JP2004512207A - タイヤ変形センサを用いてタイヤの力を予測するためのシステムおよび方法 - Google Patents

タイヤ変形センサを用いてタイヤの力を予測するためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

タイヤ変形の測定からコンタクトパッチにおいて生成される力を予測する(タイヤ変形の測定を用いて横力、鉛直力および円周トルクを分離することを含む)ためのシステムおよび方法である。訓練されたニューラルネットワークまたは双一次式を用いて、タイヤ側壁変形センサ、例えば、磁気タイヤ側壁ねじれ測定(SWT)センサから、以下のタイヤに作用する横力、タイヤに作用する円周トルク、タイヤに作用する長軸方向の力、タイヤに作用する鉛直力、および、それらの成分として上記の任意の1つ以上を有する力および/またはトルクの任意の1つ以上の任意の組み合わせまたは並び換えを決定するシステムおよび方法である。
【選択図】図1

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的にタイヤの動力学の分野に関しており、より詳しくは,タイヤの変形の測定からタイヤの接地面で発生する力を予測することに関している。本発明は,タイヤの変形の測定に用いる横方向の力および円周トルク(circumferential torque)を分離することを含む。
【0002】
(発明の背景)
本明細書中に参考として援用される米国特許第5,895,854号は、磁化された磁化可能な粒子(magnetizable particle)で充満されたゴム混合物を少なくとも1つの規定の位置に有する空気式(ゴム)タイヤを用いて提供された、車両のホイールを開示する。上記特許で記載されるように、そこで開示されるタイヤは、スリップ統制システムで使用され得る。好適には、磁化した位置は、タイヤの側壁(すなわち、長軸方向または周辺方向(peripheral direction))において1つ以上の環状帯に位置され、タイヤの周辺方向に沿って異なる半径で配置した1つ以上の列に異なる磁化の連続する区域を有する。上記特許の目的は、現代の車両の運転に必要とされる情報(例えば、スリップを統制するためのタイヤに影響するABS(アンチロックブレーキシステム)および/または長軸方向の力(ねじれ力)に対する回転スピード)が利用可能になり得ることを用いて、空気式(ゴム)タイヤを有する車両のホイールを提供することである。
【0003】
上記特許によると、発生した磁化および空間的な磁化の相違は、磁場センサで検出され得、スリップを統制するシステム(特には、SWTシステム(側壁ねじれ測定システム))のためのSWTセンサ入力信号(側壁ねじれセンサ入力信号)として機能を果たし得る。上記特許でさらに記載されるように、できる限り正確に2つのマーク(ABSの1つの列(row)またはSWTの2つの列)のパス(pass)の間のタイムスパンの変化を検出することを可能にするために、周辺方向の磁化ができる限り四角形に生じ、とりわけこの領域の境界線においてはできる限り大きな傾斜で変化するべきであることが所望されたことが以前に考えられた。対照的に、ホイールの回転を検出した従来のABSシステムに対して、タイヤの周辺方向の磁化が正弦波の様態(sinusoidal manner)で生じた場合は十分であることが記載された。
【0004】
従って、SWTセンサを用いたSWTシステムの初期機能は、タイヤの接線方向のねじれ変形を常に測定し、そのねじれ変形を利用して適用される推進トルクまたは制動トルクを計算する。しかし、コーナリング操作は、タイヤの横方向の力の存在が、本来想定されるようにSWTセンサを用いる(ねじれ変形を計算するためにタイヤの側壁の磁気帯を検出する2つのセンサ間の位相差を用いる)長軸方向のトルクの測定を混乱させるため、推進トルクまたは制動トルクの計算に不利が生じる。さらに、タイヤの垂直方向の力の存在は、本来想定されるようにSWTセンサを用いる長軸方向のトルクの測定をさらに混乱させる。
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、横方向の力および接線分力を分離しないためのシステムおよび方法を提供し、SWTセンサが長軸方向のトルクを効率的に測定するために使用され得るが、さらに、SWTセンサを用いるタイヤに作用する横方向の力および他の力ならびにトルクを予測する。
【0006】
本発明によると、システムおよび方法によって、タイヤの変形の測定からタイヤの接地面で発生される力を予測することが提供され、タイヤの変形の測定を用いて歪み力(横方向の力および円周トルク)を分離することを含む。
【0007】
本発明のシステムの一局面によると、トレインプロセッサ(trained processor)(例えば、トレインニューラルネットワーク)を用いて、歪み力(例えば、タイヤの変形の測定を用いる、横方向の力および円周トルク)を予測する。第1の実施形態において、トレインニューラルネットワークを用いて、タイヤに影響する少なくとも1つの力、好適には、横方向の力および円周トルクを予測する。第2の実施形態において、一組の双一次(bilinear)の式を用いて、タイヤに影響する少なくとも1つの力、好適には、横方向の力および円周トルクを予測する。
【0008】
従って、本発明の利点は、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)を用いて円周トルクを検出するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の利点は、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)を用いて横方向の力を検出するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
従って、本発明の別の利点は、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)からの測定において横方向の力および円周トルクを分離するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる利点は、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)からの車両のヨーレートを判定するためのシステムおよび方法を提供し、それにより、分離ヨーレートセンサの必要性を取り除く。
【0012】
本発明のさらに別の利点は、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)からの車両スピードを判定するためのシステムおよび方法を提供し、それにより、分離スピードセンサの必要性を取り除く。
【0013】
本発明のなお別の利点は、トレインニューラルネットワークを用いて、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)から、タイヤに影響する横方向の力、タイヤに影響する円周トルク、タイヤに影響する長軸方向の力、タイヤに影響する垂直方向の力、およびそれらの成分として前述の任意の1つ以上を有する力および/またはトルクの1つ以上の任意の組み合わせまたは置換を判定するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらになお別の利点は、双一次の式を用いて、タイヤの変形センサ(例えば、SWTセンサ)から、タイヤに影響する横方向の力、タイヤに影響する円周トルク、タイヤに影響する長軸方向の力、タイヤに影響する垂直方向の力、およびそれらの成分として前述の任意の1つ以上を有する力および/またはトルクの1つ以上の任意の組み合わせまたは置換を判定するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の利点は、タイヤに影響する横方向の力および垂直方向の力の円周トルクを分離することである。
【0016】
本発明のなお別の利点は、タイヤの側壁変形センサ(例えば、SWTセンサ)から、タイヤに影響する横方向の力、タイヤに影響する円周トルク、タイヤに影響する長軸方向の力、タイヤに影響する垂直方向の力、およびそれらの成分として前述の任意の1つ以上を有する力および/またはトルクの1つ以上の任意の組み合わせまたは置換を判定するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0017】
本発明のこれらの利点および他の利点は、本発明の詳細な説明からさらに明白になる。
【0018】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本明細書の一部に取り込まれ、構成する添付の図面において、本発明の実施形態は本発明の上述の概要と共に示され、後述の詳細な説明は本発明の原理の例として役に立つ。
【0019】
本明細書中に使用される「回路通信(circuit communication)」は、デバイス間の伝達関係をあらわすために使用される。直接の電気的接続および光学的接続ならびに間接の電気的接続および光学的接続は、回路通信の例である。信号がいくつかの他のデバイスによって変更されるかどうか関係なく、一方からの信号が他方によって受信される場合、2つのデバイスは回路通信状態になる。例えば、1つ以上の変圧器、オプトアイソレータ、デジタルまたはアナログのバッファ、アナログ積分器、他の電気回路、光ファイバトランシーバ、または、衛星さえによって分離される2つのデバイスは、ある1つからの信号が他方に届く場合、たとえ信号が中間のデバイスによって変更されても、回路通信状態になる。最後の例として、2つのデバイスは、お互い直接接続されないが、第3のデバイス(例えば、CPU)でインターフェースすることができる2つのデバイスは、回路通信状態になる。本明細書中に使用されるように、「入力」は信号または値のどちらかを言及し、「出力」は信号または値のどちらかを言及する。
【0020】
図1について今言及すると、本明細書中に言及される力は概略的に示される。この図において、車両10は、タイヤに影響する長軸方向の力F、長軸方向(円周方向)のトルクM、および横方向の力Fと共に概略的に示される。図1に示されないが、利害のある別の力として、長軸方向の力Fおよび横方向の力Fに垂直である垂直方向の力Fがある。
【0021】
図2について今言及すると、本発明による車両コントロールシステム20が概略的に示される。最も広い意味において、車両コントロールシステム20は、力予測ユニット22を含み、少なくとも1つのタイヤ側壁変形センサと共に回路通信状態で設置される。好適には、タイヤ側壁変形センサは磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサである。力予測ユニット22は、前もってプログラムされたプロセッサ(図示せず)を有する。前もってプログラムされたプロセッサは、少なくとも1つのSWTセンサからの入力および少なくとも1つの他のセンサ入力を受信し、前もって収集されたデータから判定された定数を有する前もってプログラムされた式を実施することによってデータ分析を行い、少なくともSWT入力および少なくとも1つの他のセンサ入力から、タイヤに影響する予測された円周トルクおよび/または長軸方向の力および/または横方向の力および/または垂直方向の力に対応する出力を判定する。力予測ユニット22はまた、SWTセンサおよび他のセンサと共に、任意の必要な信号調整およびデータ処理を行い得る。
【0022】
