JP2004512750A - 通信アーキテクチャ - Google Patents

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Abstract

本発明は新規の通信アーキテクチャを提供する。このアーキテクチャは、通信ネットワーク内の各加入者に対する加入者エージェントを含む。この加入者エージェントは、加入者の電話番号と通話機能を含む。このネットワークはまた端末エージェントも含み、これらのエージェントは電話などの1つ以上の端末に直接関連付けられる。加入者エージェントをネットワーク内の1つ以上の端末エージェントに関連付けることができるため、加入者の電話番号や通話機能のセットをネットワーク内のあらゆる端末に運ぶことができる。このアーキテクチャは、広範囲の通話機能や端末をサポートすることができる。

Description

【0001】
本発明は、通信システムで向上した機能を提供するシステム、装置及び方法に関する。より具体的には、本発明は加入者を異なる通信端末に関連付ける通信アーキテクチャに関する。
【0002】
公衆交換電話網(PSTN)はその開始以来著しい進歩をとげてきた。光ファイバケーブル及び衛星は、膨大な数の電話通話を同時に支持することができる。シグナリングシステム7(SS7)プロトコル及び高度インテリジェントネットワーク(AIN)は、転送、ボイスメールなどの多数の向上した通話機能のサポートを提供する。こうした進歩にも関わらず、依然としてPSTNはその本質において、加入者の電話線間の接続を完成することで加入者間の電話通話を確立しており、このことが、回路交換網としての現在のPSTNをPSTNが最初に考案された際の通話の完成方法と概念上同一にさせている。PSTNアーキテクチャに固有なのは、各加入者が物理的な電話線に一意に関連付けられるという模範である。したがって加入者の電話番号とその加入者が所望する通話機能もまた同一の物理的な電話線に関連付けられ、このことが近代技術によってサポートされるであろう充実した機能のさらなる形成を抑えつけている。
【0003】
例えば、SS7は既存のPSTN内で地域番号ポータビリティを実行する幾つかの方法を提供するにも関わらず、加入者と電話線との間の一意の関連付けによって地域番号ポータビリティを実行する際に問題を生じる。さらに発信者IDやキャッチホンなどの通話機能は加入者の電話線でのみアクセス可能なため、加入者が別の電話線を使用している場合はその加入者はこれらの機能にアクセスすることができない。
【0004】
PSTN構造に関する別の限界は、転送機能の典型的な実行に関する。1人の加入者と1本の電話線との一意的な関連付けのために、第1の加入者が自分の電話線を第2の加入者の電話線に転送した場合、第1の加入者への発信者は第2の加入者が応答すると混乱するであろう。どんな場合でも、第1の加入者の電話が転送されたならば、発信者は第1の加入者のボイスメールにメッセージを残すことができず、第1の加入者の電話を使用する者は誰も電話の着信を受けることができない。なぜならこのような通話全てが第2の加入者の電話に転送されてしまうからである。
【0005】
ネットワークアーキテクチャのさらなる柔軟性をPSTNの外に見出すことができる。例えばWO−9925071−A2号公報ではデータネットワークアーキテクチャが教示されており、このアーキテクチャによってユーザはネットワークに分散して接続する種々のクライアント装置(例えばコンピュータ端末、携帯電話又はPDA)を介してネットワークからのデータにアクセスできる。WO−9925071−A2号公報は、クライアント装置の機能を記憶するネットワークのデータベースとユーザのプロフィールを含むネットワークの第2のデータベースについて教示している。ユーザが特定のクライアントにアクセスすると、ネットワークはまずそのクライアントの機能を決定し、次いでそのユーザが加入しているサービスを決定し、加入しているサービスに基づいてユーザに対してアクセスを許可し、アクセスしたデータがクライアント装置に表示できるようにデータの適切なフォーマット変換を行う。しかしながらWO−9925071−A2号公報は、eメールのアクセス又はウェブブラウジングなどの非リアルタイムサービスに限られている。WO−9925071−A2号公報は幾つかの種類の音声サービス(即ち、ボイスメールの検索又はeメールの文字−音声変換)を想定しているが、WO−9925071−A2号公報では音声電話通話などのエンドツーエンドリアルタイムアプリケーションを管理するネットワークについては教示していない。結果としてWO−9925071−A2号公報はPSTNに対する実行可能な代替を提示していない。
【0006】
全体として、既存のネットワークアーキテクチャが幾つかの充実した機能の正確な実行を抑えていることが分かり、このような機能を容易にサポートできる新規の構造の提供が望まれる。
【0007】
本発明の目的は、上に指摘した従来技術の欠点の少なくとも1つをなくすか又は緩和する新規の通信アーキテクチャを提供することである。
【0008】
本発明の1態様では、加入者間の通信を支持するためのネットワークと、該ネットワークを端末とインタフェースさせる、ネットワーク上で実行する少なくとも1つの端末エージェントとを含む通信アーキテクチャ(テレコミュニケーションアーキテクチャ)が提供される。このアーキテクチャはまた、加入者の1つに属する、ネットワーク上で実行する少なくとも1つの加入者エージェントも含む。加入者エージェントは少なくとも1つの端末識別子を有する。各端末識別子は各端末エージェントを指すためのもので、そのことによって加入者の1つは端末エージェントの1つに対する端末からネットワーク上の通信を確立することができる。
【0009】
本発明の別の態様では、各端末との接続のための少なくとも1つの加入者回線インタフェースと、ネットワークへの接続のためのネットワークインタフェースと、加入者回線インタフェースとネットワークとを相互接続する処理ユニットであって、加入者に関連付けられた加入者エージェントと各端末に対する端末エージェントとを実行するように動作可能な処理ユニットと、加入者をネットワークに対して識別し、端末エージェントを指してネットワークと端末エージェントとの通信を支持するように構成可能な加入者エージェントと、端末を使用する加入者がネットワーク上の通信を実行できるように、端末と処理ユニットとの通信を端末の機能に応じて加入者回線インタフェースを介して管理する端末エージェントとを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、加入者への着信をセットアップする方法が提供されており、この方法は、加入者との通話を確立したいという要求を受け取るステップと、その加入者のプロフィールを獲得するステップと、プロフィールに記憶された基準にしたがって通話に適した端末を選択するステップと、通話をその端末に接続するステップとを含む。
【0011】
