JP2004504746A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】多層スペーサを持つ非放射誘電体回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】平行な金属板の間に誘電体線路を配置した非放射誘電体回路において、前記金属板の内側には高さの異なる複数のスペーサを配置して、異なる使用周波数を発振することができる複数の非放射誘電体線路を収容することを特徴とする非放射誘電体回路。
【請求項2】周波数の異なる前記回路の間をストリップ共振器で連結して信号を伝送させることを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項3】周波数の異なる前記回路の間を金属ポッドで連結して信号を伝送させることを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項4】低周波数用の前記金属板間にダイオードを位置させ、高周波数用の前記金属板間に非放射誘電体線路を差し込み、前記ダイオードと前記非放射誘電体線路とをストリップ共振器で連結することによって、周波数逓倍式の発振器として使用することを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項5】二つの周波数の異なる前記回路を前記ストリップ共振器又は前記金属ポッドで連結することにより、ミキサー回路として使用することを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、非放射誘電体回路に関しており、単一周波数しか発生させることができない既存の非放射誘電体回路に比べて、複数の周波数を発生させることができる非放射誘電体回路に関する。
【0002】
マルチメディア時代の到来で、情報発信のコンテンツがテキストからテキストとグラフィックへと変化してきており、現在では動映像をも含むものに変化している。更に、動画を扱う技術は次第に高解像度で且つ繊細なカラーを提供するものに移りつつある。その結果、マルチメディアの情報発信にはコンピューター通信に過度の負担を与えるようになっている。
【0003】
この問題を解決する一つの方法として、コンピューター通信をT1級からT3級にアップグレードさせることが行われている。しかしながら、このアップグレードには障害もある。即ち、光ケーブル工事には莫大なコストがかかるので、高級化はコストのかかる通信モードである。更に、建物が既に建っている場所では工事それ自体が困難になる。その結果、無線データ通信のための超高速端末への要求に対応した超高速無線送信機を開発する必要に迫られている。
【0004】
データ伝送速度を高めるためには使用周波数を高めなければならないが、周波数を高める方法では波長が短くなることによって、伝送損失が発生するなどの問題点が生じる。一般的に、マイクロウェーブ以上の帯域を処理する技術としてMMIC方法が想起されるが、この技術では使用周波数が50GHzである場合には伝送損失が1m当たり60dBになる。
【0005】
伝送損失の問題を解決するために、最近では、非放射誘電体線路(NRDガイド: Nonradiative Dielectric waveguide )を用いる方法が導入されてきている。この方法は、幾つかの利点があるために好ましいと考えられている。非放射誘電体線路は非放射性であるため、マイクロストリップ回路に比べ伝送損失が低い。また、非放射誘電体線路を用いるほうが導波管(waveguide )を用いるのに比べて伝送路の製作が容易である。特に、非放射誘電体線路は、マイクロ波、特に30GHz以上のミリ波長帯を扱うことができるという能力がある。
【0006】
非放射誘電体線路は、導波管から伝送波が漏れないようにする技術である。この技術は、図1に示すように、二つの平行な金属板(1)の間に非放射誘電体(2)を差し込むことによって達成される。非放射誘電体に沿って伝送波を流すと、図2に示すように、LSMモードかLSEモードの形態の電磁気が形成される。従来方法において伝送損失を最小にし、回路の製作を容易にするために、LSMモードの中で最低次モードであるLSM01モードを使用して回路を製作した。
【0007】
このとき、非放射誘電体のサイズは、次の式から求められる。
【数1】
【数2】
ここでεr は誘電体線路の非誘電率、λは波長である。
【0008】
上記式1と式2から、例えば、非放射誘電体線路の非誘電率を2.04とし、60GHz周波数で回路を製作するとすれば、波長は5mmとなり、aとbについて解くと、誘電体線路の寸法は高さ(a)= 2.25mm、幅(b)=2.5mmになる。換言すると、二つの金属板間の間隔は2.25mmと決定される。
【0009】
