JP2004506524A - ナノ微粒分散配合物のアレイ及びこのアレイの作製方法 - Google Patents

ナノ微粒分散配合物のアレイ及びこのアレイの作製方法 Download PDF

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Abstract

それぞれが下記の成分:少なくとも1種のナノ分散剤、少なくとも1種の使用媒体、活性成分を含むn個のナノ微粒分散配合物のアレイの作製方法であって、下記の工程:
c)
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を、(それぞれ)高速逐次又は半平行で、(全体を)平行に求める工程を含む方法、少なくとも8個の異なるナノ微粒分散配合物のアレイ、平行重合方法でm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法、少なくとも8個の異なるナノ分散剤のアレイ、n個の固溶体のアレイを固溶体平行処理法により作製する方法、及び2個以上の固溶体のアレイを作製する方法、が開示されている。

Description

【0001】
[発明の属する技術分野]
本発明は、ナノ微粒分散配合物のアレイ(配列)及びこのアレイの作製方法に関する。本発明は、例えば使用媒体(例、医薬、穀物保護剤、ビタミン又は染料材料としての活性成分)に難溶性又は不溶性の材料の安定化のための新規な有効なナノ分散剤を調査することに適用することができる。一旦製造されると、これらのナノ微粒分散配合物を、平行に、或いは高速で逐次に、安定性についてのスクリーニング(例えば光学的方法)により、選別することができる。また、ナノ分散剤の製造方法及び装置にも関する。
【0002】
[発明の背景]
ナノ微粒システムは、極めて特徴的な優位性、例えば彩色性、レオロジー性、非直線の光学的性質、生物有用性等の優位性のため興味深い。
【0003】
微粒子の分散は、2つの異なる方法で一般に得られる。
【0004】
固体の塊状材料から出発する標準の磨砕方法は、一般には、0.5μm未満の平均粒径を有する微粒子を与えることは無い。粒径と分布は、ミルの種類又は使用される磨砕部品(例、シリカ)のような様々なパラメータに依存して変化する。他の問題として、磨砕後の破砕部品の除去がある。より小さい磨砕片を必要とする場合、屡々より小さい破砕部品および磨砕ダストが、均一系をもたらす生成物中に残留する。
【0005】
磨砕された材料により大きな粒径のものがあるため、これらの微粒子を、凝集、フロキュレーション(綿状沈殿)及び浮遊に対して安定化させる添加剤を見出すことが困難である。
【0006】
或いは、分子溶液から始めて、沈殿により微粒子を形成させる方法もある。この方法は、沈殿及び/又は浮遊を再びもたらす、オストワルド熟成(結晶成長)及び/又は微粒子凝集の問題に直面する。一般に、沈殿工程が、核形成段階において周囲の媒体(溶剤系)との相溶性を変化させることにより、例えば基質の化学反応により、溶剤の変更又は混合、pH値、温度、圧力又は濃度の変化により、誘発される。
【0007】
特定のシステムを安定化させるために、表面活性化添加剤を、ナノメータサイズの微粒子の結晶成長及び凝集を阻害するように使用しなければならない。代表的な添加剤は、いわゆるソリュビリゼート(ミセル)を与える低分子量のテンサイド(tenside)又はオリゴマーで、これらは基質分子が極めて少量しか含まないとの欠点を有する。ソリュビリゼートは、粒子形成の始めに核生成工程を示すのではなく、テンサイド分子による基質のミセル溶液工程を示す。不運な場合、テンサイドの溶媒和力により、基質分子の、溶媒を介しての移動がより良好となるため、核生成及び結晶成長を誘発し得る。
【0008】
高分子量添加剤は、例えば保護コロイド、両親媒性共重合体、シックナー等である。保護コロイドは、粒子間の反発の相互作用(立体的及び/又は静電的)を形成する粒子表面を被覆することにより、粒子を凝集から安定化させ、粒子表面での成長サイトを閉鎖して成長を抑制し、一方シックナーは、拡散及び粒子衝突速度を低下させることにより、動力学的に安定化させる。
【0009】
いかなる場合でも、コロイド状態のこれらの複雑な相互作用により、得られた基質を安定化させるための有効な添加剤を予測することがほとんど不可能となり、理論的計算から、又は配合物の経験からのいずれからも不可能である。
【0010】
このため、本発明の目的は、基質の特定の種類にとって個々である複雑な沈殿問題を解決するために経験的戦略を提供することにある。
【0011】
[発明の要旨]
本発明は、n個のナノ微粒分散配合物のアレイ、及びそのアレイの作製方法を提供する。上記方法は、n個のナノ微粒分散配合物のそれぞれが下記の成分:
少なくとも1種のナノ分散剤、
少なくとも1種の使用媒体、及び
上記使用媒体に難溶性又は不溶性材料1種、又は単一アレイにおける異なる難溶性又は不溶性材料間の単一の規定された比を有する、使用媒体中で難溶性又は不溶性の材料2種以上の組み合わせ(典型的には、活性成分として明細書及び特許請求の範囲に記載されている)
を含み、
【0012】
下記の工程:
c)
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程、
を含み、
且つ上記工程において、上記活性成分がn個のナノ微粒分散配合物において同一であり、
nが2以上であることを特徴とする。
【0013】
上記方法の好ましい態様においては、下記工程:
a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法、及び
b)上記ナノ分散剤を特性値を求める工程、
c)n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、及び
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を平行に求める工程
を含んでいる。
【0014】
本発明の第1の好適態様において、n個のナノ微粒分散配合物のアレイを、平行に行われる固溶体調製法により作製される。本発明の第2の好適態様において、n個のナノ微粒分散配合物のアレイを、一般の平行に行われる沈殿調製法により行い、そして第3の好適態様において、このアレイを平行に行われる反応性沈殿調製法により行う。上述の方法を用いて、基体上の既知の位置に2種以上のナノ微粒分散配合物を得、その際のナノ微粒分散配合物は、
少なくとも1種のナノ分散剤、
少なくとも1種の使用媒体、及び
活性成分
を含んでいる。
【0015】
本発明は、ある好適態様において、下記の工程:
a1)少なくとも2種のモノマーA及びB、及び使用される重合方法に好適な任意の他の成分を、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
a2)同時に、上記モノマーと他の有用な成分を反応させ、m個の異なるナノ分散剤を形成させる工程
を含む平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法により得ることができるナノ分散剤のアレイを用いている。
【0016】
上記方法を用いて、基体上の既知の位置の2個以上の異なるナノ分散剤が、少なくとも2種のモノマーA及びBの(コ)ポリマーを含んで得られる。
【0017】
本発明はまた、2種以上の異なるナノ分散剤、及びm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法、及び2個以上の固溶体のアレイ、及び2個以上の固溶体のアレイを作製する方法も提供する。
【0018】
[発明及び好適態様の詳細な記述]
本発明は、n個のナノ微粒分散配合物のアレイ及びこのアレイの作製方法を提供する。
【0019】
一般に、ナノ微粒分散配合物のそれぞれが下記の成分:
少なくとも1種のナノ分散剤、
少なくとも1種の使用媒体、及び
活性成分
を含み、且つ上記活性成分が各ナノ微粒分散配合物において同一であるナノ微粒分散配合物であり;そしてこの配合物は、
下記の工程:
c)
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程、
を含み、
且つ上記工程において、nが少なくとも2であり、そして使用される成分、成分の濃度、温度、反応時間、pH−値、他の有用な成分及び必要により使用される溶媒から成る群から選択される少なくとも1個のパラメータがn個のナノ微粒分散配合物のそれぞれにおいて異なっている方法により製造される。
【0020】
本発明の好ましい態様において、n個のナノ微粒分散配合物の作製方法が、下記の工程:
a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行に行われる重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法、
c)上記得られるナノ分散剤の少なくとも1種を、
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により用いる前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)上記得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を平行に求める工程、
(但し、上記工程において、mが少なくとも2である)を含む。
【0021】
本発明のさらに好ましい態様において、上記方法が、下記の工程:
a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行に行われる重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法、
b)上記ナノ分散剤の特性値を求める工程、
c)上記得られた少なくとも1種のナノ分散剤を、
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により用いる前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)上記得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を平行に求める工程、
(但し、上記工程において、n及びmが相互に独立して少なくとも2である)を含む。
【0022】
コロイド状態にある、ナノ分散剤、活性成分及び使用媒体の間における複雑な相互作用により、与えられた活性成分を安定化させるための有効なナノ分散剤を予測することがほとんど不可能となっており、理論的計算から、又は配合物の経験からのいずれからも不可能である。本発明の方法は、この開示で提起された各配合物の個々の複雑なコロイド安定化問題を解決する経験的作戦(方策)を提供する。本発明の新規な方法を適用すれば、合成されるナノ分散剤及び分散配合物の数を、1日当たり1000を超えるまで増加させることができ、一方、当該技術における従来の方法で合成されるナノ分散剤及び分散配合物の数は1人当たり約2である。このため、与えられた活性成分の有効なナノ分散剤を見出す可能性は、本発明の方法を用いることにより大幅に向上する。本発明の新規な方法により、新しく有効なナノ分散剤及び新しい配合物が、短期の開発で発見することができる。