本発明の別の態様では、加入者を端末に関連付ける方法が提供されており、この方法は、端末に関連付けられる加入者から要求を受け取るステップと、この要求を出した加入者のプロフィールを獲得するステップと、この加入者への通話が端末に向けられることを示すようにプロフィールを更新するステップとを含む。
【0012】
上記の方法のいずれかの特定の態様では、加入者の通話機能をプロフィールに挙げた通話機能にしたがって端末に提供するステップがさらにある。
【0013】
本発明の別の態様では、発信をセットアップする方法が提供されており、この方法は、ある端末から通話を確立したいという要求を受け取るステップと、この要求を出した加入者のプロフィールを獲得するステップと、プロフィールに挙げた基準にしたがって通話を接続するステップとを含む。
【0014】
上述の方法のいずれかの特定の態様では、プロフィールが加入者エージェントである。
【0015】
上述の方法のいずれかの特定の態様では、選択ステップが端末との通信を管理する端末エージェントを選択するステップを含み、接続ステップが、加入者エージェントに端末エージェントを指させ(ポイントさせ)、ポインタにしたがって接続を確立するステップを含む。
【0016】
上述の方法のいずれかの特定の態様では、端末エージェントは、端末の機能にしたがって通信を管理するようにさらに動作可能である。
【0017】
本発明の別の態様では、ネットワークと少なくとも1つの端末とを相互接続する処理ユニットを有するスイッチで実行可能でソフトウェア構造が提供されており、このソフトウェア構造は、端末の各々との通信をその端末の機能にしたがって管理する少なくとも1つの端末エージェントと、加入者に関連付けられた加入者エージェントであって、端末エージェントの1つを指すように構成可能で、スイッチ上で実行する場合は、加入者が端末エージェントに対する端末からネットワーク上の通信を確立できるように動作可能な加入者エージェントとを含む。
【0018】
本発明は新規の通信アーキテクチャを提供する。このアーキテクチャは、通信ネットワーク内の各加入者に対する加入者エージェントを含む。この加入者エージェントは、加入者の電話番号と通話機能を含む。このネットワークはまた、電話などの1つ以上の端末に直接関連付けられた端末エージェントも含む。加入者エージェントをネットワーク内の1つ以上の端末エージェントに関連付けることができるため、加入者の電話番号や通話機能のセットをネットワーク内のあらゆる端末に運ぶことができる。このアーキテクチャは、広範囲の通話機能や端末をサポートすることができる。
【0019】
本発明の好適な実施形態を貼付図面を参照して例示の目的のみで説明する。
【0020】
本発明の1実施形態の通信アーキテクチャを説明する。図1を参照すると、スイッチ120は通信ネットワーク124と1対の電話線128を相互接続する。
【0021】
通信ネットワーク124は、PSTN、パケット交換データ網又はこれらの組合せでよい。したがってスイッチ120がSS7プロトコルに基づかない場合、適切なPSTNゲートウェイをスイッチ120とPSTNとの間で使用することができ、スイッチ120を残りのPSTNに対してSS7スイッチであるかのように動作させることでPSTNにわたって音声通信を実行するように動作可能である。
【0022】
本実施形態では、電話線128はPOTS電話線に一般に使用されるツイストペアの銅線の典型的なセットであり、1対の端末132(本実施形態ではPOTS電話)をスイッチ120に接続する。電話線128はそれぞれ加入者回線インタフェース136に接続し、これらのインタフェースはスイッチ120と一体化した回線カードラック136内に取り付けられる。
【0023】
(本発明の他の実施形態では、電話線128は対応する種類の端末132に接続するあらゆる種類のリンクであってよい。例えば回線128はCDMA、OFDM、TDMAなどに基づいたワイヤレスリンクでもよく、端末132は回線128を介して通信するための適切なトランシーバを備えた移動、固定又はノマディックワイヤレス電話でもよい。ワイヤレスシステムでは、加入者回線インタフェース136はスイッチ120内でワイヤレストランシーバとなり、スイッチ120は概念上ワイヤレス基地局となる。回線128の代わりに使用できる他の種類のリンクは当業者には明らかであろう。)
【0024】
スイッチ120は、ネットワーク124と回線128とのトラフィックを交換するコントローラ144も含む。またスイッチ120は、ネットワーク124と回線128との間で通話を接続するためにコントローラ144が使用する情報を記憶する記憶装置148も含む。より具体的には、記憶装置148は2つの端末エージェント152a及び152bを記憶する。記憶装置148はまた2つの加入者エージェント154a及び154bも記憶する。
【0025】
端末エージェント152a及び152bはそれぞれ電話線128及び128bに一意に関連付けられる。したがって各端末エージェント152は、端末エージェント152をそれぞれの電話加入者回線インタフェース140に一意に関連付ける回線識別子を含む。典型的には、端末エージェント152はその端末132の種類、特徴及び機能性に関する情報も含む。例えば端末132a及び132bはPOTS電話なので、端末エージェント152は、POTS電話は音声による電話通話しかできないことや、グラフィカルユーザディスプレイを含まないために発信者ID情報を受信することができないこと、といったこれらのPOTS電話に関する情報を保持する。
【0026】
しかしながら加入者エージェント154a及び154bは電話線128に一意に関連付けられない。その代わり加入者エージェント154a及び154bは加入者に一意に関連付けられるため、各加入者エージェント143は典型的に加入者の電話番号と加入者が加入する通話の機能のリストを含む。加入者エージェント154はまた、加入者エージェント154を1つ(又はそれ以上)の端末エージェント152に関連付ける端末識別子も含む。以下により詳細に説明するように、端末識別子を加入者の要望に応じて変更することができる。
【0027】
記憶装置148はスイッチ120内に物理的に配置されているものとして示されているが、装置148に記憶されているデータが他のスイッチによってアクセスできるように、記憶装置148を(例えば分散させて)実行するのが現在は好ましい。端末エージェント152はそれぞれスイッチ120に接続する常に同じ端末132に関連付けられているが、加入者エージェント154は異なるスイッチ120に接続する1つ以上の端末132に関連付けられることが予測できる。
【0028】
図1はスイッチ120をそのハードウェア構造の視点から示しているが、本実施形態をさらに説明するためには、図2に示すようにスイッチ120をそのソフトウェア構造の視点から示すのが有用である。図2を参照すると、スイッチ120と同一の2つのスイッチ120及び120が各々のソフトウェア構造の視点から示されている。電話線128a...128dはそれぞれ端末エージェント152a...152dを介してスイッチ120に接続する。
【0029】
