JP2004512042A - 不死化された前骨芽細胞およびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、骨芽細胞に分化し得る、骨の骨膜層に由来する新規な不死化された前骨芽細胞の細胞系に関する。詳細には、本発明は、骨膜由来の前骨芽細胞が骨芽細胞に分化することを制御する物質を検出するためのアッセイ、及び改善された骨形成、骨量の維持、骨修復を可能にし、骨粗鬆症の発症を防止するための物質を検出するためのアッセイにおけるそのような細胞系の使用に関する。
【0002】
骨組織において、骨は、骨芽細胞及び破骨細胞によりそれぞれ細胞レベルで制御された繰り返されるプロセスによって、絶えず、破壊され、再吸収され、そして新しく作られている。骨芽細胞は主に骨形成プロセスに関与するが、骨の破壊及び骨物質の再吸収のプロセスは破骨細胞により媒介されるようである。
【0003】
骨は、「海綿質」と呼ばれる内側の領域帯と、「緻密質」と呼ばれる外側の領域帯との2つの主要な領域帯から構成される。前記の外側の領域帯はハヴァーズ管及び骨膜を有する。骨が関節で用いられる場合、骨膜(骨のいわゆる外皮)がすべての骨の周囲を覆う。骨膜は、主として骨に血管をもたらし、腱の結合を確実なものにし、そして多数の神経を有する。近年、骨膜もまた、骨増殖に、そしてさらに、骨折後の骨修復などの、個体の(骨)再生プロセスに関係しているようであることが見出されている。
【0004】
骨膜自体は、結合組織を主に含有する「線維層」と呼ばれる外側の部分と、骨そのものに隣接し、かつ多数の分化していない細胞(例えば、前骨芽細胞など)を含む「カンビウム(Kambium)」又は「骨形成層」との2つの主要な領域から構成される。現在の仮説では、これらの前骨芽細胞又はそれに由来する細胞が、骨折修復プロセス及び/又は他の再構成プロセスに関係すると考えられている。しかし、これらの前骨芽細胞は、脂肪細胞に分化する能力を有さないと考えられ、また破骨細胞の分化を支援しないと推定されるので、「海綿質」において見出される前骨芽細胞とは見かけ上異なる。
【0005】
老化時に、個体は、緻密層内のハヴァーズ管の広域化及び海綿質の量の減少を伴って骨量が徐々に失われやすい。この現象は主として、細胞レベルでは、破骨細胞の骨再吸収が骨芽細胞による骨形成を上回ることによるためである。そのような状態は脱共役と呼ばれる。脱共役がより長期間にわたって持続する場合、ますます多くの骨物質が破壊/再吸収され、最後には、骨粗鬆症と呼ばれる疾患が生じる。骨粗鬆症は、骨における痛みを生じさせ、骨を脆くし、究極的には骨折及び腰痛をもたらす。
【0006】
これまで、骨粗鬆症は、カルシウム摂取の増大、軽い運動、日光浴、又は海綿質に存在する骨芽細胞の活性を増大させる化合物を投与することを伴う様々な治療法によって処置されている。これに関して、米国特許第5,002,968号には、骨形成を刺激し、かつ破骨細胞の上回る活性をバランスさせるように骨芽細胞の増殖を活性化するための有機ゲルマニウム化合物が開示される。さらに、欧州特許EP0725080には、骨芽細胞の増殖を刺激することができる新規なタンパク質である塩基性骨芽細胞増殖因子II(bOGF−II)が開示される。
【0007】
しかしながら、ごく最近には、骨芽細胞は骨化における役割を果たすだけでなく、破骨細胞(骨の分解を媒介する細胞)の分化及び活性化に密接に関連する骨再形成現象に対する制御中心としての役割を果たすと考えられることもまた見出された。このため、現在では、骨量の増進及び維持のために既存の骨芽細胞を単に活性化することが効率的であることはかなり疑わしい。
【0008】
同時に、骨の喪失が骨内で生じているのと同時に、骨が、増殖時よりもゆっくりではあるが、骨膜表面に加えられていることが見出されている。このことは、このプロセスが、骨の分解によってもたらされる骨の脱安定化と矛盾していることを示している。
【0009】
したがって、骨膜に存在する骨芽細胞、並びに骨修復及び骨構築に対するその作用を評価し、研究し、その結果、骨膜における前記プロセスに影響を及ぼす物質を提供することは注目される。
