JP2004506763A - 低い色価を有するポリテトラヒドロフランの改善された製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーを、担持されたマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化し、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有することを特徴とする、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステル、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法に関する。
Description
【0001】
本発明は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーを、マクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化することにより、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステル、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルを製造する方法に関する。
【0002】
ポリオキシブチレングリコールとも呼称されるポリテトラヒドロフラン(”PTHF”)はプラスチック工業および合成繊維工業において多方面の中間生成物であり、とりわけポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーおよびポリアミドエラストマーの製造のために利用される。それに加え、該PTHFは該PTHFの誘導体の幾つかと同様に、多数の適用ケースにおいて、例えば分散剤として、または例えば古紙の脱色(”脱インク”)の際の価値の高い助剤である。
【0003】
PTHFは工業的に有利には、テトラヒドロフラン(THF)を適当な触媒上で試薬の存在で重合することにより製造され、この場合、該試薬を添加することによりポリマー鎖の鎖長を制御することができ、即ち平均分子量を所望の値に調整することが可能となる(連鎖停止試薬または”テロゲン”)。この場合、制御はテロゲンの種類および量を選択することにより行われる。適当なテロゲンを選択することにより、官能基はポリマー鎖の一方の末端かまたは両末端に付加的に導入されることができる。即ち、例えばカルボン酸かもしくは無水カルボン酸をテロゲンとして使用することにより、PTHFのモノエステルもしくはPTHFのジエステルが製造されることができる。別のテロゲンは、連鎖停止試薬としてのみ作用するのではなく、PTHFの成長しているポリマー鎖中にも組み込まれ、従ってテロゲンの機能のみを有するのではなくコモノマーの機能をも有し、従ってテロゲンまたはコモノマーと同格であると称されることができる。そのようなコモノマーのための例は、2個のヒドロキシ基を有するテロゲン、例えばジアルコールである。そのようなジアルコールのための例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,6−ヘキサンジオールまたは低分子PTHFである。さらにコモノマーとして、1,2−酸化アルキレン、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレン、2−メチルテトラヒドロフランまたは3−メチルテトラヒドロフランが適当である。そのようなコモノマーの使用は、テトラヒドロフラン−コポリマーの製造を導く。上記の方法で、PTHFは化学的に改質されることができる。
【0004】
数多くの実験がもたらした通り、工業的な経済規模におけるTHFの重合のためには酸性触媒が適当であるが、しかしこの酸性触媒は、黄色ないし褐色への変色を伴うポリマーが生じるという欠点を有する。変色は重合の際の温度と共に増加する。さらに変色と同時に、変化された反応性がポリテトラメチレンエーテルグリコールからポリエステルまたはポリウレタンを製造する際に観察される。これは重大な欠陥であり、それというのも色および再現可能な加工は、工業的に適用されるべきポリマーの最も重要な性質に属するからである。
【0005】
PTHFの純度は、使用されるTHFの品質にも依存する。従って、品質の改善を目的として、工業的なTHFの前処理のための多数の方法が提案されている。例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2801792号明細書には、THFを重合の前に漂白土で処理する方法が記載されている。この場合、確かに改善された色価を有するポリマーが得られるが、しかしながらこの処理方法は、THFの全ての入手可能な工業品質に対して常に再現できるように適用できるわけではない。
【0006】
さらに、酸性の不均質触媒上で得られるポリマーを、重合の終了後に別個の脱色法により脱色するのに利用される方法は公知である。
【0007】
欧州特許出願公開第61668号明細書の記載によれば、低い色価を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは低い色価を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールジエステルは、THFのカチオン重合により得られるポリマーを、水素化触媒の存在で水素を用いて処理することにより製造される。重合の際に例えば市販されているTHF品質を使用した場合、例えば水素化脱色は例えば50〜300バールの非常に高い水素圧で実施することを余儀なくされる。
【0008】
国際特許出願公表第94/05719号明細書からポリテトラヒドロフランジエステルの製造方法は公知であり、その場合、THFの重合は酸活性化されたカオリン、酸活性化されたゼオライトまたはアモルファスケイ酸アルミニウム上で、水素化触媒1〜10質量%および水素の存在で実施される。
【0009】
国際特許出願公表第94/05719号明細書および欧州特許出願公開第61668号明細書に記載されている水素化触媒は、活性および可使時間に関連して生成物の純度に関する期待を達成するため、または相応する方法を実際に経済的に実施することを可能にするために望まれるであろう要件に及ばなかった。
【0010】
従って、本発明の課題は、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法を探究ことであり、該製造方法により簡単で経済的に、低い色価を有するTHFのポリマーおよび低い色価を有するTHFのコポリマーが製造されることができる。
【0011】
ところで、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法が見い出され、この場合該製造方法は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーが、担持されたマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化され、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有することにより特徴付けられる。
【0012】
新規の方法によれば、低い色価を有する高純度のポリテトラヒドロフラン、低い色価を有する高純度のテトラヒドロフラン−コポリマーならびに低い色価を有する高純度のポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有する高純度のテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルを、安全にかつ再現できるように製造することができる。使用されたマクロ多孔性の触媒の高い活性および長い可使時間に基づき、水素化を短い滞留時間で、かつ注意深い条件下で実施することができる。
【0013】
