JP2004512017A - タンパク質発現プロファイル化 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の背景
開示されている発明は、概して、タンパク質およびペプチドの検出およびプロファイル化の領域であり、特に微小規模のタンパク質発現プロファイル化の領域に関する。
【0002】
ゲノムの情報内容はデオキシリボ核酸として保持される。与えられたゲノム配列のサイズおよび組成は、生物の形態および機能を決定する。一般に、ゲノムの複雑さは、その生物の複雑さに比例する。比較的単純な生物、例えば細菌は約100〜500万メガベースのゲノムを有し、一方、哺乳類ゲノムは約3000メガベースである。一般にゲノムは、染色体(クロモソーム)として知られる物理的に区別されたセグメントに分割されている。細菌 Escherichia coli (E. coli) は単一の環状染色体を含有し、一方、ヒトゲノムは24染色体からなる。
【0003】
ゲノムDNAは、糖−リン酸骨格に連結された4DNA塩基(A、G、C、およびT)を含有する二重鎖ポリマーとして存在する。DNA上の塩基の並びがDNAの主要な配列である。生物のゲノムはタンパク質をコードする領域およびコードしない領域を含有し、これにはエキソンおよびイントロン、プロモーターおよび遺伝子調節領域および非機能性DNAが含まれる。ゲノム分析により、遺伝子コピー数および染色体数、ならびにDNAの主たる配列内における単一塩基の相違が存在することについての定量的測定が提供可能である。遺伝によって受け継がれる単一塩基の変化は多型と称され、一方、生物の生存期間中に獲得されたものは突然変異として知られる。DNAレベルでのゲノム分析では、遺伝子発現(すなわち、コード配列のRNAおよびタンパク質複写物が合成されるプロセスである)の測定は提供されない。
【0004】
ある生物由来のすべての細胞は同一のゲノムを含有すると考えられ、また同一種の異なる個体由来のゲノムは典型的に約99.9%同一である。個体間における0.1%の多型の割合(Wang et al., Science 280: 1077 (1998))は、およそ3百万の多型が任意の2ヒトゲノムの完全配列において見出せることが予測される点において有意である。タンパク質コードセグメント中に単一塩基変化が存在する場合、多型はタンパク質配列を変化させ、それゆえこのタンパク質の生化学的活性を変化させ得る。
【0005】
DNAゲノムは、遺伝子として知られる分離した機能的領域から構成される。単純な生物、例えば細菌のゲノムは約1000遺伝子を含有し(Fleischmann et al., Science 269: 496 (1995))、またヒトゲノムは約100,000遺伝子を含有すると見積もられる(Fields et al., Nature Genet. 7: 345 (1994))。mRNAレベルでの遺伝的分析を、遺伝子発現の測定として用いることができる。各遺伝子の発現レベルは遺伝的および環境的要因の組み合わせによって決定される。遺伝的要因には、遺伝子調節領域、例えばプロモーター、エンハンサー、およびスプライス部位の正確なDNA配列が含まれる。したがって、DNA中の多型は、同一種個体間の遺伝子発現におけるいくらかの差異に寄与することが予想される。発現レベルはまた、温度、ストレス、光、およびシグナル(ホルモンおよび他のシグナル伝達物質のレベルを変化させる)を含む環境的要因に影響される。この理由のため、RNA分析は、生物の遺伝的潜在性についてばかりでなく、機能的状態の変化についての情報をも提供する(M. Schena and R.W. Dadvis, DNA Microarrays: A Practical Approach. (Oxford University Press, New York, 1999)1−16)。
【0006】
遺伝子発現の第二段階はmRNAからのタンパク質の合成である。各mRNAによって特有のタンパク質がコードされ、ここにmRNAの3ヌクレオチドごとにポリペプチド鎖の1アミノ酸がコードされ、ヌクレオチドのリニアな順序はアミノ酸のリニアな配列を表す。タンパク質は、合成された後に、一次配列によって大部分が決定されるその特有の三次元コンフォメーションをとる。タンパク質は、遺伝子調節、代謝、細胞構造、およびDNA複製における役割を含む幅広い範囲の生化学的活性を遂行することによりゲノムの機能的な指示を呈する。
【0007】
集団中の個体は、タンパク質の一次アミノ酸配列を変更するか、あるいは遺伝子発現を変更することによって安定状態のタンパク質レベルを乱す多型のせいで、タンパク質活性における差異を有し得る。mRNAレベルと同様に、タンパク質レベルもまた、環境の変化に応じて変化し得る;さらに、タンパク質レベルはまた、mRNAレベルに直接影響しない翻訳制御および翻訳後制御を受ける(Schena and David, 1999)。プロテオミクス分析は、予測される遺伝子産物が実際に翻訳される場合、あるいはされるかどうかに関するデータ、被るかもしれない翻訳後修飾のレベルおよびタイプおよび他のタンパク質と比較された相対濃度を提供する(Humphrey−Smith and Blackstock, J. Protein. Chem. 16: 537−544 (1997))。DNAがmRNAに転写された後、タンパク質に翻訳される前にエキソンが様々にスプライスされ得る。リボソームによるmRNAの翻訳の後、タンパク質は通常、種々の化学基、例えば炭水化物、脂質およびリン酸基の付加によって、ならびに、特定のペプチド結合のタンパク質分解を介して翻訳後修飾される。これらの化学的修飾は、タンパク質の機能を調節するのに非常に重要であるが、遺伝子によって直接コードされているものではない。さらに、mRNAおよびタンパク質の両者は継続的に合成および分解されるため、タンパク質の最終レベルはmRNAレベルを測定することによって容易に得ることができるものではない(Patton, J. Chromatogr. 722: 203−223, (1999); Patton et al., J. Biol. Chem. 270:21404−21410 (1995))。したがって、発現タンパク質のレベルを示すためにmRNAレベルがしばしば外挿されるが、mRNA種およびそれらがコードするタンパク質の実際の量の豊富さの間に相関はほとんどないことは驚くべきことではない(Anderson and Seilhamer, Eletrophoresis 18: 533−537; Gygi et al., Mol. Cell. Biol. 19: 1720−1730 (1999))。
【0008】
増大する証拠により、遺伝子およびタンパク質発現における変化は、与えられたヒト疾患の開始と相関するであろうことが示唆される(Schena and Davis, 1999)。疾患組織のプロテオミクス分析により、与えられた疾患において発現が変更されるタンパク質の同定が可能になるはずである。多数の小さい分子はまた、包括的なレベルでのタンパク質発現を変更し得る。疾患状態において変更された発現についての情報を、小さい分子を用いる処置から生じる変化と組み合わせて、与えられた疾患との闘争に有効で有り得る分子のクラスについて価値ある情報を提供できるだろう。したがってプロテオミクスは、リード化合物スクリーニングおよび最適化、毒性、薬力学、および薬物効力のようなプロセスにおいて役割を担う。
【0009】
プロテオミクスの枢要成分は、多数のタンパク質を正確に、かつ再現性良く定量する能力である。典型的にプロテオミクスは、生物学的サンプルからタンパクを同時に分離すること、および分離時に分割されるタンパク質の相対量を定量することを含む。プロテオミクスは現在、二次元(2−D)ゲル電気泳動に大きく依存している。しかし、2−Dゲルを用いて包括的なタンパク質発現に関する情報を得ることは技術的に困難であり、このプロセスを実行する半自動化手法が開発され始めたばかりである(Patton, Biotechniques 28: 944−957 (2000))。さらに、2−Dゲルにおいてタンパク質発現を評価するために一般に用いられる染色(例えばクーマシーブルー(Coomassie Blue)、コロイド状金および銀染色)はこの能力において有効であるために必要とされるダイナミックレンジを提供しない。これらの染色は10〜40倍の範囲にわたってのみ線形(リニア)であり、個々のタンパク質の量は四桁の振り幅ほど異なる(Brush, The Scientist 12:16−22, 1998; Wirth and Romano, J. Chromatogr 698: 123−143 (1995))。さらに、細胞当たり1〜2000コピー存在する少量のタンパク質、例えば転写因子およびキナーゼは、しばしば重要な調節機能を行う種を示す。このような少量のタンパク質の正確な検出は、プロテオミクスに対する重要なチャレンジである。質量分析によって2つの異なるサンプル中のタンパク質の相対量を直接定量する方法は最近導入された。しかし、これらの方法の線形ダイナミックレンジはわずか4〜10倍の範囲にわたってしか示されていない(Gygi et al. 1999; Oda et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 96: 6591−6596 (1999))。
【0010】
マイクロアレー技術の発達が、少量のサンプル中の何百または何千でさえの物質の、同時の、超感受性の測定を可能にすることが最近注目されている(Ekins, Clin. Chem. 44: 2015−2030 (1998))。しかし、このアプローチは実行にまで減少させるのが難しい。なぜならこれらのマイクロアレーにスポットを創出するために極端に少容量(約0.5〜5nL)のサンプルを用いるため、極度に感受性の分析物検出方法を利用することが必要になるからである。DNAポリメラーゼによって指揮されるローリングサークル増幅(RCA)は、等温度条件下、線形または等比動力学を用いて環状オリゴヌクレオチドプローブを複製できる(Lizardi et al., Nature Genet. 19: 225−232 (1998))。単一プライマーを用いる場合、RCAは、2、3分のうちに、標的に共有結合した、直鎖の、何百または何千の直列に連結された標的のDNAコピーを生産する。リニア増幅産物の作成により、標的の空間的分割および正確な定量が可能になる。RCAによって生産されるDNAは、直列型DNA配列の複数の部位でハイブリダイズする蛍光オリゴヌクレオチドタグでラベルできる。RCAは、マルチパラメトリックカラーコーディング用に設計されたフルオロフォアコンビネーションとともに用いることができ(Speicher et al., Nature Genet. 12:368−375 (1996))、これにより同時に分析できる標的の数は著しく増大する。RCA技術は、溶液中、インサイチュおよびマイクロアレー中で用いることができる。固相形式では、検出および定量が単一分子のレベルで達成できる(Lizardi et al., 1998)。
【0011】
したがって、本発明の目的は、少量および低濃度の分析物を検出する方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の少量および低濃度の複数の分析物を検出する方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、検出すべき分析物のシグナルを増幅する方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の少量および低濃度の複数の分析物を検出する自動化された方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の複数の分析物の存在をプロファイル化する方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、異なるサンプル中の複数の分析物の存在プロファイルを比較する方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、化合物の、目的の化合物との相互作用を評価する方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、少量および低濃度のタンパク質およびペプチドを検出する方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の、少量および低濃度の複数のタンパク質およびペプチドを検出する方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、検出すべきタンパク質またはペプチドのシグナルを増幅する方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の、少量および低濃度の複数のタンパク質およびペプチドを検出する自動化された方法を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、サンプル中の複数のタンパク質およびペプチドの存在をプロファイル化する方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、異なるサンプル中の複数のタンパク質およびペプチドの存在プロファイルを比較する方法を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、目的のタンパク質およびペプチドとの、化合物の相互作用を評価する方法を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、少量および低濃度の分析物の検出用組成物を提供することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、少量および低濃度のタンパク質およびペプチドの検出用組成物を提供することである。
【0027】
発明の要旨
少量の分析物、例えばタンパク質およびペプチドを検出するための組成物および方法が開示されている。この方法には、核酸プライマーを分析物と結合させ、次いでこのプライマーを用いて、環状DNA分子のローリングサークル複製を媒介することが関与する。DNAサークルの増幅は、このプライマーの存在に依存する。したがって、開示されている方法は、ローリングサークル増幅を介して、任意の目的分析物から増幅されたシグナルを生じさせるものである。この増幅は、等温性であり、各プライマーから大量の核酸の生産を導くことができる。増幅されたDNAは、プライマーを介して分析物と結合したままであり、これにより分析物の空間的検出が可能である。
【0028】
開示されている方法は、好ましくは、タンパク質およびペプチドを検出および分析するために用いられる。好ましい態様では、複数の種々のタンパク質または分析物が直接または間接的に結合されているマイクロアレイを用いて、(それらが試験されるサンプル中に存在する場合、)複数のタンパク質が検出可能である。次いで、プライマーおよび特異的結合分子、例えば検出されるタンパク質に特異的な抗体、のコンジュゲートを用いて、ローリングサークル複製プライマーを種々のタンパク質と結合させる。このプライマーによってプライムされるローリングサークル複製は、このタンパク質が固定されているアレイの部位において、大量のDNA生産を生じさせる。アレイ中の種々のタンパク質はいくつかの方法によって識別可能である。例えば、種々のタンパク質がアレイ中のあらかじめ決められた位置に固定されている場合、増幅DNAの位置は関与するタンパク質を指し示すことが可能である。また、種々のタンパク質はそれぞれ、後に異なるDNAサークルのローリングサークル複製をプライムする異なるローリングサークル複製プライマーと結合可能である。この結果、種々のタンパク質それぞれに対して別個の増幅されたDNAが生じる。この異なる増幅DNAsは任意の適当な配列に基づく核酸検出技術を用いて区別できる。
【0029】
開示されている方法の別の好ましい態様には、2またはそれ以上の異なるサンプル中に発現されるタンパク質の比較が関与する。こうして得られる情報は、核酸発現プロファイルに蓄積された情報のタイプと類似している。開示されている方法は、任意の細胞または組織内で発現されているタンパク質の鋭敏で正確な検出および定量を可能にする。この開示されている方法はまた、異なるサンプル由来の同一の分析物(群)が同一のアッセイにおいて同時に検出されることを可能にする。
【0030】
発明の詳しい記述
ここに開示するのは、少量の分析物、例えばタンパク質およびペプチドを検出するための組成物および方法である。この方法は、核酸シグナル増幅の能力を核酸ではない分析物の検出に適用する。核酸増幅技術に匹敵する増幅技術が存在しない分析物の検出は、一般に、十分な量の分析物の検出または極度に感度のよいラベルの使用に依存する。このようなラベルの使用は厄介であり、制限されている。開示されている方法は、任意の所望の分析物に関する増幅されたシグナルを生じさせる単純で感度のよい方法を提供する。
【0031】
開示されている方法は、1つの型のRCAであり、ここではレポーター結合プライマーが増幅標的サークルの増幅用のローリングサークル複製プライマーを提供する。開示されている方法は、RCAが、レポーター結合プライマーと標的分子(これは分析物とも称される)の結合に基づいて、増幅されたシグナル(すなわち、直列型配列DNA(TS−DNA))を生じることを可能にする。レポーター結合プライマーの一部である特異的プライマー配列は、分析物に対するレポーター結合プライマーの(レポーター結合プライマーのアフィニティー部分を介する)特異的相互作用およびRCAの結び付けを提供する。レポーター結合プライマーが分析物と結合すると、増幅標的サークル(ATC)がレポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマー配列とハイブリダイズし、次いでATCがRCAによって増幅される。得られたTS−DNAは一端にレポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマー配列を含み、これによりTS−DNAが分析物のその部位にアンカーされる。開示されている方法は、任意の分析物を用いて行うことができる。好ましい分析物は、増幅された核酸、例えばTS−DNAおよび増幅標的サークルを含む核酸、抗原およびリガンドである。開示されている方法に関する標的分子は、本明細書中では概して、分析物と称する。
【0032】
開示されている方法を用いて、タンパク質およびペプチドを検出し、分析するのが好ましい。好ましい態様では、種々のタンパク質が固定されているマイクロアレイを用いて複数のタンパク質を分析できる(これらが試験されるサンプル中に存在する場合)。次いでローリングサークル複製プライマーは、プライマーおよび、検出されるべきタンパク質に対して特異的な特異的結合分子、例えば抗体のコンジュゲートを用いて、種々のタンパク質と結合させる。このプライマーによってプライムされたローリングサークル複製は、このタンパク質が固定されているアレイの部位において大量のDNA生産を生じさせる。増幅されたDNAはこのタンパク質に関する容易に検出可能なシグナルとして働く。アレイ内の種々のタンパク質はいくつかの方法によって識別できる。例えば、種々のタンパク質がアレイ内のあらかじめ決められた位置に固定されている場合、増幅されたDNAの位置は関与するタンパク質を指し示すことができる。別法では、異なるタンパク質はそれぞれ、異なるDNAサークルのローリングサークル複製をプライムする異なるローリングサークル複製プライマーと結合させることができる。その結果、それぞれの異なるタンパク質に関して別個に増幅されたDNAが得られる。種々の増幅されたDNAsは任意の適当な配列に基づく核酸検出技術を用いて識別できる。
【0033】
開示されている方法の別の好ましい態様には、2またはそれ以上の異なるサンプル中で発現されているタンパク質を比較することが含まれる。作成される情報は、核酸発現プロファイルにおいて蓄積された情報のタイプと同様である。例えば、異なるサンプル由来の同一の分析物(群)は、異なるDNAサークルの複製をプライムする異なるプライマーと結合でき、異なる増幅DNAsを生産する。この方法では、あるサンプル由来の分析物は、異なるサンプル中の同一分析物から異なる増幅DNAを生産する。この例は実施例11に示され、ここでは、2つの異なるサンプル由来の同一の分析物は2つの異なるDNAサークルの増幅を生じる。
【0034】
サンプルが混合されている場合でさえ、プライマーが分析物と結合することによって、このサンプル特異的な検出を達成できる(本方法の好ましい様式)。例えば、図11では、分析物捕獲物質(ハプテン1およびハプテン2とカップリングされた抗体)はそれぞれサンプル1およびサンプル2と混合することができる。別の好ましい態様では、各サンプル中の分析物は異なるハプテンで直接ラベルされている。これは種々のハプテンを異なるサンプル中の同一型分析物と結合させる。好ましい態様では、サンプルをともに混合する。図11に示されるように、分析物は基質上に捕獲可能で、レポーター結合プライマーは分析物捕獲物質と結合させることができ、DNAサークルはローリングサークル複製プライマーから増幅される。異なるサンプル由来の分析物が基質上の同一部位に捕獲される場合(本方法の好ましい様式)でさえ、異なる増幅DNAsが生産されるせいで、その位置に存在する各分析物のソースおよび量が測定できる。
【0035】
分析物のソース(すなわち分析物が由来するサンプル)は、例えば種々の増幅DNAs(すなわち種々のサンプルに調節されたプライマーから生じるもの)に関する種々のラベルを用いて測定できる。他のラベルと同時に検出された場合に識別可能なラベル(例えば区別される発光スペクトルを有する蛍光ラベル)を用いて、すべてのサンプルをいっしょに混合し、いっしょに分析できる。検出されたラベルは、連鎖の成分:ラベル−増幅DNA−環状DNA−プライマー−分析物を経て、間接的に分析物のソースを同定するものである。
【0036】
免疫RCAと称される、開示されている方法の別の好ましい形態では、ローリングサークル複製プライマーの5’末端を抗体と結合させる。開示されている方法の好ましい一形態では、抗体はハプテンに対するものである。開示されている方法の別の好ましい形態では、抗体は分析物それ自体に対するものである。環状DNA(増幅標的サークルと称される)、DNAポリメラーゼ、およびヌクレオチドの存在下、ローリングサークル反応により多重コピーの環状DNA配列からなるDNA分子(直列型配列DNAと称される)が生じ、これは抗体と結合したままである(図1)。増幅されたDNAは、ハプテンラベルまたは蛍光ラベルされたヌクレオチドの直接包含、または蛍光または酵素ラベルされた相補的オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションによるものを含む種々の方法で検出可能である。RCA反応は、線形または幾何学的な動力学を用いて行うことができる(Lizardi et al., 1998)が、開示されているシグナル発生方法では線形RCAを用いるのが好ましい。
