JP2004505257A - 共焦点および近接場顕微鏡技術用多重ソースアレイ - Google Patents
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Abstract
物体を照明する多重ソースアレイは、真空において波長λを有する電磁放射線源と、電磁放射線を受けるように配置された反射性マスクとを含む。反射性マスクは、空間的に分離されたアパーチャの配列を備え、各アパーチャが、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備え、各アパーチャが電磁放射線の一部を物体に放射するように構成されている。
Description
【0001】
(関連出願に対する相互引用)
本願は、ヘンリー エイ.ヒル(Henry A. Hill)による「共焦点および近接場顕微鏡技術用多重ソースアレイ(Multiple−Source Arrays for Confocal and Near−Field Microscopy)」と題され、2000年7月27日に出願された仮出願第60/221,019号の優先権を主張する。その内容は、この言及により本願に援用されることとする。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、走査顕微鏡技術の速度、信号対ノイズ比および測定帯域幅に対して実利的な改良が可能な新規なマスク構造の一種に関する。
近接場および共焦点走査顕微鏡技術を含む走査顕微鏡法は、従来より単一の空間的に局所化された検出素子または励起素子を採用している。これを走査プローブと呼ぶこともある。近接場走査プローブは、通常、サンプルに接近して配置された波長以下のアパーチャ(sub−wavelength aperture)であり、このようにして、物体面(object−plane)において波長以下の空間解像度が得られる。共焦点走査プローブは、回折制限光学部品を採用し、光波長レベルの解像度を達成している。走査プローブをラスタパターンで駆動することによって空間的に広がる画像が捕捉される。近接場顕微鏡技術では、従来よりこのようにして二次元画像を生成している。共焦点顕微鏡技術は、ラスタ走査を第3の次元、即ち、深さ方向に拡張することによって、立体を撮像するという付加的な機能を有する。近接場および共焦点走査顕微鏡装置は、通常、物体面即ち物体の小面積または立体を選択する単一の有効アパーチャを用いることによって高い空間解像度を得る。残念なことに、アパーチャを介した透過は通常小さいため、光学検出ハードウエアの負担が大きくなり、長い測定統合時間を要することが多い。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、走査顕微鏡技術として広く知られている技法に適用可能な新規なマスク構造の一種を特徴とする。例えば、実施形態では、複数のアパーチャの複数の構成に対して、高い光学的スループット、速度、信号対ノイズ比および測定帯域幅の実利的な改善を行うことができる。かかる実施形態は、サンプルのプロファイル検査、サンプルからの光学的日付(optical date)の読み取り、および/またはサンプルへの光学的日付の書き込みを行うように設計された顕微鏡システムに組み込むことができる。
【0004】
概して言えば、一態様において、本発明は、物体を照明する多重ソースアレイを特徴とする。多重ソースアレイは、真空において波長λを有する電磁放射線源と、電磁放射線を受けるように配置された反射性マスクとを含む。反射性マスクは、空間的に分離されたアパーチャの配列(アレイ)を備える。各アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向(長手方向に対して直交する方向)の寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備える。更に、各アパーチャは、電磁放射線の一部を物体に放射するように構成されている。
【0005】
多重ソースアレイの実施形態は、以下の特徴のいずれかを有し得る。
反射性マスクは、アパーチャの配列を包囲する反射性誘電体スタックを備える。例えば、反射性誘電体スタックは、交互に配された異なる誘電体材料の層を備えることができる。交互層における誘電体材料の屈折率は、各アパーチャ内の誘電体材料の屈折率よりも小さくされ得る。更に、反射性マスクは、アパーチャから延出する誘導伝搬モードのエバネッセント成分を減衰するように配置した反射/吸収層(例えば、金属層)を備えることもできる。通常、反射/吸収層の厚さは、当該反射/吸収層の材料に対する電磁放射線の表皮深度よりも大きい。反射/吸収層は、誘電体スタックの一方の側に配置することができる。あるいは、反射性マスクは、更に、誘電体選別層を含むことができ、誘電体選別層と誘電体スタックとの間に反射/吸収層が配置される。更に、反射/吸収層は、共通平面に位置する一連のパッドで形成することもでき、この場合、隣接するパッドは、反射/吸収層内におけるプラズモン発振を抑制するのに十分な量だけ互いから離間している。
【0006】
更に、マスクは、物体に隣接して配置されるエンドマスク部を有し得る。各アパーチャは、エンドマスク部内に形成され、対応する導波路と整合する副アパーチャを更に備える。各副アパーチャの横断方向寸法は、対応する導波路の横断方向寸法よりも小さい。更に、各副アパーチャの横断方向寸法は、ソースによって供給される電磁放射線の真空波長よりも短い。加えて、マスクは、導波路の各々を包囲する反射性誘電体スタックを更に備えることもできる。エンドマスク部は、金属層を有することができる。また、各導波路は、マスクの対向側間に光学的空洞を画定し得、この場合、光学的空洞が電磁放射線と共振するように各導波路の長さを選択する。
【0007】
反射性マスクは、更に、物体に隣接して配置された反射防止コーティングを有してもよい。
アパーチャの内の少なくとも一部は、ほぼ円筒形である。その円筒状アパーチャは約λ/2n3の直径を有し得る。ここで、n3は対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である。
【0008】
各アパーチャの横断方向寸法の内少なくとも1つは、約λ/2n3のオーダーであり得、ここで、n3は対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である。更に、少なくとも1つのアパーチャの別の横断方向寸法は、λ/2n3よりも小さい。
【0009】
反射性マスクにおけるアパーチャの内の少なくとも一部が、周期的な配列を画定し得る。例えば、周期的な配列は、多重アパーチャ基礎単位(basis)
アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットに対応するのに十分な特性を有する第1アパーチャセットと、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第2のセットに対応するのに十分な特性を有する第2アパーチャセットとを有し得る。前記1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットは、1つ以上の誘導導波路モードの第2のセットとは異なる。例えば、第1アパーチャセットは第1のアパーチャの周期的配列を画定し、第2アパーチャセットは第2のアパーチャの周期的配列を画定する。
【0010】
アパーチャの少なくとも1つにおける誘電体材料は、シリコンであり得る。
ソースによって供給される波長λは光学波長であり得る。
ソースは、マスクの法線軸に関してある角度で反射性マスクに接するように、電磁放射線を指向させ得る。
ソースは、反射性マスクに定在波パターンとして接触するように、電磁放射線を指向させてもよい。
【0011】
多重ソースアレイは、更に、反射性マスクに取り付けられた光学基板(optical substrate)を備えることができ、その光学基板は電磁放射線に対して実質的に透過性である。例えば、光学基板は、反射性マスクに機械的安定性を付与し得る。更に、光学基板は曲面を備え、集光または合焦を行ってもよい。
【0012】
多重ソースアレイは、反射性マスク上に形成された均一誘電体層を更に有し得、アパーチャ内における誘電体材料とマスク上に形成された誘電体材料とは共通の誘電体材料から成る。更に、均一誘電体層上に形成された反射防止コーティングがあってもよい。
【0013】
概して言えば、別の態様において、本発明は、真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する多重ソースアレイを特徴とする。多重ソースアレイは、空間的に分離されたアパーチャの配列を備える反射性マスクを有する。各アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備える。更に、各アパーチャは、電磁放射線の一部を物体に放射するように構成されている。多重ソースアレイの特徴は、前述の特徴のいずれでも備え得る。
【0014】
概して言えば、別の態様において、本発明は、真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する方法を特徴とする。この方法は、導波路の配列を備えたマスクを用意するステップと、各導波路を介して、電磁放射線の一部を結合し、物体の異なる空間領域を照明するステップとを含む。この方法は、更に、多重ソースアレイに関して先に述べた特徴のいずれに対応する特徴でも備え得る。
【0015】
前述の実施形態のいずれでも、以下の本願と所有者を同じくする仮出願に記載されている共焦点および近接場共焦点顕微鏡システムに組み込むことができる:2000年8月2日に出願され、Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy(走査干渉近接場共焦点顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による第09/631,230号および2001年2月8日に公開された対応するPCT公開公報第WO01/09662 A2号、2000年7月27日に出願され、Multiple−Source Arrays with Optical Transmission Enhanced by Resonant Cavities(共振空洞によって光透過を強化した多重ソースアレイ)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,091号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,400号、2000年7月27日に出願され、Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy with Background Amplitude Reduction and Compensation(背景振幅低減および補償を備えた走査干渉近接場共焦点顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,086号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,399号、2000年7月27日に出願され、Control of Position and Orientation of Sub−Wavelength Aperture Array in Near−field Scanning Microscopy(近接場走査顕微鏡技術における波長以下のアパーチャアレイの位置および方位制御)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,287号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,401号、並びに2000年7月27日に出願され、Differential Interferometric Confocal Near−Field Microscopy(差動干渉共焦点近接場顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,295号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,276号。前述の出願の各々の内容は、この言及により、本願に援用されることとする。前述の仮出願に開示されている態様および特徴は、本願に記載される実施形態に組み込むこともできる。
【0016】
本発明の実施形態は、以下の利点のいずれでも備え得る。
1つの利点は、作動光源の真空波長に関して測定される、物体面における波長以下の空間解像度である。
別の利点は、誘電体スタックを用いて、アパーチャ周囲に高反射性のマスクを設けることにある。その結果、反射性マスクは、マスクの一方側において放射エネルギを強化するために用いる光学的空洞を形成する多数の光学素子の1つとして用いられ得る。一方、アパーチャ導波路は、光学的空洞からの放射線を、誘電体スタックの反対側に結合する。
【0017】
別の利点は、従来の近接場顕微鏡技術の解像度に比肩し得る高い光学的スループットを物体面解像度に対して達成できることである。
別の利点は、多くの画像点を同時に取得し高いデータレートでの最終使用を可能にするアパーチャアレイである。
【0018】
別の利点は、多くの表面上同一の走査プローブを均一に制御して物体面に近接可能であることである。
別の利点は、外部の機械的外乱に対して高い耐性を有することである。
別の利点は、従来の近接場顕微鏡には直接用いられない多数の近接場モード構造を使用することである。
【0019】
別の利点は、平面形状の単一プラットフォーム上において、各々、個々の最終使用のために特別に設けた特性を処理する、多種類の走査プローブを組み合わせることが可能であることである。
【0020】
別の利点は、アパーチャアレイを支持光学基板と一体化し、更に光学的合焦即ち集光機能を提供するように構成可能なことである。
別の利点は、1つ以上の吸収または反射層間マスクの使用によって、空間解像度を更に高める方法にある。
【0021】
別の利点は、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間における疑似相互作用または望ましくない相互作用を抑制する方法にある。
別の利点は、あるアパーチャアレイに影響を及ぼすプラズモン効果を抑制する方法にある。
【0022】
別の利点は、アパーチャアレイを通過する同時光透過に対する進行波励起様式(modality)における作用である。
別の利点は、フェーズドアレイ様式における作用である。
別の利点は、同時に励起したアパーチャアレイによって光学的スループットを高めるためのモード一致定在波励起様式における作用である。
【0023】
別の利点は、定在波パターンの周期性を調整することによる、定在波励起様式におけるアパーチャの周期的部分集合の可変で選択的な励起である。
