JP2004508736A - 干渉信号除去機能を有した受信局 - Google Patents

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Abstract

【課題】1以上の他の基地局から信号を受信することを試みようとしている移動局に第1の基地局が寄与する干渉量を低減することおよび干渉特性に依存する信号結合方法のための選択。
【解決手段】同じ通信システム内の他の基地局の送信により第1基地局(102)に課せられる干渉の量を低減する最適結合器。送信を受信するために受信局(110)内に2つのアンテナ(112、114)が使用される。レーキ受信器が各アンテナ(112、114)に接続される。レーキ受信器の各独立した指により受信される信号を最適に結合することにより、第1のアンテナ(112)に関連づけられた指と第2のアンテナ(114)に関連づけられた指との間で相関する干渉を所望の信号に対して最小化することができる。最適結合は最適結合係数の決定を必要とする。干渉特性に応じて最適結合アルゴリズムの代わりにマックスレシオ結合アルゴリズムを用いてもよい。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この開示された方法および装置は無線通信システムに関し、特に信号結合方法のための選択機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な無線通信システムにおいて、移動局(セルラ電話、ポータブルコンピュータ等)は基地局のネットワークによりサービスされる。そのような基地局は移動局のための通信中継局としてサービスする。従って、通信システムの他のコンポーネントと通信するために、移動局がオンにされると、移動局は少なくとも1つの基地局と無線通信しなければならない。移動局はときどき1つの基地局によりサービスされる領域から移動して他の基地局によりサービスされる領域に移動する。基地局はこの事実に気がつき、第1の基地局から第2の基地局に「ハンドオフ」通信する。移動局がある時間期間第1の基地局と第2の基地局の両方と通信していることはよく起こることである。1つ以上の基地局と通信している移動局は「ソフトハンドオフ」にあるといわれる。ある場合には、移動局はどの時点においても2つの基地局とソフトハンドオフの状態にあるであろう。
【0003】
ソフトハンドオフは落とされた通話を低減するので望ましい。さらに、ソフトハンドオフは移動装置が1つ以上の源から同一情報を受信し、各基地局により移動局に送信中の情報を復号するのを援助するためにこの受信した情報(またはエネルギー)のすべてを使用可能にする。1つ以上の基地局から送信された情報を使用することはいずれかの基地局から必要とされる電力レベルが低減することを意味する。
【0004】
無線通信システムの一形態はコード分割多元接続(CDMA)として知られる。CDMAシステムは他のシステムよりもより大きな収容力を提供する。すなわち、同時に通信可能な情報のチャネル数が時分割多重アクセス(TDMA)や周波数分割多重アクセス(FDMA)のような他のシステムよりもCDMAシステムにおいてより大きい。
【0005】
音声とデータが通信されるCDMAシステムにおいて、基地局は、同時に同一周波数でその基地局のカバーエリアにある多くの移動局に送信する。さらに、そのような各基地局はそのネットワーク内の他の各基地局と同じ周波数で送信する。特定の移動局に送信される信号は、他の移動局に送信される信号と、異なるコードを用いて送信されるという事実によってのみ区別可能である。それにひきかえ、TDMAシステムにおいては、第1の移動局への送信は第1の時間期間に送られ、第2の移動局への送信は重複しない第2の時間期間に送られる。CDMA受信器は単一周波数にチューニングされるとともに一度に1つ以上のチャネルを受信することができるので、CDMAはTDMAあるいはFDMAよりもより便宜的にソフトハンドオフを実行することができる。
【0006】
CDMAシステムはソフトハンドオフに理想的に適しているという利点を有するが、第1のコードを用いて第1の移動局に送信される信号は、第2コードを用いて第2移動局に送信される信号を受信しようとする第2移動局にはノイズのように見える。この干渉は、ある基地局から送信された信号に割当てられたコードをその基地局により送信中の他の全ての信号に割当てられた信号と直交化することにより最小にすることが望ましい。しかしながら、第1の基地局により送信される信号に使用されるコードは第2の基地局により送信される信号に使用されるコードと直交化できない。それゆえ、基地局は移動局に信号を送信するのに使用される電力量を注意深く調節する。電力は信号を到達させるのに十分な大きさでなければならないが、必要以上に大きくないほうが望ましい。これは、付加的電力は他の移動局にとってさらなる干渉のように見え、サービスできる移動局の数を低減するからである。
【0007】
一般的なCDMA通信システムは音声とデータの両方を取り扱うので、ある性能要件を満たさなければならない。そのような1つの条件は、情報が通信システムの一端から送信される時間と、情報が通信システムの他端において受信されるまでの間の遅延は比較的短くなければならない。すなわち、二人の人が話しをしているとき、ラインの一端で言葉が話される時間とラインの他端で言葉が聞かれる時間との間の遅れは話し手と聞き手の双方にとってじれったいであろう。
【0008】
それにひきかえ、多くのデータ通信システムは情報が送信される時間と情報が受信される時間との間の比較的長い遅延を許容することができる。データのみを取り扱うように設計されたシステムにおいて比較的長い遅延が許容できるという事実をうまく利用したCDMAシステムが最近提案された。そのようなシステムはここでは高データレート(HDR)システムと呼ばれる。HDRシステムにおいて、基地局は、どの時点においても1つの移動局とだけ通信しようと専念する。CDMAの収容力の利点は、HDRシステムで実現される。しかしながら、以下の理由によりソフトハンドオフを行うことは困難または望ましくないかも知れない。第1にHDRシステムにおいて、基地局からの送信は、いかなる特定の時間においても1つの移動局にすべて向けられている。それゆえ、HDR基地局から送信されるコードチャネルの数は必須的に同じであるが、すべてのコードチャネルはどの時点においても1つの移動局により受信されるように意図されている。この結果、2つの基地局間のソフトハンドオフを可能にするように2つの基地局間の送信時間を調整することは複雑である。第2に、ソフトハンドオフを実行するために、1つ以上の基地局間に同一データを配布する必要がある。これは、特に高データレートアプリケーションにおいては基地局間で転送されるデータ量を非常に増大させるであろう。第3に、HDRシステムにあり得るように、チャネル条件がスタティックであると仮定するならば、ソフトハンドオフを使用するかわりに移動装置が常にベストでサービスしている基地局に接続することができる場合システム収容力は増大する。HDR基地局は、一般的に最大のデータレートを可能にするように最大電力を送信するので、これは真実である。すなわち、データを送信可能な割合は受信した電力量に直接比例する。それゆえ、データレートを最大にするように、最大電力が送信される。しかしながら、これは、第2の基地局からの信号を受信することを試みようとしている移動局により受信された信号に第1の基地局が寄与する干渉量を増大させる。
【0009】
従って、1以上の他の基地局から信号を受信することを試みようとしている移動局に第1の基地局が寄与する干渉量を低減するための方法および装置の必要性がある。
【0010】
さらに、干渉のノイズのように無指向性ならば推定誤りの存在により最適信号結合アルゴリズムは受信器の性能を低下させるかも知れない。従って、干渉特性に依存する信号結合方法のための選択機構の必要性もある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここに開示された方法および装置は、同一通信システム内の他の基地局の送信によって第1の基地局に課された干渉量を低減する。ここに開示した方法および装置は、一度に、複数のコードチャネルが移動局のような1つの受信局に送信中である高データレート(HDR)通信システムのようないくつかの通信システムにおいて、ソフトハンドオフが容易に実現されないあるいは望ましくないという事実を考慮する。すなわち、一般的なHDRシステムでは、各基地局は一度に1つの受信局のみに送信している。2つの基地局間のソフトハンドオフを可能にするように2つの基地局間の送信およびデータ転送の時間を調節することは複雑である。さらに、HDRシステムの収容力は一般的なチャネル条件下でソフトハンドオフを使用しないことにより増大させることができる。それゆえ、ここに開示された方法および装置は、ソフトハンドオフを実行する伝統的なアプローチから逸脱し、第1の基地局からの送信と1つ以上の他の基地局からの送信との間の干渉を低減するための2つ以上のアンテナを使う技術に依存する。