【0037】
別の側面では、開示されている方法には、複合生物学的サンプル中に存在する分析物の固定および、サンプル中のその存在の測定および定量が関与する。固定により分析物を同定し、定量する方法は、アレルゲンを含有するサンプルを用いて本明細書中に記載されている。例えば、生物学的抽出物および液状物中に存在するアレルゲンは、まずこれらをマイクロアレイ上に選択的に固定することによって同定できる(実施例8参照)。次いで検出および定量のために免疫RCAマイクロアレイアッセイを用いることができる。
【0038】
別の側面では、開示されている方法には、サンプル中の1以上の分析物の多重検出および定量が関与する。これは実施例9に説明され、ここでは、それぞれ固定された捕獲抗体を含有するいくつかの試験部位を含有するマイクロアレイが、検出されるべきタンパク質分析物の混合物を含有するサンプルとインキュベートされた。次いでこのマイクロアレイは、各分析物に関して少なくとも1つのビオチニル化抗体を含有する混合物とインキュベートされた。次いで免疫RCAマイクロアレイアッセイを用いて、検出および定量が行われた。
【0039】
別の側面では、各ウェルがテフロンマスクによって分離されている16マイクロウェル−ガラススライド内で、免疫RCAマイクロアレイアッセイを行うことができる。これは実施例8に記載され、ここでは、100〜400スポットのマイクロアレイが各マイクロウェルにプリントされた。これらのウェルのそれぞれが、異なるサンプル、およびコントロールをアッセイするのに用いられた。またマルチウェルスライド(slide)が、16ウェル中の6内の抗−IgE捕獲抗体のアレイを用いてプリントされた。このマルチウェル形成でのアレルゲンマイクロアレイにおける半自動化免疫RCAアッセイは、例えば、安価な Beckman BioMek 液体取扱いロボットを用いて実行することができる。
【0040】
マイクロアレイに基づく免疫RCAアッセイは他の多重抗体アッセイに適用可能である。例えば、特定の免疫学的反応は、IgEより特異的IgG4によって誘発される(AAAI Board of Directors, J Allergy Clin Immunol. 95:652−654 (1995))。(抗−IgEとコンジュゲートされたプライマーが相補的である)DNAサークル由来の配列と異なっているDNAサークルと相補的なDNAプライマーとコンジュゲートされた抗−ヒトIgG4を使用することにより、アレルゲン特異的IgG4およびIgEの同時測定が可能であろう。このようなアッセイは、アレルゲン脱感作治療時に、または抗−IgE治療の応答をモニターする(Chang Nature Biotech. 18:157−162 (2000))のに用いることができる。
【0041】
マイクロアレイに対する免疫RCAの重大な多重化能、空間的(すなわちアレイに対し複数の分析物をスポットする能力)および比色的(各分析物に結合する複数の抗体タイプを検出および区別する能力)の両者は、複数の特異的抗体、例えば、全身性自己免疫障害、炎症性関節炎、器官特異的自己免疫障害であることが疑わしい症状、または実際の組織適合性試験における、自己抗体の検出が関与する他の臨床診断試験用に用いることができる。さらなる適用には、第一および第二の免疫不全疾患であることが疑われる患者における株および種特異的IgMおよびIgGの測定を伴う感染性疾患診断、ならびに機能性抗体応答のインビトロ試験が含まれる。最後に、この形式の多重化、自動性および超感受性は、抗体の検出が関与するこれら以外の他の免疫アッセイに適用できる。マイクロアレイでのRCA能を有するサンドイッチ免疫アッセイは、分析物、例えば前立腺血清抗原に関する慣用のアッセイと比べて感受性の3〜4対数増加を提供できる。したがって、開示されている方法は、複数の分析物を疾患の分子的段階に関して同時に試験することによって可能になる診断および予後能の大きな増加を生じる。
【0042】
核酸は、複数の分析物検出のための理想的分子ラベルである。なぜなら、異なる特異的配列は個々の各分析物と任意に結合させることができるからである。DNAを抗体に直接共有結合カップリングさせると、各DNAラベルが特有のものであれば、未制限の数の抗体−DNA付加物が製造され、任意の組み合わせで使用するのを可能になる(Hendrickson et al., Nucleic Acids Res. 23: 522−529 (1995))。共有結合によるカップリングはまた、必要とされる試薬混合および洗浄工程が少ないため、単純なアッセイ形式の実行に関して利点を有し;さらに会合成分の化学量論的変化を回避できる。好ましい態様では、開示されている方法は、免疫RCAと称されるシグナル増幅ストラテジーにおいて、共有結合によるカップリングストラテジーを用いる。合成および精製ストラテジーにおいて、いくつかの修飾および改善を用い、これらのコンジュゲートを高純度、高収量で生産できる。
【0043】
材料
A.分析物
開示されている方法には、分析物の検出が関与する。一般に、化合物または複合体の、任意の化合物、部分、または成分が分析物であり得る。好ましい分析物はペプチド、タンパク質、および他の高分子、例えば脂質、複合炭水化物、プロテオリピド、膜断片、および核酸である。分析物はまた、より小さい分子、例えば補因子、代謝産物、酵素基質、金属イオン、および金属キレート物であり得る。分析物は100ダルトン〜1,000,000ダルトンの範囲のサイズであるのが好ましい。
【0044】
分析物は、天然に存在するか、あるいはインビトロまたはインビボで誘導される修飾を含有することができる。実際の修飾には、付加物形成、例えばハプテン結合、多量体化、他の化学部分との相互作用による複合体形成、消化または分解(例えばプロテアーゼによる)、および金属イオン結合または除去が含まれる。開示されている方法は、分析物の修飾状態における差異、例えばタンパク質のリン酸化またはグリコシル化状態を検出するのに用いることができる。
【0045】
分析物は、好ましくはアレイ中にて、基質と直接または間接に結び付けることができる。最も好ましいのはマイクロアレイである。分析物は、分析物捕獲物質を用いて、捕獲するか、ならびに/あるいは固定することができる。固定された分析物は、開示されている方法にて用いられる他の成分、例えば分析物捕獲物質およびレポーター結合プライマーを捕獲するのに用いることができる。
【0046】
B.レポーター結合プライマー
レポーター結合プライマーはオリゴヌクレオチドにカップリングされるか、あるいはつながれる特異的結合分子である。特異的結合分子は、レポーター結合プライマーのアフィニティー部分と称され、オリゴヌクレオチドはレポーター結合プライマーのオリゴヌクレオチド部分と称される。開示されている方法では、オリゴヌクレオチド部分は、ローリングサークル複製プライマーとして働く(したがって、本明細書中にて、レポーター結合物質のオリゴヌクレオチド部分はローリングサークル複製プライマーと称される)。このことは、加えられたATCのローリングサークル複製を可能にし、ここに、得られたTS−DNAはレポーター結合プライマーにカップリングされる。このため、TS−DNAは分析物の部位に効率的に固定される。
【0047】
ローリングサークル複製プライマー配列の配列は任意に選択できる。複数のレポーター結合プライマーを用いる多重アッセイでは、各レポーター結合プライマーに関するローリングサークル複製プライマー配列は実質的に異なっていて、非特異的標的検出の可能性を制限することが好ましい。別法では、いくつかの多重アッセイにおいて、ローリングサークル複製プライマー配列を関連配列とともに使用することが望ましいこともある。このようなアッセイは1または2、3のATCsを使用して、多数の分析物を検出することができる。オリゴヌクレオチド部分は、オリゴヌクレオチド部分と増幅標的サークルのプライマー相補部分との間の特異的および安定なハイブリダイゼーションをサポートする任意の長さであり得る。一般的に、これは12〜100ヌクレオチド長、好ましくは20〜45ヌクレオチド長である。
【0048】
本明細書中で用いられる、特異的結合分子とは、特定の分子または部分と特異的に相互作用する分子である。特定の結合分子と特異的に相互作用する分子または部分は、分析物または、特定の結合分子および分析物間の相互作用における中間体として働く別の分子であり得る。このような中間体の好ましい例は分析物捕獲物質である。用語「分析物」は、特異的結合分子と特異的に相互作用する別個の分子および分子の部分、例えばタンパク質のエピトープをともに意味することが理解されるべきである。抗体、レセプター/リガンド対のいずれかのメンバー、および特異的結合アフィニティーを有する他の分子は、レポーター結合プライマーのアフィニティー部分として有用な特異的結合分子の例である。抗体であるアフィニティー部分を有するレポーター結合プライマーは、本明細書中にて、レポーター抗体と称されることもある。ローリングサークル複製プライマーと、このような特異的結合分子とのカップリングにより、特異的結合分子のその特異的標的へ結合は、ローリングサークル増幅を用いてATCを増幅することによって検出できる。この増幅は、非常に少数の結合分析物の鋭敏な検出を可能にする。
【0049】
特定の分析物と特異的に相互作用するレポーター結合プライマーは、その分析物に特異的であると称される。例えば、特定の抗原と結合する抗体であるアフィニティー部分を有するレポーター結合プライマーはその抗原に特異的であると称される。この抗原は分析物である。
【0050】
レポーター結合プライマーのアフィニティー部分として有用な抗体は、商業的に入手可能であるか、あるいは十分に確立されている方法を用いて製造できる。例えば、Johnstone and Thorpe はページ30〜85に、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を製造するのに有用な一般的方法を記載している。この書籍は、全体では、アッセイ系における抗体の使用に関する多くの一般的技術および原理を記載している。
【0051】
使用においては、レポーター結合プライマーは完全に純粋である必要はない。レポーター結合プライマーは、好ましくは、少なくとも20%純粋、より好ましくは少なくとも50%純粋、より好ましくは少なくとも80%純粋、さらにより好ましくは少なくとも90%純粋である。
【0052】
C.増幅標的サークル(ATC)は環状一本鎖DNA分子であり、一般に、40〜1000ヌクレオチド、好ましくは約50〜150ヌクレオチド、最も好ましくは約50〜100ヌクレオチドを含有する。ATCsの部分は、このATCをローリングサークル複製(RCA)に対して有用にする特定の機能を有する。これらの部分はプライマー相補部分、検出タグ部分、第二標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分と称される。プライマー相補部分は、増幅標的サークルの必要な成分である。検出タグ部分、第二標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分は任意的である。一般に、増幅標的サークルは、プライマー相補部分を含む一本鎖の環状DNA分子である。ATCの特異的部分に対応しないATCのセグメントは任意に選択された配列であり得る。ATCsは自己相補的ないかなる配列をも有さないのが好ましい。ミスマッチまたはギャップを有さない6ヌクレオチド長より大きい相補領域が存在しない場合に、この条件が満たされることが考慮される。また、プロモーター部分を含有するATCsは、転写ターミネーター、例えば一連の8またはそれ以上のチミジンヌクレオチドに類似するいかなる配列をも有さないのが好ましい。
【0053】
増幅標的サークルは、複製時に、増幅標的サークルと相補的な複数の繰り返し配列を含有する長いDNA分子を生じさせる。この長いDNA分子は本明細書中では、直列型配列DNA(TS−DNA)と称される。TS−DNAはプライマー相補部分と相補的な配列を含有し、増幅標的サークル上に存在するならば、検出タグ部分、第二標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分ト相補的な部分を含有する。TS−DNA内のこれらの配列はプライマー配列(これはローリングサークル複製プライマーの配列に適合する)、スペーサー配列(スペーサー領域と相補的である)、検出タグ、第二標的配列、アドレスタグ、およびプロモーター配列と称される。増幅標的サークルは特異的結合分子に対するタグとして有用である。
【0054】
D.ローリングサークル複製プライマー
ローリングサークル複製プライマー(RCRP)は、ATCのプライマー相補部分との配列相補性を有するオリゴヌクレオチドである。この配列はRCRPの相補部分と称される。RCRPの相補部分およびその同族プライマー相補部分は、それらが互いに相補的である限り、任意の所望の配列を有することができる。一般に、RCRPの配列は、ATCの任意の他の部分に対して有意に相補的ではないように選択できる。ローリングサークル複製プライマーの相補部分は、プライマーおよびプライマー相補部分間の特異的かつ安定なハイブリダイゼーションをサポートする任意の長さであり得る。一般に、これは12〜100ヌクレオチド長であるが、好ましくは20〜45ヌクレオチド長である。
【0055】
ローリングサークル複製プライマーはまた、RCRPの5’末端にて、ATCのいかなる部分とも相補的でないさらなる配列を含有するのが好ましい。この配列は、RCRPの非相補部分と称される。RCRPの非相補部分は、存在するならば、DNA複製時に鎖置換を促進するように働く。RCRPのこの非相補部分は任意の長さであってよいが、一般に1〜100ヌクレオチド長、好ましくは4〜8ヌクレオチド長である。ローリングサークル複製プライマーは、鎖置換カスケード増幅における第三のDNA鎖置換プライマーとして用いることができる。
【0056】
好ましい態様では、ローリングサークル複製プライマー(および本方法で用いられる他のプライマー)はスペーサーを含有してもよい。このスペーサーは、固定されている場合に、表面由来の空間的配置に関する要因を克服するか、プライマー上にポリメラーゼをアンカーするのを補助するか、あるいは他の利点、例えばアレイ成分の疎水性の調節または変更を提供するのを補助することができる。開示されている方法に関して有用なスペーサーには、ヌクレオチドスペーサー、例えばポリdTまたはポリdA;脂肪族リンカー、例えばC18、C12、またはそれらの多量体;芳香族スペーサー、またはRNA、DNA、PNAまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0057】
E.分析物捕獲物質
分析物捕獲物質は、分析物と相互作用可能であり、分析物が固定され、他の化合物および分析物から分離されることを可能にする任意の化合物である。分析物捕獲物質には、分析物相互作用部分が含まれる。また分析物捕獲物質には捕獲部分が含まれ得る。捕獲部分を有さない分析物捕獲物質は固形支持体に固定されるのが好ましい。分析物捕獲物質の分析物相互作用部分は、特定物質または部分と特異的に相互作用する分子である。分析物相互作用部分と特異的に相互作用するこの分子または部分は、分析物相互作用部分および分析物間の相互作用における中間体として働く分析物または別の分子であってよい。用語「分析物」は別々の分子および分子の部分、例えば、分析物相互作用部分と特異的に相互作用するタンパク質のエピトープを表すことが理解されるべきである。抗体、レセプター/リガンド対のメンバー、および特異的結合アフィニティーを有する他の分子は、分析物捕獲物質の分析物相互作用部分として用いることができる分子の例である。また分析物捕獲物質の特異的結合部分は、分析物が相互作用可能な任意の化合物または組成物、例えばペプチドであり得る。特定の分析物に特異的に相互作用する分析物捕獲物質は、その分析物に対して特異的であると言及される。例えば、特定の抗原と結合する抗体である分析物相互作用部分を有する分析物捕獲物質は、その抗原に対して特異的であると言及される。この抗原は分析物である。
【0058】
分析物捕獲物質の分析物相互作用部分として有用な分子の例は、抗体、例えば粗製(血清)抗体、精製された抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、合成抗体、抗体断片(例えば、Fab断片);タンパク質A、炭水化物結合タンパク質、および他の相互作用物のような物質と相互作用する抗体;タンパク質相互作用物(例えばアビジンおよびその誘導体);ペプチド;および小さい化学物質、例えば酵素基質、補因子、金属イオン/キレート物、およびハプテンである。抗体は修飾するか、あるいは化学的に処理して、表面および/または標的に対する結合を最適化することができる。
【0059】
分析物捕獲物質の分析物相互作用部分として有用な抗体は市販されているか、あるいは十分に確立されている方法を用いて製造できる。例えば Johnstone and Thorpe はページ30〜85において、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両者の製造に有用な一般的方法を記載している。この書籍は、全体では、アッセイ系における抗体の使用に関する多くの一般的技術および原理を記載している。
【0060】
分析物捕獲物質の捕獲部分は、別の化合物と結合可能な任意の化合物である。好ましくは、捕獲部分は、別の化合物、例えばリガンド結合分子または抗体と結合または相互作用する化合物、例えばリガンドまたはハプテンである。また、捕獲部分および捕獲成分間のこのような相互作用は特異的相互作用、例えばハプテンおよび抗体間、またはリガンドおよびリガンド結合分子間のような相互作用であることが好ましい。ハプテンの例には、ビオチン、FITC、ジゴキシゲニン、およびジニトロフェノールが含まれる。捕獲部分は、分析物捕獲物質と結合した化合物または複合体をそれと結合しないものから分離するのに用いることができる。
【0061】
ある基質に関する分析物または分析物捕獲物質の捕獲は、いくつかの方法で行うことができる。一態様では、捕獲ドックを付着させるか、あるいは基質とカップリングさせる。捕獲ドックは、(分析物が結合しているか、結合するであろう)分析物捕獲物質上の捕獲部分と結合するか、あるいは相互作用して、分析物の付着を媒介する化合物または部分である。基質上に固定された捕獲ドックは、基質上における分析物の捕獲を可能にする。このような捕獲は、以後の工程を妨害するかもしれない反応成分を洗い出す都合のよい方法を提供する。別法では、分析物捕獲物質は基質上に直接固定される。この場合、分析物捕獲物質は捕獲部分を有する必要がない。
【0062】
一態様では、固定される分析物捕獲物質または捕獲ドックは抗ハイブリッド抗体である。抗体および他のタンパク質を基質に固定する方法は十分に確立されている。固定は、標準的固定化学を用いる例えばアミノ化表面、カルボキシル化表面またはヒドロキシル化表面に対する結合によって達成できる。固定物質の例は、臭化シアン、スクシンイミド、アルデヒド、トシルクロライド、アビジン−ビオチン、光学架橋物質、エポキシドおよびマレイミドである。好ましい結合物質は、ヘテロ二官能性架橋物質、例えばN−[γ−マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)である。これらおよび他の結合物質、ならびにその結合における使用方法は、Protein Immobilization: fundamentals and applications, Richard F. Taylor, ed. (M. Dekker, New York, 1991), Johnstone and Thorpe, Immunochemistry In Practice (Blackwell Scientific Publications, Oxford, England, 1987) pages 209−216 and 241−242, and Immobilized Affinity Ligands, Craig T. Hermanson et al., eds. (Academic Press, New York, 1992) に記載されている。抗体は、抗体上の遊離のアミノ基を、基質内に存在する反応性側鎖と化学的に架橋することによって基質と結合させることができる。例えば、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、またはヘテロ二官能性物質、例えばGMBSを架橋剤として用いて、抗体を、遊離のアミノ、カルボキシル、または硫黄基を含有する基質と化学的に架橋することができる。この方法では、遊離の抗体を含有する水溶液を、グルタルアルデヒドまたはカルボジイミドの存在下で、固形基質とインキュベートする。グルタルアルデヒドを用いる架橋では、反応物を、0.1M カコジル酸ナトリウム(pH7.4)のようなバッファー溶液中、容量で2%のグルタルアルデヒドとインキュベートすることができる。他の標準的固定化学は当業者に既知である。
【0063】
1つの有用な型の分析物捕獲物質はペプチドである。種々のペプチドをアレイに固定した場合、これらは分析物に対する「えさ」として使用可能である。例えば、種々のペプチドのアレイを用いて、サンプルがいずれかのペプチドと相互作用する分析物を有するかどうか測定可能である。例えば、種々のサンプル中の分析物が結合するペプチドにおける差異に着目することによって、種々のサンプルを比較できる。開示されている方法の別の型では、目的の分析物に特異的な分析物捕獲物質のアレイを用いて、サンプル中の全組の分析物を存在を測定可能である。
【0064】
使用に関して、分析物捕獲物質は完全に純粋である必要はない。分析物捕獲物質は、好ましくは、少なくとも20%純粋、より好ましくは少なくとも50%純粋、より好ましくは少なくとも80%純粋、そして最も好ましくは少なくとも90%純粋である。
【0065】
F.アクセサリー分子
