JP2004506020A - 経口投与固形ワクチン - Google Patents
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Abstract
本発明は、経口投与に適した新規ワクチン製剤に関する。該ワクチン製剤は、抗原及び適当な賦形剤を含む固形形態であり、口中に挿入後、速やかに唾液中に溶解してワクチンを口中に放出する。特に、該固形形態は昇華、好ましくは凍結乾燥による昇華により、溶液や懸濁液から形成されるワクチンのケークから構成されうる。好ましいワクチンは、一般に粘膜を通して宿主に感染又は侵入する病原体である抗原、又は該病原体に由来する抗原を含むもの、あるいはさらに制酸剤を含むものである。特に好ましいワクチンは、2種以上の抗原を含む配合ワクチンであり、該抗原が2種以上の病原体に由来することがより好ましい。
Description
【0001】
本発明は、経口投与に適した新規ワクチン製剤に関する。該ワクチン製剤は、抗原や適当な賦形剤を含む固形形態であって、口中に入れるとすみやかに唾液に溶解して、口中にワクチンを放出する。特に、該固形形態は、溶液又は懸濁液の昇華、好ましくは凍結乾燥による昇華により形成されるワクチンのケーク(固まり)から構成されうる。好ましいワクチンは、通常粘膜を通して宿主に感染又は侵入する病原体である抗原、又は該病原体に由来する抗原を含むもの、あるいはさらに制酸剤を含むものである。特に好ましいワクチンは2種以上の抗原を含む配合ワクチンであり、より好ましくは該抗原が2種以上の病原体に由来しているものである。
【0002】
粘膜からのワクチン接種は近年研究者から多大な注目を得ており、投与経路の選択は粘膜接種の最も研究されている領域にあった。例えば、ワクチンは一般に経鼻又は経口ルートで投与されてきた(Mestecky, J. 1987, Journal of Clinical Immunology, 7, 265−276)。経口でのワクチン接種に関する、主な関心の一つは、胃酸による抗原の分解をいかに防ぐかということである。すなわち、一般に経口ワクチンは胃酸を中和するための制酸剤を多量に含む液体ワクチン製剤か、その代わりに被包により抗原を守るミクロスフェアのような基剤を含む。液体生弱毒化ウィルスワクチンは、何年もの間、経口的に投与されてきた。例えば、ドロップ形態で小児に投与されるポリオウィルスワクチンが挙げられる。
【0003】
ワクチン接種のこれらの形態の全てにおいて、液体の口中への投与が問題に関連している。例えば、乳児の口中に液体を投与する場合、特にワクチンの味が不快なとき、しばしば問題となる。同様に、ワクチンを含む錠剤やゼラチンカプセルの乳児や成人への投与も困難なことがある。これらの投与形態の全てにおいて、ワクチンが吐き出されたり、錠剤が飲み込まれなかったりする可能性がある。したがって、経口ワクチン送達の別な形態を開発する必要がある。
【0004】
本発明は、経口ワクチン接種は、口中への挿入後すぐに唾液に溶解する固形ワクチン製剤によって可能になるという知見に基づく。好ましくは、完全な溶解前の時間は、唾液中へのワクチンの分散前に固形製剤が飲み込まれたり、吐き出されたりしないようなものである。
【0005】
本発明の固形ワクチン形態は、“ケーク”と呼ばれる多孔性固形形態で、口中又は舌下に入れて置けるだけ十分に小さい。本発明のワクチンケークは、ワクチンの溶液又は懸濁液から昇華によって形成され、本発明の好ましい態様において、昇華は凍結乾燥によって達成される。この瞬間的な溶解はワクチン接種を受けた人がケークを吐き出して拒絶したり、溶解していないケークを飲み込める前に起こることが好ましい。好ましくは、ケークの溶解時間は10秒未満、より好ましくは5秒未満、さらに好ましくは2秒未満、最も好ましくは1秒未満である。
【0006】
本発明の別の態様において、経口ワクチン即時溶解性ケークは制酸剤を含む。該制酸剤は唾液中に溶解し、飲み込まれたとき、胃内のpHを高めてワクチン抗原が実質的に胃で分解されないようにしうる。最も好ましくは、該制酸剤は水不溶性で、アジュバントとしても作用し、さらに抗原が不溶性の制酸剤/アジュバントの表面に吸着されると、該抗原が胃酸から保護されることがより好ましい。
【0007】
GB1548022AとGB2111423Bには、即時溶解性ピル形態である、固形薬物投与形態が記載されている。US5,039,540; US4,946,684; US5,976,577; WO99/02140には凍結乾燥によって製造された即時溶解性薬物投与形態が記載されている。Seagerも、J. Pharm. Pharmacol., 1998, 50: 375−382で、そのような投与形態の1つを記載している。
【0008】
WO00/00218には、口中や他の粘膜組織で、強い局所免疫応答を引き起こすワクチンの1つの投与経路として、口が記載されている。これらの製剤はワクチンを口中に保持するか頬の粘膜を擦りむいて、いずれも頬の粘膜を通した抗原の取り込みを増強させるように設計された吸収性賦形剤を含むことが好ましい。
【0009】
本発明の即時溶解性ケークは、液体ワクチン製剤の昇華によって形成される。周囲温度昇華も本発明の範囲内に含まれるが、一般にこのプロセスは凍結乾燥により達成される。本発明のワクチンケークは、液体形態でワクチンを調製した後、該液体を個々の投薬形態に等分し、該液体を昇華により取り除くことによって製造される。液体を除去しても実質的に投薬形態の体積は減らず、口中で唾液に広い表面積を曝す極めて多孔質なケークを与える。その中に被包された抗原は唾液中に溶解した後で飲み込まれるため、口もしくは咽頭(pharangeal)、又は腸管の粘膜免疫組織に取り込まれて免疫応答を刺激する。
【0010】
ワクチンケークの処方は、GB1548022A; GB 2111423B; US 5,039,540; US 4,946,684; US 5,976,577; WO 99/02140; 又は Seager, J. Pharm.Pharmacol., 1998, 50: 375−382に記載されるもののいずれであってもよいが、それらを包含するものであってもよい。該ケークは好ましくは凍結乾燥されたものであり、ワクチンの粘稠な溶液を形成し、次いでこれを個別の投与形態に分ける(その後、従来の凍結乾燥を行う)技術によって製造されうる;あるいは、より好ましくは、液体ワクチン製剤を個々のウェルに入れ、凍結乾燥により昇華させてもよい。凍結乾燥後、水が除かれ、即時溶解性ワクチンケークがウェル内に残るが、このケークはウェルから取り出してもよいし、ウェル内で密封してブリスターパックにしてもよい。
【0011】
凍結乾燥技術、及び他の適切な賦形剤の詳細は、キャメロンらの“好適な薬物フリーズドライ実習”インターファーム、バッファロー グルーブ(1997)を参照することができる。
【0012】
本発明の組成物は、多種の起源に由来する抗原を含むワクチンを製造するために使用されることが予測できる。例えば、抗原としてはヒト、細菌、又はウィルス核酸、病原体由来の抗原又は抗原性調製物、腫瘍由来抗原又は抗原性調製物、GnRH及びIgEペプチドを含む宿主由来抗原、組換え技術によって製造されたタンパク又はペプチド、及びキメラ融合タンパクが挙げられる。
【0013】
好ましくは、本発明のワクチン製剤は、ヒトの病原体に対して免疫応答を誘起しうる抗原又は抗原性組成物を含み、該抗原又は抗原性組成物としては、HIV−1(例えば、tat、nef、gp120又はgp160)、gDのようなヒトヘルペスウィルス由来抗原又はその誘導体、あるいはHSV1又はHSV2由来のICP27のようなイミーディートアーリープロテイン(Immediate Early Proteins)、サイトメガロウィルス((特にヒト)(例えば、gB又はその誘導体)、エプスタイン−バーウィルス(例えば、gp350又はその誘導体)、水痘−帯状疱疹ウィルス(例えば、gpI、II及びIE63)、又はB型肝炎ウィルスのような肝炎ウィルス(例えば、B型肝炎表面抗原又はその誘導体)、A型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス及びE型肝炎ウィルス、又はパラミクソウィルスのような他のウィルス性病原体由来の抗原:RSウィルス(F及びGタンパク又はその誘導体)、パラインフルエンザウィルス、麻疹ウィルス、流行性耳下腺炎ウィルス、ヒトパピローマウィルス(例えば、HPV6、11、16、18)フラビウィルス(例えば、黄熱病ウィルス、デング熱ウィルス、ダニ媒介脳炎ウィルス、日本脳炎ウィルス)、又はインフルエンザウィルス(完全生ウィルス又は不活性化ウィルス、分離インフルエンザウィルス、卵もしくはMDCK細胞、又はベロ細胞もしくは完全インフルエンザバイロソーム(例えば、R. Gluck, Vaccine, 1992, 10, 915−920に記載))、あるいはその精製もしくは組換えタンパク(例えば、HA、NP、NA又はMタンパク又はそれらの組み合わせ)、N. gonorrhea and N. meningitidisを含むナイセリア属(例えば、被膜多糖及びその複合体、トランスフェリン結合タンパク、ラクトフェリン結合タンパク、PilC、粘着因子);S. pyogenes (例えば、Mタンパク又はそのフラグメント、C5Aプロテアーゼ、リポテイコ酸)、S. agalactiae、S. mutans; H. ducreyi; カタル球菌(例えば、高分子及び低分子の粘着因子やインベーシン)としても知られているM catarrhalisなどのモラクセラ属; B. pertussis(例えば、パータクチン(pertactin)、百日咳毒、又はそれらの誘導体、糸状血球凝集素、アデニルサイクラーゼ、繊毛)、B. parapertussis 及び B. bronchisepticaなどのボルデテラ属; M. tuberculosis (例えば、 ESAT6、85A、−B又はC抗原)、M. bovis, M. leprae、M. avium、M. paratuberculosis、M. smegmatisなどのマイコバクテリウム属; L. pneumophilaなどのレジオネラ属; 腸毒素大腸菌(例えば、コロニー化因子、熱不安定性毒素、又はそれらの誘導体、熱安定性毒素又はその誘導体)腸出血性大腸菌、腸病原性大腸菌(例えば、志賀毒素様毒素又はその誘導体)などのエシェリキア属; V. cholera (例えば、コレラ毒素又はその誘導体)などのビブリオ属; S. sonnei、S. dysenteriae、S. flexneriiなどのシゲラ属; Y. enterocolitica (例えば Yop タンパク)、Y. pestis、Y. pseudotuberculosisなどのエルジニア属; C. jejuni (例えば、毒素、粘着因子、インベーシン)及び