JP2004510170A - マルチポート型分離装置および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、電気泳動により溶液中の化合物を分離する装置、その装置に好適な分離ユニットおよびカートリッジ、ならびにその装置の使用方法に関する。
【0002】
発明の背景
製造規模(分取型)の電気泳動分離は、単純なサンプルおよび複雑なサンプルの両方の処理において重要性が増しつつある。そのような分離の成否を決定する重要な要素は、分離された成分の対流再混合をどの程度まで防止できるかである。マルチ[多数個]コンパートメント型電解槽は、分離されたサンプルの成分を空間的におよび/または時間的に容易に単離できることから、製造規模の電気泳動分離には魅力的であると考えられる。マルチコンパートメント型電解槽の多くは、電気泳動輸送流跡と流体輸送流跡の不適切な統合に難儀している。最近、グラディフロー(Gradiflow(商標名))技術(US 5039386、Gradipore社)が市場導入されて、製造規模の電気泳動成分分離に関わる電気泳動過程および流体過程の統合がうまく実施されるようになった。その好ましい特性にも拘わらず、グラディフロー(商標名)技術は、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を実質的に防止する電気泳動分離膜によって、互いから且つ電極コンパートメントから隔絶された2つの分離チャンバーを設けたという意味において限界のあるものであった。このデザインのためにグラディフロー(商標名)技術は二成分の分離に限定されたが、順次二成分分離とはいえ、複雑な混合物から個々の成分を分離することもできた。
【0003】
本発明者らは、分離技術の利用分野を二成分分離から複雑な混合物の複数成分の同時分離に拡大するマルチチャンバー電解槽を開発した。
【0004】
発明の概要
第1の態様において本発明は、マルチ[多数個]ポート[出入口]型電気泳動装置であって、該装置が:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;
(b)陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位を印加した時に電場において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;
(c)陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(d)陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(e)前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーと流体連通している少なくとも1個の電解液貯槽;
(f)前記電解液貯槽と前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーとの間で少なくとも1種類の電解液を出し入れするように作製された手段;
(g)前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置されていることで前記電界領域に少なくとも部分的に配置されている少なくとも3個の隣接して配置された分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;
(h)分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(i)少なくとも1個のサンプル液貯槽であって、少なくとも1個のサンプル液貯槽が少なくとも1個の分離チャンバーと流体連通しているサンプル液貯槽;ならびに
(j)サンプル液貯槽と少なくとも1個の分離チャンバーとの間で流体を出し入れするように作製された手段;
を有し、前記所定電位の印加が前記イオン透過性隔壁の少なくとも一つを通る少なくとも1つの成分の移動を起すことを特徴とするマルチポート型電気泳動装置を提供する。
【0005】
好ましくは前記装置は、陰極チャンバーと流体連通している陰極液貯槽ならびに陽極チャンバーと流体連通している陽極液貯槽の2つの電解液貯槽を有する。
【0006】
好ましくはその装置は、それぞれの分離チャンバーと流体連通している4〜12個の対応するサンプル液貯槽を有する4〜12個の分離チャンバーを有する。その装置はいかなる数の分離チャンバーも有することができ、好ましくは3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上を有することができる。その装置は、いかなる数のサンプル液貯槽も有することができ、好ましくは3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上を有することができる。それぞれの分離チャンバーに1個のサンプル液貯槽があっても良いか、あるいは1個のサンプル液貯槽が複数個の分離チャンバーと流体連通していることができる。
【0007】
ある好ましい形態では当該装置は、6個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している6個の対応するサンプル液貯槽を有する。別の好ましい形態では当該装置は、8個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している8個の対応するサンプル液貯槽を有する。さらに別の好ましい形態では当該装置は、12個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している12個の対応するサンプル液貯槽を有する。
【0008】
好ましくは電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する。
【0009】
ある好ましい形態では前記隔壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。
【0010】
別の好ましい形態では、前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である。
【0011】
別の好ましい形態では、前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である。
【0012】
当該装置が、与えられたサンプルの所望の分離または処理に応じて、同じ種類のイオン透過性膜または2種類以上のそれらの組み合わせを有することができることは明らかであろう。
【0013】
好ましくは、前記陰極および陽極が白金コーティングされたチタンメッシュを有する。
【0014】
ある好ましい形態では分離チャンバーは、そのチャンバーと流体連通している導入手段および排出手段を有する。
【0015】
別の好ましい形態では、少なくとも2個の分離チャンバーが同じ導入および排出手段を介して流体連通している。
【0016】
別の好ましい形態では、少なくとも1個の分離チャンバーが、外部流体連通手段を介して、少なくとも1個の他の分離チャンバーと流体連通している。
【0017】
別の好ましい形態では、分離チャンバーのうちの少なくとも2個が直列流体連通している。
【0018】
別の好ましい形態では、分離チャンバーのうちの少なくとも2個が並列流体連通している。
【0019】
その装置はさらに、
少なくとも1個の電解液貯槽から前記陰極チャンバーおよび前記陽極チャンバーを通って電解液を循環させて、それぞれのチャンバーで電解液の流れを形成するように作製された手段;ならびに
前記サンプル液貯槽から前記それぞれの分離チャンバーを通って流体内容物を循環させることで、前記それぞれの分離チャンバーで分離の流れを形成するように作製された手段
を有することができる。
【0020】
好ましくは、前記電解液および流体内容物を出し入れするように作製された手段は、別個に制御されて前記それぞれの電解液および流体を独立に移動させるポンプ送り手段を有する。
【0021】
前記装置はさらに、前記サンプル液貯槽の少なくとも1個から内容物を取り出しまた前記サンプル液貯槽の少なくとも1個の中に内容物を戻すように作製された手段を有することができる。
【0022】
前記装置はさらに、前記陰極チャンバー、前記陽極チャンバー、サンプル液貯槽または分離チャンバーのうちの少なくとも一つの中の内容物の温度を維持するように作製された手段を有することができる。1形態においては、前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーの中の電解液および/または前記分離チャンバーの少なくとも1個の中の流体の温度を維持する。好ましくは、前記温度を維持する手段は、シェル内チューブ(tube−in−shell)型熱交換器である。
【0023】
前記装置の好ましい形態では、前記陰極チャンバー、前記陽極チャンバーおよび前記分離チャンバーは分離ユニットに収容されており、その分離ユニットはカートリッジおよびカセットからなる群から選択され、その分離ユニットは前記電解液貯槽および前記サンプル液貯槽と流体的に連結されている。
【0024】
第2の態様において本発明は、電気泳動分離ユニットであって、該ユニットが:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;
(b)陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位を印加した時に電場において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;
(c)陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(d)陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(e)前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置されていることで前記電界領域に少なくとも部分的に配置されている少なくとも3個の隣接して配置された分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;
(f)分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
を有し、前記所定の電位の印加が前記イオン透過性隔膜の少なくとも1つを通る少なくとも1つの成分の移動を起こすことを特徴とするユニットを提供する。
【0025】
好ましくは前記ユニットは、3〜12個の分離チャンバーを有する。そのユニットはいかなる数の分離チャンバーも有することができ、好ましくは3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上を有することができる。
【0026】
ある好ましい形態において前記ユニットは、4個の分離チャンバーを有する。別の好ましい形態では前記ユニットは、6個の分離チャンバーを有する。さらに別の好ましい形態では前記ユニットは、12個の分離チャンバーを有する。しかしながら、そのユニットにはいかなる数の分離チャンバーも組み込むことが可能であることは明らかであろう。
【0027】
好ましくは電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を制限する。
【0028】
好ましくは前記隔壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。
【0029】
ある好ましい形態では、前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である。
【0030】
別の好ましい形態では、前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である。
【0031】
別の好ましい形態では、前記陰極および陽極が白金コーティングされたチタンメッシュを有する。
【0032】
当該ユニットが、与えられたサンプルの所望の分離または処理に応じて、同じ種類のイオン透過性隔壁または2種類以上のそれらの組み合わせを有することができることは明らかであろう。
【0033】
ある形態では前記ユニットは、前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための複数の導入および排出手段を画定する陰極接続ブロックおよび陽極接続ブロックを有する。
