JP2004502718A - 少なくとも1のポリエチレングリコールを含む坐剤及び組成物 - Google Patents

少なくとも1のポリエチレングリコールを含む坐剤及び組成物 Download PDF

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Abstract

本質的に非生分解性である少なくとも1の生体適合性ポリマーを含み、かつ、水性流体と接触した時に本質的に膨張しない坐剤を提供する。前記坐剤は、分岐した又は架橋された状態の少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む浸透性マトリックスにより少なくとも部分的に互いに引き離された複数の開放セルをさらに含む。前記複数の架橋された、開放セルは、水性流体の含有を可能にし、そして前記坐剤の透過性は、実際的な状況下、本質的に、坐剤に接触している粘膜組織の脱水を起こすことなく開放セル中への流体の流入を確保する。前記坐剤は、さらに好ましくは放出制御製剤を含む。

Description

【0001】
技術分野
本発明は、生体適合性ポリマーを含み、そして特に坐剤の少なくとも一部を形成するために適合させた組成物に関連する。好ましくは、組成物は薬剤を含む。
【0002】
発明の背景
CN 1109347は、ポリウレタン・スポンジで作製した坐剤に関係する。坐剤の形状のスポンジを、薬剤液を吸収させるためにそれに浸し、そして乾燥させる。
【0003】
US 4,292,300は、本質的にメチルセルロースのように線状重合体、及び線状重合体の35重量部超、そして線状重合体の65重量部未満の量の水から成る非吸収性、非分解性の徐放性坐剤基剤に関する。US 4,292,300による線状の重合体は、膨張するが、水及び特定の有機溶媒の存在下で溶解しない架橋された重合体と区別されることができる。US 4,292,300による線状重合体は、高い分子量、水への親和性を持ち、そして過剰水中に溶解するが、しかしUS 4,292,300による処方に使用された比較的少量の水により「ゲル」状の塊を形成する。前記線状重合体は、好ましくは生体内分解に耐えるか、あるいはそれらはただゆっくりと生物分解可能である。前記重合体は、優れた強度と弾性を持つ製品を得るために気温又は気温付近、例えば15℃〜40℃で押し出される。それらは、ただわずかに湿った時に即座に滑りやすくなる能力も持ち、そしてそれにより容易に肛門直腸又は膣の入り口に挿入される、この性質は、US 4,292,300による処方における比較的に大きな量の水の存在によって高められる。線状重合体の例は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、及び特定の修飾されたデンプンである。典型的な平均分子量は、100,000と300,000の間で変動する。
【0004】
US 4,406,883は、原則的に、ポリビニルピロリドン、水、及び治療として有効な量の水溶性の治療として活性な成分から成る不溶性な、非分解性の、徐放性の成型坐剤に関し、ここで、水は、35重量割合超ので存在し、上記坐剤は、柔軟性を持っており、そして湿った時滑りやすくなる。
【0005】
US 5,330,427は、改善された坐剤アプリケーターに関し、それは、遠心端と近接端部を持つ円筒形の本体部分を含む、体腔内に薬剤を注入するための一体型射出成型坐剤アプリケーターである。本体部分は、さらに以下を含む:遠心端の必須な柔軟なチャンバー手段;上記柔軟なチャンバー手段の少なくとも一部分は柔軟なチャンバー手段に隣接し、かつ、不可欠な柔軟な接合部手段;柔軟なチャンバー手段に隣接し、かつ、不可欠なプランジャー手段;そしてバレル基部;ここで、柔軟な接合部手段はプランジャー手段及び柔軟なチャンバー手段のバレル基部内への連結に必須である。
【0006】
US 4,292,299は、薬剤を含んだ少なくとも1つの層を持つ、ぬれた粘液質表面に接着性があり、かつ、湿らすことで膨張しうる重合体を含む粘着性の層、並びにぬれた粘液質表面に接着性を持ず、かつ、水溶性又は水により崩壊しうる非接着性層から構成される調合薬剤に関する。前記調合薬剤は、全身的又は局所的な病気を治療又は予防するためにゆっくりと長期間に渡り薬剤を放出する性質を示す、ヒト又は動物の粘膜のぬれた粘液質表面及び皮膚に接着することによって投与される。
【0007】
US 4,404,296は、i)15〜62重量%(i)+ii)に基づく)の高分子量の共有的に架橋されたポリウレタン・マトリックス;ii)85〜38重量%(i)+ii)に基づく)の、二次的な原子価力によってマトリックスに接着した液体分散剤;そして場合によりiii)線維及び/又は添加剤及び/又はイソシアネート重付加反応にふさわしい触媒及び/又は有効成分を含むポリオール・ゲルに関する。
【0008】
US 5,411,737は、そこに水が可溶性である溶媒から成る局所的に活性な薬剤の長期投与のための徐放性ドラッグ・デリバリー・デバイスに関する。溶媒中に溶解される局所的に活性な薬剤が、非常に低い水吸収容量の重合体マトリックスを持つ安定したオルガノゲルを形成する。水又は大気の水蒸気の存在下、前記オルガノゲルは、溶媒の中へそのような水を徐々に吸収し、そしてそうすることにより上記媒体がマトリックスと両立しなくなり、徐々にそこから追い出される。溶媒は薬剤を溶解し、そして6ヶ月を超える期間の間生じる実質的に線形のドラッグデリバリーを有する重合体マトリックスから溶媒/薬剤結合物が、徐々に押し出されてゆく。前記ドラッグ・デリバリー・デバイスは、坐剤又はか皮下インプラントのように、局所的に薬を投与することに使われうる。
【0009】
US 5,085,650は、i)比較的に長くて、比較的に小さい直径シャフト、ii)頭部の全長の約3分の2に等しい軸上の長さに及ぶ比較的に徐々に外側にカーブしている挿入表面を貫いて曲線的な突出部から伸びる球状の頭部、並びに上記頭部の最大直径である挿入表面との交点からシャフトとの交点まで広がっている比較的に鋭く曲がっている保持表面、保持表面と挿入表面の間の交点は、鋭い端あるいは角を含まない、そしてiii)外側に次第に細くされているシャフトから、球状の頭部の最大の直径より実質的に大きな直径があるベースに渡る保持表面を含む円錐形のテール、ここで、上記シャフト、頭部、及びテールは、規定の寸法及び単位の構造を含み、そして完全に薬剤から形成される、を含む尿道坐剤に関する。
【0010】
US 4,999,342は、速くて溶ける坐剤組成物から構成され、そして避妊の有効量の殺精子剤;多糖ゴムのような重合体のゴム;シリカを含んでいる分散剤;及びポリエチレングリコールのような水混和性重合体坐剤基剤の混合物を含む、長持ちする、粘性のある、粘着性の避妊薬に関する。
【0011】
US 4,765,978は、植物油相中、生体適合性ポリマー、界面活性剤及び吸収剤を含む坐剤基剤中に抗真菌剤としてシス−2−(1H−イミダゾリルメチル)−3−(2’,6’−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロ−5−フルオロベンゾ[b]チオフェンを含む抗真菌性の膣坐剤に関する。坐剤は価値があり、有効性の延長された持続時間を提供する。坐剤製剤の生体適合性ポリマー構成要素は、ポリエチレンとポリビニルピロリジオンの組み合わせ物を含む。
【0012】
US 5,750,100は、生理学的に活性なペプチド又はタンパク質の投与初期の大量放出が抑制され、そしてペプチド又はタンパク質はより長期間、放出されうる、持続的な放出が可能な非経口の医薬品に関する。本発明の持続的な放出が可能な非経口の医薬品は、生理学的に活性なペプチド又はタンパク質と飽和脂肪酸のポリグリセロール・ジエステルを含むマトリックスを含む。このマトリックスは、柱状、粒状、又は他の形態であるかもしれない。
【0013】
US 4,259,314は、80〜95%のヒドロキシプロピル・メチルセルロース及び20〜5%のヒドロキシプロピルセルロースを含む乾性担体を含んでいる放出制御性、乾性医薬組成物に関する。前記担体は、多くとも1%の含水量まで乾燥している。医薬組成物が低圧の下で圧縮された場合、口で吸われるか又は使用されるトローチを調製することができ、粘膜的に血流に吸収される活性な治療薬剤の制御された放出を達成する。より高い圧力が医薬材料の圧縮に使用された場合、直腸又は膣への適用が好適な、あるいは錠剤の形態で飲み込むために好適な、より硬く、より長持ちする医薬組成物を調製することができる。
【0014】
US 4,786,502は、i)約10%〜約50%の、約26℃〜約37℃の融点を持つ脂質材料、ii)約10%〜約50%の微粒子分散剤材料、iii)約0.1%〜約3%の乳化剤、そしてiv)安全、及び有効量の医薬として活性な材料を含む脂質含有、成型医薬組成物に関し、ここで、好ましくは上記組成物の計測された粘性が約40℃で約10,000 cps未満である。
【0015】
US 5,529,782は、体内領域において剤材料の局所投与のために使われる剤材料を含む、吸収性要素に関する。前記吸収性要素は、使用前に実質的に固体形態を維持し、かつ、所望のタイミングの放出及び用量での剤材料の放出のために使用する間の人体温度及び湿気のために溶けるような、食品グレードの材料であり、そして選択的な溶解活性を持つ、吸収性重合体材料及び/又は複合炭水化物材料から成る。
【0016】
US 5,859,048は、薬理学的な活性成分又は粘膜吸収促進剤の少なくともいずれかがpH 5以上で水に溶ける高分子化合物との複合体形成を引き起こす直腸の投与のための薬剤に関する。前記成分と促進剤を、一様に脂肪性坐剤基剤中に分散させる。
【0017】
US 5,436,009は、通常の坐剤基剤、例えば29℃〜38℃の融解範囲を持つ脂肪中に、i)水溶性の治療として活性な物質、ii)ヒドロキシプロピル・メチルセルロースのように水との接触で膨張しうる生理学的に許容される有機物質、そしてiii)疎水性の二酸化ケイ素を含む持続的に放出可能な坐剤に関する。
【0018】
US 4,853,211は、好ましくは発泡性膣坐剤組成物の重量に基づき0.1〜20%の量で安定化剤、例えば無水の硫酸ナトリウム、無水のシリカゲル、乾燥ケイ酸マグネシウム、乾燥ケイ酸アルミニウム、乾燥カルボキシメチルセルロース・カルシウム、乾燥微細結晶性セルロース、乾燥スターチ、及び乾燥リン酸カルシウム、又はそれらの混合物を含む発泡性膣坐剤組成物に関する。
【0019】
US 4,698,359は、膣又は直腸腔に使用するための、薬物、脂肪酸のトリグリセリド混合物、ゲル形成薬剤、及びゲル分散剤を含む薬用坐剤に関連する。
【0020】
US 4,402,692は、有効成分を封入する薬物カプセルに関する。前記薬物カプセルは、脂肪族のモノアシル基及び酸性サクシニル基によりエステル化されているセルロース・エーテルの混合エステル、例えばアルキル−、ヒドロキシアルキル−、及びヒドロキシアルキル・アルキルセルロースで作られた硬カプセル殻で形成される。前記カプセルが直腸に挿入される時、このカプセル殻は崩壊し、直腸吸収された有効成分が直腸の中に放出される。
【0021】
発明の概要
1の好ましい側面において、本発明は少なくとも1の生理活性物質の投与のための坐剤に関し、上記坐剤は以下の:
i)少なくとも1つの生体適合性ポリマーを含む重合体組成物、ここで上記生体適合性ポリマーは本質的に非生物分解性である;並びに
ii)上記少なくとも1つの生理活性物質の放出制御のための放出制御製剤、上記製剤は少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1つの第2重合体を含み、ここで上記少なくとも1の第1重合体の融点は、少なくとも1の第2重合体の融点よりも低い;を含み、そして
ここで、好ましくは、坐剤は水性流体と接触した時本質的に膨張しない。
【0022】
本発明による重合体組成物は、湿気に接触した時、本質的に膨張しない生体適合性ポリマーを含む。前記生体適合性ポリマーは、本質的に非生物分解性でもあり、それにより、例えば手術を含む治療のための方法で使用される坐剤の一部を形成する時、使用している間は本質的に分解されない。
【0023】
生体適合性ポリマーを含む重合体組成物の少なくとも一部は、好ましくは、粘膜流体が接近可能で、かつ、そのような水性流体を含有可能な複数の連結された開放セルをさらに含む。好ましくは、実際的な状況の下、粘膜から分泌された湿気のような水性流体と重合体組成物の接触は、結果的に開いて、接近可能なセルに入る流体は本質的には存在しない。用語「流体は本質的には存在しない」は流体を開いた、接近可能なセルに含まれた、場合により封入状態の薬剤に接触させながら、脱水なしに、又は少なくとも本質的に本発明による坐剤と接触している粘膜の脱水なしに終わる流体の量を意味することが理解され、ここで、前記流体と前記薬剤の接触、又はそれらの封入は医薬として活性な量での粘膜への薬剤のデリバリーをもたらす。粘膜の脱水は、粘膜組織の炎症のはっきりしたサインから明白である。前記炎症は、通常医師によるか、又は個人で体腔部分の痒みを感じるか若しくは発疹が広がるかにより診断される。
【0024】
このように、1の態様において、本発明は、体液を含む水性流体に対する透過性を持つ重合体組成物を含む坐剤に関連し、上記坐剤は、−実際的な状況下で−本質的に坐剤に接触している粘膜組織の脱水なしに重合体組成物に含まれる複数の開放セル内へのそのような体液の浸入をもたらす。
【0025】
使用の間に本質的に分解されず、かつ、湿気との接触しているとき実質的に膨張しない全ての生体適合性ポリマーを、本発明に従い使用しうる。用語「分解されない」及び「膨張しない」殻は、本明細書中で以下に定義されるとおり、以降、それぞれ「本質的に分解されない」及び「本質的に膨張しない」意味の範囲内で使用される。
【0026】
前記非生物分解性重合体は、所望の程度の柔軟性を持つ重合体組成物を提供し、そして坐剤の表面と例えば、上記坐剤を置いた個体体腔の粘膜との間で安定した接触の確立を確保する。好ましくは、その坐剤が室温で本質的に硬いのに対し、その坐剤が体温で本質的に柔らかいかあるいは硬くなくなるように、放出制御製剤には軟化点がある。これは、例えばあらゆる最先端の方法による坐剤の硬度計測によっても計測されることができる。
【0027】
好ましくは、坐剤は、問題の体腔内で制御できる放出を可能にする薬剤を含む生理活性物質を含む。坐剤が使用の間に分解されない時、この坐剤は、接触の実施可能な状態にある局所的な環境への薬剤の持続的な放出を提供する。
【0028】
1の態様において、本発明による坐剤は、薬剤の担体として働く溶媒の、溶媒化、融解、又はそれ以外により引き起こされる全身的な効果の−本質的に同時な−発生なしに局所的な環境にどのように薬剤を提供するかといった問題を解く。この技術的な効果は、一般に担体マトリックスを溶融あるいは分解過程を通して、使用中に分解される脂肪に似た物質で作られた最先端の坐剤と著しく対照的である。
【0029】
坐剤の分解は、薬剤投与が長期間に渡り局所的な環境を標的としないという効果がある。局所的な環境がもっぱら最先端の坐剤で標的化されない時、薬剤は生体に取り込まれ、体全体に全身的な効果を発揮する。
【0030】
1の好ましい態様において、本発明は、局所的な環境への薬剤の直接的なデリバリーを確保することを目的とし、その一方で薬剤が体によって取り込まれ、それによって全身的な効果を発揮することを本質的に防ぐ。さらに、前記生体適合性ポリマーは、融解又は崩壊せず、そのため薬剤が好ましくは本質的に局所的環境で維持される。よって、本発明は、本質的にあらゆる全身的な効果を生じずに所定の、局所的な環境に薬剤を持続的に放出投与する方法を提供する。しかし、本発明の他の態様において、全身的な効果が望ましいかもしれない。
【0031】
ゆえに、本発明による坐剤の利点は以下のとおりである:
i)生理学的な適応性
ii)全ての体腔の形状への素速い調整
iii)坐剤と粘膜間の大きな隣接面
iv)生理活性物質の促進された輸送と移動度
v)生理活性物質の水溶解度
vi)生理活性物質の局所的投与
vii)創傷治癒の促進
定義と専門用語
生体適合性材料:粘膜を含む体組織に接触することに好適な材料。生体適合性材料は、生体物質と相互作用する時に急性又は慢性の炎症性応答を誘発しない。
【0032】
生体適合性重合体:重合体の形態の生体適合性材料。1の好ましい態様において、生体適合性重合体は、ポリウレタンである。少なくとも1のイソシアネートと少なくとも1のポリオールが反応することによってポリウレタンが製造される。好ましくは、前記イソシアネートは、ジイソシアネートである。長いジオール鎖から成るポリウレタンは、非常に柔らかい線状重合体を生じる。トリオールか又はより高い割合のポリオールから成るポリウレタンは、交差結合され、それによってより強く、そしてより硬い。
【0033】
所望の分子量及び鎖の長さのポリオールを選ぶために、ジオールの量対トリオール及び/又はより高い官能性の量の比率により定義されるそれらの平均の官能性が、本発明に好適である。前述のポリオールが、強度、硬度、ショアーA硬度、回復クリープ、軟質弾性率(flexible modulus)、貯蔵弾性率、損失弾性率、及び製造された重合体組成物の圧縮弾性率に従い当業者により特徴づけられうる。
【0034】
製造の方法は、あらゆる好適なワンショット技術(ポリイソシアネート、HMWポリオール、及び鎖伸展剤を混合し、反応させる)、及びあらゆる初期重合技術(ポリイソシアネートとHMWポリオールの間の初期重合体、その後の鎖伸展剤との反応)を含むあらゆる最先端の方法からも選択しうる。
【0035】
発明による生体適合性重合体がポリウレタンの時、NCO/OH比が好ましくは約0.7〜1.3の総体的な範囲内にあるような相対的な量で反応物が使われる。前記反応物は、室温又は反応物を注ぎ、そして撹拌する必要を考えた最も好都合な最小限に高められた温度で混合されうる。活性な水素を含む基を含む有機化合物の混合物が、使用前に混合されるか、又は個々に加えられうるか、あるいは全て同時に移される。活性な水素を含む基を含む有機化合物は、ポリイソシアネートに加えられることができるか、あるいはポリイソシアネートは有機化合物に加えられることができる。前記反応は発熱を伴い、この反応を遅らせ、そして適当な温度限界の範囲内にそれを留めるために冷却が時々用いられる。ただ反応物を混ぜることによってこの工程は成し遂げられる。
【0036】
芳香族、脂肪族、及び複素環式ポリイソシアネートを含むいずれかの好適な有機ポリイソシアネートが本発明に使用されうる。すなわち、2以上のイソシアネート基が本発明に有用な有機ポリイソシアネートを製造するために、非環式、脂環式、芳香族、及び複素環式基を含む適当な二価、又はより高い多価の有機的な基に接着されるかもしれない。
【0037】
1,3−bis(4−メチル−3−イソシアネート−フェニル)ウレトジオンなどに例示されるような縮合環、例えばウレトジオン(uretdion)を持つポリイソシアネートが実施可能である。一般的にジイソシアネートが使われる。しかし、トリイソシアネート及びより高い官能性のイソシアネートが同様に減縮を条件として使われることができ、上記条件は、トリ−、及びより高い官能性イソシアネート上、並びに存在する他の反応性化合物上の全ての反応性基の合計が、好ましくはNCO以外の、存在する全ての反応性の基の約20 molパーセント超ではないことである。
【0038】
好適な代表的な有機ポリイソシアネートは、エチレン・ジイソシアネート、エチリデン・ジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、m−フェニレン−ジイソシアネート、2,4−トルエン・ジイソシアネート、2,6−トルエン・ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレン・ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン・ジイソシアネート、3,3’−ジフェニル−4,4’ビフェニレン・ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレン・ジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレン・ジイソシアネート、1,5−ナフタレン・ジイソシアネート、フルフリデン・ジイソシアネート、あるいはブロックされたか又は不活性な形態のポリイソシアネート、例えば2,4−、又は2,6−トルエン・ジイソシアネート、p,p’−ジフェニルメタン・ジイソシアネートなどのビスフェニル・カルバメートである。
