JP2004512007A - トランス遺伝子の伝達を削減または排除する方法および組成物 - Google Patents

トランス遺伝子の伝達を削減または排除する方法および組成物 Download PDF

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Abstract

花粉または精子が異系交配されうる、減数分裂を行うトランスジェニック真核生物におけるトランス遺伝子の産生、維持および制御について開示されている;これには、トランスジェニックな動物、植物細胞、植物組織および全植物が挙げられる。さらに詳細には、本発明は、植物胞子不稔性形質(GST)を用いて雄性および/または雌性配偶子または植物配偶子によるトランス遺伝子伝達を制御することに関する。本発明の遺伝子構築物および方法は、トランス遺伝子の望まれない広がりに対する制御能を提供する。さらに、本発明は、分散および/または安定した転移事象のために、植物または他の真核生物のゲノムを強化させるツールおよび方法を提供する。

Description

【0001】
(関連出願についての相互参照)
本発明は、2000年2月28日に提出され、その全体が参照文献として本明細書に組込まれている仮出願第60/185,524号についての優先権を主張する。
【0002】
(連邦で支援された研究下で行われた発明についての権利の供述)
本発明は、部分的には、交付番号NIH GM R01 GM38148号およびNSF61−2558号の下で、政府支援で行われた。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、一般に、花粉または精子が異系交配されうる、減数分裂を行うトランスジェニック真核生物におけるトランス遺伝子の産生、維持および制御に関する;これには、トランスジェニックな動物、植物細胞、植物組成物および全植物が挙げられる。さらに詳細には、本発明は、雄性および/または雌性配偶子または植物配偶子によるトランス遺伝子伝達の制御に関する。本発明の遺伝子構築物および方法は、トランス遺伝子の望ましくない広がりに対する制御能を提供する。さらに、本発明は、分散および/または安定した転移事象のために、植物ゲノムまたは他の真核生物ゲノムを強化させるツールおよび方法をも提供する。
【0004】
(発明の背景)
本明細書の全ての出版物および特許出願は、個々の出版物または特許出願が参照文献として特定的且つ個別に組込まれることを示唆するのと同程度において、参照文献として組込まれている。
【0005】
トランスジェニック作物およびバイオテクノロジーの使用は、世界中の種子および農薬事業を劇的に変化させている。市販で重要な作物の種子は、除草剤および害敵、特に害虫に耐性であるように遺伝子操作されてきた。米国の農務省による調査(2000年6月)によると、遺伝的に修飾されたトウモロコシ、大豆および綿花は、2000年における各作物についての総米国エーカー数のそれぞれ、およそ25%、54%および61%で成長した。
【0006】
商業的に重要な作物植物での異種形質の未制御伝達は、最近、世界中で、そして作物栽培業界内で主要な懸念である。望ましくないトランスジェニック花粉の散布は、益虫に何気なく害を及ぼし、そして関連植物種にトランス遺伝子の拡散を生じさせる可能性がある。これにより、食品産物の汚染と除草剤および殺虫剤耐性雑草種の生成とに至る可能性がある。
【0007】
バイオテクノロジー業界は、干ばつ、昆虫、疾病、塩分、霜および除草剤に対して耐性等の形質を、野生植物に比べて適応性の利点を付与しうる栽培植物にトランスファーさせることに興味がある。数種の作物種は、野生種と相互適合性であることが知られている。これらの形質は、セクシャルハイブリダイゼーションを通して、野生雑草のような関連物に不注意にトランスファーされ、経済的および環境的な害を導く可能性がある。飼料草および芝草のほとんどは、栽培化を受けていることが比較的少なく、そして特定の場合(例えば、バミューダグラス(ギョウギシバ))では雑草と考えられうるので、このような遺伝的に形質転換された植物の最終的リリースおよび使用においては高い確率で大きな問題がある。飼料草は、一般に、あまり栽培化されていず、雑草の特徴を保有し、そして非常に異系交配するので、トランスジェニック飼料草の最終的リリースにおいて特別の困難さがある。
【0008】
商業的に重要な作物植物において異種形質の望ましくない伝達を避ける方法を示すことが非常に望ましい。これが達成され得る場合、異種形質の遺伝子漏洩は制御され、そして望ましくない受取物に対するこれらの形質の広がりが削減される。したがって、トランス遺伝子を含む雄性または雌性配偶子に対する選択をし、それにより異種形質の望ましくない伝達を回避、排除または削減させる遺伝子システムについての必要性が存在する。特に、トランスジェニック(すなわち、異種の)植物配偶子の伝達を防ぐ一方において、同一植物からの非トランスジェニック(すなわち、野生型)植物配偶子の伝達を許容する遺伝子システムの必要性がある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、商業的に重要な作物植物での異種形質の望ましくない伝達を制御、削減または排除する組換え核酸構築物および方法を提供することである。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、植物における異種形質の広がりを制御する遺伝子構築物および方法に向けられる。制御は、自殺遺伝子を含む雄性または雌性配偶子に対抗して選択する自殺遺伝子に操作的に連結された性特異的プロモーターを提供することによって達成される。自殺遺伝子座は、「植物配偶子自殺形質」(GST)(図1A)と称される。性特異的プロモーターの制御下で自殺遺伝子に目的のトランス遺伝子を連結させることによって、子孫へのトランス遺伝子の伝達は、有効に排除、削減または回避される。GSTを担持する配偶子が生成されないからである。
【0011】
1つの態様では、本発明は、目的のトランス遺伝子に連結された花粉特異的プロモーターの制御下、自殺遺伝子から広範に構成されると言える。トランス遺伝子複合体は、植物処女配偶子に導入されて、そしてトランス遺伝子複合体についてヘミ接合性である植物が選択されうる。ヘミ接合性植物によって産生される花粉のみが、自殺遺伝子に物理的に連結しているためにトランス遺伝子を欠いている。これにより、トランス遺伝子複合体によってコードされる異種形質が未制御に広がることが妨げられる。トランス遺伝子複合体を含む花粉が産生されないからである。
【0012】
本発明の第二の態様は、トランスポゾンに密接した近傍にGSTを位置させ、子孫細胞において分散した転移事象を選択的に強化させることに基づく。これは、GST遺伝子座を欠く配偶子のみが生育できることによるものである。生育配偶子から生成される子孫細胞の一部は転移事象を受けるであろうから、分散転移事象の選択的強化が達成される。これは、トランスポゾンがGST(GSTは、GST遺伝子座を受け継ぐような配偶子を破壊する)にもはや必然的には連結されていないからである(図1B)。
【0013】
したがって、本発明は、GSTトランス遺伝子の排除のため、そして未連結転移についての選択のために使用されうる遺伝子システムを提供する。いかなるトランス遺伝子と一緒にGSTを使用することによっても、GSTと関連トランス遺伝子の両方の雄性(または雌性植物配偶子特異的プロモーター:自殺構築物の場合には、雌性)伝達を完全に排除することができる(図2)。
【0014】
本発明は、自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、上記プロモーターおよび上記自殺遺伝子の組合せが目的の遺伝子に連結されたものを提供する。
【0015】
本発明は、自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、そのプロモーターおよびその自殺遺伝子の組合せが目的の遺伝子に連結されたものを提供する。本発明は、さらに、プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択されるような核酸を提供する。本発明は、なおさらに、自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択されるような核酸構築物を提供する。本発明は、目的の遺伝子が、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定化、栄養改善およびセルロース含量をコードする核酸より成る群から選択される。
【0016】
本発明は、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、プロモーターおよび自殺遺伝子の組合せが、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定化、栄養改善およびセルロース含量をコードする遺伝子より成る群から選択される目的の遺伝子または他の目的の作物栽培用形質に連結されたものを提供する。
【0017】
本発明は、植物におけるトランス遺伝子座の雄性伝達を削減または排除する方法を提供し、該方法は、
a)雄性配偶子特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せが、異種ポリヌクレオチドに連結されたもので植物細胞を形質転換させ;
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、該トランス遺伝子座を欠く雄性配偶子を産生させること、
を含む。
【0018】
また、本発明は、植物におけるトランス遺伝子座の雄性伝達を削減または排除する方法を提供し、該方法は、
a)花粉特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物で植物細胞を形質転換させること、ここで、
i)該自殺遺伝子は、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される;
ii)該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せは、異種ポリヌクレオチドに連結されている;
iii)該異種ポリヌクレオチドは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードするDNAより成る群から選択される;
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、該トランス遺伝子座を欠く雄性配偶子を産生させること、
を含む。
【0019】
また、本発明は、植物におけるトランス遺伝子座の雌性伝達を削減または排除する方法を提供し、該方法は、
a)雌性配偶子特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せが、異種ポリヌクレオチドに連結されたもので植物細胞を形質転換させ;
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、該トランス遺伝子座を欠く雌性配偶子を産生させること、
を含む。
【0020】
さらに、本発明は、植物におけるトランス遺伝子座の雌性伝達を削減または排除する方法を提供し、該方法は、
a)胚珠特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物で植物細胞を形質転換させること、ここで、
i)該自殺遺伝子は、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される;
ii)該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せは、異種ポリヌクレオチドに連結されている;
iii)該異種ポリヌクレオチドは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードするDNAより成る群から選択される;
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、該トランス遺伝子座を欠く雌性配偶子を産生させること、
を含む。
【0021】
また、本発明は、形質転換植物細胞が、核酸構築物についてヘミ接合性である本発明の方法によって産生される形質転換植物細胞を提供する。
【0022】
本発明は、自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せが転移因子に連結されたものを提供する。また、本発明は、該核酸構築物が、1つ以上のトランスポザーゼ遺伝子を更に含むものを提供する。さらに、本発明は、該核酸構築物が、1つ以上の目的の遺伝子を更に含むようなものを提供する。本発明は、さらになお、目的の遺伝子が転移因子と関連する核酸構築物を提供する。
【0023】
本発明は、花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターが、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せがトランスポゾンに連結されたものを提供するが、ここで、該トランスポゾンは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードする遺伝子より成る群から選択される選択マーカーを含むものである。また、本発明は、プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択されるような核酸構築物を提供する。また、本発明は、自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択されるような核酸構築物を提供する。
【0024】
本発明は、植物細胞子孫の集団において、分散した転移事象を強化させる方法を提供し、該方法は、
a)前述の核酸構築物のいずれか1つの核酸構築物で植物細胞を形質転換させて、形質転換された植物細胞を産生させること、
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、分散した転移事象が強化した植物細胞子孫を産生すること、
を含む。
【0025】
また、本発明は、分散した転移事象が強化された植物細胞子孫を単離する追加的ステップを含むような方法を提供する。また、本発明は、分散転移事象を含む植物細胞および植物を提供し、そして特に核酸についてヘミ接合である植物細胞および植物を提供する。
【0026】
本発明は、自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターである第一のプロモーターを含み、トランスポザーゼをコードする核酸およびトランスポゾンをコードする核酸を更に含む核酸構築物を提供する。また、本発明は、トランスポゾンが、選択マーカーに操作的に連結される第二のプロモーターを含む核酸構築物において、選択マーカーは自殺遺伝子でないようなものを提供する。
【0027】
本発明は、花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターが、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、該プロモーターおよび該自殺遺伝子組合せが、トランスポザーゼをコードする核酸に連結されたものを提供するが、ここで、トランスポザーゼをコードする該核酸に連結された該プロモーターおよび該自殺遺伝子の組合せは、トランスポゾンを更に含むトランス遺伝子座を含み、該トランスポゾンは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量より成る群から選択されるメンバーをコードするポリヌクレオチド配列を含ものである。本発明は、プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択されるような核酸構築物を提供する。本発明は、さらに、自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択されるような核酸構築物を提供する。また、本発明は、トランスホゾンが、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量より成る群から選択されるメンバーをコードするポリヌクレオチド配列を含むような核酸構築物を提供する。
【0028】
本発明は、植物細胞子孫の集団において、安定に分散した転移事象を強化させる方法を提供し、該方法は、
a)本発明の核酸構築物で植物細胞を形質転換させて、形質転換植物細胞を産生させること、
b)減数分裂を通して該形質転換植物細胞を増殖させて、安定に分散した転移事象が強化された植物細胞子孫を産生すること、
を含む。
【0029】
また、本発明は、安定に分散した転移事象が強化された植物細胞子孫を単離するステップを更に含むような方法を提供する。本発明は、さらに、このような方法によって単離された植物細胞およびその植物細胞から産生される植物を提供する。
【0030】
本発明は、本発明の核酸構築物を含むベクター、並びに、本発明のベクターを含む宿主細胞、組換え植物細胞およびトランスジェニック植物を提供する。さらに詳細には、本発明は、核酸構築物についてヘミ接合性であるような細胞およびトランスジェニック植物を提供する。
【0031】
本発明の他の目的、利益および特性は、ここに提供される説明および図面を検討して、当業者に明らかになる。
【0032】
前述の要約、並びに以下の本発明の詳細な説明は、添付の図面と伴に読取る場合により理解される。本発明を例示する目的のために、ここでは好ましい形態として図面の(複数の)実施形態が示されている。しかし、本発明は、示されている厳密な配列および手段に限定されるものではない。
【0033】
(詳細な説明)
特に定義されない限り、ここに使用される全ての技術的および科学的語句は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を示す。ここに記述されるものに類似するか、または同等であるあらゆる方法および材料は、本発明の実施および試験のために使用されうるが、好ましい方法および材料が、記述される。
【0034】
本発明のツールおよび方法が、配偶子を生じる全ての植物に対する使用を示すことは上記から予測される。このような植物としては、それに限定されないが、飼料草、芝草、飼料マメ科植物、野菜、農作物、樹木および装飾用花が挙げられる。
【0035】
定義
本明細書において、語句「対立遺伝子」は、遺伝子の数種の代替的形態のいずれかを指す。
【0036】
本明細書において、語句「作物植物」は、任意の商業目的のために育成される任意の植物を指し、そして以下の目的に限定されないが、種子生産、牧草生産、装飾用途、果実生産、ベリー生産、野菜生産、油生産、タンパク質生産、飼料生産、動物放牧、ゴルフ・コース、芝草、花生産、埋め立て、腐食制御、緑肥、土壌耕作/健康の改善、医薬製品/薬剤の生産、食品添加物の生産、喫煙製品、パルプ生産、および材木生産が挙げられる。
【0037】
本明細書において、語句「交雑受粉」または「交雑」は、1つの植物上の1つの花の花粉が、別の植物の花の胚珠(柱頭)に(人工的に、または自然に)塗布されるプロセスを指す。
【0038】
本明細書において、語句「栽培変種」は、園芸または作物栽培技術によって生産され、そして野生集団では正常に見出されない植物の変種、株または品種を指す。
【0039】
語句「分散した転移事象」は、トランスポゾンがトランソポゾン発射部位(供与部位)にもはや連結されない(すなわち、ごく近傍にある)ようにトランスポゾンを移動させることを指す。
【0040】
語句「雌」は、胚珠を産生する植物を指す。雌性植物は、受精後、一般に種子を産生する。「雌性植物」として称される植物は、雄および雌の両方の生殖器を含みうる。代わりに、「雌性植物」は、自然に(例えば、雌雄異株の種)または除雄(例えば、房の取除きにより)により、雌生殖器のみを含みうる。
【0041】
本明細書において、語句「雑種世代」は、特定の親世代に続く細胞、組織または生物の全世代のいずれかを指す。親の交配から生じる世代は、第一交雑世代(「F1」または「F」と称される)である一方で、F1個体の交配から生じるものは、第二交雑世代(「F2」または「F」と称される)である。
【0042】
語句「配偶子」は、その核(そしてしばしば細胞質)が、類似の起源であるが、しかし反対の性別の別の配偶子のものに融合して、接合子を形成し、新たな個体にまで発達する能力を示す生殖細胞を指す。配偶子は、一倍体であり、そして雄および雌に分化される。
【0043】
語句「遺伝子」は、生物的機能に関連したDNAの任意のセグメントを指す。したがって、遺伝子としては、それに限定されないが、それらの発現のために必要とされるコーディング配列および/または調節配列が挙げられる。遺伝子は、例えば、他のタンパク質のための認識配列を形成する非発現DNAセグメントも含みうる。遺伝子は、多様な源から得ることができ、そして目的の源からクローニング、または公知または推定配列情報からの合成が挙げられ、そして所望のパラメーターを有するように設計された配列を含みうる。
【0044】
本明細書において、語句「遺伝子型」は、個々の細胞、細胞培養、組織、植物、または植物でできた遺伝学作成物を指す。
【0045】
本明細書において、語句「ヘミ接合性」は、遺伝子が、一倍体細胞または生物での遺伝子、異種配偶子の性での伴性遺伝子、またはその相手のセグメントが欠失された二倍体細胞または生物での染色体のセグメント中の遺伝子として、遺伝子型で一度のみ存在することを特徴とする細胞、組織または生物を指す。
【0046】
「異種ポリヌクレオチド」または「異種核酸」または「外因性DNAセグメント」は、特定の宿主に対する外来源から起因するか、同じ源から得られる場合に、それを元の形態から修飾されるポリヌクレオチド、核酸またはDNAセグメントを指す。したがって、宿主細胞での異種遺伝子としては、特定宿主に内因性であるが、修飾された遺伝子が挙げられる。したがって、その語句は、細胞に対して外来または異種であるか、または細胞に同種であるが、そのエレメントが最初に見出されない宿主細胞核酸内の位置にあるDNAセグメントを指す。外因性DNAセグメントは、外因性ポリペプチドを生じるように発現される。