実際に回路を製作する場合、図3に示すように、二つの金属板の間に金属製のスペーサを入れることが必要である。上記の実験のためには、スペーサは2.25mmの高さを有することになる。スペーサは、二つの平行な金属板の間に一定の間隔を維持するように、非放射誘電体回路の中に挿入されることになっている。それゆえ、非放射誘電体線路を含むすべての他の部品は、スペーサと同じ高さに製作されねばならない。二つの平行な金属板の間の間隔は上記のように一定に維持されているので、金属板間に、寸法の異なる部品又は異なるサイズの誘電体線路を挿入するのは不可能である。つまり、誘電体線路の寸法は周波数に応じた波長によって決定されるが、二つの金属板の間の間隔が固定されているので、特定の単一周波数しか処理できないとの結論に至る。それゆえ、上記の手法は、既存の複数の周波数を用いる高周波回路には殆ど適用することができない。
【0010】
一般に、AM/FM受信器、テレビ受像機、携帯電話、無線呼出機、無線電話機、無電機、衛星放送用受信器のような私たちが使用する殆どの高周波回路には、スーパーヘテロダイン(Superheterodyne)方式が採用されている。スーパーヘテロダイン方式は、信号処理の途中に周波数を変換して増幅度を高める方法であるので、高感度の受信器の開発に有用である。送信器の場合も、変調特性を良くするために、低い周波数から変調して周波数を逓倍して変調の指数を高め、送信周波数の増幅度を高める方法を使用するのがほとんどである。従って、既存の二つの金属板の間隔が一定な非放射誘電体回路では、このような周波数の変換が不可能になって、全部一様な周波数しか利用できない。その結果、従来の非放射誘電体回路を利用しては、上記列挙したような超高周波回路を製作することは不可能である。
【0011】
それだけではなく、データの通信の速度が次第に速くなって行く今の趨勢では、使用周波数も次第に高くなって行くので、このときの誘電体線路の寸法も次第に小さくなることが求められる。例えば、周波数が60GHzのときは、誘電体線路の寸法は2.25×2.5mmであるが、周波数が120GHzのときは、誘電体線路の寸法は1.125×1.25mmになって60GHzの場合の誘電体線路の寸法の半分になってしまう。周波数が120GHzのときは、たとえ誘電体線路が発明されても、ガン(GUNN)ダイオードのような半導体は1.25mmのスペースに挿入することができない。これは、既存の市販されている半導体は直径が3mmであることと、内部発熱が発生するため小型化ができないことによる。
【0012】
発明の開示
この発明の目的は、各金属板上に多層構造を持ち、且つ多数の周波数を利用できる異なるサイズの多層構造の非放射誘電体線路を持った非放射誘電体回路を提供することである。
【0013】
この発明の最も特有な特徴は、それぞれが対応する周波数を発生させる異なるサイズの非放射誘電体線路が単一の回路に納められていることにある。別の特徴は、それぞれ別々の非放射誘電体線路を納めるために、金属板間に異なる高さのスペーサを配置した点にある。そうすることによって、単一の回路で2つ以上の周波数を扱うことができる。
【0014】
発明を実施する最良の形態
添付した図面を参照して本発明の実施例を説明することにより、本発明の目的、特徴、及び利点の理解をより深めることができるであろう。
【0015】
図4には、上記した特徴を備える非放射誘電体線路を用いた回路が示されている。この図に示すように、金属板(10,11)を重ねることにより、金属板(10,11)間に多種類のスペーサを配置することができるので、多種類の異なるサイズの非放射誘電体線路(20,21)を金属板間に挿入することができ、その結果、多数の周波数を発振することができる。
【0016】
非放射誘電体線路(20)は、低い周波数が発振される非放射誘電体線路であり、その周波数によって決定されるa1×b1の寸法を有している。右側の非放射誘電体線路(21)は高い周波数に使われる誘電体線路である。これらの誘電体線路(21)の使用周波数は、サイズa2×b2によって上記の式1及び式2に代入して決定することができる。この場合、ストリップ共振器か或いはリード型の共振器を用いて、周波数の異なる二つの非放射誘電体線路間を連結することができ、それによって信号は一つの非放射誘電体線路から他の非放射誘電体線路へと伝送することができる。
【0017】
この発明を用いることによって、受信波を局部発振器(Local oscillator)を用いてミキシングすることにより中間周波数を作る特性を持つスーパーヘテロダイン方式の受信器を構成することができる。中間周波数を用いることによって、増幅を行うことが非常に容易となり、その結果、受信感度を改善することができる。
【0018】