【0023】
さらに、本発明の方法により分散配合物を製造するために、少量の使用成分(ナノ分散剤、活性成分等)しか必要とされない。これは重要な因子であり、特に、使用成分、例えば活性成分が高価であるか限られた量しか得られない場合にそうである。
【0024】
さらに、異なる反応領域での反応条件を、制御方法で変化させることができる。使用成分、成分濃度、温度、反応時間、pH−値、他の有用な成分及び使用した場合の溶媒等、それ自体を、反応領域から基体上の反応領域に変えることができる。このような利点は商業的成功のためには衝撃的に重要である。
【0025】
[一般的側面]
本明細書で使用される下記の用語、及び本発明で平行になされる反応で使用される技術は、下記の一般的意味を有する:
基体:
並列反応器等の硬質又は半硬質の表面を有する材料。ある態様においては、例えば凹み、溜め(井戸)、バイアル(小型円筒容器)、盛り上がった領域、角が付けられた溝(trench)等を有する、異なる材料のための合成領域を物理的に分離することが望ましいかもしれないが、多くの態様において、基体の少なくとも1個の表面は実質的に平坦である。いくつかの態様において、基体自体、溜め、盛り上がった領域、角が付けられた溝等を有しており、これらが合成領域の全て又は一部を形成している。上記基体の合成領域は、ミクロ滴定プレート上の溜め又は並列反応器のバイアルが好ましく、特に本発明の方法で溶媒を使用した場合に好ましい。
【0026】
合成領域:
合成領域は、基体上の制限された領域である予め規定された領域で、その領域は選択されたナノ微粒配合物の形成に使用され、使用された或いは使用される予定のものである。合成領域は、どのような便宜的な形、例えば線状、円形、矩形、楕円形、円筒形、くさび形等を有していても良い。
【0027】
アレイ:
一般に、材料のアレイは、材料の成分を基体の予め定められた複数の合成領域に連続的に給送し、そして実質的に同時に、その成分を反応させて少なくとも2種の材料を形成することにより作製される。
【0028】
明細書に関連して、「反応すること(reacting)」は、成分のイオン性、立体的又は静電的性質のために異なる成分間のあらゆる種類の相互作用、或いは個々の成分の化学反応、又は少なくとも2種の成分の化学反応である。上記「材料」は、例えばナノ微粒分散配合物、固溶体等の配合物であっても良い。一態様において、例えば第1の材料の第1の成分を、基体上の第1の合成領域に給送し、第2の材料の第1の成分を、同じ基体上の第2の合成領域に給送する。各成分は、均一に或いは勾配を付けて給送して、単一の合成領域内で、単一の化学量論性又はそうでない場合多数の化学量論性を形成する。工程は、成分を付加して繰り返され、基体上の予め定められた、即ち既知の位置に莫大なアレイを形成する。その後、成分は、同時に反応して、少なくとも2種の材料を形成する。成分は、続いて又は同時に、多くの異なる給送技術のいずれかを用いて、基体上の合成領域に給送する。
【0029】
平行に行われる設計及び合成技術により作製された分散配合物のアレイ及び固溶体のアレイは、上記に述べられた一般的意味の基体上に得られる。上記基体の態様は目的により異なり得る。
【0030】
給送システム
本発明の給送システムでは、正確に計量された少量の各反応剤成分を、各反応領域に給送される。これは、種々の給送技術を、単独で、或いは種々のマスキング技術と組み合わせて使用して行うことができる。好ましい給送システムはディスペンサーである。
【0031】
ディスペンサーを用いる給送
ディスペンサーは、液滴又は粉末の形の反応剤成分の様々な組み合わせを単一の基体上に形成させるために利用することができる。市販のマイクロピペット(micropipetting)装置は、5ナノリットル以下の小滴体積をキャピラリから分配するのに適しているということができる。非湿式(non−wetting)マスクを使用する場合、このような小滴は、300μm以下の直径を有する反応範囲内に合っている。いくつか態様では、マイクロピペットを、下記に記載のように、正確に且つ精密に反応領域の上に位置させ、その後反応剤溶液を沈殿させる。
【0032】
異なる態様では、本発明は、インクジェット印刷分野で通常使用される装置に似た装置を溶液の沈殿に使用している。このようなインクジェットディスペンサーとしては、例えばパルス圧力タイプ、バブルジェット(登録商標)タイプ及びスリット−ジェットタイプを挙げることができる。本発明で使用することができるこのようなインクジェットディスペンサーはWO96/11878(全ての目的ために参照によりここに取り込まれている)に記載されている。
【0033】
別の態様において、反応剤水溶液を、例えば基体の貯蔵器(部)から電気泳動移動ポンプにより給送することができる。このような装置では、薄いキャピラリが反応剤の貯蔵器をディスペンサーのノズルに接続している。好適な電気泳動移動ポンプはWO96/11878に記載されている。
【0034】
上述のディスペンサーシステムを用いて、反応剤を基体上の予め定められた領域に、連続的又は同時に給送することができる。現在の好ましい態様では、反応剤を、同時に、基体の単一の予め定められた領域か、そうでない場合は基体上の複数の予め定められた領域に給送する。
【0035】
基体に対するディスペンサーの移動
ディスペンサーを用いて正確な特定の領域に連続的に液体を置くために、給送器具及び基体に共通する評価基準系が要求される。換言すれば、器具の評価軸を、精確に基体の評価軸に位置づけなければならない。理想的には、基体上の2個の評価点のみが、反応領域のアレイを完全に位置づけなければならない。ディスペンサー器具はこれらの評価点を探し当て、その後内部評価軸を調節して必要な位置づけがもたらされる。この後、このディスペンサーは特定の方向に特定の距離を移動し、既知の領域で直接その位置に置かれ得る。勿論、ディスペンサー器具は精確に繰り返しできる移動をもたらすものでなければならない。さらに、アレイの個々の領域は、基体上の評価マーク形成後は、その評価マークに関して移動するはずはない。基体に対してディスペンサーを移動させる好適な移動技術についての詳細な記載は、WO96/11878に見られる(全ての目的ために参照によりここに取り込まれている)。
【0036】
反応剤の給送技術、及び基体に対してディスペンサーを移動する技術は本明細書の後段に記載する。
【0037】
分散配合物
本発明は、それぞれが下記の成分:
少なくとも1種のナノ分散剤、
少なくとも1種の使用媒体、
活性成分
を含むn個のナノ微粒分散配合物のアレイで、活性成分が各n個のナノ微粒分散配合物において同一であるアレイの作製方法に関するものである。
【0038】
ナノ分散剤
本発明のナノ分散剤は、活性成分及び使用媒体の両方と相溶性がある化合物である。このような化合物は水水と相溶性であることが好ましい。これは、ナノ分散剤を活性成分及び使用媒体と混合した場合、実質的に巨視的な相分離が観察されないことを意味する。このような化合物は、オリゴマー、及び2以上の重合度を有する低及び高分子量ポリマーから選択されることが好ましい。このナノ分散剤は、例えば保護コロイド、両親和性コポリマー、及びシックナーからなる群より選ばれる。ナノ分散剤は、ナノメータ粒径の結晶成長及び凝集を阻害するために使用される表面活性添加剤であり得る。保護コロイドが、粒子間の反発的相互作用(立体的及び/又は静電的)を形成する粒子表面を被覆することにより凝集に対して粒子を安定化させ、そして粒子表面での成長サイトを封鎖することにより成長を阻害し、一方、シックナーは、拡散及び粒子の衝突速度を低下させ、動力学的に安定化させる。ナノ分散剤として働く(コ)ポリマーは、例えばビニルモノマーのランダムコポリマー、制御された構造/ブロックを有するコポリマー、重縮合ポリマー等を挙げることができる。ナノ分散剤は、少なくとも2種のモノマーA及びBの重合により製造されることが好ましい。上記モノマーA及びBは、疎水性、中性の親水性、カチオン性及びアニオン性モノマーから選択される。このモノマーの一方は親水性モノマーで、第2のモノマーが疎水性モノマーであることが好ましい。
【0039】
使用媒体
使用媒体は、少なくとも1種の活性成分が配合されており、ナノ微粒子系で使用される媒体である。一般に、活性成分は、上記使用媒体に難溶性又は不溶性である。均一で安定なナノ微粒分散配合物は、極めて特異な優位性、例えば彩色性、レオロジー性、生物学的利用能、非線形光学特性及び他の性質のために、重要である。本発明の好ましい使用媒体は水系であり、特に水系は純粋な水、又はpH2〜13,好ましくはpH5〜9の緩衝水溶液である。
【0040】
活性成分(興味の対象の材料)(使用媒体中での難溶性又は不溶性材料)
使用媒体中でのこのような活性成分(興味の対象の材料)は難溶性又は不溶性である。活性材料は、固体、液体及びガスを包含する。活性材料は低分子量活性成分又は生物ポリマー(即ち、ポリヌクレオチド又はタンパク質)が好ましい。エマルジョン重合により得られるポリマーである活性成分は、本発明の範囲内ではない。活性成分は、医薬、穀物保護材、ビタミン、染料材料、有機顔料、無機顔料、ファインケミカル、触媒、酵素、フィラー、難燃剤、スケール抑制剤、化粧品及び光安定剤からなる群より選択されることが更に好ましい。
【0041】
ナノ微粒分散配合物
通常液相である少なくとも1種の連続相(分散剤)及び少なくとも1種の分散相を含むシステム。この分散相(さらに分散粒子と呼ばれる)は固相、液相或いは気相(気泡)であっても良い。本発明に関連して、この分散相(分散粒子)は、活性成分とナノ分散剤の両方を含んでいる。このため、上記分散配合物は、エマルジョン、エアゾール、又は懸濁液でも良い。ナノ微粒分散配合物の分散微粒子の、流体力学半径換算(明細書において後で詳細に説明するように)で分かった平均粒径は、通常10nm〜5μm、好ましくは10nm〜500nm、更に好ましくは20nm〜50nmである。
【0042】
本発明の方法は、下記の工程:
c)
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
によりn個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程、
を含み、且つ
上記活性成分又は活性成分の組合せがn個のナノ微粒分散配合物において同一であり、
nが少なくとも2であり、そして使用される成分、成分の濃度、温度、反応時間、pH−値、他の有用な成分及び必要により使用される溶媒から成る群から選択される少なくとも1個のパラメータがn個のナノ微粒分散配合物のそれぞれにおいて異なっている方法である。
【0043】
本発明の好ましい態様において、ナノ微粒分散配合物のアレイの作製方法は、下記の工程:
a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する工程、
