JP2004507972A - 直交周波数分割多重方式のためのパーシャルレスポンスシグナリング - Google Patents
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Abstract
Description
発明の背景
本発明は、通信システム、特に、通信システムにおける変調技術に関連する。
【0002】
一般的な通信システムにおいては、1つの場所つまり送信元から第2の場所つまり着信先まで情報を伝送する。情報は、チャネルを通して、送信元から着信先まで走行する。このチャネルは、一般的に雑音のあるチャネルである。かくして、チャネルは、様々な形態の雑音を生じさせる。本明細書において、「雑音」(noise)という語は、例えば干渉、フェーディング、減衰、環境的影響、および電子的雑音などといった、チャネルを通して信号が走行するときにその信号の特性を変化させる様々な形の信号のなまり(corruption)を定義するために用いる。従って、チャネルを通して送信され受信機で受信される信号は、伝送すべき信号と、チャネルを通して走行した結果としてチャネルから生じる雑音の効果とが組合さったものである。
【0003】
セルラー通信システムにおいて、雑音の1つのタイプは、「干渉」と呼ばれている。より具体的に言うと、通信システム内には、同一チャネル干渉(CCI:CO−channel interference)およびシンボル間干渉(ISI:inter−symbol interference)、という少なくとも2つの形態の干渉が存在する。CCIは、同一の受信ユニットと通信状態にある送信機が複数存在するといった事実にも起因して、通信システム内に発生する。ある送信機からの信号は、別の送信機からの信号と干渉する可能性がある。各送信機は、全方向送信機である。しかしながら、1台の送信機から送信される信号は、受信機まで伝送される途中で、複数の経路をとる可能性がある。これが、自己干渉の1つの形態であるISIを生じさせる。
【0004】
例えば、セルラー通信システムでは、同一の基地局と通信状態にある移動局が複数存在し、これが往々にしてCCIを生じさせる。
【0005】
上述の通り、通信システム内では、送信元から着信先までチャネルを通して情報が伝送される。その情報は、該情報を含むようにあるいは搬送するように変調された搬送波信号によって、搬送される。チャネルを通した情報の伝送のため、様々な形式の変調が使用される。変調というのは、確立された標準または方策に基づいて、搬送波の特性を変化させるプロセスである。送信元によって、チャネルを通して、着信先に伝送される「変調された」搬送波信号を生成するために、情報により搬送波が処理されあるいは「変調」される。例えば、セルラー通信システムにおいて変調とは、情報が伝送されているときに電気的な搬送波の特性を変化させるプロセスのことである。最も一般的な変調形式は、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)および位相変調(PM)である。
【0006】
当業界において現在使用されている変調技術の1つに、直交周波数分割多重方式(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)と呼ばれるものがある。このOFDMは、マルチ搬送波変調技術の1つである。マルチ搬送波変調は、異なる情報で多数の搬送波を変調するための技術であり、ここに全ての搬送波は同時にあるいは時間的に並列に伝送される。OFDMは、高いスペクトル効率を有すると共に多重経路(マルチパス)フェーディングに対して強い耐性を有する。上述の通り、送信機は全方向性であり、全ての方向に送信を行う。かくして、送信機あるいは送信元から生じる信号は、受信機あるいは着信先に到達するまでに多数の経路を走行することになる。従って、多重経路(マルチパス)フェーディングが搬送波信号の強度上に現れ、その結果、搬送される情報に変化が生じてしまうことになる。
【0007】
OFDMを利用するシステムの効率は、多数の副搬送波(サブキャリア)の同時的または並列的な伝送に基づく。これは、各副搬送波上でのビットレートは低下させるものの、全体のビットレートでは「N」倍の増加をもたらす。ここに、「N」は副搬送波の数である。さらに、低ビットレートの信号はほとんどISIの影響を受けることがなくしかも副搬送波は直交していることから、相互に独立に各副搬送波を復調することが可能である。従来のOFDMシステムは、逆高速フーリエ変換(IFFT:inverse fast Fourier transform)を使って同時に伝送される1セットのサブ−シンボルX[ k ]を含む。時間領域ベースバンド信号は、以下の式によって表すことができる。
