JP4207744B2 - モーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置 - Google Patents

モーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、モーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置に係り、より詳細には、回転体が回転する基準となる回転軸に加わるモーメントを検出するモーメント検出装置と、タイヤと路面との間に発生するタイヤ発生力を検出するタイヤ発生力検出装置とに関する。
従来、タイヤの摩擦状態を知り、車輪の横滑りを防止するなど車両の予防安全制御性能を向上させるために、タイヤに発生する前後力、セルフアライニング・トルク、横力等のタイヤ発生力を検知している。
特許文献1には、サスペンション内のナックルに歪ゲージを埋め込み、タイヤ発生力を求めることが開示されており、特許文献2には、タイヤ表面に磁気マーカを埋め込み、磁気変化を検出して、タイヤ発生力を求めることが開示されている。
特開平04-331336号公報 特表平10-506346号公報
しかしながら、上記いずれの技術も、ナックルやタイヤに複雑な加工を施す必要があり汎用性に欠け、検出精度が低く信頼性が高いとは言えない。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、信頼性の高いモーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明に係るモーメント検出装置は、回転体が回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるように1つの回転体に対して予め定められた位置に配置された複数の信号発生手段と、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の位相ずれ量又は前記信号の振幅差を含んで表される特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と前記回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、前記検出手段により検出された前記特徴量と、に基づいて、前記回転軸に加わるモーメントを検出するモーメント検出手段と、を備えている。
本発明に係るモーメント検出装置は、各々発生する信号の位相が異なるように予め定められた位置に配置された複数の信号発生手段を備えている。複数の信号発生手段各々は、回転体が回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を発生する。具体的には、信号発生手段は、請求項4のように、前記回転体と共に回転する回転子と固定子との間の磁束の変化に基づいて、前記信号を発生する。例えば、信号発生手段は、前記回転体と前記固定子との間に発生する電磁誘導現象やホール効果(半導体にみられる)等に基づいて、前記信号を発生する。なお、固定子とは、回転体に対し回転しない物体を意味する。例えばタイヤを回転体とした場合には、固定子は回転しない(固定された)車体等に取り付けられる。
前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応する特徴量を検出する。
ここで、請求項2のように、前記複数の信号発生手段各々により発生されされた前記信号から、周期が前記回転体の回転角及び前記回転軸の位置ずれに対応するパルスを発生するパルス発生手段を備えた場合には、前記特徴量検出手段は、前記パルス発生手段により発生された前記パルスから、前記特徴量を検出する。
この場合、請求項3のように、特徴量検出手段は、前記回転体の1周期内の前記パルス発生手段により発生された各パルスの周期と、前記回転体の1周期内の前記回転体の回転速度の平均値と、から、前記回転軸の位置変化に伴う回転体の各パルス毎の速度変動率を求める速度変動率算出手段と、前記求められた回転体の速度変動率の所定の高次成分を前記特徴量として検出する高次成分算出手段と、から構成されるようにしてもよい。
また、請求項5のように、特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の位相ずれ量の和を含んで表される特徴量を、前記特徴量として検出するようにしてもよい。例えば、請求項6のように、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の位相ずれ量の和で表される差動位相シフト量を、前記特徴量として検出するようにしてもよい。
この場合、請求項6のように、前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の積をとることにより生成される信号のオフセット量を前記特徴量として検出するようにしてもよい。
更に、請求項8のように、前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の差をとることにより生成される信号の振幅を、前記特徴量として検出するようにしてもよい。
そして、モーメント検出手段は、前記回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と前記回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、前記検出手段により検出された前記特徴量と、に基づいて、前記回転軸に加わるモーメントを検出する。
以上説明したように本発明は、回転体が回転する基準となりかつ回転平面と平行な成分の力が加わると位置がずれる固定子側の回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する複数の信号に基づいて、回転軸の位置ずれによって変化する特徴量を検出し、回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、検出された特徴量と、に基づいて、回転軸に加わるモーメントを検出する。よって、信頼性の高いモーメント検出装置を提供することができる。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回転体の回転角を検出する回転角検出手段と、前記複数の信号発生手段により発生された複数の信号の振幅を求める振幅検出手段と、を備え、前記特徴量検出手段は、前記回転角検出手段により検出された角度に基づいて、前記回転角が所定角度における前記振幅検出手段により求められた前記複数の信号の振幅を前記特徴量として検出するようにしている。
即ち、回転角検出手段は、上記回転体の回転角を検出し、振幅検出手段は、複数の信号発生手段により発生された複数の信号の振幅を求める。
ここで、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の振幅は、回転軸の位置ずれ量に応じて変化する。
そこで、本発明の特徴量検出手段は、回転角検出手段により検出された角度に基づいて、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の振幅を上記特徴量として検出する。なお、本発明の特徴量検出手段は、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の積の振幅を上記特徴量として検出するようにしてもよい。
そして、モーメント検出手段は、回転軸の位置ずれによって変化する特徴量として検出された、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の振幅と回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、検出された特徴量と、に基づいて、前記回転軸に加わるモーメントを検出する。
このように、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の振幅を上記特徴量として検出するが、回転軸の位置ずれ量に応じて変化する複数の信号の振幅は回転角が所定角度のとき検出されたものであるので、回転体の回転速度が変動しても、精度よく特徴量を検出することができる。
ここで、所定角度は、請求項10のように、振幅検出手段により求められる複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角として認められる回転角を含む所定範囲内の角度である。なお、該所定角度を、請求項11のように、前記複数の信号の積の振幅がピークとなる回転体の回転角として認められる回転角度であって、0以上の整数をnとすると、
(π/4)+n・(π/2)
としてもよい。
なお、前記回転軸の軸剛性は、請求項1乃至11のように、前記回転軸に加わるモーメントとしてもよい。
請求項13記載の発明のタイヤ発生力検出装置は、車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるようにタイヤの前後方向又はタイヤ上下方向に離間させて配置された複数の信号発生手段と、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の位相ずれ量又は前記信号の振幅差を含んで表される特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と前記回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係、前記検出手段により検出された前記特徴量、及び前記タイヤの機構情報に基づいて、タイヤと路面との間に発生するタイヤ発生力を検出するタイヤ発生力検出手段と、を備えている。
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記回転体の回転角を検出する回転角検出手段と、前記複数の信号発生手段により発生された複数の信号の振幅を求める振幅検出手段と、を備え、前記特徴量検出手段は、前記回転角検出手段により検出された角度に基づいて、前記回転角が所定角度における前記振幅検出手段により求められた前記複数の信号の振幅を前記特徴量として検出するようにしている。
このように本発明は、回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係、検出された特徴量、及びタイヤの機構情報に基づいて、タイヤと路面との間に発生するタイヤ発生力を検出するので、信頼性の高いタイヤ発生力検出装置を提供することができる。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、前記回転角検出手段により検出された角度及び前記振幅検出手段により検出された前記複数の信号の振幅に基づいて、前記複数の信号の振幅がピークとなる回転体の正規回転角と、前記複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と認められる近似回転角と、前記正規回転角と前記近似回転角との差と、を検出する検出手段を、備え、前記特徴量検出手段は、前記検出手段により検出された前記回転角の差と前記正規回転角とに基づいて、前記複数の信号の位相ずれ量を検出し、前記タイヤ発生力検出手段は、前記特徴量検出手段により検出された前記複数の信号の位相ずれ量に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出するようにしている。
