JP2004509836A - 触媒反応用ヘテロ原子二座配位子のポリマー担持合成 - Google Patents

触媒反応用ヘテロ原子二座配位子のポリマー担持合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリマー担持型の新規なヘテロアトム二座(PN、PO、PS)配位子ライブラリの調製と、担体からの開裂後に対応する遊離化合物を調製することとに対する、コンビナトリアル法に関する。これらの化合物は、金属含有触媒を調製する際の新規な配位子として有用である。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、ポリマー担持型の新規なヘテロアトム二座(PN、PO、PS)配位子ライブラリの調製と、担体からの開裂後に対応する遊離化合物を調製することとに対する、コンビナトリアル法に関する。これらの化合物は、金属含有触媒を調製する際の新規な配位子として有用である。
【0002】
(背景)
金属原子に固定化されたキレートホスフィン化合物が触媒として有用である。化学プロセスから触媒を分離しやすくするために、ポリマーなどの固体支持体にリン配位子を結合させてある。触媒として試し得る可能性のあるポリマー固定化配位子を「スプリット・ミックス合成」によるコンビナトリアル法で生成することに対する関心の高まりから、ポリマー担体にホスフィン配位子を結合させる新たなケミストリーが次第に重要視されてきている。
【0003】
固体支持体を利用して、不斉ジホスフィンおよび非対称ジホスフィンの化合物などのキレートホスフィン化合物を含有する新たな合成物を調製するための新規な方法が発見されている。ホスフィン化合物は、化学プロセスの触媒としての遷移金属と併用すると効果的であることが明らかになっている。また、これらのプロセスをコンビナトリアルな仕組みに利用して、ホスフィン化合物のライブラリを作成することも可能である。これらのプロセスならびにこれによって調製される化合物については、1999年10月8日出願の米国特許出願第09/415,347号に記載されている。
【0004】
しかしながら、多種多様なホスフィン配位子を調製できる迅速かつ清潔で高収率の方法が必要とされている。特に、中間体が概して不安定であることから従来の方法では調製が困難なヘテロアトム二座ホスフィン配位子を調製する方法に需要がある。また、これらの配位子をライブラリ形式で調製し、キラル置換基を使用するための方法も必要である。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、式1
【0006】
【化8】
Figure 2004509836
【0007】
(式中、SSは固体支持体であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、ハロゲン、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物の調製方法に関するものである。この方法は、a)式XPR(式中、Xはハロゲンである)のホスフィンを固体支持体と接触させ、ホスフィン中のPを共有結合によって間接的または直接的に固体支持体に結合させるステップと、b)任意に、RまたはRの1またはそれ以上を任意の他のRまたはRにそれぞれ置き換えるステップとを含む。
【0008】
好ましくは、SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0009】
また、好ましくは、担持型ホスフィン化合物が、式1A
【0010】
【化9】
Figure 2004509836
【0011】
(式中、Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、Lは、1から12の、線状、分枝状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)の構造のものである。最も好ましくは、SSがポリスチレンであり、Lが−CH−であり、Zが−(NQ)−であり、Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、Rが、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピル、メシチル、シクロヘキシル、3−メトキシフェニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、Rが、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジニル、p−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]フェニル、および2,5−ジメトキシルフェニルからなる群から選択される。
【0012】
また、本発明は、式1
【0013】
【化10】
Figure 2004509836
【0014】
(式中、SSは固体支持体であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物にも関するものである。
【0015】
好ましくは、SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0016】
また、好ましくは、担持型ホスフィン化合物が、式1A
【0017】
【化11】
Figure 2004509836
【0018】
(式中、Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、Lは、1から12の、線状、分枝状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)の構造のものである。最も好ましくは、SSがポリスチレンであり、Lが−CH−であり、Zが−(NQ)−であり、Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、Rが、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピルと、メシチル、シクロヘキシル、3−メトキシフェニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、Rが、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジニル、2,5−ジメチル−1−N−フェニルピロリジニル、および2,5−ジメトキシルフェニルからなる群から選択される。
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、組成物およびポリマー担持型ホスフィンおよびホスフィンオキシド化合物の調製方法ならびにポリマー担体からの開裂後の対応する遊離化合物の調製方法に関する。
【0020】
具体的には、本発明は、式1
【0021】
【化12】
Figure 2004509836
【0022】
(式中、SSは固体支持体であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、ハロゲン、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物の調製方法に関するものである。この方法は、a)式XPR(式中、Xはハロゲンである)のホスフィンを固体支持体と接触させ、ホスフィン中のPを共有結合によって間接的または直接的に固体支持体に結合させるステップと、b)任意に、RまたはRの1またはそれ以上を任意の他のRまたはRに置き換えるステップとを含む。
【0023】
好ましくは、SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0024】
また、好ましくは、担持型ホスフィン化合物が、式1A
【0025】
【化13】
Figure 2004509836
【0026】
(式中、Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、Lは、1から12の、線状、分岐状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)の構造のものである。最も好ましくは、SSがポリスチレンであり、Lが−CH−であり、Zが−(NQ)−であり、Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、Rが、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピル、メシチル、シクロヘキシル、3−メトキシフェニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、Rが、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジニル、p−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]フェニル、および2,5−ジメトキシルフェニルからなる群から選択される。
【0027】
また、本発明は、式1
【0028】
【化14】
Figure 2004509836
【0029】
(式中、SSは固体支持体であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物にも関するものである。
【0030】
好ましくは、SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0031】
また、好ましくは、担持型ホスフィン化合物が、式1A
【0032】
【化15】
Figure 2004509836
【0033】
