JP2004513069A - ペプチド医薬処方 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は,米国特許出願60/205,377(2000年5月17日出願)および米国特許出願60/205,262(2000年5月19日出願)に基づく優先権を主張する。いずれの出願も本明細書の一部としてここに引用する。
【0002】
発明の分野
本発明は,一般にペプチドの医薬処方に関する。より詳細には,本発明は,ペプチド,例えばグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1),上皮小体ホルモン(PTH)または成長ホルモン放出因子(GRF),またはそのようなペプチドの薬学的に活性な誘導体または類似体,酸性緩衝液およびマンニトールの医薬処方に関する。例えば,新規処方は,ヒトにおいてよく許容され,例えば,驚くほど安定な組成物である。可溶性ペプチドは二量体を形成せず,凝集しない。
【0003】
発明の背景
ペプチド,例えばGLP−1,PTH,およびGRFは,種々の疾患の治療に有用であることが当該技術分野において知られている。例えば,GLP−1(7−36)アミドはII型糖尿病(インスリン非依存性真性糖尿病,NIDDMとしても知られる)の治療に有用である。PTH(1−34)は骨粗鬆症の治療に有用であり,GRF(l−44)アミドも同様である。米国特許4,870,054を参照。PTH(l−34)とGRF(l−44)アミドとの組み合わせも骨粗鬆症の治療に用いることができる。米国特許5,164,368を参照。
【0004】
そのようなペプチドを薬学的に許容しうる組成物中に処方することに伴う,当該技術分野において認識されている種々の問題が存在する。十分に高い濃度の可溶性ペプチドを有し,ペプチドの凝集およびペプチド二量体の形成が最小限であることが重要である。そのような凝集物および二量体の形成は,GLP−1等のペプチドから医薬処方を作成する際に遭遇する顕著な問題点であることが当該技術分野において知られている。例えば,GLP−1は多くの条件下でゲル化および凝集することが知られており,このため安定な可溶ペプチド処方を作成することが困難である(EP0978565A1を参照)。
【0005】
GLP−1,PTHおよびGRFを含む種々の医薬処方が当該技術分野において記述されている。このようなペプチドは,一般に,アルブミンまたは他の補助剤を含む水にペプチドを溶解し,これをヒトに注射することにより投与されている(Creutzfeldt et al,Diabetes 19,1(1996);Ahren et al.,J.Clin.Endo.Metab.82,473(1997))。このようなペプチドはそのような条件下(中性に近いpH値)では安定ではないかまたは十分に溶解性ではなく,アルブミン等の補助剤は酸性pH値では安定ではないため,この方法は欠点を有する。
【0006】
さらに,当該技術分野においては,有害な副作用および患者の不快を最小限にするためには,生理学的pHである医薬処方を用いることが望ましいことが知られている(Brazeau et al.,J.Pharm.Sci.,87,667(1998)を参照)。しかし,生理学的pH(pH約7.4)においては,GLP−1,PTH,およびGRFの溶解性は低い。例えば,pH約7.4の水中におけるペプチドGLP−1の溶解性は約0.2mg/mLより低い。生理学的食塩水におけるGLP−1の溶解性も低い。生理学的pHにおけるPTHおよびGRFの溶解性はやや高いが,4mg/mL以下である。
【0007】
生理学的pHにおけるペプチドの溶解性を増大させるために,従来の処方は,当該技術分野において認められる種々の薬剤,例えば界面活性剤および溶媒を使用してきた。しかし,そのような薬剤は患者において有害な副作用を引き起こしうるため,その使用は望ましくない(Brazeau et al.,J.Pharm.Sci.87,667(1998)を参照)。また,ヒト血清アルブミンは,その緩衝化能力および保存容器または投与に用いられる装置へのGLP−1の吸着を減少させる能力のため,GLP−1処方において用いられてきた。GLP−1は疎水性ペプチドであり,例えば,管およびシリンジに見いだされる疎水性表面に吸着する。しかし,患者において有害な免疫反応を刺激しうるため,ヒト血清アルブミンを使用することは望ましくない。また,高度に精製されたアルブミンを使用して,望ましくない副作用を引き起こしうる夾雑物を最小限にすることに多大な注意を払わなければならない。
【0008】
アミド結合の安定性は,一般に,約4.0−4.5の範囲のpHにおいて最も高い。しかし,そのようなpHの範囲は,治療用ペプチドの処方においてはしばしば用いることができない。低いpHは三次または四次構造を有するペプチドの変性を引き起こす可能性があり,および/またはペプチドを不活性化させる可能性がある。さらに,低pHの医薬処方は,注射の際に患者に不快をもたらすことが知られている(Brazeau et al.,J.Pharm.Sci.87,667(1998)を参照)。
【0009】
米国特許5,705,483は,蒸留水と混合し,pHを約6.0−9.0に調節したGLP−1の処方を記載する。この’483特許は,D−マンニトールはGLP−1の適当な賦形剤の例であると述べている。しかし,’483特許に記載される高いpHにおいては,処方はGLP−1の不安定性に寄与するかもしれない。
【0010】
PCT出願WO98/19698は,5M酢酸を用いてpHを4に調節した,100nmolのGLP−1(7−36)アミドと0.025mLのヒトアルブミン溶液(20%)との組み合わせを記載する。ヒト腹部に投与するために,通常の食塩水を用いてこの処方の容量を1mLとしており,GLP−1の濃度は100μM(約0.3mg/mL)となる。しかし,上述したように,医薬処方においてはアルブミンを使用しないことが望ましい。
【0011】