別の利点は、定在波パターンの空間的回転による、定在波励起様式におけるアパーチャの周期的部分集合の可変で選択的な励起である。
【0024】
別の利点は、15番目または16番目の利点のいずれかを組み込んだ、進行波または定在波様式において可変で選択的に励起可能な2つ以上のアパーチャアレイの組み合わせである。
【0025】
別の利点は、反射防止およびモード一致構造を、直接アパーチャアレイに一体化し、アパーチャアレイの光透過効率の向上を可能とすることである。
便宜上、以下に続く実施形態は、光学波長における電磁放射線を参照しながら説明する。別の波長における別の実施形態も、本発明の範囲に該当する。
【0026】
その他の特徴、態様、および利点を以下に述べる。
図面においては、同様の参照記号は種々の図を通じて同様の要素を示すこととする。
(発明の詳細な説明)
図面を詳細に参照すると、図1Aおよび図1Bは、本発明の現時点における好適な第1実施形態の概略図である。全体を符号100で示されるアパーチャアレイマスクは、図1Aに示す任意の断面を有する柱状誘電体111が埋設された、厚さdの高反射性平面誘電体多層スタック101を備える。埋設された柱状誘電体111の本質的な特徴は、埋設された柱状誘電体111の各々が、スタック101の表面に対して垂直な方向に伝搬する少なくとも1つの誘導光学モード(guided optical mode)に対応する(をサポートする)ことにある。図1Bにおいて、二次元アレイに配列された直径Dの円形柱状誘電体102は非限定的な一例を示す。
【0027】
アレイは、図1Bでは単純な有限の方形格子として表されているが、アレイは一次元または二次元の任意の周期的構造を有し得ることが理解されよう。一次元アレイの非限定的な一例を図1Cに示す。ここでは、格子ベクトル
【0028】
【数1】
の単純な格子の有限な繰り返しによって与えられる相対的位置において、多層スタック101内に柱状誘電体102が埋設されている。一次元アレイの別の非限定的な一例を図1Dに示す。3つの誘電柱体102A、102Bおよび102Cから成る基礎単位が、格子ベクトル
【数2】
の有限の繰り返しによって与えられる位置で繰り返されている。
一次元アレイの汎化によって二次元アレイが形成される。二次元アレイは、周知の結晶格子の原理の類推によって記述される。したがって、全体的に符号100で示されるマスクの面における二次元格子は、任意の組の非共線ベクトル
【数3】
によって画定される。各ベクトルの長さはゼロでなく、全体を符号100で示されるマスクの表面に対して平行である。格子は、図1Bに示すような単純な一要素基礎単位、または102の形式の多数の誘電柱体から成る基礎単位のいずれを有しても、本発明の主旨から逸脱することにはならない。アレイの横方向範囲は、図1Bの5×5アレイよりも大きくても、小さくてもよく、本発明の主旨から逸脱することにはならない。即ち、次元{M×N}の有限格子を形成するには、1つ以上の誘電柱体102から成る基礎単位を、全ての位置
【数4】
において、M個の第1自然数{1、2、...、M}の集合から選択したm回、およびN個の第1自然数{1、2、...、N}から選択したn回繰り返す。したがって、全ての一次元アレイは、二次元アレイ{1×N}または{M×1}の特殊な場合であることがわかる。前記NまたはMはそれぞれゼロでない。
任意の断面および屈折率の誘電柱体の任意配列の特殊な場合は、前述の基礎単位を用いた格子の一般的な定義に含まれることは明確に理解されよう。その非限定的な一例を図1Eに示す。即ち、次元{1×1}のアレイの特殊な場合は、単一の格子点から成る。格子点に、任意の数の任意の断面および任意の屈折率の誘電柱体を付与すると、実利的な構造が得られる。誘電柱体103A、103B、103C、103Dおよび103Eと共に、かかる構成を図1Eに示す。
【0029】
図面を詳細に参照すると、図2は、現時点における好適な第1実施形態の全体を符号100で示されるマスクの全体を符号200で示される小区分の概略図を示す。誘電体多層スタック201は、画定された光周波数の「停止帯域」において、所望のスペクトル反射特性、通常は高い反射率を生成するように選択した、2つ以上の誘電体材料が周期的に配された層から成る。
【0030】
それぞれ屈折率n1および屈折率n2を有する交互の層203および層204の単純なスタックを図2に示し、高反射性誘電体スタックの非限定的な一例とする。尚、本発明の主旨から逸脱することなく、他の誘電体スタックも可能であり、本発明の範囲はあらゆる多層誘電体構造を含むことは、当業者には理解されよう。全体を符号200で示されるマスクの厚さdは、個々の最終使用に望まれる反射率を達成するために必要な数および形式の層によって決定され、光学的用途ではマイクロメータのオーダーになり得る。
【0031】
誘電円柱体の屈折率n3が>max{n1,n2}である場合、得られる構造は、誘電円柱体202の軸線に沿って伝搬する1つ以上の誘導電磁モードに対応する。誘電円柱体202の直径Dは、したがって、真空で測定した動作波長λに対して約λ/(2n3)となる。
【0032】
ここで、数値例を出して、本発明が高い空間解像度をもたらす態様を例示する。動作波長が、例えば、633nmで、n3がシリコンとして3.88である場合、最低位モードの空間範囲は約82nmである。このモードに対応するには、誘電円柱体202の直径Dは、少なくとも82nmにされ得る。その結果、このモードを近接場における物体面に結合することによって得られる空間解像度は、空中において約λ/2〜316nmに回折を制限した場合に得られるものよりも遥かに高くなる。
【0033】
更に、屈折率n3のアパーチャおよび約λ/(2n3)の直径は少なくとも1つの誘導(即ち、伝搬)モードに対応する。しかしながら、屈折率n(nはn3未満)および直径λ/(2n3)のアパーチャは誘導モードに対応せず、かかるアパーチャの光透過性は乏しく、「遮断(cut−off)」と言われる。したがって、直径がλ/(2n3)で、屈折率n3の誘電体を充填したアパーチャの光学的スループットは、直径がλ/(2n3)で、空気またはガラスのような屈折率がn3未満の誘電体を充填したアパーチャによって実現される光学的スループットよりも高い。このように、全体を符号200で示されるマスクの光学的スループットは、高屈折率の誘電柱体202を用いることによって高められる。
【0034】
更に、図2の導波構造は、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクのそれらのように、良好に画定された配列に容易に複製される。図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクの平面構造により、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクを物体面に任意に接近させることが可能となる。
【0035】
更に、図1Bの誘電円柱体102間では空間関係が固定されているので、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクが不完全に製作された場合でも、外部の機械的外乱に対して高い耐性が得られる。
【0036】
現時点における好適な第1実施形態の説明に潜在的に含まれる、更に別の改良は、図2の誘電円柱体202の直径Dが十分に大きく、所望の動作波長において効率的な透過が得られる場合に、異なる横断モードが物体面内の構造と測定可能に異なる様に相互作用する範囲および程度において、図2の導波構造の1つ以上のより高次の横断モードを採用可能とすることである。
【0037】
図面を詳細に参照すると、図3Aおよび図3Bは、現時点において好適な第1実施形態の全体を符号100で示されるアパーチャアレイマスクを製作することができる、4つの非排他的、非限定的なナノ加工方法の概略図を示す。図3Aおよび図3Bの方法は、各々、例えば、シリコン基板に、アスペクト比が高い基台をエッチングすることを含む。ナノ機械加工を行うには、米国特許第5,198,390号およびその中で引用されている文書に開示されているような、世に認められている種々のプロセスのいずれでもよい。得られた基台は、現時点において好適な第1実施形態の誘電柱体102を形成する。次に、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101を基台上に、図3Aにおけるように直接蒸着するか、または図3Bにおけるように選択的に露光されたフォトレジストの層の後に蒸着する。
【0038】
図3Aの直接蒸着方法では、最終構造を生成するためには化学機械研磨のような平坦化作業が必要となる。
図3Bのリフトオフ方法は、ナノ加工工程と同じマスクを用いて、レジスト層を露光する。未露光のレジストを洗い落としてから、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101を蒸着する。最後に、露光したレジストを剥離し、最終構造を形成する。
【0039】
図3Cの方法では、図3Aおよび図3Bで用いたのと同じかまたは同様のナノ加工方法によって、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101に開口を穿設する。次に、得られたボイドを、例えば、米国特許第6,030,881号およびその中で引用されている文書に開示されているようなプロセスによって、シリコンまたは窒化シリコンのような誘電率が高い材料で再充填する(backfill)。最後に、化学機械式研磨のような平坦化作業によって、過剰な再充填材料を除去し、最終構造を生成する。
【0040】
図面を詳細に参照すると、図4は、本発明の現時点における好適な第2実施形態の概略図を示す。全体を符号400で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の、高反射性平面誘電体多層スタック401を備える。前記スタック401は、それぞれ、直径DAおよび直径DB、並びに屈折率n3Aおよびn3B(>max{n1,n2})の柱誘電体402Aおよび円柱誘電体402Bが、基礎単位によって方形格子として配列された状態で埋設されている。図4における基礎単位は、各1本の符号402Aのタイプの誘電円柱体と符号402Bのタイプの誘電円柱体とから成る。誘電円柱体402Aおよび402Bの一般的な特性は、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102と同様であり、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体に関する説明は、誘電円柱体402Aおよび402Bの各々にも適用される。
【0041】
したがって、誘電円柱体402Aおよび402Bの誘導モードを製作して、認識できる空間解像度を得ることができる。
アレイの横方向の範囲は、図4の5×5アレイよりも大きくてもまたは小さくてもよく、本発明の主旨を逸脱することにはならない。基礎単位は、図4の2つの成分の基礎単位よりも複雑にしても単純にしてもよく、本発明の主旨を逸脱することにはならない。更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点を裏付けする例として、本発明の主旨を逸脱することなく、2種類よりも多い誘電円柱体で構成してもよい。
【0042】
前述の解説から、現時点における好適な第4実施形態は、第1乃至第6の利点の裏付けにもなることは明白である。
図面を詳細に参照すると、図5は、本発明の現時点における好適な第3実施形態の概略図を示す。全体を符号500で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層マスク101と実質的に同様な、高反射性平面誘電体多層マスク501から成る。前記マスク501は、縁の寸法がaおよびbであり、屈折率がn3>max{n1,n2}である誘電体の矩形柱502が埋設されている。
【0043】
得られた矩形導波構造は、1つの大きな例外を除いて、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102と実質的に同様な目的を果たす。現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102は、所与の屈折率n1,n2,n3に対して、臨界「遮断」直径よりも大きい直径に対してのみ、所望の動作光周波数によって特徴付けられる誘導伝搬モードに対応するが、これとは異なり、矩形柱導波路502は、寸法aまたは寸法bの双方ではなくいずれか一方が任意に小さく形成されているので、少なくとも1つの誘導伝搬モードに対応する。これらの条件の下で、直径aまたは直径bのうちのより小さい直径が、走査プローブの一次元空間解像度を画定する。従って、寸法aまたは寸法bのうちのより大きい寸法をλ/(2n3)と同様またはそれよりも大きく維持することによって、高い光学的スループットを達成することができる。
【0044】
現時点における好適な第3実施形態の説明において暗に示された、更に別の改良は、異なる横断モードが物体面内の構造と測定可能に異なる様に相互作用する範囲および程度において、6番目の利点を支持する図5の導波構造の1つ以上の高次横断モードを励起可能とすることである。これは、寸法aまたは寸法bの少なくとも一方を十分に大きくして、所望の動作波長において効率的な透過が得られるようにすることによって達成することができる。
【0045】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図5の2×2アレイよりも大きくされても、または小さくされてもよい。
基礎単位は、本発明の主旨を逸脱することなく、図5の一要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。
【0046】
現時点における好適な第3実施形態は、現時点における好適な第1実施形態の態様で、第3乃至第5の利点の裏付けにもなることは明らかである。
図面を詳細に参照すると、図6は、本発明の現時点における好適な第4実施形態の概略図を示す。マスク600は、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック601から成り、縁寸法aA×bA,aB×bBおよび屈折率n3A,n3B(>max{n1,n2})をそれぞれ有する誘電矩形柱体602A,602Bが埋設されている。誘電矩形柱体602A,602Bの全体的な特性は、現時点における好適な第3実施形態の誘電矩形柱体502と同様であり、現時点における好適な第3実施形態の誘電矩形柱体602に関する説明は、誘電矩形柱体602A、602Bにも適用される。
【0047】
したがって、誘電矩形柱体602A,602Bの誘導モードを製作し、認識できる空間解像度を得ることができる。例えば、誘電柱体602A,602Bは、異なるサイズおよび/または方位で製作すれば、単一のアパーチャアレイにおいて異なる空間解像度に対する感度を得ることができる。
【0048】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図6の2×2アレイよりも大きくも、小さくもされ得る。