【0008】
【数1】
【0009】
かくして、N−サンプル長の伝送OFDMシンボルベクトルは、以下のように表すことができる。
【0010】
【数2】
【0011】
ここでxNおよびXNは、それぞれ、時間領域および周波数領域の各シンボルベクトルである。
【0012】
一般的なOFDMシステムでは、バイナリシンボルまたはビットストリームは、複素数値の数の形で符号化される。複素数値の数は、M−aryアルファベットから引き出される。複素数値の数は、次に1セットの直交副搬送波を変調するために使用され、逆離散フーリエ変換(IDFT:inverse discrete Fourier transform)を用いて時間領域信号が生成される。その結果としての通常は複素数値であるベースバンド信号は、無線周波(RF)搬送波上で直交変調され、エアインタフェースチャネルを通して伝送される。この伝送された信号は、受信される前に、チャネル雑音と分散(dispersion)とによってなまってしまう。
【0013】
OFDM変調技術を利用するシステムには、これに付随するいくつかの問題が存在する。例えば、チャネルは、多重経路と経路損失とに起因してフェーディングの影響を受ける。さらに、チャネルは、受信機においてデータを検出すべきときにISIの問題を受ける。さらにまた、データ送受信装置のメーカーは、チャネル雑音に起因する信号損失を克服しつつ、有限の帯域幅内で伝送することのできる情報の量および速度を常に増大させようという挑戦をしている。
【0014】
従って、OFDMシステムにおいては、ビットレートを増大させると共に、フェーディングおよびISIの影響を最小限にするための構成および方法が必要ある。
発明の要約
増大されたビットレートを可能にしつつ、ISIとフェーディングの影響を最小限にするシステムおよび方法が提供される。該システムは、信号および循環プリフィックスを生成するための送信機であって、パーシャルレスポンス信号の複数のサブシンボルを抑圧して、該信号を生成すべく搬送波信号を変調するのに用いられる短縮信号を生成する送信機と、雑音のあるチャネルを通して前記送信機と通信する受信機であって、雑音のある信号を受信し、雑音のあるチャネルを通した伝送の結果としての雑音を除去することによって、前記雑音のある信号から前記信号を再生する受信機とを、含む。
【0015】
前記方法は、予め定められた値を有する循環畳み込み器を選択する段階と、パーシャルレスポンス信号を生成するために、信号に対して循環畳み込み器を適用する段階であって該パーシャルレスポンス信号の一部分はゼロに近い振幅を有する段階と、ゼロに近い振幅を有する前記パーシャルレスポンス信号の部分を該パーシャルレスポンス信号から脱落させて短縮パーシャルレスポンス信号を生成する段階と、前記短縮パーシャルレスポンス信号の先頭エッジに循環プリフィックスを付加する段階と、を含む。
【0016】
本発明の利点は、有意なスペクトル拡大なしに、帯域幅利得が達成されるという点にある。
発明の詳細な説明
ここで図1を参照すると、送信機14と、チャネル16と、受信機18とを有し、パーシャルレスポンス(PR:partial response)−直交周波数分割多重(OFDM)信号変調技術を利用する送信システム10が示されている。送信機14は、マッパ(mapper)22、循環畳み込み器(cyclic convolver)24、シリアル/パラレル(S/P)変換器ユニット26、逆高速フーリエ変換(IFFT)ユニット28、パラレル/シリアル(P/S)変換器ユニット30および、プリフィックス(prefix)ユニット32を含む。送信機14は、チャネル16を通して情報を受信機18に送信する。チャネル16は、雑音のあるチャネルである。受信機18は、シリアル/パラレル(S/P)変換器ユニット34、高速フーリエ変換(FFT)ユニット36、パラレル/シリアル(P/S)変換器ユニット38、最尤(ML:maximum likelihood)推定器(estimator)ユニット40および、デマッパ(demapper)ユニット42を含む。
【0017】