【0039】
ツェレウィチノフ方法によって決定される、イソシアネート基と少なくとも2の活性な水素を含む反応性である基を含むポリエステル以外の、いずれかの好適な有機化合物が、本発明の方法に従って有機ポリイソシアネートと反応するそれらの混合物中に存在する。前記の活性な水素原子は、通常酸素、窒素、あるいは硫黄原子に付着する。よって、このように、ツェレウィチノフ方法によって決定されるような活性な水素を含む基は、−OH、−NH2、−NH−、−COOH、−SHなど含むイソシアネート基と反応性である。イソシアネート基で反応性である、少なくとも2の活性な水素を含む基を含む好適なタイプの有機化合物の例は、アルカン、アルケン、及びアルキン・ジオール、トリオール、テトロールなどを含む、多価のポリアルキレン・エーテル、多価のポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオール、2以上の−SH基を持つ脂肪族チオール;芳香族、脂肪族、複素環式ジアミン、トリアミン、テトラアミンなどを含むポリアミン;ポリアルキレン・エーテル、例えばレゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノールAなどのプロピレンオキシド及びエチレンオキサイド付加物;並びにそれらの混合物である。当然、先に定義されたクラス内に2以上の異なる基を含む化合物が、例えばアミノ基と水酸基を含むアミノ・アルコール、2のアミノ基と1つの水酸基を含むアミノ・アルコールなどで本発明の方法に従って使用されもする。また、1の−SH基と1の−OH基、又は2の−OH基と1の−SH基を含む化合物、並びにアミノ基と−SH基などを含んでいるものが使用される。
【0040】
いずれかの好適な多価ポリアルキレン・エーテル、並びにそれらの混合物、例えばアルキレン・オキシド、あるいは多価アルコールを持つアルキレン・オキシドの縮合物を使用する。いずれかの好適な多価アルコールがそれらのエーテル、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリトリトール、ソルビトールなどの製造に使用される。いずれかの好適なアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミフェンオキシドなどが使用される。もちろん、多価ポリアルキレンエーテルは、他の開始材料、例えば、テトラヒドロフラン、エピハロヒドリンなど、並びにアラルキレンオキシド、例えばスチレンオキシドなどから調製されうる。多価ポリアルキレンエーテルは、1価又は2価の水酸基を持ち、そして好ましくは2〜5の炭素原子を持つアルキレンオキシド、例えばポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリブチレンエーテルグリコールなどから調製された多価ポリアルキレンエーテルである。グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトールなどの3価、あるいはより高い多価のアルコールが、産物中にいくつかのの分岐が存在するような多価ポリアルキレンエーテルの調製に使用されもする。
【0041】
いずれかの好適な多価ポリチオエーテル、例えば多価アルコール、例えばいずれか他の好適なチオエーテルグリコールによるヒドロキシルポリエーテルの調製のために先に記載された多価アルコールの反応産物であるチオジグリコールの縮合物が使用されうる。他の好適な多価ポリチオエーテルは、US 2,862,972、及び2,900,368に記載されている。
【0042】
アルカンジオール、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2,2−ジメチル 1−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオールなどがを含む、1,20−エイコサンジオールなど;アルケンジオール、例えば1−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタジエン−1,4−1,4−ジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、2−ヘキセン−1,6−ジオール、2−ヘプテン−1,7−ジオールなど;アルキンジオール、例えば2−ブチン−1,4−ジオール、1,5−ヘキサジエン−1,6−ジオールなど; アルカントリオール、例えば1,3,6−ヘキサントリオール、1,3,7−ヘプタントリオール、1,4,8−オクタントリオール、1,6,12−ドデカントリオールなど;アルケントリオール、例えば1−ヘキセン−1,3,6−トリオールなど;アルキントリオール、例えば2−ヘキシン−1,3,6トリオールなど;アルカンテトロール、例えば1,2,5,6−ヘキサンテトロールなど;アルケンテトロール、例えば3−ヘプテン−1,2,6,7−テトロールなど;アルキンテトロール、例えば4−オクチン−1,2,7,8−テトロールなどを含むいずれかの好適な脂肪族ポリオールが使用される。
【0043】
いずれかの好適なポリアセタール、例えば先に記載されたホースのようなポリオールとホルムアルデヒド、又は他の好適なアルデヒドの反応産物が、使用される。
【0044】
いずれかの好適なポリカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、サプシック酸(thapsic acid)、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、アルファ−ヒドロムコン酸 ベータ−ヒドロムコン酸、アルファ−ブチル−アルファ−エチル−グルタル酸、アルファ、ベータ−ジエチルコハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸(mellophanic acid)、プレーニト酸(prehnitic acid)、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3,4,9,10−ペリレン−テトラカルボン酸などが、使用される。
【0045】
2、あるいはそれ以上の−SH基を含むアルカンチオールを含むいずれかの好適な脂肪族チオール、例えば1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3,6のヘキサントリチオールなど;アルケンチオール、例えば2−ブテン−1,4−ジチオールなど;アルキンチオール、例えば3−ヘキシン−1,6−ジチオールなどが使用されるかもしれない。
【0046】
芳香族ポリアミン、例えばp−アミノアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、2,4−ジアミノトルエン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,2,3−ベンゼントリアミン、1,4,5,8−ナフタレンテトラミンなど;脂肪族ポリアミン、例えばエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3,6−ヘキサントリアミン、1,3,5,7−ヘプタンテトラミンなど;複素環式ポリアミン、例えば2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノ5−アミノメチルピリミジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジアゾールなどを含むいずれかの好適なポリアミンが使用されうる。
【0047】
必ずしも先に述べた化合物のクラス中のどれにも合致せず、そしてそれにもかかわらず本発明のポリウレタンプラスティックの製造に非常に好適な活性水素含有基を含む他のアルコール化合物は、ペンタエリトール、ヒマシ油、ソルビトール、トリエタノールアミン、マンニトール、N、N、N’N’−テトラキス(2−ヒドロキシ−プロピル)エチレンジアミン、並びにハロゲン、例えばクロロ、ヨード、ブロモなど;ニトロ;アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトポキシなど;カルボアルコキシ、例えばカルボメトキシ、カルボエトキシなど;ジアルキルアミノ、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ;メルカプト、カルボニル、チオカルボニル、ホスホリル、ホスフェートなどで置換された先に述べたいずれかのクラスの化合物である。
【0048】
触媒が架橋された熱可塑性ポリウレタンの製造をもたらす反応混合物中で使用されうる。好適な触媒は、例えば3級アミン、例えばトリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチルピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチルプロピルアミン、N−ジメチル−N’−メチルイソプロピルプロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルベンジルアミンなどである。他の好適な触媒は、例えば錫化合物、例えば塩化第一錫、カルボン酸の塩、例えばジブチル錫ジ−2−エチルヘキソエート、オクタン酸第1錫、錫アルコール化合物、例えばジブチル錫ジブトキシド、並びに他の有機金属化合物である。目的のために所望されるとき、慣例の反応調節物質、例えばトリオール、尿素、置換させられた尿素、アミンなどが、通常の様式で使用されることもできる。
【0049】
熱可塑性ポリウレタンの製造のために好適な化合物がUS 3,356,650及びUS 4,769,435に開示されている。これらを本明細書中に援用する。
【0050】
好ましくは、本発明に従い好適なさらなる重合体材料は、押出成形、溶解、あるいは分散液の形態により加工することが可能なものである。最も好ましいものは、食品グレードか薬剤グレードの品質で入手可能なものである。そのような重合体の例は、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、シリコンゴム、ラテックス、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、テフロン、ポリ酢酸、あるいはポリグリコール酸及びそれらのコポリマー;コポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、及びスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)である。
【0051】
非生分解性である前述の生体適合性ポリマーは別として、本発明は、マトリックスの残留より実質的に実質的に緩慢な速度で侵食される形態の生体適合性ポリマーに関する。よって、前記生体適合性ポリマーは、1以上の実質的に水溶性の結晶性ポリマーと界面活性剤のマトリックスを含むように、形成され、ここで上述の生体適合性ポリマーは、薬剤を含むマトリクス材のそれより実質的に緩慢な速度で水相中で侵食される。侵食におけるこの相違は、最初に薬剤を含んでいるマトリックスを含む放出制御のための組成物の領域の実質的な一定の侵食、そしてようやくその後に生体適合性ポリマーの実質的な侵食をもたらす。
【0052】
体腔:体の開放及び/又は開口部。例えば、体腔は、体の直腸、膣、尿道、耳、あるいは鼻の開口部である。
【0053】
体温:坐剤が挿入される腔の正常体温。典型的な値は、約35℃〜約42に及ぶ。
【0054】
中心核:坐剤は少なくとも1つの物理的又は化学的な指標が周囲部分のそれと異なる中心部分を含む。この物理的な指標は、例えば修復材料、ブリネル硬度数、摩擦係数、加熱膨張係数、表面伸張、密度、柔軟性弾性率、粘性弾性率、衝撃強度、ヌープ硬度数、融解温度、ガラス−ゴム遷移温度、モース硬度、貫入係数、剪断強度、ショアーA硬度、ショアーD硬度、圧縮による歪み、引裂き強さ、横強度、極限圧縮強さ、極限引伸強さ、ビッカース硬度、耐力の間に強く結びつきうる。前記部分は、互いに化学的に異なることもありうる。この化学的な相違は、少なくとも1の物理的な指標の相違に反映されうる。
【0055】
1の態様において、坐剤は空洞である。好ましくは、この坐剤中の空洞は、坐剤の一端から軸方向に広がる。この空洞は、挿入手段を受け入れるために適合させられる。この挿入手段は、体腔内の位置に坐剤を押すため、そして挿入の間に坐剤に十分な強度を提供するために適用される棒であるかもしれない。
【0056】
同様に、前記坐剤は、坐剤表面の少なくとも一部のコーティングを含み、このコーティングは、少なくとも1つの化学的又は物理的な指標において中心核及び/又は周囲部分と異なる。
【0057】
コーティング:コーティングは、本発明による坐剤表面の少なくとも一部に提供される層である。コーティングは、少なくとも1の物理的又は化学的な指標に関して坐剤の他の部分と異なる。
【0058】
接触:接触は、組成物か又は坐剤によって接触されたいかなる薬剤の放出をも仲介することができる。
【0059】
制御可能な放出:例えば、1の所定の期間に渡る、少なくとも1の規定の速度での生理活性物質、例えば薬剤の放出。前記薬剤は、適宜、長期間の間放出されうる。前記放出速度は、投与期間全般に渡り大体一定であるか、あるいはその速度は、長い間にわたって所望の投与計画に従い変化するかもしれない。前記放出期間は、さらに制御されることができ、そして、例えばマイクロカプセルか、又は体腔内に長期間に渡り薬剤を放出するいずれか他の放出制御製剤内に薬剤を封入することにより延長される。しかし、一部の、あるいは実質的に全ての生理活性物質が比較的に短い時間に放出されもする。
【0060】
生理活性物質は、放出制御製剤から近接した組織又は流体中へ、拡散と重合体分解の機構によって放出されることもできる。これらの機構の操作は、制御された速度での周囲への生理活性物質の放出に影響を与えることができもする。例えば、重合体マトリックスは、有効な及び/又は十分な量の生理活性材料がマトリックスから放出された後に分解されるように処方されうる。例えば、ペプチド又はタンパク質のような水中で低い溶解度を持つ材料の放出は、その材料を直接的に周囲の組織液にさらすために、通常かなりの部分に重合体マトリックスの分解を必要とする。このように、マトリックスからの生物活性物質の放出は、例えば生理活性材料の水中への溶解度、マトリックス中の生理活性材料の分布、又は少なくとも1のポリエチレングリコールを含む重合体マトリックスを含む放出制御製剤のサイズ、形状、多孔性、可溶性、及び生体分解性によって変化しうる。
【0061】
マトリックスからの生理活性物質の放出は、例えば重合体分子量を変えることにより、異なった鎖の長さのポリエチレングリコールを、そしてその結果異なった融解温度を放出制御製剤に導入することにより、あるいは放出の所望の継続時間及び速度を提供するための速度修飾剤の添加によりその本来備えている速度に関連して制御される。
【0062】
添加剤は、特定の治療計画のために生理活性物質の所望の放出速度をさらに制御するために有利に使われることができる。例えば、得られた重合体組成物又は放出制御製剤が水に対して非透過性でありすぎれば、気孔形成剤が、さらなる気孔を発生させるために添加されうる。いずれかの生物学的適合性の水溶性の材料が気孔形成剤として使用されうる。重合体組成物内の気孔形成剤の量(そして適切な場合には、上述の気孔形成剤の分散粒子のサイズ)は、直接的に重合体系の気孔のサイズと数に影響する。
【0063】
気孔形成剤は、実質的に水中及び体液中に混和可能であるいずれかの医薬として許容される有機又は無機物を含む。好適な気孔形成剤は、例えば糖、例えばショ糖及びデキストロース、塩、例えば塩化ナトリウム及び炭酸ナトリウム、並びに重合体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、及びポリビニルピロリドンを含む。前記サイズ及び気孔の広さは、重合体系に組み入れられた気孔形成剤の分子量及び割合を変えることによって広い範囲に渡り変化しうる。
【0064】
さらに、本発明の重合体組成物は、他の生体適合性ポリマーと本発明の重合体ポリマーの混合を含むこともできる。前述の他の重合体と本発明の重合体の混合物は、目的とするドラッグ・デリバリーのための正確な放出の特徴の設計におけるより大きな柔軟性さえ提供するかもしれない。
【0065】
放出制御性製剤:少なくとも1の生理活性物質、例えば上記生理活性実質の制御可能な放出を可能にする薬剤を含む製剤。
【0066】
本質的に膨張しない:湿気又は水と接触したとき、その坐剤は機能に悪影響を与えるいかなる程度までも膨張しない。それはさらに坐剤のサイズが体腔に挿入した後も本質的に変わらないと暗示する。坐剤の形状は、全くの膨張なしに体腔への挿入の後に変化しうる。膨張によるサイズの変化は、体腔の敏感な粘膜に不利であり、そして坐剤が変化するとき膨張は、問題を引き起こしうる。
【0067】
本質的に生物分解性でない:この重合体は、本発明によって規定された使用の制限時間内に体組織、例えば粘膜との接触したとき、崩壊してはならない。また、湿気又は体組織と接触するとき、前記重合体は、本質的には溶解してはならない。この文脈において、重合体は、その幾何学的性質及び強度に悪影響を及ぼす強度の損失又は重量の損失のようないずれか程度までの崩壊をしてはならない重合体を本質的には意味する。
【0068】
第1重合体:本発明による第1重合体は、放出制御製剤の一部を構成し、かつ、本発明のいずれかの与えられた態様において、この態様の第2の重合体より低い融解温度を持つ重合体である。
【0069】
ガラス転移温度:例えば、US 4,594,380に記載のとおり、i)低温のにおける材料の「ガラス」状態において得られる比較的高い値からii)より高い温度間での転移領域の材料の「ゴム」状態におけるより低い値に変化する上記材料の弾性率から、例えば応力/歪み計測法によって決定された与えられた材料の温度である。架橋重合体の架橋の程度のように、ガラス−ゴム転移温度は、例えば当該重合体の化学的性質、例えば架橋された重合体の架橋の程度に依存する。
【0070】
重合体がポリウレタンである場合、ジイソシアネートと組合せた開始化合物、例えば特定のジオール及び/又はトリオールは、例えばこれらの開始化合物から製造されうるポリウレタンの架橋特性を測定することによりガラス−ゴム転移温度を決定する。前記架橋は、重合過程で使われるジオールとトリオールの割合に依存する。一般的に、トリオールの割合がより大きいほどガラス−ゴム転移温度は高い。ポリウレタン前駆物質が、例えば、ジイソシアネートとオキシアルキル化トリオールを含む場合、前駆物質から製造されうる架橋されたポリウレタンのガラス−ゴム転移温度は、オキシアルキル化トリオールの分子量に依存する。一般的に、トリオールの分子量が低いほど、ガラス−ゴム転移温度は高い。当業者は、容易にポリウレタン前駆物質の好適な組み合わせを選ぶことができる。
【0071】
局所的な環境:好ましくは、局所的な環境は、坐剤が配置され、そしていずれかの近接している組織に薬剤が投与される、体腔に制限された環境である。
【0072】
薬剤:本明細書中に使用される用語「薬物」「薬剤」、又は「生理活性物質」(すなわち、生物学的に活性な物質)は、ヒト又は動物の体内で局所的又は全身的に作用する生物学的に、生理学的に、あるいは薬理学に活性な物質を含む。前記「薬物」、「薬剤」、又は「生理活性物質」は、個体、例えばヒト又はいずれかの他の動物の治療に関係する予防的、治療的のいずれかの使用のためのいずれかの坐剤で存在しうる。選択肢として、本発明は、診断用の剤及び/又は化粧用の剤の放出に関しもする。
【0073】
重合体マトリックスを含むか、少なくとも1つのポリエチレングリコールを含むマトリックスを含むか、少なくとも1の第1重合体を含むマトリックス、好ましくは、ポリエチレングリコール、及び少なくとも1の第2重合体、好ましくは、ポリエチレングリコール、ここで上記少なくとも1の第1重合体は、近接している組織か又は流体中で上記少なくとも1の第2重合体の融点よりも低い、を含む放出制御製剤から放出されることが可能な様々な形態の薬剤又は生理活性物質が使用されうる。