【0047】
「異種形質」は、外因性DNAセグメント、異種ポリヌクレオチドまたは異種核酸によって、形質転換宿主細胞またはトランスジェニック生物に分与される表現型を指す。
【0048】
本明細書において、語句「ヘテロ接合体」は、少なくとも1つの遺伝子座に存在する、異なる対立遺伝子(所定の遺伝子の形態)を有する二倍体または倍数体の個々の細胞または植物を指す。
【0049】
本明細書において、語句「ヘテロ接合性」は、特定の遺伝子座での様々の対立遺伝子(所定の遺伝子の形態)の存在を指す。
【0050】
本明細書において、語句「ホモ接合体」は、少なくとも1つの遺伝子座に同じ対立遺伝子を有する個々の細胞または植物を指す。
【0051】
本明細書において、語句「ホモ接合性」は、同種染色体セグメント中の1つまたはそれ以上の遺伝子座での同一の対立遺伝子の存在を指す。
【0052】
本明細書において、語句「ハイブリッド」は、1つまたはそれ以上の遺伝子で異なる親の間の交配から生じる任意の個々の細胞、組織または植物を指す。
【0053】
本明細書において、語句「同型交配」または「同型交配系統」は、相当に真性な交配株を指す。
【0054】
本明細書において、語句「系統」は、それに限定されないが、組織培養技術を介して、単独の親植物から植物期に促進された植物の群、または共通の(複数の)親からの子孫のため、遺伝的に非常に類似である同型交配植物の群を含めて広範に使用される。植物は、それが、(a)その系統の材料から再生される一次形質転換(T0)植物である;(b)その系統のT0植物から構成される系統を示す;か、または(c)共通の先祖により(例えば、同種交配または自家受粉を介して)、遺伝的に非常に類似する場合、特定の系統に「属する」と思われる。この内容で、語句「系統」は、例えば、ヘテロ接合性(ヘミ接合性)またはホモ接合性条件にある遺伝子または遺伝子の組合せが、植物の所望の形質を付与するように有効に性的交配の点で、植物の系統を示す。
【0055】
本明細書において、語句「遺伝子座」(複数:「遺伝子座」)は、遺伝的に定義された任意の部位を指す。遺伝子座は、遺伝子、または遺伝子の部分、またはある程度の調節的役割を有するDNA配列であり得て、そして異なる配列によって占められうる。
【0056】
語句「雄」は、花粉粉末を生じる植物を指す。「雄性植物」は、一般に、卵を受粉させるための配偶子を生じる性別を指す。「雄性植物」と称される植物は、雄および雌の生殖器の両方を含みうる。代わりに、「雄性植物」は、天然に(例えば、二倍体の種で)、または切除による(例えば、卵巣を除去することにより)かのいずれかで雄性生殖器のみを含みうる。
【0057】
本明細書において、語句「マス選択」は、個々の植物が選択され、そして次の世代は、それらの種の凝集から繁殖されることを特徴とする選択の形態を指す。
【0058】
本明細書において、語句「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、一本または二本鎖形態のいずれかでのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびその高分子を指す。特に限定されない限り、その語句は、参照核酸として類似の結合特性を示し、そして天然に生じるヌクレオチドに類似の手段で代謝される天然のヌクレオチドの核酸含有公知類似体を含む。特に指示されない限り、特定の核酸配列は、この保存的に改善されたそれの変異体(例えば、変性コドン置換)および相補配列、並びに明確に示された配列をも暗黙のうちに含む。特に、変性コドン置換は、1つまたはそれ以上の選択(または全ての)コドンの第三位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換される配列を発生させることによって達成されうる(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);Cassolら、(1992);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes8:91−98(1994))。語句核酸は、遺伝子、cDNA、および遺伝子でコードされたmRNAと相互交換可能に使用される。
【0059】
本明細書において、DNAセグメントは、それが、別のDNAセグメントと機能的関係に置かれた場合に「操作的に連結された」と言われる。例えば、シグナル配列のためのDNAは、それが、ポリペプチドの分泌に関係するプレタンパク質として表される場合、ポリペプチドをコードするDNAに操作的に連結される;プロモーターまたはエンハンサーは、それが、配列の転写を刺激する場合に、コーディング領域に操作的に連結される。一般に、操作的に連結されたDNA配列は、連続的であり、そしてシグナル配列の場合には、連続的であり、そして読取相にある。しかし、エンハンサーは、それらが、制御するその転写のコーディング配列と連続的でない必要がある。連結は、従来の制限部位で、またはその遺伝子座に挿入されたアダプターまたはリンカーでのライゲーションによって達成される。
【0060】
本明細書において、語句「開放受粉」は、遺伝子の流れに有効な防御壁がある密接なものと反対に、ある種の遺伝子の流れに自由にされされた植物集団を指す。
【0061】
本明細書において、語句「開放受粉集団」または「開放受粉された変種」は、多様性を示すが、しかしその集団または変種が、他から分化されうることによって特徴づけられる1つまたはそれ以上の遺伝子型または表現型特徴をも示す、標準に対して選択される、少なくともある程度の相互交換作用の正常な能力のある植物を指す。他家受粉に対する防御壁を有しないハイブリッドは、開放受粉集団または開放受粉変種である。
【0062】
本明細書において、語句「胚珠」は、雌性配偶子を指す一方で、語句「花粉」は、雄性配偶子を意味する。
【0063】
本明細書において、語句「胚珠特異的プロモーター」は、胚珠形成および/または機能に必須の植物の細胞または組織で選択的に核酸配列の発現を調節する、および/または植物での胚珠形成の期間まで核酸配列の発現を制限する核酸配列に広範を指す。
【0064】
本明細書において、語句「花粉特異的プロモーター」は、花粉形成および/または機能に必須の植物の細胞または組織で選択的に核酸配列の発現を調節する、および/または植物での花粉形成の期間まで核酸配列の発現を制限する核酸配列に広範を指す。
【0065】
本明細書において、語句「表現型」は、個々の細胞、細胞培養物、植物、または個々の遺伝的作成(すなわち、遺伝子型)および環境の間の相互作用から生じる植物の群の観察可能な特徴を指す。
【0066】
本明細書において、語句「植物」は、全植物、植物器官(例えば、葉、幹、根など)、種子および植物細胞およびその子孫を指す。本発明の方法に使用されうる植物のクラスは、一般に、単子葉および双子葉植物の両方を含めた形質転換技術に扱いやすい高等植物のクラスと同様に広範である。
【0067】
本明細書において、語句「プロモーター」は、転写を開始するRNAポリメラーゼを結合させることに関与したDNAの領域を指す。
【0068】
本明細書において、語句「組換え」は、組換えDNAとの形質転換を受けた細胞、組織または生物を指す。当初の組換え体は、「R0」または「R」として称される。R0生成物を自己受粉させることで、「R1」または「R」と称される第一の形質転換世代を生じる。
【0069】
本明細書において、語句「自己不適合性」は、それらの各々が、類似の交配または受粉の後に交配群の他の配偶子と一体化する能力のある場合(Mather,J.Gnet.25:215−235(1943))に、受精を達成するために雄性配偶子および雌性配偶子の、交配または受粉に続く失敗を意味する。
【0070】
本明細書において、語句「自家受粉された」または「自家受粉」は、1つの植物で1つの花の花粉が、同じ植物での同じまたは異なる花の胚珠(柱頭)に(人工的に、または自然に)使用されることを意味する。
【0071】
本明細書において、語句「安定に分散した転移事象」は、二次転移事象のような別の転移を受けない分散転移を指す。
【0072】
本明細書において、語句「自殺遺伝子」は、自殺遺伝子を発現する細胞に致命的である生成物を発現する任意の遺伝子を指す。
【0073】
本明細書において、語句「合成」は、クローンまたは種子繁殖系統の特定の組を交雑させることによって誘導される1組の子孫を指す。合成は、相互交換作用、自家受粉、および血族受粉から生じる種子の混合物を含みうる。
【0074】
本明細書において、語句「形質転換」は、核酸(すなわち、ヌクレオチド高分子)が細胞に移行することを指す。本明細書において、語句「遺伝的形質転換」は、DNA、特に組換えDNAを細胞に移行および組込むことを指す。
【0075】
本明細書において、語句「形質転換体」は、形質転換を受けた細胞、組織または生物を指す。元来の形質転換体は、「T0」または「T」と称される。T0を自家受粉することは、「T1」または「T」と称される第一形質転換世代を生じる。
【0076】
本明細書において、語句「トランス遺伝子」は、それの機能を確保する手段で生物、宿主細胞またはベクターに挿入された核酸を指す。
【0077】
本明細書において、語句「トランスジェニック」は、外来または修飾遺伝子が、外来または修飾遺伝子を受ける植物または生物の種以外の同じか、または異なる種から由来することを特徴とする形質転換の種々の方法の内の1つにより外来または修飾遺伝子を受けた細胞、細胞培養物、生物、植物、および植物の子孫を指す。
【0078】
本明細書において、語句「トランスポザーゼ」は、酵素、複数酵素、またはより一般的に、転移事象を触媒する分子または複数分子を指す。
【0079】
本明細書において、語句「転移事象」は、供与部位から標的部位までのトランスポゾンの運動を指す。
【0080】
本明細書において、語句「トランスポゾン」は、それに限定されないが、1つの染色体部位から別のところに移動することができるDNAまたはRNAのセグメントを含めた遺伝子エレメントを指す。
【0081】
本明細書において、語句「変種」は、他の類似の系統の個体から得られる形態または機能に明瞭である種の内の個体の群から構成される種の細分を指す。
【0082】
本明細書において、語句「ベクター」は、外来の核酸をコードする任意のプラスミドまたはウイルスに広範を指す。その語句は、例えば、ポリリシン化合物および同等物のような、核酸のバイロンまたは生物への移行を促進する非プラスミドおよび非ウイルス性化合物を含むとも解釈されるべきである。ベクターは、核酸の送出のための送出ベヒクルとして適するウイルス性ベクター、または細胞に対するその変異体であり得るか、またはベクターは、同じ目的のために適する非ウイルスベクターでありうる。細胞および組織に対するDNAの送出のためのウイルスおよび非ウイルスベクターの例は、例えば、Maら(1997)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94:12744−12746頁)に記述されている。ウイルス性ベクターの例としては、それに限定されないが、組換えワクシニア・ウイルス、組換えアデノウイルス、組換えレトロウイルス、組換えアデノ関連ウイルス、組換え鳥痘ウイルス、および同等物が挙げられる(Cranageら、1986、EMBO J. 5:3057−3063;1994年8月18日に刊行された国際特許出願番号WO94/17810号;1994年10月27日に刊行された国際特許出願番号WO94/23744号)。非ウイルス性ベクターの例としては、それに限定されないが、リポソーム、DNAのポリアミン誘導体、および同等物が挙げられる。
【0083】
(発明の概観)
トランス遺伝子座(目的の遺伝子)の伝達を排除する目的のための、雄性または雌性植物配偶子(小胞子または巨大胞子)の破壊のための構築物および方法が、記述されている。1つの実施形態では、小胞子破壊は、一般に、適切な自殺遺伝子に融合されたか、または性別の内の1つを通して伝達される能力のない遺伝的突然変異の使用を通して、花粉特異的プロモーターを用いて操作される。
【0084】
ヘミ接合性である場合、トランス遺伝子座の伝達を排除することは、雄性または雌特異的プロモーターの制御下で、自殺遺伝子に目的の遺伝子を連結させることによって達成される。「植物接合体自殺形質」(GST)と称されるこの構築物は、小胞子または巨大胞子に限定される細胞死を誘導し、それによりGSTに連結される目的の遺伝子の伝達を有効に削減または排除する。GST/トランス遺伝子構築物が、ヘミ接合性であるので、花粉粉末の50%は、生育可能であり、そして非トランスジェニックである。したがって、トランス遺伝子の伝達は、受粉を達成し、そして植物栽培または食品用途のための種子供給を最終的に得るように受粉が起るのを許しながら、制御されうる。多くの植物が、過剰優勢な花粉を生成するので、生成された花粉の50%の損失は、ほとんどの植物種について種子組に有害に影響しない。1つの例として、トウモロコシ(ゼア・メイズ(Zea mays))は、7日の開花期間のピークに植物について10花粉粉末/日と同じくらい多く生じる(Coeら、Corn and Corn ImprovementでのThe Genetics of Corn、第三版、編集者;Spragueら、81−258(1988))。
【0085】
トランス遺伝子座の雄性伝達を排除することは、分散および/または安定した転移事象のために強化させる新規攻略法としても使用されうる。これは、「植物配偶子の自殺形質」(GST)と一緒に、転移因子および/またはトランスポザーゼ遺伝子を含む「トランス遺伝子複合体」を操作することによって達成される。GSTは、小胞子に制限される細胞死を誘導し、そして傍の染色体領域、およびトランス遺伝子複合体内のトランスポゾン(供与エレメント)および/またはトランスポザーゼ遺伝子を含めた他のトランス遺伝子の雄性伝達を重篤に削減させる。
【0086】
トランス遺伝子複合体が、雄親でヘテロ接合性である場合、小胞子のおよそ50%が、破壊を受け、それによりトランス遺伝子複合体の雄性伝達を避け、そして連結した転移因子の雄性伝達を大いに削減させる。トランスボゾン供与部位および近傍転移のこの排除は、未連結転移、および供与体トランス遺伝子複合体で組換えた転移因子を含む花粉を強化させる総合効果を示す。
【0087】
転移事象を生き残らせるのは、転移因子内に除草剤選択マーカー遺伝子を含むことによって子孫で容易に選択されうる。GSTは、トランスポザーゼの源を含む配偶子を排除するトランスポザーゼ源に物理的に連結されもしうる。この配列は、配偶子のトランスポザーゼ源の伝達を避け、それにより継続世代での挿入を安定化させる。
【0088】
3つのエレメント(自殺遺伝子または突然変異、トランスポザーゼ源およびトランスポゾン)の全部は、分散した安定な転移を発生する確固とした方法を提供するユニットとして操作されうる。小胞子破壊に対する代替攻略法は、トランス遺伝子の雌性伝達を排除する巨大胞子自殺形質を用いて胚珠半不稔性を操作することである。
【0089】
I.核酸
A.プロモーター
植物における花粉特異的発現を起動する適切なプロモーターの多くの素晴らしい例がある。花粉特異的プロモーターは、トウモロコシ、コメ、トマト、タバコ、アラビドプシス(Arabidopsis)、ブラシカ(Brassica)、および他のもののような多くの植物種で確認された(Odell,T.O.ら、Nature313:810−812頁(1985);Marrs,K.A.ら、Dev Genet 14/1号:27−41(1993);Kim,Transgenic Res、1/4:188−94(1992);Carpenter,J.L.ら(1992)Plant Cell 4/5:557−71;Albani,Dら、Plant J. 2/3:331−42(1992);Rommens,C.M.ら、Mol.Gen.Genet.、231/3:433−41(1992);Kloeckener−Gruissenら、Embo J.、11/1:157−66(1992);Hamilton,D.A.ら、(1992)、Plant Mol Biol、Vol.18/2:211−18;Kyozuka,J.ら(1991)Mol.Gen.Genet.、Vol.228/1−2:40−8;Albani,D.ら(1991)Plant Mol Biol、Vol.16/4:501−13;Twell,D.ら(1991)Genes Dev.5/3:496−507;Thorsness,M.K.ら(1991)Dev.Biol.Vol.143/1:173−84;McCormick,S.ら(1991)Symp Soc Exp Biol Vol.45:229−44;Guerrero,F.D.ら(1990)Mol Gen Genet Vol 224/2:161−8;Twell,D.ら(1990)Development Vol. 109/3:705−13;Bichler,J.ら(1990)、Eur J Biochem Vol.190/2:415−26;van Tunenら、(1990)、Plant Cell Vol 2/5:393−401;Siebertz,B.ら(1989)Plant Cell Vol 1/10:961−8;Sullivan,T.D.ら(1989)Dev Genet Vol 10/6:412−24;Chen,J.ら(1987)、Genetics Vol 116/3:469−77)。花粉特異的プロモーターのいくつかの他の例は、ゲンバンク(GenBank)で見出されうる。別のプロモーターは、米国特許番号第5,086,169号;第5,756,324号;第5,633,438号;第5,412,085号;第5,545,546号および第6,172,279号にも提供される。
【0090】
本発明で使用するために適切な数種の他の真核生物の伴性プロモーターがある。例としては、マウスの精子細胞特異的Pgk−2プロモーター(Andoら(2000)Biochem.Biochem.Biophys.Res.Comm.272/1巻:125−8);PACAP精巣特異的プロモーター(Danielら(2000)Endocrinology、141/3:1218−27);マウスのmSP−10精子細胞特異的プロモーター(Reddiら(1999)Biology of Reproduction,61/5:1256−66);マウス精子特異的プロモーター(Ramaraら(1998)J.Clin.Invest.102/2:371−8);マウスおよびラットH1tプロモーター(vanWertら(1996)J.Cell.Biochem.60/3:348−62);ヒトPRM1、PRM2およびTNP2精子細胞特異的プロモーター(Nelsonら(1995)DNA Sequence 5/6:329−37頁);ドロソフィアのエックス伴性プロモーター(Crowleyら(1995)Molec.Gen.Genet.248/3巻:370−4);マウス精巣ACEプロモーター(Zhouら(1995)Dev.Genet.16/2巻:201−9);ラットGHRH精子形成特異的プロモーター(Srivastavaら(1995)Endocrinology 136/4:1502−8);ドロソフィアの精巣特異的プロモーター(Lankenauら(1994)Mol.Cell.Biol.14/3:1764−75);精子細胞特異的hst70遺伝子プロモーター(Widlakら(1994)Acta Biochim.Polonica 41/2:103−5);およびマウスPrm−1精子細胞特異的プロモーター(Zambrowiczら(1993)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90/11:5071−5)が挙げられる。
【0091】
本発明について、任意のプロモーターは、そのプロモーターが、一方の性別(雄または雌)に特異的である場合に適しており、そして同種染色体が、異なる細胞に分離される減数分裂Iの後に、遺伝子発現を特異的に起動させる。例えば、減数分裂IIの第四段階での遺伝子発現、花粉突然変異に至る小胞子の後期減数分裂、成熟花粉粉末、または生殖性花粉粉末で、本発明に適する。
【0092】
B.自殺遺伝子
植物配偶子の自殺形質(GST)の1つの態様は、歓迎されない減数分裂産物を死滅させる自殺遺伝子の発現に向けられる。その発現が、細胞死を生じる遺伝子の例としては、それに限定されないが、バーナーゼ(Custers,J.B.ら(1997)Plant Mol Biol 35/6:689−99;Yazymin,S.ら(1999)FEBS Lett 452/3:351−4;Goldman,M.Hら(1994)Embo J 13/13:2976−84、1994)、雄穂種子2(DeLong,Aら(1993)Cell 74/4:757−768)、およびジフテリア毒素A遺伝子(Day,C.D.ら(1995)Development 121/9:2887−95)を含めて文献に記述されたものが挙げられる。自殺遺伝子発現が、後期減数分裂Iに制限されるので、トランス遺伝子が、ヘミ接合性であり、そして減数分錬で正常に分離する場合には配偶子の50%のみが、排除される。生育できる配偶子は、自殺遺伝子を継承しない。
【0093】
本発明の別の態様によって、半不稔性は、花粉または卵の生育性に必須である遺伝子または複数遺伝子の発現を阻害するアンチセンスRNA技術を用いても達成されうる。この技術は、下でさらに詳細に検討される。
【0094】
代わりに、花粉伝達されない欠失のような、性別の一方を通して伝達する能力のない突然変異は、半不稔性を達成するためにも使用されうる。
【0095】
自殺遺伝子の特別の例としては、それに限定されないが、以下のものが挙げられる。
【0096】
雄穂種子2(ts2) 遺伝的および分子的証拠は、ts2が、フサおよび耳の小スパイクの両方でのめしべ排除のために必要とされることを示す。めしべ細胞でのts2発現は、核酸完全性の損傷および細胞死で同時発生する。どのようにts2遺伝子産物が、細胞死経路で機能するかは明らかでない。短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、特にデヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼに対するそれの類似性の概念で、2つの可能性が、論理化される。ts2産物は、細胞生育性のために必要とされる基質、おそらくステロイドを代謝しうる。代わりに、TS2作用は、細胞死応答を活性化させる信号発生分子の形成を生じうる。(Calderon−Urreaら(1999)Development、126:435)。