【0010】
そのような化合物を提供するためには、骨代謝に関与する細胞に対するそれらの作用を解明する効果的な手段が必要である。
【0011】
この分野で認められているように、そのような実験を行うための最も良い手段は、前記プロセスに関与する細胞である。しかし、供与体から直接得られる細胞(いわゆる初代細胞)は、限られた増殖寿命を有するにすぎず、このため、その使用は、インビトロ研究のためには制限される。さらに、必ずしもすべてのタイプの細胞が単離及び培養され得るわけではない。このことは、しばしば、細胞に対する実験を行うのに十分な量で単離することができない前駆体細胞に特に当てはまる。
【0012】
従来、一部の細胞がこの種の操作に対して抵抗性であることが明らかにされていたが、例えば、腸細胞又は角膜細胞のようなある種の細胞の増殖を、シミアンウイルス40ラージT抗原(SV40T抗原)などのガン遺伝子を初代細胞培養物の細胞に感染させることによって延ばすことができる。SV40ラージT抗原は、細胞周期を進行させることにおいて重要な役割を果たすタンパク質(特に、p53タンパク質及び網膜芽細胞腫(pRb)タンパク質)を不活性化することが知られている。しかし、ヒト初代細胞におけるそのようなガン遺伝子の(過剰)発現は、限られた数の細胞分裂にわたって前記細胞の増殖を延ばすことができるが、前記細胞は、「危機(クライシス)」と呼ばれる段階で増殖を最終的には停止する。通常の場合には約10代から20代の継代で生じるこの段階のときに、細胞は、「老化」と名付けられた状態で生存し続けるか、又は単に死に至る。希な場合には、一部の細胞はこの段階から抜け出て、再び増殖を開始することができる。増殖を新規に開始させるこの能力は、細胞内で生じるさらなる後成的な事象によるゲノムの再編成によって説明される。しかしながら、これらの実質的なゲノム修飾は、大抵の場合、細胞が得られる初代細胞の初期の特徴を失っている細胞をもたらす。
【0013】
したがって、本発明の基礎をなす問題は、骨形成に影響する物質及び骨代謝に対するその様々な作用をさらに明らかにするためのそのような手段を提供することである。
【0014】
この問題は、骨芽細胞に分化し得る、骨の骨膜層に由来する新規な不死化された前骨芽細胞の細胞系を提供することによって解決された。
【0015】
本発明に至る実験において、本発明者らは、健康な成人の骨膜性骨から得られた初代骨芽細胞前駆体細胞を、SV40ラージT抗原をコードするDNA配列を含む構築物でトランスフェクションした。そのようにして得られた細胞(これはhPOB細胞と呼ばれる)は、アルカリホスファターゼの活性、骨芽細胞特異的因子−1(OSF−1又はCbfa−1)、オステオポンチン及びオステオカルシンなどの特異的なマーカーの発現、並びに石灰化節を形成する能力によって測定されたとき、初代骨芽細胞の表現型と本質的に同一の表現型を示す骨芽細胞様の細胞に分化することができた。しかし、そのような細胞は、寿命の限られた延長を有するだけであり、その後、G1期で細胞周期が停止するクライシスに入ることが予想された。
【0016】
これらの細胞は、次いで、テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子を有する構築物でトランスフェクションされた(Bodnar,A.G.他、正常なヒト細胞へのテロメラーゼの導入による寿命の延長(Extension of life−span by introduction of telomerase into normal human cells)、サイエンス(Science)、1998、279(5349)、349頁〜352頁)。トラスフェクションされた細胞(これはhPOB−tertと呼ばれる)をさらに継代したとき、そのような細胞はクライシスに入らず、増殖し続けることが発見された。したがって、予備的に不死化された細胞を、テロメラーゼ遺伝子を有する構築物でトランスフェクションすることにより、真に不死化された細胞系を得ることができる。この場合、ゲノムの再編成が全く起こらなかった。細胞はそのゲノム構造を本質的に変化させなかったので、遺伝子の転写及び発現もまた、初代培養物の細胞の場合と本質的に同一である。