バイナリ信号の形態の情報は、送信機14で受信され、M−aryアルファベットから引き出される1セットの複素数の形にマッピングあるいは符号化するために、マッパ22に入力されて複素信号が生成される。この複素信号は次に、以下に詳細に論述するように、伝送用搬送波を変調または処理するために用いられる。送信機14は、チャネル16を通して受信機18に搬送波信号を送信する。時間ベース信号である搬送波信号が、チャネル16を通して走行するときに、チャネル16は、例えばh[n]といった、チャネル16のチャネルインパルスレスポンスに対応するx[n]といった搬送波信号に、雑音を生じさせる。循環畳み込みユニット24は、複素信号に対して、循環畳み込みを実行する。さらに、プリフィックスユニット32は、複素信号の先頭エッジまたは開始点に循環プリフィックス(CP:cyclic prefix)を付加し、この循環プリフィックス(CP)は、また、チャネル16の影響を補償するのを助け、そしてPR(partial response)−OFDM信号の各低ビットレートサブチャネルにおけるシンボル間干渉を抑圧するのを助ける。
【0018】
上記CPは、チャネル16が各OFDM時間−シンボルに対し畳み込みを実行するときに、受信機18においてチャネル16の影響を確実に除去できるようにする。パーシャルレスポンス(PR)技術において、本発明の思想に基づいて、副搬送波間(すなわちチャネル間)干渉(ICI)が生成されそして周波数領域ベースの信号内に導入されて、有効な時間−領域シンボルを短縮する。この生成されたICIは、上記で示したように、循環畳み込みユニット24によって複素信号に取り入れられる。循環畳み込みユニット24は、所望のあるいは生成されたICIに基づいて計画的(systematic)なあるいは既知の量の分散(dispersion)を導入し、パーシャルレスポンス信号を生成する。本システム10においては、周波数シンボルXNには、以下のように定義される既知のM次の多項式cNによる循環畳み込みがなされる。
【0019】
【数3】
【0020】
上記PR多項式は、M個の非ゼロ項を有する長さNのゼロ詰め込みされたベクトルとして、表現することができる。ここに、結果として得られる時間−領域シンボルベクトルを以下のとおりに表現することができる。
【0021】
【数4】
【0022】
すなわち、連続的なM個の副搬送波全体にわたり、各周波数−領域サブシンボル内の情報を分散させる、循環畳み込みユニット24によって実行される循環畳み込みを表す。従って、受信機18は、入力されたサブシンボルXNを解明するために、シーケンス−検出メカニズムを必要とし、これはML検出ユニット40によって実行される。さらに、cNによる循環畳み込みのもう一つの結果は、もとの時間ベクトル−シンボル XNが今以下の式によって与えられる振幅包絡線(amplitude envelope)を有する、ということになる。
【0023】
【数5】
【0024】
多項式のベクトルcNを適切に選択することによって、送信機14は、OFDM時間シンボル−ベクトルの一部において、エネルギーを有効に抑圧し、それによってPR−OFDMシンボルを生成することができる。例えば、p(r)におけるrのべき乗の係数から得られる1セットの多項式を考えてみる。ここに、p(r)は、
【0025】
【数6】
【0026】
このような多項式から結果として得られる包絡線ベクトルは、その各端部(extremity)にヌルを有する。その結果、時間−領域シンボルベクトルの包絡線の端部または尾部(tail)におけるエネルギーを、有効に抑圧し脱落(drop)させることができる。かくして、循環畳み込みユニット24は、時間領域での端部においてゼロに近いエネルギーをもってパーシャルレスポンス信号を生成する。
【0027】
周波数領域ベースの信号であるパーシャルレスポンス信号は、次にシリアル/パラレルユニット26によって受信される。シリアル/パラレル/ユニット26は、シリアルからパラレルシグナリングへパーシャルレスポンス信号を変換して、そのパラレル・パーシャルレスポンス信号をIFFTユニット28に渡す。IFFTユニット28は、時間領域での実部(real)および虚部(imaginary)の各成分を生成するための、パラレル・パーシャルレスポンス信号に対しての変換である変調を、実行する。この変換されたパラレル・パーシャルレスポンス信号は、パーシャルレスポンス信号から導出される。この変換されたパラレル・パーシャルレスポンス信号の実部および虚部の各成分は、パラレル/シリアルユニット30によって受信され、このユニット30は、シリアルシグナリングに変換して、伝送の準備ができた状態にある変換パーシャルレスポンス信号を生成する。
【0028】