【0097】
ジフテリア毒素A−鎖(DTA) ジフテリア毒素A−鎖(DTA)は、タンパク質合成を阻害する、Greenfieldら、Proc.Natl.Acad.Sci.:USA、80:6853(1983);Palmiterら、Cell、50:435(1987)。
【0098】
ペクテート・リアーゼpelE エルベニア・クリサンテミ(Erwinia chrysanthemi)EC16から得られるペクテートリアーゼpelEは、ペクチンを分解し、そして細胞溶解を引起す。Keenら、J.Bacteriology、168:595(1986)。
【0099】
T−urf13(TURF−13) cms−Tトウモロコシのミトコンドリアゲノムから得られるT−urf13(TURF−13);この遺伝子は、ミトコンドリアまたは原形質膜を破壊するURF13と称されるポリペプチドをコードする。Braunら、Plant Cell、2:153(1990);Deweyら、Proc.Natl.Acad.Sci.:USA、84:5374(1987);Deweyら、Cell、44:439(1986)。
【0100】
Ginレコンビナーゼ ファージMu遺伝子から得られるGinレコンビナーゼは、植物の細胞で発現される場合に、ゲノム転移および細胞完全性の喪失を引起す部位特異的DNAレコンビナーゼをコードする。Maeserら、Mol.Gen.Genet.230:170−176(1991)。
【0101】
インドール酢酸−リシンシンターゼ(iaaL) シュードモナス・シリンジャエ(Pseudomonas syringae)から得られるインドール酢酸−リシンシンターゼ(iaaL)は、インドール酢酸(IAA)にリシンを接合させる酵素をコードする。植物の細胞で発現される場合、それは、接合を介して、細胞からのIAAの除去による改質発生を引起す。Romanoら、Genes and Development,5:438−446(1991);Spenaら、Mol.Gen;Genet.227:205−212(1991);Robertoら、Proc.Natl.Acad.Sci.:USA、87:5795−5801。
【0102】
バーナーゼ バーナーゼとしても知られる、バシルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)から得られるリボヌクレーアーゼは、それが発現されるような細胞でmRNAを消化し、そして細胞死に至らせる。Marianiら、Nature 347:737−741(1990);Marianiら、Nature 357:384−387(1992)。
【0103】
CytA毒素遺伝子 バシルス・ツリンジェンシス・イスラエリエンシス(Bacillus thuringiensis israeliensis)から得られるCytA毒素遺伝子は、殺蚊性で、そして溶血性であるタンパク質をコードする。植物細胞で発現される場合、それは、細胞膜の破壊により、細胞の死を引起す。McLeanら、J.Bacteriology、169:1017−1023(1987);Ellarら、米国特許番号第4,918,006号(1990)。
【0104】
他の真核生物での自殺遺伝子として使用するための適切な細胞死遺伝子としては、ヒトPDCD9(プログラム処理された細胞死9)およびガルス・ガルス(Gallus gallus)選択アポトーシスタンパク質p52(Carimら、(1999)Cytogenetics and Cell Genetics(スイス国)、87/1−2:85−8;シー.エレガンス(C.elegans)プログラム処理細胞死CED−3およびEGL−1(Hengarthnerら、(1999)、54:213−22;シー.エレガンスCED−3:ICEの哺乳類相同体をコードする遺伝子(インターロイキン−1ベーター−変換酵素)(Kondoら(1998)Investigative Ophthalmology & Visual Science 39/13:2769−74);ICE様プロテアーゼIch−1L、CPP32ベーター、Mch2アルファおよびMch3アルファをコードする遺伝子(Kondoら、(1998)58/5:962−7);または哺乳類細胞死遺伝子Nedd2(Kumarら、(1997)Leukemia 11補遣3:385−6)が挙げられる。
【0105】
C.トランス遺伝子および異種核酸
組換えDNA方法を用いて植物に首尾よく導入される遺伝子としては、それに限定されないが、修飾7Sマメ科植物種子保存タンパク質(米国特許番号第5,508,468号、第5,559,223号および第5,576,203号);除草剤寛容性または耐性(米国特許番号第5,498,544号および第5,554,798号;Powellら、Science 232:738−743(1986);Kaniewskiら、Bio/Tech.8:750−754(1990);Dayら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:6721−6725(1991);フィターゼ(米国特許番号第5,593,963号);Bt遺伝子によって付与される鱗翅類昆虫に対する耐性(米国特許番号第5,597,945号および第5,597,946号;Hilderら、Nature 330:160−163;Johnsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86:9871−9875(1989);Perlakら、Bio/Tech.8:939−943(1990))を含めた細菌、真菌、線虫および昆虫の有害生物に対する耐性;レクチン(米国特許番号第5,276,269号);および花の色(Meyerら、Nature 330:677−678(1987);Napoliら、Plant Cell 2:279−289(1990);van der Krolら、Plant Cell 2:291−299(1990)を含めた以下の形質:種子保存タンパク質をコードするものが挙げられる。
【0106】
特に目的のものは、除草剤に耐性を付与する遺伝子である。例としては、それに限定されないが、以下のものが挙げられる。
【0107】
(i)イミダゾアニリンまたはスルホニル尿素のような成長点または分裂組織を阻害する除草剤。このカテゴリーでの例示の遺伝子は、例えば、それぞれLeeら、EMBO J.7:1241(1988)、およびMikiら、Theor.Appl.Genet.80:449(1990)によって記述されるとおり、突然変異ALSおよびAHAS酵素をコードする。
【0108】
(ii)グリホセート(突然変異5−エノールピルビル−3−ホスフィキメート・シンターゼ(EPSP)およびaroA遺伝子により分与される耐性)およびグルホシネート(ホスフィノトリシン・アセチル・トランスフェラーゼ(PAT)およびストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)のホスフィノトリシン・アセチル・トランスフェラーゼ(バー)遺伝子)のような他のホスホン化合物、およびピリジノキシまたはフェノキシ・プロピオン酸およびシクロシェノキソン(ACCエース阻害剤コード化遺伝子)。例えば、グリホセート耐性を付与しうるEPSPの形態のヌクレオチド配列を開示する、Shahらに対する米国特許番号第4,940,835号。突然変異体aroA遺伝子をコードするDNA分子は、ATCC受託番号39256号の下で得られ、そして突然変異体遺伝子のヌクレオチド配列は、Comaiに対する米国特許番号第4,769,061号で開示される。Kumadaらに対する欧州特許出願番号第0 333 033号およびGoodmanらに対する米国特許番号第4,975,374号は、L−ホスフィノトリシンのような除草剤に対する耐性を供与するグルタミンシンターゼ遺伝子のヌクレオチド配列を開示する。ホスホリノトリチン−アセチル−トランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は、Leemansらに対する欧州出願番号第0 242 246号で提供されている。De Greefら、Bio/Technology 7:61(1989)は、ホスフィノチリシン・アセチル・トランスフェラーゼ活性をコードするキメラ性バー遺伝子を発現するトランスジェニック植物の生成について記述している。セトキシジムおよびハロキシfopのようなフェノキシ・プロピオン酸およびシクロシェキソンに耐性を供する遺伝子の例は、Marshallら、Theor.Appl.Genet.83:435(1992)によって記述されるAcc1−S1、Acc1−S2およびAcc1−S3遺伝子である。トウモロコシ植物でのホスフィノトリシン・アセチル・トランスフェラーゼをコードするストレプトマイセス・バー遺伝子の発現は、除草剤ホスフィノトリシンまたはグルホシネートに対する寛容性を生じる(米国特許番号第5,489,520号、参照してここに組込まれる)。
【0109】
特定の標的種については、異なる抗生物質または除草剤選択マーカーが、好まれうる。形質転換で日常的に使用される選択マーカーとしては、カナマイシンおよび関連抗生物質に耐性を供するnptII遺伝子(MessingおよびVierra、Gene 19:259−268(1982);Bevanら、Nature 304:184−187(1983))、除草剤ホスフィノトリシンに耐性を供する遺伝子(Whiteら、Nucl Acids Res 18:1062(1990)、Spencerら、Theor Appl Genet 79:625−631(1990))、抗生物質ハイグロマイシンに対して耐性を供するhph遺伝子(BlochingerおよびDiggelmann、Mol.Cell Biol 4:2929−2931)、およびメトトレキセートに対する耐性を供するdhfr遺伝子(Bourouisら、EMBO J. 2(7):1099−1104(1983))が挙げられる。
【0110】
トランスジェニック・アルファ植物は、それに限定されないが、以下のものを含めたアルファおよび非アルファ種の両方から単離される多数の異なる遺伝子を用いて生成した:レポーター遺伝子gusAに融合した初期ノデュリン遺伝子のプロモーター(Bauerら、The Plant Journal 10(1):91−105(1996);初期ノデュリン遺伝子(Charonら、Proc.Natl.Acad. of Sci.USA 94(16):8901−8906(1997);Bauerら、Molecular Plant−Microbe Interactions 10(1):39−49(1997);NADH−依存性グルタメートシンターゼ(Gantt、The Plant Journal 8(3):345−358(1995);3つのレシチン遺伝子の各々についてのプロモーター−gusA融合(Bauchrowitzら、The Plant Journal 9(1):31−43(1996);CaMVプロモーターに融合した海洋軟質サンゴのレニラ・レニホルムス(Renilla reniforms)のルシフェラーゼ酵素(Mayerhoferら、The Plant Journal 7(6):1031−1038(1995);Mn−スーパーオキシド・ジスムターゼcDNA(McKersieら、Plant Physiology 111(4):1177−1181(1996));バシルス・ツリンジェンシス・デルタ内毒素をコードする合成cryIC遺伝子(Strizhovら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(26):15012−15017(1996);グルカンス(Dixonら、Gene 179(1):61−71(1996);Masoudら、Transgenic Research 5(5):313−323));および葉老化遺伝子(米国特許番号第5,689,042号)。
【0111】
組換えDNA技術を用いてクローバーに首尾よく移動される遺伝子としては、それに限定されないが、以下のものが挙げられる:Bt遺伝子(Voiseyら、上記);ネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼII(Quesbenberryら、上記);梨ペクチン遺伝子(Diazら、Plant Physiology 109(4):1167−1177(1995);Eijsdenら、Plant Molecular Biolgoy 29(3):431−439(1995);オーキシン反応性プロモーターGH3(Larkinら、Transgenic Research 5(5):325−335(1996);ヒマワリから得られる種子アルブミン遺伝子(Khanら、Transgenic Research 5(3):179−185(1996);および酵素ホスフィノトリシン・アセチル・トランスフェラーゼ、バスタ除草剤に対する耐性をコードするベータ−グルクロニダーゼ(GUS)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼおよびアルファ−アミラーゼ阻害剤(Kanら、上記)をコードする遺伝子。
【0112】
他の目的のトランス遺伝子としては、それに限定されないが、リグニン含量、セルロース含量、窒素固定、栄養改善、色、ビタミン含量および組換えで生成されたワクチンが挙げられる。
【0113】
D.部位特異的組換えシステム
形質転換手段の副産物として生じる任意に挿入されるDNA配列を除去することを可能にしつつ、特定のDNA遺伝子座への挿入のためのDNA配列を標的とする方法および構築物は、米国特許番号第5,527,695号および第6,114,600号に記述される。これらの任意挿入を除去する1つの手段は、部位特異的レコンビナーゼシステムを利用することである。一般に、部位特異的レコンビナーゼシステムは、3つのエレメントから構成される:2対のDNA配列(部位特異的組換え配列)および特異的酵素(部位特異的レコンビナーゼ)。部位特異的レコンビナーゼは、2つの部位特異的組換え配列の間のみで組換え反応を触媒する。
【0114】
それに限定されないが、バクテリオファージP1のCre/loxシステム、酵母のFLP/FRTシステム、ファージMuのGinレコンビナーゼ、イー.コリ(E.coli、大腸菌)のPinレコンビナーゼ、およびpSR1プラスミドのR/RSシステムを含めて、多数の異なる部位特異的レコンビナーゼシステムが使用されうる。2つの好ましい部位特異的レコンビナーゼシステムは、バクテリオファージP1 Cre/loxおよび酵母FLP/FRTシステムである。これらのシステムでは、レコンビナーゼ(CreまたはFLP)は、それの個々の部位特異的組換え配列(それぞれloxまたはFRT)と特異的に相互作用して、介在配列を逆にするか、または削除する。これらの2つのシステムの各々についての配列は、比較的短い(loxについては34bp、そしてFRTについては47bp)。最近、酵母のFLP/FRTシステムは、それが、真核生物(酵母)で正常に機能するので、好ましい部位特異的レコンビナーゼシステムであり、そして十分に特徴づけられる。FLP/FRTシステムの真核生物の起点は、FLP/FRTシステムに、原核生物の部位特異的レコンビナーゼシステムより真核生物細胞でいっそう有効に機能させると思われる。
【0115】
FLP/FRTレコンビナーゼシステムは、植物細胞で有効に機能することが示された。トウモロコシおよびコメプロトプラストの両方で、FLP/FRTシステムの作用における実験は、FRT部位構造、および存在するFLPタンパク質の量は、切除活性に影響することを示す。一般に、短い不完全FRT部位は、完全全長FRT部位より切除産物の高い蓄積に至る。部位特異的組換えシステムは、トウモロコシ・プロトプラストでの細胞内および細胞間反応の両方を触媒し、そしてシステムが、組込み反応と同様にDNA削除のために使用されうることを示す。組換え反応は、可逆的であり、そしてこの可逆性は、各方向で反応の効率に障害を生じさせうる。部位特異的組換え配列の構造を変化させることは、この状況を改善する1つのアプローチである。部位特異的組換え配列は、組換え反応の産物が、逆反応についての基質としてもはや認識されない手段で突然変異され、それにより、組込みまたは削除事象を安定化させうる。
【0116】
E.ベクター
植物での外来DNAを発現する発現単位
上に提供されるとおり、本発明のいくつかの実施形態は、植物での外部で供給された核酸配列を発現する発現単位(または発現ベクターまたはシステム)を使用する。植物で使用するための発現単位/システム/ベクターを発生する方法は、当業界でよく知られており、そして本発明に使用するために十分に適合されうる。当業者は、ここに供される概要にしたがって本発明の方法で、適切な植物/ベクター/発現システムを容易に使用しうる。
【0117】
タンパク質の発現を調節するために使用される発現制御エレメントは、コーティング配列(相同な発現エレメント)に関連して正常に見出される発現制御エレメントか、または異種の発現制御エレメントでありうるかのいずれかでありうる。多様な同種および異種発現制御エレメントが、当業界で知られており、そして本発明で使用するために発現ユニットを作るために容易に使用されうる。例えば、転写開始領域は、オクトパイン、マンノパイン、ノパリンおよびアグロバクテリウム・ツマファシアンス(Agrobavterium tumafacians)のTiプラスミドで見出される同等物のような種々のオパイン開始領域のいずれかが挙げられる。代わりに、植物での遺伝子発現を制御するカリフラワー・モザイク・ウイルス35Sプロモーターのような植物ウイルス性プロモーターも、使用されうる。最後に、プロリフェラ・プロモーター、果実特異的プロモーター、Ap3プロモーター、加熱ショックプロモーター、種子特異的プロモーターなどのような植物プロモーターも、使用されうる。最も好ましいプロモーターは、雄性または雌性配偶子で最も活性である。
【0118】
配偶子特異的プロモーター、構築的プロモーター(CaMVまたはNosプロモーターのような)、器官特異的プロモーター(トマトから得られるE8プロモーターのような)、または誘導性プロモーターは、当業界で知られる標準技術を用いて、タンパク質またはアンチセンス・コード化領域に典型的に連結される。発現ユニットは、転写終結区および/またはエンハンサーエレメントのような補給エレメントを用いることによってさらに最適化されうる。
【0119】
したがって、植物での発現については、発現ユニットは、典型的には、タンパク質配列に加えて、植物プロモーター領域、転写開始部位および転写終結配列を含む。予備存在ベクターへの容易な挿入に対処する発現単位の5’および3’末端での特徴的制限酵素部位が典型的に含まれる。
【0120】
異種プロモーター/構造的遺伝子またはアンチセンス組合せの構築では、プロモーターは、それが、それの自然な設定で転写開始部位から得られるので、異種転写開始部位からとほぼ同じ距離に位置決めされるのが好ましい。しかし、当業界で知られるとおり、この方向でのある種の変動は、プロモーター機能の損失なしに適応されうる。
【0121】
プロモーター配列に加えて、発現カセットは、十分な終結を提供するために構造遺伝子の下流に転写末端領域をも含み得る。終結領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得られうるか、または異なる遺伝子から得られうる。構造遺伝子によってコードされるmRNAは、有効に加工されるべきである場合、RNAのポリアデニル化を指示するDNA配列も、ベクター構築物に共通して添加される。ポリアデニル化配列としては、それに限定されないが、アグロバクテリウム・オクトパイン・シンターゼ信号(Agrobavterium octopine)(Gielenら、EMBO J 3:835−846(1984))またはノパリン・シンテターゼ信号(Depickerら、Mol.and Appl.Genet.1:561−573)(1982)が挙げられる。
【0122】
生じた発現単位は、高等植物形質転換のために適切であるベクターに連結されるか、またはさもなければ、それに含まれるように構築される。ベクターは、それにより形質転換植物細胞が、培養物中で確認される選択マーカー遺伝子をも典型的に含む。通常に、マーカー遺伝子は、抗生物質耐性をコードする。これらのマーカーとしては、G418、ハイグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシン、およびゲンタマイシンに対する耐性が挙げられる。植物細胞を形質転換させた後、ベクターを有するような細胞は、特定の抗生物質を含む培地で生育するそれらの能力によって確認される。ベクターに細菌またはファージ宿主でクローン化させうる細菌またはウイルス起点の複写配列も、一般に含まれ得て、好ましくは、複写の広範な宿主範囲の原核生物の起点が含まれる。所望の構築物を担持する細菌細胞の選択を可能にする細菌のための選択マーカーも、含まれる。適切な原核生物の選択マーカーも、アンピシリン、カナマイシンまたはテトラサイクリンのような抗生物質に対する耐性を含む。
【0123】
別の機能をコードする他のDNA配列は、当業界で知られるとおり、ベクターにも存在しうる。例えば、アグロバクテリウム形質転換の場合に、植物染色体への連続移行についてのT−DNA配列も、含まれる。
【0124】
本発明の配列は、発現配列タグ(EST)、エピトープまたは蛍光タンパク質マーカーのような種々の他の核酸分子にも融合されうる。
【0125】
ESTは、遺伝子断片、特に、相補性−DNA(cDNA)クローンの3’または5’末端から配列決定された、長さ300から400ヌクレオチドである。ほぼ30,000のアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)ESTは、フランスおよびアメリカの共同企業体によって生成された(Delsenyら、FEBS Lett. 405(2):129−132(1997);アラビドプシス・タリアナ・データベース、http://genome.www.stanford.edu/Arabidopsis)。大型ESTデータベースから誘導される遺伝子−発現アターンの分析の検討のために、例えば、M.R.Fannon、TIBTECH 14:294−298(1996)参照。