C. coliなどのカンピロバクター属; S. typhi、S. paratyphi、S. choleraesuis、S. enteritidisなどのサルモネラ属; L. monocytogenesなどのリステリア属; H. pylori(例えばウレアーゼ、カタラーゼ、空胞形成(vacuolating)毒素)などのヘリコバクター属; P. aeruginosaなどのシュードモナス属; S. aureus、S. epidermidisなどのスタフィロコカッカス属; E. faecalis、E. faeciumなどのエンテロコッカス属; C. tetani (例えば、テタヌス毒素、及びその誘導体)、C. botulinum (例えば、ボツリヌス毒素及びその誘導体)、C. difficile (例えば、 クロストリジウム毒素A又はB、及びその誘導体)などのクロストリジウム属; B. anthracis (例えば、ボツリヌス毒素及びその誘導体)などのバチルス属; C. diphtheriae (例えば、ジフテリア毒素及びその誘導体)などのコリネバクテリウム属; B. burgdorferi (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. garinii (例えば、 OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. afzelii (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. andersonii (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. hermsiiなどのボレリア属; E. equi 及びヒト顆粒球エールリヒア症因子などのエールリヒア属; R. rickettsiiなどのリケッチア属; C. trachomatis (例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク)、C. pneumoniae (例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク)、C. psittaciなどのクラミジア属; L. interrogansなどのレプトスピラ属T. pallidum (例えばレア外膜タンパク)、T. denticola、T. hyodysenteriaeなどのトレポネーマ属由来の抗原;あるいは以下のような寄生虫に由来する抗原、P. falciparumなどのプラスモディウム属; T. gondii (例えば、SAG2、SAG3、Tg34)などのトキソプラズマ属; E. histolyticaなどのエントアメーバ属; B. microtiなどのバベシア属; T. cruziなどのトリパノソーマ属; G. lambliaなどのジアルジア属; L. majorなどのレシュマニア属; P. cariniiなどのニューモシスティス属; T. vaginalisなどのトリコモナス属; S. mansoniなどの住血吸虫属、又は以下のようなイーストに由来する抗原; C. albicansなどのカンジダ属; C. neoformansのようなクリプトコックス属。本発明の好ましい態様において、経口投与用の即時溶解性ワクチンケークはロタウィルスを含まない。
【0014】
好ましい細菌ワクチンとしては、S. pneumoniae (例えば、 被膜多糖及びその複合体、PsaA、PspA、ストレプトリシン、コリン結合タンパク)及びタンパク抗原ニューモリシン(Biochem Biophys Acta, 1989, 67, 1007; Rubins et al., 微生物の病原論(Microbial Pathogenesis), 25, 337−342)、及びその突然変異無毒化誘導体(WO 90/06951; WO 99/03884)などのストレプトコッカス属由来の抗原が挙げられる。他の好ましい細菌ワクチンとしては、H. influenzae type B (例えば、PRP及びその複合体)、分類できないH. influenzaeなどのヘモフィルス属由来の抗原、例えばOMP26、高分子量粘着因子、P5、P6、Dタンパク及びリポプロテインD、ならびにフィブリン、フィブリン由来ペプチド(US 5,843,464) 又はそれらの多複製変異体(multiple copy varients)もしくは融合タンパクが挙げられる。他の好ましい細菌ワクチンとしては、Morexella Catarrhalis由来の抗原(その外膜小胞、及びOMP106 (WO97/41731)を含む)、ならびにNeisseria mengitidis B (その外膜小胞、及びNspA (WO 96/29412)を含む)由来の抗原が挙げられる。
【0015】
特に好ましいワクチンは、2種以上の抗原を含む配合ワクチンであり、抗原が2種以上の病原体に由来することがより好ましい。例えば、凍結乾燥された麻疹、流行性耳下腺炎及び風疹ワクチン、好適には製剤中に8% スクロース、2% マンニトール及び1.4% アミノ酸混合物を含むものを製造することができる。
【0016】
B型肝炎表面抗原の誘導体は当該分野で周知であり、特に前述の欧州特許出願 EP−A−414 374; EP−A−0304 578, 及びEP 198−474に記載されているPreS1、PreS2 S 抗原が挙げられる。本発明のワクチン製剤の1つの好適な態様として、HIV−1 抗原、gp120、特にCHO細胞で発現させたものを挙げることができる。別な態様として、本発明のワクチンはここで既に定義したgD2tを含む。
【0017】
本発明の好適な態様において、クレームされたアジュバントを含むワクチンは性器イボの原因と考えられているヒトパピローマウィルス(HPV)、(HPV 6 又は HPV 11 など)、及び頸部腫瘍の原因であるHPV ウィルス(HPV16、HPV18 など)由来の抗原を含む。
【0018】
特に好ましい性器イボの予防又は治療用ワクチン組成物は、L1 粒子又はカプソマー、ならびに、HPV 6 及びHPV 11 タンパクE6、E7、L1及びL2から選ばれる1種又は2種以上を含む融合タンパクを含む。
【0019】
最も好ましい融合タンパクの形態は: WO 96/26277に記載されているL2E7 、及びGB 9717953.5 (PCT/EP98/05285)に記載されているプロテインD(1/3)−E7である。
【0020】
好ましいHPV 頸部感染又は腫瘍の予防又は治療用ワクチン組成物は、HPV 16 又は18 抗原を含んでいてもよい。例えば、L1もしくはL2抗原モノマー、又はウィルス様粒子(VLP)として共に提示されているL1もしくはL2抗原、又はVLP中に単独で提示されているL1タンパク単独、又はカプソマー構造が挙げられる。そのような抗原、ウィルス様粒子及びカプソマー自体は公知である。例えば、WO94/00152、WO94/20137、WO94/05792及び WO93/02184参照。
【0021】
好ましくは、スクロース(好ましくは、31.5%で)、マルチトール(好ましくは、3.15%で)、トレハロース(好ましくは、3.15%で)、及び最も好ましくはスクロースとマルチトールの混合物(好ましくは、スクロース3.15%及びマルチトール0.8%で)などの糖の存在下で凍結乾燥したHPV 16 及び/又は HPV 18である。
【0022】
追加のアーリープロテイン(early protein)は、例えばE7、E2又はE5のような単一又は融合タンパクが好ましい; 特に好適な例としては、L1E7 融合タンパク(WO 96/11272)が挙げられる。
【0023】
特に好ましいHPV 16 抗原は、アーリープロテインE6 又はE7をプロテインDキャリアーで融合させた、HPV 16由来のプロテインD − E6 又は E7 融合体、あるいはその組み合わせ;又は、E6又はE7とL2との組み合わせ (WO 96/26277)である。
【0024】
あるいは、HPV 16 又は18、初期タンパクE6 及び、E7は単一分子中に提示されていてもよく、プロテインD− E6/E7 融合体であることが好ましい。そのようなワクチンは必要に応じてHPV 18由来のE6 及び E7タンパクのいずれか、又は両方を含んでいてもよく、プロテインD − E6もしくはプロテインD − E7融合タンパク、又はプロテインD − E6/E7融合タンパクが好ましい。
【0025】
本発明のワクチンはさらに他のHPV株由来の抗原を含んでいてもよく、HPV 6、11、31、33、又は45株由来の抗原が好ましい。本発明のワクチンは、マラリアを引き起こす寄生虫由来の抗原をさらに含んでいてもよい。例えば、熱帯熱マラリア原虫由来の好ましい抗原としては、RTS,S及びTRAPが挙げられる。RTSは、B型肝炎ウィルスの表面(S)抗原のプレS2部分の4つのアミノ酸に結合した、P.falciparumのスポロゾイト周辺(CS)タンパクの実質的にすべてのC末端部分を含む複合タンパクである。その完全な構造は、英国特許出願9124390.7号に基づく優先権を主張した国際特許出願PCT/EP92/02591号(WO 93/10152号で公開)に開示されている。酵母で発現されるとき、RTSはリポタンパク粒子として産生され、HBV由来のS抗原とともに共発現されるとき、それはRTS,Sとして知られる混合粒子を産生する。TRAP抗原は国際特許出願PCT/GB89/00895(WO 90/01496 として公開)に記載されている。本発明の好ましい態様はマラリアワクチンであり、その抗原性調製物はRTS,S及びTRAP抗原の配合物を含む。多段階マラリアワクチンの構成要素の候補となりそうな他のマラリア原虫(プラスモディウム属)の抗原としては、P. faciparum MSP1、AMA1、MSP3、EBA、GLURP、RAP1、RAP2、Sequestrin、PfEMP1、Pf332、LSA1、LSA3、STARP、SALSA、PfEXP1、Pfs25、Pfs28、PFS27/25、Pfs16、Pfs48/45、Pfs230 及びプラスモディウム属中のそれらの類似物である。
【0026】
前記製剤はまた、抗腫瘍抗原を含んでいてもよく、がんの免疫治療に有用である。例えば、アジュバント製剤は、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がん、肺がん、膵臓がん、腎臓がん、又は黒色腫のような、腫瘍拒絶抗原への有用性が見出されている。代表的抗原としては、メラノーマ治療のためのMAGE 1及びMAGE 3、又は他のMAGE抗原、PRAME、BAGE又はGAGE(Robbins and Kawakami, 1996,免疫学における最近の意見 8, pps 628−636; Van den Eynde et al., International Journal of Clinical & Laboratory Research (1997投稿); Correale et al. (1997), Journal of the National Cancer Institute 89, p293)が挙げられる。実際、これらの抗原はメラノーマ、肺がん、肉腫、膀胱がんのような腫瘍タイプで広範囲に発現される。他の腫瘍特異的抗原は本発明のアジュバントとともに使用するのに適しており、制限するものではないが、前立腺特異的抗原(PSA)、又はHer−2/neu, KSA (GA733)、MUC−1及び癌胎児性抗原(CEA)が含まれる。したがって、本発明の1つの態様として、本発明にかかるアジュバント組成物と腫瘍拒絶抗原を含むワクチンが提供される。