The 1999 Physician’s Desk Reference(pp.532−539)は,Amgen Inc.,Californiaから市販されているNEUPOGENを記載する。PDR登録物には,NEUPOGENが,白血球産生の刺激における医薬用途に適した,組換えDNA技術により製造されたヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)であるフィルグラスチム(filgrastim)の処方である医薬製品の名前であることが記述されている。PDR登録物には,NEUPOGENが,5%ソルビトールおよび0.004%TWEEN80を含む10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中に処方されていることが記述されている。TWEEN80は,Atlas Powder Company,Delawareから市販されている乳化,湿潤,および分散剤(すなわち界面活性剤)である。PDR登録物にはさらに,NEUPOGENの量的な組成(mLあたり)が,フィルグラスチム300mcg,酢酸塩0.59mg,ソルビトール50mg,TWEEN80 0.004%,ナトリウム0.035mgをUSPq.s.注射水で1.0mLとすることが記述されている。G−CSFは,175アミノ酸の長さの蛋白質であり,記載されるように,NEUPOGEN処方は界面活性剤を含む。
【0012】
したがって,当該技術分野においては,補助剤が有害な副作用を引き起こしうるため,最小レベルの非治療用補助剤(例えばアルブミン,界面活性剤,および溶媒)を含む,比較的小さいペプチド,例えばGLP−1,PTHおよびGRFの安定な医薬処方が必要とされている。ヒトにおいてよく許容される,すなわち,患者の不快を最小にする有効かつ安定な医薬処方を提供することも有益であろう。さらに,許容しうる濃度を有し,可溶性であり,ペプチド二量体および/または凝集を含まないか最小限に含むペプチド処方を提供することも有用であろう。記載されるように,GLP−1は,多くの条件下でゲル化および凝集することが知られており,このため安定な処方が困難である(EP0978565A1を参照)。本発明の他の利点は,本明細書および特許請求の範囲を検討することにより当業者には明らかとなるであろう。
【0013】
発明の概要
患者によりよく許容され,最小限の非ペプチド成分を有する安定なペプチド医薬処方を提供するため,本発明者らは,ペプチド,緩衝液,および希釈剤を含む医薬処方を開発した。特に,本発明者らは,それぞれ酢酸およびD−マンニトール中に調製されたペプチド,例えばGLP−1(7−36)アミド,PTH(1−34)OH,またはGRF(l−44)アミドを哺乳動物に投与するための安定な医薬組成物を開発した。
【0014】
したがって,本発明の目的は,哺乳動物に投与するためのペプチドの良好な安定性を与える,ペプチド,緩衝液,および希釈剤を含む安定な単位用量の医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は,ペプチド,緩衝液および希釈剤を含む,哺乳動物によりよく許容される,哺乳動物に投与するための医薬組成物を用いて,哺乳動物において疾患または疾病を治療する方法を提供することである。
【0016】
これらのおよび他の目的を達成するために,本発明の1つの観点にしたがえば,哺乳動物に投与するための単位用量の医薬組成物が提供される。該組成物は,治療上有効量のペプチドを含む。組成物はまた,約5未満のまたは5未満のpKaを有する酸を含む緩衝液を含む。特に,本発明の処方は酢酸を含む。処方はまた,組成物を等張にするための希釈剤を含む。特に,本発明の処方はD−マンニトールを含む。
【0017】
好ましい態様においては,組成物は,本質的に,ペプチド,約5未満または5未満のpKaを有する酸を含む緩衝液,およびD−マンニトール等の希釈剤からなる。
【0018】
別の好ましい態様においては,組成物は,ペプチド,約5未満または5未満のpKaを有する酸を含む緩衝液,および希釈剤からなる。
【0019】
1つの好ましい態様においては,本発明の処方は,ペプチド,酢酸,およびD−マンニトールを含む。別の好ましい態様においては,本発明の処方は,本質的に,ペプチド,酢酸,およびD−マンニトールからなる。別の好ましい態様においては,本発明の処方は,ペプチド,酢酸,およびD−マンニトールからなる。
【0020】
これらの処方はすべて,好ましくは,約3.0−約5.0,または3.0−5.0のpH;より好ましくは,約4.0−約5.0または4.0−5.0;より好ましくは約4.5−約5.0または4.5−5.0;最も好ましくは約4.5−約4.7または4.5−4.7のpHを有する。別の好ましい態様は,4.5,4.6,または4.7のpHを有する。
【0021】
本発明の別の観点にしたがえば,有効量の医薬処方を哺乳動物に投与するためのシステムが開示される。該システムは,単位用量の本発明の医薬処方を投与するための注入ポンプを含む。単位用量は,約200−50,000原子量単位の分子量を有する治療上有効量のペプチド,例えば,GLP−1分子,GRF分子,またはPTH分子を含む。
【0022】
本発明の別の観点にしたがえば,疾病を有する哺乳動物において疾病を治療する方法が開示される。該方法は,哺乳動物に有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0023】
別の目的には以下のものが含まれる。(1)GLP1分子,およびGRF分子,およびPTH分子からなる群より選択される分子;(2)1x10−5より大きい値の解離定数を有する酸;および(3)賦形剤,を含む医薬組成物であって,組成物のpHが約3.0−5.0であることを特徴とする医薬組成物。酸が酢酸を含む上述の組成物。賦形剤がD−マンニトールである上述の組成物。酸が酢酸であり,賦形剤がD−マンニトールである上述の組成物。組成物がGLP−1(7−36)アミドを含む上述の組成物。組成物がGRF(l−44)アミドを含む上述の組成物。組成物がPTH(1−34)OHを含む上述の組成物。組成物が単位投与量の形態中にある上述の組成物。組成物が滅菌されている上述の組成物。単位用量の上述の組成物を投与するための注入ポンプを含む,医薬組成物を投与するためのシステム。投与前に組成物が等張食塩水で約40倍までに希釈される,上述のシステム。薬学的に有効量の上述の組成物を哺乳動物に投与することを含む,哺乳動物において疾病または状態を治療するための方法。疾病または状態が,糖尿病,過剰欲求,肥満,発作,虚血,再灌流障害,グルコース代謝障害,外科手術,昏睡,ショック,胃腸疾病,消化ホルモン疾病,アテローム性動脈硬化症,心臓疾病,妊娠糖尿病,肝臓疾病,肝硬変,グルココルチコイド過剰,クッシング病,外傷または疾病後に生ずる活性化された逆制御ホルモンの存在,高トリグリセリド血症,慢性膵炎,非経口摂取の必要性,骨粗鬆症,および外科手術または創傷後の異化状態からなる群より選択される上述の方法。組成物が,静脈内,皮下,連続的,間欠的,非経口,およびこれらの組み合わせからなる群より選択される方法により哺乳動物に投与される,上述の方法。組成物が約4.5のpHを有する上述の組成物。組成物が約4.7のpHを有する上述の組成物。組成物が約4.5−4.7のpHを有する上述の組成物。