JP2004501923A - 発色団の改善及び発色団に関する改善 - Google Patents

発色団の改善及び発色団に関する改善 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なポルフィリン及びポルフィリン系発色団並びにポルフィリンとポルフィリン系発色団との組合せに関し、これらは特に、光化学治療及び蛍光分析及び画像処理を含む光線力学的な適用に広く有用である。特に、本発明は、新規で有用なポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリン発色団;かかる発色団の製造方法;及びかかる発色団の分析及び医学での使用方法を提供する。

Description

【0001】
〔発明の属する技術分野〕
本発明は、新規なポルフィリン及びポルフィリン系発色団及びポルフィリン及びポルフィリン系発色団の組合せに関し、これらは特に、光化学治療及び蛍光分析及び画像処理を含む光線力学的な適用に広く有用である。
【0002】
〔従来の技術〕
例えば蛍光標示式細胞分取器(FACS)における研究道具、及び光線力学的治療(PDT)におけるインビボでの標的にされた細胞の消滅をもたらすための治療薬としての、ポルフィリン及びポルフィリン系発色団の双方の重要性は、この技術で広く認識されている。これらの適用のそれぞれは、入射光線によって一重項の励起状態に励起され、及び結果的なエネルギーの放出を伴ってより一層低いエネルギー状態に減衰されるべき発色団の能力に依存する。このエネルギーは特定の波長での蛍光の光の形態で放出される場合があり、それによって、減衰する発色団に付着した細胞又は生物学的構造物が、可視化され、及び/又はFACSによって選別され得る。あるいはまた、励起のエネルギーは、最初の一重項発色団の三重項励起状態への転換によって逸散され、次いで、二原子酸素のような他の三重項へエネルギーを転移し、結果的な一重項酸素の形成を伴うことがある。一重項酸素は強力な細胞障害性の薬剤であり、従ってこの後者の過程が細胞においてか又は細胞のすぐ近くで発生すると、それは通常その細胞に死を招く。したがって、発色団は、その蛍光特性、及び光増感剤として働く能力の双方のために用いることができる。
【0003】
明らかに、蛍光画像処理又は分析、又はPDTのために、インビトロ又はインビボにおいて、ある程度の発色団の局在性の制御が必須である。このことは、特に、光線力学的治療において重要であり、発色団の減衰によって生成する一重項酸素の照射の代表的範囲が直径0.1μm未満の場合、結果として、標的細胞の死をもたらすために、発色団は通常その細胞のすぐそば、又は好ましくはその細胞内に位置しなければならない。
【0004】
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これまでに、PDTの目的のために、インビボでの特定の標的細胞に対するポルフィリンの光増感剤のターゲティングを制御することについて、わずかの試みが行われているに過ぎない。その代わり、代表的に、ポルフィリンが、腫瘍構造物からのリンパのドレナージがない場合には、腫瘍に蓄積する固有の傾向があることに信頼性が置かれている。Photofrin(R)〔ホトフリン(登録商標)〕、ヘマトポルフィリン−IXから酸でに処理によって誘導されるポルフィリン構造体の混合物からなる光増感性薬剤は、癌腫及び肉腫の処置に商業上用いられており、例えば、任意のターゲティング媒体又は手段を用いることなく、患者に従来どおり全身的に投与されている。このことは、明らかに、望ましくなく、光増感剤の間違った局在性が、光化学治療の効率を低下させるだけでなく、健康な細胞の死を招くことがある。
【0005】
特に、FACS及び蛍光画像処理の目的のために、発色団を適切なタンパク質送達分子に共有結合的に接合させることによって、発色団の生物学的標的へのインビトロでの特定の付着を達成するための努力が行われてきた。しかし、この手法は種々の問題にさらされた。第一に、細胞表面へのポルフィリン発色団の非特異的結合によって生じるバックグランド蛍光の程度を減少させるのが困難であることが分かった。第二に、発色団のタンパク質分子への付着によって、近位のタンパク質による著しい程度の励起状態のクエンチングが生じ、これが、マーカーとしてか、又は標的にされた光線力学的適用における発色団の有効性を明らかに減少させることが見出された。
これらの影響の減少が引き続き望ましい目標である。
【0006】
〔課題を解決するための手段〕
したがって、本発明の1つの見地によれば、次の式(I)のポルフィリン発色団:
【化37】
Figure 2004501923
又は次の式(II)、(III)、(IV)、及び(V)のいずれかのクロリン発色団:
【化38】
Figure 2004501923
【化39】
Figure 2004501923
【化40】
Figure 2004501923
【化41】
Figure 2004501923
又は次の式(VI)及び(VII)のいずれかのバクテリオクロリン発色団:
【化42】
Figure 2004501923
及び
【化43】
Figure 2004501923
〔式中、Rがアリール部分であり、このアリール部分が接合基Zに連結し、この接合基がインビトロ又はインビボの所定の生物学的標的に発色団を送達するためのポリペプチド分子に前記発色団を接合させることができ;
が親水性アリール部分であり;
がH又は親水性アリール又は親水性非芳香族部分であり;
及びX、X、X、及びXのそれぞれが、無関係に、H、OH、ハロゲン、C1〜3アルキル及びOC1〜3アルキルから選ばれるか、又は隣接するC−C結合を有するX及びX及び/又はX及びXがエポキシド又はシクロプロパニル構造を形成するように、X及びX及び/又はX及びXが互いに、O、CH、CHC1〜3アルキル、又はC(C1〜3アルキル)から選ばれる架橋部分を形成し;
式中、前記R、R及びRが随意に、更に1又はそれ以上の回数、−OH、−CN、−NO、ハロゲン,−T、又は−OT(式中、TがC1〜15アルキル、シクロアルキル又はアリール基又はそれらのヒドロキシル化、ハロゲン化、硫酸化、スルホン化又はアミノ化誘導体又はそれらのカルボン酸、エステル、エーテル、ポリエーテル、アミド、アルデヒド又はケトン誘導体である。)によって置換されている。〕
を提供する。
【0007】
本発明に従って発色団のコアの周りに1又はそれ以上の親水性置換基を含めることは、タンパク質の生物学的接合(bioconjugation)において通常用いられる塩基性緩衝液/DMSO又はDMF共溶液中での高められた溶解度を招く。また、高められた親水性は、非共有結合的にタンパク質に結合する発色団の傾向を著しく低下させる。発色団が、例えば、PDT又はFACSの目的のために、所定の細胞又は組織に送達するためのモノクローナル抗体のようなターゲティングタンパク質に接合すべきである場合、発色団とタンパク質との間の非共有結合の減少は、発色団が細胞表面に非特異的に転移する程度を減少させ、興味のある細胞又は組織への発色団のターゲティングの精度を実質的に向上させる。
【0008】
したがって、本発明の他の見地はまた、それぞれが親水性又は両親媒性部分を有する1又はそれ以上の親水性発色団、及びあまり親水性でない複数の物質及び/又は分子を含む混合物を分離するにあたり、前記混合物を疎水性溶離液に導入し、及び、前記1又はそれ以上の発色団が前記固相上に停止すると共に前記物質及び/又は分子が前記固相から前記溶出溶媒によって溶出するか、又は実質的に溶出するように、前記混合物及び前記溶出溶媒を親水性又は極性固相上に通す工程を含む方法を提供する。
【0009】
例えば、前記方法は、Sephadex(R)〔セファデックス(登録商標)、(デキストラン)〕カラム、又は逆相HPLC上のクロマトグラフィを含む。代表的に、前記あまり親水性でない物質及び/又は分子の混合物は、細胞及び/又は膜の混合物を含むことができる。有利には、前記1又はそれ以上の親水性発色団は、本発明にかかる1又はそれ以上の発色団を含む。
【0010】
いくつかの具体例では、X〜Xのそれぞれか、又はいくつかがHである。しかし、特に好ましい具体例では、X〜XのそれぞれがOHである。したがって、前記発色団は、上記式(II)、(III)、(IV)又は(V)のジヒドロキシクロリン又は上記式(VI)又は(VII)のテトラヒドロキシバクテリオクロリンであってもよい。ジヒドロキシクロリン及びテトラヒドロキシバクテリオクロリンの親水性は、相当するポルフィリンのものよりも、発色団のコアの周りの特別な親水性ヒドロキシ基の存在によって、高いことが見出される。
【0011】
好ましくは、前記アリール部分Rはフェニル環を含んでおり、このフェニル環は、前記発色団の大環状コアに、単結合によって連結しているのが好ましく、あるいはまたC1〜6の分枝状又は線状アルキル鎖によってそれに連結していてもよい。有利には、前記接合基Zは前記フェニル環にそのパラ(4’)位に連結することができる。
【0012】
接合基Zは、ポリペプチド分子上のアミン基に共有結合で結合することができる基;例えば、イソシアナート、イソチオシアナート、又はNHSエステル基を含むことができる。したがって、有利には、前記ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンの周りのメソ置換基のそれぞれが、前記接合基Zに共有結合することになる場合がある−NH、−NH −又は−NH を含まないべきである。このことは、前記発色団内の内部架橋の可能性を減少させるように働く。あるいはまた、前記接合基Zは、他の任意のタンパク質接合基、例えば、−NH、−NH(C1〜6アルキル)、マレアミド、ヨードアセトアミド、ケトン又はアルデヒドを含むことができる。かかる基のタンパク質分子への接合を達成する方法は、この技術において既知である。
【0013】
特に好ましい具体例では、前記接合基はイソチオシアナート基を含む。イソチオシアナートはリジン残基とたやすく反応してタンパク質に対する安定な連鎖を生じ、従って本発明の発色団の生物学的接合にとって特に安定である。
【0014】
前記接合基Zは前記アリール部分Rに単結合によって直接連結されることができる。あるいはまた、前記接合基Zは、前記アリール部分Rに、比較的高い程度の剛直性及び/又は立体障害を有する連結部分によって連結され得る。前記連結部分は、例えば、1000gモル−1よりも大きくない全分子量を有する融合されたか、又は連結されたシクロアルキル及び/又はシクロアルキル環構造物の鎖を含むことができる。特に、前記連結部分は、アントラセン、アクリジン、アントラニル、ナフチル又はナフタレン部分、又はポリアセチレン、フェニルアセチレン、又はポリフェニルアセチレン部分を含むことができる。前記発色団がポリペプチド分子に対する前記接合基Zによって接合する場合、従って前記連結部分が前記ポリペプチドとは別の前記発色団の光活動性のコアを保持する役目を果たすことができ、これによって、前記発色団が蛍光を生じる場合に前記ポリペプチドによって生じることがある蛍光消光(クエンチング)を減少させるのに役立つ。前記連結部分は上述した種類の親水性又は両親媒性部分、例えば、C〜C30ポリエチレングリコール部分を含むことができる。このことは、発色団の親水性が前記連結部分の存在によって損なわれないことを確実にするのに役立つ。
【0015】
随意に、前記アリール部分Rは、更に1又はそれ以上の、ヒドロキシのような、前記発色団の親水性を改善する役目を果たす、親水性置換基によって置換されていてもよい。
【0016】
前記親水性アリール部分Rは、フェニル環を含んでいることができ、このフェニル環が1又はそれ以上の回数、好ましくは少なくとも2回、1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されていてもよく、この親水性置換基は前記アリール部分Rの親水性を高める役目を果たす。前記フェニル環は、好ましくは、単結合によって、前記発色団の大環状コアに連結されるか、又は代わりに、C1〜6の分枝状又は線状アルキル鎖によってそれに連結されてもよい。あるいはまた、前記親水性アリール部分Rは、ピリジル又は四級化(quartenised)ピリジル{ピリジニウミル(pyridiniumyl)}環のようなヘテロアリール環を含んでよく、ヘテロアリール環は随意に1又はそれ以上の回数、好ましくは少なくとも2回、1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されることができ、親水性置換基は前記アリール部分Rの親水性を高める役目を果たす。前記ヘテロアリール環は、好ましくは、単結合によって、前記発色団の大環状コアに連結されるか、又は代わりに、C1〜6の分枝状又は線状アルキル鎖によってそれに連結されてもよい。前記1又はそれ以上の親水性置換基は、有利には、ヒドロキシ;メトキシ又はエトキシのようなアルコキシ;C〜C15ポリエチレングリコール;N−メチルピリジニウミルのような四級化ピリジル(ピリジニウミル);モノ−、ジ−又はポリ−糖類;C1〜6アルキルスルホン酸;ホスホニウム基RP(R)(R)(R)(式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR、R及びRのそれぞれが、無関係に、水素、フェニル環のようなアリール環、ピリジル環のようなヘテロアリール環、及びC1〜6アルキル鎖から選ばれ、これらアリール環、ヘテロアリール環又はC1〜6アルキル鎖が置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ、C1〜6アルキル又はアルコキシ、アリール、オキソ、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノによって置換されている。);又はリン酸基又はホスホネート基{それぞれ、ROP(O)(OR)(OR10)又はRP(O)(OR)(OR10)で表され、式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR及びR10のそれぞれが無関係に水素及びC1〜6アルキルから選ばれている。}から選ぶことができる。好ましくは、R、R及びRのそれぞれは同じであることができ、及び有利には、置換されていないフェニルでよい。適切には、前記Rはメチルでよい。有利には、前記R及びR10は同じであることができ、及び/又はメチル又はエチルでよい。
【0017】
特に好ましい具体例では、前記親水性アリール部分Rは、
m,m−(ジヒドロキシ)フェニル
【化44】
Figure 2004501923
又はそのPEG化(PEGylated)誘導体;
m,m,p−(トリヒドロキシ)フェニル
【化45】
Figure 2004501923
又はそのPEG化誘導体;
o,p,o−(トリヒドロキシ)フェニル
【化46】
Figure 2004501923
又はそのPEG化誘導体;
p−(メチルトリフェニルホスホニウム)フェニル
【化47】
Figure 2004501923
のようなm−又はp−((C1〜6)アルキルトリフェニルホスホニウム)フェニル;
p−メチルホスホノ−ジ−エトキシ)フェニル
【化48】
Figure 2004501923
のようなm−又はp−(C1〜6アルキルホスホノ−ジ−アルコキシ)フェニル;
p−メチルホスホナト−ジ−エトキシ)フェニル
【化49】
Figure 2004501923
のようなm−又はp−(C1〜6アルキルホスホナト−ジ−アルコキシ)フェニル;
m−又はp−(N−メチル−ピリジニウミル)フェニル
【化50】
Figure 2004501923
;ペントース−、ヘキソース−又は二糖類−置換フェニル
【化51】
Figure 2004501923
のようなメタ−又はパラ−糖−置換フェニル
から選ばれる。
【0018】
他の好ましい具体例では、前記親水性アリール部分Rは、p−N−(C1〜6アルキル)ピリジニウミル基又はm−N−(C1〜6アルキル)ピリジニウミル基のような四級化ピリジル(ピリジニウミル)基を含む。四級化ピリジル(ピリジニウミル)基は高度に親水性であり、及び本発明の発色団に組み込まれる場合、有利な特性を示す。この点で特に好ましい基は、m−又はp−N−((C1〜6)アルキル)ピリジニウミル基、例えば、m−N−メチルピリジニウミル
【化52】
Figure 2004501923
又はp−N−メチルピリジニウミル
【化53】
Figure 2004501923
である。
【0019】
他の特に好ましい具体例では、前記四級化ピリミジニウミル基は、p−N−(C1〜6アルキルスルホン酸)ピリジニウミル又はm−N−(C1〜6アルキルスルホン酸)ピリジニウミル;特に、p−N−(プロピルスルホン酸)ピリジニウミル
【化54】
Figure 2004501923
又はm−N−(プロピルスルホン酸)ピリジニウミル
