JP2004509326A - 原位置較正を有する電気泳動分析システム - Google Patents
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Abstract
Description
関連出願
本出願は、米国仮出願第60/231,574号(出願日2000年9月11日)及び米国出願第09/676,536号(出願日2000年10月2日)に基づく優先権を主張する。
技術分野
本発明は、検出された蛍光レベルの分析に基づいて移動種(migrating species)を同定する電気泳動装置に関する。より詳細には、本発明は、原位置(in−situ)較正能力を有し、種々の色素セットの使用を許容し、かつ、単純化された塩基の呼び出し(base calling)について結果の三次元グラフ表示を許容する装置に関する。
発明の背景
米国特許第6,027,627号明細書に記載の検出システムにおいて、並列に並んだ複数のキャピラリー内の移動種からの蛍光は、CCD検出器へ入射(impinge)する前に、フィルター、トランスミッション・グレーティング・ビーム・スプリッタ(transmission grating beam splitter)及びレンズを通過する。好ましい態様において、CCD検出器は1024×256画素から構成される。第一の次元(1024画素)は96の平行キャピラリーをカバーし、各キャピラリーは1024の列(row)のうちの少なくとも1つへ集中(focus)している(但し、1キャピラリーあたりの列の数は、異なる焦点距離を有するレンズの選択又はその他の光学パラメータの変更により増加させることができる)。第二の次元(256画素)はトランスミッション・グレーティングにより拡散(spread)した蛍光スペクトルをカバーする。
この先行技術のシステムにおいては、一次コンポーネント及び二次コンポーネントの双方を検出器アレイへ集中させることができる。但し、これは絶対的な要件ではない。しかしながら、各キャピラリーに対して(例えば1セットオーダーのコンポーネントにより表される)スペクトルが作成し、かつ、検出することが要求される。興味の対象となるスペクトルは、色素が蛍光を発することが知られている光の波長を含んでいなければならない。各キャピラリーについての興味の対象となるスペクトルはP個の近接する画素にわたって広がる。P個の近接する画素は、Q個の近接する画素からなるR個のチャンネルへと分割される。すなわち、R=P/Q。Rは使用する色素の数Mと少なくとも同じ大きさであり、好ましくは当該色素の数よりも大きい。
【0002】
先行技術の検出器は、各キャピラリー及びデータを担当プロセッサへ提供する各時間につき、R個の光強度を含むスペクトルを出力する。次いでプロセッサは、各キャピラリーに対するR個の強度のスペクトルを、当該キャピラリーにおいてどの色素が検出されたかの決定を補助する値へとマッピング(map)する。これは、各キャピラリーについて、較正係数(calibration coefficient)に強度のベクトルを乗じることにより行われる。
較正係数の背後にある原理は、各チャンネルにおける受光強度のスペクトルは、検出システムの作用(較正係数)により秤量される単一の色素(対応する塩基をタグ付けしている)のスペクトルにより生じるというものである。
I0(n)、I1(n)、…、I9(n)が、(検出、ビンニング(binning)及びベースライン・サブトラクション(baseline subtraction)を含む前処理後の)CCDからの出力のn次セットにおけるR=10個のチャンネルの測定強度を表し、B0(n)、B1(n)、…、B3(n)が、M=4の塩基の寄与(存在1、非存在0)を示すベクトルであり、Cijが、検出されたチャンネルへ塩基をマッピングした既知の10×4マトリックスの係数である場合、以下の関係が成立する。
〔式1〕
式1は下記のとおり書き換えることができる。
〔式2〕
各分離レーンにつきCCDにより強度出力のベクトルが与えられる場合、R=10個の波長チャンネルからM=4塩基のそれぞれについての存在又は不存在を決定する理論がかなり十分に確立される。これは、少数の未知数(unknown)が多数の式から決定される多元システム(over−determined system)の単なる特別なケースである。数学的変換の後、式2は下記の通り書き換えることができる。
〔式3〕
【0003】
式中、B0(n)、…、B3(n)は、タイムインデックス(time index)nの関数としての個々の塩基の未知の値を示し、各値は存在する塩基にタグ付けしている対応の色素の相対的確率であり、I0(n)、I1(n)、…、I9(n)は10個のチャンネルの蛍光強度であり、Cijは、既知の塩基jにおける波長iの係数であり、CTはマトリックスCの転置である場合、A=(CTC)−1CTは、マトリックスCの疑似変換(pseudo−inverse)である。前記の分析では総数10個のチャンネル及び4種の塩基を使用しているため、Cは10×4のマトリックスであるが、一般的な場合、CはR×Mマトリックス(式中、R≧Mであり、R及びMは共に2より大きい整数である。)である。
典型的には、先行技術のシステムにおいて、較正マトリックス(calibration matrix)Cは、当該システムを作成するときに決定される。より詳細には、較正マトリックスCは、使用する色素のセットに特異的であり、かつ、システム中の全ての分離レーンに対して一定である。そのような先行技術のシステムを光学フィルターを新しいセットへアップグレードすることなどにより変更する場合、較正マトリックスCを再較正する必要がある。
図1は、キャピラリーアレイ中の全キャピラリーに対して一定の較正マトリックスを使用する際の2つの欠点を示している。図1から理解されるように、各キャピラリーに由来する0次スペクトル強度102は、対応する画素カラム中の同一画素へマッピングされない。特に、それぞれが対応の画素カラム104及び106において検出される、キャピラリー7及び10由来の0次スペクトル強度は、残りのキャピラリー由来の0次スペクトルイメージと同じ位置の画素へ位置付けられない。同様に、これらの同一カラム中のキャピラリー7及び10に由来する1次スペクトル強度112も、残りのキャピラリー由来の1次スペクトルイメージと同じ位置の画素へ位置付けられない。むしろ、単一画素の歪み(skew)により補正(offset)される。キャピラリーアレイ内のキャピラリー7及び10の不適切な配置により生ずる、この歪みがもたらす結果は、キャピラリー7及び10由来の1次強度に対するビンニング工程が、当該ビンニング工程が1画素から始まる場合とはわずかに異なるスペクトルを生じさせることである。