【0027】
さらに、前記抗原は、例えば、長さ10アミノ酸の短いペプチドで、多くのがん治療や免疫去勢で用いられる、完全長の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH, WO 95/20600)のような自己ペプチドホルモンであってもよい。
【0028】
本発明の組成物はボレリア属由来の抗原を含むワクチンを製造するのに使用されることが予測される。例えば、抗原としては、核酸、抗原又は抗原性調製物、組換えタンパク又はペプチド、及びキメラ融合タンパク由来の病原体が挙げられる。特に抗原はOspAがよい。該OspAは、(Lipo−OspA)と呼ばれる宿主細胞(E.Coli)によって脂質化された形態の完全長の成熟タンパクであってもよいし、非脂質化誘導体であってもよい。そのような非脂質化誘導体としては、インフルエンザウィルスの非構造タンパク(NS1)の最初の81 N末アミノ酸及び完全OspAタンパクを有する非脂質化NS1−OspA 融合タンパク、それとは別のMDP−OspAは、さらに3つのN末アミノ酸を有するOspAの非脂質化形態が挙げられる。
【0029】
本発明のワクチンは、アレルギーの予防や治療に用いてもよい。そのようなワクチンは、アレルゲン特異的(例えばDer p1) 及びアレルゲン非特異的抗原 (例えば、限定するものではないが、スタンワースデカペプチド(EP 0 477 231 B1)を含む、ヒトIgE由来のペプチド)を含む。
【0030】
特に、好ましい抗原としては、粘膜表面に感染する病原体又は病原体由来のものがあげられる。特に、ポリオ、RSV、カンピロバクター、ETEC、ヘリコバクター、クラミジア、及びインフルエンザが好ましい抗原である。
【0031】
本発明のある態様において、抗原は薬学的担体とともに製剤化される。本発明のワクチンで用いられる適切な薬学的担体は、経口投与、特に小児への経口投与に適したものとして当該技術分野で公知のものである。そのような担体としては、限定するものではないが、炭化水素、多価アルコール、アミノ酸、水酸化アルミニウム、又はリン酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、又はリン酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、タルク、酸化チタン、水酸化鉄又はリン酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、ゼラチン、植物ペプトン、キサンタン、カラギーナン、アラビアゴム、β−サイクロデキストリンが挙げられる。
【0032】
胃を超えて抗原を粘膜組織に到達させたい場合、本発明の好ましい態様において、ワクチンケークは制酸剤を含まねばならない。本発明のワクチンの制酸剤としての使用に適したものは、有機酸カルボン酸塩のような有機制酸剤である。本発明のワクチンの好ましい制酸剤は有機酸カルボン酸塩、好ましくはクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムのようなクエン酸塩を含むものである。もうひとつの好適な制酸剤は、水酸化アルミニウムやリン酸アルミニウムである。他の好適な制酸剤成分としては、例えば、水酸化アルミニウムAl(OH)3 や水酸化マグネシウムMg(OH)2のような無機制酸剤が挙げられる。本発明での使用に適した市販の制酸剤としては、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含むミランタ(Mylanta:登録商標)が挙げられる。これらは、水に不溶であるため、懸濁液として供されている。
【0033】
本発明のワクチン組成物で用いられる特に好適な制酸剤は、不溶性の無機塩、炭酸カルシウム(CaCO3)である。炭酸カルシウムは抗原と結合することができ、炭酸カルシウムと結合している間抗原の活性は維持される。
【0034】
本発明のウィルスの製剤化は、バイロソームやリポソームのような脂質をベースとする基剤中や水中油型エマルジョン中で、又は担体粒子とともに行うと好適である。あるいは、さらに経口ワクチンについて当該技術分野で公知の免疫刺激剤を製剤中に含んでいてもよい。そのような免疫刺激剤としては、細菌毒素、特にホロトキシン(完全分子)又はB鎖のみ(CTB)の形態のコレラ毒素 (CT)、及び大腸菌の熱不安定性エンテロトキシンが挙げられる。ネイティブなLTよりも活性型に変化しにくい、改変LTs (mLTs)が、WO 96/06627、WO 93/13202及びUS 5,182,109に記載されている。
【0035】
好適な他の免疫刺激剤としては、QS21及びモノホスホリル、リピッドA、特に3−de−O−アシルモノホスホリルリピッド(3D−MPL)のようなサポニン誘導体が挙げられる。経口アジュバントとして精製されたサポニンが、WO 98/56415に記載されている。サポニンとモノホスホリルリピッドAは別々に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい(例えば、WO 94/00153)、また他の薬剤とともにアジュバント系で処方されてもよい。3D−MPLはRibi Immunochem社(モンタナ)によって製造されている周知のアジュバントで、その製造方法はGB 2122204に記載されている。
【0036】
水酸化アルミニウムは制酸剤効果に加えてアジュバント効果も有するため、本発明のワクチン組成物において特に好ましい成分である。
【0037】
充填工程における炭酸カルシウムの沈澱を防ぐために、増粘剤が製剤中に存在することが好ましい。使用可能な増粘剤としては、偽塑性賦形剤が上げられる。偽塑性溶液は攪拌下での粘度に比較して、静止下で高い粘度を有する溶液として定義される。この種の賦形剤としては、アラビアゴム、アドラガンテ(adragante)ゴム、アルギネート、ペクチン、又は半合成ポリマー(例えば: カルボキシメチルセルロース(Tyloses C(登録商標))、メチルセルロース(Methocels A(登録商標))、Viscotrans MC(登録商標)、Tylose MH(登録商標)及びMB(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucels(登録商標))、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocels E(登録商標)及びK(登録商標)、Viscontrans MPHC(登録商標))が挙げられる。一般に、これらの偽塑性賦形剤は、チキソトロピック剤とともに用いられる。別な使用しうる増粘剤としては、流動性が低い偽塑性賦形剤がある。それらのポリマーは、十分な濃度では、構造的流動性アレンジメント(structural fluid arrangement)を起こし、その結果静止下で低い流動性を有する高粘度溶液となる。流動と輸送を可能にするため、あるエネルギー量をシステムに与える必要がある。流動性液体を得るために、外部エネルギー(攪拌)によって構造的流動性アレンジメントを一時的に破壊する必要がある。
【0038】
そのようなポリマーとしては、カーボポール(Carbopols(登録商標))やキサンタンガムが挙げられる。静止下ではゲル構造を有するが、攪拌下では流動性の液を形成する、チキソトロピック賦形剤を用いることもできる。チキソトロピック賦形剤の例としては: Veegum(登録商標)(マグネシウム−アルミニウムケイ酸塩)及びAvicel RC(登録商標)(マイクロクリスタリンセルロース約89%及びカルボキシメチルセルロースナトリウム約11%)がある。
【0039】
ケーク構造の物理的安定性を増強させるために、デキストランのような結合剤を用いてもよい。デキストランの分子量が増えるほど、ワクチンケークの完全性も増加する。例えば、デキストラン10は平均分子量10,000程度を有するデキウトランであるが、本発明で使用するのに適しており、同様に分子量70,000; 100,000;及び400,000のデキストランも本発明のために使用しうる。β−シクロデキストリンも結合剤として使用できる。
【0040】
本発明のワクチン組成物は、キサンタンガム又はデンプンから選ばれる増粘剤を含むことが好ましい。
【0041】
すなわち、本発明のワクチン組成物は炭酸カルシウムとキサンタンガムを配合して、両者はデキストラン結合剤とともに、あるいはデキストラン結合剤なしで、調製することが好ましい。また、デキストランとキサンタンガム及び/又はデキストランと炭酸カルシウム又は水酸化アルミニウムのようなアルミニウム塩を含むワクチン製剤も好ましい。
【0042】
本発明で用いられる組成物の他の成分としては、ワクチン製剤を貯蔵中に安定化させるためのガラス形成組成物が好ましい。そのような組成物の例としては、例えばUS 5,098,893、US 6,071,428、WO 98/16205、WO 96/05809、WO 96/03978、US 4,891,319、US 5,621,094、WO 96/33744に記載されている、ガラス形成多価アルコールが挙げられる。特に、モノ、ジ、トリ又はオリゴサッカライドを含む糖類及びそれらの糖アルコールが好ましい。本発明で用いられる好適な糖は当該技術分野で周知のものであり、トレハロース、スクロース、ラクトース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルチュロース、イソマルチュロース、ラクチュロース、マルトース、又はデキストロース、及びマンニトール、ラクチトール、及びマルチトールのような、それらの糖アルコールが挙げられる。
【0043】
本発明のワクチン組成物は、例えば香料(特に経口ワクチンのための)及び静菌剤のような成分をさらに含んでいてもよい。
【0044】
凍結乾燥製剤は、薬用ブリスターパックに入れて、錠剤の形態で好適に提供することができる。
【0045】
本発明は別な態様において、弱毒化した生の細菌やウィルス、あるいは生のウィルスや細菌ベクターを含む組成物であって、口中に入れたとき迅速に溶解しうる凍結乾燥固体である組成物を提供する。
【0046】