【0017】
本発明の細胞系は、少なくとも60代、より好ましくは少なくとも80代、そしてさらにより好ましくは少なくとも100代にわたって培養状態で継代培養することができる。詳細には、本発明による細胞系は、実際に不死であり、所望する期間にわたってインビトロで培養することができる。本発明による細胞系は、骨の骨膜層に由来する前骨芽細胞を得ることができる任意の供給源から、具体的には、ヒトなどの哺乳動物から調製することができる。好ましい実施形態によれば、本発明の細胞系は、2000年10月25日にブダペスト条約に従ってパスツール研究所に寄託され、受託番号CNCM I−2573を受領した細胞系である。
【0018】
さらに、驚くべきことに、初代培養物の細胞の表現型が本質的には維持されていることが示された。具体的には、本発明の骨膜由来の細胞は骨芽細胞(すなわち、この領域における骨量形成に関わる細胞)に分化することができる。この特徴は、骨形成及び骨修復の発達を研究するためには特に注目される。
【0019】
本発明の前骨芽細胞細胞系はまた、この細胞系が得られる初代細胞培養物の細胞と比較したとき、本質的に同一の表現型を示す。具体的には、本発明の前骨芽細胞細胞系は、初代培養物の細胞において見出されるのと本質的に同じであるアルカリホスファターゼ活性、骨芽細胞特異的因子−1(OSF−1又はCbfa−1)、オステオポンチン及びオステオカルシンなどの特異的なマーカーの発現、並びに石灰化節を形成する能力を示す。
【0020】
本発明による前骨芽細胞細胞系の骨芽細胞への分化を、そのような分化を誘導する薬剤で細胞を刺激することによって、例えば、細胞をデキサメタゾン及びビタミンD3の混合物で刺激することによって行う場合、得られた骨芽細胞もまた、供与体から直接的に得られた骨芽細胞と本質的に同じ分化マーカーを示す。これに関して、分化を誘導することによって本発明の細胞系から得られる骨芽細胞のアルカリホスファターゼのレベル、骨芽細胞特異的因子−1(OSF−1又はCbfa−1)、オステオポンチン及びオステオカルシンなどの特異的なマーカー、並びに石灰化節を形成する能力は、骨芽細胞が得られる生物において見出される骨芽細胞と比較したとき、本質的に同じであることが示されている。
【0021】
まとめると、本発明の細胞系は、細胞系が得られる初代培養物の細胞と比較したとき、本質的に同一の形態学的パターンを示し、骨芽細胞に分化することができる。したがって、予備不死化及びテロメラーゼの発現の組合せ手段により、細胞のゲノム構成は維持されると結論することができる。
【0022】
本発明の細胞系は、(a)好適な供給源から前骨芽細胞を単離するステップ、(b)正常な細胞周期と共役しない遺伝子を含有する構築物で細胞をトランスフェクションするステップ、(c)場合により、トランスフェクションされた細胞を培養物から単離するステップ、(d)ステップ(b)又はステップ(c)で得られる細胞を、テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子の発現を可能にする構築物でトランスフェクションするステップ、及び(e)取り込まれた両方の遺伝子を含有する細胞を得るためにステップ(d)の細胞を選択するステップを含む方法に従って得ることができる。
【0023】
最初のステップ(ステップ(a))において、前骨芽細胞は個体の骨膜から単離される。これらの細胞は培養に移され、続いて、正常な細胞周期と共役し得ない1つ以上の遺伝子(例えば、その産物がp53遺伝子及び網膜芽細胞腫遺伝子のタンパク質産物と結合して、不活性化し、したがって初代細胞はその寿命を延ばすことができる遺伝子など)を有する構築物でトランスフェクションされる。これは、組換えプラスミドなどの組換えベクターを用いて、又は細胞ゲノムの内因性DNA配列と相同的なDNA配列をその両端に有する線状DNA片を用いて細胞を安定的にトランスフェクションすることによって達成することができる。この技術は、構築物を含有する線状DNAの宿主染色体への組み込みを可能にし、同時に子孫細胞へのその伝達を可能にするという利点を有する。あるいは、細胞はまた、組換えウイルス(例えば、SV40ウイルス(シミアンウイルス)のラージT抗原遺伝子又はHPVウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)のE6/E7遺伝子を有するウイルス)に感染させることができる。