【0004】
結果として、式3を呼び出してキャピラリー7及び10から検出される蛍光の正当な原因を特定しようと試みるとき、全てのキャピラリーに対して単一の較正マトリックスCを使用することは、不正確な結果をもたらすことになる。更に図1に示されるように、キャピラリー1についての1次スペクトルイメージ114は、残りのキャピラリーのスペクトルイメージと比べて1つ多い画素へ位置付けられる。グレーティングイメージシステムのコマ収差、球面収差、非点収差及び外側色収差等の因子により引き起こされるこの特性は、式3の場合における較正マトリックスに使用へと続くビンニングのときの不正確性を導くだろう。
一般的に、異なる色素のセットは異なるスペクトルを有する。結果として、各色素セットは異なる較正マトリックスを有する。結果として、複数レーン分離システムに対して単一の較正マトリックスを使用することの不利益は、複数の色素セットを異なる分離レーンに用いることができないということである。
【0005】
発明の概要
本発明は、一つの側面において、タグ付けした移動種に用いた異なる種類の色素を較正する複数の較正マトリックスを同時に利用する複数レーン電気泳動分離装置により実現される。
別の側面において、本発明は、較正マトリックスが原位置で計算される複数レーン電気泳動分離装置により実現される。
更に別の側面において、本発明は、較正マトリックスが各レーンにつき計算される複数レーン電気泳動分離装置により実現される。
更に別の側面において、本発明は、サンプルから得られたデータから較正マトリックスを計算する方法により実現される。本発明の方法は、タグ付き移動種の複数から放射された蛍光スペクトルを検出する工程、検出したピークを多数のグループに分ける(クラスター化(cluster)する)工程、及び、少なくともいくつかのグループを代表する較正係数を計算する工程を含んでいる。ピーク検出後、グループ分けの前に、ピークを選抜して、特定のグループと関連する可能性が高いピークのみが較正係数の計算に使用されることを保証してもよい。
【0006】
好ましい態様の詳細な説明
本発明を使用することができる好ましいシステムは、例えば米国特許第6,027,627号明細書に記載される自動化キャピラリー電気泳動システムである。前記のシステムについて好ましい検出器配列は、米国特許第5,998,796号明細書に示される。前記の双方の刊行物の内容は、参照することにより、本発明を理解するのに必要な程度まで本明細書に組み込まれる。
本発明を、総数30画素(P=30)が各チャンネルにつき3画素(Q=3)からなる10の波長チャンネル(R=10)へビンニングしている検出器システムを参照して説明する。ビンニングは、ソフトウェアの制御下、オンボードCCDアレイチップにおいて行われる。DNA配列決定について、色素数は4(M=4)(各ヌクレオチドにつき1つ)であり、興味の対象となるスペクトルは520nm〜670nmである。したがって、10個の波長チャンネルのスペクトル解像度はそれぞれ約15nmである。データ収集の間、96個のキャピラリーのそれぞれについて、CCDアレイが読み取る各時間につき10のデータポイントをオフロード(offload)し、これらの値を続く分析のために蓄積(store)する。更に、電気泳動を行う間、CCDアレイからのデータを、サンプル速度=f個のサンプル/秒で定期的にオフロードする。したがって、時間Tが続く間、総数N=ft個サンプルが得られる。
図2は、本発明の好ましい態様にしたがう、各キャピラリーについての較正マトリックスを計算する一般的工程を示すフローチャート200である。工程202では、単一のキャピラリーに由来するR個のチャンネルの蛍光データをあらかじめ決められた時間期間集める。図3は、総数10個(R=10)のチャンネルについての光強度の時系列データを図示したものである。工程204では、オリジナルのデータについてスムージング(smoothing)及びベースライン・サブトラクション(baseline subtraction)を行いトレンド(trend)を除去する。工程206では、時間ドメイン(time domain)におけるピークを同定する。工程208では、ピーク幅及びピーク間隔(spacing)の測定基準(metric)を計算する。工程210では、前記の測定基準を同定されたピークと共に使用して、係数マトリックス作成についての考慮からピークを除去する。工程212では、残りのピークをランク付け(rank)し、最強のピークを使用するようにする。工程214では、較正マトリックスの係数を計算する。最後に、工程216では、較正マトリックスを使用してスペクトルをデコンボルーション(deconvolution)し、移動サンプルを同定する。前記の工程を以下で詳述する。
【0007】
工程204…データのスムージング及びベースライン・サブトラクション
生データを、本発明の使用者により決定される幾つかの接近するポイント(close point)、例えば、1、3、5、7、9ポイントについて、サビツキー−ゴレイ(Savitzky−Golay)法によりスムージングする。一般的に、1つのポイントを選択する場合は、データのスムージングは行わないだろう。10個のチャンネルにおけるスムージングされたデータのベースラインを、検出器システムと結びついたプロセッサ上で動作するソフトウェアを用いてサブトラクションする。ソフトウェアは、ローカルセクション(local section)ごとにローカル最小値(local minimum)、例えば1セクションとして1個のチャンネル中の300個のデータポイントごとに最小値を検索する。連続するセクションの2つの最小値を直線であるベースラインで結びつける。2つのローカル最小値間の生データ値をベースライン値についてサブトラクトする。ベースライン・サブトラクション及びスムージングの後の値を更なる処理のために蓄積する。データのスムージング及びベースライン・サブトラクションの順番を逆転させることができる。
【0008】
工程206…タイムドメインにおけるピークの選択(picking)
ベースライン・サブトラクション後の各波長チャンネルの性質をピーク選択の前に計算する。前記の性質には、予め決められた数、好ましくは40のセクションにおける全平均(global average)シグナル強度、2つの連続的ポイント間の全平均強度偏差、ローカル最大値(local maximun)及びローカル平均偏差が含まれる。