図5には、この発明の第1実施例として、多層構造の非放射誘電体回路における振動及び発振回路が示されている。間隔の広い二つの金属板(10)の間に、ダイオードのマウント(40)が配置されている。ストリップ共振器(60)が間に挿入される別の金属板(11)の内側には、ストリップ共振器(60)からの振動出力に合う周波数を持つ非放射誘電体線路(20)も配置されている。その結果、ダイオード(51)からの振動出力は、ストリップ共振器(60)を通して非放射誘電体線路(20)に伝送させることができる。
【0019】
図6は、本発明によるもう一つの実施例として、多層構造の非放射誘電体回路における発振出力の伝送回路を示す図である。図5においては金属板ストリップ共振器(60)を用いていたが、これに変わる手段として、図6に示す例では、比較的大きなダイオードマウント(40)と使用周波数が高くてサイズが小さい非放射誘電体線路(20)とを連結するのに、金属ポッド(62)を用いている。LSMモードの電磁界分布を安定させるため、金属ポッド(62)と非放射誘電体線路(20)との連結部位においてモードサプレッサー(27)が配置されている。
【0020】
図7は、本発明による更に別の実施例である多層構造の非放射誘電体回路における逓倍発振回路を示す図面である。使用周波数が高くなるほど、非放射誘電体線路の寸法は小さくなる。こうした事実に起因して、100GHz以上の周波数を発振させるガンダイオードは入手困難である。この発明は、ガンダイオードを低い周波数で発振させ、次に逓倍回路を用いて高周波を得ることでこの問題を解決している。図7に示す例のように、ガンダイオード(52)が20GHzの周波数で発振し、ストリップ共振器(63)が3逓倍周波数の60GHzで発振するように設定される。もちろん、多層構造において非放射誘電体線路(20)は2.25mmの高さを持ち、これは60GHzで安定である。上記の作動によって、60GHzの周波数を発生させることができる回路が完成する。
【0021】
図8は、本発明による更に他の実施例である多層構造をなす非放射誘電体回路におけるミキサー回路を示す図面である。ミキサー回路は、二つの周波数をミキシングして新しい周波数を発生する。一方の非放射誘電体線路(81)からの周波数F1と、他方の非放射誘電体線路(83)からの周波数F2とが、ダイオードで混合される。ミキシングの後、周波数F3が作られる。
F3=|F1−F2|
【0022】
新しい周波数F3は、その周波数F3を発振させるための非放射誘電体線路のサイズを決定し、周波数F3の非放射誘電体線路は、非放射誘電体線路が配置される金属板間のスペースの間隔を決定する。上記のように、新しい周波数は、多層構造をなす非放射誘電体回路において作られる。このような非放射誘電体回路を用いることによって、スーパーヘテロダイン式受信機、逓倍発信器、及びFM送信機を製造することができる。
【0023】
この発明によって、多層構造を持った非放射誘電体回路を提供することができる。使用周波数にそれぞれ対応した多数のサイズの異なる非放射誘電体線路を、多層構造を持つ単一回路内に配置することも可能である。本発明によるこの特徴によって、また、高周波回路を創作する利点が得られる。
【0024】
上記した実施例は、本発明の望ましい例を示す目的のために提示されており、当業者であれば、この発明に対して多様な変更や修正が可能であり、このような変更と修正等は、特許請求の範囲に示されるこの発明の範囲内に属すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、従来の非放射誘電体線路を備える回路を示す斜視図である。
【図2】
図2(a)及び(b)は、従来の非放射誘電体線路がLSM01モードとLSE01モードにあるときに発振する電磁波の電場と磁場とを示す分布図である。
【図3】
図3は、従来の非放射誘電体回路における平行な金属板間の間隔維持の仕方を示す斜視図である。
【図4】
図4は、本発明に基づいて作られた非放射誘電体線路を備えた回路を示す斜視図である。
【図5】
図5は、本発明に従う一つの実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路のミリ波の発振及び伝送回路を示す斜視図である。
【図6】
図6は、本発明に従う別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路の発振出力の伝送回路を示す斜視図である。
【図7】
図7は、本発明に従う別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路の3逓倍発振回路を示す斜視図である。
【図8】
図8は、本発明に従う更に別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路のミキサー回路を示す斜視図である。