基礎単位は、本発明の主旨を逸脱することなく、図6の二要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点の裏付ける例に関して、2種類よりも多い誘電矩形柱体を備えてもよいことは理解されよう。
【0049】
現時点における好適な第4実施形態は、1番目乃至6番目の利点の裏付けにもなることは、以上の説明から自明である。
図面を詳細に参照すると、図7は、本発明の現時点における好適な第5実施形態の概略図を示す。全体を符号700で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック701を備える。スタック701には、2×2方形格子に配列されている三要素基礎単位を形成する誘電柱体702A、702Bおよび702Cが埋設されている。矩形誘電柱体702A,702Bの寸法は、それぞれ、aA×bAおよびaB×bBであり、屈折率はn3Aおよびn3B(>max{n1,n2})である。誘電円柱体702Cの寸法はDCであり、屈折率はn3C>max{n1,n2}である。
【0050】
このように、誘電柱体702A,702B,702Cの誘導モードを製作して、認識できる空間解像度を得ることができる。
誘電柱体702A,702Bの相対的な配向は、非限定的な一例を示し、完全な二次元回転対称を有さない誘電柱体の説明は、前記誘電柱体の配向の指定を含む。
【0051】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図7の2×2アレイよりも大きくも、小さくもされ得る。
基礎単位は、、本発明の主旨を逸脱することなく、図7の三要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。
【0052】
更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点の裏付けになるために、3種類よりも多い誘電矩形柱体を備えてもよいことが理解されよう。
現時点における好適な第4実施形態が6番目乃至6番目の利点の裏付けにもなることは、以上の説明から自明である。
【0053】
図面を詳細に参照すると、図8Aおよび図8Bは、本発明の現時点における好適な第6実施形態の概略図を示す。全体を符号800で示されるマスクは、吸収または反射中間層805の追加を除いて、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック801から成り、該スタック801には誘電柱体802が埋設されている。
【0054】
尚、誘電柱体802の形式および構成は、図8Aの幾何学的形状に限定される訳ではなく、ここに記載した種々の好適な実施形態のいずれによって説明されるいずれの実体でもよいことは理解されよう。
【0055】
吸収または反射中間層805は、誘電体層803または誘電体層804のいずれの上または下に載置され得、図8Aに示すように、物体面に最も近く位置するマスク表面上に有利に配置され得る。物体面に最も近く位置するマスク表面上では、吸収または反射中間層805は、誘電柱体802の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は主に、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって画定される。したがって、吸収または反射中間層805の厚さは、吸収または反射中間層における動作波長の光の表皮深度(透過する深さ、skin−depth)の1倍以上のオーダーとなる。吸収または反射層の非限定的な一例は金属である。
【0056】
また、吸収または反射中間層805は、図8Bに示すように、物体面に最も近く配置されたマスク表面に近い誘電体層間に有利に配置され得る。この場合、吸収または反射中間層805は、誘電柱体802の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって主に画定される。したがって、図8Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点を直接支持するので、図8Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、吸収または反射中間層805を選別誘電体(screening dielectric)806の後ろに「埋め込む」。選別誘電体806は、誘電体層803または誘電体層804のいずれかと同一であってもよいし同一でなくてもよい。吸収または反射中間層805の寸法選択の判断基準は、図8Bの実施形態および図8Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0057】
図面を詳細に参照すると、図9Aおよび図9Bは、本発明の現時点における好適な第7実施形態の概略図を示す。全体を符号900で示されるマスクは、吸収または反射層間パッド905の追加を除いて、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同一の高反射性平面誘電体多層スタック901から成り、該スタック901には誘電柱体902が埋設されている。尚、誘電柱体902の形式および構成は、図9Aの幾何学的形状に限定される訳ではなく、ここに記載した種々の好適な実施形態のいずれかによって説明されるいずれの実体でもよいことは理解されよう。
【0058】
吸収または反射層間パッド905は、いずれの誘電体層903または誘電体層904の上または下に位置してもよく、図9Aに示すように、物体面に最も近く位置するマスク表面上に有利に配置され得る。この場合、吸収または反射層間パッド905は、誘電柱体902の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって主に画定される。吸収または反射層間パッド905の厚さは、したがって、吸収または反射中間層における動作波長の光の表皮深度の1倍以上となる。吸収または反射層間パッドの非限定的な一例は金属である。吸収または反射層間パッド905の横方向(側方)範囲sは、誘導モードのエバネッセント成分の特徴的横方向(側方)範囲と同等である。いずれか2つの吸収または反射層間パッド905の外辺間の最少離間距離gは、全ての吸収または反射層間パッド905を電子的に分断するのに十分なように選択する。即ち、離間距離gは、いずれか2つ以上の吸収または反射層間パッド905に関連するプラズモン発振(plasmon oscillation)を抑制するのに十分となるように選択する。
【0059】
また、吸収または反射層間パッド905は、図9Bに示すように、物体面に最も近く配置されるマスク表面に近い誘電体層903と誘電体層904との間に有利に配置され得る。この場合、直前の段落および図9Aにおいて説明したように、吸収または反射層間パッド905は、誘電柱体902の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。図9Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点を支持するので、図9Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、吸収または反射中間層905を選別誘電体906の後ろに「埋め込む」。選別誘電体906は、誘電体層903または誘電体層904のいずれかと同一であっても、同一でなくてもよい。吸収または反射層間パッド905の寸法選択の判断基準は、図9Bの実施形態および図9Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0060】
図面を詳細に参照すると、図10Aおよび図10Bは、本発明の現時点における好適な第8実施形態の概略図を示す。アパーチャアレイ1001は、ここで1番目乃至7番目に記載した好適な実施形態で説明した形式のいずれかであり、図10Aでは、平面光学基板1002上に直接形成される。アパーチャアレイ1001は、図10Aにおける光学基板1002に直接形成される。図10Bの光学基板1003は、個々の最終使用の要求に応じて集光即ち合焦を実施するように示されており、8番目の利点を支持する。光学基板1002および1003双方は、アパーチャアレイ1001の製作および実装のための機械的に安定したプラットフォームとなる。
【0061】
図面を詳細に参照すると、図11は、本発明の現時点における好適な第9実施形態の概略図を示す。アパーチャアレイマスク1101は、現時点における好適な第8実施形態に記載した光学基板1103上に形成されるか、またはその他の方法で付着される。アパーチャアレイ1101は、光学基板1103を介して、進行波1104によって照明される。進行波1104は、主波動ベクトル
【数5】
によって記述され、該主波動ベクトルは、
【数6】
と表面法線
【数7】
との間に入射角θをなし、表面法線
【数8】
に直交する固定であるが任意のベクトル
【数9】
と、
【数10】
に平行な面上における
【数11】
の投影
【数12】
との間の角度φをなす。このように照明されるアパーチャアレイマスク1101のアパーチャ1102は、進行波モードプロフィルが個々のアパーチャ1102によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、ゼロに等しくないいずれかの角度θに対して系統的に変化する位相で、アパーチャ1102は照明される。その結果得られるアパーチャ1102からの光の透過の性質は、当業者には「フェーズドアレイ」として周知であり、その有用性も当業者には周知である。更に、このフェーズドアレイの向きは、マスク1101および基板1102を共に回転させることによって、または、
【数13】
を
【数14】
を中心として回転させて角度φを変化させることによって、一平面内で回転され得る。
【0062】
図面を詳細に参照すると、図12は、本発明の現時点における好適な第10実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第8実施形態で説明したように、光学基板1203上にアパーチャアレイマスク1201を形成またはその他の方法で付着させする。
【0063】
アパーチャアレイ1201は、光学基板1203を介して、表面法線
【数15】
に直交する、固定であるが任意のベクトルX間に角度π/2−φをなす、等しい振幅の周期および輪郭で記述される進行波強度パターン1204によって照明される。進行波強度パターン1204は、当業者には周知の干渉またはホログラフ法のいずれかによって生成することができる。このように照明を受けたアパーチャアレイマスク1201のアパーチャ1202は、進行波のモードプロフィルが個々のアパーチャ1202によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、アパーチャ1202は、進行波パターンのアンチノード(antinode)がアパーチャ1202と重なり合う程度に励起される。
したがって、(i)マスク1201および基板1202を共に回転させることによって、16番目の利点を支持して、または(ii)進行波パターン1204を
【数16】
を中心として回転させて角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持して、または(iii)進行波パターンの周期を変化させることによって、励起されるアパーチャの数および間隔を適宜制御することができる。
図面を詳細に参照すると、図13は、本発明の現時点における好適な第11実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第8実施形態で説明した光学基板1303上に、複合アパーチャアレイマスク1301を形成またはその他の方法で付着させる。複合アパーチャアレイ1301は、現時点における好適な第1乃至第7実施形態において説明した形式のアパーチャアレイを2種類以上備えており、各々、独立した格子および基礎単位の仕様を有し、単一のアパーチャアレイに組み合わせられている。
【0064】
アパーチャアレイ1301は、光学基板1203を介して、表面法線
【数17】
に直交し、固定であるが任意のベクトル
【数18】
間に角度π/2− φをなす、等しい振幅の周期pおよび輪郭で記述される進行波強度パターン1304によって照明される。進行波強度パターン1304は、当業者には周知の干渉またはホログラフ法にいずれかによって生成することができる。このように照明されたアパーチャアレイマスク1301のアパーチャ1302は、進行波のモードプロフィルが個々のアパーチャ1302によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、アパーチャ1302は、進行波パターンのアンチノードがアパーチャ1302と重なり合う程度に励起される。
したがって、(i)マスク1301および基板1302を共に回転させることによって角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持し、または(ii)進行波パターン1304を
【数19】
を中心として回転させることによって角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持し、または(iii)進行波パターンの周期を変化させることによって、励起するアパーチャの数および間隔を適宜制御することができる。
図面を詳細に参照すると、図14Aおよび図14Bは、本発明の現時点における好適な第12実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第12実施形態は、現時点における好適な第6実施形態の簡略化としたものとして理解することができる。マスク1400は、誘電体プレート1401、埋設された誘電柱体1402、および反射層1405を備えている。尚、誘電柱体1402の形式および構成は、図14Aに示す幾何学的形状に限定される訳でなく、ここで記載した種々の好適な実施形態のいずれかによって記載されたいずれの例でもよいことは理解されよう。反射層1405は、図14Aに示すように、物体面に最も近く配置されたマスク表面上に配置すると有利である。この場合、反射層1405は、誘電柱体1402の誘導モードのエバネッセント成分を反射することによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。したがって、反射層1405の厚さは、反射中間層における動作波長の光の表皮深度の1倍以上程度となる。反射中間層の非限定的な例は金属である。
【0065】