(式中、Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルとハロゲンとからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、Lは、1から12の、線状、分枝状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)の構造のものである。最も好ましくは、SSがポリスチレンであり、Lが−CH−であり、Zが−(NQ)−であり、Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、Rが、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピル、メシチル、シクロヘキシル、3−メトキシフェニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、Rが、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジニル、2,5−ジメチル−1−N−フェニルピロリジニル、および2,5−ジメトキシルフェニルからなる群から選択される。
【0034】
ヒドロカルビルとは、炭素と炭素との単結合、二重結合または三重結合および/またはいずれかの結合およびこれに伴う水素原子での置換によって連結された、炭素原子の直鎖状、分枝状または環状の配置を意味する。このようなヒドロカルビル基は脂肪族および/または芳香族であってもよい。ヒドロカルビル基の一例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ベンジル、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、キシリル、ビニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、ブチニルがあげられる。置換ヒドロカルビル基の一例としては、メトキシ、フェノキシ、トルイル、クロロベンジル、フルオロエチル、p−CH−S−C、2−メトキシ−プロピル、(CHSiCHがあげられる。
【0035】
本発明に関して言えば、下記の基準を満たす限りにおいて実質的にあらゆる固体状の物質を担体として利用することができる。
・その物質が、有機溶媒、水性溶媒または無機溶媒に不溶である。この点に関していえば有機ポリマー担体も条件に合うが、有機ポリマー担体は一般に架橋させる必要がある。金属酸化物(SiO、Al、TiO、ZrOなど)、クレー、ゼオライト、改質炭素などの無機担体は、一般にこれらの溶媒に不溶であり、担体として用いることが可能なものである。
・リンの共有結合的な結合に利用できる反応部位が担体に含まれている。
・化学変換が進む間にさらに架橋反応が起こるのを防止すべく、反応部位が独立している。
・反応部位が反応媒体に曝露される。ポリマー樹脂担体を用いる場合、反応溶媒中で膨潤する樹脂またはポリマーマトリックスを通して反応媒体を輸送できる程度に十分な多孔性を持つ樹脂を用いることで反応部位の曝露を達成する。
【0036】
「固体支持体」という用語は、表面に化合物を共有結合する官能価を持つか、あるいはこれを含むように誘導体化することが可能な、硬質または半硬質の表面を持つ物質を示す。所望の物性を得る目的で上記以外の改変を行うようにしてもよい。このような物質は従来技術において周知であり、その一例として、ポリスチレン担体、ポリアクリルアミド担体、ポリエチレングリコール担体、シリカなどの金属酸化物があげられる。このような担体は、小さなビーズ、ペレット、ディスク、フィルムまたは他の都合のよい形などの形態であると好ましいが、これ以外の形態を利用してもよい。
【0037】
好ましい固体支持体のひとつに、ポリマー主鎖の側鎖または側基を介してリンを共有結合的に結合可能な有機ポリマーまたは無機ポリマーがある。このポリマーは架橋または改質されたものであってもよい。担持型ホスフィン化合物または担持型ホスフィン化合物のコンビナトリアルライブラリを調製するにあたって役立つ好適かつ好ましいポリマーとしては、上述した基準全般を満たすポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、これらのコポリマーがあげられる。さらに好ましいポリマー担体のひとつに、ポリスチレン主鎖上のフェニル側基にリンが結合されたポリスチレンがある。最も好ましいのが、ジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンである。具体的には、固相合成で一般に用いられるポリスチレンを利用している。これらの個々の樹脂を1から10wt%のジビニルベンゼンと架橋させる。スチレン部分をパラ位置換またはメタ位置換する。スチレン部分の一部のみを置換し、一般には樹脂1グラムあたりの官能基量が約0.2から2.0ミリモルであるが、この値から前後してもよい。
【0038】
式1および式1Aで表される化合物の調製は、リンが固体支持体に共有結合的に結合する反応であればどのような反応を用いて行ってもよい。その一例として、Encyclopedia of Inorganic Chemistry、John Wiley & Sons、第6巻、第3149〜3213頁(本願明細書に援用する)に記載されているものがあげられる。
【0039】
Pを固体支持体に結合させる一実施形態に、ホスフィンのリンに結合したハロゲンまたは水素と固体支持体に共有結合的に結合した求核基との反応によるものがある。求核基という用語は、従来技術において十分に知られた用語であり、反応電子対を持つ化学部分を示す。この手法であれば容易にコンビナトリアル合成用にすることができる。
【0040】
上記化合物の置換基はいずれも、従来技術において周知の適当な方法で他の官能基に置き換えられるものである。この場合、反応物および反応条件次第では、1つまたはすべての置換基を1回の反応で反応させることが可能である。こうした反応は容易にコンビナトリアルプロセスに合わせられるものである。式1および式1Aで表される化合物を調製するための上記の方法および他の方法が、1999年10月8日出願の米国特許出願第09/415,347号(その内容全体を本願明細書に援用する)に詳細に記載されている。
【0041】
上記化合物の置換基はいずれも、従来技術において周知の適当な方法で他の官能基に置き換えられるものである。この場合、反応物および反応条件次第では、1つまたはすべての置換基を1回の反応で反応させることが可能である。
【0042】
本発明の方法は、これを容易にコンビナトリアルプロセスに合わせ、本発明の化合物のコンビナトリアルライブラリを作成することが可能である。さらに、本発明の方法を利用すれば、出発物質に存在する対掌性を失うことなくキラルホスフィン化合物を調製することができる。
【0043】
本願明細書において使用する、コンビナトリアルライブラリは、選択した合成手段によって調製し、さまざまな形式(可溶性分子のライブラリ、樹脂ビーズ、シリカチップまたは他の固体支持体に結合した化合物のライブラリなど)で所望の活性または特徴をスクリーニングすることが可能な複数の異なる分子を集めて意図的に作成した集合である。ライブラリは通常、化合物がほぼ等モル量でコンビナトリアル合成によって得られるように調製される。コンビナトリアル合成とは、分子多様性のある関連した分子を含む大きな化学ライブラリの生成につながる試薬を複数種類逐次的に添加することによって多様な化合物を並列合成することを示す。ライブラリのスクリーニング方法は極めてさまざまであり、所望の活性、ライブラリのサイズ、ライブラリに含まれる化合物のクラスに大きく左右される。
【0044】
本発明のライブラリはどのようなタイプのものであってもよい。このタイプとしてアレイおよび混合物があげられるが、これに限定されるものではない。アレイは、一般に格子上の位置で識別される、空間的に分離された位置で、各化合物が同時に合成されるライブラリである。混合物ライブラリは、同時に合成およびアッセイされる化合物の混合物を含む。次に、デコンボリューション(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91、第10779頁(1994))など、コンビナトリアル分野の従来技術において周知のいくつかある手法のうちいずれかを用いて、最も活性の高い化合物を同定する。
【0045】
本発明のコンビナトリアルライブラリに好ましい固体支持体のひとつに、ポリマー主鎖の側鎖または側基を介してリンを共有結合的に結合可能な上述したような有機ポリマーまたは無機ポリマーがある。
【0046】
また、本発明は、式2および式3
【0047】
【化16】
Figure 2004509836
【0048】
(式中、Rはハロゲンであり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)からなる群から選択されるホスフィン化合物の調製方法であって、
式1
【0049】
【化17】
Figure 2004509836
【0050】
(式中、SSは固体支持体であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、Rは、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物を、式ER(式中、Eは求電子基であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の化合物と接触させ、式1および式2の対応する化合物を形成するステップと、任意に、R、RおよびRの1またはそれ以上を、R、RおよびRのいずれかと置き換えるステップと、を含む調製方法にも関するものである。
【0051】
好ましくは、担持型ホスフィン化合物が、式1A
【0052】
【化18】
Figure 2004509836
【0053】