c)上記で得られたナノ分散剤の少なくとも1種を、
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
で用いる、n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程を含み、且つn又はmが少なくとも2を表す方法である。
【0044】
本発明のさらに好ましい態様において、上記方法は、下記の工程:
a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する工程、
b)上記ナノ分散剤の特性値を求める工程、
c)上記で得られたナノ分散剤の少なくとも1種を、
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
で用いる、n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程を含み、且つn又はmが少なくとも2を表す方法である。
【0045】
本発明の好ましい態様において、n及びmが、相互に独立して、少なくとも8,より好ましくは少なくとも64、さらに好ましくは8、特に好ましくは8である。
【0046】
新規なナノ分散剤(ナノ微粒配合物のためのポリマー添加剤又はオリゴマー添加剤)を如何に見出すかとの本発明の方法は、工程a)平行重合方法によるmナノ分散剤のアレイの作製方法(コポリマーライブラリーのデザイン及び合成)、工程b)任意に上記ナノ分散剤の特性値を求める工程、工程c)n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程(配合物の作製)、工程d)得られたn個のナノ微粒分散配合物のアレイの特性値を平行に求める工程(ナノ微粒安定性の特性評価)のループに分割することができる。工程a)〜d)に続いて、(コ)ポリマーの代表的構造及び構造−性質−関係のデータを調査する工程e)を行うことが好ましい。全てのループ、即ち1次〜2次にスクリーニングを用いると、調査されたパラメータスペース部分が小さくなり、更に徹底して調査される。ループの数は通常1〜10である。合成されるべき個々の分散配合物に依存して、その数は10を超えるかもしれない。
【0047】
工程a)(m個のナノ分散剤のアレイの作製方法)の前に、潜在的に好適な(コ)ポリマーのライブラリーを設計(デザイン)することが好ましい。
【0048】
ライブラリーデザイン相
本発明の一態様において、特定の活性成分用の新規なナノ分散の発見のための一体化された組合せ材料科学検索プログラムのための有用な方法が提供される。ここで、検索プログラムは、所望の媒体(例えば、代表的には水又は緩衝水溶液)中に所望の活性成分を分散させる分散剤を用いてナノ分散を創り出す目標を有する。従って、本発明では、活性成分は単一種又は単一の種の組合せに限定され、そして仕事の流れは所望の活性成分の同定から開始される。その後、ポリマーナノ分散剤の1種以上の組合せのライブラリーは、選択された活性成分用に設計される。現存のライブラリーデザインソフトウエアは、このデザインに使用することができ、例えば、この中に取り込まれているPCT/US99/24491(WO00/23921として開示)に記載のLibrary StudioTM(Symyx Technologies, Inc., Santa Clara, CA, USA)である。ナノ分散剤のデザインに有用なモノマーは、典型的には、疎水性、中性親水性、カチオン性及びアニオン性の4つのカテゴリーにグループ分けされる。これらのカテゴリーは、更なる性質によりその下位に分類され、例えば疎水性モノマーは、π−スタッキング(π−stacking)能、大きい立体構造等を与えるモノマーに下位分類され得る。ここで、又どこかで(参照、例えばPCT/US00/00418)に記載されているように、ナノ分散剤のライブラリは典型的には平行重合により作製される。
【0049】
コンピュータプログラムは、成分(例、モノマー、開始剤、制御剤、添加剤等)の自動計算化及びクロスチェックされた濃度の配合ファイルをロボット用指示プロトコルに移すので、時間は節約される。ロボットは、並列反応器(合成領域)の個々の反応チャンバーを埋め、そして重合反応を制御する(即ち、反応時間、温度等)。
【0050】
工程a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法(工程)によるm個のナノ分散剤のアレイの作製方法
重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、重縮合、重付加、ポリマー類似反応、リビングラジカル重合、均一系触媒反応からなる群より選ばれる溶媒又は塊状の標準的重合反応であることが好ましい。
【0051】
上記ナノ分散剤は、2〜6種の異なるモノマー、さらに2〜5種の異なるモノマー、特に2〜4種の異なるモノマーの重合により製造することが好ましい。例えば、ナノ分散剤に複雑さを加えることが望ましいかもしれないし、本発明では、例えば3種のモノマーから始めて、4個目等を加えることができる。
【0052】
モノマーA及びB(及び任意に別のモノマーC、D、・・・・)を、疎水性、中性親水性、カチオン性及びアニオン性モノマーから成る群より選択されることが好ましい。上記モノマーの1種が疎水性モノマーで、第2のモノマーが疎水性、中性親水性、カチオン性及びアニオン性モノマーから成る群より選択される1種であることが好ましい。さらに、上記モノマーの1種が疎水性モノマーで、第2のモノマーが、酸性基又は塩基性基を含んでも良い親水性モノマーであることが好ましい。
【0053】
好適なモノマーとして、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1−ブテン、1−デセン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ペンテン、2−メチル−N−ビニルイミダゾール、4−tert−ブチル安息香酸ビニル、アクロレイン、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸、アリルメタクリレート、α−メチルスチレン、ブタジエン、ブタンジオールジメタクリレート、ブタンジオールビニルエーテル、ブタンジオールモノアクリレート、ブタンジオールモノビニルエーテル、ブタンジオールメチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート−メトクロリド(ethylacrylate−metochloride)、ジメチルアミノエチルメタクリレート、塩化メチルで4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、エチレン、エチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチルへキシルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルビニルエーテル、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソブテン、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプレン、無水マレイン酸、メタクリル酸、無水メタクリル酸、メチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチルメタクリレート、メチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、N−メチル−N−ビニルアセタミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、オクタデシルビニルエーテル、フェノキシエチルアクリレート、プロピレン、スチレン、tert−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、トリエチレングリコールジメチルアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルメチルエーテル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルホルムアミド、ビニリデンクロリド、ビニルイソブチルエーテル、N−ビニルピペリドン、ビニル−(2−エチルへキシル)エーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニル−tert−ブチルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ポリテトラヒドロフラン−290−ジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル及びアミノプロピルビニルエーテルを挙げることができる。
【0054】
重合方法で任意に使用される他の成分としては、例えば開始剤、触媒、誘発剤及び変性剤を挙げることができる。
【0055】
本発明の好ましい態様において、重合方法は、ランダムラジカル(コ)ポリマーを製造するためのラジカル重合である。ラジカル重合で使用される好ましいモノマーA及びB(及び任意に別のモノマーC、D、・・・・)は非極性モノマー、例えば
【0056】
【化1】
Figure 2004506524
【0057】
酸性基を含む極性モノマー、例えば
【0058】
【化2】
Figure 2004506524
【0059】
中性基を含む極性モノマー、例えば
【0060】
【化3】
Figure 2004506524
及び塩基性基を含む極性モノマー、例えば
【0061】
【化4】
Figure 2004506524
を挙げることができる。
【0062】
ラジカル重合に使用することができる好適な開始剤としては、当該技術分野で公知の重合開始剤であり、例えば過酸化水素、無機過硫酸塩(例、ペルオクソ二硫酸ナトリウム、ペルオクソ二硫酸カリウム及びペルオクソ二硫酸アンモニウム)、及び有機化合物(例、有機過酸化物、ペルオキシエステル、過炭酸塩、及びアゾ化合物)を挙げることができる。好適な有機過酸化物としては、例えばジアセチルペルオキシド、ジベンジルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルベンゾアート、tert−ブチルピバラート、tert−ブチルペルマレイナート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオクソジカラバマート、ビス−(o−トルオイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルイソブチラート、tert−ブチルペルアセタート、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルピバラート、tert−アミルペルピバラート、tert−ブチルペルネオデカノアート及びこれらの開始剤の混合物を挙げることができる。このようなアゾ化合物は、例えば2,2’−アゾ−ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾ−ビス(N,N’−ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロリド、2−(カルバモイルアゾ)イソブチリロニトリル、4,4’−アゾ−ビス(4−シアノバレリン酸)、4,4’−ジメチル−2(フェニルアゾ)−バレロニトリル、4−メトキシ−2,4−ジメチル−2−(フェニルアゾ)−バレロニトリル、1,1’−アゾ−ビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾ−ビス−(2−メチル−ブチロニトリル)及び/又は2,2’−アゾ−ビス(イソブチラート)を挙げることができる。
