JP2004503115A - クライオマグネットをパルス制御により磁化する方法 - Google Patents

クライオマグネットをパルス制御により磁化する方法 Download PDF

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Abstract

HTSマグネットを、一方では、各高温超伝導体リングからなる装置を外部から通電することによってのみ磁化しても、各高温超伝導体リングに付加された常伝導コイルを用いて印加された外部磁場を用いて磁化してもよい方法が提案されている。マグネット装置は、外部から通電するだけの場合には、先ず、同一面に設けられた同軸の高温超伝導リングから構成され、それから更に、そのような面を同軸に積層して構成される。付加的に外部磁場が加えられる場合には、この付加的な外部磁場は、マグネット装置を少なくとも部分的に囲繞する常伝導ソレノイドによって達成されるか、又は、各HTSコイル間のスパイラル状の平坦な常伝導コイルによって達成される。各場合に、磁場軸は、HTS装置にも、統合された常伝導コイルにも一致する。

Description

【0001】
本発明は、高温超伝導(HTS)クライオマグネットの磁化方法及び当該方法を実施するためのクライオマグネットの構成に関する。
【0002】
高電流を流すことができるHTS中実材料は、磁化した後、転移温度Tより下側の作動温度Tに、つまり、T<Tに保持されるクライオマグネットとして使用されている。それから、クライオマグネットは、永久磁石のように作用する。その磁場は、専門的な言葉の使用では「凍結」される。つまり、「フィールドクールド(磁界中冷却)」方法を介して、大きな超伝導マグネットコイルによって磁化された後、磁場>14テスラが示される。この過程は、以下の原理である:
HTSは、先ず、例えば、超伝導コイルの時間的に一定の外部磁場内で、温度T<Tに冷却される。磁束は、この温度では、この外部磁場内に凍結又は捕捉(ピン止め)する。それから、外部磁場はゆっくり、即ち、分及び時間のスケールで低減し、そうすることによって、超伝導電流がHTS内に誘起され、この超伝導電流は、HTS内の磁場をほぼ維持して、HTSを作用の点で永久磁石、クライオマグネットにする。
【0003】
高電流を流すことができるHTS成型体の磁化は、このHTS成型体が、例えば、電気機器内に構成されている場合には、大きな超伝導コイルを用いて行うわけにはいかず、組み込まれた状態で、例えば銅コイルを用いてパルス制御磁化を介して行う必要がある。上述の「フィールドクールド(磁界中冷却)」方法とは異なり、この所謂「ゼロフィールドクールド(零磁界中冷却)」方法では、超伝導体は、外部磁場なしに温度<Tに冷却され、それから、短い磁場パルスが加えられる。磁場が十分に強い場合、この方法でも磁束が超伝導体内で凍結する。その際、各磁化用マグネットの多数回順次繰り返しパルスによって、繰り返し磁化してもよい。このために、数msのパルス期間でのマルチパルス方法が有利であって、3テスラ迄もの磁場を凍結することができる。
【0004】
輸送電流パルスを入力結合しない、銅コイルでのパルス磁化方法が公知であり[I、II、II]、並びに、HTS中実材料用の形状成型及び結合技術[IV]、HTSリング構造及び当該HTSリング構造の磁化特性[V]、並びに、機械的な増強により、強い磁場によってHTSにかかる力を阻止することができることが公知である[VI]。
【0005】
成型体の飽和磁化、即ち、最大凍結可能磁場Hは、試料の形状及び試料の臨界電流密度jによって決められる。大まかな規則としては、「フィールドクールド(磁界中冷却)」方法では、試料を完全に磁化するために、コイルの磁場は少なくとも1×Hに相応する必要がある。これに対して、パルス磁化、「ゼロフィールドクールド(零磁界中冷却)」方法では、このために典型的には、パルス高さ2×Hの磁場が必要である。この原因は、磁化パルスの上昇側縁中、試料内に誘起される遮蔽電流のためである。
【0006】
従って、この、磁化パルスの上昇側縁で誘起される遮蔽電流、及び、組み込まれた、同様寸法の銅コイルを用いて最大達成可能な、3−6テスラのパルス磁場により、最大達成可能な凍結磁場用の実際の境界が設定される。
【0007】
誘起遮蔽電流の限定は、理想的な場合、ゼロに達し、それから、「フィールドクールド(磁界中冷却)」方法に比肩しうる状況に達する。更に、成型体の個別セグメントを磁化すると、個別セグメントによって形成された磁場が加算されて、総体的に、銅コイルによって形成される磁場よりも高い磁場が達成可能となる。
【0008】
従って、本発明が基づく課題は、転移温度Tの下側の温度で高磁場を凍結することができるクライオ(低温)適性のHTSマグネットでの磁化方法を提供すること、及び、この方法により有効に磁化することができるクライオマグネットを構成することである。
【0009】
本発明によると、この課題は、請求項1、及び、請求項5記載のパルス磁化方法により解決される。請求項1記載の方法は、クライオマグネット内に組み込まれた銅コイルを用いずに経過し、それに対して、請求項5記載の方法では、銅コイルを用いる。
【0010】
この方法を理解し易くするために、本来のクライオマグネットの原理構造について先ず説明する:
このクライオマグネットは、各中心点が1つの軸上に位置しているm個の積層ディスクから構成されている。各ディスク自体は、n個の円形リング又は多角形リング形状の導体要素から構成され、各導体要素は、相互に同心円状に1つの面内に位置していて、n−1個のリング間隙を形成し、その際、m及びnは自然数≧1である。各ディスクは、超伝導、正確には高温超伝導材料製である。
【0011】
n個の導体要素の各々は、2つのコンタクト個所を有しており、このコンタクト個所を介して、磁化方法では、使用された超伝導材料の最低転移温度T以下で通電される。
【0012】
請求項1、及び、請求項5記載の両方法は、請求項13記載の原理構造により実施され、従って、同様に磁化される。
【0013】
n個の導体要素の各々に、当該導体要素の両コンタクト個所を介して所定極性、強度及びパルス形状の輸送電流パルスIpulsが供給される。他の通電導体要素用のコンタクト個所によって、他方のコンタクト個所用の導体要素のアームを介して輸送電流Ipulsが両部分電流Iに分流され、他方のコンタクト個所用の導体要素の他方のアームを介して両部分電流Iに分流される。両コンタクト個所は、各コンタクト個所間の接続区間の長さ、即ち、両アームのうち短い方のアームの長さが、導体要素の全周の最大35%の部分Aを有しているように設けられる。そうすることによって、電流は非対称I≠Iとなる。そこで、両アームの短い方のアームに流れる電流はIで示し、両アームの長い方のアームに流れる電流はIで示すことにする。
【0014】
mn個の導体要素は、幾何学的に相互に電気的に接続されていて、該接続は、n個の導体要素の各々に給電される輸送電流パルスIpulsが、当該輸送電流パルスIpulsの上昇側縁の間流れる部分電流Iが、全部でn個の導体要素での所定の方向に関して同じ向きを有しているような極性を有しているようにされる。複数のディスクを用いた場合、供給される輸送電流パルスIpulsは、当該輸送電流パルスIpulsの上昇側縁の間流れる部分電流Iが、全部でm個のディスクで所定の方向に関して同じ向きを有しているように選定される。
【0015】
請求項2によると、全部でmn個の導体要素での輸送電流パルスIpulsは、各導体要素での所属の最大値Ipuls,maxが同一であるように調整される。全部でmn個の導体要素のうち、閉導体ループの全周の比較的短い方の各アームの長さの最大部分は、Amaxで示されている。超伝導体要素の臨界電流Iとして、超伝導体内に電圧降下10−6V/cmが生じるような電流が示される。電流>Iが、超伝導体にオーム抵抗を形成するために流れる。全部でmn個の導体要素の内最大臨界電流は、Ic,maxで示され、全部でm個の完全に磁化されるディスクによって当該ディスクの中心部に形成される磁場強度は、Hで示される。従って、請求項2によると、輸送電流パルスIpulsの最大値Ipuls,maxが更に、以下の条件を充足するように調整される:
(1−2Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
請求項3によると、最大飽和磁化が、クライオマグネット内に侵入する残留磁束がステップ状に高々飽和磁化に達する迄上昇されるようにして達成される。
【0016】
請求項4には、作動温度Tを各磁化ステップ後更に低下させることが記載されている。こうすることによって、更に外側に設けられた特別な導体要素の遮蔽作用が低減され、全磁化過程中クライオマグネットの中心に、比較的高い磁化を達成することができる(引用文献III参照)。
【0017】
以上説明した磁化方法のためには、クライオマグネットのシステム内に組み込まれた銅コイルによって形成される外部磁場は必要ない。
【0018】
磁化の変形実施例は、そのような外部磁場をそのために使う点にある。このために、請求項14の本来のクライオマグネットのシステムに対して、少なくとも1つの銅コイルを必要とする。この銅コイルを用いて形成される外部磁場の軸線が、磁化後に凍結(ピン止め)される磁場の軸線と一致する。
【0019】
クライオマグネットには、常伝導コイルを介して所定極性、強度及びパルス波形の磁場パルスが供給され、この磁場パルスは、導体要素内に各々1つのリング電流Iindを誘起する。このリング電流は、磁場の上昇パルス側縁の間、導体要素を少なくとも部分的に、磁束が侵入しないように遮蔽する。最大値Hpuls,maxの達成後、誘起されたリング電流Iindの極性が反転する。
【0020】
各導体要素には、請求項1〜4に記載されているように、当該導体要素のコンタクト個所を介して付加的に所定極性、強度及びパルス形状の輸送電流パルスIpulsが供給され、この輸送電流パルスIpulsは、供給時に2つの部分電流に分流される。
【0021】
両パルスIpuls及びHpulsの極性、強度、及び時間順序列は、当該両パルスIpuls及びHpulsが共働して、リング状導体要素の両アームに電流がI≠Iとなって分流するように選定される。その際、続いて両電流Ipuls及びIindの共働により形成されて、上昇する磁場パルス側縁中誘起されるリング電流と同じ極性を有する部分電流をIで示す。この部分電流Iは、上昇する磁場パルス側縁中、リング状導体要素の他方のアームに流れる部分電流Iよりも大きい。