図2に関して、好適な実施形態において、力予測ユニット22は、車両20のそれぞれのタイヤ30に対して一対の磁気SWTセンサ26、28と回路通信状態で設置される。しかし、力予測ユニット22は、1つのタイヤ30のセンサ26および別のセンサ(例えば、その1つのタイヤ30についての力予測を提供するための別のSWTセンサ28またはABSスピードセンサ(図示せず))とほとんど一緒に使用され得ない。好適には、力予測ユニット22はコントロールユニット32と回路通信状態で設置される。コントロールユニット32は回路通信状態であり、1つ以上のアクチュエータ34を介して車両20の動態に影響を及ぼす。当業者に公知であるコントロールユニット32およびアクチュエータ34の例は、ブレーキングアクチュエータを備えたABSコントロールユニット、ブレーキングおよびスロットアクチュエータを備えたトラクションコントロールシステム(TCS)コントロールユニット、ブレーキングおよびスロットアクチュエータを備えた電子スタビリティコントロール(ESC)(統合車両動力としても公知である)コントロールユニット、ロック差動コントロールユニットサスペンションコントロールユニット、ブレーキングアクチュエータを備えたブレーキアシストコントロールユニット、車両スロットアクチュエータを備えたインテリジェントクルーズコントロールユニット、ステアリングアクチュエータを備えたステアリングアシストコントロールユニット、デフレーション検出コントロールユニット、ナビゲーションコントロールユニット、ロールオーバー防止コントロールユニット、およびブレーキングアクチュエータを備えたブレーキバイワイヤ(brake−by−wire)のコントロールユニットの1つ以上の組み合わせおよび順列を含む。これらの例示のコントロールユニット32およびアクチュエータ34は、(長軸方向の力および/または加速度のための)長軸方向の加速度計、(横方向の力および/または加速度のための)横方向の加速度計、垂直荷重センサ、ホイールスピードセンサ、およびヨーレートセンサの1つ以上のセンサを必要とする。これら全てのセンサは、本発明の教示と共に1つ以上のSWTセンサに取って代わり得る。
【0023】
力予測ユニット22は、アナログおよびデジタル回路部、プロセッサなどの様々な組み合わせで実現され得る。コントロールユニットは、別個の回路部およびプロセッサ(単数または複数)、または力予測ユニット22を実現するために使用される回路部およびプロセッサ(単数または複数)を備えて実現され得る。好適には、力予測ユニット22のデータ処理部分およびデータ分析部分は、専用のアナログ回路部(図示せず)で実行される信号処理と共に、単一のプロセッサで実現される。
【0024】
図3を参照すると、一対のSWTセンサ26、28が対応する磁気タイヤ30と共に概略的に示される。図3で概略的に示されるように、SWTセンサ26、28と共に用いた磁気タイヤ30は、好適には、多くの磁極性の交互帯38を有する。磁気タイヤ30は、例えば、米国特許第5,895,854号、および同時継続中の米国特許出願第09/347,757号に教示されるように、任意の数の方法で作られ得る。これらの特許出願は、本明細書中で参考として援用され、グリーンタイヤの側壁中に磁気帯を隣接して交互に埋め込み、グリーンタイヤを保存加工する。SWTセンサ26、28自体が、好適には、例えば、磁気抵抗性(MR)センサ、ホール効果センサ、または磁束ゲートセンサなどの磁気センサであり、タイヤ30の側壁の磁気領域に十分に密接して位置付けされ、それと共に互いに影響し合う。MRセンサは、エアーギャップを抑えることができる利点があり、広範囲にわたって検査されている。磁束ゲートセンサは、1〜2インチのエアーギャップを配分する利点がある。ホール効果センサは、比較的小さいエアーギャップを必要とする不利点がある。2つのSWTセンサを用いると、一方のセンサ26は、好適には、トレッド40の近くに位置され、他方のセンサ28は、好適には、ビード42の近くに位置される。ただ1つのSWTセンサが例えば、ABSスピードセンサ、SWTセンサなどの別のセンサと共に使用される場合、SWTセンサ26は、好適には、ビード42よりトレッド40に隣接して位置され、ねじれの変形に対してより大きな感度を提供する。
【0025】
図4および図5をここで参照すると、自動車サスペンションストラウト50へのセンサー26、28の実装が示される。好適には、センサー26、28は、実装ブラケット52を介してサスペンションストラウト50に実装される。図4および図5において、センサー26,28は、モデル番号KMZ10A磁気抵抗(MR)センサーであり、Philipsに利用可能である。実装ブラケット52は、好適には、ホール効果センサー26,28の平坦な端部が磁性タイヤ(magnetic tire)30の側壁に実質的に平行になるように構成される。好適には、MRセンサー26、28の平坦な端部は、そのタイヤ30に横方向に働く力が無い場合、磁性タイヤ30の側壁から12.5mmにある。横方向の力が働くと、エアギャップは、約8mm〜約25mmの範囲になると考えられ得る。タイヤの側壁は、通常、大きな曲率(pronounced curvature)を有するので、実装ブラケット52は、好適には、一対の斜(すなわち、平行ではない)面54、56をセンサー26、28にそれぞれ提供する。実装ブラケット52は、任意の適切な手段によってサスペンションストラウト50に固定され得る(例えば、図4および図5に示されるようなボルト58およびナット60等の適切な結合部(fastener)を用いて、ストラウト50を実装ブラケット52を一体化する)。センサー26、28は、適切なファスナー(例えば、図4および図5に示されるようなボルト62およびナット64)を用いる任意の適切な手段によって、または、任意の他の適切な手段によって実装ブラケット52に固定され得る。ワイヤ66、68は、力予測装置(force prediction unit)22と連絡するセンサー26、28を回路に配置する。
【0026】
実装ブラケットはまた、センサー26、28の間の線セグメントが、磁性タイヤ30の連続した磁性バンド38間の磁性障害線(magnetic interface line)に用いられ得る程度に平行であるように、センサー26、28を固定することが好適である。このように、自由な回転状態において、センサー26、28は、好適には、好適には、1つのバンド38から次のバンドへの移行を同時に検出する(すなわち、2つのセンサー信号間の存在しないかまたは僅かな位相差がある)。ねじれ変形(例えば、ブレーキを用いることによって生じる)は、例えば、タイヤベッド42に対してタイヤトレッド40が回転するという形で現れ、これにより、タイヤ磁性障害線は、センサー26と28との間の線セグメントにもはや平行ではない。ねじれ変形は、SWTセンサー26、28により、2つの信号間の位相変位の変化として検出される(すなわち、1つの磁性バンド38から次のバンドへの移行は、1つのセンサーによって検出される。他の場合、その移行は、遅かれ早かれ、他のセンサに応答して1つのセンサによって検出される)。この構成のセンサー26、28からの信号は、正弦波信号である。
【0027】
図4および図5のセンサー26、28は、180°位置(12時位置)にて配置され、円周トルク(circumferential torque)および横方向の力Fyを分離することに最高の感度を提供する。さらに、円周トルクおよび垂直方向の力Fzを分離することに最高の感度を提供するために、タイヤ毎に90°または270°位置(3時または9時位置)のどちらかに第2の一対のSWTセンサを位置することが好適である。しかし、90°または270°位置にセンサーを提供することは、挑戦的なことであることが証明されている。これらの位置のどちらかのセンサーは、135°に位置する一組のSWTセンサーが、横方向の力Fy、および、垂直方向の力Fzの両方から円周トルクを分離するように、情報を提供すると考えられる。代替的には、単一の追加的な外部センサーは、90°または270°のどちらかの位置に追加的な一対のセンサーを用いるのではなく、90°または270°のどちらかにて用いられ得る。この場合、90°または270°位置のセンサーの位相は、180°位置の内部センサーに対して計測される。
【0028】
力予測装置22は、好適には、(a)2つのセンサー26、28の信号間の位相変化(タイヤの側壁のねじれ変形によって生じる)に対する(好適には、この位相変化を表示する)少なくとも1つの位相差入力、および、(b)センサー26と側壁との間の変化しているエアギャップの長さに対する(好適には、このエアギャップの長さを表示する)外部センサー26からのピーク振幅入力を入力として受容する。さらに好適には、力予測装置22は、また、(c)自動者の速度(自動車の速度は、SWTセンサーの1つの各領域の期間から決定され得る)に対する(好適には自動車の速度を表示する)値、および、(d)外部センサー26からのピーク振幅信号と内部センサー28のピーク振幅信号との間の差に対する(好適には表示する)デルタ入力をさらなる入力として受容する。速度入力により、力予測装置は、より高速度での遠心力による側壁への効果およびより低速度でのタイヤへの緩和現象の効果を引き起こし得る。さらに、ピーク振幅入力によって倍加された位相差入力等の所定のクロス項(cross term)により、力予測装置は、二乗誤差の非常に小さい平均和(very low mean sum of squared error)で学習され得る。したがって、本発明による力予測装置(ニューラルネットワークおよび双一次方程式の組等)は、任意の1以上の以下のものを入力として有する;各センサーペアに対する1位相差、各センサーに対するピーク振幅入力、好適には各外部センサーのペア、速度入力、各センサーペアに対するデルタピーク入力および各センサーペアに対するクロス項(ピーク振幅入力によって倍加された位相差入力)、例えば、このセンサーペアは、予測される力および/またはトルクに依存して、90°および/または135°および/または180°および/または270°に位置されている。
【0029】
ここで図6および図7を参照して、タイヤ30とセンサー26、28との間の位置関係への横方向の力による効果は、模式的に示される。タイヤ30およびリム70について、自由回転状態は、点線で示され、横方向の力の影響下は、実線で示される。簡潔に言うと、横方向の力は、センサー26、28とタイヤ30との間の距離を大きくする。図6に示された力とは逆方向の横方向の力は、センサー26、28とタイヤ30との間の距離を小さくする。距離のこれらの差は、センサー26、28からの信号の振幅変化に反映される。
【0030】
直前の2つの段落に記載されたSWTセンサーに対する比較的にまっすぐな概念的なフレームワークは、横方向の力および縦方向の力がある程度まで結合されているので、用途において大きく複雑化される。これは、図8および図9に例示される。図8は、(円周トルクの存在の下での)正規化された横方向の力および外部SWTセンサー26の時間に対する正規化された振幅(実施例1のデータ収集セクションによるMTSモデル860 トレッドウェア機(tread wear machine)(MTS Systems Corporationに利用可能である)で収集された、Conti Sport Contact,245/40 R18 磁性側壁タイヤからのデータ)のプロットを示す。図8に示されるように、円周トルクの存在下において、外部SWT   センサー26の正規化された振幅は、横方向の力の質の悪い予測値である。同様に、図9は、(横方向の力の下での)正規化された円周トルクおよび2つのSWTセンサー26,28間の時間に対する正規化された位相変位(実施例1のデータ収集セクションによるMTSモデル860 トレッドウェア機で収集された、Conti Sport Contact,245/40 R18 磁性側壁タイヤからのデータ)のプロットを示す。図9に示されるように、横方向の力の存在により、明らかに、円周トルクの予測値として2つのSWTセンサー26、28間の正規化された位相差を用いる場合、クロス項誤差を引き起こす。
【0031】
本発明は、本発明の力予測装置22を用いることによって上記の弱点を克服する。本発明は、タイヤに作用する円周トルクおよび横方向の力を決定するために、SWTセンサー26、28の両方からの入力を用いる。
【0032】