本発明による方法は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる全てのポリマーに適用することができる。ポリテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン−コポリマー、ポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよびテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルは、自体公知の方法で、例えばドイツ連邦共和国特許4433606第号明細書およびドイツ連邦共和国特許19649803第号明細書の記載の通りに得ることができる。
【0014】
原則的に、本発明による方法のために、テトラヒドロフランのカチオン重合の重合生成物は直接使用されることができ、該重合生成物はとりわけなお未反応のテトラヒドロフラン、テロゲンおよび/またはコモノマーを含有する。しかしながら、前精製されたポリマー、即ち蒸留かまたは別の適当な方法により、例えば未反応のテトラヒドロフランまたは低分子の重合生成物から分離されたポリマーを使用することも可能である。
【0015】
本発明によれは、ポリマーはマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化され、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有し、この場合該活性金属は担体に塗布されている。最も大きな問題であるポリマーの黄色がかった褐色は消失し、かつ無色の生成物が生成される。
【0016】
新しい方法により、より低いTHF品質からでさえ、最大で約20APHA、有利に最大で約15APHAの低い色価を有するTHFポリマーおよびTHFコポリマーが製造されることができる。色価の測定はDIN6271規格に記載されている。
【0017】
マクロ多孔性の不均質触媒は、活性金属として原理的に元素周期律表第VII副族〜第X副族の全ての金属を含有することができる。有利に、活性金属としてパラジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、鉄およびコバルトまたは2種もしくはそれ以上の活性金属からの混合物が使用され、その際、殊にパラジウムが活性金属として使用される。
【0018】
”マクロ多孔性”の定義は、本発明の範囲では、この表現がPure Appl.Chem.、46、第79頁(1976)に定義されているのと同様に使用され、即ちマクロ多孔とは直径が50nmを上回る細孔を表す。全細孔に対する、100nmを上回る孔径を有する本発明により使用された不均質触媒のマクロ細孔の含量、即ち不均質触媒のマクロ多孔度は、それぞれ全細孔に対して10体積%を上回り、有利に20体積%を上回り、殊に有利に25〜90体積%を上回る。
【0019】
活性金属の含量は、触媒の全質量に対して一般的に0.01〜10質量%、有利に0.05〜5質量%、殊に0.1〜3質量%である。
【0020】
この場合、本発明により使用されたマクロ多孔性の担体触媒に対する金属表面積は、触媒に対して全体で有利に0.01〜10m2/g、さらに有利に約0.05〜5m2/g、殊に約0.05〜3m2/gである。金属表面積はJ.LeMaitreら”Characterization of Heterogeneous Catalysts”、Francis Delanney編集、D、New York1984、第310〜324頁に記載されている化学吸着法を用いて測定される。
【0021】
本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、工業的に、種々の自体公知の方法により、例えば元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属の少なくとも1種を適当なマクロ多孔性の担体に塗布することにより製造されることができる。
【0022】
この塗布は、担体に金属塩水溶液、例えばパラジウム塩水溶液を含浸させることにより、担体に相応する金属塩溶液を噴霧することにより、または別の適当な方法により達成されることができる。元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属塩として、相応する金属のニトレート、相応する金属のニトロシルニトレート、相応する金属のハロゲン化物、相応する金属の炭酸塩、相応する金属のカルボキシレート、相応する金属のアセチルアセトネート、相応する金属のクロロ錯体、相応する金属のニトロ錯体または相応する金属のアミン錯体が適当であり、その際、ニトレートおよびニトロシルニトレートが好ましい。周期律表第VII副族〜第X副族の金属を複数含有する触媒の場合、金属塩または金属塩の溶液は同時にかまたは前後に塗布されることができる。
【0023】
金属塩溶液で被覆されたかまたは含浸された担体は、引き続き、有利に100℃〜150℃の温度で乾燥され、かつ選択的に200℃〜600℃、有利に350℃〜450℃の温度でか焼される。分割された含浸の場合には、触媒は各含浸工程の後に、上記の通りに乾燥され、かつ選択的にか焼される。この場合、活性成分がどのような順序で含浸されるかは自由に選択することができる。
【0024】
引き続き、被覆され、かつ乾燥され、かつ選択的にか焼された担体は、放出された水素を含有するガス中で、30℃〜600℃、有利に150℃〜450℃の温度で処理されることにより活性化される。有利に、ガス流はH250〜100体積%およびN20〜50体積%からなる。
【0025】
本発明により使用された触媒を製造するために使用可能な担持材料は、マクロ多孔性であり、かつ少なくとも50nm、有利に少なくとも100nm、殊に500nmの平均孔径を有しており、かつ最高でも約300m2/g、有利に約15m2/g、さらに有利に約10m2/g、殊に約5m2/g、さらに有利に最高でも3m2/gのBET表面積を有する担持材料である。
【0026】
担体の表面積はN2吸収によるBET法により、殊にDIN66131により測定される。孔径および細孔分布の測定は、Hg多孔度測定法、殊にDIN66133により行われる。
【0027】
原理的には、触媒を製造する際に公知である全ての担持材料、即ち上記で定義されたマクロ多孔度を有する担持材料が使用されることができるが、しかし有利に活性炭、炭化ケイ素、酸化ケイ素、ムライト、コージエライト、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛またはそれらの混合物、さらに有利に酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムおよびムライト、殊に有利に酸化アルミニウムが使用される。
【0028】
さらに、本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、工業的に欧州特許出願公開第653243号明細書から公知である方法により製造されることができ、この際、活性金属およびマクロ細孔体が1工程で装入される。欧州特許出願公開第653243号明細書から公知である方法に従い、本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、元素周期律表第VII副族〜第X副族の1種の金属の水溶性の塩を有機溶剤中で溶解し、そのように得られた溶液と、自重の少なくとも10倍の水と結合することのできる有機ポリマーとを混合し、引き続きポリマーと触媒担持材料とを混合し、かつそのように得られた物質を成形し、乾燥し、かつか焼することにより製造される。
【0029】
元素周期律表第VII副族〜第X副族の1種の金属の水溶性の塩として、有利に相応する金属のニトレート、相応する金属のニトロシルニトレート、相応する金属のハロゲン化物、相応する金属の炭酸塩、相応する金属のカルボキシレート、相応する金属のアセチルアセトネート、相応する金属のクロロ錯体、相応する金属のニトロ錯体または相応する金属のアミン錯体が適当であり、その際、ニトレートおよびニトロシルニトレートが殊に好ましい。好ましい溶剤は、水と混合可能な溶剤、例えばアルコール、エーテルおよびアミンである。アルコールとして殊にC1〜C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールが挙げられ;エーテルとして例えばテトラヒドロフランが考慮される。適当なアミンは、例えばアンモニア、モノアミン、例えばジエチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびブチルアミンである。