本発明のワクチンは、ワクチンに典型的な重篤な副作用なしで、感染に対して効果的な防御を与える適当な量の生ウィルスを用いて、公知の技術によって製造され、投与される。適当な量の生ウィルスは、通常1投与あたり104及び107 ffu の間である。典型的なワクチンの投与は、1投与あたり105 −106 ffu であり、例えば2ヶ月の間隔で2回投与するように、時間をおいて数回投与してもよい。しかしながら、特に開発途上国においては、2回より多く投与すること、例えば、3乃至4投与療法によって効果が得られる。投与間隔は、2ヶ月より長くても短くてもよい。1投与又は複数回投与療法のための最適な生ウィルスの量、及び投与の最適なタイミングは、抗体価や被験者の他の応答を観察することによって確認することができる。
【0047】
各ワクチン投与量におけるタンパクの量は、典型的なワクチン接種を受ける人において、重篤な副作用なしに免疫防御反応を誘起する量から選ばれる。そのような量は用いられる特定の免疫原やその提供方法によって様々である。一般的に、各投与は1−1000 μg、好ましくは1−500μg、より好ましくは1−100μg、最も好ましくは1−50μgタンパクを含む。特定のワクチンのための最適な量は、被験者の特有の免疫応答を観察する標準試験によって確認できる。最初のワクチン接種の後、被験者は1回又は数回の追加免疫を適当な間隔を置いて受けてもよい。
【0048】
本発明の経口投与固形形態は比較的容積が低く、口中や舌下への挿入が容易である。液体ワクチンは約0.1から1ml、好ましくは0.1から0.5mlのアリコートであり、最も好ましくは0.1から0.3 mlの範囲である。
【0049】
【実施例】
本発明を、以下の実施例により説明する。
【0050】
実施例1:水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウムを含む凍結乾燥ウィルスのブリスター製品
これらの実施例を通じて、公知のウィルスのレファレンスを利用し、ウィルス剤調製には標準技術を利用した。凍結精製ウィルスバルクを解凍し、適当な培地組成物(この場合は、ダルベッコの修飾イーグル培地)で、所望の標準ウィルス濃度(この場合は、106.2 ffu/ml)まで希釈した。水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウム懸濁液を最終量48 mg/投与になるまで加え、ウィルス組成物を凍結乾燥安定剤(スクロース、デキストランもしくは4%アミノ酸、又はゼラチン、又は植物ペプトン、又はキサンタンが用いられる)で標的ウィルスの力価が105.6 ffu/投与になるまで希釈した。無菌充填装置を利用して、0.5ml、好ましくはこれ以下の量をプラスチック製ブリスターの穴に入れた。前記組成物を凍結乾燥し、ブリスターの穴を熱封印した。
【0051】
必要に応じて、水酸化アルミニウム懸濁液の沈澱を防止するために標準成分を含めてもよい。そのような標準成分としては、例えばステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、及びシリコンポリマーを挙げることができる。香料(フレーバー)を含めてもよい。
【0052】
以下の製剤を作製し、凍結乾燥して“ケーク”とし、37℃で1週間保存する前後におけるウィルス力価を試験した。これらの製剤は口中で急速に溶解した。
【0053】
【表1】
実施例2:制酸剤を含む凍結乾燥ウィルスのブリスター製品
ワクチンケーク製剤は実施例1の記載と同様に0.6 mlの量で調製し、凍結乾燥サイクルは以下のように実施した。
【0054】
【表2】
前記製剤を物理的安定性と口中での溶解速度について試験した。
【0055】
【表3】
実施例3:デキストラン含有ケーク
ワクチンケークは結合剤としてデキストランを含み、あるいは含まずに調製し、ケークの状態とウィルス力価の安定性を試験した。
【0056】
【表4】
デキストランを含まないケークは固形でワクチン製剤として安定であったが、デキストランを添加するとケークはより硬くなり、ブリスターパックでの使用に適したものとなった。
【0057】
実施例4:炭酸カルシウム制酸剤存在下におけるウィルスの凍結乾燥
【表5】
実施例5:口中に入れたとき速やかに崩壊する凍結乾燥タブレット
他の適当な製剤を上述の技術を用いて試験し、本発明のワクチンに適していることを確認した。
【0058】
【表6】
実施例6:OspAライオックによるマウスの経口ワクチン接種
以下の凍結乾燥即時溶解性タブレットを調製した。
【0059】
【表7】
試験手順
8週齢のBalb/cマウスは、0日で50 μgの水酸化アルミニウムに吸着させた1 μg Lipo−OspA(IM)を筋肉内投与して準備した。8群のマウスは、28日目に上述のライオック製剤を経口で、又は50 μgの水酸化アルミニウムに吸着させた1 μgのLipo−OspA (ポジティブコントロール)を筋肉内に追加投与した。2回目の追加投与は、56日目にライオック製剤で行った。IgAに加えて血清IgG 抗体をELISAにより測定した。
【0060】
結果
一般に、経口ライオック製剤はOspAの筋肉内追加投与よりも低い血清IgG反応を誘起した。しかしながら、全てのライオック製剤は各追加投与後に強い免疫反応を誘起し、それぞれ2回目の追加投与後に観察された免疫反応ピークの強さは、その前の追加投与後に観察されたピークよりも大きいものだった。1から5群の全ての群は、2回目の追加投与後において約20−25 μg/ml のOspA特異的IgGが測定された。
【0061】
実施例7:インフルエンザ抗原によるマウスへの経口ワクチン接種
5つの異なるサンプルを用意した。
【0062】
全てのサンプルは以下のものを含む。
【0063】
A/Beijing /262/95 完全ウィルスのHA 30μg
スクロース 2%
ソルビトール 3%
デキストラン T40 4%
アミノ酸 2%
炭酸カルシウム 80mg
キサンタン 0.3%
それらに加えて、いくつかのサンプルはアジュバントを含む:
【表8】
インフルエンザ完全ウィルス以外の全ての成分を含むプラセボも調製した。
【0064】
ゲル及びウェスタンブロッティングにより、HAは凍結乾燥後もその強度を維持することが示された。
【0065】
HAを定量するためのSRDアッセイを実施し、HA予測値を測定した。
【0066】
8匹のマウスからなる群(雌 Balb/c 6週齢)を完全不活性化抗原(H1N1 A/Beijing/262/95) 5μg/HA を経鼻投与して前処理し、28日後に同じ完全不活性化抗原3μg HAを含む以下の製剤で経口的に免疫した(1群以外:筋肉内投与)。初回投与前、14、42、及び56日後に、血清と凝血を集めた。全血清について、ELISAによるその特異的抗−Beijing IgG活性と、そのヘマグルチニン阻害能を試験した(HI assay)。特異的抗−Beijing IgAの検出は、2つの別なELISAs (μg/ml中の全IgA量と特異的抗−Beijing エンドポイント力価)を用いて凝血について行った。最終的な結果は特異的IgAと全IgAの比率で示した。
【0067】
結果
LT又は3D−MPLを含む、アジュバントを加えたライオック製剤は、約50のHI力価でインフルエンザ特異的体液性免疫反応を誘起することができた。全ライオック製剤は顕著な免疫反応を各追加投与後に誘起し、各2回目の追加免疫投与後に観察されたピーク免疫反応の強さは、その前の追加投与後に観察されたピークより大きかった。
【0068】
実施例8:凍結乾燥製剤
好ましい製剤は異なる物理−化学的性質間の譲歩の結果物である。好ましい製剤において:
−凍結乾燥ケークは製造及び投与操作に耐えるだけ十分に強い。
【0069】
−それは、投与するとき、手の湿気によって悪影響を受けてはならない。
【0070】
−それは、口中に入れたときすぐに溶解するため十分に薄くなければならない。
【0071】
具体的処方は制酸剤の有無により様々である。例えば:
A 制酸剤なしの処方
このケークでは、凍結乾燥ケークは一般的に口中で非常に早く溶解する。それゆえ凍結乾燥ケークは操作に耐えるだけ十分に強いことが好ましい。
【0072】
適切な処方は以下のとおりである。
【0073】
【表9】
必要であれば、製造又は投与操作に耐えるように、キサンタン、ケルガム100、ケルガムGFS、又はペクチンのような高分子物質を加えてケークの硬さを高めてもよい。
【0074】
【表10】
処方 01C16/03 が特に好ましい。
【0075】
B 制酸剤を含む処方
炭酸カルシウムのような制酸剤を使用するとき、充填工程中の懸濁液の均一性を維持することが望ましい。
【0076】
これは以下のようにして達成することができる:
−培地の粘度を増加させる(例えば:キサンタン、ケルガム又はペクチンを用いる)
−懸濁液の硬さを増加させる(例えば:デンプンを用いる)
−培地中でゲルを作製する(カルシウムイオンでペクチンを架橋する)
適切な製剤は以下のようである。
【0077】
【表11】
炭酸カルシウム メルク製品番号102069(粒子サイズ:3μm)は良好な結果を与え、メルク製品番号112120(粒子サイズ:30μm)、及び実質的に3μmの粒子が好ましい。
【0078】
【表12】
上記の表からわかるように、好ましい製剤はスクロース、デキストラン、ソルビトール及びアミノ酸を上記の適切な範囲で含む。
本発明は、経口投与に適した新規ワクチン製剤に関する。該ワクチン製剤は、抗原や適当な賦形剤を含む固形形態であって、口中に入れるとすみやかに唾液に溶解して、口中にワクチンを放出する。特に、該固形形態は、溶液又は懸濁液の昇華、好ましくは凍結乾燥による昇華により形成されるワクチンのケーク(固まり)から構成されうる。好ましいワクチンは、通常粘膜を通して宿主に感染又は侵入する病原体である抗原、又は該病原体に由来する抗原を含むもの、あるいはさらに制酸剤を含むものである。特に好ましいワクチンは2種以上の抗原を含む配合ワクチンであり、より好ましくは該抗原が2種以上の病原体に由来しているものである。
【0002】
粘膜からのワクチン接種は近年研究者から多大な注目を得ており、投与経路の選択は粘膜接種の最も研究されている領域にあった。例えば、ワクチンは一般に経鼻又は経口ルートで投与されてきた(Mestecky, J. 1987, Journal of Clinical Immunology, 7, 265−276)。経口でのワクチン接種に関する、主な関心の一つは、胃酸による抗原の分解をいかに防ぐかということである。すなわち、一般に経口ワクチンは胃酸を中和するための制酸剤を多量に含む液体ワクチン製剤か、その代わりに被包により抗原を守るミクロスフェアのような基剤を含む。液体生弱毒化ウィルスワクチンは、何年もの間、経口的に投与されてきた。例えば、ドロップ形態で小児に投与されるポリオウィルスワクチンが挙げられる。
【0003】