【0022】
更に、磁場パルスHpuls及び輸送電流パルスIpulsは、全パルス間隔内の時間間隔中、各導体要素の臨界電流Iの近傍に至るか、又は、この臨界電流を超過するように選定される。そうすることによって、各々の全導体要素に流れる最大電流を制限して、それにより、上昇するパルス期間中誘起されるリング電流Iindの遮蔽作用を低減する高いオーム抵抗が形成される。その結果、磁束が導体ループ中に増強して侵入して、両パルスIpuls及びHpulsの減衰後、超伝導持続電流が導体ループ中に更に流れる。比較的高い残留磁化が、磁場パルスHpulsを唯1回印加しさえすれば達成される。
【0023】
輸送電流パルスIpulsに関しては、外部磁場なしで磁化した場合と同様に調整され、即ち、磁場及びmn個の導体要素内に供給される輸送電流パルスIpulsが、輸送電流パルスIpulsの上昇側縁中、全部でmn個の導体要素、従って、全部でm個のディスク中に流れる比較的大きな部分電流Iが、同じ向きであるように選定される。
【0024】
導体要素中の両電流I及びIを非対称に分流するのは、種々異なるアーム長さにすることによって制御される。電流パルスIpulsの極性は、当該電流パルスIpulsの上昇側縁中、比較的大きな部分電流Iが比較的短い方のアーム中に流れるように選定される(請求項6)。
【0025】
請求項7によると、全部でmn個のディスクの全部でn個の導体要素中の輸送電流パルスIpulsは、各導体要素中の所属の最大値Ipuls,maxが同一であるように調整される。磁場パルスHpulsの最大値Hpuls,max、電流パルスIpulsの最大値Ipuls,max、全部の導体要素の内、閉導体ループの全周の比較的短い方のアーム長の最大部分Amax、全部でmn個の導体要素の内、最大臨界電流Ic,max及び全部でm個の完全に磁化されるディスクによって当該ディスクの中心部で形成される磁場強度Hは、以下の条件:
puls,max<2Ic,max 及び
puls,max+(1−Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
を維持するように選定される。
【0026】
択一的に、有利な磁化のために、請求項8記載の条件を選定してもよい。この際、全部でm個のディスクの全部でmn個の導体要素中の輸送電流パルスIpulsは、各導体要素中の所属の最大値Ipuls,maxが同一であるように調整される。磁場パルスHpulsの最大値、電流パルスの最大値Ipuls,max、全部の導体要素の内、閉導体ループの全周の比較的短い方のアーム長の最大部分Amax、全導体要素の内、最大臨界電流Ic,max及び
全部でm個の完全に磁化されるディスクによって当該ディスクの中心部で形成される磁場強度Hは、以下の条件:
puls,max≧2Ic,max 及び
2Hpuls,max+(1−2Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
を充足するように選定される。
【0027】
請求項9には、m個のディスクの内の1つのn個の導体要素が、少なくとも1つの銅コイルと順次連続して電気的に接続される。そうすることにより、パルス制御されるコイル電流又はコイル電流の一部分を同時に輸送電流パルスIpulsとして全部でn個の導体要素中に用いることができる。その際、銅コイル及びn個の導体要素の導体横断面のディメンションに応じて、高すぎる輸送電流パルスIpulsを用いる必要がなく、そのために、全コイル電流の一部分しか導体要素中に給電しないで済む。
【0028】
請求項10には、m個のディスクを順次連続して接続することが記載されており、そうすることによって、パルス制御されるコイル電流又はコイル電流の一部分が輸送電流パルスIpulsとして全部でm個のディスク中に流される。
【0029】
請求項11には、磁場パルスHpuls及び輸送電流パルスIpulsが、コイル装置にコンデンサを放電することによって形成される。十分に高速の電子スイッチ、例えば、サイリスタ又はパワートランジスタを介して、インダクタンスとキャパシタンスとからなる振動回路が、所定時点で切り離される。そうすることによって、磁化用に形成された固有振動の第1の半部だけが利用されて、振動しなくならないようにされる。
【0030】
請求項3に記載されているように、請求項12では、パルス制御磁化過程を複数回繰り返すことが提案されており、それにより、クライオマグネット中に侵入する残留磁束がステップ状に高々飽和磁化に至る迄上昇させられる。
【0031】
請求項4に相応して、このように繰り返されるパルス制御磁化では、作動温度Tは、各磁化ステップ後更に下げられる(請求項13)。引用文献IIIに紹介されているように、この要件を、第1の磁化パルスに対して比較的低いHpuls,maxを選定するという要件と更に組み合わせてもよい。
【0032】
通電を介してしか磁化を達成することができないクライオマグネットは、請求項14に記載されているように、以下の構成を有している:
m個の積層されたディスクが共通軸を有している。m個のディスクの各々は、n個の種々異なる、同一面内に位置している同心状の円形リング又は多角形リング形状の、超伝導、正確には高温超伝導材料製の導体要素からなる。m及びnは、各々≧1の先ず任意の自然数である。技術的に用いるために、及び、その際必要な、クライオマグネットの磁気特性のために、m及びnを選択して用いるとよい。