【0024】
このように処理された細胞は、次いで、導入された構築物を有する細胞について選択され得る。これは、細胞をさらに数世代にわたって単に継代培養することによって達成することができる。構築物が導入されている細胞は、寿命が延びており、培養状態で増殖し続けるが、非トランスフェクション細胞は増殖を停止する。あるいは、選択マーカーを構築物に含ませることができ、そしてトランスフェクションされた細胞をマーカーの存在について選択することができる。
【0025】
このようにして選択された細胞は、次いで、中に含まれているテロメラーゼ遺伝子を発現させることができる構築物でトランスフェクションされる。これは、前に記載されたのと同じ方法によって、すなわち、組換えベクター、相同的組換えの現象に基づく線状DNA片を使用することによって、又は組換えレトロウイルスを細胞に感染させることによって達成することができる。この場合、それぞれがテロメラーゼ遺伝子を有する。テロメラーゼ遺伝子をコードする遺伝子のほかに、構築物は、調節配列に機能的に連結された遺伝子の転写を制御する調節配列を含む。そのような調節配列として、隣接するDNA配列の転写を制御するプロモーター配列が考えられる。
【0026】
このようにして得られた細胞は、次いで、前の方法ステップにおいて導入された遺伝子の両方を含有する不死化された細胞について選択することができる。これは、例えば、細胞を希釈して、クライシスが種々の培養物において生じているか否かを評価することによって達成することができる。さらに、細胞自身のゲノム物質を、細胞からDNA物質を単離して、導入された遺伝子の存在を明らかにすることによって、種々の構築物の存在について評価することができる。これは、例えば、PCR技術などによって達成することができる。
【0027】
したがって、好ましい実施形態によれば、本発明は、前骨芽細胞の骨芽細胞への発達に影響を及ぼすことにおいて有用である物質について探索するためのアッセイにおけるそのような細胞系の使用に関する。より好ましい実施形態によれば、本発明の細胞系は、前骨芽細胞の骨芽細胞への分化を行わせる物質を見つけるためのアッセイにおいて使用される。これは、骨形成自体を改善するために、又は骨量及び骨修復の維持を助けるために、より多くの骨芽細胞が個体の骨に存在しなければならない場合には特に注目され得る。さらに、前骨芽細胞及び骨芽細胞はそれぞれ、骨膜に存在しているが、例えば、骨の周辺部(すなわち、骨膜)における潜在的な同時の骨組み立てを伴う内部の骨量の分解時などにおける骨の構造的事象に関与していると考えられるので、本発明の細胞系はまた、骨膜における骨形成を特異的に活性化することによって、骨粗鬆症の発症を遅らせる物質、又は骨粗鬆症の発症を防止さえする物質について探索するために最適である。
【0028】
下記の実施例は、例示目的のために示され、本発明を限定することを意図するものではない。
【0029】
材料および方法
材料
細胞培養材料、培地及びウシ胎児血清(FBS)をGibco BRL(Basel、スイス)から購入した。アリザリンレッドSおよびビタミンD3(1α,25−ジヒドロキシ)をそれぞれSigma(Buchs、スイス)およびCalbiochem(Lucerne、スイス)から購入した。アスコルビン酸及びβ−グリセロリン酸をMerck(スイス)から得た。
【0030】
実施例1
レトロウイルスベクターの調製及び増幅
シミアンウイルスのラージT抗原遺伝子(SV40−T抗原)又はヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT;CAMBIA(Canberra、オーストラリア)により提供)を有する組換えレトロウイルスベクターを、標準的な組換えDNA技術を用いて、選択マーカーとしてヒスチジノール遺伝子を含有するpLHXSDレトロウイルスベクター(Stockschlaeder他、Hum Gene Ther.2(1991)、33〜39)のBamHI部位への挿入によって構築した。
