HCl、pH8.0で6回洗浄し、最後に0.1%ゼラチンおよび0.1%Tween85をさらに含有する同緩衝液に再懸濁した。懸濁液を2500gで5分間、2回遠心分離して非コロイド凝集体を単分散懸濁液から分離し、+4℃で保存した。
【0110】
結合部位数
Tb(III)−N1−ITCで標識化したPSA(前立腺特異抗原)を用い、粒子と結合した標識化PSAからのテルビウム(III)蛍光とナノ粒子からのユーロピウム(III)蛍光との間の比率を測定することにより、単一のナノ粒子−抗体バイオコンジュゲート上で共有結合で結合しているMab5A10の活性結合部位の数を決定した。ナノ粒子(6・1010psc ml−1)を、3.3mgl−1 Tb(III)−N1−ITC標識化PSA、0.0005w/v%ミルクパウダーおよび0.005w/v%Tween85を含有するアッセイ緩衝液(パーキンエルマー ライフ サイエンシズ(ParkinElmer Life Sciences)、ワラック オイ(Wallac Oy)、ツルク(Turku)、フィンランド)中で、ゆっくり振とうしながら、1時間インキュベーションした。セファロース6B(ファルマシア アマシャム(Pharmacia Amersham)、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデン)マトリックスならびに、0.9% NaClおよび0.01% Tween20を含有する10mmol l−1 Tris−HCl緩衝液、pH7.8を用いて、サイズ排除クロマトグラフィーにより、非結合標識化PSAからナノ粒子および粒子結合標識化PSAを分離した。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲート画分をDELFIA(登録商標)増強溶液で希釈し、ユーロピウム(III)蛍光を、ナノ粒子標準と比較してナノ粒子濃度を計算した。同じ画分からのテルビウム(III)蛍光とテルビウム(III)標準溶液からのそれを、DELFIA(登録商標)増強溶液と共に追加のインキュベーションをしたのちに測定し、そして活性結合部位の数を、PSAの標識化度合いで割ったナノ粒子あたりのテルビウム(III)イオンの数から計算した。標識化したPSAの非特異的結合は、ウシ血清アルブミンでブロッキングした、コートされていないナノ粒子を用いて制御した。ユーロピウム(III)蛍光およびテルビウム(III)蛍光の両者を、時間分解モードのVictorTM1420を用いて、狭い放射開口(narrow emission aperture)をもつ613nm、および545nmでそれぞれ測定した。
【0111】
単一のナノ粒子上のストレプトアビジン分子の数を、部位特異的にビオチン化したFab−5A10フラグメントおよびTb(III)−N1−ITC標識化PSAを用いて決定した。ナノ粒子(33pmol l−1)を、33nmol l−1のビオチン化Fab−5A10および150nmol l−1のTb(III)−N1−ITC標識化PSAと共に、100μlのアッセイ緩衝液中で、1時間室温でインキュベーションした。その後、ナノ粒子を非結合のTb(III)−N1−ITC標識化PSAから分離し、前記したようにMab5A10に関して測定した。結局、ストレプトアビジン分子の数は、1つのTb−PSAが1つのFab−5A10フラグメントと反応し、これがさらに1つのストレプトアビジン分子に対応したと仮定して計算した。
【0112】
Mab−5A10のビオチン化
Mab−5A10(400mg l−1)を、50mmol l−1炭酸緩衝液、pH9.8中、350mmol l−1のビオチン−PEG−CO2−NHS(シェアーウォーター ポリマーズ(Shearwater Polymers)、ハンツビレ(Huntsville)、AL)を用いて、室温、2時間、ビオチン化した。ビオチン化されたMabを、NAP−5およびNAP−10カラム(ファルマシア アマシャム バイオテク(Pharmacia Amersham Biotech))を用いて、結合していないビオチン試薬から精製した。溶出は、150mmol l−1のNaClを含有する50mmol l−1Tris緩衝液、pH7を用いて、実施した。
【0113】
実施例
表1は、Eu3+の発光遷移(luminescence transitions)を示す。励起状態はリガンドからイオンへのエネルギー移動に関与し、は主たる放射レベルである。からの直接遷移は、短寿命でありかつかなり弱い。ランタニドイオンは、放射に種々の遷移をもたらすいくつかの基底状態を有する。放射が鋭くかつ充分に特徴づけられているという事実にもかかわらず、アクセプターが測定される波長でマイナーな相対的バックグラウンド放射が存在する傾向が常にある。Eu3+イオンは710nmを超える波長では非常に弱い放射を有し、820nmを超える波長では、検出可能な発光放射を有さない。Tb3+イオンの場合は、700nmを超える波長では発光放射は存在しない。
