JP2004505896A - 新規なセファロスポリン化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規なセファロスポリン化合物およびその製造方法 Download PDF

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    • A61P31/04Antibacterial agents

Abstract

本発明は、新規なセファロスポリン化合物、その薬剤学的に許容され得る無毒性塩、生理学的に加水分解可能なエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体、上記化合物を含有する薬剤学的組成物およびその製造方法に関する。

Description

【0001】
技術分野
本発明は、抗生物質として有用な新規セファロスポリン化合物に関するものである。より具体的には、本発明は抗菌剤として有用であり、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のような菌株に強力な活性を持つ下記式(I)の新規セファロスポリン化合物、薬剤学的に許容され得るその無毒性塩、生理学的に加水分解可能なそのエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体に関するものである。
【0002】
【化9】
Figure 2004505896
式中、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、または窒素原子および酸素原子からなる群より選択される1〜2個のヘテロ原子を含むC5−6ヘテロアリールを示し、
は、水素またはカルボキシ保護基を示し、
Qは、O、SまたはCHを示し、
Zは、CHまたはNを示し、
nは、0または1の整数を意味し、
【0003】
Arは、下記式の一つによって示されるヘテロアリール基を示し、
【化10】
Figure 2004505896
ここで、X、Y、W、A、B、D、E、GおよびIは6−員環がピリミジン構造を形成する条件で、互いに独立して、NまたはC(またはCH)を示し、
【0004】
は、水素またはC1−4アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキルおよびC1−6ヒドロキシアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
【0005】
およびRは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルチオを示すか、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
【0006】
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素またはC1−6アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、かつ
−−−−−は単結合または二重結合を意味する。
【0007】
本発明は、また上述した式(I)で示される化合物の製造方法および活性成分として式(I)で示される化合物を含む抗菌剤組成物に関するものである。
【0008】
背景技術
セファロスポリン系抗生物質は人体および動物における病原性細菌によって引き起こされる感染病を治療するのに広く用いられる。特に、ペニシリン化合物のような他の抗生物質に耐性のある細菌によって引き起こされる疾病の治療とペニシリン過敏性患者を治療するのに有用である。このような感染性疾患の治療の殆どの場合に、グラム陽性およびグラム陰性菌のいずれに対しても抗菌活性を示す抗生物質を使用することが望ましい。このようなセファロスポリン系抗生物質の抗菌活性は、セフェム環の3−位または7−位に存在する置換基の種類によって大きく影響を受けることはよく知られている。従って、広範囲なグラム陽性およびグラム陰性菌に対して強力な抗菌作用を示す抗生物質を開発しようという試みによって、現在まで3−または7−位に種々の置換基が導入された多数のセファロスポリン系抗生物質が開発された。
【0009】
例えば、英国特許第1,399,086号には下記式(II)で示されるセファロスポリン誘導体が広範囲、かつ総括的に説明されている。
【化11】
Figure 2004505896
式中、
は、水素または有機基を示し、
はエーテル化された1価有機基であり、炭素を通じて酸素まで連結されており、
Aは、−S−または>S→Oを示し、かつ
Bは、有機基を示す。
【0010】
これらの化合物の開発以来、広範囲の抗菌スペクトルの抗生物質を開発するための多くの試みが行なわれており、その結果、多くのセファロスポリン系抗生物質が開発された。このような開発によって式(II)のセフェム核の7−位にアシルアミド基およびC−3位置に特定の基を導入するための多面的な研究も多方面で進められてきた。
【0011】
最近では、グラム陽性菌の耐性菌、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が深刻な院内感染の問題となり、MRSAに対する強力な活性を示めすセファロスポリン系化合物を開発するために、C−3位にアリールチオ基を導入しようという試みがあった。
【0012】
すなわち、日本特許出願公開第98−36375号には、下記式(III)のセファロスポリン誘導体が広範囲、かつ総括的に記述されており、C−3位にアリールチオ基を導入することで広範囲な病原菌に対する活性を高めている。