【0033】
クライオマグネットの各導体要素は、当該クライオマグネットの通電のために2つのコンタクト個所を有している。mn個の導体要素は、所謂SEBaCu高温超伝導体のクラスから形成されており、短く123−HTSと呼ぶ。SEは、化学元素Y又は希土類金属又はこれらの混合物からなる。各導体要素には、電流通電能力を高める化学添加剤を付加することができる。ディスクのn個の導体要素の各々の123−HTS材料の結晶構造のc軸は、ディスクの軸線から最大10度ずれる。
【0034】
導体要素は、1つ又は複数の123−HTS成型体から製造することができる。複数成型体を用いると、123−HTS’に基づいて、比較的低い包晶温度で機械的且つ超伝導で相互に接続される。その際、123−HTS、123−HTS及び123−HTS’材料の結晶a−b軸−格子交点が、ディスク面内で最大10度相互に回転される。
【0035】
電気的な接続手段は極めて多種多様にある。例えば、mn個の導体要素を各々別個に電流源に接続することができる(請求項15)。又は、ディスクのn個の導体要素は、外側及び内側のリングに通電方向が順方向になったり逆方向になったりして、電気的に順次連続して接続される。その際、各導体要素間の電気接続は、常伝導又は超伝導により行われる(請求項16)。各ディスクの積層で、当該の各ディスクは、電気的に別個に接続されるか(請求項17)又は相互に電気的に直列に接続される(請求項18)。
【0036】
ここまでの説明では、HTSクライオマグネットは、外部磁場の形成のために常伝導コイルを未だ持っていない。この構成について、以下説明する:
クライオマグネット軸と外部磁場軸とが一致して磁場の対称性が維持されている限りで、どのような常伝導コイルを用いるかは磁化過程にとって原理的には些末なことである。銅コイル(請求項19)は、その材料及び製造特性に基づいて技術的に最適である。
【0037】
コイルの種類に関しては、2つの形式が開示されている。一方では、クライオマグネット、m個のディスクの積層を囲む、少なくとも部分的に囲むソレノイド(請求項20)、他方では、直径が最大でディスクの直径であるディスクの銅製の平坦なスパイラルコイル(請求項21)が開示されている。
【0038】
材料負担の点で有効な、クライオマグネットの構成は、HTSクライオマグネットを、ワックス又は樹脂又はエポキシド、又は、クライオ条件にとって適切なポリマー炭水化合物から構成されたマトリックスにするのであり、こうすると、低温でも十分に高い塑性変形特性を有するようにすることができる。従って、磁場と共に機械的な緊張力を少なくとも部分的に受け止めて、HTS材料の機械的な荷重を低減することができる。
【0039】
ここで提案しているパルス磁化経過特性、及び、このパルス磁化経過特性と関連したクライオマグネットの構成は、以下の利点を示す:
従来技術は、123−HTSに基づく中実成型体又はリング状導体構造であって、永久磁石、大きな超伝導マグネットコイル又はパルス制御される銅マグネットコイルによって磁化される。本発明により、種々異なる導体要素に輸送電流Ipulsを直接供給することによって、コスト上有利でスペースを節約できるパルス磁化を用いても比較的高い凍結(ピン止め)磁場を達成することができる。
【0040】
以下、本発明について図示の実施例を用いて詳細に説明する。
【0041】
その際、
図1は、常伝導リング接続を示す図、
図2は、超伝導リング接続を示す図、
図3は、ソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図、
図4は、電気的に並列な2つのソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図、
図5は、ソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図、
図6は、HTSディスクとスパイラルコイルとを交互に設けた状態を示す図、
図7は、HTSディスクとスパイラルコイルとの間に設けられたスパイラルコイルを有するHTSディスクを示す図、
図8は、交互に設けたスパイラルコイル付のHTSリングディスクを示す図、
図9は、電流パルスの時間経過特性を示す図、
図10は、電流パルスとマグネットパルスの時間経過特性を示す図
である。
【0042】
クライオマグネットは、HTS成形体製である。円筒形状のHTS中実(1本の)体は、ここでは厚みd=3mmのディスク内で切断されており、これは、リング内のレーザ切断技術を用いて、図1のように、ここでは、幅Δr=2mmに切断されている。寸法は、一例であり、技術的な条件に応じて変化する。このリングは、図1では、電気的に常伝導のウェブ(電気的にはノードである)によって相互に接続されている。
【0043】
磁化のために、外側リングに加えられる電流パルスIpulsにより、各リング内に2つの部分電流I及びIが生じ、2つの部分電流I及びIは、各リング内で、供給されたパルス電流Ipulsから、場合によっては、磁場パルスHpulsによって形成された誘起電流Iindから形成される。リング内に形成された部分電流は、一般的には種々異なる。パルス電流Ipuls及び場合によっては磁場パルスHpulsの減衰後、リング電流