また、反射層1405は、図14Bに示すように、物体面に最も近く配置されるマスク表面に近い誘電体層間に配置すると有利である。この場合、反射層1405は、誘電柱体1402の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。図14Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点の裏付けとなるので、図14Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、反射層1405を選別誘電体1406の後ろに「埋め込む」。選別誘電体1406は、誘電体プレート1401と組成が同一であってもよいし同一でなくてもよい。反射層14905の寸法選択の判断基準は、図14Bの実施形態および図14Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0066】
図面を詳細に参照すると、図15は、本発明の現時点における好適な第12実施形態の概略図を示す。マスク構造1500は、本明細書で説明した種々の現時点における好適な実施形態のいずれでもよい。現時点における好適な第13実施形態の説明では、マスク1500の本質的な特徴は、屈折率n3を有する誘電柱体1502が存在することである。
【0067】
誘電体層1590の屈折率n3は、誘電柱体1502と同じである。したがって、誘電体層1590によって、照明源の横断モードプロフィルを誘電柱体1502内に集中される誘導モードに対して一致させることが容易となる。
【0068】
反射防止構造1591は、当該反射防止構造1591を介してマスク上に入射する光の反射損失を極力抑制するかまたは無くすように設計されている。マクスウェルの方程式の特殊対称性では、同一構造は、マスク1500において発生し反射防止構造1591を介して伝わる光に対する反射損失を極力抑制するかまたは排除することを規定している。反射防止構造1591は、マスク1500からおよびマスク1500への光学的パワーの伝導を最大限に高めることを確実にする光学「インピーダンス整合」デバイスとして解釈することができる。かかる反射防止構造1591を製造する手段は、当業者には周知である。
【0069】
前述のマスクの実施形態では、そのいずれもが、各導波路の端部に1つ以上の波長以下の副アパーチャを備えたエンドマスク部を更に含み、ソースアレイの空間解像度を更に高めることができる。かかる一実施形態のアパーチャ素子を図16Aに示す。
【0070】
ソースアレイマスク1610は、反射性誘電体スタック1620と、副アパーチャ1632のアレイを有するエンドマスク部1630とを備えるむ。各マスクアパーチャ1600は、誘電体材料1624によって形成され、誘電体スタック1620および副アパーチャ1632を貫通する導波路1622を有する。更に、実施形態によっては、エンドマスク部は、導波路毎に、1つよりも多い副アパーチャを設けることもできる。前述のように、誘電体スタック1620は、屈折率n1および屈折率n2を有する誘電体材料の層(図示せず)を交互に配することによって形成され得る。更に、導波路1622を形成する誘電体材料1624は、屈折率n3を有し、n3>n1およびn3>n2となるようにしてもよい。エンドマスク部1630は、金属層で形成してもよく、副アパーチャ1632は、波長以下のアパーチャとなるように選択してもよい。言い換えると、副アパーチャの横断方向寸法は、誘電体材料1624において伝搬モードに対応するために必要なそれよりも小さくてもよい。
【0071】
図16Aに示す実施形態では、エンドマスク部1630は、誘電体スタック1620および導波路1622の双方との界面を形成する。別の実施形態では、エンドマスク部は、主に導波路1622との界面を形成し、反射性誘電体スタック1620に沿った横方向範囲を制限することもできる。ソースアレイマスク1660のかかる一実施形態を図16Bに示す。マスク1610と同様、マスク1660は、アパーチャ1650のアレイを包囲する反射性誘電体スタック1670を備える。マスク1610は、更に、副アパーチャ1682のアレイを有するエンドマスク部1680を備える。各マスクアパーチャ1650は、誘電体材料1674で形成され、誘電体スタック1670および副アパーチャ1682を貫通する導波路1672を有する。エンドマスク部1680は、各誘電体材料1624の幅に沿って延びている。
【0072】
更に、物体と当該物体に最も近いマスク1660の表面との間の多数の反射を抑制するために、マスク1660は、更に、物体に最も近いマスク1660の表面上に形成された反射防止層1690を備えてもよい。例えば、反射防止層1690は、図16Bに示すように、エンドマスク部1680および導波路1682を包囲し得る。反射防止層1690は、誘電体および/または金属層の何らかの組み合わせで形成することができる。更に、マスク1660は、誘電体スタック1670と反射防止層1690との間に挟持された金属層1665を備えて、それらの間の相互作用を極力抑制するようにしてもよい。
【0073】
反射防止コーティングに適した一連の層の一例は以下の通りである。すなわち、第1層は51nmの二酸化シリコンであり、第2層は6nmのベリリウムであり、第3層は51nmの二酸化シリコンであり、第4層は二酸化シリコン基板上の50nmのアルミニウムである。該コーティングは、第1層と空気との間の界面からの反射を防止するように設計されている。
【0074】
また、それぞれのマスクにおいて、導波路1622および導波路1672のいずれかが、マスクの対向する側面間に空洞を形成するように形成されてもよい。かかる場合、導波路の長さは、放射線の波長において空洞が共振するように、または少なくとも実質的に共振するように選択される。
【0075】
前述の実施形態は、そのいずれもが、放射線を提供する供給源を更に備えてもよく、この場合、マスクアパーチャの配列は、放射線を受けて、各アパーチャを介して放射線の一部を物体に対して放射するように配置される。
その他の態様、利点、および変更は、特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1A】元来は反射率が高い平面マスクに組み込まれる、二次元格子上に配された誘電体アパーチャの全体的概念を含む、本発明の現時点における好適な第1実施形態を示す概略図。
【図1B】元来は反射率が高い平面マスクに組み込まれる、二次元格子上に配された円形誘電体アパーチャの非限定的な一例(図1B)を含む、本発明の現時点における好適な第1実施形態を示す概略図。
【図1C】本発明の現時点における好適な第1実施形態における二次元アレイの特殊な場合である一次元アレイを示す概略図。
【図1D】本発明の現時点における好適な第1実施形態における二次元アレイの特殊な場合である一次元アレイを示す概略図。
【図1E】本発明の現時点における好適な第1実施形態における一次元アレイまたは二次元アレイの特殊な場合である誘電体アパーチャの任意配列を示す概略図。
【図2】元来は反射率が高い平面マスクにおける典型的な誘電体アパーチャの構造を示し、したがって、現時点における好適な第1実施形態の種々の態様を示す概略図。
【図3A】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図3B】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図3C】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図4】格子上で反復される基礎単位を形成する多数の種類の円形誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第1実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第2実施形態を示す概略図。
【図5】格子上に配された矩形誘電体アパーチャを含む、本発明の現時点における好適な第3実施形態を示す概略図。
【図6】格子上で反復される基礎単位を形成する多数の種類の円形誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第3実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第4実施形態を示す概略図。
【図7】格子上で反復される基礎単位を形成する円形誘電体アパーチャおよび矩形誘電体アパーチャを含む多数の種類の誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第2および第4実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第5実施形態を示す概略図。
【図8A】現時点における第1乃至第5実施形態と吸収または反射中間層とを組み込み、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用を最少に抑えて、空間解像度を高めた、本発明の現時点における好適な第6実施形態を示す概略図。
【図8B】現時点における第1乃至第5実施形態と吸収または反射中間層とを組み込み、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用を最少に抑えて、空間解像度を高めた、本発明の現時点における好適な第6実施形態を示す概略図。
【図9A】現時点における第6実施形態の変更であり、アパーチャアレイの部材間の結合を低減した、本発明の現時点における好適な第7実施形態を示す概略図。
【図9B】現時点における第6実施形態の変更であり、アパーチャアレイの部材間の結合を低減した、本発明の現時点における好適な第7実施形態を示す概略図。
【図10A】現時点における好適な第1乃至第7実施形態のいずれかと光学基板との組み合わせを説明する本発明の現時点における好適な第8実施形態を支援す概略図。
【図10B】現時点における好適な第1乃至第7実施形態のいずれかと光学基板との組み合わせを説明する本発明の現時点における好適な第8実施形態を支援す概略図。
【図11】進行波を用いてアパーチャアレイの出力側に光場を生成し、フェーズドアレイ出力を生成する選択肢を含む、現時点における好適な第8実施形態の動作を説明する、本発明の現時点における好適な第9実施形態{KBF}を示す概略図。
【図12】進行波を用いてアパーチャアレイの出力側に強化光場を生成し、選択的にアパーチャアレイの部分集合を励起する選択肢を含む、現時点における好適な第8実施形態の動作を説明する、本発明の現時点における好適な第10実施形態を示す概略図。
【図13】現時点における第10実施形態を変更し、単一の元来は反射率が高いマスク上に多数のアパーチャアレイを含ませた、本発明の現時点における好適な第11実施形態を示す概略図。
【図14A】現時点における第6実施懈怠を改造し設計および構造を簡略化した、本発明の現時点における好適な第12実施形態を示す概略図。
【図14B】現時点における第6実施懈怠を改造し設計および構造を簡略化した、本発明の現時点における好適な第12実施形態を示す概略図。
【図15】一体化反射防止構造および一体化モード一致構造を含む、現時点における第1乃至第14実施形態の改造である、本発明の現時点における好適な第13実施形態を示す概略図。
【図16A】マスク端部に少なくとも1つの副アパーチャを設けソースアレイの空間解像度を更に高めた、本発明の更に別の実施形態を示す概略図。
【図16B】マスク端部に少なくとも1つの副アパーチャを設けソースアレイの空間解像度を更に高めた、本発明の更に別の実施形態を示す概略図。
(関連出願に対する相互引用)
本願は、ヘンリー エイ.ヒル(Henry A. Hill)による「共焦点および近接場顕微鏡技術用多重ソースアレイ(Multiple−Source Arrays for Confocal and Near−Field Microscopy)」と題され、2000年7月27日に出願された仮出願第60/221,019号の優先権を主張する。その内容は、この言及により本願に援用されることとする。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、走査顕微鏡技術の速度、信号対ノイズ比および測定帯域幅に対して実利的な改良が可能な新規なマスク構造の一種に関する。
近接場および共焦点走査顕微鏡技術を含む走査顕微鏡法は、従来より単一の空間的に局所化された検出素子または励起素子を採用している。これを走査プローブと呼ぶこともある。近接場走査プローブは、通常、サンプルに接近して配置された波長以下のアパーチャ(sub−wavelength aperture)であり、このようにして、物体面(object−plane)において波長以下の空間解像度が得られる。共焦点走査プローブは、回折制限光学部品を採用し、光波長レベルの解像度を達成している。走査プローブをラスタパターンで駆動することによって空間的に広がる画像が捕捉される。近接場顕微鏡技術では、従来よりこのようにして二次元画像を生成している。共焦点顕微鏡技術は、ラスタ走査を第3の次元、即ち、深さ方向に拡張することによって、立体を撮像するという付加的な機能を有する。近接場および共焦点走査顕微鏡装置は、通常、物体面即ち物体の小面積または立体を選択する単一の有効アパーチャを用いることによって高い空間解像度を得る。残念なことに、アパーチャを介した透過は通常小さいため、光学検出ハードウエアの負担が大きくなり、長い測定統合時間を要することが多い。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、走査顕微鏡技術として広く知られている技法に適用可能な新規なマスク構造の一種を特徴とする。例えば、実施形態では、複数のアパーチャの複数の構成に対して、高い光学的スループット、速度、信号対ノイズ比および測定帯域幅の実利的な改善を行うことができる。かかる実施形態は、サンプルのプロファイル検査、サンプルからの光学的日付(optical date)の読み取り、および/またはサンプルへの光学的日付の書き込みを行うように設計された顕微鏡システムに組み込むことができる。
【0004】
概して言えば、一態様において、本発明は、物体を照明する多重ソースアレイを特徴とする。多重ソースアレイは、真空において波長λを有する電磁放射線源と、電磁放射線を受けるように配置された反射性マスクとを含む。反射性マスクは、空間的に分離されたアパーチャの配列(アレイ)を備える。各アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向(長手方向に対して直交する方向)の寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備える。更に、各アパーチャは、電磁放射線の一部を物体に放射するように構成されている。
【0005】
多重ソースアレイの実施形態は、以下の特徴のいずれかを有し得る。