【0114】
表2は、ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートの結合部位の数の増大により、会合速度定数とともに親和定数が増大する例を示している。この実施例では、結合部位の数が12から19に増加するとき、その親和定数が標識化された抗体の親和定数を超えるのに対し、会合速度定数は、結合部位の数が46から76へ増加するとき、標識化された抗体の会合速度定数を超える。
【0115】
【表1】
Figure 2004514907
【0116】
【表2】
Figure 2004514907
【0117】
図2〜14は本発明にしたがったアッセイを例示すると共に、これらアッセイの特徴を明示する。
【0118】
図2は、検体および第2生物特異的結合反応物が第1の固相表面結合キャプチャー生物特異的結合反応物と反応し、その後第3生物特異的反応物でコートされたナノ粒子が第2生物特異的結合反応物と反応するアッセイ反応のシミュレーションを示す:見かけ上の曲線
【外1】
Figure 2004514907
、ナノ粒子と第2生物特異的結合反応物との会合
【外2】
Figure 2004514907
および表面に結合した検体からの第2生物特異的結合反応物の解離(●)。
【0119】
図3は、PSA(5μl、1μg l−1)およびビオチン化抗PSA抗体5A10(0.6nmol l−1)を、全量30μl中、マイクロタイターウェルの表面に結合した抗PSA抗体H117と15分間反応させ、その後、ストレプトアビジンでコートされたナノ粒子を全量40μl中、ビオチン化抗PSA抗体5A10と反応させたPSAアッセイの反応速度曲線(kinetic curve)を示す。曲線は、表面に捕捉された抗PSA抗体H117に結合した検体に結合したビオチン化抗PSA 5A10抗体とストレプトアビジンでコートされたナノ粒子との時間依存的反応を表わす。ストレプトアビジンでコートされたナノ粒子の数は変動した:反応あたり、
【外3】
Figure 2004514907
ナノ粒子。Victor1420(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)時間分解蛍光光度計を用いて、マイクロタイターウェルの表面上でPSAを直接検出した。
【0120】
図4は、PSA(5μl)およびビオチン化抗PSA抗体(0.6nmol l−1)を、全量30μl中で、マイクロタイターウェルの表面に結合した抗PSA抗体と15分間反応させ、その後、洗浄工程ののち、ストレプトアビジンでコートされた3・10Eu(III)−標識化ナノ粒子
【外4】
Figure 2004514907
または5・1011のEu(III)標識化ストレプトアビジン(Eu(III)−N1−ITCキレート、パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)
【外5】
Figure 2004514907
をビオチン化抗PSA抗体と、あるいは洗浄工程なしで、ストレプトアビジンでコートされた3・10Eu(III)−標識化ナノ粒子(●)をビオチン化抗体PSA抗体と、全量40μl中、5分間反応させたPSAアッセイの検量線を示す。Eu(III)標識化ストレプトアビジンのインキュベーション後、Eu(III)イオンをキレートから市販の増強溶液(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)へと解離させた。Victor1420(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)時間分解蛍光光度計を用いて、マイクロタイターウェルの表面上でPSA結合ストレプトアビジンナノ粒子を直接検出し、また溶液中PSA結合Eu(III)標識化ストレプトアビジンを検出した。
【0121】
図5は、PSA(5μl)およびビオチン化抗PSA抗体(0.6nmol l−1)を、マイクロタイターウェルの表面に結合した抗PSA抗体と、全量30μl中で15分間反応させ、その後、ストレプトアビジンでコートされたEu(III)標識化ナノ粒子をビオチン化抗PSA抗体と全量40μl中6分間反応させたPSAアッセイの検量線を示す。ストレプトアビジンでコートされたナノ粒子の数は変動した:反応につき、
【外6】
Figure 2004514907
ナノ粒子。Victor1420(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)時間分解蛍光光度計を用いて、マイクロタイターウェルの表面上でPSA結合ストレプトアビジンナノ粒子を直接検出した。