【0030】
有機ポリマーとして、有利にアクリル酸からの架橋されたポリマー、アクリル酸およびアクリルアミドからの架橋されたポリマーならびにアクリルアミドからの架橋されたポリマーが適当であり、その際、弱架橋されている部分的に中和されたナトリウムポリアクリレートが殊に好ましい。化学的な架橋剤としては、例えばポリマーに対して0.1〜5質量%の量のジオール、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリオール、ジアミン、ジエンが該当する。
【0031】
好ましい担持材料は、活性炭、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ムライト、コージエライト、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛またはそれらの混合物、さらに有利に酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムおよびムライト、殊に有利に酸化アルミニウムが使用されている。
【0032】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒を、活性金属およびマクロ細孔体を1工程で装入しながら製造するためのさらなる詳細は、欧州特許出願公開第653243号明細書から引用されることができ、この場合これに関する内容は完全に本願に引用される。
【0033】
さらに、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、細孔形成剤を使用しながら、欧州特許出願公開第842699号明細書から公知である方法に従って工業的に製造されることができる。この場合、細孔形成剤としては、水に混合可能であり、約6,000〜500,000g/molを上回る分子量を有する全てのポリマーが使用されることができる。該ポリマーの分子量は有利に約10,000〜約200,000g/mol、さらに有利に約13,000〜約150,000g/mol、殊に約13,000〜約50,000g/molである。使用可能なポリマーのための例は、塩化ポリビニル、極性コモノマーを有するオレフィンのコポリマー、例えば塩化ポリビニルを有するエチレンまたは塩化ポリビニルを有するプロピレン、塩化ポリビニリデンコポリマー、ABS樹脂、ビニルアセテートを有するポリエチレンコポリマー、アルキルアクリレートを有するポリエチレンコポリマー、アクリル酸を有するポリエチレンコポリマー、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、熱可塑性樹脂ポリウレタン、ポリアミド、例えば5−ナイロン、12−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、フッ素含有樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル−メタ(メチル)アクリレートコポリマー、例えばメタクリルニトリル−スチロールコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ酸化フェニル、ポリエステル、例えばブチレンテレフタレートおよびポリビニルアルコールを含み、その際ポリビニルアルコールが殊に好ましい。
【0034】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒を製造するために、第一に、アルミニウムと元素周期律表第VII副族〜第X副族の活性金属とからのアルミニウム合金が、公知方法でドイツ連邦共和国特許2159736第号明細書から公知である方法に従って製造される。
【0035】
その後、欧州特許出願公開第0842699号明細書により、上記の合金、変形剤、水および細孔形成剤から混練可能な物質が製造され、この混練可能な物質は変形されて成形体となり、この成形体はか焼され、かつ引き続き、か焼された成形体はアルカリ金属水酸化物で処理される。
【0036】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒のための上記の工業的な製造方法のさらなる詳細は、欧州特許出願公開第842699号明細書から引用されることができ、この場合これに関する内容は完全に本願に引用される。
【0037】
有利に、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属の少なくとも1種を適当なマクロ多孔性の担体に含浸させることにより製造される。
【0038】
所望の場合には、水素化の間に、とりわけ高い水素化温度の際にポリマーが分解するのを回避する目的で、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は付加的に塩基によりドーピングされてよい。適当な塩基は例えば塩基性酸化物、例えばアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、例えば酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウムである。酸化ナトリウムは殊に好ましい。上記の酸化物または上記の酸化物の前駆物質、例えばそれぞれの水酸化物、それぞれの炭酸塩またはそれぞれのヒドロキシ炭酸塩は、例えば上澄み溶液中に含浸されることにより、噴霧含浸されることにより、または担体が凝集する間に、触媒の質量に対して0.05〜5%の濃度で触媒に塗布されることができる。場合により、前駆物質を熱分解するための熱処理が引き続き行われる。
【0039】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、水素化で使用される前に、水素で前還元されてよい。
【0040】
本発明により使用可能なマクロ多孔性の触媒は、粉末の形で、例えば懸濁液による方法を実施する際に、または目的にかなうように成形体として、例えばストランドの形、円筒の形、球の形、環の形または破片の形で、殊に触媒の固定床型装置の場合に、本発明による方法で使用されることができる。
【0041】
本発明による水素化は、回分的または連続的に実施されることができ、その際、経済的理由から通常は連続的な運転方法が有利となる。この場合、水素化は常用の連続的な方法のために適当な反応器中かまたは反応器装置中で、懸濁液による方法または固定床による方法で、例えば懸濁液による方法の場合にはチューブ型反応器中かまたは攪拌型反応器中で、または固定床による方法の場合には管状反応器中かまたは固定床型反応器中で実施されることができ、その際、固定床による方法が有利である。
【0042】
本発明による水素化は、1〜200バール、有利に1〜50バール、殊に有利に5〜25バールの水素圧で、かつ20〜200℃、有利に50〜150℃、殊に有利に70〜140℃の温度で実施される。
【0043】
滞留時間は所望の色価の結果に依存し、かつ通常は最大で約20時間、有利に15時間、殊に有利に最大で約10時間である。
【0044】
連続的な運転方法の場合、触媒負荷は通常、ポリマー0.05〜2.0kg/(1触媒*時間)、有利にポリマー0.1〜1.0kg/(1触媒*時間)、殊に有利にポリマー0.1〜0.5kg/(1触媒*時間)である。水素化ガスとして、放出された水素を含有し、かつ触媒毒、例えば一酸化炭素の有害な量を有していない任意のガスが使用されることができる。有利に、純粋な水素が水素化ガスとして使用される。
【0045】