【0034】
この形態において、前記陰極接続ブロックおよび陽極接続ブロックは好ましくは、前記陰極および陽極ならびに、前記陰極および陽極を電源装置に接続するための接続手段を収容している。
【0035】
ある形態において、前記陰極は前記陰極接続ブロック中に画定された凹部またはチャンネルの中に収容されており、前記陽極は前記陽極接続ブロック中に画定された凹部またはチャンネルの中に収容されている。前記陽極接続ブロックおよび陰極接続ブロックはまた好ましくは、前記陰極液および陽極液の流れのための導入ポートおよび排出ポートを画定する。
【0036】
ある好ましい形態では、少なくとも1個の分離チャンバーが、外部の連通手段を介して、少なくとも1個の他の分離チャンバーと流体連通している。
【0037】
別の好ましい形態では、少なくとも2個の分離チャンバーが直列流体連通している。
【0038】
別の好ましい形態では、少なくとも2個の分離チャンバーが並列流体連通している。
【0039】
別の好ましい形態では、少なくとも2個の分離チャンバーが、同じ導入および排出手段を介して流体連通している。
【0040】
ある好ましい形態では前記分離チャンバーは、前記ユニットから着脱可能に作製されたカートリッジの中に形成されているか、あるいは収容されている。
【0041】
第3の態様において本発明は、電気泳動ユニットで使用するためのカートリッジであって、該カートリッジが:
(a)第1の外側イオン透過性隔壁と第2の外側イオン透過性隔壁の間に配置された少なくとも2個の内側イオン透過性隔壁を収容するハウジングであって、前記隔壁がそれらの間で3個以上の分離チャンバーを画定しており、前記隔壁が隣接するチャンバーの中の内容物の対流混合を妨げるように作製されたハウジング;ならびに
(b)前記分離チャンバー中で流れの通路を画定している前記チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入ポートおよび排出ポート;
を有し、前記導入ポートに液体が送られると、前記チャンバー間での液体の実質的な対流混合を起すことなく、液体が前記チャンバーを通る流れをつくることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0042】
好ましくは、前記カートリッジは外側イオン透過性隔壁上に配置された外部をさらに有する。
【0043】
好ましくは前記流れの通路は前記隔壁によって画定される。
【0044】
好ましくは、前記カートリッジは前記隔壁に近接して配置されたグリッド[格子状]エレメント[部材]をさらに有する。好ましい形態において前記グリッドエレメントは、概して平坦である。
【0045】
前記グリッドエレメントはさらに、前記隔壁を支持し、前記流れの通路中で流体を混合するための支持用部品を有することができる。好ましくは前記支持用部品は格子状部品である。
【0046】
ある好ましい形態では前記カートリッジは、3個以上の分離チャンバーを画定する2個以上の内側隔壁を有する。好ましくは前記カートリッジは、3〜12個の分離チャンバーを有する。そのカートリッジはいかなる数の分離チャンバーも有することができ、好ましくは3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個またはそれ以上を有することができる。
【0047】
好ましくは電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する。
【0048】
好ましくは前記隔壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。
【0049】
前記隔壁の少なくとも1つは、特徴的なpI値を有する等電膜であり得る。。
【0050】
前記隔壁の少なくとも1つは、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜であり得る。。
【0051】
当該カートリッジが、与えられたサンプルの所望の分離または処理に応じて、同じ種類のイオン透過性隔壁または2種類以上のそれらの組み合わせを有することができることは明らかであろう。
【0052】
ある形態では前記カートリッジは、そのチャンバーと流体連通している導入ポートおよび排出ポートを有する。
【0053】
ある好ましい形態では、少なくとも2個の分離チャンバーが同じ導入ポートおよび排出ポートを介して流体連通している。
【0054】
第4の態様において本発明は、電気泳動によってサンプルの組成を変える方法であって、該方法が:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位が印加された時に電場領域において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;前記陰極チャンバーおよび前記陽極チャンバーと流体連通している少なくとも1個の電解液貯槽;前記少なくとも1個の電解液貯槽と前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーとの間で電解液を出し入れするように作製された手段;前記電界領域に少なくとも部分的に配置されるように前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置された少なくとも3個の分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;3個以上のサンプル液貯槽であって、それぞれ貯槽が1個以上の分離チャンバーと流体連通しているサンプル液貯槽;ならびにサンプル液貯槽と少なくとも1個の分離チャンバーとの間で流体を出し入れするように作製された手段を有するマルチポート型電気泳動装置を提供する段階;
(b)前記陽極および陰極導入手段を介して前記陽極チャンバーおよび陰極チャンバーに電解液を送る段階;
(c)前記サンプルを、前記導入手段を介して前記分離チャンバーの少なくとも一つに送る段階;
(d)前記導入手段を介してそのほかのチャンバーに流体を送る段階;ならびに
(e)前記陰極と陽極の間に電位を印加してチャンバー中の前記サンプルの少なくとも1つの成分を隔壁を通して1以上の隣接する分離チャンバーに移動させる段階;
を有することを特徴とする方法を提供する。
【0055】
前記方法はさらに、組成が変わった前記サンプルを回収する段階を有することができる。
【0056】
好ましくは前記陽極チャンバーおよび陰極チャンバーに出し入れされた電解液を、それぞれの導入手段および排出手段を通して循環させて電解液の流れを形成する。
【0057】
好ましくは、前記分離チャンバーに出し入れされたサンプルと流体を前記それぞれのチャンバーの前記導入手段および排出手段を通して循環させてサンプルおよび流体の流れを形成する。
【0058】
好ましくは、前記電位を印加すると実質的に全ての成分の隔壁横断移動が開始する。
【0059】
好ましくは電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する。
【0060】
好ましくは前記隔壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。前記隔壁の少なくとも1つは、特徴的なpI値を有する等電膜であり得る。前記隔壁の少なくとも1つは、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である。
【0061】
与えられたサンプルの所望の分離または処理に応じて、同じ種類のイオン透過性膜または2種類以上のそれらの組み合わせを用いることができることは明らかであろう。
【0062】
前記電極チャンバーおよび分離チャンバーを通る電解液の流量は、化合物の分離に影響を与え得る。装置の構成および分離対象のサンプルに応じて、数ナノリットル/分〜数リットル/分の速度を用いることができる。場合によっては、停滞した液体でもよい。
【0063】
印加される電圧および/または電流は、分離に応じて変わり得る。代表的には、約5000ボルト以下を用いることができるが、電圧の選択は装置の構成、電極および分離対象サンプルによって決まる。
【0064】
第5の態様において本発明は、サンプルからの1以上の化合物または成分の分離における本発明の第1の態様による装置の使用を提供する。
【0065】
第6の態様において本発明は、サンプルからの1以上の化合物または成分の分離における本発明の第4の態様による方法の使用に関するものである。
【0066】
第7の態様において本発明は、本発明の第1の態様による装置によって分離される化合物を提供する。
【0067】
第8の態様において本発明は、本発明の第4の態様による方法によって分離される化合物を提供する。
【0068】
グラディフロー(商標)は、グラディポア社(Gradipore Limited, Australia)の商標である。
【0069】
本発明の利点は、前記装置および方法がサンプル中の荷電分子および他の成分を効果的かつ効率的に処理および分離することができるという点である。
【0070】
本発明の別の利点は、前記装置および方法が、スケールアップ性、高い分離速度、低い運転コスト、低い電力使用量および高い使い易さを有する点である。
【0071】
本発明のさらに別の利点は、前記装置および方法が、分離成分の改善された収率および分離成分の改善された純度を達成し得るという点である。
【0072】
本発明のさらに別の利点は、前記装置および方法が、多数個のサンプルの処理またはプロセシングを同時に行うことを可能とするという点である。
【0073】
これらのまたそのほかの利点は、本明細書を読み、理解すれば、当業者には明らかなことである。
【0074】
本明細書を通じて、特に断らない限り、「有する」という用語、あるいは「含む」または「有して成る」などの変形は、述べられている要素、物品または段階、あるいは要素、物品または段階の群の包含を示唆し、他の要素、物品または段階、あるいは要素、物品または段階の群の除外を示唆するものではないと理解する。
【0075】
本明細書に含まれている先行技術文書についての記載はいずれも、その文書がオーストラリアにおいて、本関連技術の公知となっている一般的な知識の一部を形成するものであるということを認めるものではない。
【0076】
本発明についての理解を深めるため、後掲の実施例および図面を参照しながら、好ましい形態について説明する。
【0077】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の電気泳動装置で使用される4個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【0078】
図2は、本発明の電気泳動装置で使用される6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【0079】
図3は、本発明の電気泳動装置で使用される6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの別の実施形態の模式図である。
【0080】
図4は、本発明の電気泳動装置で使用される12個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【0081】
図5Aは、本発明の電気泳動装置で使用される12個の分離チャンバーを有することができる電気泳動分離ユニットの分解組立図である。
【0082】
図5Bは、好適なハウジング中に部分的に組み立てられた図5Aによる電気泳動分離ユニットの図である。
【0083】
図5Cは、好適なハウジング中に完全に組み立てられた図5Aによる電気泳動分離ユニットの図である。
【0084】
図6Aは、本発明の電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの構成要素として組み込み得る第1のグリッドエレメントの平面図である。
【0085】
図6Bは、本発明の電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの構成要素として組み込み得る第2のグリッドエレメントの平面図である。
【0086】
図6Cは、本発明の電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの構成要素として組み込み得る第3のグリッドエレメントの平面図である。
【0087】