【0122】
図6は、ビオチン化抗PSA抗体(0.6nmol l−1)を、マイクロタイターウェルの表面に結合した抗PSA抗体と、全量30μl中、10分間、非特異的に反応させ、その後、ストレプトアビジンでコートされたEu(III)標識化ナノ粒子をビオチン化抗PSA抗体およびマイクロタイターウェルの表面に結合したPSA抗PSA抗体と、全量40μl中、10分間非特異的に反応させたアッセイにおいて、ストレプトアビジンナノ粒子の数に対するPSA(5μl)のゼロ濃度レベルシグナル(zero concentration level signals)を示す。Victor1420(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)時間分解蛍光光度計を用いて、マイクロタイターウェルの表面上でストレプトアビジンナノ粒子を直接検出した。
【0123】
図7は、Eu(III)標識化抗PSA抗体(星印)ならびに130個(四角形)、76個(丸)、46個(上向き三角形)、30個(下向き三角形)、19個(ひし形)、12個(左向き三角形)および8個(右向き三角形)の活性結合部位を有するEu(III)標識化ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートの会合速度定数の測定を示す。実線は、定数k=8・10−5−1を用いるバイオコンジュゲートに関するあてはめ曲線(fitted curve)であり、一点破線は最初の4つのデータ点とk=2・10−4−1に基づく抗体に関するものである。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートまたは標識化抗体のほんの数パーセントだけが結合するように検体分子の数を調節して、遊離のバイオコンジュゲートおよび抗体の濃度に対する固定値を与える。最初に、5μlのブランクまたは遊離PSA標準品(バイオコンジュゲートに対しては0.5μg l−1、抗体に対しては2.5μg l−1)および25μl/ウェルのアッセイ緩衝液を、抗PSA抗体でコートされたマイクロタイターウェルに添加した。ウェルを45分間インキュベーションし、そして1.5・10pcs/ウェルのナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートまたは2ng/ウェルの標識化抗体を40μl/ウェルのアッセイ緩衝液に添加する前に洗浄した。個々のウェルを10〜480分間インキュベーションし、表面結合ナノ粒子または抗体画分の測定前に、洗浄した。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートからの時間分解ユーロピウム(III)蛍光は、VictorTM1420蛍光光度計を用い、狭い放射開口と低い焦点レベルを有する613nmで、ウェルの底から直接検出した。ユーロピウム(III)標識化抗体からの蛍光は、DELFIA(登録商標)増強溶液中、613nmで測定した。全結合から非特異的結合を差し引いたのちに得られる蛍光シグナルは、蛍光対時間でプロットした。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートおよび抗体に対する全検体濃度(Rmax)と同等の、個々の蛍光シグナルは、実験データを反応速度式の統合式(integrated form)に合わせる際に、採用された(オー シャネッシー ディージェー(O’Shannessy DJ)ら、Anal. Biochem.1993, 212, 457−68):
=Ckmax{1−exp{−(Ck+k)t}}/(Ck+k
等式において、
C=バイオコンジュゲートまたは抗体の濃度(M)
=蛍光シグナル(cts)
t=時間(s)
=会合速度定数(M−1−1)および
=解離速度定数(s−1
【0124】
差し込み図は、あてはめた会合速度定数とバイオコンジュゲート上の結合部位数との依存性を示す。抗体に関する計算された会合速度定数は、1.3・10−1−1であった。エラーバーは3つのレプリカの±SDを反映している。
【0125】