各端末エージェント152a、152b、152c及び152dが点線によって加入者エージェント154a、154b、154c及び154dそれぞれに相互接続されているのが示されている。この点線による相互接続は、加入者エージェント154a、154b、154c及び154d内の端末識別子がそれぞれ端末エージェント152a、152b、152c及び152dを指すことを表す。
【0030】
したがってネットワーク124から加入者エージェント154aの電話番号への着信はスイッチ120に向けられ、そして加入者エージェント154aに向けられる。次いで加入者エージェント154a内の端末識別子が端末エージェント152aを指すことでその着信を回線128aに向け、これによって電話端末132aが鳴る。
【0031】
同様に、端末132aから発信があると、スイッチ120は以下のことを識別する。つまり、端末エージェント152aを介して通話がなされており、その通話は加入者エージェント154aに関連付けられた加入者によってなされているため、その通話に対する請求は通常加入者エージェント154aに関連付けられた加入者に対して行い、その同じ加入者に属する通話の機能(即ち、キャッチホン、発信者IDなど)のセットはその加入者が利用できる、ということである。
【0032】
図2に示す本実施形態は、その現行の構成では、加入者の見解からすると従来技術の中央局交換と実質的に同様に動作すると理解されるであろう。しかしながら従来技術と対照的に、図2に示す実施形態を新規の動作を提供する異なる構成となるようにダイナミックに構成することができる。より具体的には、任意の加入者エージェント154a、154b、154c又は154dの端末エージェントを1つ以上の端末エージェント152a、152b、152c又は152dを指すように変更することができる。
【0033】
例えば図3は図2のスイッチ120を示すが、そこでは加入者エージェント154aの端末識別子が端末エージェント152bを指すように変更されており、加入者エージェント154bの端末識別子が端末エージェント152aを指すように変更されている。したがって加入者エージェント154aに関連付けられた電話番号への着信は電話線128bに向けられ、加入者エージェント152aに関連する電話番号への着信は電話線128aに向けられる。同様に、これら加入者エージェント154a及び154bのそれぞれに関連付けられた通話機能のセット全体は、電話線128bと128aのそれぞれで利用可能となる。
【0034】
ある端末132から別の端末132への通話の転送は、特定の加入者エージェント154内の端末識別子を一時的に変更するだけで実行可能なことも明らかであろう。例えば図6は図4のスイッチ120を示しており、そこでは加入者エージェント154cの端末識別子が端末エージェント152dを指すように変更されている。したがって加入者エージェント154cに関連付けられた電話番号への着信は電話線128dに向けられる。一旦加入者エージェント154cを所有する加入者が自身の電話を端末エージェント152cから端末エージェント152dへと「転送」してしまうと、加入者は物理的に端末132d付近に存在することになり、まるでこの加入者が端末132cにいるかのうように全ての着信を受け、同じ通話機能の全てにアクセスすることが可能となる。
【0035】
図6の構成によると、加入者エージェント154c及び154dの両方が同じ端末エージェント152dを指していることにも注目されたい。この構造によると、加入者エージェント154c及び154dに端末エージェント152dに対して自身を識別させることが望まれる。そうすることによって、端末エージェント152dは端末132dで別個の着信音を使用して加入者エージェント154c又は154dのいずれかからの着信を区別することができる。或いは端末132dにグラフィカルディスプレイが備えられているならば、どちらの加入者が着信を受けているかを示すメッセージをそこに表示することができる。
【0036】
記憶装置148の分散特徴のために、加入者エージェント154の端末識別子内で識別された端末エージェント152にしたがって加入者エージェント154を異なるスイッチ120でインスタンス生成することが可能なことも理解されたい。例えば図5に示すように、ユーザエージェント154aはスイッチ120でインスタンス生成され端末エージェント152dを指すものとして示されている。
【0037】
本発明の別の実施形態を図6に示す。そこでは4つのスイッチ120、120...120がそれぞれネットワーク124によって相互接続されている。図6のスイッチ120、120は、図1〜5のスイッチ120、120と同じである。しかしながら図1〜5に示す実施形態と対照的に、図6の実施形態はさらに2つのスイッチ120及び120を含み、これらのスイッチはそれぞれスイッチ120、120とは異なる端末エージェント152及びこれに対応する端末132を有する。さらに図6に示すように、追加のスイッチ120及び120は加入者エージェント154を含まないが、スイッチ120及び120は、端末エージェント152を指す端末識別子を有する適切な加入者エージェント154をインスタンス生成するように動作可能である。
【0038】
スイッチ120は端末エージェント152e、銅製のツイストペアリンク128eを介して多機能電話端末132eに接続する。スイッチ120はまた、端末エージェント152f、イーサネット(登録商標)リンク128fなどを介してラップトップコンピュータ端末132fにも接続する。端末エージェント152e及び152fは、端末132の機能性に基づいてそれぞれの端末132と相互作用するように構成されている。例えば多機能電話端末132eはグラフィックディスプレイを含む。したがって端末エージェント152eは、加入者エージェント154が発信者IDに加入しているならばこのグラフィックディスプレイに発信者IDストリームを渡すように構成されている。同様にラップトップコンピュータ端末132fはスピーカとマイクロホンを含む。したがって端末エージェント152fは、イーサネット(登録商標)リンク128fで運ぶことができ、ネットワーク124にわたる音声の電話通話を実行するためにラップトップコンピュータ132fが利用できるデータフォーマットに音声トラフィックを変換するプロトコル及びソフトウェアを含む。コンピュータ端末132fに送られた発信者IDストリームを、着信の発信者の名前と番号を単に示す以外に、又はこの代わりに着信の発信者の写真を端末132fのディスプレイに示すことなどの、端末132f上での種々の向上した機能のために使用することができる。
【0039】