図7は、3個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【0088】
図8は、4個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【0089】
図9は、6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【0090】
図10は、12個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【0091】
図11は、図1の分離ユニットを用いる電気泳動装置の模式図である。
【0092】
図12は、12個の分離チャンバーを有する分離ユニットを用いる電気泳動装置のライン図である。
【0093】
図13は、ヒト血漿からのIgG分離時における60分間、120分間および180分間の電気泳動後に回収されたサンプルについての分析SDS−PAGE結果を示す図である。列1:供給サンプル;列2、3、4:60分の電気泳動後の分析結果;列5、6、7:120分の電気泳動後の分析結果;列8、9、10:180分の電気泳動後の分析結果である。サンプル流から生成物流へのIgGの移動が60分での最初の分析時点で明らかであった。
【0094】
図14は、4時間の電気泳動後に回収されたサンプルについての分析SDS−PAGE結果を示す図である。列1および2:分離チャンバー12および11である。列3〜10:分離チャンバー10〜3である。
【0095】
図15は、4時間の電気泳動後の分離チャンバー内容物のSDS−PAGE分離の像を示す図である。卵白由来のリゾチーム(分子量14kDa、等電点10)は、このタンパク質がpH8.5で正電荷を有することから、分離チャンバー11および12(3kDa〜15kDaの膜と15kDa〜1000kDaの膜の間)に移動した(列1および2)。負電荷を有するタンパク質は陽極に移動した(列3〜10)。タンパク質が小さいほど、サンプル供給点であるチャンバー10から遠くに移動した。
【0096】
図16は、実施例4における4時間の電気泳動後の分離チャンバー内容物のSDS−PAGE分離の像を示す図である。列1、3、5、7および9:60分間の電気泳動後の生成物流についての分析結果;列2、4、6、8および10:60分間の電気泳動後に残った低pI成分についての分析結果である。
【0097】
図17は、AATに対する抗体を用いた、図16と同じ分離のウェスタンブロットの像を示す図である。
【0098】
発明の実施の形態
好ましい実施形態について詳細に説明する前に、装置の操作の原理について最初に説明する。溶液中のイオンに対して印加される電界または電位によって、イオンは一方の電極の方へ移動する。イオンが正電荷を有する場合、それは負電極(陰極)の方へ動く。逆に、負電荷を有するイオンは、正電極(陽極)の方へ動く。
【0099】
本発明の装置では、装置またはユニットの隣接するチャンバー間での対流混合を実質的に防止するイオン透過性隔壁が電界中に置かれ、サンプルの成分が隔壁を通って選択的に輸送される。使用される特定のイオン透過性隔壁は異なる用途に応じて変わるものであり、一般に特徴的な平均孔径と孔径分布、等電点あるいはその他の物理特性を有し異なる成分の通過を許容または実質的に阻止する。
【0100】
本発明による装置の操作の原理の一部について説明したので、以下においては装置について説明する。
【0101】
図1には、4個の分離チャンバーを有する、本発明による装置に好適な電気泳動分離ユニットの1実施形態を示してある。この装置110は、陰極チャンバー113および陽極チャンバー114を有し、その各チャンバーはそれぞれの電極チャンバー113、114から電解液を出し入れするための導入手段115、117および排出手段116、118を有する。5個のイオン透過性隔壁121a、121b、121c、121d、121eによって形成される4個の分離チャンバー120a、120b、120c、120dが、陰極チャンバー113と陽極チャンバー114の間に配置されている。それぞれの分離チャンバー120a、120b、120c、120dから液体を出し入れするための4個の導入手段122a、122b、122c、122dおよび4個の排出手段123a、123b、123c、123dが、ユニット110のそれぞれの端部近くに配置されている。
【0102】
分離チャンバー120a、120b、120c、120は、ユニット110から着脱可能となるように作製されたカートリッジ中に形成または収容され得る。陰極125および陽極126は、両電極間に電位を印加した時に、チャンバー中の内容物がその電位に曝露されるように、陰極チャンバー113および陽極チャンバー114中に収容されている。
【0103】
電解液が、導入口115、117および排出口116、118を介して電極チャンバー113、114から出し入れされると、それぞれのチャンバー中で流体ストリーム[液流]が形成される。同様に、流体が導入口122a、122b、122c、122dおよび排出口123a、123b、123c、123dを介して分離チャンバー120a、120c、120c、120dから出し入れされると、流体ストリームがそれぞれのチャンバー中で形成される。
【0104】
図2には、6個の分離チャンバーを有する本発明による装置に好適な分離ユニットの別の実施形態が示してある。装置210には陰極チャンバー213および陽極チャンバー214があり、各チャンバーにはそれぞれの電極チャンバー213、214から電解液を出し入れさせるための導入手段215、217および排出手段216、218がある。電極チャンバー213および214の間には、陰極チャンバーと陽極チャンバー213、214の間に配置された7個のイオン透過性隔壁221a〜121gによって形成された6個の分離チャンバー220a、220b、220c、220d、220e、220fが配置されている。それぞれの分離チャンバー220a〜220fから液体を出し入れするための6個の導入手段222a、222b、222c、222d、222e、222fおよび6個の排出手段223a、223b、223c、223d、223e、223fが、ユニット210のそれぞれの端部付近に配置されている。
【0105】
分離チャンバー220a〜220fは、ユニット210から着脱可能なように作製されたカートリッジ中に形成または収容され得る。陰極および陽極225、226は、電極225、226間に電位が印加された時に、分離チャンバー220a〜220f中の内容物がその電位に曝露されるように、陽極チャンバーおよび陰極チャンバー213、214中に収容されている。
【0106】
図2に示した装置は、互いに流体分離されたそれぞれの分離チャンバー220a〜220fの導入および排出手段を有する。それとは対照的に、図3には6個の分離チャンバー320a、320b、320c、320d、320e、320fを有する装置310を図示してあり、その6個のうち3個のチャンバー320a、320c、320eは、共通の導入手段322aおよび共通の排出手段323aによって流体として連結されている。他の3個の分離チャンバー320b、320d、320fは、共通の導入手段322bおよび共通の排出口手段323bによって流体として連結されている。流体が導入手段322aに入り、排出手段323aから出る時に、流体は分離チャンバー320a、320c、320eを通過して、チャンバー中に分離流を形成する。同様に、流体が導入手段322bに入り、排出手段323bから出る時に、流体は分離チャンバー320b、320c、320fを通過して、これらのチャンバー中に分離流を形成する。
【0107】
図4には、12個の分離チャンバーを有する本発明による装置の別の実施形態を示してある。装置410は、陰極チャンバー413および陽極チャンバー414を有し、それぞれのチャンバーは電極チャンバー413、414から電解液を出し入れするための導入手段415、417および排出手段416、418を有する。12個の分離チャンバー420a〜420lは、陰極チャンバーと陽極チャンバー413、414の間に配置されている。分離チャンバー420a〜420lは、陰極チャンバーと陽極チャンバー413、414の間に配置された13個のイオン透過性隔壁421a〜421mによって形成されている。12個のそれぞれの分離チャンバー420a〜420lの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするために、12個の導入手段422a〜422lおよび12個の排出手段423a〜423lが、ユニット410のそれぞれ端部に対して配置されている。
【0108】
分離チャンバー420a〜420lは、装置410から着脱可能に作製されたカートリッジ中に形成または収容され得る。陰極および陽極425、426は、陽極チャンバーおよび陰極チャンバー413、414中に収容される。
【0109】
図4に示した装置は、互いに流体分離されたそれぞれの分離チャンバー420a〜420lを有する。しかしながら、1以上のチャンバーが同じ導入および排出手段を共有することで、必要な場合は同じ材料が複数の分離チャンバーを通過することが可能であることは明らかであろう。
【0110】
図5Aには、12個の分離チャンバーを形成する13個のイオン透過性隔壁を収容するように作製された分離ユニットの分解組立図を示してある。ユニット510には、液体を6個の上側分離チャンバーから出入りさせまた陰極525を収容するための6個の導入手段522a〜522fおよび排出手段523a〜523fを画定する陰極側接続ブロック530がある。陽極接続ブロック531は、液体を6個の下側分離チャンバーから出入りさせまた陽極526を陽極接続ブロック531中に収容するための6個の下側導入手段522g〜522lおよび排出手段523g〜523lを画定している。ユニット510には、陰極を収容するブロック530に電解液を通過させるため、陰極接続ブロック530中に陰極液導入手段515および排出手段516がある。同様に陽極ブロック531は、陽極を収容する陽極ブロックに電解液を通過させるための陽極液導入手段517および排出手段518を有する。
【0111】
陰極および陽極接続ブロック530、531は、電極525、526ならびに、その電極を電源装置に接続するための接続手段527、528を収容する。電極525、526は通常、白金でコーティングされたチタン製であるが、他の不活性な導電性材料も好適であると考えられる。陽極526は、ネジ533などの適当な取付手段によって、陽極ブロック531に取り付けられている。同様に陰極は、ネジ534などの適当な取付手段によって、陰極ブロックに取り付けられている。
【0112】
陽極接続ブロック531は、イオン透過性隔壁および陰極収容ブロック530を受け入れるための凹部532を有する。隔壁が凹部532内に積み重ねされて、陽極チャンバーおよび必要数のサンプルチャンバーを形成している。陰極ブロックを隔壁が入っている凹部に入れると、陰極チャンバーも形成される。
【0113】
図5Bには、U字型ハウジング511中で部分的に組み立てられた分離ユニット510が示してある。陰極ブロック530はハウジング511内にあり、ネジボルト512がそのハウジングを貫通して、陰極ブロック530の頂部上に配置されたプレート514にねじ込まれている。陽極ブロック531には取付手段513が設けられており、ユニット510がハウジング511中で正しく配置されるようになっている。
【0114】
図5Cには、ハウジング511中で完全に組み立てられた分離ユニット510が示してある。ネジボルト512を締めることで、陰極ブロックが陽極ブロック内に入り、隔壁を挟持する。
【0115】
図6A、6Bおよび6Cにはそれぞれ好ましいグリッドエレメント601a、601b、601cを示してあり、これらは分離ユニットまたは、本発明による分離ユニット内に設置されるように作製されたカートリッジ中で組み立てられると、電極および分離チャンバーを形成するイオン透過性隔壁を支持する上で有用となる。
【0116】