アクセサリー分子は、分析物および特異的結合分子または分析物捕獲物質の相互作用に影響する分子である。例えば、アクセサリー分子は、分析物と分析物捕獲物質または特異的結合分子との結合と拮抗する分子であってよい。拮抗性アクセサリー分子の1形態は分析物のアナログである。アナログとは、構造が類似しているが、拮抗において異なっている分子である。このような関連では、分析物アナログは、その分析物に特異的な、分析物捕獲物質または特異的結合分子との相互作用が十分に同様であるべきである。アクセサリー分子はまた、分析物および特異的結合分子または分析物捕獲物質の相互作用を補助するか、あるいはそれに必要である分子であり得る。このようなアクセサリー分子は、本明細書中では、分析物結合補因子と称される。
【0066】
一タイプの開示されている方法では、アクセサリー分子はその分析物結合に対する作用に関して試験される化合物であり得る。例えば、開示されている方法を用いて、特異的結合分子または分析物捕獲物質との分析物相互作用の拮抗物質(または結合補因子)に関してスクリーニングすることができる。アクセサリー分子が分析物の相互作用に影響する場合、レポーター結合プライマーの分析物との結合(または、分析物捕獲物質の分析物との結合)の喪失または獲得のせいで、RCAの結果は変化する。分析物および分析物捕獲物質の相互作用に関する拮抗の例は、図14に示されている。
【0067】
使用に関して、アクセサリー分子は完全に純粋である必要はない。アクセサリー分子は、好ましくは、少なくとも20%純粋、より好ましくは少なくとも50%純粋、より好ましくは少なくとも80%純粋、さらにより好ましくは少なくとも90%純粋である。
【0068】
G.検出ラベル
開示されている方法を用いて増幅される核酸の検出および定量を補助するために、検出ラベルを増幅される核酸に直接包含させるか、あるいは検出分子とカップリングさせることができる。本明細書中で用いられる検出ラベルとは、増幅される核酸と、直接あるいは間接的に結合させることができ、測定可能な検出シグナルを直接または間接的に生じさせる任意の分子である。核酸に包含させるか、または核酸または抗体プローブとカップリングさせるための、多くのこのようなラベルが当業者に既知である。RCAにおける使用に関して適当な検出ラベルの例は、放射性同位体、蛍光分子、リン光性分子、酵素、抗体、およびリガンドである。
【0069】
適当な蛍光ラベルの例には、フルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、ダンシルクロライド、ローダミン、4’−6−ジアミジノ−2−フェニリノドール(DAPI)、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7が含まれる。好ましい蛍光ラベルはフルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)およびローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)である。コンビナトリアル多色コーディングに関する好ましい蛍光ラベルは、FITCおよびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7である。吸収および発光最大値はそれぞれ、これらの蛍光に関して:FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm;672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)であり、したがって、それらの同時検出が可能である。蛍光ラベルは、Molecular Probes, Eugene, OR and Research Organics, Cleveland, Ohio を含む種々の商業的供給元から入手できる。
【0070】
ラベルされたヌクレオチドは、合成時のRCAの生成物に直接包含可能であるため、好ましい型の検出ラベルである。増幅DNAまたはRNAに包含可能な検出ラベルの例には、ヌクレオチドアナログ、例えばBrdUrd(Hoy and Schimke, Mutation Research 290: 217−230 (1993))、BrUTP(Wansick et al., J. Cell Biology 122: 283−293 (1993))およびビオチンで修飾されたヌクレオチド(Langer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:6633 (1981))または適当なハプテン、例えばジゴキシゲニンで修飾されたヌクレオチド(Kerkhof, Anal. Biochem. 205:359−364 (1992))が含まれる。適当な蛍光ラベルヌクレオチドはフルオレセイン−イソチオシアネート−dUTP、シアニン−3−dUTPおよびシアニン−5−dUTP(Yu et al., Nucleic Acids Res., 22:3226−3232 (1994))である。DNAに関する好ましいヌクレオチドアナログ検出ラベルはBrdUrd(BUDRトリホスフェート、Sigma)であり、RNAに関する好ましいヌクレオチドアナログ検出ラベルはビオチン−16−ウリジン−5’−トリホスフェート(ビオチン−16−dUTP、Boehringher Mannheim)である。フルオレセイン、Cy3、およびCy5は直接ラベリングすることによってdUTPに連結できる。Cy3.5およびCy7は、ビオチン−またはジゴキシゲニン−ラベルされたプローブの二次検出用のアビジンまたは抗−ジゴキシゲニンコンジュゲートとして利用可能である。
【0071】
増幅される核酸に包含される検出ラベル、例えばビオチンは、その後、当分野に周知の鋭敏な方法を用いて検出可能である。例えば、ビオチンは、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(Tropix, Inc.)(これはビオチンと結合し、次いで適当な基質(例えば化学発光基質CSPD:2ナトリウム、3−(4−メトキシスピロ−[1,2,−ジオキセタン−3−2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル)フェニルホスフェート;Tropix, Inc.)の化学発光によって検出される)を用いて検出可能である。
【0072】
増幅RNAの検出にて使用するのに好ましい検出ラベルは、アクリジニウム−エステル−ラベルされたDNAプローブ(GenProbe, Inc., Arnold et al., Clinical Chemistry 35:1588−1594 (1989))である。ハイブリダイズしていないプローブはアルカリによって破壊されるため、アクリジニウム−エステル−ラベルされた検出プローブは、洗浄なしに増幅RNAを検出することを可能にする(Arnold et al. (1989))。
【0073】
2またはそれ以上のこれらの検出ラベルを組み合わせた分子もまた検出ラベルとして考える。既知の検出ラベルを開示されているプローブ、タグ、および方法とともに用いて、開示されている方法を用いて増幅される核酸を検出できる。検出ラベルによって生成されるシグナルを検出および測定する方法もまた、当業者に既知である。例えば、放射性同位体はシンチレーションカウントまたは直接の視覚化によって検出できる;蛍光分子は蛍光分光器によって検出できる;リン光性分子はスキャナーまたは分光器によるか、あるいはカメラを用いる直接の視覚化によって検出できる;酵素は、酵素によって触媒される反応の生成物を検出または視覚化することによって検出できる;抗体は、この抗体とカップリングされた二次検出ラベルを検出することによって検出できる。このような方法は、開示されている増幅および検出方法において直接用いることができる。本明細書中で用いられるように、検出分子は増幅核酸と相互作用する、1またはそれ以上の検出ラベルがカップリングされている分子である。
【0074】
H.検出プローブ
検出プローブは、TS−DNA上に検出タグと相補的な配列を有するラベルされているオリゴヌクレオチドである。検出プローブの相補部分は、検出プローブおよび検出タグ間の特異的かつ安定なハイブリダイゼーションをサポートする任意の長さであってよい。この目的のため、10〜35ヌクレオチドの長さは好ましく、検出プローブの相補部分は16〜20ヌクレオチド長であるのが最も好ましい。検出プローブは上に記載される任意の検出ラベルを含有できる。好ましいラベルはビオチンおよび蛍光分子である。特に好ましい検出プローブは、分子ビーコンである。分子ビーコンは、蛍光分子でラベルされた検出プローブであり、ここに蛍光部分は検出プローブがハイブリダイズしたときにのみ蛍光を発する(Tyagi and Kramer, Nature Biotechnology 14:303−308 (1996))。このようなプローブの使用は、ラベル検出前にハイブリダイズしなかったプローブを除去する必要を排除する。これはハイブリダイズしなかった検出プローブはシグナルを生じないからである。このことは、複合アッセイにおいては特に有用である。TS−DNAは、崩壊検出プローブを用いてWO 97/19193に記載のように崩壊させることができる。TS−DNAの崩壊は、以下に記載されるコンビナトリアル多色コーディングを用いる場合に特に有用である。
【0075】
I.DNA鎖置換プライマー
第二DNA鎖(ストランド)置換に関して用いられるプライマーは、本明細書中では、DNA鎖置換プライマーと称される。本明細書中で第二DNA鎖置換プライマーと称される、ある型のDNA鎖置換プライマーは、ATCの配列の部分と適合する配列を有するオリゴヌクレオチドである。この配列は第二DNA鎖の適合部分と称される。この第二DNA鎖置換プライマーの適合部分は、TS−DNA内の配列と相補的である。第二DNA鎖置換配列の適合部分は、TS−DNA内の任意の配列と相補的であってよい。第二DNA鎖置換プライマーの適合部分は、プライマーおよびその相補部分の間の特異的かつ安定なハイブリダイゼーションをサポートする任意の長さであり得る。概してこれは12〜35ヌクレオチド長であるが、18〜25ヌクレオチド長であるのが好ましい。
【0076】
本明細書中で第三DNA鎖置換プライマーと称される、別の型のDNA鎖置換プライマーは、ATCの配列の部分と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。この配列は第三DNA鎖置換プライマーの相補部分と称される。この第三DNAストランド置換プライマーの相補部分は、TS−DNA内の配列と適合する。第三DNA鎖置換プライマーの相補部分はATC内の任意の配列と相補的であってよい。第三DNA鎖置換プライマーの相補部分は、プライマーおよびその相補物の間の特異的かつ安定なハイブリダイゼーションをサポートする任意の長さであり得る。概してこれは12〜35ヌクレオチド長であるが、好ましくは18〜25ヌクレオチド長である。
【0077】
DNA鎖置換プライマーおよびその使用は、米国特許第5,854,033号およびWO 97/19193に、より詳細に記載されている。
【0078】
J.オリゴヌクレオチド合成
ローリングサークル複製プライマー、検出プローブ、アドレスプローブ、増幅標的サークル、DNA鎖置換プライマー、および任意の他のオリゴヌクレオチドは、確立されているオリゴヌクレオチド合成方法を用いて合成できる。オリゴヌクレオチドの生産または合成方法は当分野に周知である。このような方法は、標準的酵素消化の後、ヌクレオチド断片を単離すること(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989) Chaptres 5, 6 を参照)から、純粋な合成方法、例えば Milligen または Beckman System 1Plus DNA 合成装置(例えば Milligen−Biosearch, Burlington, MA または Perceptive Expedite の Model 8700 自動合成装置)を用いるシアノエチルホスホルアミダイト法までの範囲であり得る。オリゴヌクレオチド作成に有用な合成方法は、Ikuta et al., Ann. Rev. Biochem. 53:323−356 (1984),(ホスホトリエステルおよびホスファイト−トリエステル法)、および Narang et al., Methods Enzymol., 65:610−620 (1980),(ホスホトリエステル法)に記載されている。タンパク質核酸分子は既知の方法、例えば Nielsen et al., Bioconjug. Chem. 5:3−7 (1994) に記載されている方法によって製造できる。
【0079】
本明細書中に記載されている多数のオリゴヌクレオチドは、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸の特定部分と相補的であるように設計され、したがってこれらの間に安定なハイブリッドが形成可能である。これらのハイブリッドの安定性は既知の方法、例えば Lesnick and Freier, Biochemistry 34:10807−10815 (1995), McGraw et al., Biotechniques 8:674−678 (1990), および Rychlik et al., Nucleic Acids Res. 18:6409−6412 (1990) に記載の方法を用いて計算できる。
【0080】
K.固形支持体
固形支持体とは、分析物が結合可能な固形状態の物質または支持体である。分析物は直接または間接的に固形支持体と結合させることができる。例えば、分析物は固形支持体に直接固定できる。分析物捕獲物質およびアクセサリー分子もまた、固形支持体に固定できる。好ましい型の固形支持体はアレイである。別の型の固形支持体はアレイ検出装置である。アレイ検出装置は、複数の種々のアドレスプローブまたは検出分子がアレイ、グリッド、または他の組織されたパターンでカップリングされている固形支持体である。
【0081】
固形支持体において使用するための固形状態の基体には、オリゴヌクレオチドがカップリング可能な任意の固形物質が含まれる。これには、アクリルアミド、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカルボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンラバー、ポリアンヒドレート、ポリグリコール酸、ポリ酪酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフメレート(polypropylfumerate)、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸のような材料が含まれる。固形状態の基体は、フィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織りファイバー、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせの任意の有用な形態であってよい。固形状態の基体および固形支持体は多孔性または非多孔性であり得る。固形状態の基体に関する好ましい型はミクロタイターディッシュである。最も好ましい型のミクロタイターディッシュは標準的96ウェル型である。好ましい態様では、通常、ウェル当たりに1アレイを含有するマルチウェルのガラススライドを用いることができる。この特徴は、アッセイの再現性のより巧みな調節、処理量およびサンプルの取り扱いの増加、および自動化の容易性を可能にする。
【0082】
種々の分析物、分析物捕獲物質、またはアクセサリー分子は、いっしょに1セットとして用いることができる。このセットは、別々の反応において別々に用いられるか、あるいはアレイに固定されている分析物、分析物捕獲物質、およびアクセサリー分子のすべてまたはサブセットの混合物として用いることができる。別々に用いられるか、あるいは混合物として用いられる分析物、分析物捕獲物質、およびアクセサリー分子は、例えば固形支持体と結合するか、あるいは固形支持体に固定されることによって物理的に分離することができる。アレイには、アレイ中の同定位置か、あるいはあらかじめ規定された位置に固定されている多数の分析物、分析物捕獲物質および/またはアクセサリー分子が含まれる。それぞれのあらかじめ規定された位置は、概して、1つの型の成分を有する(すなわち、その位置にあるすべての成分は同じものである)。各位置は複数コピーの成分を有するだろう。アレイ内で異なる成分が空間的に分離されることにより、分析物の別個の検出および同定が可能になる。
【0083】
与えられるアレイは単一のユニットまたは構造であるのが好ましいが、これが必要とされるわけではない。分析物、分析物捕獲物質、またはアクセサリー分子のセットは任意の数の固形支持体にわたって分配することができる。例えば、極端な場合では、各プローブが別々の反応チューブまたは容器、または別々のビーズまたは微粒子に固定されることがある。
【0084】
開示されている方法は、固形支持体に固定された種々の成分(例えば分析物、分析物捕獲物質、およびアクセサリー分子)を用いて、種々の様式で行うことができる。例えば図14は、3つの分子(分子1、2、および3)の間の相互作用が固形支持体を用いて評価される、ある型の開示されている方法を例示している。3つの分子のそれぞれは、例えば、分析物捕獲試薬、およびアクセサリー分子、または分析物であり得る。分子2が分析物である場合、分子1は分析物捕獲物質であり、分子3はアクセサリー分子であろう。この場合、分析物(分子2)は固定されている。分子2が分析物捕獲物質である場合、分子1は分析物であり、分子3はアクセサリー分子であろう。この場合、分析物捕獲物質(分子2)は固定されている。この方法の別の型では、アクセサリー分子が固定されていてもよい。
【0085】
別の態様では、RCAは溶液中で行われ、増幅産物はアレイに捕獲される。例えばビオチニル化された捕獲抗体を分析物含有サンプルに加え、次いで、分析物の異なる位置に結合するレポーター結合プライマーを加える。これらの成分−捕獲抗体およびレポーター結合プライマーは任意の順に加えることができる。次いでRCAが行われ、TS−DNAが生産され、ストレプトアビジンを含有する基質(例えばストレプトアビジンビーズ(Dynal))上で精製される。次いでTS−DNAは、TS−DNAと相補的なオリゴヌクレオチドプローブを含有するアレイへのハイブリダイゼーションによって検出または定量される。このようなプローブは本明細書中ではアドレスプローブと称される。固形支持体の異なる領域に対し、異なるアドレスプローブを結合させることによって、種々のRCA産物が、異なる、したがって診断可能な位置に捕獲できる。例えばミクロタイタープレート多重アッセイでは、(それぞれ異なるプライマーおよびATCsを介して増幅された)96までの異なるTS−DNAに特異的なアドレスプローブを、ミクロタイタープレート上に、それぞれ異なるウェル中にて固定可能である。捕獲および検出は、対応の分析物がサンプル中に存在するTS−DNAに対応するアレイのプローブ要素においてのみ生じる。
【0086】
オリゴヌクレオチドを固形状態の基体に固定する方法は十分に確立されている。アドレスプローブおよび検出プローブを含むオリゴヌクレオチドは、確立されているカップリング方法を用いて基体とカップリングさせることができる。例えば、適当な結合方法は、Pease et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(11):5022−5026 (1994), および Khrapko et al., Mol Biol (Mosk) (USSR) 25:718−730 (1991) に記載されている。3’−アミン オリゴヌクレオチドをカゼインコーティングされたスライドに固定する方法は、Stimpson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6379−6383 (1995) に記載されている。オリゴヌクレオチドを固形状態の基体に結合する好ましい方法は、Guo et al., Nucleic Acids Res. 22:5456−5465 (1994) に記載されている。
【0087】
RCAアッセイに有用ないくつかの固形支持体は固形状態の基体に結合した検出抗体を有する。このような抗体は目的の分子に関して特異的であってよい。捕獲された目的の分子は、その後、第二のレポーター抗体の結合、続くRCAによって検出できる。このような固形支持体における抗体の使用は、RCAアッセイが、抗体を製造可能な任意の分子の検出用に開発されることを可能にする。抗体を固形状態の基体に固定する方法は十分に確立されている。固定は、例えば、標準的固定化学を用いる、アミノ化表面、カルボキシル化表面またはヒドロキシル化表面への結合によって達成できる。結合剤の例は、臭化シアン、スクシンイミド、アルデヒド、トシルクロライド、アビジン−ビオチン、光架橋剤、エポキシドおよびマレイミドである。好ましい結合剤はヘテロ二官能性架橋剤 N−[γ−マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)である。これらおよび他の結合剤、ならびに結合におけるその使用方法は、Protein immobilization: fundamentals and applications, Richard F. Taylor, ed. (M. Dekker, New York, 1991), Johnstone and Thorpe, Immunochemistry In Practice (Blackwell Scientific Publications, Oxford, England, 1987) pages 209−216 and 241−242, および Immobilized Affinity Ligands, Craig T. Hermanson et al., eds. (Academic Press, New York, 1992) に記載されている。抗体は、抗体の遊離のアミノ基を、固形状態の基体内に存在する反応性側鎖基に化学的に架橋することによって基体と結合可能である。例えば、抗体は、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、またはGMBSをそれぞれ架橋剤として用い、遊離のアミノ、カルボキシル、または硫黄基を含有する基体と化学的に架橋することができる。この方法では、遊離の抗体を含有する水溶液をグルタルアルデヒドまたはカルボジイミドの存在下で固形状態の基質とインキュベートする。
【0088】