(式中、Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルとハロゲンとからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、Lは、1から12の、線状、分枝状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)の構造のものである。
【0054】
また、好ましくは、ERがPClおよび水からなる群から選択される。さらに好ましくは、Lが−CH−であり、Zが−(NQ)−であり、Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、Rがクロロであり、Rが、ブロモ、クロロ、メチル、i−プロピル、フェニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、Rが、フェニルと、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、2−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]−4−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、および2,5−ジメトキシルフェニルからなる群から選択される。
【0055】
上記の方法では、Eはリンを固体支持体に結合している共有結合を開裂する求電子基である。求電子基という用語は、従来技術において十分に知られた用語であり、上記にて定義したような求核基からの電子対を受け取ることができる化学部分を示す。好適な求電子基としては、トリメチルシリル、PCl、ハロゲンの他、酸、水、アルコールまたはアミンなどの化合物から電子を供与されるプロトンがあげられる。
【0056】
ERが水である場合、得られるPOH基を降伏点(yield)まで転位させ、式3の化合物を形成する。これらの化合物は、従来技術において周知の方法を利用して、1またはそれ以上のR、R、Rを−OH基と置き換えることで、式2の他のものから形成することも可能なものである。PSH基が存在する場合もこれと等価な転位が発生する。
【0057】
上記化合物の置換基はいずれも、他の官能基に置き換えられるものである。この場合、反応物および反応条件次第では、1つまたはすべての置換基を1回の反応で反応させることが可能である。こうした反応は容易にコンビナトリアルプロセスに合わせられるものである。式1および式1Aで表される化合物を調製するための上記の方法および他の方法が、1999年10月8日出願の米国特許出願第09/415,347号(その内容全体を本願明細書に援用する)に詳細に記載されている。
【0058】
本発明の方法は、これを容易にコンビナトリアルプロセスに合わせ、本発明の化合物のコンビナトリアルライブラリを作成することが可能である。さらに、本発明の方法を利用すれば、出発物質に存在する対掌性を失うことなくキラルホスフィン化合物を調製することができる。ライブラリを作成するには、1種またはそれ以上の担持型ホスフィンを式ERで表される化合物1種またはそれ以上と反応させ、複数のホスフィン化合物を生成する。
【0059】
本発明の方法は、好ましくは乾燥下で実施すなわち、乾燥した脱酸素溶媒を用いて不活性雰囲気にて実施する。あらゆる試薬および生成物に対して不活性であれば、どのような溶媒でも適している。最適な温度は約−80から約200℃、好ましくは約−80から約150℃である。
【0060】
本願明細書にて記載のリン化合物およびライブラリは、担持型および非担持型のいずれも触媒化合物用の配位子として利用可能である。これらの化合物を1種またはそれ以上の遷移金属と錯化し、配位化合物を得る。
【0061】
「配位化合物」とは、金属イオン(通常は遷移金属)と配位子または錯化剤と呼ばれる非金属イオンまたは分子とのユニオンによって形成される化合物を示す。
【0062】
本願明細書において、遷移金属とは、原子番号21から83までの金属であると定義する。好ましくは、遷移金属は、本願明細書では、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、およびPtであると定義する周期表の8族から選択されるものである。好ましいのはPdである。錯体については、直接反応を行うかまたは遷移金属前駆体を使用して、従来技術において周知の適当な合成方法によって得ることができる。こうした手法の多くが、Hartley、「Chem.Met.−Carbon Bond」、Hartley、F.R(編)、1987、第4巻、第1163〜1225頁に記載されている。
【0063】
本発明の化合物を触媒として利用できる反応のひとつに、ハロゲン化アリールとチオールとのクロスカップリングにおける反応がある。このタイプの反応は、Zhengら、J.Org.Chem.、63、第9606〜9607頁(1998)に記載されている。
【0064】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示することを意図したものであるが、本発明を何ら限定するものではない。
【0065】
(材料および方法)
空気に敏感な物質の操作はいずれも、高度真空(10−4〜10−5Torr)ラインと連携させたデュアルマニフォルドシュレンクラインのシュレンクタイプのガラス器、あるいは、高容量再循環器(high−capacity recirculator)(1〜2ppmのO)を設けた窒素充填真空雰囲気グローブボックスにて、酸素および水分を厳格に排除して実施した。使用時、溶媒を乾燥窒素下にて適切な乾燥剤(ベンゾフェノンケチルナトリウム、塩素化溶媒を除く金属水素化物)にて蒸留した。Cambridge Isotopes(マサチューセッツ州アンドーバー)からTHF−DおよびCDClを購入した。有機および無機の出発物質はいずれも、Aldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Farchan Laboratories Inc.(フロリダ州ゲーンズビル)、Strem Chemicals(マサチューセッツ州ニューベリーポート)、Calbiochem−NovaBiochem Corp.(カリフォルニア州サンディエゴ)、Rieke Metals,Inc.(ネバラスカ州リンカーン)またはLancaster Synthesis Inc.(ニューハンプシャー州ウィンダム)から購入し、必要に応じて使用前に蒸留した。
【0066】
(物理測定と分析測定)
Nicolet NMC−300ワイドボア機器(FT、300MHz、H;75MHz、13C、121MHz 31P)またはGE QM−300ナローボア機器(FT、300MHz、H)で、NMRスペクトルを記録した。ここで、H、13Cの化学シフト(δ)については内部標準溶媒の共鳴位置に対して求め、SiMeを基準にして記録する。31P NMRシフトについては外部標準であるリン酸を基準に記録する。FID検出器およびHewlett−Packard 3390Aデジタルレコーダ/インテグレータを設けたVarian Model 3700ガスクロマトグラフにて、Chromosorb W担体にSE−30液相量3.8%w/wを充填した内径0.125インチのカラムを使用して、分析用ガスクロマトグラフィを実施した。70eV電子衝撃イオン化を行い、VG 70−250 SE機器でGC/MS分析を実施した。
【0067】
(実施例)
ポリマー担持型P−C−X(X=O、S)配位子の合成
(実施例1)
ポリマー固定化2−P(Br)C
CHCHCHNH(224g、3.8モル)とKI(0.3g、2mmol)とをTHF1000mLに入れた溶液を、室温にて攪拌しながら30分間クロロメチルポリスチレン−ジビニルベンゼン(Merrified樹脂、2%DVB、100g、1.10mmol/g、110mmol)で処理した。次に、懸濁液を24時間還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、HO(3×250mL)、THF(3×150mL)、ヘキサン(3×200mL)で洗浄した。真空中にて一晩乾燥させたところ、樹脂約100gが得られた。ポリマー−Ph−CH−Cl(CH=〜4.5ppm)のH共鳴が消失したことから、クロロメチル基が完全にn−プロピルアミノメチル基に変化したことが分かる。
【0068】
PBr(25.0g、92.4mm)およびフラン(7.0g、102.8mm)をピリジン150mLに入れた溶液を5時間還流し、粗2−フリルジブロモホスフィン(31P NMR:δ103.5ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、ポリマー担持型n−プロピルアミン(10.0g、1.1mmol/g、11.0mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型P(Br)COを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ113.1ppm。
【0069】
(実施例2)
ポリマー固定化2−P(Br)−5−(Me)C
n−プロピルアミンに代えて(CHC−NHを用いて、実施例1と同様にしてポリマー担持型アミンを調製した。PBr(20.0g、73.9mm)と2−メチルフラン(6.6g、80.4mm)とをピリジン150mLに入れた溶液を室温にて15時間攪拌し、粗2−メチルフリル−5−ジブロモホスフィン(31P NMR:δ102.1ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、ポリマー担持型t−ブチルアミン(10.0g、1.1mmol/g、11.0mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型2−P(Br)−5−(Me)COを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ109.3ppm。
【0070】
(実施例3)