【0063】
上記過酸化物は、還元剤、例えばFe(SO)、NaSO、NaHSO、ナトリウムジチオナート、トリエタノールアミン、及びアスコルビン酸と共に使用することができる。さらに、重合反応は、光開始剤及びUV光の照射により、又は高エネルギー照射線の適用により開始しても良い。
【0064】
重合反応を水溶性媒体で行う場合、ペルオクソ二硫酸ナトリウム又はペルオクソ二硫酸カリウムを使用することが好ましい。重合反応を塊状で、又は有機溶媒中で行う場合、可溶性開始剤、例えば有機過酸化物を使用することが好ましい。
【0065】
上記開始剤は、当該技術分野で公知の量で使用され、例えば使用されるモノマーに対して0.2〜20質量%、好ましくは1.0〜10質量%である。
【0066】
本発明の好ましい態様において、工程a)は、モノマー及びポリマーを溶解するのに好適な溶媒中で行われる。好ましい溶媒は、炭素原子数1〜3個の脂肪族カルボン酸、これらのアミド、これらのモノ−C〜Cアルキルアミド及びジ−C〜Cアルキルアミド、脂肪族及び芳香族塩素化炭化水素、炭素原子数1〜5個のアルコール(例、イソプロパノール)、炭素原子数3〜6個のケトン(例、アセトン)、芳香族炭化水素、N−アルキル化ラクタム及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0067】
その良好な溶解力のために好ましい溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0068】
工程a)は、好ましくは下記の工程:
a1)少なくとも2種のモノマーA及びB、好ましくは溶媒、及び使用される重合方法に好適な任意の有用な成分を、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に別の合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
a2)次いで又は同時に、上記モノマーと任意の他の有用な成分を反応させ、m個の異なるナノ分散剤を形成させる工程、
a3)任意の後回しにされた他の成分を各合成領域に給送する工程
を含み、
且つ、上記工程において、使用されたモノマー又は他の成分、上記モノマー又は他の有用な成分の濃度、使用された溶媒、温度及び反応時間からなる群から選ばれた少なくとも1個のパラメータが、m個のナノ分散剤のそれぞれにおいて異なっている。
【0069】
k≧2の条件下で、k及びmは少なくとも2である。本発明の好ましい態様において、k及びmは、少なくとも8、より好ましくは少なくとも64、更に好ましくは8、特に好ましくはkとmが相互に独立して少なくとも8である。基体上の物理的に分離された合成領域の数kは、上記ナノ分散剤の数mより大きいこともあり得る。このことは、ブランク又は標準を残すために、基体上の物理的に分離された合成領域の全てが満たされることはないことを意味する。
【0070】
上記基体上の物理的に分離された合成領域は、マイクロ滴定プレート反応器上の溜め(井戸)又は並列反応器上のバイアルであることが好ましい。本発明で使用しても良い並列反応器は、例えば、この中に取り込まれているWO00/09255に記載されている。
【0071】
上記溜め又はバイアルの体積は、通常最大100ml、好ましくは最大10ml、さらに好ましくは最大1ml、特に好ましくは200〜1000μlである。
【0072】
本発明の上記ナノ分散剤を製造するための上記平行重合は、1日当たりに合成可能な極めて多数のナノ分散剤を製造する方法を提供する。一般に、上記平行重合方法は、1日当たり、100〜100000個、好ましくは1000〜10000個、特に好ましくは10000〜100000個のナノ分散剤を製造する方法を提供するものである。例えば、それぞれの1000μl以下の溜め96個を有するいくつかのマイクロ滴定プレート反応器のアレイにより、合成されるナノ分散剤の数を1日当たり1000を超えるまでに増加させることができる。
【0073】
上記少なくとも2種のモノマーA及びB、上記溶剤、及び使用される重合方法に好適な任意の上記の他の成分を、上記基体の上記合成領域に、上述の反応剤成分の給送方法により給送することができる。好ましくは、上記少なくとも2種のモノマーA及びB、上記溶剤、及び使用される重合方法に好適な任意の他の有用な成分を、上記基体の上記合成領域に、自動及び/又は平行給送によりピペットから給送することである。本発明の別の態様では、成分を、上記基体の上記合成領域に、パルス圧力インクジェットディスペンサー、バブルジェット(登録商標)インクジェットディスペンサー及びスリットジェットインクジェットディスペンサーからなる群より選ばれたインクジェットディスペンサーから供給する。
【0074】
基体に対するディスペンサーの動きは、上述の通り行われる。
【0075】
本発明の好ましい態様において、上記少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の溶剤、及び使用される重合方法に好適な任意の他の成分の、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に別の合成領域を有する基体の各合成領域への給送(工程a1)は、下記の工程:
a11)上記基体上の参照地点を識別する工程、
a12)上記少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の上記溶剤又は任意の上記の他の有用成分を、上記ディスペンサーが上記基体上の第1の合成領域上にほぼ位置するように、参照地点から固定された距離及び方向に移動させる工程、
a13)上記少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の上記溶剤又は任意の上記の他の有用成分を、第1の合成領域に給送する工程、及び
a14)上記少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の上記溶剤又は任意の上記の他の成分からなる残り成分のために工程a12)及びa13)を繰り返す工程
(上記工程において、k≧2の条件下で、k及びmは相互に独立して少なくとも2である)
を含んでいる。
【0076】
ポリマー分散剤のアレイは、清掃され、洗浄され、そうでない場合は当該技術者が承知しているように処理され得る。ポリマー分散剤のアレイは1回以上使用され、ここで議論されている異なる方法を用いてナノ分散アレイ又はライブラリーを形成することができる。
【0077】
工程b)任意に行われる上記ナノ分散剤の特性値評価(決定)
アレイのナノ分散剤を、所望の材料が作製されたか否か(例えば、ナノ分散剤のランダム選択したものの試験、或いは「スポット」試験又はより完全な試験により作製された)を決定するために、当該技術で公知の方法、例えば高速クロマトグラフィ技術(参照、PCT/US99/07304)で選別することができる。
【0078】
アレイのナノ分散剤は、例えば広範なGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)、加速GPC、高速GPC、高速勾配HPLC(high pressure liquid chromatography)、フローインジェクション分析又はNMR(nuclear magnetic resonance spectroscopy)、GC(gas chromatography)又はIR(infrared spectroscopy)により選別(スクリーニング)することができる。
【0079】
本発明の好ましい態様において、得られたナノ分散剤が、高速GPCにより分子量(Mw)及びモノマー転化率として特性値が求められる。
【0080】
工程b)におけるナノ分散剤の特性値決定は、選別工程前に、上記ナノ分散剤の合成条件を最適化するために有用である。選別工程により、識別された最も見込みのある優位なもの及び的中したものの特性値を求めることが極めて有用である。
【0081】
工程c)
n個のナノ微粒分散配合物のアレイを、
c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
c2)平行に行われる沈殿調製法、又は
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
により作製する方法。
【0082】
c1)平行に行われる固溶体調製法
第1工程において、上記ナノ分散剤の少なくとも1種の溶液、及び1種の活性成分又は2種以上の活性成分の組合せの溶液を、疑似平行幾何図形的配列、即ちマイクロ滴定プレートにおいて同一又は相溶性のある溶媒中で混合する。混合工程は、緩やかな撹拌又は渦巻き起こすことによりその位置で補助され得る。第2工程において、溶媒は、例えば真空下に同時にIR照射により蒸発され得る。この方法で形成された分子分散固溶体は、X線回折(ブラッグピークを抜かす)、DSC(dufferential scanning calorimetry)又は光透過率により分析することができる。第3工程において、再分散工程を、無溶媒活性成分(例、水)を加えることにより引き起こし、また緩やかな撹拌、渦巻き発生又は超音波処理により補助され得る。ナノ微粒配合物は、この再分散工程によりなされる場合がある。
【0083】
本発明の好ましい態様において、工程c1)の平行に行われる固溶体調製法が、下記の工程:
c11)少なくとも1種のナノ分散剤の溶液及び活性成分の溶液を、n個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
c12)少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分のn個の固溶体を形成させる工程、
c13)少なくとも1個の使用媒体を上記基体上のk個の物理的に分離された合成領域に分配する工程、及び
c14)得られた混合物を撹拌し、n個の異なる分散配合物を形成する工程、(但し、上記工程において、k≧nの条件下で、kはnから独立して少なくとも2である)
を含んでいる。
【0084】