本発明による水素化は、溶剤または希釈剤の存在でも不在でも実施されることができる。溶剤または希釈剤として、水素化すべきポリマーと均質な溶液を形成し、かつ反応条件下で十分に不活性である全ての適当な溶剤もしくは希釈剤、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアルキル基が有利に1〜10個の炭素原子の長さを有している脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノールおよびプロパノールが使用されることができる。有利に、テトラヒドロフランおよび/またはメタノールが使用される。
【0046】
使用された溶剤または使用された希釈剤の量は特別に制限されるものではなく、かつ必要に応じて自由に選択されることができるが、しかしながらその際、水素化のために準備されたポリマーの溶液が10〜90質量%、有利に20〜50質量%となるような量が好ましい。
【0047】
例
製造例A
パラジウムニトレート溶液(パラジウム11質量%)72.7gを、水4000mlおよび高分子ナトリウムポリアクリレート(アクアリック(Aqualic)(登録商標)、BASF AG)100g中に混合した。60分後、得られたゲル状の物質と擬ベーマイト5527gとをミックス・ミュラー(Mix−Muller)中で70分間混練した。この間に、25%アンモニア水溶液200gおよび水900mlを添加した。該物質を押出機中で成形して4mmのストランドにし、該ストランドを引き続き120℃で乾燥し、かつその後1時間500℃で温度調節した。触媒Aはパラジウム0.21質量%を有しており、かつ約38%のマクロ細孔含量を有していた。BET表面積は235m2/gであった。
【0048】
製造例B
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)47gを水680mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積8m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2253gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Bはパラジウム0.22質量%を有しており、かつ約36%のマクロ細孔含量を有していた。
【0049】
製造例C
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)13.8gを水420mlで希釈し、かつ球状(2〜4mm球、ガンマAl2O3、BET表面積230m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体730gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Cはパラジウム0.21質量%を有しており、かつ約32%のマクロ細孔含量を有していた。
【0050】
製造例D
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)19.8gを水1000mlで希釈し、かつストランド状(1.5mmストランド、ガンマ/シータAl2O3、BET表面積85m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体1042gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Dはパラジウム0.22質量%を有しており、かつ約33%のマクロ細孔含量を有していた。
【0051】
製造例E
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム12.6質量%)59.3gを水940mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積6.4m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2993gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Eはパラジウム0.24質量%を有しており、かつ約70%のマクロ細孔含量を有していた。
【0052】
製造例F
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム12.6質量%)59.3gを水1020mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積8.9m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2993gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。引き続き2時間650℃で温度調節した。触媒Fはパラジウム0.24質量%を有しており、かつ約49%のマクロ細孔含量を有していた。
【0053】
製造例G
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)3255gを水79mlで希釈し、かつ球状(1.5mmストランド、ガンマAl2O3、BET表面積230m2/g)のアルミニウム担体140kgに噴霧した。乾燥を120℃で行い、引き続き温度調節を6時間に亘って300℃で行った。触媒Gはパラジウム0.72質量%を有しており、かつ10%を下回るマクロ細孔含量を有していた。
【0054】
製造例H
ストランド状(4mm、BET表面積140m2/g)の酸化ケイ素を、ニッケルニトレート、銅ニトレートおよびマンガンニトレートおよびリン酸の上澄み溶液(Ni9.2質量%、Cu3.2質量%、Mn0.8質量%およびリン酸0.65質量%)で、15分間、2回に亘って含浸させた。それぞれの含浸後、ストランドを120℃で乾燥し、かつ630℃で温度調節した。触媒HはNiO21質量%、CuO7.3質量%、Mn3O42質量%およびH3PO41.2質量%を有しており、かつ10%を下回るマクロ細孔含量を有していた。
【0055】
例1:PTHF−ジアセテートの製造
PTHF−ジアセテートを製造するために、テトラヒドロフラン(6.0kg)および無水酢酸(320g)の混合物を保護ガス下で16時間50℃/標準圧で、乾燥されたモンモリロナイト触媒(Sued−Chemie社の層状ケイ酸塩触媒K306 2kg)上で循環してポンプ輸送し、この場合この乾燥されたモンモリロナイト触媒は3lの反応器中に5mmの球の形で固定床として配置されていた。反応混合物から、蒸留により未反応のテトラヒドロフラン2.97kgを分離した後、60APHAの色価を有する、分子量Mn=970のPTHF−ジアセテートを得た。
【0056】
例2〜7、比較例1〜2
300mlの攪拌型オートクレーブ中に、触媒A、B、CもしくはDまたは比較触媒EもしくはFをそれぞれ15g装入し、かつ例1に従って製造されたポリテトラヒドロフラン−ジアセテート150gと混合した。水素化を純粋な水素を用いて10バールの一定圧力で、かつ120℃の温度で実施した。PTHF−ジアセテートの色価を、反応時間5、10および20時間が経過した後に測定した。
【0057】
結果は表形式で記載されている。
【0058】
【表1】
【0059】
触媒A〜Fを使用しながらの本発明によるそれぞれの例と、本発明によらない触媒GおよびHを使用しながらの本発明によらない比較例との比較は、本発明による方法により、水素の存在でより短い反応時間後に、明らかに低い色価を有するポリテトラヒドロフランジエステルが得られることを示している。本発明による方法のためには、明らかにより短い反応時間に基づき、より小型の反応器が必要とされ、このことは結果的に経済的に著しい利点となる。
本発明は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーを、マクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化することにより、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステル、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルを製造する方法に関する。