ポリマー固定化2−P(Br)C
PBr(5.5g、20.3mm)とチオフェン(2.0g、23.8mm)とをピリジン50mLに入れた溶液を3日間還流し、粗2−チエニルジブロモホスフィン(31P NMR:δ132.7ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、実施例1と同様にして調製したポリマー担持型n−プロピルアミン(3.0g、1.1mmol/g、3.3mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×30mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型2−P(Br)CSを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ126.9ppm.
【0071】
(実施例4)
ポリマー固定化P(CO)(CS)
実施例1で得られたポリマー固定化P(Br)CO(1.0g、0.913mmol、0.913mm/g)と2−CSLi(11.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて2時間かけて攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(2×50mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×50mL)、THF/HO(70/30体積比、2×50mL)およびヘキサン(3×50mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ28.4ppm。
【0072】
ポリマー担持型P−C−O配位子およびP−C−S配位子を合成して得られた結果を以下の表1にまとめておく。
【0073】
【表1】
Figure 2004509836
【0074】
ポリマー担持型P−C−N配位子の合成
(実施例5)
ポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−(Me)C
PBr(7.0g、26.0mm)をピリジン80mLに入れた溶液を、N,N−ジメチル−p−トルイジン(10.0g、74.0mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を一晩還流し、粗2−ジブロモホスフィノ−N,N−ジメチル−p−トルイジン(31P NMR:δ149.1ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、実施例1と同様にして調製したポリマー担持型第2級アミン(10.0g、1.06mmol/g、10.6mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型2−P(Br)−1−NMe−4−(Me)Cを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ157.0ppm。
【0075】
(実施例6)
ポリマー固定化2−P(Me)−1−NMe−4−(Me)C
実施例5で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(1.0g、0.84mmol、0.84mm/g)とMeMgCl(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ48.5ppm。
【0076】
(実施例7)
ポリマー固定化2−P(Ph)−1−NMe−4−(Me)C
実施例5で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(1.0g、0.84mmol、0.84mm/g)とPhMgCl(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ60.4ppm。
【0077】
(実施例8)
ポリマー固定化2−P(3−MeC)−1−NMe−4−(Me)C
実施例5で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(1.0g、0.84mmol、0.84mm/g)と3−MeCMgCl(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ60.5ppm。
【0078】
(実施例9)
ポリマー固定化2−P(2−(MeO)C)−1−NMe−4−(Me)C
実施例5で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−(Me)C(1.0g、0.84mmol、0.84mm/g)と2−(MeO)CMgBr(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ51.0ppm。
【0079】
(実施例10)
ポリマー固定化2−P(2−CS)−1−NMe−4−(Me)C
実施例5で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(1.0g、0.84mmol、0.84mm/g)と2−CSLi(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ44.6ppm。
【0080】
実施例5〜10で得られた結果を以下の表2にまとめておく。
【0081】
【表2】
Figure 2004509836
【0082】
(実施例11)
ポリマー固定化3−P(Br)−4−(NC)C
PBr(8.8g、32.5mm)をピリジン100mLに入れた溶液を4−ピロリジノピリジン(5.0g、33.7mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を室温にて3日間攪拌し、粗3−ジブロモホスフィノ−4−ピロリジノピリジン(31P NMR:δ152.2ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、実施例1で得られたポリマー担持型第2級アミン(9.0g、1.1mmol/g、9.9mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型3−P(Br)−4−(NC)CNを得た。31P NMR(202MHz,CDCl):δ168.4ppm。
【0083】
(実施例12)
ポリマー固定化3−P(Ph)−4−(NC)C
実施例11で得られたポリマー固定化3−P(Br)−4−(NC)CN(10.0g、8.98mmol、0.898mm/g)とPhMgBr(100.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF100mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeCHOH(2×30mL)、THF/HO(70/30体積比、2×50mL)およびヘキサン(3×40mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ67.8ppm。
【0084】
(実施例13)
ポリマー固定化3−P(Me)−4−(NC)C
実施例11で得られたポリマー固定化3−P(Br)−4(NC)CN(7.0g、6.29mmol、0.898mm/g)と2,4,6−MeMgBr(100.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF100mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeCHOH(2×30mL)、THF/HO(70/30体積比、2×50mL)およびヘキサン(3×40mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ46.1ppm。
【0085】
(実施例14)
ポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PCl−4′−Me)C
PCl(36.3g、264.3mm)をピリジン200mLに入れた溶液を(+/−)−2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジン(10.0g、52.8mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を2日間還流し、粗(+/−)−2,5−ジメチル−1−N(2′−ジクロロホスフィノ−4′−メチルフェニル)ピロリジン(31P NMR:δ164.7(s)、159.9(s)ppm)を得た。沈殿物(Py・HCl)を濾別した後、過剰なPClおよびピリジン溶媒を濾液から除去し、得られた残渣にピリジン100mLとTHF300mLとの混合物を加えた。次に、ポリマー担持型第2級アミン(15.0g、1.1mmol/g、16.5mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型(+/−)−2,5−ジメチル−1−N(2′−クロロホスフィノ−4′−メチルフェニル)ピロリジンを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ145.1、136.0ppm。
【0086】
(実施例15)
ポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PPh−4′−Me)C
実施例14で得られたポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PCl−4′−Me)C(2.0g、1.804mmol、0.902mm/g)とPhMgCl(24.0mmol、THF溶液中2.0M)とをTHF20mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ63.4、57.2ppm。