図6Aには、分離ユニット10の構成要素として組み込まれる好ましいグリッドエレメント601aの平面図を示してある。格子603を組み込んだ細長い矩形の切欠部602が、グリッドエレメント601aの中央に画定されている。グリッドエレメント601aのそれぞれの端部には、分離ユニット10の他の構成要素と位置一致用に適宜に設けられた6個のポート[出入口]604、605、606、607、608、609が配置されている。好ましくは各端部において1つのポートには、側面および底部を有する三角形のチャンネル領域641があり、その領域は、関係するポート604から切欠部分602に延びて広がっている。チャンネル領域641には、立ち上がりリブ642、643および644が画定されている。従って、ポート604を通って流れる液体は、リブ642、643および644の間の三角形のチャンネル領域641に沿って、そして格子603の中を通る。リブ642、643および644はポート604からの液体の流れの方向を決定することで、液体が格子603の断面方向に均等に分布するようになる。リブ642、643および644はまた、グリッドエレメントの上または下に配置されたイオン透過性隔壁に支持となるものを提供するものでもある。
【0117】
格子603は、上に配置されるグリッドの長軸に対してある角度で延びる離間平行部材645の第1の列を有し、そのグリッドの長軸に対する第1の平行部材645の列の角度の約2倍で延びる第2の離間平行部材646の下側のセットと一体形成されている。本好ましい実施形態では、前記第1の平行部材645配列は、前記長軸から約45°の角度で延びており、前記第2の平行部材646配列は第1の平行部材645配列に対して約90°で延びている。しかしながら、他の角度も適宜に用いられる。
【0118】
そのほかのポート605、606、607、608、609は、グリッド601aにおけるポート604のようなリブ構成を持たないが、ポート604が流体連通しているチャンバー以外の分離チャンバー20に流体の流れが可能となるように配置される。第2のグリッド601bを図6Bに示してあるが、この図においてグリッド601aの等価なポート605が、グリッド601bと流体連通しているチャンバー中への流体の流れを補助するためのリブ配置642、643および644を有する。同様に図6Cには第3のグリッド601cが示してあり、この図ではグリッド601aの等価なポート606が、グリッド601cと流体連通しているチャンバー中への流体の流れを補助するためのリブ配置642、643および644を有する。使用されるグリッドおよびイオン透過性隔壁の数ならびに、ユニット中で組み立てられるグリッドの方向に依存して、互いに流体として隔絶されているか、あるいは2個以上の分離チャンバーと流体連通していてもよい複数個の分離チャンバーを形成することができる。
【0119】
グリッドエレメントの厚さは、好ましくは比較的小さくする。本好ましい実施形態の1つでは、グリッドエレメントの外側領域は厚さ約0.8mmである。シール用リブまたはリッジを格子603の周囲に沿って延ばして、グリッドエレメントの逆側でのシールを向上させることができる。リッジは好ましくは、グリッドエレメントの一方の側から他方まで測定して約1.2mmの厚さを有する。グリッドの一方の側から他方まで測定した格子エレメント645および646の反対側に対向するピーク間の距離は、好ましくは約1mmである。グリッドの厚さが比較的小さいことで、いくつかの利点が得られる。第1に、それによってイオン透過性隔壁21全体にわたってより均一な液体の分布が得られ、巨大分子あるいは他の粘鯛な化合物によるそれの汚れを防止する上で役立つ。
【0120】
また、実験室規模の分離に対しては比較的少量のサンプル容量を用いることを可能とする比較的薄いグリッドを用いることで、必要な液体の容量が減らされ、これは先行技術の分離装置に対する大きい利点である。
【0121】
最後に、電界強度を一定に維持して、比較的薄いグリッドエレメントを用いると、液体に投入される電力を小さくすることができる。液体中への熱移動が小さくなると、液体の温度は相対的に低く維持される。これは、高温ではサンプルと所望の生成物の両方が破壊される可能性があることから有利なことである。
【0122】
分離ユニットは、カートリッジまたはカセットを収容することができ、使用時にカートリッジが中間にクランプ留めされる陽極接続ブロックおよび陰極接続ブロックを有する。
【0123】
カートリッジは、グリッドエレメント601およびイオン透過性隔壁21などのカートリッジの構成要素を保持するカートリッジハウジングを有する。カートリッジは概して細長く、カートリッジの長軸A−A方向に延びる2つの平行な細長い側壁を有する。カートリッジのそれぞれの端部には、カートリッジが平面図ではほぼ楕円となるような末端壁を有する。その壁の底部周囲には小さいフランジが延びている。そのフランジは、カートリッジ中央の方向に内向きに突き出ている。場合により、外周がほぼ楕円形である平面シリコンゴムガスケットを、フランジ上に乗るカートリッジの壁内面に一致するように配置して、構成要素のシールに役立たせる。用いる場合は、ガスケットの中央が細長い切欠部を画定する。シール部のいずれかの端部に隣接して、カートリッジに設けられた分離チャンバーの数に応じて、いくつかの穴がある。
【0124】
ガスケットの上方には、外側形状がカートリッジの内側の形状とほぼ同じであり、それもカートリッジの内側に嵌合するイオン透過性隔壁が配置されている。それぞれの隔壁は、膜のいずれかの端の近辺に、カートリッジが組み立てられた時に、穴がガスケットの穴と位置一致するように配置されているいくつかの穴がある。
【0125】
第1の隔壁の上方には、グリッドエレメントがある。そのグリッドエレメントの上方には、第2の隔壁がある。さらなるグリッドエレメントが、対応する隔壁をその間に配置して積み重ねられ、必要な分離チャンバー数が提供される。
【0126】
グリッドエレメントおよびイオン透過性隔壁の積み重ね構成の例を、図7〜図10に示してある。図7には、3個の分離チャンバーを形成する構成の分解組立図を示してある。このユニットは、4個の隔壁721a〜721dと3個のグリッドエレメント701c、701b、701aを有する。隔壁721aは、分離ユニットの陰極側に配置され、グリッドエレメント701cによって支持されている。第1の分離チャンバーが隔壁721aと要素701cの間に形成されている。第2の隔壁721bは、隔壁721bとグリッドエレメント701bとの間に第2のサンプルチャンバーが形成されるように、グリッドエレメント701cおよび701bの間に配置されている。第3の隔壁721cがグリッドエレメント701bおよび701aの間に配置されて、第3の隔壁721cとグリッドエレメント701aの間に第3のサンプルチャンバーが形成されている。第4の隔壁721dが、分離ユニットの陽極側に配置されている。
【0127】
同様の配置において、図8には、4個の分離チャンバーを形成する隔壁およびグリッドエレメントの構成の分解組立図を示してある。このユニットは、5個の隔壁821a〜821eおよび4個のグリッドエレメント801d、801c、801b、801aを有する。図9には、6個の分離チャンバーを形成する隔壁およびグリッドエレメントの構成の分解組立図を示してある。このユニットは、7個の隔壁921a〜921gおよび6個のグリッドエレメント901a、901b、901、901d、901e、901fを有する。図10には、12個の分離チャンバーを形成する隔壁およびグリッドエレメントの構成の分解組立図を示してある。このユニットには、13個の隔壁1021a〜1021mおよび12個のグリッドエレメント1001a、1001b、1001c、1001d、1001e、1001fがある。提供された例から明らかなように、隔壁およびグリッドエレメントを用いる本発明のモジュール式アプローチによって、多くの異なる構成を作製することが可能である。
【0128】
グリッドエレメントの一つの機能は、隔壁を分離状態に維持することである。グリッドエレメントはまた、各チャンバーのグリッドエレメントが同様なものであることから、それぞれの分離チャンバーの中のサンプルまたは電解液の流れのための通路を提供するものでなければならない。グリッドエレメントは概して平坦であり、グリッドエレメントの外側はカートリッジハウジングの壁の内側に嵌合するような形状を有する。
【0129】
イオン透過性隔壁は、用途に応じて選択される。それぞれの分離隔壁の後に、好ましくはさらに別の要素を設ける。それには、その隔壁に関して対称的に配置されたさらに別のグリッドエレメント、イオン透過性隔壁およびさらに別のガスケットなどがある。これらの積み重ねられた構成要素は、分離チャンバーおよび、電極チャンバー流の仕切りの一部を形成する。これらの構成要素は、グリップまたはネジあるいは何らかの他の適当な固定具によって、カートリッジ中に保持される。
【0130】
カートリッジの主要な機能は、分離ユニットへ挿入する場合各構成要素を一体に保持することにある。実際のカートリッジの壁は、装置のシールに対してなんら影響を持たなくてもよい。装置が正しくシールされていると、使用時にカートリッジの壁と液体が接触することはない。
【0131】
白金線を有する電解槽に通常使用される標準的な電極とは対照的に、陰極および陽極は、白金コーティングチタンエキスパンデッドメッシュから形成することができる。本発明の装置で使用される白金コーティングチタンエキスパンデッドメッシュは、白金線と比べていくつかの利点を有する。特に、リッジ構造は自己支持的であり、白金線より安価である。メッシュはまた、より大きい表面積を提供し、電極表面での電流密度をより小さくすることができる。また、電解液のチャンネル全体に分布したより広い表面積は、本分離法に対してより均一な電界を提供する。
【0132】
電極もまた、隣接するイオン透過性隔壁の近くに配置される。従って、陽極液および陰極液の層を横切る印加電位の低下が小さく、液体加熱の程度が小さい。電極からのコネクターが、電極に電気を接続するためのソケットにつながっている。電極は、オペレータの指などとの偶発的な接触を防止するため覆われている。
【0133】
使用においては、カートリッジをユニットに入れるか、あるいは隔壁およびグリッドエレメントがユニット中に組み立てられ;ロック構造を形成するジョー[顎構造]が閉じられて各構成要素を所定の位置でシールし;電解液溶液およびサンプルが、適切な導入手段および排出手段を介して接続ブロックを通って供給される。ユニットは、必要な場合は、ポンプ、配管設備および冷却設備を有する電気泳動装置に接続される。電源装置への接続も行って、目的の分離のための電位が提供される。電位が所望の値に設定され、要求に応じ分離が行われる。分離が終了した後は、カートリッジは再使用してもよいし、取り外しあるいは、新しいカートリッジと交換してもよい。あるいは、隔壁およびグリッドエレメントは、再使用できるしあるいはユニットから取り外すこともできる。導入手段と排出手段を接続する配管は、必要な場合は洗浄して、電解液を交換してもよい。こうして、ユニットはさらなる分離を行う準備が完了する。
【0134】
電解液溶液は、必要な伝導度を提供し、分離時のpHを安定化させることもでき、また冷媒として作用することもできる。
【0135】
この分離ユニットのデザインは、最大12個までのチャンバーを有するマルチチャンネル分離ユニットおよび装置に容易に適用可能である。もっと多くの分離チャンバーを収容することができるが、それによって配管およびチャンバーへの流体のポンプ送りに関する構造が複雑になる。優れた適応性を得るために本発明者らは、可変数の別個の分離チャンバーを収容するよう拡大可能な新たなグリッドデザインを開発した。ある形態では、その新たなデザインによって、それぞれの端部に6個の穴を有する6個の類似しているが異なるグリッドを持った最大12個までの分離チャンバー(プラス、前記2個の電極チャンバー)が可能となる。12個のサンプルチャンバーが、装置の中に入れられた6個のグリッドのセット2つを積み重ねすることで形成され、最大12個までの異なる流体接続のセットを有する。1つの形態では、それぞれ端部に3個の穴を有する類似しているが異なる3個のグリッドがあり、3つの異なる接続のセットを可能とする。そのグリッドを積み重ねて、6個の分離チャンバーを形成することができる。そのデザインにより、最大12個までの分離チャンバーを簡便に形成することができる。
【0136】
図1の分離ユニット110を用いる電気泳動装置2の模式図を、本発明の技術を用いる装置の全般的機能を説明することを目的として図11に示してある。この純粋に例示的な例では、6個のチャンバー(陰極チャンバー113、陽極チャンバー114および4個の分離チャンバー120a〜120d)が、6個の流動回路に接続されている。第1の電解液の流動回路40は、第1の電解液貯槽42、電解液配管44および電解液ポンプ46を有する。第2の電解液の流動回路41は、第2の電解液貯槽43、電解液配管45および電解液ポンプ47を有する。図11に示した構成では、電解液の流動回路40および41は互いに独立に流れることから、第1の電解液36および第2の電解液38の組成、温度、流量および容量は、互いに独立して適宜に調節することができる。