【0074】
薬剤は、少なくとも非常にわずかに水溶性で、好ましくは程よく水溶性で、かつ、重合体組成物を通して拡散する。それらは、酸性、塩基性、又は塩である。それらは、中性分子、極性分子、又は水素結合ができる分子錯体であるかもしれない。それらが、ヒト又は動物の体に与えられたとき、生物学的に活性化されるエーテル、エステル、アミドなどの形態でありうる。
【0075】
用語「生理活性物質」は、制限されることなく、薬剤;ビタミン;無機補足物;治療、予防、診断、療養、又は病気若しくは疾患の緩和のために使用される物質;あるいは生体の仕組み又は機能に影響する物質;あるいはそれらが所定の生理学的な環境に置かれた後に生物学的に活性又はより活性になるプロドラッグを含む。
【0076】
本発明の生理活性物質は、坐剤のための目的で広く変化しうる。活性物質は、単一の実体か、又は実体の組み合わせとして記載される。前記放出制御製剤は、高い水溶性を持ち、かつ、制御された放出速度を持つデリバリー系を生じるまで低い水溶性を持つ生理活性物質を使用するために設計される。
【0077】
有用な生理活性物質の制限されることのない例は、以下の広範な治療分野を含んでいる:同化作用の薬剤、制酸薬、抗喘息の薬剤、抗高コレステロール血症、及び抗脂質薬剤、抗凝固薬、抗けいれん剤、止瀉剤、抗嘔吐薬、抗感染症剤、抗炎症薬、躁病治療の薬剤、制嘔吐剤、抗新生物性の薬剤、抗肥満症薬剤、解熱剤、及び鎮痛剤、鎮痙性薬剤、抗血栓薬剤、anti−uricemic agents、抗狭心症剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、食欲抑制剤、生物学的製剤、脳の拡張剤、冠状動脈拡張剤、充血緩和剤、利尿剤、診断上の薬剤、赤血球形成材剤、去痰剤、胃腸の鎮静剤、緩下剤、無機質補足剤、粘液溶解剤、神経筋剤、末梢血管拡張剤、向精神剤、鎮静剤、刺激剤、甲状腺、及び反甲状腺の薬剤、子宮の弛緩薬、ビタミン、抗原性物質、鎮痛剤、及びプロドラッグ。
【0078】
前述の分野カテゴリーからの有用な生理活性物質の具体例は:(a)アンドロゲン阻害薬、代謝拮抗物質、細胞毒素の薬剤、免疫調節薬のような抗新生物薬;(b)デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、及び塩酸クロフェジアノールのような鎮咳薬;(c)マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ジリラミン(zyrilamine maleate)、コハク酸ドキシラミン、及びクエン酸フェニルトクロキサミン(phenyltcloxamine citrate)のような抗ヒスタミン薬;(d)塩酸フェニレフリン、塩酸チェニルプロパノールアミン(chenylpropanolamine hydrochloride)、塩酸プソイドエフェドリン、及びエフェドリンのような充血緩和剤;(e)リン酸コデイン、硫酸コデイン、及びモルヒネのような様々なアルカロイド;(f)塩化カリウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、並びに他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩のような無機質補足物;(g)コレスチラミンのようなイオン交換樹脂;(h)N−アセチルプロカインアミドのような抗不整脈剤;(i)アセトアミノフェン、アスピリン、及びイブプロフェンのような解熱及び鎮痛薬;(j)塩酸フェニルプロパノールアミン又はカフェインのような食欲抑制剤;(k)グアイフェネシンのような去痰薬;(l)水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムのような制酸薬;(m)ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、及びアミノ酸、ホルモン、インターフェロン、又はサイトカインのような生物学的製剤、並びにhGH、tPA、カルシトニン、ANF、EPO、及びインシュリンのような他の生理活性ペプチド性化合物;(n)抗真菌剤、抗ウイルス剤、防腐剤、及び抗生物質のような抗感染症剤;そして(o)抗原性材料、特にワクチン用途に役立つものを含む。
【0079】
鎮痛剤は、痛みを緩和するために使用される薬剤である。一般的に、鎮痛剤は、3つのグループ、i)オピオイド鎮痛剤、ii)弱い非オピオイド鎮痛剤、そしてiii)精神薬理学的薬剤、リドカインアナログ、痛みを緩和するために使用された抗癲癇薬、の1つに属する。本発明の好ましい態様において、鎮痛剤はリドカインである。
【0080】
さらに説明すると、対象の重合体中に配合されることができる代謝拮抗物質は、限定されることなく、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(ara−C)、5−アザシチジン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、及びリン酸フルダラビンを含む。抗腫瘍性抗生物質は、限定されることなく、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、プリカマイシン(plicamycin)、イダルビシン、及びミトキサントロン(mitoxantrone)を含む。ビンカアルカロイドとエピポドフィロトキシンは、限定されることなく、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン(vindesine)、エトポシド、及びテニポシド(teniposide)を含む。
【0081】
カルムスチン(carmustine)、ロムスチン(lomustine)、セムスチン(semustine)、及びストレプトゾシンを含むニトロソ尿素が対象マトリックス中に提供されることもできる。
【0082】
コルチコステロイド(酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、及びデキサメタゾン)、エストロゲン(ジエチルスチベステロール(diethylstibesterol)、エストラジオール、エステル化されたエストロゲン、抱合エストロゲン、クロロチアセネン(chlorotiasnene))、プロゲスチン(酢酸メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシ・カプロン酸プロゲステロン、酢酸メゲストロール)、抗エストロゲン薬(タモキシフェン)、アロマスターゼ(aromastase)阻害薬(アミノグルテチミド)、アンドロゲン(プロピオン酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、テストラクトン)、抗アンドロゲン(フルタミド)、LHRHアナログ(酢酸ロイプロリド)、前立腺癌に対する内分泌(ケトコナゾール)のようなホルモン療法を重合体マトリックス中に含むこともできる。
【0083】
本発明の放出制御製剤中に配置されうる他の化合物は、例えば治験薬として分類されるものを含み、そして、限定されることなく以下のものを含む:Nimustine AZQ、BZQ、シクロジソン(cyclodisone)、DADAG、CB10−227、CY233、マレイン酸DABIS、EDMN、Fotemustine、Hepsulfam、Hexamethylmelamine、Mafosamide、MDMS、PCNU、Spiromustine、TA−077、TCNU、及びTemozolomideのようなアルキル化薬;アシビシン(acivicin)、アザシチジン、5−アザ−デオキシシチジン、A−TDA、ベンジリデングルコース、Carbetimer、CB3717、Deazaguanine mesylate、DODOX、Doxifluridine、DUP−785、10−EDAM、Fazarabine、Fludarabine、MZPES、MMPR、PALA、PLAC、TCAR、TMQ、TNC−P、及びPiritreximのような代謝拮抗物質;AMPAS、BWA770U、BWA773U、BWA502U、Amonafide、m−AMSA、CI−921、Datelliptium、Mitonafide、Piroxantrone、Aclarubicin、Cytorhodin、Epirubicin、エソルビシン(esorubicin)、Idarubicin、ロド−ドキソルビシン、Marcellomycin、Menaril、Morpholino anthracycline、Pirarubicin、及びSM−5887のように抗腫瘍の抗体;Amphethinile、Navelbine、及びTaxolのような微小管紡錘体阻害薬;BM41−440、ET−18−OCH3、及びHexacyclophosphocholineのようなアルキル−リゾリン脂質;ガリウム硝酸塩、CL286558、CL287110、Cycloplatam、DWA2114R、NK121、ルプロプラチン(lproplatin)、Oxaliplatin、Spiroplatin、Spirogermanium、及びチタン化合物のような金属化合物;そして、例えばAphidoicolin glycinate、Ambazone、BSO、Caracemide、DSG、Didemnin、B、DMFO、Elsamicin、Espertatrucin、フラボン酢酸、HMBA、HHT、ICRF−187、ロドデオキシウリジン、リポメアノール(lpomeanol)、Liblomycin、Lonidamine、LY186641、MAP、MTQ、Merabarone、SK&F104864、Suramin、Tallysomycin、Teniposide、THU及びWR2721のような新規化合物;そして、Toremifene、Trilosane、及びzindoxifene。
【0084】
放射エンハンサーである抗腫瘍薬が、対象の放出制御製剤中に配合されることもできる。そのような薬剤の例は、例えば化学療法薬、5’−フルオロウラシル、マイトマイシン、シスプラチン、及びその誘導体、タクソール、ブレオマイシン、ダウノマイシン、及びメタマイシンを含む。
【0085】
加えて、本発明は、感染症の治療のために使用されうる。そのような用途のために、水溶性か又は水に不溶性かのいずれかの抗生物質が、対象重合体に固定化/処方される。抗生物質は当業者に周知であり、そして、例えばペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、アンピシリン、オウレオチシン(aureothicin)、バシトラシン、クロラムフェニコール、サイクロセリン、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、グラマシジン(gramacidins)、カナマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、及びバンコマイシンを含む。
【0086】
対象重合体は、ペプチド、タンパク質、又は他の生体高分子、例えばインターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び他のタンパク質生体応答調整物質と配合されることもできる。
【0087】
1の態様において、前記生理活性物質は、多糖類、増殖因子、ホルモン、抗血管形成誘導因子、インターフェロン、又はサイトカイン、及びプロドラッグから成る群から選ばれる。特に好ましい態様において、前記生理活性物質は、治療薬又はプロドラッグ、最も好ましくは、化学療法薬と他の抗新生物薬 抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗炎症薬、抗凝固薬、抗原性材料から成る群から選ばれる薬剤である。
【0088】
前記生理活性物質は、治療として有効な量で使用される。生理活性物質の有効量が使用された特定の物質に依存する一方で、約1%〜約65%の量の生理活性物質が、本デリバリー・システムに組み入れられることができ、その上放出制御を達成する。生理活性物質の治療の効果的なレベルを達成する少ない方の量が使われうる。
【0089】
医薬として許容される担体は、広い範囲の材料から調製される。限定されることなく、そのような材料は、希釈剤、結合剤、及び接着剤、潤滑剤、崩壊剤、着色材、充填剤、調味料、甘味料、並びに雑多の材料、例えば特定の薬用坐剤を調整するために緩衝物質及び吸収剤を含む。
【0090】
本発明による薬剤のさらなる例は、抗菌剤、鎮痛薬、抗炎症薬、反対刺激剤、凝固変性剤、利尿薬、交感神経興奮剤、拒食症患者、制酸薬、及び他の胃腸薬、駆虫薬、抗うつ剤、降圧剤、抗コリン作用薬、刺激薬、抗ホルモン剤、中枢、及び呼吸の刺激薬、薬剤拮抗薬、脂質調整薬、尿酸排泄剤、強心性配糖体、電解質、麦角及びその誘導体、去痰薬、催眠薬、及び鎮静剤、糖尿病薬、、ドーパミン作用性薬剤、抗嘔吐薬、筋弛緩薬、パラ交感神経興奮剤、抗けいれん剤、抗ヒスタミン薬、ベータ遮断薬、下剤、抗不整脈剤、造影剤、放射性医薬品、抗アレルギー薬、トランキライザ、血管拡張薬、抗ウイルス剤、及び抗腫瘍薬、又は細胞増殖抑制性の薬剤、あるいは制癌性特性をもつ他の薬剤、あるいはそれらの組み合わせ物である。他の好適な薬剤は、避妊薬及びビタミン、並びに微量−及び主要栄養素から選ばれる。
【0091】
本発明に従って投与されうるさらなる治療用薬剤は、限定されることなく、:抗生物質及び抗ウイルス剤のような抗感染症薬;鎮痛薬及び鎮痛剤の組み合わせ物;食欲抑制剤;駆虫剤;抗関節炎薬;抗喘息剤薬剤;抗けいれん剤;抗うつ剤;抗利尿性の薬剤;下痢止め薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症薬;片頭痛治療用製剤;制嘔吐剤;抗新生物剤;抗パーキンソン薬;かゆみ止め;抗精神病薬;解熱剤、鎮痙薬;抗コリン作用薬;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;カルシウムチャンネル遮断薬、及びピンドロールと抗不整脈剤のようなβ遮断薬を含む心血管の製剤;降圧剤;利尿薬;全身的な冠血管、末梢、及び脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;充血緩和剤を含む感冒薬;エストラジオールとコルチコステロイドを含む他のステロイドのようなホルモン;催眠薬;免疫抑制剤;筋弛緩薬;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静剤;そしてトランキライザ;そして天然由来又は遺伝子操作によるタンパク質、多糖類、糖タンパク質、あるいはリポタンパク質を含む。
【0092】
本発明による対象重合体中に配合されうる生理活性物質のさらなる具体例は、アセブトロール、アセトアミノフェン、アセトヒドロキサミド酸、アセトフェナジン、アシクロビル、アドレノコルチコイド、アロプリノール、アルプラゾラム、水酸化アルミニウム、アマンタジン、アンベノニウム、アミロリド、アミノベンゾエートカリウム、アモバルビタール、アモキシシリン、アンフェタミン、アンピシリン、アンドロゲン、麻酔薬、抗凝固薬、抗痙攣剤−ジオール型、抗甲状腺性の薬剤、食欲抑制剤、アスピリン、アンテノール、アトロピン、アザタジン、バカンピシリン、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベラドンナ、ベンドロフルメサイアザイド、ベンゾイルペルオキシド、ベンズチアジド、ベンズトロピン、ベタメタゾン、ベタネコール、ビサコジル、ブロモクリプチン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、ブクリジン、ブメタニド、ブスルファン、ブタバルビタール、ブタペラジン、カフェイン、炭酸カルシウム、カプトプリル、カルバマゼピン、カルベニシリン、カルビドパ&レボドパ、カルビノキサミン阻害薬、炭素脱水素酵素、カリソプロドル、カルフェナジン(carphenazine)、カスカラ、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファラジン、クロフェジアノール、抱水クロラール、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロルジアゼポキシド、クロロキン、クロロチアジド、クロロトリアニセン、クロルフェニラミン、<a>6Xクロルプロマジン、クロルプロパミド、クロルプロチキセン、クロルサリドン、クロルゾキサゾン、コレスチラミン、シメチジン、シノキサシン、クレマスチン、クリジニウム、クリンダマイシン、クロフィブラート、クロミフェル(clomiphere)、クロニジン、クロラゼプ酸、クロキサシリン、コロチシン(colochicine)、コロエスティプオール(coloestipol)、抱合エストロゲン、避妊薬、コーチゾン、クロモリン、シクラシリン、シクランデレート、シクリジン、シクロベンザプリン、シクロホスファミド、シクロチアジヂド、シクリミン、シプロヘプタジン、ダナゾール、ダントロン、ダントロレン、ダプソーン、デキストロアンフェタミン、デキサメタゾン、デキシクロロフェニラミン、デキストロメトロファン、ジアゼパン、ジクロキサシリン、ジシクロミン、ジエチルスチルベストロール、ジフルーニサル、ジギタリス、ジルチアゼン(diltiazen)、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニドール、ジフェノキシレート&アトロフィブ(atrophive)、ジフェニルオピラリン、ジピラダモール(dipyradamole)、ジソピラミド、ジスルフィラム、ジバルポレックス(divalporex)、ドキュセート・カルシウム、ドキュセート・カリウム、ドキュセート・ナトリウム、ドキシラミン、ドロナビロール、エフェドリン、エピネフリン、エルゴロイドメシレート(ergoloidmesylates)、エルゴノビン、エルゴタミン、エリスロマイシン、エステル化されているエストロゲン、エストラジオール、エストロゲン、エストロン、エストロピピュート(estropipute)、エタリン酸(etharynic acid)、ルエトクロルビノール、エチニール・エストラジオール、エトプロパジン、エトサキシミド、エトトイン、フェノプロフェン、フマル酸第1鉄、グルコン酸第1鉄、硫酸第1鉄、フラボキシエート、フレカイニジン、フルフェナジン、フルプレドニソロン、フルラゼパム、葉酸、フロセミド、ゼムフィブロジル(gemfibrozil)、グロピジド(glipizide)、グリブリド(glyburide)、グリコピロレート、金化合物、グリセオフィウイン(griseofiwin)、グアイフェネシン(guaifenesin)、グアナベンズ(guanabenz)、グアナドレル(guanadrel)、グアネチジン、ハラゼパム、ハロペリドール、ヘタシリン、ヘキソバルビタール、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、ヒドロフルネチアジド、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシ人、ヒヨスチアミン、イブプロフェン、インダパミド、インドメタシン、インシュリン、イオフォキノール(iofoquinol)、鉄−多糖類、イソエタリン、イソニアジド、イソプロパミド、イソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクスプリン、カオリン&ペクチン、ケトコナゾール、ラクツロース、レボドパ、リンコマイシン・リオチロニン、リオトリックス、リチウム、ロペラミド、ロラゼパム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マプロチリン、メクリジン、メクロフェナム酸、メドロキシプロゲステロン、メレナミン酸(melenamic