抗体または他のタンパク質を固形状態の基体に結合する好ましい方法は、基体をアミノ−またはチオール−シランで官能化し、次いで官能化された基体をホモ二官能性架橋剤、例えばビス−スルホ−スクシンイミジルスベレート(BS3)またはヘテロ二官能性架橋剤、例えばGMBSで活性化することである。GMBSでの架橋に関して、ガラス基体は、メルカプトプロピルトリメトキシシランの溶液(95%エタノール中1% vol/vol、pH5.5)に1時間浸漬し、95%エタノール中ですすぎ、120℃で4時間加熱することによって化学的に官能化される。チオールで誘導されたスライドは、1%ジメチルホルムアミド、99%エタノール中のGMBSの0.5mg/mL溶液中、室温で1時間浸漬することによって活性化する。抗体またはタンパク質は、活性化された基体に直接添加され、次いで2%ウシ血清アルブミンのような物質を含有する溶液でブロックされ、空気乾燥される。他の標準的固定化学は当業者に既知である。
【0089】
固形支持体に固定された各成分(分析物捕獲物質、アクセサリー分子、および/または分析物)は、好ましくは、固形支持体のあらかじめ規定された領域のうちの異なる領域に位置する。あらかじめ規定された領域のうちの異なる領域のそれぞれは、異なる領域のお互いから物理的に分離されていてよい。固形支持体のあらかじめ規定された領域のうちの異なる領域の距離は、固定されているか、あるいは可変でもよい。例えば、アレイでは、各成分は互いに固定された距離で配置されていてよいが、ビーズに結合した成分は固定された空間的関係にない。特に、複数の固形支持体ユニット(例えば多数のビーズ)を使用すると、種々の距離が生じることになる。
【0090】
成分は任意の密度で固形支持体に結合されるか、あるいは固定されることが可能である。成分は、好ましくは、1立方センチメートル当たりの異なる成分が400を超える密度で固形支持体に固定される。成分のアレイは、任意の数の成分を有し得る。例えば、アレイが、固形支持体に固定されている少なくとも1,000の異なる成分、固形支持体に固定されている少なくとも10,000の異なる成分、固形支持体に固定されている少なくとも100,000の異なる成分、固形支持体に固定されている少なくとも1,000,000の異なる成分を有し得る。
【0091】
L.DNAポリメラーゼ
RCAのローリングサークル複製工程に有用なDNAポリメラーゼは、プライムされる一本鎖サークルのローリングサークル複製を行わなければならない。このようなポリメラーゼは、本明細書中では、ローリングサークルDNAポリメラーゼと称される。ローリングサークル複製に関して、DNAポリメラーゼは、鎖置換と称される、鋳型鎖と相補的な鎖の置換能を有し、かつ5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性を欠いているのが好ましい。鎖置換は、増幅標的サークルの複数の直列型コピーの合成を生じさせるのに必要である。5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性が存在するならば、合成された鎖の崩壊を生じさせるかもしれない。また、開示されている方法において使用するためのDNAポリメラーゼは高度に進行性(processive)であるのが好ましい。開示されている方法においての使用に関する、DNAポリメラーゼの妥当性は、ローリングサークル複製を実行するその能力を評価することによって容易に決定できる。好ましいローリングサークルDNAポリメラーゼは、バクテリオファージφ29DNAポリメラーゼ(米国特許第5,198,543号および第5,001,050号、Blanco et al.)、ファージM2DNAポリメラーゼ(Matsumoto et al., Gene 84:247 (1989))、ファージφPRD1 DNAポリメラーゼ(Jung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:8287 (1987))、VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ(Kong et al., J. Biol. Chem. 268:1965−1975 (1993))、DNAポリメラーゼIのクレノー断片(Jacobsen et al., Eur. J. Biochem. 45:623−627 (1974))、T5 DNA ポリメラーゼ(Chatterjee et al., Gene 97:13−19 (1991))、PRD1 DNAポリメラーゼ(Zhu and Ito, Biochem. Biophys. Acta. 1219:267−276 (1994))、修飾T7 DNAポリメラーゼ(Tabor and Richardson, J. Biol. Chem. 262: 15330−15333 (1987); Tabor and Richardson, J. Biol. Chem. 264:6447−6458 (1989); Sequenase(登録商標)(U.S. Biochemicals))、およびT4 DNAポリメラーゼホロ酵素(Kaboord and Benkovic, Curr. Biol. 5:149−157 (1995))である。φ29DNAポリメラーゼは最も好ましい。
【0092】
鎖置換は、鎖置換因子、例えばヘリカーゼの使用によって促進することができる。鎖置換因子の存在下でローリングサークル複製を実行可能な任意のDNAポリメラーゼが、たとえこのような因子の不存在下ではローリングサークル複製を実行できなく場合でも、開示されている方法において使用されるのに適していることが考慮される。RCAにおいて有用なストランド置換因子には、BMRF1ポリメラーゼアクセサリーサブユニット(Tsurumi et al., J. Virology 67(12):7648−7653 (1993))、アデノウイルスDNA結合タンパク質(Zijderveld and van der Vliet, J. Virology 68(2): 1158−1164 (1994))、ヘルペス単純ウイルスタンパク質ICP8(Boehmer and Lehman, J. Virology 67(2): 711−715 (1993); Skaliter and Lehman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(22):10665−10669 (1994))、一本鎖DNA結合タンパク質(SSB; Rigler and Romano, J. Biol. Chem. 270:8910−8919 (1995))、およびウシ胸腺ヘリカーゼ(Siegel et al., J. Biol. Chem. 267:13629−13635 (1992))が含まれる。
【0093】
ポリメラーゼの、ローリングサークル複製を行う能力は、Fire and Xu, Proc. Natl. Acad. Sci, USA 92:4641−4645 (1995) に記載されるようなローリングサークル複製アッセイにおいてポリメラーゼを使用することによって測定できる。
【0094】
上記材料は、開示されている方法を実行するのに有用なキットとして、任意の適当な組み合わせでパッケージすることができる。例えばキットは、多数のレポーター結合プライマーおよび/または多数の分析物捕獲物質を含み得る。キット中の分析物捕獲物質は固形支持体と結合可能である。
【0095】
方法
開示されている方法は、ある型のRCAであり、ここではレポーター結合プライマーが増幅標的サークルの増幅用のローリングサークル複製プライマーを提供する。開示されている方法は、レポーター結合プライマーが分析物と結合することに基づいてRCAにより増幅シグナル(すなわち直列型配列DNA(TS−DNA))が生じることを可能にする。レポーター結合プライマーの部分である特異的プライマー配列はレポーター結合プライマーの分析物との(レポーター結合プライマーのアフィニティー部分を介する)特異的相互作用をRCAとリンクさせることを提供する。RCAに関して、増幅標的サークル(ATC)は、レポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマー配列とハイブリダイズし、次いでRCAによりATCが増幅される。得られたTS−DNAは、一端にレポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマー配列を包含し、これによりTS−DNAを分析物の部位にアンカーする。開示されている方法は任意の分析物を用いて行うことができる。好ましい分析物はタンパク質およびペプチドである。
【0096】
開示されている方法は、与えられたサンプル中に存在する分析物のプロファイルを作成するのに特に有用である。例えば、細胞内に存在する種々のタンパク質の存在および量を評価可能であり、これにより直接タンパク質発現プロファイルを提供する。このような分析、ある型のプロテオミクスは、核酸の存在および発現のゲノミクス分析と類似している。複数の分析物分析、例えば開示されている発明のプロテオミクス様式は、好ましくは分析物捕獲物質のアレイを用いて行うことができる。評価される分析物のすべてに関して特異的な分析物捕獲物質をアレイに含ませることによって、一回の手順において全範囲の分析物をアッセイできる。この型の方法はまた、複数のサンプル中の同一の組の分析物を簡単に比較することを可能にする。
【0097】
開示されている方法の好ましい型では、2(またはそれ以上)の異なるサンプル中の分析物は、異なる組のレポーター結合プライマーを各サンプルと混合することによって同一アレイにおいて評価できる。各組のレポーター結合プライマーは、同一組の特異的結合分子を有するが、異なる組のローリングサークル複製プライマーを有する。異なる増幅標的サークルに特異的な異なるローリングサークル複製プライマーの作成により、特定の増幅標的サークルの増幅が、どのサンプル中に対応する分析物が存在するかを示す。
【0098】
複数の分析物の同定は、分析物捕獲物質を用いて、分析物をそのアイデンティティーに基づいて捕獲および/または分離することによって促すことができる。例えば固定された分析物捕獲物質のアレイを用いて、アレイのあらかじめ規定された領域に特定の分析物を結合させることができる。その領域において分析物を検出することにより、分析物が同定される。分析物捕獲物質の1つの有用な型はペプチドである。種々のペプチドをアレイに固定した場合、これらは分析物用の「えさ(bait)」として用いることができる。例えば、種々のペプチドのアレイは、サンプルが任意のペプチドと相互作用する分析物を有しているかどうかを測定するのに用いることができる。異なるサンプルの比較は、例えば、異なるサンプル中の分析物が結合するペプチドの差異を識別することによって行うことができる。開示されている方法の別の型では、目的の分析物に特異的な分析物捕獲物質のアレイを用いて、サンプル中の全組の分析物の存在を測定できる。
【0099】
開示されている方法の別の型では、アクセサリー分子を用いて、分析物と特異的結合分子または分析物捕獲物質の相互作用に影響することができる。例えば、開示されている方法を用いて、分析物と、特異的結合分子または分析物捕獲物質との相互作用に関する競合物質(または結合補因子)をスクリーニングできる。アクセサリー分子が分析物の相互作用に影響する場合、レポーター結合プライマーの分析物への(または分析物捕獲物質の分析物への)結合が失われるか、あるいは獲得されるため、RCAの結果は変化する。分析物と分析物捕獲物質の相互作用に関する拮抗物質の例は図14に例示されている。
【0100】
また、開示されている方法を用いて、種々の修飾された型の分析物が検出可能である。例えばリン酸化およびグリコシル化型のタンパク質が検出可能である。これは、例えば、種々の型の分析物に特異的な特異的結合分子を有するレポーター結合プライマーを用いて行うことができる。
【0101】
別の側面では、開示されている方法には、複合生物学的サンプル中に存在する分析物の固定、およびサンプル中のその存在の検出および定量が関与する。固定により分析物を同定および定量するプロセスは、アレルゲンを含有するサンプルを用いて本明細書中に記載されている。例えば、生物学的抽出物および液状物中に存在するアレルゲンは、まず、実施例8に記載されるように、マイクロアレイ上にこれらを選択的に固定することによって同定できる。免疫RCAマイクロアレイアッセイをその後に用いて、検出および定量できる。
【0102】
別の側面では、開示されている方法には、サンプル中の1以上の分析物の、多重化された検出および定量が含まれる。これは実施例9に例示され、ここでは、いくつかの試験部位を有し、各試験部位が固定された捕獲抗体を含有するマイクロアレイが、検出されるべきタンパク質分析物の混合物を含有するサンプルとインキュベートされる。このマイクロアレイは、次いで、各分析物に関して少なくとも1つのビオチニル化された抗体を含有する混合物とインキュベートされる。次いで免疫RCAマクロアレイアッセイが、検出および定量のために用いられる。
【0103】
別の側面では、免疫RCAマイクロアレイアッセイを16マイクロウェル−ガラススライド内で行うことができ、ここでは、各ウェルは Teflon マスクによって分離されている。これは実施例8に例示されており、ここでは、100〜400スポットが各マイクロウェル内にプリントされている。これらのウェルのそれぞれを用いて、種々のサンプル、およびコントロールがアッセイされる。マルチウェルのスライドはまた、16ウェルのうち6において、抗−IgE捕獲抗体のアレイを用いてプリントされた。このマルチウェル形式のアレルゲンマイクロアレイに対する半自動の免疫RCAアッセイは、例えば安価な Beckman BioMek 液体取り扱いロボットによって実行できる。
【0104】
マイクロアレイに基づく免疫RCAアッセイは他の多重抗体アッセイに適用できる。例えば、特定の免疫学的反応はIgEよりも特異的IgG4によって生じる(AAAI Board of Directors, J Allergy Clin Immunol. 95:652−654 (1995))。抗−IgEとコンジュゲートされたプライマーが相補的であるDNAサークルとは、その配列において異なっているDNAサークルと相補的なDNAプライマーとコンジュゲートされた抗−ヒトIgG4を使用すると、アレルゲン特異的IgG4およびIgEの同時測定が可能であろう。このようなアッセイは、アレルゲン脱感作治療時、または抗−IgE治療の応答をモニターするのに用いることができる(Chang Nature Biotech. 18:157−162 (2000))。
【0105】
開示されている方法には、概して、以下の工程が含まれる:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、特異的結合分子および分析物の相互作用を促進する条件下で、分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートする。各レポーター結合プライマーは特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、各特異的結合分子は分析物と直接または間接的に相互作用する。
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖環状DNA分子を含む。このプライマー相補部分は、少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的である。
(c)工程(b)の後でかつ、工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下で、レポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルの複製は、直列型配列DNAの形成を生じさせ、この直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。好ましくは、分析物は、工程(a)、(b)、または(c)の前に、工程(a)、(b)、または(c)と同時に、あるいは工程(a)、(b)、または(c)の後に分析物サンプルから分離される。
【0106】
またこの方法は、少なくとも1つの分析物サンプルを1またはそれ以上の分析物捕獲物質と接触させ、分析物捕獲物質を分析物サンプルから分離し、これにより分析物サンプルから分析物を分離することを含む。各分析物捕獲物質は分析物と直接または間接的に相互作用し、少なくとも1つの分析物は、分析物サンプル中に存在するならば、少なくとも1つの分析物捕獲物質と相互作用する。この方法はまた、少なくとも1つの分析物サンプルおよび少なくとも1つのレポーター結合プライマーを少なくとも1つのアクセサリー分子と接触させることを含む。このアクセサリー分子は、少なくとも1つの分析物および少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用に影響する。
【0107】
本方法はまた、工程(a)の後、分析物サンプルおよび固形支持体を接触させる前に、1またはそれ以上の第一の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを混合することを含む。この型の方法では、分析物サンプルは、1またはそれ以上の第一の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを含み、レポーター結合プライマーは1またはそれ以上の第一のレポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の第二のレポーター結合プライマーを含む。各第一のレポーター結合プライマーに関して、適合する第二のレポーター結合プライマーが存在し、第一のレポーター結合プライマーの特異的結合分子は、適合する第二のレポーター結合プライマーの特異的結合分子と同一の分析物と相互作用する。また、種々のレポーター結合プライマーのそれぞれについてのローリングサークル複製プライマーは異なっており、各異なるローリングサークル複製プライマーは異なる1つの増幅標的サークルの複製をプライムし、そして各異なる増幅標的サークルは、異なる直列型配列DNAを生じる。異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される。
【0108】
本方法の別の型には、工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、1またはそれ以上の第一の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第一の分析物サンプルを接触させ、ならびに1またはそれ以上の第二の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを接触させることが含まれる。各分析物捕獲物質には分析物相互作用部分および捕獲部分が含まれる。第一の分析物捕獲物質それぞれに関し、適合する第二の分析物捕獲物質が存在する。この第一の分析物捕獲物質の分析物相互作用部分は、適合する第二の分析物捕獲物質の分析物相互作用部分と同一の分析物と相互作用する。第一および第二の分析物捕獲物質の捕獲部分はそれぞれ、1またはそれ以上のレポーター結合プライマーの特異的結合分子と相互作用し、ならびに第一の分析物捕獲物質の捕獲部分は、適合する第二の分析物捕獲物質の捕獲部分より、異なる特異的結合分子と相互作用する。各異なる特異的結合分子は、異なる1つのレポーター結合プライマーの部分である。各異なるレポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマーは異なっており、各異なるローリングサークル複製プライマーは異なる1つの増幅標的サークルの複製をプライムし、そして各異なる増幅標的サークルは異なる直列型配列DNAを生じる。異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される。
【0109】
また、少なくとも1つの分析物が別の分析物の修飾型であり、少なくとも1つのレポーター結合プライマーの特異的結合分子は、直接または間接的に分析物と相互作用し、ここにこの分析物は他方の分析物の修飾型であり、そして別のレポーター結合プライマーの特異的結合分子は、直接または間接的に他方の分析物と相互作用する方法を行うことができる。
【0110】
開示されている方法の別の型では、一般に、以下の工程が含まれる:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の分析物捕獲物質を接触させ、分析物捕獲物質および分析物の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよび分析物捕獲物質をインキュベートする。分析物捕獲物質はそれぞれ、分析物と直接または間接的に相互作用し、少なくとも1つの分析物は、分析物サンプル中に存在するならば、少なくとも1つの分析物捕獲物質と相互作用する。
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、または工程(a)の後に、少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、特異的結合分子および分析物捕獲物質の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートする。レポーター結合プライマーはそれぞれ、特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、特異的結合分子はそれぞれ、分析物捕獲物質と直接または間接的に相互作用する。
(c)工程(a)または工程(b)の前に、工程(a)または工程(b)と同時に、あるいは工程(a)または工程(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルはそれぞれ、一本鎖の環状DNA分子を含み、これはプライマー相補部分を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的である。
(d)工程(c)の後および、工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルの複製は直列型配列DNA形成を生じさせ、直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。
【0111】