【0087】
(実施例16)
ポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PMe−4′−Me)C
実施例14で得られたポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PCl−4′−Me)C(2.0g、1.804mmol、0.902mm/g)とMeMgCl(24.0mmol、THF溶液中2.0M)とをTHF20mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ26.5、16.2ppm。
【0088】
実施例11〜16で得られた結果を以下の表3にまとめておく。
【0089】
【表3】
Figure 2004509836
【0090】
(実施例17)
ポリマー固定化キラル(S,S)−2,5−Me−C−1−N(2′−PCl−4′−Me)C
PCl(9.1g、66.3mm)をピリジン15mLに入れた溶液を(S,S)−2,5−ジメチル−1−N(4′−メチルフェニル)ピロリジン(1.03g、6.87mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を2日間還流し、粗(S,S)−2,5−ジメチル−1−N(2′−ジクロロホスフィノ−4′−メチルフェニル)ピロリジン(31P NMR:δ159.5(s)ppm)を得た。沈殿物(Py・HCl)を濾別した後、過剰なPClおよびピリジン溶媒を濾液から除去し、得られた残渣にピリジン10mLとTHF20mLとの混合物を加えた。次に、実施例1で得られたポリマー担持型第2級アミン(2.8g、1.1mmol/g、3.08mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×10mL)、ヘキサン(3×10mL)、CHCl(4×10mL)およびヘキサン(2×10mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型(S,S)−2,5−ジメチル−1−N(2′−クロロホスフィノ−4′−メチルフェニル)ピロリジンを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ136.0ppm。
【0091】
(実施例18)
ポリマー固定化キラル(S,S)−2,5−Me−C−1−N(4′−PCl)C
PCl(5.0g、36.4mm)をピリジン15mLに入れた溶液を(S,S)−2,5−ジメチル−1−N−フェニルピロリジン(0.5g、2.87mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を2日間還流し、粗(S,S)−2,5−ジメチル−1−N(4′−ジクロロホスフィノフェニル)ピロリジン(31P NMR:δ165.8(s)ppm)を得た。沈殿物(Py・HCl)を濾別した後、過剰なPClおよびピリジン溶媒を濾液から除去し、得られた残渣にピリジン10mLとTHF20mLとの混合物を加えた。次に、実施例1で得られたポリマー担持型第2級アミン(2.0g、1.1mmol/g、2.2mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×10mL)、ヘキサン(3×10mL)、CHCl(4×10mL)およびヘキサン(2×10mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型(S,S)−2,5−ジメチル−1−N(4′−クロロホスフィノフェニル)ピロリジンを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ147.6ppm。
【0092】
(実施例19)
ポリマー固定化キラル(S,S)−2,5−Me−C−1−N(4′−PPh)C
実施例18で得られたポリマー固定化キラル(S,S)−2,5−Me−C−1−N(4′−PCl)C(1.0g、0.913mmol、0.913mm/g)とPhMgCl(20.0mmol、THF溶液中2.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×10mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(202MHz,CDCl):δ35.6ppm。
【0093】
実施例17〜19で得られた結果を以下の表4にまとめておく。
【0094】
【表4】
Figure 2004509836
【0095】
ポリマー担持型P−C−O配位子の合成
(実施例20)
ポリマー固定化2−P(Br)−1,5−(MeO)
PBr(2.5g、9.2mm)をピリジン15mLに入れた溶液を1,3−ジメトキシベンゼン(2.5g、18.1mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を4時間還流し、粗1−ジブロモホスフィノ−2,4−ジメトキシベンゼン(31P NMR:δ159.2ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、実施例1で得られたポリマー担持型第2級アミン(10.0g、1.1mmol/g、11.0mmol)を室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型2−P(Br)−1,5−(MeO)−Cを得た。31P NMR(122MHz,CDCl):δ153.8ppm。
【0096】
(実施例21)
ポリマー固定化2−P(Ph)−1,5−(MeO)
実施例20で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1,5−(MeO)−C(2.0g、1.82mmol、0.908mm/g)とPhMgBr(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ56.9ppm。
【0097】
(実施例22)
ポリマー固定化2−P(i−Pr)−1,5−(MeO)
実施例20で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1,5−(MeO)−C(2.0g、1.82mmol、0.908mm/g)とi−PrMgBr(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ60.7ppm。
【0098】
(実施例23)
ポリマー固定化2−P(2,4,6−(Me))−1,5−(MeO)
実施例20で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1,5−(MeO)(1.0g、0.908mmol、0.908mm/g)と2,4,6−(Me)MgBr(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ53.5ppm。
【0099】
(実施例24)
ポリマー固定化2−P(Cy)−1,5−(MeO)
実施例20で得られたポリマー固定化2−P(Br)−1,5−(MeO)−C(1.0g、0.908mmol、0.908mm/g)とCyMgBr(12.0mmol、THF溶液中1.0M)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)、THF/HO(70/30体積比、2×20mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ57.1ppm。
【0100】
(実施例25)
ポリマー固定化2−P(Br)−1,3,5−(MeO)
PBr(8.0g、29.6mm)をピリジン150mLに入れた溶液を1,3,5−トリメトキシベンゼン(5.0g、29.7mm)で5分間にわたって処理した。次に、得られた混合物を一晩還流し、粗1−ジブロモホスフィノ−2,4,6−トリメトキシベンゼン(31P NMR:δ143.7ppm)を得た。この化合物をそれ以上精製せずに次のステップで直接使用した。次に、実施例1で得られたポリマー担持型第2級アミン(5.0g、1.1mmol/g、5.5mmol)を、室温にて攪拌しながら10分間かけて上記混合物に徐々に添加した。得られた懸濁液を一晩還流した後、溶液を濾別した。この樹脂を、THF(2×50mL)、ヘキサン(3×50mL)、CHCl(4×50mL)、およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。得られた樹脂を真空中にて一晩乾燥させ、ポリマー担持型2−P(Br)−1,3,5−(MeO)を得た。31P NMR(202MHz,CDCl):δ170.9ppm。
【0101】
実施例20〜25で得られた結果を以下の表5にまとめておく。
【0102】
【表5】
Figure 2004509836
【0103】
ポリマー担持型P−C−O配位子の合成
(実施例26)
ポリマー固定化P(Ph)CHCH(Et)CHOCHPh
PhCHOCHCH=CH(6.0g、40.1mm)とCpZrCl(0.2g、0.75mm)(Cp=シクロペンタジエニル)とをTHF20mLに入れた混合物をEtMgBr(20.0mm、THF中2M溶液)で5分間にわたって滴下処理した。得られた反応溶液を室温にて4日間攪拌した後、ポリマー担持型P(Ph)Cl(n−プロピルアミンの代わりにMeCNHを用いて実施例1と同様にして調製した、3.0g、3.0mm、1.00mm/g)を上記反応溶液に加えた。得られた懸濁液を室温にて2日間攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ55.7ppm。
【0104】
(実施例27)
ポリマー固定化P(Ph)CHCH(Et)CHOCHCHCHCH