acid)、メルファラン、メフェニトイン、メフォバルビタール(mephobarbital)、メプロバメート、メルカプトプリン、メソリダジン、メタプロテレノール、メタキサロン、メタンフェタミン、メタクアロン、メタルビタール、メテナミン、メチシリン、メトカルバモル、メトトレキサート、メトスクシミド、メチクロチアジド、メチルセルロース、メチルドパ、メチルエルゴノビン、メチルフェニデート、メチルプレドニゾロン、メチセルジド、メトクロプラミド、メトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、ミノキシディル、ミトテート(mitotane)、モナミン(monamine)酸化酵素阻害薬、ナドロール、ナフシリン、ナリジクス酸、ナプロキセン、麻薬性鎮痛薬、ネオマイシン、ネオスチグミン、ニコチン酸、ニコチン、ニフェジピン、硝酸塩、ニトロフラントイン、ノミフェンシン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲストレル、ナイリドリン、ナイスタチン、オルフェナドリン、オキサシリン、オキサゼパム、オクスプレノロール、オキシメタゾリン、オキシフェンブタゾン、パンクレリパーゼ、パントテン酸、パパベリン、パラ−アミノサリチル酸、パラメタゾン、鎮痛剤、ペモリン、ペニシラミン、ペニシリン、ペニシリン−v、ペントバルビタール、ペルフェナジン、フェナセチン、フェナゾピリジン、フェニラミン、フェノバルビタール、フェノールフタレイン、フェンプロコウモン(phenprocoumon)、フェンスクシミド、フェニルブタゾン、フェニレフリン、フェニルプロパノラミン、フェニルトロキサミン(phenyltoloxamine)、フェニトイン、ピロカルピン、ピンドロル、ピペラセタジン、ピロキシカム、ポロキサマー(poloxamer)、ポリカルボフィル・カルシウム、ポリチアジド、カリウム補足剤、プルゼパム(pruzepam)、プラゾシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プリミドン、プロベネシド、プロブコール、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロルペラジン、プロシクリジン、プロマジン、プロメタジン、プロパンテリン、プロプラノロール、偽エフェドリン、ソラレン、シリウム(syllium)、ピリドスチグミン、ピロドキシン、ピリラミン、ピルビニウム、キネストロール、キネタゾン(quinethazone)、キニジン、キニーネ、ラニチジン、ラウオルフィア・アルカロイド、リボフラビン、リファピン、リトドリン、アリシレート(alicylates)、スコポラミン、セコバルビタール、センナ、サンノシド(sannosides)a&b、シメチコン、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、スピロノラクトン、スクラルファート、スルファシチン(sulfacytine)、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフィンピラゾン、スルフィソキサゾール、スリンダク、タルブタール、タマゼパン、テルブタリン、テルフェナジン(terfenadine)、テレフィンハイドレート(terphinhydrate)、テラサイクリン(teracyclines)、チアベンダゾール、チアミン、チオリダジン、チオチキセン、チロブロブリン(thyroblobulin)、甲状腺製剤、チロキシン、チカルシリン、チモロール、トカイニド、トラザミド、トルブタミド、トロゾドン(trozodone)、トルメチン、トレトイノイン(tretinoin)、トリアムシノロン、トリアンテレン、トリアゾラム、トリクロルメチアジド、三環式抗うつ薬、トリドヘキシエチル(tridhexethyl)、トリフルオペラジン、、トリヘキシフェニジル、トリメプラジン、トリメトベンズアミド、トリメトプレム、トリプクレンアミン(tripclennamine)、トリプロリジン、バルプロ酸、ベラパミル、ビタミンA、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、キサンチン、などでありうる。
【0093】
前記放出制御製剤は、ポリペプチド、例えば成長ホルモンのようなホルモン、リパーゼ、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、アミラーゼ、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、リゾチーム、ナノ粒子などのような酵素、並びに抗体のデリバリーに好適でもある。前記放出制御製剤は、生きているか、弱毒化されたか、又は死んでいるかのいずれかの微生物、例えば細菌、例えば胃腸細菌、例えば連鎖球菌、例えばS.ファエシム(S.faecium)、バチルス種(Bacillus spp)、例えばB.サブチリス(B.subtilis)とB.リケニフォルミス(B.licheniformis)、ラクトバクテリア(lactobacteria)、アスペルギルス種(Aspereillus spp)、ビフィドジェニック因子、又はウイルス、例えば固有ウイルス、腸内ウイルス、例えばワクチンのようなバクテリオファージ、そして例えばパン酵母のような真菌類、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、及び不完全菌類のデリバリーのために利用することもできる。
【0094】
放出制御製剤は、リポソーム、シクロデキストリン、ナノ粒子、ミセル、及び脂肪のような専門化した担体による活性な薬剤のデリバリーに使用されうる。
【0095】
直腸投与のための好ましい薬剤は、ホルモン、抗生物質、麻酔剤、鎮痛薬、抗真菌性の化合物、殺菌剤、静菌薬、抗原生動物性の化合物、及び抗ウイルス性の化合物を含む。
【0096】
本発明による坐剤内の放出制御製剤から、そして体腔の中に放出されうる薬剤の例は、限定されることなく、抗ヒスタミン薬(例えば、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン(50〜100 mg)、クロルフェニラミン及びマレイン酸デキスクロルフェニラミン)、鎮痛薬(例えば、アスピリン、コデイン、モルヒネ(15〜−300 mg)、ジヒドロモルホン(dihydromorphone)、オキシコドンなど)、抗炎症剤(例えば、ナプロキセン、ジクロフェナック、インドメタシン、イブプロフェン、アセトアミノフェン、アスピリン、スリンダク)、胃腸及び抗嘔吐薬(例えば、メトクロプラミド(25〜100 mg))、抗癲癇薬(例えば、フェニトイン、メプロバメート、及びニトラゼパム)、血管拡張薬(例えば、ニフェジピン、パパベリン、ジルチアゼム、及びニカルジピン)、鎮咳剤及び去痰薬(例えば、リン酸コデイン)、抗喘息剤(例えば、テオフィリン)、鎮痙薬(例えば、アトロピン、スコポラミン)、ホルモン(例えば、インシュリン、ヘパリン)、利尿薬(例えば、エタクリン酸、ベンドロフルメサイアザイド)、抗低血圧薬(例えば、プロプラノロール、クロニジン)、気管支拡張薬(例えば、アルブテロール)、抗炎症性ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、プレドニゾン)、抗生物質(例えば、テトラサイクリン)、抗痔核薬、催眠薬、向精神薬、下痢止め薬、粘液溶解薬、鎮静剤、充血緩和剤、緩下薬、制酸薬、ビタミン、(フェニルプロパノラミンのような食欲抑制剤を含む)刺激薬を含む。上述の一覧に限定されない。
【0097】
他の種類の薬剤は、フルラゼパム、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ペルラピン、エスタゾラム、ハロキサゾラム、バルプロエート・ナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、プリミドン、アルクロフェナック、クエン酸ペリソキサール、クリダナック(clidanac)、インドメタシン、スルピリン、フルフェナム酸、ケトプロフェン、スリンダク、メチアジン酸、トルメチン・ナトリウム、フェンチアザク、ナプロキセン、フェンブフェン、プロチジン酸、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナック・ナトリウム、メフェナム酸、イブプロフェン、アスピリン、硫酸デキストラン、カリンダシリン・ナトリウムなどを含む。
【0098】
前記薬剤は、以下の、インシュリン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、その塩又はその誘導体、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、濾胞刺激ホルモン、バソプレシン、バソプレシン誘導体、オキシトシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンクレオチミン、コレシストキニン、アンギオテンシン、ヒト胎盤性乳汁分泌促進因子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エンケファリン、エンケファリン誘導体、エンドルフィン、インターフェロン(アルファ、ベータ、及びガンマ形態の1以上で)、ウロキナーゼ、カリクレイン、サイモポエチン、サイモシン、モチリン、ダイノルフィン、ボンベシン、ニューロテンシン、セルレイン、ブラディキニン、サブスタンスP、キョートロピン(kyotorophin)、神経成長因子、ポリミキシンB、コリスチン、グラミシジン、バシトラシン、ブレオマイシン、及びネオカルチノスタチンから成る群から選ばれる生理学的に活性なポリペプチドの形態で存在するかもしれない。
【0099】
さらに、前記薬剤は、多糖類、例えばヘパリン、抗悪性腫瘍剤、例えばレンチナン、ザイモサン、及びPS−K(クレスチン)、アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、ジベカシン、パロモマイシン、カネンドマイシン、リピドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、及びシソマイシン、βラクタム抗生物質、例えばペニシリン、例えばスルベニシリン、メシリナム、カルベニシリン、ピペラシリン、及びチカルシリン、チエナマイシン、セファロスポリン、例えばセフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、及びモキサラクタム、あるいは、核酸製剤、例えばシチコリン、及び類似の抗悪性腫瘍剤、例えばシタラビン及び5−FU(5−フルオロウラシル)である。
【0100】
本発明のある単量体サブユニットが、特定の幾何学又は立体異性の形で存在するかもしれない。本発明は、シス−及びトランス異性体、R−及びS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、並びに本発明の範囲内にある、それらの他の混合物を含む全ての前述の化合物を意図する。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基のような置換基に存在するかもしれない。全てのこのような異性体、並びにそれらの混合物が、本願発明に含まれることが意図される。
【0101】
この用途の目的のために、はっきりと反対と言及されない限り、指定されたアミノ酸は、D又はL立体異性体の両方、好ましくはL立体異性体を含むと解釈されるものとする。
【0102】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望まれる場合、それは、非対称合成か、又は純粋な所望のエナンチオマーを提供するために得られたジアステレオマー混合物を分離し、そして補助基を開裂する、キラル補助基を用いた誘導により調整されるかもしれない。あるいは、分子が塩基性の官能基、例えばアミノ、又は酸性の官能基、例えばカルボキシルを含む場合、ジアステレオマー塩は、適当な光学活性な酸又は塩基により形成され、続いてこのジアステレオマーの分解により、本技術分野で周知の分別結晶化又はクロマトグラフィー手段、そして続く純粋なエナンチオマーの回収により結果的に形成される。
【0103】
膣投与に好適な薬剤は、避妊薬、ホルモン、抗生物質、麻酔剤、鎮痛薬、子宮収縮予防薬、抗真菌剤、殺菌剤、静菌薬、抗原生動物性の化合物、抗ウイルス性の化合物、及び、子宮収縮のための組成物である。この点で他の好適な薬剤は、皮膚用薬剤、例えば抗カビ剤、痒み止め組成物、及び皮膚を保護する組成物である。本発明による放出制御製剤が非常に好適である他の使用は、膣への抗菌剤のデリバリーである。このような薬剤の例は、抗真菌剤、例えばクロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、及びミコナゾールのようなイミダゾール系抗真菌剤、ナイスタチンのようなポリエン系抗真菌性の抗生物質、そしてメトロニダゾール及びオリニダゾール(ornidazole)のような抗原虫薬である。
【0104】
耳の中への投与(耳投与(otogenic administration))のための薬剤は、例えば抗生物質、コルチコステロイド、局所的な麻酔剤、及び鎮痛薬である。
【0105】
経鼻投与のための薬剤は、例えば止血剤、抗アレルギー誘発性化合物、抗ヒスタミン薬、抗コリン作動薬、アドレナリン作用(腫脹減退)化合物、及び局所麻薬である。
【0106】
前記薬剤は、原則として局所的な効果か、又は全身的な効果のいずれかを持ちうる。好ましい態様において、坐剤は、局所的な影響を与え、本質的に全身的な影響を与えない、少なくとも1の薬剤を含む。
【0107】
マイクロカプセル:本発明による薬剤を含む生理活性物質は、例えばマイクロカプセル内に封入されうる。マイクロカプセルは、いずれかの好適な材料から作製される。それは、親水性又は疎水性の材料である。同様に、マイクロカプセルはコーティングを提供されうる。このコーティングは、マイクロカプセルの凝集又は接着を防ぐか、あるいはマイクロカプセル内において薬剤及び/又は薬剤を含んでいる溶媒の蒸発を防ぐ性質がある。本発明は、特定のセルか組織に対して親和性を持つマイクロカプセルを提供するコーティングの使用をも予知する。このような親和性コーティングは、特定のアミノ酸配列又は特定のタンパク質に対して親和性を持つ抗体若しくは抗体の一部の形式である。それによって、ドラッグ・デリバリーは、薬剤が投与されるべきそれらの細胞(例えば、癌細胞、転移)を正確に狙うことができる。同様に、これは、診断への使用のためのマイクロカプセルの使用を可能にし、そしてこの場合、薬剤は狙った細胞を標識するために好適な化合物により置換されることができる。
【0108】
カプセル化のための薬剤は、限定されることなく、コロイド、ハイドロコロイド、例えばゼラチン、滲出物、例えばアラビア・ゴム、トラガント、カリヤ・ゴム(gum karya)、ガーチ・ゴム(gum ghatti);海草からの抽出物、例えば寒天、アルギン酸塩、カラゲーニン、及びフォーセララン(furcellaran);植物からの抽出物、例えばペクチン及びアラビニガラクタン;海洋及び陸生生物からの抽出物、例えばゼラチン及び他のタンパク質性ハイドロコロイド;種子からの粉末、例えばグアール、イナゴマメ、ダイズ;種子からのタンパク質、例えばダイズタンパク質;穀物からの粉末、例えばデンプン及び微細結晶性セルロース;生合成又は醗酵で誘導されたハイドロコロイド、例えばデキストラン、キサンタン、及びカードラン;化学的に修飾されたハイドロコロイド、例えばメチルセルロース及び修飾されたデンプンと低メトキシル・ペクチンを含む他の誘導体を含むセルロース誘導体;合成ハイドロコロイド、例えばポリビニルピロリドン、カルボキシビニル重合体などを含む。
【0109】
本発明の1の態様に従い、マイクロカプセルは、10μm(マイクロメートル)を超えない最大平均粒径を持ち、かつ、離散的微粒子の形式で水中に分散しうる疎水性/好気性の固体材料を含み、ここで、マイクロカプセルに封入された産物ちゅうの固体活物物質の量は、22〜71質量%である。
【0110】
本発明の他の態様に従い、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに封入された油又は脂肪産物を含み、ここで、少なくとも1の油又は脂肪は、2μm(マイクロメートル)以下の平均直径を持つ粒子又は滴としてマトリクス材中に分散し、前記油又は脂肪は、少なくとも10重量%の不飽和脂肪酸、好ましくはオメガ−3及びオメガ−6脂肪酸を含み、遊離脂肪酸のレベルは、5.0重量%未満、及び好ましくは約0.5重量%未満のレベルであり、そして上記マトリクス材は、カゼイン及び場合により少なくとも1の炭水化物からなる。前記油又は脂肪は、魚油、好ましくは少なくとも30重量%のオメガ−3脂肪酸を含んでいる魚油である。同様に、前記油又は脂肪は、植物油、好ましくはルリヂサ油であり、そして好ましくは少なくとも20重量%のオメガ−3及び/又はオメガ−6脂肪酸を含む。この油又は脂肪は、天然、発酵、及び/又は酵素的に再エステル化されたか、又は化学的に修飾された油又は脂肪であり、好ましくは10〜65重量%の量で;マトリクス材が、1〜100重量%のカゼイン塩と0〜70重量%の、グルコース・シロップ剤、マルトデキストリン、サッカロース、マルトース、又はラクトースから成る群から選ばれる少なくとも1つの炭水化物を含み;0〜10重量%の、ビタミン酸化防止剤、a−、ss−、r−、及び6−トコフェロール、アスコルビン酸、及びその誘導体、カロチノイド、並びにローズマリー抽出物から成る群から選ばれる少なくとも1の酸化防止剤、そして0〜35重量%の、コーンスターチ、及びカゼイン、カゼイン塩、及び乳漿タンパク質を含めたミルクタンパク質、プレボイルしたか又はゼラチン化したでんぷん、大豆タンパク質分離物、ラクトース、リン酸三カルシウム、及び炭酸カルシウムから成る群から選ばれる噴霧材を含む。
【0111】
水溶性の薬材の場合、マイクロカプセルは、薬剤、及び場合により薬剤を支持する又は薬剤を安定化させる化合物を含む内側の水相を持つ2相系として調製されうる。次に、この内側の水相は、水/油エマルジョンを作製するための重合体を含む油相により乳化されうる。
【0112】
マイクロカプセル化法の実施において、石相に含まれる重合体は、水にほとんど溶解しないか又は溶解しない、生体適合性の重合体である。このような生分解性の重合体の例は、脂肪族重合体(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸)、ポリ−アルファ−シアノアクリル酸エステル、ポリ−ベータ−ヒドロキシ酪酸、シュウ酸ポリアルキレン(例えば、シュウ酸ポリトリメチレン、シュウ酸ポリテトラメチレン)、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、及び他のポリカーボネート(例えば、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリエチレンプロピレン)、そしてポリアミノ酸(例えば、ポリ−ガンマ−ベンジルL−グルタミン酸、ポリ−L−アラニン、ポリ−ガンマ−メチル−L−グルタミン酸)である。他の生体適合性高分子化合物は、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(テトロン)、ポリアミン酸、シリコン重合体、デキストランステアレート、エチルセルロース、アセチル−セルロース、ニトロセルロース、ポリウレタン、無水マレイン酸ベースのコポリマー、エチレン−酢酸ビニル・コポリマー、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどである。これらの重合体は、同一分子性ポリマーか、又は2以上のモノマーのコポリマー、あるいは前記ポリマーの混合物である。それらは、塩の形でもあるかもしれない。
【0113】
乳化手順のために、既知の効果的な分散の方法が使用される。前述の方法は、例えば断続的な振とう法、プロペラ型撹拌機、タービン型撹拌機などを用いたミキサー法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、あるいは超音波処理法である。
【0114】
このように調整されたW/Oエマルジョンは、次にW/O/W 3重相エマルジョンへと乳化され、水の乾燥を受ける。このように、前述のW/Oエマルジョンは、第3の水相を加えられ、W/O/Wエマルジョンが得られ、そしてその後この油相中の溶媒が取り除かれることでマイクロカプセルが得られる。
【0115】