組成物が4.5のpHを有する上述の組成物。組成物が4.7のpHを有する上述の組成物。本質的に,酢酸,D−マンニトール,および,GLP1分子およびGRF分子およびPTH分子からなる群より選択される分子からなり,組成物が液体形態である,上述の組成物。酢酸,D−マンニトール,およびGLP1分子およびGRF分子およびPTH分子からなる群より選択される分子からなり,組成物が液体の形態である,上述の組成物。酢酸塩(約10mM)およびD−マンニトール(約50.7mg/mL)を含む上述の組成物。本質的に,酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびGLP1分子およびGRF分子およびPTH分子からなる群より選択される分子からなる上述の組成物。酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびGLP−1(7−36)アミド(約1mg/mL)を含む上述の組成物。本質的に,酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびGLP−1(7−36)アミド(約1mg/mL)からなる上述の組成物。組成物が,酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびGRF(l−44)アミド(約4mg/ml)を含む上述の組成物。本質的に,酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびGRF(l−44)アミド(約4mg/ml)からなる上述の組成物。組成物が酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびPTH(1−34)OH(約50mg/mL)を含む上述の組成物。組成物が本質的に,酢酸塩(約10mM),D−マンニトール(約50.7mg/mL),およびPTH(1−34)OH(約50mg/mL)からなる上述の組成物。ポンプが1時間あたり約10μLまたはそれ以上の速度で分子を放出するようプログラムされている,上述のシステム。
【0024】
本発明のさらに別の目的,特徴および利点は,付随する図面を参照して,以下の発明の詳細な説明から明らかであろう。
【0025】
図面の簡単な説明
図1は,ペプチドの純度分析のための逆相HPLCの使用の例を示し,ペプチドの分解をモニターする能力を示す。試料は,逆相HPLCで,0.1%トリフルオロ酢酸中の水/アセトニトリル勾配で溶出することにより分析した。用いたHPLCシステムは,HP1100クロマトグラフィーシステムである。上パネル:pH4.5に調節した10mM酢酸,5.07%D−マンニトール中で,−20℃(点線)および50℃(実線)で1か月保存したGLP−1。Waters Symmetry Reverse Phase C18カラム,4.6x250mmを用いて,33%から95%アセトニトリルの22分間の勾配で溶出した。下パネル:pH4.7に調節した10mM酢酸,5.07%D−マンニトール中で,−20℃(点線)および37℃(実線)で1か月保存したGRF。HPLC緩衝液AおよびBの組成は,それぞれ20%および50%(v/v)アセトニトリルであり,Zorbax 5ミクロンの4.6x250mmカラムを用いて25%から55%Bの25分間の勾配で溶出した。
【0026】
図2は,5.07%D−マンニトールを含む10mM酢酸塩緩衝液中のGLP−1の溶解性を25℃におけるpHの関数として示す。溶液は,過剰のGLP−1とともに4日間撹拌した。遠心分離した後,溶液中のペプチドの量を紫外線吸収分光測光法により測定した。
【0027】
図3は,HPLC(左パネル)および生物学的活性(右パネル)により決定したGRFの安定性を,好ましい処方(4mg/mL GRF,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトールに溶解,pH4.7に調節)中における保存時間の関数として示す。丸は−20℃を表し,四角は4℃を表す。
【0028】
図4は,HPLC分析(左パネル)およびバイオアッセイ(右パネル)により決定した,好ましい処方(1mg/mL GLP−1,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトールに溶解,pH4.5に調節)中のGLP−1の安定性を示す。丸は−20℃を表し,四角は4℃を表す。
【0029】
図5は,HPLC分析により決定したPTH(1mg/mL PTH,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトールに溶解,pH4.7に調節)の安定性を示す。丸は−20℃を表し,四角は4℃を表す。
【0030】
図6は,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトール,pH4.5中で1mg/mLで処方したGLP−1のHPLC分析による,GLP−1の安定性を示す。試料は,ガラスバイアル中で4℃で(黒丸),ガラスバイアル中で37℃で(四角),MiniMedポリプロピレン貯蔵器中で37℃で(菱形)保存し,試料はMiniMedポンプを用いて37℃でポンプ注入した(三角)。
【0031】
図7は,120μg/kgのGLP−1を好ましい処方(1mg/mL GLP−1,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトールに溶解,pH4.5に調節)中で皮下注射したときのラットの応答を示す。値は4匹の異なる動物の応答の平均である。
【0032】
図8は,20μgのGRFを好ましい処方(4mg/mL GRF,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトール中に溶解,pH4.7に調節)中で静脈内投与した後に,ラットの血漿中で検出された総GRFを示す。
【0033】
好ましい態様の詳細な説明
本発明にしたがえば,ペプチド,酸性緩衝液および希釈剤の医薬処方を哺乳動物への注射に用いることができる。ペプチドは,約200−50,000原子量単位の分子量を有することができる。好ましい態様にしたがえば,ペプチドはGLP−1分子,PTH分子,GRF分子,またはこれらの組み合わせである。別の態様にしたがえば,ペプチドは,GLP−1,PTH,GRFの誘導体または類似体,またはこれらの組み合わせであってもよい。特に好ましい態様にしたがえば,ペプチドはGLP−1(7−36)アミド,PTH(1−34)OH,またはGRF(l−44)アミドである。
【0034】