−I>0A
が持続電流として残り、この持続電流は、Hpulsと同じ極性の磁場を形成する。(図9及び10には、一例として、ほぼ正弦波状乃至正弦波状のパルス形状Ipuls及びHpulsとして示されている。)ウェブ/ノード(図1及び2)の幾何学的な位置を介して、各リングの部分電流I及びIへの分流が一緒に制御される。一般的には、この分流は非対称であり、しかも、種々異なる導体要素において同じではない。最も内側のリングでは、パルス電流Ipulsが再度に向かって流れ出す。優位方向の決定は、電流が給電乃至遮断される各点間の接続区間が、全リング周のほぼA=20%(典型的には5−35%)であるようにすることによって達成される(図9及び10参照)。
【0044】
個別導体要素を別個に制御する必要がある、既述の磁化方法の変形実施例は以下の通りである:
パルス制御される銅コイルを使用して、先ず、電流パルスが導入されていない内部リングが磁化され、外側リング内に導入された輸送電流パルスによって、全磁場パルスHpulsの間、遮蔽作用が低減される。順次連続する複数パルスによって、種々のリングセグメントが連続して内側から外側に向かって磁化される。
【0045】
図2の構造は、図1の構造に相応している。図2では、ウェブは、リングの材料と同様の超伝導材料製、又は他の材料製である。同じ超伝導材料では、リング装置は有利には、真に硬い材料なのでレーザ切断技術を用いて中実体、つまり、ディスクから加工され、その結果、同心状のリング装置は関連のある部材である。個別リングでの電流分布について、図1に示した電流分布に相応して説明する。
【0046】
銅コイルを用いる実施例は、一方では、内側にHTSクライオマグネットを有する円筒状銅コイル(図3及び5)、又は、サンドウィッチ状に設けられたウォーム/スパイラル状銅コイル及び該コイル間に設けられた、各々複数リングから構成されたHTSディスク(図6〜8)である。この変形実施例は、内側に向かって増大する磁場のために、内部のHTSリングセグメントを磁化する必要がある。
【0047】
以下、図3〜8を用いて、目的に適った種々異なる磁化の構成について説明する:
図3には、分かり易くするために、図1又は2の構造の3つの積層HTSディスクしか示していない。ディスク装置は、銅コイルを有するソレノイドによって囲繞されている。3つのHTSディスク及びソレノイドは、相互に電気的に直列に接続されており、その際、3つのディスクは、最短距離で相互に電気接続されており、各ディスク間の接続技術は、常伝導又は超伝導にするとよい。
【0048】
図4では、5つのHTSディスクが積層されており、これら5つのHTSディスクは、図の軸線上に相互に並べて配設された2つのソレノイドによって囲繞されている。5つのHTSディスクは、図3に示されているように、両ソレノイドと電気的に順次連続して接続されており、何れにせよ、両ソレノイドは、相互に電気的に並列に接続されている。
【0049】
幾何学的に少し変形された形式が、図5に示されているように、5つのHTSディスクを有している。リングディスクであり、その結果、図の軸線に沿って、円筒状の中空空間が形成される。この5つのリングディスクは、相応の高さのソレノイドによって囲繞されている。この装置構成は、図5に相応して電気的に接続されている。
【0050】
図6〜8では、磁場パルスHpulsが、平坦なディスク形状のスパイラルコイルを介して形成されている。このスパイラルコイルは、サンドウィッチ状に各HTSLディスク間に設けられている。しかし、図3〜5に示されているように、ここでも、磁場軸は、各構成の図の軸線と一致している。
【0051】
図6では、例えば、3つのHTSディスク及び2つのスパイラルコイルが積層されており、つまり、3つのHTSディスク及び2つのスパイラルコイルが交互に順次続いて設けられている。HTSディスク及びスパイラルコイルは、同じ輪郭である。しかし、例えば、スパイラルコイルの外径は、HTSディスクの外径よりも大きい(但し、そうすることによって、HTSディスクの十分に強い磁化が達成される場合)。
【0052】
図7では、2つのHTSディスク間に並べて設けられた2つのスパイラルコイルからなる構造が積層されている。各スパイラルコイルに直ぐ設けられているHTSディスクは、このスパイラルコイルと電気的に1つのグループとなるように直列に接続されており、両グループは、相互に電気的に並列に接続されている。
【0053】
図の軸線及び磁場軸に沿って、中空空間が必要である場合、図8の構成が適している。3つのHTSリングディスク及び2つのリングディスクコイルは、交互に積層されていて、全て順次連続して電気的に接続されている。
【0054】
図3〜8に示された、コイルとHTSリングディスクとの間の直列及び並列接続の種々異なる変形実施例用の手段により、コイル電流を最適に調整することができ、各導体要素に供給される電流パルスを、導体横断面によって決められる、導体要素の臨界電流Iにすることができる。そうすることによって、所定の外部接続の際、磁化の最適な効果をコスト上有利に達成することができる。
【0055】