スイッチ120は、端末エージェント152g、ワイヤレスリンク128gを介して携帯電話端末132gに接続する。スイッチ120はまた、端末エージェント152h、ワイヤレスリンク128hを介してページャ端末132hにも接続する。端末エージェント152g及び152hは、各々の端末132の機能性に基づいてこれらの端末132と相互作用するように構成される。例えば携帯電話端末132gはグラフィックディスプレイを含む。したがって端末エージェント152gは、加入者エージェント154が加入しているならばそのグラフィックディスプレイにショートメッセージングサービス(SMS)データストリームを渡すように構成される。同様にページャ端末132はグラフィックディスプレイとビーパしか含まない。したがって端末エージェント152fは、加入者エージェントが端末エージェント152fに付加されるように、音声応答録音装置(IVR)システムを着信音声の発信者に提供するためのソフトウェアを含む。IVRシステムはその着信の発信者に数字によるメッセージを残すように促し、このメッセージはページャ端末132hに表示することができる。しかしこのシステムは着信音声の接続を阻止する。
【0040】
図6の実施形態の動作方法の例を説明する。説明のために、加入者エージェント154aに関連付けられたる加入者の名前が「ビル」で、電話番号が555−555−5555であると仮定する。さらにビルは発信者IDに加入していると仮定する。したがって加入者エージェント154aは、ビルの名前、電話番号、ビルが加入者IDに加入していること及びビルのサービスに関連付けられた他の全ての情報を持っていることになる。
【0041】
ビルの自宅の電話は電話端末132aで、ビルの自宅の建物に配置されていると仮定する。さらに図6に示すように、ビルの加入者エージェント154aの端末識別子は現在端末エージェント152aを指していると仮定する。そのため、ビルへのあらゆる着信はビルの自宅の端末132aで鳴ることになる。
【0042】
最後に、端末132e、132f、132g及び132hも全てビルが所有すると仮定する。即ち、端末132eはビルのオフィスの電話で、端末132fはビルの作業用コンピュータで、端末132gはビルの携帯電話で、端末132hはビルのページャであると仮定する。
【0043】
実施形態の動作の例示的な説明を図9を参照して続ける。この図では、ビルの加入者エージェント154aが端末エージェント152gを指している、つまりビルへの着信やビルの通話機能のセットを携帯電話132gに向けているところが示されている。ビルは、その端末識別子を端末エージェント152aから端末エージェント152gに変更するように加入者エージェント154aに指示する電話端末132aからのIVRメニューシステムを使用することによって、又は加入者エージェント154aにアクセスする能力をビルに与える(任意のインターネット実行可能な装置による)ウェブブラウザインタフェースを使用することなどによって、加入者エージェント154aを端末エージェント152aから端末エージェント152gに向け直すためにあらゆる適切な手段を使用できる。したがって、ビルの電話番号「555−555−5555」にダイヤルする発信者は、彼の携帯電話端末132gで彼とつながることができる。同様に、ビルの加入者エージェント154aは彼が発信者IDの通話機能の加入者であることを示しているため、着信の発信者の電話番号は携帯電話端末132gに表示される。
【0044】
実施形態の動作の例示的な説明を図10を参照して続ける。この図では、ビルの加入者エージェント154aが端末エージェント152e及び152fを指しているので、ビルに対する着信を端末132e及び132fに向け、ビルの通話機能のセットをこれらの端末に伝送しているところが示されている。電話端末132gからのIVRメニューシステムを使用することによって、或いはユーザIDとパスワードをコンピュータ端末132fに入力することでこの端末がビルをスイッチ120に効果的にログインさせそこに加入者エージェント154aをインスタンス生成するといった照合手順を端末132e又は132fのいずれかで使用することによって、端末エージェント154aを端末エージェント152gから端末エージェント152e及び152fに向け直すためにビルはあらゆる適切な手段を使用できる。したがってビルの電話番号「555−555−5555」にダイヤルする発信者は、多機能電話端末132e又はラップトップコンピュータ端末132fのいずれかでビルにつながることができ、ビルには端末132eを用いたプライベート通話又は端末132fを用いたハンズフリー通話のオプションが与えられる。ビルの加入者エージェント154aは彼が発信者IDの通話機能の加入者であることを示しているため、着信の発信者の電話番号は端末132e及び132fに表示される。
【0045】
加入者エージェント154aの種々の規則、照合手順、端末ポインタ及び他の動作はサービスプロバイダ及び/又は加入者によって任意の適切な入力装置を用いてプログラム可能であることが予測できる。例えば図8に示す構成を使用すると、ビルはラップトップコンピュータ端末132fのユーザインタフェースにアクセスして加入者エージェント154aの種々の規則、照合手順、端末ポインタ及び他の動作をプログラム可能であることが予測できる。あらゆる所望の種類の動作基準をプログラム可能である。例えば、日時や異なる端末132の電力オン状態などの多数の基準に応じて異なる端末エージェント152を指すように、加入者エージェント154aをプログラム可能である。例えば、携帯電話132gが「オン」になり端末エージェント152gに対して識別された場合いつでも端末エージェント152gを指すように、加入者エージェント154aをプログラム可能である。或いは/さらに、1)午後6時〜午前8時は端末エージェント152a(即ちビルの自宅の電話)を指し、2)午前8時〜午前9時と午後5時〜午前6時は端末エージェント152g(即ちビルの携帯電話)を指し、3)午前9時〜午後5時は端末エージェント152e及び152f(即ちビルのオフィスの電話とオフィスのコンピュータ)を指すように、加入者エージェント154aをプログラム可能である。加入者エージェント154aが異なる端末エージェント152を指すための他の基準は当業者には明らかであり、本発明の範囲内である。例えばビルが応答しない場合又は端末エージェント152aに関連付けられた端末132がオフの場合に異なる端末エージェント152で加入者であるビルをつかまえるように、最後的にビルがどの他の端末にも応答しない場合は加入者エージェント154にページャ端末132hを指させるように、加入者エージェント154aをプログラム可能である。
【0046】
加入者エージェント154aに異なる端末エージェント152を指させるための別の種類の基準には、発信者ID情報に基づいて規則を準備することが含まれる。例えば、ビルの私的な通話に関連付けられた番号の着信電話番号をビルの自宅の電話端末132aに向け、ビルの仕事上の通話に関連付けられた番号の着信電話番号をビルのオフィスの多機能電話端末132eに向けることができる。
【0047】