【0031】
感染性の組換えウイルス粒子を、「ピンポン」感染により高力価のウイルスを作製することを可能にするために、組換えレトロウイルスベクターを両種指向性のパッケージング細胞系Phoenix(Clontech)にトランスフェクションし、その後、ATCCで得られる同種指向性のパッケージング細胞系Psi2と同時に培養することによって作製した(Lynch C、Miller D.1991)。高力価のヘルパーウイルス非含有レトロウイルスベクターの製造を、種々の宿主範囲のエンベロープを有するパッケージング細胞の同時培養によって行った(J.Virol.65:3887〜3890)。
【0032】
実施例2
ヒト骨芽細胞前駆体の調製及び感染
13歳の女性患者の大腿骨の骨膜に由来する細胞が、10%FBSが補充されたOpti−MEM(Gibco BRL、Basel、スイス)において、骨膜組織片を、95%空気/5%CO2で、37℃で3週間培養することによって調製された。集密化したとき、細胞をトリプシン処理して、25cm2フラスコに置床した。70%〜80%に集密化したとき、細胞を、実施例1に記載されるように調製された、SV40−T抗原を含有する組換えウイルスとともに、20μg/mlのDEAEデキストランの存在下、37℃(90%の湿度)で3時間インキュベーションした。感染後、培養培地を、10%FBS及びペニシリン/ストレプトアビジンが補充されたα−MEMと交換した。3代〜4代の継代の後、非感染の初代細胞は増殖を停止したが、感染集団に由来する細胞は、12代〜15代の継代まで増殖し続けた。SV40T抗原を発現するこれらの細胞をhPOBと名付けた。
【0033】
9代目の継代のとき、hPOB細胞を、hTERT遺伝子を有する組換えウイルスに、上記に記載されるように感染させた。これらの細胞はhPOBtertと呼ばれた。
【0034】
実施例3
hPOBtertの培養及び分化
感染細胞を、10%FCS及びペニシリン/ストレプトアビジンが補充されたα−MEMの存在下で培養した。この培地は基本培地と呼ばれる。分化させるために、細胞を、コラーゲンI(30μg/ml、ウシ皮膚−I型コラーゲン;Roche Biomedical、Basel、スイス)で被覆した皿上に、基本培地における12000細胞/cm2の密度で播種した。集密した細胞を、10nMのデキサメタゾン又は10nMのビタミンD3(vitD)が補充され、1mMのβ−グリセロリン酸及び50μg/mlのアスコルビン酸が補充された基本培地において2日間〜21日間インキュベーションした。
【0035】
石灰化マトリックスの形成が、この分化条件下で集密化の0日後及び21日後の培養された感染細胞において続いた。氷冷した70%エタノールで1時間インキュベーションすることによって細胞を固定した後、石灰化マトリックスを、アリザリンレッド−Sに基づく比色測定反応で染色した。
【0036】
実施例4
アルカリホスファターゼ活性の測定
分化条件下で培養されたhPOBtert細胞を、集密化の0日後、2日後、4日後、6日後及び9日後に集め、10mMのTris(pH7.5)、0.5mMのMgCl2及び0.1%の100Xトリトンを含有する溶菌緩衝液中でホモジネートした。アルカリホスファターゼ(ALP)活性を、市販のキット(Sigma)を使用して細胞ホモジネートで測定し、結果を、ブラッドフォードアッセイ法によって測定される総タンパク質含有量に対して正規化した。
【0037】
実施例5
hPOB細胞におけるSV40−T抗原タンパク質の免疫検出