【0013】
【化12】
Figure 2004505896
式中、
は、置換されたアルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシまたはヘテロシクリル基を示し、
Aは、保護されたアミノ、ヒドロキシまたはメチレン基を示し、
は、保護されたカルボキシまたはカルボキシルレートを示し、
10は、ハロ、シアノ、アミジノ、グアニジノ、アジド、ニトロ、置換されたアルキル、アルケニル、ジクロロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アシル、カルバモイル、カルバモイルオキシ、アルコキシイミノ、ウレイド、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルまたはスルファモイルを示し、または2−置換されたピリミジニル、キナゾリニル、プリニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピラゾロ[4,3−d]ピリミジニル、[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジニルまたはフテリジニルを示し、かつ
mは、0または1を意味する。
【0014】
上記特許にはC−3位のチオアリール部分に種々のヘテロ芳香族環が導入されているが、本発明での4−ピリミジンまたは2−ピリジン環とは異なる。すなわち、上記特許はC−3位に存在する置換基として非置換もしくは置換された種々のピリミジニル基に言及しているが、本発明で用いられるような4−ピリミジンまたは2−ピリジン環に対する言及はない。
【0015】
上記メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)によって引き起こされる深刻な院内感染に対して強力な活性を示すことができるセファロスポリン化合物を開発するために、7位にアシル基を導入し、C−3位にピリジン基を導入しようという試みがあった。その代表的な例は、ヨーロッパ特許公開第EP96−72742号に記載された下記式(IV)で示される化合物である。
【0016】
【化13】
Figure 2004505896
式中、
アシル置換基は、Ar−S−CH−CO−であり、ここでArは疎水性の置換されたフェニル、ピリジルまたはベンズチアゾール基を示し、
11およびR12は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアミノアルキルカルボニルアミノを示し、かつ
13は、置換された脂肪族、芳香族、アリール脂肪族または糖部分を含有する基を示す。
【0017】
上記ヨーロッパ特許にはC−3位に存在するチオアリール部分に種々のヘテロ芳香族環が導入されているが、本発明にかかる化合物のC−3位に存在する置換基とは異なる。
【0018】
すなわち、本発明ではC−3位に非置換または置換された種々のピリミジニル基または2−ピリジル基などが導入されていることを特徴としているが、上記特許にはこれらに対する言及がない。
【0019】
発明の開示
このように本発明者らは、MRSAを含むグラム陽性菌に対して広範囲な抗菌活性を示すセファロスポリン化合物を開発するために鋭意研究を行なってきた。その結果、上記要件を満たすC−3位が所望により置換されたピリミジニル基を有する特定のセファロスポリン化合物を見出し、本発明の完成に至った。
【0020】
従って、本発明の目的は上述した式(I)で示される化合物、その薬剤学的に許容され得る無毒性塩、生理学的に加水分解可能なエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体を提供することである。
【0021】
さらに、本発明の目的は式(I)で示される化合物を製造する方法および活性成分として式(I)で示される化合物を含有する抗菌剤組成物を提供することである。
【0022】
発明を実施するための最良の形態
本発明の目的は、下記式(I)の新規なセファロスポリン化合物、その薬剤学的に許容され得る無毒性塩、生理学的に加水分解可能なエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体を提供することである。
【0023】
【化14】
Figure 2004505896
式中、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、または窒素原子および酸素原子からなる群より選択される1〜2個のヘテロ原子を含むC5−6ヘテロアリールを示し、
は、水素またはカルボキシ保護基を示し、
Qは、O、SまたはCHを示し、
Zは、CHまたはNを示し、
nは、0または1の整数を意味し、
【0024】
Arは、下記式の一つによって示されるヘテロアリール基を示し、
【化15】
Figure 2004505896
ここで、X、Y、W、A、B、D、E、GおよびIは6−員環がピリミジン構造を形成する条件で、互いに独立して、NまたはC(またはCH)を示し、
【0025】
は、水素またはC1−4アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキルおよびC1−6ヒドロキシアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
【0026】
およびRは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルチオを示し、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