【化55】
Figure 2004501923
のような双性イオン基からなることができる。
【0020】
好ましくは、その又はそれぞれの四級化ピリジニウミル基Rは、ヨウ化物対イオン、又は、最も好ましい具体例では、塩化物対イオンのようなハロゲン化物対イオンと結び付くことができる。
【0021】
いくつかの有利な具体例では、RはHであり、前記発色団は5,15−ジアリール−ポルフィリン、−クロリン又は−バクテリオクロリンを構成する。他の有利な具体例では、前記Rは、親水性アリールであるか、又は非芳香族部分である。例えば、前記Rは、Rに関して、上記に規定するように親水性アリール部分を含むことができる。前記親水性アリール部分Rは、前記親水性アリール部分Rと同じでよく、発色団は、その10,15及び20位に同じ置換基を持つか;又は前記親水性アリール部分Rと異なっていてもよい。あるいはまた、前記Rは、1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ又はC2〜15ポリエチレングリコールのような1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されているC1〜6アルキル鎖のような親水性のアルキル部分を含むことができる。特に好ましい具体例では、前記Rは、1,2−ジヒドロキシエチルのようなポリヒドロキシ(C1〜6アルキル)からなる。
【0022】
がRと同じ本発明の発色団は、この技術において既知の方法、例えば、ピロールを用いるベンズアルデヒドの酸触媒縮合によるか、又はジピロメタンからのポルフィリンを合成するための“MacDonald(マクドナルド)2+2”法〔Arsenault(アルセナート)等のJ.Chem.Soc.1960,82:4384〜4389−参考として本明細書に組み入れる。〕に従って合成することができる。
【0023】
本発明の5−イソチオシアナトフェニル−15−ピリジニウムポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリンを合成するための一般化された図式を、次の図式1として提示するが、式中、“RX”は、式(I)から(VII)に関して上記に規定するようなC1〜6アルキル又は親水性置換基のような四級化する基を示す:
【化56】
Figure 2004501923
【0024】
本発明の5−イソチオシアナトフェニル−15−メチルホスホニウムフェニルポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリンを合成するための一般化された図式を、次の図式2として提示するが、式中、Rは、水素、C1〜6アルキル、ヘテロ環式基又は芳香族基を示す:
【化57】
Figure 2004501923
【0025】
及び随意にRがピリジニウミルフェニルからなる本発明のポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリンは、図式3として次に提示する一般化された反応図式に従って合成することができ、式中、“R”は、式(I)から(VII)に関して上記に規定するような水素か、又は1又はそれ以上の親水性置換基を示す:
【化58】
Figure 2004501923
【0026】
前記R及び随意にRがアルキルホスホナトフェニル又はアルキルホスホノフェニルからなる本発明のポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリンは、図式4として次に提示する一般化された反応図式に従って合成することができ、式中、“R”は、OH、ONa、又はO(C1〜6アルキル)を示す:
【化59】
Figure 2004501923
【0027】
本発明の更なる見地においては、5,10,15及び20メソ−位に選定された置換基を有する5,10,15,20−テトラ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団を合成するための新規な方法であって;5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団を提供する工程;脱離基Qを前記発色団の10及び20メソ−位に付着させる工程であって、脱離基Qがハロゲン化物及びトリフレートから選ばれている工程;連関(カップリング)試薬(R11O)(R12O)BR13を提供する工程であって、R11及びR12が、無関係に、H又はC1〜6アルキルから選ばれているか、又はR11及びR12が互いに前記2つのO原子でつながれているC1〜6アルキル鎖を構成し、及びR13が、上記Rに関して規定される親水性アリール部分のようなビニル又はアリールである工程;及び前記発色団と前記連関試薬とを、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸セシウム及び水酸化バリウムから選ばれる塩基、及びPd触媒の存在下に反応させる工程を含み;前記R13を前記発色団の10−及び20−メソ位で前記離脱基Qと交換する方法を提供する。
【0028】
ボロン酸又はボロンエステル試薬を用いるPd−触媒Suzuki(スズキ)カップリング反応は、この技術において既知であり、及び例えば、Miyaura(ミヤウラ)及びSuzukiの、オルガノボロン化合物のパラジウム−触媒クロス−カップリング反応、Chem.Rev.(1995)95:2457〜2483に記載されており;その開示を参考としてここに組み入れる。しかし、これまでに、ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンのメソ−位で、選定された置換基を前記メソ位上に取り込む手段として、Suzuki−カップリングを行う試みは失敗している。しかし、本発明者は、本発明にかかる反応条件下に、Suzuki−カップリングが、出発ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンの10−及び20−メソ位で速やかに及び首尾よく進むことを見出した。この方法は、それに関して、テトラ−メソ−置換されたポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンの都合のよい合成をSuzuki−カップリングによって可能にする。
【0029】
前記脱離基Qは、塩化物、臭化物、ヨウ化物又はトリフレート(トリフルオロメタンスルホネート)でよい。適切には、前記離脱基Qは臭化物でよい。ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンのメソ−ブロム化のための方法は、この技術において既知である。例えば、前記5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団は、その10−及び20−メソ−位で、ブロモスクシンイミドのようなハロスクシンイミドとの反応によりハロゲン化することができる。
【0030】
前記連関試薬は、ボロン酸エステル又はボロン酸からなることができる。好ましい具体例では、前記R11及びR12のそれぞれはHであり、前記連関試薬はボロン酸である。
【0031】
有利には、前記5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団は、本発明の発色団であるか、又はその保護された形態である。したがって、前記5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団は、次の式(VIII)のポルフィリン発色団:
【化60】
Figure 2004501923
又は次の式(IX)、(X)、(XI)、及び(XII)のいずれかのクロリン発色団:
【化61】
Figure 2004501923
【化62】
Figure 2004501923
【化63】
Figure 2004501923
【化64】
Figure 2004501923
又は次の式(XIII)及び(XIV)のいずれかのバクテリオクロリン発色団:
【化65】
Figure 2004501923
【化66】
Figure 2004501923
から選ぶことができ、
式中、Rは、式(I)から(VII)に関して上記に規定するような基Rであるか、又はその保護形態であるか、又はそれに対して転換できる基であり;Rは、式(I)から(VII)に関して上記に規定するような基Rであるか、又はその保護形態であるか、又はそれに対して転換できる基であり;及びX、X、X、及びXのそれぞれは、無関係に、H、OH、ハロゲン、C1〜3アルキル及びOC1〜3アルキルから選ばれるか、又は隣接するC−C結合を有するX及びX及び/又はX及びXがエポキシド又はシクロプロパニル構造を形成するように、X及びX及び/又はX及びXは互いに、O、CH、CHC1〜3アルキル、又はC(C1〜3アルキル)から選ばれる架橋(bridging)部分を形成する。
【0032】
したがって、式中、R13は、Rに関して上記に規定するような親水性アリール置換基であり、また、前記5,10,15,20−テトラ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団は、本発明の発色団を構成することができる。
【0033】
前記Pd触媒は、例えば、Pd(PPh、PdCl(PPh、又はPd(OAc)からなることができる。有利には、前記Pd触媒はPd(PPhからなることができる。
【0034】
前記連関反応は、溶媒中で行われ、溶媒はトルエン又はドライTHFから選ぶことができる。連関反応はドライTHF中ですばやく進むことがわかったので、ドライTHFが溶媒として好ましい。
【0035】
随意に、式中、前記R13はビニルであり、前記5,10,15,20−テトラ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団は、前記連関反応に次いで、前記10−及び20−ビニル置換基をヒドロキシアルキルに転換させるような、OsOを用いるオスミレーション反応を受けさせることができる。前記オスミレーション反応は、ポルフィリンをジ−ベータ−ヒドロキシ−クロリンに転換し次いでテトラ−ベータ−ヒドロキシ−バクテリオクロリンにするのに適切な条件と同じ条件下で行うことができる。この工程が、本発明により、DiMagno(ジマグノ)等のJ.Org.Chem.1993:58,5983〜5993,(参考としてここに組み入れる。)に記載されたビニルトリブチルスズを連関試薬として用いる方法に従って、前記5,15−ジ−メソ−置換発色団において行われたPd−触媒Stille(シュティレ)カップリングによる方法のような本発明の方法によらないで得られた5,10(ビニル),15,20(ビニル)−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団上でも行えることが注目される。
【0036】
前記テトラ−メソ−置換発色団がポルフィリン又はクロリン発色団である場合、前記発色団は、それぞれ、この技術における熟練者に既知の方法に従って、クロリン又はバクテリオクロリン発色団にか、又はバクテリオクロリン発色団に転換させることができる。例えば、前記ポルフィリン又はクロリン発色団は、ジ−ベータ−ヒドロキシ−クロリン又はテトラ−ベータ−ヒドロキシ−バクテリオクロリンを生成させるような、OsOを用いる反応によってオスミレーションすることができる。
【0037】
本発明にかかる反応のための一般化された図式を次の図式5及び6において提示する。図式5において、“R” 及び“R”は、それぞれ、R及びRのそれぞれに関して上記に規定するような1又はそれ以上の親水性置換基を示す。図式6において、“R” は、Rに関して上記に規定するような1又はそれ以上の親水性置換基を示し、及び“X”は炭素又は窒素原子を示す。
【化67】
Figure 2004501923
【化68】
Figure 2004501923
【0038】
本発明の他の見地において、5,15−ジフェニルポルフィリン、5,15−ジフェニルクロリン又は5,15−ジフェニルバクテリオクロリン発色団であって、5−及び15−フェニル基のそれぞれのオルト−、メタ−、及び/又はパラ−位のそれぞれが、置換基P〜P及びQ〜Qのそれぞれによって置換されており、それら置換基が無関係にH又は不活性置換基であり、この置換基が他の置換基P〜P及びQ〜Qと相まって発色団の蛍光特性を実質的に損なうことなく;及び発色団が更に接合基Zを含み、この接合基がインビトロ又はインビボの所定の生物学的標的に発色団を送達するためのポリペプチド分子に前記発色団を接合させることができる発色団を提供する。
【0039】
かかる発色団は、新規であり、及びそれぞれが、異なり及び実質的に重なりのない波長での蛍光の光を発光させる励起において有能である。上記に示したように、接合基Zの提供は、本発明の発色団が所定の生物学的標的を特異的に標的にするのを可能にし、従って、インビトロ又はインビボでの発色団の局在性の制御を促進する。したがって、本発明の発色団は、蛍光分析及び画像処理適用(FACSを含む)、又はPDTにおいて、有効に用いることができる。
【0040】
有利には、前記蛍光色素は、次の化合物:
【化69】
Figure 2004501923
【化70】
Figure 2004501923
【化71】
Figure 2004501923
【化72】
Figure 2004501923
【化73】
Figure 2004501923
【化74】
Figure 2004501923
【化75】
Figure 2004501923
から選ばれ、式中、X、X、X及びXのそれぞれは、本発明の第1の見地に関して上記に規定されるようなものである。随意に、前記発色団は、更に、1又はそれ以上のその2,3,7,8,12,13,17又は18位で、C1〜3アルキル置換基によって置換されることができる。
【0041】
上記化学構造式において、Zは、明確にするために除外している。しかし、前記Z置換基は、各発色団の任意の1〜4,6〜14,又は16〜20位に付着することができるか、又は置換基P〜P又はQ〜Qの1つでよいか、又は前記置換基P〜P又はQ〜Qの1つによって5−又は15−フェニル基の1つに付着することができる。
【0042】
いくつかの具体例において、P〜Pのそれぞれは、前記2つの主要なフェニル環が対称的に置換されるように、前記Q〜Qの相当する1種と同じであるか、又は実質的に同じである。他の具体例では、P〜Pの1又はそれ以上は、前記2つの主要なフェニル環が対称的に置換されないように、Q〜Qの相当する1種と同じでない。特に、P〜Pのすべて及び/又はQ〜Qのすべては、前記2つの主要なフェニル環の一方又は双方が置換されないように、Hからなることができる。
【0043】
有利には、前記置換基P〜P及びQ〜Qが、全体として、前記発色団の自発的酸化の速度を減少させるのに十分な程度の前記発色団のコアの周りの立体障害を提供し、前記発色団が空気中で実質的に不活性であるが、実質的な範囲で、前記発色団のコアの周りの2、3、7、8、12、13、17又は18位での選択的な付加又は置換を抑制しない。したがって、P、P、Q及びQのそれぞれはHでよい。代表的に、前記置換基P〜Pのすべての累積的な分子量は1000gモル−1を超えず、及び前記置換基Q〜Qのすべての累積的な分子量は1000gモル−1を超えない。
【0044】
前記置換基P〜P及びQ〜Qの1又はそれ以上は、−OH、−CN、−NO、ハロゲン、−T、又は−OTからなることができ、式中、TはC1〜15アルキル、シクロアルキル又はアリール基又はそれらのヒドロキシル化、ハロゲン化、硫酸化又はアミノ化誘導体又はそれらのカルボン酸、エステル、エーテル、ポリエーテル、アミド、アルデヒド又はケトン誘導体である。前記置換基P〜P及びQ〜Qの1又はそれ以上は、追加として又は代わりに、C3〜12シクロアルキル及び/又はアリール環構造、又は2と6との間の、好ましくは2〜3の、融合されたか、又は連結されたC3〜12シクロアルキル及び/又はアリール環構造からなることができ、それらの環構造のそれぞれが随意に1又はそれ以上のN、O又はS原子を含むことがある。特に、1又はそれ以上の前記置換基P〜P及びQ〜Qは、N−メチルピリジル(ピリジニウミル)基のような四級化アミン又はピリジル基からなることができる。
【0045】
好ましくは、P〜P及びQ〜Qの1種は前記接合基Zからなる接合置換基である。特に好ましい具体例では、前記接合置換基はP又はQであり、前記接合基Zは2つの主要なフェニル環の1つのパラ位上に提供される。
【0046】
適切には、前記接合基は、本発明の第1の見地に関して上記に規定されるようなものである。
【0047】
特に、前記置換基P〜P及びQ〜Qの1又はそれ以上は、前記接合置換基でなく、A14
からなる群より無関係に選ばれる一員からなることができ、式中、Zは、Z、Z又はZであり;