8ウエルチャンバー型ガラス製スライドガラスにおいて90%の集密に増殖したhPOB細胞をハンクス生理食塩水緩衝液(HBSS)で洗浄し、メタノール/アセトン(v/v)の氷冷混合物で−20℃で少なくとも30分固定した。固定された細胞を、1%ウシ血清アルブミン(BSA)が補充された、0.05MのTris(pH8.6)、1.8%のNaCl及び0.2%ポリエチレングリコールを含有する緩衝液(TNP緩衝液)において、SV40−T抗原に対するマウスモノクローナル抗体(1/30希釈)とともに室温で1時間インキュベーションした。TNP緩衝液で3回洗浄した後、細胞を、1%BSAが補充されたTNP緩衝液及びフルオレセイン結合抗マウスIgG抗体(1/250希釈)とともに暗所において室温で1時間インキュベーションした。細胞の核を、蛍光顕微鏡(Zeiss)を用いて観察した。
【0038】
実施例6
RNA調製及びRT−PCRによる発現分析
集密化の6日後、分化条件下で培養された細胞をHBSSで洗浄し、そしてRNeasy総RNA精製システム(Qiagen AG、Basel、スイス)を使用してRNAを抽出するまで−80℃で保存した。
【0039】
逆転写を、プライマーとしてのオリゴd(T)15とともにRT−PCR用の第1鎖cDNA合成キット(AMV、Roche Biomedical、Basel、CH)を使用して、10μgの総RNA量を用いて行った。目的とするcDNAを増幅するために使用されたプライマーは、Mycrosynth(Windisch、CH)によって合成された。
【0040】
フォワードプライマー及びリバースプライマーの配列はそれぞれ下記の通りであった:
【0041】
【0042】
【0043】
PCR反応物は、DNAサーマルサイクラー装置(Bioconcept、Allschwill、スイス)において、98℃で1分間、60℃で2分間及び72℃で2分間の2サイクルに加熱され、次いで、94℃で1分間の変性ステップ、60℃で1分間のアニーリングステップ及び72℃で2分間の伸長ステップによる28回のサイクル処理に付された。アクチンプライマーが内部コントロールとして反応に含められた。PCR産物(10μl)を2%アガロースゲルで分離し、臭化エチジウム染色によって可視化した。PCR産物の定量化を、デンシトメトリーによるNIH画像プログラムを使用して行った。
【0044】
実施例7
TRAPアッセイ
テロメラーゼ反復増幅プロトコル(TRAP)アッセイを、以前の記載(Kim他、Science、266(1994)、2011〜2015)のように細胞抽出物で行った。106個の細胞を200μlの溶菌緩衝液(10mMのtris−HCl(pH7.5)、1mMのMgCl2、1mMのEGTA、0.5%のCHAPS、10%グリセロール)において溶解した。細胞溶解物を14000rpmにおいて4℃で20分間遠心分離した。上清を集め、タンパク質の量を、ブラッドフォードタンパク質アッセイ(Biorad)を使用して測定した。50μgのタンパク質に対応する細胞溶解物の2μlを、5μlのTRAP緩衝液10×(200mMのtris−HCl(pH8.3)、15mMのMgCl2、10mMのEGTA、680mmのKCl、0.5%ツイーン)、0.25μlの10mMの各dNTP、1.8μlの50ng/mlのプライマーM2、1.8μlの50ng/μlのプライマーCX及び0.4μlの5U/μlのtaqポリメラーゼを含有する48μlの反応混合物に加えた。プライマーの配列は下記の通りであった:
【0045】
【0046】
テロメラーゼ反応を室温で30分間続け、その後、PCR反応を開始した:DNAサーマルサイクラー装置において、94℃で2分間の1サイクルについて加熱し、次いで、94℃で10秒間の変性ステップ、50℃で25秒間のアニーリングステップ及び72℃で30秒間の伸長ステップによる30回のサイクル処理に付し、そしてもう1回のサイクル処理を、94℃で15秒間の変性ステップ、50℃で25秒間のアニーリングステップ及び72℃で1分間の伸長ステップを用いて行った。PCR産物の20μlを10%アクリルアミドゲルで分離し、SYBRグリーンIゲル染色(Molecular Probes)によって可視化した。
【0047】
実施例8
核型分析