上記活性成分と同様上記ナノ分散剤を、それぞれの合成領域に、その物理的性質により、例えば溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液の形、又は塊状、又はガス状で給送することができる。
【0085】
少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分を溶解する溶媒は、活性成分及びナノ分散剤の性質に依存して選択される。好適な溶剤は、例えば炭素原子数1〜3個の脂肪族カルボン酸、これらのアミド、これらのモノ−C〜Cアルキルアミド及びジ−C〜Cアルキルアミド、脂肪族及び芳香族塩素化炭化水素、炭素原子数1〜5個のアルコール(例、イソプロパノール)、炭素原子数3〜6個のケトン(例、アセトン)、芳香族炭化水素、N−アルキル化ラクタム及びこれらの混合物から成る群より選択される。その良好な溶解力のために好ましい溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0086】
上記固溶体は、溶媒を、例えば真空下に同時にIR照射により、蒸発させることにより形成される。上記固溶体は、好ましくは、スプレー乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥により、或いは他の乾燥技術、例えば環境圧力でサンプル全体に乾燥温風を循環させることにより形成される。
【0087】
少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分を基体の合成領域に給送する工程(c11)は上述のように実行することができる。本発明の好ましい態様において、上記成分の給送工程は、下記の工程:
c111)上記基体上の参照地点を識別する工程、
c112)上記少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分のディスペンサーを、上記ディスペンサーが上記基体上の第1の合成領域上にほぼ位置するように、参照地点から定められた距離及び方向に移動させる工程、
c113)上記少なくとも1種のナノ分散剤の1種又は上記活性成分を第1の合成領域に給送する工程、及び
c114)上記少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分からなる残り成分のために工程a112)及びa113)を繰り返す工程
を含んでいる。
【0088】
少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分は、上述の反応剤成分の給送方法により上記基体上の各合成領域に給送することができる。少なくとも1種のナノ分散剤及び上記活性成分は、上述の反応剤成分の給送方法により上記基体上の各合成領域に、自動及び/又は平行給送により給送することが好ましい。本発明の別の態様では、上記成分を、パルス圧力インクジェットディスペンサー、バブルジェット(登録商標)インクジェットディスペンサー及びスリットジェットインクジェットディスペンサーからなる群より選ばれたインクジェットディスペンサーにより供給する。
【0089】
c2)一般の平行に行われる沈殿調製法
使用媒体及び活性成分中に含まれる少なくとも1種のナノ分散剤の溶液を、得られる溶媒の混合物として、活性成分の飽和濃度が過剰になるように、混合する。これは、ナノ微粒構造の自然形成で終了する。この方法において、活性成分の凝集状態は変化し、その化学的同一性はない。これは、2種の化学的に異なる溶媒により、又は同一の溶媒で、例えばpH値、イオン強度又は温度を変えることにより達成される。この方法の条件は、この平行沈殿において変化させることができ、例えば液滴分配、又は少なくとも1種の活性成分の溶液を平行ロボットを用いて少なくとも1種のナノ分散剤の溶液に注入すること、又は少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分の溶液の間の規定された流速及び接触回数を持つ混合チャンバーで変化させることができる。
【0090】
本発明の好ましい態様において、工程c2)の一般の平行に行われる沈殿調製法が、下記の工程:
c21)上記使用媒体の少なくとも1種の第1の溶液及び活性成分の第2の溶液(第1及び/又は第2の溶液は更に少なくとも1種のナノ分散剤を含んでいる)を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程
(但し、上記工程において、上記溶液の上記溶媒が混和性であり、且つ上記溶媒が、得られた溶媒の混合物として、上記活性成分の飽和濃度を超えて、n個の異なるナノ微粒分散配合物を形成するように選択される。)
を含んでいる。
【0091】
溶媒は、活性成分及びナノ分散剤の性質に依存して選択される。好適な溶媒はc1)で述べたものと同じである。
【0092】
上記基体上の物理的に分離された合成領域は、マイクロ滴定プレート上の溜め又は並列反応器のバイアルであることが好ましい。
【0093】
反応剤成分の好適給送方法は、既に前述した。反応剤成分の好ましい給送方法は、c1)で述べた方法と同じである。
【0094】
基体に対してディスペンサーを移動させる好適な方法は前述した。本発明の好ましい態様において、上記ナノ分散剤の少なくとも1種の溶液及び上記活性成分の溶液を給送する工程(c21))は、下記の工程:
c211)上記基体上の参照地点を識別する工程、
c212)上記少なくとも1種のナノ分散剤の溶液及び上記活性成分の溶液のディスペンサーを、上記ディスペンサーが上記基体上の第1の合成領域上にほぼ位置するように、参照地点から定められた距離及び方向に移動させる工程、
c213)上記少なくとも1種のナノ分散剤の溶液の1種又は上記活性成分の溶液を第1の合成領域に給送する工程、及び
c214)上記少なくとも1種のナノ分散剤の溶液及び上記活性成分の溶液からなる残り成分のために工程a212)及びa213)を繰り返す工程
を含んでいる。
【0095】
c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
活性成分の反応性前駆体を、最終基質をもたらす反応がナノ微粒分散配合物のナノ微粒子に起こるように、少なくとも1種のナノ分散剤により安定化することができる。或いは、まず、最終活性成分を形成する活性成分の1種以上の前駆体の反応を完了させ、その後少なくとも1種のナノ分散剤が、ナノ微粒分散配合物のナノ微粒子の形態の基質を安定化させる。工程(方法)の条件はc2)に記載と同様である。反応は、化学反応、塩形成又は錯体化である。エマルジョン重合により得られたポリマーである活性成分は本発明の範囲内ではない。好ましい態様、c3)、において、平行に行われる反応性沈殿調製法c3)は下記の工程:
c31)前記活性成分の1種以上の反応性前駆体の溶液及び使用媒体中の前記少なくとも1種のナノ分散剤の溶液を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
c32)前記前駆体を反応させて、少なくとも1種のナノ分散剤によって安定化された前記活性成分を得て、n個の異なるナノ微粒分散配合物を形成する工程(但し、上記工程において、k及びnが、k≧nの条件下に、相互に独立して少なくとも2である)
を含んでいる。
【0096】
活性成分用の2種以上の反応性前駆体を用いる場合、ナノ分散剤及び反応性前駆体を各合成領域に、いかなる順序で給送しても良い。好適な反応性前駆体としては、例えば、CaCl+NaCO、BaCl+NaSO、TiCl+NaOH、及びCaCl+Naを挙げることができる。エマルジョン重合により得られるポリマーである活性成分は、本発明の範囲内ではない。
【0097】
基体上の前記物理的に分離された合成領域は、マイクロ滴定プレート反応器上の溜め、又は並列反応器のバイアルであることが好ましい。
【0098】
前記少なくとも1種のナノ分散剤及び前記活性成分の前駆体を、前述のように、反応成分の給送の方法により、合成領域に給送する。反応剤成分の好ましい給送法は、c1)で述べたのと同じ方法である。
【0099】
使用される溶媒は、活性成分及びナノ分散剤の性質に依存して異なる。好適な溶剤はc1)で述べたものと同じである。
【0100】
成分を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に、前述のように基体に対してディスペンサーを移動させることにより、入れる。前記活性成分の反応性前駆体の溶液及び少なくとも1種のナノ分散剤の溶液を給送する工程は、下記の工程:
c311)前記基体上の参照地点を識別する工程、
c312)前記活性成分の反応性前駆体の前記溶液及び前記少なくとも1種のナノ分散剤の前記溶液のディスペンサーを、前記ディスペンサーが上記基体上の第1の合成領域上にほぼ位置するように、参照地点から定められた距離及び方向に移動させる工程、
c313)前記活性成分の反応性前駆体の前記溶液の1個又は前記少なくとも1種のナノ分散剤の前記溶液を、前記第1の合成領域に給送する工程、及び
c314)前記活性成分の反応性前駆体の前記溶液又は前記少なくとも1種のナノ分散剤の前記溶液からなる残り成分のために工程a312)及びa313)を繰り返す工程
を含婿とが好ましい。
【0101】
本発明の前記ナノ微粒分散配合物を作製するための前記平行作製は、1日当たりに合成することができるナノ微粒分散配合物の数を大幅に向上させる方法を提供する。一般に、前記平行作製は、1日当たり、100〜100000個、好ましくは1000〜100000個、更に好ましくは10000〜100000個のナノ微粒分散配合物を製造する方法を提供する。
【0102】
d)得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を平行に求める方法
一般に、本発明は、前述の配合作業の結果を選別する(スクリーニングする)方法を利用している。一般的方法(ルート)は、異なる用途で試験するための異なる配合物の広範なアレイを形成することが目的である組合せ材料科学において特に重要であり、これによりナノ分散配合物のための組合せ材料科学プログラムが本発明の方法を用いて有効に実行しうる。例えば、まずナノ分散剤用の大きな組成スペースを、2値(A、B)内又はモノマー(A、B及びC)の三元組成スペース内又は3を超える次数の組成スペース内の構成勾配の作成により高速に調査することができる。このような組成スペースは、各モノマーを0〜100%含む比率の混合物のマトリックスの創成により検討することができる。最初のアレイを作製し、選別した後、興味のある組成範囲に限定した焦点の第二のアレイをより細かい勾配で試験することもできる。この方法は、選別を近接するアレイ素子の間で意味を持って見分けることができる限り、続けることができる。
【0103】