このように、複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と認められる回転角との差と、複数の信号の振幅のピークと、に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出する、即ち、回転体の回転角を用いているので、精度良く、該モーメントを検出することができる。
ここで、タイヤ発生力検出手段は、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメント及び上下方向の仮想軸まわりのモーメントの少なくとも一方を検出する。
請求項16記載の発明は、車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるように予め定められた位置に配置され、かつ、互いにタイヤの回転角度で180°ずれた位置に配置されると共に、タイヤの上下方向の仮想軸に対称となる位置に配置された信号発生手段対と、前記信号発生手段対各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の振幅差を、特徴量として検出する特徴量検出手段と、前記検出手段により検出された前記信号の振幅差に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出するタイヤ発生力検出手段と、を備えている。
このように、信号発生手段対各々により発生された信号の差に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出するので、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントと、に分けて、少なくとも何れかのモーメントを検出することができる。
即ち、タイヤ発生力検出手段は、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメント及び上下方向の仮想軸まわりのモーメントの少なくとも一方を検出する。なお、タイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントは、いわゆる、セルフアライニング・トルクに対応する。
請求項17記載の発明のタイヤ発生力検出装置は、車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、タイヤ上下方向の仮想軸に互いにタイヤの回転角度で180°ずれた位置に配置された信号発生手段対と、前記信号発生手段対により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の振幅差を、特徴量として検出する特徴量検出手段と、前記検出手段により検出された前記信号の振幅差に基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントを検出するタイヤ発生力検出手段と、を備えている。
即ち、本発明は、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメント、いわゆる、横力に対応する力を単独に検出することができる。
以上説明したように請求項1乃至請求項12記載の発明は、上記のように構成したので、信頼性の高いモーメント検出装置を提供することができる、という効果を有する。
請求項9乃至請求項12記載の発明は、回転角が所定角度における振幅検出手段により求められた複数の信号の振幅を上記特徴量として検出するが、回転軸の位置ずれ量に応じて変化する複数の信号の振幅は回転角が所定角度のとき検出されたものであるので、回転体の回転速度が変動しても、精度よく特徴量を検出することができる、という効果を有する。
請求項13、14記載の発明は、回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係、検出された特徴量、及びタイヤの機構情報に基づいて、タイヤと路面との間に発生するタイヤ発生力を検出するので、信頼性の高いタイヤ発生力検出装置を提供することができる、という効果を有する。
請求項15記載の発明は、複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と認められる回転角との差と、複数の信号の振幅のピークと、に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出する、即ち、回転体の回転角を用いているので、精度良く、該モーメントを検出することができる、という効果を有する。
請求項16記載の発明は、信号発生手段対各々により発生された信号の差に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出するので、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを、タイヤの前後の方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントと、に分けて、少なくとも何れかのモーメントを検出することができる、という効果を有する。
請求項17記載の発明は、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメント、いわゆる、横力に対応する力を単独に検出することができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を説明する。第1の実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、本発明のモーメント検出装置を備えている。図1に示すように、本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、電磁誘導型の回転センサであるレゾルバ12と、レゾルバ12に接続されたレゾルバ/デジタル変換器(以下、R/D変換器という)14と、R/D変換器14に接続されたタイヤ発生力計算器16と、を備えている。
図2に示すように、レゾルバ12は、回転変圧器(回転トランス)12Aと、回転変圧器12Aの出力側のコイルとの電磁誘導により起電力が発生する複数のコイル12Bとで構成されている。この例では、同一構成の2個のコイル12B1、12B2が設けられている。回転変圧器12Aは、回転体であるタイヤ側に該タイヤと共に回転するように取り付けられている。一方、コイル12B1、12B2は、車体側に固定された固定子(図示せず)に巻回されている。
コイル12B1、12B2の各々に誘導電圧Ec、Esが発生し、レゾルバ12からは信号Ec、Esが出力される。コイル12B1、12B2は、各々の出力する信号Ec、Esの位相差が所定値(例えば、90°)となるように、予め定められた位置に配置されている。なお、コイル12B1、12B2は、本発明の信号発生手段に相当し、横力等が加わると位置ずれを生じる車軸の位置変化及びタイヤの回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を発生する。信号発生手段としての詳細な動作については後述する。
図3に示すように、R/D変換器14は、レゾルバ12の出力信号Ec、Esから、周期がタイヤの回転角及び車軸の位置ずれに対応するパルスを発生する。なお、R/D変換器14は、パルス発生手段に対応する。より詳細には、レゾルバ12からの信号Ec、Esの一方の信号Esが入力され、信号Esにcosφを乗算する乗算器22と、他方の信号Ecが入力され、信号Ecにsinφを乗算する乗算器24と、を備えている。乗算器22及び乗算器24には、乗算器22の出力から乗算器24の出力を減算する減算器26が接続されている。減算器26には、同期整流器28が接続され、同期整流器28には誤差出力に比例したアップダウンパルスを出力する電圧制御発信器(以下、VCOという)30が接続され、VCO30には、入力されたパルス数に応じたデジタル出力角φを出力するカウンタ32が接続されている。カウンタ32の出力端は、乗算器22、乗算器24、及びタイヤ発生力計算器16の各々に接続されている。
タイヤ発生力計算器16は、図示しないIC素子等で構成されており、カウンタ32の出力に基づいて、車軸の位置ずれ量に対応する特徴量を検出し、車軸の位置ずれによって変化する特徴量と車軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、検出された特徴量と、に基づいて、車軸に加わるモーメントを検出するように動作する。例えば、本実施の形態では、車軸の軸剛性としてモーメントを使用する。
次に、本実施の形態におけるタイヤ発生力を検出する原理を説明する。
車両をスラローム走行させた場合、車軸にはタイヤに作用する横力がかかり横加速度が徐々に増加する。図4に示すように、車輪速センサにより検出された車輪速は、横加速度が発生してもそれほど変化しない。これに対し、上記で説明したレゾルバの出力信号は、横加速度の絶対値が大きくなるに従い、換言すれば、横力が大きくなるに従い、振幅に乱れが生じている。即ち、横力の大きさに対応してレゾルバの出力信号の振幅が変化している。
即ち、タイヤに横力がかかると、モーメントが発生し、これにより、タイヤの回転軸である車軸の位置ずれが発生する。車軸の位置ずれが発生していない場合には、タイヤに取り付けられた回転変圧器12Aの出力側のコイルと車体側に取り付けられたコイル12B1、12B2との間のギャップ(距離)は変化しないが、車軸の位置ずれが発生すると、回転変圧器12Aの出力側のコイルとコイル12B1、12B2との間のギャップが変化する。これにより、各々の磁気抵抗が変化し、コイル12B1、12B2の各々に発生する誘導電圧に変化が生ずる。
車軸の位置ずれによって変化する特徴量とモーメントとの関係は、所定の測定装置などにより予め測定されて、タイヤ発生力計算器16のメモリ等にマップ、データテーブル、関係式等によって予め記憶されている。この予め記憶された関係と得られた特徴量とからモーメントを求めることができ、得られたモーメントからタイヤに発生する前後力、セルフアライニング・トルク、横力等のタイヤ発生力を求めることができる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
まず、R/D変換器の動作原理について説明する。図2に示すように、レゾルバ12の回転変圧器12Aに、高周波数の交流電圧Esinωt(例えば、ω=20kHz等である)を印加すると、電磁誘導によりコイル12B2、12B1にそれぞれ下記式で表される電圧が誘導される。
Figure 0004207744