本発明の力予測装置22の第1の実施形態において、力予測装置22のプロセッサは、ソフトウェアまたはハードウェアのいずれかにおいて、ニューラルネットワークを用いる。好適には、ニューラルネットワークは、タイヤに作用する円周トルクおよび横方向の力の両方を決定するように構成される;しかし、ニューラルネットワークは、以下に記載された1以上の任意の要素の任意の組み合せおよび順列を決定するように構成され得る;タイヤに作用する横方向の力、タイヤに作用する円周トルク、タイヤに作用する縦方向の力、タイヤに作用する垂直方向の力、任意の1以上の上述した要素をその構成成分として有する力および/またはトルク。好適には、外部SWTセンサー26の大きさ(振幅)および2つのセンサー26、28の信号の位相差は、ニューラルネットワークに入力され、所望の変数が出力される。さらに好適には、外部SWTセンサー26からの信号と内部SWTセンサー28からの信号との大きさ(振幅)の差は、さらなる入力として用いられる。力予測装置22のニューラルネットワークは、好適には、多層パーセプトロンであり、さらに好適には、1入力層、1隠れ層(例えば、5〜20のノードを有する)および1出力層を有する多層のパーセプトロンである。層の間の機能の変換について、非線形の、双曲線正接のS字状の変換関数は、好適には、入力層と隠れ層との間で用いられ、線形関数は、好適には、隠れ層と出力層との間で用いられる。双曲線正接のS字状の変換関数は、好適には、次のように用いられる:
tansig=(2/(e−2n−1))−1
ここで、
n=W・p+b
W=重さ行列
b=バイアス値の行列
p=入力値の行列
であり、W・pは、行列積を示す
もちろん、力予測装置22のニューラルネットワークは、以前に収集されたデータを用いて学習されなければならない。この学習は、力予測装置22のニューラルネットワークを以前に収集されたデータを用いて学習する方法を全体的に示すフローチャート100である図10によって例示される。最初に、工程102において、データが収集される。一般に、所望の力およびトルクは、例えば、機器を備えたハブ(instrumented hub)または動力計から収集される。好適な実施形態において、タイヤに作用する円周トルクおよび横方向の力と、未加工のSWTセンサーデータとは、測定され、相互作用しているトルクおよび力の全スペクトルを提供する異なる素数である円周トルクおよび横方向の力の周波数を用いて、MTSモデル860トレッドウェア機(MTS Systems Corporationにて利用可能)で収集される。データ(例えば、一秒当たりに25,000個〜1,000,000個のサンプル、通常、一秒当たり50,000個のサンプル)が収集される。
【0033】
次に、工程104において、未加工の正弦波状のSWTセンサーデータは、ニューラルネットワークへの入力を計算するように処理される。好適な実施形態において、位相および2つの振幅は、未加工のSWTセンサーデータのピークおよびゼロ点交差から計算される。さらに、詳細には、
(a)位相差は、以下のように決定される:(i)平均値は、全てのデータから引かれる、(ii)それぞれの山領域およびそれぞれの谷領域にて、多項式は、山または谷に沿ってフィットしている、(iii)結果として生じる多項式の最大値/最小値が決定される(例えば、差分をゼロに設定し、水平正接(horizontal tangent)を決定する)、(iv)1信号の山/谷の時間は、他の信号の山/谷の時間から引かれる、(v)結果として生じる差は、「半周期」(前の山/谷からこの谷/山までの時間);
(b)外部SWTセンサー26からの信号の振幅は、以下のように決定される:(i)平均値は、センサー26からの全てのデータから引かれる、(ii)それぞれの山領域およびそれぞれの谷領域にて、多項式は、山または谷に沿ってフィットしている、(iii)結果として生じる多項式の最大値/最小値が決定される(例えば、差分をゼロに設定し、水平正接を決定する)、(iv)処理された信号は、誤差修正される(例えば、各データ点の絶対値を求めることにより、)、および(v)フィットした多項式のそれぞれ最大時の振幅がその信号の振幅として用いられる;
(c)2つのSWT信号振幅の間のピーク差は、以下のように決定される:(a)上述の工程(b)によって計算される内部センサー28からの信号のピーク振幅は、上述の(b)において決定されたように外部センサー26からの信号のピーク振幅から引かれる。
センサーからの信号の正弦波の性質が、実際のセンサーデータの代わりにフィット多項式を用いることを容易にする。さらに、位相および振幅の入力にフィット多項式を用いることは、用いない場合に誤った計算を引き起こす任意のノイズを小さくするか、または取り除く傾向にある。
【0034】
位相および2つの振幅を計算した後、次にステップ106でこれらの入力を種々の訂正方法を使用して訂正する。訂正方法の1つの実施例を以下に示す。1円周当たり48N極および48S極が存在するように磁化されたタイヤに対して、内部および外部SWTセンサ信号は、タイヤの1回転当たり48波長の周波数を有する正弦波(すなわち、タイヤの回転ごとに48の「ピーク」振幅および48の「谷」振幅が存在する)に非常によく似る。信号から平均値を引くと、各回転は96の「ゼロ」交差を生成する。加えて、信号を整流すると(各谷を山に変換する)、96ピーク振幅が存在する。NumPolesは、タイヤの円周のNおよびS磁極の数を表す。したがって、この特定のタイヤに対して、パラメータNumPolesは96である。一様な速度、すなわちトルクまたは横方向の力が作用しない一定の速さに対して、ゼロ交差間の時間差またはピーク振幅間の時間差は、極ピッチを規定する。極間隔が一様であると、各極間は360度/96=3.75度または2Pi/96=0.0654ラジアンである。しかし、実際には、極間隔が特定のタイヤに対して完全に一様であるのはまれである。したがって、96極間隔値の各々には誤差が伴う。しかし、この誤差は、特定のタイヤにかかるジオメトリ(geometry)および磁化プロセスによるものである。各極間隔値の誤差はタイヤが回転するごとに繰り返される。これらの誤差は、極ピッチだけでなく、内部および外部SWTセンサ信号間の位相差にも影響を及ぼす。タイヤにトルクおよび横方向の力のいずれも作用しない場合、これら2つの信号間の位相差は96の一定の値からなる。したがって、以下の方法を使用して極間の位相誤差を訂正することができる。
【0035】
まず、(1)SWT位相データを一様速度(トルクおよび横方向の力のいずれも存在しない)で収集する。ついで、(2)(1)で収集された位相データのベクトルからゼロ交差(「平均値」交差)ならびにピークおよび谷振幅を計算する。次に、(3)谷振幅がピーク振幅になるようにデータを整流する。ついで、(4)ベクトル化データをNumPolesセットおよびそのセットのアンサンブル平均Nに分割する、すなわち、
【0036】
【表1】
Figure 2004512207
次に、(5)アンサンブル平均値の平均値(総平均値)を計算する。ついで、(6)Averageベクトルから総平均値を引いて訂正値からなるベクトルを形成する。次に、(7)種々のトルクおよび力の影響下で収集したデータの行列全体から訂正値を引く、すなわち、前回に収集されたすべてのデータを訂正する。最後に、(8)データ行列をベクトルに再形成して戻す。
【0037】
あるいは、(9)データは移動平均を使用してフィルタリングされたデータであってもよい(平均化されるポイント数は2〜NumPolesである)。
【0038】
振幅データは、乗法誤差訂正の常法を使用して同様に訂正される。上記の加法訂正誤差アルゴリズムにおいて記載されたのと同じステップ1〜5を行うが、そのステップをSWT振幅データに適用する。しかし、ステップ6において、Averageから総平均を引く代わりに、総平均をAverageで割って訂正値からなるベクトルを形成する。ステップ7で、データ行列全体に訂正値のベクトルをかける。これにより、すべての振幅データが訂正される。ステップ8および9は、加法訂正値と同様に行われる。
【0039】
次に、ステップ108において、訂正された位相データおよび2つの訂正された振幅を正規化する。すなわち、当業者に公知の常法によって−1〜+1のスケールにする。
【0040】
ついで、ステップ110で、大きなデータセットを種々のセット(例えば、トレーニングセット、検証セット、およびテストセットなど)に分割する。
【0041】
次に、ステップ112で、トレーニングデータセットを使用してニューラルネットワークをトレーニングする。好ましくは、ニューラルネットワークは、公知のLevenberg−Marquardt法を使用してトレーニングされる(早くにトレーニングを停止する)。通常のバックプロパゲーションを使用してネットワークをトレーニングし得るが、収束するのに非常に長い時間がかかる。好ましくは、検証データセットを使用して検証誤差(二乗誤差加算平均(mean sum of squared errors)を決定する。この検証誤差を使用して、いつニューラルネットのトレーニングを停止すればニューラルネットがノイズにはまらずに適切に一般化するかを決定する。より好ましくは、ニューラルネットは、特定の回数、好ましくは5回、検証データが増加するまでトレーニングされる。検証誤差が増加し始める直前のトレーニング回(6回前)からの重みが最後の重みとして使用される。あるいは、ニューラルネットワークは、トレーニングデータセットの二乗誤差加算平均が0.0001以下となるまでトレーニングされる。
【0042】
最後に、タスク116で、重みがテストデータセットを使用し、テストデータセットをトレーニングされたニューラルネットワークに与え、そして二乗誤差加算平均を計算することによってテストされる。二乗誤差加算平均が比較的小さい、好ましくは約0.0018のオーダー、より好ましくは0.0018より小さいと、重みはこの最後のテストに合格する。二乗誤差加算平均が比較的高い、すなわち、0.0018より有意に高いと、別のニューラル構造(例えば、より多くまたはより少ない隠れニューロン、おそらくさらなる隠れ層など)を使用すべきである。
【0043】
さらに、ニューラルネットワークの重みは、少なくとも1つの計装ハブ(例えば、モデル242電子機器およびモデル6613車輪センサ(ともにGSE社))を有する車から収集されたSWT生データならびに力およびトルクデータを使用して検証およびテストされ得る。
【0044】
現在、各タイプのタイヤ(例えば、Contitrac AW P275/65 R17と比較されるようなAmeri*G4S P205/70 R15と比較されるようなConti Sport Contact、P245/40 R18)は、異なる静的および動的特性を有するので、各タイプのタイヤは別のデータ収集およびトレーニングを必要とすると考えられる。さらに、同じタイプの特定のタイヤにおける特定の変動は、個別化されたパラメータが力予測部22によって使用できることを保証するのに十分な異なる特性を有し得る。したがって、力予測部22中のプロセッサは、車10の特定タイプの磁気タイヤ30または車10の特定タイヤに対して適切なニューラルネットワーク重みを使用するための所定の手段を有する必要がある。例えば、力予測部22は、複数のあらかじめロードされた重み、層数、隠れノード数などを複数の異なるタイプのタイヤに対して有し得る。この場合、力予測部22は、車10に取り付けられた特定タイプのタイヤ30を通知されるだけでよい。力予測部22は、多くの手段(例えば、SWTセンサのうちの1つに磁気コード(例えば、タイヤの側壁などに埋め込まれたバーコードなどの形態の、あらかじめ選択された一続きの磁気遷移)を読ませ、選択的に接続可能なコンピュータまたはインターフェースペンダント(interface pendant)(これを介してタイヤのタイプを選択する)などの外部デバイス120(図2)と通信し、これにより力予測部22が適切な重み、層数、隠れノード数などを車に取り付けられたタイヤと関連させる)によって、車10に取り付けられた特定タイプのタイヤ30を通知される得る。加えて、または別に、力予測部22は、重み、層数、隠れノード数などのニューラルネットワークパラメータを、選択的に接続可能なコンピュータまたはインターフェースペンダントなどの外部デバイス120(図2)から直接または間接的に受信するための通信回路を有し得る。