ワクチン接種のこれらの形態の全てにおいて、液体の口中への投与が問題に関連している。例えば、乳児の口中に液体を投与する場合、特にワクチンの味が不快なとき、しばしば問題となる。同様に、ワクチンを含む錠剤やゼラチンカプセルの乳児や成人への投与も困難なことがある。これらの投与形態の全てにおいて、ワクチンが吐き出されたり、錠剤が飲み込まれなかったりする可能性がある。したがって、経口ワクチン送達の別な形態を開発する必要がある。
【0004】
本発明は、経口ワクチン接種は、口中への挿入後すぐに唾液に溶解する固形ワクチン製剤によって可能になるという知見に基づく。好ましくは、完全な溶解前の時間は、唾液中へのワクチンの分散前に固形製剤が飲み込まれたり、吐き出されたりしないようなものである。
【0005】
本発明の固形ワクチン形態は、“ケーク”と呼ばれる多孔性固形形態で、口中又は舌下に入れて置けるだけ十分に小さい。本発明のワクチンケークは、ワクチンの溶液又は懸濁液から昇華によって形成され、本発明の好ましい態様において、昇華は凍結乾燥によって達成される。この瞬間的な溶解はワクチン接種を受けた人がケークを吐き出して拒絶したり、溶解していないケークを飲み込める前に起こることが好ましい。好ましくは、ケークの溶解時間は10秒未満、より好ましくは5秒未満、さらに好ましくは2秒未満、最も好ましくは1秒未満である。
【0006】
本発明の別の態様において、経口ワクチン即時溶解性ケークは制酸剤を含む。該制酸剤は唾液中に溶解し、飲み込まれたとき、胃内のpHを高めてワクチン抗原が実質的に胃で分解されないようにしうる。最も好ましくは、該制酸剤は水不溶性で、アジュバントとしても作用し、さらに抗原が不溶性の制酸剤/アジュバントの表面に吸着されると、該抗原が胃酸から保護されることがより好ましい。
【0007】
GB1548022AとGB2111423Bには、即時溶解性ピル形態である、固形薬物投与形態が記載されている。US5,039,540; US4,946,684; US5,976,577; WO99/02140には凍結乾燥によって製造された即時溶解性薬物投与形態が記載されている。Seagerも、J. Pharm. Pharmacol., 1998, 50: 375−382で、そのような投与形態の1つを記載している。
【0008】
WO00/00218には、口中や他の粘膜組織で、強い局所免疫応答を引き起こすワクチンの1つの投与経路として、口が記載されている。これらの製剤はワクチンを口中に保持するか頬の粘膜を擦りむいて、いずれも頬の粘膜を通した抗原の取り込みを増強させるように設計された吸収性賦形剤を含むことが好ましい。
【0009】
本発明の即時溶解性ケークは、液体ワクチン製剤の昇華によって形成される。周囲温度昇華も本発明の範囲内に含まれるが、一般にこのプロセスは凍結乾燥により達成される。本発明のワクチンケークは、液体形態でワクチンを調製した後、該液体を個々の投薬形態に等分し、該液体を昇華により取り除くことによって製造される。液体を除去しても実質的に投薬形態の体積は減らず、口中で唾液に広い表面積を曝す極めて多孔質なケークを与える。その中に被包された抗原は唾液中に溶解した後で飲み込まれるため、口もしくは咽頭(pharangeal)、又は腸管の粘膜免疫組織に取り込まれて免疫応答を刺激する。
【0010】
ワクチンケークの処方は、GB1548022A; GB 2111423B; US 5,039,540; US 4,946,684; US 5,976,577; WO 99/02140; 又は Seager, J. Pharm.Pharmacol., 1998, 50: 375−382に記載されるもののいずれであってもよいが、それらを包含するものであってもよい。該ケークは好ましくは凍結乾燥されたものであり、ワクチンの粘稠な溶液を形成し、次いでこれを個別の投与形態に分ける(その後、従来の凍結乾燥を行う)技術によって製造されうる;あるいは、より好ましくは、液体ワクチン製剤を個々のウェルに入れ、凍結乾燥により昇華させてもよい。凍結乾燥後、水が除かれ、即時溶解性ワクチンケークがウェル内に残るが、このケークはウェルから取り出してもよいし、ウェル内で密封してブリスターパックにしてもよい。
【0011】
凍結乾燥技術、及び他の適切な賦形剤の詳細は、キャメロンらの“好適な薬物フリーズドライ実習”インターファーム、バッファロー グルーブ(1997)を参照することができる。
【0012】
本発明の組成物は、多種の起源に由来する抗原を含むワクチンを製造するために使用されることが予測できる。例えば、抗原としてはヒト、細菌、又はウィルス核酸、病原体由来の抗原又は抗原性調製物、腫瘍由来抗原又は抗原性調製物、GnRH及びIgEペプチドを含む宿主由来抗原、組換え技術によって製造されたタンパク又はペプチド、及びキメラ融合タンパクが挙げられる。
【0013】
好ましくは、本発明のワクチン製剤は、ヒトの病原体に対して免疫応答を誘起しうる抗原又は抗原性組成物を含み、該抗原又は抗原性組成物としては、HIV−1(例えば、tat、nef、gp120又はgp160)、gDのようなヒトヘルペスウィルス由来抗原又はその誘導体、あるいはHSV1又はHSV2由来のICP27のようなイミーディートアーリープロテイン(Immediate Early Proteins)、サイトメガロウィルス((特にヒト)(例えば、gB又はその誘導体)、エプスタイン−バーウィルス(例えば、gp350又はその誘導体)、水痘−帯状疱疹ウィルス(例えば、gpI、II及びIE63)、又はB型肝炎ウィルスのような肝炎ウィルス(例えば、B型肝炎表面抗原又はその誘導体)、A型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス及びE型肝炎ウィルス、又はパラミクソウィルスのような他のウィルス性病原体由来の抗原:RSウィルス(F及びGタンパク又はその誘導体)、パラインフルエンザウィルス、麻疹ウィルス、流行性耳下腺炎ウィルス、ヒトパピローマウィルス(例えば、HPV6、11、16、18)フラビウィルス(例えば、黄熱病ウィルス、デング熱ウィルス、ダニ媒介脳炎ウィルス、日本脳炎ウィルス)、又はインフルエンザウィルス(完全生ウィルス又は不活性化ウィルス、分離インフルエンザウィルス、卵もしくはMDCK細胞、又はベロ細胞もしくは完全インフルエンザバイロソーム(例えば、R. Gluck, Vaccine, 1992, 10, 915−920に記載))、あるいはその精製もしくは組換えタンパク(例えば、HA、NP、NA又はMタンパク又はそれらの組み合わせ)、N. gonorrhea and N. meningitidisを含むナイセリア属(例えば、被膜多糖及びその複合体、トランスフェリン結合タンパク、ラクトフェリン結合タンパク、PilC、粘着因子);S. pyogenes (例えば、Mタンパク又はそのフラグメント、C5Aプロテアーゼ、リポテイコ酸)、S. agalactiae、S. mutans; H. ducreyi; カタル球菌(例えば、高分子及び低分子の粘着因子やインベーシン)としても知られているM catarrhalisなどのモラクセラ属; B. pertussis(例えば、パータクチン(pertactin)、百日咳毒、又はそれらの誘導体、糸状血球凝集素、アデニルサイクラーゼ、繊毛)、B. parapertussis 及び B. bronchisepticaなどのボルデテラ属; M. tuberculosis (例えば、 ESAT6、85A、−B又はC抗原)、M. bovis, M. leprae、M. avium、M. paratuberculosis、M. smegmatisなどのマイコバクテリウム属; L. pneumophilaなどのレジオネラ属; 腸毒素大腸菌(例えば、コロニー化因子、熱不安定性毒素、又はそれらの誘導体、熱安定性毒素又はその誘導体)腸出血性大腸菌、腸病原性大腸菌(例えば、志賀毒素様毒素又はその誘導体)などのエシェリキア属; V. cholera (例えば、コレラ毒素又はその誘導体)などのビブリオ属; S. sonnei、S. dysenteriae、S. flexneriiなどのシゲラ属; Y. enterocolitica (例えば Yop タンパク)、Y. pestis、Y. pseudotuberculosisなどのエルジニア属; C. jejuni (例えば、毒素、粘着因子、インベーシン)及び C. coliなどのカンピロバクター属; S. typhi、S. paratyphi、S. choleraesuis、S. enteritidisなどのサルモネラ属; L. monocytogenesなどのリステリア属; H. pylori(例えばウレアーゼ、カタラーゼ、空胞形成(vacuolating)毒素)などのヘリコバクター属; P. aeruginosaなどのシュードモナス属; S. aureus、S. epidermidisなどのスタフィロコカッカス属; E. faecalis、E. faeciumなどのエンテロコッカス属; C. tetani (例えば、テタヌス毒素、及びその誘導体)、C. botulinum (例えば、ボツリヌス毒素及びその誘導体)、C. difficile (例えば、 クロストリジウム毒素A又はB、及びその誘導体)などのクロストリジウム属; B. anthracis (例えば、ボツリヌス毒素及びその誘導体)などのバチルス属; C. diphtheriae (例えば、ジフテリア毒素及びその誘導体)などのコリネバクテリウム属; B. burgdorferi (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. garinii (例えば、 OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. afzelii (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. andersonii (例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. hermsiiなどのボレリア属; E. equi 及びヒト顆粒球エールリヒア症因子などのエールリヒア属; R. rickettsiiなどのリケッチア属; C. trachomatis (例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク)、C. pneumoniae (例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク)、C. psittaciなどのクラミジア属; L. interrogansなどのレプトスピラ属T. pallidum (例えばレア外膜タンパク)、T. denticola、T. hyodysenteriaeなどのトレポネーマ属由来の抗原;あるいは以下のような寄生虫に由来する抗原、P. falciparumなどのプラスモディウム属; T. gondii (例えば、SAG2、SAG3、Tg34)などのトキソプラズマ属; E. histolyticaなどのエントアメーバ属; B. microtiなどのバベシア属; T. cruziなどのトリパノソーマ属; G. lambliaなどのジアルジア属; L. majorなどのレシュマニア属; P. cariniiなどのニューモシスティス属; T. vaginalisなどのトリコモナス属; S. mansoniなどの住血吸虫属、又は以下のようなイーストに由来する抗原; C. albicansなどのカンジダ属; C. neoformansのようなクリプトコックス属。本発明の好ましい態様において、経口投与用の即時溶解性ワクチンケークはロタウィルスを含まない。