反射性マスクは、アパーチャの配列を包囲する反射性誘電体スタックを備える。例えば、反射性誘電体スタックは、交互に配された異なる誘電体材料の層を備えることができる。交互層における誘電体材料の屈折率は、各アパーチャ内の誘電体材料の屈折率よりも小さくされ得る。更に、反射性マスクは、アパーチャから延出する誘導伝搬モードのエバネッセント成分を減衰するように配置した反射/吸収層(例えば、金属層)を備えることもできる。通常、反射/吸収層の厚さは、当該反射/吸収層の材料に対する電磁放射線の表皮深度よりも大きい。反射/吸収層は、誘電体スタックの一方の側に配置することができる。あるいは、反射性マスクは、更に、誘電体選別層を含むことができ、誘電体選別層と誘電体スタックとの間に反射/吸収層が配置される。更に、反射/吸収層は、共通平面に位置する一連のパッドで形成することもでき、この場合、隣接するパッドは、反射/吸収層内におけるプラズモン発振を抑制するのに十分な量だけ互いから離間している。
【0006】
更に、マスクは、物体に隣接して配置されるエンドマスク部を有し得る。各アパーチャは、エンドマスク部内に形成され、対応する導波路と整合する副アパーチャを更に備える。各副アパーチャの横断方向寸法は、対応する導波路の横断方向寸法よりも小さい。更に、各副アパーチャの横断方向寸法は、ソースによって供給される電磁放射線の真空波長よりも短い。加えて、マスクは、導波路の各々を包囲する反射性誘電体スタックを更に備えることもできる。エンドマスク部は、金属層を有することができる。また、各導波路は、マスクの対向側間に光学的空洞を画定し得、この場合、光学的空洞が電磁放射線と共振するように各導波路の長さを選択する。
【0007】
反射性マスクは、更に、物体に隣接して配置された反射防止コーティングを有してもよい。
アパーチャの内の少なくとも一部は、ほぼ円筒形である。その円筒状アパーチャは約λ/2n3の直径を有し得る。ここで、n3は対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である。
【0008】
各アパーチャの横断方向寸法の内少なくとも1つは、約λ/2n3のオーダーであり得、ここで、n3は対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である。更に、少なくとも1つのアパーチャの別の横断方向寸法は、λ/2n3よりも小さい。
【0009】
反射性マスクにおけるアパーチャの内の少なくとも一部が、周期的な配列を画定し得る。例えば、周期的な配列は、多重アパーチャ基礎単位(basis)
アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットに対応するのに十分な特性を有する第1アパーチャセットと、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第2のセットに対応するのに十分な特性を有する第2アパーチャセットとを有し得る。前記1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットは、1つ以上の誘導導波路モードの第2のセットとは異なる。例えば、第1アパーチャセットは第1のアパーチャの周期的配列を画定し、第2アパーチャセットは第2のアパーチャの周期的配列を画定する。
【0010】
アパーチャの少なくとも1つにおける誘電体材料は、シリコンであり得る。
ソースによって供給される波長λは光学波長であり得る。
ソースは、マスクの法線軸に関してある角度で反射性マスクに接するように、電磁放射線を指向させ得る。
ソースは、反射性マスクに定在波パターンとして接触するように、電磁放射線を指向させてもよい。
【0011】
多重ソースアレイは、更に、反射性マスクに取り付けられた光学基板(optical substrate)を備えることができ、その光学基板は電磁放射線に対して実質的に透過性である。例えば、光学基板は、反射性マスクに機械的安定性を付与し得る。更に、光学基板は曲面を備え、集光または合焦を行ってもよい。
【0012】
多重ソースアレイは、反射性マスク上に形成された均一誘電体層を更に有し得、アパーチャ内における誘電体材料とマスク上に形成された誘電体材料とは共通の誘電体材料から成る。更に、均一誘電体層上に形成された反射防止コーティングがあってもよい。
【0013】
概して言えば、別の態様において、本発明は、真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する多重ソースアレイを特徴とする。多重ソースアレイは、空間的に分離されたアパーチャの配列を備える反射性マスクを有する。各アパーチャは、マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備える。更に、各アパーチャは、電磁放射線の一部を物体に放射するように構成されている。多重ソースアレイの特徴は、前述の特徴のいずれでも備え得る。
【0014】
概して言えば、別の態様において、本発明は、真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する方法を特徴とする。この方法は、導波路の配列を備えたマスクを用意するステップと、各導波路を介して、電磁放射線の一部を結合し、物体の異なる空間領域を照明するステップとを含む。この方法は、更に、多重ソースアレイに関して先に述べた特徴のいずれに対応する特徴でも備え得る。
【0015】
前述の実施形態のいずれでも、以下の本願と所有者を同じくする仮出願に記載されている共焦点および近接場共焦点顕微鏡システムに組み込むことができる:2000年8月2日に出願され、Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy(走査干渉近接場共焦点顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による第09/631,230号および2001年2月8日に公開された対応するPCT公開公報第WO01/09662 A2号、2000年7月27日に出願され、Multiple−Source Arrays with Optical Transmission Enhanced by Resonant Cavities(共振空洞によって光透過を強化した多重ソースアレイ)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,091号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,400号、2000年7月27日に出願され、Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy with Background Amplitude Reduction and Compensation(背景振幅低減および補償を備えた走査干渉近接場共焦点顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,086号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,399号、2000年7月27日に出願され、Control of Position and Orientation of Sub−Wavelength Aperture Array in Near−field Scanning Microscopy(近接場走査顕微鏡技術における波長以下のアパーチャアレイの位置および方位制御)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,287号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,401号、並びに2000年7月27日に出願され、Differential Interferometric Confocal Near−Field Microscopy(差動干渉共焦点近接場顕微鏡)と題されたHenry A.Hill(ヘンリー エイ.ヒル)による仮出願第第60/221,295号および2001年7月27に出願され同じ名称を有して対応する実用出願第09/917,276号。前述の出願の各々の内容は、この言及により、本願に援用されることとする。前述の仮出願に開示されている態様および特徴は、本願に記載される実施形態に組み込むこともできる。
【0016】
本発明の実施形態は、以下の利点のいずれでも備え得る。
1つの利点は、作動光源の真空波長に関して測定される、物体面における波長以下の空間解像度である。
別の利点は、誘電体スタックを用いて、アパーチャ周囲に高反射性のマスクを設けることにある。その結果、反射性マスクは、マスクの一方側において放射エネルギを強化するために用いる光学的空洞を形成する多数の光学素子の1つとして用いられ得る。一方、アパーチャ導波路は、光学的空洞からの放射線を、誘電体スタックの反対側に結合する。
【0017】
別の利点は、従来の近接場顕微鏡技術の解像度に比肩し得る高い光学的スループットを物体面解像度に対して達成できることである。
別の利点は、多くの画像点を同時に取得し高いデータレートでの最終使用を可能にするアパーチャアレイである。
【0018】
別の利点は、多くの表面上同一の走査プローブを均一に制御して物体面に近接可能であることである。
別の利点は、外部の機械的外乱に対して高い耐性を有することである。
別の利点は、従来の近接場顕微鏡には直接用いられない多数の近接場モード構造を使用することである。
【0019】
別の利点は、平面形状の単一プラットフォーム上において、各々、個々の最終使用のために特別に設けた特性を処理する、多種類の走査プローブを組み合わせることが可能であることである。
【0020】
別の利点は、アパーチャアレイを支持光学基板と一体化し、更に光学的合焦即ち集光機能を提供するように構成可能なことである。
別の利点は、1つ以上の吸収または反射層間マスクの使用によって、空間解像度を更に高める方法にある。
【0021】
別の利点は、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間における疑似相互作用または望ましくない相互作用を抑制する方法にある。
別の利点は、あるアパーチャアレイに影響を及ぼすプラズモン効果を抑制する方法にある。
【0022】
別の利点は、アパーチャアレイを通過する同時光透過に対する進行波励起様式(modality)における作用である。
別の利点は、フェーズドアレイ様式における作用である。
別の利点は、同時に励起したアパーチャアレイによって光学的スループットを高めるためのモード一致定在波励起様式における作用である。
【0023】
別の利点は、定在波パターンの周期性を調整することによる、定在波励起様式におけるアパーチャの周期的部分集合の可変で選択的な励起である。
別の利点は、定在波パターンの空間的回転による、定在波励起様式におけるアパーチャの周期的部分集合の可変で選択的な励起である。
【0024】
別の利点は、15番目または16番目の利点のいずれかを組み込んだ、進行波または定在波様式において可変で選択的に励起可能な2つ以上のアパーチャアレイの組み合わせである。
【0025】
別の利点は、反射防止およびモード一致構造を、直接アパーチャアレイに一体化し、アパーチャアレイの光透過効率の向上を可能とすることである。
便宜上、以下に続く実施形態は、光学波長における電磁放射線を参照しながら説明する。別の波長における別の実施形態も、本発明の範囲に該当する。
【0026】
その他の特徴、態様、および利点を以下に述べる。
図面においては、同様の参照記号は種々の図を通じて同様の要素を示すこととする。
(発明の詳細な説明)
図面を詳細に参照すると、図1Aおよび図1Bは、本発明の現時点における好適な第1実施形態の概略図である。全体を符号100で示されるアパーチャアレイマスクは、図1Aに示す任意の断面を有する柱状誘電体111が埋設された、厚さdの高反射性平面誘電体多層スタック101を備える。埋設された柱状誘電体111の本質的な特徴は、埋設された柱状誘電体111の各々が、スタック101の表面に対して垂直な方向に伝搬する少なくとも1つの誘導光学モード(guided optical mode)に対応する(をサポートする)ことにある。図1Bにおいて、二次元アレイに配列された直径Dの円形柱状誘電体102は非限定的な一例を示す。
【0027】
アレイは、図1Bでは単純な有限の方形格子として表されているが、アレイは一次元または二次元の任意の周期的構造を有し得ることが理解されよう。一次元アレイの非限定的な一例を図1Cに示す。ここでは、格子ベクトル
【0028】
【数1】
の単純な格子の有限な繰り返しによって与えられる相対的位置において、多層スタック101内に柱状誘電体102が埋設されている。一次元アレイの別の非限定的な一例を図1Dに示す。3つの誘電柱体102A、102Bおよび102Cから成る基礎単位が、格子ベクトル
【数2】
の有限の繰り返しによって与えられる位置で繰り返されている。
一次元アレイの汎化によって二次元アレイが形成される。二次元アレイは、周知の結晶格子の原理の類推によって記述される。したがって、全体的に符号100で示されるマスクの面における二次元格子は、任意の組の非共線ベクトル
【数3】
によって画定される。各ベクトルの長さはゼロでなく、全体を符号100で示されるマスクの表面に対して平行である。格子は、図1Bに示すような単純な一要素基礎単位、または102の形式の多数の誘電柱体から成る基礎単位のいずれを有しても、本発明の主旨から逸脱することにはならない。アレイの横方向範囲は、図1Bの5×5アレイよりも大きくても、小さくてもよく、本発明の主旨から逸脱することにはならない。即ち、次元{M×N}の有限格子を形成するには、1つ以上の誘電柱体102から成る基礎単位を、全ての位置
【数4】
において、M個の第1自然数{1、2、...、M}の集合から選択したm回、およびN個の第1自然数{1、2、...、N}から選択したn回繰り返す。したがって、全ての一次元アレイは、二次元アレイ{1×N}または{M×1}の特殊な場合であることがわかる。前記NまたはMはそれぞれゼロでない。
任意の断面および屈折率の誘電柱体の任意配列の特殊な場合は、前述の基礎単位を用いた格子の一般的な定義に含まれることは明確に理解されよう。その非限定的な一例を図1Eに示す。即ち、次元{1×1}のアレイの特殊な場合は、単一の格子点から成る。格子点に、任意の数の任意の断面および任意の屈折率の誘電柱体を付与すると、実利的な構造が得られる。誘電柱体103A、103B、103C、103Dおよび103Eと共に、かかる構成を図1Eに示す。
【0029】
図面を詳細に参照すると、図2は、現時点における好適な第1実施形態の全体を符号100で示されるマスクの全体を符号200で示される小区分の概略図を示す。誘電体多層スタック201は、画定された光周波数の「停止帯域」において、所望のスペクトル反射特性、通常は高い反射率を生成するように選択した、2つ以上の誘電体材料が周期的に配された層から成る。
【0030】
それぞれ屈折率n1および屈折率n2を有する交互の層203および層204の単純なスタックを図2に示し、高反射性誘電体スタックの非限定的な一例とする。尚、本発明の主旨から逸脱することなく、他の誘電体スタックも可能であり、本発明の範囲はあらゆる多層誘電体構造を含むことは、当業者には理解されよう。全体を符号200で示されるマスクの厚さdは、個々の最終使用に望まれる反射率を達成するために必要な数および形式の層によって決定され、光学的用途ではマイクロメータのオーダーになり得る。