図8は、Eu(III)標識化抗PSA抗体(星印)ならびに130個(四角形)、76個(丸)、46個(上向き三角形)、30個(下向き三角形)、19個(ひし形)、12個(左向き三角形)および8個(右向き三角形)の活性結合部位を有するEu(III)標識化ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートの解離速度論(dissociation kinetics)を示す。バックグラウンドを差し引いた相対蛍光は、時間の関数としてプロットされており、線は決定された速度定数から計算された解離を表わす。最後の時間点は速度定数決定からは除外した。抗体に関して計算された解離速度定数は、1.8・10−4−1である。最初に、5μlのブランクまたは遊離のPSA標準品(バイオコンジュゲートに対しては0.5μg l−1、抗体に対しては48μg l−1)および25μl/ウェルのアッセイ緩衝液を、抗PSA抗体でコートされたマイクロタイターウェルに添加した。ウェルを45分間インキュベーションし、そして1.5・10pcs/ウェルのナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートまたは75ng/ウェルの標識化抗体を40μl/ウェルのアッセイ緩衝液に添加する前に洗浄した。ウェルを2時間インキュベーションし、洗浄した。解離は、アッセイ緩衝液(50μl/ウェル)中800ng/ウェルの非標識化抗体を添加することにより、開始させた。ウェルを0〜160分間インキュベーションし、表面結合ナノ粒子または抗体の画分を測定する前に、洗浄した。全結合から非特異的結合を差し引いたのちに得られる蛍光シグナルを、ln(蛍光(時間=0)/蛍光(時間))対時間でプロットした。傾斜は、速度等式ln(R/R)=k(t−t)(式中、Rは時間tにおける応答でありRはtにおける応答である)の統合式に基づく、純粋な解離相反応(pure dissociation phase reaction)の解離速度定数を表わしている。差し込み図は、あてはめた解離速度定数とナノ粒子−抗体バイオコンジュゲート上の結合部位数との依存性を示す。エラーバーは3つのレプリカの±SDを反映している。
【0126】
図9は、Eu(III)標識化抗PSA抗体(星印)ならびに130個(四角形)、76個(丸)、46個(上向き三角形)、30個(下向き三角形)、19個(ひし形)、12個(左向き三角形)および8個(右向き三角形)の活性結合部位を有するEu(III)標識化ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートのアフィニティー決定を示す。バックグラウンドを差し引いたデータが、アフィニティーの直接比較を可能にする標準化スキャッチャード表示でプロットされている。最初に、5μlのブランクまたは遊離のPSA標準品(バイオコンジュゲートに対しては1.0μg l−1、抗体に対しては48μg l−1)および25μl/ウェルのアッセイ緩衝液を、抗PSA抗体でコートされたマイクロタイターウェルに添加した。ウェルを45分間インキュベーションし、8種の濃度の、4.0・10〜3.1・10pcs/ウェルのナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートまたは50〜0.39ng/ウェルの標識化抗体を40μl/ウェルのアッセイ緩衝液に別々のウェルに添加する前に、洗浄した。個々のナノ粒子と抗体の濃度に対して、個別のブランクを含めた。ウェルを、16時間または4時間、ナノ粒子および抗体細片に関して、それぞれインキュベーションし、表面結合バイオコンジュゲートまたは抗体画分の測定の前に、洗浄した。バイオコンジュゲートおよび抗体の結合濃度(bound concentration)を、全結合から非特異的結合を差し引いたのちに得られる蛍光シグナルから計算した。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートおよび標識化抗体に対する親和定数は、結合/遊離比率対結合濃度によりプロットされたデータを用いて計算した。差し込み図は、あてはめた親和定数とナノ粒子−抗体バイオコンジュゲート上の結合部位数との依存性を示す。最も低い結合/最大結合比を有する4つのデータポイントは、より良好な一価の結合アフィニティーを表わす値を得るために、各々の直線回帰分析から省いた。抗体に対して計算された親和定数は、6.6・10−1であった。エラーバーは3つのレプリカの±SDを反映している。
【0127】
図10は、5μl(実線)および30μl(破線)の試料を用いる、2段階で非競合的な遊離PSAのイムノアッセイに基づいた、バイオコンジュゲート(214個の結合部位、四角)および標識化抗体(抗体あたり8個のユーロピウム(III)イオン、星印)のための標準曲線を示す。標識化された水平線および垂直線は、ブランク試料の2×SDおよびアッセイの分析感度をそれぞれ表わす。実線は、試料30μl、破線は試料5μlについてのものであり、上方の線はバイオコンジュゲート、下方の線は標識化抗体についてのものである。最初に、5μl/ウェルの標準品および25μl/ウェルのアッセイ緩衝液、または30ml/ウェルの標準品のみを、抗PSAマイクロタイターウェルに添加し、ウェルを洗浄する前に45分間インキュベーションした。