パルス電流Ipuls及び当該パルス電流Ipulsに基づく、リング内での電流I及びIの分流の電流経過特性略図が、図9に、導体要素の臨界電流Iに関して規格化されて示されている。この構成で供給されるパルス電流は、正弦波状の経過特性を有している。ここでは、電流によってのみ、つまり、外部印加磁場Hpulsを用いないで磁化されている。リング内の電流は、図示のように分流されている。電流は、周期τの間流れ、つまり、電流上昇の開始時から最初のゼロ通過迄の時間流れる。最初のゼロ通過時に、この構成のエネルギ蓄積器(コンデンサ/電源装置)とインダクタンスとからなる振動回路が切り離される。
【0056】
最後に、図10には、図9に示されているように、パルス電流による磁化、及び、付加的な磁場が示されている。正弦波状の磁場経過特性にするために、規格化された図が選定されている。
【0057】
両実施例から分かることは、上昇パルス側縁I中、先ずIよりも明らかに強く上昇するということである。付加的な磁場なしに、つまり、付加的に誘起される遮蔽電流Iindなしに、Iは常に正である(図1及び2に示された電流の方向用の決定により)。付加的な磁場パルスを用いて、先ず、誘起された遮蔽電流Iindが、導体要素の比較的長い方のアームに供給されたIpulsの部分を超過し、即ち、Iは、先ず、図1及び2に示された電流方向の決定によって負である。しかし、IがIを超過すると直ぐに、Iが更に上昇するのが制限される。それと共に、Iは大きくなる。それと同時に、リング状に閉じた導体要素中に磁束が侵入する。図9では、このことは、導体要素の比較的長い方のアーム内の電流Iによって形成され、図10では、主として、外部磁場によって形成されている。下降するパルス側縁中、超伝導体は、閉導体ループ中に侵入した磁束を凍結する。これにより、結局、Iは、その符号を反転し、I=−Iで、リング中にリング電流が正のIの向きで流れ、その際、このリング電流はほぼIに相応する。即ち、リングは、この例では完全に磁化される。
【0058】
選択した磁場形成(図3〜8)及び選択した接続に応じて、種々異なる電流、磁場及びパルス期間の数値を変えることができ、用途に応じて、相応の大きな領域内に合うように変えることができる。しかし、大まかには、導体要素の臨界電流Iには、数100〜数1000Aのオーダーの値、磁場強度Hpuls,maxは、5T以上もの領域内、パルス期間τは、1〜100msのオーダーの数値が適切であると見なされる。
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【図面の簡単な説明】
【図1】常伝導リング接続を示す図
【図2】超伝導リング接続を示す図
【図3】ソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図
【図4】電気的に並列な2つのソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図
【図5】ソレノイドによって囲繞されたHTSディスクを示す図
【図6】HTSディスクとスパイラルコイルとを交互に設けた状態を示す図
【図7】HTSディスクとスパイラルコイルとの間に設けられたスパイラルコイルを有するHTSディスクを示す図
【図8】交互に設けたスパイラルコイル付のHTSリングディスクを示す図
【図9】電流パルスの時間経過特性を示す図
【図10】電流パルスとマグネットパルスの時間経過特性を示す図

Claims (23)

  1. 超伝導臨界温度T以下で作動するクライオマグネットをパルス制御により磁化する方法であって、
    軸に沿って積層されたm個のディスクを有しており、該ディスクは、それ自体各々n個の環状リング又は多角形リング状の、超伝導材料製の導体要素から形成されていて、該導体要素は、相互に同心円状のn−1個のリング状間隙を形成しており、但し、前記のn及びmは、自然数≧1であり、且つ、
    前記n個の導体要素の各々は、2つのコンタクト個所を有しており、該コンタクト個所を介して通電される方法において、
    mn個の導体要素の各々には、当該導体要素の一方のコンタクト個所を介して、所定極性、強度及びパルス形状の輸送電流パルスIpulsを供給し、該輸送電流パルスIpulsを、当該輸送電流パルスIpuls内で2つの部分電流I及びIに分流し、前記部分電流Iを、他方のコンタクト個所につながった前記導体要素の一方のアームに流し、前記部分電流Iを、前記他方のコンタクト個所につながった前記導体要素の他方のアームに流し、
    前記両コンタクト個所間の接続区間を、前記導体要素の全周の最大35%の長さAを有するように保持し、該保持により、前記両アームの種々異なる長さによって、非対称な電流I≠Iを生起し、
    前記mn個の導体要素は、幾何学的に相互に電気的に接続されて、n個の導体要素の各々の要素に供給された前記輸送電流パルスIpulsが、当該輸送電流パルスIpulsの上昇側縁の間に流れる前記部分電流Iが、全部でn個の前記導体要素での所定の方向(Sinn)に関して同じ向き(Richtung)を有していることを特徴とする方法。