本発明の別の実施形態では、他の種類の端末エージェント152及び端末132がサポートされている。図9を参照すると、スイッチ120...120は図6〜8に示すスイッチ120...120と同じである。しかしながら図9の実施形態は追加のスイッチ120を含み、このスイッチは端末エージェント152i、任意の適切なワイヤードリンク128gを介してポイントオブパーチェス(POS)端末132gに接続する。スイッチ120はまた、端末エージェント152j、任意の適切なワイヤードリンク132jを介してボイスメールサーバ端末132jにも接続する。端末エージェント152i及び152jは、各端末132の機能性に基づいてこれらの端末132と相互作用するように構成される。例えばPOS端末132はカードリーダ、キーボード及びグラフィックディスプレイを含む。したがって端末エージェント152iは、買い物の値段や銀行のカード又はクレジットカード情報を含めた加入者の買い物の会計上の情報と加入者の照合情報をPOS端末132iから受け取るように構成される。端末エージェント152iはまた、POS端末132iに認証メッセージを送るようにも構成されている。全体としてPOS端末132iは、販売者と購入者の立場からすると、従来技術のPOS端末と実質的に同じように機能していることになるが、POS端末132iは端末エージェント152iを介してネットワーク124と相互作用するため、ネットワーク124の立場からすると、従来技術とは異なる方法で認証を行っていることになる。この詳細は以下により詳しく説明することにする。
【0048】
同様に、ボイスメールサーバ端末132jは処理ユニット及び記憶装置を含み、発信ボイスメールメッセージを発信者に対して再生し、発信者から着信したボイスメールメッセージを記録し、記録したメッセージを加入者に対して再生する。したがってボイスメールサーバ端末132jは公知のボイスメールシステムと同じ機能を実行するが、以下により詳細に説明するように、端末エージェント152j及び1つ以上の加入者エージェント154を介してネットワーク124と相互作用する。
【0049】
図9の実施形態の動作方法の例を説明する。説明のために、加入者エージェント154aに関連付けられた加入者を、図6〜8に示した実施形態を例示するために使用した例で説明したのと同じ「ビル」と仮定する。したがって加入者エージェント154aは、ビルの名前、電話番号及び彼が発信者IDに加入している事実を有している。さらに加入者エージェント154aはビルの銀行のカード番号を含み、またビルの銀行の名前、ビルの銀行の口座番号及びビルの銀行の口座番号からデビット認証を探すのに必要なプロトコルなどの、このカード番号に関連付けられたバンキング情報を含む。
【0050】
引き続き実施形態の例示的な動作を説明すると、ビルがPOS端末132iのカードリーダに銀行カードを通したと仮定する。するとビルの銀行カード情報は端末エージェント152iに送られ、このことによって図10に示すようにビルの加入者エージェント154aがスイッチ120にインスタンス生成される。この時点で加入者エージェント154aは適切な照合手順(ビルが端末エージェント152iに入力してビルの加入者エージェント154aが認証した個人識別番号(PIN)など)を使用し、加入者エージェント154aに記憶されたビルのバンキング情報を利用して、ネットワーク124を介してビルの銀行にアクセスすることでビルの銀行から適切な購入認証を探す。
【0051】
ビルの加入者エージェント154aが端末エージェント152jに関連付けられた端末識別子を指すことでビルへの音声着信をボイスメールサーバ端末132jに向けることができるのは明らかであろう。ビルの加入者エージェント154aの端末識別子がどこを指すかを決定するために種々の基準を使用することができる。
【0052】
ボイスメール端末エージェント152jの動作方法の例を図11を参照して説明する。説明のために、加入者エージェント154aに関連付けられた加入者が、図9〜10に示す実施形態を例示するのに使用した例で説明したのと同じ「ビル」であると仮定する。したがって加入者エージェント154aは、ビルの名前、電話番号及び彼が発信者IDに加入している事実を有している。
【0053】
さらに加入者エージェント154bに関連付けられた加入者の名前が「ヒラリー」で、電話番号が666−666−6666であると仮定する。したがって加入者エージェント154bはヒラリーの名前と電話番号を有していることになる。さらに加入者エージェント154dに関連付けられた加入者の名前が「モニカ」で、電話番号が777−777−7777であると仮定する。したがって加入者エージェント154dはモニカの名前と電話番号を有していることになる。表I〜IIIは加入者エージェント154a、154b及び154dと、これらに関連する基準の概要を示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004512750
【0055】
【表2】
Figure 2004512750
【0056】
【表3】
Figure 2004512750
【0057】
再び図9を参照すると、加入者エージェント154aが端末エージェント152a、152j及び152hを指しているのが示されており、これらのエージェントはそれぞれビルの自宅、ボイスメール及びページャである。したがって図9で加入者エージェント154が指す種々の端末エージェント152は、表Iに説明した基準を表す。
【0058】
図11の実施形態の例示的な動作の説明を続ける。モニカがビルに電話をかけたいと仮定する。したがってモニカは自分の電話端末132dを使用し、そのことで対応する端末エージェント152dがモニカが電話をすることをモニカの加入者エージェント154dに知らせる。次いでモニカはビルの電話番号555−555−5555を自身の端末132dでダイヤルする。モニカの加入者エージェント154dはネットワーク124にアクセスし、ビルの加入者エージェント154aを検出する。モニカの加入者エージェント154dは自身をビルの加入者エージェント154aに対して識別し、モニカがビルと連絡をとろうとしていることを示す。モニカとビルとの間の通話セットアップのこの段階で、加入者エージェント154d及び154aは、各加入者エージェントに関する情報、例えばどちらの当事者(モニカ又はビル)がその通話に対する料金を支払うのかということ、その通話のために使用する音声コーダの種類、その通話を暗号化するかということ、モニカは音声のみをサポートする端末132から電話をかけているのかそれとも音声及びビデオをサポートする端末からかけているのかということ、又はモニカとビルとの間の通話をセットアップするのに所望されるであろうあらゆる他の条件又はパラメータ、といった情報を交換することによってその通話に対する幾つかのパラメータを取り決めることができる。この取り決めの一部として、加入者エージェント154aは表Iに示したような動作基準をチェックし、その通話がモニカからの発信であると決定すると、加入者エージェント154aはモニカの通話をビルのページャ端末132hに送る。したがって取り決めの一部として、端末エージェント152hはモニカの音声着信を受信することができないことをビルの加入者エージェント154aに知らせ、代わりにIVRメニューシステムを提示するであろう。このシステムはビルが留守だがビルのページャ端末132hのディスプレイにメッセージを残すことができることをモニカに知らせる。通話のこの段階でモニカはメッセージを残すこともできるし、単にその通話を終了することもできる。そうすることで彼女の加入者エージェント154dとビルの加入者エージェント154aとの間の相互作用を終了させる。さらにビルの加入者エージェント154dは、ビルのページャ端末132hにメッセージを表示してモニカがビルに電話をしようとしたことを知らせることができ、モニカがかけようとした通話の時間と日付を有することができる。