ここで図2、3および4を参照すると、時間−領域シンボルベクトルに対するパーシャルレスポンス生成多項式の効果が、64−サンプルの時間−シンボル上において例示されている。特に図2を参照すると、64−サンプルの時間−シンボルが絶対値、すなわち大きさのみで示されており、これは周波数領域で1セットの無作為に選ばれた4位相偏移変調(QPSK)サブシンボルから取り出されたものである。図2は、QPSKサブシンボルを例示しているが、どのような信号点配置(constellation)も、そのパーシャルレスポンス信号のために使用することができる。図3および4では、次数M=2、 M=4のPR多項式cをそれぞれ使った対応する時間−シンボルの大きさが、終端近くで抑圧されている時間−シンボルのサンプルのうちのいくつかと共に、例示されている。この時間−シンボルの尾部のエネルギーは非常に低いので、終端近くでのサンプルの脱落が、結果として事実上の性能損失をもたらすことはない。ここで「脱落」(dropping)という表現は、サブシンボルが、伝送されたパーシャルレスポンス信号の一部として伝送されないことを意味するのに用いられる。従って、低エネルギーサンプルの脱落または非伝送は、信号の時間的圧縮を可能にし、こうして時間または帯域幅の大きな利得が達成される。PR効果によってOFDM時間−シンボルを送信するのにかかる時間を低減させることは、余剰の帯域幅をもたらすことと解釈できる。
【0029】
一実施形態では、システム10は、64の副搬送波(サブキャリア)を使用するOFDMシステムである。PR多項式のM=1からM=4の次数が、システム10内で使用される。M=1、2、3および4について、それぞれd=12、16、24および32のサンプル(すなわち、各端部から6、8、12および16のサンプル)が脱落させられる。従って、BERまたはSNRにおいて他のいかなる性能損失もないとき、OFDM時間−シンボルを通信するに際して節約される時間分数は、d/Nである。その結果、節約される時間は、M=1、2、3および4について、それぞれ12/64、16/64、24/64および32/64、すなわち18.75%、25%、37.5%、50%である。従って、節約された時間は、さらなるOFDMシンボルを伝送するために使用することができ、対応する帯域幅利得(ある与えられた時間中に可能なさらなる伝送として測定される)は、M=1、2、3および4について、それぞれ23%、33%、60%および100%である。
【0030】
上述のように、帯域幅利得(bandwidth gain)は最小限のスペクトル拡大で達成されるが、これについては以下に詳細に論述する。当業者において、CPの挿入前のOFDM信号s1(t)を、以下のように表すことができるということは明白である:
【0031】
【数7】
【0032】
なお式中、NはFFT−サイズであり、ΔT=T/Nであり、Pk(t)は [(k−1)T,kT]にて伝送されるK番目のベースバンドOFDMシンボルである。
【0033】
信号の第n番目のサンプルであるs1 [ n ]は、n =(m+kN)としたとき、パルスPk(t)のm番目のサンプルであるPk[m]に、等しい。PRシグナリングの一実施形態においては、端部におけるd個のサブシンボル(ここでdは偶数)は、各OFDMシンボルから脱落させられる。これは脱落したサブシンボルの大きさが比較的有意でないからである。OFDM信号からのサブシンボルの脱落により、時間領域においてPR−OFDM信号が生成される。PRシグナリングの変形実施形態では、脱落させられるサブシンボルは、PR信号のどの部分であってもよい。時間ベース信号は、従って各々が(N−d)個のサンプルを有するシンボルからなり、ここに、k番目のシンボルはpk(t)からのサンプルのサブセットを含む。具体的には、(d/2+1)番目から(N−d/2)番目までのサンプルを含む。このPR−OFDM信号s2(t)は、パルス列pk(t)に関して、以下のとおりに表すことができる。
【0034】
【数8】
【0035】
なお式中、パルスp´k(t)およびpk(t)は以下のように関係付けられる。
【0036】
【数9】
【0037】
式(1)により表わされる、疑似ランダム信号のパワースペクトル密度(PSD:power spectral density)は、s1(t)の自己相関関数から計算することができる。明らかに、s1(t)の自己相関は、[−NΔT,NΔT]の間隔に限定される。これは、pk(t)自体が時間的に[0,NΔT]に限定されることおよび、異なるOFDMシンボルは非相関であると同時に、ゼロ平均(zero−mean)であるという事実に基づく。s1(t)の自己相関は、パルスpk(t)全体の自己相関と同一、すなわちRs(t)=Rp(t)である。パルスp´k(t)はpk(t)から導出され、従って以下のとおりとなる。
【0038】
【数10】
【0039】
かくして、連続時間(continuous−time)PR−OFDM信号s2(t)のPSD Sp ´(f)は、以下のとおりの式(1)中において通常のOFDM信号s1(t)のPSD Sp(f)に関連付けられる:
【0040】
【数11】
【0041】
なお式中、*は畳み込みを示す。M=4について、dの値は