全平均強度:
〔式4〕
全平均偏差:
〔式5〕
極小:
〔式6〕
ローカル平均偏差:
〔式7〕
【0009】
式中、Ijはポイントjにおける強度を表し、mはデータポイントの総数であり、sはローカルセクションにおけるデータ数であり、kはセクションにおける開始点(starting point)である。
サンプリングした強度に沿った適切なポイントにおける、10個のチャンネルのそれぞれについての前記4つのパラメータを、ピーク決定のための発見的(heuristic)アルゴリズムにおいて使用する。与えられたチャンネルにおけるポイントIjが以下の基準に適合する場合、ピークであるとみなす。
(1)Ijが5つの連続ポイント間のローカル最大値である。
すなわち、Ij>Ij−1>Ij−2かつIj>Ij+1>Ij+2である。
(2)Ijがセクション最大値(section maximum)の20%よりも大きく、かつ、全平均強度の40%よりも大きい。
すなわち、Ij>0.2Is,max、Ij>0.4Ig,aveである。
(3)Ijのいずれかの側における2つのエッジ偏差(edge deviation)のうち少なくとも1つがセクション平均偏差の70%よりも大きくなければならず、かつ、全平均偏差の20%よりも大きくなければならない。
すなわち、右端エッジ偏差:(Ij+1+Ij+3)/2>0.7I1,devかつ(Ij+1+Ij+3)/2>0.2Ig,devであるか、又は
左端エッジ偏差:(Ij−1−Ij−3)/2>0.7I1,devかつ(Ij−1+Ij−3)/2>0.2Ig,devであるか、又は前記の双方を満たさなければならない。
(4)ピークの構築(assembly)。これは1つのチャンネルにのみ発生する(物理的に測定されない)ピークを除去し、かつ、数学的操作によりピーク最大値が1フレーム分シフトする場合に同一ピークとして同定し、タイムドメインにおけるバンド位置を決定する工程である。ほとんどのピーク最大値が1個より多いチャンネルにおいて特定の時間に発生した。少なくとも2個のチャンネルが特定の時間で複数のピークを示した。個々のチャンネルについて別々にベースライン・サブトラクションを行ったからである。あるピークの最大値はタイムドメインにおいてフレームシフトするかもしれない。ピーク位置が異なる色のチャンネルにおいてフレームシフトする場合、同一ピークである。全てのチャンネルにおけるピーク強度をタイムドメインにおいて合計したものが図bに示される。
図3は、DNA配列決定実行中の単一キャピラリーに由来する10個のチャンネルのそれぞれについての、強度Xjの時系列生データの一部を示す。jはサンプルのタイムインデックスを示す。与えられたどの時点においても、わずか数個のチャンネルのみがピークを示した。なぜなら、各4種の色素が有限のバンド幅のみを有するからである。各キャピラリーについて10個チャンネルのそれぞれに由来する強度シグナルXjの生データを、多成分マトリックスを作成しかつ検出される蛍光強度を生じさせた蛍光種を同定するための将来の処理のために蓄積する。ピック−ピッキング(pick−picking)工程を10個のトレース全てについて行い、タイムドメインおけるピーク位置を与える。サンプル中の特定種類の分子に起因するピークは、特定の時間において1個より多いトレースに現れる。なぜなら、スペクトルがオーバーラップするからである。例えば図3において、52分におけるピークはトレース3〜トレース9においてピックアップされる。5000におけるピークの直前の51.9におけるピークは、トレース0〜トレース6に現れている。ピークが1個より多くのチャンネルに現れる特定の時間においては、全10個のチャンネルのピーク強度をデータ処理工程のために記録する。当該特定の時間においては、全10個のチャンネルの中で最大強度を示すチャンネル番号も記録する。
【0010】
工程208…ピーク間隔の決定
(a)ローカルセクションにおけるピーク間隔。ローカルセクションでは、ピーク間隔は一定であると考えることができる。全てのピークを、図4bに示す前工程により決定する。ローカルセクションにおける平均ピーク間隔Δtsp,aveを、図4a及び4bに示される全ての同定ピークに基づいて計算する。平均ピーク間隔は12.5フレームである。連続するピーク間隔における間隔が平均ピーク間隔の75%よりも大きい場合、又はΔtsp>0.75Δtsp,aveの場合、当該ピーク対を係数計算のために保持する。したがって、図4bでXを付したピークは係数計算から排除する。
(b)ピーク・フィッティング(peak−fitting)・ソフトウェアによる重複ピークの同定。ピークを同定した後、ピーク・フィッティング・ソフトウェアを用いてピーク幅を同定することができる。ほとんどの電気泳動分離において、エレクトロフェログラム(electropherogram)の第一のセクションに現れるピークは、通常、非常に鋭く、分離の後半のセクションにおけるピークは、通常、幅広い。しかしながら、小さいローカルセクション、例えば300フレームにおけるピーク幅は実際的には同一である。この概念は、ローカルセクションにおいて一時的に重複するピークの分離にとって非常に重要である。DNA分析では、タイムドメインおいて大きさが異なるDNAについてのバンドが完全に重複することは希である。重複のほとんどは、一方が検出窓に入り、他方が当該検出窓を出る場合のピークの立ち上がり又は立ち下がりに限定される。DNA分離において、重複ピークは、単一ピークよりも30%幅が広い。チャンネルにおけるピーク強度がローカル最大強度の20%と小さい場合、その低強度を理由に当該ピークのピーク幅を計算しなかった。特定の瞬間におけるピーク幅及び間隔は、データのトレースから計算することができる。
【0011】