ついで、1・10pcs/ウェルのEu(III)標識化ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートまたは75ng/ウェルの標識化抗体を、40μl/ウェル量のアッセイ緩衝液に添加した。インキュベーションを2時間実施し、ウェルを表面結合蛍光の測定前に洗浄した。ナノ粒子−抗体バイオコンジュゲートからのユーロピウム(III)蛍光は、非特異的結合であるが減衰した放射開口を有するセクションなどで検出した。標識化抗体からのシグナルは、200μl/ウェルのDELFIA(登録商標)増強溶液と共にさらにインキュベーションしたのち、標準プロトコルにしたがって、613nmで測定した。ナノ粒子関連蛍光は、減衰した放射開口を有する表面から測定されるので、絶対的な特異的シグナルはバイオコンジュゲートと標識化抗体とのあいだでは直接比較できない。エラーバーは3つのレプリカの±SDを反映している。
【0128】
図11は、PSAアッセイの反応速度曲線を示し、該アッセイでは、PSA(5μl、1μg l−1)およびビオチン化抗PSA抗体5A10(0.6nmol l−1)(●)、またはPSA(5μl、1μg l−1)およびビオチン化抗PSA抗体5A10(0.6nmol l−1)およびビオチン化抗PSA抗体H50(0.6nmol l−1
【外7】
Figure 2004514907
(これらはPSA分子の異なる部位で反応する)を、マイクロタイターウェル表面結合抗PSA抗体と、全量30μlで15分間反応させ、その後、ストレプトアビジンでコートされた1・10個のナノ粒子がビオチン化抗PSA抗体と全量40μlで反応させた。本曲線は、ストレプトアビジンでコートされたナノ粒子と、表面捕捉された抗PSA抗体H117に結合した検体に結合したビオチン化抗PSA5A10抗体(PSA分子あたり2個の抗体)との時間依存性反応を示す。Victor1420(パーキン エルマー ライフ サイエンシズ、ワラック オイ)時間分解蛍光光度計を用いて、マイクロタイターウェルの表面上でPSAを直接検出した。
【0129】
図12a(対数スケール)および図12b(直線スケール)は、蛍光ラテックス(Fluoro−Max、直径10nm、セラジン(Seradyn)、IN)を含有するユーロピウムキレートの時間分解放射スペクトルを示す。12aの差し込み図は、700nmを超える波長での正確な放射プロファイルを示す。有意でない(バックグラウンドと区別できない)、直接的で長寿命のユーロピウム放射が、710nmを超える波長で存在する。0.1%トリトンX−100中の0.1%ナノ粒子溶液のユーロピウム(III)蛍光は、340nm励起、励起閃光後150ms遅延、および500ms測定窓の時間分解蛍光モード(Hamamatsu PMT R2949)で測定した。
【0130】
図13は、多重色素(multiple dye)含有(エネルギー移動)微粒子(Transfluorespheres 760、TFS−760、直径2mm、モレキュラー プローブズ(Molecular Probes)、オランダ)の励起および放射スペクトル、ならびにユーロピウムキレート含有蛍光ラテックス(Fluoro−Max、直径10nm、セラジン、IN)の放射スペクトルを示す。TFS−760粒子は例外的に大きなストークシフト、すなわち励起波長と放射波長との差異を有する。バックグラウンドは非常に低く、直線スケールには示されない。0.1%トリトンX−100中に40,000粒子/mlを含有する溶液からの蛍光は、放射スペクトルのために615nmの励起波長を、励起スペクトルのために760nmの放射波長を用いて、(迅速)蛍光方式で測定した(Hamamatsu PMT R2949)。TFS−760粒子はユーロピウム(III)発光の放射最大の波長で効果的に励起され、ユーロピウム(III)が非常に弱いバックグラウンドを有する760nmで強い放射を有する。TransFluoSheresもユーロピウムナノ粒子の励起波長(340nm)で励起されるので、時間の分解(temporal resolution)が、エネルギー移動で励起される放射を分離するために必要である。
【0131】