【0137】
図示の実施形態では、第1の電解液36は、第1の電解液貯槽42から配管44を通ってポンプ46に至り、そして第1の電解液チャンバー113に流れる。第2の電解液38は、第2の電解液貯槽43から配管45を通ってポンプ47に至り、そして第2の電解液チャンバー114に流れる。第1の電解液36は導入口115を通って流れ、第2の電解液38は導入口117を通って流れる。第1の電解液36は排出口116から分離ユニット110を出て、第2の電解液38は排出口118から分離ユニット110を出る。分離ユニット110を出た後、電解液36および38は配管44および45を通って流れて、それぞれの電解液貯槽42および43に戻る。1実施形態では、電解液36および38は、分離の間電解液チャンバー113および114で停滞状態に保持される。電解液36および38は、冷媒として作用することもでき、電気泳動時に発生するガスの蓄積を防止する上で役立つ。
【0138】
第1の分離流回路58は、第1のサンプル液貯槽50a、配管52およびポンプ54を有する。第1のサンプル56は第1のサンプル液貯槽50aから配管52を通ってポンプ54に至り、そのあと導入口122aを通って第1の分離チャンバー120aに流れる。1実施形態において、第1のサンプルチャンバー120aでの第1のサンプル56と電解液36および38との流動方向は対向している。第1のサンプル56は排出口123aで分離ユニット110を出て、配管52を通り、そのあと熱交換器70に流れてから、配管52を通って第1のサンプル液貯槽50aに戻る。別の実施形態では、熱交換器70は第1の電解液貯槽42の中を通る。別の実施形態では、第1の分離チャンバー120aにおける第1のサンプル56と電解液36および38との流動方向は同じである。
【0139】
目的の成分以外に第1のサンプル56には、実施される手順、用途または分離によって必要とされる当業界で公知の好適な電解質や添加剤を含有させて、イオン透過性隔壁を通っての特定の成分の移動を実質的に防止または誘発させ得る。好ましい実施形態では、構成成分が除去されるサンプルを第1のサンプル液貯槽50aに入れる。しかしながら、別の実施形態において、構成成分が除去されるサンプルを第2のサンプル液貯槽50bに入れるということは明らかである。
【0140】
同様に、第2のサンプル流回路68は第2のサンプル液貯槽50b、配管62およびポンプ64を有する。第2のサンプル66は第2のサンプル液貯槽50bから配管62を通ってポンプ64に流れ、そのあと導入口122bを通って第2の分離チャンバー120bに流れる。1実施形態では、第2のサンプルチャンバー120bにおける第2のサンプル66と電解液36および38の流れ方向は反対である。第2のサンプル66は排出口123bで分離ユニット110を出て、配管62を通って熱交換器70に流れ、そのあと配管62を通って第2のサンプル液貯槽50bに戻る。別の実施形態では、熱交換器70は第1の電解液貯槽42または第2の電解液貯槽43の中を通る。
【0141】
第2のサンプル66には、実施される手順、用途または分離によって必要とされる当業界で公知の好適な電解質や添加剤を含有させて、イオン透過性隔壁を通っての特定の成分の移動を実質的に防止または誘発させ得る。好ましい実施形態では、構成成分が除去されるサンプルを第2のサンプル液貯槽50bに入れる。しかしながら、別の実施形態において、構成成分が除去されるサンプルを第1のサンプル液貯槽50aに入れるということは明らかである。
【0142】
同様に、第3のサンプル流回路78は第3のサンプル液貯槽50c、配管72およびポンプ74を有する。第3のサンプル76は第3のサンプル液貯槽50cから配管72を通ってポンプ74に流れ、そのあと導入口122cから第3の分離チャンバー120cに流れる。1実施形態では、第3のサンプルチャンバー120cにおける第3のサンプル76と電解液36および38の流れ方向は反対である。第3のサンプル76は排出口123cで分離ユニット110を出て、配管72を通って熱交換器70に流れ、そのあと配管72を通って第3のサンプル液貯槽50cに戻る。別の実施形態では、熱交換器70は第1の電解液貯槽42または第2の電解液貯槽43の中を通る。
【0143】
第3のサンプル76には、実施される手順、用途または分離によって必要とされる当業界で公知の好適な電解質や添加剤を含有させて、イオン透過性隔壁を通っての特定の成分の移動を実質的に防止または誘発させ得る。好ましい実施形態では、構成成分が除去されるサンプルを第3のサンプル液貯槽50cに入れる。しかしながら、別の実施形態において、構成成分が除去されるサンプルを第1のサンプル液貯槽50aまたは第2のサンプル液貯槽50bに入れるということは明らかである。
【0144】
同様に、第4のサンプル流回路88は第2のサンプル液貯槽50d、配管82およびポンプ84を有する。第4のサンプル86は第4のサンプル液貯槽50dから配管82を通ってポンプ84に流れ、そのあと導入口122dから第4の分離チャンバー120dに流れる。1実施形態では、第2のサンプルチャンバー120dにおける第4のサンプル86と電解液36および38の流れ方向は反対である。第4のサンプル86は排出口123dで分離ユニット110を出て、配管82を通って熱交換器70に流れ、そのあと配管82を通って第4のサンプル液貯槽50dに戻る。別の実施形態では、熱交換器70は第1の電解液貯槽42または第2の電解液貯槽43の中を通る。
【0145】
第4のサンプル86には、実施される手順、用途または分離によって必要とされる当業界で公知の好適な電解質や添加剤を含有させて、イオン透過性隔壁を通っての特定の成分の移動を実質的に防止または誘発させ得る。好ましい実施形態では、構成成分が除去されるサンプルを第3のサンプル液貯槽50cに入れる。しかしながら、別の実施形態において、構成成分が除去されるサンプルを第1のサンプル液貯槽50aまたは第2のサンプル液貯槽50bに入れるということは明らかである。
【0146】
熱交換器70は好ましくは、配管92を介して貯槽93から交換器70中に冷却流体を送るポンプ94を有するシェル内チューブ型装置である。流体が熱交換器のそれぞれの配管の中を通して熱交換器70に送られると、その内容物は所望の温度に適宜に冷却される。
【0147】
第1のサンプル56、第2のサンプル66、第3のサンプル76、第4のサンプル86、第1の電解液42および第2の電解液43の個々に調節可能な流量は、これらを利用すると、分離に対して顕著な影響を与え得る。装置の構成ならびに処理されるサンプルの組成、量および容量に応じて、0〜数mL/分から数L/分の範囲の流量が適切である。実験室規模の装置では、約0mL/分〜約50000mL/分の範囲の個々に調節可能な流量を用い、好ましい流量は0mL/分〜約1000mL/分の範囲である。しかしながら、ポンプ送り手段ならびに装置の大きさに応じて、それより大きい流量も可能である。個々に調節可能な流量の選択は、工程、移動させる1成分または複数成分、移動の効率、ならびに他の工程(前工程もしくは後工程)との工程の組み合わせに依存する。
【0148】
さらに、サンプル流動回路58、68、78および88、第1の電解液流動回路40ならびに第2の電解液流動回路41を独立的に密閉して、汚染や交差汚染を防止することが好ましい。好ましい実施形態では、貯槽50a〜50d、42および43は、装置の他の部分から完全かつ個別に密閉されている。
【0149】
分離ユニットはさらに、電極125および126を有する。好ましくはそれぞれの電極は、第1および第2の電解液チャンバー113、114に配置し、イオン透過性隔壁によって第1および第2のサンプルチャンバーから分離する。
【0150】
電極125および126は適切には標準的な電極であるか、あるいは好ましくは白金コーティングチタンエキスパンデッドメッシュから形成して、好ましい機械特性、電界の均一分布、長い耐用寿命およびコスト効率を与えるようにする。電極125および126は好ましくは、イオン透過性隔壁121aおよび121eに相対的に近く配置して、印加電位の利用を高めたり、発熱を少なくする。実験室規模の装置には、約0.1〜6mmの距離が好適であることが認められている。スケールアップする場合は、その距離はイオン透過性隔壁の数および種類、ならびに電解液チャンバーおよびサンプルチャンバーの大きさおよび容量に依存する。好ましい距離は、約0.1mm〜約10mmのレベルであると考えられる。
【0151】
分離ユニット110はまた好ましくは、分離ユニット110を電源装置73に接続するのに用いられる電極コネクター79も有する。好ましくは電源装置73は、分離ユニットに対して外部にある。しかしながら分離ユニット110は、内部電源装置73を入れた構成とすることができる。
【0152】
分離は、電位を分離ユニット110に印加した時に行われる。電界強度(電位)の選択は、分離に応じて変わる。代表的には電界強度は、1V/cm〜約5000V/cm、好ましくは10V/cm〜2000V/cmの間で変わる。ユニットにおける総電力消費を、所望の分離および生産速度に見合った最小値に維持することが好ましい。
【0153】
1つの実施形態では、印加電位を周期的に停止および逆転させて、他の流体ストリームに入った成分の再侵入を実質的に起こすことなく、イオン透過性隔壁に入った成分を少なくとも一つの流体ストリームへ逆戻りさせる。もう1つの実施形態では、休止期間を用いる。休止(流体ストリームは維持されるが、電位は印加されない期間)は、任意的に行われる電位逆転を適宜に置き換える、あるいはその電位逆転の後に適宜に行われる任意的な段階である。休止は、電位逆転に対する代替法として、タンパク質含有サンプルに対してしばしば用いられる。
【0154】
分離ユニット110は、氷塊または電解液貯槽42および43の一方もしくは両方に入れられた冷却コイル(外部装置)あるいは電解液36および38の温度を制御することができる他の適当な手段などの当業界で公知の各種方法によって適宜に冷却される。両方のサンプル流動回路58、68、78および88が熱交換器70を通過することから、サンプルと第1のおよび第2の電解液の一方もしくは両方との間で熱交換が行われる。熱交換は、サンプルの温度を好ましいレベル、通常は低いレベル、に維持するのに役立つ。
【0155】
本発明はさらに、上記したように3個ないし少なくとも12個の分離チャンバーを有する分離ユニットを使用する電気泳動装置を包含する。例えば、図2〜4を参照して説明した分離ユニットは、適当な数の流れの通路、ポンプおよびサンプルチャンバーを用いることで使用することもできる。
【0156】
図12には、2個の電解液の流れの通路3、12個の分離の流れの通路6、サンプルおよび電解液貯槽5ならびに冷却設備7を有する電気泳動装置2の模式図を示してある。分離ユニット10は、12個の分離チャンバー、陰極チャンバーおよび陽極チャンバーを収容している。ポンプ4は、流体をサンプルおよび電解液チャンバー5から分離ユニット10に送る。
【0157】
本発明の利点は、3個以上の分離チャンバーを有する分離装置を色々な構成に配置することができるという能力である。
【0158】
1実施形態では、イオン透過性隔壁は特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜から形成される。膜の平均孔径および孔径分布は、特定の構成成分の膜横断輸送を促進しながら、他の構成成分の膜横断輸送を実質的に防止するように選択する。
【0159】
別の実施形態ではイオン透過性隔壁は、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を実質的に防止しながら、電位を印加した時における特定の構成成分の選択的隔壁横断輸送を許容する等電膜などの等電イオン透過性隔壁である。好適な等電膜は、アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミドおよび、弱電解質の適切なアクリルアミド誘導体を共重合させて、pI値が2〜12の範囲であり、特定の大きさの成分の膜横断輸送を促進するかまたは実質的に防止する平均孔径を有する等電膜を形成することで製造できる。
【0160】
別の実施形態ではイオン透過性隔壁は、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を実質的に防止しながら、電位を印加した時における特定の構成成分の選択的隔壁横断輸送を許容するアニオン交換膜などのイオン交換性イオン透過性隔壁である。好適なイオン交換膜は、強電解質および弱電解質官能基含有多孔質膜である。