【0002】
ポリオキシブチレングリコールとも呼称されるポリテトラヒドロフラン(”PTHF”)はプラスチック工業および合成繊維工業において多方面の中間生成物であり、とりわけポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーおよびポリアミドエラストマーの製造のために利用される。それに加え、該PTHFは該PTHFの誘導体の幾つかと同様に、多数の適用ケースにおいて、例えば分散剤として、または例えば古紙の脱色(”脱インク”)の際の価値の高い助剤である。
【0003】
PTHFは工業的に有利には、テトラヒドロフラン(THF)を適当な触媒上で試薬の存在で重合することにより製造され、この場合、該試薬を添加することによりポリマー鎖の鎖長を制御することができ、即ち平均分子量を所望の値に調整することが可能となる(連鎖停止試薬または”テロゲン”)。この場合、制御はテロゲンの種類および量を選択することにより行われる。適当なテロゲンを選択することにより、官能基はポリマー鎖の一方の末端かまたは両末端に付加的に導入されることができる。即ち、例えばカルボン酸かもしくは無水カルボン酸をテロゲンとして使用することにより、PTHFのモノエステルもしくはPTHFのジエステルが製造されることができる。別のテロゲンは、連鎖停止試薬としてのみ作用するのではなく、PTHFの成長しているポリマー鎖中にも組み込まれ、従ってテロゲンの機能のみを有するのではなくコモノマーの機能をも有し、従ってテロゲンまたはコモノマーと同格であると称されることができる。そのようなコモノマーのための例は、2個のヒドロキシ基を有するテロゲン、例えばジアルコールである。そのようなジアルコールのための例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,6−ヘキサンジオールまたは低分子PTHFである。さらにコモノマーとして、1,2−酸化アルキレン、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレン、2−メチルテトラヒドロフランまたは3−メチルテトラヒドロフランが適当である。そのようなコモノマーの使用は、テトラヒドロフラン−コポリマーの製造を導く。上記の方法で、PTHFは化学的に改質されることができる。
【0004】
数多くの実験がもたらした通り、工業的な経済規模におけるTHFの重合のためには酸性触媒が適当であるが、しかしこの酸性触媒は、黄色ないし褐色への変色を伴うポリマーが生じるという欠点を有する。変色は重合の際の温度と共に増加する。さらに変色と同時に、変化された反応性がポリテトラメチレンエーテルグリコールからポリエステルまたはポリウレタンを製造する際に観察される。これは重大な欠陥であり、それというのも色および再現可能な加工は、工業的に適用されるべきポリマーの最も重要な性質に属するからである。
【0005】
PTHFの純度は、使用されるTHFの品質にも依存する。従って、品質の改善を目的として、工業的なTHFの前処理のための多数の方法が提案されている。例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2801792号明細書には、THFを重合の前に漂白土で処理する方法が記載されている。この場合、確かに改善された色価を有するポリマーが得られるが、しかしながらこの処理方法は、THFの全ての入手可能な工業品質に対して常に再現できるように適用できるわけではない。
【0006】
さらに、酸性の不均質触媒上で得られるポリマーを、重合の終了後に別個の脱色法により脱色するのに利用される方法は公知である。
【0007】
欧州特許出願公開第61668号明細書の記載によれば、低い色価を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは低い色価を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールジエステルは、THFのカチオン重合により得られるポリマーを、水素化触媒の存在で水素を用いて処理することにより製造される。重合の際に例えば市販されているTHF品質を使用した場合、例えば水素化脱色は例えば50〜300バールの非常に高い水素圧で実施することを余儀なくされる。
【0008】
国際特許出願公表第94/05719号明細書からポリテトラヒドロフランジエステルの製造方法は公知であり、その場合、THFの重合は酸活性化されたカオリン、酸活性化されたゼオライトまたはアモルファスケイ酸アルミニウム上で、水素化触媒1〜10質量%および水素の存在で実施される。
【0009】
国際特許出願公表第94/05719号明細書および欧州特許出願公開第61668号明細書に記載されている水素化触媒は、活性および可使時間に関連して生成物の純度に関する期待を達成するため、または相応する方法を実際に経済的に実施することを可能にするために望まれるであろう要件に及ばなかった。
【0010】
従って、本発明の課題は、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法を探究ことであり、該製造方法により簡単で経済的に、低い色価を有するTHFのポリマーおよび低い色価を有するTHFのコポリマーが製造されることができる。
【0011】
ところで、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法が見い出され、この場合該製造方法は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーが、担持されたマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化され、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有することにより特徴付けられる。
【0012】
新規の方法によれば、低い色価を有する高純度のポリテトラヒドロフラン、低い色価を有する高純度のテトラヒドロフラン−コポリマーならびに低い色価を有する高純度のポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有する高純度のテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルを、安全にかつ再現できるように製造することができる。使用されたマクロ多孔性の触媒の高い活性および長い可使時間に基づき、水素化を短い滞留時間で、かつ注意深い条件下で実施することができる。
【0013】
本発明による方法は、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる全てのポリマーに適用することができる。ポリテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン−コポリマー、ポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよびテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルは、自体公知の方法で、例えばドイツ連邦共和国特許4433606第号明細書およびドイツ連邦共和国特許19649803第号明細書の記載の通りに得ることができる。
【0014】
原則的に、本発明による方法のために、テトラヒドロフランのカチオン重合の重合生成物は直接使用されることができ、該重合生成物はとりわけなお未反応のテトラヒドロフラン、テロゲンおよび/またはコモノマーを含有する。しかしながら、前精製されたポリマー、即ち蒸留かまたは別の適当な方法により、例えば未反応のテトラヒドロフランまたは低分子の重合生成物から分離されたポリマーを使用することも可能である。
【0015】
本発明によれは、ポリマーはマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化され、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有し、この場合該活性金属は担体に塗布されている。最も大きな問題であるポリマーの黄色がかった褐色は消失し、かつ無色の生成物が生成される。