処方のペプチド濃度(GLP−1,PTH,GRF,またはこれらの組み合わせのいずれであっても)は,好ましくは,緩衝液および希釈剤の組み合わせ1mLあたり約25μg−5mgの範囲内である。
【0035】
GLP−1
本発明の好ましい態様にしたがえば,ペプチドは,グルカゴン様ペプチド−1(7−36)アミドである。この分子は回腸のL−細胞から分泌される天然のインクレチンホルモンである。これは,インスリン分泌速度の制御を助け,グルコースホメオスタシスに大きい影響を有する。GLP−1はまた,全身的に作用して,多数の内分泌機能,例えば膵臓β細胞からのインスリンの制御および発現,およびグルカゴンの抑制により,遊離脂肪酸を抑制し,血中グルコースレベルの正常化を助ける。本発明の分脈において用いる場合,”GLP−1分子”との用語は,グルカゴン様ペプチド,グルカゴン様ペプチド−1の類似体,およびグルカゴン様ペプチド−1レセプター蛋白質に結合するグルカゴン様ペプチド−1の誘導体を含む。
【0036】
GLP−1(7−36)アミド(配列1)の配列:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2
【0037】
本発明の別の態様にしたがえば,以下のGLP−1誘導体等のGLP−1の類似体を用いることができる:
GLP−1(7−36)OH(配列2)の配列:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−OH
GLP−1(7−34)OH(配列3)の配列:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−OH
GLP−1(7−37)OH(配列4)の配列:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−IIe−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly−OH
【0038】
他のGLP−1類似体は当該技術分野において知られている。例えば,米国特許5,958,409は,適当なGLP−1類似体を記載する。さらに別の態様にしたがえば,ペプチドはGLP−1誘導体,例えばアルキル化またはアシル化GLP−1誘導体または他の類似体でありうる。相同であるGLP−1の類似体,例えばエキセンジン(例えばエキセンジン3および4)およびGLP−2もまた本発明に含まれる。特に好ましい態様にしたがえば,GLP−1分子は配列1のアミノ酸配列を有するGLP−1(7−36)アミドである。
【0039】
GLP−1処方の安定性において役割を果たすであろう因子は,GLP−1分子の濃度である。pHの関数としてのGLP−1の溶解性プロファイルが図2に示される。約5.0より低いpHの値において,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトール中のGLP−1の溶解性は,一般に1mg/mLより高く,皮下および静脈内注射用の有効な用量を可能とする。本発明者らは,約1mg/mLの濃度のGLP−1(7−36)アミドが本発明のpH4.5の処方中で,25℃で6か月まで安定であり,約4%が分解されることを見いだした。この安定性は,HPLC方法により決定して,この期間における分解産物(例えば酸分解およびアスパラギン酸におけるベータシフト)が最小量であったことにより証明された。図4を参照。特に安定な処方は,約0.1−4mg/mLのGLP−1分子を含む。
【0040】
本発明の”GLP−1分子”にはまた,GLP1と相同である毒トカゲの毒の6つのペプチドが含まれる。以下の表は,これらの配列をGLP1の配列と比較する。
【0041】
【表1】
【0042】
ペプチドcおよびhは,それぞれbおよびgから誘導される。天然に生ずる6個すべてのペプチド(a,b,d,e,f,およびg)は,位置1,7,11および18において相同である。GLP−1(7−36)アミドおよびエキセンジン3および4(a,b,およびd)はさらに,位置4,5,6,8,9,15,22,23,25,26および29において相同である。位置2において,A,SおよびGは,構造的に類似する。位置3において,残基DおよびE(AspおよびGlu)は構造的に類似する。位置22および23において,F(Phe)およびI(Ile)はそれぞれY(Tyr)およびL(Leu)と構造的に類似する。同様に,位置26において,LおよびIは構造的に同等である。
【0043】
すなわち,GLP1の30の残基のうち,エキセンジン3および4は,15の位置において同一であり,さらに5の位置において同等である。主要な構造的変化が明らかな位置は,残基16,17,19,21,24,27,28および30のみである。エキセンジンはまた,カルボキシ末端に9個の余分の残基を有する。
【0044】
PTH
本発明の別の好ましい態様にしたがえば,ペプチドはPTH分子である。本発明の文脈において用いる場合,”PTH分子”は,上皮小体ホルモン,上皮小体ホルモンの類似体,および上皮小体ホルモンの誘導体を含む。PTHは,カルシウムおよびリン酸代謝のホメオスタット調節における制御因子である。PTH活性の主な部位は骨格,腎臓,および胃腸管であると考えられている。
【0045】
ヒトPTH(1−34)(配列5)の配列:
Ser−Val−Ser−Glu−Ile−Gln−Leu−Met−His−Asn−Leu−Gly−Lys−His−Leu−Asn−Ser−Met−Gln−Arg−Val−Glu−Trp−Leu−Arg−Lys−Lys−Leu−Gln−Asp−Val−His−Asn−Phe
【0046】
本発明の別の態様にしたがえば,PTHの類似体を用いることができる。PTH類似体は当該技術分野において知られている。例えば,米国特許5,840,837は適当なPTH類似体を記載する。さらに別の態様にしたがえば,ペプチドはPTH誘導体,例えばPTH(1−84),PTH(1−37),およびPTHまたはその誘導体のC−末端アミデート化誘導体でありうる。特に好ましい態様にしたがえば,ペプチドはPTH(1−34),すなわち天然のヒトPTH(配列5)である。
【0047】
本発明者らは,本発明の処方中で約0.005−1.0mg/mLの濃度のPTH分子が4℃で4か月間安定であることを見いだした。特に安定な処方は,約0.02−0.10mg/mLのPTHを含む。
【0048】
GRF