【0161】
【実施例】
実施例1
12個の分離チャンバーを有する本発明による装置を用いて、ヒト血漿からの免疫グロブリンG(IgG)の分離を行った。本実施例は、本発明の装置を、同じサンプル液貯槽からの同じ供給サンプルを、同一、複数、並列配置の分離チャンバーの4つのセットによって処理するのに使用する例を示すものである。
【0162】
分離ユニットを次のように組み立てた。全てのイオン透過性隔壁を、異なる公称カットオフ分子量(NMM)を有するポリアクリルアミドとした。第1の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、陽極コンパートメントと第1の分離チャンバーとの間の第1のイオン透過性隔壁から始まり、NMMが100000ダルトンである、第1および第2の分離チャンバーの間の次の隔壁を経て、そのあとNMMが1000000ダルトンより大きい、第2および第3の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第2の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第3および第4の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが100000ダルトンである、第4および第5の分離チャンバーの間の次の隔壁を経て、そのあとNMMが1000000ダルトンより大きい、第5および第6の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第3の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第6および第7の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが100000ダルトンである、第7および第8の分離チャンバーの間の次の隔壁を経て、そのあとNMMが1000000ダルトンより大きい、第8および第9の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。最後に、第4の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第9および第10の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが100000ダルトンである、第10および第11の分離チャンバーの間の次の隔壁を経て、そのあとNMMが1000000ダルトンより大きい、第11および第12の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第12の分離チャンバーは、NMMが5000ダルトンであるイオン透過性隔壁によって、陰極コンパートメントから分離されている。
【0163】
陽極コンパートメントおよび陰極コンパートメント中の電解液(それぞれ2L)、ならびに第1、第2、第4、第5、第7、第8および第10、第11の分離チャンバー(それぞれ20mL)中の電解液は同一であり、60mM MOPSおよび40mM GABA(pH5.50)とした。供給サンプルは、ヒト血漿を同じpH5.50の、60mM MOPSおよび40mM GABA緩衝液で1:10の割合に希釈することで調製した(最終pH6.02)。このサンプル110mLを、第3、第6、第9および第12の分離チャンバーに入れた。
【0164】
分離は600Vで180分間行った。電流は、分離の間ほぼ34mAであった。pH5.5ではIgGはカチオン性であり、陰極の方に移動し、1000000ダルトンより大きいNMM隔壁を通過したが、100000ダルトンNMM隔壁を通過することはできず、その結果分離チャンバー2、5、8および11に生成物として捕捉された。低分子量タンパク質はNMM100000隔壁を通って進み、ストリーム[液流]1、4、7および10(汚染物ストリーム)の中に捕捉された。サンプルストリームから生成物ストリームへのIgGの移動は、60分での第1の分析点において認められた(図13)。分離の過程で観察されたpH変化を表1に示してある。
【0165】
表1 多数個膜の積み重ねおよび単一サンプル源を用いた、ヒト血漿からのIgGの精製時におけるpH変化
【表1】
実施例2
12個の分離チャンバーを有する本発明による装置を用いて、ヒト血漿からのIgGの分離を行った。本実施例は、pHに依存した荷電に基づく分離の原理を用いて、本発明の装置を、同じサンプル液貯槽からの同じ供給サンプルを、同一、複数、並列配置の分離チャンバーの4つのセットによって処理するのに使用する例を示すものである。
【0166】
分離ユニットを次のように組み立てた。全てのイオン透過性隔壁を、異なる公称カットオフ分子量(NMM)を有するポリアクリルアミドとした。第1の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、陽極コンパートメントと第1の分離チャンバーとの間の第1のイオン透過性隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第1および第2の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第2の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第2および第3の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第3および第4の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第3の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第4および第5の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第5および第6の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第4の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第6および第7の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第7および第8の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。第5の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第8および第9の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第9および第10の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。最後の第6の並列分離チャンバーのセットは、NMMが5000ダルトンである、第10および第11の分離チャンバーの間の隔壁から始まり、NMMが1000000ダルトンより大きい、第11および第12の分離チャンバーの間の次の隔壁に至るものとした。最後に、第12の分離チャンバーは、NMMが5000ダルトンであるイオン透過性隔壁によって、陰極コンパートメントから分離した。
【0167】
陽極コンパートメントおよび陰極コンパートメント中の電解液(それぞれ2L)、ならびに第1、第3、第5、第7、第9および第11の分離コンパートメント(それぞれ15mL)中の電解液は同一であり、60mM MOPSおよび40mM GABA(pH5.46)とした。供給サンプルは、ヒト血漿を同じpH5.46の、60mM MOPSおよび40mM GABA緩衝液で1:10の割合に希釈することで調製した(最終pH6.0)。このサンプル15mLを、第2、第4、第6、第8、第10および第12のそれぞれの分離チャンバーに入れた。
【0168】
分離は600Vで180分間行った。電流は、分離の間ほぼ30mAであった。pH5.46ではIgGはカチオン性であり、陰極の方に移動し、1000000ダルトンより大きいNMM隔壁を通過した。相対的にpIが高いタンパク質はアニオン性であり、それらが供給されたところ(第2、第4、第6、第8、第10および第12のチャンバー)に留まった。これは、たとえそれらがアニオン性であったとしても、NMM5000ダルトンを通過できなかったからである。分離の終了後、各生成物ストリームおよびサンプルストリームを回収し、それぞれのストリームにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLを加え、分離電位を印加せずに10分間循環させた。そのあと、PBS溶液を各ストリームから回収した。
【0169】
IgGの生成物ストリームへの移動は、60分後でほぼ完了した(図14)。分離の終了点では、全てのサンプルストリームのpHは5.49〜5.55であり、陰極液はpH5.76であり、陽極液はpH5.45であった。
【0170】
実施例3
12個の分離チャンバーを有する本発明による装置を用いて、大きさによるニワトリ卵白の成分の分離を行った。本実施例は、本装置を、公称カットオフ分子量が異なる一連のイオン透過性隔壁の使用により大きさに基づく分離を行うのに使用する例を示すものである。
【0171】
分離ユニットを次のように組み立てた。全てのイオン透過性隔壁を、異なる公称カットオフ分子量(NMM)を有するポリアクリルアミドとした。陽極コンパートメントと第1の分離チャンバーとの間のイオン透過性隔壁は、NMMが3000ダルトンのポリアクリルアミド膜とした。第1および第2の分離チャンバーの間の隔壁は5000ダルトンのNMMを有し、第2および第3の分離チャンバーの間の隔壁は50000ダルトンのNMMを有し、第3および第4の分離チャンバーの間の隔壁は100000ダルトンのNMMを有し、第4および第5の分離チャンバーの間の次の隔壁は150000ダルトンのNMMを有し、第5および第6の分離チャンバーの間の次の隔壁は200000ダルトンのNMMを有していた。第6および第7の分離チャンバーの間の隔壁は300000ダルトンのNMMを有し、第7および第8の分離チャンバーの間の次の隔壁は400000ダルトンのNMMを有していた。第8および第9のチャンバーはNMM500000ダルトンの隔壁によって分離した。第9および第10の分離チャンバーならびに第10および第11の分離チャンバーは1000000ダルトンのNMM膜によって分離した。第11および第12の分離チャンバーの間の隔壁は、15000ダルトンのNMMを有していた。第12の分離チャンバーは、NMMが3000ダルトンのイオン透過性隔壁によって陰極コンパートメントから分離した。
【0172】
陽極コンパートメントおよび陰極コンパートメント中の電解液(それぞれ2L)、ならびに第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第11および第12の分離コンパートメント(それぞれ20mL)中の電解液は同一であり、90mM Tris、90mMホウ酸、pH8.51の1mM EDTA(TBE)とした。供給サンプルは、卵白15mLを、全てのチャンバーで使用した電解液で1:4の割合に希釈することによって調製し、ポリエチレンテレフタレート紙で濾過した。このサンプル溶液40mLを、分離チャンバー10に接続されたサンプル液貯槽に入れた。分離は600Vで4時間行った。
【0173】
図15には、4時間の電気泳動後の分離チャンバーの内容物についてのSDS−PAGE分離の像を示してある。卵白のリゾチーム(分子量14kDa、等電点10)は、そのタンパク質がpH8.5で正電荷を有することから、分離チャンバー11および12(3kDa〜15kDa膜と15kDa〜1000kDa膜の間)に移動した(列1および2)。負電荷を有するタンパク質は陽極に移動した(列3〜10)。タンパク質の大きさが小さいほど、サンプルの供給点であるチャンバー10から遠くに移動した。
【0174】
実施例4
12個の分離チャンネルを有する本発明による装置を用いて、ヒト血清アルブミン(HSA、66.5kDa、pI=4.9)からα−1−抗トリプシン(AAT、51kDa、pI=4.8)を分離した。本実施例は、本発明の装置を、ビール緩衝液を用いて、弱電解質の二成分混合物から得られる緩いpH勾配中で、近いpI値を有する成分の準等電点電気泳動分離を行うのに使用する例を示すものである。