【0045】
加えて、好ましくはニューラルネットワークは、実時間でその重みを最適化するようにトレーニングされる。実時間で最適化するために、妥当なトレーニングデータの有無を決定しなければならない。妥当なSWTセンサデータは、車上の種々のセンサを使用して決定され得る。例えば、典型的にはESPシステムは、収集されたSWTセンサデータに関連する横方向の力データを測定するために使用され得る横方向の力加速度計を有する。さらに、エンジントルクセンサおよび他のセンサを使用して、収集されたSWTセンサデータに関連する周方向トルクを測定し得る。そのような検証されたデータを使用して再度ニューラルネットワークをトレーニングし、ニューラルネットワーク重みを最適化またはそうでなくとも変更し得る。
【0046】
ここで図11および再度、図2を参照する。一旦ニューラルネットワークがトレーニングされ、そして力予測部22が重み、層数、隠れノード数などを取り付けられたタイヤ30にロードまたは関連付けると、力予測部22は、ルーチン200において一般に記載したようにタイヤ30に作用する力を予測する。
【0047】
システムを初期化した後、当業者に公知のように、ステップ202でデータを収集しなければいけない。生SWTセンサデータは実時間様式で収集される。生センサデータは、例えば1秒当たり少なくとも100,000サンプルの速度で収集され、そして力予測部22中のプロセッサ(例えば、DSPなど)に入力される。あるいは、および好ましくは、生センサデータは、平均交差(位相に対する)およびピーク振幅を決定するアナログ回路によって収集される。これら平均交差およびピーク振幅は、例えばCANプロトコル通信リンクなどによって力予測部22中のプロセッサ(例えば、DSPなど)に送信される。生センサデータはニューラルネットワークに入力される。
【0048】
次に、ステップ204で、生SWTセンサデータを処理してニューラルネットワークへの入力を計算する。好適な実施形態において、位相および2つの振幅は、アナログ回路を使用して生SWTセンサデータのピークおよびゼロ交差から計算される。例えば、アナログ回路は、位相ロックループ(PLL)を用いて位相差を決定し得る。アナログ回路は、各信号を積分し、ピーク値を保持し、そしてピーク値を返すことによってSWTセンサ26、28の両方からの信号の振幅を決定し得る。これらの位相および両方のピークは、例えばCANプロトコル通信リンクによって、力予測部22中のプロセッサに送信される。プロセッサは、一方のピークを他方のピークから引くことによって2つのSWT信号振幅間の差を決定する。
【0049】
位相および2つの振幅を計算した後、次に、ステップ206でこれらの入力を種々の訂正方法を使用して訂正する。好ましくは、位相データを上記の加法訂正アルゴリズムを使用して訂正する。好ましくは、両方の振幅を上記の乗法誤差訂正アルゴリズムを使用して訂正する。
【0050】
次に、ステップ208で、図10のステップ108でデータを正規化するために使用された正規化パラメータと同じものを使用して、位相データおよび2つの振幅を正規化する、すなわち、当業者に公知の常法で−1〜+1のスケールにする。
【0051】
最後に、力予測部22は、スケール化された訂正データを使用して予測力を決定する。一般に、力予測部22は、以下のいずれかの1つ以上の組み合わせまたは並び替えを決定する:タイヤに作用する横方向の力、タイヤに作用する周方向のトルク、タイヤに作用する縦方向の力、タイヤに作用する垂直方向の力、ならびに上記の任意の1つ以上を成分として有する力および/またはトルクである。これらの決定された力およびトルクは本明細書中で「予測された」と称する。好ましくは、力予測部22は、タイヤに作用する予測された円周トルクを決定する。好ましくは、力予測部22は、タイヤに作用する予測された横方向の力を決定する。なおさらに好ましくは、力予測部22は、タイヤに作用する予測された横方向の力およびタイヤに作用する予測された周方向のトルクを決定する。
【0052】
最後に、タスク212で、制御部32は、力予測部22によって予測された力および/またはトルクに応じるアクチュエータ34を介して車20の動的状態を変更する。加えて、または別に、制御部は、ディスプレイ部(図示せず)上に任意の好ましいパラメータの定性または定量表示を生成し得る。定性表示は、予測された力および/またはトルクをベースラインまたはしきい力および/またはトルクと比較し、そしてその比較の結果に基づいて適切な表示を表示することによってなされる。定量表示は、予測された力および/またはトルク、ならびに/またはそこから得られる値の数値表示であり得る。
【0053】
本発明の力予測部22の第2の実施形態において、力予測部22のプロセッサは、双一次方程式をソフトウェアまたはハードウェアで実施する。好ましくは、2つの双一次方程式(1つは横方向の力、1つは周方向のトルクのためのもの)がある。しかし、力予測部22は、各予測された力またはトルクに対して1つの双一次方程式を使用して以下の任意の1つ以上の組み合わせまたは並び替えを決定するように構成される:タイヤに作用する横方向の力、タイヤに作用する周方向のトルク、タイヤに作用する縦方向の力、タイヤに作用する垂直方向の力、ならびに上記の任意の1つ以上を成分として有する力および/またはトルクである。好ましくは、外部SWTセンサ26の大きさ(振幅)および2つのSWTセンサ26、28の信号間の位相差は、各双一次方程式において使用される。なおさらに好ましくは、外部SWTセンサ26からの信号および内部SWTセンサ28間の大きさの差は、各双一次方程式においてさらなる変数として使用される。したがって、好ましくは双一次方程式は以下の形態である:
=k+k・p+k・a+k・d+k・p・a
=k+k・p+k・a+k・d+k10・p・a
ここで、
p=180度位置のSWT位相(ラジアン)、
a=180度位置の外部センサ26のSWT振幅(mm)、
d=SWT外部および内部振幅間の差(mm)、
=周方向のトルク(kN−m)、
=横方向の力(kN)、
〜k10=双一次フィット(fit)からの定数。
【0054】
定数k〜k10は、当該分野で公知の標準の多重線形回帰法を使用して決定される。より詳細には、双一次方程式は以下の通りに決定される。まず、ステップ102〜108を伴って本明細書で上記されたように、ステップ102〜108を行う。その結果、1セットの訂正された正規化データが得られる。ついで、定数k〜k10は、MATLABにおいてX上でYを回帰させることによって以下のように計算される:
X=[ones(n,1)X];
XTXI=inv(X’X);
COEF=XTXIX’Y;
ここで、
nは、サンプル数、
Xは、すべての位相データ、振幅データ、デルタデータ、および位相振幅データを含む行列、
Yは、予測された力/トルクのベクトルである。
【0055】
本発明の力予測部の双一次方程式実施形態の使用は、図11のフローチャートと同一である。ただし、ステップ210で、力および/またはトルクは、ニューラルネットワークを使用するのではなく双一次方程式を使用して予測される。
【0056】
双一次方程式はトレーニングされたニューラルネットワークと同様には機能しないように見えるが(以下の実施例を参照)、双一次方程式からの予測は所定の環境下では十分に満足し得る。
【0057】
上記の力およびトルクに加えて、本発明を用いて車制御システムに有用な種々の計算された値を獲得または決定し得る。例えば、摩擦係数は、本発明によって(例えば、F/FおよびF/Fを使用することによって)決定されるF、FおよびFから計算され得る。別の実施例として、車に対するヨー(yaw)レートは、適切な車ダイナミックス方程式を解くことによって決定され得る。この車ダイナミックス方程式を解く工程は、予測された力方程式を積分して、本発明によって決定される、ヨーモーメントに関連する適切な角レートまたは角速度を計算する工程を含む。
【0058】
(実施例1−ニューラルネットワーク)
第1に、Conti Sport Contact,245/40 R18磁性側壁タイヤは、硬化前に側壁に埋め込まれた200phr(100分の1)のストロンチウムフェライトパウダーを用いて、米国特許第5,895,854号、および同時継続中の米国特許第09/347,757号に記載されるように調整された。48個のN極と48個のS極とが交互に設けられている96個の電磁石を用いて、埋め込まれたストロンチウムフェライトを磁化して磁気飽和させた。
【0059】
次に、Conti Sport Contactタイヤは、以下のように、MTS Systems Corporationから入手可能なMTS Model 860 tread wear machine上に搭載される。磁性側壁タイヤは精密リムに搭載された。SWTセンサの2部品(Philips KMZ10A磁気抵抗センサ)がMTS machineに固定された支柱に搭載された。この2部品は、180°で外部対および内部対を有し、90°で外部対および内部対を有し、図4および図5に示されたブラケットを用いる各センサ対は、タイヤを有する側壁の面から約12.5mm離して固定して配置される。
【0060】
MTS Model 860 tread wear machine上に搭載されたConti Sport Contactタイヤに対して、横方向の力FおよびトルクMが、図12に示されるように正弦波状に変動した。この横方向の力は0.1667Hzにおいて正弦波状に変動し、トルクは0.100Hzにおいて正弦波状に変動した。タイヤは1時間当たり50マイルの一定のシミュレートされた速度で回転された。
【0061】
これらの状況下では、30秒(750,000サンプル)のデータ、すなわち円周トルク、横方向の力、およびタイヤに作用する垂直方向の力、インフレーション(inflation)圧、および生SWTセンサデータが、1秒当たり25,000サンプルで収集された。
【0062】
次に生のSWTセンサデータがニューラルネットワークへの入力を計算するように処理された。すなわち、2つのセンサ信号間の位相差(ラジアン)、外部センサ26からの信号の振幅(mm)、および2つのセンサ26および28間の振幅差(mm)が、生SWTセンサデータのピークおよび交差しない部分(zero−crossing)から計算された。より詳細には、位相差は上述の多項式当てはめ法を用いて決定され、外部SWTセンサ26からの信号の振幅は上述の多項式当てはめのピークを用いて決定され、2つのSWT信号の振幅間の差は、上述の多項式当てはめを用いて見出されるピーク間の差を用いて決定された。
【0063】
位相および2つの振幅を計算すると、次のこれらの入力は、上述の加法訂正アルゴリズムを用いて訂正され、両方の振幅は上述の乗法エラー訂正アルゴリズムを用いて訂正された。
【0064】
次に、位相データおよび2つの振幅が正規化された。すなわち、各パラメータについて、最大値と最小値とを減算し、最大値で除算し、この結果の値と各データセットとを乗算することによって、−1〜+1の間でスケーリングする。
【0065】
次いで、大きなデータセットが3つのセット(すなわち、トレーニングセット、バリデーションセット、およびテストセット)に分割された。
【0066】
次に特定の構造がニューラルネットワークに対して選択された。この特定の例では、図13に示されるように、9個の隠れノードを有する単一の隠れ層が使用された。双曲線正接S字状関数が入力と隠れ層との間で使用された。線形関数が隠れ層と出力との間で使用された。図13の3つの入力(Phase180、Amp180Out、およびAmpDelta180)における「180」は、センサ26およびセンサ28が、タイヤの「12時の位置」(すなわち、車両上に観測されるようにタイヤの側壁の上部)において搭載され、従ってデータがその位置から収集されるという事実を示す。この90°データを用いて、垂直方向の力Fを決定する。
【0067】