【0027】
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素またはC1−6アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、かつ
−−−−−は、単結合または二重結合を意味する。
【0028】
本発明にかかる式(I)の化合物は使用目的に応じて注射用製剤および経口用製剤で投与することができる。
【0029】
式(I)の化合物の薬剤学的に許容され得る無毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸などの無機酸との塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、蟻酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、ベンゾリン酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、アスコルビン酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸との塩、またはメタンスルホン酸またはパラ−トルエンスルホン酸との塩、およびペニシリンとセファロスポリンの技術分野で公知および広範囲に用いられている他の酸との塩を含む。これらの酸付加塩はいずれかの通常の技術によって製造できる。
【0030】
また、式(I)の化合物は、塩基と無毒性塩を形成することができる。この目的のために用いられる塩基は、アルカリ金属水酸化物(例:水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属重炭酸塩(例:重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(例:炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなど)などの無機塩基とアミノ酸のような有機塩基が挙げられる。
【0031】
式(I)の化合物の生理学的に加水分解可能なエステルの例は、インダニル、フタリジル、メトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチルエステルまたはペニシリンとセファロスポリン分野で広く知られて広範囲に用いられる他の生理学的に加水分解可能なエステルが挙げられる。このようなエステルはいずれかの公知の方法によって製造できる。
【0032】
本発明にかかる式(I)の化合物の代表的な例は、次の通りである。
I−1:
(6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
I−2:
(6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
I−3:
(6R,7R)−3−[(6−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
I−4:
(6R,7R)−3−[(4−アミノ−2−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−7−[(フェニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
I−5:
(6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、および
I−6:
(6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸。
【0033】
本発明にかかる下記式(I)の化合物は、
【化16】
Figure 2004505896
式中、R、R、R、Z、Q、nおよびArは、上記と同義であり、かつ
その薬剤学的に許容される無毒性塩、生理学的に加水分解可能なエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体は、下記式(V):
【0034】
【化17】
Figure 2004505896
[式中、R、R、R、Z、Qおよびnは式(I)の定義と同義であり、
Lは、脱離基を示し、かつ
pは、0または1を示す]
の化合物を、溶媒中で式(VI):
【0035】
【化18】
Figure 2004505896
[式中、Arは式(I)の定義と同義である]
の化合物と反応させ、必要ならば、上記方法は反応前および後に酸保護基を除去するか、式(VII):
【0036】
【化19】
Figure 2004505896
[式中、
、R、R、Z、Q、nおよびArは式(I)の定義と同義である]
の化合物のS→オキサイドを還元させる方法によって式(I)の化合物を製造することができる。
【0037】
式(I)の化合物を製造する上記本発明にかかる方法において、式(V)の化合物1モル当たり1〜2モルの式(VI)の化合物が用いられる。
【0038】
式(V)の化合物と式(VI)の化合物を反応させて式(I)の化合物を製造する本発明にかかる方法において、反応温度は広い範囲で変えることができ、−10〜50℃、好ましくは20〜35℃の温度である。
【0039】
式(I)の化合物を製造するための本発明にかかる方法は溶媒を使用して行うすることができる。適当な溶媒は、非反応性溶媒であり、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドサイド、塩化メチレンなど、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0040】