外側の水相に、乳化剤が加えられうる。乳化剤として、一般に安定したO/Wエマルジョンを形成しうるいずれか1の乳化剤、例えば、陰イオン性界面活性剤(例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween 80、Tween 60、Atlas Powder Co., U.S.A製)、ポリオキシエチレン・ヒマシ油誘導体(HCO−60、HCO−50、Nikko Chemicals, Japan製)]、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、あるいはゼラチンが使用される。そのような乳化剤が、単独又はいずれかの組み合わせで使用されうる。
【0116】
重合体組成物:本発明による重合体組成物は、少なくとも1つの生体適合性ポリマーを含む組成物であり、ここで上記生体適合性ポリマーは、本質的に非生分解性である。
【0117】
長楕円形:長楕円形の形状の坐剤は、その坐剤が異なる長さの2本の軸を持つこと意味する。長楕円形の坐剤の例は、例えば円筒形の形状又は弾丸形状に形成された坐剤であり、ここでその坐剤の一端は次第に細くなる形状を持つ。
【0118】
第2重合体:本発明による第2重合体は、放出制御製剤の一部を構成し、かつ、いずれか与えられた本発明の態様において、上記態様の第1重合体より高い融解温度を持つ重合体である。
【0119】
軟化点:本発明による軟化点は、重合体か又は重合体の混合物が柔らかくなる温度である。このため、この温度において、重合体は流れず、そして溶解状態にない。本発明によると軟化点は、好ましくはASTMによると標準D1525に従い、サンプル内への1mm保持貫入し、1mmの円形断面を持つ針の温度である。
【0120】
坐剤:体腔への導入のために適合させられる、少なくとも1の生理活性物質を含む塊である。好ましくは、坐剤は、低い温度、例えば室温及び/又は室温未満の温度で固体である。本発明による坐剤は、好ましくは体温で柔らかいが、しかし、好ましくはそれらは体温で融解しない。さらに、本発明による坐剤は以下の:
i)本質的に非生物分解性がある、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む重合体組成物であり;そして
ii)上記少なくとも1の生理活性物質の放出制御のために放出制御製剤であり、上記製剤は、少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1の第2重合体を含み、ここで、上記少なくとも1の第1重合体の融点が上記少なくとも1の第2重合体の融点よりも低い;を含み、そして
ここで、上記坐剤は、水性流体と接触したとき、本質的に膨張しない。
【0121】
本発明の詳細な説明
本発明による坐剤は、直腸の手術後、そして特に痔核手術後の局所的な麻酔剤の投与に特に有益である。これらの条件下、全身に及ぶ薬剤の摂取及び分配のための全身的な処置のあらゆる必要性なしに直腸の局所的な、そして持続的な処置に対する必要性がある。
【0122】
本発明による坐剤は、例えば裂傷又会陰切開(膣の切開)を伴う出産後の局所的な麻酔剤を含んでいる膣用坐剤(vagitory)として有益に使用されもする。
【0123】
しかし、本発明による坐剤は、例えば抗アレルギー薬、分泌の移動、又は止血手段として体液の移動を改善するための薬剤の鼻及び耳への投与のために使用されもする。
【0124】
本発明による坐剤は好ましくは局所的な投与にこうてきであるが、1の態様において、本発明による坐剤は、1以上の生理活性物質の全身的な投与に好適である。
【0125】
本発明の特に好ましい態様により、生体適合性ポリマーは本質的には水又は湿気との接触で膨張しない。前記坐剤のサイズが体腔内への挿入後に変わらないことは大きな利点である。前記坐剤が水に対して非常に低い親和性を持つことはさらなる利点であり、これにより、炎症を粘液に引き起こす、粘液質の体腔の湿気の欠乏を起こさない。さらに、坐剤全体が、使用後に体腔に坐剤重合体骨格のいずれの部分も実質的に残さずに取り除かれることができるという利点である。体腔内で融解又は溶解するように適合させられた坐剤は、好ましくない量の重合体又は脂質を後に残し、それが体腔内の体組織に炎症を引き起こす。
【0126】
本発明の1の側面において、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む重合体組成物を含む坐剤を提供する、ここで、上記生体適合性ポリマーは、本質的に非生分解性であり、そしてここで、上記坐剤は、水性流体、例えば液体、例えば水に接触したとき本質的に膨張しない。
【0127】
1の側面において、本発明は、前述の重合体組成物自体に関する。例えば、本発明は、放出制御製剤、及び/又は生理活性物質を含む、及び/又は接触しないような重合体組成物に関する。
【0128】
1の態様において、前記重合体組成物は、本質的に非生分解性であり、かつ、水性流体に本質的に非浸透性である生体適合性ポリマーを含むかもしれない。
【0129】
用語「水性流体に本質的に非浸透性」は、その重合体が、例えば実際的な状況下、そのような液体と接触したときに、本質的に少しの液体も取り込まないことを示す。例えば、水を含む全ての液体摂取が、実際的な環境下で1%未満例えば0.5%未満、例えば0.2%未満、例えば0.1%未満、であることが前記用語「本質的に非浸透性」の意味の範囲内でである。本発明による重合体組成物は、セルの外側から環境からの液体又は湿気と接触可能な開放セルを含む(本明細書中以下を参照のこと)。用語「水性流体に本質的に非浸透性」は、水性流体が前記開放セルと接続した環境から重合体組成物の開放セルに入ることができないという意味ではない。用語「水の流体に本質的に非浸透性の」は、水性流体が重合体組成物のセルの壁を透過しないことを示すだけで、外部へのそれらの開口部からセルに入ることができる。
【0130】
用語「本質的に非生分解性」は、重合体が実際的な状況下で、その重合体のあらゆる実質的な分解をもたらす物質と反応しないことを意味すると理解されるものとする。
【0131】
重量パーセントで計測された重合体の量、すなわち重合体組成物の乾燥重量あたりの重合体の乾燥重量は、実際的な状況下、少なくとも坐剤を使用している間、そして好ましくは重合体が実際的な状況下で使用される期間を十分に超える期間に実質的に変化しない。よって、前記用語「本質的に非生分解性」は、少なくとも1週間の期間、例えば1ヶ月、そして好ましくは1年間に渡り重合体構成の乾燥重量あたりの重合体の乾燥重量が変わらないことに関する。
【0132】
好ましくは、前記重合体組成物は、約100グラム/リットル〜約250グラム/リットルの比重、例えば約100グラム/リットル〜約110グラム/リットルの比重、例えば約110グラム/リットル〜約120グラム/リットルの比重、例えば約120グラム/リットル〜約125グラム/リットルの比重、例えば約125グラム/リットル〜約130グラム/リットルの比重、例えば約130グラム/リットル〜約135グラム/リットルの比重、例えば約135グラム/リットル〜約140グラム/リットルの比重、例えば約140グラム/リットル〜約145グラム/リットルの比重、例えば約145グラム/リットル〜約150グラム/リットルの比重、例えば約150グラム/リットル〜約155グラム/リットルの比重、例えば約155グラム/リットル〜約160グラム/リットルの比重、例えば約160グラム/リットル〜約165グラム/リットルの比重、例えば約165グラム/リットル〜約170グラム/リットルの比重、例えば約170グラム/リットル〜約175グラム/リットルの比重、例えば約175グラム/リットル〜約180グラム/リットルの比重、例えば約180グラム/リットル〜約185グラム/リットルの比重、例えば約185グラム/リットル〜約190グラム/リットルの比重、例えば約190グラム/リットル〜約195グラム/リットルの比重、例えば約195グラム/リットル〜約200グラム/リットルの比重、例えば約200グラム/リットル〜約210グラム/リットルの比重、例えば約210グラム/リットル〜約220グラム/リットルの比重、例えば約220グラム/リットル〜約230グラム/リットルの比重、例えば約230グラム/リットル〜約240グラム/リットルの比重、例えば約240グラム/リットル〜約250グラム/リットルの比重を持つ。
【0133】
好ましくは、気温、例えば22セ氏温度での坐剤の圧縮弾性率は、例えば約10kPa〜約40kPa、例えば約10kPa〜約12kPa、例えば約12kPa〜約14kPa、例えば約14kPa〜約16kPa、例えば約16kPa〜約18kPa、例えば約18kPa〜約20kPa、例えば約20kPa〜約22kPa、例えば約22kPa〜約24kPa、例えば約24kPa〜約26kPa、例えば約26kPa〜約28kPa、例えば約28kPa〜約30kPa、例えば約30kPa〜約32kPa、例えば約32kPa〜約34kPa、例えば約34kPa〜約36kPa、例えば約36kPa〜約38kPa、例えば約38kPa〜約40kPaである。
【0134】
前記重合体組成物は、閉じた又は開いた「セル」の混合物を含む。別個の実体である独立セル(closed cell)が、中に含まれていて、生体適合性ポリマーに囲まれたており、かつ、それらは、外部環境によって提供された液体又は湿気、例えば体腔の粘液質の表面から分泌されたか、又は放出された湿気に接触できない。
【0135】
生体適合性ポリマーが、隣接して配置されたセル間の相互接続をもたらす、マトリックス組成物の形式で相互接続されたネットワークを形成するとき、開放セルが示される。ゆえに、開放セルは、セルの外側の環境により提供された液体又は湿気に接近することができる。セルの外側の環境は、他のセルであるか、又は坐剤の外側の環境、例えば、体腔の粘液質の表面であるかもしれない。このように、前記組成物の局所的な環境がそのような開放セルを含むかもしれないが、この局所的な環境は、多数の独立セルにより部分的に、又は完全に囲まれるか、あるいは生体適合性ポリマーに囲まれ、そしてその中に含まれる。重合体組成物の所望の柔軟性が必要とされる時、これは有利であるかもしれない。そのセルは、外部環境により提供される液体又は湿気、例えば体腔の粘液質の表面により分泌又は放出される湿気の接近が不可能なため、そのようなセルは、開放された、接近できないセルであると呼ばれる。
【0136】
例えば、気体充填であるが、しかし体腔の粘液質の表面から分泌された湿気と接近しえない、非接近、開放セルに加え、前記重合体組成物は、相互接続し、かつ、例えば体腔の粘膜表面から分泌される湿気に接近しうる開放セル又は少なくとも一部の開放セルをも含む。例えば、重合体組成物の前述の開放、接近可能セルに含まれた薬剤と体腔の粘液質の表面との間の、取り込まれるべき薬剤を介した利用可能な接触を招くことが望ましいときこれが特に重要である。
【0137】
本発明による坐剤が同時に2つの技術的に関連する問題を解決することに留意されるべきである。第一に、本発明による坐剤は、伝統的な坐剤の溶解によるあらゆる全身的な影響が本質的に観察されることなく、所定の、局所的な粘膜環境に生理活性物質を放出することができる。第二に、本発明による坐剤は、粘膜の炎症を引き起こさない。例えば、本発明による坐剤と接触した時の粘膜の「乾燥」によって引き起こされる過度の脱水に起因する粘膜の炎症をもたらすことなく、粘膜への医薬としての有効用量のデリバリーを提供するために、生理活性物質、例えば薬剤の十分な放出を確保するための十分な湿気を取り込むような方法を用いて、本発明による坐剤中への湿気の取り込み調節することによって後者の効果が達成される。
【0138】
i)生体適合性ポリマーの表面特性、ii)接近可能な、開放セルの「気孔」サイズ、及びiii)坐剤の透湿性をさらに制御する任意の層又はコーティング、そしてiv)薬剤の放出解放及び続く薬剤と粘膜の間の接触を助ける薬剤の任意の封入、から成る群から選ばれる相当数のパラメーターを慎重に組合わせることによって前記の技術的な効果が成し遂げられる。
【0139】
1の態様において、重合体組成物は、開放セルと独立セルの両者を含み、ここで、大部分のセルが開放セルであり、例えば、約80%超のセルが開放セル、例えば、85%超が開放セル、例えば90%、例えば92%が開放セルである重合体組成物、例えば、約94%超のセルが開放セル、例えば、96%超が開放セル、例えば97%、例えば98%が開放セルである重合体組成物、例えば、約99%超のセルが開放セル、例えば、99.5%超が開放セル、例えば99.9%が開放セルである重合体組成物、例えば本質的に全てのセルが開放セルである重合体組成物である。大部分の開放セルの前記表示は、本明細書中で先に提供されたこれらの用語の定義内で、等しく十分に−組成物の異なる態様において−開放、接近不可能セルと、開放、接近可能セルに関する。重合体組成物が、99%超の開放、接近可能セルを含むことが好ましい。
【0140】
本発明の1の態様において、放出制御製剤は、重合体組成物の開放セル内に含まれる。ほとんど全ての開放セル又は開放セルのごく一部だけが放出制御製剤を含むかもしれない。
【0141】
好ましくは、前記生体適合性ポリマーは、比重を生じるのに好適な分岐点、及び本発明によって解決された技術的課題の解決に好適な圧縮弾性率を有する分岐ポリマーである。
【0142】
前記生体適合性ポリマーは、第1重合体及び/又は第2重合体を含む共重合体であり、ここで、上記第1及び第2重合体の1方の少なくとも一部が分岐しているか、あるいは第1及び第2重合体のいずれか一方又はその両方と架橋している。これは、1の態様において、第1重合体が、場合により架橋されたか、又は第2重合体により形成された他のネットワークに他の様式で付着されたれ分岐ネットワークを形成することを意味する。この方法で、前記重合体組成物は、分岐又は架橋形態で少なくとも1つの生体適合性ポリマーを含む貫入マトリックスにより少なくとも部分的に互いに引き離された複数のは開放セルをさらに含むかもしれない。
【0143】
1の態様において、本発明による重合体組成物は、約15℃超、そして好ましくは約40℃未満、例えば約20℃〜約40℃の範囲内の、例えば約35℃、例えば約36℃のガラス−ゴム転移温度、例えば約20℃〜約36℃の範囲内、例えば約22℃〜約36℃の範囲内、例えば約24℃〜約36℃の範囲内、例えば約26℃〜約36℃の範囲内、例えば約27℃〜約36℃の範囲内、例えば約28℃〜約36℃の範囲内、例えば約29℃〜約36℃の範囲内、例えば約30℃〜約36℃の範囲内、例えば約31℃〜約36℃の範囲内、例えば約32℃〜約36℃の範囲内、例えば約33℃〜約36℃の範囲内、例えば約34℃〜約36℃の範囲内、例えば約34.5℃〜約36℃の範囲内、例えば約35℃〜約36℃の範囲内の生体適合性ポリマーのガラス−ゴム転移温度を持つ。他の態様において、本発明による重合体組成物は、15℃未満、そして好ましくは−40℃超、例えば約30℃〜約−10℃の範囲内の、例えば約−25℃、例えば約−15℃のガラス−ゴム転移温度、例えば約−20℃の範囲内の生体適合性ポリマーのガラス−ゴム転移温度を持つ。
【0144】
さらなる態様において、1番の温度、例えば25℃、例えば26℃、例えば27℃、例えば28℃、例えば29℃、例えば30℃での、圧縮弾性率の1番の値、例えば約25kPaを有し、そして2番及びより高い温度、例えば32℃、例えば33℃、例えば34℃、例えば35℃、例えば36℃での、他の圧縮弾性率の2番目及びより低い値、例えば25kPa、例えば20kPa、例えば15kPaを持つ坐剤を提供する。好ましい値は、約30℃で約25kPa、そして約36℃で約20kPaである。体腔に置かれる時により柔軟で、より硬くない構造を採用している一方で、前述の近似値が、本発明による坐剤が比較的に容易に、かつ、固体にあらゆる大きな苦痛を与えることなく体腔に挿入されうることがまず確保される。
【0145】
同じ技術的な効果は、比較的に硬い材料の内核、及びより柔軟で、かつ、より硬くない重合体組成物を含む外側の部分又は周囲の部分を持つ坐剤を提供することによって達成できる。前記外側の部分は、典型的にはより低い圧縮弾性率の値を持つ。1の好ましい態様において、前記内核は、坐剤を貫いて軸方向に伸ばす収縮手段から成る。前記収縮手段は、好ましくは棒又は坐剤に必要とされる硬さを提供することができる紐の断片である。
【0146】
生体適合性ポリマーは、急性応答を引き起こさない、すなわちヒト又は動物の組織又は皮膚に接触することに危険がないことが一般的に認識されているいずれかの重合体である。好ましくは、重合体は、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレンから成る群から選ばれ、そしてより好ましくは、上記重合体は、ポリウレタンであり、例えば、少なくとも1のポリオールにより少なくとも部分的に重合している少なくとも1のポリイソシアネートを含むポリウレタン、そして好ましくは、少なくとも1のポリイソシアネートの本質的に全てと、少なくとも1つのポリオールの本質的に全てとが重合しているポリウレタン。
【0147】
好ましくは、少なくとも1のポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及び複素環式ポリイソシアネートから成る群から選ばれ、そして、好ましくは、少なくとも1のポリオールが、芳香族ポリオール、脂肪族ポリオール、及び複素環式ポリオールから成る群から独自に選ばれる。
【0148】
考えられる、そして好ましい、本発明による坐剤は、i)少なくとも1のポリオールが脂肪族であり、かつ、少なくとも1のポリイソシアネートが脂肪族である重合体組成物、ii)少なくとも1のポリオールが脂肪族、例えば、重合体が2,2−ジヒドロキシ−ジプロピルエーテルの反復単位を含むか、又は本質的にそれから成り、かつ、少なくとも1のポリイソシアネートが芳香族、例えば重合体がジフェニルメタンジイソシアネートを含むか、又は実質的にそれから成る重合体組成物、iii)少なくとも1のポリオールが芳香族であり、かつ、少なくとも1のポリイソシアネートが脂肪族である重合体組成物、そしてiv) 少なくとも1のポリオールが芳香族であり、かつ、少なくとも1のポリイソシアネートが芳香族である重合体組成物、の1以上を含む。
【0149】
前記重合体組成物は、2以上のポリオール、例えば2のポリオール、例えば3のポリオール、そして4以上のポリオールを含むかもしれない。好ましくは、前記ポリオールは、ジオールとトリオールから成る群から選ばれ、、そして好ましくは、ポリオール、例えばジオール及び/又トリオールは、0.2〜5の平均官能性、例えば0.5〜2の平均官能性、例えば0.6〜1.5の平均官能性を持つポリオールから選ばれる。1の態様において、それぞれi)少なくとも1のポリイソシアネートに含まれるNCO基、対ii)少なくとも1のポリオールに含まれるOH基の比率は、好ましくは、約0.5〜約2.5の範囲内、そして好ましくは、約0.7〜約1.3の範囲内に存在する。
【0150】
他の態様において、i)第1組成物を含む中心核、及びii)上記中心核を囲み、かつ、第2組成物を含む周囲部分を含むかもしれない坐剤を提供する。
【0151】
1の好ましい態様において、前記中心核は、放出制御製剤を含み、そして周囲部分は重合体組成物を含む。
【0152】
他の態様において、前記中心核は、重合体組成物を含み、そして周囲部分は放出制御製剤を含む。
【0153】
しかし、水性流体と接触したときに膨張しない、本質的に非生分解性の少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む第1組成物、並びに水性流体と接触したときに膨張しない、本質的に非生分解性の少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む第2組成物が可能であり、そしてここで、第1組成物は第2組成物は同じではない。
【0154】
単位体積あたりの質量として計測される、中心核の比重は、単位体積あたりの質量として計測される周囲部分の比重より高いことが好ましい。しかし、中心核と周囲部分の比重は、温度に依存する。その場合、特定の所定の温度、例えば0℃〜25℃の温度において、単位体積あたりの質量として計測される中心核の比重は、単位体積あたりの質量として計測される周囲部分の比重より好ましくは高い。
【0155】
前記坐剤は、前述の第1及び第2組成物のいずれにも一致しない第3組成物を含む末端部分を含み、そしてここで、第3組成物の少なくとも一部は、第2組成物を含む周囲部分と接触する。
【0156】