【0014】
好ましい細菌ワクチンとしては、S. pneumoniae (例えば、 被膜多糖及びその複合体、PsaA、PspA、ストレプトリシン、コリン結合タンパク)及びタンパク抗原ニューモリシン(Biochem Biophys Acta, 1989, 67, 1007; Rubins et al., 微生物の病原論(Microbial Pathogenesis), 25, 337−342)、及びその突然変異無毒化誘導体(WO 90/06951; WO 99/03884)などのストレプトコッカス属由来の抗原が挙げられる。他の好ましい細菌ワクチンとしては、H. influenzae type B (例えば、PRP及びその複合体)、分類できないH. influenzaeなどのヘモフィルス属由来の抗原、例えばOMP26、高分子量粘着因子、P5、P6、Dタンパク及びリポプロテインD、ならびにフィブリン、フィブリン由来ペプチド(US 5,843,464) 又はそれらの多複製変異体(multiple copy varients)もしくは融合タンパクが挙げられる。他の好ましい細菌ワクチンとしては、Morexella Catarrhalis由来の抗原(その外膜小胞、及びOMP106 (WO97/41731)を含む)、ならびにNeisseria mengitidis B (その外膜小胞、及びNspA (WO 96/29412)を含む)由来の抗原が挙げられる。
【0015】
特に好ましいワクチンは、2種以上の抗原を含む配合ワクチンであり、抗原が2種以上の病原体に由来することがより好ましい。例えば、凍結乾燥された麻疹、流行性耳下腺炎及び風疹ワクチン、好適には製剤中に8% スクロース、2% マンニトール及び1.4% アミノ酸混合物を含むものを製造することができる。
【0016】
B型肝炎表面抗原の誘導体は当該分野で周知であり、特に前述の欧州特許出願 EP−A−414 374; EP−A−0304 578, 及びEP 198−474に記載されているPreS1、PreS2 S 抗原が挙げられる。本発明のワクチン製剤の1つの好適な態様として、HIV−1 抗原、gp120、特にCHO細胞で発現させたものを挙げることができる。別な態様として、本発明のワクチンはここで既に定義したgD2tを含む。
【0017】
本発明の好適な態様において、クレームされたアジュバントを含むワクチンは性器イボの原因と考えられているヒトパピローマウィルス(HPV)、(HPV 6 又は HPV 11 など)、及び頸部腫瘍の原因であるHPV ウィルス(HPV16、HPV18 など)由来の抗原を含む。
【0018】
特に好ましい性器イボの予防又は治療用ワクチン組成物は、L1 粒子又はカプソマー、ならびに、HPV 6 及びHPV 11 タンパクE6、E7、L1及びL2から選ばれる1種又は2種以上を含む融合タンパクを含む。
【0019】
最も好ましい融合タンパクの形態は: WO 96/26277に記載されているL2E7 、及びGB 9717953.5 (PCT/EP98/05285)に記載されているプロテインD(1/3)−E7である。
【0020】
好ましいHPV 頸部感染又は腫瘍の予防又は治療用ワクチン組成物は、HPV 16 又は18 抗原を含んでいてもよい。例えば、L1もしくはL2抗原モノマー、又はウィルス様粒子(VLP)として共に提示されているL1もしくはL2抗原、又はVLP中に単独で提示されているL1タンパク単独、又はカプソマー構造が挙げられる。そのような抗原、ウィルス様粒子及びカプソマー自体は公知である。例えば、WO94/00152、WO94/20137、WO94/05792及び WO93/02184参照。
【0021】
好ましくは、スクロース(好ましくは、31.5%で)、マルチトール(好ましくは、3.15%で)、トレハロース(好ましくは、3.15%で)、及び最も好ましくはスクロースとマルチトールの混合物(好ましくは、スクロース3.15%及びマルチトール0.8%で)などの糖の存在下で凍結乾燥したHPV 16 及び/又は HPV 18である。
【0022】
追加のアーリープロテイン(early protein)は、例えばE7、E2又はE5のような単一又は融合タンパクが好ましい; 特に好適な例としては、L1E7 融合タンパク(WO 96/11272)が挙げられる。
【0023】
特に好ましいHPV 16 抗原は、アーリープロテインE6 又はE7をプロテインDキャリアーで融合させた、HPV 16由来のプロテインD − E6 又は E7 融合体、あるいはその組み合わせ;又は、E6又はE7とL2との組み合わせ (WO 96/26277)である。
【0024】
あるいは、HPV 16 又は18、初期タンパクE6 及び、E7は単一分子中に提示されていてもよく、プロテインD− E6/E7 融合体であることが好ましい。そのようなワクチンは必要に応じてHPV 18由来のE6 及び E7タンパクのいずれか、又は両方を含んでいてもよく、プロテインD − E6もしくはプロテインD − E7融合タンパク、又はプロテインD − E6/E7融合タンパクが好ましい。
【0025】
本発明のワクチンはさらに他のHPV株由来の抗原を含んでいてもよく、HPV 6、11、31、33、又は45株由来の抗原が好ましい。本発明のワクチンは、マラリアを引き起こす寄生虫由来の抗原をさらに含んでいてもよい。例えば、熱帯熱マラリア原虫由来の好ましい抗原としては、RTS,S及びTRAPが挙げられる。RTSは、B型肝炎ウィルスの表面(S)抗原のプレS2部分の4つのアミノ酸に結合した、P.falciparumのスポロゾイト周辺(CS)タンパクの実質的にすべてのC末端部分を含む複合タンパクである。その完全な構造は、英国特許出願9124390.7号に基づく優先権を主張した国際特許出願PCT/EP92/02591号(WO 93/10152号で公開)に開示されている。酵母で発現されるとき、RTSはリポタンパク粒子として産生され、HBV由来のS抗原とともに共発現されるとき、それはRTS,Sとして知られる混合粒子を産生する。TRAP抗原は国際特許出願PCT/GB89/00895(WO 90/01496 として公開)に記載されている。本発明の好ましい態様はマラリアワクチンであり、その抗原性調製物はRTS,S及びTRAP抗原の配合物を含む。多段階マラリアワクチンの構成要素の候補となりそうな他のマラリア原虫(プラスモディウム属)の抗原としては、P. faciparum MSP1、AMA1、MSP3、EBA、GLURP、RAP1、RAP2、Sequestrin、PfEMP1、Pf332、LSA1、LSA3、STARP、SALSA、PfEXP1、Pfs25、Pfs28、PFS27/25、Pfs16、Pfs48/45、Pfs230 及びプラスモディウム属中のそれらの類似物である。
【0026】
前記製剤はまた、抗腫瘍抗原を含んでいてもよく、がんの免疫治療に有用である。例えば、アジュバント製剤は、前立腺がん、乳がん、結腸直腸がん、肺がん、膵臓がん、腎臓がん、又は黒色腫のような、腫瘍拒絶抗原への有用性が見出されている。代表的抗原としては、メラノーマ治療のためのMAGE 1及びMAGE 3、又は他のMAGE抗原、PRAME、BAGE又はGAGE(Robbins and Kawakami, 1996,免疫学における最近の意見 8, pps 628−636; Van den Eynde et al., International Journal of Clinical & Laboratory Research (1997投稿); Correale et al. (1997), Journal of the National Cancer Institute 89, p293)が挙げられる。実際、これらの抗原はメラノーマ、肺がん、肉腫、膀胱がんのような腫瘍タイプで広範囲に発現される。他の腫瘍特異的抗原は本発明のアジュバントとともに使用するのに適しており、制限するものではないが、前立腺特異的抗原(PSA)、又はHer−2/neu, KSA (GA733)、MUC−1及び癌胎児性抗原(CEA)が含まれる。したがって、本発明の1つの態様として、本発明にかかるアジュバント組成物と腫瘍拒絶抗原を含むワクチンが提供される。
【0027】
さらに、前記抗原は、例えば、長さ10アミノ酸の短いペプチドで、多くのがん治療や免疫去勢で用いられる、完全長の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH, WO 95/20600)のような自己ペプチドホルモンであってもよい。
【0028】
本発明の組成物はボレリア属由来の抗原を含むワクチンを製造するのに使用されることが予測される。例えば、抗原としては、核酸、抗原又は抗原性調製物、組換えタンパク又はペプチド、及びキメラ融合タンパク由来の病原体が挙げられる。特に抗原はOspAがよい。該OspAは、(Lipo−OspA)と呼ばれる宿主細胞(E.Coli)によって脂質化された形態の完全長の成熟タンパクであってもよいし、非脂質化誘導体であってもよい。そのような非脂質化誘導体としては、インフルエンザウィルスの非構造タンパク(NS1)の最初の81 N末アミノ酸及び完全OspAタンパクを有する非脂質化NS1−OspA 融合タンパク、それとは別のMDP−OspAは、さらに3つのN末アミノ酸を有するOspAの非脂質化形態が挙げられる。
【0029】
本発明のワクチンは、アレルギーの予防や治療に用いてもよい。そのようなワクチンは、アレルゲン特異的(例えばDer p1) 及びアレルゲン非特異的抗原 (例えば、限定するものではないが、スタンワースデカペプチド(EP 0 477 231 B1)を含む、ヒトIgE由来のペプチド)を含む。
【0030】
特に、好ましい抗原としては、粘膜表面に感染する病原体又は病原体由来のものがあげられる。特に、ポリオ、RSV、カンピロバクター、ETEC、ヘリコバクター、クラミジア、及びインフルエンザが好ましい抗原である。
【0031】