CHCHCHCHOCHCH=CH(5.0g、42.9mm)とCpZrCl(0.2g、0.75mm)とをTHF20mLに入れた混合物をEtMgBr(20.0mm、THF中2M溶液)で5分間にわたって滴下処理した。得られた反応溶液を室温にて4日間攪拌した後、ポリマー担持型P(Ph)Cl(n−プロピルアミンの代わりにMeCNHを用いて実施例1と同様にして調製した、3.0g、3.0mm、1.00mm/g)を上記反応溶液に加えた。得られた懸濁液を室温にて2日間攪拌した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×20mL)、CHCl(3×10mL)、MeCHOH(2×10mL)およびヘキサン(3×10mL)で洗浄した。この樹脂を真空中にて一晩乾燥させた。31P NMR(122MHz,CDCl):δ56.0ppm。
【0105】
ポリマー固定化化合物からの配位子の開裂
(実施例28)
(CO)PH(O)(CS)の合成
ポリマー固定化P(CO)(CS)(1.0g、0.899mmol、0.899mm/g、実施例4と同様にして調製)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、(CO)PH(O)(CS)16mg(15%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(121MHz,CDCl):δ−6.7ppm。31P NMR(H−coupled,121MHz,CDCl):δ−6.7(d,JP−H=515.5Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.25(d,JP−H=515.5Hz,1H)、7.7〜7.6(m,3H)、7.19(s,1H)、6.5(s,1H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ148.5(d,Jp−c=8.3Hz)、136.1(d,Jp−c=12.3Hz)、134.3(d,Jp−c=5.7Hz)、128.3(d,Jp−c=15.1Hz)、122.4(d,Jp−c=21.8Hz)、110.9(d,Jp−c=9.1Hz)。
【0106】
(実施例29)
2−PCl(Br)−1−NMe−4−(Me)Cの合成
ポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(10.0g、8.4mmol、0.84mm/g、実施例5と同様にして調製)とPCl(7.0g、51.0mmol)とをTHF(100mL)に入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。溶媒および過剰なPClを真空によって濾液から除去したところ、粗2−PCl(Br)−1−NMe−4−MeC1.5g(64%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(121MHz,CDCl):δ149.4(s)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.71(s,1H)、7.24(m,2H)、2.72(s,6H)、2.29(s,3H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ138.3、137.5、137.1、134.7、131.6、121.7、46.4、21.2ppm。
【0107】
(実施例30)
2−PCl(Ph)−1−NMe−4−(Me)Cの合成
ポリマー固定化2−P(Ph)−1−NMe−4−(Me)C(10.0g、9.1mmol、0.91mm/g、実施例7と同様にして調製)とPCl(6.6g、48.0mmol)とをTHF(100mL)に入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(2×25mL)で洗浄した。溶媒および過剰なPClを真空によって濾液から除去したところ、粗2−PCl(Ph)−1−NMe−4−(Me)C1.4g(92%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(121MHz,CDCl):δ73.1(s)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.83〜7.16(m,8H)、2.50(s,3H)、2.35(s,6H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ137.1、132.3、132.1、132.0、131.4、129.9、128.4、121.6、45.4、21.5ppm。HRMS:Calcd for C1517PNCl(M):277.0787。Found:277.0789。
【0108】
(実施例31)
2−PH(O)(Ph)−1−NMe−4−(Me)Cの合成
ポリマー固定化2−P(Ph)−1−NMe−4−MeC(2.0g、1.8mmol、0.91mm/g、実施例7と同様にして調製)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、粗2−PH(O)(Ph)−1−NMe−4−(Me)C400mg(85%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(121MHz,CDCl):δ19.2(s)、19.1(s)ppm。31P NMR(H−coupled,121MHz,CDCl):δ19.2(d,JP−H=498.9Hz)、δ19.1(d,JP−H=498.9Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.09(d,JP−H=499.1Hz,1H)、7.60〜7.04(m,8H)、2.37(s,6H)、2.25(s,3H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ155.0、135.2、134.6、133.6、133.5、131.7、130.5、128.4、128.3、122.0、45.9、20.9ppm。HRMS:Calcd for C1518PNO(M):259.1126。Found:259.1146。
【0109】
(実施例32)
2−PH(O)(i−Pr)−1−NMe−4−(Me)Cの合成
ポリマー固定化2−P(Br)−1−NMe−4−MeC(12.0g、10.0mmol、0.84mm/g、実施例5と同様にして調製)とi−PrMgCl(240.0mmol、THF溶液中2.0M)とをTHF200mLに入れた懸濁液を室温にて1時間攪拌し、次いで一晩還流した後、溶液を濾別した。得られた樹脂を、THF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeCHOH(2×30mL)、THF/HO(70/30体積比、2×40mL)およびヘキサン(3×80mL)で洗浄した。上記樹脂とHO(3.0g、166.7mm)とをTHF200mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×20mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、粗2−PH(O)(i−Pr)−1−NMe−4−(Me)C820mg(36%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(121MHz,CDCl):δ37.9(s)ppm。31P NMR(H−coupled,121MHz,CDCl):δ37.9(d,JP−H=472.7Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.50(d,J=13.47Hz,1H)、7.31(d,JP−H=472.8Hz,1H)、7.23(d,J=8.06Hz,1H)、7.11(m,1H)、2.58(s,6H)、2.25(s,3H)、1.05(m,6H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ154.2、134.3、133.7、133.4、125.9、120.8、45.7、27.2、20.4、15.9、14.4ppm。
【0110】
実施例28〜32で得られた結果を以下の表6にまとめておく。
【0111】
【表6】
Figure 2004509836
【0112】
(実施例33)
1−PhP(Cl)−2,4−(MeO)の合成
実施例21で得られたポリマー固定化1−PPh−2,4−(MeO)(2.0g、0.85mmol/g、1.70mmol)とPCl(1.3g、9.49mmol)とをTHF15mLに入れた懸濁液を、室温にて一晩攪拌した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(2×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なPClを真空によって濾液から除去したところ、粗1−PhP(Cl)−2,4−(MeO)450mg(94%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ78.8ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.43(m,2H)、7.22(m,4H)、6.38(m,1H)、6.27(m,1H)、3.62(s,3H)、3.55(s,3H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ163.4、162.0、139.0、133.2、131.5、129.9、128.2、117.4、105.7、98.3、55.7、55.3、HRMS:Calcd for C1414PClO(M):280.0420。Found:280.0421.