【0175】
この分離ユニットは以下のように組み立てた。全てのイオン透過性隔壁は、2種類の異なる公称カットオフ分子量(NMM)を有するポリアクリルアミド膜とした。陽極チャンバーと第1の分離チャンバーとの間のイオン透過性隔壁、ならびに第12の分離チャンバーと陰極チャンバーとの間のイオン透過性隔壁は、5000ダルトンのNMMを有していた。そのほかの、第1と第2、第2と第3、第3と第4、第4と第5、第5と第6、第6と第7、第7と第8、第8と第9、第9と第10、第10と第11、そして最後に第11と第12の分離チャンバーの間の全ての隔壁は、1000000ダルトンのNMMを有していた。
【0176】
陽極液(2L)はpH4.01で10mMグリシルグリシン(gly−gly)および90mM MESを含有していた。陰極液(2L)はpH5.14で90mM gly−glyおよび10mM MESを含有していた。全ての分離チャンバーに、表2に示した濃度でgly−glyとMESの混合物(各15mL)を入れて、所望の緩いpH勾配を設定した。供給サンプルは、濃度2mg/mLのHSAおよび濃度0.5mg/mLのAATを90mMのgly−glyおよび10mMのMES緩衝液に溶かすことで調製した。総サンプル容量は20mLとし、その初期pHは5.35であった。サンプルを、陰極の隣りにある分離チャンバー12に入れた。サンプルについて、600Vで4時間電気泳動を行った。分離の間、電流は約40mAであった。
【0177】
図16には、4時間の電気分解後の分離チャンバー内容物のSDS−PAGE分離の像を示した。図17には、AATに対する抗体を用いた、同じ分離のウェスタンブロットの像を示してある。
【0178】
HSAは分離チャンバー10〜7(図16における列10〜7)に蓄積し、AATは分離チャンバー7〜4(図16および17における列7〜4)に蓄積した。チャンバー6〜4から純粋なAATを回収することができた(図17)。
【0179】
表2 pH勾配の調製およびAATからのHSAの分離に関する結果
【表2】
以上の実施例は、本発明による装置および方法を用いて、成分の非常に優れた分離を行うことができることを示している。その高い生産速度は、短い電気泳動移動距離、高い電界強度およびシステムの優れた熱放散特性によるものである。
【0180】
以上、本詳細な説明ではほんの一例として本発明を説明した。広く記載されている本発明の精神または範囲から逸脱することなく各特定の実施形態に示されたように、本発明に対して多くの変形および/または改変を行い得ることは、当業者には明らかであろう。従ってこれらの実施形態は、あらゆる面において例示的なものであって、限定的なものではないと考えるべきである。本発明のそのほかの特徴および態様については、当業者には、本開示を読み理解すれば察することができるものである。そのような特徴、態様ならびに報告された結果および実施例についての予想される変形および改変は、明らかに、本発明が本特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の電気泳動装置で使用される4個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【図2】
本発明の電気泳動装置で使用される6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【図3】
本発明の電気泳動装置で使用される6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの別の実施形態の模式図である。
【図4】
本発明の電気泳動装置で使用される12個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットの模式図である。
【図5】
本発明の電気泳動装置で使用される12個の分離チャンバーを有することができる電気泳動分離ユニットの図であって、図5Aはそれの分解組立図であり;図5Bは、好適なハウジング中で部分的に組み立てられた図5Aによる電気泳動分離ユニットの図であり;図5Cは、好適なハウジング中で完全に組み立てられた図5Aによる電気泳動分離ユニットの図である。
【図6】
本発明の電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの構成要素として組み込み得るグリッドエレメントの図であり、図6Aは第1のグリッドエレメントの平面図であり、図6Bは第2のグリッドエレメントの平面図であり、図6Cは第3のグリッドエレメントの平面図である。
【図7】
3個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【図8】
4個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【図9】
6個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【図10】
12個の分離チャンバーを有する電気泳動分離ユニットまたはカートリッジの内側構成要素の分解組立図である。
【図11】
図1の分離ユニットを用いる電気泳動装置の模式図である。
【図12】
12個の分離チャンバーを有する分離ユニットを用いる電気泳動装置のライン図である。
【図13】
実施例1でのヒト血漿からのIgG分離時における60分間、120分間および180分間の電気泳動後に回収されたサンプルについての分析SDS−PAGE結果を示す図である。
【図14】
実施例2におけるヒト血漿サンプルの4時間の電気泳動後に回収されたサンプルについての分析SDS−PAGE結果を示す図である。
【図15】
実施例3における4時間の電気泳動後の分離チャンバー内容物のSDS−PAGE分離の像を示す図である。
【図16】
実施例4における4時間の電気泳動後の分離チャンバー内容物のSDS−PAGE分離の像を示す図である。
【図17】
AATに対する抗体を用いた、図16と同じ分離のウェスタンブロットの像を示す図である。
Claims (71)
- マルチポート型電気泳動装置であって、該装置が:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;
(b)陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位を印加した時に電場において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;
(c)陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(d)陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(e)前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーと流体連通している少なくとも1個の電解液貯槽;
(f)前記少なくとも1個の電解液貯槽と前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーとの間で電解液を出し入れするように作製された手段;
(g)前記電界領域に少なくとも部分的に配置されている、前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置された少なくとも3個の隣接して配置された分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;
(h)分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(i)少なくとも1個のサンプル液貯槽であって、少なくとも1個のサンプル液貯槽が少なくとも1個の分離チャンバーと流体連通しているサンプル液貯槽;ならびに
(j)サンプル液貯槽と少なくとも1個の分離チャンバーとの間で流体を出し入れするように作製された手段;
を有し、前記所定電位の印加が前記イオン透過性隔壁の少なくとも一つを通る少なくとも1つの成分の移動を起すことを特徴とするマルチポート型電気泳動装置。 - 前記陰極チャンバーと流体連通している陰極液貯槽ならびに前記陽極チャンバーと流体連通している陽極液貯槽の2つの電解液貯槽を有する請求項1に記載の装置。
- それぞれの分離チャンバーと流体連通している3〜12個の対応するサンプル液貯槽を有する3〜12個の分離チャンバーを有する請求項1または2に記載の装置。
- 3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個または12個の分離チャンバーを有し且つ3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個または12個の対応するサンプル液貯槽を有する請求項1または2に記載の装置。
- 4個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している6個の対応するサンプル液貯槽を有する請求項1または2に記載の装置。
- 6個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している8個の対応するサンプル液貯槽を有する請求項1または2に記載の装置。
- 12個の分離チャンバーおよび、それぞれの分離チャンバーと流体連通している12個の対応するサンプル液貯槽を有する請求項1または2に記載の装置。
- 電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
- 前記隔壁が、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
- 前記陰極および陽極電極が白金コーティングされたチタンメッシュを有する請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
- それぞれの分離チャンバーが、そのチャンバーと流体連通している導入手段および排出手段を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。
- 少なくとも2個の分離チャンバーが同じ導入および排出手段を介して流体連通している請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
- 少なくとも1個の分離チャンバーが、外部流体連通手段を介して少なくとも1個の他の分離チャンバーと流体連通している請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
- 前記分離チャンバーのうちの少なくとも2個が直列流体連通している請求項1ないし15のいずれかに記載の装置。
- 前記分離チャンバーのうちの少なくとも2個が並列流体連通している請求項1ないし16のいずれかに記載の装置。
- 前記電解液貯槽から前記陰極チャンバーおよび前記陽極チャンバーを通って電解液を循環させて、前記それぞれのチャンバーで電解液の流れを形成するように作製された手段;ならびに
前記サンプル液貯槽から前記それぞれの分離チャンバーを通って流体内容物を循環させることで、前記それぞれの分離チャンバーで分離の流れを形成するように作製された手段;
をさらに有する請求項1ないし17のいずれかに記載の装置。 - 前記電解液および流体内容物を出し入れするように作製された手段が、別個に制御されて前記それぞれの電解液および流体を独立に移動させるポンプ送り手段を有する請求項18に記載の装置。
- 前記サンプル液貯槽の少なくとも1個から内容物を取り出しまた前記サンプル液貯槽の少なくとも1個の中に内容物を戻すように作製された手段をさらに有する請求項1ないし19のいずれかに記載の装置。
- 前記陰極チャンバー、前記陽極チャンバー、サンプル液貯槽または分離チャンバーのうちの少なくとも一つの中の内容物の温度を維持するように作製された手段をさらに有する請求項1ないし20のいずれかに記載の装置。
- 前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーの中の電解液および/または前記分離チャンバーの流体、の温度が維持される請求項21に記載の装置。
- 前記温度を維持する手段がシェル内チューブ型熱交換器である請求項21に記載の装置。