【0012】
ここに開示された方法および装置に従って、2つのアンテナを用いて受信局内の送信を受信する。レーキ受信器は各アンテナに接続される。レーキ受信器は複数の指を持ち、各指は、異なる伝播遅延(すなわち、信号が送信される時間と信号が受信される時間との間で遭遇する遅延)で到達する信号を識別し独立に復号する能力を有する。レーキ受信器の各独立した指により受信された信号を最適に結合することにより、第1のアンテナに相関する指と第2のアンテナに相関する指との間に相互に関連がある干渉を所望の信号に対して最小化することができる。最適な結合は、以下のごとく最適な結合係数の決定を必要とする。
【0013】
レーキ受信器の指により受信される各信号の最適結合係数は、第1のアンテナに相関する第1の指からの出力を、第2のアンテナに相関する第2の指からの出力と対にすることにより決定される。第1の指は、必須的に第2の指と同じ伝播遅延を有する所望の信号を受信する。すなわち、第1の指により復号される信号の経路と第2の指により復号される信号の経路はただ第1の指が第1のアンテナに相関し、第2の指が第2のアンテナに相関するために異なる。自己相関関数が評価される。ここに開示する方法および装置の1つにおいて、自己相関マトリクスは受信した信号の自己相関の評価である。あるいは、自己相関マトリクスは受信したノイズプラス干渉の自己相関の評価である。
【0014】
受信された信号と送信された記号との間の相互相関はフェ−ジング係数ベクトルの要素を評価することにより評価される。フェ−ジング係数ベクトルの各要素はレーキ受信器により受信された信号により横切られた信号経路の1つに相関するフェ−ジング係数である。フェ−ジング係数ベクトルは望ましくは各指で受信されたパイロットバーストに基づいて評価される。
【0015】
ノイズプラス干渉の自己相関マトリクスはレーキ受信器の指により受信された各信号の受信されたノイズ成分から評価される。特定の指の受信ノイズ成分は、パイロットバーストのその指により受信された合計信号から、その指により受信された信号に相関するフェージング係数を減算することにより計算される。ここに開示された方法および装置の他の形態において、ノイズと干渉は、信号y(m)を時間的に1チップ遅い信号y(m+1)を減算することにより(すなわち隣接するサンプルを減算することにより)評価される。ここに開示した方法および装置のさらに他の形態において、ノイズプラス干渉Rnnの自己相関マトリクスはフェージング係数ベクトルの転置共役により乗算されたフェージング係数ベクトルを、受信した信号y(m)の自己相関マトリクスRyyから減算することにより評価される。
【0016】
各指対により受信された信号のフェージング係数ベクトルと自己相関マトリクスが計算されると、これらの値は最適結合係数を計算するのに使用される。あるいは各指対に対するノイズプラス干渉のフェージング係数ベクトルと自己相関マトリクスが計算されると、最適結合係数を計算するのに使用される。
【0017】
最適結合係数を用いてレーキ受信器の各指により受信された信号を結合する際、最適結合器からの出力の信号対干渉プラスノイズを計算することが望ましい。この比は、最適結合係数とフェージング係数ベクトルの転置共役を用いて計算される。この結果は、復号を改善するために所望の信号源以外の源からの干渉が所望の信号に対して抑制されるシステムである。結果として生じる信号対ノイズプラス干渉は、そのように装備された受信局がチャネルがサポートできるデータレートを決定できるように計算される。
【0018】
他の観点において、本発明は干渉特性に依存する信号結合方法のための選択機構に向けられている。従って、この発明の一観点において、複数の受信した信号のための最適結合係数を計算する方法は、前記複数の信号に相関する受信したノイズおよび干渉に基づいて前記複数の信号のための自己相関マトリクスを評価するステップと、自己相関マトリクスの対角からはずれた要素の大きさを自己相関マトリクスの対角要素の大きさと比較するステップと、前記対角からはずれた要素の大きさが対角要素の大きさより著しく小さい場合には、対角からはずれた要素をゼロに等しく設定するステップと、および前記自己相関マトリクスに基づいて複数の最適結合係数を計算するステップとから有利に構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1はここに開示した方法および装置に従う無線ネットワーク100の概略図である。ここに開示する方法および装置の1つにおいて、無線ネットワーク100は、コード分割多元接続(CDMA)高データレート(HDR)システムである。第1の基地局102はアンテナ104を有する。第1の基地局102は、2つのアンテナ112、114を有する移動局のような受信局110により受信されるように意図された信号を送信する。第1の基地局102により送信される信号は、第1の基地局102から受信局110の2つのアンテナ112、114への2つの区別可能な経路を横切るように示される。従って4つの所望の信号(y11、y12、y21、y22)が基地局102から受信局110に受信される。各所望の信号は横切る経路が異なるので異なる量遅延される(すなわち異なる伝播遅延を有する)。所望の信号に相関する第1の下付き文字はその信号を受信したアンテナを示す。所望の信号に相関する第2の下付き文字はその信号により遭遇された伝播遅延を示す。
【0020】
11、y21は正確に同じ経路を横切らない(すなわち、最初の下付き文字により示される異なるアンテナにより受信される)がそれらの遅延は、y12およびy22の遅延に対して対比すると必須的に等しいことに注意しなければならない。すなわち、信号y12およびy22により横切られた経路は信号y11により横切られた経路より長いので、信号y11およびy21間の伝播遅延の差分は、信号y11とy12またはy22のいずれかとの間の伝播遅延の差分よりもはるかに小さい。同様にして、信号y21とy11により横切られる経路は信号y12により横切られる経路よりもはるかに短いので、信号y12およびy22間の伝播遅延の差分は、信号y12とy21またはy11のいずれかとの間の伝播遅延の差分よりはるかに小さい。
【0021】
第2の信号源も受信局110により受信されている信号を送信する。簡略化のために、明細書全体を通して、第2信号源はアンテナ106を有する第2基地局108として記載される。しかしながら、当業者には、第2信号源は同じあるいは他の基地局に相関する第2アンテナ、あるいは同じ基地局から送信している同じアンテナの異なる部分であり得ることが理解される。しかしながら、第2基地局により送信されている信号は受信局110により受信されるように意図されていない。基地局102および108は各々同じ周波数バンドでブロードバンド信号を送信する。それゆえ、第2基地局108から受信局110により受信されている信号は第1基地局102から送信された信号の受信局110による受信と干渉する。
【0022】
理解を容易にするために、2つの基地局102、108のみが示される。しかしながら、当業者には、2以上の基地局が送信可能であることは明らかである。さらに、受信局110は2つのアンテナ112、114のみを持つように示されている。しかしながら、ここに開示した方法および装置の1つにおいてさらならアンテナを受信局110に設けるようにしてもよい。
【0023】
ここに開示した方法および装置において、受信局110は2つのアンテナ112、114により受信された信号を用いて前記所望の信号のアンテナと異なるアンテナまたはアンテナの部分から送信される信号源からの干渉を抑圧する補助をする。
【0024】
図2および図3は一緒になってここに開示された方法および装置の受信局110の簡略化されたブロック図である。上述したように、入力信号は、受信局110の2つのアンテナ112、114の各々において受信される。受信局110は望ましくは2つの受信モジュール201a、201bを含む。各受信モジュール201は、無線周波数/中間周波数(RF/IF)変換器200、202、アナログデジタル(A/D)変換器204、206、レーキ受信器208、210、パイロット/データデマルチプレクサ(demux)212、214、および複数のウオルシュデカバーモジュール(Walsh decover module)216a、216b、216c、216d、216e、216fを含む。
【0025】
2つのRF/IF変換器200、202の各々は2つのアンテナ112、114の相関する1つに接続される。従って、2つのアンテナ112、114の各々で受信される信号は対応する無線RF/IF変換器200、202に接続される。