【0126】
生物学的に適合性の蛍光タンパク質プローブ、特にクラゲのアクレア・ビクトリア(Aequorea victoria)から得た自己組立て緑色蛍光タンパク質(GFP)は、それらが、生きた細胞での生化学的事象の可視化を可能にするので、細胞、分子および発生の生物学での研究を革新した(Murphyら、Curr.Biol. 7(11):870−876(1997);Grebenokら、Plant J. 11(3):573−586(1997);Pangら、Plant Physiol 112(3)(1996);Chiuら、Curr.Biol.6(3):325−330(1996);Plautzら、Gene 173(1):83−87(1996);Sheenら、Plant J.8(5):777−784(1995))。
【0127】
部位指向性突然変異誘発は、可溶性修飾GFP(smGFP)と称されるコドン修飾GFPのいっそう可溶性のバージョンを開発するために使用された。アラビドプシスに導入された場合、コドン修飾GFPに比較したときに、いっそう多くの蛍光が観察され、そしてsmGFPが、その多くが溶解性および機能性形態で存在するので、「より明るい」ことを示唆した(Davisら、Plant Mol.Biol.36(4):521−528(1998))。GFPおよびベータ−グルクロニダーゼ(GUS)をコードする遺伝子を融合させることによって、研究者らは、アラビドプシスを含めた植物での一過性および安定な発現システムに使用するために最適化された1組の二機能性レポーター構築物を作成できた(Quaedvliegら、Plant Mol.Biol.37(4):715−727(1998))。
【0128】
Bergerら(Dev.Biol.194(2):226−234(1998))は、アラビドプシス・ハイポコチル(Arabidopsis hypocotyl)表皮細胞のためのGFPマーカー系統の単離を報告する。ゲラニルゲラニル・ピロホスフェート(GGPP)を含めたGFP−融合タンパク質は、多数のアラビドプシス遺伝子を局在化および特徴付けるために使用された(Zhuら、Plant Mol.Biol.35(3):331−341(1997))。
【0129】
遺伝子無能力化
有効な無能力化修飾の例は、翻訳読取り枠シフトを生じる遺伝子の開始に起る単独ヌクレオチド欠失である。このような枠シフトは、遺伝子を無能力化させ、そして非発現性遺伝子を生じ、そしてそれにより、その遺伝子による機能性タンパク質生成を妨害する。未修飾遺伝子がプロテアーゼをコードする場合、例えば、遺伝子によるプロテアーゼ生成は、プロテアーゼ遺伝子の調節領域またはコーティング領域が妨害される場合に、妨害されうる。
【0130】
ヌクレオチドを欠失させることによる遺伝子を無能化させて、一過性読取枠シフトを引起すことに加えて、無能化修飾は、DNAによりコード化されたタンパク質の形成を有効に回避する遺伝子のDNA内のヌクレオチドの挿入、置換、介入、または貫入を含めた他の技術によっても可能である。
【0131】
あまり特別でない方法の使用により遺伝子を無能力にすることも、当業者の許容性の範囲内にある。あまり特別でない方法の例は、ヒドロキシアミンまたはニトロソグアニジンのようなキメラ突然変異の使用、または遺伝子を任意に突然変異させるガンマ線照射または紫外線照射のような放射線突然変異の使用である。このような突然変異株は、遺伝子が、そのドメインの任意の1つまたはそれ以上について機能性タンパク質を生成する能力がないように無能力化遺伝子を偶然に含みうる。望ましい無能力化された遺伝子は、日常的なスクリーニング技術によって検出されうる。さらなる指針のために、米国特許番号第5,759,538号参照。
【0132】
アンチセンス・コード化ベクター
インシチュでのアンチセンス配列の発生を含めて、アンチセンス構築物を用いて植物における発現を阻害する方法は、例えば、米国特許番号第5,107,065号;第5,254,800号;第5,356,799号;第5,728,926号;および第6,184,439号に記述される。後者の2つの特許は、「ハイブリッド種子生成についての花粉制御のアンチセンス遺伝子システム」と題される。
【0133】
植物での内因性遺伝子の配列を阻害するために使用されうる他の方法は、本発明の方法でも使用されうる。例えば、二重遺伝子の必須領域での三重螺旋の形成は、この目的の役割を果す。適切な一本鎖関係物の設計を許す三重コードも、当業界で知られている(H.E.Moserら、Science238:645−650(1987)およびM.Cooneyら、Science 241:456−459(1988)参照)。プリン塩基の収縮を含む制御配列における領域は、特に魅力的な標的である。光架橋と一緒に三重螺旋形成は、例えば、D.Praseuthら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 85:1,349−1,353(1988)に記述されている。
【0134】
II.形質転換
A.植物形質転換
従来の方法によって、望ましい遺伝子または1組の遺伝子を導入するために、所望の特徴を示す植物が得られるまで、2つの系統の間の性的交雑、そしてその後、ハイブリッド子孫とその親のいずれかとの間の反復戻り交配を必要とする。しかし、この方法は、性的にハイブリッド形成しうる植物に制限され、そして望ましい遺伝子に加えて、遺伝子が、移行される。
【0135】
組換えDNA技術は、植物遺伝学者に、害虫に対する耐性のような、所望の形質についての特定の遺伝子を同定およびクローン化させ、そしてすでに有用な多様な植物にこれらの遺伝子を導入することによって、植物研究者らに、これらの制限を回避させる。いったん外来遺伝子が、植物に導入されると、それにより、その植物は、目的の遺伝子をも含む子孫を生じる従来の植物交配スキーム(例えば、血統交配、単一種子子孫交配スキーム、相反の再発選択)で使用されうる。
【0136】
遺伝子は、相同組換えを用いて、部位指向形態で導入されうる。相同組換えは、内因性遺伝子での部位特異的修飾を許し、したがって、継承されるか、または獲得された突然変異が、訂正され得て、および/または新規変化は、ゲノムに操作されうる。
【0137】
植物での相同組換えおよび部位指向性組込みは、米国特許番号第5,451,513号;第5,501,967号および第5,527,695号で検討される。
【0138】
B.形質転換方法
トランスジェニック植物を生成する方法は、当業者によく知られている。トランスジェニック植物は、現在、それに限定されないが、電気穿孔;微量注入法;粒子加速またはバイオリスティック衝撃としても知られる微量投射衝撃;ウイルス介在形質転換;およびアグロバクテリウム介在形質転換(例えば、米国特許番号第5,405,765号;第5,472,869号;第5,538,877号;第5,538,880号;第5,550,318号;第5,641,664号;第5,736,369号および第5,736369号;Watsonら、Recombinant DNA、Scientific American Books(1992);Hincheeら、Bio/Tech.5:915−922(1988);McCabeら、Bio/Tech.6:923−926(1988);Toriyamaら、Bio/Tech.6:1072−1074(1988);Frommら、Bio/Tech.8:833−839(1990);Mullinsら、Bio/Tech.8:833−839(1990);およびRaineriら、Bio/Tech.8:833−38(1990)参照)を含めた多様な異なる形質転換方法によって生成されうる。
【0139】
トランスジェニック・アルファルファ植物は、それに限定されないが、アグロバクテリウム指向性形質転換(Wangら、Australian Journal of Plant Physiology 23(3):265−270(1996);Hoffmanら、Molecular Plant−Microbe Interactions 10(3):307−315(1997);Trieuら、Plant Cell Reports 16:6−11(1996))および粒子加速(米国特許番号第5,324,646号)を含めた多くのこれらの方法によって生成された。
【0140】
形質転換は、アグロバクテリウム指向性形質転換を用いてクローバーでも首尾よく達成された(Voiseyら、Biocontrol Science and Technology 4(4):475−481(1994);Quesbenberryら、Crop Science 36(4):1045−1048(1996);Khanら、Plant Physiology 105(1):81−88(1994);Voiseyら、Plant Cell Reports 13(6):309−314(1994))。
【0141】
遺伝的形質転換は、膨大な飼料および芝草種でも報告されている(Conger B.V.Genetic Transformation of Forage Grasses in Molecular and Cellular Technologies for Forage Improvement、CSSA特別出版物番号26号、Crop Science Society of America、Inc.E.C.Brummerら編、1998、49−58頁)。これらには、カモガヤ(ダクチリス・グロメラタ・エル.(Dactylis glomerata L.))、ヒロハノウシノケグサ(フェスツカ・アルンジナセア・シェレブ(Festuca arundinacea Schreb.))、オオウシノケグサ(フェスツカ・ルブラ・エル.(Festuca rubra L.))、メドー・フェスキュー(フェスツカ・プラテンシス・ヒュッズ.(Festuca pratensis Huds.))、ホソムギ(ロリウム・ペレネ・エル.(Lolium perenne L.))、コヌカグサ(アグロスチス・パルストリス・ヒュッズ.(Agrostis palustris Huds.))およびコヌカグサ(レッドトップ)(アグロスチス・アルバ・エル.(Agrostis alba L.))が挙げられる。
【0142】
このような飼料および芝草での遺伝子トランスファーの成功は、原形質体によるDNAの直接摂取によって、そしてDNA被覆マイクロ投影法での細胞または組織の衝撃により達成された。両方の場合に、移行は、全植物再生に続く。多くの研究は、形質転換のためのプロトコールを開発および改善することに焦点を当て、そして−グルクロニダーゼ(GUS)をコードするレポーター遺伝子uidAおよびホスフィノトリシン基剤の除草剤に寛容性を付与する選択可能なマーカーバーを使用した。形質転換の証明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術、転写RNAのノーザンハイブリダイゼーション分析、溶解性タンパク質(遺伝子産物)のウエスタンブロット分析、および総ゲノムDNAのノーザンブロット・ハイブリダイゼーションによって提供された。
【0143】
III.ヘミ接合性
多重コピーが可能であるが、アグロバクテリウム形質転換法を用いて形成されたトランスジェニック植物は、典型的に、1つの染色体に単一の遺伝子を含む。このようなトランスジェニック植物は、添加された遺伝子についてヘミ接合であると呼ばれる。このような植物についてのいっそう正確な名称は、各形質転換植物が、特徴的T−DNA組込み事象(米国特許番号第6,156,953号)を表すので、独立分離集団である。トランスジェニック遺伝子座は、トランス遺伝子の存在および/または不在によって一般に特徴づけられる。1つの対立遺伝子が、トランス遺伝子の不在に対応するヘテロ接合遺伝子型は、ヘミ接合とも称される(米国特許番号第6,008,437号)。
【0144】
正常なヘミ接合性を呈して、自家受粉は、R1またはR世代としても知られる第一の自家受粉された組換え体世代で、最大限の遺伝子型分離を生じる。R1世代は、R0またはR世代としても知られる元の組換え体系統を自家受粉することによって生成される。各挿入物は、連結の不在下で、優性対立遺伝子として作用し、そして唯一のヘミ接合性挿入物を取り入れることが、寛容性発現のために要求されるので、1つの挿入物は、3:1に分離し、2つの挿入物は、15:1に、3つの挿入物は、63:1になどに分離する。したがって、比較的少ないR1植物は、少なくとも1つの耐性表現型を見出すように育成される必要がある(米国特許番号第5,436,175号および第5,776,760号)。
【0145】
上に明記されるとおり、ヘミ接合性トランスジェニック再生植物の自家受粉は、およそ25%が、ホモ接合性トランスジェニック植物であるべきF2と同等の子孫を生じるにちがいない。非形質転換対照植物に対するF2子孫の自家受粉および検定交雑は、ホモ接合性トランスジェニック植物を同定するため、そしてその系統を維持するために使用されうる。再生植物のために当初に得られた子孫は、交雑受粉から得られる場合、それにより、ホモ接合性トランスジェニック植物の同定は、自家受粉の別の世代を必要とする(米国特許番号第5,545,545号)。
【0146】
IV.半不稔性および遺伝的不稔フィルター
A.植物配偶子の不稔形質(GST)
GSTは、2または3のエレメントから構成されうる:伴性プロモーター、自殺遺伝子および都合により、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼをコードする領域。正常には、GST構築物は、転写終結区エレメントで終止しる。トランスポゾンまたはトランスポザーゼ限の封入は、分散転移についての選択のアプリケーションに特異的であり、そしてトランス遺伝子の伝達を排除する目的のために必然てきに使用されるものではない。
【0147】
使用されうる伴性プロモーターとしては、それに限定されないが、トウモロコシ、コメ、トマト、タバゴ、アラビドプシスおよびバラシカから得られる花粉特異的プロモーターが挙げられる。数種の他の例は、ゲンバンクで見出されうる。プロモーターは、一方の性(雄または雌)に特異的であり、そして同種染色体が、異なる細胞に分離された減数分裂Iの後に、遺伝子発現を特異的に起動させる。
【0148】
自殺遺伝子が、歓迎されない減数分裂産物を死滅させるために使用される。自殺遺伝子としては、それに限定されないが、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子が挙げられる。自殺遺伝子を用いることに対する2つの代替法は、1)花粉または卵の生育性に必須な遺伝子の発現を阻害するアンチセンスRNA技術を使用すること;または2)花粉で伝達されない欠失のような、性別の内の1つを通した伝達の不可能である突然変異が挙げられる。これらの代替法の両方は、半不稔性を達成するために使用されうる。
【0149】
B.半不稔性および遺伝的不稔フィルター
語句「半不稔性」および「遺伝的不稔フィルター」は、自殺遺伝子発現が、後期減数分裂Iに制限されるので、GST遺伝子座が、ヘミ接合性であり、そして減数分裂で正常に分離されるときに、配偶子の50%のみが、排除されるという概念を伝えるために発明者らによって使用される。これは、GST遺伝子座が、単独コピー(ヘミ接合性条件)でゲノムで存在するときに、自殺遺伝子が、減数分裂の産物のおよそ2分の1に伝達され、そして50%不稔速度を生じるという事実による。GSTを受継ぐ花粉は、花粉特異的プロモーターが、自殺遺伝子に操作的に連結される場合に、生存しない。
【0150】
50%生育性花粉の生成は、分散転移の回復のために、および/または雄性受精能力における主要な効果なしに、トランス遺伝子伝達を避けることが必要である。
【0151】
C.植物配偶子の半不稔性
本発明は、特異的トランス遺伝子複合体を継続する配偶子を排除する「遺伝的不稔フィルター」を発生する、花粉半不稔のような植物配偶子の「半不稔性」を利用する技術の使用を記述する。GSTへの花粉特異的プロモーターの組込みは、このトランス遺伝子複合体を受継ぐ花粉中のGSTに連結されたトランス遺伝子の伝達を避ける。
【0152】
このトランス遺伝子複合体は、転移因子および/またはトランスポザーゼ遺伝子のための打上部位をも含みうる。この場合に、トランスポゾン供与体部位および/またはトランスポザーゼと一緒に、トランス遺伝子複合体の排除は、トランス遺伝子複合体で組換えた、またはゲノムを通して分散される(もはやGSTに連結されていない)転移事象を強化させながら、傍の転移を排除する総効果を示す。この方法論は、分散転移より主に局在化されることを支持するトランスポゾン突然変異誘発攻略法の数種の最近の限界を克服する。本発明は、トランスポゾン分散を達成する陰性の選択マーカーの最近の用途で大いに改善する(Sundaresan,V.ら、(1995)Genes Dev. 9/14:1797−810;Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell 11巻:1841−1852)。さらに、トランスポザーゼ限の伝達を排除する遺伝的不稔フィルターの使用は、子孫で新たに転移されたエレメントを安定化させ、それにより突然変異同定を妨害する体細胞性または二次転移事象を排除する。
【0153】
半不稔形質およびそれに関連したトランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼの特性は、自殺遺伝子、プロモーター、トランスポゾンシステム、および種の選択によって詳細では異なりうる。しかし、半不稔と同じ基本的技術は、性的に繁殖されうるトウモロコシ、コメ、大豆、小麦、エンバク、大麦、および動物および真菌のような非植物システムのようなこのような種で、多くの植物、単子葉類および双子葉類の両方で転移を回復するために使用されうることが強調される。さらに、小胞子排除に対する代替攻略法は、巨大胞子自殺形質を操作することによって、トランス遺伝子複合体の雌性伝達を排除することである。
【0154】
半不稔形質は、トランスポゾン打上部位および/またはトランスポザーゼ遺伝子のような、特別の染色体領域を担持する減数分裂の産物(配偶子)を排除するために使用される。この「遺伝的不稔フィルター」は、トランス遺伝子複合体の雄性または雌性伝達を排除するために使用される。この排除方法は、未連結(分散)された転移因子または打上部位から組換えたエレメントを強化させる総効果を示す;トランスポザーゼ遺伝子のような、他の遺伝子の伝達を同時に排除し、それにより子孫での転移を安定化するためにも使用される。半不稔性を達成するために、多数の好ましい方法は、本発明によって意図される。1つの方法は、歓迎されない小胞子を死滅させる自殺遺伝子の小胞子特異的発現を支持することに依る。この方法は、適切な自殺遺伝子に融合され、それによって、遺伝子融合を受け継いだ減数分裂の産物のみを死滅させる、花粉特異的プロモーターのような特定のプロモーターを使用することによって達成される。ヘミ接合性条件での単一コピートランス遺伝子について、これは、50%の配偶子を表す。花粉は、大過剰で生成されるので、花粉生殖能力を50%まで削減させることは、連続種子生産で主要な成果は示さない。
【0155】
半不稔性を生じることに関する本発明の態様は、当業界で知られているハイブリッド種子生産のための全雄性不稔性を達成するのに支援される先の方法と異なる。これらの方法で、支援は、ハイブリッド種子の市販生産を促進する完全な雄性不稔性を達成するためにあった。これは、通常、植物胞子で、または全ての小胞子で自殺遺伝子の発現に関与する。例えば、絨毯の細胞でのバーナーゼ発現は、完全な雄性不稔性を生じる(Beals,T.P.ら(1997)The Plant Cell.Vol.9:1527−45)。ハイブリッド種子生産で、花粉半不稔性は、所望の結果、すなわち、雄性不稔性(雌)親の異系交配を達成するのに不十分である。小胞子特異的自殺遺伝子およびそれに関連したエレメントが、単一コピー(ヘミ接合性条件で)にあるゲノムに存在する場合に、自殺遺伝子は、減数分裂の産物のおよそ2分の1に伝達され、そしてハイブリッド種子生産のために市販で許容できない生育できる花粉生成の速度、50%半不稔性の平均を生じる。本発明について、50%生育できる花粉の生産は必須であり、そして分散転移を回復すること、および/またはトランスポザーゼ伝達を回避することが重要である。したがって、植物配偶子の不稔形質は、同時に、他のゲノム(供与体エレメントおよび/またはトランスポザーゼ遺伝子なしに、転移されたエレメントを含む非トランスジェニックおよびゲノムが存在する)に、伝達させながら、歓迎されないゲノムを排除するフィルターとして使用される。1つの実施形態では、本発明は、トランスポゾン打上部位および/またはトランスポザーゼ源を含むトランス遺伝子複合体を排除するためにこの「遺伝的不稔フィルター」を利用する。
【0156】
V.交配方法
開放受粉された集団 ライ麦、多くのトウモロコシおよび砂糖ダイコン、牧草イネ科植物、アルファルファおよびクローバーのようなマメ科植物、およびカカオ、ココナッツ、パーム油およびある種のゴムのような熱帯樹木作物のような作物の開放受粉された集団の改善は、高度(しかし最大限から遠い)のヘテロ接合性を維持しながら、好ましい対立遺伝子の固定に向けた遺伝子頻度を変化させることに基本的に依存する。このような集団での均一性は、不可能であり、そして開放受粉された変種での忠実性−対−型は、個々の植物の特徴的でなく全てとして集団の統計的特性である。したがって、開放受粉された集団の異種性は、同系交配系統、クローンおよびハイブリッドの同種性(または実質的にはそのとおりである)と対照的である。
【0157】
集団改善方法は、正常にマス選択と称される純粋に表現型の選択に基づくもの、および子孫試験での選択に基づくものの2つの群に自然に入る。集団間の改善は、開放交配集団の概念を利用し、そして1つの集団から別のものに流れるための遺伝子を可能にする。1つの集団での植物(栽培変種、株、環境型、または任意の生殖質源)は、自然に(例えば、風により)、または手により、またはミツバチ(一般に、アピス・メリフェラ・エル.(Apis mellifera L.)またはメガチレ・ロツンダタ・エフ.(Megachile rotundata F.))によるかのいずれかによって、他の集団からの植物と交雑される。選択は、望ましい形質を示す植物を、両方の源から単離することによって、1つ(またはしばしば両方)の集団を改善するために使用される。