半集密的培養物を核型分析のためにミシガン小児病院の細胞培養研究所に送った。染色体研究のために、指数関数的に増殖中の細胞を0.04μg/mlのコルセミドで1時間〜2時間処理して、トリプシン処理し、そして0.0375MのKClで9分間処理して、3:1のメタノール:氷酢酸の混合物で固定した。以前の報告(Peterson,W.D.Jr.他、Methods in Enzymology、58:164〜178、1979)のように、懸濁物を遠心分離し、固定剤で2回洗浄し、そして最後に、冷却された湿ったスライドガラスに落とした。スライドガラスを風乾して、4%ギムザ溶液で染色した。ギムザ染色されたスライドガラスを、倍数性分布、カウント及び構成的異常のために利用した。トリプシン処理ギムザバンド形成(GTG)のために、核型を改変シーブライト法(Seabright,M.A.、Lancet、971〜972、1971)(2)によって調製した。スライドガラスをスライドガラス保温器において60℃で16時間〜20時間エイジング処理して、0.025%トリプシンに1〜2秒間浸け、4%ギムザ溶液で11分間染色し、緩衝液で洗浄し、乾燥して、パーマウント(permount)中に固定した。十分なバンドを形成した中期物の核型分析を、AKSII画像分析システムを使用して行った。
【0048】
少なくとも7つの核型物をこれらのプリントから調製して、標準的なヒト核型に従って配置した。これらの核型物は標準的な命名法に従って記載された(ISCN An international System for Human Cytogenetic Nomenclature(ヒト細胞遺伝学命名法に関する国際システム)、Mitelman F.(編)、Basel:Karger、1995)。
【0049】
2つの染色体マーカーをさらに詳しく調べた。hPOB細胞における顕著な関与を示した第11染色体及び第15染色体が、現在、hPOB−tet細胞における確立されたマーカーを示す。イソ酵素の表現型パターンは、h−POB細胞の表現型パターンと一致している。これらの知見により、hPOB−tert細胞が、hPOB細胞の誘導体としてほぼ確実に同定される。hPOB−tert細胞系の細胞(39代の継代)以外の細胞は、培養では検出されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ヒトSV40T抗原に対するモノクローナル抗体を用いたhPOB細胞の免疫染色を示す図である。集密細胞を、ヒトSV40T抗原に対して特異的な一次抗体を使用する免疫蛍光法によって染色した。
【図2】
hPOB細胞及びhPOB−tert細胞におけるテロメラーゼ活性を示す図である。レーン1:コントロール条件(すなわち、細胞が存在しない場合)におけるテロメラーゼ活性;レーン2及び3:2つの異なる継代数におけるhPOB細胞でのテロメラーゼ活性;レーン4〜10:異なる継代数におけるhPOB−tert細胞でのテロメラーゼ活性。
【図3】
hPOB細胞及びhPOBtert細胞の分化時におけるアルカリホスファターゼ活性の調節を示す図である。アルカリホスファターゼ活性は、エフェクターの非存在下(○)、10nMデキサメタゾン(△)、10nMビタミンD(●)又は両エフェクター(■)の存在下でインキュベーションされた、hPOB細胞(A)及びhPOB−tert細胞(B)において、集密前(−1日目)、そして集密後の2日目、4日目、6日目及び9日目に測定した。データは、少なくとも3つの実験の平均値±SEMである。未処理の細胞と統計学的に異なる値を、*(p<0.05)、**(p<0.01)によって示す。
【図4】
hPOB細胞及びhPOBtert細胞におけるCbfa−1発現の調節を示す図である。エフェクターの非存在下、又は10nMデキサメタゾン、10nMビタミンDもしくは両エフェクターの存在下で6日間培養したhPOB細胞(A)及びhPOB−tert細胞(B)から、RNAを調製した。Cbfa−1及びアクチンのRNA発現を、半定量的RT−PCRによって同時に分析した。得られたシグナルを定量化し、アクチンを内部標準として用いた。データは、少なくとも3つの実験の平均値±SEMである。未処理の細胞と統計学的に異なる値を、*(p<0.05)によって示す。
【図5】