上記方法で、カルボキシ保護基であるRは温和な条件下で容易に除去できる基が適している。カルボキシ保護基Rの代表的な例は、(低級)アルキルエステル(例:メチルエステル、t−ブチルエステルなど)、(低級)アルケニルエステル(例:ビニールエステル、アリルエステルなど)、(低級)アルキルチオ(低級)アルキルエステル(例:メチルチオメチルエステルなど)、ハロ(低級)アルキルエステル(例:2,2,2−トリクロロエチルエステルなど)、置換または非置換アラルキルエステル(例:ベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステルなど)またはシリルエステルなどが挙げられる。
【0041】
上記のカルボキシ保護基は加水分解および還元などの温和な反応条件下で容易に除去され、遊離カルボキシ基を形成し、式(I)の化合物の化学的性質によって適切に選択される。
【0042】
適当な脱離基Lは、例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などである(その前駆体である3−ヒドロキシ化合物の合成:Hel. Chem. Acta 1974, 57, 1919−1934)。
【0043】
式(V)で点線は、下記で示されるような、2−セフェムまたは3−セフェム化合物それぞれを示し、またはこれらの混合物であること示す。
【化20】
Figure 2004505896
Figure 2004505896
式中、R、R、R、Z、Q、n、pおよびLは、上記と同義である。
【0044】
式(V)の化合物は下記式(VIII):
【化21】
Figure 2004505896
Figure 2004505896
の化合物またはその塩をアシル化剤で活性化した後、下記式(IX):
【0045】
【化22】
Figure 2004505896
[式中、R、R、R、Z、Q、n、pおよびLは、上記と同義である]
の化合物と反応させて製造できる。
【0046】
式(IX)で点線は下記で示される2−セフェムまたは3−セフェム化合物それぞれを示し、またはこれらの混合物であることを示す。
【化23】
Figure 2004505896
式中、R、Lおよびpは、上記と同義である。
【0047】
式(I)の化合物はまた、式(VI):
【化24】
Figure 2004505896
[式中、Arは、上記と同義である]
の化合物を、式(X):
【化25】
Figure 2004505896
[式中、R、pおよびLは、上記と同義であり、かつ
P’はアミノ保護基を示す]
の化合物と反応させて、式(XI):
【0048】
【化26】
Figure 2004505896
[式中、R、P’、Arおよびpは、上記と同義である]
の化合物を得た後、式(XI)の化合物からアミン−保護基P’を除去し、上記式(VIII)のカルボン酸またはその塩をアシル化剤で活性化した後、式(VIII)の化合物の活性化された形態を保護基P’が除去された式(XI)の脱保護された化合物と反応させることによって製造される(参照:活性化されたカルボン酸の製法および活性化されたカルボン酸とアミン基の反応:EP94105499.1, EP94108809.8)。
【0049】
上記式(I)の化合物を製造する方法において、式(X)の化合物は一般的に式(VI)の化合物1モル当たり0.5〜2モルの量で用いられ、また、式(VIII)の化合物は一般的に式(XI)の化合物1モル当たり1〜2モルの量で用いられる。
【0050】
式(VI)の化合物と式(X)の化合物を反応させる場合、反応温度は広い範囲で変えられるが、−80〜40℃の温度が一般的である。この反応は溶媒でも行うことができる。この反応に使用できる、適当な溶媒は不活性溶媒であり、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレンおよびこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0051】
式(X)の構造式中点線は下記で示されるような、2−セフェムまたは3−セフェム化合物それぞれを示し、またはこれらの混合物を示す。
【化27】
Figure 2004505896
Figure 2004505896
式中、R、p、LおよびP’は、上記と同義である。
【0052】
式(V)の化合物を製造するために、式(VIII)の化合物の活性形であるアシル化誘導体は酸塩化物、酸無水物、混合酸無水物(好ましくは、メチルクロロホルメート、メジチレンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドまたはクロロホスフェートと形成される酸無水物)または活性化されたエステル(好ましくはジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤の存在下にN−ヒドロキシベンゾトリアゾルとの反応で形成されるエステル)などが挙げられる。また、アシル化反応はジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤の存在下に式(VIII)の遊離酸によっておこなうことができる。一方、アシル化反応は通常第3級アミン、好ましくは、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンなどの有機塩基や重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基存在下で有利に行うことができる。この反応で用いられる溶媒としては、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドなどの種類の溶媒が挙げられる。また、上記溶媒から選択される2つ以上のものを含有する混合溶媒も使うことできる。反応は水溶液でも行うことができる。