ここで、Kは結合係数である。上記式から理解されるように、誘導電圧の大きさはタイヤの回転角θに応じて変化する。
図3に示すように、レゾルバ12の出力信号Ec、Esの一方の信号Esは乗算器22に入力され、信号Esにcosφが乗算され、他方の信号Ecは乗算器24に入力され、信号Ecにsinφが乗算される。乗算器22及び乗算器24各々の出力は減算器26入力される。減算器26は、乗算器22からの出力から乗算器24の出力を減算するので、出力する電圧は、
Figure 0004207744
となる。
同期整流器28には、レゾルバ12から信号Esinωtが入力されると共に、減算器26から上記式で表される電圧(信号)が入力される。同期整流器28は、減算器26から入力された信号からsinωtの部分を除去して、得られた信号KEsin(θ−φ)をVCO30に出力する。
VCO30は、誤差出力である電圧sin(θ−φ)(≒θ−φ)の大きさに対応する数のアップダウンパルスをカウンタ32に出力する。カウンタ32は、VCO30からのパルスの出力が止まるまで、アップダウンパルス数に応じたデジタル出力角φを乗算器22及び乗算器24に繰り返し入力し、回転角θに対してデジタル出力角φが一致するようにφの値を調整する。これにより、sin(θ−φ)=0、即ち、θ=φとなる。デジタル出力角φは、実際のタイヤの回転角θと等しくなる。
以上は、車軸の位置ずれが生じていない場合の動作原理である。これに対し、図5に示すように、横力(タイヤ発生力)がかかり車軸(回転軸)の位置がγだけずれた場合は、次のようになる。車軸の位置ずれにより、コイル12B1、12B2の誘導電圧に、それぞれδs、δcの位相のずれが発生したとすると、誘導電圧Ec、Esは、
Figure 0004207744
となり、誘導電圧Ecが乗算器24に入力され、誘導電圧Esが乗算器22に入力される。減算器26、同期整流器28を介して、VCO30とカウンタ32は、
Figure 0004207744
となるようなデジタル出力角φを求めることとなる。その結果、カウンタ32からは、上記式を解いた次の値である、周期がタイヤの回転角θ及び車軸の位置ずれに対応するパルスが、タイヤ発生力計算機16に入力される。
Figure 0004207744
タイヤ発生力計算機16は、図6にフローチャートで示した制御ルーチンを実行する。即ち、ステップ42で、R/D変換器14からの各パルス周期の1回転平均に対する速度変動率を検出する。なお、本ステップは、速度変動率算出手段に対応する。
まず、R/D変換器14から入力された瞬時速度Vハットを求める。これにより、
Figure 0004207744
が求められる。このVハット(=dφ/dt)とタイヤの回転速度の平均値V(=dθ/dt)とから、以下の式の左辺を計算することにより、速度変動率を求める。なお、車軸が位置ずれした場合には、この速度変動率に従い、速度が周期的に変動する。
Figure 0004207744
この式から理解されるように、タイヤの半回転で1周期、即ち、タイヤ回転数の2倍の周波数となる。これは、レゾルバ12の極数(コイルの数)が2の場合である。一般的には、極数をPとすると、速度変動率の周期(速度変動の周波数)はタイヤ回転数のP倍となる。例えば、図12に、極数を8とした場合の車輪速の測定結果を示す。なお、図12には、タイヤの転動方向が車両の進行方向からずれていない場合(スリップ角0°)と、車両を旋回させ横力を発生させた場合(スリップ角4°)とについての車輪速の測定結果が示されている。図12に示すように、レゾルバ12からの信号に基づいて、タイヤ1回転の間に8周期の信号が出力される。
上記式から分かるように、差動位相シフト量は、タイヤの回転速度とは無関係である。
そして、タイヤ1回転に渡って、各パルス周期についてタイヤの回転速度の変動率を求める。
ここで、速度変動率を求める具体的内容を説明する。16ビット長のレジスタをカウンタとして用いることにより、RD変換器14がレゾルバ1回転で16ビットの角度分解能をもつように設計されていると、図16(A)に示すように、上記レジスタのMSBの時系列信号を見ると、1回転で1パルスの信号が立ち、LSBでは、1回転で215個(32768個)のパルスが立つことになる。即ち、このレジスタのどのビットを見るかで1回転に立つパルス数が変化する。例えば、図16(A)におけるLSBより7桁上位のP位置のビットにおいては、256(=28)パルスの信号が現れる。
そこで、実際の回転速度を求めるには、パルス発生毎にその周期、例えば、図16(B)に示すように、立ち上がりエッジ同士又は立下りエッジ同士の間隔を計測し、1回転分(256パルス分)のパルス周期の総和を256で割って平均パルス周期を求め、その周期の逆数に所定の定数を掛けることで、タイヤの回転速度の平均値(平均車輪速)を求めることができる。
しかし、本実施の形態では、タイヤの回転速度の変動率を求めることができればよく、タイヤの回転速度自体を求める必要が無いので、タイヤの回転速度の変動率を、
パルス周期の変動率=パルスの周期/平均パルス周期
の式により近似的に求めている。
次のステップ44で、各パルス周期の速度変動率の所定の高次成分を求める、即ち、各パルス周期の速度変動率を回転角2θに関してフーリエ変換する。これにより、数7で表される速度変動率の振幅(δc+δs)、即ち、差動位相シフト量が求められる。この差動位相シフト量が、車軸の位置ずれによって変化する「特徴量」に相当する。なお、本ステップ44は、高次成分算出手段に対応する。
差動位相シフト量とモーメントとの関係は、例えば、車両重量(車重)の異なる2種類の車両を種々の走行速度で旋回走行させて、所定の実験装置により、差動位相シフト量と車軸に加わる横力によるモーメントMxとを測定し、差動位相シフト量をモーメントMxに対してプロットすることにより、図7に示すように求められる。なお、図7の例では、車重Fzを2000N、3000Nと変化させ、その各々において、速度を20、40、60(km/h)と変化させた例を示している。この例から分かるように、差動位相シフト量とモーメントMxとの関係は、「車軸の軸受け剛性」により決定される。
なお、図7の例では、縦軸に示す差動位相シフト量としては、次のように補正した値を用いている。即ち、車軸に横力が加わっていない状態で、差動位相シフト量を求めると、図8に示すように、差動位相シフト量は0とはならず、ある一定の値をとる。これは、レゾルバ12の加工精度等により、差動位相シフト量(レゾルバ固有のオフセット量)が発生するためである。従って、実際に求められた差動位相シフト量からオフセット量を差し引くことで、補正差動位相シフト量を得ることができる。なお、差動位相シフト量とモーメントMxとの関係を表すマップ等があれば、オフセット量を差し引く補正を行わなくても問題はない。
本実施の形態では、上述した通り、特徴量である差動位相シフト量とモーメントとの関係をマップ等で予め記憶しており、ステップ46では、この予め記憶された関係を用いて、ステップ44で得られた差動位相シフト量からモーメントを検出する。
そして、ステップ48で、得られたモーメントとタイヤの機構情報とからタイヤ発生力を計算する。例えば、図9に示すように、横力によるモーメントMxは、タイヤ半径Rと横力Fyとの積で与えられるので、ステップ46で得られたモーメントMxをタイヤ半径Rで除算することにより、横力Fyを計算することができる。
以上説明した本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置を用いて、実際に車軸に加わる横力によるモーメントを計算した結果を以下に示す。
レゾルバを装着した実験車においてスラローム走行したところ、図10(A)及び図10(B)に示すように、横加速度の増加に伴い、レゾルバから出力される信号(車輪速信号)の振幅が増加すると共に、差動位相シフト量が増加した。ここで、予め求めておいた補正差動位相シフト量とモーメント(車軸換算モーメント)との関係(図11(A)に示す関係)を用いて、検出した差動位相シフト量から軸換算モーメントを求めた。なお、車軸換算モーメントとは、ホイールに装着したセンサの値を軸受けに加わるモーメントに換算したものである。図11(B)に、得られた軸換算モーメントの経時変化を点線で示す。この図から、タイヤ発生力計算装置を用いて計算したモーメント(推定値)は、実線で示した実測値と非常に良く対応していることが分かる。
以上説明した通り、本実施の形態では、車軸の位置ずれ量に基づいてモーメントを計算するので、モーメントを高い精度で検出することができる。従って、検出されたモーメントからタイヤ発生力も高い精度で検出することができる。即ち、信頼性の高いモーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置を提供することができる。
特に、本実施の形態では、車軸の位置ずれ量に応じて変化する特徴量としてタイヤの回転速度とは無関係な差動位相シフト量を検出し、この差動位相シフト量からモーメントを計算するので、モーメントを高い精度で検出することができる。
また、本実施の形態では、コイルや鉄心を主構成とするレゾルバを回転センサに用いているので、センサ部が壊れ難いという利点もある。なお、レゾルバは、本実施の形態に記載した構成を有するものに限定されず、回転角に応じて同様な電圧を出力するものであればよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置を説明する。本実施の形態では、速度変動率の演算やフーリエ変換を行わずにモーメントを検出する。なお、前述した第1の実施の形態と同様の構成部分があるので、同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図13に示すように、本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、レゾルバ12とタイヤ発生力計算器16との間に、信号Esが入力されると共に該信号Esを平滑化処理する平滑化処理器82と、信号Ecが入力されると共に該信号Ecを平滑化処理する平滑化処理器84とを備えている。平滑化処理器82、84は、平滑化された信号Es及び信号Ecを乗算する乗算器86に接続されている。なお、信号Es及び信号Ecを乗算した後に平滑化処理する構成であってもよい。
乗算器86には、パルス波形整形器88が接続され、パルス波形整形器88には、片エッジパルス検出器90が接続されている。片エッジパルス検出器90及び乗算器86の各々は、積分器92の入力端に接続され、積分器92の出力端はタイヤ発生力計算器16に接続されている。
次に、本実施の形態の作用を説明するが、前述した第1の実施の形態の作用と同一部分は説明を省略する。
レゾルバ12からの上記信号Ec、Esはそれぞれ平滑化処理器82、平滑化処理器84により平滑化処理され、平滑化された信号Es及び信号Ecは、乗算器86により乗算される。乗算値であるレゾルバ12の出力信号EsとEcの積は、下記式で表される。
Figure 0004207744