及びAは、無関係に、−(CA−、−C(Y)(CA−、−C(Y)Y’(CA−、−C(Y)NA(CA−、−NAC(Y)(CA−、−NA(CA、−YC(Y’)(CA−及び−Y(CA−から選ばれており;n=0〜6であり;Y及びY’は無関係にO又はSであり;A、A及びAは無関係にH又はC1〜2アルキルであり、このアルキルは置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;
=−(CO)−又は−S(O)であり;m=1〜12であり;p=0〜2であり;
は単結合又はZであり;ZはZ、Z及びZから選ばれており、このZは、置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、OH、ハロ、CN、NO、A10、A、NA1011、C(Y)A、C(Y)Y’A、Y(CHY’A、Y(CH、C(Y)NA1011、Y(CHC(Y’)NA1011、Y(CHC(Y’)A、NA10C(Y)NA1011、NA10C(Y)A11、NA10C(Y)Y’A、NA10C(Y)Z、C(NA10)NA1011、C(NCN)NA1011、C(NCN)SA、NA10C(NCN)SA、NA10C(NCN)NA1011、NA10S(O)、S(O)、NA10C(Y)C(Y’)NA1011、NA10C(Y)C(Y’)A10又はZによって置換されており;q=0、1又は2であり;r=0〜2であり;Aは無関係にH及びAから選ばれており;AはO又はAであり;AはC1〜4アルキルであり、このアルキルは置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;A10はOA又はA11であり;A11は、Aであるか、又はA10及びA11がNA1011としてのときには、それらが窒素と共に、炭素原子だけからなるか、又は炭素原子と、O、N及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子とからなる5乃至7員環を形成することができ;
はC6〜12アリール又はアリールオキシC1〜3アルキルであり;
は、フラニル、テトラヒドロフラニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、1又は2の不飽和結合を含むC3〜8シクロアルキル又はC4〜8シクロアルキル、及びC7〜11ポリシクロアルキルから選ばれており;
は、N−アゾリル、ジオキサジアジニル、ジオキサジアゾリル、ジオキサニル、2−N−ジオキサトリアジニル、ジオキサジニル、N−ジオキサゾリル、ジオキソリル、ジチアジアジニル、ジチアジアゾリル、N−ジチアトリアジニル、ジチアジニル、N−ジチアゾリル、1−N−イミダゾリル、N−モルフォリニル、ピロールイル、テトラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ナフチドリニル、オキサジアジニル、オキサジアゾリル、オキサテトラジニル、オキサトリアジニル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ペンタジニル、フタルアジニル、N−ピペリジニル、N,N−ピペラジニル、1−N−ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラチアジニル、テトラジニル、1−N−テトラゾリル、テトロキサジニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアテトラジニル、チアトリアジニル、チアトリアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、1−N−トリアゾリル、トリオキサダジニル、トリオキサニル、トリオキサジニル、トリオキサゾリル、トリチアジアジニル、トリチアジニル、トリチアジアゾリルから選ばれており;
、Z又はZは、Z、Z及びZから無関係に選ばれる1又はそれ以上の他の構成員に融合することができ;
14は、水素、メチル、ヒドロキシ、アリール、ハロ置換アリール、アリールオキシC1〜3アルキル、ハロ置換アリールオキシC1〜3アルキル、インダニル、インデニル、C7〜11ポリシクロアルキル、テトラヒドロフラニル、フラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、C3〜6シクロアルキル、又は1又は2の不飽和結合を含むC4〜6シクロアルキル{シクロアルキル又は複素環式部分が置換されていないか、又は1〜3のメチル基、1つのエチル基、又はヒドロキシル基によって置換されている。}である。
【0048】
前記接合置換基は、AZからなる群より選ばれる一員からなることができ、
式中、ZはZ、Z又はZであり;
及びAは、無関係に、−(CA−、−C(Y)(CA−、−C(Y)Y’(CA−、−C(Y)NA(CA−、−NAC(Y)(CA−、−NA(CA、−YC(Y’)(CA−及び−Y(CA−から選ばれており;n=0〜6であり;Y及びY’は無関係にO又はSであり;A、A及びAは無関係にH又はC1〜2アルキルであり、このアルキルは置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;
=−(CO)−又は−S(O)であり;m=1〜12であり;p=0〜2であり;
は単結合又はZであり;ZはZ、Z及びZから選ばれており、 このZは、置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、OH、ハロ、CN、NO、A10、A、NA1011、C(Y)A、C(Y)Y’A、Y(CHY’A、Y(CH、C(Y)NA1011、Y(CHC(Y’)NA1011、Y(CHC(Y’)A、NA10C(Y)NA1011、NA10C(Y)A11、NA10C(Y)Y’A、NA10C(Y)Z、C(NA10)NA1011、C(NCN)NA1011、C(NCN)SA、NA10C(NCN)SA、NA10C(NCN)NA1011、NA10S(O)、S(O)、NA10C(Y)C(Y’)NA1011、NA10C(Y)C(Y’)A10又はZによって置換されており;q=0、1又は2であり;r=0〜2であり;Aは無関係にH及びAから選ばれており;AはO又はAであり;AはC1〜4アルキルであり、このアルキルは置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;A10はOA又はA11であり;A11は、Aであるか、又はA10及びA11がNA1011としてのときには、それらが窒素と共に、炭素原子だけからなるか、又は炭素原子と、O、N及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子とからなる5乃至7員環を形成することができ;
はC6〜12アリール又はアリールオキシC1〜3アルキルであり;
は、フラニル、テトラヒドロフラニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、1又は2の不飽和結合を含むC3〜8シクロアルキル又はC4〜8シクロアルキル、及びC7〜11ポリシクロアルキルから選ばれており;
は、N−アゾリル、ジオキサジアジニル、ジオキサジアゾリル、ジオキサニル、2−N−ジオキサトリアジニル、ジオキサジニル、N−ジオキサゾリル、ジオキソリル、ジチアジアジニル、ジチアジアゾリル、N−ジチアトリアジニル、ジチアジニル、N−ジチアゾリル、1−N−イミダゾリル、N−モルフォリニル、ピロールイル、テトラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ナフチドリニル、オキサジアジニル、オキサジアゾリル、オキサテトラジニル、オキサトリアジニル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ペンタジニル、フタルアジニル、N−ピペリジニル、N,N−ピペラジニル、1−N−ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラチアジニル、テトラジニル、1−N−テトラゾリル、テトロキサジニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアテトラジニル、チアトリアジニル、チアトリアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、1−N−トリアゾリル、トリオキサダジニル、トリオキサニル、トリオキサジニル、トリオキサゾリル、トリチアジアジニル、トリチアジニル、トリチアジアゾリルから選ばれており;
、Z又はZは、Z、Z及びZから無関係に選ばれる1又はそれ以上の他の構成員に融合することができる。
【0049】
本発明の特に好ましい具体例では、前記発色団は、次の(x)、(y)又は(z)
として提示される構造を有する発色団からなることができ:
【化76】
Figure 2004501923
【化77】
Figure 2004501923
【化78】
Figure 2004501923
式中、R及びR’は、以下の組合せ:
R               R’
4−H             4−NCS
4−Me            4−NCS
4−Br            4−NCS
4−COMe          4−NCS
3,4,5−トリス(OMe)  4−NCS
4−NCS           4−OMe
4−NCS           4−Me
4−NCS           4−COMe
4−NCS           4−Br
4−NCS           4−CN
4−NCS           4−COMe
のいずれかであることができる。
【0050】
本発明の他の具体例では、前記発色団は次に提示する構造を有するポルフィリン発色団からなることができ:
【化79】
Figure 2004501923
式中、m=0〜6であり;p=0〜15、好ましくは0〜5であり;又は相当するクロリン又はバクテリオクロリン発色団である。
【0051】
本発明の他の見地においては、マルチカラー蛍光色素分析用の蛍光色素マーカーの組合せであって、ポルフィリン発色団、クロリン発色団及びバクテリオクロリン発色団からなる群より選ばれる少なくとも2つの発色団からなり、それらの各発色団が同じポルフィリン骨格からなり、それらの各発色団が前記ポルフィリン骨格上の1又はそれ以上の置換基を含んでおり、それらの置換基の1つが接合基Zを含む接合置換基Lであり、Zが、複数の異なる所定の生物学的標的の1つに各発色団を送達するためのポリペプチド分子に、前記各発色団を接合させることができる接合基である組合せを提供する。
【0052】
好ましくは、骨格上の他の前記置換基のそれぞれは、無関係に、H、又は前記接合置換基L及びすべての他のコア置換基とともに各発色団の蛍光特性を実質的に損なわない不活性置換基Rである。
【0053】
本発明の組合せにおける各発色団が、励起において、異なる別々の波長で蛍光の光を放出することが見出された。したがって、組合せ中のすべての発色団は、単一レーザーによって励起され、実質的に個々に消散(resolve)されることがある分かれた放出バンドを生成する。さらに、前記組合せにおいて提供される発色団のすべては、同じ分子構造を実質的に共有し、及び従って、与えられた条件下での生物学的標的に対する生物学的接合の同じ程度の効率を実質的に含む、同じ生物学的及び物理化学的特性を実質的に共有する。したがって、本発明の発色団の組合せは、FACSを含む、種々の種類の細胞又は他の生物学的標的の都合のよい選別及び分析のための蛍光分析及び選別の適用に有効に用いることができる。かかる組合せの構成成分は、例えば、1又はそれ以上の前記異なる所定の生物学的標的を含む混合物に、各発色団をそのそれぞれの所定の生物学的標的に送達させる条件の下で導入され;及び前記混合物は、前記発色団に蛍光を生じさせるように光に曝されることができる。次いで、マルチカラー分析を、各発色団によって生じる異なる放出バンドを確認するために実行し、それによって、それぞれの異なる生物学的標的の位置の計数及び可視化を可能にすることができる。
【0054】
前記発色団の組合せは、特に、本発明の任意の見地の2又はそれ以上のポルフィリン発色団、相当するクロリン発色団、及び相当するバクテリオクロリン発色団からなることができる(ここで、“相当する”は、分子の大環状コアの周りに同じメソ−置換基を有することを意味する)。
【0055】
本発明の発色団において、又は本発明の発色団の組合せのそれぞれの構成員において、前記接合基Zは、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質に接合することができる。あるいはまた、前記接合基Zは、架橋ポリペプチドに接合することができ、この架橋ポリペプチドは、前記発色団を相補的架橋ポリペプチドに連関させるために、前記相補的架橋ポリペプチドに対する結合に適合する。
【0056】
いくつかの具体例では、前記架橋ポリペプチドは、前記相補的架橋ポリペプチドに結合することができ、及び前記相補的架橋ポリペプチドは、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質からなるか、これに連関するか、又はこれと融合することができる。したがって、前記発色団は、前記結合タンパク質と、前記架橋ポリペプチド及び前記相補的架橋ポリペプチドによって共有結合的に連結される場合がある。
【0057】
本発明の他の見地においては、本発明の発色団又は本発明の発色団の組合せからなるキットであって、前記発色団又は各発色団が架橋ポリペプチドに接合され、この架橋ポリペプチドが、前記発色団を相補的な架橋ポリペプチドに連関させるために、前記相補的な架橋ポリペプチドに対する結合に適合し;及び構成物又は複数の構成物が、それぞれ、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質に融合するか、又は連関する前記相補的な架橋ポリペプチドからなり;その配列が、前記発色団又は各発色団を、前記所定の生物学的標的に対して特異性を有する結合タンパク質に連結させるために、キット中の前記発色団又は各発色団を、前記所定の生物学的標的に対して特異性を有するキット中での異なる構成物への結合に適合されているキットを提供する。
【0058】
例えば、前記結合タンパク質は、前記生物学的標的の表面上の標的特異的分子に対して特異性を有するモノクローナル又はポリクローナル抗体又はそれらの断片のような抗体でよい。特に、前記抗体は、ファージ抗体であり、バクテリオファージの表面上に発現される抗体であることができる。あるいはまた、前記結合タンパク質は、血清アルブミンタンパク質のような1又はそれ以上の細胞表面分子又は受容体に対する結合に適合するタンパク質からなることができる。また更に代わりとして、前記結合タンパク質は、細胞膜中への挿入のために適合される脂肪酸鎖のような低密度リポタンパク質からなることができる。発色団に接合させる場合、かかるリポタンパク質は、発色団を細胞膜に固定する役目を果たすことができる。
【0059】
前記架橋ポリペプチドは、カルモジュリンからなることができ、及び前記相補的架橋ポリペプチドは、カルモジュリン結合ペプチドからなることができ;又は逆もまた同じである。しかし、好ましくは、前記架橋ポリペプチドは、アビジン又はストレプトアビジンからなることができ、及び前記相補的架橋ポリペプチドはビオチンからなることができ;又は逆もまた同じである。特に、本発明のキット中の前記発色団又は各発色団は、アビジンに接合することができ、及び前記構成物又は各構成物は、前記生物学的標的の表面上の標的特異的分子に対して特異性を有するビオチン化モノクローナル抗体からなることができる。したがって、前記アビジン−連結発色団が前記ビオチン化抗体を結合させる場合、前記発色団は前記抗体にしっかりと連結することになる。都合のよいことには、前記発色団又は各発色団を望ましい生物学的標的に送達させるために、キット中の前記ビオチン化モノクローナル抗体又は各ビオチン化モノクローナル抗体は、選定され及び/又はたやすく置換することができる。モノクローナル抗体の調製のための及びそのビオチン化のための方法は、この技術においてよく知られている。
【0060】
本発明の他の見地においては、本発明の発色団又は本発明の発色団の組合せを、前記所定の生物学的標的又は標的群に対して付着させるにあたり、本発明のキットを提供する工程、及び前記キットの成分を、前記結合タンパク質又は各結合タンパク質の前記所定の生物学的標的又は標的群に対する結合を可能にするための適切な条件下に、前記所定の生物学的標的又は標的群の近くに導入する工程を含む方法を提供する。有利には、前記キットの成分は、前記発色団又は各発色団に接合する架橋ポリペプチドを、キット中の1つの前記構成物上に提供される相補的な架橋ポリペプチドに結合させるために、前記標的又は標的群の導入に先立って、互いに結び付かせることができる。このことは、キット中の前記発色団又は各発色団が、前記発色団の前記標的又は標的群への導入に先立って、結合タンパク質に連結するのを確実にする。あるいはまた、前記キットの成分は、前記標的又は標的群に次いで導入することができる。