【0059】
図9の実施形態は別の方法で動作することができる。例えばヒラリーがビルに電話をかけようとしていると仮定する。したがってヒラリーは自身の電話端末132bを使用し、端末エージェント152bはヒラリーが電話をかけることを彼女の加入者エージェント154bに知らせる。ヒラリーは自身の端末132bでビルの電話番号555−555−5555をダイヤルする。するとヒラリーの加入者エージェント154dはビルの加入者エージェント154aを検出する。ヒラリーの加入者エージェント154bは自身をビルの加入者エージェント154aに対して識別し、ヒラリーがビルと連絡を取ろうとしていることを示す。ヒラリーとビルとの間の通話セットアップのこの段階で、加入者エージェント154b及び154aは各々に関する情報を交換することによってこの通話の幾つかのパラメータを取り決めることができる。この取り決めの一部として、加入者エージェント154aは表Iに示した動作基準をチェックし、当てはまる特別な動作基準がないことを決定すると、その通話をビルの自宅の端末132aに送る。したがってビルの電話端末132aが鳴り始める。ビルが応答しないとすると、ビルの加入者エージェント154aは(表Iに挙げた)動作基準を調べる。ビルが応答しないことを決定すると、加入者エージェント154aはヒラリーの通話をボイスメール端末エージェント152jに送り直し、そこでヒラリーにはボイスメールを残す機会が与えられる。
【0060】
本明細書中で説明した実施形態は本発明の特定の実施に関するものであるが、これらの実施形態の組合せ、サブセット及びバリエーションが本発明の範囲内であることが理解されるであろう。例えば本明細書中の実施形態では加入者エージェントのインスタンスが一度に1つしか現れない場合を示しているが、各々が同時に互いに相互作用する複数の加入者エージェントのインスタンスを有することが望ましく、その結果異なる端末エージェントで多数の通話をセットアップするような、加入者による望ましい通信アクセスが提供される。しかしながら、特定の加入者エージェントは同じスイッチ内で端末エージェントと相互作用するためにその特定のスイッチ内でインスタンス生成する必要はないが、加入者エージェントはネットワーク内のどこでもインスタンス生成されることができ、任意の与えられたスイッチ内の任意の端末エージェントと遠隔的に相互作用できるようにシステムを構成できることも理解されたい。
【0061】
また、加入者エージェントは端末エージェントを指す代わりに又は指す以外に、別の加入者エージェントを指すこともできることを理解されたい。例えば加入者エージェントがある会社の顧客サービス担当者(CSR)に属し、そのCSRが休暇中の場合、休暇中のCSRは自身の端末識別子を同僚の加入者エージェントを指させることができる。そのため、CRSに対する通話は休暇中のCSRの不在時も応答される。
【0062】
加入者エージェント内の端末識別子を単に変更するだけで、本発明はFCCに委託された地域番号ポータビリティの要求を実行することができることを、当業者なら理解するであろう。
【0063】
本発明は広範囲の加入者エージェントを含むよう意図されている。本明細書中で説明した実施の形態は個人の加入者に属する加入者エージェントについて述べてきたが、加入者エージェントはグループ又は組織に関連付けられてもよいことが予想できる。例えばある企業が加入者エージェントを有することができ、そのエージェントは種々の動作基準にしたがって着信を各受付に向けたり、その企業の電話帳を含むIVRシステムに向けたりする。このような加入者エージェントは、時間に応じて又は着信の発信者の発信者IDストリームに基づいて種々の方法で着信に応答するといった広範囲の動作を有するように構成することができる。
【0064】
他の種類のグループ加入者エージェントはオペレータを含む。したがって発信者が「0」をダイヤルすると、その通話はオペレータに関連付けられたシステム内の加入者エージェントに向けられ、このエージェントは発信者をオペレータとして働く人物に向けるなどのあらゆる所望の方法で着信を管理することができる。企業のテクニカルアシスタンスセンター(TAC)などの他の種類のグループ加入者エーエジェントは当業者には明らかであろう。
【0065】
所望すれば、個人が複数の加入者エージェントを持つことができ、所望すればこれらのエージェントを相互作用するようにプログラム可能であることが予想できる。例えば個人が「仕事用」の加入者エージェントと「個人用」の加入者エージェントを持つことができ、これらのエージェントはそれぞれ、着信者を個人の加入者の希望にしたがって異なる或いは同一の端末エージェントに向ける。
【0066】
本発明は先の実施の形態で詳しく説明した種々の端末132に限らず、音声トラフィックの他に各発信者の写真画像も示すビデオ電話、PDA、ネットワーク可能機器などの、他の種類の端末も本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0067】
通話に関する条件や種類を決めるために加入者エージェントと相互作用し、かつ/又は該加入者エージェントと取り決める種々の動作基準を有するように端末エージェントを構成することもできることを理解されたい。例えば、特定の端末を所有する1件以上の加入者を有するように端末エージェントを構成することができる。さらに第1の加入者に属する端末を他の加入者へのアクセスを規制するように構成することもできる。例えば、第1の加入者が電話の通話を5分に制限したいとする。すると第1の加入者は、第2の加入者が5分以上その端末を使用すると、第2の加入者がかけた通話を自動的に切るように端末エージェントを構成することができる。他の種類の動作基準として、その端末エージェントを指すことを実際に許可されている加入者エージェントを単に制限することが挙げられる。即ち、その加入者エージェントを所有する加入者は、他の全ての加入者エージェントがその加入者の端末エージェントを指すのを防ぐことができる。特定の端末エージェントのための他の種類の動作基準は当業者には明らかであろう。
【0068】
所与の加入者エージェント154の端末識別子に所与の端末エージェント152を指させためにあらゆる適切な照合手順を使用できることを理解されたい。例えばスイッチ120はIVRメニューシステムを含むことができ、このシステムは加入者に電話番号の入力を要求するが対応するPIN番号も使用できる。或いは、又はさらに、スマートカードリーダを端末132に組み込み、加入者のスマートカードコンテンツをスイッチ120に送り、スマートカードを加入者の加入者エージェントに関連付けることもできる。当業者には、音声認識などの他の手順も適切な照合プロトコルであることは明らかであろう。
【0069】