【0158】
開放受粉された集団改善の基本的に2つの一次的方法がある。第一に、集団が、選択された選択手段によって集団で変化される状況がある。成果は、隔離されてそれ自身の中で任意に交配することによって漠然と増殖される改善された集団である。第二に、合成的変種は、集団改善として同じ最終結果を達成するが、しかしそれは、親系統またはクローンから再構築されなければならないことのように、それ自身増殖性でない。開放受粉された集団を改善するためのこれらの植物交配手段は、当業者によく知られており、そして他家受粉植物を改善するために日常的に使用される交配手段の包括的検討は、膨大な文献および記事で提供され、そしてAllard、Principles of Plant Breeding,John Wiley & Sons,Inc.(1960);Simmonds,Principles of Crop Improvement,Longman Group Limited(1979);HallauerおよびMiranda、Quantitative Genetics in maize Breeding,Iowa State University Press(1981);およびJensen、Plant Breeding Methodology、John Wiley & Sons,Inc.(1988)が挙げられる。
【0159】
マス選択 マス選択で、所望の個々の植物が選択され、収獲され、そして種子は、子孫試験なしに複合されて、続く世代を生じる。選択は、母親のみに基づいていて、そして受粉を超える対照がないので、マス選択は、実質上、選択で任意の交配の形態に等しい。上で主張されるとおり、マス選択の目的は、集団での優れた遺伝子型の比率を増大させることである。
【0160】
合成 合成変種は、開放受粉により、変種の連続維持と共に、全ての可能性のあるハイブリッド組合せでの優れた組合せ能力のために選択される多数の遺伝子型を同一育種間で交雑させることによって生成される。ある種の砂糖ダイコンおよびマメ(ビシア(Vicia))またはクローンでと同様に、牧草イネ科植物、クローバーおよびアルファルファでと同様に、親が、(多かれ少なかれ自家交配された)種子増殖系統であるかどうかは、根本的に重要でない。親は、しばしば、検定交配または品種系統間交雑することによって、さらに一般には多重交雑により、一般的に組合せた能力で選択される。親の種子系統は、慎重に同系交配されうる(例えば、自家受粉または近親交配により)。しかし、親が、慎重に同系交配されなかった場合でさえ、系統維持の間の系統内の選択は、ある程度同系交配が起ることを保証する。もちろん、クローナル親は、未変換のままであり、そして非常にヘテロ接合性なままである。
【0161】
合成物が、親の種子生産プロットから農家まで直接進むか、または1または2周期の増殖を最初に受けなければならなかは、種子生産および種子の需要の規模に依存する。実施では、イネ科植物およびクローバーは、一般に1回または2回操作され、したがって、元の合成から相当に除去される。
【0162】
マス選択は、しばしば使用される一方で、子孫試験は、それらの増殖の簡単さおよび対象に対する明らかな関連性、主に、合成での全般的組合せ能力の探索のため、一般に、多重交雑のために好ましい。
【0163】
合成に入る親の系統またはクローンの数は、広範に変化する。実際に、親の系統の数は、10から数百までの範囲にあり、そして100−200は、平均である。100またはそれ以上のクローンから形成される広範な基本の合成は、狭い基本の合成より種子増殖の間にいっそう安定であると予想される。
【0164】
ハイブリッド ハイブリッドは、異なる遺伝子型の親の間の交雑から生じる個別の植物である。市販のハイブリッドは、現在、コーン(トウモロコシ)、モロコシ属、砂糖ダイコン、ヒマワリおよびブロッコリーを含めた多くの作物で集約的に使用される。ハイブリッドは、2つの親を直接交雑させることにより、別の親との単一交雑ハイブリッドを交雑させること(3つの方法または三重交雑ハイブリッド)によって、または2つの異なるハイブリッドを交雑させる(4つの方法または二重交雑ハイブリッド)ことによることを含めた多くの異なる方法で形成されうる。
【0165】
厳密に言うと、異系交配(すなわち、開放受粉)集団でのほとんどの個体は、ハイブリッドであるが、しかし語句は、通常、親が、そのゲノムはそれらが異なる種または亜種として認識されるために十分に区別できる個体である場合に保存される。ハイブリッドは、2つの親のゲノムでの定性および/または定量的差異によって、稔性であるか、または不稔性でありうる。ヘテローシス、またはハイブリッド生長力は、通常に、ハイブリッドを形成するために使用された親の系統と比較した場合、ハイブリッドの生長、生存および受精能力の勢いが増加したことを生じる異型接合性が増加したことに関連する。最大限のヘテローシスは、通常、2つの遺伝的に異なり、非常に同系交配された系統を交雑させることによって達成される。
【0166】
ハイブリッドの生産は、十分に発達した産業であり、そしてそれらの系統から生じる親系統およびハイブリッドの両方の単離された生産に関与する。ハイブリッド生産方法の詳細な検討のために、例えば、WrightのCommercial Hybrid Seed Production 8:161−176、In Hybridization of Corp Plants,上記参照。
【0167】
VI.トランスポゾンおよび転移因子
トランスポゾンは、同じ染色体または異なる染色体での供与体染色体部位から標的部位までに転移(運動)の能力のある遺伝的エレメントである。トランスポゾンは、コーティング配列、イントロン、およびプロモーターへの挿入によって突然変異を引起して、そして標的遺伝子活性をしばしば完全に排除する。トランスポゾンによって引起された突然変異は、しばしば、その遺伝子からのトランスポゾンの連続切除によって脱安定化されうる。集約的に「トランスポザーゼ」と称される1つまたはそれ以上のタンパク質が、トランスポゾンの切除および組込みのために必要とされる。トランスポザーゼのそれら自身の源をコードするトランスポゾンは、自立性エレメントと称される。トランスでのトランスポザーゼを供給することが、トランスポザーゼをコードしないが、転移のために必要とされる末端配列、通常転化された反復(非自立性エレメント)を含むトランスポゾンを転移させうる。
【0168】
A.Dsエレメント
好ましい実施形態の内の1つで、Dsエレメントは、それが、転移のために必要とされる末端配列(Coupland,G.ら(1989)Proc Natl Acad Sci USA 86:9385−8;Chatterjee,S.ら(1995)Mol Gen Genet.249:281−8)、エンハンサー検出のためのGUSレポーター遺伝子に融合された最小限プロモーター(−47CaMV 35Sプロモーター);対峙配向で、遺伝子捕捉目的のためにエンハンサー蛍光、二重スペクトルGFP遺伝子(Haseloff,J.ら(1997)Proc Natl Acad Sci USA.94:2122−7;Haseloff,J.ら(1999)Methods Mol Biol. 122:241−59;Haseloff,J.(1999)Methods Cell Biol. 58:139−51)に融合されたスプライスアクセプター部位を含むように意図される。このDsエレメントは、標的遺伝子転写に関して、一方の挿入配向でエンハンサー捕捉、または他の配向では遺伝子捕捉のためのスクリーニングするために使用されうる。Dsを用いた第二の実施形態は、機能の利得の突然変異を発生するために、Dsエレメントの一方の末端で転写アクチベーターを置換する。両方のエレメントは、部位特異的組換えのためのloxP部位を得る(Osborne,B.I.ら(1995)7:687−701;Medberry,S.L.ら(1995)Nucleic Acids Res. 23:485−90;Qin,M.ら(1994)Proc Natl Acad Sci USA 91:1706−10)および組織培養および土壌選択のための除草剤(フィナレ(登録商標)(Finale))bar遺伝子(Thompson,C.J.ら(1986)EMBO J.6:2519−23)を含む。フィナレ(登録商標)は、グルホシネート除草剤の登録商標である。
【0169】
B.植物でのトランスポゾンおよび挿入突然変異の利用性
トランスポゾンは、細菌、真菌、植物および動物ゲノムの遺伝的分析および機能的ゲノム分析で大いに利用性を示す。植物では、遺伝子操作トランスポゾンは、コメ(Izawa,T.ら(1997)Plant Mol Biol Vol.35/1−2:219−29)、タバコ、アラビドーシス、レタスおよび数種の他のものを含めた数種の種(検討のために、Sundaresan,V.(1996)Trends Plant Sci.Vol.1:184−190)に首尾よく導入された。数名の調査者は、転移のための陽性選択のための方法(Fedoroff,N.V.ら(1993)Plant J.Vol.3:273−289;Honma,M.ら(1993)Proc Natl Acad Sci USA Vol.90/13:6242−6)、未連結エレメントについての選択(Tissierら、(1999)The Plant Cell Vol.11:1841−1852;W.R.;Sundaresanra(1995)Genes Dev.9/14:1797−810)、ゲノムを通しての分散打上部位(Cooley,M.B.ら(1996)Mol Gen Genet Vol.252/1−2:184−94、Knapp,S.ら(1994)Mol Gen Genet Vol.243/6:666−73;Osborne,B.I.ら、(1991)Genetics Vol.129/3:833−44;Takken,F.L.ら(1998)Plant J Vol.14/4:401−11、Thomas,C.Mら(1994)Mol Gen Genet Vol.242/5:573−85;van der Biezen,E.A.ら、1996 Mol Gen Genet Vol.251/3:267−80)およびエンハンサーおよび遺伝子捕捉のようなエレメントへの追加特性(検討のために、Sharknes,W.C.、(1990)Biotechnology 8:827−831;W.R.;Sundaresanら、(1995)Genes Dev 9/14:1797−810参照)および転写活性化(Fritze,K.ら(1995)Methods Mol Biol Vol.44:281−94;Kakimoto,T.、(1996)Science Vol.274/5289:982−5;Kardailsky,I.;ら、(1999)Science Vol.286/5446:1962−5)を含めて、転移事象を受ける効率を増強する巧妙な方法を提案した。
【0170】
トランスポゾンの利用性での膨大な進行を考慮した場合でさえ、それらは、機能的ゲノム分析のための制限をなお示す。転移は、しばしば、染色体内であり、しばしば、供与体および標的部位の間の短い物理的距離内にある(Moreno,M.A.ら、(1992)Genetics Vol. 131:939−956;Athma,P.ら、(1992)Genetics Vol. 131:199−209)。この制限は、ほとんどの新たな挿入が、ゲノムを通して任意に分散されたことが分かった多くの小さなエレメントで、供与体部位(打上部位)を囲む領域で起ることを意味する。第二に、転移の方法は、通常には制御されず、そして非常に多くの体細胞性挿入に至り、そしてそれは、子孫に、そして生殖的に伝達された事象で非調和に至りうる発生的に早期の転移伝達されない。体細胞で、そして一過的に転移を制御する能力のなさは、体細胞および生殖の突然変異事象の間の対応なしにより、目的の遺伝子での偽陽性挿入の高いバックグランドを生じうる。
【0171】
C.分散転移を回復する技術の現状の方法
2つの方法は、非分散転移の制限を部分的に克服することが現在利用できる。1つの方法は、ゲノムじゅうの第一の分散トランスポゾン打上部位を利用する。しかし、この方法は、広範に拡大したゲノム保護を達成する多量のトランスジェニック開始系統を必要とする。転移事象を分散する第二の方法は、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼを含む供与体部位に対抗して選択するためにiaaH、pehA、R404、またはシトシン・デアミナーゼ遺伝子のような陰性選択マーカー(類)を使用することである。供与体エレメントに対抗した選択は、傍の(連結された)転移に対抗しても選択して、そして未連結転移のための向上を生じる。陰性選択は、未連結DsおよびSpm転移を回復するために、アラビドプシスで使用され(W.R.;Sundaresanら、(1995)Genes Dev.9/14:1797−810;Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell Vol. 11:1841−1852)、そして2つの陰性選択マーカーは、予備除草剤変換(O’keefe,D.P.ら、(1994)Plant Physiol Vol. 105:473−482;Dotson,S.B.ら、(1996)The Plant Jounal Vol.10/2:383−392)、土壌選択に論理的になじみやすい方法に基づいた。
【0172】
それにもかかわらず、陰性選択マーカーの使用は、多量の独立転移の回復に重大な制限を強いる。第一に、数種のこれらのマーカーは、組織培養基本(W.R.;Sundaresanら(1995)Genes Dev.9/14:1797−810);転移(Fedoroff,N.V.ら、(1993)Plant J.Vol.3:273−289)、多量の分散転移を回復する方法に大いに費用および時間を加える労働集約的手段の使用を必要とする。第二に、陰性選択は、化合物によって、連結エレメントまたはトランスポザーゼ、またはその両方を担持する子孫の排除に基づく(Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell Vol. 11:1841−1852;W.R.;Sundaresanら(1995)Genes Dev.9/14:1797−810)。子孫排除は、種子数が限定される場合、問題になりうる。例えば、主に自家受粉種であるコメ(オルザ・サチバ(Orza sativa))のような植物では、他家交雑は、退屈で、そして時間がかかり、そして十分に得られうる子孫の数を大いに制限する。したがって、転移速度は、低く、そして未連結転移が、少数の転移事象を表す場合、分散転移を回復する陰性選択を使用するのに費用がかかり、そして実行不可能である。例えば、異系交配により、10,000転移を回復するために、1−5%転移の速度、50%減数分裂分離、およびただ30%の未連結転移を説明するのは、概算の数百万の子孫植物を必要する。最終的に、予備除草剤のような陰性選択性の剤の使用は、重大な環境衝撃を示し得て、そして分散転移を担持する多数の子孫のために選択することが必要とされうる化合物の使用により費用がかかる。さらに、これらの化合物のほとんどは、野外用途のために認可されていない。
【0173】
VII.トランスポザーゼ
花で発現されたトランスポザーゼ
突然変異誘発、遺伝子タグ付け、および機能性ゲノム分析のために転移を使用することに関してさらなる制限は、転移方法の間じゅうの発生および一過性の対照の欠如である。ほとんどの場合に、それ自身のプロモーターの制御下で、または構築的プロモーターの制御下でのトランスポザーゼ遺伝子発現は、植物の植物性発生の間に起る。トランスポザーゼ源の植物性発現は、体細胞転移を導く。これらの転移は、これらの体細胞系統が、巨大胞子または小胞子を後に生じる場合のみに、子孫(生殖転移)に伝達される。これは、2つの理由によって問題である。第一に、植物性または早期生殖性発生の間に起る転移は、クローンで増殖され、そして多くの配偶子に後に伝達されて、子孫で回復された多数の非独立エレメントを生じうる。これは、多数の独立の転移が、機能性ゲノム分析または遺伝子タグ付けのために必要とされる場合には望ましくない。第二に、体細胞の転移は、しばしは、表皮系統で、または末端植物構造で生じるもののような、ゲノムを生じる系統を包含しない。これらの転移は、けして部分的に伝達されず、したがって、子孫で未回復している。これは、これらの体細胞事象が、突然変異として組織DNAサンプルで偽に同定され得て、子孫でなお、けして回復されない問題がある。これは、突然変異スクリーンは、PCR基本の例の化合物である場合に特に問題がある(Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell Vol. 11:1841−1852;McKinney,E.C.ら、(1995)Plant J.Vol.8:613−622;Krysan,P.J.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.93:8145−8150;Frey,Mら、(1997)Science Vol.277:696−699)。
【0174】
本発明の別の実施形態では、体細胞転移の問題を最小限にするために、トランスポザーゼ遺伝子は、小胞子および巨大胞子の生産に至る花の表皮下の系統での遺伝子発現を起動する花特異的プロモーターの制御下に置かれる。このようなプロモーターとしては、非配偶子性のアペテラ(無花冠)1、アペテラ2、アペテラ3、ピスチレート(雄ずいのみの雄花)、およびトウモロコシおよびコメのような他の植物種で見られるそれらの相同体のような遺伝子に見られるものが挙げられる。例えば、アペテラ3プロモーターは、発生中の花の分裂組織の花弁およびガク片の始原細胞でのレポーター遺伝子の発現を起動する。ap3プロモーターの制御下のトランスポザーゼ発現は、花の発生に制限される転移を生じ、そして小胞子を引起す系統で生じる場合に、これらの事象は、次の世代に伝達される。この方法による転移の制御は、2つの効果を示す:1)それが、体細胞の転移を遮断する;および2)それは、花粉が多くの異なる花の分裂組織から誘導される場合に、多量の独立性転移を誘導する。したがって、体細胞組織は、体細胞または二次転移の懸念なしに、サンプル採取され得て、そして各花の分裂組織が、転移事象の独立源になる。
【0175】
VIII.コメ−モデル植物システム
A.米国および世界中でのコメ農業
世界の集団のおよそ半分は、主にコメからその熱量摂取を行う。年間の世界中の生産レベルは、200百万ヘクタール以上に育成された400百万メートル・トンを超える(匿名の(2000)USDA World Agriculture Supply and Demand Estimates.USDA Agricultural Marketing Service.出版物WASDE−362)。
【0176】
現時点で、米国は、1.4百万ヘクタールに栽培された、年当たり7.5百万メートル・トンのコメを生産し、そして市販で17億米ドルを生じる(匿名の(2000)USDA World Agriculture Supply and Demand Estimates.USDA Agricultural Marketing Service.出版物WASDE−362)。この国で生産される3分の2以上のコメは、主にアシアおよびラテンアメリカで、市場に輸出され、そして米国を世界中で三番目に大きな輸出国にした。
【0177】
最近育成されたコメ変種のおよそ99%が、公的交配プログラムの結果であり、そして多くは、国際コメ研究所(IRRI)および熱帯農業の国際センター(CIAT)のようなCGIAR国際研究センター(http://www.cgiar.org/irri/crucial.htm)によって支援される交配プログラムから始まる。米国のコメ変種の大半は、アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピー、テキサスおよびカリフォルニアのシュウで開発される。農業バイオテクノロジーは、現代変種のコメ系統を開発するのに徐々に重要になってきている;バイオテクノロジー開発は、この世界的市場で競合する米国コメ農家を大いに支援することが予想される。
【0178】
B.単子葉類開発のためのモデルシステムとしてのコメ
シリアルは、世界で最も重要な食品作物を含み、そして比較的最近の分類群と考えられ、そしてただ65百万年前に共通の祖先から進化する(Martin,W.ら、(1989)Nature 339;46−48;Moore,G.ら、(1995)Trends Genet.11:81−82)。差異が、ゲノムサイズ、ハプロイド染色体数、および反復配列組成での変動で生じてさえ、この若い歴史は、遺伝子構造および順序における相当な程度の保存に反映される(Moore,G.ら、(1993)Bio/technology.11:584−589)。例えば、トウモロコシゲノムは、コメのものより8倍長く(Ahn,S.ら、(1993)Genetics 90:7980−7984)、そして様々の数の染色体に組織化され、さらに、相対的分子分析は、集約的合成が、多量のそれらのゲノムの間で同定されうることを示した(Ahn,S.ら、(1993)Genetics 90:7980−7984;Bennetzen,J.L.ら、(1993)Trends Genet.9:259−261)。
【0179】
コメは、シリアルイネ科植物についての立派なモデル植物である。コメは、基本的な生物学的問題を調査し、そして収量、ハイブリッド生長力、および単一および多遺伝子の疾患耐性のような作物栽培形質について学ぶために使用されうる。コメの異なる種類が、熱帯氾濫から乾燥地温度までで、多様な環境条件に適合され、その結果、それは、実生活適合性反応のためのモデルである。
【0180】
コメは、相当に短い世代時間(90−120日)を示し、そして年当たり3つまたはそれ以上の世代を得ることが可能になる。突然変異の多量収集は、コメで知見され、そして特徴付けられた。
【0181】