【0053】
このアシル化工程の反応温度は−50〜50℃、好ましくは、−30〜20℃程度であり、式(VIII)の化合物のアシル化剤は式(IX)または(X)の化合物1当量に対して等モル量または若干過剰量、すなわち、1.05〜1.2当量を使用することができる。
【0054】
上記式(I)の化合物の製造において、式(V)の化合物のアミノ保護基や酸保護基はセファロスポリン分野で広く知られた通常の方法で除去できる。すなわち、加水分解または還元によって保護基を除去でき、酸加水分解はトリ(ジ)フェニルメチル基またはアルコキシカルボニル基の除去に有用であり、蟻酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸または塩酸などの無機酸を使用して行う。
【0055】
上記反応の反応生成物から再結晶化、電気泳動法、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたはイオン交換樹脂クロマトグラフィーなどの種々の方法によって目的とする式(I)の化合物を分離および精製できる。
【0056】
本発明の別の目的は、活性成分として式(I)の化合物または薬剤学的に許容され得るその塩を、薬剤学的に許容される担体とともに含有する薬剤学的組成物を提供することである。
【0057】
本発明の化合物は使用目的に応じて注射用製剤および経口用製剤で投与できる。
【0058】
本発明の式(I)の化合物は、公知の医薬用担体と賦形剤を利用する公知の方法で製剤化されて単位投与形態または複数投与容器内に取り入れられる。製剤形態は溶液、懸濁液または油性または水性媒質中のエマルジョンの形態であってもよく、通常の分散剤、懸濁剤または安定化剤を含有し得る。さらに、無菌、発熱物質が除去された水で使用前に溶解して使用する乾燥粉末の形態の場合であってもよい。式(I)の化合物はまた、カカオ脂またはその他のグリセリドなどの通常の坐薬の形態で製剤化できる。経口投与用固体投与形態は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が可能であり、特にカプセル剤と錠剤が有用である。錠剤および丸剤は腸溶剤で製造することが望ましい。固体投与形態は本発明にかかる式(I)の活性化合物をスクロース、ラクトース、澱粉などの一つ以上の不活性希釈剤およびステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、崩壊剤、結合剤などの担体と混合することによって製造できる。
【0059】
必要ならば、本発明の化合物はペニシリンまたは他のセファロスポリンなどの他の抗菌剤と組み合わせて投与することができる。
【0060】
本発明にかかる式(I)の化合物を単位投与形態で製剤化する場合、単位投与形態が式(I)の化合物の活性成分を約50〜1,500mg含有することが好ましい。式(I)の化合物の投与量は患者の体重、年齢および疾病の具体的な特徴と重症度などの要因によって医師の処方に応じて適切に選択する。しかし、成人治療に必要な投与量は投与の頻度と強度によって1日約500〜5,000mg範囲が一般的である。成人に筋肉内または静脈内投与時には、一回投与量に分割して総一日投与量が一般的に約150〜3,000mgならば十分であるが、ある種感染症の場合は、より多い一日投与量が好ましい。
【0061】
本発明にかかる式(I)の化合物およびその無毒性塩、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、無機酸塩、有機酸塩およびアミノ酸との塩は、種々のグラム陽性菌を含む広範囲な病原性菌に対して強力な抗菌活性および広範囲な抗菌スペクトルを示して、人を含む動物の細菌感染による疾病の予防および治療に非常に有用である。
【0062】
本発明を下記製造例および実施例によって更に具体的に説明する。しかし、これらは本発明の理解を助けるためにだけであって、これらが本発明を制限するものではない。
【0063】
実施例
製造例1
ベンズヒドリル−7−アミノ−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシルレートの合成
(6R,7R)−ベンズヒドリル−7−アミノ−3−[(メトキシスルファニル)オキシ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシルレート塩酸塩 2g(4.025mmol)をテトラヒドロフラン/ジメチルホルムアミド 4/10mLに溶解させてから反応容器の温度を−78℃まで下げた。2,4−ジアミノ−6−メルカプトピリミジン1/2硫酸塩 0.731mg(3.823mmol)を反応溶液に加えた。反応温度を徐々に常温に上げながら反応混合物を24時間攪拌した。過剰量のエーテルを加えて得られた生成物を固体化させ、濾過した後、窒素気流下乾燥させて表題化合物2.23g(収率 85%)を得た。
【0064】
H−NMR (CDOD) δ 7.36−7.30 (10H, m), 7.01 (1H, s), 5.91 (1H, s), 5.54−5.52 (1H, d, J=5.5Hz), 5.28−5.27 (1H, d, J=5.5Hz), 4.05−4.01 (1H, Abq, J=17.9Hz), 3.70−3.67 (1H, Abq, J=18,3Hz).