次に、以下のMatlabニューラルネットワークオブジェクトを使用するMatlabを用いてニューラルネットワークをトレーニングするために、トレーニングデータセットが使用された。
【0068】
【数1】
Figure 2004512207
ニューラルネットワークは、初期停止を用いるLevenberg−Marquardt技術を用いて、Matlabによってトレーニングされた。より詳細には、ニューラルネットワークは、バリデーション停止(5つの連続するエポックに対して増加されたバリデーションセットエラー)がエポック104において発生するまでトレーニングされた。エポック99におけるトレーニングセットについての2乗誤差の平均和(mean sum of squared error)は、0.00176であった。エポック99におけるバリデーションセットについての2乗誤差の平均和は、0.00178であった。
【0069】
この手順を使用すれば、入力と隠れ層との間の以下の重み付けが決定された。
【0070】
【表2】
Figure 2004512207
さらに、隠れ層と出力との間の以下の重み付けが決定された。
【0071】
【表3】
Figure 2004512207
入力と隠れ層との間の以下のバイアス重み付けが決定された。
【0072】
【表4】
Figure 2004512207
最後に、隠れ層と出力との間の以下のバイアス重み付けが決定された。
【0073】
【表5】
Figure 2004512207
これらの特有の重み付けは、トレーニングセット、バリデーションセット、およびテストセットの全てが0.002未満(全ては約0.00178であった)である2乗誤差の平均和を有するため、価値があると考えられている。
【0074】
図14および図15は、バリデーションセットにおいて測定されたデータと比較した場合の予測の近さのグラフィカル表現を示す。これらの重み付けを使用すると、ニューラルネットワークによって予測される横方向の力がバリデーションセットにおいて測定された横方向の力に非常に接近する。同様に、ニューラルネットワークによって予測された円周トルクは、バリデーションセットにおいて測定された円周トルクに非常に近い。
【0075】
(実施例2−双一次式)
この例では、実施例1からのデータは、横方向の力および円周トルクを予測する双一次式の対を決定するために使用された。
【0076】
2つの式に対する定数は、多重線形最小2乗回帰(multiple linear least squares regression)技術を使用してMatlabによって計算された。
【0077】
上述の手順を使用して、以下の双一次式が横方向の力および円周トルクを予測するために決定された。
=−5.9835+7.4517p−0.7741a+0.3313d+0.7102p・a
=−39.6433+7.7312p+6.2483a+9.7848d−2.8222p×a
ここで、
p=180°位置におけるSWT位相(ラジアン)
a=180°位置における外部センサ26のSWT振幅(mm)
d=SWT外部振幅とSWT内部振幅との間の差(mm)
=円周トルク(kN−m)
=横方向の力(kN)
図16および図17は、バリデーションデータセットにおける測定されたデータと比較した場合、予測の近さのグラフィカル表現を示す。これらの双一次式を用いて、予測された横方向の力は、バリデーションセット内の測定された横方向の力に近い。同様に、予測された円周トルクは、バリデーションセット内の測定された円周トルクに近い。図14〜図17の検証によって理解されるように、双一次式によって為されたこの予測が、ニューラルネットワークによって為された予測ほど近くないが、双一次式は様々なアプリケーションに有用で利用可能である合理的で正確な予測を提供する。さらに、予測された値と測定された値との間の最大偏差が、いつ与えられた力またはトルクが存在しなくなったかが明らかになる。
【0078】
(実施例3−ニューラルネットワーク)
Contitrac AW P275/65 R17磁性側壁タイヤは、硬化前に側壁に埋め込まれた200phr(100分の1)のストロンチウムフェライトパウダーを用いて、米国特許第5,895,854号、および同時継続中の米国特許第09/347,757号に記載されるように調整された。48個のN極と48個のS極とが交互に設けられている96個の電磁石を用いて、埋め込まれたストロンチウムフェライトを磁化して磁気飽和させた。
【0079】
次に、Contitrac AW P275/65 R17磁性側壁タイヤは、以下のように、MTS Systems Corporationから入手可能なMTS Model 860 tread wear machineに搭載される。磁性側壁タイヤは精密リムに搭載された。SWTセンサの2つの対をなした部品(Philips KMZ10A磁気抵抗センサ)がMTS machineに固定された支柱に搭載された。この2つの対をなした部品は、180°で外部対および内部対を有し、90°で外部対および内部対を有し、図4および図5に示されたブラケットを用いる各センサ対は、タイヤを有する側壁の面から約12.5mm離して固定して配置される。
【0080】
MTS Model 860 tread wear machineに搭載されたContitrac AW P275/65 R17磁性側壁タイヤに対して、垂直方向の力F、横方向の力FおよびトルクMが、実施例1に示されるように正弦波状に変動した。この垂直方向の力は0.25Hzにおいて正弦波状に変動し、この横方向の力は0.15Hzにおいて正弦波状に変動し、トルクは0.100Hzにおいて正弦波状に変動した。タイヤは1時間当たり50マイルの一定のシミュレートされた速度で回転された。
【0081】
これらの状況下では、20秒(500,000サンプル)のデータ、すなわち円周トルク、横方向の力、およびタイヤに作用する垂直方向の力、インフレーション(inflation)圧、および生SWTセンサデータが、1秒当たり25,000サンプルで収集された。
【0082】
次に生のSWTセンサデータがニューラルネットワークへの入力を計算するように処理された。すなわち、(1)2つの180°センサ信号間の位相差(ラジアン、Phase180)、(2)外部180°センサからの信号の振幅(mm、Amp180OutまたはAmp180)、(3)2つの180°センサ間の振幅差(mm、Amp180OutまたはDelta180)、(4)2つの90°センサ信号間の位相差(ラジアン、Phase90)、(5)外部90°センサからの信号の振幅(mm、Amp90OutまたはAmp180)、(6)2つの90°センサ間の振幅差(mm、AmpDelta90またはDelta90)、(7)Phase180×Amp90Out(訂正ルーチンが実行された後)(p×A180)、(8)Phase90×Amp180Out(訂正ルーチンが実行された後)(p×A90)が、生SWTセンサデータのピークおよび交差しない部分から計算された。より詳細には、位相差は上述の多項式当てはめ法を用いて決定され、外部SWTセンサ26からの信号の振幅は上述の多項式当てはめのピークを用いて決定され、2つの信号の振幅間の差は、上述の多項式当てはめを用いて見出されるピーク間の差を用いて決定された。
【0083】
8つの位相および2つの振幅を計算すると、次のこれらの入力は、上述の加法訂正アルゴリズムを用いて訂正され、両方の振幅は上述の乗法エラー訂正アルゴリズムを用いて訂正された。
【0084】
次に、8つの入力が正規化された。すなわち、各パラメータについて、最大値と最小値とを減算し、最大値で除算し、この結果の値と各データセットとを乗算することによって、−1〜+1の間でスケーリングする。
【0085】
次いで、大きなデータセットが3つのセット(すなわち、トレーニングセット、バリデーションセット、およびテストセット)に分割された。
【0086】
次に特定の構造がニューラルネットワークに対して選択された。この特定の例では、6つの隠れノードを有する単一の隠れ層が使用された。双曲線正接S字状関数が入力と隠れ層との間で使用された。線形関数が隠れ層と出力との間で使用された。
【0087】
次に、以下のMatlabニューラルネットワークオブジェクトを使用するMatlabを用いてニューラルネットワークをトレーニングするために、トレーニングデータセットが使用された。
【0088】
【数2】
Figure 2004512207
ニューラルネットワークは、初期停止を用いるLevenberg−Marquardt技術を用いて、Matlabによってトレーニングされた。より詳細には、ニューラルネットワークは、バリデーション停止(5つの連続するエポックに対して増加されたバリデーションエラー停止がエポック81において発生するまでトレーニングされた。エポック76におけるバリデーションセットについての平均2乗誤差は、0.00023であった。エポック76におけるバリデーションセットについての平均2乗誤差は、0.0003であった。
【0089】
この手順を使用すれば、入力と隠れ層との間の以下の重みが決定された。
【0090】
【表6】
Figure 2004512207
さらに、隠れ層と出力との間の以下の重み付けが決定された。
【0091】
【表7】
Figure 2004512207
入力と隠れ層との間の以下のバイアス重み付けが決定された。
【0092】
【表8】
Figure 2004512207
最後に、隠れ層と出力との間の以下のバイアス重み付けが決定された。
【0093】
【表9】
Figure 2004512207
これらの特有の重み付けは、トレーニングセット、バリデーションセット、およびテストセットの全てが0.002未満(全ては約0.0003未満であった)である2乗誤差の平均和を有するため、価値があると考えられている。
【0094】
図18〜図20は、バリデーションセットにおいて測定されたデータと比較して予測の近さのグラフィカル表現を示す。これらの重み付けを使用すると、ニューラルネットワークによって予測された垂直方向の力、横方向の力、円周トルクがバリデーションセットにおける測定された値とほぼ同一である。
【0095】
(実施例4−双一次式)
この例では、実施例2からのデータは、垂直方向の力、横方向の力および円周トルクを予測する双一次式の対を決定するために使用された。
【0096】
2つの式に対する定数は、多重線形最小2乗回帰技術を使用してMatlabによって計算された。
【0097】
上述の手順を使用して、以下の双一次式が垂直方向の力、横方向の力および円周トルクを予測するために決定された。
=−12.9336+(−11.9139p180)
−4.4413a180+9.9952d180−5.7197p90
+4.1038a90−5.5416d90
+0.1871(p180×a180)
+0.0676(p90×a90)
=8.6908−79.1627p180−1.1944a180
+1.4968d180+10.8531p90+1.2659a90
+0.0597d90+3.5677(p180×a180)
+0.7880(p90×a90)
=−0.9059+6.5357p180−0.6891a180
+1.6094d180+0.0920p90+0.4191a90
−0.6654d90+0.3710(p180×a180)
−0.0027(p90×a90)
ここで、
p180=180°位置におけるSWT位相(ラジアン)
a180=180°位置における外部センサのSWT振幅(mm)
d180=180°におけるSWT外部振幅とSWT内部振幅との間の差(mm)
p90=90°位置におけるSWT位相(ラジアン)
a90=90°位置における外部センサのSWT振幅(mm)
d90=90°におけるSWT外部振幅とSWT内部振幅との間の差(mm)
=横方向の力(kN)
=垂直(標準)力(kN)
=円周トルク(kN−m)