先の実施の形態で説明したスイッチ120はスケーラブルで、必要に応じて任意の数の端末エージェント152及び/又はユーザエージェント154をサポートできることを理解されたい。加入者の建物内でより小さなスイッチ120を実行することができ、このスイッチが複数の加入者エージェント及び/又は複数の電話及び/又は他の種類の端末を要する小規模のビジネス又は消費者世帯の構内交換(PBX)として機能することも予想できる。
【0070】
全ての公知の通話機能(即ち、キャッチホン、発信者ID、転送、短縮ダイヤルなど)を実行するために本発明を使用でき、さらに所与の端末上及び/又は特定のネットワーク内で動作可能で所望されるか又はサポート可能なあらゆる他の通話機能を実行するためにも本発明を使用できることを理解されたい。
【0071】
本明細書中で説明した実施の形態は端末エージェント及び加入者エージェントについて述べていたが、エージェント以外の他の種類のソフトウェア構造も本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0072】
適切なゲートウェイを含めることで、本発明をPSTNなどの既存の通信ネットワークに組み込むことができることを理解されたい。例えば加入者エージェントは、PSTN加入者との通話を完成させようとする場合にこれを認識し、従来技術のPSTNを模倣して加入者エージェントにPSTNに対して分かり易く動作させることで通話を完成させる機能性を含むことができる。
【0073】
本発明は新規の通信アーキテクチャを提供する。このアーキテクチャは、通信ネットワーク内の各加入者に対する加入者エージェントを含む。この加入者エージェントは加入者の電話番号と通話機能を含む。加入者エージェントをネットワーク内の1つ以上の端末エージェントに関連付けることができるため、加入者の電話番号と通話機能のセット全体をネットワーク内のあらゆる端末に運ぶことができる。広範囲の通話機能と端末がこのアーキテクチャによってサポートされる。例えば従来技術のように、加入者はネットワーク内の任意の端末から個人的な通話機能のセットを起動させる必要がない。さらに地域番号ポータビリティも、本発明によって容易に達成できる。他の利点は当業者には明らかであろう。
【0074】
本発明の上述の実施の形態は本発明の例であることを意図しており、当業者は、本明細書に添付した請求の範囲によってのみ画定される本発明の範囲から逸脱せずに、変更や修正を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施形態のスイッチのハードウェア構造の概略表示である。
【図2】
図1に示したスイッチと同一の2つのスイッチのソフトウェア構造の概略表示である。
【図3】
図2のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図4】
図2のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図5】
図2のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図6】
本発明の別の実施形態のソフトウェア構造の概略表示である。
【図7】
図6のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図8】
図6のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図9】
本発明の別の実施形態のソフトウェア構造の概略表示である。
【図10】
図9のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが異なる端末エージェントに関連付けられる。
【図11】
図9のソフトウェア構造の概略表示であり、そこでは加入者エージェントが種々の動作基準によって異なる端末エージェントに関連付けられる。

Claims (60)

  1. 加入者間の通信を支持するためのネットワークと、
    前記ネットワークを端末とインタフェースさせる、該ネットワーク上で実行する少なくとも1つの端末エージェントと、
    前記加入者のうちの1つに属する、前記ネットワーク上で実行する少なくとも1つの加入者エージェントであって、該加入者の1つが前記端末エージェントの1つに対応する端末から該ネットワーク上の通信を確立できるように、該加入者エージェントに前記端末エージェントの1つを指させるための端末識別子を有する少なくとも1つの加入者エージェントと、
    を含む通信アーキテクチャ。
  2. 各端末との接続のための少なくとも1つの加入者回線インタフェースと、
    ネットワークへの接続のためのネットワークインタフェースと、
    前記加入者回線インタフェースと前記ネットワークとを相互接続する処理ユニットであって、加入者に関連付けられた加入者エージェントと各端末に対する端末エージェントとを実行するように動作可能な処理ユニットと、
    前記加入者を前記ネットワークに対して識別し、前記ネットワークと前記端末エージェントとの間の通信を支持するために、前記端末エージェントを指すように構成可能である前記加入者エージェントと、
    前記端末を使用する加入者が前記ネットワーク上の通信を実行できるように、前記端末の機能にしたがって前記端末と前記処理ユニットとの通信を前記加入者回線インタフェースを介して管理する前記端末エージェントと、
    を含むスイッチ。
  3. 前記端末が電話である、請求項2記載のスイッチ。
  4. 前記端末がグラフィカルディスプレイを有する多機能電話である、請求項2記載のスイッチ。
  5. 前記端末がワイヤレス電話で、前記スイッチがワイヤレス基地局である、請求項2記載のスイッチ。
  6. 前記端末がページャである、請求項2記載のスイッチ。
  7. 前記端末がPDAである、請求項2記載のスイッチ。
  8. 前記端末がボイスメールサーバである、請求項2記載のスイッチ。
  9. 前記端末がPOS端末である、請求項2記載のスイッチ。
  10. 前記ネットワークがPSTNである、請求項2記載のスイッチ。
  11. 前記ネットワークがインターネットである、請求項2記載のスイッチ。
  12. 前記加入者エージェントが前記加入者の名前を含む、請求項2記載のスイッチ。
  13. 前記加入者エージェントが前記加入者に属する通話機能のセットを含む、請求項2記載のスイッチ。
  14. 前記加入者が、前記加入者エージェントが指す任意の端末で前記通話機能にアクセス可能である、請求項13記載のスイッチ。
  15. 前記通話機能が、発信者ID、キャッチホン、短縮ダイヤル、通話プライバシー、ビジュアルキャッチホン及びビジュアル通話プライバシーの少なくとも1つを含む、請求項13記載のスイッチ。
  16. 前記通話機能が通話転送を含み、該通話転送は前記加入者エージェントを所望の端末エージェントに対して構成することで実行できる、請求項13記載のスイッチ。
  17. ネットワークと少なくとも1つの端末とを相互接続する処理ユニットを有するスイッチで実行可能でソフトウェア構造であって、