【0061】
代表的に、前記所定の生物学的標的は、細胞又は膜でよい。前記所定の生物学的標的は、インビボ又はインビトロ(エクスビボ)であってよい。例えば、前記生物学的標的は、癌細胞、腫瘍細胞、HIVにか、又は任意の他の微生物又はウイルスに感染した細胞、自己免疫疾患において有害な活性を引き起こす細胞、外来のか、又は異常細胞(diseased cell)、又は任意の他のそのような細胞である場合がある。
【0062】
本発明のいくつかの具体例では、前記生物学的標的は、インビトロの細胞であり、及び前記標的特異的分子は、ポリペプチド、糖質(carbohydrate)、脂肪酸、リポタンパク質、リン脂質又は他の生物学的分子のような、前記細胞の表面上に露出する分子からなる。好ましくは、前記標的特異的分子は、前記細胞によって特異的に発現されるか、又は余分に発現(over−express)されている。例えば、前記標的特異的分子は、CD4又はCD8のようなT細胞マーカーでよい。したがって、本発明の発色団又は本発明の発色団の組合せの一部分を形成する発色団は、前記細胞に付着し、及び前記細胞が、前記発色団の蛍光を生じさせるために照射され、発色団の蛍光によって、前記細胞が可視化され、及びFACSによる計数が行われ及び/又は選別される。
【0063】
したがって、本発明の更なる見地においては、細胞の混合物から標的細胞を蛍光活性化選別するにあたり、本発明の発色団又は本発明の発色団の組合せを前記標的細胞に付着させ、前記標的細胞に付着した前記発色団の1又はそれ以上の蛍光を生じさせるために、細胞の前記混合物に照射をし、蛍光を発する細胞に荷電を与え、及び前記荷電細胞を前記混合物から分離するか、又は分離させるために、細胞の混合物を偏極環境(polarised environment)に通す工程を含む方法を提供する。
【0064】
本発明の他の見地においては、複数の標的細胞であって、前記標的細胞が2又は3の異なる細胞種の細胞を含んでいる複数の標的細胞の可視化及び/又は計数にあたり、本発明の発色団の組合せを提供する工程であって、発色団の組合せが2又は3の発色団を含み、各発色団が異なる1つの前記細胞種に送達されるのに適合する工程;その組合せ中の前記発色団を本発明の方法に従って前記標的細胞に付着させる工程;前記発色団によって蛍光の発光を生じさせるために、前記標的細胞に照射をする工程;前記各発色団によって生じる蛍光発光バンドを検出する工程;及び随意に前記各バンドについて、それぞれの個別の細胞種の蛍光細胞の数の測定値を得るために、発光/波長曲線の下での領域を測定する工程を含む方法を提供する。
【0065】
本発明の他の具体例では、前記標的細胞は、癌細胞、腫瘍細胞、又は感染したか、外来のか又は異常細胞のようなインビトロの細胞であり、及び前記標的特異的分子は、前記標的細胞の表面によって発現されるか、又は余分に発現されるか、又はそれに付着するか、及びその上に露出する;標的細胞特異的膜タンパク質のような標的細胞特異的分子である。したがって、本発明の発色団が前記標的特異的分子に送達される場合、前記発色団は前記細胞に対して付着することになる。前記細胞が次いで、前記発色団の励起を起こさせるのに適切な波長で光を用いて照射される場合、前記細胞に付着する前記発色団は、励起を起こされ、及びこれが前記細胞のすぐ近くにおいて一重項酸素の生成を招き、従ってその細胞の死をもたらす。
【0066】
特に好ましい具体例では、前記標的細胞特異的分子は、前記細胞の表面上の内部移行(インターナリゼーション)受容体からなり、この内部移行受容体は前記結合タンパク質と結合することができ、及びそれによって前記細胞内での前記発色団の内部移行を媒介する。したがって、その後の、前記発色団の励起を起こさせるのに適切な波長での前記細胞の光を用いる照射は、前記細胞内での一重項酸素の生成を招き、従って前記細胞の死をもたらす。
【0067】
したがって、本発明は、標的細胞の消滅を起こさせるにあたり、本発明の発色団を前記細胞に付着させ及び一重項酸素の生成を前記細胞の近くで起こさせるために、前記細胞に照射をする工程を含み、それによって、細胞の死を起こさせる方法を包含する。好ましくは、前記発色団は、前記細胞の表面上の内部移行受容体に付着し、この内部移行受容体は、前記細胞内での前記発色団の内部移行を媒介することができ、及び前記細胞はその後、前記細胞内での一重項酸素の生成が生じるように照射をされ、それによって細胞の死が生じる。
【0068】
好ましくは、前記発色団が細胞内に内部移行されるのに適合する場合、前記発色団は、ミトコンドリア膜上の正味負電荷(net negative charge)によって、細胞のミトコンドリアの周りの前記発色団の細胞内蓄積を促進するために、四級化アミン又はピリジル(ピリジニウミル)基、又はホスホニウム基のような、陽イオン性の基を含む。このことは、発色団の崩壊(decay)による一重項酸素の提示があった場合に、細胞の迅速でかつ効率的な消滅をもたらす。
【0069】
本発明の他の見地においては、腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を処置するにあたり、本発明の発色団の有効な量をそれを必要としている患者に投与する工程であって、その発色団が前記細胞への付着を生じるように、その発色団が前記異常細胞か又は望ましくない細胞の表面上の標的細胞特異的分子に対してそれらへの付着のための標的にされるのに適合し、及び前記細胞の近くで一重項酸素の生成を生じさせるために、光を用いて前記細胞に照射をする工程を含み、それによって前記細胞を死滅させる方法を提供する。適切には、前記標的細胞特異的分子は内部移行受容体からなり、及び前記発色団は、前記内部移行受容体への送達において細胞内に内部移行するのに適合し、その照射によって前記細胞内での一重項酸素の生成が可能にされる。
【0070】
前記発色団は、局所的にか、又は全身的に前記患者に投与することができる。例えば、前記発色団は注射によって投与することができる。
【0071】
本発明の更に他の見地においては、腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を処置するために患者に投与される薬学組成物であって、組成物が、本発明の発色団であって、前記異常細胞か又は望ましくない細胞へ送達されるのに適合する発色団、及び適切な担体からなる薬学組成物を提供する。
【0072】
本発明の更に他の見地は、腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を患う患者の処置において用いる薬剤の製造において使用するための、本発明の発色団であって;前記発色団が、前記異常細胞か又は望ましくない細胞に対する送達のために適合する発色団を構想する。
【0073】
本発明の例の詳細な説明
以下は、実例としてのみの、本発明の具体例及び本発明を実施するための方法の説明及び例である。
発色団の合成
計測手段(Instrumentation)及び材料
融点は修正しない。H/13C NMRスペクトルをJeol JNM EX270FT−NMR分光計上で記録し、特に明記しない限り、テトラメチルシランを基準にした。I.R.スペクトルを一連の1600 FT−I.Rを用いて得、及び公称マススペクトルをKratos Kompact(クラトスコンパクト)MALDI II分光計によって得た。正確な質量をEPSRC Mass Spectrometry Service(マススペクトロメトリーサービス),Swansea(スウォンジ)から得た。電子スペクトルをUnicam(ユニカム)UV−2又はUV−4分光計を用いて得、及び特に明記しない限り、DCMにおいて取得した。すべての試薬及び溶媒は、市場で入手できるもので、試薬等級又はより一層高い等級であり、及び特別の定めのない限り、受け取ったものとして用いた。TLC分析をMerck silica−gel(メルクシリカゲル)60プレート(F254,500μmの厚さ)上で行った。メルクシリカゲル60(230〜400メッシュ)をフラッシュクロマトグラフィーの精製のために用いた。
【0074】
説明
(1) 5−{4−アセトアミドフェニル−10,15,20−トリス(3,5−ジメトキシフェニル)ポルフィリン
【化80】
Figure 2004501923
4−アセトアミドベンズアルデヒド(3.36g,0.02モル)及び3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(10mL,0.06モル)をプロピオン酸(300mL)中90℃で撹拌した。ピロール(5.5mL,0.08モル)を添加し、及びその混合物を30分間還流させながら撹拌した。冷却の際に、反応混合物を減圧中で蒸発させ、濃い紫色(dark purple)の固体を得た。ポルフィリン異性体の粗製の混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/EtOAc,4:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaSO)させ、及び減圧中に蒸発させ、紫色の固体(1.55g,9.1%)としての1を得た;R=0.50(シリカ、CHCl/EtOAc,4:1);融点>350℃分解(decomp.);H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.96(2H,br s,NH),2.23(3H,s,NHCOCH),3.93(18H,s,3,5−OCH),6.99(3H,s,10,15,20−Ar−4−H),7.07(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.38(6H,s,10,15,20−Ar−2,6−H),7.44(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.86−8.93(8H,m,β−H),10.42(1H,br s,NHCOCH);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ20.4,23.9,103.9,113.5,117.3,119,119.4,119.6,120,129,131.1,131.3,131.4,131.8,134.5,135.6,136.8,139.3,143.1,158.6,160.3,167.9,168.7;UV−vis(CHCl)λmax421,515,551,590,650nm;MS(MALDI−TOF)m/z852(M,100%)。
【0075】
(2) 5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリス(3,5−ジメトキシフェニル)ポルフィリン
【化81】
Figure 2004501923
ポルフィリン1(500mg,0.587ミリモル)を18%HCl(100mL)中に溶解し、及びその溶液を還流下に2時間加熱した。冷却の際に、反応混合物を減圧中に蒸発させ、粗製の緑色の固体を得た。その固体を9:1の混合物のジクロロメタン/トリエチルアミン(200mL)中に再び溶解し、及び室温で10分間撹拌した。次いで、その溶液を、水(3×200mL)及び鹹水(brine)(200mL)を用いて洗浄し、その有機層を分離し、及び乾燥(NaS0)させた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させ、及びその粗製の紫色固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/EtOAc,4:1)によって精製した。関連する画分を組み合わせ、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(426mg,89.7%)としての2を得た;R=0.89(シリカ,CHCl/EtOAc,4:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.80(2H,br s,NH),3.96(18H,s,3,5−OCH),6.90(3H,s,10,15,20−Ar−4−H),7.06(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.40(6H,s,10,15,20−Ar−2,6−H),7.98(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.93(8H,m,β−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ20.13,100.6,113.9,114.3,115.7,119.8,120.1,121.4,130.2,131.4,132.7,136.1,144.5,144.6,146.5,159.3;UV−vis(CHCl)λmax422,517,553,593,651nm;MS(MALDI−TOF)m/z809(M,100%)。
【0076】
(3) 5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリス(3,5−ジヒドロキシフェニル)ポルフィリン
【化82】
Figure 2004501923
新しく蒸留したクロロホルム(50mL)中の2の撹拌した溶液(1g,1.23ミリモル)に、三臭化ホウ素(1.17mL,0.012モル)を添加した。反応を、アルゴン下に17時間、室温で進ませた。次いで、反応物を0℃に冷却し、水(20mL)を添加し、及びその溶液を更に60分間撹拌した。反応物を減圧中で蒸発乾燥し、及び9:1の混合物のクロロホルム/トリエチルアミン(500mL)中に再び溶解した。その溶液を、水(3×500mL)及び鹹水(かん水500mL)を用いて洗浄し、その有機層を分離し、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて粗製の紫色固体を得た。その粗製の固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,9:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(667mg,74.5%)としての3を得た;R=0.19(シリカ,CHCl/MeOH,9:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,(CDSO]δ−2.95(2H,br s,NH),5.56(2H,br s,NH),6.69(3H,s,10,15,20−Ar−4−H),7.02(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.06(6H,s,10,15,20−Ar−2,6−H),7.87(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.94(8H,s,β−H),9.75(6H,br s,3,5−OH);13C NMR[67.5MHz,(CDSO]δ102.3,112.5,113.9,114.1,119.2,119.7,121.5,127.5,128.3,130.7−131.3,135.5,142.8,142.9,148.6,156.4,156.5;UV−vis(CHCl)λmax422,517,553,592,649nm;MS(MALDI−TOF)m/z726(M,100%)。
【0077】
(4) 5−(4−アセトアミドフェニル)−10,15,20−トリス(4−ピリジル)ポルフィリン
【化83】
Figure 2004501923