【0016】
新しい方法により、より低いTHF品質からでさえ、最大で約20APHA、有利に最大で約15APHAの低い色価を有するTHFポリマーおよびTHFコポリマーが製造されることができる。色価の測定はDIN6271規格に記載されている。
【0017】
マクロ多孔性の不均質触媒は、活性金属として原理的に元素周期律表第VII副族〜第X副族の全ての金属を含有することができる。有利に、活性金属としてパラジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、鉄およびコバルトまたは2種もしくはそれ以上の活性金属からの混合物が使用され、その際、殊にパラジウムが活性金属として使用される。
【0018】
”マクロ多孔性”の定義は、本発明の範囲では、この表現がPure Appl.Chem.、46、第79頁(1976)に定義されているのと同様に使用され、即ちマクロ多孔とは直径が50nmを上回る細孔を表す。全細孔に対する、100nmを上回る孔径を有する本発明により使用された不均質触媒のマクロ細孔の含量、即ち不均質触媒のマクロ多孔度は、それぞれ全細孔に対して10体積%を上回り、有利に20体積%を上回り、殊に有利に25〜90体積%を上回る。
【0019】
活性金属の含量は、触媒の全質量に対して一般的に0.01〜10質量%、有利に0.05〜5質量%、殊に0.1〜3質量%である。
【0020】
この場合、本発明により使用されたマクロ多孔性の担体触媒に対する金属表面積は、触媒に対して全体で有利に0.01〜10m2/g、さらに有利に約0.05〜5m2/g、殊に約0.05〜3m2/gである。金属表面積はJ.LeMaitreら”Characterization of Heterogeneous Catalysts”、Francis Delanney編集、D、New York1984、第310〜324頁に記載されている化学吸着法を用いて測定される。
【0021】
本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、工業的に、種々の自体公知の方法により、例えば元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属の少なくとも1種を適当なマクロ多孔性の担体に塗布することにより製造されることができる。
【0022】
この塗布は、担体に金属塩水溶液、例えばパラジウム塩水溶液を含浸させることにより、担体に相応する金属塩溶液を噴霧することにより、または別の適当な方法により達成されることができる。元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属塩として、相応する金属のニトレート、相応する金属のニトロシルニトレート、相応する金属のハロゲン化物、相応する金属の炭酸塩、相応する金属のカルボキシレート、相応する金属のアセチルアセトネート、相応する金属のクロロ錯体、相応する金属のニトロ錯体または相応する金属のアミン錯体が適当であり、その際、ニトレートおよびニトロシルニトレートが好ましい。周期律表第VII副族〜第X副族の金属を複数含有する触媒の場合、金属塩または金属塩の溶液は同時にかまたは前後に塗布されることができる。
【0023】
金属塩溶液で被覆されたかまたは含浸された担体は、引き続き、有利に100℃〜150℃の温度で乾燥され、かつ選択的に200℃〜600℃、有利に350℃〜450℃の温度でか焼される。分割された含浸の場合には、触媒は各含浸工程の後に、上記の通りに乾燥され、かつ選択的にか焼される。この場合、活性成分がどのような順序で含浸されるかは自由に選択することができる。
【0024】
引き続き、被覆され、かつ乾燥され、かつ選択的にか焼された担体は、放出された水素を含有するガス中で、30℃〜600℃、有利に150℃〜450℃の温度で処理されることにより活性化される。有利に、ガス流はH250〜100体積%およびN20〜50体積%からなる。
【0025】
本発明により使用された触媒を製造するために使用可能な担持材料は、マクロ多孔性であり、かつ少なくとも50nm、有利に少なくとも100nm、殊に500nmの平均孔径を有しており、かつ最高でも約300m2/g、有利に約15m2/g、さらに有利に約10m2/g、殊に約5m2/g、さらに有利に最高でも3m2/gのBET表面積を有する担持材料である。
【0026】
担体の表面積はN2吸収によるBET法により、殊にDIN66131により測定される。孔径および細孔分布の測定は、Hg多孔度測定法、殊にDIN66133により行われる。
【0027】
原理的には、触媒を製造する際に公知である全ての担持材料、即ち上記で定義されたマクロ多孔度を有する担持材料が使用されることができるが、しかし有利に活性炭、炭化ケイ素、酸化ケイ素、ムライト、コージエライト、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛またはそれらの混合物、さらに有利に酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムおよびムライト、殊に有利に酸化アルミニウムが使用される。
【0028】
さらに、本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、工業的に欧州特許出願公開第653243号明細書から公知である方法により製造されることができ、この際、活性金属およびマクロ細孔体が1工程で装入される。欧州特許出願公開第653243号明細書から公知である方法に従い、本発明により使用されたマクロ多孔性の不均質触媒は、元素周期律表第VII副族〜第X副族の1種の金属の水溶性の塩を有機溶剤中で溶解し、そのように得られた溶液と、自重の少なくとも10倍の水と結合することのできる有機ポリマーとを混合し、引き続きポリマーと触媒担持材料とを混合し、かつそのように得られた物質を成形し、乾燥し、かつか焼することにより製造される。
【0029】
元素周期律表第VII副族〜第X副族の1種の金属の水溶性の塩として、有利に相応する金属のニトレート、相応する金属のニトロシルニトレート、相応する金属のハロゲン化物、相応する金属の炭酸塩、相応する金属のカルボキシレート、相応する金属のアセチルアセトネート、相応する金属のクロロ錯体、相応する金属のニトロ錯体または相応する金属のアミン錯体が適当であり、その際、ニトレートおよびニトロシルニトレートが殊に好ましい。好ましい溶剤は、水と混合可能な溶剤、例えばアルコール、エーテルおよびアミンである。アルコールとして殊にC1〜C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールが挙げられ;エーテルとして例えばテトラヒドロフランが考慮される。適当なアミンは、例えばアンモニア、モノアミン、例えばジエチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびブチルアミンである。
【0030】
有機ポリマーとして、有利にアクリル酸からの架橋されたポリマー、アクリル酸およびアクリルアミドからの架橋されたポリマーならびにアクリルアミドからの架橋されたポリマーが適当であり、その際、弱架橋されている部分的に中和されたナトリウムポリアクリレートが殊に好ましい。化学的な架橋剤としては、例えばポリマーに対して0.1〜5質量%の量のジオール、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリオール、ジアミン、ジエンが該当する。
【0031】
好ましい担持材料は、活性炭、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ムライト、コージエライト、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛またはそれらの混合物、さらに有利に酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムおよびムライト、殊に有利に酸化アルミニウムが使用されている。