【0031】
誘電円柱体の屈折率n3が>max{n1,n2}である場合、得られる構造は、誘電円柱体202の軸線に沿って伝搬する1つ以上の誘導電磁モードに対応する。誘電円柱体202の直径Dは、したがって、真空で測定した動作波長λに対して約λ/(2n3)となる。
【0032】
ここで、数値例を出して、本発明が高い空間解像度をもたらす態様を例示する。動作波長が、例えば、633nmで、n3がシリコンとして3.88である場合、最低位モードの空間範囲は約82nmである。このモードに対応するには、誘電円柱体202の直径Dは、少なくとも82nmにされ得る。その結果、このモードを近接場における物体面に結合することによって得られる空間解像度は、空中において約λ/2〜316nmに回折を制限した場合に得られるものよりも遥かに高くなる。
【0033】
更に、屈折率n3のアパーチャおよび約λ/(2n3)の直径は少なくとも1つの誘導(即ち、伝搬)モードに対応する。しかしながら、屈折率n(nはn3未満)および直径λ/(2n3)のアパーチャは誘導モードに対応せず、かかるアパーチャの光透過性は乏しく、「遮断(cut−off)」と言われる。したがって、直径がλ/(2n3)で、屈折率n3の誘電体を充填したアパーチャの光学的スループットは、直径がλ/(2n3)で、空気またはガラスのような屈折率がn3未満の誘電体を充填したアパーチャによって実現される光学的スループットよりも高い。このように、全体を符号200で示されるマスクの光学的スループットは、高屈折率の誘電柱体202を用いることによって高められる。
【0034】
更に、図2の導波構造は、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクのそれらのように、良好に画定された配列に容易に複製される。図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクの平面構造により、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクを物体面に任意に接近させることが可能となる。
【0035】
更に、図1Bの誘電円柱体102間では空間関係が固定されているので、図1Bにおいて全体を符号100で示されるマスクが不完全に製作された場合でも、外部の機械的外乱に対して高い耐性が得られる。
【0036】
現時点における好適な第1実施形態の説明に潜在的に含まれる、更に別の改良は、図2の誘電円柱体202の直径Dが十分に大きく、所望の動作波長において効率的な透過が得られる場合に、異なる横断モードが物体面内の構造と測定可能に異なる様に相互作用する範囲および程度において、図2の導波構造の1つ以上のより高次の横断モードを採用可能とすることである。
【0037】
図面を詳細に参照すると、図3Aおよび図3Bは、現時点において好適な第1実施形態の全体を符号100で示されるアパーチャアレイマスクを製作することができる、4つの非排他的、非限定的なナノ加工方法の概略図を示す。図3Aおよび図3Bの方法は、各々、例えば、シリコン基板に、アスペクト比が高い基台をエッチングすることを含む。ナノ機械加工を行うには、米国特許第5,198,390号およびその中で引用されている文書に開示されているような、世に認められている種々のプロセスのいずれでもよい。得られた基台は、現時点において好適な第1実施形態の誘電柱体102を形成する。次に、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101を基台上に、図3Aにおけるように直接蒸着するか、または図3Bにおけるように選択的に露光されたフォトレジストの層の後に蒸着する。
【0038】
図3Aの直接蒸着方法では、最終構造を生成するためには化学機械研磨のような平坦化作業が必要となる。
図3Bのリフトオフ方法は、ナノ加工工程と同じマスクを用いて、レジスト層を露光する。未露光のレジストを洗い落としてから、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101を蒸着する。最後に、露光したレジストを剥離し、最終構造を形成する。
【0039】
図3Cの方法では、図3Aおよび図3Bで用いたのと同じかまたは同様のナノ加工方法によって、現時点における好適な第1実施形態の誘電体多層スタック101に開口を穿設する。次に、得られたボイドを、例えば、米国特許第6,030,881号およびその中で引用されている文書に開示されているようなプロセスによって、シリコンまたは窒化シリコンのような誘電率が高い材料で再充填する(backfill)。最後に、化学機械式研磨のような平坦化作業によって、過剰な再充填材料を除去し、最終構造を生成する。
【0040】
図面を詳細に参照すると、図4は、本発明の現時点における好適な第2実施形態の概略図を示す。全体を符号400で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の、高反射性平面誘電体多層スタック401を備える。前記スタック401は、それぞれ、直径DAおよび直径DB、並びに屈折率n3Aおよびn3B(>max{n1,n2})の柱誘電体402Aおよび円柱誘電体402Bが、基礎単位によって方形格子として配列された状態で埋設されている。図4における基礎単位は、各1本の符号402Aのタイプの誘電円柱体と符号402Bのタイプの誘電円柱体とから成る。誘電円柱体402Aおよび402Bの一般的な特性は、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102と同様であり、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体に関する説明は、誘電円柱体402Aおよび402Bの各々にも適用される。
【0041】
したがって、誘電円柱体402Aおよび402Bの誘導モードを製作して、認識できる空間解像度を得ることができる。
アレイの横方向の範囲は、図4の5×5アレイよりも大きくてもまたは小さくてもよく、本発明の主旨を逸脱することにはならない。基礎単位は、図4の2つの成分の基礎単位よりも複雑にしても単純にしてもよく、本発明の主旨を逸脱することにはならない。更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点を裏付けする例として、本発明の主旨を逸脱することなく、2種類よりも多い誘電円柱体で構成してもよい。
【0042】
前述の解説から、現時点における好適な第4実施形態は、第1乃至第6の利点の裏付けにもなることは明白である。
図面を詳細に参照すると、図5は、本発明の現時点における好適な第3実施形態の概略図を示す。全体を符号500で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層マスク101と実質的に同様な、高反射性平面誘電体多層マスク501から成る。前記マスク501は、縁の寸法がaおよびbであり、屈折率がn3>max{n1,n2}である誘電体の矩形柱502が埋設されている。
【0043】
得られた矩形導波構造は、1つの大きな例外を除いて、現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102と実質的に同様な目的を果たす。現時点における好適な第1実施形態の誘電円柱体102は、所与の屈折率n1,n2,n3に対して、臨界「遮断」直径よりも大きい直径に対してのみ、所望の動作光周波数によって特徴付けられる誘導伝搬モードに対応するが、これとは異なり、矩形柱導波路502は、寸法aまたは寸法bの双方ではなくいずれか一方が任意に小さく形成されているので、少なくとも1つの誘導伝搬モードに対応する。これらの条件の下で、直径aまたは直径bのうちのより小さい直径が、走査プローブの一次元空間解像度を画定する。従って、寸法aまたは寸法bのうちのより大きい寸法をλ/(2n3)と同様またはそれよりも大きく維持することによって、高い光学的スループットを達成することができる。
【0044】
現時点における好適な第3実施形態の説明において暗に示された、更に別の改良は、異なる横断モードが物体面内の構造と測定可能に異なる様に相互作用する範囲および程度において、6番目の利点を支持する図5の導波構造の1つ以上の高次横断モードを励起可能とすることである。これは、寸法aまたは寸法bの少なくとも一方を十分に大きくして、所望の動作波長において効率的な透過が得られるようにすることによって達成することができる。
【0045】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図5の2×2アレイよりも大きくされても、または小さくされてもよい。
基礎単位は、本発明の主旨を逸脱することなく、図5の一要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。
【0046】
現時点における好適な第3実施形態は、現時点における好適な第1実施形態の態様で、第3乃至第5の利点の裏付けにもなることは明らかである。
図面を詳細に参照すると、図6は、本発明の現時点における好適な第4実施形態の概略図を示す。マスク600は、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック601から成り、縁寸法aA×bA,aB×bBおよび屈折率n3A,n3B(>max{n1,n2})をそれぞれ有する誘電矩形柱体602A,602Bが埋設されている。誘電矩形柱体602A,602Bの全体的な特性は、現時点における好適な第3実施形態の誘電矩形柱体502と同様であり、現時点における好適な第3実施形態の誘電矩形柱体602に関する説明は、誘電矩形柱体602A、602Bにも適用される。
【0047】
したがって、誘電矩形柱体602A,602Bの誘導モードを製作し、認識できる空間解像度を得ることができる。例えば、誘電柱体602A,602Bは、異なるサイズおよび/または方位で製作すれば、単一のアパーチャアレイにおいて異なる空間解像度に対する感度を得ることができる。
【0048】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図6の2×2アレイよりも大きくも、小さくもされ得る。
基礎単位は、本発明の主旨を逸脱することなく、図6の二要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点の裏付ける例に関して、2種類よりも多い誘電矩形柱体を備えてもよいことは理解されよう。
【0049】
現時点における好適な第4実施形態は、1番目乃至6番目の利点の裏付けにもなることは、以上の説明から自明である。
図面を詳細に参照すると、図7は、本発明の現時点における好適な第5実施形態の概略図を示す。全体を符号700で示されるマスクは、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック701を備える。スタック701には、2×2方形格子に配列されている三要素基礎単位を形成する誘電柱体702A、702Bおよび702Cが埋設されている。矩形誘電柱体702A,702Bの寸法は、それぞれ、aA×bAおよびaB×bBであり、屈折率はn3Aおよびn3B(>max{n1,n2})である。誘電円柱体702Cの寸法はDCであり、屈折率はn3C>max{n1,n2}である。
【0050】
このように、誘電柱体702A,702B,702Cの誘導モードを製作して、認識できる空間解像度を得ることができる。
誘電柱体702A,702Bの相対的な配向は、非限定的な一例を示し、完全な二次元回転対称を有さない誘電柱体の説明は、前記誘電柱体の配向の指定を含む。
【0051】
アレイの横方向範囲は、本発明の主旨を逸脱することなく、図7の2×2アレイよりも大きくも、小さくもされ得る。
基礎単位は、、本発明の主旨を逸脱することなく、図7の三要素基礎単位よりも複雑にも単純にもされ得る。
【0052】
更に、基礎単位は、例えば、7番目の利点の裏付けになるために、3種類よりも多い誘電矩形柱体を備えてもよいことが理解されよう。
現時点における好適な第4実施形態が6番目乃至6番目の利点の裏付けにもなることは、以上の説明から自明である。
【0053】
図面を詳細に参照すると、図8Aおよび図8Bは、本発明の現時点における好適な第6実施形態の概略図を示す。全体を符号800で示されるマスクは、吸収または反射中間層805の追加を除いて、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同様の高反射性平面誘電体多層スタック801から成り、該スタック801には誘電柱体802が埋設されている。
【0054】
尚、誘電柱体802の形式および構成は、図8Aの幾何学的形状に限定される訳ではなく、ここに記載した種々の好適な実施形態のいずれによって説明されるいずれの実体でもよいことは理解されよう。
【0055】
吸収または反射中間層805は、誘電体層803または誘電体層804のいずれの上または下に載置され得、図8Aに示すように、物体面に最も近く位置するマスク表面上に有利に配置され得る。物体面に最も近く位置するマスク表面上では、吸収または反射中間層805は、誘電柱体802の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は主に、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって画定される。したがって、吸収または反射中間層805の厚さは、吸収または反射中間層における動作波長の光の表皮深度(透過する深さ、skin−depth)の1倍以上のオーダーとなる。吸収または反射層の非限定的な一例は金属である。
【0056】
また、吸収または反射中間層805は、図8Bに示すように、物体面に最も近く配置されたマスク表面に近い誘電体層間に有利に配置され得る。この場合、吸収または反射中間層805は、誘電柱体802の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって主に画定される。したがって、図8Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点を直接支持するので、図8Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、吸収または反射中間層805を選別誘電体(screening dielectric)806の後ろに「埋め込む」。選別誘電体806は、誘電体層803または誘電体層804のいずれかと同一であってもよいし同一でなくてもよい。吸収または反射中間層805の寸法選択の判断基準は、図8Bの実施形態および図8Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0057】