4−アセトアミドベンズアルデヒド(3.26g,0.02モル)及び4−ピリジンカルボキシアルデヒド(5.66mL,0.06モル)をプロピオン酸(300mL)中、90℃で撹拌した。ピロール(5.4mL,0.08モル)を添加し、及びその混合物を還流下に30分間撹拌した。冷却の際に、反応混合物を減圧中で蒸発させ、濃い紫色の固体を得た。ポルフィリン異性体の粗製の混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,19:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaSO)させ、及び減圧中に蒸発させて紫色の固体(526mg,3.9%)としての4を得た;R=0.22(シリカ,CHCl/MeOH,19:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.79(2H,br s,NH),2.49(3H,s,NHCOCH),8.07(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),8.21−8.28(8H,m(重複),5−Ar−2,6−H及び10,15,20−Py−2,6−H),8.84−9.06(8H,m,β−H),9.10−9.15(6H,m,10,15,20−Py−3,5−H),10.35(1H,br s,NHCOCH);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ26.8,106.9,110.1,110.2,117.9,121.1,121.5,122.1,122.2,123.3,123.8,123.9,134.7,140.1,142.5,145.1,148.2,149,149.3,149.4,149.6,150.1,175.2;UV−vis(CHCl)λmax418,514,548,587,644nm;MS(MALDI−TOF)m/z675(M,100%)。
【0078】
(5) 5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリス(4−ピリジル)ポルフィリン
【化84】
Figure 2004501923
ポルフィリン4(500mg,0.74ミリモル)を18%HCl(100mL)中に溶解し、及びその溶液を還流下に2時間加熱した。冷却の際に、反応混合物を減圧中で蒸発させ、粗製の緑色の固体を得た。その固体を9:1の混合物のジクロロメタン/トリエチルアミン(200mL)中に再び溶解し、10分間室温で撹拌した。次いで、その溶液を、水(3×200mL)及びかん水(200mL)を用いて洗浄し、その有機層を分離し、乾燥(NaS0)させた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させ、及び紫色の粗製の固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,20:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaSO)させ、及び減圧中に蒸発させて紫色の固体(422mg,90.1%)としての5を得た;R=0.31(シリカ,CHCl/MeOH,20:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.86(2H,br s,NH),4.09(2H,br s,NH),7.08(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.98(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.16(6H,m,J*=5Hz,10,15,20−Py−2,6−H),8.80−9.01(8H,m,β−H),9.04(6H,m,J=5Hz,10,15,20−Py−3,5−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ113.6,116.7,117.4,117.9,122.7,129.5,131.7,135.9,146.5,148.4,148.5,149.8,150.2;UV−vis(CHCl)λmax418,515,552,592,653nm;MS(FAB)m/z633(M,100%)。
【0079】
(6) 5−(4−アセトアミドフェニル)−10,15,20−トリス(3−ピリジル)ポルフィリン
【化85】
Figure 2004501923
4−アセトアミドベンズアルデヒド(5g,0.031モル)及び3−ピリジンカルボキシアルデヒド(8.67mL,0.092モル)を、プロピオン酸(300mL)中90℃で撹拌した。ピロール(8.5mL,0.123モル)を添加し、及びその混合物を還流下に30分間撹拌した。冷却の際に、反応混合物を減圧中に蒸発させて濃い紫色の固体を得た。そのポルフィリン異性体の粗製の混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:CHCl/MeOH,19:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせて、乾燥(NaS0)し、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(0.96g,4.6%)としての6を得た;R=0.26(シリカ,CHCl/MeOH,19:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.97(2H,br s,NH),2.17(3H,s,NHCOCH),7.40(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.49(3H,m,10,15,20−Py−5−H),7.98(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.21−8.33(3H,m,10,15,20−Py−6−H),8.57−8.82(11H,m(重複),10,15,20−Py−4−H及びβ−H),8.99(1H,br s,NHCOCH),9.26(3H,m,10,15,20−Py−2−H);UV−vis(CHCl)λmax419,516,552,592,648nm;MS(MALDI−TOF)m/z675(M,100%)。
【0080】
(7) 5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリス(3−ピリジル)ポルフィリン
【化86】
Figure 2004501923
ポルフィリン6(300mg,0.45ミリモル)を18%HCl(100mL)中に溶解し、及びその溶液を還流下に2時間加熱した。冷却の際に、反応混合物を減圧中で蒸発させて粗製の緑色の固体を得た。その固体を9:1の混合物のジクロロメタン/トリエチルアミン(200mL)中に再び溶解し、及び10分間室温で撹拌した。次いで、その溶液を、水(3×200mL)及びかん水(200mL)を用いて洗浄し、その有機層を分離し、及び乾燥(NaS0)させた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させ、及び紫色の粗製の固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:CHCl/MeOH,20:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせて、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(206mg,68.5%)としての7を得た;R=0.38(シリカ,CHCl/MeOH,20:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.74(2H,br s,NH),3.93(2H,br s,NH),6.91(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.67(3H,m,10,15,20−Py−5−H),7.93(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.48(3H,m,10,15,20−Py−6−H),8.79−9.02(11H,m(重複),10,15,20−Py−4−H及びβ−H),9.47(3H,s,10,15,20−Py−2−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ113.3,115.6,116.1,116.7,121.9,122.3,131,131.4,131.8,132.1,132.3,135.7,137.5,137.7,137.8,140.8,146.3,149,149.2,153.5;UV−vis(CHCl)λmax420,517,553,597,649nm;MS(MALDI−TOF)m/z632(M,100%)。
【0081】
(8) 5−(4−アセトアミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン,
Dolphin(ダルフィン)等の方法(1998年、5−フェニルジピロメタン及び5,15−ジフェニルポルフィリン Org.Synth.76,287〜293参考としてここに組み入れる)に従ってDDPを合成した。3つのポルフィリンの得られた混合物を、クロマトグラフ処理し、5,15−(4−メトキシ)−DDPを除去させるために最初にDCMを用いて溶出し、及び次いで、酢酸エチル/DCM(1:4)を続けて紫色の結晶(150mg,12%)としての所要の生成物を溶出した;R=0.40(DCM/MeOH,19:1);融点305〜307℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),502(0.04),538(0.02),578(0.015),630(0.01)nm;H NMR(270MHz,CDCl)δ10.35(s,2H,10+20−H),9.43(d,4H,J=4.8Hz,β−H),9.14(d,4H,J=4.8Hz,β−H),8.65(m,2H,J=7.2Hz,5−m−Ar),8.22−8.12(m,4H,(重複),J=8.1Hz,5+15−o−Ar),7.56(m,2H,J=8.1Hz,15−m−Ar),4.14(s,3H,CH),−3.00(br s,2H,NH);MALDI−MSm/z550.3(M,100%)。
【0082】
(9) 5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン,
5−(4−アセトアミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン8(1等量(eq.),100mg,0.182ミリモル)を5MのHCl水溶液(100mL)中に溶解し、及びその溶液を還流下に3時間加熱した。熱い反応混合物を減圧中で濃縮して粗製の緑色の固体を得た。その固体を、DCM/トリエチルアミン(9:1)(200mL)の混合物中に再び溶解し、及び10分間室温で撹拌した。次いで、その溶液を、水(3×200mL)、飽和かん水(200mL)を用いて洗浄し、及びその有機層を分離し、及び乾燥(NaS0)させ、次いで、減圧中で濃縮した。粗製の紫色の固体を、クロマトグラフ処理し、DCMを用いて溶出して、及び紫色の結晶性固体(51mg,54%)としての望ましいポルフィリンを与えた,R=0.30(DCM),融点300℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),503(0.045),538(0.02),578(0.015),630(0.005)nm;蛍光(DCM)λmax634nm(λ励起=410nm);H NMR(270MHz,CDCl)δ10.30(s,2H,10+20−H),9.39(d,4H,J=4.9Hz,β−H),9.17(d,2H,J=4.9Hz,β−H),9.10(d,2H,J=4.9Hz,β−H),8.19(m,2H,J=8.8Hz,15−o−Ar),8.07(m,2H,J=8.1Hz,5−o−Ar),7.35(m,2H,J=8.8Hz,15−m−Ar),7.14(m,2H,J=8.1Hz,5−m−Ar),4.13(s,3H,CH),4.08(br s,2H,NH),−3.06(br s,2H NH);MALDI−MSm/z508.3([M+1],100%)。C3326O([M+1])に対して計算されたES−HRMSは、508.2137、見出されたのは508.2144である。
【0083】
(10) 17,18−ジヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン及び
(11) 7,8−ジヒドロキシ5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリンのレジオイソマー,
ポルフィリン9(28mg,55.2μモル)を、Sutton(サットン)等の方法(2000 Functionalised diphenylchlorins and bacteriochlorins−their synthesis and bioconjugation for targeted photodynamic therapy and tumour cell imaging J. Porphyrin and Phthalocyanines 4,655−658)に従って、クロリンレジオイソマーの所要の混合物に転換させた。次いで、その粗製の反応混合物を、クロマトグラフ処理し、DCM中の1%MeOHを用いて溶出させた。最初に、いくつかの未反応の出発物質を溶出させ、次いで、茶色っぽい紫色(brown−purple)の結晶性固体としてのより一層高いR値のクロリン異性体10を溶出した;R=0.28(DCM/MeOH,19:1)。より一層低いR値の異性体11を、DCM中の2.5%MeOHを用いる更なる溶出によって得、及びまた、茶色っぽい紫色の結晶性固体(R=0.17(DCM/MeOH,19:1))を与えた。高いR値のクロリンレジオイソマー(以前与えられた17,18−ジヒドロキシ−15−(4−メトキシフェニル)−5−(4−アミノフェニル)クロリン(26))(7.0mg,24%),融点165〜167℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)401(0.99),414(1.0),503(0.08),535(0.07),582(0.035),636(0.22)nm;蛍光(DCM)λmax639nm(λ励起=412nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ9.95(s,1H,10−H),9.42(s,1H,20−H),9.17(d,1H,J=4.8Hz,β−H),9.03(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.97(s,2H,β−H),8.78(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.51(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.05(m,2H,J=8.9Hz,o−Ar),7.94(m,2H,J=8.1Hz,o’−Ar),7.25(m,2H,J=8.9Hz,m−Ar),7.12(m,2H,J=8.1Hz,m’−Ar),6.42(d,1H,J=6.5Hz,17−H),6.03(d,1H,J=6.5Hz,18−H),4.08(s,3H.,CH),{NHのものの交換及びOHのものは観察されない(NH’s exchanged & OH’s not observed)};MALDI−MSm/z542.2([M+H],100%);C3328([M+H])に対して計算されたES−HRMSは、542.2192、見出されたのは542.2187である。 低いRのクロリンレジオオソマー(7,8−ジヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン)(8.5mg,30%),融点168〜171℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)401(0.99),413(1.0),507(0.08),536(0.06),586(0.025),637(0.20)nm;蛍光(DCM)λmax639nm(λ励起=412nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ9.96(s,1H,20−H),9.40(s,1H,10−H),9.18(d,1H,J=4.8Hz,β−H),9.05(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.98(d,1H,J=4.0Hz,β−H)8.92(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.74(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.58(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.13(m,1H,J=8.9Hz,o−Ar),8.08(m,1H,J=8.9Hz,o−Ar),7.95(m,1H,J=8.1Hz,o’−Ar),7.79(m,1H,J=8.1Hz,o’−Ar),7.36(m,1H,J=8.9Hz,m−Ar),7.30(m,1H,J=8.9Hz,m−Ar),7.11(m,1H,J=8.1Hz,m’−Ar),7.05(m,1H,J=8.1Hz,m’−Ar),6.42(d,1H,J=6.5Hz,7−H),6.09(d,1H,J=6.5Hz,8−H),4.11(s,3H,CH),(NHのものの交換及びOHのものの交換は観察されない);MALDI−MSm/z542.2([M+H],100%)C3328([M+H])に対して計算されたES−HRMSは、542.2192、見出されたのは542.2185である。