一態様において、本発明は、特定の活性成分ための新規なナノ分散剤の発見のための、統合された組合せ材料科学検索プログラムに有用な方法を提供する。ここでは、検索プログラムは、所望の媒体(例、典型的には水又は緩衝水溶液)に所望の活性材料を分散させる分散剤を用いてナノ分散を創成するとの目的を有する。作業フローは、所望の活性成分の同定(識別)で開始する。その後、ポリマーナノ分散剤の一種以上の組合せアレイは、選択された活性成分のために設計される。現存するライブラリーデザインソフトウエアは、この設計のために使用することができる。そのソフトエアは、例えばPCT/US99/24491(WO00/23921として公開)に記載されているLibrary StudioTM(Symyx Technoloies, Inc., Santa Clara, CA, USA)であり、これは本明細書に取り込まれている。
【0104】
ナノ分散剤の設計のために有用なモノマーは、典型的には4つ、疎水性、中性親水性、カチオン性及びアニオン性のカテゴリーに分けられる。これらのカテゴリーは、更なる性質により更に下位に分類され得る。例えば、疎水性モノマーは、π−スタッキング(π−stacking)能、大きい立体構造等を与えるモノマーに下位分類され得る。ここで、又どこかで(参照、例えばPCT/US00/00418)に記載されているように、ナノ分散剤アレイ用のモノマーは、典型的には平行重合により作製される。アレイ中のナノ分散剤は、所望の材料が、例えば高速クロマトグラフィ技術(参照、例えばPCT/US99/07304)を用いて当該技術分野で公知の方法で作製される(例えば、ナノ分散剤のランダム選択を試験することにより、又はスポット試験又はより完全な試験により)か否かについて決定するために選別される。ポリマー分散剤のアレイは、ここに議論されている異なる方法(ルート)を用いるナノ分散アレイを形成するために1回以上使用しても良い。いくつかの態様では、分散剤の量は、ナノ分散剤アレイのいくつかの作製に使用するには充分多く、その作製は、例えば分散剤アレイを数個の基体(例えば、溜めを有するマイクロ滴定プレート)の中又は上に生じさせる(daughtering)ことによりなされる。ナノ分散のアレイ又はライブラリーの作製は、前記詳細に議論した、固溶体調製法、一般沈殿調製法及び反応性沈殿調製法を含む方法(ルート)の一つにより進められる。
【0105】
その後、ナノ分散のアレイは興味の対象である性質について「選別」される。ここに使用されているように、「選別」は、興味ある性質又は化合物が存在するか否かを決定するために材料のライブラリーの1個以上のメンバーについて行われる試験である。選別は、単純で、最小の情報又はデータを提供するに過ぎないか、或いはより複雑で、複雑な情報又はデータ提供するかもしれない。一般に、選別は、提供される情報の種類及び量に依存するようなレベルまで分割される。第1のレベルは最も速い又は最も高い処理量の選別レベルである1次選別である。高速の必要から、1次選別は、アレイの作製方法に合ったペースでアレイを選別することができるようにすべきである。換言すれば、1次選別は、1日で配合されたナノ分散アレイを1日で分散することができるようにべきであり、その際配合速度は、選別に合うように調節され、及び/又はその逆もなされる。この発明に関連して、1次選別は、アレイのメンバーの少なくとの1個の性質又は化合物を試験及び決定する。ここで、1次選別は、平行目視選別、平行光学選別又は高処理量クロマトグラフィであり、目視選別又は光学選別が好ましい。
【0106】
次のレベルは、1次選別を合格したアレイメンバーに対してのより多くの情報を得るために試験をする2次選別である。いくつかの態様において、2次選別には、1次選別を合格する大量のナノ分散の作製が必要であろう、また他の態様では、2次選別は、1次選別を合格したアレイのメンバーから創成されたアレイについて行われる(例、前のライブラリーのメンバーからのみ構成されたアレイ)。典型的な2次選別は、1次選別より少ないサンプルで実施されるので、2次選別は、1次選別より一般に長くかかるかもしれないが、付加的データを得ることができる。従って、2次選別は、ここで議論される同じ選別リストから選択することができるが、安定性試験、融点試験(例、示差走査熱量測定法)、pH試験、クロマトグラフィ(例、サイズ排除クロマトグラフィ)、分光器(例、UV−VIS吸収)、平均粒径測定用動的光散乱、例えばFOQELS及びFODLS(Fiber Optic Dynamic Light Scattering)、又は物質の組成を決定する他の試験、又はナノ分散技術において当業者に公知の他の試験を含んでも良い。
【0107】
例えば、安定性選別は、1回目及び場合により2回目においてナノ分散アレイメンバーの安定性を観察し、ナノ分散安定性を決定することにより行うことができる。一般に、安定性は、分散相のサイズの試験(例、光散乱により)又はナノ分散組成の試験(例、クロマトグラフィにより)又は目視で決定し、ナノ分散が形成されたか否かを観察する。第1回目は、ナノ分散形成の期間の近くであり、2分〜48時間の範囲で、24時間未満が好ましい。第1回目の安定性は、典型的な1次選別であるかもしれない;例えばナノ分散が本当に形成されたか否かが決定する。安定性決定の第2回目は、ナノ分散形成時期から約24時間から、形成時期から1、2、3又は4週間の範囲にある得る。これにより、より長期の安定性試験が得られる。ナノ分散のエージングは、配合物を熱循環し、剪断し、振とうし又は撹拌することにより達成することができる。熱循環が好ましく、その際循環は室温〜75℃、好ましくは少なくとも約40℃で行われる。
【0108】
第1回及び第2回の選別後、選別からの最も望ましい結果を有すると示された組成範囲から絞られたアレイが作製される。さらに、同一の組成のバラの(大量の)サンプルが、スケールアップ、構造及び/又は組成比較のために従来法に従い製造された。従って、当該技術者が、本発明の方法を組合せ材料科学検索プログラムに如何に利用するかが分かるであろう。
【0109】
e)リード構造のデータ調査
ナノ微粒分散配合物のアレイの作製及び特性評価のための工程a)〜d)に続いて、ナノ分散剤及び配合物−加工−性質−関係のリード構造(lead structure)のデータ調査を行う。多数の配合表、製造条件から始めて、このような配合物−加工−性質−関係の安定化特性評価は、多数の手順、例えばファジー理論又はニューロンネットワー等により形成され得る。これにより、パラメータスペースのプロミシング領域におけるより高いレベルの選別(次のループ)が可能となる(例、モノマーの組成の変化、又は作製条件(即ち、注入温度)の少しの変化によって、より少ない工程を用いるモノマーの3元組成ダイアグラムの更に詳細な調査、)。このより高いレベルの選別ループは、安定性がより良化する限り、改善していくことができる。
【0110】
前記なの微粒分散配合物の分散粒子の、流体力学半径で示された平均粒径は、通常10nm〜5μm、好ましくは10〜500nm、更に好ましくは20〜50nmである。平均粒径は、光散乱法、好ましくはFiber Optic DLS(FODLS)により測定することができた。このため、前記分散配合物のサンプルは、適当なキャリア水溶液中で、約0.005%まで希薄化した。平均粒径は2次キュミュラント(cumulant)分析により決定され、流体力学半径(r)で示される。
【0111】
本発明の別の態様は、基体上に既知の位置の少なくとも8個のナノ微粒分散配合物のアレイであり、且つ前記ナノ微粒分散配合物は、
少なくとも1種のナノ分散剤、
少なくとも1種の使用媒体、及び
活性成分
(但し、活性成分が各ナノ微粒分散配合物において同一である)を含んでいる。
【0112】
上記少なくとも1種のナノ分散剤、上記少なくとも1種の使用媒体、及び上記活性成分は既に前に定義した。アレイは少なくとも48、更に好ましくは少なくとも64、最も好ましくは8の異なるナノ微粒分散配合物を有する。
【0113】
上記ナノ微粒分散配合物は、極めて特異な優位性、例えば彩色性、レオロジー性、生物学的利用能、非線形光学特性及び他の性質のために、重要である。
【0114】
本発明の他の態様は、平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイの作製方法であって、且つ下記の工程:
少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の溶媒、及び使用された重合方法に好適な任意の他の成分(例、開始剤、触媒、誘発剤、変性剤)を、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
次いで又は同時に、上記モノマーと他の有用な成分を反応させ、m個の異なるナノ分散剤を形成させる工程
(但し、上記工程において、上記モノマー又は使用される他の有用な成分、上記モノマー又は他の有用な成分の濃度、使用される溶媒、温度、反応時間から構成される群より選ばれた少なくとも1個のパラメータが、m個のナノ分散剤のそれぞれにおいて異なっており、そしてk≧mの条件下で、k及びmは相互に独立して少なくとも2である)
を含む方法である。
【0115】
モノマー、溶媒、使用される重合方法に好適な他の成分、及び重合方法は既に前述している。
【0116】
前記ナノ分散剤は、前述のn個のナノ微粒分散配合物のアレイの作製方法の工程c)及びd)を含むn個のナノ微粒分散配合物のアレイの作製方法に使用することができる。
【0117】
ナノ分散剤のアレイの作製方法によって、新規で有効なナノ分散剤を短期の開発期間で発見することができる。
【0118】
この方法は、基体上の既知の位置に少なくとも8個の異なるナノ分散剤のアレイであって、前記ナノ分散剤が少なくとも2個のモノマーA及びBの重合により合成され、且つそのモノマーの一方が疎水性モノマーで、他方のモノマーが親水性モノマーであるアレイを提供する。
【0119】
好適なモノマー及び重合方法は既にa)で述べている。
【0120】
本発明の他の態様は、平行に行われる固溶体調製法によりn個の固溶体のアレイの作製方法であって、且つ下記の工程:
前記ナノ分散剤の少なくとも1種及び活性成分の溶液を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
前記少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分のn個の固溶体を形成する工程(但し、上記工程において、上記活性成分がn個の各固溶体において同一であり、そしてk≧nの条件下で、k及びnは相互に独立して少なくとも2である)
を含んでいる。
【0121】
前記成分を前記基体の合成領域に給送し、そして固溶体を形成する工程は既に前述している。
【0122】
固溶体のアレイの作製方法は、基体上の既知の位置に少なくとも8個の異なる固溶体のアレイであり、且つ
前記固溶体が、下記の成分:
少なくとも1種のナノ分散剤、及び
活性成分
を含み、且つ上記活性成分が各固溶体において同一であるアレイを提供する。
【0123】
前記少なくとも1種のナノ分散剤及び前記活性成分は既に前述している。
【0124】
本発明は、新規で有効なナノ分散剤及び新規な分散配合物を極めて短期間に発見する方法を提供するものである。
【0125】
【実施例】
1.ランダムラジカル(コ)ポリマー