【0032】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒を、活性金属およびマクロ細孔体を1工程で装入しながら製造するためのさらなる詳細は、欧州特許出願公開第653243号明細書から引用されることができ、この場合これに関する内容は完全に本願に引用される。
【0033】
さらに、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、細孔形成剤を使用しながら、欧州特許出願公開第842699号明細書から公知である方法に従って工業的に製造されることができる。この場合、細孔形成剤としては、水に混合可能であり、約6,000〜500,000g/molを上回る分子量を有する全てのポリマーが使用されることができる。該ポリマーの分子量は有利に約10,000〜約200,000g/mol、さらに有利に約13,000〜約150,000g/mol、殊に約13,000〜約50,000g/molである。使用可能なポリマーのための例は、塩化ポリビニル、極性コモノマーを有するオレフィンのコポリマー、例えば塩化ポリビニルを有するエチレンまたは塩化ポリビニルを有するプロピレン、塩化ポリビニリデンコポリマー、ABS樹脂、ビニルアセテートを有するポリエチレンコポリマー、アルキルアクリレートを有するポリエチレンコポリマー、アクリル酸を有するポリエチレンコポリマー、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、熱可塑性樹脂ポリウレタン、ポリアミド、例えば5−ナイロン、12−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、フッ素含有樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル−メタ(メチル)アクリレートコポリマー、例えばメタクリルニトリル−スチロールコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ酸化フェニル、ポリエステル、例えばブチレンテレフタレートおよびポリビニルアルコールを含み、その際ポリビニルアルコールが殊に好ましい。
【0034】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒を製造するために、第一に、アルミニウムと元素周期律表第VII副族〜第X副族の活性金属とからのアルミニウム合金が、公知方法でドイツ連邦共和国特許2159736第号明細書から公知である方法に従って製造される。
【0035】
その後、欧州特許出願公開第0842699号明細書により、上記の合金、変形剤、水および細孔形成剤から混練可能な物質が製造され、この混練可能な物質は変形されて成形体となり、この成形体はか焼され、かつ引き続き、か焼された成形体はアルカリ金属水酸化物で処理される。
【0036】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒のための上記の工業的な製造方法のさらなる詳細は、欧州特許出願公開第842699号明細書から引用されることができ、この場合これに関する内容は完全に本願に引用される。
【0037】
有利に、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属の少なくとも1種を適当なマクロ多孔性の担体に含浸させることにより製造される。
【0038】
所望の場合には、水素化の間に、とりわけ高い水素化温度の際にポリマーが分解するのを回避する目的で、本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は付加的に塩基によりドーピングされてよい。適当な塩基は例えば塩基性酸化物、例えばアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、例えば酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウムである。酸化ナトリウムは殊に好ましい。上記の酸化物または上記の酸化物の前駆物質、例えばそれぞれの水酸化物、それぞれの炭酸塩またはそれぞれのヒドロキシ炭酸塩は、例えば上澄み溶液中に含浸されることにより、噴霧含浸されることにより、または担体が凝集する間に、触媒の質量に対して0.05〜5%の濃度で触媒に塗布されることができる。場合により、前駆物質を熱分解するための熱処理が引き続き行われる。
【0039】
本発明により使用されたマクロ多孔性の触媒は、水素化で使用される前に、水素で前還元されてよい。
【0040】
本発明により使用可能なマクロ多孔性の触媒は、粉末の形で、例えば懸濁液による方法を実施する際に、または目的にかなうように成形体として、例えばストランドの形、円筒の形、球の形、環の形または破片の形で、殊に触媒の固定床型装置の場合に、本発明による方法で使用されることができる。
【0041】
本発明による水素化は、回分的または連続的に実施されることができ、その際、経済的理由から通常は連続的な運転方法が有利となる。この場合、水素化は常用の連続的な方法のために適当な反応器中かまたは反応器装置中で、懸濁液による方法または固定床による方法で、例えば懸濁液による方法の場合にはチューブ型反応器中かまたは攪拌型反応器中で、または固定床による方法の場合には管状反応器中かまたは固定床型反応器中で実施されることができ、その際、固定床による方法が有利である。
【0042】
本発明による水素化は、1〜200バール、有利に1〜50バール、殊に有利に5〜25バールの水素圧で、かつ20〜200℃、有利に50〜150℃、殊に有利に70〜140℃の温度で実施される。
【0043】
滞留時間は所望の色価の結果に依存し、かつ通常は最大で約20時間、有利に15時間、殊に有利に最大で約10時間である。
【0044】
連続的な運転方法の場合、触媒負荷は通常、ポリマー0.05〜2.0kg/(1触媒*時間)、有利にポリマー0.1〜1.0kg/(1触媒*時間)、殊に有利にポリマー0.1〜0.5kg/(1触媒*時間)である。水素化ガスとして、放出された水素を含有し、かつ触媒毒、例えば一酸化炭素の有害な量を有していない任意のガスが使用されることができる。有利に、純粋な水素が水素化ガスとして使用される。
【0045】
本発明による水素化は、溶剤または希釈剤の存在でも不在でも実施されることができる。溶剤または希釈剤として、水素化すべきポリマーと均質な溶液を形成し、かつ反応条件下で十分に不活性である全ての適当な溶剤もしくは希釈剤、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアルキル基が有利に1〜10個の炭素原子の長さを有している脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノールおよびプロパノールが使用されることができる。有利に、テトラヒドロフランおよび/またはメタノールが使用される。
【0046】
使用された溶剤または使用された希釈剤の量は特別に制限されるものではなく、かつ必要に応じて自由に選択されることができるが、しかしながらその際、水素化のために準備されたポリマーの溶液が10〜90質量%、有利に20〜50質量%となるような量が好ましい。
【0047】
例
製造例A
パラジウムニトレート溶液(パラジウム11質量%)72.7gを、水4000mlおよび高分子ナトリウムポリアクリレート(アクアリック(Aqualic)(登録商標)、BASF AG)100g中に混合した。60分後、得られたゲル状の物質と擬ベーマイト5527gとをミックス・ミュラー(Mix−Muller)中で70分間混練した。この間に、25%アンモニア水溶液200gおよび水900mlを添加した。該物質を押出機中で成形して4mmのストランドにし、該ストランドを引き続き120℃で乾燥し、かつその後1時間500℃で温度調節した。触媒Aはパラジウム0.21質量%を有しており、かつ約38%のマクロ細孔含量を有していた。BET表面積は235m2/gであった。