  2. 全部でmn個の導体要素での輸送電流パルスIpulsを、各導体要素内での所属の最大値Ipuls,maxが同一であり、前記輸送電流パルスIpulsの前記最大値Ipuls,maxを、全部でmn個の前記導体要素のうち、全周が比較的短いアームの長さの最大部分Amaxが、閉導体ループであるように調整し、前記全導体要素のうち最大臨界電流Ic,max、及び、全部でm個の完全に磁化されたディスクによって、当該ディスクの真ん中で形成される磁場強度Hが以下の条件式:
    (1−2Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
    を充足する
    請求項1記載の方法。
  3. 前述のパルス制御による磁化過程を複数回繰り返すことによって、クライオマグネット内に侵入する残留磁束をステップ状に高々飽和磁化に達する迄上昇する請求項1又は2記載の方法。
  4. 各磁化ステップ後、作動温度Tを更に下げる請求項3記載の方法。
    銅コイルを用いない磁化
  5. 超伝導臨界温度T以下で作動するクライオマグネットをパルス制御により磁化する方法であって、
    軸に沿って積層されたm個のディスクを有しており、該ディスクは、それ自体各々n個の円形リング又は多角形リング状の、超伝導材料製の導体要素から形成されていて、該導体要素は、相互に同心円状のn−1個のリング状間隙を形成しており、但し、前記のn及びmは、自然数≧1であり、前記n個の導体要素の各々は、2つのコンタクト個所を有しており、該コンタクト個所を介して通電され、各々n個の同心状超伝導リングからなるm個のディスクの積層と一緒に構成された常伝導コイルを有しており、前記常伝導コイルの磁場軸は、ディスク積層の軸と一致している方法において、
    クライオマグネットに、常伝導コイルを介して、所定極性、強度、及び、パルス形状の磁場パルスHpulsを加え、前記磁場パルスは、各導体要素中に各々リング電流Iindを誘起し、該リング電流により、前記磁場の上昇パルス側縁中前記導体要素を少なくとも部分的に、磁束が侵入しないように遮蔽し、前記磁場パルスの最大値Hpuls,maxの達成後、当該磁場パルスの極性を反転し、前記各導体要素に、当該各導体要素の両コンタクト個所を介して付加的に、所定極性、強度及びパルス形状の輸送電流パルスIpulsを供給し、該輸送電流パルスを前記各導体要素に供給した際、2つの部分電流I及びIに分流し、該2つの部分電流I及びIをリング状導体要素の両アームを介して、第2のコンタクト個所に流し、
    前記両パルスIpuls及びHpulsの極性、強度、パルス形状及び時間順序列を、当該両パルスIpuls及びHpulsの極性、強度、パルス形状及び時間順序列の共働により、前記リング状導体要素の両アーム中の電流がI≠Iとなるように分流されるように選定し、前記両電流Ipuls及びIindの共働により形成される前記部分電流Iは、上昇磁場パルス側縁中誘起されるリング電流Iindと同じ極性を有しており、
    前記リング状導体要素の第2のアーム中に流れる部分電流Iよりも大きな上昇磁場パルス側縁中、
    前記磁場パルスHpuls及び輸送電流パルスIpulsを、全パルス期間内の時間間隔の間、少なくとも部分電流Iが、各々の導体要素の臨界電流Iの近傍になるか、又は、当該臨界電流Iを超過するように選定し、
    ディスクのn個の導体要素を、前記n個の導体要素の各々に供給される輸送電流パルスIpulsが、前記輸送電流パルスIpulsの上昇側縁中流れる比較的大きな部分電流Iの間、全部でn個の各導体要素で所定の方向に関して同じ向きを有している極性を有しているように、幾何学的に相互に電気接続し、
    磁場Hpuls及びm個のディスク中に供給される輸送電流パルスIpulsを、当該輸送電流パルスIpulsの上昇側縁中流れる比較的大きな部分電流Iが、全部でm個のディスク中で同じ向きを有しているように選定する
    ことを特徴とする方法。
  6. 導体要素中の両電流I及びIを非対称に分流するのを、種々異なるアーム長さにすることによって制御し、及び
    電流パルスIpulsの極性を、当該電流パルスIpulsの上昇側縁中、比較的大きな部分電流Iが比較的短い方のアーム中に流れるように選定する請求項5記載の方法。
  7. 全部でm個のディスクの全部でmn個の導体要素中の輸送電流パルスIpulsを、前記各導体要素中の所属の最大値Ipuls,maxが同一であるように調整し、
    磁場パルスHpulsの最大値Hpuls,max
    前記電流パルスIpulsの最大値Ipuls,max
    全部の導体要素の内、閉導体ループの全周の比較的短い方のアーム長の最大部分Amax
    全部でmn個の導体要素の内、最大臨界電流Ic,max及び
    全部でm個の完全に磁化されるディスクによって当該ディスクの中心部で形成される磁場強度Hを、以下の条件:
    puls,max<2Ic,max 及び
    puls,max+(1−Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
    を維持するように選定する請求項6記載の方法。
  8. 全部でm個のディスクの全部でmn個の導体要素中の輸送電流パルスIpulsを、各導体要素中の所属の最大値Ipuls,maxが同一であるように調整し、
    磁場パルスHpulsの最大値、