【0026】
各RF/IF変換器200、202は2つのA/D変換器204、206の対応する1つに接続される。A/D変換器204、206はRF/IF変換器200、202からの出力をデジタルフォーマットに変換する。あるいは、単一のA/D変換器を用いて両方のアンテナからの受信されたアナログ信号をデジタルフォーマットに変換するようにしてもよい。各A/D変換器204、206は2つのレーキ受信器208、210の対応する1つに接続される。
【0027】
各レーキ受信器208、210は、所望の源基地局から発生され、受信局110に到達するために異なる伝播遅延に遭遇する信号の各々を区別可能である。CDMAに使用されるレーキ受信器はCDMA信号を受信し区別する技術においてよく知られている。信号y11、y12、y21、y22は異なる遅延に遭遇するので、一般的なレーキ受信器はこれらの信号を区別することができる。区別可能な遅延を有する所望の源(すなわち基地局102)からの各信号y11、y12、y21、y22はレーキ受信器208、210の固有の「指」213a、213b、213c、213d、213e、213fに割当てられている。そのような各指213はPN発生器211により発生される遅延された擬似ランダムノイズ(PN)コードを用いてデスプレッド(despread)される信号を出力する。発生器211から出力されるPNコードは複数の遅延モジュール209a、209b、209c、209d、209e、209fの1つにより遅延される。各遅延モジュール209により課せられる遅延量は、基地局102から受信局110への送信中に遭遇する伝播遅延に加えて、各遅延モジュール209から出力されたPNコードが、所望の源基地局102から受信した信号が初めはスプレッド(spread)されたPNコードに同期するように設定される。
【0028】
各基地局102、108により送信される信号は同じPNコードを用いてスプレッド(すなわち符号化)するようにしてもよいことに注意しなければならない。しかしながら、各基地局102、108からの信号を符号化するのに使用されるPNシーケンスの開始に対して実質的に異なる遅延が課せられる。遅延の差分は、異なる経路を介して基地局102から受信局110に到達したであろう2つの信号間の遅延より実質的に大きい。それゆえ、同じPNコードだが実質的に異なる遅延を有したPNコードを用いて異なる基地局から送信された信号をスプレッドすることにより、第1の基地局からの信号を第2基地局108からの信号と区別することができる。さらに、第1の基地局102から受信局110に送信された信号は、基地局108から受信局110に送信された信号と異なる伝播遅延を有する。従って、これらの信号は互いに識別可能である。遅延モジュール209は第2基地局108により送信された信号の受信を促進するようには設定されないことに注意しなければならない。
【0029】
ここに開示した方法および装置の1つにより受信される信号を発生する基地局において、パイロット信号はデータと時分割多重化される。そのような1つの基地局102において、パイロットと各データストリームは異なるウオルシュ(Walsh)コードを用いてカバー(すなわち符号化)される。パイロットは定数を有するウオルシュコードでカバーして、パイロットチャネルをデカバー(decovering)することを容易にすることが望ましい。パイロットチャネルが送信されている時間期間(すなわちパイロットバースト期間)、データは送信されない。2つのそのようなパイロットバーストは各順方向リンクスロットにおいて生じる。順方向リンクスロットは基地局から受信局に送信される信号内の所定の時間期間である。データが送信されている時間期間(すなわちデータフィールド期間)では、パイロットチャネルは送信されない。データは符号多重化される。すなわち、データは別個のデータストリームに分割される。各データストリームは異なるウオルシュコードによりカバーされる。次に、すべてのデータストリームが同時に送信される。例えば、データの第1部分は第1のウオルシュコードでカバーされ、データの第2の部分は第2のウオルシュコードでカバーされ、データの第3の部分は第3のウオルシュコードでカバーされる。次に、第1、第2、第3の部分はすべてデータフィールドの期間、同時に基地局により送信される。
【0030】
データとパイロットは時分割多重化フォーマットで送信されるので、ここに開示する方法および装置の1つにおいて、受信局110はアンテナ112、114の各々に相関する1つのパイロット/データデマックス(demux)212、214を含む。しかしながら単一のデマックスを設けてアンテナ112、114の両方により受信された信号デマルチプレクスするようにしてもよい。第1デマックス212からの出力は複数のパイロットストリームyp11(m)、yp12(m)、・・・yp1N(m)および複数のデータストリームyd11(m)、yd12(m)、・・・yd1N(m)である。但しyp11(m)は伝播遅延1を有しアンテナ1で受信されたパイロットチャネルを介して時間「mT」において各々採取された一連のデータサンプルを示す。yd11(m)は遅延1を有し、アンテナ1で受信されたデータチャネルを介して時間「mT」において各々採取された一連のデータサンプルを示し、「m」は整数であり、「T」は1データチップの期間に等しい時間である。
【0031】
同じ数値の下付き文字を有する各パイロットおよびデータストリームはレーキ受信器208、210の同じ指213に相関される。各データストリームはウオルシュデカバーモジュール216a、216b、216c、216d、216e、216fに接続される。各ウオルシュデカバーモジュール216は基地局102からの送信前にデータフィールドに符号多重化されたコードチャネルを分離する。当業者に良く知られているように、ウオルシュデカバーモジュール216a、216b、216c、216d、216e、216fからの出力はデカバーされた分離データストリームである。次に、これらのパイロット信号およびデータ信号は最適結合プロセッサ218に接続される。
【0032】
図3に示す最適結合プロセッサ218は3つの最適結合器220a、220b、220cおよび結合係数プロセッサ224を含む。各最適結合器220は対応する1つのコードチャネル(すなわち、そのコードチャネルを介して送信されたデータをカバーするために使用されるウオルシュコード)に相関している。即ち、各ウオルシュデカバーモジュール216が(各々が異なるデータチャネルに相関し異なるウオルシュコードによりデカバーされた)3つのデータストリームを出力するならば、使用される3つの最適結合器があるであろう。しかしながら、他の方法および装置において、コードチャネルおよび最適結合器220の数は図3に示す3つとは異ならせても良いことに注意しなければならない。さらに、単一モジュールは1つ以上の最適結合器の機能を実行できることに注意しなければならない。各最適結合器220はすべてのウオルシュデカバーモジュール216と接続され、各最適結合器220に、両方のアンテナを介して受信された複数の経路を介した1つのコードチャネルに送信されたデータを供給する。各最適結合器220からの出力は、基地局102により送信された信号を変調するデータを表すデータシンボルのストリームである。最適結合器プロセッサ218による処理により、シンボルを復号するときに遭遇する干渉は、最適結合器220に対する入力の伝統的な結合により生じるであろう干渉より小さい。すなわち、出力シンボルを用いて変調された信号のSINRは最適結合器220に入力されたいかなるデータストリームのSINRよりも大きい。さらに、出力シンボルのSINRは,最適結合器220への入力の伝統的な結合により得られるであろうSINRより大きい。
【0033】
図4はここに開示した方法および装置の1つにおける1つの最適結合器220aの簡略化されたブロック図である。各最適結合器は必須的に同一なので、そのような1つの最適結合器220aのみについて説明する。最適結合器220aは複数の2入力乗算モジュール302を含む。乗算モジュール302は第1入力の信号を第2入力の信号と乗算し、乗算モジュール302の出力にその積を供給する。乗算モジュール302は(汎用プロセッサあるいはDSPのような)プログラマブルデバイスにより実行される関数として実現可能であり、あるいは専用のハードウエアまたはプログラマブルロジック、あるいは(特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)内の回路網または処理機能のような)実行されるべき乗算機能を可能にする他のいかなる態様により実現することができることに注意しなければならない。
【0034】