図14はこの積(Es・Ec)の回転角θに対する変化を示すグラフである。このグラフと上記式とから分かるように、振幅((1/2(KEsinωt)2)の包絡線上にsin(2θ+δc−δs)の曲線が乗り、sin(δc+δs)のオフセットが発生している。このオフセット量は、差動位相シフト量(δc+δs)と同様に、その大きさが車軸の位置ずれ量に対応している。従って、本実施の形態では、このオフセット量を特徴量として検出する。
ところで、上記のように平滑化されるので、平滑化された信号Es及び信号Ecの乗算器86により乗算して、上記包絡線上に対応する信号を求める。これを1周期で平均すると上記オフセット値が求められる。この平均化するための処理は、乗算器86により乗算して得られた信号を1周期に渡って積分する。
この1周期のタイミングは次のようにして求める。即ち、パルス波形整形器88により、乗算器86により乗算して得られた信号のゼロクロスポイントで、立ち上がり及び立下りが切り替わるパルス波形を整形する。片エッジパルス検出器90により、パルス波形整形器88により整形されたパルスの立ち上がり又は立下りを検出し、そのタイミングで信号を積分のリセット信号として積分器92に入力する。よって、積分器92は、乗算器86により乗算して得られた信号を1周期に渡って積分する。
なお、上記オフセット量sin(δc+δs)を求めるために、図14に示すように、乗算器86からの信号の最大値(MAX値)及び最小値(MIN値)の平均値((MAX値+MIN値)/2)をとってもよい。
本実施の形態では、タイヤ発生力計算器16には、オフセット量sin(δc+δs)とモーメントとの関係が予め測定され、マップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。従って、タイヤ発生力計算器16は、記憶された関係を用いて、入力されたオフセット量sin(δc+δs)からモーメントを求め、得られたモーメントからタイヤ発生力を計算する。
以上説明したように、第2の実施の形態では、レゾルバの出力信号Ec、Esを乗算し、乗算値を1周期に渡って積分することにより、特徴量であるオフセット量を求めることができる。また、このオフセット量からモーメントを求め、得られたモーメントからタイヤ発生力を求めることができる。
この通り、本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置では、特徴量を上記のオフセット量としたので、速度変動率の演算やフーリエ変換を行わずに、少ない演算量でモーメントやタイヤ発生力を検出することができる。また、速度変動率の演算やフーリエ変換を行わないので、低速であっても応答性が良い、加減速時に検出精度を維持することができる、路面外乱に強い、等の特長を有している。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態に係るモーメント検出装置を説明する。本実施の形態では、回転変圧器とコイルとで構成されたレゾルバに代えて、永久磁石を備えた回転子とコイルとで回転センサを構成している。
図15に示すように、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、回転子102と、回転子102に固定され且つ回転子102と共に回転する永久磁石104と、永久磁石104との電磁誘導により起電力が発生する複数のコイル106と、モーメントを計算するモーメント計算器108とを備えている。この例では、同一構成の2個のコイル106Aと106Bとが設けられている。
回転子102は、回転体であるタイヤ側に該タイヤと共に回転するように取り付けられている。一方、コイル106A、106Bは、車体側に固定された固定子100に巻回されている。コイル106Aと106Bとは、タイヤの回転中心を通りタイヤ上下方向に延びる仮想軸(以下、「タイヤ上下方向の仮想軸」という)上に、上記回転中心に対し互いに180°を成し、その各々に発生する誘導電圧の値が等しくなるように、予め定められた位置に配置されている。
また、コイル106A、106Bは、その各々に発生する誘導電圧の正負の向きが逆転するように、コイル106Aの一端がコイル106Bの一端に接続されると共に、コイル106Aの他端及びコイル106Bの他端がモーメント計算器108に接続されている。なお、コイル106A、106Bは、本発明の信号発生手段に相当し、横力等が加わると位置ずれを生じる車軸の位置変化及びタイヤの回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を発生する。信号発生手段としての詳細な動作については後述する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
回転体102が永久磁石104を伴って回転すると、永久磁石104との間での電磁誘導により2個のコイル106A、106Bに、それぞれ誘導電圧V1、V2が発生する。前述したように、コイル106A、106Bは、その各々に発生する誘導電圧の正負の向きが逆転するように接続されているので、出力端での電圧は、コイル106A、106Bに発生した誘導電圧V1、V2の差動電圧Vd(=V2−V1)となる。
回転軸である車軸の位置ずれが発生していない場合には、タイヤに取り付けられた回転子102と車体側に取り付けられた固定子100との間のギャップ(距離)は変化せず、永久磁石104とコイル106A、106Bとの間のギャップも変化しない。従って、誘導電圧V1、V2は等しい値となり、差動電圧Vdは0となる。一方、車軸の位置ずれが発生すると、永久磁石104とコイル106A、106Bとの間のギャップが変化する。これにより、各々の磁気抵抗が変化し、コイル12B1、12B2の各々に発生する誘導電圧に変化が生ずる。
例えば、車軸がコイル106A側にずれた場合には、コイル106A側のギャップが小さくなり、磁気抵抗が減少して、誘導電圧V1が誘導電圧V2より大きくなる。その結果、差動電圧Vdは0でなくなり、その差に等しい電圧が出力される。この差動電圧Vdの振幅は車軸の位置ずれ量によって変化する。即ち、本実施の形態では、この差動電圧Vdの振幅が、車軸の位置ずれによって変化する「特徴量」に相当する。
モーメント計算器108には、差動電圧Vdの振幅とモーメントとの関係が、予め測定されてメモリ(図示せず)等にマップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。モーメント計算器108は、この予め記憶された関係と入力された差動電圧Vdの振幅とからモーメントを計算する。
以上説明した通り、本実施の形態では、車軸の位置ずれ量に基づいてモーメントを計算するので、モーメントを高い精度で検出することができる。従って、検出されたモーメントからタイヤ発生力も高い精度で検出することができる。即ち、信頼性の高いモーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置を提供することができる。
また、本実施の形態では、レゾルバと同様に回転センサがコイルや鉄心で構成されているので、センサ部が壊れ難いという利点もある。なお、電磁誘導型の回転センサに代えて、ホール効果のような半導体素子の特性を利用した回転センサ、その他、磁束の強さによって出力が変化する性質の回転センサを用いてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、本発明のモーメント検出装置を備えている。また、本実施の形態では、速度変動率の演算(ユニフォーミティ演算)やフーリエ変換を行わずにモーメントを検出する。なお、前述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図17に示すように、本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、電磁誘導型の回転センサであるレゾルバ12と、レゾルバ12に接続されたR/D変換器14と、R/D変換器14に接続されたオフセット検出器114と、オフセット検出器114に接続された合成モーメント計算器116と、を備えている。
また、レゾルバ12とオフセット検出器114との間には、レゾルバ12からの入力信号Ec、Esの積を計算(乗算)する演算器110と、演算器110から入力された信号を平滑化すると共に平滑化された信号の振幅Epを出力する平滑化処理器112とが配置されている。
オフセット検出器114は、平滑化処理器112から入力される平滑化された信号の振幅Epと、R/D変換器14から入力されるデジタル出力角φとから、該デジタル出力角φが所定角度となる場合の振幅Epを検出し、振幅Epからオフセット量を「特徴量」として検出する。また、合成モーメント計算器116は、オフセット検出器114により検出されたオフセット量からモーメントを計算する。
なお、合成モーメントとは、横力によるモーメントMxとセルフアライニング・トルクMzとをベクトル合成したモーメントを意味する。
ここで、オフセット量を特徴量として検出する原理を説明する。
レゾルバ12からの信号Ec、Esの積の振幅Ep(平滑化された信号の振幅Ep)は、
Figure 0004207744
となる。
デジタル出力角φは、
Figure 0004207744
となる。振幅(レゾルバ出力積)Epは、図18(B)に示すように、デジタル出力角(検出回転角)φが所定角度のときピーク点(最大振幅となる点)を持つ。この振幅Epのピーク点では、数9をθ(タイヤの回転角度(真値))で微分した値が0となることより、下記式が成立する。
Figure 0004207744
上記式を解くと、
Figure 0004207744
となる。これをθについて整理して数10に代入すると、
Figure 0004207744
が得られる。δc、δs<<1の条件下では、上記式は下記式のように近似される。
Figure 0004207744
数14に示すデジタル出力角φは、上記所定角度に相当し、振幅Epがピーク値をとるときのタイヤ(回転体)の回転角と近似的に認められる回転角である。なお、以下では、適宜、数14で表されるデジタル出力角φを「近似ピーク角」という。
図18(A)に、振幅Epとタイヤの回転角度(真値)θとの関係を示す。図18(A)に示すように、回転軸がずれると、ずれ量に応じて振幅Epのピーク位置(回転角度)がずれている。即ち、回転角θを横軸にとると、振幅Epの位相が回転軸のずれ量に応じて変化する。
これに対し、図18(B)に示すように、デジタル出力角φを横軸にとると、レゾルバ出力積Epの位相が固定され、ピーク点の位置は変動しない。即ち、振幅Epはデジタル出力角φが所定角度のときピーク点を持つ。このような差が生じるのは、R/D変換14により検出されるデジタル出力角φは、数10から理解されるように、θ以外に所定の誤差を含み、この誤差により、回転軸のずれ量に応じた位相変化が相殺されるためである。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