    前記端末の各々との通信を該端末の機能にしたがって管理する少なくとも1つの端末エージェントと、
    加入者に関連付けられた加入者エージェントであって、前記端末エージェントの1つを指すように構成可能で、前記スイッチ上で実行する場合は、前記加入者が前記端末エージェントに対応する端末から前記ネットワーク上の通信を確立できるように動作可能な加入者エージェントと、
    を含むソフトウェア構造。
  18. 前記端末が電話で、前記通信が音声の電話通話である、請求項17記載のソフトウェア構造。
  19. 前記端末がパーソナルコンピュータである、請求項17記載のソフトウェア構造。
  20. 前記端末がワイヤレス電話で、前記スイッチがワイヤレス基地局である、請求項17記載のソフトウェア構造。
  21. 前記端末がページャで、前記通信がページングメッセージを含む、請求項17記載のソフトウェア構造。
  22. 前記端末がPDAである、請求項17記載のソフトウェア構造。
  23. 前記端末がボイスメールサーバである、請求項17記載のソフトウェア構造。
  24. 前記端末がPOS端末で、前記通信が購入認証を含む、請求項17記載のソフトウェア構造。
  25. 前記ネットワークがPSTNで、前記スイッチがPSTNゲートウェイを含む、請求項17記載のソフトウェア構造。
  26. 前記ネットワークがインターネットである、請求項17記載のソフトウェア構造。
  27. 前記加入者エージェントが前記加入者の名前を含む、請求項17記載のソフトウェア構造。
  28. 前記加入者エージェントが前記加入者に属する通話機能のセットを含む、請求項17記載のソフトウェア構造。
  29. 前記加入者が、前記機能をサポート可能で前記加入者エージェントが指す任意の端末で前記通話機能にアクセス可能である、請求項28記載のソフトウェア構造。
  30. 前記通話機能が、発信者ID、キャッチホン、短縮ダイヤル、通話プライバシー、ビジュアルキャッチホン及びビジュアル通話プライバシーの少なくとも1つを含む、請求項28記載のソフトウェア構造。
  31. 前記通話機能が通話転送を含み、該通話転送は前記加入者エージェントが所望の端末エージェントを指すことで実行できる、請求項28記載のソフトウェア構造。
  32. 加入者への着信をセットアップする方法であって、
    前記加入者との前記通話を確立したいという要求を受け取るステップと、
    前記加入者のプロフィールを獲得するステップと、
    前記プロフィールに記憶された基準にしたがって前記通話に適した端末を選択するステップと、
    前記通話を前記端末に接続するステップと、
    を含む方法。
  33. 加入者を端末に関連付ける方法であって、
    端末に関連付けられる加入者から要求を受け取るステップと、
    前記要求を出した加入者のプロフィールを獲得するステップと、
    前記加入者への通話が前記端末に向けられることを示すように前記プロフィールを更新するステップと、
    を含む方法。
  34. 前記加入者のための通話機能を、前記プロフィールに挙げた通話機能にしたがって前記端末に提供するステップをさらに含む、請求項32記載の方法。
  35. 加入者からの発信をセットアップする方法であって、
    端末から通話を確立したいという要求を受け取るステップと、
    前記要求を出した加入者のプロフィールを獲得するステップと、
    前記プロフィールに挙げた基準にしたがって前記通話を接続するステップと、
    を含む方法。
  36. 前記プロフィールが加入者エージェントである、請求項32に記載の方法。
  37. 前記選択するステップが前記端末との通信を管理する端末エージェントを選択するステップを含み、前記接続するステップが、前記加入者エージェントに前記端末エージェントを指させ、前記ポインタにしたがって前記接続を確立するステップを含む、請求項32に記載の方法。
  38. 前記端末エージェントが前記端末の機能にしたがって前記通信を管理するようにさらに動作可能である、請求項37記載の方法。
  39. 前記端末が電話である、請求項32のいずれかに記載の方法。
  40. 前記端末がパーソナルコンピュータである、請求項32のいずれかに記載の方法。
  41. 前記端末がワイヤレス電話である、請求項32のいずれかに記載の方法。
  42. 前記端末がページャである、請求項32のいずれかに記載の方法。
  43. 前記端末がPDAである、請求項32のいずれかに記載の方法。
  44. 前記端末がボイスメールサーバである、請求項32のいずれかに記載の方法。
  45. 前記端末がPOS端末で、前記通信が購入認証を含む、請求項35のいずれかに記載の方法。
  46. 前記加入者エージェントが前記加入者の名前を含む、請求項32のいずれかに記載の方法。
  47. 前記通話機能が、発信者ID、キャッチホン、短縮ダイヤル、通話プライバシー、ビジュアルキャッチホン及びビジュアル通話プライバシーの少なくとも1つを含む、請求項34記載の方法。
  48. 前記通話機能が通話転送を含む、請求項34記載の方法。
  49. 前記加入者が個人である、請求項1記載のアーキテクチャ。
  50. 前記加入者が人のグループを表す、請求項1記載のアーキテクチャ。
  51. 前記グループが企業である、請求項50記載のアーキテクチャ。
  52. 前記グループがテクニカルアシスタンスセンターである、請求項50記載のアーキテクチャ。
  53. 前記加入者が個人である、請求項1記載のアーキテクチャ。
  54. 前記加入者が人のグループを表す、請求項32記載の方法。
  55. 前記グループがネットワークオペレータの集合である、請求項50記載の方法。
  56. 前記グループが「911」コールセンターである、請求項50記載の方法。
  57. 加入者を端末に関連付ける方法であって、
    加入者の識別を端末から受け取って通話をセットアップするステップと、
    前記識別に対応する加入者プロフィールを検索するステップと、
    前記プロフィールにしたがって通話特権を前記加入者に提供するステップと、
    を含む方法。
  58. 通話をセットアップする方法であって、
    加入者の識別を端末から受け取って通話をセットアップするステップと、
    前記識別に対応する加入者プロフィールを検索するステップと、
    加入者からの要求を受け取って通話をセットアップするステップと、
    前記要求を前記プロフィールの通話特権にしたがって照合し、前記要求が照合されれば前記通話を確立するステップと、
    を含む方法。
  59. 前記加入者エージェントは前記加入者の電話番号によって識別可能である、請求項1記載のアーキテクチャ。
  60. 要求を受け取って前記通話を確立する前記ステップが、前記加入者の電話番号を提供するステップを含む、請求項32記載の方法。
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