トランスジェニック・コメは、アグロバクテリウム指向性(Hiei,Y.ら、(1994)Plant J.6:271−82;Hiei,Y.ら、(1997)Plant Molec Bio.35:205−218;Zhang,J.ら、(1997)Mol Biotechnol.8:223−31)またはバイオリスチック法(Christou,P.ら、(1991)Biotechnology.9:957−962;Buchholz,W.G.ら、(1998)Methods Mol Biol.81:383−96)によって有効に生成される。最も重要には、コメは、アラビドプシス・ゲノムのものより約3倍大きい、ゲノムサイズおよそ500メガベース(Mb)(Arumanagathan,K.ら、(1991)Plant Mol.Biol.Report.9:208−218)を示し、そして2004の周辺で配列決定されると計画された。グラミナエ(Graminae)の構成員および重要な作物植物として、植物生物学の重要な態様についての基礎的情報の価値は、コメゲノム学から学ばれうる(McCouch,S.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:1983−5;Wilson,W.A.ら、(1999)Genetics.153:453−73)。
【0182】
C.コメゲノム学
コメは、最も濃厚に地図決めされた植物ゲノムの内の1つである(McCouch,S.R.ら、(1997)Plant Mol Biol.35:89−99;Panaud,O.ら、(1996)Mol Gen Genet.252:597−607)。2つの最も開発された組換えの地図は、3,000以上のRFLPおよびSSRマーカーが、地図決定された、Cornell(http://genome.cornell.edu/rice/)および日本でのコメゲノムプロジェクト(RGP)(http://www.dna.affrc.go.jp)で開発されたものである。コメのYAC−基本の物理的地図は、64%以上のゲノムを網羅し、そして4,000の地図決定されたESTを含む(Ashikawa,I.ら、(1999)Genome.42:330−7)。71,000クローンのPACライブラリーが、STSおよびESTで地図決定され、そして地図決定されたクローンは、およそ30%のゲノムを網羅する。37,000および55,000構成員を有する2つのBACライブラリーは、BAC末端で配列決定し、そしてフィンガープリンドし、そしてBAC基本の物理的地図が、構築された(http://www.genome.clemson.edu/projects/rice/)。
【0183】
コメゲノムは、500Mb(Arumanagathan,K.ら(1991)Plant Mol.Biol.Report.9:208−218)および340,000遺伝子を含むと算定される。国際コメゲノム配列決定プロジェクトは、オリザ・サチバ・エスエスピー.ジャポニカ・シービー.ニッポンバレ(Oryza sativa ssp.japonica cv.Nipponbare)の完全ゲノム配列を得るために、1998年に形成された。10カ国が、この努力に協力している。最近、約10Mbが、ゲンバンクに提出された。
【0184】
D.トランスポゾン基本のゲノム学プログラムの利用性
トランスポゾンの使用についての主要な判断は、機能性ゲノム研究についての突然変異原の他の型を越えるそれらの固有の利点である。コメでは、T−DNAおよびレトロトランスポゾン突然変異誘発は、重大な制限を示す。最近、両方の方法は、連続組織培養選択および挿入を回復する体細胞再生、不十分で、時間がかかり、そして体細胞クローナル変種の導入する傾向がある方法を要求する(Bao,P.H.ら、(1996)Transgenic Res.5:97−103;Evans,D.A.(1989)Trend Genet.5:46−50)。両方の薬剤は、安定な挿入のみを発生し、そしてそれは、続いて、任意の突然変異体対立遺伝子の利用性を制限する。さらに複雑な問題に対して、T−DNA挿入は、しばしば大きく、複雑な直列であり、そして突然変異体対立遺伝子の分子分析に困難さを引起す(McKinney,E.C.ら、(1995)Plant J.8:613−622;Krysan,P.J.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.93:8145−8150;Krysan,P.J.ら(1999)Plant Cell.11:2283−2290;Galbiatiら、(2000)Functional & Integrative Genomics,出版中)。
【0185】
多くの例で、T−DNA−またはレトロトランスポゾン−誘導対立遺伝子のような単独の機能の喪失突然変異は、遺伝子機能を起動するのに十分な情報を提供しない。例えば、データに対する制限された研究に基づいて、多くの遺伝子妨害は、十分に識別できる表現型を生成しない(McKinney,E.C.ら、(1995)Plant J.8:613−622;Krysan,P.J.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.93:8145−8150)。しかし、これらの遺伝子の多くは、突然変異体系統の形態学または発生のスクリーニングに基づいて、部分的に冗長、重複または検出されない特異的機能を示すので、これは、遺伝子重要性の欠如を暗示しない。発現分析および別の対立遺伝子のようなさらに詳細な情報は、必須である。
【0186】
他方、Ac/Dsシステムのような2エレメントトランスポゾン突然変異誘発は、簡単な挿入による安定な遺伝子妨害を生じうる。遺伝子操作されたDsエレメントは、コメ(Izawa,T.ら(1997)Plant Mol Biol.35:219−29)を含めた数種の植物種に首尾よく導入された(検討のために、Martienssen,R.A.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.95:2021−6;Sundaresan,V.(1996)Trend Plant Sci.1:184−190参照)。
【0187】
機能性ゲノムについてのトランスポゾンの利用性は、エンハンサーおよび遺伝子捕捉(検討のために、Martienssen,R.A.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.95:2021−6;Sharknes,W.C.(1990)Biotechnology 8:827−831;Sundaresan,V.、Springer,ら、(1995)Genes Dev.9:1797−810参照)および転写活性化(Fritze,K.ら、(1995)Methods Mol Biol 44:281−94;Kakimoto,T.、(1996)Science.274:982−5;Kardailsky,I.ら、(1999)Science 286:1962−5)のような合成トランスポゾンへの結合特性により大いに増強された。このような特性を組込むことによって、遺伝的に冗長である遺伝子でさえ、機能的に分析されうる。最も重要には、トランスポゾンを再起動させる能力は、誘導対立遺伝子を有効に発生させ、そしてこれらのエレメントの局在化転移特性によって遺伝子の傍に有効に突然変異させる特徴的な機会を作り出す(Long,D.ら(1997)Plant J.11:145−8;Jones,J.D.G.ら、(1990)Plant Cell.2:701−707;Osborne,B.I.ら(1991)Genetics.129:833−44)。ただ数個の十分に特徴付けられたトランスジェニック系統および適切な遺伝的攻略法で開始して、分散転移の集約的な収集は、連続組織培養選択または再生についての必要性なしに、有効に発生されうる。
【0188】
E.コメゲノムを通して任意に分散するDs
本発明としては、それに限定されないが、コメゲノムを含めた特異的ゲノムに使用されうる方法が挙げられる。コメは、シリアルイネ科植物についての目立ったモデル植物である。コメゲノムに対しする本発明の方法を使用して、1つの目標は、コメゲノムを通して分布される安定なDs挿入の集約的収集を生じることである。この仕事を達成するために、数種の遺伝的攻略法は、非独立転移を最小限にする主要な目標で、コメゲノムを通して分散Ds転移、および子孫での安定化された転移因子が予測される。本発明の方法で使用するために予測される特異的株は、オリザ・サチバ・エスエスピー.ジャポニカ・シーブイ.ニッポンバレであり、その株は、IRGSPによって配列決定される。
【0189】
本発明の1つの実施形態では、コメゲノムを通して任意に分散するDsが、予測される。Dsは、しばしば、短い遺伝的距離を越えて局所的に転移する傾向があるので、遺伝的攻略法は、この偏見に対抗するために使用されなければならない。過去に、これは、子孫でのDs打上部位に対して選択することに基本的に関与する種々の方法を用いて(Sundaresan,V.ら、(1995)Genes Dev. 9:1797−810;Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell 11巻:1841−1852)、またはゲノムを通して多くの打上部位を最初に分散させること(Osborne,B.I.ら(1991)Genetics.129:833−44;Cooley,M.B.ら(1996)Mol Gen Genet 252:184−94;Knapp,S.ら(1994)Mol Gen Genet 243:666−73;Takken,F.L.ら(1998)Plant J 14:401−11;Thomas,C.Mら(1994)Mol Gen Genet.242:573−85;van der Biezen,E.A.ら、(1996)Mol Gen Genet.251:267−80)によって、達成された。
【0190】
Ds転移を分散する2つの攻略法が、予測される。第一の方法は、任意の連結された転移因子と一緒に、打上部位の転移を排除するためにDs打上部位に花粉特異的自殺形質遺伝子を含ませることに広範に向けられる。自殺形質は、適切な細胞死遺伝子の発現を起動する花粉特異的プロモーターを組込むことによって操作される。打上部位構築物は、単一コピーであり、そして保存植物でヘミ接合であり、減数分裂の産物の50%は、T−DNAを引継ぎ、そして遺伝的自殺を受ける;残りの産物は、生育可能な花粉を生成する。打上部位で染色体内で、または染色体外のいずれかで組換えられたそれらの転移Dsは、花粉伝達された。これらのエレメントは、除草剤マーカー(bar遺伝子)を、Dsエレメントに組込むことによって、子孫で容易に検出される。除草剤マーカーは、当初の組織培養選択マーカーとして、そして後に、未連結Dsエレメントを収容する子孫における土壌基本の選択として、二重目的の役割を果す。
【0191】
花粉自殺法は、未連結転移について選択するための先の攻略法より固有の利点を示す。それの主要な利点は、花粉が、大過剰で生産され、そして花粉半不稔性は、環境的に健全であり、そしてもしあれば、種子生産にほとんど衝撃を示さないことである。子孫では、検定交雑子孫の50%(または自家受粉の場合に75%)は、それらが、打上部位(および/または下に説明されるとおりトランスポザーゼ遺伝子)を受継ぐので、簡単に、陰性選択によって選びとられる。コメでは、異系交配が、転移を回復することが要求される場合、種子生産は、限定因子でありうる。さらに、陰性選択のために使用される予備除草剤のような化合物(Tissier,A.F.ら、(1999)The Plant Cell 11巻:1841−1852;Dotson,S.B.ら、(1996)The Plant Jounal Vol.10/2:383−392)は、市販で利用できるか、または野外用途のために連邦で認可されないかいずれかである。組織培養基本の陰性選択(Sundaresan,V.ら、(1995)Genes Dev. 9/14:1797−810;Kobayashi,T.ら、(1995)Jpn J.Genet.70:409−22)は、コメで実現不可能である。
【0192】
本発明の1つの実施形態では、花粉特異的自殺形質は、自殺遺伝子の発現を起動する適切なプロモーターを使用して操作される。数種の自殺遺伝子が、利用でき、そしてバーナーゼ遺伝子(Goldman,M.Hら(1994)EMBO J 13:2976−84)、関連RNエース(Fedorova,N.D.ら(1994)Mol Biol(Mosk).28:468−71)、ジフテリア毒素A鎖遺伝子(Tsugeki,R.ら、(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.96:12941−6;Nilsson,O.ら、(1998)Plant J.15:799−804;Uk Kimら、(1998)Mol Cells.8:310−7;Day,C.D.ら、(1995)Development 121:2887−95)およびその他(Delong,A.ら(1993)Cell.74:757−768)が挙げられる。バーナーゼの使用は、花粉特異的プロモーターに融合されるときに、小胞子自律性細胞死を発しえするために有効な方法であることが示された(Custers,J.B.ら、(1997)Plant Mol Biol.35:689−99)。先の方法と対照的に、本発明の方法は、完全な雄性不稔性に対峙した場合、半不稔性を生じることに依存し、そしてそれは、小胞子で特異的バーナーゼ発現を操作することによって本発明の1つの態様で達成されうる。数種のプロモーターが、この目的のために利用でき、そしてコメ(Zou,J.T.ら、(1994)Amer.J.Botany.81:552−561)およびトウモロコシの両方の花粉特異的プロモーター(Hamilton,D.A.ら、(1992)、Plant Mol Biol.18:211−8)、および数種の双子葉植物種から得られる花粉特異的プロモーター(Twell,D.ら(1991)Genes Dev.5/3:496−507;Kulikauskas,R.ら、(1997)Plant Mol Biol.34:809−14;Custers,J.B.ら、(1997)Plant Mol Biol.35:689−99;Albani,Dら、(1991)Plant Mol Biol. 16:501−13;Kim,Y.ら、(1992)Transgenic Res.1:188−94;Twell,D.ら(1990)Development Vol. 109:705−13;van Tunenら、(1990)、Plant Cell Vol 2/5:393−401)が挙げられる。好ましい実施形態では、トウモロコシプロモーターのような異種花粉特異的プロモーター(Hamilton,D.A.ら、(1992)、Plant Mol Biol.18:211−8)は、遺伝子スプライシングの可能性を極大にすることが予測される。
【0193】
T−DNA(打上部位)を排除する上での花粉自殺機構の効率の評価は、例えば、自殺遺伝子、およびアグロバクテリウム指向性T−DNA形質転換を介してコメのような生物に形質転換されたbar遺伝子を含む構築物を使用することによって達成されうる(Hiei,Y.ら、(1994)Plant J.6:271−82;Hiei,Y.ら、(1997)Plant Molec Bio.35:205−218;Zhang,J.ら、(1997)Mol Biotechnol.8:223−31)。その後、数種の単独コピーT−DNA系統(SCTL)は、サザン分析によって同定される(Ausebel,F.M.ら、(1987)In:Current Protocols in molecular biology,編集Chanda,V.B.Boston:John Wiley & Sons,Inc.)。T−DNA排除の効力について試験するために、その後、PCR実験は、T−DNAの伝達を検出するために未選択の異系交配子孫で行われる。この分析は、未選択子孫から得られるDNAプールで行われる(例えば、最小の384DNAプール、各プールは、12の植物を含む)。この評価手段を用いて、トランスポザーゼ原(下に説明される)、花粉自殺遺伝子、およびDs−barエレメントを含むもののような他の構築物が、試験されうることが予測される。
【0194】
F.トランスポザーゼ発現
本発明の別の実施形態は、非独立のものの回復を最小限にしながら、独立の転移について強化させるように指示される。これを達成する1つの方法は、非独立性事象の早期クローナル増殖および減数分裂の転移を回避するために発生中に転移を遅延させることによるものである。転移の発生時期を越える制御は、Acトランスポザーゼ遺伝子を起動する異種プロモーターを用いることによって達成される(Rommens,C.M.ら、(1992)Mol.Gen.Genet.231:433−41;Balcells,L.ら、(1994)Plant Mol Biol.24:789−98;Scofield,S.R.ら、(1992)Plant Cell.4:573−82;Swinburne,J.ら、(1992)Plant Cell.4:583−95;Grevelding,C.ら、(1992)Proc Natl Acad Sci USA.89:6085−9)。数種の異種プロモーターは、本実施形態で予想される。
【0195】
好ましい実施形態では、独立の転移を強化させる攻略法は、無性転移を回避するために、好ましくはメシベ発現を除外しながら(下に説明された理由のため)、花の発生に独占的に、トランスポザーゼ発現を制限することである。花特異的プロモーターは、原始のオシベの形成の間に、トランスポザーゼ発現を起動するために使用され得て、そしてコメ(Moon,Y.H.ら、(1999)Plant Mol Biol.40:167−77;Kang,H.G.ら、(1998)Plant Mol Biol.38:1021−9;Greco,R.ら、(1997)Mol Gen Genet.253:615−23)またはトウモロコシMADS−ボックス遺伝子プロモーター(Mena,M.ら、(1996)Science 274:1537−40;Mena,M.ら、(1995)Plant J.8:845−54)のようなメシベ発現を妨げる数種が利用できる。転移の頻度を増強するために、全長cDNAおよびAcトランスポザーゼの切断バージョンの両方が、コメで使用されうる。切断バージョン(ORF103−807)は、異種植物種での転移の頻度を増強することが示された(Houba−Herinら、(1990)Mol Gen Genet.224:17−23;Li,M.G.ら、(1990)Proc Natl Acad Sci USA.87:6044−8)。
【0196】
花の発生に対するトランスポザーゼ発現を制限することは、各小花が、転移の独立の源を表すことを意味する。統計的に、非独立の転移の回復は、低く、各葯からの花粉が、独立の転移の源と考えられる場合、それにより同じ葯から得られる花粉から誘導された子孫種子の頻度は、ありそうもなく、種子(小突起当たり1つ)より少なくとも6倍多い葯(小突起当たり6つ)が、生成される。本発明の実施形態は、35S起動転移(全長および切断されたもの)およびbar遺伝子の5’UTRに挿入された簡単なDsエレメントと一緒に、コメに形質転換された花で発現されたトランスポザーゼ構築物の使用が挙げられる。その後、単独コピー挿入物系統が、サザン文政によって同定され、そしてこれらの植物は、野生型雄性不稔のIR36雌に異系交配される。その後、子孫芽生えは、Dsが排除される子孫を選択するフィナレ(登録商標)(Finale)(下を参照)の2つの花の使用にかけられる。Ac/Ds転移の機構(Chen,J.ら、(1987)Genetics.117:109−116;Chen,J.ら、(1992)Genetics 130:665−676;Greenblatt,I.M.ら、(1962)Genetics.47:489−501)に基づいて、これらの子孫の40%以上が、連結または未連結の転移されたDsエレメントを含む。各保存物から得られる登録商標フィナレ耐性子孫が、独立の転移の回復の効率を決定するサザン分析によって分析される。
【0197】
いったん転移されると、Dsエレメントは、安定化されることが必要で、なおさらに、再起動される能力を示す。転移Dsエレメントを安定化するために、適切なトランスポザーゼ遺伝子は、Ds打上部位を含む最終T−DNA構築物内に含まれる。花粉自殺過程またはbarアンチセンス攻略法は、T−DNAと一緒にトランスポザーゼ源を排除し、それにより、子孫での任意の転移Dsエレメントを安定化させる。連続世代中にトランスポザーゼを再導入することは、Dsエレメントを容易に不安定化させる可能性があり、そして近隣の遺伝子の突然変異誘発(Long,D.ら(1997)Plant J.11:145−8;Ito,T.ら、(1999)Plant J.17:433−44)または任意の単独遺伝子の再構築性(飽和)突然変異誘発(Moreno,M.A.ら、(1992)Genetics.131:939−956;Athma,P.ら、(1992)Genetics.131;Das,L.ら、(1995)Plant Cell.7:287−94)が局在化される。
【0198】
(実施例)
実施例1.遺伝的構築物
pYU904−合成Dsエレメント
転移に必要とされるAcの5’末端と3’末端を合わせることによって合成Dsエレメントを構築した。その断片の3’末端にHindIIIクローニング部位を、そして5’末端にHindIIIおよびXhoI部位の両方を加える一方で、座標4312から座標4565bpより得られるアクチベーターエレメント(Ac)(ゲンバンク受託X01380)(配列番号3)の5’末端を増幅するために、プライマーP643(aagctttggccatattgcagtcatcc)(配列番号1)およびP644(aagcttgctcgagcagggatgaaagtaggatggga)(配列番号2)を使用する。座標1から座標221bpより得られるAcエレメントの3’末端を増幅するために、プライマーP645(gaattccctcgagtagggatgaaacggtcggtaac)(配列番号4)およびP646(gaattcgaatatatgtttcatgtgtgat)(配列番号5)を使用し、そして、増幅される断片の5’末端に追加のEcoRI制限部位を加え、その断片の3’末端に追加のEcoRIおよびXhoI制限部位を加える。ベクターpCR2.1−TOPO(Invitrogen)で、これらの断片を個々にクローニングした。
【0199】
プラスミドpYU890は、Acエレメントの5’末端断片を含み、そしてプラスミドpYU892は、Acエレメントの3’末端断片を含んだ。