Mass (m/e) 376
【0065】
実施例1
(6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
ベンズヒドリル−7−アミノ−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシルレート 2.23gをトリフルオロ酢酸とアニソールで処理して脱保護されたトリフルオロ酢酸塩化合物 1.8gを得た。得られた塩化合物 0.5g(1.1012mmol)をジクロロメタン5mLに溶解させた後、0℃に冷却した。N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(BSA) 1.1mLを添加して混合物を0℃で10分間攪拌した。反応混合物に2,5−ジクロロフェニルチオ酢酸クロリド 0.31g(1.12113mmol)とピリジン 0.045mL(0.5506mmol)を添加した。反応容器の温度を10℃まで上げ、2時間攪拌した。水とアンモニウムクロリドで反応を中断させた。生成物をジエチルエーテルで固体化して0.28gの固体化合物を得た。高圧分取液体クロマトグラフィーで精製して表題化合物 0.080g(収率 14.5%)を得た。
【0066】
H−NMR (DMSO−d) δ 9.34 (1H, d, J=7.8Hz), 7.48−7.46 (2H, m), 7.26−7.24 (1H, m), 6.65 (1H, br, s), 6.34 (1H, br, s), 5.76−5.67 (2H, m, s), 5.19−5.18 (1H, d, J=4.55Hz), 3.98 (2H, s).
Mass (m/e) 558
【0067】
実施例2
(6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
実施例1と同様にして表題化合物 0.085gを得た(収率 33.3%)。
【0068】
H−NMR (CDOD) δ 8.89 (1H, m), 7.46 (1H, s), 7.37−7.35 (1H, d, J=8.25Hz), 7.16 (1H, m), 5.78−5.77 (2H, s, d), 5.25−5.24 (1H, d, J=5Hz), 3.88 (1H, Abq, J=17.9Hz), 3.82 (2H, s), 3.51 (1H, Abq, J=17.9Hz).
Mass (m/e) 559
【0069】
実施例3
(6R,7R)−3−[(6−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
実施例1と同様にして表題化合物 0.07gを得た(収率 30.0%)。
【0070】
H−NMR (CDOD) δ 8.91−8.89 (1H, m), 7.45 (1H, s), 7.37−7.35 (1H, d, J=8.25Hz), 7.19 (1H, m), 5.93 (1H, s), 5.72−5.71 (1H, d, J=5Hz), 5.29−5.27 (1H, d, J=5.05Hz), 3.94−3.91 (1H, Abq, J=17.9Hz), 3.86 (2H, s), 3.52−3.50 (1H, Abq, J=17.9Hz).
Mass (m/e) 559
【0071】
実施例4
(6R,7R)−3−[(4−アミノ−2−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−7−[(フェニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
ベンズヒドリル−(6R,7R)−3−ヒドロキシ−8−オキソ−7−[(2−フェニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシルレート 1.0gをジクロロメタン溶液に溶解させた後、温度を−78℃に冷却した。反応溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物 0.336mLおよびジイソプロピルエチルアミン 0.174mLを順に滴加した。混合物を1.5時間攪拌した後、過剰量のジクロロメタンを注いだ。水と塩水で溶液を洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過した後、減圧下濃縮した。これ以上分離しないで次の反応を行った。
【0072】
得られたトリフラートと2−アミノ−2−ピリミジンチオール 380mgをジメチルホルムアミド15mLに溶解させた後、−20℃で反応を開始した。温度をゆっくり常温まで上げた後、反応混合物を12時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾かした後、濾過した。濾液を減圧下蒸留させた。残渣をジクロロメタンおよびジエチルエーテルで処理して結晶を析出させた後、濾過してベンズヒドリル−(6R,7R)−3−[(4−アミノ−2−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−7−({2−[(4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸を得た。
【0073】
得られた固体をトリフルオロ酢酸 2mLおよびアニソール 0.8mLで脱保護した後、高圧分取液体クロマトグラフィーで分離、精製して表題の化合物 30mg(3工程収率:3.4%)を得た。
【0074】
H−NMR (DO) δ 7.95 (1H, d, J=5.96Hz), 7.40−7.47 (5H, m), 6.40 (1H, d, J=5.96Hz), 5.94 (1H, d, J=4.58Hz), 5.06 (1H, d, J=4.58Hz), 4.04 (2H, s), 3.79 (2H, Abq, J=15.12Hz).