最適結合器220内の乗算モジュール302の数は受信局110のウオルシュデカバーモジュール216の合計数に等しいことが望ましい。各乗算モジュール302の第1入力はウオルシュデカバーモジュール216の固有の対応する1つに接続されている。従って、最適結合器220aに相関する1つのコードチャネル上で受信された各データストリームはそのウオルシュデカバーモジュール216aに相関する特定の2入力乗算モジュール302aの第1入力に接続される。図2および図3に示す方法および装置において、6つのデカバーモジュール216a、216b、216c、216d、216e、216fがある。従って、6つの乗算モジュール302a、302b、302c、302d、302e、302fが図4の最適結合器220aに示される。各乗算モジュールの第2入力は信号線223により結合器係数プロセッサ224に接続される。結合器係数プロセッサ224は最適結合係数(Wij(m))を計算する。下付き文字「i」は指213に相関する特定のアンテナを表し、下付き文字「j」は所望の源から送信された信号により遭遇する特定の遅延を表す。上述したように、信号は異なるアンテナにより受信されるという事実により2つのアンテナ112、114により受信された(図1に示すy11およびy21のような)信号により横切られる経路は同一ではないけれども、これらの信号は必須的に等しい伝播遅延に遭遇したことを示すために同じ第2の下付き文字が使用される。同様に、最適結合係数の第2の下付き文字はその最適結合係数と乗算される信号によりどの伝播遅延が遭遇されたかを示す。
【0035】
乗算モジュール302により実行される乗算は各受信された信号が重み付けされローテート可能にする(すなわち、受信された信号の位相と振幅を調節することができる)。位相をローテートすることにより、加算モジュール304から出力された結合された信号の信号対干渉プラスノイズ比(SINR)が最適化される。すなわち、SINRは可能な最高のものである。従って、望ましくない信号により生じた干渉は低減される。すなわち、受信局110と通信することを試みている基地局102から受信された電力は、受信局110と通信することを試みていない基地局108から受信された電力に対して最大化し得る。
【0036】
(図3に示す)結合器係数プロセッサ224は信号線223により各乗算モジュールの第2入力に接続される。図3において、線の数を低減するために結合器係数プロセッサ224から各最適結合器220に単一信号線223が示されている。しかしながら、この線223は、各最適結合器220において、各乗算モジュールに複数の値のwij*(m)(図3および図4に示される場合6)が供給される接続を表す。これらの値は、加算モジュール304内で結合する前に乗算モジュール302が最適に受信された信号を調節することを可能にする。加算モジュール304は受信されたローテートされた信号の各々を結合するために積を加算する。従って、最適結合器220aはドット積演算を実行する。加算モジュールの出力(すなわち最適結合器220aからの出力)は、エラー訂正デコーダ226のような一般的な復号または検出モジュールまたは一般的な復号機能および検出機能を実行するプロセッサへの入力サンプルとして供給される。加算モジュール304からの出力は以下のように表すことができる。
【0037】
【数1】
Figure 2004508736
但し、Hは転置共役を示す。y(m)=[y11(m)、y12(m)、・・・yij(m)、・・・]はウオルシュデカバーの後の時間mTにおいて各アンテナ112、114に相関するレーキ指213におけるサンプルされた受信信号を含むベクトルである。yijはウオルシュデカバーの後時間mTにi番目のアンテナに接続されるj番目のレーキ指213において受信された信号である。w(m)=[w11(m)、w12(m)、・・・wij(m)・・・]は時間mTにおいて最適結合係数を含むベクトルである。
【0038】
第1のアンテナに相関するj番目のレーキ指は第2のアンテナに相関するj番目のレーキ指と同じ遅延を有するであろうことに注意しなければならない。例えば、第1アンテナ112から信号を受け取る2番目のレーキ指213bに相関する遅延モジュール209bにより課せられた遅延は第2アンテナ114からの信号を受信する2番目のレーキ指213eに相関する遅延モジュール231eにより課せられた遅延と同じであろう。従って、個々に開示した方法及び装置において、第1アンテナ112に相関する各遅延モジュール209は第2のアンテナ114に相関するカウンタパート(counter−part)遅延モジュール209を持つことが望ましい。そのような一対のカウンターパート遅延モジュールの各モジュール209は同じ遅延を有することが望ましい。
【0039】
ウオルシュデカバーの後i番目のアンテナのj番目のレーキ指213において受信された信号は以下の如く表すことができる。
【0040】
ij(m)=cij(m)・x(m)+nij(m)
・・・(2)
但し、x(m)は時間mTにおいて送信されたシンボルである。cij(m)は時間mTにおけるフェージング係数である。nij(m)は時間mTにおいて、i番目のアンテナに接続されたj番目のレーキ指213におけるサーマルノイズプラス干渉を表す複素数である。フェージング係数cij(m)は伝播損失の効果、陰影妨害、および高速フェージングを含む時間「mT」における瞬時チャネル利得を表す複素数である。バイナリ位相シフトキーイングにおいて、シンボルx(m)は+1または−1のいずれかの値である。しかしながら、直交位相シフトキーイング、直交振幅変調あるいは他のそのような変調技術において、シンボルx(m)は変調配置に属する。
【0041】
最適結合係数の発生
以下は、最適結合係数を決定するのに使用される1つの開示された方法および装置の詳細な記述である。図5はここに開示した方法および装置の1つの結合係数プロセッサ224の機能ブロック図である。最適結合器220の各々は同じ動作をすることに注意しなければならない。それゆえ、簡単のために、そのような1つの結合器220のみの動作について記載する。
【0042】
図5に示すモジュール内で実行される各機能は(汎用プロセッサあるいはDSPのような)プログラマブルデバイスにより、あるいは専用のハードウエアまたはプログラマブルロジック、あるいは(特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)内の回路網または処理機能のような)実行されるべき機能を可能にする他のいかなる態様により実現することができることに注意しなければならない。これらの機能は、単一モジュールまたは複数のモジュールにより実行可能である。さらに、そのような各モジュールは1つ以上の他のモジュールと物理的に集積してもよいし、1つ以上の他のモジュールと物理的に独立するようにしてもよい。
【0043】
結合器係数プロセッサ224は2つのパイロット/データデマルチプレクサ212、214に接続される。パイロット/データマルチプレクサ212はパイロット信号yp1(m)を結合器係数プロセッサ224に供給する。但しyp1(m)=[yp11(m)、yp12(m)・・・yp1n(m)]である。パイロット/データマルチプレクサ214はパイロット信号yp2(m)と結合器係数プロセッサ224に供給する。但しyp2(m)=[yp21(m)、yp22(m)・・・yp2n(m)]である。
【0044】
ここに開示する方法および装置の1つにおいて、最適結合係数の値は、送信されたシンボルx(m)を有した受信信号y(m)の自己相関マトリクスおよび相互相関ryx(m)の関数として計算される。ここに開示された方法および装置の1つにおいて、自己相関マトリクスは受信された信号の自己相関の評価である。従って、結合器係数プロセッサ224は以下の如くに最適結合係数を計算する。
【0045】
【数2】
Figure 2004508736
但しRyy(m)はウオルシュデカバーの後時間mTにおいて、各アンテナに接続された各レーキ指213においてサンプルされた受信信号を含むベクトルy(m)=[y11(m)、y12(m)、・・・yij(m)、・・・]の自己相関マトリクスである。(すなわちRyy(m)=E[y(m)・y(m)])そして、ryx(m)はベクトルy(m)と送信されたシンボルx(m)との間の相互相関である。(すなわち、ryx=E[y(m)・x(m)]、但しEは統計的数学において定義された期待値を示し、x(m)はx(m)の複素共役を示す。
【0046】
他の方法および装置において、最適結合係数の値は(図6に示すようにそして以下に示す如く)結合器係数プロセッサ224’により計算される。
【0047】
【数3】
Figure 2004508736
但しRnn(m)はサーマルノイズプラス干渉ベクトルn(m)=[n11(m)、n12(m)、・・・nij(m)・・・](すなわちRnn(m)=E[n(m)・n(m)]):そしてryx(m)は上に定義した通りである。パイロットシンボルが|x|=+1により表されるシステムにおいて、