(コ)ポリマー分散剤(ナノ分散剤)の2態様が、下記に示されている(ライブラリー1及び2)。
【0126】
ライブラリー1は、スチレン(S)/アクリル酸(AA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)を含む(コ)ポリマーである。組成物のパラメータスペースは100%までの各モノマーを包含する。それは下記の組成構成を有するように設計された。
【0127】
【表1】
Figure 2004506524
【0128】
これらの(コ)ポリマーは、ポリスチレン標準に比較した場合、下記の分子量を有することを見出した。(コ)ポリマーは、その5.0mg/mlを、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含むジメチルホルムアミド(DMF)(DMF−0.1%TFA)に溶解した。蒸発光散乱検出器を備えた加速GPCプロトコル(8分/サンプル)を用いることにより、下記のポリスチレン当量値のMw(重量平均分子量)を見出した:
【0129】
【表2】
Figure 2004506524
【0130】
組成及び転化率は、H−NMRを用いて確認した。組成のスポット確認は、ライブラリー全てについて行った。以下の残留モノマーを見出した(質量%モノマー/質量%合計ポリマー×100):
【0131】
【表3】
Figure 2004506524
【0132】
ライブラリー2は、別の(コ)ポリマー分散剤(ナノ分散剤)の態様であり、及びスチレン(S)/アクリル酸(AA)/4−ビニルピリジン(4−VP)の完全3元組成スペースを含む(コ)ポリマーである。それは下記の組成構成を有すように設計した:
【0133】
【表4】
Figure 2004506524
【0134】
これらの(コ)ポリマーは、ポリスチレン標準に比較した場合、下記の分子量を有することを見出した。(コ)ポリマーは、その5.0mg/mlを、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含むジメチルホルムアミド(DMF)(DMF−0.1%TFA)に溶解した。蒸発光散乱検出器を備えた加速GPCプロトコル(8分/サンプル)を用いることにより、下記のポリスチレン当量値のMw(重量平均分子量)を見出した:
【0135】
【表5】
Figure 2004506524
【0136】
組成及び転化率は、H−NMRを用いて確認した。組成のスポット確認は、ライブラリー全てについて行った。以下の残留モノマーを見出した(質量%モノマー/質量%合計ポリマー×100):
【0137】
【表6】
Figure 2004506524
【0138】
(コ)ポリマー合成
好ましい合成態様において、(コ)ポリマー合成を、1mlのガラスバイアル中でアルゴン環境下に行った。96バイアルの反応ブロックを、室温で、モノマー、溶媒及び開始剤でロボット化して(自動的に)充填した。
【0139】
反応溶液の全容量: 70μl
添加モノマーの量: 10質量%
使用溶媒: ジメチルホルムアミド(DMF)
使用開始剤及び添加量: アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、合計モ
ノマーに対して2.0モル%
【0140】
充填後、反応ブロックを密封し、磁気撹拌棒で撹拌しながら60〜80℃(好ましくは70℃)に加熱した。そうでない場合の態様では、並列濃縮マントルを反応器ブロックの頂上に置き、これにより反応を環境圧力で行うことができる。反応を4〜8時間(好ましくは6時間)行い、その後それを環境温度まで冷却した。
【0141】
2.分散配合物及び配合方法
式Iの染料基質(Palanil(C) Brilliantrot BEL)の分散物を、作製した(コ)ポリマー(ナノ分散剤)の固溶体及び式Iの染料基質(活性成分)を分散することにより形成した。
【0142】
【化5】
Figure 2004506524
固溶体の形成
典型的に、固溶体をスプレー乾燥法により形成した。本発明の実施例に開示された方法の態様では、並列の固溶体のアレイを、ガラスバイアル中で(コ)ポリマー(ナノ分散剤)及び染料基質(活性成分)の溶液を乾燥することにより形成し、(コ)ポリマー(ナノ分散剤)及び染料基質(活性成分)の綿密に混合された溶液の薄層を形成した。固溶体を形成する好ましい方法は、それぞれ興味の対象の染料:(コ)ポリマー比のために、(コ)ポリマー及びDMF中の染料基質の両方の在庫溶液を作製することを含んでいる。在庫溶液は、ベンチトップ超音波ミキサーを用いて5分間撹拌し、各配合物の500μl分散物のための所望の量の合計固体を得るために、各溶液の適当量をガラスバイアルに投与(分配)した。その後、バイアルのプレートを、並列スピン−バク(spin−vac)乾燥機内に置いた。これらを、1.0トール、穏やかな加熱(最初の15分間を40℃)で、2〜14時間(好ましくは8時間)乾燥した。乾燥後、バイアルに、(コ)ポリマー(ナノ分散剤)及び式Iの染料基質(Palanil(C) Brilliantrot BEL)が綿密に混合されたフィルムを形成した。
【0143】
使用媒体を固溶体のアレイの各溜めに添加し、これにより配合物を各アレイ素子から創成した。更に、残留モノマーを選択された溜めのみについて測定した。これはNMRを用いたためである。下記に、代表的な配合物を記載する。
【0144】
安定なナノ微粒分散配合物
配合1:
(コ)ポリマー: ライブラリー1、溜めC5(S/AA/DMAEM=50/
32/18モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/12/02(S/AA/DMAEM
質量%)
水系: pH=9の500μl緩衝溶液(ホウ酸0.05M及び塩化カリウム0
.05M)
合計固体含有量: 0.1質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 20質量%
【0145】
配合2:
(コ)ポリマー: ライブラリー1、溜めC8(S/AA/DMAEM=50/
18/32モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/07/04(S/AA/DMAEM
質量%)
水系: 500μlの純水
合計固体含有量: 5.0質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 10質量%
【0146】
配合3:
(コ)ポリマー: ライブラリー1、溜めD9(S/AA/DMAEM=30/
17/53モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/04/03(S/AA/DMAEM
質量%)
水系: 500μlの純水
合計固体含有量: 5.0質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 10質量%
【0147】
配合4:
(コ)ポリマー: ライブラリー2、溜めD8(S/AA/4−VP=35/2
3/42モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/06/02(S/AA/4−VP質
量%)
水系: pH=9の500μl緩衝溶液(ホウ酸0.05M及び塩化カリウム0
.05M)
合計固体含有量: 0.5質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 30質量%
【0148】
配合5:
(コ)ポリマー: ライブラリー2、溜めD9(S/AA/4−VP=30/1
7/53モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/07/03(S/AA/4−VP質
量%)
水系: pH=9の500μl緩衝溶液(ホウ酸0.05M及び塩化カリウム0
.05M)
合計固体含有量: 0.5質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 40質量%
【0149】
配合6:
(コ)ポリマー: ライブラリー2、溜めE9(S/AA/4−VP=20/2
0/60モル%)
H−NMRによる残留モノマー: 00/07/02(S/AA/4−VP質
量%)
水系: pH=9の500μl緩衝溶液(ホウ酸0.05M及び塩化カリウム0
.05M)
合計固体含有量: 0.5質量%固体
染料の質量/合計固体質量: 40質量%
【0150】
多くの他の配合物を、3元(コ)ポリマー、pH5〜9の緩衝条件〜非緩衝条件、0.1〜5.0質量%の固体含有量及び1〜40質量%の基質充填(染料の質量/合計固体質量)の全組成スペースを用いて作製した。
【0151】
分散配合工程
分散配合工程の好適態様では、並列ピペッターを、500μlの適当な水溶液を染料/(コ)ポリマー固溶体を含むバイアルに分配するために使用した。穏やかな撹拌を、バイアルから流体を繰り返し吸引し及び分配することにより行った。更なる低エネルギー撹拌を小型のベンチ−トップ超音波ミキサーを用いて行った。これに代わる態様において、50℃で20〜60分間分散物を加熱した後に、バイアルから流体を繰り返し吸引し及び分配するために並列ピペッターを用いて撹拌を与えた。
【0152】
3.安定性試験
サンプルを、ナノ分散の形成後、12時間〜2週間の間、分散した活性成分の量及び分散粒子の平均粒径について選別した。熟成工程(オストワルド熟成、結晶化、凝集、フロキュレーション、化学的攻撃又は他の不安定化工程)の加速のために、サンプルを加熱下に循環した。熟成工程の好ましい態様において、サンプルを少なくとも2回、50℃で1時間加熱し、4時間で環境温度まで冷却した。その後、サンプルを、熟成工程のために妨害されないようにセットし、不安定な粒子をバイアルの底部に沈殿させる。
【0153】
4.分散特性
配合物1〜6は、分散に続いて肉眼で見える沈殿は示さなかったし、熱サイクル後及び1日熟成工程後も示さなかった。サンプルの分光器測定はバイアルの頭部及び底部から採取されたサンプルが、約λ=550nmの波長で大きな最大吸収を示し、そしてバイアルの頭部で採取されたサンプルと底部から採取されたサンプルの測定された吸収の間の偏差が10%未満である。選別の好ましい態様において、サンプルは適当な水溶性媒体で0.05質量%に希薄化された。
【0154】
5.平均粒径(Fiber Optic DLS測定による)
平均粒径は、ファイバー光学弾性光散乱装置で測定された。サンプルは、適当なキャリヤー水溶液で約0.005質量%に希薄化された。粒径及びPDI(多分散インデックス)値を、2次キュウミュラント分析により測定し、流体力学半径(r)で示している。以下の表では、粒径結果及び各配合物の2個の独立分散系からのPDI値を示す:
【0155】
【表7】
Figure 2004506524

Claims (30)

  1. それぞれが下記の成分:
    少なくとも1種のナノ分散剤、
    少なくとも1種の使用媒体、
    活性成分
    を含むn個のナノ微粒分散配合物のアレイの作製方法であって、