本発明の別の好ましい態様にしたがえば,ペプチドはGRF(l−44)アミド(GRF)である。GRFは,44アミノ酸のペプチドである。GRFは,視床下部から分泌され,下垂体の成長ホルモン放出を刺激すると考えられているペプチドの群の1つである。GRFは小児期における正常な成長および発達に重要であり,(ソマトスタチンと一緒になって)GH分泌の神経制御を媒介することができる。GRFは,比較的小さく,したがって適当なベヒクルを用いて鼻吸入したときに有効でありうるため,閉経後骨粗鬆症および他の適応症の治療のために魅力的な分子である。
【0049】
本発明の文脈において用いる場合,”GRF分子”との用語は,成長ホルモン放出因子,成長ホルモン放出因子の類似体,および成長ホルモン放出因子レセプター蛋白質に結合する成長ホルモン放出因子の誘導体を含む。
【0050】
GRF(1−44)アミド(配列6)の配列:
Tyr−Ala−Asp−Ala−Ile−Phe−Thr−Asn−Ser−Tyr−Arg−Lys−Val−Leu−Gly−Gln−Leu−Ser−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−Gln−Asp−Ile−Met−Ser−Arg−Gln−Gln−Gly−Glu−Ser−Asn−Gln−Glu−Arg−Gly−Ala−Arg−Ala−Arg−Leu−NH2
【0051】
本発明の別の態様にしたがえば,GRFの類似体を用いることができる。生物学的活性を有するGRF類似体は当該技術分野において知られており,一般に約27−約44アミノ酸を含む。ただし,このような類似体は,GRFよりいくぶん効力が低いかもしれない。例えば,Kubiakら(J.Med.Chem.36,888(1993))は,適当なGRF類似体を記載する。GRF類似体の例としては,GRF(1−44)−OH,GRF(1−40)−OH,GRF(1−40)−NH2,GRF(1−32)−NH2,GRF(1−39)−NH2,GRF(l−40)−Phe−NH2,GRF(l−40)−Phe−OH,GRF(1−40)−Phe−Gln−NH2,GRF(1−29)−NH2,およびGRF(1−27)−NH2,およびこれらの組み合わせが挙げられる。別の態様にしたがえば,ペプチドはKubiakら(上述)に詳述されているようなGRF誘導体であってもよい。特に好ましい態様にしたがえば,ペプチドは配列6のアミノ酸配列を有するGRF(1−44)アミドである。GRFの特に安定な処方は,約1.0−10.0mg/mLのGRFを含む。
【0052】
緩衝液
処方の緩衝液は,わずかに酸性のpHを有するべきである。いかなる特定の理論にも制限されることを意図するものではないが,酸性条件がペプチドのアミド結合の安定性を増加させることが当業者には知られている。酸性条件は一般弱酸により与えられる。酸は約1x10−5より大きいまたは1x10−5より大きい値の酸解離定数を有する場合,すなわち,pKa<約5,またはpKa<5である場合,一般弱酸である。そのような酸としては,プロピオン酸,コハク酸,リンゴ酸,およびこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましい態様にしたがえば,酸は酢酸である。別の態様にしたがえば,酸は約1x10−5より大きいかまたは1x10−5より大きい値の酸解離定数を有することができる(例えばプロピオン酸または乳酸)。緩衝液は,緩衝化能力を有しており,酢酸塩,ホウ酸塩,リン酸塩,フタル酸塩,炭酸塩,およびこれらの組み合わせからなる群より選択することができる。1つの好ましい態様においては,ペプチドおよび賦形剤を含む溶液中に緩衝液が含まれており,pHを約3.0−約5.0の範囲にする。よく知られる試薬,例えば本明細書に記載されるような弱酸および水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等の強塩基を用いてpHを所望の範囲に調節することができることは当該技術分野においてよく知られている。別の好ましい態様においては,緩衝液のpHは3.0−5.0の範囲である。より好ましい態様においては,緩衝液のpHは約4.0−約5.0または4.0−5.0の範囲である。特により好ましい態様においては,緩衝液のpHは,約4.5−約5.0または4.5−5.0の範囲である。最も好ましい態様においては,緩衝液のpHは,約4.5−約4.7または4.5−4.7の範囲である。さらに別の最も好ましい態様においては,緩衝液のpHは,4.5,4.6または4.7である。緩衝液は好ましくは約1mM−20mM,より好ましくは約5−10mMの範囲のモル濃度を有する。
【0053】
等張賦形剤
賦形剤は,処方を体液(投与のモードに依存する)とほぼ等張にすることを助ける。賦形剤の濃度は,ペプチド処方中の張度調節剤の既知の濃度にしたがって選択される。好ましい賦形剤には,多糖類,例えば化学組成C12H22O11を有するラクトースまたはD−トレハロースが含まれる。本発明において特に好ましい賦形剤(この分脈においては”希釈剤”とも称される)は,化学組成C6H14O6を有するD−マンニトールである。他の好ましい賦形剤には,C1−C12の鎖を有するアルコールが含まれる。別の態様にしたがえば,賦形剤には,限定されないが,食塩水,緩衝化食塩水,デキストロース,水,グリセロール,エタノール,ラクトース,D−マンニトール,アルギニン,他のアミノ酸,およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0054】
新規処方
本発明の組成物は,臨床治療用の投与に非常に適した新規ペプチド処方である。これは,(1)滅菌することができる,(2)張度を制御することができる,(3)pHを調節することができる,および(4)種々の投与方法に適合性であるためである。本発明の処方の態様の予測しえなかった特徴は,比較的低いpHにもかかわらず,非経口的に投与したとき,患者において有害な副作用をほとんどまたは全く生じないことである。さらに,動物およびヒトでの研究において,ペプチドの皮下および静脈内注射のいずれによってもその機能を示す生物学的応答が生じた。
【0055】
本発明者らは,処方中でのペプチドの許容しうる溶解性は,低いpH範囲においても可能であることを見いだした。特に好ましい態様にしたがえば,処方が約4.0−5.0または4.0−5.0の範囲のpHを有するとき,少なくとも約2mgのGLP−1,少なくとも約4mgのPTH,または少なくとも約10mgのGRFペプチドが,緩衝液と賦形剤の組み合わせ約1mLに溶解する。これらの本発明の処方は,好ましくは,より高いpHの値における適切なペプチド溶解性のために必要とされる,界面活性剤,溶媒または他の補助剤または賦形剤等の薬剤を実質的に含まない。
【0056】