工程210…ピークのフィルタリング(filtering)及びスパイク(spike)の排除。正常なピークの幅は通常4〜20フレームである。対照的に、スパイクは通常1つのフレーム中に現れ、かつ非常に鋭いピークとして現れる。スパイクは、カメラによる宇宙線のピックアップ、カメラのオーバーヒートによる熱雑音及びサンプル中の不純物により生ずる。ピーク間隔の基準。ピーク間隔が平均ピーク間隔よりも75%より大きい場合、2つのピークを係数の計算のために保持する。別の方法はピーク幅及び間隔の両方を使用することである。隣接する2つのピークについて、それらの半分の強度における幅の平均がピーク間隔よりも大きい場合、2つのピークをマトリックス係数計算から排除する。重複ピークについては2つのケースが存在する。1つのケースにおいて、2つのピークはDNA分子にタグ付けされた同一色素に由来する。この場合、分離解像度が低いため分離されない。このケースは、2つのピークが同一色素に由来しているのでマトリックス計算において問題を全く生じないことを本発明者等は見いだした。しかしながら、ピーク幅についての一般規則として、マトリックス計算においてこの種のピークを排除することが好ましいだろう。他のケースは、2つのピークが、大きさが1塩基対分異なるDNA分子をタグ付けする異なる色素に由来するケースである。本発明者等は、これらの色素は、通常、タイムドメインにおいて多少離れているが、完全には分離していないことを見いだした。それゆえ、全チャンネルにおけるピーク位置は、数フレーム(2〜3フレーム)分異なる。ピーク・フィッティングは、重複ピークとしての前記ピークに起因(attribute)する。これらのバンドを排除することはマトリックス計算にとって重要である。強度の基準。ローカルセクションにおける最大強度が平均ピーク強度のわずか20%に過ぎないピークの場合、当該ピークをマトリックス係数の計算から排除する。小さいピークはマトリックス係数について有意な誤差を生じさせるだろう。図5は、4種のヌクレオチドの各ヌクレオチドについての相対蛍光候補のピーク強度のプロットである。*で標識したピークは、間隔についての基準によって排除する。排除されるピークのほとんどは、Aの後がGの場合に起こる。移動度のシフトは2つのピークの重複を引き起こす。
【0012】
工程212…バンドのカテゴリー化(クラスター化)
バンドが前記フィルタリング工程を通過した場合、当該バンドはバンドカテゴリー化(クラスター化)工程へ進む。バンド強度は、全波長チャンネルについての強度の和であるデータチャンネルから決定する。このチャンネルシグナルは、ほとんどの場合において、いずれの色分散出力(color−dispersed power)を有しないグレーティングの0次に由来する。別のより好ましい方法は、全チャンネルについての強度の和であるデータのチャンネルを作成することである。
図6は残ったピーク(したがって、残った検出バンドに対応する)の特徴付けを示すフローチャート600を示す。工程602では、残ったピークの強度を標準化する。工程604では、バンドのカテゴリー化を最強のバンドを用いて開始する。工程606では、スペクトルセット内の標準化強度を比較し、ノイズレベルをこえる有意な値を有するもののみを保持する。工程608では、対応する標準化係数における差異が最大強度の5%(最大値が1.0に標準化される場合に0.05)よりも低い場合に、バンドをクラスター化する。工程610では、クラスター化したバンドセットから、係数の平均及び標準偏差を計算する。最後に、工程612では、較正マトリックス用の係数を計算する。前記の工程は、実施例により最良に説明される。
【0013】
工程602…強度の標準化。下記の例は、図5の時間53.89分における塩基Cに対応するデータから抽出したデータセットである。表1はこのデータセットについての1.0に標準化した強度値を示している。
表1.生データ、係数の計算及び非比較可能なデータ(un−comparable data)
工程604…最強のバンドを用いたバンドのクラスター化。バンドのパターンを認識する工程を最強のバンドから開始し、次いで二番目に強いバンド、次に強いバンド…、へと進める。特定の時間において、数個のチャンネル中にバンドがピークとして現れる場合、他のチャンネルにおける全強度について強度をマトリックス係数として標準化する。最初に最強のバンドを選択し、次いで二番目に強いバンド、その次に強いバンド…、を選択することにはいくらかの利点がある。機器のノイズがあるため、最強のバンドの係数計算は、低強度のバンドを用いたときよりもより正確である。したがって、偽ピークのリーディング部分(leading portion)及びトレイリング部分(trailing portion)が及ぼす全体的影響は、弱いバンドに対してよりも強いバンドに対して低い。
【0014】
工程606…強度の選択(culling)、ノイズの影響、低強度及び係数。好ましい実施態様では、全ノイズ源、例えば散弾ノイズ(shot noise)、CCD読取ノイズ、CCD暗ノイズ等に由来する全体のノイズレベルは、約50カウント程度である。生データの数学的操作、例えばベースライン・サブトラクション及びスムージング等もノイズをデータへ取り入れることができる。好ましい態様において、データ強度はノイズレベルの約3倍(150カウント)になるように選択する。この値を閾値として選択する。この基準は従来の統計学的原理と一致する。したがって、データ強度が150カウントよりも低い場合、当該データ強度はバンドのカテゴリー化に使用しないことが好ましい。例えば、表1において、チャンネル0、1、2及び3のデータ強度は150未満であり、その係数0.0114、0.021、0.0198及び0.0158はカテゴリー化に使用しない。これらの係数は、計算誤差を引き起こしやすい非比較可能な係数と呼ばれ、廃棄する。
【0015】
工程608…バンドのカテゴリー化。2つのバンドの比較可能な係数間の差異が最大強度の5%(又は0.05単位)未満である場合、当該2つのバンドを同一のカテゴリーに存在するようにクラスター化する。表2は7セットの係数の例を示している。各セットは個々に標準化されている。表2に示されるバンドにおいて、バンド1、3及び4は同一のカテゴリーに存在する。なぜなら、係数の差異が0.05をこえるものが存在しないからである。しかしながら、バンド1と2とは0.05単位をこえる係数の差異を有するので、異なるカテゴリーに存在するものとみなす。この5%ルールを使用すると、バンド5及び6は同一カテゴリーであり、バンド7はそれ自体のカテゴリーを形成することが明らかになる。
表2.ピークのクラスター化
表2のデータを考慮して、最大の標準化ピークに基づいて常にバンドをカテゴリー化することが適切であると考えてもよい。しかしながら、これが常に最良のアプローチとは限らない。ある場合では、最大強度を有するチャンネルが、同一種類のバンドに対する2つの隣接するチャンネルのいずれかに存在することができる。例えば、2つのバンドが、チャンネル2及び3において、それぞれ0.9948,1及び1,0.982の係数を有している場合、最大強度に基づくルールのみを使用する場合に限り、当該2つのバンドを異なるカテゴリーに属すると考えてもよい。しかしながら、最大強度の5%ルールを使用するシステムは、これらの2つのピークを常に同一のバンドとは解釈しないだろう。