yx=E[y(m)x(m)]=c=[c11(m)、C12(m)、・・・・、cij(m)]   (4a)
但しcij(m)は時間mTにおけるフェージング係数である。
【0048】
式(3)に記載された変数wと式(4)に記載されたw’はスカラー係数が異なるのみである。すなわち、
w’=(1+h)w     (5)
但し
【数4】
Figure 2004508736
相互相関ryxの評価
上述したように、相互相関ryxはフェージング係数のベクトルc=[C11、C12、・・・Cijに等しいので、受信した信号y(m)と送信されたシンボルx(m)との間の相互相関ryxの評価は、順方向リンクスロットにおけるパイロットバーストの期間フェージング係数ベクトルcから決定される。
【0049】
cの評価は、以下の如く順方向リンクのパイロットバーストを用いてフェージング係数評価モジュール401により実行される。フェージング係数モジュール401は2つのパイロット/データでマルチプレクサ212、214の各々から出力されたパイロット信号yp11(m)、yp12(m)、・・・yp1N(m)、yp21(m)、yp22(m)、・・・yp2N(m)の各々を受信する。簡単化のために、図5はベクトルy(m)=yp11(m)、yp12(m)、・・・yp1N(m)、yp21(m)、yp22(m)、・・・yp2N(m)を示す。ここに開示する方法および装置の1つにおいて、パイロットバースト期間に送信されたシンボルは1の定数値に等しい(すなわちx=1)。それゆえ、フェージング係数ベクトルcij(m)の各エレメントは以下の如く推定できる。
【0050】
【数5】
Figure 2004508736
但しcはi番目のアンテナのレーキ指のj番目におけるパイロットバーストのためのフェージング係数cij(m)の推定値であり、ypij(m)はi番目のアンテナのj番目のレーキ指においてパイロットバーストにおける受信信号のm番目のサンプルであり、Mはパイロットバーストにおけるシンボルの数である。
【0051】
式(6)において決定されたフェージング係数推定値cはパイロットバーストにのみ相互相関のryxの推定値を与える。それゆえ、式(3)を用いてコヒーレント検波を実行し、最適結合係数を決定するために、データチップスにおけるフェージング係数cの推定値は第1の補間モジュール403において計算される。
【0052】
ここに開示される方法および装置の1つにおいて、データチップスにおけるフェージング係数cの推定は、連続するパイロットバーストにおいて、決定された2つのフェージング係数cの推定値間を補間することにより、リニア補間モジュール403により成される。あるいは、データチップスにおけるフェージング係数cの推定は平均化モジュール405において、連続するパイロットバーストにおける複数(例えば2又は3)のフェージング係数cを平均化することにより成される。次に、補間モジュール403により2つの連続する計算された平均値間で成される。
【0053】
図7は3つの連続するフェージング推定値が平均化され次に連続する平均値間で補間するデータフィールドの図である。図7は2つの順方向リンクスロット500、502を示す。各順方向リンクスロット500、502は2つのパイロットバースト504、506、508、510を有する。各パイロットバースト504、506、508、510のフェージング係数が推定される。第1の平均フェージング係数推定値c(k)は第1の3つの連続するパイロットバースト504、506、508のための3つの推定値を加算し、3で除算することにより計算される。次に第2の平均フェージング係数c(k+1)はパイロットバースト506、508,510の各々に対するフェージング係数を加算し、3で除算することにより3つのパイロットバースト506、508、510に対して計算される。リニア補間は第1および第2の平均フェージング係数間で行われる。パイロットバースト606からの距離であるデータの部分のためのフェージング係数を推定するために、以下の式が使用される:
c(m)=(1−a)・c(k)+a・c(k+1)、 0<a<1
・・・(7)
相互相関ベクトルryxは各アンテナの各レーキ指に対してこの手続きを反復することにより計算される。
【0054】
相互相関マトリクスRyyの推定
受信した信号の相互相関マトリクスは以下の如く表すことができる。
【0055】
【数6】
Figure 2004508736
但しMは推定を行うために使用されるサンプルの数であり、y(m)=「y11(m)、y12(m)、・・・y1N1(m)、y21(m)、y22(m)・・・y2N2(m)」Tは受信した信号を含むベクトルであり、yij(m)はウオルシュデカバーの後時間mTにおいてサンプルされた、i番目のアンテナおよびj番目のレーキ受信器指において、受信された信号である。Nはアンテナ1に相関するレーキ指の数であり、Nはアンテナ2に相関するレーキ指の数である。
【0056】
式(8)から、N=N(すなわち、2つのアンテナの各々に対して入力信号を受信するために同じ数の指が使用される)の場合、Ryyは2×2サブマトリクスから構成される2N×2Nマトリクスであることがわかる。従って、2×2サブマトリクスの数はNに等しい。
【0057】
当業者には、異なるレーキ指により受信された信号の伝播遅延における差分により、各アンテナの異なるレーキ指における干渉は相関されないことが認識されるであろう。従って、異なる遅延を有するレーキ指から生じた自己相関マトリクスRyyの要素はゼロであると仮定することができる。同じ遅延を持つ(すなわちj=jを持つ)レーキ指の信号の2×2自己相関マトリクスの推定のみ計算する必要がある。
【0058】
【数7】
Figure 2004508736
2つのアンテナを用いるここに開示された方法および装置において、(上に示すように)マトリクスRyyの対角線上に位置する、各2×2サブマトリクスR(s)は以下のようにあらわすことができる。
【0059】
【数8】
Figure 2004508736
但し、y1s(m)はS番目のレーキ指を介して第1のアンテナにより受信された時間mTにおける信号であり、y2s(m)はS番目のレーキ指を介して第2のアンテナにより受信された時間mTにおける信号である。マトリクスRにおいて、上に示す各ゼロは、非対角線2×2サブマトリクスの仮定された値を表す。
【0060】
1つのここに開示する方法および装置において、受信した信号の自己相関マトリクスは、データチップスにおけるRyyの値を推定するためにパイロットバーストを用いてRyy推定モジュール407により推定される。しかしながら、他の方法および装置において、Ryy推定モジュールはデータチップスを直接用いてあるいはパイロットバーストとデータチップスの両方を用いてデータチップス内のRyyの値を決定する。
【0061】
データチップス内のRyyを推定するためにパイロットバーストが使用される1つのここに開示する方法および装置において、Ryy補間モジュール411はパイロットバーストにおいて決定された値からRyyを補間する。他の方法および装置において、Ryy推定モジュール407はパイロットバーストにおいて決定された2つまたは3つのRyy値の平均を計算するRyy平均モジュールに接続される。Ryy平均モジュール409から出力された平均値はデータ内のRyyの値を決定するために平均を補間する補間モジュール411に接続される。平均および相関モジュール409、411により実行される平均および補間は、平均および補間モジュール405、403により行われる平均および補間と必須的に同じである。
【0062】
最適結合係数wの決定
最適結合係数wは、上述した式(3)を用いて結合係数評価モジュール415により決定される。RyyがRyy推定モジュール407により推定されデータチップス内のRyyを表すために補間されるとRyyの値はマトリクスRyyを反転する反転モジュールに結合される。次に式(3)が適用され最適結合係数が決定される。
【0063】
さらに他の方法および装置において、Ryyはパイロットバーストから決定される。式(3)はパイロットバースト内の最適結合係数を決定するために使用される。次に、リニア補間を用いてデータチップス内の最適結合係数を決定する。
【0064】
マトリクスRyyのすべての非対角線サブマトリクスR(s)のゼロ化により式(3)において必要な反転のための計算上の複雑さは非常に低い。すなわち、反転はマトリクスRyy全体を反転することなく行うことができる。むしろ、サブマトリクスR(s)が個別に反転可能である。
【0065】
上述したアルゴリズムは一般的であり、一般的なM×M自己相関マトリクスに適用可能であり、この場合、自己相関マトリクスの反転に対して、直接反転あるいは良く知られたリカーシブリーストスクエア(RLS)を使用することができる。
【0066】
自己相関マトリクスRnnの推定