【0200】
プラスミドpYU892を、EcoRI(New England Biolabs)で消化させ、そして230塩基対(bp)EcoRI挿入物を、pUC19(ゲンバンク受託M77789)のEcoRI部位にクローニングして、pYU899を生じた。
【0201】
pYU890を、HindIII(New England Biolabs)で消化させ、そして250塩基対(bp)挿入物を、プラスミドpYU899のHindIII部位にサブクローニングして、プラスミドpYU902を生じた。このプラスミドは、転移に必要とされるAcの5’および3’末端と、引き続くクローニング目的のための内部ポリリンカー部位を含む。
【0202】
まず、SacIおよびSal Iで消化させ、クレノーで充填し、リゲーションさせることによって、pBLUESCRIPT II K/S(Stratagene)の欠失誘導体(pYU903)を構築した。その後、プラスミドを、Asp718およびAspIで消化させ、クレノーで充填し、そしてリゲーションさせた。誘導プラスミドは、KpnI−SacIポリリンカーの制限部位を欠失するが、しかし無傷のXhoIクローニング部位を有することを表す。
【0203】
pYU902を、XhoI(New England Biolabs)で消化させ、そして内部の571bp断片を、pYU903のXhoI部位にクローニングさせて、pYU904を生じた(図4A)。このプラスミドは、Acの5’および3’末端と、現時点でそのプラスミドに特有であるDsエレメント内に多重クローニング部位を含む。このDsエレメントは、「Ds−ポリリンカー」と称される。
【0204】
pYU905−選択マーカー遺伝子を含むDsエレメント
ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hydroscopicus)(ゲンバンク(Genbank)受託X17220)(配列番号6)から得られるbar遺伝子を含む1.1kbSmaI断片を、0.6kb CaMV35Sプロモーター断片(BenfeyおよびChua,1990)および3’ポリアデニル化信号エレメント(同等514−813)(ゲンバンク受託V00090)(配列番号7)に融合させて、プラスミドpYU117を作成した。
【0205】
プラスミドpYU117を、HindIIIおよびSnaBI(New England Biolabs)で消化させ、そしてCaMV35Sプロモーター−bar遺伝子−終結区断片を含む1.8kb 断片を、クレノー断片DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)で充填した。修飾断片を、pYU904のSn部位にクローニングさせて、pYU905を生じた(図4B)。
【0206】
pYU905は、Ds−ポリリンカー転移因子の内側にCaMV35S起動bar遺伝子を含む。この合成Dsエレメントは、「Ds−bar」と称される。
【0207】
pYU846−トランスポザーゼ源
切断読取枠(ORFa103−807)(Lee and Starlinger, PNAS 87:6044−6048)を有するトランスポザーゼcDNAを含むプラスミドpKU108Aを、NcoIおよびBamHI(New England Biolabs)で消化させた。内部の2.1kb断片を精製し、そして同じ酵素で先に消化させたpRTL2(Restrepo−HartwigおよびCarrington,J. Virology 66:5662)にサブクローニングさせた。生じたプラスミドpYU846(図5)は、CaMV35Sプロモーター、切断AcトランスポザーゼcDNA(アミノ酸103−807)および35Sポリアデニル化配列の間の転写融合を含んだ。
【0208】
GST構築物
バシルス・アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)のバーナーゼ遺伝子に基づいたGST構築物の2つの例は、表1(配列番号15)および表2(配列番号16)に示される。これらの構築物は、絨毯特異的タバコプロモーターTA29(ゲンバンク受託A18052)(配列番号8)を、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)(At59)から得られる双子葉植物の花粉特異的プロモーター、またはオリザ・サチバ(Oryza sativa)(コメ)から得られる単子葉植物の花粉特異的プロモーター(ゲンバンク受託Z16402)(配列番号9)に置換することによって誘導される。
【0209】
At59プロモーターおよび5’UTRは、プライマーP755(acccatgtgagtttctttcttctccat)(配列番号10)およびP756(ttataggaaaattccagcagctcagcat)(配列番号11)を用いて、エイ.サリアナ(A.thaliana)Col−OゲノムDNAから増幅される。これらのプライマーは、翻訳の開始時に位置決めされる5’PstIクローニング部位および3’NcoI部位を導入しつつ、プロモーターおよび5’UTR配列を同時に増幅する。このNcoIsを、3’末端にノパリンシンターゼ・ポリアデニル化信号エレメントを含むバーナーゼ遺伝子の0.74kb NcoI−EcoRI部位に融合させて、At59PSP:ナーナーゼ:nosトランス遺伝子を作成する(表1)(図3A)。
【0210】
同様に、コメ花粉特異的プロモーター(ゲンバンク受託Z16402)(配列番号9)は、5’EcoRI部位を導入し、そして翻訳の開始時に3’NcoI部位を含みつつ、プロモーターおよび5’UTR断片を増幅させるプライマーP731(gaattccggccatggcatcctttag)(配列番号12)およびP732(ccatggatgatgtggctgcaaatg)(配列番号13)を用いてオルザ・サチバ・エスエスピー.インディカ(Orza sativa ssp.indica)IR36ゲノムDNAから増幅される。この0.74kb EcoRI−NcoI断片を、3’断片にノパリンシンターゼ・ポリデニル化信号エレメントを含むバーナーゼ遺伝子のNcoI部位に連結させて、OsPSP:バーナーゼ:Nosトランス遺伝子を作成する(表2)(図3B)。
【0211】
T−DNA構築物
T−DNAベクターpPZP200(ゲンバンク受託U10460)(配列番号14)を、pYU846から得られる3.2kb PstI断片に連結されたPstIで消化させて、pYU1001を生じる。pYU1001を、Asp718で消化させ、クレノーで充填し、そしてT4DNAポリメラーゼで処理した1.2kb PstI−EcoRIAt59:バーナーゼ:nos遺伝子断片(pYU1002)に、または1.3kbクレノーで処理したEcoRI OsPSP:バーナーゼ:nos遺伝子断片(pYU1003)に連結させる。
【0212】
pYU1002またはpYU1003を、SalIで消化させ、そしてpYU905から誘導される2.3kb XhoIDs−barエレメントに連結させて、GST,トランスポザーゼ源およびDs−barエレメントを含むプラスミドpYU1004を得る。
【0213】
【表1】
Figure 2004512007
【0214】
【表2】
Figure 2004512007
【0215】
実施例2.トランス遺伝子伝達の回避または排除
ヘミ接合性の場合、トランス遺伝子遺伝子座の伝達を排除することは、雄性または雌特異的プロモーターの制御下で、目的の遺伝子を、自殺遺伝子に連結されることによって達成される。「植物配偶子の自殺形質」(GST)と称されるこの構築物は、GSTを受取る小胞子または巨大胞子に制限される細胞死を誘導して、それによりGSTに連結される目的の遺伝子の伝達を有効に削減または排除させる。
【0216】
トランスジェニック花粉から排除することを望む特別の形質を担持する遺伝子(すなわち、目的のトランス遺伝子)は、それが、GSTに物理的に近傍である限りどのような場所にも入れうる。GSTトランス遺伝子複合体が、ヘミ接合性であるので、GSTトランス遺伝子複合体に完全な連結があり、そしてGSTおよび他の遺伝子および/またはトランス遺伝子が組換わる懸念はない。
【0217】
本発明の方法は、培養および再生を必要としないインプランタまたは種子形質転換技術と共に使用されうる。この技術の例は、Bechtold、N.ら、(1993)CR Acad.Sci.Paris/Life Sciences 316:1 118−93;Chang,S.S.ら、(1990)Abstracts of the Fourth International Conference on Arabidopsis Research,Vienna,28頁;Feldmann,K.A.およびMarks,D.M.(1987)Mol.Gen.Genet.208:1−9;Ledoux,L.ら、(1985)Arabidopsis Inf Serv.22:1−11;Feldmann,K.A.(1992)In:Methods in Arabidopsis Research(編集者Koncz,C.,Chua,N−H,Schell,J.)274−289頁;Chee,ら、米国特許出願番号第5,376,543号に記述されている。
【0218】
アラビドプシス
barトランス遺伝子に連結されるGST構築物を含むプラスミド(すなわち、At59PSP:バーナーゼ:nosまたはOsPSP:バーナーゼ:Nos)を、電気穿刺法によって、アグロバクテリウムに、そしてその後真空浸透法(Bechtoldら、2993、上記)を用いてアラビドプシスに形質転換させる。先に検討されるとおり、bar遺伝子構築物は、CaMV35Sプロモーターによって誘導されたホスフィノトリシン・アセチル・トランスフェラーゼ(PAT)をコードして、ホスフィノトリシン(PPT)に対する耐性を供する。
【0219】
形質転換体は、PPTに対する耐性に基づいて選択され、そしてT2種子は、多数の独立の系統から発生される。この種子を、種々の濃度の除草剤を含むGM培地に平板培養させ、そして生殖および生存についてスコアーを取る。野生型または耐性突然変異体のいずれかを過剰発現する多重トランスジェニック系統は、空のベクター対照に致死的である除草剤濃度で相当数の幼植物を生じる。
【0220】
トランス遺伝子複合体および当初のトランスジェニック系統に含まれるべきトランス遺伝子または目的の遺伝子は、単独コピーの直列でない複写挿入を示す系統を同定するために、トランス遺伝子遺伝子座の数、およびトランス遺伝子挿入の複雑さとして特徴づけられるのみを必要とする。当初のトランスジェニックの特徴付けは、PCRおよび/またはサザン分析によって達成され、両方の方法は、DNA増幅およびゲル電気泳動の技術の当業者に十分に知られている。
【0221】
目的のGST/トランス遺伝子のための形質転換植物ヘミ接合、この実施例では、bar遺伝子は、適切な統計的手段(例えば、ランダム化された完全ブッロク設計または格子設計)を用いて、目的のトランス遺伝子単独(すなわち、GSTで、トランス遺伝子内に存在するものはない)についてホモ接合性/ヘテロ接合性の形質転換植物と、そして対照の野生型植物(すなわち、GSTおよび目的のトランス遺伝子の両方を欠く植物)と同じ生育条件下で育成される。花粉は、個々の植物の各々から収集され、そしてトランス遺伝子について分析し、および/または野生型植物に対して制御される交雑が、行われ、そして種子は、植物基準当たりで収集され、そして結果物の種子/植物を、トランス遺伝子について分析する。
【0222】
GST/トランス遺伝子複合体についてヘミ接合性の植物および野生型植物は、その全てが目的のトランス遺伝子を含むことに失敗する花粉および/または種子/植物を生じる。対照的に、トランス遺伝子に対してヘテロ接合性の植物は、目的のトランス遺伝子について正常な分離を示す花粉および種子/植物を生じる。目的のトランス遺伝子に対してホモ接合性の植物は、その全てが目的のトランス遺伝子を含む花粉を生じる。野生型植物を交雑させるときに、目的のトランス遺伝子に対してホモ接合性である植物は、目的のトランス遺伝子について正常な分離パターンを示すF2種子/植物を生じる。したがって、GST/トランス遺伝子複合体に対してヘミ接合性の植物は、トランス遺伝子を示す花粉を生じるのに失敗した一方で、トランス遺伝子単独に対してホモ接合性またはヘテロ接合性の植物は、目的のトランス遺伝子を含有する少なくとも同じ花粉を生じる。
【0223】
これは、本発明の分散転移態様についてと同じ状況である。当初のトランス遺伝子複合体は、GSTおよびトランスポゾンの両方および/またはトランスポザーゼを担持する。トランスジェニック系統が発生された後に、それらは、分散転移について選択される。したがって、1つまたは2つのトランスジェニック系統は、連続選択のために必要とされる全てである。別の形質転換は必要ない。形質転換体の選択で支援することが望まれる場合、CaMV35Sプロモーター/bar遺伝子構築物のような別の任意のトランス遺伝子が添加されうる。
【0224】
芝草
遺伝子が、トウモロコシから得られる花粉特異的プロモーターの制御下でバーナーゼをコードすることを特徴とする核酸構築物(GST)は、ラウンドアップ(登録商標)(Roundup)耐性遺伝子が、GSTに連結されるように行われる。未受精の(すなわち、野生型)芝草ゲノムを、結果物のトランスジェニック植物がトランス遺伝子複合体に対してヘミ接合性であるように3つのエレメント(トウモロコシの花粉特異的プロモーター、バーナーゼ遺伝子、登録商標ラウンドアップ耐性遺伝子)を含むトランス遺伝子複合体で形質転換させる。
【0225】
トランスジェニック植物を、無性で増殖させて、トランス遺伝子複合体に対してヘミ接合性でもある子孫植物を得る。トランスジェニック植物から無性生殖で発生した全ての植物は、ラウンドアップ(登録商標)処置に耐性があるが、交雑受粉を介したラウンドアップ(登録商標)耐性遺伝子の伝達は、生育できないトランスジェニック花粉が生成されるので排除される。
【0226】
GST構築物は、雄特異的であるので、ヘミ接合体のトランスジェニック系統は、野生型花粉に交雑させることによって維持されうる。トランス遺伝子排除が要求される(例えば、分散転移についての選択で)場合、それによりヘミ接合体のトランスジェニック系統は、雄(花粉供与体)として使用され、そして野生型雌と交雑される。この例で、非トランスジェニック花粉または分散転移を含む花粉のみが、増殖される。トランス遺伝子の歓迎されない花粉伝達(例えば芝草での除草剤耐性)を排除する目的のために、ヘミ接合体のトランスジェニック系統が栽培され得て、そして野生型花粉のみが生存する。
【0227】
アルファルファ
遺伝子が、コメから得られる花粉特異的プロモーターの制御下でバーナーゼをコードすることを特徴とする核酸構築物(GST)は、Bt遺伝子がGSTに連結されるようになる。未受精の(すなわち、野生型)アルファルファゲノムを、結果物のトランスジェニック植物がトランス遺伝子複合体に対してヘミ接合性であるように3つのエレメント(コメの花粉特異的プロモーター、バーナーゼ遺伝子、Bt遺伝子)を含むトランス遺伝子複合体で形質転換させる。
【0228】
ヘミ接合体のトランスジェニック植物を、無性で増殖させて、トランス遺伝子複合体に対してヘミ接合性でもある子孫植物を得る。植物は、特定の鱗翅類昆虫有害生物に耐性/寛容性があるが、交雑受粉を介したBt遺伝子の伝達は、生育できないトランスジェニック花粉が生成されるので排除される。
【0229】
形質転換トウモロコシ
トウモロコシの場合に、GST/トランスジェニック複合体を、トウモロコシゲノムに挿入し、そして「雌」親は、トランス遺伝子複合体を担持する。野生型花粉とのハイブリッド形成により、子孫ハイブリッド種子の1/2が、トランス遺伝子複合体を担持する(機能性ゲノム用途として問題なし)。この制限は、flpまたはloxレコンビナーゼ・システムによって回避される。GST形質は、ハイブリッドが生成されるまで不活性で、そしてホモ接合性に保持される。その点で、frt−またはcre−指向性組換えは、GST形質を(転写に対するDNAブロックを除去することによるか、または転写を活性化させることによって)活性化し、現時点で、1/2の代わりに全てのハイブリッド子孫に存在する。活性化GSTを含むトランス遺伝子複合体は、トランス遺伝子複合体(例えば、減数分裂産物の50%)を受継ぐ任意の花粉から排除される。
【0230】
実施例3.分散転移事象の強化
トランスポゾン打上部位および/またはトランスポザーゼ源に不稔形質を物理的に連結させることによって、「遺伝的不稔フィルター」は、化合物の使用なしに、そして連結転移事象および/またはトランスポザーゼ源を含む子孫に対して選択する必要性なしに、分散および/または安定化転移事象を非常に強化させるために使用される。
【0231】
例えば、50%花粉不稔性が達成される場合、残りの生育できるハプロイドゲノムは、正常な同種の染色体分離、独立の分類および減数分裂組換えのため、自殺遺伝子、およびトランスポゾン打上部位および/またはトランスポザーゼ遺伝子のようなそれに関連したエレメントを受継がなかった。これらの生育可能なゲノムの分画は、新たな転移因子、特に打上部位およびそれに関連した自殺遺伝子から独立に分類するか、または組換えたものを含む。したがって、「遺伝的不稔フィルター」は、打上部位に連結されたままである転移因子を含む配偶子および/またはトランスポザーゼ遺伝子を含む配偶子を排除する。
【0232】
残りの生育可能な花粉が、制御された受粉により、または風の受粉によるかのいずれかにより、胚珠を受精するために使用される場合、結果物の子孫の分画は、転移因子を含む。これらの子孫は、ペチニア(petunia),アラビドプシス(Arabidopsis)またはアグロバクテリウム(Agrobacterium)CP4 EPSPS遺伝子のようなトランスポゾンの内側に選択性またはスクリーニング性マーカーの封入(Padgette,S.R.ら、(1987)Arch Biochem Biophys Vol.258/2:564−73;Klee,H.J.ら、1987 Mol Gen Genet Vol.210/3:437−42;Hoef,A.ら、(1998)Food Addit Contam Vol.15/7:767−74;Harrison,L.A.ら、(1996)J Nutr Vol.126/3:728−40)、グリホセート(ラウンドアップ(登録商標))耐性(Malik,J.ら、(1989)Biofactors Vol.2/1:17−25);または多様なアセトラクレート・シンターゼ(ALS)遺伝子をコードすること、アラビドプシス多除草剤耐性遺伝子、csrl−4(Mourad,G.ら、(1994)Mol Gen Genet Vol.:243/2:178−84)またはストレプトマイセスから得られるbar遺伝子(Thompson,C.J.ら(1986)EMBO J.6:2519−2523)のようなスルホニルウレア除草剤に対する耐性をコートすること(Whitcomb,C.E.(1999)Toxicol Ind Health Vol.15/1−2:231−9)、ホスフィノトリシン(フィナーレ(登録商標))に対する耐性をコードすることによって容易に同定されて、少数を命名する。
【0233】
Acのような自律性エレメントの伝達の場合には、分散された転移Acエレメントを含む子孫は、Ds誘導レポーター遺伝子の相互活性化のような典型的な遺伝的手段によって同定される。本発明の1つの実施形態では、トランスポゾンは、転移因子を含む生存可能な花粉のみを許す花粉生存性遺伝子を用いて構築され、それにより化合物選択またはスクリーンについての必要性を完全に排除する。
【0234】
GST複合体が、転移可能な因子をさらに含む場合、それにより、転移の頻度(連結および未連結部位の両方に)は、トランスポザーゼの源および他の因子によって、高い可能性がある。その70%が連結されうる5%の転移頻度を確保して、それにより30%が、未連結で、そしてこれの15%(GST染色体を用いた転移の任意に独立な分類)は、子孫で回復され、そして転移因子に含まれる除草剤耐性によって容易に同定される。我々が、100,000の独立な挿入を回復したい場合、必要とされる種子の数の概算は、必要とされる(100,000×2/.3)/0.05=13,333,333F1種子である。これらは、3年未満で発生およびスクリーニングされる(個別の植物として回収)。
【0235】
実施例4.安定に分散した転移事象の強化
本発明の別の実施形態は、トランス遺伝子複合体で、封入に、トランスポゾン打上部位および自殺トランス遺伝子に加えて、トランスポザーゼ源のような他の遺伝子に向けられる。この実施形態では、「遺伝的不稔フィルター」は、子孫に対するトランスポザーゼ源の伝達をも除外しながら、分散エレメントを強化させる。
【0236】
トランスポゾン供与体部位およびトランスポザーゼ遺伝子の同時の排除は、安定化される転移因子を伝達(すなわち、トランスポザーゼ遺伝子の損失により、もはや転移しない)し、それにより別の転移(二次転移)が生じることから回避するさらなる利点を示す。
【0237】
本発明の別の実施形態は、別個のトランス遺伝子複合体中にトランスポザーゼ源およびトランスポゾン打上部位を位置決めすることを含む。例えば、打上部位およびトランスポザーゼ源は、別個のエレメント上の1つのゲノムでまとめられうる。さらに、局在転移が望ましい、すなわち、挿入を示す特定の染色体領域を飽和させるか、または目的の遺伝子の傍に挿入を回復させる場合に、トランスポザーゼ源は、連結転移を必然的に排除することなしに、不稔フィルター方法によって排除される。
【0238】
実施例5.コメ−モデル植物システム
A.コメ形質転換
コメ・トランスジェニックは、高い処理量のトランスジェニック産物を許す24穴マイクロタイター基本の方法を使用することによって発生される。その方法は、出版されたプロトコール(Hiei,Y.ら、(1994)Plant J.6:271−82;Hiei,Y.ら、(1997)Plant Molec Bio.35:205−218;Zhang,J.ら、(1997)Mol Biotechnol.8:223−31)の適合であり、そして円盾状カルス誘導からのトランスジェニックの生成、アグロバクテリウムとの同時栽培、チメンチンでの処置、および発育再生を可能にする全体に液体培養および形質転換システムに関与する。このシステムは、毎月、約50から100の独立のトランスジェニック系統を発生させるために使用される。