好ましい態様においては,本発明の処方は,酢酸,D−マンニトール,およびGLP−1分子,GRF分子,およびPTH分子からなる群より選択される分子を含み,約4.5−約4.7,または4.5−4.7のpHを有する。別の好ましい態様においては,本発明の処方は,本質的に,酢酸,D−マンニトール,および,GLP−1分子,GRF分子,およびPTH分子からなる群より選択される分子からなり,約4.5−約4.7,または4.5−4.7のpHを有する。別の好ましい態様においては,本発明の処方は,酢酸,D−マンニトール,およびGLP−1分子,GRF分子またはPTH分子からなる群より選択される分子からなり,約4.5−約4.7または4.5−4.7のpHを有する。さらに別の好ましい態様においては,本発明の処方は,約4.5のpH,約4.6のpH,約4.7のpH,4.5のpH,4.6のpH,または4.7のpHを有する。
【0057】
約4.0−5.0のpHの範囲は,ペプチドが生理学的pHにおいてやや不溶性であるとしても,注射部位における析出の問題を示さなかった。試験の結果は,GLP−1をヒト被験者に注射して10分以内に血中グルコースがオイグリセミックレベルに低下したことを示した。このことは,一般にペプチドが注射部位において析出しなかったことを示す。GLP−1またはGRF処方をヒトの皮下に約1mLの量で注射したとき,注射部位における明白な不快は生じず,血中に現れたペプチド薬剤のレベルにより評価して迅速な応答を生じた。
【0058】
本発明の処方は,ヒト被験者に注射したときであっても,驚くほど安定である。ペプチド分子の生物学的半減期は非常に短い。例えば,米国特許5,118,666によれば,GLP−1(7−37)の血中の生物学的半減期は3−5分間である。いかなる特定の理論にも制限されることを意図するものではないが,これらの本発明の処方の有効性は,部分的には,緩衝液の種類およびpHと賦形剤(例えば,D−マンニトール)の安定化効果との組み合わせにより生ずると考えられる。本発明者らは,ペプチドの分解の程度を定量することができるHPLC方法を開発した(図1を参照)。
【0059】
GLP−1を含む本発明の処方をヒト患者における臨床試験において用いたとき,有害な影響はほとんど生じなかった。そのような処方の10,000を越えるバイアルは,−20℃,4℃,および25℃で少なくとも9か月の期間安定であった。ペプチドがGRFまたはPTHである本発明の処方もまた,匹敵する安定性を示した(図3,5を参照)。
【0060】
表1を参照すると,10mM酢酸塩,5.07%(w/v)D−マンニトール,pH4.5中の1mg/mLのGLP−1の処方は,25℃で28日間にわたり少なくとも98%;37℃で28日間にわたり少なくとも92%,および50℃で28日間にわたり少なくとも66%の安定性を示した。さらに,このGLP−1処方は,4℃または−20℃で1か月保存したとき,純度の変化を示さなかった。追加の安定性実験は,この処方中のGLP−1が4℃で18か月以上,および25℃で6か月,少なくとも90%安定であることを示した。
【0061】
PTH(l−34)の0.1,1.0および10.0mg/mL,pH4.7,5.07%D−マンニトール,10mM酢酸塩の処方は非常に安定であり,−20℃から25℃の温度で14日間にわたり少なくとも約98%安定であった。PTH(1−34)は,50μg/mLで同じ処方中で,−20℃および5℃で6か月以上,25℃で3か月,少なくとも90%安定であることが示された。
【0062】
pH4.7,5.07%D−マンニトール,10mM酢酸塩中の,4,8,および10mg/mLのGRFの処方は,14日間にわたり,−20℃から4℃の温度で少なくとも98%,25℃で少なくとも96%,および50℃で63%の安定性を示した。延長された期間について試験した追加の処方は,4℃で12か月,および25℃で4−6週間,少なくとも90%の安定性を示した。
【0063】
したがって,本発明の処方は,非常に安定であり,おそらくは−20℃で数年間保存可能なペプチドを含む。また,より高い温度におけるこれらの分解により,これまでに同定され予測可能なフラグメントが生成する。これらの処方においては,検出可能な二量体形成および凝集はなかった。
【0064】
ペプチドの製造
本発明のペプチドは,ペプチド製造の分野で一般に知られる方法により製造することができる。例えば,ペプチドは,固相化学ペプチド合成により,または慣用的な組換え技術により製造することができる。”組換え”との用語は,所望のペプチドまたは蛋白質が組換え(例えば微生物または哺乳動物)発現システムに由来することを意味する。組換え製造の基本的工程および技術は組換えDNA技術の当業者にはよく知られている。例えば,(1)本発明のペプチド分子をコードする天然のDNA配列を単離するか,またはペプチド分子用の合成または半合成のDNAコーディング配列を構築し;(2)コーディング配列を,蛋白質を単独でまたは融合蛋白質として発現させるのに適当な様式で発現ベクター中に配置し;(3)適当な真核生物または原核生物宿主細胞を発現ベクターでトランスフォームし;(4)トランスフォームした宿主細胞をペプチド分子の発現を可能とする条件下で培養し;そして(5)組換え的に製造したペプチド分子を回収し,精製する。ペプチドは,例えば,限定されないが,硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱,酸抽出,アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー,ホスホセルロースクロマトグラフィー,疎水性相互作用クロマトグラフィー,アフィニティークロマトグラフィー,ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー等の方法により,組換え細胞培養物から回収し精製することができる。最終精製工程のためには,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。
【0065】
治療方法および投与
本発明の処方は,哺乳動物における疾病および病気の治療において種々の用途を有する。当業者は,本発明の処方を,GLP−1分子,GRF分子,またはPTH分子の非経口投与を必要とする任意の疾病または状態のために用いることができることを認識するであろう。GLP−1を含む処方は,糖尿病,過剰欲求,および肥満の治療に有用でありうる。PTHを含む処方は,骨成長不全および骨粗鬆症の治療に有用でありうる。GRFを含む処方は,骨粗鬆症およびるいそうの治療に有用でありうる。本発明の処方を注射した患者は,注射に際して最小限の刺激を有するかまたは全く有さず,成長ホルモン応答が生じ,これはペプチドが循環中に入ったことを示す。