【0113】
(実施例34)
2−PH(O)(i−Pr)−1,5−(MeO)の合成
実施例22で得られたポリマー固定化2−P(i−Pr)−1,5−(MeO)(2.0g、1.876mmol、0.938mm/g)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、2−PH(O)(i−Pr)−1,5−(MeO)−C100mg(23%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ35.8(s)ppm。31P NMR(H−coupled、202MHz,CDCl):δ35.8(d,JP−H=485.8Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.57(m,1H)、7.25(d,JP−H=485.2Hz,1H)、6.48(m,1H)、6.37(m,1H)、3.76(d,J=15.2Hz,3H)、3.70(d,J=38.7Hz,3H)、2.18(m,1H)、1.12〜0.81(m,6H)。13C NMR(125MHz,CDCl):165.0、161.8、135.1、105.6、105.5、98.2、67.9、55.6、27.4、14.5ppm。MS:229.2(M+1)。
【0114】
(実施例35)
(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PhPH(O)−4′−Me)Cの合成
実施例15で得られたポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PPh−4′−Me)C(1.0g、0.87mmol、0.87mm/g)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PhPH(O)−4′−Me)C75mg(28%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ23.6(s)ppm。31P NMR(H−coupled、202MHz,CDCl):δ23.6(d,JP−H=484.6Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.97(d,JP−H=484.6Hz,1H)、7.57〜7.20(m,7H)、6.90(m,1H)、3.87(m,1H)、3.44(m,1H)、2.31(s,3H)、1.96〜1.82(m,2H)、1.24〜1.11(m,2H)、0.62(d,J=6.44Hz,3H)、0.33(d,J=5.89Hz,3H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ148.1、134.6、134.5、133.8、131.4、130.6、130.5、128.2、128.1、124.7、60.3、53.1、32.1、31.5、20.7、18.3、17.9ppm。
【0115】
(実施例36)
(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−MePH(O)−4′−Me)Cの合成
実施例16で得られたポリマー固定化(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−PMe−4′−Me)C(1.0g、0.918mmol、0.918mm/g)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、(+/−)−2,5−Me−C−1−N(2′−MePH(O)−4′−Me)C78mg(34%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ26.4(s)ppm。31P NMR(H−coupled、202MHz,CDCl):δ26.4(d,JP−H=477.5Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.47(d,JP−H=476.3Hz,1H)、7.40(m,1H)、67.21(m,1H)、6.99(m,1H)、4.06(m,1H)、3.66(m,1H)、2.26(s,3H)、2.15〜2.04(m,2H)、1.78(dd,J=3.77Hz,3H)。13C NMR(125MHz,CDCl):δ147.6、133.4、133.3、132.9、132.8、124.4、60.6、58.2、32.5、31.8、20.6、19.5、17.9、15.8、15.2ppm.
【0116】
(実施例37)
キラル(S,S)−2,5−(Me)C−1−N(4′−PH(O)Ph)Cの合成
実施例19で得られたポリマー固定化キラル(S,S)−2,5−(Me)C−1−N(4′−PPh)C(0.8g、0.703mmol、0.879mm/g)とHO(0.5g、28mm)とをTHF10mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、キラル(S,S)−2,5−(Me)C−1−N(4′−PH(O)Ph)C74mg(37%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ23.3(s)ppm。31P NMR(H−coupled、202MHz,CDCl):δ23.3(d,JP−H=474.2Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.79(d,JP−H=518.2Hz,1H)、7.66〜6.52(m,9H)、3.96(m,2H)、2.16(m,2H)、1.60(m,2H)、1.04(d,J=6.20Hz,6H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ148.4、133.2、132.2、131.9、130.8、128.6、113.2、113.0、53.1、30.1、17.9ppm。MS:300.2(M+1)。
【0117】
(実施例38)
PhP(Cl)CHCH(Et)CHOCHCHCHCHの合成
実施例27で得られたポリマー固定化P(Ph)CHCH(Et)CHOCHCHCHCH(3.0g、3.0mmol、1.00mm/g)とPCl(1.3g、9.49mmol)とをTHF20mLに入れた懸濁液を室温にて一晩攪拌した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(2×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なPClを真空によって濾液から除去したところ、PCl(Ph)CHCH(Et)CHOCHPh640mg(74%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ93.9(s)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.57(2H)、7.26(3H)、3.19(m,4H)、2.13〜1.93(m,2H)、1.39〜1.18(m,7H)、0.76(m,6H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ139.6、131.6、131.2、128.7、74.0、71.0、40.2、37.5、31.9、25.8、19.5、14.1、11.3ppm。HRMS:Calcd for C1524PClO(M):286.1253。Found:286.1257。
【0118】
(実施例39)
PhPH(O)CHCH(Et)CHOCHPhの合成
実施例26で得られたポリマー固定化P(Ph)CHCH(Et)CHOCHPh(3.0g、3.0mmol、1.00mm/g)とHO(0.5g、28mm)とをTHF15mLに入れた懸濁液を一晩還流した後、この樹脂を濾別し、ヘキサン(3×10mL)で洗浄した。溶媒および過剰なHOを真空によって濾液から除去したところ、PhPH(O)CHCH(Et)CHOCHPh620mg(68%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。31P NMR(202MHz,CDCl):δ26.8(s)、26.6(s)ppm。31P NMR(H−coupled、202MHz,CDCl):δ26.8(d,JP−H=470.0Hz)、26.6(d,JP−H=469.0Hz)ppm。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.51〜7.05(m,10H)、7.39(d,JP−H=469.6Hz)、7.34(d,JP−H=471.4Hz)、4.30(m,1H)、4.20(s,1H)、3.42〜3.21(m,2H)、2.00〜1.28(m,5H)、0.68(m,3H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ138.0、131.9、131.6、129.6、129.4、128.5、128.0、127.3、72.7、72.0、34.7、32.6、25.0、10.8ppm。HRMS:Calcd for C1823PO(M):302.1436。Found:302.1430。
【0119】
開裂した配位子が配位したパラジウム触媒を用いた、ハロゲン化アリールからの硫化アリールの合成
(実施例40)
ハロゲン化アリールとチオールとのPd触媒クロスカップリングの基本手順
ドライボックス中、実施例34で得られた(MeCH)PH(O)(2,4−(MeO))52.0mg(0.184mmol)と、Pd(OAc)34.0mg(0.151mmol)と、トルエン14.0mlとを、マグネチックスターラーバーを装着した反応器(20ml)に仕込んだ。得られた混合物を室温にて1時間攪拌した。次に、NaOtBu576.0mg(6.0mmol)と、PhI816.0mg(4.0mmol)と、HS−t−Bu360mg(4.0mmol)とを上記混合物に加え、得られた混合物を3日間還流した。続いて反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/ヘキサン(5%体積比)を溶離剤として用いてシリコンゲルでのクロマトグラフにかけた。溶出液をロータリーエバポレーションによって濃縮した後、高真空で濃縮したところ、t−ブチルフェニルスルフィド190mg(29%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.43〜7.42(m,2H)、7.22〜7.19(m,3H)、1.17(s,9H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ137.4、132.7、128.5、128.3、30.9ppm。