【0084】
(12) 5−(4−フルオレニルメチルアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン,
無水の1,4−ジオキサン(2.5mL)中のポルフィリン9(28mg,55μモル)の撹拌した溶液中に、固体の炭酸水素ナトリウム(6等量,28mg,0.33ミリモル)を添加した。次いで、この混合物に、N下、1,4−ジオキサン(0.5mL)中の9−フルオレニルメチルクロロホルメート(2等量,0.11ミリモル,28.5mg)の溶液を添加した。反応フラスコをアルミニウムホイルで覆い、光を遮り、及び室温で3時間撹拌した。このときに、反応が完結した(TLCによって監視されたように)。1,4−ジオキサンを減圧中で除去し、及び残留物が水(25mL)及びDCM(2×25mL)の間に分配された。組み合わせられた有機抽出物を飽和かん水(25mL)を用いて洗浄し、次いで乾燥(NaSO)し、ろ過し、及び減圧中で濃縮した。所要のポルフィリンを、DCMで溶出するクロマトグラフィーによって得た。望ましいポルフィリンが紫色の結晶(38mg,95%)として得られた,R=0.39(DCM),融点292〜295℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),505(0.042),541(0.02),578(0.015),633(0.01)nm;蛍光(DCM)λmax635nm(λ励起=410nm);H NMR(270MHz,CDCl)δ10.35(s,2H,10+20−H),9.69(br.s,1H,NH),9.44(d,4H,J=4.8Hz,β−H),9.12(d,4H,J=4.8Hz,β−H),8.20−8.17(m(重複),4H,J=8.1Hz,5+15−o−Ar),7.85(m,4H,5+15−m−Ar),7.76−7.66(m,2H,フルオレノ−Ar),7.51−7.30(m,6H,フルオレノ−Ar),4.69(d,2H,J=7.2Hz,CH),4.30(t,1H,J=7.2Hz,CH),4.13(s,3H,CH),−3.15(br.s,2H,NH);MALD−MSm/z731.5([M+H],100%),508.3([M−FMOC+2],50%);C4836([M+H])に対して計算されたES−HRMSは、730.2818、見出されたのは730.2809である。
【0085】
(13,14) シス/トランス−7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−フルオレニルメチルアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン
ポルフィリン12(35mg,48.0μモル)を、Sutton等の方法(2000 Functionalised diphenylchlorins and bacteriochlorins−their synthesis and bioconjugation for targeted photodynamic therapy and tumour cell imaging J. Porphyrin and Phthalocyanines 4,655−658−参考としてここに組み入れる。)の軽微な修正によって、バクテリオクロリン立体異性体の所要の混合物に転換した(反応は、12を溶解させるために1,4−ジオキサン(5mL)を用いて行った。)。粗製の反応混合物を、最初にDCM中の1%MeOHを用いてクロリン副産物を除去するクロマトグラフ処理した。さらに、2%MeOH/DCMを用いる溶出によって、双方の立体異性のバクテリオクロリンテトロールを分離させた。より一層高いR−トランスバクテリオクロリン異性体13をピンク−グリーンの結晶性固体として単離した、(6mg,15%),R=0.25(DCM/MeOH,19:1),融点142〜145℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)374(1.0),512(0.23),702(0.52)nm;蛍光(DCM)λmax708nm(λ励起=512nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ9.20(s,2H,10+20−H),8.78(d,2H,J=4.0Hz,β−H),8.36(d,2H,J=4.0Hz,β−H),7.95(m,2H,o−Ar),7.85(m,2H,J=7.3Hz,フルオレノ−Ar),7.79(m,2H o’−Ar),7.65(m,2H,m’−Ar),7.47−7.38(m,6H,フルオレノ−Ar),7.24(m,2H,m−Ar),6.27−6.24(m,2H,7+17−H),5.85(m,2H,8+18−H),4.65(d,2H,J=7.2Hz,CH),4.39(t,1H,J=7.2Hz,CH),4.06(s,3H,CH),−1.94(br s(部分的に交換),2H,NH),(OHのものは観察されない);MALDI−MSm/z800.4([M+H],100%);C4840([M+H])]に対して計算されたES−HRMSは、798.2927、見出されたのは798.2921である。
より一層低いRのシス−バクテリオクロリン異性体14をピンク−グリーンの結晶性固体として単離した、(8.5mg,21%),R=0.2(DCM/MeOH,19:1),融点148〜150℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)374(1.0),512(0.24),703(0.54)nm;蛍光(DCM)λmax708nm(λ励起=512nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ9.12(s,2H,10+20−H),8.76(d,2H,J=4.8Hz,β−H),8.34(d(重複),2H,J=4.8Hz,β−H),8.02(m,2H,o−Ar),7.85(m(不明瞭),2H,J=8.0Hz,o’−Ar),7.83(m,2H,J=7.3Hz,フルオレノ−Ar),7.76(m,2H,J=8.0Hz,m’−Ar),7.50−7.38(m,6H,フルオレノ−Ar),7.24(m,2H,m−Ar),6.27−6.23(m,2H,7+17−H),5.85−5.82(m,2H,8+18−H),4.65(d,2H,J=7.2Hz,CH),4.39(t,1H,J=7.2Hz,CH),4.05(s,3H,CH),−1.88(br.s(部分的に交換),2H,NH),(OHのものは観察されない);MALDI−MSm/z800.4([M+H],100%);C4840([M+H])に対して計算されたES−HRMSは、798.2927、見出されたのは798.2921である。
【0086】
(15) 5−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)ジピロメタン
3,4,5−トリスメトキシベンズアルデヒド(5.0g,25.5ミリモル)を新しく蒸留したピロール(75mL)中に溶解し、及びその溶液を、乾燥Nを用いる10分間の通気によって脱気した。TFA(0.075等量,0.15mL,1.91ミリモル)を添加し、及びその混合物を、最初のアルデヒドがTLC(約(ca.)10分)によって検出されないようになるまでN下で撹拌した。反応混合物を減圧中、水吸引器圧(蒸発装置水浴温度75℃)で、次いで高い減圧下で16時間濃縮し、過剰のピロールを除去した。粗製の生成物を熱エチルアセテート/nヘキサンから再結晶し、及び白色の固体としての所要のジピロメタンを与えた,(5.41g,68%):νmax(ヌジョールマル)/cm−13378(br.NH),1594(C=C),1233,1040;UV−VIS(MeOH)λmax/(相対強度(rel.intensity))222(1.0),280(0.75)nm;δH(270MHz;CDCl)8.07(2H,br.s,NH),7.53(2H,m,1−H),6.68(2H,s,2’−H),6.37(2H,m,2−H),5.93(2H,m,3−H),5.38(1H,s,メタン),3.80(3H,s,4’−OCH),3.73(6H,s,3’+5’−OCH);δC(68MHz;CDCl)152.7(CH,2’−C),137.3(q,3’+5’−C),136.1(q,4’−C),131.8(q,4−C),116.7(CH,1−C),107.9(CH,2−C),106.6(CH,3−C),104.9(q,1’−C),60.3(CH),55.5(CH),43.7(CH.,メタン);MS(MALDI)m/e311.2(100%,(M−1))。
【0087】
(16) 5−(4−アセトミドフェニル)ジピロメタン
ジピロメタンを、最初のアルデヒドの同じモル量を用いる上記詳述の一般的な方法を用いて合成した。粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(350mL)上でクロマトグラフ処理し、(50mLのフラッシュシリカゲルにエチルアセテートから乾燥負荷(dry load)し)、及び40%のエチルアセテート/DCMで溶出し、及びオフホワイトの固体としての純粋な生成物を与えた,(4.3g,50%):νmax(ヌジョールマル)/cm−13409(NH,アミド),3248(br.NH),1650(C=O),1593(C=C),1320,1009;UV−VIS(MeOH)λmax/(相対強度)224(1.0)nm;δH(270MHz;CDCl)8.00(2H,br.s,NH),7.40(2H,d,J=8.5Hz,o−Ar),7.30(1H,br.s,NH−アセトミド),7.13(2H,d,J=8.5Hz,m−Ar),6.68(2H,m,1−H),6.16(2H,m,2−H),5.90(2H,m,3−H),5.42(1H,s,メタン),2.14(3H,s,NHCH );δC(68MHz;CDCl)168.4(q,OCH),138.2(q,4’−C),136.5(q,2’−C),132.4(q,4−C),128.9(CH,2’−C),120.3(CH,3’−C),117.2(CH,1−C),108.4(CH,2−C),107.1(CH,3−C),43.4(CH.,メタン),24.5(CH);MS(MALDI)m/e279.4(100%,(M))。
【0088】
(17) 5−(4−メトキシフェニル)ジピロメタン
ジピロメタンを最初のアルデヒドの同じモル量を用いる上記詳述の一般的な方法を用いて合成した。粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(350mL)上でクロマトグラフ処理し、(50mLのフラッシュシリカゲルにエチルアセテートから乾燥負荷し)、及び30%のnヘキサン/DCMで溶出し、及びオフホワイトの固体としての純粋な生成物を与えた,(4.3g,50%):νmax(ヌジョールマル)/cm−1,3382(br.NH),1598(C=C),1300,1050;UV−VIS(MeOH)λmax/(相対強度)224(1.0)nm;δH(270MHz;CDCl)7.87(2H,br.s,NH),7.10(2H,d,J=8.8Hz,m−Ar),6.83(2H,d,J=8.8Hz,o−Ar),6.66(2H,m,1−H),6.14(2H,m,2−H),5.89(2H,m,3−H),5.40(1H,s,メタン);MS(MALDI)m/e252.4(100%,(M))。
【0089】
例1
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(3,5−ジヒドロキシフェニル)ポルフィリン
【化87】
Figure 2004501923
新しく蒸留したTHF(25mL)中の3(100mg,0.137ミリモル)の撹拌した溶液に、1,1’−チオカルボニルジ−2−(1H)−ピリドン(64mg,0.276ミリモル)を添加した。反応を、アルゴン下に4時間、室温で進ませた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させて粗製の紫色固体を得た。この固体を、最少量のクロロホルム/メタノール(9:1)中に溶解し、及びフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,9:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(67.5mg,63.8%)としての上記化合物を得た;R=0.29(シリカ,CHCl/MeOH,9:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl/CDOD,3:1]δ6.77(3H,s,10,15,20−Ar−4−H),7.12(6H,s,10,15,20−Ar−2,6−H),7.64(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),8.19(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.76−9.0(8H,m,β−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl/CDOD,3:1]δ101.9,107.1,114.7,117.6,119.9,120,120.1,123.9,130.9,134,135.2,136.1,141.2,142,143.6,155.8;UV−vis(MeOH)λmax422,516,552,592,648nm;C4529S[M+H]に対する計算されたHRMS(ES)m/zは768.1914、見出されたのは768.1908である。【0090】
例2
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(4−ピリジル)ポルフィリン
【化88】
Figure 2004501923
新しく蒸留したジクロロメタン(20mL)中の5(100mg,0.158ミリモル)の撹拌した溶液に、1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(320mg,1.38ミリモル)を添加した。反応を、アルゴン下に4時間、室温で進ませた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させて粗製の紫色固体を得た。この固体を、最少量のクロロホルム中に溶解し、及びフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,49:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(104mg,97.5%)としての上記化合物を得た;R=0.57(シリカ,CHCl/MeOH,49:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.91(2H,br s,NH),7.65(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),8.15−8.21(8H,m(重複),10,15,20−Py−2,6−H及び5−Ar−2,6−H),8.67(8H,br s,β−H),9.06(6H,m,J=5Hz,10,15,20−Py−3,5−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ117.4,117.6,119.7,124.7,129.3,131.6,135.4,136.9,140.6,148.4,149.8;UV−vis(CHCl)λmax417,514,548,587,643nm;C S(M+H)に対する計算されたHRMS(ES)m/zは675.2079、見出されたのは675.2078である。
【0091】
例3
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(3−ピリジル)ポルフィリン(160)