図6は他の方法および装置の結合器係数プロセッサ224’の機能ブロック図である。図6に示すように、結合器係数プロセッサ224’は必須的に図5に示す結合器係数プロセッサ224と同じモジュールを含む。しかしながら、図6のプロセッサ224’は、図5のRyy推定モジュール407の代わりにノイズプラス干渉Rnn(m)の自己相関マトリクスの推定を計算するRnn推定モジュール407’を含む。ノイズプラス干渉Rnn(m)の自己相関マトリクスを推定するために、パイロットバースを使用することが望ましい。第1の式は以下の如く示される。
【0067】
【数9】
Figure 2004508736
但しn(m)は時間mTにおけるサンプルの受信器における推定されたノイズプラス干渉である。Mは推定を行うために使用されたサンプルの数(すなわちパイロットバーストのシンボル数)である。ベクトルn(m)の各成分は以下の如く受信したパイロットバーストyij(m)からチャネル利得cij(m)を減算することによりRnn(m)推定モジュール407’により決定される。
【0068】
ij(m)=ypij(m)−cij(m)   (10)
但し、ypij(m)はウオルシュデカバーの後i番目のアンテナのj番目のレーキ指におけるパイロットバーストの受信された信号のm番目のサンプルである。cij(m)は上記式(6)を用いてフェージング係数推定モジュール401’により推定される。ベクトルn(m)は各アンテナ112、114の各レーキ指のこの処理を反復することにより発生される。
【0069】
あるいは、Rnnは以下の式により推定することもできる。
【0070】
【数10】
Figure 2004508736
この場合ベクトルn(m)の各成分は以下の式を用いてRnn(m)推定モジュール407’により決定される
ij(m)=ypij(m)−ypij(m+1)
(12)
但しMは推定を行うために使用されるサンプル数(すなわち1より小さいパイロットバーストにおけるシンボル数)である。
【0071】
式(12)によれば、第1のアンテナ112のレーキ指の1つのパイロット信号は、同じアンテナ112の同じレーキ指の次のパイロットシンボルから減算される。Mは推定を行うために使用されるサンプル数(すなわちパイロットバーストのシンボル数−1)である。
【0072】
nnを計算する他の方法に注意する必要がある。
【0073】
nn=Ryy−cc       (13)
但しccはフェージング係数ベクトルの転置共役を有したフェージング係数ベクトルの積である。
【0074】
1つのここに開示する方法および装置において、第2補間モジュール411はデータチップス内のRnnの値を決定するためにパイロット内のRnnの値を補間する。あるいは、平均モジュール409はパイロットから決定された複数のRnn値(すなわちRnnの2または3パイロット値)を平均化する。次に平均値は図7を参照して図示および記載した、データチップス内のRnnの値を決定するために平均値を補間する第2補間モジュール411に接続される。推定モジュール407、407’によりなされる処理および係数評価モジュール415、415’によりなされる処理を除いて、結合器係数プロセッサ224、224’の機能は必須的に同一である。
【0075】
図6に示したここに開示する方法および装置において、データチップスにおいて、Rnnの値が決定されると、マトリクスRnnは反転モジュール413に接続される。反転モジュール413から出力された反転Rnnは次に、結合係数評価モジュール415’により印加され、最適結合係数w’を決定する。
【0076】
評価後補間
図8は他の方法および装置の結合器係数プロセッサ600の機能ブロック図である。図8に示すように結合器係数プロセッサ600は図5に示す結合器係数プロセッサ224と同じモジュールを必須的に含む。しかしながら、図8のプロセッサ600において、補間は最適結合係数の評価の後に行われる。従って、フェージング係数推定モジュール401は評価モジュール415に直接接続される。同様に、Ryy推定モジュール407はマトリクス反転モジュール413に直接接続される。次に、評価モジュール415は各順方向リンクスロットのデータ部分の期間wの値を決定するように評価モジュール415から出力されたwの値間をリニア補間する補間モジュール411に接続される。
【0077】
同様に、図9はさらに他の方法および装置における結合器係数プロセッサ600’の機能ブロック図である。図9に示すように、結合器係数プロセッサ600’は図6に示す結合器係数プロセッサ224’と同じモジュールを必須的に含む。しかしながら、図9のプロセッサ600’において、補間は、最適結合係数の評価の後に行われる。従って、フェージング係数評価モジュール401は直接評価モジュール415に接続される。同様に、Ryy推定モジュール407’はマトリクス反転モジュール413に直接接続される。評価モジュール415は次に、各順方向スロットのデータ部分の期間w’の値を決定するように評価モジュール415から出力されたw’の値間のリニア補間を行う。
【0078】
信号対干渉プラスノイズ(SINR)比の推定
ここに開示した方法および装置の1つにおいて、結合器係数プロセッサ224からのcij(m)およびwij(m)の値は(図3に示す)SINR評価モジュール228に接続される。ここに開示した方法および装置の1つにおいて、SINRは以下の如く計算される。
【0079】
SINR=wc/(1−Wc)   (14)
wは式(3)から決定され、そしてcは式(6)から決定された。
【0080】
w’を決定するために結合器係数プロセッサ224’が使用される他の方法および装置において、SINRは以下の如く計算される。
【0081】
SINR=w’c            (15)
但しcは式(6)から決定された。
【0082】
ここに開示する方法および装置の1つにおいて、SINRはデータが基地局102から受信曲101に送信できるレートを決定するのに使用される。図2および図3に示すように、結合器係数プロセッサ224、224’は信号線230、231によりSINR評価モジュール228に接続される。信号線230はSINR評価モジュール228に、結合器係数プロセッサ224、224’により計算されるwまたはw’のいずれかの値を供給する。信号線231はSINR評価モジュール228にcij(m)のための値を供給する。SINR評価モジュール228は式(14)または(15)のいずれかに従ってSINRを決定する。SINR評価モジュール228はDRCモジュール232に接続される。DRCモジュール232は、信号のSINRが基地局102から受信されるのを考慮してデータが基地局102から受信できるレートを決定する。次に、このレートは基地局に通信される。
【0083】
FLLRの計算
ほとんどの通信システムは、受信器において復号(すなわち反復のまたは「ターボ」復号、一般的なビタービ(Viterbi)復号等)を行なうために符号化されたビットのログ尤度比の評価を必要とする。
【0084】
ここに開示した方法および装置の1つの利点は、LLRの値はwまたはw’のいずれかにより表されるソフト決定値から容易に計算できることである。
【0085】
例えば、1/4位相シフトキーイング(QPSK)あるいは4クアドラチュア振幅変調(4QAM)が送信器において使用されると仮定する。さらにdおよびdはそれぞれ変調器の入力における符号化ビット0を変調値+1に変調し、変調器の入力における符号化ビット1を変調値−1にマッピングする変調されたシンボルyd,ijに相関する第1および第2の符号化ビットを表すものとする。この結果、LLRの値は式(16)および(17)または式(18)または(19)のいずれかのを用いて計算される。
【0086】
LLR(d|y(m))=4・Re(w(m)・y(m))      (16)
LLR(d|y(m))=4・IM(w(m)/y(m))      (17)
LLR(d|y(m))=4・(1+h)・Re(w(m)・y(m))  (18)
LLR(d|y(m))=4・(1+h)・Im(w(m)・y(m))  (19)
但しHは転置共役を表す。Re(・)とIm(・)はそれぞれ複素数の実部と虚部を表す。y(m)=[yd,11(m),yd,12(m),・・・yd,ij(m)・・・]はウオルシュデカバーの後時間mTにおいて各アンテナ112、114に相関する各レーキ指213におけるサンプリングされた受信データを含むベクトルである。yd,ijはウオルシュデカバーの後時間mTにおいてi番目のアンテナに接続されたj番目のレーキ指213において受信されたデータ信号である。w(m)=[w11(m),w12(m),・・・wij(m)]は式(3)を用いて評価された時間mTにおける最適結合係数を含むベクトルである。w(m)=[w11(m),w’12(m),・・・w’ij(m)]は式(4)を用いて評価された時間mTにおける最適結合係数を含むベクトルであり、(1+h)は式(5)により定義された。