【0048】
製造例B
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)47gを水680mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積8m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2253gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Bはパラジウム0.22質量%を有しており、かつ約36%のマクロ細孔含量を有していた。
【0049】
製造例C
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)13.8gを水420mlで希釈し、かつ球状(2〜4mm球、ガンマAl2O3、BET表面積230m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体730gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Cはパラジウム0.21質量%を有しており、かつ約32%のマクロ細孔含量を有していた。
【0050】
製造例D
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)19.8gを水1000mlで希釈し、かつストランド状(1.5mmストランド、ガンマ/シータAl2O3、BET表面積85m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体1042gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Dはパラジウム0.22質量%を有しており、かつ約33%のマクロ細孔含量を有していた。
【0051】
製造例E
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム12.6質量%)59.3gを水940mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積6.4m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2993gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。触媒Eはパラジウム0.24質量%を有しており、かつ約70%のマクロ細孔含量を有していた。
【0052】
製造例F
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム12.6質量%)59.3gを水1020mlで希釈し、かつストランド状(4mmストランド、アルファAl2O3、BET表面積8.9m2/g)の、マクロ多孔性のアルミニウム担体2993gに噴霧した。乾燥および温度調節を、触媒Aの場合に記載された通りに行った。引き続き2時間650℃で温度調節した。触媒Fはパラジウム0.24質量%を有しており、かつ約49%のマクロ細孔含量を有していた。
【0053】
製造例G
パラジウムニトレート水溶液(パラジウム11質量%)3255gを水79mlで希釈し、かつ球状(1.5mmストランド、ガンマAl2O3、BET表面積230m2/g)のアルミニウム担体140kgに噴霧した。乾燥を120℃で行い、引き続き温度調節を6時間に亘って300℃で行った。触媒Gはパラジウム0.72質量%を有しており、かつ10%を下回るマクロ細孔含量を有していた。
【0054】
製造例H
ストランド状(4mm、BET表面積140m2/g)の酸化ケイ素を、ニッケルニトレート、銅ニトレートおよびマンガンニトレートおよびリン酸の上澄み溶液(Ni9.2質量%、Cu3.2質量%、Mn0.8質量%およびリン酸0.65質量%)で、15分間、2回に亘って含浸させた。それぞれの含浸後、ストランドを120℃で乾燥し、かつ630℃で温度調節した。触媒HはNiO21質量%、CuO7.3質量%、Mn3O42質量%およびH3PO41.2質量%を有しており、かつ10%を下回るマクロ細孔含量を有していた。
【0055】
例1:PTHF−ジアセテートの製造
PTHF−ジアセテートを製造するために、テトラヒドロフラン(6.0kg)および無水酢酸(320g)の混合物を保護ガス下で16時間50℃/標準圧で、乾燥されたモンモリロナイト触媒(Sued−Chemie社の層状ケイ酸塩触媒K306 2kg)上で循環してポンプ輸送し、この場合この乾燥されたモンモリロナイト触媒は3lの反応器中に5mmの球の形で固定床として配置されていた。反応混合物から、蒸留により未反応のテトラヒドロフラン2.97kgを分離した後、60APHAの色価を有する、分子量Mn=970のPTHF−ジアセテートを得た。
【0056】
例2〜7、比較例1〜2
300mlの攪拌型オートクレーブ中に、触媒A、B、CもしくはDまたは比較触媒EもしくはFをそれぞれ15g装入し、かつ例1に従って製造されたポリテトラヒドロフラン−ジアセテート150gと混合した。水素化を純粋な水素を用いて10バールの一定圧力で、かつ120℃の温度で実施した。PTHF−ジアセテートの色価を、反応時間5、10および20時間が経過した後に測定した。
【0057】
結果は表形式で記載されている。
【0058】
【表1】
【0059】
触媒A〜Fを使用しながらの本発明によるそれぞれの例と、本発明によらない触媒GおよびHを使用しながらの本発明によらない比較例との比較は、本発明による方法により、水素の存在でより短い反応時間後に、明らかに低い色価を有するポリテトラヒドロフランジエステルが得られることを示している。本発明による方法のためには、明らかにより短い反応時間に基づき、より小型の反応器が必要とされ、このことは結果的に経済的に著しい利点となる。
Claims (8)
- 低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステル、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法において、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られるポリマーを、担持されたマクロ多孔性の不均質触媒の存在で水素化し、この場合該不均質触媒は活性金属として元素周期律表第VII副族〜第X副族の金属を少なくとも1種含有することを特徴とする、低い色価を有するポリテトラヒドロフラン、低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマー、低い色価を有するポリテトラヒドロフランのジエステルもしくはモノエステルおよび低い色価を有するテトラヒドロフラン−コポリマーのジエステルもしくはモノエステルの製造方法。
- 重合を1〜200バールの水素圧および20〜200℃の温度で実施する、請求項1記載の方法。
- マクロ多孔性の不均質触媒が活性金属としてパラジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、鉄および/またはコバルトまたは上記活性金属の2種もしくはそれ以上からの混合物を含有する、請求項1または2記載の方法。
- 不均質触媒のマクロ多孔度が10体積%を上回る、請求項3記載の方法。
- 酸化アルミニウムおよび/または二酸化ジルコニウムを担持材料として使用する、請求項3記載の方法。
- 不均質触媒が0.01〜10m2/gの金属表面積を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 不均質触媒が0.1〜300m2/gのBET表面積を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 不均質触媒が0.01〜10質量%の活性金属の含量を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
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