    前記電流パルスの最大値Ipuls,max
    全部の導体要素の内、閉導体ループの全周の比較的短い方のアーム長の最大部分Amax
    全導体要素の内、最大臨界電流Ic,max
    及び
    全部でm個の完全に磁化されるディスクによって当該ディスクの中心部で形成される磁場強度Hを、以下の条件:
    puls,max≧2Ic,max 及び
    2Hpuls,max+(1−2Amax)Ipuls,max/Ic,max≧2H
    を充足するように選定する請求項6記載の方法。
  9. m個のディスクの内の1つのn個の導体要素を、少なくとも1つの銅コイルと順次連続して電気的に接続し、該接続により、パルス制御されたコイル電流又はコイル電流の一部分を輸送電流パルスIpulsとして全部でn個の導体要素中に流す請求項7又は8記載の方法。
  10. m個のディスクを順次連続して接続し、該接続によって、パルス制御されたコイル電流又はコイル電流の一部分が輸送電流パルスIpulsとして全部でm個のディスク中に流される請求項9記載の方法。
  11. 磁場パルスHpuls及び輸送電流パルスIpulsを、コイル装置にコンデンサを放電することによって形成し、電子スイッチ、例えば、サイリスタ又はパワートランジスタを介して、振動回路が、磁化用に形成される両固有振動の第1の半部だけを維持するようにする請求項9又は10記載の方法。
  12. パルス制御される磁化過程を複数回繰り返すことにより、クライオマグネット中に侵入する残留磁束をステップ状に高々飽和磁化に至る迄上昇する請求項11記載の方法。
  13. 各磁化ステップ後、作動温度Tを更に下げる請求項12記載の方法。
    銅を用いないクライオマグネットの構成
  14. 磁化方法を実施するための超伝導材料製の成型体に基づくクライオマグネットにおいて、
    m個のディスクを有しており、前記各ディスクは、同一面内に設けられた、円形リング又は多角形リング形状のn個の導体要素(超伝導材料製)から構成されており、mn個の導体要素の各軸は、一直線上に、装置の軸に位置しており、m及びnは、各々≧1の自然数であり、
    前記mn個の導体要素の各々の2つのコンタクト個所を有しており、該コンタクト個所を介して、前記各導体要素が通電され、mn個の導体要素は、所謂SEBaCu高温超伝導体、123−HTS−のクラスの超伝導材料から形成され、SEは化学元素Y又は希土類金属、又は、通電能力を高める化学添加剤付加することができる、これらの材料の混合物であり、
    ディスクのn個の導体要素の各々の前記123−HTS−材料の結晶構造c−軸は、前記ディスクの軸から最大10°ずれており、
    前記mn個の導体要素は、1つ又は複数の123−HTS−成型体から製造されており、複数の前記成型体を用いる際、当該成型体は、比較的低い包晶温度で123−HTS’の基板上に超伝導結合することによって、機械的且つ超伝導により相互に結合され、前記123−HTS−及び123−HTS’−材料の結晶構造のa−b−格子交点が、ディスク面内で最大10度相互に回転されていることを特徴とするクライオマグネット。
  15. mn個の導体要素を各々別個に電流源に接続する請求項14記載のクライオマグネット。
  16. ディスクのn個の導体要素を、電気的に順次連続して接続し、当該電気接続を、常伝導又は超伝導により行ない、外側の導体要素に順方向に通電したり、内側の導体要素に逆方向に通電したり、又は、外側の導体要素に逆方向に通電したり、内側の導体要素に順方向に通電したりするように接続する請求項14記載のクライオマグネット。
  17. m個の各ディスクを電気的に別個に接続する請求項16記載のクライオマグネット。
  18. m個の各ディスクを相互に電気的に直列に接続する請求項16記載のクライオマグネット。
    銅を用いるマグネットの構成
  19. HTSクライオマグネットを、少なくとも1つの銅コイルと一緒に構成して、各磁場軸が一致するようにする請求項15又は16又は17又は18記載のクライオマグネット。
  20. 銅コイルを、m個のディスクからなる積層の少なくとも1つのディスクが挿入されたソレノイドにする請求項19記載のクライオマグネット。
  21. 銅コイルを、外側の直径が高々ディスクの直径に等しい平坦なスパイラルコイルにし、当該スパイラルコイルを、m個のディスクの少なくとも1つに直ぐ隣接させる請求項19記載のクライオマグネット。
  22. HTSクライオマグネットは、ワックス又は樹脂又はエポキシ又は他の、この用途に適したポリマー炭水化合物からなるマトリックス内に設けられていて、低温でまだ十分な可塑性を有していて磁場と結合した機械的な緊張力を少なくとも部分的に受け止めることができる請求項15又は16又は17又は18又は20又は21記載のクライオマグネット。
  23. mn個の導体要素の各々に輸送電流Ipulsを供給及び導出するために2つのコンタクト個所が、当該2つのコンタクト個所間の両アームの長さが、前記導体要素の全周の最大35%の部分Aを有しているように設けられている請求項15から22迄の何れか1記載のクライオマグネット。
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