レゾルバ12の出力信号Ec、Esが演算器110に入力されると、演算器110は、信号Ec、Esを乗算して積を計算し、平滑化処理器112に出力する。平滑化処理器112は、演算器110からの入力信号を平滑化して、平滑化した信号の振幅Epを出力する。即ち、入力信号からsinωtに関する部分を除去して、振幅Epを出力する。
オフセット検出器114は、平滑化処理器112から入力される振幅Epと、R/D変換器14から入力されるデジタル出力角φとから、該デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合の振幅Epのオフセット量を検出する。具体的には、車両の直進時において、デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合の振幅Epを予め求めておき、車両の直進時における振幅Epとタイヤ発生力検出時における振幅Epとの差をオフセット量として検出する。
なお、レゾルバ12の加工精度等による上記差動位相シフト量(レゾルバ固有のオフセット量)が既知の場合には、デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合の、振幅Epとレゾルバ固有のオフセット量とから上記のオフセット量(特徴量)を検出するようにしてもよい。
そして、合成モーメント計算器116は、オフセット検出器114により検出されたオフセット量から合成モーメントを計算する。即ち、車軸の位置ずれによって変化する上記オフセット量(特徴量)とモーメントとの関係を予め求めておき、この関係とオフセット検出器114により検出されたオフセット量とから、モーメントを計算する。
以上説明したように、第4の実施の形態では、デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合のレゾルバの出力信号Ec、Esの積の振幅Epを検出して、そのオフセット量からモーメントを求めているので、速度変動率の演算やフーリエ変換を行ってモーメントを求める場合と比較すると、少ない演算量でモーメントを検出することができる。
また、得られたモーメントを用いてタイヤ発生力を求める場合にも、種々の利点がある。例えば、タイヤ1回転の平均パルス周期を用いる場合と比較すると、タイヤが低速でも応答性を向上させることができる。
また、タイヤの回転時には、一般に、タイヤユニフォーミテイと呼ばれるタイヤの不均一性により回転速度が変動する。第1の実施の形態のように速度変動率を求める場合には、回転速度の変動が、回転軸の位置ずれによるものなのか、タイヤユニフォミテイによるものなのかの区別がつかず、すべて回転軸の位置ずれによるものとして計算してしまう。これに対し、本実施の形態では、タイヤユニフォミテイにより回転速度が変動した場合、1周期内における各時間でみると振幅Epはこれによって変動するが、デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合の振幅Epには影響しない。従って、本実施の形態では、タイヤユニフォミテイの影響を受けずに、精度よくタイヤ回転軸に加わるモーメントを求めることができる。
また、第1の実施の形態のように速度変動率を求める場合には、1周期においてタイヤの回転速度が一定であることが前提となるので、加減速時に精度よく上記モーメントを求めることができない。これに対し、本実施の形態では、加減速時でも精度よく上記モーメントを求めることができる。
更に、本実施の形態では、振幅Epは正負のいずれの値もとることができるので、その符号からモーメントの向きもわかる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、本発明のモーメント検出装置を備えている。また、本実施の形態では、タイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントMzと、タイヤの前後の方向の仮想軸まわりのモーメントMxとを別々に検出する。なお、前述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図19に示すように、本実施の形態に係るタイヤ発生力検出装置は、電磁誘導型の回転センサであるレゾルバ12と、レゾルバ12に接続された演算器110と、演算器110に接続された平滑化処理器112と、平滑化処理器112に接続されたオフセット検出器114と、オフセット検出器114に接続された分離演算器124と、を備えている。
また、レゾルバ12にはR/D変換器14が接続されている。R/D変換器14はピーク角検出器120と角ずれ量検出器122とを介して分離演算器124に接続され、ピーク角検出器120は平滑化処理器112にも接続されている。
ピーク角検出器120は、平滑化処理器112から入力される平滑化された振幅Epと、R/D変換器14から入力されるデジタル出力角φとから、振幅Epがピーク値をとるときの数13で表されるデジタル出力角φの正確な値(ピーク角)を検出する。角ずれ量検出器122は、ピーク角検出器120により検出されたピーク角と、数14で表される近似ピーク角との差(角ずれ量)を求める。分離演算器124は、オフセット検出器114により検出されたオフセット量と、角ずれ量検出器122により検出された角ずれ量とに基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメント(セルフアライニング・トルク)とを分離して演算する。
ここで、図20を参照して、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントとを説明する。図20は、左に旋回中の車両のタイヤを上方から見た図である。
図20に示すように、タイヤ回転軸の位置を原点とし、タイヤの進行方向をx軸、タイヤの軸方向をy軸にとる。操舵輪を例えば左に回し、タイヤを車両進行方向に対して左方向に回転させたとすると、横力Fyはy軸方向に作用するが、実際の横力の着力点Aは、タイヤ回転軸の位置(原点)から水平方向に距離l、鉛直方向に距離Rだけずれた位置、即ち、タイヤ回転軸の位置から距離Rt(=(l2+R21/2)だけずれた、タイヤの接地面上の位置となる。
このように、横力の着力点Aがタイヤ回転軸の位置からずれるので、タイヤ回転軸には、タイヤの進行方向を車両進行方向にもどそうとするモーメント(セルフアライニング・トルク)Mzと、タイヤをタイヤの進行方向を回転軸として回転させようとするモーメントMxとの合成モーメントが作用する。モーメントMzは、上記のx軸及びy軸と直交するz軸回りのモーメントであるから、タイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントということができる。また、モーメントMxは、上記した通り、タイヤ進行方向のx軸回りのモーメントであるから、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントということができる。
なお、タイヤ回転軸の位置から距離Rtだけずれた場合にタイヤの回転軸に作用する合成モーメントの大きさは、タイヤ回転軸の位置からの距離Rtと横力Fyの積(Rt×Fy)で表される。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
レゾルバ12の出力信号Ec、Esが演算器110に入力されると、演算器110は、信号Ec、Esを乗算して積を計算し、平滑化処理器112に出力する。平滑化処理器112は、演算器110からの入力信号を平滑化し、振幅Epを出力する。
ピーク角検出器120は、平滑化処理器112から入力される平滑化された信号の振幅Epと、R/D変換器14から入力されるデジタル出力角φとから、上述したピーク角を検出する。角ずれ量検出器122は、ピーク角検出器120により検出された数13で表されるピーク角と、数14で表される近似ピーク角との差Δ1(角ずれ量)を求める。即ち、下記式で表される差Δ1を求める。
Figure 0004207744
オフセット検出器114は、第4の実施の形態と同様にして、平滑化処理器112から入力される平滑化された信号の振幅Epと、R/D変換器14から入力されるデジタル出力角φとから、該デジタル出力角φが近似ピーク角となる場合の振幅Epのオフセット量Δoffを検出する。なお、δs、δc<<1という条件下では、sin(δc+δs)は(δc+δs)に近似される。
Figure 0004207744
分離演算器124は、オフセット検出器114により検出されたオフセット量Δoffと角ずれ量検出器122により検出された角ずれ量Δ1とに基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントMzと、を分離して演算する。以下、演算方法を詳細に説明する。
分離演算器124は最初に、角ずれ量Δ1をオフセット量Δoffで除算して、下記式のΔ1/Δoffを求める。なお、δs、δc<<1という条件下では、sin(δc−δs)は(δc−δs)に近似される。
Figure 0004207744
上記式を解くと、δs、δcは各々下記式で表される。本実施の形態では、位相のずれ量δs、δcが「特徴量」に相当する。
Figure 0004207744
ところで、δs、δcは、図5で説明した通り、回転軸の位置がγだけずれた場合のレゾルバ12のコイル12B1、12B2の誘導電圧に発生する位相のずれ量である。タイヤの回転軸には、ずれ量γに応じたモーメントが作用する。δs、δc<<1とすると、図21に示すように、δcはタイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントMzに対応し、δsはタイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxに対応する。
本実施の形態では、分離演算器124には、δcとモーメントMzとの関係及びδsとモーメントMxとの関係が予め求められ、メモリ等にマップ、データテーブル、関係式等によって予め記憶されている。分離演算器124は、上記のようにして求めたδs、δcから、タイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントMz、タイヤの前後の方向の仮想軸まわりのモーメントMxを、上記記憶した関係から求める。
以上説明したように、本実施の形態では、従来では合成モーメントを求めるのに過ぎなかったものを、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントとに分けて、各々のモーメントを検出することができる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態に係るモーメント検出装置を説明する。本実施の形態では、永久磁石を備えた回転子とコイルとで回転センサを構成している。また、本実施の形態の構成と第3の実施の形態の構成を比較すると、第3の実施の形態では1対のコイルしか備えていないが、本実施の形態では3対のコイルを備えている。なお、前述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図22に示すように、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、回転子102と、回転子102に固定され且つ回転子102と共に回転する永久磁石104と、永久磁石104との電磁誘導により起電力が発生する複数のコイルと、で構成された回転センサを備えている。この例では、同一構成の2個のコイル131Aと131Bとで構成された第1のコイル対131、同一構成の2個のコイル132Aと132Bとで構成された第2のコイル対132、及び同一構成の2個のコイル133Aと133Bとで構成された第3のコイル対を備えている。従って、3対6個のコイルが設けられている。