開示されている方法の別の型では、概して、以下の工程を含む:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルを処理し、1またはそれ以上の分析物を修飾する。
(b)少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、特異的結合分子および修飾分析物の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートする。レポーター結合プライマーはそれぞれ、特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、特異的結合分子はそれぞれ、修飾分析物と直接または間接的に相互作用する。
(c)工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖の、環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的である。
(d)工程(c)の後および、工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルの複製は直列型配列DNAの形成を生じさせ、直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。
【0112】
開示されている方法の別の型は、概して、以下の工程を含む:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上のアレイを接触させる。各アレイは一組の分析物捕獲物質、一組のアクセサリー分子、または両者を含み、各分析物捕獲物質は分析物と直接または間接的に相互作用する。
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させる。各レポーター結合プライマーは特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、各特異的結合分子は分析物と直接または間接的に相互作用し、各アクセサリー分子は少なくとも1つの分析物および少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用に影響する。
(c)工程(a)および(b)のいずれか、または両者と同時に、あるいは工程(a)および(b)のいずれか、または両者の後に、特異的結合分子、分析物、分析物捕獲物質およびアクセサリー分子の相互作用を促進する条件下で分析物サンプル、アレイ、およびレポーター結合プライマーをインキュベートする。
(d)工程(b)の前に、工程(b)と同時に、あるいは工程(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。この増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的である。
(e)工程(d)の後および、工程(a)、(b)、または(c)の前に、工程(a)、(b)、または(c)と同時に、あるいは工程(a)、(b)、または(c)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートする。増幅標的サークルの複製は直列型配列DNAの形成を生じさせ、この直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。
【0113】
増幅標的サークルはローリングサークル複製の基質として働く。この反応は、以下の2試薬の添加を必要とする:
(a)ATCのプライマー相補部分に相補的なローリングサークル複製プライマー、および(b)ローリングサークルDNAポリメラーゼ。DNAポリメラーゼは、所望の限り進行させる進行性ローリングサークルポリメライゼーション反応において、プライマー伸張および鎖置換を触媒し、100,000ヌクレオチドまたはそれ以上の分子が生じ、これは増幅標的サークルと相補的な配列の約1000までの直列型コピーを含有する。好ましいローリングサークルDNAポリメラーゼは、バクテリオファージφ29のDNAポリメラーゼである。
【0114】
開示されている方法では、多くの種々の型のRCAを用いることができ、そのほとんどは、米国特許第5,854,033号およびWO97/19193に記載されている。例えば、リニアーローリングサークル複製(LRCA)には、増幅標的サークルの基本ローリングサークル複製が関与し、TS−DNAストランドが形成される。指数関数的ローリングサークル複製(ERCA)には、TS−DNA中の多数の繰り返し配列の部位で開始される鎖置換複製によるTS−DNAの複製が含まれる。TS−DNAの両鎖上の複数回のプライムにより、増幅標的サークルにおける配列の指数関数的な増幅が生じる。所望であれば、TS−DNAは、WO 97/19193に記載されるように検出用のコンパクトな構造に崩壊させることができる。
【0115】
ローリングサークル複製時には、反応において生じるDNAをラベルするために、さらに放射能または修飾ヌクレオチド、例えばブロモデオキシウリジントリホスフェートを含んでもよい。別法では、ビオチニル化ヌクレオチドのような結合部分を提供する適当な前駆体を含んでもよい(Langer et al. (1981))。
【0116】
開示されている方法を用いて分析および検出可能なタンパク質の例には、IL−1アルファ、IL−1ベータ、IL−1RA、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−6R、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、GROアルファ、MIP−1アルファ、MIP−1ベータ、MCP、RANTES、MIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EGF、FGF酸性(FGF acidic)、FGF塩基性(FGF basic)、IGF−1、IGF−2、IFN−ガンマ、TGF−ベータ、TNF−アルファ、TNF−ベータ、TNF−RI、TNF−RII、ICAM−1、ICAM−2、IL−2Ra、IL−4R、IL−5、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IP−10、FGF−4、FGF−6、MCP−2、およびMCP−3が含まれる。
【0117】
1.増幅産物の検出
現在の検出技術は、RCAの第二のサイクルを多くの場合において不必要にする。したがって、これはRCAの第一のサイクルの産物を直接検出するように進めることができる。以下に記載のように、検出はプライマリーラベリングまたはセカンダリーラベリングによって達成することができる。
【0118】
(a)プライマリーラベリング
プライマリーラベリングは、RCAにおけるローリングサークル複製時に、蛍光ヌクレオチド、ビオチニル化ヌクレオチド、ジゴキシゲニン含有ヌクレオチド、またはブロモデオキシウリジンのようなラベルされている部分を包含させることからなる。例えば、シアニン色素UTPアナログ(Yu et al. (1994))を100ヌクレオチド毎に4アナログの割合で包含させることができる。インサイチュで増幅された核酸を検出する好ましい方法は、増幅時のDNAをBrdUrdでラベルし、次いで包含されたBUDRをビオチニル化抗−BUDR抗体と結合させ(Zymed Labs, San Francisco, CA)、その後ビオチン部分をストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ(Life Sciences, Inc.)と結合させ、最後に、フルオレセイン−チラミド(DuPont de Nemours & Co., Medical Products Dept.)を用いて蛍光を発生させることである。
【0119】
(b)検出プローブを用いるセカンダリーラベリング
セカンダリーラベリングは、増幅DNAまたはRNAを検出する検出プローブと称される適当な分子プローブを用いることからなる。例えば、増幅標的サークルは、検出タグと称される既知の任意の配列のいくつかの繰り返しを含有するように設計することができる。セカンダリーハイブリダイゼーション工程を用いて、検出プローブをこれらの検出タグに結合させることができる。この検出プローブは、上記のように、例えば酵素、蛍光分子、または放射性同位体を用いてラベルすることができる。増幅標的サークル当たり3つの検出タグ、ならびに、各検出プローブ当たり4つの蛍光部分を用いることにより、TS−DNA中の各増幅標的サークル繰り返し部分に関して12までの蛍光シグナル得ることができ、RCAによって増幅された各増幅標的サークルに関して12,000までの蛍光部分を生じさせることができる。
【0120】
(c)アレイ検出の多重化およびハイブリダイゼーション
異なる増幅標的サークルの組を用いて、RCAは簡単に多重化される。ここに、各組は、特有の標的に結合するよう設計された異なる標的プローブ配列を有する。各標的に関して設計された標的プローブ配列は異なっているが、プライマー相補部分は変化しないままであってよく、したがってローリングサークル複製用のプライマーはすべての標的に関して同じままであり得ることに注意。RCAによって生じるTS−DNA分子は分子量が大きく、複雑さは小さい;この複雑さとは、増幅標的サークルの長さである。固形支持体中の固定された位置に与えられたTS−DNAを捕獲するための2つの代替の方法がある。1つは増幅標的サークルのスペーサー領域内に、特有の増幅標的サークルそれぞれに関して特有のアドレスタグ配列を含ませることである。与えられた増幅標的サークルから生じたTS−DNAは、それゆえ、特異的アドレスタグ配列に相当する配列を含有する。第二の好ましい代替方法は、TS−DNA上に存在する標的配列をアドレスタグとして使用することである。
【0121】
(d)コンビナトリアル(組み合わせの)多色コーディング
好ましい型の多重検出には、ラベルの組み合わせの使用が含まれ、ここにこのラベルは異なる波長の蛍光を発するか、あるいは異なる色を呈する。ハイブリダイゼーションプローブの検出に関する蛍光の利点の1つは、いくつかの標的が同一サンプル中で同時に視覚化できることである。組み合わせのストラテジーを用いて、スペクトルによって分割可能なフルオロフォアの数より多数の標的を識別できる。組み合わせのラベリングは、プローブ蛍光が完全に不存在(−)であるか、単位量で存在(+)するため、多重形式でプローブをラベルする最も単純な方法を提供する;したがってイメージ分析はより自動化しやすく、多数の実験上の人為操作、例えば蛍光の示差光退色および励起源パワースペクトルの変化の作用が回避される。
【0122】
ラベルの組み合わせは、異なる検出プローブを同定し、ならびに拡張して、これらの検出プローブが結合する異なる分析物を同定するためのコードを確立する。このラベリング方法はコンビナトリアル多色コーディング(Combinatorial Multicolor Coding (CMC))と称される。このようなコーディングは Speicher et al., Nature Genetics 12:368−375 (1996) に記載されている。コンビナトリアル多色コーディングには、組み合わされた場合に別々に検出可能な任意の数のラベルを用いることができる。2、3、4、5、または6ラベルを組み合わせて用いるのが好ましい。6ラベルを用いるのが最も好ましい。用いるラベルの数は、式:2N−1(式中、Nはラベルの数)にしたがって形成可能な特有のラベル組み合わせ数を確立する。この式にしたがって、2ラベルは3のラベル組み合わせを形成し、3ラベルは7のラベル組み合わせを形成し、4ラベルは15のラベル組み合わせを形成し、5ラベルは31のラベル組み合わせを形成し、ならびに6ラベルは63のラベル組み合わせを形成する。
【0123】
Speicher et al. は、すべての可能な蛍光ペアの高度な識別を提供する、1セットの蛍光および、スペクトル間隔350〜770nmを横切って区切られた対応する光学フィルターを記載している。コンビナトリアル多色コーディングに関して好ましいこの蛍光セットは、4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、フルオレセイン(FITC)、およびシアニン色素、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7である。この好ましいセットに任意のサブセットを用いることもでき、この場合より少ない組み合わせが必要とされる。これらの蛍光に関する吸光および発光最大はそれぞれ:DAPI(350nm;456nm)、FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm;672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)およびCy7(755nm;778nm)である。これらの蛍光の、励起および発光スペクトル、消光率および収量は、Ernst et al., Cytometry 10:3−10 (1989), Mujumdar et al., Cytometry 10:11−19 (1989), Yu, Nucleic Acids Res. 22:3226−3232 (1994),
および Waggoner, Meth. Enzymology 246:362−373 (1995) に記載されている。これらの蛍光はすべて、75W Xenon arc. で励起可能である。
【0124】
2.さらなる増幅
セカンダリーDNA鎖置換は、TS−DNAを増幅する別の方法である。セカンダリーDNA鎖置換は、セカンダリーDNA鎖置換プライマーをTS−DNAとハイブリダイズさせ、DNAポリメラーゼがこれらのプライムされた部位からDNAを合成するのを可能にすることによって達成される。セカンダリーDNA鎖置換の産物は、セカンダリー直列型配列DNAまたはTS−DNA−2と称される。セカンダリーDNA鎖置換および鎖置換カスケード増幅は米国特許第5,854,033号およびWO 97/19193に記載されている。
【0125】
実施例
実施例1
この実施例は、レポーター結合プライマーとして用いられる抗体−DNAコンジュゲートの構築および特徴付けを示す。
【0126】
オリゴヌクレオチド
用いるすべてのオリゴヌクレオチドは、Perseptive Biosystems Expedite DNA 合成装置で合成し、逆相HPLCによって精製した。環状DNAsは上記(4)のように構築した。コンジュゲートローリングサークル複製プライマー:5’ チオール−GTA CCA TCA TAT ATG TCC GTG CTA GAA GGA AAC AGT TAC A−3’;増幅標的サークルDNA:5’−TAG CAC GGA CAT ATA TGA TGG TAC CGC AGT ATG AGT ATC TCC TAT CAC TAC TAA GTG GAA GAA ATG TAA CTG TTT CCT TC−3’;検出プローブ−5’ Cy3 TAT ATG ATG GTA CCG CAG Cy3 3’,5’ Cy3 TGA GTA TCT CCT ATG ACT Cy3 3’,5’ Cy3 TAA GTG GAA GAA ATG TAA Cy3 3。
【0127】
抗体−DNAコンジュゲート作成
抗体を、PD−10カラム(Amersham−Pharmacia Biotech)でのクロマトグラフィーにより、50mM リン酸ナトリウムpH7.5、150mM NaCl、1mM EDTAにバッファー交換した。脱塩した抗体(41nmoles)を、暗中、窒素下、37℃で30分間、次いで室温で30分間、10倍モル過剰のスルホ−GMBS(Pierce)で処理した。未反応のスルホ−GMBSは、リン酸ナトリウムpH7.5、150mM NaClで平衡化したPD−10カラムでのクロマトグラフィーで除去した。次いで抗体を4℃にて Centricon YM−30で濃縮した。抗体当たりのマレイミドの数は、Ellman 試薬(Pierce)を用い、活性化抗体によるベータ−メルカプトエタノールの滴定にしたがってスルフヒドリルを測定することによって測定した。28.1nmoles のスルホ−GMBS活性化抗体および142nmoles の5’ チオールオリゴヌクレオチドを、825マイクロリットル容量中、室温で2時間、次いで4℃で一晩、コンジュゲートした。オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体は Q−Sepharose(Amersham Pharmacia Biotech)でのアニオン交換クロマトグラフィーにより、塩濃度勾配を用いて精製した(図2)。コンジュゲートを含有するフラクションをプールし、4℃で Superdex−200(Pharmacia)でのサイズ排除クロマトグラフィーに付し、遊離のオリゴヌクレオチドを除去した(図3)。
【0128】
拮抗ELISAアッセイを行い、コンジュゲートが同族抗原に結合する能力を評価した。これらのアッセイでは、適合する非コンジュゲートおよびDNA−コンジュゲート抗体を、抗原の結合に対するレポーター抗体と拮抗するその能力に関し、並行して評価した。簡単には:マルチウェルプレート(Nunc Maxisorp)を、37℃で一晩、0.1M NaCO3中、2マイクロg/mLの捕獲抗体(BiosPacific ヤギポリクローナル抗−IgE)でコーティングした。この抗体溶液をバックグラウンドブロッキング溶液(TBS中、5% 粉末脱脂乳/0.05% NaN3)で置換し、37℃で1時間インキュベートした。TBS/0.05% Tween20 で4回洗浄してブロッカーを除去し、精製されたヒトIgE(Fitzgerald 多発性骨髄腫細胞由来)をTBS中500ng/mLで加え、37℃で30分間インキュベートした。TBS/0.05% Tween 20 で4回洗浄して、IgEを除去し、次いであらかじめ作成しておいた、拮抗物質(非コンジュゲート抗−IgEまたはDNA〜抗−IgEコンジュゲート)およびレポーター(ビオチニル化抗−IgE、PharMingen)からなる抗−IgE混合物を添加した。ビオチニル化抗−IgEは固定レベルで保持したが、拮抗物質抗−IgEは種々のレベルで存在した。抗−IgE混合物をウェル中、37℃で30分インキュベートした。TBS/0.05% Tween 20 で3回洗浄した後、NeutrAvidin −アルカリホスファターゼ(Pierce Chemical Co.)と37℃で30分インキュベートすることによって、残りのビオチニル化抗−IgEを検出した。次いでウェルをTBS/0.05% Tween 20 で3回洗浄し、アルカリホスファターゼ基質(p−ニトロフェニルホスフェイトキット、Pierce Chemical Co.)とインキュベートした。呈色反応は15分間進め、405nmの吸光度を BioMek FL600プレートリーダーで読み取った。それぞれ、タンパク質1モル当たり約3オリゴヌクレオチドとカップリングされたコンジュゲート抗体は、抗原に関して、非コンジュゲート型とほぼ等価な親和力を示した(図4)。
【0129】
RCA反応を行い、コンジュゲートがプライマーとして働く能力を評価した。RCA反応は、20mM トリス−酢酸、10mM 酢酸マグネシウム、50mM 酢酸カリウム、および1mM DTTを含有する25μLバッファー(pH7.9)中、5nM プライマーまたはプライマー−コンジュゲート抗体、10nM サークル、大腸菌SSB(Promega)200ng、T7ポリメラーゼ(USB)0.125ユニット、0.4mM 各dATP、dTTP、dGTP、および0.4mM [α−32P]TTP(300−600 cpm/pmol)を含有していた。添加は、氷上で行い、次いで37℃に移した。RCA産物は、指定された時間で、DE81フィルター上にスポットすることにより定量した。抗体−プライマーコンジュゲートは、相補的サークルDNAの存在下、等モル量の非コンジュゲートプライマーより多くのRCA反応産物を生じ(図5)、各抗体が1以上のプライマーとコンジュゲートされている観察と一致した。いずれの型のプライマーも、相補的サークルの不存在下、または非相補的サークルの存在下では、検出可能な産物を生じなかった。
【0130】
実施例2
この実施例は、ELISA形式における分析物の検出のための、レポーター抗体プライマー/抗体−DNAコンジュゲートの使用を示す。免疫RCAによる検出は、慣用の抗体−酵素コンジュゲートを用いる検出と比較した場合、より優れた感受性およびダイナミックレンジを有することが示されている。
【0131】
ELISAアッセイ。96ウェルプレート(Nunc Maxisorb)を、ウェル当たり2μg/mL ヤギポリクローナル抗−ヒトIgE 100μLと、37℃で2時間、次いで4℃で一晩インキュベートした。TBS/0.05% Tween 20 100μLでプレートを3回洗浄し、次いで37℃で2時間、5% 乾燥脱脂乳でブロックした。プレートをTBS/0.05% Tween 20 で再洗浄した後、IgE分析物を100μL容量中種々の濃度で添加した。37℃で30分インキュベートした後、プレートをTBS/0.05% Tween 20 で3回洗浄した。慣用的ELISAアッセイにおいて、抗−ヒトIgE−アルカリホスファターゼコンジュゲートを各ウェルに加え、37℃で30分インキュベートする。プレートをTBS/0.05% Tween 20 で洗浄し、アルカリホスファターゼ基質MUPを加え、BioMek FL600プレートリーダーにおいて、励起波長360nmおよび発光波長460nmで、20分後の蛍光レベルを読み取った。免疫RCA手順において、抗−ヒトIgE−DNAコンジュゲート(5ng/μL)を60μL容量で各ウェルに加え、37℃で30分インキュベートした。プレートをTBS/0.05% Tween 20 100μLで3回洗浄し、φ29バッファー(250mM トリス−HCl、pH7.5、50mM MgCl2、1mg/mL BSA、1mM dATP、dCTP、dGTP、0.75mM dTTP、0.25mM FITC−12−dUTP)60μL中のサークル2DNA(170nM)を各ウェルに加え、37℃で30分インキュベートした。1.5μLのφ29DNAポリメラーゼ(0.4U/μL)を加えてRCA反応を開始させ、37℃で30分継続した。RCA産物は、抗−FITC−アルカリホスファターゼコンジュゲートを加えることによって検出した。37℃で30分インキュベートした後、プレートをTBS/0.05% Tween 20 100μLで3回洗浄し、MUP基質を加え、20分後に蛍光レベルを読んだ。図6に示されるように、免疫RCAアッセイは慣用のアッセイより広い範囲のIgE濃度にわたって容量応答を示した。さらに、免疫RCAアッセイは、より増幅量が少ないリニア様式においてさえ、慣用のELISAアッセイによって検出される約2桁低い振り幅のIgEレベルを検出可能であった。