図14は、遊離の前立腺特異抗原(PSA)の真のホモジニアスなイムノアッセイの検量線を示す。非競合的サンドイッチイムノアッセイは、サンドイッチペアの第1抗体(Mab5A10)でコートされた、ユーロピウムキレート含有蛍光ラテックス(Fluoro−Max、直径107nm、セラジン、IN)をエネルギードナーとして、およびサンドイッチペアの第2抗体(MabH117)でコートされた多重色素含有(エネルギー移動)微粒子(Transfluorespheres 760、直径2mm、モレキュラー プローブス、オランダ)をエネルギーアクセプターとして用いて実施した。溶液中の遊離PSAが0.001nM未満の検出限界が、非最適化(non−optimized)測定装置を用いる実験で達成された。ウェル表面が非特異的結合するのをブロッキングするために、ウシ血清アルブミンでコートされたマイクロタイターウェル中の、全量150mLのアッセイ緩衝液(0.9w/v%NaCl、0.05w/v%NaN、0.5w/v%ウシ血清アルブミン、0.01w/v%Tween40、0.05w/v%ウシグロブリン、20mM DTPAを含有する50mMトリス−HCl、pH7.8)に、第1抗体(5・10pcs)でコートされたユーロピウム(III)ナノ粒子および第2抗体(1.4・10pcs)でコートされたTFS−760粒子を添加した。ついで、50mLの様々なPSA標準品を個別のウェルに添加し、振とうしながら、反応を室温で2時間インキュベーションした。赤色感受性(red−sensitive)のPMTおよびロングパス(longpass)放射フィルター(>725nm、725nmでT%50、710nmでT%5)を備えた、時間分解モード(340nmでの励起、遅延時間80ms、測定窓500ms、サイクル時間4000ms)のVictor多重標識カウンターを用いて、エネルギー移動で励起したTFS−760の蛍光を測定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、時間分解ホモジニアスアッセイの原理を示す。
【図2】
図2は、反応時間の関数としてアッセイに関連した会合、解離および複合体濃度を表わすアッセイのシミュレーションを示す。
【図3】
図3は、様々な数のナノ粒子を用いた前立腺特異抗原(PSA)アッセイの反応速度曲線を表わす。
【図4】
図4は、洗浄工程あり、および洗浄工程なしでのPSAアッセイの検量線を示す。
【図5】
図5は、様々な数のナノ粒子を用いたPSAアッセイに対する検量線を示す。
【図6】
図6は、様々な数のナノ粒子を用いたPSAアッセイのバックグラウンド蛍光を示す。
【図7】
図7は、ナノ粒子なしの、およびナノ粒子当たり様々な数の活性結合部位を有するナノ粒子を有するナノ粒子を用いた、PSAアッセイの会合速度定数の測定を示す。
【図8】
図8は、ナノ粒子なしの、および様々な結合部位数を有するナノ粒子を用いる、バイオコンジュゲートの解離キネティクスを示す。
【図9】
図9は、ナノ粒子なしの、および様々な結合部位数を有するナノ粒子を用いる、バイオコンジュゲートのアフィニティーの測定を示す。
【図10】
図10は、バイオコンジュゲートおよび標識化抗体ベースの2段階で非競合的な遊離PSAイムノアッセイの標準曲線を示す。
【図11】
図11は、PSAアッセイの反応速度曲線に対する、1種ビオチン化抗体の代わりに、2種ビオチン化抗体を用いることによる効果を示す。

Claims (29)

  1. 特異的結合反応物を含むナノ粒子であって、該結合反応物にとって特異的な検体または複合体が含有する該検体を測定するために有用なナノ粒子であって、
    a)該ナノ粒子の直径が200nm未満、好ましくは120nm未満である、
    b)該ナノ粒子が多数の該特異的結合反応物でつぎの程度にコートされている、
    i)該検体に対する該ナノ粒子の親和定数が、該検体に対する遊離の該結合反応物の親和定数を本質的に超え、および/もしくは
    ii)該ナノ粒子と該検体とのあいだの会合速度定数が、遊離の該結合反応物と該検体とのあいだの会合速度定数を本質的に超える;ならびに
    c)該ナノ粒子が検出可能な特徴を含む
    ことを特徴とするナノ粒子。
  2. 前記結合反応物が、抗体、抗原、受容体リガンド、特異的結合タンパク質、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、核酸、ペプチド、糖、ハプテン、ウイルス、細菌および細胞からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のナノ粒子。
  3. 前記検出可能な特徴が発光性標識であることを特徴とする請求項1または2記載のナノ粒子。
  4. 前記発光性標識が、時間分解蛍光標識、アップコンバーティング蛍光標識、急速崩壊蛍光標識、化学発光性標識または生物発光性標識からなる群から選択されることを特徴とする請求項3記載のナノ粒子
  5. 前記生物特異的結合反応物が、吸着、共有結合、グラフティング、固相合成または他の生物特異的結合反応物の手段によって、ナノ粒子に結合していることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のナノ粒子。
  6. 特異的結合反応物にとって特異的な検体または複合体が含有する該検体を測定するためのアッセイであって、該特異的結合反応物を含むナノ粒子を用いるアッセイであって、