バンドを、コンピュータにより自動的に、電気泳動に使用する色素の数よりも多くの色素スペクトルへとクラスター化してもよい。この結果、図7bに示される偽クラスター720が生じる。偽クラスターは、重複ピークにより生じる偽色素スペクトルを引き起こす。種々の処理及び選択にしたがい、重複ピークの数は、真のDNAスペクトルの数と比較して少ないことが好ましい。偽スペクトル(及び対応する余分なクラスター)が現れる場合、5%ルールを7%へと増やして、重複バンドが1以上の別のバンドへ併合するかどうかを調べてもよい。偽バンドの係数は、高発生バンドのスペクトルの組合せとして表すことができる。低発生バンドを、2つのポジティブ・ディストリビューション(positive distribution)を有する高発生バンドの組合せとして記載することができる場合、この種の低発生バンドは偽バンドである。前記2つの性質を用いて偽バンドを認識した後、偽スペクトルを係数計算から排除する。
【0016】
工程610…標準偏差排除。各セットの係数の平均偏差及び標準偏差を、バンドのカテゴリー化工程の後に計算する。与えられたセットの標準化係数の偏差が、標準偏差の130%よりも大きい場合、対応するバンドは係数計算から排除すべきである。
【0017】
工程612…係数の計算。クラスター化の後、4つのクラスター(各ヌクレオチドにつき1クラスター)内の各セットの係数を図7aに示すようにプロットして、クラスター化が適切に行われかつ所望の数のクラスターが生じたことを確認することができる。各セットの係数の平均をとり、R個の長さベクトル(R−length vector)(好ましい態様では、R=10)を形成する。R個の長さベクトルのそれぞれは、較正マトリックスCにおける4つの縦列のうちの1つに対応する。
【0018】
工程216…色(スペクトル)のデコンボルーション。使用中、各分離レーンについて計算した係数マトリックスCの偽逆転(pseudo−inverse)を使用して、当該分離レーンから検出した強度のセットを、式3に与えられる決定ベクトル(decision vector)Bへマッピングする。決定ベクトルBにおける最大値の位置が色素の同一性に対応する。
前述の技術の使用を、実施例を使用して説明する。
【0019】
実施例A DNA配列決定分析
実験条件:キャピラリーID 75μm、OD 200μm、全長80cm、有効長(注入端部から検出ウインドウまで) 55cm。分離電圧 150v/cm(12kV)。96のキャピラリーを平面に平行に配置し、キャピラリーアレイを作成する。
注入:6kVで1分間。
DNA配列決定サンプル:標識PE Biosystem BigDye。
励起:450〜520nm(514.5nm及び488nmに2つの最強輝線がある)を放射するオールライン(all−line)Arイオン・レーザー。円柱レンズにより、レーザー光を96のキャピラリーにわたって拡散させる。
検出:Nikonカメラレンズ(焦点距離85mm、F1.4)を使用して、キャピラリーアレイからの蛍光を集める。次いで蛍光をロング・パス(longpass)光学フィルター(カットオフ 525nm)(Optical Omaga Inc., CT)及び透過グレーティング(transmission grating)(Edmund Scientific, NY)を通過させ、CCDカメラ(PixelVision, WA)へ入射(impinge)させる。システムの解像度は約5nm/画素である。3つの連続画素毎にビンニングする。各チャンネルは15nmにわたる蛍光強度を表す。
ゲル及び分離条件:ゲルは7Mの5%直鎖状ポリマーゲルである。図1のDNAを室温下で分離した。
図3は、時間窓(time window)42〜54分におけるDNA分析配列決定についての10個の波長チャンネルのエレクトロフェログラムを示す。上端のトレースは525nmの青色チャンネルである。以降のトレースは、540nm、…のデータである。下端のチャンネルは650nmの赤色チャンネルを示す。トレースは良好な視野に対して常時シフトする。
図7aは、得られた幾つかのDNAバンドについてのスペクトルのプロファイルを示す。バンドを4つのカテゴリーに分類する。各カテゴリーは4種の塩基のうちの1つに対応する。図7bは各カテゴリーにおけるバンドの数を示す。重複バンドのグループ720は係数の計算から排除する。重複バンドのほとんどは、Aの直後がGである場合に生じる。Gを有するDNAフラグメント末端は、Aを有するDNAフラグメント末端よりもわずかに速く移動するので、Aの直後にGがある場合に2つのピークが重複する。
図5は、自動的にデコンボルーションした4つのトレースを示す。4つのトレースは、上端から下端に向けてG、A、T、Cのフラグメントについてのものである。*で標識したバンドは排除されたバンドである。
【0020】
実施例B DNAフラグメント分析
図8、9及び10は、DNAフラグメントのデータを示す。本実施例のゲルは尿素を全く含まない5%ポリマーゲルである。分離温度を80℃に調節した。3種類の色素を使用してDNAフラグメントを標識する。8つのトレースが図8に示される。図8はDNA配列分析と類似している。バンドを自動的に3種類のスペクトルへ分類する。次いで3種類のバンドの係数を自動的に計算して図10に示される3つの異なるトレースへとデコンボルーションする。トレース3は標準サンプルであるGeneScan 500(PE Biosystem (CA))である。このセクションは大きさが60〜350塩基対、特に75、100、139、150、160、200、250、300、340及び350塩基対のDNAフラグメントを示している。このトレースの強度は他のトレースの強度よりも低いので、図9aの対応のスペクトルプロファイル910は高い変動を示す。
【0021】
実施例C タンパク質分離のためのCZE(キャピラリーゾーン電気泳動)
キャピラリーゾーン電気泳動について同様のセットアップを使用した。タンパク質サンプルを、96キャピラリーからなるアレイの個々のキャピラリーへ注入する。ID 50μm、OD 150μm、全長 35cm及び有効長 25cmのキャピラリーを実験に使用する。分離は150V/cmで起こる。ホウ酸塩緩衝液(pH10.5)が分離媒体であった。サンプルは、真空注入(水力学的(hydrodynamical)注入)したタンパク質の混合物である。タンパク質とは異なる発光スペクトルを有する標準を、定量的分析のためにサンプルへ添加する。6つの波長データを集めたところ、図11aに示される2つの未知のものが分離される。コンピュータプログラムによりバンドをピックアップし、図11cに示されるスペクトルパターンを認識した後に、マトリックスデコンボルーション後のデータの2つのトレースが、図11bに示される。