【0132】
実施例3
この実施例は、微粒子形式における、分析物の検出のための、レセプター抗体プライマー/抗体−DNAコンジュゲートの使用を示す。ヒトIgEがまた、試験分析物として選択されるが、このサンドイッチアッセイは、アビジンコーティングされた磁性微粒子およびビオチニル化ポリクローナル抗−ヒトIgE捕獲抗体を用いて行った。簡単には、ストレプトアビジンコーティングされた磁性ビーズ(Bangs Laboratories)をTBS中の16μg/mLビオチニル化ポリクローナル抗−ヒトIgE(Pharmingen)の溶液でコーティングし、TBS/0.05% Tween 20 中で3回洗浄し、2mg/mL BSAで一晩ブロックした。ビーズをTBS中のヒトIgE(25ng/mL)と、室温で20分間インキュベートし、TBS/0.05% Tween 20 中で3回洗浄した。慣用の抗−IgE−アルカリホスファターゼコンジュゲートまたは免疫RCAコンジュゲートを用いるIgEの検出はELISAアッセイに関して上に記載されるように行った。図7により、抗−IgE−DNAコンジュゲートを用いる免疫RCAが、微粒子に結合した適度な濃度のIgEを用いて強いシグナルを与えることを示すことができる。抗−IgE−アルカリホスファターゼコンジュゲートの検出では、同量のインプットIgE(25ng IgE/mL)を用いる免疫RCAアッセイにより、約75分の1のシグナルしか提供されなかった。
【0133】
実施例4
この実施例は、モデル系としての、前立腺特異的抗原(PSA)の検出に用いられるマイクロスポット上の固相検出に関する免疫RCAの妥当性を示す。この適用では、免疫RCAは間接的サンドイッチアッセイ形式で構成された。マウスモノクローナル抗−PSA抗体は第二の部分の免疫−サンドイッチ複合体を形成するのに用いられる。この複合体は、RCA反応をプライムする配列を含有するオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたポリクローナルウサギ抗−マウスIgG抗体を用いて検出された。
【0134】
マイクロスポットの調製。クリーンなガラススライドを、95% エタノールpH5.5中のメルカプトプロピルトリメトキシシラン(1% vol/vol)の溶液に1時間浸漬することによって化学的に官能化した。スライドを95%エタノールで2分間すすぎ、窒素下で乾燥し、120℃で4時間加熱して硬化した。チオール−誘導化スライドは、1% ジメチルホルムアミド、99% エタノール中、室温で1時間、ヘテロ二官能性架橋剤(クロスリンカー)、スルホ−GMBS(Pierce)の0.5mg/mL溶液に浸漬することによって活性化した。スライドをエタノールですすぎ、窒素下で乾燥し、使用するまで減圧乾燥器内に保存した。0.5mg/mL溶液0.2μLをグリッドパターン内にピペッティングすることによって、ヤギ抗−PSAポリクローナル抗体(BioSpacifics)をスライドへスポットした。ハンドスポットアレイを2% BSA(プロテアーゼを含まない)でブロックし、空気乾燥し、使用するまで、窒素下4℃で保存した。使用直前に、PBS 50mL中、室温で2分間、アレイを再水和した。
【0135】
抗体捕獲。精製されたヒトPSA(BioSpacifics)をPBS中で所望の濃度に希釈した。PSA希釈物10μLをカバーガラス(Hybrislip, Grace)にスポットし、次いでこれを、スライド上のアレイの領域にかぶせて裏返した。このスライドを、加湿チャンバー中、37℃で30分間インキュベートし、PBS/0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄し、タップ乾燥した。PBS中のモノクローナル抗−PSA抗体中の1:5,000希釈物10μLをアレイに加えた。このスライドを加湿チャンバー中、37℃で30分間インキュベートし、PBS/0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄し、タップ乾燥した。最後にウサギ抗−マウスIgG−DNAコンジュゲート(PBS中10ng/μL)をアレイに加え、加湿チャンバー中、37℃で30分間インキュベートした。スライドをPBS/0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄し、タップ乾燥した。
【0136】
RCA反応。10μLφ29バッファー(250mM トリス−HCl、pH7.5、50mM MgCl2、および1mg/mL BSA)中のサークル1DNA(200nM)をアレイに加え、45℃で30分間インキュベートした。RCA反応混合物(2mM dATP、dCTP、dGTP、1.5mM dTTP、0.5mM ビオチン−16−dUTP dNTPs、φ29バッファー、0.4U/μLφ29ポリメラーゼ)10μLをアレイに加え、37℃で30分インキュベートした。このスライドを、2X SSC/0.05% Tween 20 中、37℃で2分間2回洗浄し、2X SSC/0.05% Tween 20 中、室温で2分間2回洗浄し、タップ乾燥した(tapped dry)。2X SSC、0.05% Tween 20 中の検出物質オリゴ混合物10マイクロリットルをアレイに加え、37℃で30分間インキュベートした。スライドを2X SSC、0.1% Tween 20 中で1分間4回洗浄した。CACHET溶液(1mg/mL Neutravidin、2X SSC、0.1% Tween 20、0.5mg/mL BSA、0.5mg/mL 超音波処理されたニシン精子DNA)10μLをアレイに加え、37℃で15分インキュベートした。このスライドを室温で攪拌しながら2X SSC、0.05% Tween 20 で5分洗浄した後、2X SSCで洗浄した。スライドを窒素下で乾燥し、スライドのアレイ部分を Prolong Antifade(Molecular Probes)でカバーした。蛍光イメージングは、CCDイメージング系および100X対物レンズを備えた Zeiss エピフルオレセンス顕微鏡にて行った。蛍光定量はIPLabソフトウェアを用いて行った。顕微鏡に備えられたCCDカメラでの蛍光の定量は、シグナルが少なくとも2対数のPSA濃度にわたってリニアであること(図8)、および0.1pg/mL PSA(300zeptomoles)でも検出可能であることを示した。この検出レベルは、PSAに関する標準的免疫アッセイより約3桁の振り幅で大きな感受性である。この実施例においてコンジュゲートとして使用される抗体は、ウサギ抗−マウスIgGポリクローナル抗体であり;この試薬は「共通の」コンジュゲートとして機能し、任意のマウスモノクローナル抗体を好感度で検出できる。
【0137】
実施例5
この実施例では、ピン−ツール型マイクロアレイ作成ロボットを用い、ガラススライドにスポットされたポリクローナルヤギ抗−ヒトIgE抗体のマイクロアレイでの、サンドイッチ形式の免疫RCAの使用を示す。これらのマイクロアレイでは、約0.5nLの抗体溶液を各スポットに配置し、ここにスポットは約200μmの直径を有し、スポットからスポットの間隔は250μmであった。抗−IgEマイクロアレイは、ヒトIgEとインキュベートされ、結合した抗原は、ビオチニル化された抗−ヒトIgE抗体および、RCAプライム配列を含有するオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗−ビオチンモノクローナル抗体を用いて検出された。
【0138】
マイクロアレイの調製。チオール−シランを用いて官能化されたガラススライドは上記のように調製した。チオールで誘導されたスライドは、0.5mg/mL スルホ−GMBS(Pierce)、1% ジメチルホルムアミド、99% エタノールの溶液に室温で1時間浸漬することによって活性化した。スライドをエタノールですすぎ、窒素下で乾燥し、使用するまで減圧乾燥器中に保存した。ピン−ツール型マイクロアレイ作成装置(GeneMachines)を用いて、ポリクローナルヤギ抗−ヒトIgE(BioSpacifics 0.5mg/mL)の溶液をスライドにスポットした。アレイを2% BSA(プロテアーゼを含まない)でブロックし、空気乾燥し、使用するまで窒素下4℃で保存した。
【0139】
抗原捕獲。50mM グリシン中の2mg/mL BSA溶液(pH9.0)50μL容量を加え、加湿チャンバー中37℃で1時間インキュベートし、各マイクロアレイをブロックした。ブロック後、1x PBS/0.05% Tween 20 を含有するコプリンジャー(coplin jar)中にスライドを浸漬し、このスライドを2分間洗浄し、次いで1x PBSで1分間洗浄することにより2回洗浄した。10μL容量のヒト血清を各マイクロアレイに直ちに加え、加湿チャンバー中、37℃で30分インキュベートした後、PBS/Tween 20 およびPBSで上記のように洗浄した。
【0140】
免疫RCA。BiotinTag Micro Biotinylation キット(Sigma)を用い、ヤギ抗−ヒトIgE(BiosPacigic, Inc.)をビオチンでラベルした。PBS、0.05% Tween 20、1mM EDTA中、2.5ng/μLの抗体10μLを各アレイに適用し、加湿チャンバー中37℃で30分間インキュベートした。スライドをPBS、0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄した。プライマー1にコンジュゲートされたマウスモノクローナル抗−ビオチン抗体をPBS、0.05% Tween 20、1mM EDTA中の50nM サークル1と37℃で30分アニーリングした。10μLを各アレイにアプライし、加湿チャンバー中37℃で30分インキュベートし、その後、スライドを2回洗浄した。次いでT7天然DNAポリメラーゼ(0.01ユニット/μL)、1mM dNTPs、0.04mg/mL SSB、20mM トリス HCl(pH7.4)、10mM MgCl2および25mM NaClを含有する反応溶液20μL容量を各マイクロアレイに加えた。このスライドを37℃で45分インキュベートし、スライドを2X SSC/0.05% Tween 20 溶液中、室温で洗浄し、反応をストップした。0.5μM DNA修飾物の20μL溶液を各アレイに加え、RCA産物と37℃で30分ハイブリダイズさせた。スライドを室温の2X SSC中で洗浄し、スピン乾燥した。General Scanning Luminomics 5000 マイクロアレイスキャナーにてスライドをスキャンし、QuantArray ソフトウェアを用いて蛍光を定量した。
【0141】
結果(図9)は、免疫RCAが高い感受性(1pg/mLまで)、広いダイナミックレンジ(5対数)、および優秀なスポットからスポットへの再現性を有することを示す。最近、マイクロアレイに基づく免疫アッセイにおいて、アルカリホスファターゼコンジュゲートおよび検出用の蛍光基質ELFを用いることが報告された(Mendoza, et al., Biotechniques 27:778−788 (1999))。ELFに基づくアッセイは、シグナルを読み取るのに、特別に構築されたCCDに基づくカメラが必要であり、約10ng/mLの感受性が達成された。別の報告では、近赤外線色素でラベルされた抗体を用いて、マイクロアレイ上のIgGサブクラスが検出された(Silzel, et al., Clin. Chem. 44: 2036−2043 (1998));この系はまた、特別に設計されたイメージング系を必要とし、約15ng/mLの検出限界を達成した。対照的に、免疫RCAによるシグナル増幅はpg/mLレンジの感受性を与え、このアッセイ結果を一般に入手可能なマイクロアレイスキャナーで読み取ることを可能にする。免疫RCAはまた、優秀な臨床感受性および特異性を有して、マイクロアレイ上のアレルゲン特異的IgEsを検出するのに用いることができる。このためにコンジュゲートとして用いられた抗体はモノクローナル抗−ビオチン抗体であった。この試薬を用いて、任意のビオチニル化されたポリクローナルまたはモノクローナル抗体、ならびに、ビオチニル化可能である任意の他のタンパク質、核酸、または小分子を検出できる。
【0142】
実施例6
この実施例は、開示されている方法の単一分子カウント様式における、同時の2タンパク質の検出を示す。
【0143】
捕獲スライドの調製。スライドを、4−アミノブチル−ジメチルメトキシシランでコーティングし、1,4−フェニレン−ジイソチオシアネートで誘導した。アビジン捕獲試薬、オリゴヌクレオチド 5’−NH2−GG18G−ビオチン−3’、および抗−ジゴキシゲニンIgG捕獲試薬、ジゴキシゲニン−スクシニル−ε−アミノカプロン酸水素化物(各5μM濃度)の混合物を、アレイ形式において、活性化されたスライド表面にスポットした(8−10スポット/アレイ)。化学カップリングは2時間進行させた。このスライドを、0.5mM グリシン、pH9.5中で2回洗浄し、次いで37℃で30分間グリシン溶液中に置き、未反応の官能基をブロックした。このスライドを50mM グリシン(ph9.5)、0.15M NaCl、3% ウシ血清アルブミン、0.1% 超音波処理されたニシン精子DNA、0.2% NaN3中、37℃で1時間さらにインキュベートし、PBS、0.1% Tween 20 中、室温で3分間洗浄した。その後このスライドを乾燥し、使用するまで4℃で保存した。
【0144】
捕獲スライドへの抗原の結合。種々の濃度のアビジンおよびヒツジ抗ジゴキシゲニンIgGを、単独で、あるいは規定のモル比で正常ヒト血清中に注入した。注入された血清(1.0μL)を捕獲アレイにアプライし、スライドを湿ったチャンバー中、37℃で30分インキュベートした。次いでこのスライドをPBS/Tween20 中で2回洗浄し、空気乾燥した。7.5nM ウサギ抗−アビジン−プライマー−1コンジュゲートおよび7.5nM ウサギ抗−ヒツジIgG抗体−プライマー−2コンジュゲートの混合物5μLを各アレイスポットに適用し、37℃で2.5時間までインキュベートした。このスライドを8回(各1分)洗浄し、空気乾燥した。2xSSC、0.1% Tween 20、3% BSA、0.1% 超音波処理ニシン精子DNA中の2環状プローブ(サークル1およびサークル2)の0.2μM 溶液5μLを各スポットにアプライした。37℃20分ハイブリダイズした後、このスライドを37℃で5分間2xSSC、0.1% Tween−20 で洗浄し、空気乾燥した。
【0145】
RCA−CACHET反応。RCA反応混合物(50mM NaCl、50mM トリス−HCl(pH7.2)、5mM MgCl2、0.5mM の各dNTP、1mM DTT、SSBおよび0.5ユニット/μL Sequenase)5μLを各スポットにアプライし、このスライドを37℃で15分間インキュベートした。スライドを洗浄後、これを空気乾燥し、0.2μMの二重ラベル(蛍光+2,4DNP)された検出プローブの溶液5μLを各アレイにアプライした。スライドは加湿チャンバー中、37℃で30分インキュベートし、次いで5回洗浄し、空気乾燥した。RCA産物を蛍光の点源中に分解し、単一抗原−抗体複合体を数えることを可能にするために、PBS中の33nM ヒツジ抗−DNP IgMを各アレイスポットに加え、スライドを37℃で45分間インキュベートし、室温で3分間、2xSSC中で洗浄し、次いで空気乾燥した。延長アンチフェード(antifade)溶液(Molecular Probes)をスライドにアプライし、このスライドを20x20mmカバーガラスで覆った。63X対物レンズを用いて別々のFITCおよびCy3フルオロフォア顕微鏡イメージを捕らえ、各フィールド内の個々のRCA産物を手動でカウントした。FITCおよびCy3イメージは電子的にマージされ、RNAシグナルは緑および赤に擬似呈色(pseudo−colored)させた。別個の蛍光シグナルは純粋なフルオレセインまたは純粋なCy3スペクトルを有し、混合されたスペクトル(黄色)を有するシグナルが存在しないことにより、各ドットが単一の抗体−抗原複合体によって生じたことが示された。アビジン(明灰色)およびヒツジ抗−ジゴキシゲニンIgG(暗灰色)シグナルの定量により、明/暗シグナルの比が、2タンパク質抗原の既知の入力比と密に関連することが示され(図10)、抗体−抗原複合体およびシグナル間の1対1対応がさらに示唆された。
【0146】
この実施例は、免疫RCAがマイクロアレイ適用に理想的に適していることを示す。完全等温性RCA反応時に、得られた増幅DNA分子は抗体−抗原複合体に共有結合したままである。マイクロアレイにおいて、このプロセスは、非増幅シグナル検出アプローチに対し、検出可能な蛍光シグナルに関する約3対数の増加を生じる。RCAのはっきりした特徴は、単一DNAレポーター分子から生じるシグナルを正確にローカライズする能力であり、したがって固形表面上の個別の認識イベントの視覚化を可能にする。RCAの長い一本鎖DNA産物を修飾し、レポーターフルオロフォアおよびハプテン、例えば2,4−ジニトロフェノールでラベルされた多数の相補的オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせた場合、すべてのフルオロフォアは光の点源中に分解することが可能である。分子シグナルの数が極端に多い場合、マイクロアレイのスポット由来のシグナルは、凝集した蛍光を用いて読み取ることができる。しかしながら、表面結合抗原の数がより少ない場合、シグナルは別々の単一分子カウントとしてスコアでき、アトモル以下の分析物が視覚化できる。免疫RCAをマイクロアレイにて行うと、非常に広いダイナミックレンジを有するアッセイが提供され;単一分子カウントおよびトータル蛍光出力を組み合わせることにより6〜7対数のダイナミックレンジが示される。
【0147】
実施例7
この実施例は、2サンプル中のモデルタンパク質(IgE)の相対濃度の測定を示す。
【0148】
リニアRCAを介する2色発現レベルのプロファイル化では、チオールシラン化プラスGMBSでの処置によって活性化されたガラススライド上のポリクローナルヤギ抗−ヒトIgE(0.5mg/mL、BiosPacific)捕獲抗体でマイクロアレイをプリントした。2コンジュゲートのMAb抗−IgE(BiosPacific、クローン番号A37020047P)を構築した。第一のコンジュゲートに関して、抗体をスルホ−GMBSで活性化し、次いで5’チオールPr2(GTA CCA TCA TAT ATG TCC GTG CTA GAA GGA AAC AGT TAC A)と反応させた。第二のコンジュゲートに関して、抗体をEZ−リンク スルホNHS−LC−ビオチン(Pierce Chemical Co.)を用いてビオチニル化した。また、抗体をスルホ−GMBSで活性化し、次いで5’チオールPr1(AAA AAA AAA AAA AAA CAC AGC TGA GGA TAG GAC AT)と反応させることによって、MAb抗−ビオチンのコンジュゲート(Jackson Immunochemicals)を構築した。抗体−抗原複合体は、別個の反応において、ビオチン〜MAb 抗−IgEを50ng/mLのIgEと1チューブ内で、ならびにPr2〜MAb 抗−IgEを500、50、5および0ng/mL IgEと第二のチューブ内で、室温で1時間インキュベートすることによってプレ形成させた。適当な抗体−抗原複合体を次いで混合し、20μL混合物をアレイ毎にアプライした。プレ形成された複合体の捕獲は、37℃で30分行った。次いで、200nM サークル1、200nM サークル2、および2.5ng/μL Pr1〜抗−ビオチンコンジュゲートを含有する混合物10μLを各アレイにアプライし、37℃で30分インキュベートした。次いでこのスライドを、1xPBS/0.05% Tween 20 中で2x2’洗浄した。次いで、リニアRCA反応混合物(20mM トリス−Cl、10mM MgCl2、25mM NaCl、1mM 各dNTP、0.5μMの、Cy5−ラベルされた検出プローブ(サークル1用)およびCy3−ラベルされた検出プローブ(サークル2用)、29.1ng/μL 大腸菌SSB(Promega)、0.01U/μL T7天然DNAポリメラーゼ(USB)、および8%DMSO)10μLを各アレイにアプライし、37℃で45分間インキュベートした。次いでこのスライドを1xPBS/0.05% Tween 20 中および1xPBS中で洗浄し、空気乾燥し、スキャンした。図12に示されるように、Cy5蛍光強度のCy3蛍光強度に対する比は2サンプル中のIgEの比を反映する。
【0149】
2サンプル中のタンパク質相対濃度の測定は、前立腺特異的抗原(PSA)をモデルとして用いてさらに例証される。種々の濃度のPSA(Biospacifics)を、PBS/0.05% Tween20 中の5ng/uLのビオチンまたはFITCラベルされたモノクローナル抗−PSAと、37℃で30分インキュベートした。PSA/FITC−抗−PSAおよびPSA/ビオチニル化抗−PSA複合体を次いで互いに混合し、20uLの混合物をマイクロアレイ上、37℃で30分インキュベートした。スライドをPBS/0.05% Tween20 中で2分間2回洗浄した。このスライドを2.5ng/μLの抗−ビオチン〜プライマー1コンジュゲート、抗−FITC〜プライマー2コンジュゲート、またはこの2試薬の混合物とインキュベートした。ヤギポリクローナル抗−PSA抗体(Biospacifics、0.3mg/mL)をGMBS活性化チオシランガラススライド上に固定することによってマイクロアレイを調製し、記載されるようにブロックした。抗体ラベリングキット(Sigma Chemical Co., St. Louis, MI)を用いてモノクローナル抗−PSA抗体(Biospacifics)をFITCまたはビオチンでラベルした。
【0150】
マイクロアレイにおいて、T7天然DNAポリメラーゼを用い、50nMの各Cy5−ラベルされたサークル1およびCy3ラベルされたサークル2修飾物の存在下、リニアRCAを37℃で45分行った。スライドを、2XSSC/0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄し、1XSSCで1分間すすぎ、乾燥し、GSI Lumonics GSA5000 スキャナーにて、Cy3およびCy5フルオロフォアそれぞれに関する適当なセッティングでスキャンした。図17に示されるように、Cy5蛍光強度のCy3蛍光強度に対する比は2サンプル中のPSAの比を反映する。