【0239】
各トランスジェニック系統から得られる組織サンプルを収集し、DNAを抽出し、そしてサザンによって分析して単独コピーT−DNA挿入物(SCTL)を含む系統を同定した。SCTLから得られる発芽物を、微量増殖させ、根付き、そして当業者によく知られる方法によって、土壌に移殖される。
【0240】
B.遺伝学的方法
広範な基本の高容量の交雑プログラムが、保存の世代、種子およびトランスポゾン系統についてCIATで利用できる。典型的には、約1000の制御された(手動の)交雑が、単独、二重、最高および戻り交雑を含めた各周期でなされる。得られたF1種子の数は、交雑型および交配対象に依存する。
【0241】
交雑が、生物的に安全な認可されたスクリーン室条件下で年間で行われ得る。7から10日の間隔での親の3つの栽培は、開花を同時に確保するために行われる。親は、大型ポットで育成されるか、または雄性不稔の雌系統を使用するときにハイブリッド形成ブロックでの野外で育成される。
【0242】
手での受粉について、交雑の方法は、親植物の選択、円錐花序の除雄(雌親については葯の除去)、グラシンバッグでの除雄された小花の被覆、雄親から収集された花粉を用いた雌親の受粉、グラシンバッグを用いた受粉した円錐花序の被覆、および親、日付、および交雑を行った人の名称についての関連情報を含む交雑タグを用いて交雑するために使用される円錐花序の同定である。コメのハイブリッド形成での詳細な情報について、例えば、Coffman,W.R.およびR.M.Herrera(1980)Rice,In:Hybridization of Corp Plans,W.R.FehrおよびH.H.Hadley,Editors,Chapter36:511−522、American Society of Agronomist参照。
【0243】
選択されたF1およびT1植物は、個々に収獲されて、F2種子を生産する。受粉の約25日後、ハイブリッド種子を収獲し、脱穀し、掃除をし、硬貨エンベロープに入れる。この種子を、低湿度および温度下で保存する。T1種子は、平坦に育成され、そして生殖の25日および35日後に、0.05%フィナーレ(登録商標)の2つの葉質用途によって、除草剤耐性について選択する。
【0244】
C.サンプル追跡
関係のバーコードサンプル追跡データベースは、作業の流れを通して、植物、種子、およびDNAサンプルを追跡するために使用されうる。作成される各トランスジェニックは、特徴的(英数字)識別名に割り振られる。トランスジェニック物から誘導される保存植物は、この識別名および第二の特徴的保存識別名を担持する。生産苗床に入る全ての保存物は、トランスジェニック/保存識別名を担持し、そして各保存物から誘導される検定交雑種子は、各交雑についての特徴的な識別名に割当てられる(T1種子ロット)。
【0245】
フィナーレ(登録商標)選択後、各耐性植物は、特徴的系統識別名が割当てられる。この情報は、2つの切取り部分ラベルを有する植物ラベルにコードされる;各々は、同一の英数字識別名および関連バーコードを持つ。1つの切取り部分ラベルを、組織サンプルに付着させ、そして他方は、その植物に残り、種子包装に最終的にステープルで止める。小型装置のバーコード読取装置が、組織サンプルを、DNA抽出行列を通して、そしてPCR増幅およびDNA配列決定のために最終的に384マイクロタイター平板の位置までサンプルを追跡するデータベースに記録する。
【0246】
D.高処理量DNA単離および正常化
組織サンプルを、DNA抽出の前に凍結乾燥させる。プラスチック製袋に届けるための凍結乾燥した組織を、デシケーターで密閉する。組織を、市販の10ガルの染料振蘯装置(Fluid Dynamics,Inc.)で96−384の試験管を迅速に振蘯させることにより、ジルコニウム・シリカビーズ(ATGC,Inc.)で破砕する。
【0247】
先に発表された方法から適合された高処理量平行法を用いて、DNAを、抽出させ(Galbiatiら、(2000)Functional & Integrative Genomics,出版中)、そして精製DNAを、96フォーマットマイクロタイター平板に保存する。DNA濃度を、スペクトルフロー平板読取装置およびゼネシス・ロボット工学作業台(Tecan,Inc.)を用いて、Picogreen法(Molecular Probes,Inc.)によってロボット工学的に測定する。
【0248】
PCR分析のために二次作業台を作るために、DNAを、適切な量の緩衝液と一緒に各穴からの固定量のDNAを二次作業台に除去することによって、ロボット工学で正常化させる。これらの正常化作業台の母娘レプリカが、ロボット工学で行われ、そしてサンプルを、増幅および配列決定のために配送する。
【0249】
組織抽出から正常化までのスプリプトを含めたこの全手段の実行可能性は、トウモロコシとアラビドプシスの両方について可能になった。
【0250】
E.トランスポゾン系統の選択
トランスポゾン系統の選択は、単独コピー系統(SCL)、スケールアップ、サンプル追跡、加工および配送、続いて生成相の回復についてのトランスジェニック生産および遺伝的検定に関与する。方法は、アグロバクテリウム接種で、および一次コメ・トランスジェニックでの両方でのT−DNAのDNAフィンガープリント、アグロバクテリウム指向性形質転換プロトコール、およびコメ再生、微量増殖、および翻訳のための方法が挙げられ、そして土壌への翻訳は使用されうる。
【0251】
組織を、各トランスジェニック系列から収集し、DNA抽出し、そしてサザン分析によって分析して、単独コピーT−DNA系統(SCL)を同定する。全てのSCLは、発育培養で維持され得て、そして微量増殖のために送る。根菜植物は、土壌に移植され、そして転移速度について試験しうる。
【0252】
F.保存生産
転移頻度における遺伝子データは、継続保存産物のための最善のトランスジェニック系統を選択するために使用される。根付いた苗条は、土壌に移殖され、そしてさらに単一分裂によって増殖されて、生産苗床での雄性植物の数を増加する。
【0253】
1つの具体例では、転移が、オシベ発達に限定される場合、保存増殖の代替的であるが、しかし相互排他的でない方法は、野生型花粉をトランスジェニック雌植物に交雑させることである−T−DNA排除および転移は、この方向で生じない。したがって、この種子は、各季節に簡単に再度栽培されて、新たな転移選択のための別の保存物を生じうる。
【0254】
コメ変種ニッポンバレについての開花時期は、赤道で、または傍で生育される60日である。赤道位置を使用することによって、毎年ほぼ4つの植物世代を達成することが可能である。メキシコのカリでの省略された世代時間および一定年中成長条件は、コメ遺伝学をアラビドプシスとほぼ同等に有効にする。
【0255】
G.種子生産の基礎
本発明の1つの具体例では、単独分散転移を選択すること、そしてヘミ接合性条件下でこれらの挿入を回復させることである。これは、致死的でない、劣性致死的およびハプロ不十分な雌性突然変異の回復を可能にする。
【0256】
T1種子を生産するために、保存植物を、苗床で雄性不稔雌に対する雄として交雑させる。コメでの有効な他家交雑雄および雄性不稔雌を間作することによって達成されうる。ニッポンバレでの雄性不稔性は、現在、利用できないので、それで核雄性不稔(ms)突然変異は、オー.サチバ.エスエスピー.インディカ株から苗床でニッポンバレへ遺伝子移入された。遺伝子移入方法は、マーカー支援地図作製および交配、ms突然変異およびニッポンバレマーカーについてを戻り交配子孫を選択することによって大いに促進される。
【0257】
ms遺伝子座は、先に特徴付けられた単純配列反復(SSR)マーカーを用いて最初に地図決定される(McCouch,S.R.ら、(1997)Plant Mol Biol.35:89−99;Panaud,O.ら、(1996)Mol Gen Genet.252;597−607)。7000SSR配列は、モオンサントの大まかな設計図(www.rice−research.org)から利用できる。連結されたSSRは、遺伝子移入の間じゅうms対立遺伝子に続いて使用される一方で、ゲノムじゅうの未連結SSRは、供与体生殖質に対して選択するために使用される。
【0258】
2つの戻り交雑および自家受粉は、ms対立遺伝子を、ニッポンバレのバックグランドに移行するのに十分である。F1交雑が行われ、そしてF2子孫が発生される。遺伝子移入ms系統は、T1種子生産のために利用できる。ms表現型についての1:1系統分離は、苗床で使用され、SSR分析によって遺伝子型で、そして雄性不稔植物細胞で使用される。転移保存は、ms/ms雌性植物にハイブリッド形成させて、Ds系統選択についてのT1種子を発生する。
【0259】
H.トランスポゾン系統選択
T1を、平坦に栽培し、そして25日齢の幼植物は、0.05%登録商標フィナーレの花を使用し、続いて10−15日後の第二の処置によって選択される。フィナーレ(登録商標)耐性植物は、バーコード化され、そして苗床に間作され、そして自家受粉させて、T2種子を発生する。
【0260】
各植物から得られる組織サンプル(約1−2g葉組織)を、収集し、バーコード管に入れ、凍結乾燥させて、DNA抽出のための準備をする。
【0261】
各系統から得られるT2種子を収集し、脱穀し、バーコード化封筒に入れ、そして保存または公的分布のための準備をする。
【0262】
本発明は、特定の具体例に関して開示されたときに、本発明の他の具体例および変動は、本発明の真の概念および範囲から逸脱することなく当業者によって修正されうる。附随の請求項は、具体例および同等の変動のように全てを含むと解釈されることを意図されない。
【図面の簡単な説明】
【図1A】
花粉特異的プロモーターが、自殺遺伝子に操作的に連結される例示のGST(植物配偶子不稔形質)構築物を示す。GST構築物は、目的の遺伝子に物理的に連結されて、トランス遺伝子複合体を形成しうる。GST構築物は、目的の遺伝子の伝達を回避または排除するために使用される。
【図1B】
転移因子およびトランスポザーゼ源に連結された例示のGST構築物を示す。この構築物は、安定に分散されたトランスポゾンについての植物細胞子孫の集団を増すために使用されうる。
【図2】
減数分裂産物からトランス遺伝子複合体を排除し、そして分散転移のために選択するための一般化された攻略法を示す。
【図3】
(A)および(B)は、GST構築物の概略図を示す。
【図4】
(A)および(B)は、それぞれ、pYU904およびpYU905構築物の概略図を示す。
【図5】
pYU846トランスポザーゼ構築物の概略図を示す。

Claims (56)

  1. 自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せが目的の遺伝子に連結されている、前記核酸構築物。
  2. バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せが、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定化、栄養改善およびセルロース含量をコードする遺伝子より成る群から選択される目的の遺伝子または他の目的の作物栽培形質に連結されている、前記核酸構築物。
  3. 前記プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択される、請求項1に記載の核酸構築物。
  4. 前記自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される、請求項1に記載の核酸構築物。
  5. 前記目的の遺伝子が、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定化、栄養改善およびセルロース含量をコードする核酸より成る群から選択される、請求項1に記載の核酸構築物。
  6. 請求項1に記載の核酸構築物を含むベクター。
  7. 請求項2に記載の核酸構築物を含むベクター。
  8. 請求項6に記載のベクターを含む宿主細胞。
  9. 請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
  10. 請求項6または7に記載のベクターを含む組換え植物細胞。
  11. 請求項6または7に記載のベクターを含むトランスジェニック植物。
  12. トランスジェニック植物が核酸構築物についてヘミ接合性である、請求項11に記載のトランスジェニック植物。
  13. 植物におけるトランス遺伝子座の雄性伝達を削減または排除する方法であって、
    a)雄性配偶子特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せが、異種ポリヌクレオチドに連結されている前記核酸構築物で、植物細胞を形質転換させること、
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、前記トランス遺伝子座を欠く雄性配偶子を産生させること、
    を含む、前記方法。
  14. 植物におけるトランス遺伝子座の雄性伝達を削減または排除する方法であって、
    a)花粉特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物で植物細胞を形質転換させること、
    i)前記自殺遺伝子は、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される;
    ii)前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せは、異種ポリヌクレオチドに連結されている;
    iii)前記異種ポリヌクレオチドは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードするDNAより成る群から選択される;
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、前記トランス遺伝子座を欠く雄性配偶子を産生させること、
    を含む、前記方法。
  15. 植物におけるトランス遺伝子座の雌性伝達を削減または排除する方法であって、
    a)雌性配偶子特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せが、異種ポリヌクレオチドに連結されている、前記核酸構築物で植物細胞を形質転換させること、
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、前記トランス遺伝子座を欠く雌性配偶子を産生させること、
    を含む、前記方法。
  16. 植物におけるトランス遺伝子座の雌性伝達を削減または排除する方法であって、
    a)胚珠特異的プロモーターが自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物で植物細胞を形質転換させること、
    i)前記自殺遺伝子は、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される;
    ii)前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せは、異種ポリヌクレオチドに連結されている;
    iii)前記異種ポリヌクレオチドは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードするDNAより成る群から選択される;
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、前記トランス遺伝子座を欠く雌性配偶子を産生させること、
    を含む、前記方法。
  17. 前記形質転換植物細胞が、核酸構築物についてヘミ接合性である、請求項13、14、15または16のいずれか一項に記載の形質転換植物細胞。
  18. 自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターを含む核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せが転移因子に連結されている、前記核酸構築物。
  19. トランスポザーゼ遺伝子を更に含む、請求項18に記載の核酸構築物。
  20. 目的の遺伝子を更に含む、請求項18または19に記載の核酸構築物。
  21. 前記目的の遺伝子が転移因子と関連する、請求項20に記載の核酸構築物。
  22. 花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターが、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せがトランスポゾンに連結されており、前記トランスポゾンは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量をコードする遺伝子より成る群から選択される選択マーカーを含む、前記核酸構築物。
  23. 前記プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択される、請求項22に記載の核酸構築物。
  24. 前記自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される、請求項22に記載の核酸構築物。
  25. 請求項18に記載の核酸構築物を含むベクター。
  26. 請求項22に記載の核酸構築物を含むベクター。
  27. 請求項18に記載のベクターを含む宿主細胞。
  28. 請求項22に記載のベクターを含む宿主細胞。
  29. 請求項18または22に記載のベクターを含む組換え植物細胞。
  30. 組換え植物細胞が核酸構築物についてヘミ接合性である、請求項29に記載の組換え植物細胞。
  31. 請求項18または請求項22に記載のベクターを含む、トランスジェニック植物。
  32. 組換え植物細胞が核酸構築物についてヘミ接合性である、請求項31に記載のトランスジェニック植物。
  33. 植物細胞子孫の集団において、分散した転移事象を強化させる方法であって、
    a)請求項18乃至24のいずれか一項に記載の核酸構築物で植物細胞を形質転換させて、形質転換された植物細胞を産生すること、
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、分散した転移事象が強化された植物細胞子孫を産生すること、
    を含む、前記方法。
  34. c)分散した転移事象が強化された前記植物細胞子孫を単離することを更に含む、請求項33に記載の方法。
  35. 請求項34に記載の方法によって単離される植物細胞。
  36. 請求項35に記載の方法によって産生される植物。
  37. 前記植物細胞が核酸についてヘミ接合性である、請求項33、34または35のいずれか一項に記載の植物細胞。
  38. 自殺遺伝子に操作的に連結された雄性配偶子または雌性配偶子特異的プロモーターである第一のプロモーターを含み、トランスポザーゼをコードする核酸およびトランスポゾンをコードする核酸を更に含む、核酸構築物。
  39. トランスポゾンが選択マーカーに操作的に連結された第二のプロモーターを含み、選択マーカーが自殺遺伝子でない、請求項38に記載の核酸構築物。
  40. 花粉特異的プロモーターまたは胚珠特異的プロモーターが、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される自殺遺伝子に操作的に連結された核酸構築物であって、前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せがトランスポザーゼをコードする核酸に連結されており、前記トランスポザーゼをコードする核酸に連結された前記プロモーターおよび前記自殺遺伝子の組合せは、トランスポゾンを更に含むトランス遺伝子座を含み、前記トランスポゾンは、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量より成る群から選択されるメンバーをコードするポリヌクレオチド配列を含む、前記核酸構築物。
  41. 前記プロモーターが、花粉特異的プロモーターおよび胚珠特異的プロモーターより成る群から選択される、請求項40に記載の核酸構築物。
  42. 前記自殺遺伝子が、バーナーゼ、雄穂種子2およびジフテリア毒素A遺伝子より成る群から選択される、請求項40に記載の核酸構築物。
  43. 前記トランスポゾンが、除草剤耐性、抗生物質耐性、殺虫剤耐性、窒素固定、栄養改善およびセルロース含量より成る群から選択されるメンバーをコードするポリヌクレオチド配列を含む、請求項40に記載の核酸構築物。
  44. 請求項38に記載の核酸構築物を含むベクター。
  45. 請求項40に記載の核酸構築物を含むベクター。
  46. 請求項44に記載のベクターを含む宿主細胞。
  47. 請求項45に記載のベクターを含む宿主細胞。
  48. 核酸構築物がヘミ接合性である、請求項46または47に記載の宿主細胞。
  49. 請求項44または45に記載のベクターを含む、組換え植物細胞。
  50. 核酸構築物がヘミ接合性である、請求項49に記載の組換え植物細胞。
  51. 請求項44または45に記載のベクターを含む、トランスジェニック植物。
  52. 核酸がヘミ接合性である、請求項51に記載のトランスジェニック植物。
  53. 植物細胞子孫の集団において、安定に分散した転移事象を
    強化させる方法であって、
    a)請求項38乃至43のいずれか一項に記載の核酸構築物で植物細胞を形質転換させて、形質転換された植物細胞を産生させること、
    b)減数分裂を通して前記形質転換植物細胞を増殖させて、安定に分散した転移事象が強化された植物細胞子孫を産生すること、
    を含む、前記方法。
  54. c)安定に分散した転移事象が強化された前記植物細胞子孫を単離することを更に含む、請求項53に記載の方法。
  55. 請求項54に記載の方法によって単離される植物細胞。
  56. 請求項55に記載の植物細胞から産生される植物。
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