hPOB細胞及びhPOBtert細胞におけるオステオネクチン発現の調節を示す図である。エフェクターの非存在下、又は10nMデキサメタゾン、10nMビタミンDもしくは両エフェクターの存在下で6日間培養したhPOB細胞(A)及びhPOB−tert細胞(B)から、RNAを調製した。オステオネクチン及びアクチンのRNA発現を、半定量的RT−PCRによって同時に分析した。得られたシグナルを定量化し、アクチンを内部標準として用いた。データは、少なくとも3つの実験の平均値±SEMである。未処理の細胞と統計学的に異なる値を、*(p<0.05)、**(p<0.01)によって示す。
【図6】
hPOB細胞及びhPOBtert細胞におけるオステオカルシン発現の調節を示す図である。エフェクターの非存在下、又は10nMデキサメタゾン、10nMビタミンDもしくは両エフェクターの存在下で6日間培養したhPOB細胞(A)及びhPOB−tert細胞(B)から、RNAを調製した。オステオカルシン及びアクチンのRNA発現を、半定量的RT−PCRによって同時に分析した。得られたシグナルを定量化し、アクチンを内部標準として用いた。データは、少なくとも3つの実験の平均値±SEMである。未処理の細胞と統計学的に異なる値を、*(p<0.05)、**(p<0.01)によって示す。
【図7】
hPOB細胞及びhPOBtert細胞による細胞外マトリックスの石灰化を示す図である。hPOB細胞(A)及びhPOB−tert細胞(B)は、10nMデキサメタゾン及び10nMビタミンDの存在下で培養した。材料及び方法に記載するように、21日目に細胞を固定して、アリザリン−レッドによって染色した。
Claims (11)
- 骨の腹膜に由来する不死化された前骨芽細胞の細胞系であって、少なくとも1つの遺伝子を発現し、正常な細胞周期と共役せず、かつテロメラーゼ遺伝子を発現させ得る構築物を含有し、並びに骨芽細胞に分化することができる上記不死化された細胞系。
- アルカリホスファターゼ活性、骨芽細胞特異的因子−1(OSF−1又はCbfa−1)、オステオポンチン及びオステオカルシンの発現、並びに前記細胞系が得られる初代培養物の前骨芽細胞と本質的に同一の石灰化節を形成する能力を有する、請求項1に記載の不死化された細胞系。
- 正常な細胞周期と共役しない構築物と、テロメラーゼを発現させ得る構築物とが染色体中に含有されている、請求項1又は請求項2に記載の不死化された細胞系。
- ヒトに由来する、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の不死化された細胞系。
- CNCM I−2573である、請求項4に記載の不死化された細胞系。
- 不死化された前骨芽細胞の細胞系を調製する方法であって、
(a)前骨芽細胞を骨の腹膜から単離するステップ、
(b)その産物が正常な細胞周期と共役しない遺伝子を含有する構築物を細胞に導入するステップ、
(c)場合により、トランスフェクションされた細胞を培養物から単離するステップ、
(d)ステップ(b)又は(c)で得られる細胞中に、テロメラーゼ遺伝子の発現を指示する構築物を導入するステップ、及び
(e)取り込まれた両方の構築物を含有する細胞を得るために、ステップ(d)の細胞を選択するステップ
を含む上記方法。 - 構築物の少なくとも1つがベクター上に存在する、請求項6に記載の方法。
- ステップ(b)及び(d)において使用される構築物の少なくとも1つが細胞の染色体内に組み込まれる、請求項6に記載の方法。
- 正常な細胞周期との脱共役をもたらす構築物が、SV40ラージT抗原をコードする遺伝子を含有する、請求項6から請求項8までのいずれかに記載の方法。
- 前骨芽細胞の骨芽細胞への分化を制御する物質を検出するためのアッセイにおける、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の細胞系の使用。
- 改善された骨形成、骨量の維持、骨修復を可能にし、そして骨粗鬆症の発症を防止するための物質を検出するためのアッセイにおける、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の細胞系の使用。
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