【0087】
BPSKシグナリングに対して、虚部はゼロなので、式(16)または(18)のみが必要である。
【0088】
従って、ここに開示する方法および装置の1つにおいて、エラー訂正デコーダ226は式(16)および(17)または式(18)および(19)に示す計算を行なう。
【0089】
結合方法の選択
一実施形態によれば、最適結合アルゴリズム、マックスレシオ(max−ratio)結合アルゴリズム、あるいは最適結合アルゴリズムとマックスレシオ結合アルゴリズムの組合せのどのアルゴリズムを使用するかを決定するために選択機構が採用される。上述したマックスレシオ結合アルゴリズムは、最適結合アルゴリズムと結合係数の計算において異なる。マックスレシオ結合係数は受信した信号の自己相関マトリクスの非対角線上の要素をゼロに設定することにより便宜的に得られる。これは上述したように最適結合係数を計算するために使用される。選択機構は、ノイズのような全方向の干渉が存在する場合に、マックスレシオ結合アルゴリズムは最適になるという事実をうまく利用する。
【0090】
図10のフローチャートに示す方法ステップはこの選択機構を実現するのに使用することができる。これらのステップは、上述した結合器係数プロセッサ600に集積されるプロセッサにより便宜的に実行される。あるいは、これらのステップは、DSP、ASIC、ディスクリートなゲートまたはトランジスタロジック、一連のファームウエア命令を実行するプロセッサあるいは何らかの一般的なプログラマブルソフトウエアモジュールにより実行することもできる。プロセッサは便宜的にマイクロプロセッサで構成し得るが、他の形態として、プロセッサは、いかなる一般的なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラあるいはステートマシンで構成し得る。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、レジスタあるいは従来技術で知られているいかなる書き込み可能な記憶媒体に常駐させることができる。
【0091】
ステップ700において、上述したように最適結合を行う為にプロセッサにより受信した信号の自己相関マトリクスが形成される。次にプロセッサはステップ702に進む。ステップ702において、プロセッサは自己相関マトリクスの非対角線上の要素の大きさと自己相関マトリクスの対角線上の要素の大きさとを比較する。非対角線上の要素の大きさが対角線上の要素の大きさより極めて小さい場合には、プロセッサはステップ704に進む。一方、非対角線上の要素の大きさが対角線上の要素の大きさよりも極めて小さくなければ、プロセッサはステップ706に進む。ステップ704において、いくつかのあるいはすべての非対角線上の要素がゼロに設定され、マックスレシオ結合係数あるいは、マックスレシオ結合係数と最適結合係数の組合せが、修正された自己相関マトリクスを用いて、例えば上述した式(3)に従って計算される。ステップ706において、最適結合係数は修正されない自己相関マトリクスを用いて、例えば上述した式(3)に従って、計算される。
【0092】
ステップ702の比較は、自己相関マトリクスの各非対角線上の要素に対して実行される。非対角線上の要素cij(i番目の行のj番目の列の非対角線上の要素)が二乗され、相関する対角線上の要素ciiおよびcjj(それぞれ、i番目の行のi番目の列の対角線上の要素とj番目の行のj番目の列の対角線上の要素)の積と比較される。例えば、与えられた非対角線上の要素c23が二乗され対角線上の要素C22およびC33の積と比較される。
【0093】
特定の実施形態において、ステップ704において、自己相関マトリクスのすべての非対角線上の要素に対して、非対角線上の要素の二乗が相関する対角線上の要素の積よりも極めて小さい場合にのみ、非対角線上の要素の大きさがゼロに設定される。他の実施形態において、ステップ704において、与えられた非対角線上の要素の二乗が相関する対角線上の要素の積よりも極めて小さい場合にのみ、与えられた非対角線上の要素の大きさがゼロに設定される。
【0094】
特定の実施形態において、上述したように、複数の2×2サブマトリクスから構成される自己相関マトリクスが採用され、各2×2サブマトリクスの2つの非対角線上の要素の大きさが、同じサブマトリクスの2つの対角線上の要素の大きさより極めて小さいか否かのステップ702において成された判断は、2つの非対角線上の要素の各々の大きさを二乗し、2つの対角線上の要素の大きさの積を得ることにより実行される。2つの非対角線上の要素の各々の二乗された大きさが2つの対角線上の要素の大きさの積の比率αと比較される。2つの非対角線上の要素のいずれかの二乗された大きさが2つの対角線上の要素の大きさの積とαとが乗算された値より小さいならば、ステップ704において、2つの非対角線上の要素がゼロに設定され、マックスレシオ結合係数が修正された自己相関マトリクスを用いて計算される。そうでなければ、(すなわち、二乗された非対角線上の要素の大きさがいずれも、2つの対角線上の要素の大きさの積とαとが乗算された値よりも小さいならば)、ステップ706において、自己相関マトリクスを修正することなく、最適結合係数が計算される。一実施形態において、比率αは1より極めて小さい。他の実施形態において、比率αは1/50に等しい。
【0095】
産業上の利用
ここに開示した方法および装置は産業上利用可能であり、無線データ転送を行いたい場合にはいつでも、作成し使用することができる。それぞればらばらにして考えると、ここに示す装置および方法の個々のコンポーネントは全体として一般的であるかも知れないが、発明としてクレームされているものはそれらの組合せである。
【0096】
種々のモードの装置および方法について述べたが、この発明の真の精神と範囲はそれらに限定されず、発明としてクレームされたクレームおよびそれらの均等物によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ここに開示した方法および装置に従う無線ネットワークの概略図である。
【図2】
ここに開示した方法および装置の受信局の簡略化されたブロック図の一部を示す図である。
【図3】
ここに開示した方法および装置の受信局の簡略化されたブロック図の残りの部分を示す図である。
【図4】
ここに開示した方法および装置の1つの最適結合器の簡略化されたブロック図である。
【図5】
ここに開示した方法および装置の1つの結合器係数プロセッサの機能ブロック図である。
【図6】
他の方法および装置の結合器係数プロセッサ224’の機能ブロック図である。
【図7】
3つの連続するフェージング係数が平均化され連続する平均間に補間しているデータフィールドの図である。
【図8】
他の方法および装置の結合器係数プロセッサ600の機能ブロック図である。
【図9】
さらに他の方法および装置における結合器係数プロセッサ600’の機能ブロック図である。
【図10】
干渉特性に基づいて最適信号結合アルゴリズムを選択するためのアルゴリズムステップを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100・・・無線ネットワーク
102・・・第1の基地局
104、106・・・アンテナ
108・・・第2基地局
110・・・受信局
112、114・・・アンテナ
201a、201b・・・受信モジュール
200、202・・・無線周波数/中間周波数(RF/IF)変換器
204、206・・・アナログデジタル変換器
208、210・・・レーキ受信器
209a、209b、209c、209d、209e、209f・・・遅延モジュール
211・・・PN発生器
212、214・・・パイロット/データデマルチプレクサ
216a、216b、216c、216d、216e、216f・・・ウオルシュデカバーモジュール
213a、213b、213c、213d、213e、213f・・・指
218・・・最適結合器プロセッサ
220a、220b、220c・・・最適結合器
223・・・信号線
224・・・結合器係数プロセッサ
302・・・2入力乗算モジュール
401・・・フェージング係数推定モジュール
403・・・補間モジュール
405・・・平均モジュール
407・・・Ryy推定モジュール
409・・・Ryy平均モジュール
411・・・Ryy補間モジュール
413・・・反転モジュール
415・・・評価モジュール
415’・・・結合係数評価モジュール
500、502・・・順方向リンクスロット
504、506、508、510・・・パイロットバースト
600、600’・・・結合器係数プロセッサ

Claims (19)

  1. 下記の工程を具備する複数の受信された信号のための最適結合係数を計算する方法:
    前記複数の信号に相関する受信されたノイズおよび干渉に基づいて、前記複数の信号のための自己相関マトリクスを推定する;
    自己相関マトリクスの非対角線上の要素の大きさを前記自己相関マトリクスの対角線上の要素の大きさと比較する;
    前記非対角線上の要素の大きさが対角線上の要素の大きさよりも極めて小さいならば前記非対角線上の要素をゼロに等しく設定する;および
    前記自己相関マトリクスに基づいて複数の最適結合係数を計算する。
  2. 前記自己相関マトリクスは、各々が2つの対角線上の要素と2つの非対角線上の要素からなる複数の対角線上の2×2サブマトリクスから構成され、前記比較する工程は、各サブマトリクスの非対角線上の要素の各々の大きさを二乗し、積を得るために同じサブマトリクスの対角線上の要素の大きさを乗算する工程から構成され、前記設定する工程は、前記非対角線上の要素の各々を二乗した積が同じサブマトリクスの前記対角線上の要素の積の所定の分数より小さければ各サブマトリクスの2つの非対角線上の要素をゼロに等しく設定する工程から構成される、請求項1記載の方法。
  3. 前記所定の分数は1より極めて小さい、請求項2記載の方法。
  4. 前記所定の分数は1/50に等しい、請求項2記載の方法。
  5. 前記比較する工程は、各非対角線上の要素の各々の大きさを二乗し、積を得るために前記非対角線上の要素と同じ行または同じ列のいずれかに位置する2つの対角線上の要素の大きさを乗算する工程から構成され、前記設定する工程は、前記非対角線上の要素の各々の二乗された大きさが、前記非対角線上の要素と同じ行または同じ列のいずれかに位置する2つの対角線上の要素の積よりも極めて小さい場合には、前記非対角線上の要素の各々をゼロに等しく設定する工程から構成される、請求項1記載の方法。
  6. 前記比較する工程は、非対角線上の要素の各々の大きさを二乗し、各非対角線上の要素に対して、積を得るために非対角線上の要素と同じ行または同じ列に位置する2つの対角線上の要素の大きさを乗算する工程から構成され、前記設定する工程は、前記非対角線上の要素と同じ行または同じ列のいずれかに位置する2つの対角線上の要素の積より極めて小さい二乗の大きさを有する各非対角線上の要素をゼロに等しく設定する工程から構成される、請求項1記載の方法。
  7. 下記を具備する最適結合プロセッサ:
    a)下記を含む結合器係数プロセッサ:
    1)フェージング係数推定モジュール;
    2)前記フェージング係数推定モジュールに接続された第1補間モジュール;
    3)自己相関推定モジュール;
    4)前記自己相関推定モジュールに接続された第2補間モジュール;
    5)前記補間モジュールに接続された反転モジュール;および
    6)前記反転モジュールおよび前記第1補間モジュールに接続された結合係数評価モジュール;および
    b)各最適結合器が下記のものを含み、結合器係数プロセッサに接続された少なくとも1つの最適結合器:
    1)各々が出力を有する複数の2入力乗算モジュールであって、各乗算モジュールの第1入力はレーキ受信器の複数の指の1つからの信号を受信するように構成され、各乗算モジュールの第2入力は結合係数を受信するために結合係数評価モジュールに接続された複数の2入力乗算モジュール;および
    2)前記2入力乗算モジュールの数に等しい入力の数を有し、各入力は前記乗算モジュールの対応する1つの出力に接続された加算モジュール。
  8. 前記自己相関推定モジュールはRyy自己相関モジュールである、請求項7記載の最適結合係数プロセッサ。
  9. 前記自己相関推定モジュールはRnn自己相関モジュールである、請求項7記載の最適結合係数プロセッサ。
  10. 下記を含む最適結合プロセッサ:
    a)下記を含む結合器係数プロセッサ:
    1)フェージング係数推定モジュール;
    2)自己相関推定モジュール;
    3)前記自己相関推定モジュールに接続された反転モジュール;
    4)前記反転モジュールおよび前記第1補間モジュールに接続された結合器係数評価モジュール;
    5)前記評価モジュールに接続された補間モジュール;および
    b)各最適結合器が前記補間モジュールに接続され下記のものを含む少なくとも1つの最適結合器:
    1)各々が出力を有した複数の2入力乗算モジュールであって、各乗算モジュールの第1入力はレーキ受信器の複数の指の1つからの信号を受信するように構成され、各乗算モジュールの第2入力は結合係数を受信するために前記補間モジュールに接続された複数の2入力乗算モジュール;および
    2)前記2入力乗算モジュールの数に等しい入力の数を有し前記各入力は前記乗算モジュールの対応する1つに接続された加算モジュール。
  11. 前記自己相関推定モジュールはRyy自己相関モジュールである、請求項10記載の最適結合係数プロセッサ。
  12. 前記自己相関推定モジュールはRnn自己相関モジュールである、請求項10記載の最適結合係数プロセッサ。
  13. 下記のものを含む受信局:
    a)第1アンテナ;
    b)前記第1アンテナに接続された第1受信器モジュール;
    c)第2アンテナ;
    d)前記第2アンテナに接続された第2受信器モジュール;
    e)前記第1受信器モジュールおよび前記第2受信器モジュールに接続され、下記のものを含む最適結合プロセッサ:
    1) 下記のものを含む結合器係数プロセッサ:
    (1)フェージング係数推定モジュール;
    (2)前記フェージング係数推定モジュールに接続された第1補間モジュール;
    (3)自己相関推定モジュール;
    (4)前記自己相関推定モジュールに接続された第2補間モジュール;
    (5)前記補間モジュールに接続された反転モジュール;および
    (6)前記反転モジュールおよび前記第1補間モジュールに接続された結合器係数評価モジュール;および
    2)各最適結合器が結合器係数プロセッサに接続され、下記のものを含む少なくとも1つの最適結合器:
    (1)各々が出力を有する複数の2入力乗算モジュールであって、各乗算モジュールの第1入力は、レーキ受信器の複数の指の1つから信号を受信するように構成され、各乗算モジュールの第2入力は結合係数を受信するように前記結合係数評価モジュールに接続された複数の2入力乗算モジュール;および
    (2)2入力乗算モジュールの数に等しい入力の数を有し、各入力が乗算モジュールの対応する1つの出力に接続された加算モジュール。
  14. 前記自己相関推定モジュールはRyy自己相関モジュールである、請求項13記載の受信局。
  15. 前記自己相関推定モジュールはRnn自己相関モジュールである、請求項13記載の受信局。
  16. 下記を含む受信局:
    a)第1アンテナ;
    b)前記第1アンテナに接続された第1受信器モジュール;
    c)第2アンテナ;
    d)前記第2アンテナに接続された第2受信器モジュール;および
    e)前記第1受信器モジュールおよび前記第2受信器モジュールと接続され、下記のものを含む最適結合プロセッサ:
    1) 下記のものを含む結合器係数プロセッサ:
    (1)フェージング係数推定モジュール;
    (2)自己相関推定モジュール;
    (3)前記自己相関モジュールに接続された反転モジュール;および
    (4)前記反転モジュールおよび前記第1補間モジュールに接続された結合係数評価モジュール;および
    (5)前記評価モジュールに接続された補間モジュール;および
    2) 各最適結合器が前記補間モジュールに接続され下記のものを含む少なくとも1つの最適結合器:
    (1)各々が出力を有する複数の2入力乗算モジュールであって、各乗算モジュールの第1入力はレーキ受信器の複数の指の1つから信号を受信するように構成され、各乗算モジュールの第2入力は、結合係数を受信するために前記補間モジュールに接続された複数の2入力乗算モジュール;および
    (2)2入力乗算モジュールの数に等しい入力の数を有し、各入力は前記乗算モジュールの対応する1つの出力に接続された加算モジュール。
  17. 前記自己相関推定モジュールはRyy自己相関モジュールである、請求項16記載の受信局。
  18. 前記自己相関推定モジュールはRnn自己相関モジュールである、請求項16記載の受信局。
  19. 下記の工程を具備する、受信局において受信された信号を結合するための方法:
    a)2つのアンテナを介して源から所望の信号を受信する;
    b)前記受信された所望の信号と前記受信された所望の信号において符号化されたシンボルとの間の相互相関を推定する;
    c)自己相関マトリクスを推定する。
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