回転子102は、回転体であるタイヤ側に該タイヤと共に回転するように取り付けられている。一方、コイルは、車体側に固定された固定子100に巻回されている。例えば、コイル132Aと132Bというように、コイル対を構成する2個のコイルは、タイヤ上下方向の仮想軸上に、上記回転中心に対し互いに180°を成し、その各々に発生する誘導電圧の値が等しくなるように、予め定められた位置に配置されている。
また、コイル131Aと133Aとは、回転中心に対しタイヤ回転角度でコイル132Aと所定角度(電気角でα/2)を成すように、コイル132Aを挟んでその両側に配置されている。同様に、コイル131Bと133Bとは、回転中心に対しタイヤ回転角度でコイル132Bと所定角度を成すように、コイル132Bを挟んでその両側に配置されている。なお、電気角αは、例えばπ/2とすることができるが、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、図23に示すように、第1のコイル対131、第2のコイル対132、及び第3のコイル対133の各々に接続された差動電圧検出器1351〜1353と、差動電圧検出器1351〜1353の各々に接続された振幅値検出器1371〜1373と、振幅値検出器1371〜1373の各々に接続された分離演算器140と、を備えている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
差動電圧検出器1351〜1353は、対応するコイル対の差動電圧を検出する。即ち、差動電圧検出器1351は第1のコイル対131の差動電圧をVd1を検出し、差動電圧検出器1352は第2のコイル対132の差動電圧をVd2を検出し、差動電圧検出器1353は第3のコイル対133の差動電圧をVd3を検出する。振幅値検出器1371〜1373は、対応する差動電圧の振幅値を検出する。本実施の形態では、差動電圧Vd1、Vd2、Vd3の振幅値の各々が、回転軸の位置ずれによって変化する「特徴量」に相当する。
図22に示すように、回転軸である車軸の位置ずれが発生していない場合には、永久磁石104とコイルとの間のギャップも変化せず、差動電圧Vd1、Vd2、Vd3は各々0となり、その振幅値は0である。一方、図24(A)に示すように、車軸の位置ずれが発生すると、永久磁石104とコイルとの間のギャップが変化するので、コイルの各々に発生する誘導電圧に変化が生ずる。その結果、差動電圧Vd1、Vd2、Vd3は0でなくなり、その振幅値が変動する。
また、発生する差動電圧Vd1、Vd2、Vd3各々のベクトルの方向を、図24(B)に示す。差動電圧Vd1と差動電圧Vd2のベクトルの方向は電気角的にα/2ずれている。また、差動電圧Vd2と差動電圧Vd3のベクトルの方向も電気角的にα/2ずれている。
また、図24(B)に示すように、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxは、差動電圧Vd2に対応する。または、モーメントMxは、下記式で表される値に対応する。
Figure 0004207744
タイヤの上下の方向の仮想軸まわりのモーメントMzは、下記式で表される値に対応する。
Figure 0004207744
分離演算器140には、差動電圧Vd2(又は数19の値)とタイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxとの関係、及び、数20の値とタイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントMzとの関係が、予め求められてメモリ(図示せず)等にマップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。分離演算器140は、入力された差動電圧Vd1、Vd2、Vd3の振幅値を用いて、この予め記憶された関係からモーメントMzとモーメントMxとを演算する。
以上説明したように、本実施の形態では、従来では合成モーメントを求めるのに過ぎなかったものを、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントとに分けて、各々のモーメントを検出することができる。
なお、上記のように、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxは、差動電圧Vd2から、又は、数19の値から求めることができる。何れか一方の方法によりモーメントMxを求めてもよいが、各々の方法でモーメントMxを計算し、両者の平均値を求めるようにしてもよい。なお、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxを、数19の値から求める場合には、第2のコイル対132と該コイル対132に対応する差動電圧検出回路1352、振幅値検出器1372の部分(図23で、点線で囲まれた部分)を省略してもよい。
また、コイル131A及び133Aをコイル132Aに対し同じ電気角(α/2)ずらして配置しているが、コイル131Aとコイル132Aとの電気角のずれ量と、コイル133Aとコイル132Aとの電気角のずれ量とが異なるように、各コイルを配置してもよい。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態に係るモーメント検出装置を説明する。本実施の形態では、永久磁石を備えた回転子とコイルとで回転センサを構成しており、複数配置したコイルの誘導電圧の位相差からモーメントを検出する。なお、前述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図25に示すように、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、回転子102と、回転子102に固定され且つ回転子102と共に回転する多数の永久磁石142と、永久磁石142との電磁誘導により起電力が発生する複数のコイル144と、で構成された回転センサを備えている。この例では、同一構成の2個のコイル144Aと144Bとが設けられている。また、多数の永久磁石142は、S極とN極とが交互に配置されるように、回転子102の外周上に該回転子102の半径方向に沿って配列されている。なお、図25では8個の永久磁石が設けられているが、永久磁石の数はこれに限定されない。
回転子102は、回転体であるタイヤ側に該タイヤと共に回転するように取り付けられている。一方、コイルは、車体側に固定された固定子100に巻回されている。コイル144Aは、タイヤ上下方向に延びる仮想軸上に配置され、コイル144Bは、タイヤ前後方向の仮想軸上に配置されている。タイヤ上下方向の仮想軸とタイヤ前後方向の仮想軸とは互いに直交しているので、コイル144Aと144Bとは回転中心に対し互いに90°を成し、その各々に発生する誘導電圧の値が等しくなるように、予め定められた位置に配置されている。
また、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、図26に示すように、コイル144A、144Bの各々に接続された位相差検出器146と、位相差検出器146に接続されたモーメント演算器148と、を備えている。位相差検出器146は、コイル144A、144Bの各々に発生する誘導電圧の位相差を検出する。モーメント演算器148は、位相差検出器146により検出された位相差に基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxを演算する。コイル144A、144Bは、各々に発生した誘導電圧が別々に検出されるように、位相差検出器146に接続されている。
位相差検出器146は、図29に示すように、コイル144A、144Bの各々に対応して設けられた波形整形装置150A、150Bと、波形整形装置150A、150Bの各々に接続された遅れ時間計測装置152とを備えている。波形整形装置150A、150Bは、対応するコイルから入力された信号の波形を矩形波に整形する。遅れ時間計測装置152は、波形整形装置150A、150Bの各々から入力された2つの矩形波の位相差を検出する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
回転体102が永久磁石142を伴って回転すると、永久磁石142との間での電磁誘導により2個のコイル144A、144Bに、それぞれ誘導電圧V1、V2が発生し、信号V1、V2が位相差検出器146に出力される。
回転軸である車軸の位置ずれが発生していない場合には、図27(A)に示すように、各々の永久磁石142とコイル144A、144Bとの間のギャップも変化しない。従って、誘導電圧V1、V2の位相差は0となる。一方、図28に示すように、車軸の位置ずれが発生すると、各々の永久磁石142とコイル144A、144Bとの間のギャップが変化する。これにより、コイル144A、144Bの各々に発生する誘導電圧の位相に変化が生ずる。
例えば、図28に示すように、回転子102が矢印方向に回転したとすると、回転軸が上方に変位した場合には、コイル144Aに対する永久磁石の極性(S/N)の変化は一定であるが、コイル144Bに対する永久磁石の極性の変化は遅くなる。その結果、図27(B)に示すように、誘導電圧V1の位相は変化しないが、誘導電圧V2の位相が遅れ、位相差が発生する。また、回転軸が下方に変位した場合には、コイル144Bに対する永久磁石の極性の変化は速くなり、誘導電圧V2の位相が進んで位相差が発生する。この通り、位相差は回転軸の位置ずれ量によって変化する。即ち、本実施の形態では、この位相差が、回転軸の位置ずれによって変化する「特徴量」に相当する。
この例では、回転軸が上下方向にずれる場合は、タイヤ上下方向の仮想軸上に配置されたコイル144Aの誘導電圧V1は変動しないので、この誘導電圧V1の位相を基準にして位相差を計測する。一方、回転軸が前後方向にずれる場合は、タイヤ前後方向の仮想軸上に配置されたコイル144Bの誘導電圧V2は変動しないので、この誘導電圧V2の位相を基準にして位相差を計測する。
コイル144Aから信号V1が波形整形装置150A入力され、該信号V1の波形が矩形波(パルス波)に整形される。また、コイル144Bから信号V2が波形整形装置150B入力され、該信号V2の波形が矩形波に整形される。遅れ時間計測装置152は、波形整形装置150A、150Bの各々から入力された2つのパルス波の立下りエッジ間又は立ち上がりエッジ間の時間差ΔTdelay(位相差)とパルス間隔Tpとを検出し、モーメント演算器148に出力する。例えば、誘導電圧V1の位相を基準にする場合は、誘導電圧V2の位相の遅れ時間を計測する。