図面を詳細に参照すると、図9Aおよび図9Bは、本発明の現時点における好適な第7実施形態の概略図を示す。全体を符号900で示されるマスクは、吸収または反射層間パッド905の追加を除いて、現時点における好適な第1実施形態の多層スタック101と実質的に同一の高反射性平面誘電体多層スタック901から成り、該スタック901には誘電柱体902が埋設されている。尚、誘電柱体902の形式および構成は、図9Aの幾何学的形状に限定される訳ではなく、ここに記載した種々の好適な実施形態のいずれかによって説明されるいずれの実体でもよいことは理解されよう。
【0058】
吸収または反射層間パッド905は、いずれの誘電体層903または誘電体層904の上または下に位置してもよく、図9Aに示すように、物体面に最も近く位置するマスク表面上に有利に配置され得る。この場合、吸収または反射層間パッド905は、誘電柱体902の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。即ち、エバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャの近接場における有効空間解像度は、エバネッセント成分の空間的広がりではなく、アパーチャの幾何学的形状によって主に画定される。吸収または反射層間パッド905の厚さは、したがって、吸収または反射中間層における動作波長の光の表皮深度の1倍以上となる。吸収または反射層間パッドの非限定的な一例は金属である。吸収または反射層間パッド905の横方向(側方)範囲sは、誘導モードのエバネッセント成分の特徴的横方向(側方)範囲と同等である。いずれか2つの吸収または反射層間パッド905の外辺間の最少離間距離gは、全ての吸収または反射層間パッド905を電子的に分断するのに十分なように選択する。即ち、離間距離gは、いずれか2つ以上の吸収または反射層間パッド905に関連するプラズモン発振(plasmon oscillation)を抑制するのに十分となるように選択する。
【0059】
また、吸収または反射層間パッド905は、図9Bに示すように、物体面に最も近く配置されるマスク表面に近い誘電体層903と誘電体層904との間に有利に配置され得る。この場合、直前の段落および図9Aにおいて説明したように、吸収または反射層間パッド905は、誘電柱体902の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。図9Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点を支持するので、図9Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、吸収または反射中間層905を選別誘電体906の後ろに「埋め込む」。選別誘電体906は、誘電体層903または誘電体層904のいずれかと同一であっても、同一でなくてもよい。吸収または反射層間パッド905の寸法選択の判断基準は、図9Bの実施形態および図9Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0060】
図面を詳細に参照すると、図10Aおよび図10Bは、本発明の現時点における好適な第8実施形態の概略図を示す。アパーチャアレイ1001は、ここで1番目乃至7番目に記載した好適な実施形態で説明した形式のいずれかであり、図10Aでは、平面光学基板1002上に直接形成される。アパーチャアレイ1001は、図10Aにおける光学基板1002に直接形成される。図10Bの光学基板1003は、個々の最終使用の要求に応じて集光即ち合焦を実施するように示されており、8番目の利点を支持する。光学基板1002および1003双方は、アパーチャアレイ1001の製作および実装のための機械的に安定したプラットフォームとなる。
【0061】
図面を詳細に参照すると、図11は、本発明の現時点における好適な第9実施形態の概略図を示す。アパーチャアレイマスク1101は、現時点における好適な第8実施形態に記載した光学基板1103上に形成されるか、またはその他の方法で付着される。アパーチャアレイ1101は、光学基板1103を介して、進行波1104によって照明される。進行波1104は、主波動ベクトル
【数5】
によって記述され、該主波動ベクトルは、
【数6】
と表面法線
【数7】
との間に入射角θをなし、表面法線
【数8】
に直交する固定であるが任意のベクトル
【数9】
と、
【数10】
に平行な面上における
【数11】
の投影
【数12】
との間の角度φをなす。このように照明されるアパーチャアレイマスク1101のアパーチャ1102は、進行波モードプロフィルが個々のアパーチャ1102によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、ゼロに等しくないいずれかの角度θに対して系統的に変化する位相で、アパーチャ1102は照明される。その結果得られるアパーチャ1102からの光の透過の性質は、当業者には「フェーズドアレイ」として周知であり、その有用性も当業者には周知である。更に、このフェーズドアレイの向きは、マスク1101および基板1102を共に回転させることによって、または、
【数13】
を
【数14】
を中心として回転させて角度φを変化させることによって、一平面内で回転され得る。
【0062】
図面を詳細に参照すると、図12は、本発明の現時点における好適な第10実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第8実施形態で説明したように、光学基板1203上にアパーチャアレイマスク1201を形成またはその他の方法で付着させする。
【0063】
アパーチャアレイ1201は、光学基板1203を介して、表面法線
【数15】
に直交する、固定であるが任意のベクトルX間に角度π/2−φをなす、等しい振幅の周期および輪郭で記述される進行波強度パターン1204によって照明される。進行波強度パターン1204は、当業者には周知の干渉またはホログラフ法のいずれかによって生成することができる。このように照明を受けたアパーチャアレイマスク1201のアパーチャ1202は、進行波のモードプロフィルが個々のアパーチャ1202によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、アパーチャ1202は、進行波パターンのアンチノード(antinode)がアパーチャ1202と重なり合う程度に励起される。
したがって、(i)マスク1201および基板1202を共に回転させることによって、16番目の利点を支持して、または(ii)進行波パターン1204を
【数16】
を中心として回転させて角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持して、または(iii)進行波パターンの周期を変化させることによって、励起されるアパーチャの数および間隔を適宜制御することができる。
図面を詳細に参照すると、図13は、本発明の現時点における好適な第11実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第8実施形態で説明した光学基板1303上に、複合アパーチャアレイマスク1301を形成またはその他の方法で付着させる。複合アパーチャアレイ1301は、現時点における好適な第1乃至第7実施形態において説明した形式のアパーチャアレイを2種類以上備えており、各々、独立した格子および基礎単位の仕様を有し、単一のアパーチャアレイに組み合わせられている。
【0064】
アパーチャアレイ1301は、光学基板1203を介して、表面法線
【数17】
に直交し、固定であるが任意のベクトル
【数18】
間に角度π/2− φをなす、等しい振幅の周期pおよび輪郭で記述される進行波強度パターン1304によって照明される。進行波強度パターン1304は、当業者には周知の干渉またはホログラフ法にいずれかによって生成することができる。このように照明されたアパーチャアレイマスク1301のアパーチャ1302は、進行波のモードプロフィルが個々のアパーチャ1302によって誘導されるモードと一致する程度に、同時に励起される。これによって、アパーチャ1302は、進行波パターンのアンチノードがアパーチャ1302と重なり合う程度に励起される。
したがって、(i)マスク1301および基板1302を共に回転させることによって角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持し、または(ii)進行波パターン1304を
【数19】
を中心として回転させることによって角度φを変化させることによって、16番目の利点を支持し、または(iii)進行波パターンの周期を変化させることによって、励起するアパーチャの数および間隔を適宜制御することができる。
図面を詳細に参照すると、図14Aおよび図14Bは、本発明の現時点における好適な第12実施形態の概略図を示す。現時点における好適な第12実施形態は、現時点における好適な第6実施形態の簡略化としたものとして理解することができる。マスク1400は、誘電体プレート1401、埋設された誘電柱体1402、および反射層1405を備えている。尚、誘電柱体1402の形式および構成は、図14Aに示す幾何学的形状に限定される訳でなく、ここで記載した種々の好適な実施形態のいずれかによって記載されたいずれの例でもよいことは理解されよう。反射層1405は、図14Aに示すように、物体面に最も近く配置されたマスク表面上に配置すると有利である。この場合、反射層1405は、誘電柱体1402の誘導モードのエバネッセント成分を反射することによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。したがって、反射層1405の厚さは、反射中間層における動作波長の光の表皮深度の1倍以上程度となる。反射中間層の非限定的な例は金属である。
【0065】
また、反射層1405は、図14Bに示すように、物体面に最も近く配置されるマスク表面に近い誘電体層間に配置すると有利である。この場合、反射層1405は、誘電柱体1402の誘導モードのエバネッセント成分を減衰させることによって、アパーチャアレイの有効解像度を高めるように作用する。図14Bの実施形態は、吸収または反射中間層と物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用の潜在的な可能性が低減され、10番目の利点の裏付けとなるので、図14Aの実施形態よりも有利である。これを達成するには、反射層1405を選別誘電体1406の後ろに「埋め込む」。選別誘電体1406は、誘電体プレート1401と組成が同一であってもよいし同一でなくてもよい。反射層14905の寸法選択の判断基準は、図14Bの実施形態および図14Aの実施形態のいずれに対しても同一である。
【0066】
図面を詳細に参照すると、図15は、本発明の現時点における好適な第12実施形態の概略図を示す。マスク構造1500は、本明細書で説明した種々の現時点における好適な実施形態のいずれでもよい。現時点における好適な第13実施形態の説明では、マスク1500の本質的な特徴は、屈折率n3を有する誘電柱体1502が存在することである。
【0067】
誘電体層1590の屈折率n3は、誘電柱体1502と同じである。したがって、誘電体層1590によって、照明源の横断モードプロフィルを誘電柱体1502内に集中される誘導モードに対して一致させることが容易となる。
【0068】
反射防止構造1591は、当該反射防止構造1591を介してマスク上に入射する光の反射損失を極力抑制するかまたは無くすように設計されている。マクスウェルの方程式の特殊対称性では、同一構造は、マスク1500において発生し反射防止構造1591を介して伝わる光に対する反射損失を極力抑制するかまたは排除することを規定している。反射防止構造1591は、マスク1500からおよびマスク1500への光学的パワーの伝導を最大限に高めることを確実にする光学「インピーダンス整合」デバイスとして解釈することができる。かかる反射防止構造1591を製造する手段は、当業者には周知である。
【0069】
前述のマスクの実施形態では、そのいずれもが、各導波路の端部に1つ以上の波長以下の副アパーチャを備えたエンドマスク部を更に含み、ソースアレイの空間解像度を更に高めることができる。かかる一実施形態のアパーチャ素子を図16Aに示す。
【0070】
ソースアレイマスク1610は、反射性誘電体スタック1620と、副アパーチャ1632のアレイを有するエンドマスク部1630とを備えるむ。各マスクアパーチャ1600は、誘電体材料1624によって形成され、誘電体スタック1620および副アパーチャ1632を貫通する導波路1622を有する。更に、実施形態によっては、エンドマスク部は、導波路毎に、1つよりも多い副アパーチャを設けることもできる。前述のように、誘電体スタック1620は、屈折率n1および屈折率n2を有する誘電体材料の層(図示せず)を交互に配することによって形成され得る。更に、導波路1622を形成する誘電体材料1624は、屈折率n3を有し、n3>n1およびn3>n2となるようにしてもよい。エンドマスク部1630は、金属層で形成してもよく、副アパーチャ1632は、波長以下のアパーチャとなるように選択してもよい。言い換えると、副アパーチャの横断方向寸法は、誘電体材料1624において伝搬モードに対応するために必要なそれよりも小さくてもよい。
【0071】
図16Aに示す実施形態では、エンドマスク部1630は、誘電体スタック1620および導波路1622の双方との界面を形成する。別の実施形態では、エンドマスク部は、主に導波路1622との界面を形成し、反射性誘電体スタック1620に沿った横方向範囲を制限することもできる。ソースアレイマスク1660のかかる一実施形態を図16Bに示す。マスク1610と同様、マスク1660は、アパーチャ1650のアレイを包囲する反射性誘電体スタック1670を備える。マスク1610は、更に、副アパーチャ1682のアレイを有するエンドマスク部1680を備える。各マスクアパーチャ1650は、誘電体材料1674で形成され、誘電体スタック1670および副アパーチャ1682を貫通する導波路1672を有する。エンドマスク部1680は、各誘電体材料1624の幅に沿って延びている。
【0072】
更に、物体と当該物体に最も近いマスク1660の表面との間の多数の反射を抑制するために、マスク1660は、更に、物体に最も近いマスク1660の表面上に形成された反射防止層1690を備えてもよい。例えば、反射防止層1690は、図16Bに示すように、エンドマスク部1680および導波路1682を包囲し得る。反射防止層1690は、誘電体および/または金属層の何らかの組み合わせで形成することができる。更に、マスク1660は、誘電体スタック1670と反射防止層1690との間に挟持された金属層1665を備えて、それらの間の相互作用を極力抑制するようにしてもよい。
【0073】