【0042】
【数12】
【0043】
であり、これは、帯域幅が係数sinc(fT)だけ増大することを意味する。周波数領域におけるこの係数の影響は、M=4の場合でかつd=N/2を選択したときについて、図5において、正規のOFDMスペクトルの背景と対比させながら示されている。従って、スペクトルの拡大は、PR−OFDMを通して可能な大きい帯域幅利得に比較して、無視できるものである。
【0044】
PR−OFDM信号は、時間−シンボルの抑圧(suppress)された部分を有する。循環畳み込み多項式は、OFDMの、中央部分といった任意の部分をも抑圧するように多項式を選択できるものの、抑圧された部分が時間−シンボルの端部に向かって存在するように、選択される。本実施形態では、抑圧は時間−シンボルの端部で起こる。時間領域シンボルの端部が抑圧された状態で、信号自体からの干渉なしにCPを付加することができる。付加されるべきCPの長さは、通常、起こり得る最大チャネル長Lとして固定される。受信機18において、CPはISIの全てを担い、以下で詳細に論述されるように、検出の目的で単に脱落させられる。かくして、CPを伴う副搬送波の直交選択により、ISIと副搬送波間(すなわち、チャンネル間)干渉(ICI)のないマルチ搬送波技術が提供される。循環プリフィックスすなわちCPは、定義上、シンボルの最後のLサンプルとして選択され、開始点に付加される。我々のケースにおけるPR−OFDMについては、我々は常に、抑圧されたサブシンボルの数がd/2> Lを満たすような、PR多項式の次数を使用することになろう。かくして、CPは単に、短縮(truncated)シンボルp´k[n]に付加されたLブランク(すなわち全ゼロ)サブシンボルから構成することになるだろう。従って、このことは、PR−OFDMで使われるCPがほとんどまたは全くエネルギーをもち得ない、というさらなる利点となる。
【0045】
パーシャルレスポンス信号は、チャネル16を通して送信され、伝送パーシャルレスポンス信号として受信機18で受信される。伝送パーシャルレスポンス信号は、シリアル/パラレルユニット34で受信され、パラレル・伝送パーシャルレスポンス信号に変換され、FFTユニット36に渡される。FFTユニット36は、IFFTユニット28によって実行される変換とは逆の変換を実行し、こうして、時間領域ベース信号から周波数領域ベース信号への信号変換をして、変換されたパラレル・伝送パーシャルレスポンス信号を生成する。この変換されたパラレル・伝送パーシャルレスポンス信号は、パラレル/シリアルユニット38に渡される。パラレル/シリアルユニット38は、変換されたパラレル・伝送パーシャルレスポンス信号を、変換された伝送パーシャルレスポンス信号に変える。変換された伝送パーシャルレスポンス信号は、最尤(ML)検出器ユニット40に送られる。MLユニット40は、変換された伝送パーシャルレスポンス信号を解明して、複素数ベースの信号を生成あるいは再生する。デマッパユニット42は、その複素数ベースの信号を、受信機から出力させるべきバイナリストリームに、変換する。
【0046】
ここで、図6を参照すると、PR−OFDM信号を生成するプロセスは、ステップ100で開始する。ステップ110で、端部サブシンボルをゼロに近い振幅に低減する循環畳み込み器が選択される。ステップ120では、信号に循環畳み込み器が適用されて、畳み込みされた信号を生成する。ステップ130では、信号は周波数領域から時間領域に変換される。ステップ140では、畳み込みされた信号のゼロに近い振幅のサブシンボルは、脱落させられ、PR−OFDM信号を生成する。ステップ150では、循環プリフィックスが、PR−OFDM信号に付加され、プロセスはステップ160で終了する。
【0047】
特定の実施形態について記述してきたが、当業者にとっては、これらの教示に対して多くの修正を加えることができるということは明らかである。かくして、本発明は、その1またはそれ以上の好ましい実施形態に関して特に表示し、記述してきたが、当業者であれば、上記で記述し、特許請求の範囲にて請求する本発明の範囲および精神から逸脱することなく、形態および形状においていくつかの修正または変更を行うことが可能であることを理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の教示による、直交周波数分割多重方式(OFDM)のパーシャルレスポンス技術を備えるシステムのブロック図である。
【図2】
OFDM信号のグラフ表示である。
【図3】
予め選択された循環畳み込み多項式によって変更されたパーシャルレスポンスOFDM信号のグラフ表示である。
【図4】