図22〜図24は、バリデーションデータセットにおける測定されたデータと比較した場合、予測の近さのグラフィカル表現を示す。これらの双一次式を用いて、予測された垂直方向の力、横方向の力、円周トルクは、測定された値に非常に近い。双一次式によって為されたこの予測が、さらなるセンサ対を有するニューラルネットワークによって為された予測ほど近くないが、この実施例の双一次式は、多くのアプリケーションに有用で利用可能である非常に正確な予測を提供する。
【0098】
図2を再度説明すると、上述したように、本発明の利点を有する例示的な制御ユニット32は、ABS制御ユニットに限定されないが、トラクション制御システム(TCS)制御ユニット、電子安定性制御(ECS)制御ユニット、統合車両動力学(IVD)制御ユニット、ロック差動制御ユニット、サスペンション制御ユニット、ブレーキ支援制御ユニット、知能巡航(intelligent cruise)制御ユニット、ステアリングアシスト制御ユニット、収縮検知制御ユニット、ナビゲーション制御ユニット、ロールオーバ回避制御ユニット、ブレーキバイワイヤ(brake−by−wire)制御ユニットを含む。
【0099】
ABS制御ユニットは、少なくとも2つの態様で本発明の利点を有し得る。第1に、本発明を用いてABSのチャタリングを低減し得る。典型的にはABSのチャタリングは、スリップデータの性質から生じる。本発明によって提供された力のデータは、スリップデータよりも平滑化されている。従って、本発明に従って取得された力のデータを用いるABSコントローラは、チャタリングがより少ない。
【0100】
あるいは、ABS制御ユニットは、本発明によって予測される横方向の力を用いてより安全にし得る。図18を再度参照すると、様々なステアリング角度(α)における一連のμ−スリップが示されている。ステアリングがなければ横方向の力を生じない。曲線200は、ステアリング角度0°(すなわち、横方向の力がない)において横方向の力(すなわち、ブレーキング力)Fを示す典型的なμ−スリップ曲線である。曲線200によって示され当業者に公知であるように、曲線200のピークは約13%スリップ(点202)において存在する。当業者に公知であるように、ABS制御ユニットが、スリップを制御させ、約10%スリップ付近においてピークブレーキング力を提供することが望ましい。
【0101】
ステアリング運動はタイヤに回転させ、タイヤに横方向の力を誘導する。図18における曲線210および曲線220は、それぞれステアリング角5°および10°において長手方向の力Fを示すマイクロスリップ曲線である。対応する横方向の力Fもまた示される。曲線210のピークは、約20%スリップ(点212)に存在し、曲線220のピークは、約32%スリップ(点222)に存在する。すなわち、ステアリング操作によって引き起こされるタイヤの横方向の力は、μ−スリップ曲線のピークを移動させる。
【0102】
この効果は明らかにすべきである。横方向の力の検出を不可能にするABS制御ユニットは、約10%付近でスリップを制御させ、ステアリング動作がない限り最大ブレーキング力に対して効果的である。しかし、約10%付近のスリップは、曲線210および曲線220のピークは存在しない。従って、ステアリング操作は、横方向の力の検出を不可能にするABS制御ユニットを混乱させ、最大ブレーキング力の生成を不可能にする。
【0103】
一方で、本発明の力予測ユニット22からの予測された横方向の力を受け取るように改変されたABSコントローラ32(または同一のプロセッサとともに実現される)は、予測された横方向の力に従ってスリップ制御点を変動させて最大ブレーキング力を提供し得る。例えば、ABS制御ユニット32は、力予測ユニット22からの予測された横方向の力に基づいて、μ−スリップ曲線または他の制御パラメータを選択するように改変され得る。図18の内容では、第1の予測された横方向の力が使用されて、使用される曲線210をトリガし、ABS制御ユニット32は、点212付近でスリップを制御して最大ブレーキングを提供する傾向がある。異なるより大きな予測された横方向の力が使用されて、使用される曲線220をトリガし、次いでABS制御ユニット32は、点222付近でスリップを制御し、最大ブレーキングを提供する傾向がある。任意の時刻において、横方向の力の予測を変更することは、次の時刻において使用されるμ−スリップ曲線を変更させる。3つのμ−スリップ曲線のみがこの実施例で説明されたが、当業者は、より多くの曲線が使用され、あるいは横方向の力(または力予測ユニット22によって決定されたいくつかの他のパラメータ)が、ABS制御ユニット32による式または式の組において使用され、予測された横方向の力に従ってスリップ制御点を変動させることが理解される。
【0104】
本発明の実施形態を説明することによって本発明が説明され、さらにこの実施形態がかなり詳細に説明されてきたが、本出願の意図は、このような細部に添付の特許請求の範囲を制限またはいかなる態様の限定することではない。さらなる利点および改変が当業者に容易に明白になる。例えば、本明細書中で説明されたSWTセンサは、アナログ回路出力を有し、代替的には、周波数領域において出力を有するセンサが本発明の教示に従って為されたシステムにおいて使用され得る。さらに、本発明で説明されたSWTセンサは、磁気センサであり、他の側壁ねじれセンサは、本発明の教示に従って為されたシステムにおいて使用され得る。従って、本発明は、本発明のより広い局面において、特定の細部、代表的な装置および方法に限定されず、例示的な例が、示され図示される。従って、出願人の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、このような細部の改変が為され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、様々な力およびトルクが見られる車両の透視図である。
【図2】
図2は、本発明のシステムの概略的なブロック図である。
【図3】
図3は、極性を交互にする磁気帯を有し、本発明のシステムおよび方法で使用されるセンサに対応するタイヤの側面図である。
【図4】
図4は、サスペンションに固定された取り付けブラケットの透視図であり、タイヤの磁気側壁に極めて近接して2つの磁気センサを保持する。
【図5】
図5は、図4に示される取り付けブラケットおよびセンサの拡大図である。
【図6】
図6は、横方向の力の影響を示すタイヤ、サスペンション、およびセンサの前面図であり、垂直に得られたタイヤの断面図である。
【図7】
図7は、図6のタイヤおよびセンサの拡大図である。
【図8】
図8は、横方向の力および円周トルクの存在下で得られたSWTセンサ振幅のデータプロットであり、トルクの存在下でSWTセンサ振幅が、横方向の力の比較的粗悪なプレディクタであることを示す。
【図9】
図9は、横方向の力および円周トルクの存在下で得られたSWTセンサ振幅のデータプロットであり、横方向の力の存在により、円周トルクのプレディテクタとしてSWTセンサ位相差を用いると、近接項のエラーが起こることを示す。
【図10】
図10は、本発明のニューラルネットワークをトレインするために使用される一般的な手順を示すフローチャートである。
【図11】
図11は、横方向の力および円周トルクを予測するために本発明のトレインニューラルネットワークを使用するための一般的な手順を示すフローチャートである。
【図12】
図12は、データ収集中にタイヤに加えられた横方向の力および円周トルクを示すデータプロットである。
【図13】
図13は、例1でトレインニューラルネットワークの構造を示す概略的なブロック図である。
【図14】
図14は、実施例1のトレインニューラルネットワークによって予測された、測定された横方向の力および横方向の力を示すデータプロットである。
【図15】
図15は、実施例1のトレインニューラルネットワークによって予測された、測定された円周トルクおよび円周トルクを示すデータプロットである。
【図16】
図16は、実施例2の双一次の式によって予測された、測定された横方向の力および横方向の力を示すデータプロットである。
【図17】
図17は、実施例2の双一次の式によって予測された、測定された円周トルクおよび円周トルクを示すデータプロットである。
【図18】
図18は、実施例3のトレインニューラルネットワークによって予測された、測定された垂直方向の力および垂直方向の力を示すデータプロットである。
【図19】
図19は、実施例3のトレインニューラルネットワークによって予測された、測定された横方向の力および横方向の力を示すデータプロットである。
【図20】
図20は、実施例3のトレインニューラルネットワークによって予想された、測定された円周トルクおよび円周トルクを示すデータプロットである。
【図21】
図21は、小さい横方向の力でさえもμ−スリップ曲線のピーク位置で有効な効果を示す様々なステアリング角度における複数の運動摩擦係数(μ)対パーセントスリップ(μ−スリップ)の曲線を示す。
【図22】
図22は、実施例4の双一次の式によって予想される、測定された垂直方向の力および垂直方向の力を示すデータプロットである。
【図23】
図23は、実施例4の双一次の式によって予想される、測定された横方向の力および横方向の力を示すデータプロットである。
【図24】
図24は、実施例4の双一次の式によって予想される、測定された円周方向のトルクおよび円周方向のトルクを示すデータプロットである。

Claims (45)

  1. タイヤ変形センサと回路通信状態にするための力予測ユニットと、少なくとも1つの他のセンサとを含む車両制御システムであって、該タイヤ変形センサはタイヤから離され、かつ該タイヤの近くに該タイヤに対して非回転的に配置されており、該力予測ユニットは該タイヤ変形センサからの連結されたタイヤ変形入力を受信し、該連結されたタイヤ変形の入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、そしてさらに該円周トルクに対応する長手方向の力に対してよじれた該タイヤに作用する別の力に関連し、該力予測ユニットは該少なくとも1つの他のセンサからの少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受信し、該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、該タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することにより特徴付けられ、該予測された円周トルクまたは長手方向の力の決定は、該タイヤに付与された該円周トルクに関連する該連結されたタイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに作用する他のよじれた力に関連する該連結されたタイヤ変形入力の第2の部分から切り離す該力予測ユニットを含む、車両制御システム。
  2. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練されたニューラルネットワークを実現するコードを実行する、請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練された多層ニューラルネットワークを実行するコードを実行し、該多層ニューラルネットワークは入力層、少なくとも1つの隠れ層、および出力層を有する、請求項1に記載の車両制御システム。
  4. 前記プログラムされたプロセッサは、双曲線正接S字形伝達関数の形式で前記入力層と前記少なくとも1つの隠れ層との間の等式を実行し、そして該プログラムされたプロセッサは、線形関数の形式で前記隠れ層と前記出力層との間の等式を実行する、請求項3に記載の車両制御システム。
  5. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータの多重線形最小自乗回帰解析を用いて決定された定数を使用する等式を実行するコードを実行する、請求項1に記載の車両制御システム。