好ましくは、前記末端部分は、実際的な状況下、坐剤とその坐剤と接触する外部環境に存在する流体との間に関門を定義することによって坐剤の中への水浸入を制御するそうである。
【0157】
前記坐剤は、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む重合体組成物だけでもコーティングするためのコーティング組成物をさらに含み、ここで、上記コーティング組成物は、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む上記重合体組成物の表面領域の少なくとも一部を覆い、そしてここで、上記コーティング組成物は、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む上記重合体組成物と同一ではない。
【0158】
本発明による放出制御製剤は、制御された様式により生理活性物質を放出することができ、少なくとも:
i)1の第1重合体、
ii)少なくとも1の第2重合体、
を含む、いずれかの製剤であり、
ここで、上記少なくとも1の第1重合体の融点は、少なくとも1の第2重合体の融点より低い。
【0159】
好ましくは、前記放出制御製剤は、低温、例えば25℃未満の温度で好ましくは固体であり、それに対し、高い温度、例えば30℃超で柔らかい。それ故に、好ましくは、室温で坐剤が本質的に硬く、それに対し体温で坐剤が本質的に柔らかいか又は少なくとも硬さが減少するような軟化点を持つ。
【0160】
そのような軟化点の利点がいくつか存在する。第一に、それが硬いか又は固体のとき坐剤を体腔に挿入するのはより容易である。第ニに、いったん挿入されれば柔らかい坐剤は、体腔の形状に順応するかもしれず、挿入された坐剤は担持をより快適にし、そして坐剤と体腔粘膜の間のより良好な接触を可能にさせる。
【0161】
好ましくは、前記放出制御製剤は、15℃〜45℃の軟化点を持ち、より好ましくは、前記放出制御製剤は、25℃〜40℃の軟化点を持ち、より一層好ましくは、前記放出制御製剤は、30℃〜35℃の軟化点を持つ。例えば、前記放出制御製剤は、20℃〜25℃、例えば25〜30℃、例えば約31℃、例えば約32℃、例えば約33℃、例えば約34℃、例えば約35℃、例えば約36℃、例えば約37℃、例えば37℃〜40℃、例えば40℃〜45℃の軟化点を持っているかもしれない。
【0162】
本発明の1の態様において、前記放出制御製剤は、2の異なる第1重合体を含む。しかし、前記放出制御製剤は、3以上の、例えば3の、例えば4の、例えば5の、例えば6の、例えば7の、例えば8の、例えば9の、例えば10の、例えば11以上の異なる第1重合体を含むかもしれない。
【0163】
本発明による放出制御製剤の第1重合体は、放出制御製剤の製造に好適な重合体である。好ましくは、第1重合体は、50℃未満、より好ましくは45℃未満の融点を持つ。例えば、第1重合体の融点は、40℃〜45℃、例えば35℃〜40℃、例えば30℃〜35℃、例えば25℃〜30℃、例えば20℃〜25℃、例えば15℃〜20℃、例えば10℃〜15℃、例えば5℃〜10℃、例えば0℃〜5℃、例えば0℃未満であるかもしれない。
【0164】
1の好ましい態様において、前記放出制御製剤の第1重合体は、ポリエチレングリコール(PEG)から成る群から選ばれる。PEGは、一般式H(OCHCH)nOHの液体又は固体重合体のグループである。
【0165】
好ましくは、第1重合体は、100〜1500の平均の分子量を持つPEGであり、より好ましくは、上記PEGは、400〜1000の平均の分子量を持つ。例えば、前記第1重合体は、約100、例えば約200、例えば約300、例えば約400、例えば約500、例えば約600、例えば約700、例えば約800、例えば約900、例えば約1000、例えば約1100、例えば約1200、例えば約1300、例えば約1400、例えば約1500の平均の分子量を持つ。
【0166】
他の態様において、第1重合体は、4〜6、例えば6〜8、例えば8〜10、例えば10〜12、例えば12〜14、例えば14〜16、例えば16〜18、例えば18〜20、例えば20〜22、例えば22〜24、例えば24〜26、例えば26〜28、例えば28〜30、例えば30〜32、例えば32〜34、例えば34〜36の平均n値をもつPEGである。好ましくは、前記平均n値は、8.2〜9.1、又は20〜25である。
【0167】
1の好ましい態様において、第1重合体は、約400の平均分子量を持つPEGであるかもしれない。他の好ましい態様において、第1重合体は、約1000の平均分子量を持つPEGであるかもしれない。
【0168】
本発明の1の態様において、前記放出制御製剤は、2の異なる第2重合体を含む。しかし、前記放出制御製剤は、3以上の、例えば3の、例えば4の、例えば5の、例えば6の、例えば7の、例えば8の、例えば9の、例えば10の、例えば11以上の異なる第2重合体を含むかもしれない。
【0169】
本発明による放出制御製剤の第2重合体は、放出制御製剤の製造に好適な重合体である。好ましくは、第2重合体は、20℃超、より好ましくは25℃超、より一層好ましくは30℃超の融点を持つ。例えば、第2重合体の融点は、20℃〜25℃、例えば25℃〜30℃、例えば30℃〜35℃、例えば35℃〜40℃、例えば40℃〜45℃、例えば45℃〜50℃、例えば50℃〜55℃、例えば55℃〜60℃、例えば60℃〜65℃、例えば65℃超であるかもしれない。
【0170】
1の好ましい態様において、前記放出制御製剤の第2重合体は、ポリエチレングリコール(PEG)から成る群から選ばれる。
【0171】
好ましくは、第2重合体は、1000超、より好ましくは1000〜35000の平均の分子量を持つPEGであり、より一層好ましくは、上記PEGは、1500〜10000の平均の分子量を持つ。例えば、前記第2重合体は、約1000、例えば約2000、例えば約3000、例えば約4000、例えば約5000、例えば約6000、例えば約7000、例えば約8000、例えば約9000、例えば約10000、例えば約11000、例えば約12000、例えば約13000、例えば約14000、例えば約15000の平均の分子量を持つ。
【0172】
他の態様において、第2重合体は、20〜25、例えば25〜30、例えば30〜35、例えば40〜50、例えば50〜60、例えば60〜80、例えば80〜100、例えば100〜125、例えば125〜150、例えば150〜175、例えば175〜200、例えば200〜250、例えば250〜300、例えば300〜400、例えば400〜600、例えば600〜1000、例えば1000超の平均n値をもつPEGである。好ましくは、前記平均n値は、68〜84、又は158〜204である。
【0173】
1の好ましい態様において、第2重合体は、約2000の平均分子量を持つPEGであるかもしれない。他の好ましい態様において、第2重合体は、約4000の平均分子量を持つPEGであるかもしれない。さらに他の態様において、第2重合体は、約6000の平均分子量を持つPEGであるかもしれない。
【0174】
このように、前記放出制御製剤は、200〜1500の平均分子量のPEGから成る群から選ばれる第1重合体、及び1000〜35,000の平均分子量でのPEGから成る群から選ばれる第2重合体を含むことが本発明に従より好ましい。
【0175】
1の特に好ましい態様において、第1重合体は、約1000の平均分子量のPEGであり、そして第2重合体は、約4000の平均分子量のPEGである。
【0176】
好適な軟化点を持つ放出制御製剤を得るために第1重合体と第2重合体の比率が、第1及び第2重合体の性質に依存して選択する。例えば、第1重合体と第2重合体の間の比率は、約100:1、例えば約95:1、例えば約90:1、例えば約85:1、例えば約80:1、例えば約75:1、例えば約70:1、例えば約65:1、例えば約60:1、例えば約55:1、例えば約50:1、例えば約45:1、例えば約40:1、例えば約35:1、例えば約30:1、例えば約25:1、例えば約20:1、例えば約18:1、例えば約16:1、例えば約14:1、例えば約12:1、例えば約10:1、例えば約9:1、例えば約8:1、例えば約7:1、例えば約6:1、例えば約5:1、例えば約4:1、例えば約3:1、例えば約2:1、例えば約1:1である。
【0177】
あるいは、第2重合体と第1重合体の間の比率は、約100:1、例えば約95:1、例えば約90:1、例えば約85:1、例えば約80:1、例えば約75:1、例えば約70:1、例えば約65:1、例えば約60:1、例えば約55:1、例えば約50:1、例えば約45:1、例えば約40:1、例えば約35:1、例えば約30:1、例えば約25:1、例えば約20:1、例えば約18:1、例えば約16:1、例えば約14:1、例えば約12:1、例えば約10:1、例えば約9:1、例えば約8:1、例えば約7:1、例えば約6:1、例えば約5:1、例えば約4:1、例えば約3:1、例えば約2:1、例えば約1:1である。
【0178】
好ましくは、第2重合体と第1重合体の間の比率は3:1〜10:1である。
【0179】
しかし、約25℃〜45℃の軟化点を得るためのいずれか好適な比率で混合された、1以上の第1重合体、及び/又は1以上の第2重合体を使用することは、本発明の範囲内に含まれてもいる。
【0180】
本発明の1の態様において、前記放出制御製剤は、さらに界面活性剤を含む。例えば、前記界面活性剤は、PEGモノマー、例えばPEGモノステアレートであるかもしれない。
【0181】
特に好ましい態様において、本発明による放出制御製剤は、少なくとも1の生理活性物質を含み、上記生理活性物質は、好ましくは薬剤である。本発明による薬剤は、薬剤、例えば本明細書中で先に言及した薬剤であるかもしれない。本発明の1の態様において、前記薬剤は、鎮痛剤、例えばリドカインである。
【0182】
前記薬剤は、i)第1組成物を含む坐剤の中心部分、ii)中心部分を囲む、第2組成物を含む周囲部分、iii)第3組成物を含む末端部分、ここで表面領域を含む上記末端部分の少なくとも一部が坐剤の周囲部分の表面領域に接触している、そしてiv)坐剤の周囲部分及び/又は坐剤の末端部分の表面を覆っているコーティング組成物、
の1以上の中に提供されうる。
【0183】
第1組成物及び/又は第2組成物及び/又は第3組成物は、重合体組成物又は放出制御製剤であるかもしれない。好ましくは、薬剤を含む時、第1組成物及び/又は第2組成物及び/又は第3組成物は放出制御製剤である。
【0184】
よって、前述の組成物のいずれか1以上を含んでいる坐剤は、核部分、及び上記核部分を少なくとも部分的に封入する1以上の層、及び/又は上記核部分の上に層をなす1の部分、を含み、ここで上記層は、互いに少なくとも対を成す接触状態にある。好ましくは、前記層は、1の組成物を1以上の他の組成物を明確に分離する転移相を定めた所定の境界で互いに接触する。
【0185】
前記薬剤は、コーティング組成物中に含まれ、そして加えて、坐剤の末端部分に含まれもし、そして場合により、坐剤の周囲部分に、並びにさらに場合により、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む坐剤の中心部分に含まれもする。
【0186】
他の態様において、生体適合性ポリマーを含む組成物の中心部分に薬剤を含む、本発明による坐剤を提供する。好ましくは、中心部分は、そのとき放出制御製剤である。加えて、薬剤は、坐剤の周囲部分に含まれもし、そして場合により、坐剤の末端部分中に、そしてさらに場合により、薬剤は、坐剤の周囲部分又は末端部分の表面を覆っているコーティング組成物中に含まれもする。
【0187】
坐剤は、2以上の生理活性物質、例えば2以上の薬剤、例えば2の薬剤、例えば3の薬剤を含むかもしれない、そして上記の複数の薬剤は、いずれかの順番で連続的に、又は本質的に同時に行われる、投与の好ましい方法に依存して坐剤の同じか又は異なる部分に含まれる。坐剤は、薬剤投与についての特別な必要性を達成するために製造されることができる。
【0188】
処置される個体に少しの苦痛も与えずに、好適な間隔、例えば4〜12時間、例えば5〜12時間、例えば6〜12時間、例えば7〜12時間、例えば8〜12時間、例えば9〜12時間、例えば10〜12時間、例えば5〜11時間、例えば5〜10時間、例えば5〜9時間、例えば5〜8時間、例えば5〜7時間、例えば6〜11時間、例えば7〜10時間、例えば8〜9時間ごとに坐剤を変えることが可能でもある。前記の変化は、局所的な環境への薬剤の投与を維持する。
【0189】
前記薬剤は、調節的に放出できることが特に好ましい。好ましい放出制御製剤は、本明細書中で先に言及する。しかし、前記薬剤は、少なくとも1つのカプセル化剤、好ましくは、PEG、いずれかのタンパク質、及びいずれかの脂質から成るカプセル化剤の群から選ばれたカプセル化剤を含むカプセル中に封入することによって調節的に放出されもする。PEG化(PEGコート)薬剤は、本発明に従って投与されうるカプセル化薬剤の1の好ましい態様である。薬剤を含むカプセルは、薬剤を放すために崩壊するか又は溶解する。
【0190】
他の好ましい態様において、本発明は、少なくとも1の重合体組成物を含む坐剤に関し、
ここで、上記重合体組成物は、本質的に非生分解性の、少なくとも1の生体適合性ポリマーを含み、
ここで、前記坐剤は、水性流体と接触したとき、本質的に膨張せず、
ここで、前記坐剤は、分散した、好ましくは放出制御製剤中に実質的に均一に分散した、及び/又は放出制御製剤の範囲内の少なくとも1つの幾何学的に十分に規定された区域に配置された少なくとも1つの薬剤を含む放出制御製剤を含み、
ここで、上述の放出制御製剤は、放出制御製剤の少なくとも1の表面の侵食により水相中に薬剤を放出することができる、好ましくは、実際的な状況下で侵食は実質的に一定の速度で行われる。
【0191】
本発明による好ましい放出制御製剤は、本明細書中で先に記載されている。しかし、あるいは本発明による放出制御製剤は、以下を含むかもしれない:
i)実質的に水溶性の結晶性ポリマーのマトリックス、又は実質的に水溶性の結晶性ポリマーの混合物、
ii)結晶性ポリマー及び界面活性剤の約0〜50重量%の量で結晶性ポリマー中に分散している界面活性剤、又は界面活性剤の混合物、
ここで、上記界面活性剤は、a)結晶性ポリマー相と適合する少なくとも1つのドメインを持つ化合物、及びb)実質的に親油性の少なくとも1つ他のドメインを含み、そして
ここで、上記界面活性剤は、結晶性ポリマー、又は実質的に水溶性の結晶性ポリマーの混合物のそれより低い融点を持つ、
iii)実質的に均一に、結晶性ポリマー相中に分散した、及び/又は界面活性剤中に分散した、及び/又は組成物内の幾何学的に十分に明らかな区域に配置した少なくとも1つの生理活性物質、例えば薬剤、そして場合により、
iv)賦形剤。
【0192】
前記界面活性剤及び/又は薬剤は、粒子間、並びに結晶性ポリマー・マトリックス及び結晶性ポリマー・マトリックス自体の割れ目のドメインの水親和性を低下させ、それによって重合体結晶間の界面の水拡散を減らすか又は実質的に排除する。1の態様において、前記侵食は、媒質にさらされた坐剤表面上の水性媒質の溶解作用により主に達成される。
【0193】
例えば、水の作用によるマトリックス中に存在する薬剤の分解を排除又は減少させるために、本発明に従い放出制御製剤を含む坐剤が、直腸と膣を含む体腔に導入される場合に、マトリックスと薬剤及び/又は界面活性剤の組み合わせは、水相の流体を実質的に通してはならない。薬剤が加水分解に弱い時、これは特に関係する。
【0194】
たとえ放出制御製剤が予定された時間の間体液又は他の流体にさらされているとしても、薬剤が活性を維持するように水拡散が実質的に除かれるマトリックスの中への薬剤封入が、こうして放出制御製剤に安定性を与える。本発明の1の態様において、流体がマトリックス表面にのみ作用する場合、その中に組み込まれた薬剤は、それがマトリックスから放出されるか又はその放出直前に問題の流体にさらされる。したがって、水に対し実質的に非浸透性である種類のマトリックスは、薬剤が放される時まで放出制御製剤が水相、例えば体腔、に存在する期間の間ずっと、マトリックス中の薬剤の安定性を確保する。薬剤の放出が問題の流体にさらされるマトリックス表面から徐々に生じる時、これはマトリックスからの薬剤の制御され、かつ、再現性のある放出速度を容易にするかあるいはもたらしもする。
【0195】
当然、異なるジオメトリーの表面は、異なる放出速度をもたらし、そして1の態様において、放出速度−時間及びマトリックスの個々のデザイン及びジオメトリーに基づく放出量の点で一定しないが−は、実際的な条件下、マトリックス及び/又は表面の特別なデザイン及びとジオメトリーについて少なくとも実質的に再現可能であることが好ましい。用語「放出制御」は、異なる量の薬剤が長期間にわたって放出されることを決して妨げず、マトリックス及び/又は表面のジオメトリー及びデザインがこの目的に向けられることを規定する。そのような一定しない、制御放出の例は、比較的に大量の薬剤の最初の「ブースター」放出であり、その後に、単位時間当たり実質的に変化しない薬剤量の「定常状態」放出が続く。しかし、単位時間あたり実質的に変わらない薬剤の放出を特徴とする「定常状態」様式での実質的に全ての薬剤か、又はそれらの一部が放出されるデザインを活用することが可能でもある。
【0196】
好ましくは、前記単位時間は、時又は分で計測され、例えば、数時間〜数分、例えば4〜6時間のオーダーの単位時間、例えば6時間、例えば5時間、例えば4.5時間、例えば4時間、例えば3.5時間、例えば3時間、例えば2.5時間、例えば2時間、例えば1.5時間、例えば1時間である。
【0197】
したがって、2〜60分、例えば55分、例えば45分、例えば40分、例えば35分、例えば30分、例えば25分、例えば20分、例えば15分、例えば10分、例えば5分、例えば2分のオーダーでの単位時間を含む、分、例えばたった数分〜約60分で単位時間を計算することが可能でもある。薬剤がマトリックスから放出される速度は、1の好ましい態様において、規定の速度、すなわち本明細書中で直前に示したような特定の期間に渡り制御可能な速度である。各々の特別な例で所望の放出速度は、とりわけ所望の効果を発揮するために放出される薬剤の量、並びにマトリックスに含まれている薬剤の総体的な投与量に依存するかもしれない。したがって、マトリックスが構成される物質とマトリックスの薬剤の分布は、1以上のこれらの基準に従い、薬剤放出のの所望のレベルを確保にするように選ばれうる。
【0198】
本発明による放出制御製剤は、放出制御製剤が水相に存在する期間の間ずっとほぼ一定か又はそれらのパルス用量が水相において利用可能なように、マトリックスに含まれている薬剤の用量が計測さられうる;たとえ薬剤それ自体が水環境で不安定であるとしても、マトリックス中への水の拡散ために、加水分解又は他の手段による薬剤の分解を防ぐマトリックス構造の性質、すなわちその水不透過性、が劣化を防ぐ、という利点を持っている。
【0199】
本発明の1つの態様において、そして薬剤の放出制御のために、問題の処置に必要な用量に相当する、特定の期間に渡る、放出の実質的に一定の速度、又は薬剤の制御されたパルス放出を得ることが可能である。この方法において、厳格な用量投与計画の厳守、例えば規定の間隔での薬剤の投与を必要とすること、なしに済まされうる。
【0200】
さらに、本発明による、2以上の異なる薬剤を放出制御製剤に含むことが可能であり、異なる濃度及び/又は間隔で放出するために適合させ、それにより患者が処方された投与計画に従うのをより容易にする。
【0201】
本発明による放出制御製剤は、放出制御製剤のサイズに関係する薬剤の高濃度の取り込みを考慮する。特に放出制御製剤の量を不必要に大きくすることなく必要とされている量の薬剤のデリバリーを考慮する時、薬剤のデリバリーのために放出制御製剤が使用されることになった場合、これは利点である。
【0202】
その上、やや溶けにくいか又は不溶性の薬剤は、容易に本発明による放出制御製剤に組み入れられうる、なぜならそのような物質は、界面活性剤の親油性領域と適合するからである。このように、本発明による放出制御製剤は、例えば別の方法では投与が困難なやや溶けにくいか又は不溶性の薬剤の粉末のデリバリーのために使用されうる。
【0203】