Mass (m/e) 444
【0075】
実施例5
(6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
ベンズヒドリル−7−アミノ−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボキシルレート 2.23gをトリフルオロ酢酸およびアニソールで処理して脱保護されたトリフルオロ酢酸塩化合物 1.8gを得た。
【0076】
得られた(6R,7R)−7−アミノ−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩 0.20g(0.4415mmol)を3mLジクロロメタンに溶解させた後、0℃に冷却した。0.44mLのN,O−ビストリメチルシリルアセトアミドを添加し、反応混合物を0℃で10分間攪拌した。2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチルクロリド 0.14g(0.5298mmol)とピリジン 0.018mL(0.2208mmol)を加えた。反応容器の温度を10℃まで上げ、反応混合物を3時間攪拌した。水および塩化アンモニウムで反応を中断させた。生成物をジエチルエーテルで固体化して固体物 0.10gを得た後、該固体物を高圧分取液体クロマトグラフィーで精製して表題の化合物 0.038g(収率 15.4%)を得た。
【0077】
H−NMR (DO) δ 7.14 (1H, s), 5.58 (1H, s), 5.40−5.39 (1H, d, J=4.4Hz), 5.01−4.99 (1H, d, J=4.8Hz), 3.83 (2H, s), 3.58−3.54 (1H, ABq, J=17.6Hz), 3.17−3.13 (1H, Abq, J=17.2Hz).
Mass (m/e) 559
【0078】
実施例6
(6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸の合成
(6R,7R)−7−アミノ−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩 0.20g(0.4415mmol)を3mLのジクロロメタンに溶解させた後、0℃に冷却した。0.44mLのN,O−ビストリメチルシリルアセトアミドを加え、反応混合物を0℃で10分間攪拌した。2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチルクロリド 0.14g(0.5298mmol)とピリジン 0.018mL(0.2208mmol)を加えた。反応容器の温度を10℃まで上げ、反応溶液を3時間攪拌した。水および塩化アンモニウムで反応を中断させた。生成物をジエチルエーテルで固体化して固体物 0.15gを得た後、該固体物を高圧分取液体クロマトグラフィーで精製して表題の化合物 0.077g(収率 31.1%)を得た。
【0079】
H−NMR (DO) δ 7.02 (2H, s), 5.32−5.30 (1H, d, J=4.4Hz), 5.26 (1H, s), 4.88−4.87 (1H, d, J=4.8Hz), 3.71−3.68 (2H, q), 3.46−3.42 (1H, ABq, J=17.6Hz), 3.05−3.01 (1H, Abq, J=16.8Hz).