    a)該ナノ粒子の直径は200nm未満、好ましくは120nm未満である、
    b)該ナノ粒子が、多数の該特異的結合反応物でつぎの程度にコートされている、
    i)該検体に対する該ナノ粒子の親和定数が、該検体に対する遊離の該結合反応物の親和定数を本質的に超え、および/もしくは
    ii)該ナノ粒子と該検体とのあいだの会合速度定数が、遊離の該結合反応物と該検体とのあいだの会合速度定数を本質的に超える;ならびに
    c)該ナノ粒子が検出可能な特徴を含む
    ことを特徴とするアッセイ。
  7. 前記アッセイがヘテロジニアスであって、非競合的または競合的であることを特徴とする請求項6記載のアッセイ。
  8. 前記アッセイがホモジニアスであって、非競合的または競合的であることを特徴とする請求項6記載のアッセイ。
  9. 前記アッセイがヘテロジニアスなアッセイであって、
    a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させる工程;
    b)任意に該検体を該第1結合反応物と反応させる工程;
    c)工程a)で得られた組成物に、第2結合反応物(この反応物は該検体の第2結合部位に対して特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
    d)該ナノ粒子の第2結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した検体と反応させる工程;
    e)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に生物特異的に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
    f)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程
    からなることを特徴とする請求項7記載のアッセイ。
  10. 工程a)およびc)が本質的に同時に実施され、したがって任意の反応工程b)がないことを特徴とする請求項9記載のアッセイ。
  11. 任意の反応工程b)を含むことを特徴とする請求項9記載のアッセイ。
  12. 前記アッセイがヘテロジニアスなアッセイであって、
    a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させる工程;
    b)工程a)で得られた組成物に、第3結合反応物に結合した第2結合反応物(この第2結合反応物は該検体の第2結合部位に対して特異的である)を添加する工程;
    c)工程b)で得られた組成物に、第4結合反応物(この反応物は該第3結合反応物に対して特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
    d)該ナノ粒子の第4結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した検体に結合した第2結合反応物に結合した第3結合反応物と反応させる工程;
    e)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第4結合反応物に結合した第3結合反応物に結合した第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に生物特異的に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
    f)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程
    からなることを特徴とする請求項7記載のアッセイ。
  13. 前記第3結合反応物がビオチンであり、前記第4結合反応物がアビジンまたはストレプトアビジンであることを特徴とする請求項12記載のアッセイ。
  14. 前記第3結合反応物がアビジンまたはストレプトアビジンであり、前記第4結合反応物がビオチンであることを特徴とする請求項12記載のアッセイ。
  15. 前記アッセイがヘテロジニアスで競合的なアッセイであって、
    a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させ、かつ該ナノ粒子に結合した追加の検体と接触させる工程;
    b)該固相(この固相は、該ナノ粒子に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に固相に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
