JP2004510584A - 放電加工によって事前に機械加工された表面のろう付け法 - Google Patents

Abstract

放電加工された表面のろう付けを、割れた層や腐食によって発生した弱い接着部分を剥離させるレーザビーム、特にパルスによる掃除および除染の後に、実施することができる。ろう付けによる組立てがこうして除染された表面に対して実施されると、機械的な弱さも破壊の始まりもなく、従って耐久性は向上する。

Description

【０００１】
説明
本発明の対象は、放電加工によって事前に機械加工された表面を除染した後にろう付けすることである。
【０００２】
放電加工は、さまざまな部品に対して精密機械加工を行なうために広く実用化されている方法である。一例としては羽根板の機械加工が挙げられ、羽根板の基部に、金属カバーのボスまたは環の相補表面に取り付けるべき表面を実現するためであり、これによって板をこの支持物に溶接するろう付きを実施し、コンパクトな羽根付き本体を作製し、この羽根付き本体は、羽根が支持部品の溝の中にはまった脚部を備えた個別部品である従来の配置よりも、実現が容易でしかも耐久性を高くすることができる。
【０００３】
しかしろう付けは、この方法が表面に薄い酸化物の層を残しており、この羽根の残りの材料との凝集力が低くて、割れているので、放電加工を受ける表面に対して直接うまく実施することはできず、ろう付けが可能であっても、羽根の破壊または分離に導く疲労破壊の始まりが、運転中に容易に発生する。
【０００４】
このために、放電加工された表面のろう付けを実施する前に除染にかけることが行なわれている。今日までに３つの方法が採用されている。すなわち手作業による酸洗い、フライス削り、および酸浴である。しかし、これらの方法はすべて、時にはこれらを非実用的にする可能性のあるいくつかの不都合性を有する。手作業による酸洗いは非常に遅くて作業中に不規則性を伴い、処理される表面に波形を生じさせ、したがって統合すべき表面どうしの接合は良くない。フライス削りは平坦な表面であってアクセスが容易であり、ある一定の材料の場合にのみ可能であり、また酸浴については、部品の酸洗いすべき表面のみならず近くの表面も腐食する。
【０００５】
したがって、新たなろう付け方法を着想したが、これが本発明の対象である。要約すれば、放電加工にかけられた部品の表面を不利に覆う酸化物層を除去するためにレーザビームの使用を提案する。ろう付けはこの除染作業の後に続くか、またはこうして事前処理された部品について実施される。
【０００６】
レーザによる機械加工はすでに周知であるが、この除染の適用は新しく、その上にレーザの特殊な機能動作を伴う。
【０００７】
こうして、むしろビームパルスによって実施され、このビームパルスは除去すべき層を熱衝撃にかけ、この熱衝撃は層の凝集力が弱いので層をはがす効果がある。下記に具体的な一例を示す。
【０００８】
除染すべき表面を連続パスで、場合によっては十分に速い速度で掃除することが勧められ、時間幅３ミリ秒の光パルスを２０パルス／秒の周波数で適用することができ、これはビームが時間の６％の間だけ活動していることを意味する。パルスは、１０００ミリメートル／分の掃除速度のためには０．５ジュールのエネルギーを有することができ、これらのパスは１ミリメートルの距離で離隔し、除染すべき表面に対するレーザビームのスポットは２ｍｍの直径を有する。この方法は、最大出力４００ワット、波長１０６４ナノメートルのＮｄ型ＹＡＧレーザによって実施されている。除染すべき部品はニッケルベースの合金で、厚さ５〜３０ミクロンの酸化物層を含んでいた。除染の後に、顕微鏡観察によれば、酸化物の改質厚さは０〜５マイクロメートルであったことがわかる。
【０００９】
レーザ放射光はさらに酸化物層を作り出して基材を改質することができるが、この層は、放電加工によって得られるものとは反対に、ろう付けに続く部品の組立てにきれつを生じさせず、したがってこれを害するものではないことに留意されたい。いくつかの化学的腐食法とは反対に、この除染によって発生する粒子間侵食はない。
【００１０】
ビームによる表面の掃除は、数値制御式機械をプログラミングすることによって容易に実施することができる。したがって、複雑な形状の平坦ではない表面を、従来の方法とは反対に、除染することができる。さらに、ニッケル合金、ＲＢＤ合金を有利に本発明に適用できると考えることができる。ビームパスの間隔は通常０．５〜１ｍｍとなる。

Claims (9)

1. 放電加工によって機械加工された表面のろう付け方法であって、この方法がレーザに基づく除染ビームによる表面の除染に続くことを特徴とする、ろう付け方法。
2. 除染ビームがパルスであることを特徴とする、請求項１に記載のろう付け方法。
3. 除染ビームの活動時間率が６％であることを特徴とする、請求項２に記載のろう付け方法。
4. 除染ビームが除染すべき表面を１０００ミリメートル／分の速度で掃除することを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一項に記載のろう付け方法。
5. レーザビームが表面を０．５〜１ｍｍの間隔のパスによって掃除することを特徴とする、請求項１から４までのいずれか一項に記載のろう付け方法。
6. 表面が除染の後に行なわれるろう付け接合表面であることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一項に記載のろう付け方法。
7. 表面が支持物にろう付けすべき羽根板の端部表面であることを特徴とする、請求項６に記載のろう付け方法。
8. 羽根板がニッケル合金またはＲＢＤ合金であることを特徴とする、請求項７に記載のろう付け方法。
9. 平坦ではない表面に対する除染として適用されることを特徴とする、請求項１から８のいずれか一項に記載のろう付け方法。