モーメント演算器148は、遅れ時間計測装置152により検出された時間差ΔTdelayとパルス間隔Tpとに基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントMxを演算する。以下、演算方法を詳細に説明する。
まず、モーメント演算器148は、時間差ΔTdelayをパルス間隔Tpで除算してΔTdelay/Tpを求める。時間差ΔTdelayはタイヤの回転速度に応じて変化するので、パルス間隔Tpで除算することにより、時間差ΔTdelayを規格化する。
モーメント演算器148には、ΔTdelay/TpとモーメントMxとの関係が、予め測定されてメモリ等にマップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。例えば、図30に示すように、ΔTdelay/TpとモーメントMxとの関係を予め求めマップに表すことができる。モーメント演算器148は、この予め記憶された関係とΔTdelay/Tpの値とからモーメントMxを計算する。
なお、図30の例では、タイヤに横力が加わっていない状態(車両の直進時)で、ΔTdelay/Tpを求めると、ΔTdelay/Tpは0とはならず、ある一定の値をとる。これは、回転センサの加工精度等により固有のオフセット量が発生するためである。従って、予め固有のオフセット量を求めておいて、得られたオフセット量によりΔTdelay/Tpの値を補正してもよい。
以上説明した通り、本実施の形態では、車軸の位置ずれ量に基づいてモーメントを計算するので、モーメントを高い精度で検出することができる。従って、検出されたモーメントからタイヤ発生力も高い精度で検出することができる。即ち、信頼性の高いモーメント検出装置及びタイヤ発生力検出装置を提供することができる。
特に、本実施の形態では、車軸の位置ずれ量に応じて変化する特徴量として1対のコイルに発生する誘導電圧の位相差を検出し、この位相差からモーメントを計算するので、モーメントを高い精度で検出することができる。
また、第3の実施の形態と同様に、センサ部が壊れ難いという利点もある。なお、電磁誘導現象を利用した回転センサに代えて、ホール効果のような半導体素子の特性を利用した回転センサ等を用いてもよい。
なお、第7の実施の形態では、2個のコイルが回転中心に対し互いに90°を成すようにコイル144Aと144Bとを配置したが、配置角度は90°には限定されない。例えば、図32に示すように、タイヤ前後方向の仮想軸上に、コイル144Aと144Bとが回転中心に対し互いに180°を成すように2個のコイルを配置してもよい。図示したように回転子102が矢印方向に回転する場合には、回転軸が上方にずれると、コイル144Aの誘導電圧V1の位相が進み、コイル144Bの誘導電圧V2の位相が遅れる。このように、誘導電圧V1、V2間で位相差が発生するので、この位相差を特徴量としてモーメントMxを検出することができる。しかしながら、配置角度が90°の場合に、位相差の検出感度が最も高くなるので、2個のコイルを90°の角度で配置することが好ましい。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態に係るモーメント検出装置を説明する。本実施の形態は、位相差検出器の装置構成を代えた以外は第7の実施の形態に係るモーメント検出装置と同じ構成であるため、同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、相違点のみ説明する。
本実施の形態に係るモーメント検出装置は、図31に示すように、コイル144A、144Bの各々に接続された位相差検出器146と、位相差検出器146に接続されたモーメント演算器148と、を備えている。位相差検出器146は、コイル144A、144Bの各々から入力された信号V1とV2とを乗算する乗算器154と、乗算器154に接続されたオフセット検出器156とを備えている。オフセット検出器156は、乗算器154から入力される信号のオフセット量を検出する。
ここで、オフセット量を検出する原理を説明する。
コイル144A、144Bの各々からの信号V1、V2は、信号V1を基準とした場合の位相差をψとすると、下記式で表される。
Figure 0004207744
また、信号V1、V2の積は、下記式で表される。
Figure 0004207744
上記の式から分かるように、信号V1、V2の積には1/2(cosψ)のオフセットが発生している。このオフセット量は、位相差ψ、即ち、車軸の位置ずれ量に対応している。従って、本実施の形態では、このオフセット量を特徴量として検出する。
モーメント演算器148には、オフセット量1/2(cosψ)とモーメントMxとの関係が予め測定され、マップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。従って、モーメント演算器148は、記憶された関係を用いて、入力されたオフセット量からモーメントを計算する。
以上説明したように、本実施の形態では、2個のコイルの出力信号V1、V2を乗算し、乗算値から特徴量であるオフセット量を検出して、検出したオフセット量からモーメントを求めているので、速度変動率の演算やフーリエ変換を行ってモーメントを求める場合と比較すると、少ない演算量でモーメントやタイヤ発生力を検出することができる。
(第9の実施の形態)
次に、第9の実施の形態に係るモーメント検出装置を説明する。本実施の形態では、永久磁石を備えた回転子とコイルとで回転センサを構成している。また、本実施の形態の構成と第7の実施の形態の構成を比較すると、第7の実施の形態では1対のコイルしか備えていないが、本実施の形態では2対のコイルを備えている。なお、前述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図33に示すように、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、同一構成の4個のコイル144A、144B、144C、及び144Dが設けられた回転センサを備えている。コイル144A及び144Bは、タイヤ前後方向の仮想軸上に配置され、コイル144C及び144Dは、タイヤ上下方向の仮想軸上に配置されている。タイヤ上下方向の仮想軸とタイヤ前後方向の仮想軸とは互いに直交しているので、コイル144A及び144Bとコイル144C及び144Dとは、回転中心に対し互いに90°を成すように、予め定められた位置に配置されている。
また、本実施の形態に係るモーメント検出装置は、図34に示すように、コイル144A、144Bの各々に接続された位相差検出器1461と、コイル144C、144Dの各々に接続された位相差検出器1462と、位相差検出器1461、1462に接続されたモーメント演算器148と、を備えている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
回転体102が永久磁石142を伴って回転すると、永久磁石142との間での電磁誘導により2個のコイル144A、144Bに、それぞれ誘導電圧V1、V2が発生し、信号V1、V2が位相差検出器1461に出力されると共に、2個のコイル144C、144Dに、それぞれ誘導電圧V3、V4が発生し、信号V3、V4が位相差検出器1462に出力される。
図33に示すように、回転子102が矢印方向に回転する場合には、回転軸が上下方向に位置ずれを生じると、コイル144A、144Bの誘導電圧V1、V2間で位相差ψV1V2が発生する。また、回転軸が前後方向に位置ずれを生じると、コイル144C、144Dの誘導電圧V3、V4間で位相差ψV3V4が発生する。位相差検出器1461は、入力された信号V1、V2から位相差ψV1V2を検出して、モーメント演算器148に出力する。また、位相差検出器1462は、入力された信号V3、V4から位相差ψV3V4を検出して、モーメント演算器148に出力する。
モーメント演算器148には、位相差ψV1V2とモーメントMxとの関係及び位相差ψV3V4とモーメントMzとの関係が、予め測定されてメモリ等にマップ、データテーブル、関係式等によって記憶されている。モーメント演算器148は、位相差ψV1V2が検出された場合には、予め記憶された関係と検出された位相差ψV1V2とに基づいてモーメントMxを演算し、位相差ψV3V4が検出された場合には、予め記憶された関係と検出された位相差ψV3V4とに基づいてモーメントMzを演算する。
以上説明したように、本実施の形態では、従来では合成モーメントを求めるのに過ぎなかったものを、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントと、上下方向の仮想軸まわりのモーメントとに分けて、各々のモーメントを検出することができる。
なお、第9の実施の形態では、タイヤ前後方向の仮想軸上にコイルを2個配置すると共に、タイヤ上下方向の仮想軸上にコイルを2個配置する例について説明したが、任意のコイルの組み合わせで回転軸のずれ量に応じて発生する位相差を検出することができればよく、コイルの個数や配置はこれには限定されない。例えば、タイヤ上下方向と所定角度(例えば、45°)で交差する斜めの仮想軸を任意に設定し、該仮想軸上にコイルを配置することができる。
第1の実施の形態に係るタイヤ発生力計算装置のブロック図である。 レゾルバの構成図である。 主としてR/D変換器を示したブロック図である。 車両をスラローム走行させたときの、横加速度、車輪速、及びレゾルバ信号の関係を示したグラフである。 回転軸がずれた際の各コイルに誘導される誘導電圧を示した図である。 タイヤ発生力計算機が実行する制御ルーチンを示したフローチャートである。 差動位相シフト量とモーメントとの関係を示したグラフである、。 レゾルバ固有の差動位相シフト量のオフセット量を説明するための図である。 モーメントと、タイヤ発生力の一つの横力との関係を示した図である。 本実施の形態の実験結果であり、(A)は、車両をスラローム走行させたときの、横加速度、車輪速、及びレゾルバ信号の関係を示したグラフであり、(B)は、(A)のグラフに対応する差動位相シフトの時間変化を示したグラフである。 図10に示した実験における実験結果であり、(A)は、補正差動位相シフト量とモーメントとの関係を示す図であり、(B)は、モーメントの推定結果と実測値とを示したグラフである。 極対数が4の場合のスリップ角が0度と4度のときの車輪速を示したグラフである。 第2の実施の形態に係るタイヤ発生力計算装置のブロック図である。 レゾルバからの信号を乗算して得られた信号のグラフである。 第3の実施の形態に係るモーメント計算装置のブロック図である。 (A)及び(B)は、レゾルバの信号からタイヤの回転速度を求める原理を説明する説明図である。 第4の実施の形態に係るタイヤ発生力計算装置のブロック図である。 (A)は、タイヤの実際の回転角(いわゆる真値)とレゾルバ出力積の振幅との関係を示したグラフであり、(B)は、軸がずれることによる誤差を含む、レゾルバを用いて検出されるタイヤの回転角とレゾルバ出力積の振幅との関係を示したグラフである。 第5の実施の形態に係るタイヤ発生力計算装置のブロック図である。 タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントの説明図である。 δs、δcと、タイヤの上下方向の仮想軸まわりのモーメントMz、タイヤの前後の方向の仮想軸まわりのモーメントMxと、の対応関係を示した図である。 第6の実施の形態におけるコイルの配置位置の関係を示す図である。 第6の実施の形態に係るタイヤ発生力計算装置のブロック図である。 コイルの配置位置の関係(A)と、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメント(B)と、の関係を示す図である 第7の実施の形態における回転センサの構成を示す概略図である。 第7の実施の形態に係るモーメント計算装置の構成を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、回転軸の変位と位相差との関係を説明するための図である。 第7の実施の形態における回転軸の位置ずれの様子を示す図である。 第7の実施の形態における位相差検出器の構成を示すブロック図である。 ΔTdelay/TpとモーメントMxとの関係を表すマップを示す図である。 第8の実施の形態における位相差検出器の構成を示すブロック図である。 回転センサの他の構成を示す概略図である。 第9の実施の形態における回転センサの構成を示す概略図である。 第9の実施の形態に係るモーメント計算装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
レゾルバ 12
R/D変換機 14
タイヤ発生力計算器 16
乗算器 110
オフセット検出器 114
合成モーメント計算器 116
ピーク角検出器 120
角ずれ量検出器 122
分離演算器 124
コイル 131〜133
差動電圧検出器 135
振幅値検出器 137
分離演算器 140

Claims (17)

  1. 回転体が回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるように1つの回転体に対して予め定められた位置に配置された複数の信号発生手段と、
    前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の位相ずれ量又は前記信号の振幅差を含んで表される特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と前記回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係と、前記検出手段により検出された前記特徴量と、に基づいて、前記回転軸に加わるモーメントを検出するモーメント検出手段と、
    を備えたモーメント検出装置。
  2. 前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号から、周期が前記回転体の回転角及び前記回転軸の位置ずれに対応するパルスを発生するパルス発生手段と、
    を備え、
    前記特徴量検出手段は、前記パルス発生手段により発生された前記パルスから、前記特徴量を検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載のモーメント検出装置。
  3. 前記特徴量検出手段は、
    前記回転体の1周期内の前記パルス発生手段により発生された各パルスの周期と、前記回転体の1周期内の前記回転体の回転速度の平均値と、から、前記回転軸の位置変化に伴う回転体の各パルス毎の速度変動率を求める速度変動率算出手段と、
    前記求められた回転体の速度変動率の所定の高次成分を前記特徴量として検出する高次成分算出手段と、
    から構成されたことを特徴とする請求項2記載のモーメント検出装置。
  4. 前記信号発生手段は、前記回転体と共に回転する回転子と固定子との間の磁束の変化に基づいて、前記信号を発生することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のモーメント検出装置。
  5. 前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の位相ずれ量の和を含んで表される特徴量を、前記特徴量として検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のモーメント検出装置。
  6. 前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の位相ずれ量の和で表される差動位相シフト量を、前記特徴量として検出することを特徴とする請求項5に記載のモーメント検出装置。
  7. 前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の積をとることにより生成される信号のオフセット量を、前記特徴量として検出することを特徴とする請求項5に記載のモーメント検出装置。
  8. 前記特徴量検出手段は、前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号の差をとることにより生成される信号の振幅を、前記特徴量として検出することを特徴とする請求項1に記載のモーメント検出装置。
  9. 前記回転体の回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記複数の信号発生手段により発生された複数の信号の振幅を求める振幅検出手段と、
    を備え、
    前記特徴量検出手段は、前記回転角検出手段により検出された角度に基づいて、前記回転角が所定角度における前記振幅検出手段により求められた前記複数の信号の振幅を前記特徴量として検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載のモーメント検出装置。
  10. 前記所定角度は、前記振幅検出手段により求められる複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角として認められる回転角を含む所定範囲内の角度であることを特徴とする請求項9記載のモーメント検出装置。
  11. 前記所定角度は前記複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角として認められる回転角度であって、0以上の整数をnとすると、
    (π/4)+n・(π/2)
    であることを特徴とする請求項10記載のモーメント検出装置。
  12. 前記回転軸の軸剛性は前記回転軸に加わるモーメントであることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のモーメント検出装置。
  13. 車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるようにタイヤの前後方向又はタイヤ上下方向に離間させて配置された複数の信号発生手段と、
    前記複数の信号発生手段各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の位相ずれ量又は前記信号の振幅差を含んで表される特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記回転軸の位置ずれによって変化する特徴量と前記回転軸の軸剛性とに基づいて予め定められた関係、前記検出手段により検出された前記特徴量、及び前記タイヤの機構情報に基づいて、タイヤと路面との間に発生するタイヤ発生力を検出するタイヤ発生力検出手段と、
    を備えたタイヤ発生力検出装置。
  14. 前記回転体の回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記複数の信号発生手段により発生された複数の信号の振幅を求める振幅検出手段と、
    を備え、
    前記特徴量検出手段は、前記回転角検出手段により検出された角度に基づいて、前記回転角が所定角度における前記振幅検出手段により求められた前記複数の信号の振幅を前記特徴量として検出する、
    ことを特徴とする請求項13記載のタイヤ発生力検出装置。
  15. 前記回転角検出手段により検出された角度及び前記振幅検出手段により検出された前記複数の信号の振幅に基づいて、前記複数の信号の振幅がピークとなる回転体の正規回転角と、前記複数の信号の振幅がピークとなる回転体の回転角と認められる近似回転角と、前記正規回転角と前記近似回転角との差と、を検出する検出手段を、
    備え、
    前記特徴量検出手段は、前記検出手段により検出された前記回転角の差と前記正規回転角とに基づいて、前記複数の信号の位相ずれ量を検出し、
    前記タイヤ発生力検出手段は、前記特徴量検出手段により検出された前記複数の信号の位相ずれ量に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出する、
    ことを特徴とする請求項13記載のタイヤ発生力検出装置。
  16. 車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、該発生される信号の位相が異なるように予め定められた位置に配置され、かつ、互いにタイヤの回転角度で180°ずれた位置に配置されると共に、タイヤの上下方向の仮想軸に対称となる位置に配置された信号発生手段対と、
    前記信号発生手段対各々により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の振幅差を、特徴量として検出する特徴量検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記信号の振幅差に基づいて、タイヤ回転軸に垂直な平面内に存在する仮想軸まわりのモーメントを検出するタイヤ発生力検出手段と、
    を備えたタイヤ発生力検出装置。
  17. 車両に取付けられたタイヤが回転する基準となりかつ力が加わると位置がずれる回転軸の位置変化及び該回転体の回転状態に応じて大きさが周期的に変化する信号を各々発生すると共に、タイヤ上下方向の仮想軸に互いにタイヤの回転角度で180°ずれた位置に配置された信号発生手段対と、
    前記信号発生手段対により発生された前記信号に基づいて、前記回転軸の位置ずれ量に対応して発生する前記信号の振幅差を、特徴量として検出する特徴量検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記信号の振幅差に基づいて、タイヤの前後方向の仮想軸まわりのモーメントを検出するタイヤ発生力検出手段と、
    を備えたタイヤ発生力検出装置。
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