    c)該検体の測定を可能とするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程
    からなることを特徴とする請求項7または8記載のアッセイ。
  16. 前記アッセイがヘテロジニアスで競合的なアッセイであって、
    a)固相に結合した第1結合反応物(この反応物は検体の第1結合部位に対して特異的である)を、該検体を含有する試料と接触させ、かつ第2結合反応物に結合した追加の検体と接触させる工程;
    b)工程a)で得られた組成物に、第3結合反応物(この反応物は該第2結合反応物に対して特異的である)を含むナノ粒子を添加する工程;
    c)該ナノ粒子の第3結合反応物を、該固相に結合した第1結合反応物に結合した追加的検体に結合した第2結合反応物と反応させる工程;
    d)該固相(この固相は、該ナノ粒子の第3結合反応物に結合した第2結合反応物に結合した検体に結合した第1結合反応物に結合している)を洗浄して、本質的に該固相に結合していないナノ粒子をなくす工程;および
    e)該検体の測定を可能にするために、該固相に結合したナノ粒子を検出する工程
    からなることを特徴とする請求項7または8記載のアッセイ。
  17. 前記の非任意的な反応工程が、本質的に平衡になる前に中止されることを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14、15または16記載のアッセイ。
  18. 前記固相が本質的に平坦な表面であることを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14、15、16または17記載のアッセイ。
  19. 前記の本質的に平坦な表面が、マイクロタイターウェルの表面、スライドの表面、粒子の表面および細片の表面からなる群から選択されることを特徴とする請求項18記載のアッセイ。
  20. 2つの異なる第2結合反応物である第2結合反応物Aおよび第2結合反応物Bが、1つの第2結合反応物の代わりに添加され、両第2結合反応物AおよびBは前記検体の異なる結合部位に対して特異的であると共に、反応物AおよびBの異なる両結合部位が前記第1反応結合物の検体の結合部位とは異なることを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19記載のアッセイ。
  21. エネルギー供与化合物(ドナー)で標識された第1群およびエネルギー受容化合物(アクセプター)で標識された第2群とからなり、
    − ドナーは発光性であり、また長い励起状態寿命を有し、アクセプターは発光性で、短いまたは長い励起状態寿命を有するか、またはアクセプターは非発光性であり、そして
    − 両群のあいだの距離の短縮または延長からそれぞれ生じる、ドナーからアクセプターへのエネルギー移動の増加または減少それぞれが測定される
    近接ベースのホモジニアスアッセイであって、該ドナーがナノ粒子であることを特徴とするアッセイ。
  22. 前記アクセプターが発光性で、短いまたは長い励起状態寿命を有し、アクセプターの発光が、ドナーが発光を有しないかまたは本質的に発光を有しない波長で、すなわちドナーの発光がバックグラウンド発光に比べて有意でない波長で測定されることを特徴とする請求項21記載のアッセイ。
  23. 前記アッセイが非競合的であることを特徴とする請求項21または22記載のアッセイ。
  24. 前記アッセイが競合的であることを特徴とする請求項21または22記載のアッセイ。
  25. 前記ナノ粒子が請求項1、2、3、4または5記載のナノ粒子であることを特徴とする請求項24記載の近接ベースのホモジニアスアッセイ。
  26. ドナーがランタニド発光性ナノ粒子であるか、またはエネルギー供給ランタニド発光性化合物が埋め込まれたポリマー性ナノ粒子であることを特徴とする請求項24または25記載の近接ベースのホモジニアスアッセイ。
  27. ドナーがユーロピウムキレートナノ粒子であることを特徴とする請求項24、25または26記載の近接ベースのホモジニアスアッセイ。
  28. 前記アクセプター発光が640nmを超える、好ましくは700nmを超える波長で測定されることを特徴とする請求項27記載の近接ベースのホモジニアスアッセイ。
  29. 前記アクセプターがナノ粒子、好ましくは請求項1、2、3、4または5記載のナノ粒子であることを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27または28記載の近接ベースのホモジニアスアッセイ。
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