放出制御製剤のマトリックスが実質的に水溶性の結晶性ポリマーか又は実質的に水溶性の結晶性ポリマーの混合物を含む時、界面活性剤を一般に結晶性ポリマー相に分散させる。好ましくは、前記界面活性剤は、結晶性ポリマー相に適合する少なくとも1のドメイン、及び実質的に親油性である少なくとも1の他のドメインを持つ化合物を含む。
【0204】
用語「適合性」は、本発明により本明細書中で使用されるとき、以下で説明したとおり、界面活性剤が溶かされた重合体中で乳化されうるという事実に関する。好ましくは、界面活性剤は、それによって、粒子間及び結晶性ポリマーマ・トリックスの割れ目のドメインを埋める、実質的に結晶性ポリマー相に親和性を与える親水性ドメイン、並びに好ましくは、粒子間及び結晶構造の割れ目の界面の水親和性を低下させうる実質的に親水性ドメイン持つ。
【0205】
この作用の結果は、重合体結晶間に存在する界面中への水の拡散の削減及び/又は大幅な除去である。
【0206】
結晶性ポリマー・マトリックスの前記割れ目及び粒子は、結晶が形成される過程の結果であるかもしれない。結晶形成過程の間、マトリックスは縮むかもしれず、そしてこれは割れ目と結晶粒子の間の不完全な区域を形成しやすい。それ故に、好ましくは、マトリックスの重合体材料が凝固し、結晶を形成した後でさえ、界面活性剤は流動性がある必要がある。従って、1の態様において、界面活性剤の融点は、結晶性ポリマー相のそれより低い。
【0207】
界面活性剤の実質的に均一な分散が、結晶形成より前の融解された重合体中で得ることができることが好ましい。このように、好ましくは、界面活性剤は、融解された重合体で乳化されうるべきである。
【0208】
実質的に疎水性の薬剤が放出制御製剤の侵食速度の低下をもたらす傾向にあることをが分かっている。実質的に親水性又は水溶性の薬剤がその反対側の効果を持つ、すなわち、それらがマトリックスのより速い侵食をもたらす傾向にあることが示された。放出制御製剤が薬剤なしに調整された場合、放出制御製剤は、比較的に速い速度で侵食される傾向にあることがさらに分かった。
【0209】
より均一な分散がより緩慢な侵食速度をもたらし、マトリックス中の界面活性剤の分散の程度がマトリックスの侵食速度にとって重要であると考えられる。実質的に疎水性の薬剤が界面活性剤のより均一な分散をもたらす傾向にあり、それによりマトリックスの侵食速度の減少をもたらし、一方で、非親水性の薬剤がその反対側の効果を与えると考えられる。
【0210】
したがって、放出制御製剤が実質的に疎水性ではない薬剤で調整されるか、又は放出制御製剤の薬剤の含量が比較的に低い時、界面活性剤の分散を改善し、そしてマトリックスの侵食速度を低下させるために1以上の賦形剤を加えることが望ましいかもしれない。
【0211】
賦形剤の添加は、混合物の粘性を増やすことに役立つと考えられ、それにより、界面活性剤はより均一にマトリックス中に分散するようになる。好適な賦形剤の例は、デキストリン、スクラルファート、ハイドロキシアパタイトカルシウム、リン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸塩である。前記賦形剤は、その賦形剤と薬剤の組合せ物を放出制御製剤の約60重量%まで、典型的には約50重量%まで、例えば約40重量%まで含むような量で添加する。
【0212】
前記界面活性剤は、例えば12〜24の炭素原子、典型的には12〜20の炭素原子の炭素鎖を持つ1以上の脂肪酸エーテルを含む典型的には非イオン性乳化剤、例えばパルミチン酸かステアリン酸のエステル及び/又はエーテルである。典型的な界面活性剤は、ポリグリコール・エステル又はエーテル、ポリエチレングリコール・エステル又はエーテル、ポリヒドロキシ・エステル又はエーテル、及び/又は糖エステル又はエーテル、例えばソルビタン・エステル又はエーテルを含むかもしれない。界面活性剤は、約4〜約16のHLB(親水性−親油性平衡)値を好適には持つ。
【0213】
さらに、界面活性剤は、好ましくは生理学的に及び/又は医薬として許容される乳化剤である。好ましい界面活性剤は、ポリエチレングリコール・モノステアレートであり、特にポリエチレングリコール 400 モノステアレートである。酒石酸、クエン酸、及び乳酸エステルのモノ−及びジグリセリドが、並びに脂肪酸エステルのグリセロールが界面活性剤として利用されもする。
【0214】
マトリックス中の主な界面活性剤の分散を改善して、侵食速度を低下させるために、界面活性剤の混合物をマトリックスに組み入れることはあるケースにおいて望ましいかもしれない。
【0215】
あるケースにおいて、薬剤自体が、すなわち、それが結晶性ポリマー相と適合する少なくとも1のドメイン、及び実質的に親油性である少なくとも1の他のドメインを持ち、界面活性剤として機能することができる、それ故、上記薬剤は、単独で実質的に均一に結晶性ポリマー相に分散することができ、そして実質的にマトリックス中への水の拡散を排除する。この場合、界面活性剤の役割、すなわち、修復媒体及び界面活性剤としてのその機能は、それ薬剤自体により部分的にか、あるいは完全に果たされ、そして界面活性剤をわずかに必要とするか、又は全く必要としない。このように、薬剤自体が非イオン性乳化剤の性質を持つ時、界面活性剤は、放出制御製剤に存在しないか、あるいは、マトリックスの約0から2重量%の量で放出制御製剤中に存在する。
【0216】
薬剤が界面活性剤の性質を所有しない場合、界面活性剤は、結晶性ポリマーと界面活性剤の約2〜50重量%、例えば約5〜50重量%、典型的には約10〜40%、より典型的には約15〜35重量%、例えば約20〜30%の量で放出制御製剤中に典型的には存在する。しかしながら、前述のとおり、2%未満の界面活性剤含量が、薬剤が界面活性剤性質を有する時に利用される。
【0217】
約60%の薬剤含量が、放出制御製剤中の結晶性ポリマー・マトリックスと界面活性剤の十分な含有を可能にする最大含量である考えられるが、一方で、薬剤は、問題の薬剤の性質及び強度に依存して、よりわずかな量で放出制御製剤中に存在するかもしれない。
【0218】
界面活性剤、薬剤、及び結晶性ポリマーの性質、並びに放出制御製剤の所望のデリバリー特徴に依存して、約50%の最大界面活性剤含量が、それらの存在に関係する所望の効果を達成するために一般に十分である。
【0219】
結晶性ポリマー・マトリックスは、ポリグリコール、例えばホモポリマー及び/又はコポリマーの形態を一般に含む。好ましい重合体は、ポリエチレングリコール、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキシドのブロック重合体である。結晶性ポリマー・マトリックスの使用に好適なポリエチレングリコールは、約2000〜500,000ダルトン、典型的には約5000〜約100,000ダルトン、より典型的には、約10,000〜約50,000ダルトン、そして特に約20,000〜約35,000ダルトンの分子量を持つ。好ましいポリエチレングリコールは、約35,000ダルトンの分子量を持つ。
【0220】
典型的なブロック重合体は、ポリプロピレンオキシド・ベースのブロックの約30重量%まで含まれ、かつ、約5000ダルトン超、典型的に約5000〜約30,000ダルトン、より典型的に約8000〜約15,000ダルトンの分子量を持つ。
【0221】
結晶性ポリマー・マトリックスは、発明による放出制御製剤が使用される水性媒質の温度を上回る融点を持たなければならない。このように、マトリックスに利用される重合体は、どのように放出制御製剤が利用されるかに依存して、約20℃〜120℃、典型的には約30℃〜約100℃、より典型的には40℃〜80℃の融点を好適には持つ。特に、本発明による放出制御製剤がヒト又は獣医学用途のための薬剤のデリバリーに使用されるとき、そのマトリックスは、約40℃〜約80℃の融点を持つ。
【0222】
本発明による放出制御製剤によりデリバリーされる薬剤は、ビタミン又は他の栄養補給剤、消毒薬、脱臭剤、あるいは水性環境において連続的に投与されるもう他の物質を含む、ヒト又は獣医学用途のいずれかの作用物質でもありうる。
【0223】
侵食は、媒質にさらされた放出制御製剤の表面の水性媒質の溶解作用によって成されるため、結晶性ポリマー・マトリックス中の界面活性剤及び/又は薬剤の存在が、粒子と割れ目間のドメインの水親和性を低下させ、それにより、重合体結晶間の界面の水拡散を実質的に排除する。
【0224】
1の好ましい態様において、放出制御製剤中への水の拡散は、マトリックスの表層部に実質的に制限され、それにより、マトリックスは、実質的に一定で、かつ、pHから独立した速度で侵食され、表面積を一定に保った。結果として、1の態様において、本発明は、薬剤の実質的なゼロ水準放出に関する。
【0225】
用語「ゼロ水準」は、薬剤の放出速度が単位時間当たり実質的に一定であるという事実に関する。この態様において、薬剤は、実質的に均一ににマトリックス中に分配される。マトリックス中の幾何学的に明確な区域に配置された薬剤の場合に、得られたマトリックスの一定の侵食速度は、場合により最初の「ブースター」効果の形態である、有効成分の厳密に制御されたパルス放出である。
【0226】
前述の制御された「ゼロ水準」又はパルス放出を達成するために好適な放出制御製剤の幾何学的形状を得ることが重要である。このように、本発明の1の好ましい態様において、本発明による放出制御製剤は、実質的に一定の表面積がマトリックスの侵食の間さらすことを可能にする幾何学的形状を持つ。本発明による坐剤が、本明細書中に定義したような開放セルを含む複数の区画を含み、ここで、各々の区画が実質的に一定の表面エリアをマトリックスの侵食の間さらす放出制御製剤を含むことが知られる。
【0227】
したがって、例えば、各々の区画が放出制御製剤を含むかもしれず、複数の各々の区画はマトリックスの侵食の間さらされる実質的に一定の表面積を持つ、本明細書中に定義された開放セルを含む複数の区画を含む本発明による坐剤は、立方体か、又は円筒形の棒を含む棒の形状の放出制御製剤を含む坐剤であるかもしれない。
【0228】
あるカプセルは、好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織に接触する時、崩壊し、そして上記薬剤を放出するために適合させられており、それに対して、薬剤を含む他のカプセルは、好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織により分泌される湿気を含む流体と接触する時、崩壊し、そして上記薬剤を放出するために適合させられており、そして薬剤を含むさらに他のカプセルは、体液、又は好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織に接触する時、溶解し、そして上記薬剤を放出するために適合させられている。
【0229】
坐剤は、保存剤、補助薬、安定化剤、潤滑剤、及び崩壊剤、又はそれらのいずれかの組み合わせ物の群から選ばれる添加剤をさらに含む。医薬として、及び生理学的に許容される添加剤が好ましい。
【0230】
他の側面において、本発明は、先に本明細書中に記載の重合体組成物を含む坐剤に関する。前記坐剤は、あらゆる形状、又は長楕円形の形状及び本質的に円筒形の形状を含む坐剤のために好適な形態を採用するかもしれない。前記坐剤は、好ましくは形は丸く、そして、体腔に例えば直腸の窩、膣の窩、鼻腔、及び耳の窩に合うように設計される。
【0231】
1の好ましい態様において、坐剤は、坐剤が直腸にある時に、その坐剤の外面の一部又は本質的にその全てと尾部の半月状ひだ以下の直腸粘膜の一部又は本質的にその全て間の接触を可能にする形状を持つ。したがって、前記坐剤は、生理活性物質の、例えば会陰、直腸周辺組織、及び肛門管を含む直腸へのいずれの投与方法にも使用しうる。尾部半月状ひだ及び肛門管を表す直腸の図を図10に示す。好ましくは、坐剤の外面と粘膜の間の接触は、坐剤の生理活性物質と粘膜の間の接触を可能にするか、及び/又は促進する。
【0232】
他の態様において、坐剤は、坐剤の外面の一部又は本質的にその全てと外陰部又は膣の粘膜の一部又は本質的にその全てとの間で接触を可能にする形状を持つ。
【0233】
前記坐剤は、中心部分、第1末端部分、及び第2末端部分を含み、ここで特定の好ましい態様および用途のために、少なくとも1の上記末端部分は次第に細くなっており、好ましくは丸い先端を用いて先を細くする。
【0234】
他の態様において、坐剤は、円柱状の中心部分、次第に細くなる、好ましくは先のとがった、丸い先端を持つ遠心端部分、並びに上記遠心端から軸方向に外側に広がる端部を伴う近位端を持つ。特に好ましい態様において、次第に細くなっている遠心端部分は、中心部分の最も近くに最大の直径を持つ、すなわち中心部分の平均直径より大きい。
【0235】
他の好ましい態様において、坐剤は、中心部分、次第に細くなる、好ましくは先のとがった、丸い先端を持つ遠心端部分、並びに上記遠心端から軸方向に外側に広がる端部を伴う近位端を持つ。特に好ましい態様において、次第に細くなっている遠心端部分は、中心部分の最も近くに最大の直径を持つ、すなわち中心部分の平均直径より大きい。これは図1に説明される。この外観は、アンカーとしての役割を果たし、使用の間適当な場所に坐剤を留める。
【0236】
存在する場合、端部は、好ましくは軸方向にくぼみを作られた部分を有し、そして、上記端部の外側の直径は、中心部分の直径より大きい。これも図1に説明される。
【0237】
本発明による坐剤は、複数の試験方法を用いて試験される。例えば、それらは、欧州薬局方2001又はUSP、あるいは他の先行技術文献に記載された試験方法によって試験されうる。
【0238】
坐剤は、例えば以下によって試験されうる:
a)内容物の同一性
b)崩壊試験
c)針入度計を用いた硬度試験
d)融解試験
e)坐剤を水の入ったプラスチック容器内に置く、修飾された錠剤崩壊/破断点試験
外科療法、例えば直腸手術の方法を含む治療上の処置方法に使用するための本発明による坐剤、並びに化粧用の処置方法に使用するための本発明による坐剤にさらに関する。診断方法に使用するための坐剤をも提供する。
【0239】
さらなる側面において、本発明による坐剤の調整方法を提供し、上記方法は以下のステップを含む:
i)重合に好適な開始材料を準備し、
ii)放出制御製剤を調整するための少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1の第2重合体、並びに生理活性物質を準備し、
iii)少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1の第2重合体、並びに生理活性物質を混合し、
iv)混合し、坐剤に望ましい所定の形状に上記開始材料を重合させ、坐剤に望ましい所定の形状の生体適合性ポリマーを得、
v)生体適合性ポリマーを少なくとも1の第1重合体、少なくとも1の第2重合体、及び生理活性物質の混合物と接触させる。
【0240】
前記生体適合性ポリマーは、当業者に知られた便宜的な方法により坐剤に望ましい形状に形成されうる。
【0241】
例えば、坐剤は、キャスト成形か押出しによって形成されうる。
【0242】
さらに、前記坐剤は、射出成形によって所定の形状形成され、そして開始材料は、好ましくは少なくとも1のポリイソシアネート及び少なくとも1のポリオールを含む。前記の製造方法によって得られた坐剤を提供しもする。
【0243】
さらなる態様において、痛み、麻酔剤、エピストミー(epistomi)、膣切開、結腸切開、直腸手術、痔核、予防接種、癌、ホルモン処置、及び避妊を含む症状の1以上の治療のための本発明による坐剤の使用を提供する。
【0244】
痛み、麻酔剤、エピストミー(epistomi)、膣切開、結腸切開、直腸手術、痔核、予防接種、癌、ホルモン処置、及び避妊を含む症状の1以上の治療のための薬剤の製造における本発明に従った坐剤の使用を提供する。
【0245】
さらなる態様は、本発明による坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む治療上の処置の方法、本発明による坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む外科治療の方法、並びに本発明による坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む診断方法、そして本発明による坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む化粧用処置の方法に関する。
【0246】
さらなる態様において、本発明による坐剤の製造における生体適合性ポリマーの使用を提供する。
【0247】
図面の説明
肛門坐剤としての使用を意図する時、本発明の好ましい態様による坐剤の形状及び大きさは、ざっと図1、5、7、8、及び9に説明されるとおりである。
【0248】
端部を含む、軸方向(遠心端部分から近位端部分への方向)の全長は、約7.0 cm〜7.5 cmであり、次第に細くなっている遠心端部分の最大直径は、約1.4 cm〜1.8 cm、であり、中心部分の平均、又は最小直径は、約0.9 cm〜1.1 cmであり、そして−近位端での−端部の最大直径は、約1.2 cm〜2.5 cmである。
【0249】
端部の形状が、直腸の入り口に位置する痔核(hemoroids)、又は上述の痔核に関連するあらゆる痛みの治療のための薬剤の投与を可能にする。この原理は、直腸における肛門坐剤(黒色の物体)のおおよその位置を示す図6に説明される。
【0250】
本発明による坐剤の他の態様は、1.0 cm〜約10 cm、好ましくは2.0 cm〜7.5 cm、例えば3.0 cm〜7.5 cm、例えば4.0 cm〜7.5 cm、例えば約7.5 cmの総体的な軸長がある。
【0251】
坐剤の中心部分の軸長は、好ましくは0.5〜7.5 cm、好ましくは2.0〜6.5 cm、例えば2.5 cm〜6.0 cm、例えば3.0 cm〜5.0.cm、例えば約4.5 cmである。
【0252】
本発明による坐剤は、直腸坐剤(図1、 5、及び6に1の好ましい態様を示す)、膣の坐剤(1の好ましい態様を図2に示す)、耳に使用するための耳の坐剤(1の好ましい態様を図3に示す)、並びに鼻の坐剤(1の好ましい態様を図4に示す)のいずれかに使用可能である。膣坐剤としての使用のために設計された坐剤を、約7 cm掛ける約7 cmの大きさの、三角の形状(A)の端部の正面像を説明する図2に表す。前記図面の一部(B)は、坐剤の側面図を表し、ここで、その端部は約1.2 cm〜1.8 cmの平均の直径、好ましくは約1.5 cmの均一な直径、並びに丸い先端を持つ遠心端部分を伴う中心部分の近位端に付着する。
【0253】
耳に使用するために設計された坐剤は、端部、及び約0.7 cm〜0.9 cmの均一な直径がある中心部分、並びに丸い遠心端部分を示す側面図(A)を表す図3に説明される。坐剤の全長は、約2.5 cm〜約3.0 cm、好ましくは約2.8 cmである。部分(B)は、約0.8 cm〜1.2 cmの直径を持つ円状に形成された端部の正面像を説明する。
【0254】
図4は、約1.8 cm〜2.2 cm、好ましくは約2.0 cmの全長、及び約0.8 cm〜1.2 cm、好ましくは約1.0 cmの最大直径を持つ円錐形に形成された鼻の坐剤を表す。
【0255】
実施例
以下に言及した実施例は、本発明の特定の態様を例証しており、本発明に対する制限とみなされるべきでない。
【0256】
実施例1
重合体組成物
材料:
ポリオール:  Arcol 1025 (ARCO Chemical Products Europe Inc.)。9 mg KOH/gのOH値を持つ2.2−ジヒドロキシジプロピルエーテルをベースとする長鎖ジオール
Arcol 320 (ARCO Chemical Products Europe Inc.)。381 mgKOH/gのOH値を持つ低分子量ポリオキシプロピレン・トリオール
イソシアネート:Lupranat M20S (BASF Elastogran)
NCO−%=30%のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
他:      Tegostab B8229 (Th Goldschmidt)
Siliconoil−セル 調節/セル 開放
Tegostab B 8694 (Th Goldschmidt)
Tegostab B 8729LF (Th Goldschmidt)
Tegostab B 8715LF (Th Gpldschmidt)