- 前記陰極チャンバー、前記陽極チャンバーおよび前記分離チャンバーが分離ユニットに収容されており、該分離ユニットがカートリッジおよびカセットからなる群から選択され且つ該分離ユニットが前記電解液貯槽および前記サンプル液貯槽と流体的に連結されている請求項1ないし23のいずれかに記載の装置。
- 電気泳動分離ユニットであって、該ユニットが:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;
(b)陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位を印加した時に電場において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;
(c)陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(d)陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
(e)前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置されていることで前記電界領域に少なくとも部分的に配置されている少なくとも3個の隣接して配置された分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;
(f)分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;
を有し、前記所定の電位の印加が前記イオン透過性隔膜の少なくとも1つを通る少なくとも1つの成分の移動を起こすことを特徴とするユニット。 - 3〜12個の分離チャンバーを有する請求項25に記載のユニット。
- 3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個または12個の分離チャンバーを有し且つ3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個または12個の対応するサンプル液貯槽を有する請求項25に記載のユニット。
- 4個の分離チャンバーを有する請求項25に記載のユニット。
- 6個の分離チャンバーを有する請求項25に記載のユニット。
- 12個の分離チャンバーを有する請求項25に記載のユニット。
- 電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する請求項25ないし30のいずれかに記載のユニット。
- 前記隔壁が、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である請求項25ないし31のいずれかに記載のユニット。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である請求項25ないし32のいずれかに記載のユニット。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である請求項25ないし33のいずれかに記載のユニット。
- 前記陰極および陽極が白金コーティングされたチタンメッシュを有する請求項25ないし34のいずれかに記載のユニット。
- 前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための複数の導入および排出手段を画定する陰極接続ブロックおよび陽極接続ブロックをさらに有する請求項25ないし35のいずれかに記載のユニット。
- 陰極接続ブロックおよび陽極接続ブロックが、前記陰極および陽極ならびに、前記陰極および陽極を電源装置に接続するための接続手段を収容している請求項36に記載のユニット。
- 前記陰極が前記陰極接続ブロック中に画定された凹部またはチャンネルの中に収容されており、前記陽極が前記陽極接続ブロック中に画定された凹部またはチャンネルの中に収容されている請求項37に記載のユニット。
- 前記陽極接続ブロックおよび陰極接続ブロックが前記陰極液および陽極液の流れのための導入ポートおよび排出ポートを画定する請求項38に記載のユニット。
- 少なくとも1個の分離チャンバーが、外部の連通手段を介して、少なくとも1個の他の分離チャンバーと流体連通している請求項25ないし39のいずれかに記載のユニット。
- 少なくとも2個の分離チャンバーが直列流体連通している請求項25ないし40のいずれかに記載のユニット。
- 少なくとも2個の分離チャンバーが並列流体連通している請求項25ないし41のいずれかに記載のユニット。
- 少なくとも2個の分離チャンバーが、同じ導入および排出手段を介して流体連通している請求項25ないし42のいずれかに記載のユニット。
- 前記分離チャンバーが、前記ユニットから着脱可能に作製されたカートリッジの中に形成されているか、あるいは収容されている請求項25ないし43のいずれかに記載のユニット。
- 電気泳動ユニットで使用するためのカートリッジであって、該カートリッジが:
(a)第1の外側イオン透過性隔壁と第2の外側イオン透過性隔壁の間に配置された少なくとも2個の内側イオン透過性隔壁を収容するハウジングであって、前記隔壁がそれらの間で3個以上の分離チャンバーを画定しており、前記隔壁が隣接するチャンバーの中の内容物の対流混合を防止するように作製されたハウジング;ならびに
(b)前記分離チャンバー中で流れの通路を画定している前記チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入ポートおよび排出ポート;
を有し、前記導入ポートに液体が送られると、前記チャンバー間での液体の実質的な対流混合を起こすことなく、液体が前記チャンバーを通る流れをつくることを特徴とするカートリッジ。 - 前記外側イオン透過性隔壁上に配置された外部ガスケットをさらに有する請求項45に記載のカートリッジ。
- 前記流れの通路が前記隔壁によって画定される請求項45または46に記載のカートリッジ。
- 前記隔壁に近接して配置されたグリッドエレメントを有する請求項45ないし47のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記グリッドエレメントが概して平坦である請求項45ないし48のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記グリッドエレメントがさらに、前記隔壁を支持し、前記流れの通路中で流体を混合するための支持用部品を有する請求項45ないし49のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記支持用部品が格子状部品である請求項50に記載のカートリッジ。
- 3個以上の分離チャンバーを画定する2個以上の内側隔壁を有する請求項45ないし51のいずれかに記載のカートリッジ。
- 3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個または12個の対応する分離チャンバーを画定する2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個または11個の内側隔壁を有する請求項45ないし51のいずれかに記載のカートリッジ。
- 4個の分離チャンバーを画定する3個の内側隔壁を有する請求項45ないし51のいずれかに記載のカートリッジ。
- 6個の分離チャンバーを画定する5個の内側隔壁を有する請求項45ないし51のいずれかに記載のカートリッジ。
- 12個の分離チャンバーを画定する11個の内側隔壁を有する請求項45ないし51のいずれかに記載のカートリッジ。
- 電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する請求項45ないし56のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記隔壁が、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である請求項45ないし57のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である請求項45ないし58のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である請求項45ないし59のいずれかに記載のカートリッジ。
- それぞれの分離チャンバーが、そのチャンバーと流体連通している導入ポートおよび排出ポートを有する請求項45ないし60のいずれかに記載のカートリッジ。
- 少なくとも2個の分離チャンバーが同じ導入ポートおよび排出ポートを介して流体連通している請求項45ないし61のいずれかに記載のカートリッジ。
- 電気泳動によってサンプルの組成を変える方法であって、該方法が:
(a)陰極を収容する陰極チャンバー;陽極を収容する陽極チャンバーであって、その陽極チャンバーが前記陰極チャンバーに対して、前記陰極および陽極が前記陰極と陽極との間に所定の電位が印加された時に電場領域において電界を発生させるように配置されている陽極チャンバー;陰極液の流れの通路を画定している前記陰極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;陽極液の流れの通路を画定している前記陽極チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;前記陰極チャンバーおよび前記陽極チャンバーと流体連通している少なくとも1個の電解液貯槽;前記少なくとも1個の電解液貯槽と前記陰極チャンバーおよび陽極チャンバーとの間で電解液を出し入れするように作製された手段;前記電界領域の中に少なくとも部分的に配置されるように前記陰極チャンバーと陽極チャンバーとの間に配置された少なくとも3個の分離チャンバーであって、その分離チャンバーが前記陽極チャンバーと陰極チャンバーとの間に配置された複数のイオン透過性隔壁によって形成されており、前記イオン透過性隔壁が隣接するチャンバーの内容物の対流混合を妨げるように作製された分離チャンバー;分離の流れの通路を画定している前記分離チャンバーの中へならびに該チャンバーから液体を出し入れするための導入および排出手段;3個以上のサンプル液貯槽であって、各貯槽が1個以上の分離チャンバーと流体連通しているサンプル液貯槽;ならびにサンプル液貯槽と少なくとも1個の分離チャンバーとの間で流体を出し入れするように作製された手段;を有するマルチポート型電気泳動装置を提供する段階;
(b)前記陽極および陰極導入手段を介して前記陽極チャンバーおよび陰極チャンバーに電解液を送る段階;
(c)前記サンプルを、前記導入手段を介して前記分離チャンバーの少なくとも一つに送る段階;
(d)前記導入手段を介してそのほかのチャンバーに流体を送る段階;ならびに
(e)前記陰極と陽極の間に電位を印加してチャンバー中の前記サンプルの少なくとも1つの成分を隔壁を通して1以上の隣接する分離チャンバーに移動させる段階;
を有することを特徴とする方法。 - (f)前記サンプルを別の組成で回収する段階;
をさらに有する請求項63に記載の方法。 - 前記陽極チャンバーおよび陰極チャンバーに出し入れされた電解液を、それぞれの導入手段および排出手段を通して循環させて電解液の流れを形成する請求項63または64に記載の方法。
- 前記分離チャンバーに出し入れされたサンプルと流体を前記それぞれのチャンバーの前記導入手段および排出手段を通して循環させてサンプルおよび流体の流れを形成する請求項63ないし65のいずれかに記載の方法。
- 前記電位を印加すると実質的に全ての成分の隔壁横断移動が開始する請求項63ないし66のいずれかに記載の方法。
- 電界がない場合、前記隔壁の少なくとも一部が、隣接するチャンバーの内容物の対流混合を制限し且つ成分の実質的な移動を防止する請求項63ないし67のいずれかに記載の方法。
- 前記隔壁が、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である請求項63ないし68のいずれかに記載の方法。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、特徴的なpI値を有する等電膜である請求項63ないし69のいずれかに記載の方法。
- 前記隔壁の少なくとも1つが、イオンの選択的移動に介在することができるイオン交換膜である請求項63ないし70のいずれかに記載の方法。
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