本発明のある態様において、抗原は薬学的担体とともに製剤化される。本発明のワクチンで用いられる適切な薬学的担体は、経口投与、特に小児への経口投与に適したものとして当該技術分野で公知のものである。そのような担体としては、限定するものではないが、炭化水素、多価アルコール、アミノ酸、水酸化アルミニウム、又はリン酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、又はリン酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、タルク、酸化チタン、水酸化鉄又はリン酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、ゼラチン、植物ペプトン、キサンタン、カラギーナン、アラビアゴム、β−サイクロデキストリンが挙げられる。
【0032】
胃を超えて抗原を粘膜組織に到達させたい場合、本発明の好ましい態様において、ワクチンケークは制酸剤を含まねばならない。本発明のワクチンの制酸剤としての使用に適したものは、有機酸カルボン酸塩のような有機制酸剤である。本発明のワクチンの好ましい制酸剤は有機酸カルボン酸塩、好ましくはクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムのようなクエン酸塩を含むものである。もうひとつの好適な制酸剤は、水酸化アルミニウムやリン酸アルミニウムである。他の好適な制酸剤成分としては、例えば、水酸化アルミニウムAl(OH)3 や水酸化マグネシウムMg(OH)2のような無機制酸剤が挙げられる。本発明での使用に適した市販の制酸剤としては、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含むミランタ(Mylanta:登録商標)が挙げられる。これらは、水に不溶であるため、懸濁液として供されている。
【0033】
本発明のワクチン組成物で用いられる特に好適な制酸剤は、不溶性の無機塩、炭酸カルシウム(CaCO3)である。炭酸カルシウムは抗原と結合することができ、炭酸カルシウムと結合している間抗原の活性は維持される。
【0034】
本発明のウィルスの製剤化は、バイロソームやリポソームのような脂質をベースとする基剤中や水中油型エマルジョン中で、又は担体粒子とともに行うと好適である。あるいは、さらに経口ワクチンについて当該技術分野で公知の免疫刺激剤を製剤中に含んでいてもよい。そのような免疫刺激剤としては、細菌毒素、特にホロトキシン(完全分子)又はB鎖のみ(CTB)の形態のコレラ毒素 (CT)、及び大腸菌の熱不安定性エンテロトキシンが挙げられる。ネイティブなLTよりも活性型に変化しにくい、改変LTs (mLTs)が、WO 96/06627、WO 93/13202及びUS 5,182,109に記載されている。
【0035】
好適な他の免疫刺激剤としては、QS21及びモノホスホリル、リピッドA、特に3−de−O−アシルモノホスホリルリピッド(3D−MPL)のようなサポニン誘導体が挙げられる。経口アジュバントとして精製されたサポニンが、WO 98/56415に記載されている。サポニンとモノホスホリルリピッドAは別々に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい(例えば、WO 94/00153)、また他の薬剤とともにアジュバント系で処方されてもよい。3D−MPLはRibi Immunochem社(モンタナ)によって製造されている周知のアジュバントで、その製造方法はGB 2122204に記載されている。
【0036】
水酸化アルミニウムは制酸剤効果に加えてアジュバント効果も有するため、本発明のワクチン組成物において特に好ましい成分である。
【0037】
充填工程における炭酸カルシウムの沈澱を防ぐために、増粘剤が製剤中に存在することが好ましい。使用可能な増粘剤としては、偽塑性賦形剤が上げられる。偽塑性溶液は攪拌下での粘度に比較して、静止下で高い粘度を有する溶液として定義される。この種の賦形剤としては、アラビアゴム、アドラガンテ(adragante)ゴム、アルギネート、ペクチン、又は半合成ポリマー(例えば: カルボキシメチルセルロース(Tyloses C(登録商標))、メチルセルロース(Methocels A(登録商標))、Viscotrans MC(登録商標)、Tylose MH(登録商標)及びMB(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucels(登録商標))、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocels E(登録商標)及びK(登録商標)、Viscontrans MPHC(登録商標))が挙げられる。一般に、これらの偽塑性賦形剤は、チキソトロピック剤とともに用いられる。別な使用しうる増粘剤としては、流動性が低い偽塑性賦形剤がある。それらのポリマーは、十分な濃度では、構造的流動性アレンジメント(structural fluid arrangement)を起こし、その結果静止下で低い流動性を有する高粘度溶液となる。流動と輸送を可能にするため、あるエネルギー量をシステムに与える必要がある。流動性液体を得るために、外部エネルギー(攪拌)によって構造的流動性アレンジメントを一時的に破壊する必要がある。
【0038】
そのようなポリマーとしては、カーボポール(Carbopols(登録商標))やキサンタンガムが挙げられる。静止下ではゲル構造を有するが、攪拌下では流動性の液を形成する、チキソトロピック賦形剤を用いることもできる。チキソトロピック賦形剤の例としては: Veegum(登録商標)(マグネシウム−アルミニウムケイ酸塩)及びAvicel RC(登録商標)(マイクロクリスタリンセルロース約89%及びカルボキシメチルセルロースナトリウム約11%)がある。
【0039】
ケーク構造の物理的安定性を増強させるために、デキストランのような結合剤を用いてもよい。デキストランの分子量が増えるほど、ワクチンケークの完全性も増加する。例えば、デキストラン10は平均分子量10,000程度を有するデキウトランであるが、本発明で使用するのに適しており、同様に分子量70,000; 100,000;及び400,000のデキストランも本発明のために使用しうる。β−シクロデキストリンも結合剤として使用できる。
【0040】
本発明のワクチン組成物は、キサンタンガム又はデンプンから選ばれる増粘剤を含むことが好ましい。
【0041】
すなわち、本発明のワクチン組成物は炭酸カルシウムとキサンタンガムを配合して、両者はデキストラン結合剤とともに、あるいはデキストラン結合剤なしで、調製することが好ましい。また、デキストランとキサンタンガム及び/又はデキストランと炭酸カルシウム又は水酸化アルミニウムのようなアルミニウム塩を含むワクチン製剤も好ましい。
【0042】
本発明で用いられる組成物の他の成分としては、ワクチン製剤を貯蔵中に安定化させるためのガラス形成組成物が好ましい。そのような組成物の例としては、例えばUS 5,098,893、US 6,071,428、WO 98/16205、WO 96/05809、WO 96/03978、US 4,891,319、US 5,621,094、WO 96/33744に記載されている、ガラス形成多価アルコールが挙げられる。特に、モノ、ジ、トリ又はオリゴサッカライドを含む糖類及びそれらの糖アルコールが好ましい。本発明で用いられる好適な糖は当該技術分野で周知のものであり、トレハロース、スクロース、ラクトース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルチュロース、イソマルチュロース、ラクチュロース、マルトース、又はデキストロース、及びマンニトール、ラクチトール、及びマルチトールのような、それらの糖アルコールが挙げられる。
【0043】
本発明のワクチン組成物は、例えば香料(特に経口ワクチンのための)及び静菌剤のような成分をさらに含んでいてもよい。
【0044】
凍結乾燥製剤は、薬用ブリスターパックに入れて、錠剤の形態で好適に提供することができる。
【0045】
本発明は別な態様において、弱毒化した生の細菌やウィルス、あるいは生のウィルスや細菌ベクターを含む組成物であって、口中に入れたとき迅速に溶解しうる凍結乾燥固体である組成物を提供する。
【0046】
本発明のワクチンは、ワクチンに典型的な重篤な副作用なしで、感染に対して効果的な防御を与える適当な量の生ウィルスを用いて、公知の技術によって製造され、投与される。適当な量の生ウィルスは、通常1投与あたり104及び107 ffu の間である。典型的なワクチンの投与は、1投与あたり105 −106 ffu であり、例えば2ヶ月の間隔で2回投与するように、時間をおいて数回投与してもよい。しかしながら、特に開発途上国においては、2回より多く投与すること、例えば、3乃至4投与療法によって効果が得られる。投与間隔は、2ヶ月より長くても短くてもよい。1投与又は複数回投与療法のための最適な生ウィルスの量、及び投与の最適なタイミングは、抗体価や被験者の他の応答を観察することによって確認することができる。
【0047】
各ワクチン投与量におけるタンパクの量は、典型的なワクチン接種を受ける人において、重篤な副作用なしに免疫防御反応を誘起する量から選ばれる。そのような量は用いられる特定の免疫原やその提供方法によって様々である。一般的に、各投与は1−1000 μg、好ましくは1−500μg、より好ましくは1−100μg、最も好ましくは1−50μgタンパクを含む。特定のワクチンのための最適な量は、被験者の特有の免疫応答を観察する標準試験によって確認できる。最初のワクチン接種の後、被験者は1回又は数回の追加免疫を適当な間隔を置いて受けてもよい。
【0048】
本発明の経口投与固形形態は比較的容積が低く、口中や舌下への挿入が容易である。液体ワクチンは約0.1から1ml、好ましくは0.1から0.5mlのアリコートであり、最も好ましくは0.1から0.3 mlの範囲である。
【0049】
【実施例】
本発明を、以下の実施例により説明する。
【0050】
実施例1:水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウムを含む凍結乾燥ウィルスのブリスター製品
これらの実施例を通じて、公知のウィルスのレファレンスを利用し、ウィルス剤調製には標準技術を利用した。凍結精製ウィルスバルクを解凍し、適当な培地組成物(この場合は、ダルベッコの修飾イーグル培地)で、所望の標準ウィルス濃度(この場合は、106.2 ffu/ml)まで希釈した。水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウム懸濁液を最終量48 mg/投与になるまで加え、ウィルス組成物を凍結乾燥安定剤(スクロース、デキストランもしくは4%アミノ酸、又はゼラチン、又は植物ペプトン、又はキサンタンが用いられる)で標的ウィルスの力価が105.6 ffu/投与になるまで希釈した。無菌充填装置を利用して、0.5ml、好ましくはこれ以下の量をプラスチック製ブリスターの穴に入れた。前記組成物を凍結乾燥し、ブリスターの穴を熱封印した。