反射防止コーティングに適した一連の層の一例は以下の通りである。すなわち、第1層は51nmの二酸化シリコンであり、第2層は6nmのベリリウムであり、第3層は51nmの二酸化シリコンであり、第4層は二酸化シリコン基板上の50nmのアルミニウムである。該コーティングは、第1層と空気との間の界面からの反射を防止するように設計されている。
【0074】
また、それぞれのマスクにおいて、導波路1622および導波路1672のいずれかが、マスクの対向する側面間に空洞を形成するように形成されてもよい。かかる場合、導波路の長さは、放射線の波長において空洞が共振するように、または少なくとも実質的に共振するように選択される。
【0075】
前述の実施形態は、そのいずれもが、放射線を提供する供給源を更に備えてもよく、この場合、マスクアパーチャの配列は、放射線を受けて、各アパーチャを介して放射線の一部を物体に対して放射するように配置される。
その他の態様、利点、および変更は、特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1A】元来は反射率が高い平面マスクに組み込まれる、二次元格子上に配された誘電体アパーチャの全体的概念を含む、本発明の現時点における好適な第1実施形態を示す概略図。
【図1B】元来は反射率が高い平面マスクに組み込まれる、二次元格子上に配された円形誘電体アパーチャの非限定的な一例(図1B)を含む、本発明の現時点における好適な第1実施形態を示す概略図。
【図1C】本発明の現時点における好適な第1実施形態における二次元アレイの特殊な場合である一次元アレイを示す概略図。
【図1D】本発明の現時点における好適な第1実施形態における二次元アレイの特殊な場合である一次元アレイを示す概略図。
【図1E】本発明の現時点における好適な第1実施形態における一次元アレイまたは二次元アレイの特殊な場合である誘電体アパーチャの任意配列を示す概略図。
【図2】元来は反射率が高い平面マスクにおける典型的な誘電体アパーチャの構造を示し、したがって、現時点における好適な第1実施形態の種々の態様を示す概略図。
【図3A】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図3B】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図3C】部分的に本発明を実施するために用いることができる製造方法を示す概略図。
【図4】格子上で反復される基礎単位を形成する多数の種類の円形誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第1実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第2実施形態を示す概略図。
【図5】格子上に配された矩形誘電体アパーチャを含む、本発明の現時点における好適な第3実施形態を示す概略図。
【図6】格子上で反復される基礎単位を形成する多数の種類の円形誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第3実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第4実施形態を示す概略図。
【図7】格子上で反復される基礎単位を形成する円形誘電体アパーチャおよび矩形誘電体アパーチャを含む多数の種類の誘電体アパーチャを含む、現時点における好適な第2および第4実施形態の概括から成る、本発明の現時点における好適な第5実施形態を示す概略図。
【図8A】現時点における第1乃至第5実施形態と吸収または反射中間層とを組み込み、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用を最少に抑えて、空間解像度を高めた、本発明の現時点における好適な第6実施形態を示す概略図。
【図8B】現時点における第1乃至第5実施形態と吸収または反射中間層とを組み込み、アパーチャアレイと物体面内または物体面の近くにある物質との間の相互作用を最少に抑えて、空間解像度を高めた、本発明の現時点における好適な第6実施形態を示す概略図。
【図9A】現時点における第6実施形態の変更であり、アパーチャアレイの部材間の結合を低減した、本発明の現時点における好適な第7実施形態を示す概略図。
【図9B】現時点における第6実施形態の変更であり、アパーチャアレイの部材間の結合を低減した、本発明の現時点における好適な第7実施形態を示す概略図。
【図10A】現時点における好適な第1乃至第7実施形態のいずれかと光学基板との組み合わせを説明する本発明の現時点における好適な第8実施形態を支援す概略図。
【図10B】現時点における好適な第1乃至第7実施形態のいずれかと光学基板との組み合わせを説明する本発明の現時点における好適な第8実施形態を支援す概略図。
【図11】進行波を用いてアパーチャアレイの出力側に光場を生成し、フェーズドアレイ出力を生成する選択肢を含む、現時点における好適な第8実施形態の動作を説明する、本発明の現時点における好適な第9実施形態{KBF}を示す概略図。
【図12】進行波を用いてアパーチャアレイの出力側に強化光場を生成し、選択的にアパーチャアレイの部分集合を励起する選択肢を含む、現時点における好適な第8実施形態の動作を説明する、本発明の現時点における好適な第10実施形態を示す概略図。
【図13】現時点における第10実施形態を変更し、単一の元来は反射率が高いマスク上に多数のアパーチャアレイを含ませた、本発明の現時点における好適な第11実施形態を示す概略図。
【図14A】現時点における第6実施懈怠を改造し設計および構造を簡略化した、本発明の現時点における好適な第12実施形態を示す概略図。
【図14B】現時点における第6実施懈怠を改造し設計および構造を簡略化した、本発明の現時点における好適な第12実施形態を示す概略図。
【図15】一体化反射防止構造および一体化モード一致構造を含む、現時点における第1乃至第14実施形態の改造である、本発明の現時点における好適な第13実施形態を示す概略図。
【図16A】マスク端部に少なくとも1つの副アパーチャを設けソースアレイの空間解像度を更に高めた、本発明の更に別の実施形態を示す概略図。
【図16B】マスク端部に少なくとも1つの副アパーチャを設けソースアレイの空間解像度を更に高めた、本発明の更に別の実施形態を示す概略図。
Claims (34)
- 物体を照明する多重ソースアレイであって、
真空において波長λを有する電磁放射線の供給源と、
前記電磁放射線を受けるように配置された反射性マスクとを備え、該反射性マスクが空間的に分離されたアパーチャの配列を備え、各アパーチャが、前記マスクを貫通する電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備え、各アパーチャが前記電磁放射線の一部を前記物体に放射するように構成されている、多重ソースアレイ。 - 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性マスクが、前記アパーチャの配列を包囲する反射性誘電体スタックを更に備えている、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記マスクが、前記物体に隣接して配置されたエンドマスク部を更に備え、各アパーチャが、前記エンドマスク部に形成され、対応する導波路と整合された副アパーチャを更に備え、各副アパーチャの横断方向寸法が、対応する導波路の横断方向寸法よりも小さい、多重ソースアレイ。
- 請求項3記載の多重ソースアレイにおいて、各副アパーチャの前記横断方向寸法が、前記供給源によって供給される電磁放射線の真空波長よりも短い、多重ソースアレイ。
- 請求項3記載の多重ソースアレイにおいて、前記マスクが、前記導波路の各々を包囲する反射性誘電体スタックを更に備えている、多重ソースアレイ。
- 請求項5記載の多重ソースアレイにおいて、前記エンドマスク部が金属層から成る、多重ソースアレイ。
- 請求項3記載の多重ソースアレイにおいて、各導波路が、前記マスクの対向する側面間に光学的空洞を画定し、前記光学的空洞が前記電磁放射線と共振するように各導波路の長さが選択されている、多重ソースアレイ。
- 請求項2記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性マスクが、前記物体に隣接して配置された反射防止コーティングを更に備えている、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記アパーチャの内の少なくとも一部が、ほぼ円筒形であり、該円筒状アパーチャが約λ/2n3の直径を有し、n3が対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、各アパーチャの前記横断方向寸法の内少なくとも1つが、約λ/2n3であり、n3が対応する各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率である、多重ソースアレイ。
- 請求項10記載の多重ソースアレイにおいて、前記アパーチャのうちの少なくとも1つの別の横断方向寸法が、λ/2n3よりも小さい、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性マスクにおける前記アパーチャの内少なくとも一部が周期的な配列を画定する、多重ソースアレイ。
- 請求項12記載の多重ソースアレイにおいて、前記周期的な配列が、多重アパーチャ基礎単位からなる、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記アパーチャが、前記マスクを貫通する前記電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットに対応するのに十分な特性を有する第1アパーチャセットと、前記マスクを貫通する前記電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードの第2のセットに対応するのに十分な特性を有する第2アパーチャセットとを備え、前記1つ以上の誘導伝搬モードの第1のセットが、前記1つ以上の誘導導波路モードの第2のセットとは異なる、多重ソースアレイ。
- 請求項14記載の多重ソースアレイにおいて、前記第1アパーチャセットが第1のアパーチャの周期的配列を画定し、前記第2アパーチャセットが第2のアパーチャの周期的配列を画定する、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記アパーチャの少なくとも1つにおける前記誘電体材料がシリコンである、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記波長λが光学波長である、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記供給源が、前記電磁放射線を前記マスクの法線軸に関してある角度で前記反射性マスクに接するように指向させる、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイにおいて、前記供給源が、前記電磁放射線を前記反射性マスクに定在波パターンとして接触するように指向させる、多重ソースアレイ。
- 請求項2記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性誘電体スタックが、交互に配された異なる誘電体材料の層から成る、多重ソースアレイ。
- 請求項20記載の多重ソースアレイにおいて、前記交互に配された層における各誘電体材料の屈折率が、各アパーチャにおける誘電体材料の屈折率よりも小さい、多重ソースアレイ。
- 請求項2記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性マスクが、前記アパーチャから延出する前記誘導伝搬モードのエバネッセント成分を減衰するように配置された反射/吸収層を更に備えている、多重ソースアレイ。
- 請求項22記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射/吸収層が金属層である、多重ソースアレイ。
- 請求項22記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射/吸収層の厚さが、当該反射/吸収層の材料に対する前記電磁放射の表皮深度よりも大きい、多重ソースアレイ。
- 請求項22記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射/吸収層を前記誘電体スタックの一方の側面に配置した、多重ソースアレイ。
- 請求項22記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射性マスクが、誘電体選別層を更に備えており、前記反射/吸収層は前記誘電体選別層と前記誘電体スタックとの間に配置されている、多重ソースアレイ。
- 請求項22記載の多重ソースアレイにおいて、前記反射/吸収層は、共通面内にある一連のパッドで形成され、隣接するパッドが、前記反射/吸収層におけるプラズモン発振を抑制するのに十分な量だけ互いに離間されている、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイであって、前記反射性マスクに付着された光学基板を更に備えており、該光学基板は前記電磁放射線に対して実質的に透過性である、多重ソースアレイ。
- 請求項28記載の多重ソースアレイにおいて、前記光学基板が前記反射性マスクに機械的安定性を与える、多重ソースアレイ。
- 請求項28記載の多重ソースアレイにおいて、前記光学基板が、集光または合焦を行う曲面を備える、多重ソースアレイ。
- 請求項1記載の多重ソースアレイであって、前記反射性マスク上に形成された均一の誘電体層を更に備えており、前記アパーチャ内における誘電体材料と前記マスク上に形成された誘電体材料とが共通の誘電体材料から成る、多重ソースアレイ。
- 請求項31記載の多重ソースアレイであって、前記均一誘電体層上に形成された反射防止コーティングを更に備えている、多重ソースアレイ。
- 真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する多重ソースアレイであって、
空間的に分離されたアパーチャの配列を備えている反射性マスクを備えており、各アパーチャが、前記マスクを貫通する前記電磁放射線の1つ以上の誘導伝搬モードに対応するのに十分な横断方向寸法を有する導波路を画定する誘電体材料を備えており、各アパーチャが、前記電磁放射線の一部を前記物体に放射するように構成されている、多重ソースアレイ。 - 真空において波長λを有する電磁放射線を物体に照明する方法であって、
導波路の配列を備えたマスクを用意するステップと、
各導波路を介して、前記電磁放射線の一部を結合し、前記物体の異なる空間領域を照明するステップとから成る方法。
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