【0120】
(実施例41)
ドライボックス中、実施例32で得られた(MeCH)PH(O)(1−NMe−4−Me−C)51.0mg(0.226mmol)と、Pd(OAc)34.0mg(0.151mmol)と、トルエン4.0mlとを、マグネチックスターラーバーを装着した反応器(20ml)に仕込んだ。得られた混合物を室温にて1時間攪拌した。次に、NaOtBu216.0mg(2.25mmol)と、PhBr314.0mg(2.0mmol)と、HS−t−Bu135mg(1.5mmol)とを上記混合物に加え、得られた混合物を18時間還流した。続いて反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/ヘキサン(5%体積比)を溶離剤として用いてシリコンゲルでのクロマトグラフにかけた。溶出液をロータリーエバポレーションによって濃縮した後、高真空で濃縮したところ、t−ブチルフェニルスルフィド126mg(51%収率)が得られた。これはH NMRおよびGC/MSで>95%の純度であった。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.43〜7.42(m,2H)、7.22〜7.19(m,3H)、1.17(s,9H)ppm。13C NMR(125MHz,CDCl):δ137.4、132.7、128.5、128.3、30.9ppm。

Claims (12)

  1. 式1
    Figure 2004509836
    (式中、
    SSは固体支持体であり、
    は、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、
    は、ハロゲン、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)
    の構造の担持型ホスフィン化合物の調製方法であって、該方法が、
    a)式XPR(式中、Xはハロゲンである)のホスフィンを固体支持体と接触させ、ホスフィン中のPを共有結合によって間接的または直接的に固体支持体に結合させるステップと、
    b)任意に、RまたはRの1またはそれ以上を任意の他のRまたはRにそれぞれ置き換えるステップとを含むことを特徴とする、担持型ホスフィン化合物の調製方法。
  2. SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 担持型ホスフィン化合物が、式1A
    Figure 2004509836
    (式中、
    Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、
    Lは、1から12の、線状、分岐状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)
    の構造のものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. SSがポリスチレンであり、
    Lが−CH−であり、
    Zが−(NQ)−であり、
    Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、
    が、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピル、メシチル、シクロヘキシル、3−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−フラニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、
    が、フェニル、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]−4−メチルフェニル、p−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]フェニル、および2,4−ジメトキシルフェニルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 式1
    Figure 2004509836
    (式中、
    SSは固体支持体であり、
    は、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、
    は、ハロゲン、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の構造の担持型ホスフィン化合物。
  6. SSが、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の担持型ホスフィン化合物。
  7. 担持型ホスフィン化合物が、式1A
    Figure 2004509836
    (式中、
    Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、
    Lは、1から12の、線状、分岐状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)
    の構造のものであることを特徴とする、請求項6に記載の担持型ホスフィン化合物。
  8. SSがポリスチレンであり、
    Lが−CH−であり、
    Zが−(NQ)−であり、
    Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、
    が、ブロモ、クロロ、フェニル、メチル、i−プロピル、メシチル、シクロヘキシル、3−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−フラニル、2−チエニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、
    が、フェニル、2−フラニル、2−(5−メチルフラニル)、2−チエニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、4−ピロリジノ−3−ピリジニル、2−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]−4−メチルフェニル、p−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]フェニル、および2,4−ジメトキシルフェニルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の担持型ホスフィン化合物。
  9. 式2および式3
    Figure 2004509836
    (式中、
    はハロゲンであり、
    は、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、
    は、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)からなる群から選択されるホスフィン化合物の調製方法であって、
    (a)式1
    Figure 2004509836
    (式中、
    SSは固体支持体であり、
    は、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、
    は、ハロゲン、環式ヒドロカルビル、置換環式ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)
    の構造の担持型ホスフィン化合物を、式ER(式中、Eは求電子基であり、Rは、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、複素環、および置換複素環からなる群から選択される)の化合物と接触させ、式1および式2の対応する化合物を形成するステップと、
    b)任意に、R、RおよびRの1またはそれ以上を、R、RおよびRのいずれかと置き換えるステップと、を含むことを特徴とする、ホスフィン化合物の調製方法。
  10. 担持型ホスフィン化合物が、
    Figure 2004509836
    (式中、
    Zは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、−O−、−S−、および−NQ−(式中、Qは、任意に置換されたヒドロカルビルおよびハロゲンからなる群から選択される)からなる群から選択される、ホスフィンの少なくとも1つのリンに共有結合的に結合された二価または三価の結合基であり、
    Lは、1から12の、線状、分岐状、および環状炭素原子の任意に置換された鎖からなる群から選択される、ZおよびSSに共有結合的に結合された二価の連結基である)であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. ERが、PClおよび水からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  12. Lが−CH−であり、
    Zが−(NQ)−であり、
    Qが、n−プロピルおよびt−ブチルからなる群から選択され、
    がクロロであり、
    が、ブロモ、クロロ、メチル、i−プロピル、フェニル、−CHCH(C)CHO(CHCH、および−CHCH(C)CHOCHからなる群から選択され、
    が、フェニル、2−N,N−ジメチル−5−トルイジニル、2−[(2,5−ジメチル)−1−ピロリジニル]−4−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、および2,5−ジメトキシル−フェニルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
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