【0022】
実施例D 同一キャピラリーアレイにおける異なる色素セットの使用
本実施例で検討する技術を使用して、DNA配列決定で一般的に使用される異なる色素セットについての較正係数を自動的に得た。この方法論は、ピーク分類、初期のピーク排除、係数決定、洗練されたピーク排除及び色のデコンボルーションを含んでいる。
(1)ピーク分類
単一の色素セットを自動的に較正するために、タグ付けしたDNAサンプルを単一のキャピラリーへ導入し、電気泳動に付した。単一のエレクトロフェログラムにおいて約500の塩基が検出された。各塩基は10個のチャンネルからなるセット内にピークを生じさせた。次いで、ピーク強度が最大であるチャンネルにしたがいピークを分類した。最初に、ピーク位置及び強度を記録し、タイムドメインにおける平均ピーク間隔及び平均ピーク強度等の基準を計算した。一般的に、あるピークが1つのチャンネルに現れるとき、多くの場合、同一時間におけるタイムドメインにおいて、あるピークが他のチャンネルに現れる。これは、1つの色素ファミリー内の各メンバーが10個の連続チャンネルでいくつかの重複を起こすからである。ピークが現れる特定の時間において、10個の波長チャンネルにわたるピーク強度を比較して、10のチャンネルの内どのチャンネルが最大強度を示すかを決定した。ピークの強度が最大であることが見いだされたチャンネルを各ピークについて記録し、これをヒストグラムにした。図12は、波長チャンネル間における最大強度のヒストグラムを示している。図12は、最大ピークがチャンネル2、4、6及び8において最も頻繁に現れたことを示している。これは、10個の連続チャンネル中の4塩基の光学ピークに対応する。したがって、幾つかの最大ピークが10のチャンネル全てにおいて見いだされたけれども、これらの4つのチャンネルが有力であった。
(2)初期のピーク排除
較正係数の計算前に、3種類のピークを排除した。第一に、最大強度がチャンネル2、4、6及び8のいずれにも該当しないピークを排除し、考察から無視した。第二に、タイムドメインにおいて重複したピークを排除した。タイムドメインにおける2つの隣接ピークの間隔が、ピーク間における平均間隔距離の80%よりも小さい場合、当該ピークは重複しているものとした。第三に、平均ピーク強度の20%よりも低い最大ピーク強度を有するピークも更なる考察から排除した。初期ピーク排除の後、オリジナルの500個のピークのうちわずか約300個のピークが、較正係数計算に使用する候補として残った。
【0023】
(3)平均係数及びその標準偏差の計算
最初に、約300の残存ピークの最大強度を1.0000に対して標準化した。標準化は波長ドメインにおいて行った。換言すれば、ピークの最大値がチャンネル2に存在する場合(特定の色素セットにつき塩基「G」を示す)、この特定のピークに対する塩基「G」についての10の係数を、チャンネル2で見いだされた当該ピークの強度に対する、10個のチャンネルの内の各チャンネルにおけるピーク強度の比として計算した。したがって、塩基「G」についての較正係数のセットは、チャンネル2で最大強度を有することが見いだされた300のピークから、波長ドメインにおいて当該ピークを標準化し及び10セットのそれぞれについての係数の平均値をとることにより導かれる。同様に、塩基A、T及びCについての較正係数のセットを、それぞれチャンネル4、6及び8において最大強度が見出された残り300個のピークから計算した。4つのグループ(G、A、T及びC)のそれぞれについて、10個のグループ係数平均値及び10個のグループ標準偏差を、更なる処理のために計算する。
(4)追加のピーク排除
特定のグループ(G、A、T又はC)内のピークに対する10個の標準化係数のいずれか1つと当該係数についてのグループの平均値との間の差異が、当該係数についてのグループ標準偏差と比較して予め決めた倍数(例えば1.5倍)よりも大きい場合、当該ピークは排除し、係数の計算には使用しない。
(5)マトリックスの形成
追加のピーク排除を行った後、各グループについての平均係数を計算して較正マトリックスを確立する。
(6)色のデコンボルーション
検出器から出力が得られると、適切な較正マトリックスと共に式3を使用して、4塩基の強度を計算する。これにより、シグナルの色デコンボルーションが起こる。
【0024】
較正係数マトリックスを、以下の色素セット:ABI BigDye ターミネーター色素セット、ABI ローダミン ターミネーター色素セット、Amersham ET プライマー色素セット及びBaylor Bodipy 色素セットのそれぞれにつき、Spectrumedix Model SCE 9610 Genetic Analysis Systemに対して計算した。得られたマトリックスを図13a〜13dに示す。各マトリックスの第一列のデータは、最短波長を発光する塩基についての10チャンネルにわたる平均化された強度の分布を示す。第二列、第三列及び第四列は、蛍光発光中により長い波長の光を発光する塩基の係数を示す。第四列は、最長波長の蛍光を発光する塩基の係数を示す。
当業者に知られているように、Bodipy色素は狭い発光スペクトルを有し、かつ、隣接する色素間の波長間隔が小さい(20nm)。Bodipy色素に適応させるために、3つの隣接する画素よりもわずか2つの隣接する画素をビンニングして、高解像度を与えるようにした。各チャンネルにつき2画素をビンニングした新しいマトリックスは、DNA配列決定に対してBodipy色素を使用したときの結果を劇的に増強する。
複数レーンの電気泳動分離システムにおける各レーンが、それぞれの較正マトリックスを有することができるので、各レーンにおいてサンプルをタグ付けするために単一の色素セットを使用して、同時に複数の色素セットを使用することができる。これにより、1つのサンプルを2つ以上の部分へ分け、各部分を異なる色素セットでタグ付けし、異なる色素セットでタグ付けされた当該サンプルの分離結果を比較することができるようになる。したがって、装置のセットアップを変更することなしに、例えば異なるフィルターセットを使用することなしに、異なる色素セットの性能を直接比較することができる。キャピラリーアレイを使用して分離されたサンプルでは、色素セットの異なる組合せを使用してサンプルをタグ付けしているが、各キャピラリーにおいて各サンプルは単一の色素セットによりタグ付けされている。