  6. 前記力予測ユニットの前記プログラムされたプロセッサにより実行される前記等式は、双一次等式である、請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、該プログラムされたプロセッサは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定する、請求項1に記載の車両制御システム。
  8. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記ニューラルネットワークは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定する、請求項2に記載の車両制御システム。
  9. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記双一次等式は少なくとも該位相入力および該振幅入力の関数であり、該タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力を決定する、請求項6に記載の車両制御システム。
  10. 前記タイヤ変形センサは磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交互の磁極で磁化された前記タイヤの側壁の近くに配置された磁気センサを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の車両制御システム。
  11. タイヤ変形センサと回路通信状態にするための力予測ユニットと、少なくとも1つの他のセンサとを含む車両制御システムであって、該タイヤ変形センサはタイヤから離され、かつ該タイヤの近くに該タイヤに対して非回転的に配置されており、該力予測ユニットは該タイヤ変形センサからの連結されたタイヤ変形入力を受信し、該連結されたタイヤ変形の入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、そしてさらに該タイヤに作用する横方向の力に関連し、該力予測ユニットは該少なくとも1つの他のセンサからの少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受信し、該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、該タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することにより特徴付けられ、該予測された横方向の力の決定は、該タイヤに作用する該横方向の力に関連する該連結されたタイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに付与された該円周トルクに関連する該連結されたタイヤ変形入力の第2の部分から切り離す該力予測ユニットを含む、車両制御システム。
  12. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練されたニューラルネットワークを実行するコードを実行する、請求項11に記載の車両制御システム。
  13. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練された多層ニューラルネットワークを実行するコードを実行し、該多層ニューラルネットワークは入力層、少なくとも1つの隠れ層、および出力層を有する、請求項11に記載の車両制御システム。
  14. 前記プログラムされたプロセッサは、双曲線正接S字形伝達関数の形式で前記入力層と前記少なくとも1つの隠れ層との間の等式を実行し、そして該プログラムされたプロセッサは、線形関数の形式で前記隠れ層と前記出力層との間の等式を実行する、請求項13に記載の車両制御システム。
  15. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータの多重線形最小自乗回帰解析を用いて決定された定数を使用する等式を実行するコードを実行する、請求項11に記載の車両制御システム。
  16. 前記力予測ユニットの前記プログラムされたプロセッサにより実行される前記等式は、双一次等式である、請求項15に記載の車両制御システム。
  17. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、該プログラムされたプロセッサは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定する、請求項11に記載の車両制御システム。
  18. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記ニューラルネットワークは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定する、請求項12に記載の車両制御システム。
  19. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記双一次等式は少なくとも該位相入力および該振幅入力の関数であり、該タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定する、請求項16に記載の車両制御システム。
  20. 前記タイヤ変形センサは磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交互の磁極で磁化された前記タイヤの側壁の近くに配置された磁気センサを含む、請求項11〜19のいずれかに記載の車両制御システム。
  21. タイヤ変形センサと回路通信状態にするための力予測ユニットと、少なくとも1つの他のセンサとを含む車両制御システムであって、該タイヤ変形センサはタイヤから離され、かつ該タイヤの近くに該タイヤに対して非回転的に配置されており、該力予測ユニットは該タイヤ変形センサからの連結されたタイヤ変形入力を受信し、該連結されたタイヤ変形の入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、そしてさらに該タイヤに作用する垂直方向の力に関連し、該力予測ユニットは該少なくとも1つの他のセンサからの少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受信し、該力予測ユニットは該連結されたタイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力を受信するプログラムされたセンサを含み、該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することにより特徴付けられ、該予測された垂直方向の力の決定は、該タイヤに作用する該垂直方向の力に関連する該連結されたタイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに付与された該円周トルクに関連する該連結されたタイヤ変形入力の第2の部分から切り離す該力予測ユニットを含む、車両制御システム。
  22. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練されたニューラルネットワークを実行するコードを実行する、請求項21に記載の車両制御システム。
  23. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータを用いて訓練された多層ニューラルネットワークを実行するコードを実行し、該多層ニューラルネットワークは入力層、少なくとも1つの隠れ層、および出力層を有する、請求項21に記載の車両制御システム。
  24. 前記プログラムされたプロセッサは、双曲線正接S字形伝達関数の形式で前記入力層と前記少なくとも1つの隠れ層との間の等式を実行し、そして該プログラムされたプロセッサは、線形関数の形式で前記隠れ層と前記出力層との間の等式を実行する、請求項23に記載の車両制御システム。
  25. 前記力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、そしてさらに該力予測ユニットの該プログラムされたプロセッサは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、前記タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定するために既に収集されたデータの多重線形最小自乗回帰解析を用いて決定された定数を使用する等式を実行するコードを実行する、請求項21に記載の車両制御システム。
  26. 前記力予測ユニットの前記プログラムされたプロセッサにより実行される前記等式は、双一次等式である、請求項25に記載の車両制御システム。
  27. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットはプログラムされたプロセッサを含み、該プログラムされたプロセッサは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定する、請求項21に記載の車両制御システム。
  28. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記ニューラルネットワークは該位相入力および該振幅入力を入力として受け取りそして少なくとも該位相入力および該振幅入力を使用して、少なくとも該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定する、請求項22に記載の車両制御システム。
  29. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、少なくとも2つのセンサ間の位相差に関連した位相入力を決定し、そしてさらに該力予測ユニットは、少なくとも該連結されたタイヤ変形入力から、前記タイヤの側壁と該タイヤの変形センサとの間の距離に関連した振幅入力を決定し、前記双一次等式は少なくとも該位相入力および該振幅入力の関数であり、該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力を決定する、請求項26に記載の車両制御システム。
  30. 前記タイヤ変形センサは磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交互の磁極で磁化された前記タイヤの側壁の近くに配置された磁気センサを含む、請求項21〜29のいずれかに記載の車両制御システム。
  31. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する該長手方向の力に対してよじれた該タイヤに作用する力の予測に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項1に記載の車両制御システム。
  32. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項31に記載の車両制御システム。
  33. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された円周トルクまたは長手方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項31に記載の車両制御システム。
  34. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する該横方向の力に対してよじれた該タイヤに作用する力の予測に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項10に記載の車両制御システム。
  35. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された横方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項34に記載の車両制御システム。