【0066】
本発明の処方は,好ましくは,単位投与量形態で投与する。そのような形態中では,処方は,適当な量のペプチドを含む単位用量に分割されている。単位用量は,包装された製剤であることができ,包装は個々の量のペプチドを含む。例えば,バイアルまたはアンプル中の可溶化ペプチドを含む液体,包装された錠剤,カプセル,およびバイアルまたはアンプル中の粉体でありうる。特定の状況についての適切な用量の決定は当業者の技術の範囲内である。一般に,治療は,製剤の最適用量より少ない用量で開始される。その後,その状況下において最適な効果が達成されるまで用量を少しずつ増加する。便宜的には,所望の場合には,1日の総用量を分割し,その日の間に一部ずつ投与する。
【0067】
典型的な単位用量は,GLP−1を含む処方については約0.1−2mgまたは0.1−2mgであり,PTHを含む処方については約10−50μgであり,GRFを含む処方については約1−8mgまたは1−8mgであるが,これらの量より多いまたは少ない用量も用途を有するかもしれない。特に好ましい態様にしたがえば,用量は,約1mg/mLのGLP−1,約50μg/mLまたは50μg/mLのPTH,および約1−4mg/mLまたは1−4mg/mLのGRFの液体処方であり,商業的施設(例えば,SP Pharmaceuticals,New Mexico)において各用量を標準的な3mLバイアル中に作成し,充填する。
【0068】
本発明の処方は,主としてヒト被験者への投与を意図するものであるが,他の哺乳動物被験体,例えばイヌおよびネコに投与してもよい(例えば獣医学的目的のために)。処方はまた,好ましくは,例えば,Pacesetter Systems,Inc.,Californiaから市販のMiniMed(登録商標)プログラム可能投薬注入ポンプを用いて,連続的皮下輸送として投与することができる。インビトロおよびインビボ研究は,MiniMedポンプの部品への処方の吸着が最小限であることを示す。さらに,好ましい態様においては,処方を等張食塩水で40倍までに希釈し,ポンプ,例えばHarvard Pump(Harvard Apparatus,MA)により,生物学的活性の喪失もペプチドの吸着もなしに輸送することができる。
【0069】
図6を参照すると,4℃および37℃でガラスバイアル中およびMiniMedポンプシステムのポリプロピレン貯蔵器中に保存したGLP−1処方の安定性,ならびに6日間ポンプ注入された処方の安定性の実験は,高い安定性を示し,このことは,この期間中にわたって物質の減損もペプチドの分解もない,輸送方法としての有用性を示す。
【0070】
GLP−1およびGRFの好ましい処方を用いた,ヒト被験者における静脈内および皮下輸送の両方の広範な経験は,有意な合併症なしにペプチドが良好に輸送されることを示し,患者からの炎症または不快の報告はほとんどなかった。別の態様にしたがえば,処方は他の手段,例えば皮下またはマイクロプレッシャー注射,外部または移植ポンプ,デポ注射,および他の延長適用用投与装置により輸送することができる。あるいは,別の態様においては,本発明の処方を含むシリンジを用いることができる。そのようなシリンジは,GLP−1分子の自己投与のために用いることができる。そのようなシリンジは当該技術分野においてよく知られている。例えば,米国特許5,980,491および5,984,900を参照。
【0071】
本発明の別の態様にしたがえば,処方は滅菌することができる。本発明の文脈において用いる場合,”滅菌”との用語は,無菌的であるか,または実質的に微生物を含まないことを意味する。当該技術分野において知られる種々の方法,例えば,限定されないが,物理学的方法(例えば加熱,音波,光線,放射,吸着,濾過)および化学的方法(例えば防腐薬)により,実質的にすべての微生物を破壊または除去することによって,処方を滅菌することができる。
【0072】
本発明の処方は,本発明の精神または本発明の中心的特徴から逸脱することなく,他の特定の形態で具体化することができる。記載される態様は,すべての点において,例示的なものであって制限的なものではないと考えるべきである。したがって,本発明の範囲は,上述の説明ではなく特許請求の範囲により示される。特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に含まれるすべての変更は,本発明の範囲内に包含される。例えば,本発明の処方は,薬学的に許容しうる保存剤,張度調節剤,ペプチドの作用を助ける補助剤または補助的薬剤,ペプチド用の賦形剤または不活性担体,界面活性剤,例えばTWEEN80,またはペプチドの溶解性を増加させる溶媒を含んでいてもよい。
【0073】
以下の実施例および製剤は,本発明の処方の製造,安定性および有効性をさらに例示するためにのみ提供される。本発明の範囲は以下の実施例に限定されない。
【0074】
実施例
実施例1
GLP−1,PTH,およびGRFを,塩化物塩として,表1に示すpH値で処方中に溶解し,1mL管ガラスバイアル中に分取し,ヘルヴォート・オムニフレックス(Helvoet Omniflex)ストッパーおよび金属クリンプシール(SP Phannaceuticals,KM)で密封した。バイアルは,示される温度で示される時間保存した。試料を取り出し,HPLCにより逆相C18(1x15cm)分析カラムを用いて元のペプチドの減損を分析した。試料(10μl)を直接注入し,0.1%トリフルオロ酢酸の存在下で水中アセトニトリルの勾配で分離した。示される時間において残存するペプチドのパーセンテージは,無傷のペプチドの面積を無傷のペプチドと分解産物の合計面積で割り,100を乗じて計算した。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例2
種々の処方中におけるGRF(l−44)アミドの安定性を調べた。GRF(l−44)アミドを表2に記載されるように処方し,種々の温度における7日後の純度を,Beckman HPLC(Beckman Instruments,CAから市販)を用いて,逆相C18分析カラムを用いて,0.1%トリフルオロ酢酸の存在下で水中の増加するアセトニトリルの勾配で測定した。
【0077】
【表3】
【0078】
表2のデータは,炭酸塩(処方C,F,I)はペプチドの分解を促進するようであることを示す。ラクトース(処方B,C,D)は,いずれの条件下においても,ペプチドの分解の防止についてはD−マンニトール(処方E,F,G)より劣っているようであり,D−トレハロース(処方H,I,J)はD−マンニトールとほぼ同程度にペプチドを安定化させるようである。酢酸塩処方(処方B,E,H)における主要な分解産物は,酸分解およびアスパラギン酸におけるベータシフトであった。炭酸塩(処方C,F,I)における主要な分解産物は不明であった。