【0025】
3Dパターン認識を使用したピークの選択及びベースコーリング( Bsecalling )
前記の検討では、種々の発見的及び統計学的技術を使用して、特にDNA配列決定用途における較正マトリックスを形成するために使用する基礎データを有するピークを選択している。係数計算に使用するためのピークを選択する代替のアプローチは、時間−頻度プロット(time−frequency plot)のトポグラフィック・プロット(topographic plot)において単独ピークを同定することである。
図14〜16は、Spectrumedix SCE 9610装置を使用してキャピラリー中で行ったDNAサンプルの配列決定に由来する時間−頻度プロットを示す。X軸は、検出器の出力のフレーム数で表した時間的要素を示す。これらの図に見られるように、時間の次元において単一ピークが数個のフレームを占めている。正確な数は、サンプルの移動速度及び蛍光を検出器によりサンプリングする速度に依存する。Y軸は画素の位置を示す。画素の位置は、520nmから5nm/区画の刻みで出発する波長に関連し、総数35個のポイントがあり、Yの次元において35個のチャンネルとして効率的に役立つ。図14〜16に見られるように、各色素のスペクトルの重複により、単一のピークが、波長の次元において1より多くのフレームを占めている。各ピークに関する輪郭、すなわち平板化された「Z」軸は、当該ピークの強度に対応する。
図14〜16は、異なる形態のピークを示している。単一の単独ピーク700は、他のピークと重複しておらず、その形状は円形又はわずかに卵形である。当該分離ピークに対応するデータを使用して、較正係数を作成することができる。併合して結合ツインピーク710又は複数の結合ピークからなるセット720を形成するピークは、好ましくは、較正係数を計算するときに排除する。したがって、データを時間−頻度プロットの形式で最初にプロットすることにより、単独ピークを最初に同定し、次いで同一塩基(又はその他のタグ付き種)に対応する単独ピークをグループ化することができる。分離されたピークが与えられると、その基礎データを使用して各ピークを標準化し、較正マトリックスの計算に必要なその他の操作を行うことができる。
【0026】
図14はサンプル分離の初期部分(塩基対100〜130間)を示している。図15はサンプル分離の中間部分(塩基対320〜440間)を示している。図16は時間−頻度プロットの最終部分を示している。サンプル分離の初期及び中間部分では、形態学的特徴が互いに十分に分離していることが注目される。これは、対応するフラグメントが小さく、移動するときに、タイムドメインにおいてより識別可能であるからである。したがって、形態学を使用して候補ピークを同定するときは、短いフラグメント、すなわちより速く移動するフラグメントに由来する時間−頻度プロットを使用することが好ましいだろう。
更に図14〜16のプロットは、受け取ったチャンネルデータについての色デコンボルーションを実行するための、較正マトリックスと共同した式3の使用に対する代替物を示唆している。この代替物は、時間−頻度プロットにおける形態学的形状を直接同定することである。したがって、図14〜16の場合、最初に較正マトリックスを計算することなしに、直接ベースコーリングを行うことができる。直接のベースコーリングは、重複ピークを取り扱うときにはより正確であろう。なぜなら、隣接ピークのペアはほとんど一致する外観を示すからである。
図17は、分離された、異なる形態の例を示す。図17aは単一ピークを示している。図17bは、タイムドメインにおいて2つのピークが伸長した卵形として現れている、同一塩基についての2重の重複ピークを示している。図17c及び17dは、異なる塩基についての2重の重複ピークを示している。図17e、17f及び17gは、重複した3つの隣接ピークを示している。
単独ピークの同定、直接のベースコーリングは、ヒトにより視覚的に、又は、コンピュータ・ビジョン分野の当業者に周知の機械をベースとする画像処理又はパターン認識技術を使用することにより自動的に行うことができる。したがって、機械をベースとする処理の場合、形態フィルターをテンプレートとして使用して、図17に示される特徴を同定することができる。
本発明を、特定の好ましい態様を参照して説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されないことに留意すべきである。当業者は、その範囲が請求の範囲で定義される本発明の精神の範囲内で前記の好ましい態様の変形を見いだすだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、0次コンポーネント及び1次コンポーネントの検出器アレイへの画像化を示している。
【図2】
図2は、本発明にしたがう係数マトリックス計算における工程の概要を示すフローチャートを示す。
【図3】
図3は、検出器アレイから10個のチャンネルにわたり検出された強度の例示を示す。
【図4a】
図4aは、ピーク間隔決定による中間結果を示す。
【図4b】
図4bは、ピーク間隔決定による中間結果を示す。
【図5】
図5は、各ヌクレオチドの候補ピークについての相対的蛍光強度を示す。
【図6】
図6は、初期の選択後に残ったピークを特徴付ける方法を示している。
【図7a】
図7aは、各ヌクレオチドのクラスターについてのプロットを示している。
【図7b】
図7bは、分離したピークのヒストグラムを示している。
【図8】
図8は、例示としての、較正する3種の色素に対する7個のチャンネルのデータについてのまばらなピークを示している。
【図9a】
図9aは、図8に関連して使用する3種の色素についての係数プロットを示している。
【図9b】
図9bは、図9aの3種の色素に対応するクラスター化ピークについてのヒストグラムを示している。
【図10】
図10は、図8〜9bの各候補色素についてのデコンボルーションしたデータを示している。
【図11a】
図11aは、タンパク質同定についての実験結果を示している。
【図11b】
図11bは、タンパク質同定についての実験結果を示している。
【図11c】
図11cは、タンパク質同定についての実験結果を示している。
【図12】