【0051】
必要に応じて、水酸化アルミニウム懸濁液の沈澱を防止するために標準成分を含めてもよい。そのような標準成分としては、例えばステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、及びシリコンポリマーを挙げることができる。香料(フレーバー)を含めてもよい。
【0052】
以下の製剤を作製し、凍結乾燥して“ケーク”とし、37℃で1週間保存する前後におけるウィルス力価を試験した。これらの製剤は口中で急速に溶解した。
【0053】
【表1】
実施例2:制酸剤を含む凍結乾燥ウィルスのブリスター製品
ワクチンケーク製剤は実施例1の記載と同様に0.6 mlの量で調製し、凍結乾燥サイクルは以下のように実施した。
【0054】
【表2】
前記製剤を物理的安定性と口中での溶解速度について試験した。
【0055】
【表3】
実施例3:デキストラン含有ケーク
ワクチンケークは結合剤としてデキストランを含み、あるいは含まずに調製し、ケークの状態とウィルス力価の安定性を試験した。
【0056】
【表4】
デキストランを含まないケークは固形でワクチン製剤として安定であったが、デキストランを添加するとケークはより硬くなり、ブリスターパックでの使用に適したものとなった。
【0057】
実施例4:炭酸カルシウム制酸剤存在下におけるウィルスの凍結乾燥
【表5】
実施例5:口中に入れたとき速やかに崩壊する凍結乾燥タブレット
他の適当な製剤を上述の技術を用いて試験し、本発明のワクチンに適していることを確認した。
【0058】
【表6】
実施例6:OspAライオックによるマウスの経口ワクチン接種
以下の凍結乾燥即時溶解性タブレットを調製した。
【0059】
【表7】
試験手順
8週齢のBalb/cマウスは、0日で50 μgの水酸化アルミニウムに吸着させた1 μg Lipo−OspA(IM)を筋肉内投与して準備した。8群のマウスは、28日目に上述のライオック製剤を経口で、又は50 μgの水酸化アルミニウムに吸着させた1 μgのLipo−OspA (ポジティブコントロール)を筋肉内に追加投与した。2回目の追加投与は、56日目にライオック製剤で行った。IgAに加えて血清IgG 抗体をELISAにより測定した。
【0060】
結果
一般に、経口ライオック製剤はOspAの筋肉内追加投与よりも低い血清IgG反応を誘起した。しかしながら、全てのライオック製剤は各追加投与後に強い免疫反応を誘起し、それぞれ2回目の追加投与後に観察された免疫反応ピークの強さは、その前の追加投与後に観察されたピークよりも大きいものだった。1から5群の全ての群は、2回目の追加投与後において約20−25 μg/ml のOspA特異的IgGが測定された。
【0061】
実施例7:インフルエンザ抗原によるマウスへの経口ワクチン接種
5つの異なるサンプルを用意した。
【0062】
全てのサンプルは以下のものを含む。
【0063】
A/Beijing /262/95 完全ウィルスのHA 30μg
スクロース 2%
ソルビトール 3%
デキストラン T40 4%
アミノ酸 2%
炭酸カルシウム 80mg
キサンタン 0.3%
それらに加えて、いくつかのサンプルはアジュバントを含む:
【表8】
インフルエンザ完全ウィルス以外の全ての成分を含むプラセボも調製した。
【0064】
ゲル及びウェスタンブロッティングにより、HAは凍結乾燥後もその強度を維持することが示された。
【0065】
HAを定量するためのSRDアッセイを実施し、HA予測値を測定した。
【0066】
8匹のマウスからなる群(雌 Balb/c 6週齢)を完全不活性化抗原(H1N1 A/Beijing/262/95) 5μg/HA を経鼻投与して前処理し、28日後に同じ完全不活性化抗原3μg HAを含む以下の製剤で経口的に免疫した(1群以外:筋肉内投与)。初回投与前、14、42、及び56日後に、血清と凝血を集めた。全血清について、ELISAによるその特異的抗−Beijing IgG活性と、そのヘマグルチニン阻害能を試験した(HI assay)。特異的抗−Beijing IgAの検出は、2つの別なELISAs (μg/ml中の全IgA量と特異的抗−Beijing エンドポイント力価)を用いて凝血について行った。最終的な結果は特異的IgAと全IgAの比率で示した。
【0067】
結果
LT又は3D−MPLを含む、アジュバントを加えたライオック製剤は、約50のHI力価でインフルエンザ特異的体液性免疫反応を誘起することができた。全ライオック製剤は顕著な免疫反応を各追加投与後に誘起し、各2回目の追加免疫投与後に観察されたピーク免疫反応の強さは、その前の追加投与後に観察されたピークより大きかった。
【0068】
実施例8:凍結乾燥製剤
好ましい製剤は異なる物理−化学的性質間の譲歩の結果物である。好ましい製剤において:
−凍結乾燥ケークは製造及び投与操作に耐えるだけ十分に強い。
【0069】
−それは、投与するとき、手の湿気によって悪影響を受けてはならない。
【0070】
−それは、口中に入れたときすぐに溶解するため十分に薄くなければならない。
【0071】
具体的処方は制酸剤の有無により様々である。例えば:
A 制酸剤なしの処方
このケークでは、凍結乾燥ケークは一般的に口中で非常に早く溶解する。それゆえ凍結乾燥ケークは操作に耐えるだけ十分に強いことが好ましい。
【0072】
適切な処方は以下のとおりである。
【0073】
【表9】
必要であれば、製造又は投与操作に耐えるように、キサンタン、ケルガム100、ケルガムGFS、又はペクチンのような高分子物質を加えてケークの硬さを高めてもよい。
【0074】
【表10】
処方 01C16/03 が特に好ましい。
【0075】
B 制酸剤を含む処方
炭酸カルシウムのような制酸剤を使用するとき、充填工程中の懸濁液の均一性を維持することが望ましい。
【0076】
これは以下のようにして達成することができる:
−培地の粘度を増加させる(例えば:キサンタン、ケルガム又はペクチンを用いる)
−懸濁液の硬さを増加させる(例えば:デンプンを用いる)
−培地中でゲルを作製する(カルシウムイオンでペクチンを架橋する)
適切な製剤は以下のようである。
【0077】
【表11】
炭酸カルシウム メルク製品番号102069(粒子サイズ:3μm)は良好な結果を与え、メルク製品番号112120(粒子サイズ:30μm)、及び実質的に3μmの粒子が好ましい。
【0078】
【表12】
上記の表からわかるように、好ましい製剤はスクロース、デキストラン、ソルビトール及びアミノ酸を上記の適切な範囲で含む。
Claims (19)
- 抗原及び適当な賦形剤を含む経口投与固形ワクチン組成物であって、該固形ワクチンが即時溶解性ケークの形態を有する、前記固形投与ワクチン。
- デキストランを含む、請求項1記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- 生の弱毒化したバクテリア又はウィルスワクチンを含む、請求項1記載の経口投与固形ワクチン。
- 即時溶解性ケークが液体ワクチン組成物の昇華によって形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- ワクチン組成物が制酸剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- 制酸剤が水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、又は水酸化マグネシウムから選ばれる、請求項5記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- 制酸剤が水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの配合である、請求項6記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- ワクチン組成物が結合剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- 結合剤がデキストランである、請求項8記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- ワクチン製剤が安定化ガラス形成ポリオールを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- ガラス形成ポリオールがトレハロース、スクロース、ラクトース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルチュロース、イソマルチュロース、ラクチュロース、マルトース、デキストロース及びマンニトール、ならびにラクチトール及びマルチトールのようなそれらの糖アルコールから選ばれる、請求項10記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- ワクチン組成物が擬塑性賦形剤又はチキソトロピック剤を含むワクチン組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン。
- 擬塑性賦形剤がキタンタンガムである、請求項12記載の経口投与固形ワクチン。
- キサンタンガム、デキストラン、及び炭酸カルシウムを含む、請求項1記載の経口投与固形ワクチン。
- キサンタンガム、デキストラン、及び水酸化アルミニウムを含む、請求項1記載の経口投与固形ワクチン。
- さらにソルビトールを含む、請求項14又は15記載の経口投与固形ワクチン。
- 抗原又は抗原組成物が以下の群に由来する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン;
ヒト免疫不全ウィルス、水痘帯状疱疹ウィルス、単純疱疹I型ウィルス、単純疱疹II型ウィルス、ヒトサイトメガロウィルス、デング熱ウィルス、A、B、C又はE型肝炎ウィルス、RS(Respiratory Syncytial)ウィルス、ヒトパピローマウィルス、インフルエンザウィルス、ヘモフィルス−インフルエンザb型ウィルス(Hib)、髄膜炎ウィルス、サルモネラ、ナイセリア、ボレリア、クラミジア、ボルデテラ、プラスモディウムもしくはトキソプラズマ、スタンワースデカペプチド;又は、腫瘍関連抗原(TMA)、MAGE、BAGE、GAGE、MUC−1、Her−2neu、LnRH、CEA、PSA、KSAもしくはPRAME。 - ワクチン組成物がさらにアジュバントを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の経口投与固形ワクチン組成物。
- アジュバントが、LT、CT、3D−MPL、CpG及びQS21から選ばれる、請求項18記載の経口投与固形ワクチン組成物。
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