【0079】
好ましい処方の独特の特性,特にGLP−1を用いる場合の特性が表3に示される。表では,GLP−1を用いて1mg/mLの等張処方を調製する多くの試みが失敗し,これは主として,光スキャッタリングおよび沈澱/ゲル形成により証明されるように,粒子の形成によるものである。標準的な可溶化賦形剤,例えばTween80を用いた場合においても観察された明白な光スキャッタリングのため,このような処方は次善のものであり実用的ではない。
【0080】
【表4】
【0081】
実施例3
好ましい態様における長期安定性
GLP−1,GRF,およびPTHは,SP Pharmaceuticalsにおいて,cGMPガイドラインにしたがって,ヘルヴォートストッパーおよび金属シールを有する3mLガラスバイアル中で,10mM酢酸塩,5.07%D−マンニトール中に処方した。1mLの処方された薬剤を含むバイアルを恒温チャンバに入れ,種々の温度で保存した後の時間の関数として残存したペプチドのパーセントをアッセイした。各時点における処方の生物活性も測定した。
【0082】
図3,4,および5は,分解(HPLCにより測定)および/または生物活性により評価して,処方が−20℃および4℃で少なくとも9か月間非常に安定であることを示す結果を示す。GLP−1処方の安定性データは図4に示され,PTH処方の安定性データは図5に示される。
【0083】
PTHの生物活性は,Parsonsら(Endocrinology 92,454(1973))のひな鳥高カルシウム血症アッセイにより測定した。GLP−1の生物活性は,構成的に発現するGLP−1のレセプターを含む,トランスフォームしたヒト腎臓である胎児腎臓293細胞株を用いて測定した。GRF活性は,GRFレセプターを発現する細胞株を用いて,cAMP応答性分泌アルカリホスファターゼレポーターシステムにより細胞のGRFに対する応答をモニターすることにより,同様に評価した。
【0084】
実施例4
pHの関数としてのGLP−1の溶解性を調べたところ,図2に示されるpH−溶解性プロファイルを有することが示された。このホルモンは,酸性条件(pH<4)で最大の溶解性を有するが,5およびそれ以上のpH値では溶解性は1mg/mLより低い。pH4.6においては,溶解性は約12mg/mLである。
【0085】
実施例5
好ましい処方がペプチドを動物に迅速かつ有効に輸送することを示すために,好ましい処方中のGLP−1をラットに皮下注射して,血漿のGLP−1を慣用的な総GLP−1用のイムノアッセイにより時間の関数としてアッセイした。図7に示されるように,注射されたGLP−1は,血漿レベルの迅速な増加を引き起こし,このことは,ペプチドが迅速かつ有意に輸送されたことを示す。同様に,図8は,10mM酢酸ナトリウム,5.07%D−マンニトール,pH4.7中に処方した20μgのGRFを静脈内ボーラスでラットに投与したとき,ペプチドが血漿中に迅速に現れたことを示す。
【0086】
実施例6
処方され24時間連続的に皮下に輸送されたGLP−1は,ヒトにおいて,基底レベルの約6倍高いGLP−1の血漿濃度を生じた。すなわち,5.07%D−マンニトールおよび10mM酢酸ナトリウム(pH4.5)に1mg/mLで溶解したGLP−1をMiniMed507注入ポンプ中に入れ,ヒト被験者の皮下に2.4pmol/kg/minの速度で24時間輸送した。ラジオイムノアッセイにより測定した注入前の血漿中の平均(n=7)基底GLP−1濃度は24.7pMであり,注入中の濃度は147pMであった。このことは,処方の連続的皮下注入により,血漿GLP−1が実質的に増加することを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,ペプチドの純度分析のための逆相HPLCの使用の例を示す。
【図2】図2は,本発明の処方中のGLP−1の溶解性を示す。
【図3】図3は,本発明の処方中のGRFの安定性を示す。
【図4】図4は,本発明の処方中のGLP−1の安定性を示す。
【図5】図5は,本発明の処方中のPTHの安定性を示す。
【図6】図6は,本発明の処方中のGLP−1の安定性を示す。
【図7】図7は,GLP−1を本発明の処方中で皮下注射したときのラットの応答を示す。
【図8】図8は,GRFを本発明の処方中で静脈内投与した後に,ラットの血漿中で検出された総GRFを示す。
Claims (14)
- GLP1分子,およびGRF分子およびPTH分子からなる群より選択される分子;1x10−5より高い値の解離定数を有する酸;および賦形剤を含む医薬組成物であって,前記組成物のpHが約3.0−5.0であることを特徴とする医薬組成物。
- 前記酸が酢酸を含む,請求項1記載の組成物。
- 前記賦形剤がD−マンニトールである,請求項1記載の組成物。
- 前記酸が酢酸であり,前記賦形剤がD−マンニトールである,請求項1記載の組成物。
- 前記組成物がGLP−1(7−36)アミドを含む,請求項1記載の組成物。
- 前記組成物がGRF(l−44)アミドを含む,請求項1記載の組成物。
- 前記組成物がPTH(1−34)OHを含む,請求項1記載の組成物。
- 前記組成物が単位投与量の形態中にある,請求項1記載の組成物。
- 前記組成物が滅菌されている,請求項1記載の組成物。
- 医薬組成物を投与するためのシステムであって,単位用量の請求項1記載の組成物を投与するための注入ポンプを含むシステム。
- 前記組成物が,投与前に等張食塩水で約40倍までに希釈される,請求項10記載のシステム。
- 哺乳動物において疾病または状態を治療する方法であって,哺乳動物に薬学的に有効量の請求項1記載の組成物を投与することを含む方法。
- 疾病または状態が,糖尿病,過剰欲求,肥満,発作,虚血,再灌流障害,グルコース代謝障害,外科手術,昏睡,ショック,胃腸疾病,消化ホルモン疾病,アテローム性動脈硬化症,心臓疾病,妊娠糖尿病,肝臓疾病,肝硬変,グルココルチコイド過剰,クッシング病,外傷または疾病後に生ずる活性化された逆制御ホルモンの存在,高トリグリセリド血症,慢性膵炎,非経口摂取の必要,骨粗鬆症,および外科手術または創傷後の異化状態からなる群より選択される,請求項12記載の方法。
- 前記組成物が,静脈内,皮下,連続的,間欠的,非経口,およびこれらの組み合わせからなる群より選択される方法により前記哺乳動物に投与される,請求項12記載の方法。
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