図12は、例示としてのDNA配列決定に由来するピーク実験的ヒストグラムを示している。
【図13a】
図13aは、DNA配列決定で一般的に使用される4種の色素セットのそれぞれについての較正係数マトリックスを示している。
【図13b】
図13bは、DNA配列決定で一般的に使用される4種の色素セットのそれぞれについての較正係数マトリックスを示している。
【図14】
図14は、DNAサンプルの単一キャピラリーにおける電気泳動についての輪郭を示す時間−頻度プロットの初期部分を示している。
【図15】
図15は、DNAサンプルの単一キャピラリーにおける電気泳動実行についての輪郭を示す時間−頻度プロットの中間部分を示している。
【図16】
図16は、DNAサンプルの単一キャピラリーにおける電気泳動実行についての輪郭を示す時間−頻度プロットの最終部分を示している。
【図17】
図17は、図14〜16等の輪郭を示す時間−頻度プロットにおいて見られる典型的な形態を示す。
Claims (16)
- 平行電気泳動システムであって、
複数の分離レーン、検出器及び該検出器に接続したプロセッサを有し、
少なくとも2つの異なる分離レーンからの光強度を該検出器で受け取り、
該受け取った光強度を、少なくとも2つの異なる較正マトリックスを使用して処理すること
を特徴とするシステム。 - 少なくとも1つの分離レーンを含む電気泳動装置において検出システムを較正する方法であって、
該検出システムが、該少なくとも1つの分離レーンからm個の波長チャンネルにわたり光強度のスペクトルを感知するように構成されており、
複数のサンプルのそれぞれについて少なくとも1つの光強度スペクトルを検出する工程、
該検出した光強度スペクトルを、予め決定したクラスター化基準を使用して、n個のカテゴリーへクラスター化する工程、及び
該クラスターから較正マトリックスを作成する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 少なくとも数個のサンプルについて検出したスペクトルを、クラスター化工程の前に破棄する、請求項2に記載の方法。
- 対応する複数の分離レーンのそれぞれについて較正マトリックスを決定する、請求項2に記載の方法。
- 総数が少なくとも96個の較正マトリックスを生成し、各マトリックスが対応する分離レーンのそれぞれに対応している、請求項4に記載の方法。
- 電気泳動分離装置であって、
少なくとも1つの分離レーン、検出器及びプロセッサを有し、
該検出器が、
複数のサンプルのそれぞれについて少なくとも1つの光強度スペクトルを検出し、
検出した光強度のセットを、予め決定したクラスター化基準を使用してn個のカテゴリーへクラスター化し、
該クラスターから較正マトリックスを作成するように構成されている
ことを特徴とする装置。 - 該装置が、クラスター化工程の前に、少なくとも数個のサンプルのスペクトルを廃棄するように構成されている、請求項6に記載の装置。
- 電気泳動により分離した、色素でタグ付けされたDNAサンプルにおいて、ヌクレオチドを同定する方法であって、
光強度を2次元時間−波長プロット上に表示する工程、及び
該プロット上に表示された形成物の形状及び位置に基づいてヌクレオチドを同定する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 複数の色素成分を含むサンプルを分離するための電気泳動検出システムであって、
該検出システムが、該サンプルのスペクトルから異なる色素成分の数を自動的に決定するように構成されていることを特徴とするシステム。 - 複数の分離レーンを有する電気泳動分離装置を自動的に較正する方法であって、
各分離レーンについて、移動サンプルから光強度について複数のセットを検出する工程であって、各セットにおいて光強度が総数R個(R≧2)のチャンネルに集められる工程、
各分離レーンについて、該光強度についての複数のセットのうちの少なくとも幾つかのセットにおいてピークを分離する工程、
該分離したピークに基づいて、移動サンプル中に存在する色素の数M(M≧2)を推定する工程、及び
各分離レーンについて、該分離したピークのチャンネルにおける光強度の分布に基づいて係数を計算する工程であって、該係数が、R個のチャンネルから検出した光強度を、存在している各色素の相対的確率を反映する値へとマッピングする工程
を含むことを特徴とする方法。 - 係数が、R×Mのマトリックスの形状で配列している、請求項10に記載の方法。
- 平行電気泳動システムであって、
複数の分離レーンであって、それぞれの分離レーンにおいてサンプルを同時に分離するためのレーン、
検出器、及び
該検出器に接続したプロセッサを有し、
該プロセッサが、1種以上の色素セットに属する色素でタグ付けされた種から検出した光を同時に処理するように構成されている
ことを特徴とするシステム。 - 分離装置を自動的に較正する方法であって、
色素を有する種から発光した光をサンプリングする工程であって、該サンプリングを波長チャンネルの第一数m及び時間間隔の第二数nにわたり行い、時間−波長分布を形成する工程であって、該時間−波長分布において総数k個の分離した種が形態学的形成物により表される工程、
該形成物から総数l個のピークを分離する工程であって、各ピークが分離した種に対応している工程、
該l個のピークを、少なくとも1つの類似性基準に基づいてj個のクラスへとクラスター化する工程、
総数j個の較正ベクトルを形成する工程であって、各較正ベクトルが該クラスの1つを表している工程、及び
該j個の較正ベクトルからなる較正マトリックスAを形成する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 形成物からl個のピークを分離する工程が、
タイムドメインにおけるサンプルデータを予備処理する工程、
該タイムドメインにおける総数p個のピークを分離する工程、及び
該p個のピークから、該タイムドメインにおける該ピークの幅及び間隔にしたがい総数l個のピークを分離する工程
を含む、請求項13に記載の方法。 - ピークを分離する工程が、
形態学的フィルターを使用して、時間−波長分布中のピークを同定する工程を含む、請求項13に記載の方法。 - ピークを分離する工程が、
時間−波長分布を可視的に調べる工程及び他のピークへ結びついていないピークを選択する工程を含む、請求項13に記載の方法。
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