Mass (m/e) 560
【0080】
実験例1:最小阻止濃度(MIC)
本発明にかかる化合物の有用性は、公知の化合物中のグラム陽性菌に優れた効果を持つバンコマイシン(vancomycin)を対照薬物として、上記実施例で製造された化合物(I−1〜I−6)の標準菌株に対する最小阻止濃度(MIC)を求めて評価した。すなわち、最小阻止濃度は試験物質を2倍希釈法で希釈して得て、Mueller−Hinton寒天培地に分散し、1mL当たり10cfu(colony forming unit)を持つ各試験菌株を2μLの量で接種した後、37℃で20時間培養して求めた。その結果を表1および2に示した。菌株に対する最小阻止濃度実験の結果から、本発明にかかる化合物はMRSA菌株を含む、院内感染を引き起こす主要病原菌に対して優れた活性を持っていることを確認することができた。
【0081】
表1
標準菌株に対する感受性試験結果(μg/mL)
Figure 2004505896
【0082】
表2
標準菌株に対する感受性試験結果(μg/mL)
Figure 2004505896
【0083】
本発明を上記具体的な実施例について説明したが、これらの実施例は本発明の属する技術分野の熟練者によって種々の変形および変更が可能であることが認識されるべきであり、また添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲内に含まれるものである。

Claims (6)

  1. 下記式(I):
    Figure 2004505896
    [式中、
    およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、または窒素原子および酸素原子からなる群より選択される1〜2個のヘテロ原子を含むC5−6ヘテロアリールを示し、
    は、水素またはカルボキシ保護基を示し、
    Qは、O、SまたはCHを示し、
    Zは、CHまたはNを示し、
    nは、0または1の整数を意味し、
    Arは、下記式の1つによって示されるヘテロアリール基を示し、
    Figure 2004505896
    ここで、X、Y、W、A、B、D、E、GおよびIは、6−員環がピリミジン構造を形成する条件で、互いに独立して、NまたはC(またはCH)を示し、
    は、水素またはC1−4アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキルおよびC1−6ヒドロキシアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
    およびRは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルチオを示し、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、
    、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素または、C1−6アルキルを示し、または非置換もしくはC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキルおよびC1−6アミノアルキルからなる群より選択される置換基によって置換されたアミノを示し、かつ
    −−−−−は、単結合または二重結合を示す]
    で示されるセファロスポリン化合物、その薬剤学的に許容され得る無毒性塩、生理学的に加水分解可能なエステル、水和物、溶媒和物またはこれらの異性体。
  2. 下記化合物:
    (6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
    (6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,5−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
    (6R,7R)−3−[(6−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロフェニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
    (6R,7R)−3−[(4−アミノ−2−ピリミジニル)スルファニル]−8−オキソ−7−[(フェニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、
    (6R,7R)−3−[(2,6−ジアミノ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、および
    (6R,7R)−3−[(2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)スルファニル]−7−({2−[(2,6−ジクロロ−4−ピリジニル)スルファニル]アセチル}アミノ)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸
    からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
  3. 請求項1に記載の式(I)で示される化合物を製造する方法であって、下記式(V):
    Figure 2004505896
    [式中、
    、R、R、Ar、Z、Qおよびnは、請求項1と同義であり、
    Lは、脱離基を示し、かつ
    pは、0または1を示す]
    で示される化合物を、溶媒中で式(VI):
    Figure 2004505896
    [式中、Arは、請求項1と同義である]
    で示される化合物と反応させて式(I)の化合物を得るか、または、式(VII):
    Figure 2004505896
    [式中、
    、R、R、Ar、Z、Q、nおよびArは、請求項1と同義である]で示される化合物のS→オキサイドを還元して、式(I)で示される化合物を得ることを特徴とする方法。
  4. 酸保護基を除去する工程をさらに含む、請求項3記載の方法。
  5. 請求項1に記載の式(I)で示される化合物を製造する方法であって、式(VI):
    Figure 2004505896
    [式中、Arは請求項1におけると同義である]
    で示される化合物を、式(X):
    Figure 2004505896
    [式中、Rは、請求項1におけると同義であり、
    pは、0または1であり、
    Lは、脱離基であり、かつ
    P’はアミノ保護基を示す]
    で示される化合物と反応させて、式(XI):
    Figure 2004505896
    [式中、
    、P’、Arおよびpは、上記と同義である]
    で示される化合物を得た後、式(XI)で示される化合物からアミン−保護基P’を除去し、式(VIII)で示されるカルボン酸またはその塩をアシル化剤で活性化した後、式(VIII)で示される化合物の活性化体を、保護基P’が除去された式(XI)で示される脱保護化合物と反応させることを特徴とする方法。
  6. 有効成分として式(I)で示される化合物またはその薬剤学的に許容され得る塩を、薬剤学的に許容され得る担体とともに含む抗菌剤組成物。
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