Baylith L Paste(Bayer AG)
油−水アボルダント(aborbant)に懸濁したZeolith
CTX−20101 (ChemTrend A/S)
Linen
触媒:     DABCO 33 LV (Edulan A/S)
ジプロピレングリコール中に溶解した33%のトリエチレンジアミン
混合物:
A:
Arcol 1025    100  重量ユニット
O        2    〃
Tegostab B8229   2    〃
DABCO 33 LV    1    〃
Lupranat M20S   44    〃
密度  1200 g/l
B:
Arcol 1025     80  重量ユニット
Arcol 3320     20    〃
Baylith L Paste   5    〃
DABCO 33 LV     1    〃
Lupranat M20S   29    〃
密度 90〜200 g/l
100% 開放セル
C:
Arcol 1025     10  重量ユニット
0.2    〃
Tegostab B8694  0.4    〃
DABCO 33 LV    0.1    〃
Lupranat M20S   4,4    〃
D:
Arcol 1025     10  重量ユニット
O        0.2    〃
Tegostab B8694   0.2    〃
DABCO 33 LV    0.1    〃
Lupranat M20S   4.4    〃
E:
Arcol 1025     10  重量ユニット
0        0.2    〃
Tegostab B8729LF  0.2    〃
DABCO 33 LV     0.1    〃
Lupranat M20S    4.4    〃
F:
Arcol 1025     10  重量ユニット
0        0.2    〃
Tegostab B8715LF  0.2    〃
DABCO 33 LV    0.1    〃
Lupranat M20S   4.4    〃
実施例2
放出制御製剤
材料:
ポリエチレングリコール(PEG) 8000 Hoechst
4000 Hoechst;Clariant,
1500 Hoechst
400 Merck Schuchart;Clariant
10,000 Merck Schuchart
6000 Merck Schuchart;Clariant
35,000 Clariant
3500 Clariant
2000 Clariant
1000 Unikem−Magcrogol;Clariant
混合物:
G:
PEG 1500  PEG 400      95:5
H:
PEG 2000  PEG 1500      1:3
I:
PEG 2000  PEG 1000      1:1
J:
PEG 4000  PEG 1000      1:3
K:
PEG 4000  PEG 1000      4:96
L:
PEG 4000  PEG 1000  PEG 400  6:3:1
実施例3
生理活性物質を含む放出制御製剤
材料
PEG  実施例2を参照のこと
カフェイン ph.Eur.srdEd(Unikem、cat.no. 264283)
混合物
M:
1:3の比率で混合したPEG 4000とPEG 1000
0.45%のカフェイン
【図面の簡単な説明】
【図1】
肛門坐剤の適当な形状の例。
【図2】
膣坐剤の適当な形状の例。
【図3】
耳に使用するための坐剤の適当な形状の例。
【図4】
鼻の坐剤の適当な形状の例。
【図5】
肛門坐剤の適当な形状の例。
【図6】
肛門坐剤(黒色の物体)のおおよその位置を示している直腸の図。
【図7】
肛門坐剤の適当な形状の例。
【図8】
肛門坐剤の適当な形状の例。
【図9a】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図9b】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図9c】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図9d】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図9e】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図9f】
肛門坐剤の適当な形状の例を説明する。
【図10】
直腸の図を説明する。肛門管及び尾部の半月状ひだ(caudal semilunary fold)を矢印で示す。

Claims (90)

  1. 少なくとも1の生理活性物質の投与のための坐剤であって、以下の:
    i)本質的に非生分解性である少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む重合体組成物;及び
    ii)上記の少なくとも1の生理活性物質を制御放出するための、少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1の第2重合体を含む放出制御製剤、ここで、上記の少なくとも1の第1重合体の融点は、上記の少なくとも1の第2重合体の融点より低い;
    を含み、そして水性流体と接触した時、本質的に膨張しない上記坐剤。
  2. 前記重合体組成物が、約100グラム/リットル〜約250グラム/リットルの比重を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  3. 室温における前記重合体組成物の圧縮弾性率が、約10kPa〜約30kPaである、請求項1に記載の坐剤。
  4. 前記重合体組成物が、開放セル及び独立セルから成る群から選ばれるセルの混合物をさらに含む、請求項1に記載の坐剤。
  5. 前記セルの大部分が開放セルである、請求項4に記載の坐剤。
  6. 前記セルの約90%超が開放セルである、請求項5に記載の坐剤。
  7. 本質的に全ての前記セルが開放セルである、請求項6に記載の坐剤。
  8. 前記重合体組成物が、分岐したか、又は架橋された状態の少なくとも1の生体適合性ポリマーを含む浸透性マトリックスにより少なくとも部分的に互いに引き離された複数の開放セルをさらに含む、請求項1に記載の坐剤。
  9. 前記重合体組成物の少なくとも一部が、水性流体を含んでいることができる連結された複数の開放セルを含む、請求項8に記載の坐剤。
  10. 実際的な状況下、前記坐剤と水性流体の接触が、本質的に流体が開放セルに入らずに終わる、請求項9に記載の坐剤。
  11. 前記重合体組成物の透過性が、実際的な状況下、本質的に、坐剤に接触している粘膜組織の脱水なしに開放セル中への流体の流入をもたらす、請求項10に記載の坐剤。
  12. 前記重合体組成物の重合体のガラス−ゴム転移温度が、約15℃超、そして好ましくは40℃未満、例えば約20℃〜約40℃の範囲内、例えば約35、例えば約36℃のガラス−ゴム転移温度、例えば約25℃〜約35℃の範囲内、例えば約30℃〜約35℃の範囲内に在る、請求項1に記載の坐剤。
  13. 前記生体適合性ポリマーが、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレンから成る群から選ばれる、請求項1に記載の坐剤。
  14. 前記生体適合性ポリマーが、ポリウレタンである、請求項1に記載の坐剤。
  15. 前記ポリウレタンが、少なくとも1のポリオールと少なくとも一部が重合している少なくとも1のポリイソシアネートを含む、請求項14に記載の坐剤。
  16. 前記の少なくとも1のポリイソシアネートの本質的に全てが、前記少なくとも1のポリオールの本質的に全てと重合している、請求項15に記載の坐剤。
  17. 前記少なくとも1のポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及び複素環式ポリイソシアネートから成る群から選ばれる、請求項15に記載の坐剤。
  18. 前記少なくとも1のポリオールが、芳香族ポリオール、脂肪族ポリオール、及び複素環式ポリオールから成る群から選ばれる、請求項15に記載の坐剤。
  19. 前記少なくとも1のポリオールが、脂肪族であり、かつ、前記少なくとも1のポリイソシアネートが、脂肪族である、請求項15に記載の坐剤。
  20. 前記少なくとも1のポリオールが、脂肪族、例えば2,2−ジヒドロキシ−ジプロピルエーテルを含むか又は本質的にそれから成る重合体であり、かつ、前記少なくとも1のポリイソシアネートが、芳香族、例えばジフェニルメタンジイソシアネートを含むか又は本質的にそれから成る重合体である、請求項15に記載の坐剤。
  21. 前記少なくとも1のポリオールが、芳香族であり、かつ、前記少なくとも1のポリイソシアネートが、脂肪族である、請求項15に記載の坐剤。
  22. 前記少なくとも1のポリオールが、芳香族であり、かつ、前記少なくとも1のポリイソシアネートが、芳香族である、請求項15に記載の坐剤。
  23. 2種のポリオールを含む、請求項15に記載の坐剤。
  24. 前記ポリオールが、ジオール及びトリオールから成る群から選ばれる、請求項15〜23のいずれか1項に記載の坐剤。
  25. 前記少なくともポリオールの平均の官能性が、0.2〜5、好ましくは0.5〜2である、請求項23に記載の坐剤。
  26. 各々、i)前記少なくとも1のポリイソシアネートに含まれるNCO基とii)前記少なくとも1のポリオールに含まれるOH基の比率が、約0.5〜約2.5の範囲内、そして好ましくは約0.7〜約1.3の範囲内に存在する、請求項15に記載の坐剤。
  27. 前記放出制御製剤が、15℃〜40℃の軟化点を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  28. 前記放出制御製剤が、25℃〜45℃の軟化点を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  29. 前記放出制御製剤が、30℃〜35℃の軟化点を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  30. 前記放出制御製剤が、例えば坐剤が室温で本質的に硬く、かつ、坐剤が体温で本質的に柔らかいような、軟化点を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  31. 前記放出制御製剤が、2の異なる第1重合体を含む、請求項1に記載の坐剤。
  32. 前記放出制御製剤が、3以上の異なる第1重合体を含む、請求項1に記載の坐剤。
  33. 前記放出制御製剤の第1重合体が、ポリエチレングリコール(PEG)から成る群から選ばれる、請求項1、及び31〜32のいずれか1項に記載の坐剤。
  34. 前記PEGが、100〜1500の平均分子量を持つ、請求項31に記載の坐剤。
  35. 前記PEGが、400〜1000の平均分子量を持つ、請求項31に記載の坐剤。
  36. 前記PEGが、約400の平均分子量を持つ、請求項31に記載の坐剤。
  37. 前記PEGが、約1000の平均分子量を持つ、請求項31に記載の坐剤。
  38. 前記放出制御製剤が、2の異なる第2重合体を含む、請求項1に記載の坐剤。
  39. 前記放出制御製剤が、3以上の異なる第2重合体を含む、請求項1に記載の坐剤。
  40. 前記放出制御製剤の第2重合体が、ポリエチレングリコール(PEG)から成る群から選ばれる、請求項1、及び38〜39のいずれか1項に記載の坐剤。
  41. 前記PEGが、1000超の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  42. 前記PEGが、1000〜35,000の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  43. 前記PEGが、1500〜10,000の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  44. 前記PEGが、約2000の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  45. 前記PEGが、約4000の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  46. 前記PEGが、約6000の平均分子量を持つ、請求項40に記載の坐剤。
  47. 前記放出制御製剤が、200〜1500の平均分子量を持つPEGから成る群から選ばれる第1重合体、及び1000〜35,000の平均分子量を持つPEGから成る群から選ばれる第2重合体を含む、請求項1に記載の坐剤。
  48. 前記第1重合体が、約1000の平均分子量を持つPEGペグであり、かつ、第2重合体が、約4000の平均分子量を持つPEGある、請求項47に記載の坐剤。
  49. 第1重合体と第2重合体の間の比率が、3:1である、請求項47又は48に記載の坐剤。
  50. 前記放出制御製剤が、界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の坐剤。
  51. 前記界面活性剤が、PEGモノエステルである、請求項1に記載の坐剤。
  52. 前記界面活性剤が、PEGモノステアレートである、請求項1に記載の坐剤。
  53. 前記坐剤が、第1組成物を含む中心核、並びに上記中心核を囲み、かつ、第2組成物を含む周囲部分を含む、請求項1〜52のいずれか1項に記載の坐剤。
  54. 前記中心核が、放出制御製剤を含み、かつ、前記周囲部分が、重合体組成物を含む、請求項53に記載の坐剤。
  55. 単位体積あたりの質量として計測される前記中心核の比重が、単位体積あたりの質量として計測される前記周囲部分の比重より高い、請求項53に記載の坐剤。
  56. 前記第1及び第2組成物のいずれとも同一でない第3組成物を含む末端部分をさらに含み、そしてここで、上記第3組成物の少なくとも一部が、第2組成物を含む周囲部分と接触状態で存在する、請求項53又は54に記載の坐剤。
  57. 前記末端部分が、坐剤と実際的な環境下、上記坐剤と接触状態にある外部環境に存在する流体の間の関門を定義することにより坐剤の透水性を制御する層である、請求項56に記載の坐剤。
  58. 前記坐剤の表面積の少なくとも一部を覆い、かつ、前記重合体と同一ではないコーティング組成物をさらに含む、請求項1〜57のいずれか1項に記載の坐剤。
  59. 前記生理活性物質が薬剤である、請求項1〜59のいずれか1項に記載の坐剤。
  60. 前記薬剤が、鎮痛剤から成る群から選ばれる、請求項59に記載の坐剤。
  61. 前記鎮痛剤がリドカインである、請求項60に記載の坐剤。
  62. 前記放出制御製剤が、少なくとも1のカプセル封入剤を含むカプセルに包含された生理活性物質を含む、請求項1に記載の坐剤。
  63. 前記カプセルが、PEG、タンパク質、脂質、及びカゼインから成るカプセル封入剤の群から選ばれるカプセル封入剤を含む、請求項60に記載の坐剤。
  64. 好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織と接触する時に、前記カプセルが、崩壊し、そして薬剤を放出するように適合させた、請求項60に記載の坐剤。
  65. 好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織によって分泌された湿気を含めた流体に接触する時に、薬剤を含む前記カプセルが、崩壊し、薬剤を放出するように適合させた、請求項60に記載の坐剤。
  66. 好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織に接触した時に、前記カプセルが、溶解し、薬剤を放出するように適合させた、請求項60に記載の坐剤。
  67. 好ましくは体腔に見られる粘膜を含む体組織によって分泌された湿気を含めた流体に接触する時に、薬剤を含む前記カプセルが、溶解し、薬剤を放出するように適合させた、請求項60に記載の坐剤。
  68. 保存剤、補助薬、安定化剤、潤滑剤、及び崩壊剤、又はそれらのいずれかの組み合わせ物の群から選ばれる添加剤をさらに含む、請求項1〜67のいずれか1項に記載の坐剤。
  69. 前記坐剤が、本質的に長楕円形の形状を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  70. 前記坐剤が、本質的に円筒形の形状を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  71. 前記坐剤が、中心部分、第1末端部分、及び第2末端部分を持ち、ここで、少なくとも1の上記末端部分が、次第に細くなっており、そして好ましくは先がとがっている、請求項1に記載の坐剤。
  72. 前記坐剤が、中心部分、次第に細くなっている遠心端部分、及び上記近位端から軸方向に外側に広がった端部を伴う近位端を持つ、請求項1に記載の坐剤。
  73. 前記端部が、軸方向にくぼみを持つ、請求項71に記載の坐剤。
  74. 直腸坐剤として使用するための、請求項1〜73のいずれか1項に記載の坐剤。
  75. 前記坐剤が直腸にある時、上記坐剤の外面の一部又は本質的にその全てと、尾部半月状ひだ以下の直腸の粘膜の一部又は本質的にその全てとの間で接触をもたらす形状を上記坐剤が持つ、請求項73に記載の坐剤。
  76. 膣坐剤として使用するための、請求項1〜75のいずれか1項に記載の坐剤。
  77. 治療上の処置方法に使用するための、請求項1〜76のいずれか1項に記載の坐剤。
  78. 外科的治療方法に使用するための、請求項1〜77のいずれか1項に記載の坐剤。
  79. 美容的処置方法に使用するための、請求項1〜78のいずれか1項に記載の坐剤。
  80. 診断方法に使用するための、請求項1〜79のいずれか1項に記載の坐剤。
  81. 以下のステップ:
    i)重合に好適な開始材料を準備し、
    ii)上記開始材料を混合し、そして重合させて生体適合性ポリマーを得、
    iii)放出制御製剤を調製するための少なくとも1の第1重合体及び/又は少なくとも1の第2重合体、並びに生理活性物質を準備し、
    iv)上記少なくとも1の第1重合体、上記少なくとも1の第2重合体、及び上記生理活性物質を混合し、
    v)上記生体適合性ポリマー、並びに上記放出制御製剤を坐剤に望ましい形状に形成する、
    を含む請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤の製造方法。
  82. 前記坐剤が、射出成形により所定の形状に形成される、請求項81に記載の方法。
  83. 前記開始材料が、少なくとも1のポリイソシアネート、及び少なくとも1のポリオールを含む、請求項81に記載の方法。
  84. 請求項81〜83のいずれか1項に記載の方法により得ることができる産物。
  85. 痛み、麻酔、エピストミー、膣切開、結腸切開、直腸手術、痔核、予防接種、癌、ホルモン処置、及び避妊の1つ以上の処置のための請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤の使用。
  86. 痛み、麻酔、エピストミー、膣切開、結腸切開、直腸手術、痔核、予防接種、癌、ホルモン処置、及び避妊の1つ以上の処置のための薬剤の製造への請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤の使用。
  87. 請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む、治療上の処置方法。
  88. 請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む、外科的治療方法。
  89. 請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む、診断方法。
  90. 請求項1〜80のいずれか1項に記載の坐剤を、ヒトを含む動物の体腔の粘膜を含む体組織と接触させるステップを含む、美容的処置方法。
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