【発明の名称】多層スペーサを持つ非放射誘電体回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】平行な金属板の間に誘電体線路を配置した非放射誘電体回路において、前記金属板の内側には高さの異なる複数のスペーサを配置して、異なる使用周波数を発振することができる複数の非放射誘電体線路を収容することを特徴とする非放射誘電体回路。
【請求項2】周波数の異なる前記回路の間をストリップ共振器で連結して信号を伝送させることを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項3】周波数の異なる前記回路の間を金属ポッドで連結して信号を伝送させることを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項4】低周波数用の前記金属板間にダイオードを位置させ、高周波数用の前記金属板間に非放射誘電体線路を差し込み、前記ダイオードと前記非放射誘電体線路とをストリップ共振器で連結することによって、周波数逓倍式の発振器として使用することを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【請求項5】二つの周波数の異なる前記回路を前記ストリップ共振器又は前記金属ポッドで連結することにより、ミキサー回路として使用することを特徴とする請求項1に記載の非放射誘電体回路。
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、非放射誘電体回路に関しており、単一周波数しか発生させることができない既存の非放射誘電体回路に比べて、複数の周波数を発生させることができる非放射誘電体回路に関する。
【0002】
マルチメディア時代の到来で、情報発信のコンテンツがテキストからテキストとグラフィックへと変化してきており、現在では動映像をも含むものに変化している。更に、動画を扱う技術は次第に高解像度で且つ繊細なカラーを提供するものに移りつつある。その結果、マルチメディアの情報発信にはコンピューター通信に過度の負担を与えるようになっている。
【0003】
この問題を解決する一つの方法として、コンピューター通信をT1級からT3級にアップグレードさせることが行われている。しかしながら、このアップグレードには障害もある。即ち、光ケーブル工事には莫大なコストがかかるので、高級化はコストのかかる通信モードである。更に、建物が既に建っている場所では工事それ自体が困難になる。その結果、無線データ通信のための超高速端末への要求に対応した超高速無線送信機を開発する必要に迫られている。
【0004】
データ伝送速度を高めるためには使用周波数を高めなければならないが、周波数を高める方法では波長が短くなることによって、伝送損失が発生するなどの問題点が生じる。一般的に、マイクロウェーブ以上の帯域を処理する技術としてMMIC方法が想起されるが、この技術では使用周波数が50GHzである場合には伝送損失が1m当たり60dBになる。
【0005】
伝送損失の問題を解決するために、最近では、非放射誘電体線路(NRDガイド: Nonradiative Dielectric waveguide )を用いる方法が導入されてきている。この方法は、幾つかの利点があるために好ましいと考えられている。非放射誘電体線路は非放射性であるため、マイクロストリップ回路に比べ伝送損失が低い。また、非放射誘電体線路を用いるほうが導波管(waveguide )を用いるのに比べて伝送路の製作が容易である。特に、非放射誘電体線路は、マイクロ波、特に30GHz以上のミリ波長帯を扱うことができるという能力がある。
【0006】
非放射誘電体線路は、導波管から伝送波が漏れないようにする技術である。この技術は、図1に示すように、二つの平行な金属板(1)の間に非放射誘電体(2)を差し込むことによって達成される。非放射誘電体に沿って伝送波を流すと、図2に示すように、LSMモードかLSEモードの形態の電磁気が形成される。従来方法において伝送損失を最小にし、回路の製作を容易にするために、LSMモードの中で最低次モードであるLSM01モードを使用して回路を製作した。
【0007】
このとき、非放射誘電体のサイズは、次の式から求められる。
【数1】
【数2】
ここでεr は誘電体線路の非誘電率、λは波長である。
【0008】
上記式1と式2から、例えば、非放射誘電体線路の非誘電率を2.04とし、60GHz周波数で回路を製作するとすれば、波長は5mmとなり、aとbについて解くと、誘電体線路の寸法は高さ(a)= 2.25mm、幅(b)=2.5mmになる。換言すると、二つの金属板間の間隔は2.25mmと決定される。
【0009】