【0151】
実施例8
この実施例は、複合生物学的サンプル由来の分析物を固定するための方法および組成物、およびサンプル中のその存在を測定および定量するための、開示されている方法の使用を記載する。このプロセスは本明細書中では、アレルゲンを含有するサンプルを用いて例証される。
【0152】
アレルゲンマイクロアレイ。クリーンなガラススライドを実施例4に記載されるようにチオールで誘導した。ネコ毛、イヌ毛、ハウスダストダニ(D. farinae および D. pteronyssinus)、およびラッカセイ(ALK−Abello)の抽出物をPD−10カラム(Pharmacia)に付して分画し、次いで Centricon YM−3フィルター(Millipore)での限外ろ過により濃縮した。活性化されたスライドへの抽出物のスポッティングはピン−ツール型マイクロアレイ作成装置(GeneMachines)を用いて行った。ヒトIgEおよび5’−アミノ修飾RCAプライマーをポジティブコントロールとしてスポットした。2%BSA(プロテアーゼを含まない)を用いてアレイをブロックし、空気乾燥し、使用するまで窒素下4℃で保存した。
【0153】
免疫RCA。50mM グリシン(pH9.0)中の2mg/mL BSA溶液50μL容量を加え、加湿チャンバー中、37℃で1時間インキュベートすることによって各マイクロアレイをブロックした。ブロック後、スライドをPBS、0.05% Tween 20 で2分間、次いでPBS中で1分間、洗浄した(2回)。各アレイにヒト血清10μLをすぐに加え、加湿チャンバー内、37℃で30分インキュベートし、PBS、0.05% Tween 20 中で2回洗浄した。マウスモノクローナル抗−IgE抗体DNAコンジュゲートを50nM 環状DNA(配列:5’−TAG CAC GGA CAT ATA TGA TGG TAC CGC AGT ATG AGT ATC TCC TAT CAC TAC TAA GTG GAA GAA ATG TAA CTG TTT CCT TC)と、PBS、0.05% Tween 20、1mM EDTA中、37℃で30分アニーリングした。10μLを各アレイにアプライし、加湿チャンバー内、37℃で30分インキュベートした。スライドをPBS、0.05% Tween 20 中で2分間2回洗浄した。RCA反応および検出は、実施例5に記載されるように行った。
【0154】
各ウェルがテフロンマスクによって十分に分離されている16マイクロウェル−ガラススライドにおいて免疫RCAマイクロアレイアッセイを行った。各ウェル中、100〜400μmのスポットのマイクロアレイをプリントした;これらの各ウェルは、異なるサンプル、またはネガティブコントロールまたはポジティブコントロールをアッセイするのに用いられた。また、マルチウェルスライドは、16ウェルのうち6中の抗−IgE捕獲抗体のアレイを用いてプリントされた。このマルチウェル形式での、アレルゲンマイクロアレイに対する免疫RCAアッセイの半自動化は安価な Beckman BioMek 液体取り扱いロボットにて実行した。
【0155】
実施例9
この実施例は、サイトカイン検出の具体的場合に適用して、サンプル中の1以上の分析物を多重化分析するための、開示されている方法の使用を記載する。
【0156】
マイクロアレイは、実施例5に記載されているように、10ウェル Erie スライド中、チオール−シラン/GMBS化学を用いて調製した。簡単には、5サイトカインを認識するポリクローナル抗体(抗−bNGF、抗−IL1b、抗−TNFa、抗−IL6および抗−IL1a)(R&D Systems, Minneapolis, MN)をPBS中に0.5mg/mLで溶解し、マルチウェルスライドにおけるマイクロアレイ作成に使用した。このマイクロアレイをブロックし、PBS/0.5% Tween 中の20ng/mLを含有するサンプルと、37℃で30分インキュベートした。このマイクロアレイを洗浄し、2.5μg/mLビオチニル化モノクローナル抗体(R&D Systems)を含有する溶液とインキュベートした。記載されるように、α−ビオチン/プライマー1コンジュゲートを用いるRCAによってスポットを検出した。
【0157】
図18に示されるように、両サイトカインに関する抗体が存在する場合、マイクロアレイにてTNFおよびIL1aを同時に検出可能であった。唯一の抗体が添加された場合に同族シグナルが1つしか生じなかったことによってシグナルの特異性が示されている。
【0158】
記載されている特定の方法論、プロトコル、および試薬は変更することができ、開示されている発明はこれらに制限されないことが理解されよう。また、本明細書中で用いられる用語は特定の態様のみを記載するためのものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、本発明の範囲は請求の範囲によってのみ制限されるものであることが理解されるべきである。
【0159】
特に明確に記載しない限り、本明細書中および請求の範囲で用いられる単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形への言及を含むものであることが留意されなければならない。したがって、例えば、「a host cell」との言及は、このような宿主細胞の複数形を含み、「the antibody」は1またはそれ以上の抗体および当業者に既知のその等価物を表す、などである。
【0160】
特に規定しない限り、本明細書中で用いられるすべての技術用語および科学用語は、開示されている発明が属する分野の当業者に一般に理解されている同一の意味を有する。本明細書中に記載されているものと同様または等価な任意の方法および材料を用いて、本発明を実施または試験することができるが、好ましい方法、デバイス、および材料は記載されているものである。本明細書中に引用されている刊行物およびそれらが言及している材料は、引用により本明細書中に具体的に包含される。本明細書中のすべての記載は、本発明が、先行する発明のそのような開示内容に先立つものではないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0161】
当業者であれば、本明細書中に記載されている本発明の具体的態様の多くの等価な態様を認識するか、あるいは通常の実験を用いて確認できよう。このような等価な態様は、請求の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は免疫RCAアッセイの例を示す図である。左上:オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体からなるレポーター結合プライマーは、共有結合または分析物捕獲物質により固形表面に捕獲されている分析物と結合する。右上:増幅標的サークルは、このオリゴヌクレオチド内の相補配列とハイブリダイズする。左下:得られた複合体は洗浄され、過剰の試薬が取り除かれ、増幅標的サークルはRCAによって増幅される。右下:増幅された生成物は、蛍光ラベルされたオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによってインサイチュでラベルされる。
【図2】図2はカラムフラクションに対するタンパク質(マイクログラム/mL)のグラフである。コンジュゲーション混合物は、アニオン交換カラムにロードされ、実施例1に記載の塩濃度勾配を用いて溶出された。フラクションは集められ、タンパク質含量に関してアッセイされた。タンパク質ピークはプールされ、抗体/DNA含量に関してUV分光法およびSDS−PAGEによりアッセイされた。
【図3】図3はカラムフラクションに対する吸光度(吸光度単位X10−3(260nm))を示すグラフである。抗体−DNAコンジュゲートを含有するアニオン交換クロマトグラフィー由来のフラクションをプールし、濃縮し、サイズ排除カラムにロードした(実施例1参照)。リン酸ナトリウム、pH7.5、150mM NaCl、1mM EDTA、0.01% Tween 20 中でDNAを溶出し、260nmにした。グラフは複数回のロード/溶出実験を重ねたものを示す;フラクション16−20をプールし、純度に関してチェックした。
【図4】図4は拮抗抗体濃度(nM)に対する吸光度(405nm)を示すグラフである。このグラフは、抗−ヒトIgEモノクローナル抗体の結合活性に対するコンジュゲーションの作用を示す。拮抗ELISAアッセイは、抗−ヒトIgE抗体がDNA−コンジュゲート型(中抜きの四角)または非コンジュゲート型(充填された丸)で用いられ、実施例1に記載のように行われた。
【図5】図5は時間に対するDNA合成(pmoles)のグラフである。このグラフは、RCA反応において遊離のプライマーおよび抗体コンジュゲートプライマーを比較するものである。等モル量の抗−ヒトIgE−プライマー2コンジュゲート(中抜きの丸)または非コンジュゲートプライマー2を用いるRCAを実施例1に記載のように行った。
【図6】図6はIgE濃度(ng/mL)に対する蛍光のグラフである。このグラフはELISA形式の免疫RCAおよび慣用の免疫アッセイを比較するものである(実施例2を参照)。充填された丸は、抗−ヒトIgE−DNAコンジュゲートを用いる免疫RCAでのヒトIgEのELISAアッセイである。中抜きの丸は、抗−ヒトIgE―アルカリホスファターゼコンジュゲートを用いるヒトIgEのELISAアッセイである。
【図7】図7は磁性微粒子形式の免疫RCAおよび慣用の免疫アッセイにおいて見られる蛍光の棒グラフである。これらのアッセイは、実施例3に記載の固相として磁性微粒子が用いられたことを除いて、図6のアッセイと同様に、同一の抗−ヒトIgEコンジュゲートを用いて行われた。
【図8】図8はPSA濃度(ng/mL)に対する蛍光のグラフである。このグラフは、マイクロスポットアッセイにおける免疫RCAによるPSAの検出を示す。顕微鏡像内の蛍光は実施例4に記載のように定量され、マイクロスポット上でインキュベートされたPSA濃度に対してプロットされた。
【図9】図9はIgE濃度(ng/mL)に対する蛍光のグラフである。このグラフは、マイクロアレイアッセイにおける免疫RCAによるIgEの検出を示す(実施例5参照)。精製されたIgEに関する、免疫RCA抗−IgEマイクロアレイ用量応答。6マイクロアレイスポットから得られたシグナルが各スポットに関して平均され、バックグラウンドシグナル(IgEなし)が減算された。
【図10】図10はアビジン:抗−ジゴキシゲニン比に対するドットカウントの棒グラフである。このグラフは、免疫RCA−CACHETを用いる二重の抗原検出を示す(実施例6を参照)。抗−アビジンおよび抗−ヒツジ抗体コンジュゲート由来のRCA産物はそれぞれ、フルオレセイン−およびCy3−ラベルされた検出オリゴヌクレオチドで修飾された。蛍光シグナルはフルオレセインおよびCy3検出に最適化されたフィルターセットを用いて別々に獲得された。
【図11】図11は開示されている方法を例示する図であり、ここでは、2つの異なるサンプル(サンプル1およびサンプル2)中の同一分析物の存在を同一アッセイにおいて検出可能である。これは、それぞれ異なる捕獲部分(ハプテン1およびハプテン2)を有する2つの異なる分析物捕獲物質を用いて行うことができ、異なるレポーター結合プライマー(レポーター結合プライマー1および2)が異なる分析物捕獲物質と結合する。異なるレポーター結合プライマーはそれぞれ、異なるローリングサークル複製プライマーを有し、したがって、各プライマーは異なる増幅標的サークル(増幅標的サークル1および2)のローリングサークル増幅を媒介する。
【図12】図12は、2つの異なるサンプル中のIgEの割合に対し、Cy3蛍光強度に対するCy5蛍光強度の割合を示す棒グラフである。このグラフは、2つの異なるサンプル中の同一分析物の発現プロファイル化を示す(実施例7を参照)。固定された濃度のIgEは抗−IgE抗体の一調製物とインキュベートされ、ならびに種々の濃度のIgEは抗−IgE抗体の第二の調製物とインキュベートされた。この2つの混合物は、同時に、抗−IgE捕獲抗体からなるマイクロアレイにアプライされた。各IgE−抗−IgE複合体の量は、2つの異なるローリングサークル複製プライマーを含有する複合体それぞれに対する抗体−DNAコンジュゲートを用いる免疫RCAを利用して測定され、これにより同時にCy5−ラベルおよびCy3−ラベルされた検出プローブを有する2つのTS−DNAsが検出される。
【図13】図13は開示されている方法の例示の図であり、ここでは、2つの異なる型の同一分析物の存在が検出される。これは、それぞれ、異なる型の分析物(この場合は、リン酸化型および非リン酸化型の分析物)に結合する異なる特異的結合分子を有する、2つの異なるレポーター結合プライマー(レポーター結合プライマー1および2)を用いることによって達成される。異なるレポーター結合プライマーはそれぞれ、異なるローリングサークル複製プライマーを有し、したがって各プライマーは異なる増幅標的サークル(増幅標的サークル1および2)のローリングサークル増幅を媒介する。
【図14】図14は開示されている方法の例示の図であり、ここでは、拮抗分子の存在、または一方が固定されている2つの他の分子(分子1および分子3)の相互作用に関する分子の拮抗能が評価される。有効な拮抗分子(分子3)の存在下では、2つの他の分子の相互作用は減少するか、あるいは排除される。固定されていない分子1と相互作用するレポーター結合プライマーが用いられる。2つの分子が相互作用する場合、増幅されたDNAはこれらの分子と結合する。そうでない(すなわち、拮抗分子が相互作用を阻害する)場合、増幅されたDNAは固定された分子と結合しない。分子1、2、および3は、任意の順に、分析物、分析物捕獲物質、およびアクセサリー分子である。
【図15】図15は開示されている方法の例示の図であり、ここではタンパク質のmRNAとの相互作用が検出される。プライマーおよび、mRNAと相互作用するタンパク質からなるレポーター結合プライマー(リガンド−プライマー)はmRNAと結合し、mRNA/レポーター結合プライマーコンジュゲート(mRNA−ペプチド)は、ガラススライドに固定された分析物捕獲物質(オリゴ)とハイブリダイズする。次いでこのプライマーはローリングサークル複製を媒介することができる。
【図16】図16は、1セットの22患者サンプルに関するマイクロアレイ上のアレルゲンに対する蛍光強度の棒グラフである。このグラフは患者血清内のアレルゲン特異的なIgEの免疫RCAマイクロアレイ検出を示す。患者由来の血清サンプルが、ネコ毛、イヌ毛、ハウスダストダニ(D. farinae および D. pteronyssinus)、およびラッカセイの抽出物でスポットされたマイクロアレイとインキュベートされた(実施例8参照)。アレイはスキャンされ、蛍光シグナルは記載のように定量された。
【図17】図17は、単一マイクロアレイ上の、2つの異なるサンプル由来PSAの二色検出から得られたシグナルの割合に対する抗原の割合を示す棒グラフである。このグラフは、一方はビオチンラベルされた抗−PSAを伴い、他方はFITCラベルされた抗−PSAを伴う、2つの異なるサンプル中の免疫RCAによるPSA抗原の定量を示す。このビオチンおよびFITCサンプルは同一のアレイに添加され、抗−ビオチン(プライマー1)および抗−FITC(プライマー2)コンジュゲートを用いる免疫RCAによって検出される。Cy3(プライマー2)およびCy5(プライマー2)シグナル強度の割合は、2サンプル中のPSA抗原の割合の関数としてプロットされる(実施例7参照)。
【図18】図18Aおよび18Bは、マイクロアレイ上の2つの異なるサイトカインに関する、同時の、多重化された検出におけるサイトカイン量の棒グラフである。このグラフは、2つのサイトカインの混合物を含有するサンプル由来のIL1aならびにTNFサイトカインの定量を示す(図18A)。マイクロアレイは、アレイ中の異なる位置に固定された2つのサイトカインに関する捕獲抗体を含有していた。プライマー1とコンジュゲートされた抗−ビオチンを用いる免疫RCAによって検出を行った。IL1aのみを含有するコントロールサンプルは、すなわちIL1aに関する単一のシグナルを生じ、このことは相互作用の特異性を示す(図18B)。
Claims (97)
- 以下の工程を含む、1またはそれ以上の分析物を検出する方法:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、ここに各レポーター結合プライマーは特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、各特異的結合分子は分析物と直接または間接的に相互作用し、ならびに、
特異的結合分子および分析物の相互作用を促進する条件下で、分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートし、
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、ここに増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は、少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的であり、ならびに、
増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
(c)工程(b)の後でかつ、工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下で、レポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
ここに増幅標的サークルの複製は、直列型配列DNAの形成を生じさせ、この直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示し、
ここに分析物は、工程(a)、(b)、または(c)の前に、工程(a)、(b)、または(c)と同時に、あるいは工程(a)、(b)、または(c)の後に分析物サンプルから分離される。 - 複数のレポーター結合プライマーを1またはそれ以上の分析物サンプルと接触させる、請求項1に記載の方法。
- 複数の分析物サンプルを1またはそれ以上のレポーター結合プライマーと接触させる、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物がタンパク質またはペプチドである、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が脂質、糖脂質、またはプロテオグリカンである、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物がヒト起源である、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が非ヒト起源である、請求項1に記載の方法。
- 分析物がいずれも核酸ではない、請求項1に記載の方法。
- 分析物が以下の工程により分離される、請求項1に記載の方法:
少なくとも1つの分析物サンプルを1またはそれ以上の分析物捕獲物質と接触させ、ここに各分析物捕獲物質は分析物と直接または間接的に相互作用し、少なくとも1つの分析物は、分析物サンプル中に存在するならば、少なくとも1つの分析物捕獲物質と相互作用し、ならびに、
分析物サンプルから分析物捕獲物質を分離し、これにより分析物サンプルから分析物を分離する。 - 少なくとも1つの分析物捕獲物質が固形支持体に結合され、ここに固形支持体に結合された分析物捕獲物質と相互作用する分析物が固形支持体に結合される、請求項9に記載の方法。
- 各分析物捕獲物質が固形支持体のあらかじめ決められた異なる領域に位置する、請求項10に記載の方法。
- 固形支持体のあらかじめ決められた異なる領域間の距離が固定されている、請求項11に記載の方法。
- 固形支持体が、薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
- 固形支持体の少なくとも2つのあらかじめ決められた異なる領域間の距離が可変である、請求項11に記載の方法。
- 固形支持体が、少なくとも1つの薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、または微粒子を含む、請求項14に記載の方法。
- 固形支持体が、少なくとも2つの薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
- 固形支持体上の直列型配列DNAの位置が、固形支持体のある位置における分析物捕獲物質に対応する分析物が分析物サンプル中に存在することを示す、請求項11に記載の方法。
- 固形支持体が、固形支持体の、複数のあらかじめ決められた異なる領域に位置する複数の分析物捕獲物質を含み、ここに分析物捕獲物質が包括的に複数の分析物と対応する、請求項10に記載の方法。
- 固形支持体が、薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
- 固形支持体が、アクリルアミド、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカルボナート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンラバー、ポリアンヒドライド、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフメレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、またはポリアミノ酸を含む、請求項10に記載の方法。
- 固形支持体が多孔性である、請求項10に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物サンプルおよび少なくとも1つのレポーター結合プライマーを少なくとも1つのアクセサリー分子と接触させ、ここにアクセサリー分子は、少なくとも1つの分析物および少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用に影響するものであることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
- 工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、アクセサリー分子を、少なくとも1つの分析物サンプル、少なくとも1つのレポーター結合プライマー、または両者と接触させる、請求項22に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物捕獲物質を固形支持体と結合させ、ここにアクセサリー分子が固形支持体と結合される、請求項22に記載の方法。