  36. 前記力予測ユニットは、少なくとも前記連結されたタイヤ変形入力および前記少なくとも1つの他のセンサ入力から、(a)前記タイヤに作用する予測された垂直方向の力に対応する出力と、(b)該タイヤに作用する該垂直方向の力に対してよじれた該タイヤに作用する力の予測に対応する出力とを決定するために既に収集されたデータから決定された定数を有するプログラムされた等式を実行することによりさらに特徴付けられる、請求項20に記載の車両制御システム。
  37. 車制御システムであって、
    (a)タイヤ変形センサおよび少なくとも1つの他のセンサと回路通信状態にするための力予測ユニットであって、該タイヤ変形センサは、タイヤから分離され、該タイヤの近傍において該タイヤに対して非回転的に構成され、該力予測ユニットは、該タイヤ変形センサから結合タイヤ変形入力を受け取り、該結合タイヤ変形入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、該円周トルクに対応する長軸方向の力に対して曲がって、該タイヤに作用する別の力にさらに関連し、該力予測ユニットは、該少なくとも1つの他のセンサから少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受け取り、該力予測ユニットは、該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力を受け取る予めプログラムされたプロセッサを含み、該力予測ユニットは、少なくとも該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、タイヤに作用する予測円周トルクまたは長軸方向の力に対応する予測円周トルクまたは長軸方向の力に対応する出力を決定するために、以前に集められたデータから決定された定数を有する予めプログラムされた式を実行し、該タイヤに作用する予測円周トルクまたは長軸方向の力に対応する予測円周トルクまたは長軸方向の力出力を出力することによって特徴付けられ、該予測円周トルクまたは長軸方向の力の決定は、該タイヤに付与された該円周トルクに関連する該結合タイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに作用する他の曲がった力に関連する該結合タイヤ変形入力の第2の部分から分離する該力予測ユニットを含む、力予測ユニットと、
    (b)予測円周トルクまたは長軸方向の力出力を受け取り、車アクチュエータと回路通信状態にするための該力予測ユニットと通信する回路内の制御ユニットであって、該制御ユニットは、該予測ユニットからの予測円周トルクまたは長軸方向の力出力に少なくとも部分的に応じる該アクチュエータを介して車の動的状態を変更することによって特徴付けられる制御ユニットと
    を備える、車制御システム。
  38. 車制御システムであって、
    (a)タイヤ変形センサおよび少なく1つの他のセンサと回路通信状態にするための力予測ユニットであって、該タイヤ変形センサは、タイヤから分離され、該タイヤの近傍において該タイヤに対して非回転的に構成され、該力予測ユニットは、該タイヤ変形センサから結合タイヤ変形入力を受け取り、該結合タイヤ変形入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、該タイヤに作用する横力にさらに関連し、該力予測ユニットは、該少なくとも1つの他のセンサから少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受け取り、該力予測ユニットは、該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力を受け取る予めプログラムされたプロセッサを含み、該力予測ユニットは、少なくとも該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、該タイヤに作用する予測横力に対応する出力を決定するために、以前に集められたデータから決定された定数を有する予めプログラムされた式を実行し、該タイヤに作用する該予測横力に対応する予測横力出力を出力することによって特徴付けられ、該予測横力の決定は、該タイヤに作用する横力に関連する該結合タイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに付与された円周トルクに関連する該結合タイヤ変形入力の第2の部分から分離する該力予測ユニットを含む、力予測ユニットと、
    (b)予測横力出力を受け取り、車アクチュエータと回路通信状態にするための該力予測ユニットと通信する回路内の制御ユニットであって、該制御ユニットは、該力予測ユニットからの予測横力出力に少なくとも部分的に応じる該アクチュエータを介して車の動的状態を変更することによって特徴付けられる制御ユニットと
    を備える、車制御システム。
  39. 前記制御ユニットは複数のμスリップカーブと関連付けられ、該μスリップカーブの各々は異なる横力と関連付けられ、該制御ユニットは、該μスリップカーブの選択された1つに基づいてアンチロックブレーキングシステムを実行し、さらに、該制御ユニットは、該力予測ユニットからの予測横力出力に少なくとも部分的に応じて該複数のμスリップカーブを選択し、該複数のμスリップカーブの選択された1つを用いて、アンチロックブレーキを実行することによって特徴付けられる、請求項38に記載の車制御システム。
  40. 車制御システムであって、
    (a)タイヤ変形センサおよび少なく1つの他のセンサと回路通信状態にするための力予測ユニットであって、該タイヤ変形センサは、タイヤから分離され、該タイヤの近傍において該タイヤに対して非回転的に構成され、該力予測ユニットは、該タイヤ変形センサから結合タイヤ変形入力を受け取り、該結合タイヤ変形入力は該タイヤに付与される円周トルクに関連し、該タイヤに作用する鉛直力にさらに関連し、該力予測ユニットは、該少なくとも1つの他のセンサから少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受け取り、該力予測ユニットは、該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力を受け取る予めプログラムされたプロセッサを含み、該力予測ユニットは、少なくとも該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、該タイヤに作用する予測鉛直力に対応する予測鉛直力出力を決定するために、以前に集められたデータから決定された定数を有する予めプログラムされた式を実行し、該タイヤに作用する予測鉛直力に対応する予測鉛直力出力を出力することによって特徴付けられ、該予測鉛直力の決定は、該タイヤに作用する鉛直力に関連する該結合タイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに付与された円周トルクに関連する該結合タイヤ変形入力の第2の部分から分離する該力予測ユニットを含む、力予測ユニットと、
    (b)予測鉛直力出力を受け取り、車アクチュエータと回路通信状態にするための該力予測ユニットと通信する回路内の制御ユニットであって、該制御ユニットは、該力予測ユニットからの該予測鉛直力出力に少なくとも部分的に応じる該アクチュエータを介して車の動的状態を変更することによって特徴付けられる制御ユニットと
    を備える、車制御システム。
  41. タイヤに作用する円周トルクまたは長軸方向の力を予測する方法であって、
    (a)タイヤ変形センサおよび少なく1つの他のセンサと回路通信状態にするための力予測ユニットを提供する工程であって、該タイヤ変形センサは、該タイヤから分離され、該タイヤの近傍において該タイヤに対して非回転的に構成され、該力予測ユニットは、該タイヤ変形センサから結合タイヤ変形入力を受け取り、該結合タイヤ変形入力は該タイヤに付与された円周トルクに関連し、該円周トルクに対応する長軸方向の力に対して曲がって、該タイヤに作用する別の力にさらに関連し、該力予測ユニットは、該少なくとも1つの他のセンサから少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を受け取り、該力予測ユニットは、該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力を受け取る予めプログラムされたプロセッサを含み、該力予測ユニットは、少なくとも該結合タイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサ入力から、タイヤに作用する予測鉛直力に対応する出力を決定するために、以前に集められたデータから決定された定数を有する予めプログラムされた式を実行することによって特徴付けられる、工程と、
    (b)該タイヤ変形センサからのタイヤ変形入力および該少なくとも1つの他のセンサからの該少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を集める工程と、
    (c)該集められたタイヤ変形入力および該集められた少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力から、タイヤに作用する該円周トルクまたは長軸方向の力を、該力予測ユニットで決定する工程であって、該予測円周トルクまたは長軸方向の力の決定は、該タイヤに付与された該円周トルクに関連する該結合タイヤ変形入力の第1の部分を、該タイヤに作用する他の曲がった力に関連する該結合タイヤ変形入力の第2の部分と分離する該力予測ユニットを含む、工程と
    を包含する、方法。
  42. タイヤ変形センサおよび少なくとも1つの他のセンサからタイヤに作用する円周トルクまたは長軸方向の力を決定するようにニューラルネットワークを訓練する方法であって、
    (a)タイヤ変形センサからのタイヤ変形入力および少なくとも1つの他のセンサからの少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力を集める工程であって、該タイヤ変形センサは、該タイヤから分離され、該タイヤの近傍において該タイヤに対して非回転的に構成される、工程と、
    (b)該タイヤに作用する該円周トルクまたは長軸方向の力に対応する入力を集める工程と、
    (c)トレーニングデータとして、少なくとも、該タイヤ変形センサと該タイヤとの間の変更エアギャップの長さに関連して該集められたタイヤ変形入力、該集められた少なくとも1つの他のタイヤセンサ入力、および、該タイヤに作用する該円周トルクまたは長軸方向の力に対応する該集められた入力を用いてタイヤに作用する該円周トルクまたは長軸方向の力を予測するように該ニューラルネットワークを訓練する工程と、
    を包含する、方法。
  43. 前記タイヤ変形センサは、磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交流磁極を磁化する、該タイヤの側壁に近接して配置された磁気センサを含み、さらに、前記少なくとも1つの他のタイヤセンサはABSスピードセンサである、請求項1〜9のいずれかに記載の車制御システム。
  44. 前記タイヤ変形センサは、磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交流磁極を磁化する、該タイヤの側壁に近接して配置された磁気センサを含み、さらに、前記少なくとも1つの他のタイヤセンサはABSスピードセンサである、請求項11〜19のいずれかに記載の車制御システム。
  45. 前記タイヤ変形センサは、磁気タイヤ側壁ねじれ(SWT)センサを含み、該SWTセンサは、交流磁極を磁化する、該タイヤの側壁に近接して配置された磁気センサを含み、さらに、前記少なくとも1つの他のタイヤセンサはABSスピードセンサである、請求項21〜29のいずれかに記載の車制御システム。
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