【化89】
Figure 2004501923
新しく蒸留したジクロロメタン(40mL)中の7(200mg,0.316ミリモル)の撹拌した溶液に、1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(640mg,2.76ミリモル)を添加した。反応を、アルゴン下に17時間、室温で進ませた。過剰の溶媒を減圧中で蒸発させ粗製の紫色固体を得た。この固体を、最少量のクロロホルム中に溶解し、及びフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:CHCl/MeOH,49:1)によって精製した。関連した画分を組み合わせ、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて紫色の固体(171mg,80.3%)としての上記化合物を得た;R=0.55(シリカ,CHCl/MeOH,49:1);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,CDCl]δ−2.83(2H,br s,NH),7.65(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),7.78(3H,m,10,15,20−Py−5−H),8.20(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.54(3H,m,10,15,20−Py−6−H),8.83−8.88(8H,m,β−H),9.07(3H,m,10,15,20−Py−4−H),9.07(3H,s,10,15,20−Py−2−H);13C NMR[67.5MHz,CDCl]δ116.6,122.1,124.2,131.5,135.5,137.7,140.8,140.9,149.2,153.5;UV−vis(CHCl)λmax421,513,547,587,657nm;MS(MALDI−TOF)m/z674(M,100%)。
【0092】
例4
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(4−N−メチルピラジニウミル)ポルフィリントリヨウ化物
【化90】
Figure 2004501923
無水DMF(10mL,CaHから蒸留した、0.1トル)中の例2(50mg,0.074ミリモル)の溶液に、ヨードメタン(1mL,0.016モル)を添加した。反応物を、アルゴン下、3時間、室温で撹拌し、及び水/飽和硝酸カリウム水溶液/アセトニトリル(1:1:8)溶媒系中のTLC(順相シリカ)によって監視した。反応の完結の際に、過剰のDMFを減圧(0.1トル)中、30〜40℃で蒸発させて光沢のある紫色の固体(77mg,95%)としての上記化合物を得た; R=0.32(シリカ,HO/飽和KNO水溶液/MeCN,1:1:8);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,(CDSO]δ−3.03(2H,br s,NH),4.74(9H,br s,N−CH−ピリジン),7.96(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),8.32(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),9.03(6H,m,J=6Hz,10,15,20−Py−2,6−H),9.16(8H,m,β−H),9.50(6H,m,J=6Hz,10,15,20−Py−3,5−H);13C NMR[67.5MHz,(CDSO]δ47.9,114.7,115.3,121.1,124.8,130.6,132,134.7,135.4,139.7,144.1,156.3,156.4;UV−vis(HO)λmax423,520,585nm;MS(FAB)m/z719(M,100%),704(M−CH,26%),689(M−2CH,20%),674(M−3CH,5%);C4535S(M+H)に対する計算されたHRMS(ES)m/zは719.2705、見出されたのは719.2686である。
【0093】
例5
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(3−N−メチルピリジニウミル)ポルフィリントリヨウ化物
【化91】
Figure 2004501923
無水DMF(5mL,CaHから蒸留した、0.1トル)中の例3(50mg,0.074ミリモル)の溶液に、ヨードメタン(1mL,0.016モル)を添加した。反応物を、アルゴン下、4時間、室温で撹拌し、及び水/飽和硝酸カリウム水溶液/アセトニトリル(1:1:8)溶媒系中のTLC(順相シリカ)によって監視した。反応の完結の際に、過剰のDMFを減圧(0.1トル)中、30〜40℃で蒸発させて光沢のある紫色の固体(72mg,89%)としての上記化合物を得た; R=0.46(シリカ,HO/飽和KNO水溶液/MeCN,1:1:8);融点>350℃分解;H NMR[270MHz,(CDSO]δ−3.07(2H,br s,NH),4.69(9H,br s,N−CH−ピリジン),7.97(2H,m,J=8Hz,5−Ar−3,5−H),8.31(2H,m,J=8Hz,5−Ar−2,6−H),8.64(3H,m,10,15,20−Py−5−H),9.03−9.25(8H,m,β−H),9.35(3H,m,10,15,20−Py−6−H),9.57(3H,m,10,15,20−Py−4−H),10.03(3H,s,10,15,20−Py−2−H),;13C NMR[67.5MHz,(CDSO]δ48.3,112.3,112.9,120.7,124.8,126.3,126.4,126.6,130.6,132.1,132.3,132.4,132.6,132.8,133.1,133.4,134.7,135.4,139.8,139.9,140,145.5,145.6,147.4,147.5,147.8,147.9,148.5,155.9;UV−vis(HO)λmax419,516,552,581,637nm;MS(MALDI−TOF)m/z689([M−2CH,100%)。
【0094】
例6
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(4−N−メチルピリジニウミル)ポルフィリントリ塩化物
【化92】
Figure 2004501923
無水メタノール(30mL)中の例4(30mg,0.027ミリモル)の溶液に、アンバーライト〔Amberlite(R)、登録商標〕IRA400(1g)を添加し、及びその混合物を1時間室温で撹拌した。Amberlite(R) IRA400樹脂を減圧下にろ過し、及びポルフィリンろ液を回収し、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて水溶性の紫色の固体(22mg,96.4%)としての上記化合物を得た。例4及び6のポルフィリンは、それらのそれぞれの水における溶解度によってだけ区別された。
【0095】
例7
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリス(4−N−メチルピリジニウミル)ポルフィリントリ塩化物
【化93】
Figure 2004501923
無水メタノール(30mL)中の例5(30mg,0.027ミリモル)の溶液に、Amberlite(R)IRA400(1g)を添加し、及びその混合物を1時間室温で撹拌した。Amberlite(R)IRA400樹脂を減圧下にろ過し、及びポルフィリンろ液を回収し、乾燥(NaS0)させ、及び減圧中で蒸発させて水溶性の紫色の固体(21mg,92.0%)としての上記化合物を得た。例5及び7のポルフィリンは、それらのそれぞれの水における溶解度によってだけ区別された。
【0096】
例8
17,18−ジヒドロキシ−5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン,
より一層高いRのレジオイソマーのクロリン10(17.5mg,23.2μモル)を以下の方法によって相当するイソチオシアナートに転換した。新しく蒸留したDCM(20mL)中の10(1等量,50mg,0.099ミリモル)の撹拌した溶液に、1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(2等量,46mg,0.198ミリモル)を添加した。反応物をアルゴン下に、2時間室温で撹拌させ、その後反応混合物をろ過し、及び濃縮し次いでクロマトグラフ処理し、DCM中の1%MeOHで溶出して表題の化合物を与えた。表題の化合物を茶色っぽい紫色の結晶性固体として単離した、(17mg,90%), R=0.36(DCM/MeOH,19:1);融点155〜158℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),505(0.09),534(0.06),586(0.04),637(0.18)nm;蛍光(DCM)λmax639nm(λ励起=412nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ10.0(s,1H,10−H),9.45(s,1H,20−H),9.20(d,1H,J=4.8Hz,β−H),9.06(d,1H,J=4.0Hz,β−H),9.02(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.84(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.64(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.55(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.21(m,1H,J=8.1Hz,5−o−Ar),8.15(m,1H,J=8.1Hz,5−o−Ar),8.05(m,1H,J=8.9Hz,15−o−Ar),7.93(m,1H,J=8.9Hz,15−o−Ar),7.65(m,2H,5−m−Ar),7.24(m,2H,15−m−Ar),6.43(d,1H,J=6.5Hz,17−H),6.04(d,1H,J=6.5Hz,18−H),4.08(s,3H,CH),(NHのものの交換及びOHのものは観察されない);MALDI−MSm/z583.7([M=H],100%);C3426S([M+H])に対しての計算されたES−HRMSは584.1757、見出されたのは584.1756である。
【0097】
例9
シス−7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン
DCMにおける25%MeOH(1.25mL)中のシス−バクテリオクロリン14(8.5mg,10.7μモル)をピペリジン(50等量,53μL,0.53ミリモル)を用いて処理し、及び光を遮って3時間の間室温でN下に撹拌させた。反応混合物を減圧(0.1トル)中で濃縮しピペリジンのすべての痕跡量を除去した。次いで、粗製のアミンを上述の方法に従って所要のイソチオシアナートに転換した。このシス−バクテリオクロリン_イソチオシアナートをピンク−グリーンの結晶性固体(5.0mg,76%)として単離した,R=0.40(DCM/MeOH,19:1),融点132〜135℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)375(1.0),516(0.22),702(0.48)nm;蛍光λmax709nm(λ励起=516nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%CDOD)δ9.20(s,1H,メソ−H),9.18(s,1H,メソ−H),8.77(d,2H,J=4.8Hz,β−H),8.40(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.34(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.14(m,2H,o−Ar),8.05(m,2H,o’−Ar),7.42−7.08(m,4H,5+15−m−Ar),6.20(m,2H,7+17−H),5.98(m,1H,8−H),5.93(m,1H,18−H),4.04(s,3H,CH),−1.80(br s,2H,部分的に交換した−NH),(OHのものは観察されない);MALDI−MSm/z618.9([M+H],100%);C3428S([M+H])に対して計算されたES−HRMSは618.1815、見出されたのは618.1810である。
【0098】
例10,11,12,13
17,18−ジヒドロキシ−5−(4−アセトアミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン/7,8−ジヒドロキシ−5−(4−アセトアミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリンレジオイソマー,及び
シス/トランス−7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−アセトアミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン立体異性体,
ポルフィリン8(100mg,0.18ミリモル)を、単一反応において、Sutton等の方法に従ってクロリンジオール/バクテリオクロリンテトロールの混合物に転換した。38時間後、反応を停止させた。次いで、粗製の反応混合物をクロマトグラフ処理し、DCM中の10%MeOHでの溶出を用い、最初の、いくつかの未反応の出発物質、次いで、茶色っぽい紫色の結晶性固体(5mg,5%)としての例10のより一層高いRのクロリン異性体を与えた。例11のより一層低いRの異性体は、DCM中の3.5%MeOHを用いる更なる溶出によって得、及びまた茶色っぽい紫色の結晶性固体(7.0mg,7%)を与えた。DCM中の5%MeOHを用いる更なる溶出は、例12及び13のそれぞれの所要のトランス/シスバクテリオクロリンテトールを、それぞれ、ピンク/グリーンの固体(5.0mg,5%)及び(7.0mg,7%)として与えた。 例10の高いRのクロリンレジオイソマー〔これまでのデータに基づいて割り当てられた17,18−ジヒドロキシ−15−(4−メトキシフェニル)−5−(4−アセトアミドフェニル)クロリン〕(26)R=0.40(DCM/MeOH,37:3),融点186〜188℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),505.5(0.12),535(0.08),585.5(0.05),637(0.18)nm;蛍光(DCM)λmax639nm(λ励起=410nm);H NMR(270MHz,CDCl)δ9.97(s,1H,10−H),9.42(s,1H,20−H),9.19(d,1H,J=4.0Hz,β−H),9.03(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.98(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.89(d,1H,J=4.0Hz,β−H),8.70(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.52(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.14−8.10(m,3H,5−o/m−Ar),7.96−7.82(m,3H,5+15−o/m−Ar),7.50(s,1H,NH),7.34(m,2H,15−m−Ar),6.48(m,1H,17−H),6.20(m,1H,18−H),4.08(s,3H,CH),2.38(s,3H,CH),−1.89,−2.20(s,2H,NH);MALDI−MSm/z582.6([M+H],100%);C3528([M+H])に対して計算されたES−HRMSは582.2141、見出されたのは582.2137である。