- 工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、固形支持体と接触させることによって、アクセサリー分子が固形支持体と結合される、請求項24に記載の方法。
- アクセサリー分子がタンパク質キナーゼ、タンパク質ホスファターゼ、酵素、または化合物である、請求項22に記載の方法。
- アクセサリー分子が目的の分子であり、1またはそれ以上の分析物が試験分子であり、ここに、試験分子の、目的の分子との相互作用が検出される、請求項22に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が目的の分子であり、アクセサリー分子が試験分子であり、ここに、試験分子の、目的の分子との相互作用が検出される、請求項22に記載の方法。
- 分析物サンプルが1またはそれ以上の第一の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを含み、ここに、レポーター結合プライマーは1またはそれ以上の第一のレポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の第二のレポーター結合プライマーを含む、請求項9に記載の方法であって、
工程(a)の後でかつ、分析物サンプルおよび固形支持体を接触させる前に、以下の工程をさらに含む方法:
1またはそれ以上の第一の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを混合し、
ここに、各第一のレポーター結合プライマーに関して、適合する第二のレポーター結合プライマーが存在し、第一のレポーター結合プライマーの特異的結合分子は、適合する第二のレポーター結合プライマーの特異的結合分子と同一の分析物と相互作用し、
種々のレポーター結合プライマーのそれぞれについてのローリングサークル複製プライマーは異なっており、各異なるローリングサークル複製プライマーは異なる1つの増幅標的サークルの複製をプライムし、そして各異なる増幅標的サークルは、異なる直列型配列DNAを生じ、
ここに、異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される。 - 分析物の1つに対応し、第一のレポーター結合プライマーと関連して生産される直列型配列DNAが、同一の分析物に対応し、適合する第二のレポーター結合プライマーと関連して生産される直列型配列DNAと同一の固形支持体上の部位にあり、
ここに異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される、請求項29に記載の方法。 - 少なくとも1つの分析物捕獲物質が目的の分子であり、1またはそれ以上の分析物が試験分子であり、ここに、試験分子の、目的の分子との相互作用が検出される、請求項9に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が目的の分子であり、1またはそれ以上の分析物捕獲物質が試験分子であり、ここに、試験分子の、目的の分子との相互作用が検出される、請求項9に記載の方法。
- 工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
1またはそれ以上の第一の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第一の分析物サンプルを接触させ、ならびに1またはそれ以上の第二の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを接触させ、
ここに、各分析物捕獲物質は分析物相互作用部分および捕獲部分を含み、第一の分析物捕獲物質それぞれに関し、適合する第二の分析物捕獲物質が存在し、
この第一の分析物捕獲物質の分析物相互作用部分は、適合する第二の分析物捕獲物質の分析物相互作用部分と同一の分析物と相互作用し、
第一および第二の分析物捕獲物質の捕獲部分はそれぞれ、1またはそれ以上のレポーター結合プライマーの特異的結合分子と相互作用し、第一の分析物捕獲物質の捕獲部分は、適合する第二の分析物捕獲物質の捕獲部分より、異なる特異的結合分子と相互作用し、
各異なる特異的結合分子は、異なる1つのレポーター結合プライマーの部分であり、各異なるレポーター結合プライマーのローリングサークル複製プライマーは異なっており、各異なるローリングサークル複製プライマーは異なる1つの増幅標的サークルの複製をプライムし、各異なる増幅標的サークルは異なる直列型配列DNAを生じ、
ここに異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される。 - 1またはそれ以上の第一の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の第二の分析物サンプルを混合することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
- 1またはそれ以上の第一の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第二の分析物捕獲物質を混合することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
- 同時に、あるいは連続的に、1またはそれ以上の第一の分析物捕獲物質および第二の分析物捕獲物質を同一の固形支持体と結合させることによって、1またはそれ以上の第一の分析物捕獲物質および1またはそれ以上の第二の分析物捕獲物質を混合する、請求項35に記載の方法。
- 分析物の1つに対応し、第一の分析物捕獲物質と関連して生産される直列型配列DNAが、同一の分析物に対応し、適合する第二の分析物捕獲物質と関連して生産される直列型配列DNAと同一の位置にあり、かつ同時に検出され、
ここに異なる分析物サンプル中の同一の分析物の存在または不存在は、対応する直列型配列DNAの存在または不存在によって示される、請求項33に記載の方法。 - 各第一の分析物捕獲物質の捕獲部分が同一であり、第一の分析物捕獲物質に対応するレポーター結合プライマーが同一であり、第一の分析物捕獲物質に対応する増幅標的サークルが同一であり、
各第二の分析物捕獲物質の捕獲部分が同一であり、第二の分析物捕獲物質に対応するレポーター結合プライマーが同一であり、第二の分析物捕獲物質に対応する増幅標的サークルが同一である、請求項33に記載の方法。 - 少なくとも1つの特異的結合分子が、少なくとも1つの分析物に対して特異的な抗体である、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの特異的結合分子が、少なくとも1つの分析物と特異的に結合する分子である、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つの特異的結合分子が、アクセサリー分子とともに、少なくとも1つの分析物と特異的に結合する分子である、請求項1に記載の方法。
- 特異的結合分子および分析物が互いに直接または間接的に結合することによって相互作用する、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つのアクセサリー分子を少なくとも1つの分析物サンプルおよび少なくとも1つのレポーター結合プライマーと接触させ、ここにアクセサリー分子は少なくとも1つの分析物および少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用に影響するものである、請求項1に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用と拮抗する、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも1つの分析物のアナログである、請求項44に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用を促進する、請求項43に記載の方法。
- 工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、アクセサリー分子を、少なくとも1つの分析物サンプル、少なくとも1つのレポーター結合プライマー、または両者と接触させる、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子がタンパク質キナーゼ、タンパク質ホスファターゼ、酵素、または化合物である、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも20%純粋である、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも50%純粋である、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも80%純粋である、請求項43に記載の方法。
- アクセサリー分子が少なくとも90%純粋である、請求項43に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が固形支持体に結合されている、請求項1に記載の方法。
- 固形支持体と結合された各分析物が、固形支持体と、あらかじめ決められた異なる領域において結合されている、請求項53に記載の方法。
- 固形支持体と結合された少なくとも1つの分析物が、固形支持体と間接的に結合されている、請求項53に記載の方法。
- 固形支持体と結合された分析物が分析物捕獲物質と相互作用し、ここに分析物捕獲物質は固形支持体と結合され、これにより分析物が固形支持体と間接的に結合される、請求項55に記載の方法。
- 少なくとも1つの特異的結合分子が少なくとも1つの分析物と間接的に相互作用する、請求項1に記載の方法。
- 分析物が分析物捕獲物質と相互作用し、ここに特異的結合分子は分析物捕獲物質と相互作用し、これにより特異的結合分子が分析物と間接的に結合される、請求項57に記載の方法。
- 少なくとも1つの分析物が別の分析物の修飾型であり、ここに少なくとも1つのレポーター結合プライマーの特異的結合分子が、直接または間接的にこの分析物と相互作用し、この分析物は他方の分析物の修飾型であり、別のレポーター結合プライマーの特異的結合分子が、直接または間接的に、他方の分析物と相互作用する、請求項1に記載の方法。
- 分析物がタンパク質であり、他方の分析物の修飾型が翻訳後修飾によって修飾されている、請求項59に記載の方法。
- 修飾がリン酸化またはグリコシル化である、請求項60に記載の方法。
- 一組の検出プローブを、直列型配列DNAおよびこの検出プローブのハイブリダイゼーションを促進する条件下で、この直列型配列DNAと混合することによって、直列型配列DNAの検出が行われる、請求項1に記載の方法。
- 複数の異なる直列型配列DNAsが多重検出を介して別個かつ同時に検出される、請求項62に記載の方法。
- 一組の検出プローブがコンビナトリアル多色コーディングによってラベルされている、請求項63に記載の方法。
- 工程(c)と同時に、あるいは工程(c)の後に
セカンダリーDNA鎖置換プライマーおよび直列型配列DNAを接触させ、(i)直列型配列DNAおよびセカンダリーDNA鎖置換プライマー間のハイブリダイゼーション、および(ii)直列型配列DNAの複製(ここに直列型配列DNAの複製はセカンダリー直列型配列DNAの形成を生じさせる)を促進する条件下でインキュベートすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。 - レポーター結合プライマーが少なくとも20%純粋である、請求項1に記載の方法。
- レポーター結合プライマーが少なくとも50%純粋である、請求項1に記載の方法。
- レポーター結合プライマーが少なくとも80%純粋である、請求項1に記載の方法。
- レポーター結合プライマーが少なくとも90%純粋である、請求項1に記載の方法。
- 1またはそれ以上の分析物を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上の分析物捕獲物質を接触させ、ここに分析物捕獲物質はそれぞれ、分析物と直接または間接的に相互作用し、少なくとも1つの分析物は、分析物サンプル中に存在するならば、少なくとも1つの分析物捕獲物質と相互作用し、
分析物捕獲物質および分析物の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよび分析物捕獲物質をインキュベートし、
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、または工程(a)の後に、少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、ここにレポーター結合プライマーはそれぞれ、特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、特異的結合分子はそれぞれ、分析物捕獲物質と直接または間接的に相互作用し、ならびに、
特異的結合分子および分析物捕獲物質の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートし、
(c)工程(a)または工程(b)の前に、工程(a)または工程(b)と同時に、あるいは工程(a)または工程(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、ここに増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖の環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的であり、ならびに、
増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
(d)工程(c)の後でかつ、工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
ここに増幅標的サークルの複製は直列型配列DNA形成を生じさせ、直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。 - 1またはそれ以上の分析物を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルを処理して、1またはそれ以上の分析物を修飾し、
(b)少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、ここにレポーター結合プライマーはそれぞれ、特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、特異的結合分子はそれぞれ、修飾された分析物と直接または間接的に相互作用し、ならびに、
特異的結合分子および修飾された分析物の相互作用を促進する条件下で分析物サンプルおよびレポーター結合プライマーをインキュベートし、
(c)工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、ここに増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖の、環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的であり、ならびに、
増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
(d)工程(c)の後でかつ、工程(a)または(b)の前に、工程(a)または(b)と同時に、あるいは工程(a)または(b)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
ここに増幅標的サークルの複製は直列型配列DNAの形成を生じさせ、直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。 - 修飾基を分析物と結合させることによってすべての分析物が修飾されており、ここに修飾基はすべての分析物に関して同一であり、すべての特異的結合分子はこの修飾基と相互作用する、請求項71に記載の方法。
- 1またはそれ以上の分析物を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)1またはそれ以上の分析物サンプルおよび1またはそれ以上のアレイを接触させ、ここに各アレイは一組の分析物捕獲物質、一組のアクセサリー分子、または両者を含み、各分析物捕獲物質は分析物と直接または間接的に相互作用し、
(b)工程(a)の前に、工程(a)と同時に、あるいは工程(a)の後に、少なくとも1つの分析物サンプルおよび1またはそれ以上のレポーター結合プライマーを接触させ、ここに各レポーター結合プライマーは特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、各特異的結合分子は分析物と直接または間接的に相互作用し、ここに各アクセサリー分子は少なくとも1つの分析物および少なくとも1つの特異的結合分子または少なくとも1つの分析物捕獲物質の相互作用に影響するものであり、
(c)工程(a)および(b)のいずれか、または両者と同時に、あるいは工程(a)および(b)のいずれか、または両者の後に、特異的結合分子、分析物、分析物捕獲物質およびアクセサリー分子の相互作用を促進する条件下で分析物サンプル、アレイ、およびレポーター結合プライマーをインキュベートし、
(d)工程(b)の前に、工程(b)と同時に、あるいは工程(b)の後に、レポーター結合プライマーおよび1またはそれ以上の増幅標的サークルを接触させ、ここにこの増幅標的サークルはそれぞれ、プライマー相補部分を含む一本鎖環状DNA分子を含み、このプライマー相補部分は少なくとも1つのローリングサークル複製プライマーと相補的であり、ならびに、
増幅標的サークルおよびローリングサークル複製プライマーのハイブリダイゼーションを促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
(e)工程(d)の後でかつ、工程(a)、(b)、または(c)の前に、工程(a)、(b)、または(c)と同時に、あるいは工程(a)、(b)、または(c)の後に、増幅標的サークルの複製を促進する条件下でレポーター結合プライマーおよび増幅標的サークルをインキュベートし、
ここに増幅標的サークルの複製は直列型配列DNAの形成を生じさせ、この直列型配列DNAの検出は対応する分析物の存在を示す。 - 各アレイが一組の分析物捕獲物質を含み、ここに各分析物捕獲物質は、固形支持体のあらかじめ決められた異なる領域において、固形支持体に固定されている、請求項73に記載の方法。
- 固形支持体のあらかじめ決められた異なる領域間の距離が固定されている、請求項74に記載の方法。
- 固形支持体が、薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む、請求項75に記載の方法。
- 固形支持体のあらかじめ決められた異なる領域の少なくとも2つの間の距離が可変である、請求項74に記載の方法。
- 分析物捕獲物質が、1立方センチメートル当たりの、異なる分析物捕獲物質が400を超える密度で固形支持体に固定されている、請求項74に記載の方法。
- 分析物捕獲物質がペプチドである、請求項74に記載の方法。
- 各異なるペプチドが少なくとも4アミノ酸長である、請求項79に記載の方法。
- 各異なるペプチドが約4〜約20アミノ酸長である、請求項80に記載の方法。
- 各異なるペプチドが少なくとも10アミノ酸長である、請求項80に記載の方法。
- 各異なるペプチドが少なくとも20アミノ酸長である、請求項80に記載の方法。
- 少なくとも1つのアレイが、固形支持体に固定された少なくとも1,000の異なる分析物捕獲物質を含む、請求項74に記載の方法。
- 少なくとも1つのアレイが、固形支持体に固定された少なくとも10,000の異なる分析物捕獲物質を含む、請求項74に記載の方法。
- 少なくとも1つのアレイが、固形支持体に固定された少なくとも100,000の異なる分析物捕獲物質を含む、請求項74に記載の方法。
- 少なくとも1つのアレイが、固形支持体に固定された少なくとも1,000,000の異なる分析物捕獲物質を含む、請求項74に記載の方法。
- 各あらかじめ決められた異なる領域が異なる領域のお互いから物理的に分離されている、請求項74に記載の方法。
- 固形支持体が、薄いフィルム、膜、ボトル、ディッシュ、ファイバー、織り繊維、成型ポリマー、粒子、ビーズ、微粒子、または組み合わせを含む、請求項74に記載の方法。
- 固形支持体が、アクリルアミド、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカルボナート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンラバー、ポリアンヒドライド、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフメレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、またはポリアミノ酸を含む、請求項74に記載の方法。
- 固形支持体が多孔性である、請求項74に記載の方法。
- あたかじめ決められた異なる領域内の分析物捕獲物質が少なくとも20%純粋である、請求項74に記載の方法。
- あたかじめ決められた異なる領域内の分析物捕獲物質が少なくとも50%純粋である、請求項74に記載の方法。
- あたかじめ決められた異なる領域内の分析物捕獲物質が少なくとも80%純粋である、請求項74に記載の方法。
- あたかじめ決められた異なる領域内の分析物捕獲物質が少なくとも90%純粋である、請求項74に記載の方法。
- 以下を含むキット:
(a)複数のレポーター結合プライマー(各レポーター結合プライマーが特異的結合分子およびローリングサークル複製プライマーを含み、各特異的結合分子は分析物と直接または間接的に相互作用する)および、
(b)複数の分析物捕獲物質(各分析物捕獲物質は分析物と直接または間接的に相互作用する)。 - 分析物捕獲物質が固形支持体と結合されている、請求項96に記載のキット。
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