    下記の工程:
    c)
    c1)平行に行われる固溶体調製法、又は
    c2)一般の平行に行われる沈殿調製法、又は
    c3)平行に行われる反応性沈殿調製法
    により前記n個のナノ微粒分散配合物のアレイを作製する工程、
    d)得られたn個のナノ微粒分散配合物の特性値を、高速逐次又は半平行により、平行に求める工程、
    (但し、上記工程において、上記活性成分がn個のナノ微粒分散配合物において同一であり、
    nが少なくとも2であり、そして使用される成分、成分の濃度、温度、反応時間、pH−値、他の有用な成分及び必要により使用される溶媒から成る群から選択される少なくとも1個のパラメータがn個のナノ微粒分散配合物のそれぞれにおいて異なっている)
    を含む方法。
  2. 更に、工程c)の前に、下記の工程:
    a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法(但し、mがnから独立して少なくとも2を表す)
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 更に、工程c)の前に、下記の工程:
    a)少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法によりm個のナノ分散剤のアレイを作製する方法(但し、mがnから独立して少なくとも2を表す)、及び
    b)上記ナノ分散剤の特性値を求める工程
    を含む請求項1に記載の方法。
  4. 上記使用媒体が水系である請求項1に記載の方法。
  5. 工程a)の重合方法が、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、重縮合、重付加、ポリマー類似反応、リビングラジカル重合、均一系触媒反応、開環重合から成る群から選択される溶液又は塊状重合反応である請求項2に記載の方法。
  6. 工程a)の平行重合方法によるナノ分散剤のアレイの作製方法が、溶媒中で行われ、且つ下記の工程:
    a1)少なくとも2種のモノマーA及びB、少なくとも1種の溶媒及び使用される重合方法に好適な任意の他の成分を、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程
    a2)次いで又は同時に、上記モノマーと任意の他の有用な成分を反応させ、m個の異なるナノ分散剤を形成させる工程、
    a3)任意の後回しにされた他の成分を各合成領域に給送する工程
    (但し、上記工程において、使用されたモノマー又は他の成分、モノマー又は他の成分の濃度、使用された溶媒、温度及び反応時間からなる群から選ばれた少なくとも1個のパラメータが、m個のナノ分散剤のそれぞれにおいて異なり、そしてk≧mの条件下で、kはmから独立して少なくとも2である)
    を含む請求項2に記載の方法。
  7. 上記基体上の物理的に分離された合成領域が、ミクロ滴定プレート反応器上の溜め、又は並列反応器のバイアルである請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも2種のモノマーA及びB、溶媒及び使用された重合方法に好適な任意の他の成分を、ピペットから自動及び/又は並列の給送により基体上の合成領域に給送する請求項6に記載の方法。
  9. ナノ分散剤が、高速ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により工程b)において、その特性値を与えられる請求項3に記載の方法。
  10. 工程c1)の平行に行われる固溶体調製法が、下記の工程:
    c11)少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分を、n個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
    c12)少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分のn個の固溶体を形成させる工程、
    c13)少なくとも1種の使用媒体を基体上のk個の物理的に分離された合成領域に分配する工程
    (但し、上記工程において、k≧nの条件下で、kはnから独立して少なくとも2である)
    を含む請求項1に記載の方法。
  11. 上記基体上の物理的に分離された合成領域が、ミクロ滴定プレート反応器上の溜め、又は並列反応器のバイアルである請求項10に記載の方法。
  12. 上記固溶体が、スプレー乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、又は環境圧力でサンプル全体に乾燥温風を循環させる等の他の乾燥技術によって形成される請求項10に記載の方法。
  13. 少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分を、ピペットから自動及び/又は並列の給送により基体上の合成領域に給送する請求項10に記載の方法。
  14. 工程c2)の一般の平行に行われる沈殿調製法が、下記の工程:
    c21)上記使用媒体の少なくとも1種の第1の溶液、及び活性成分の第2の溶液(第1及び/又は第2の溶液は更に少なくとも1種のナノ分散剤を含んでいる)を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程
    (但し、上記工程において、上記溶液の溶媒が混和性であり、且つ得られた溶媒の混合物として、活性成分の飽和濃度を超えて、n個の異なるナノ微粒分散配合物を形成するように、混和され且つ選択され、そしてk≧nの条件下で、kはnから独立して少なくとも2である)
    を含む請求項1に記載の方法。
  15. 上記基体上の物理的に分離された合成領域が、ミクロ滴定プレート反応器上の溜め、又は並列反応器のバイアルである請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分を、ピペットから自動及び/又は並列の給送により基体上の合成領域に給送する請求項14に記載の方法。
  17. 工程c3)の平行に行われる反応性沈殿調製法が、下記の工程:
    c31)前記活性成分の1種以上の反応性前駆体の溶液及び前記少なくとも1種のナノ分散剤の溶液を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
    c32)上記1種以上の前駆体を反応させて、少なくとも1種のナノ分散剤によって安定化された前記活性成分を得て、n個の異なるナノ微粒分散配合物を形成する工程
    を含む請求項1に記載の方法。
  18. 前記基体上の物理的に分離された合成領域が、ミクロ滴定プレート反応器上の溜め、又は並列反応器のバイアルである請求項17に記載の方法。
  19. 少なくとも1種のナノ分散剤及び活性成分を、ピペットから自動及び/又は並列の給送により基体上の合成領域に給送する請求項17に記載の方法。
  20. 前記得られたn個のナノ微粒分散配合物(工程d)の平行に行われる特性値評価が、ナノ微粒分散配合物の目視検査、選択された波長での光透過率の平行測定、及び高速平行又は逐次の擬弾性光散乱から選択される光学的方法である請求項1に記載の方法。
  21. 基体の既知の位置にある少なくとも8個の異なるナノ微粒分散配合物のアレイであって、
    上記ナノ微粒分散配合物が下記の成分:
    少なくとも1種のナノ分散剤、
    少なくとも1種の使用媒体、及び
    活性成分
    を含み、上記活性成分が各ナノ微粒分散配合物において同一であるアレイ。
  22. 前記使用媒体が水系である請求項21に記載のアレイ。
  23. 前記分散配合物の分散粒子の、流体力学半径で得られる平均粒径が、10nm〜5μm、好ましくは10〜500nm、特に20〜50nmである請求項21に記載のアレイ。
  24. 平行重合方法によるm個のナノ分散剤のアレイの作製方法であって、
    少なくとも2種のモノマーA及びB、任意の溶剤及び使用された重合方法に好適な任意の他の有用成分を、m個の異なるナノ分散剤のためのk個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
    次いで又は同時に、上記モノマーと他の有用成分を反応させ、m個の異なるナノ分散剤を形成させる工程
    (但し、上記工程において、上記モノマー又は使用される他の有用な成分、上記モノマー又は他の有用な成分の濃度、使用される溶媒、温度、反応時間から構成される群より選ばれた少なくとも1個のパラメータが、m個のナノ分散剤のそれぞれにおいて異なっており、そしてk≧mの条件下で、k及びmは相互に独立して少なくとも2である)
    を含む方法。
  25. 基体の既知の位置にある少なくとも8個の異なるナノ微粒分散剤のアレイであって、
    上記ナノ微粒分散剤が少なくとも2種のモノマーA及びBの重合により合成され、上記モノマーの一方が親水性モノマーであり、他方のモノマーが疎水性モノマーであるアレイ。
  26. 平行に行われる固溶体調製法によりn個の固溶体のアレイを作製する方法であって、下記の工程:
    少なくとも1種の上記ナノ分散剤及び活性成分の溶液を、k個の物理的に分離された合成領域を有する基体上の各合成領域に給送する工程、
    上記ナノ分散剤及び活性成分のn個の固溶体を形成する工程
    (但し、上記工程において、上記活性成分がn個の各固溶体において同一であり、そしてk≧nの条件下で、k及びnは相互に独立して少なくとも2である)
    を含む方法。
  27. 上記固溶体が、スプレー乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、又は環境圧力でサンプル全体に乾燥温風を循環させる等の他の乾燥技術によって形成される請求項26に記載の方法。
  28. 基体の既知の位置にある少なくとも8個の異なる固溶体のアレイであって、
    上記固溶体が、下記の成分:
    少なくとも1種のナノ分散剤、及び
    活性成分
    を含み、且つ上記活性成分が各固溶体において同一であるアレイ。
  29. 1日当たり100〜100000個、好ましくは1000〜100000個、更に好ましくは10000〜100000個のナノ微粒分散配合物を製造する方法であって、該配合物のそれぞれが下記の成分:
    少なくとも1種のナノ分散剤、
    少なくとも1種の使用媒体、
    活性成分
    を含み、且つ活性成分が、ナノ微粒分散配合物において同一である方法。
  30. 少なくとも2種のモノマーA及びBの平行重合方法により、1日当たり100〜100000個、好ましくは1000〜100000個、更に好ましくは10000〜100000個のナノ微粒分散配合物を製造する方法。
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