実際に回路を製作する場合、図3に示すように、二つの金属板の間に金属製のスペーサを入れることが必要である。上記の実験のためには、スペーサは2.25mmの高さを有することになる。スペーサは、二つの平行な金属板の間に一定の間隔を維持するように、非放射誘電体回路の中に挿入されることになっている。それゆえ、非放射誘電体線路を含むすべての他の部品は、スペーサと同じ高さに製作されねばならない。二つの平行な金属板の間の間隔は上記のように一定に維持されているので、金属板間に、寸法の異なる部品又は異なるサイズの誘電体線路を挿入するのは不可能である。つまり、誘電体線路の寸法は周波数に応じた波長によって決定されるが、二つの金属板の間の間隔が固定されているので、特定の単一周波数しか処理できないとの結論に至る。それゆえ、上記の手法は、既存の複数の周波数を用いる高周波回路には殆ど適用することができない。
【0010】
一般に、AM/FM受信器、テレビ受像機、携帯電話、無線呼出機、無線電話機、無電機、衛星放送用受信器のような私たちが使用する殆どの高周波回路には、スーパーヘテロダイン(Superheterodyne)方式が採用されている。スーパーヘテロダイン方式は、信号処理の途中に周波数を変換して増幅度を高める方法であるので、高感度の受信器の開発に有用である。送信器の場合も、変調特性を良くするために、低い周波数から変調して周波数を逓倍して変調の指数を高め、送信周波数の増幅度を高める方法を使用するのがほとんどである。従って、既存の二つの金属板の間隔が一定な非放射誘電体回路では、このような周波数の変換が不可能になって、全部一様な周波数しか利用できない。その結果、従来の非放射誘電体回路を利用しては、上記列挙したような超高周波回路を製作することは不可能である。
【0011】
それだけではなく、データの通信の速度が次第に速くなって行く今の趨勢では、使用周波数も次第に高くなって行くので、このときの誘電体線路の寸法も次第に小さくなることが求められる。例えば、周波数が60GHzのときは、誘電体線路の寸法は2.25×2.5mmであるが、周波数が120GHzのときは、誘電体線路の寸法は1.125×1.25mmになって60GHzの場合の誘電体線路の寸法の半分になってしまう。周波数が120GHzのときは、たとえ誘電体線路が発明されても、ガン(GUNN)ダイオードのような半導体は1.25mmのスペースに挿入することができない。これは、既存の市販されている半導体は直径が3mmであることと、内部発熱が発生するため小型化ができないことによる。
【0012】
発明の開示
この発明の目的は、各金属板上に多層構造を持ち、且つ多数の周波数を利用できる異なるサイズの多層構造の非放射誘電体線路を持った非放射誘電体回路を提供することである。
【0013】
この発明の最も特有な特徴は、それぞれが対応する周波数を発生させる異なるサイズの非放射誘電体線路が単一の回路に納められていることにある。別の特徴は、それぞれ別々の非放射誘電体線路を納めるために、金属板間に異なる高さのスペーサを配置した点にある。そうすることによって、単一の回路で2つ以上の周波数を扱うことができる。
【0014】
発明を実施する最良の形態
添付した図面を参照して本発明の実施例を説明することにより、本発明の目的、特徴、及び利点の理解をより深めることができるであろう。
【0015】
図4には、上記した特徴を備える非放射誘電体線路を用いた回路が示されている。この図に示すように、金属板(10,11)を重ねることにより、金属板(10,11)間に多種類のスペーサを配置することができるので、多種類の異なるサイズの非放射誘電体線路(20,21)を金属板間に挿入することができ、その結果、多数の周波数を発振することができる。
【0016】
非放射誘電体線路(20)は、低い周波数が発振される非放射誘電体線路であり、その周波数によって決定されるa1×b1の寸法を有している。右側の非放射誘電体線路(21)は高い周波数に使われる誘電体線路である。これらの誘電体線路(21)の使用周波数は、サイズa2×b2によって上記の式1及び式2に代入して決定することができる。この場合、ストリップ共振器か或いはリード型の共振器を用いて、周波数の異なる二つの非放射誘電体線路間を連結することができ、それによって信号は一つの非放射誘電体線路から他の非放射誘電体線路へと伝送することができる。
【0017】
この発明を用いることによって、受信波を局部発振器(Local oscillator)を用いてミキシングすることにより中間周波数を作る特性を持つスーパーヘテロダイン方式の受信器を構成することができる。中間周波数を用いることによって、増幅を行うことが非常に容易となり、その結果、受信感度を改善することができる。
【0018】