予め選択された循環畳み込み多項式によって変更されたパーシャルレスポンスOFDM信号のグラフ表示である。
【図5】
図1のシステムを用いてパーシャルレスポンスOFDM信号を生成するプロセスのフローチャートである。
Claims (10)
- 信号を生成するための送信機であって、該信号が、入力ビットストリームを複素数領域にマッピングすることにより生成されるパーシャルレスポンス信号から生成され、かつ、該パーシャルレスポンス信号の複数のサブシンボルを抑圧して、該信号を生成するために搬送波信号を変調するのに使用される短縮信号を生成する送信機と、
雑音のある信号を受信するため、雑音のあるチャネルを通して前記送信機と通信する受信機であって、雑音のあるチャネルを通した伝送の結果としての雑音を除去することによって、前記雑音のある信号から前記信号を再生する受信機と、
からなる通信システム。 - 前記送信機が、
前記入力ビットストリームを複素数領域にマッピングするマッピングユニットと、
パーシャルレスポンス信号を生成するため、前記マッピングユニットに接続される循環畳み込みユニットと、
前記短縮信号の先頭エッジに、循環プリフィックスを付加するプリフィックスユニットと、
からなる請求項1に記載のシステム。 - 前記パーシャルレスポンス信号を時間領域信号に変換し、複数の前記サブシンボルを抑圧する変換ユニットを、さらに含んでなる請求項2に記載のシステム。
- 前記受信機が、前記雑音のある信号から前記信号を再生するための検出器ユニットを含んでなる請求項2に記載のシステム。
- 前記の抑圧された複数のサブシンボルが、前記パーシャルレスポンス信号の前記エッジにおいて均一に分配される請求項2に記載のシステム。
- 直交周波数分割多重技術を利用してシステム内で有効な帯域幅利得を通してビットレートを増大させる方法であって、
予め定められた値を有する循環畳み込み器を選択する段階と、
複数のサブシンボルを有するパーシャルレスポンス信号を生成するために、該複数のサブシンボルを有する信号に対して前記循環畳み込み器を適用する段階であって、該循環畳み込み器の値は、該パーシャルレスポンス信号の該複数のサブシンボルの一部分がゼロに近い振幅に縮小されるように選択される段階と、
短縮パーシャルレスポンス信号を生成するために、ゼロに近い振幅を持つ前記複数のサブシンボルの前記部分を、前記パーシャルレスポンス信号から脱落させる段階と、
前記短縮パーシャルレスポンス信号の先頭エッジにて、循環プリフィックスを付加する段階と、
を有する方法。 - 時間ベース信号を生成するため、逆高速フーリエ変換技術を用いて前記パーシャルレスポンス信号を変換する段階と、
雑音のある信号を生成するため、雑音のあるチャネルを通して前記時間ベース信号を送信する段階と、
受信機において前記雑音のある信号から前記時間ベース信号を再生する段階と、
をさらに有する請求項6に記載の方法。 - 情報を送信元から着信先まで配信するためのシステムにおいて、
前記情報を周波数領域信号に変換する手段と、
周波数領域信号を時間領域信号に変換するための手段であって、前記の変換する手段に接続され、かつ該変換の結果としてゼロに近い振幅を有する複数のサブシンボルとなす手段と、
短縮時間領域信号を生成するためにゼロに近い振幅を有する前記複数のサブシンボルを脱落させる手段であって、前記の変換する手段に接続する手段と、
を含んでなるシステム。 - 前記短縮時間領域信号を前記送信元から着信先まで配信する手段であって、前記脱落させる手段に接続される手段と、
前記の配信された短縮時間領域信号を受信する手段であって、前記の配信する手段に接続される手段と、をさらに含んでなるシステムにおいて、該受信する手段が、
前記の配信された短縮時間領域信号から、受信された短縮時間領域信号を再生する手段であって、その受信された短縮時間領域信号が前記短縮時間領域信号を表す手段と、
受信された時間領域信号を生成するために、前記の受信された短縮時間領域信号内に複数のゼロ値サンプルを挿入する手段であって、前記の再生する手段に接続され、かつ前記受信された時間領域信号が前記時間領域信号を表す手段と、
前記の受信された時間領域信号を受信された周波数領域信号に変換する手段であって、前記の挿入する手段に接続され、かつ前記の受信された周波数領域信号が前記周波数領域信号を表す手段と、
を備える請求項8に記載のシステム。 - 前記受信された周波数領域信号から受信された情報を再生する手段をさらに含んでなり、該再生する手段は、前記受信された時間領域信号を変換する手段に接続され、かつ該受信された情報が前記情報を表す請求項9に記載のシステム。
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