図5には、この発明の第1実施例として、多層構造の非放射誘電体回路における振動及び発振回路が示されている。間隔の広い二つの金属板(10)の間に、ダイオードのマウント(40)が配置されている。ストリップ共振器(60)が間に挿入される別の金属板(11)の内側には、ストリップ共振器(60)からの振動出力に合う周波数を持つ非放射誘電体線路(20)も配置されている。その結果、ダイオード(51)からの振動出力は、ストリップ共振器(60)を通して非放射誘電体線路(20)に伝送させることができる。
【0019】
図6は、本発明によるもう一つの実施例として、多層構造の非放射誘電体回路における発振出力の伝送回路を示す図である。図5においては金属板ストリップ共振器(60)を用いていたが、これに変わる手段として、図6に示す例では、比較的大きなダイオードマウント(40)と使用周波数が高くてサイズが小さい非放射誘電体線路(20)とを連結するのに、金属ポッド(62)を用いている。LSMモードの電磁界分布を安定させるため、金属ポッド(62)と非放射誘電体線路(20)との連結部位においてモードサプレッサー(27)が配置されている。
【0020】
図7は、本発明による更に別の実施例である多層構造の非放射誘電体回路における逓倍発振回路を示す図面である。使用周波数が高くなるほど、非放射誘電体線路の寸法は小さくなる。こうした事実に起因して、100GHz以上の周波数を発振させるガンダイオードは入手困難である。この発明は、ガンダイオードを低い周波数で発振させ、次に逓倍回路を用いて高周波を得ることでこの問題を解決している。図7に示す例のように、ガンダイオード(52)が20GHzの周波数で発振し、ストリップ共振器(63)が3逓倍周波数の60GHzで発振するように設定される。もちろん、多層構造において非放射誘電体線路(20)は2.25mmの高さを持ち、これは60GHzで安定である。上記の作動によって、60GHzの周波数を発生させることができる回路が完成する。
【0021】
図8は、本発明による更に他の実施例である多層構造をなす非放射誘電体回路におけるミキサー回路を示す図面である。ミキサー回路は、二つの周波数をミキシングして新しい周波数を発生する。一方の非放射誘電体線路(81)からの周波数F1と、他方の非放射誘電体線路(83)からの周波数F2とが、ダイオードで混合される。ミキシングの後、周波数F3が作られる。
F3=|F1−F2|
【0022】
新しい周波数F3は、その周波数F3を発振させるための非放射誘電体線路のサイズを決定し、周波数F3の非放射誘電体線路は、非放射誘電体線路が配置される金属板間のスペースの間隔を決定する。上記のように、新しい周波数は、多層構造をなす非放射誘電体回路において作られる。このような非放射誘電体回路を用いることによって、スーパーヘテロダイン式受信機、逓倍発信器、及びFM送信機を製造することができる。
【0023】
この発明によって、多層構造を持った非放射誘電体回路を提供することができる。使用周波数にそれぞれ対応した多数のサイズの異なる非放射誘電体線路を、多層構造を持つ単一回路内に配置することも可能である。本発明によるこの特徴によって、また、高周波回路を創作する利点が得られる。
【0024】
上記した実施例は、本発明の望ましい例を示す目的のために提示されており、当業者であれば、この発明に対して多様な変更や修正が可能であり、このような変更と修正等は、特許請求の範囲に示されるこの発明の範囲内に属すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、従来の非放射誘電体線路を備える回路を示す斜視図である。
【図2】
図2(a)及び(b)は、従来の非放射誘電体線路がLSM01モードとLSE01モードにあるときに発振する電磁波の電場と磁場とを示す分布図である。
【図3】
図3は、従来の非放射誘電体回路における平行な金属板間の間隔維持の仕方を示す斜視図である。
【図4】
図4は、本発明に基づいて作られた非放射誘電体線路を備えた回路を示す斜視図である。
【図5】
図5は、本発明に従う一つの実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路のミリ波の発振及び伝送回路を示す斜視図である。
【図6】
図6は、本発明に従う別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路の発振出力の伝送回路を示す斜視図である。
【図7】
図7は、本発明に従う別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路の3逓倍発振回路を示す斜視図である。
【図8】
図8は、本発明に従う更に別の実施例として、各板上に多層構造を備えた非放射誘電体線路のミキサー回路を示す斜視図である。
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