例11の低いRのクロリンレジオイソマー〔7,8−ジヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン〕R=0.35(DCM/MeOH,37:3),融点182〜185℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)410(1.0),505.5(0.1),535(0.07),585(0.04),636(0.19)nm;蛍光(DCM) λmax639nm(λ励起=410nm);H NMR(270MHz,CDCl中の10%DMSO−d)δ9.96(s,1H,10−H),9.92(s,1H,NH),9.42(s,1H,20−H),9.22(m,1H,β−H),9.02(d,1H,J=4.8Hz,β−H),9.00(m,1H,β−H),8.92(m,1H,β−H),8.70(d,1H,J=4.8Hz,β−H),8.53(m,1H,β−H),8.18−7.91(m,6H,5+15−o/m−Ar),7.33−7.28(m,2H,15−m−Ar),6.36(m,1H,7−H),5.96(m,1H,8−H),4.10(s,3H,CH),2.30(s,3H,CH),−1.74,−2.17(s,2H,NH);MALDI−MSm/z582.6([M+H],100%)。C3528([M+H])に対して計算されたES−HRMSは582.2141、見出されたのは582.2135である。
例12の高いR−トランスバクテリオクロリン;R=0.29(DCM/MeOH,37:3:1),融点152〜155℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)373.5(1.0),514(0.25),702(0.49)nm;蛍光(DCM)λmax708nm(λ励起=514nm);H NMR(270MHz,DMSO−d)δ10.27(s,1H,NH),9.16(s,2H,10+20−H),8.96(d,2H,J=4.0Hz,β−H),8.24(d,2H,J=4.0Hz,β−H),7.99−7.89(m,6H,5+15−o/m−Ar),7.25(m,2H,15−m−Ar),6.30(m,2H,7+17−H),6.15(m,2H,8+18−H),5.63(m,2H,OH),5.32(m,2H,OH),3.99(s,3H,CH),2.20(s,3H,CH),−1.87(br s,2H,NH);MALDI−MSm/z616.3([M+H],100%)。C3530([M+H])に対して計算されたES−HRMSは616.2196、見出されたのは616.2192である。
低いRシス−トランスバクテリオクロリン13;R=0.24(DCM/MeOH,19:1),融点148〜151℃(分解);UV−vis(DCM)λmax(相対強度)373.5(1.0),514.5(0.24),703(0.50)nm;蛍光(DCM)λmax708nm(λ励起=514nm);H NMR(270MHz,CDCl中の20%CDOD)δ9.20(s,2H,10+20−H),8.78(m,2H,β−H),8.35(m,2H,β−H),8.05(m,2H,5−o−Ar),7.89−7.86(m,3H,5+15−o/m−Ar),7.75(m,1H,15−o−Ar),7.20−7.17(m,2H,15−m−Ar),6.25(m,2H,7+17−H),5.86(m,2H,8+18−H),4.06(s,3H,CH),2.31(s,3H,CH),(NHのものの交換);MALDI−MSm/z616.4([M+H],100%)。C3530([M+H])に対して計算されたES−HRMSは616.2196、見出されたのは616.2192である。
【0099】
例16
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリ(4−メチルホスホニウムフェニル)−ポルフィリン及び5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メチルホスホニウムフェニル)−ポルフィリン−一般的合成方法
ボック(Boc)N−保護された5−(4−アミノフェニル)−10,25,20−トリ−(4−カルボメトキシフェニル)ポルフィリン及び5−(4−アミノフェニル)−15−(4−カルボメトキシフェニル)ポルフィリンを、それぞれ、Lindsey(リンジー)条件〔Lindsey,J.S.,Schreiman(シュレイマン),I.C.,Hsu(スウ),H.C.,Kearney(カーニー),P.C.,Marguerettaz(マルグレッタ),A.M.(1987)J.Org.Chem.52,827〕を用いる混合凝縮(mixed condensation)又はBoyle(ボイル)等の〔Boyle,R.W.,Bruckner(ブルックナー),C.,Posakony(ポサコニー),J.,James(ジェームス),B.R.,Dolphin(ドルフィン),D.(1999)Organic Syntheses.76,287−参考としてここに組み入れる。〕により記載されているように適切に置換された5−フェニルジピロメタンによる2+2凝縮法によって合成した。次いで、これらのポルフィリン上の(4−カルボメトキシフェニル)基を、次の標準的な方法:ポルフィリン(0.2ミリモル)を乾燥THF(25mL)中に0℃で溶解し、及びアルゴン下に10分間撹拌する方法を用いて、(4−(1−ブロモメチル)フェニル)基に転換した。リチウムアルミニウム水素化物(0.7ミリモル)を添加し、及び撹拌を24時間続けた。反応物をTLCによって監視し、反応が完結したとき、エチルアセテート(2mL)を添加し、及び反応物をHCl水溶液(0.2M,20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)及び最後にかん水(20mL)を用いて洗浄した。その有機層を乾燥(MgSO)し、及び乾くまで蒸発させて、3つ又は1つの還元型のカルボメトキシ基をそれぞれ有する相当する(4−(1−ヒドロキシメチル)フェニル)置換ポルフィリンを得た。(4−(1−ヒドロキシメチル)フェニル)置換ポルフィリン(0.2ミリモル)を乾燥クロロホルム(40mL)中に溶解し、及びアルゴン下で撹拌し、一方でトリフェニルホスフィン(1.0ミリモル)及び四臭化炭素(1.6ミリモル)を添加した。反応物を、暗所で24時間撹拌し、及び次いでTLCによって監視した。一旦すべてのヒドロキシメチル基をブロモメチル基に転換させて、反応混合物をジクロロメタン(40mL)を用いて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×2mL)次いでかん水(2×2mL)を用いて洗浄し、及び有機層を乾燥(MgSO)させた。減圧中での溶媒の除去によって紫色の結晶性固体としての相当するブロモメチルポルフィリンを与えた。
ボックN−保護された5−(アミノフェニル)−10,25,20−トリ−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン及び5−(アミノフェニル)−15−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン(0.75ミリモル)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)中に、アルゴン雰囲気下25℃で溶解した。ジクロロメタン(10mL)中に溶解したトリアリール又はトリアルキルホスフィン(7.5ミリモル)をシリンジによって注入し、及び反応の進行の後にはTLCを行った。完結の際に、溶媒を減圧中で反応物から蒸発させ、及び粗製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配溶出:ジクロロメタンからメタノールまで)によって精製し、光沢のある紫色の結晶性固体としての所要のボック−N−保護−5−(アミノフェニル)−メチルホスホニウム−メソ−アリールポルフィリンを得た。ボック保護基を、溶解度及びトリメチルシリルヨウ化物(5.0等量)の添加に応じて、クロロホルム又はアセトニトリル中のポルフィリンの溶解によって除去し、30分後、メタノール(10mL)を用いて反応をクエンチングさせた。蒸発による溶媒の除去、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配:ジクロロメタンからメタノールまで)によって、5−(アミノフェニル)−メチルホスホニウム−メソ−アリールポルフィリンを与え、これは、標準的な方法〔Clarke(クラーク),O.J.及びBoyle,R.W.(1999.J.C.S.Chem.Commun.2231)〕を用いる1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドンでの処理によって所要のモノ−4−(イソシアナトフェニル)化合物に転換された。
【0100】
例17
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリ((4−メチルホスホノ−ジ−エトキシ)フェニル)−ポルフィリン及び5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−((4−メチルホスホノ−ジ−エトキシ)フェニル)−ポルフィリン−一般的な合成方法
ボックN−保護された5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリ−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン及び5−(アミノフェニル)−15−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン(0.75ミリモル)をトリエチル亜リン酸エステル(15ミリモル)及び乾燥アセトニトリル(50mL)の混合物中に溶解した。還流冷却器を装着し、及びアルゴン下に還流させた。反応物をTLCにかけ、及び完結の際に、飽和炭酸水素ナトリウム(2×20mL)、水(2×20mL)及びかん水(2×20mL)を用いて洗浄した。次いで、有機層を乾燥(MgSO)し、及び溶媒を減圧中に蒸発させた。次いで、粗製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配溶出:ジクロロメタンからエチルアセテートまで)によって精製し、紫色の結晶性固体としての表題の化合物を与えた。次いで、メチルホスホノ−ジ−エトキシ基を、水酸化ナトリウム水溶液中での1時間の超音波処理、次いで逆相中圧クロマトグラフィー〔C18;勾配溶出0.1%TFA水溶液からメタノールまで〕(Boyle,R.W.及びvan Lier(ファンリエル),J.E.(1993)Synlett351)によるメチルホスホノ−モノ−エトキシナトリウム基にか、又はブロモトリエチルシラン(メチルホスホノ−ジ−エトキシ基当たり2等量)を用いる2時間の処理、次いで、逆相クロマトグラフィーによる精製クロマトグラフィ(C18;勾配溶出0.1%TFA水溶液からメタノールまで)〔McKenna(マッケナ),C.E.,Higa(ヒガ),M.T.,Cheung(チューン),N.H.,McKenna,M−C.(1977)2,155〕による十分に脱保護されたメチルホスホン酸にかのいずれかに脱保護した。ボックの脱保護(上記参照)に次いで、マスクされてない4−(アミノフェニル)基のそのイソチオシアナト類似体への転換を、標準的な方法(Clarke,O.J.及びBoyle,R.W.(1999J.C.S.Chem.Commun.2231)を用いて行った。
【0101】
例18
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリ((4−メチルホスホナト−ジ−エトキシ)フェニル)−ポルフィリン及び5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−((4−メチルホスホナト−ジ−エトキシ)フェニル)−ポルフィリン−一般的な合成方法
ボックN−保護された5−(アミノフェニル)−10,15,20−トリ−(4−ヒドロキシメチルフェニル)ポルフィリン及び5−(アミノフェニル)−15−(4−ヒドロキシメチルフェニル)ポルフィリン(0.75ミリモル)を、アルゴン雰囲気下に、ジクロロメタン及びピリジン(4:1)の混合物中に溶解した。ジエチルクロロホスフェート(ヒドロキシメチル基当たり2等量)を注入し、及び混合物を16時間撹拌した。反応混合物からの溶媒の蒸発に次いで、クロマトグラフィーによる精製によって相当するトリ又はモノ((4−メチルホスホナト−ジ−エトキシ)フェニル)ポルフィリンを与えた。水酸化ナトリウム(1M)を用いる処理によって、トリ又はモノ((4−メチルホスホナトエトキシ)フェニル)ポルフィリンのナトリウム塩を与えた(Boyle,R.W.及びvan Lier,J.E.(1995)Synthesis1079)。ボック脱保護及びイソチオシアナート基の生成は上述の様にして行った。
【0102】
例19
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリ((4−メチルピリジニウミル)フェニル)−ポルフィリン及び5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−((4−メチルピリジニウミル)フェニル)−ポルフィリン−一般的な合成方法
ボックN−保護5−(アミノフェニル)−10,25,20−トリ−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン及び5−(アミノフェニル)−15−(4−ブロモメチルフェニル)ポルフィリン(0.75ミリモル)を、ジクロロメタン(50mL)及びピリジン(15ミリモル)中に溶解し、又は置換されたピリジン(15ミリモル)を要求に応じ添加した。還流冷却器を装着し、及び反応物をアルゴン下に還流させた。反応物をTLCにかけ、完結の際に、乾くまで減圧中で蒸発させた。残留物を逆相媒体圧クロマトグラフィー〔C18;勾配溶出0.1%TFA水溶液からメタノールまで〕によって精製し、N−ボック保護4−アミノフェニル化合物を得た。アミノフェニル基(複数)の脱保護及びイソチオシアナト類似体(複数)への転換を標準的なプロトコル(上記参照)を用いて行った。
【0103】
例20
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−アリール−10,20−(1,2−ジヒドロキシエチル)−ポルフィリン−一般的な合成方法
エフモック(Fmoc)保護された5−(4−アミノフェニル)−15−アリールポルフィリン(0.8ミリモル)を乾燥クロロホルム(300mL)中にアルゴンの雰囲気下で溶解した。乾燥クロロホルム(20mL)中に、新しく再結晶したN−ブロモスクシンイミド(1.8ミリモル)をシリンジによって注入し、及び混合物を30分間撹拌した。次いで、溶媒を減圧中で蒸発させ、及び粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配溶出:ヘキサンからエチルアセテートまで)によって精製し、紫色の結晶性固体としての所要の5,15−ジブロモ−10,20−ジアリールポルフィリンを与えた。次いで、生成物を、酢酸亜鉛二水和物(80ミリモル)のクロロホルム/メタノール(9:1)溶液中での還流によってメタレートした。メタレーションに次いで、可視分光法を行い、完結の際に、中性のアルミナの短いカラムに通し、配位してない亜鉛を除去した。亜鉛5,15−ジブロモ−10,20−ジアリールポルフィリン(0,6ミリモル)を乾燥THF中に溶解し、それにテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(0.6ミリモル)及びビニルトリブチルスズ(1.4ミリモル)を添加した。混合物を窒素下に48時間還流させ、その後、溶媒を減圧中で蒸発させ、及び残留物をフラッシュカラム(シリカ;勾配溶出:ジクロロメタンからエチルアセテートまで)によってクロマトグラフ処理し、紫色の結晶性固体としてのジンク5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ジエテニルポルフィリンを与えた。ジンク5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ジエテニルポルフィリンを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸(1%v/v)の溶液における溶解によって脱メタレーションし、水を用いる抽出及び減圧中での有機層からの溶媒の蒸発後に、5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ジエテニルポルフィリンを与えた。最後に、10及び20のエテニル基を、記載したように(Sutton J, Fernandez(フェルナンデス)N,Boyle RW(2000)J.Porphyrins and Phthalocyanines 4,655)、四酸化オスミウムによってヒドロキシル化するが、エテニル基と四酸化オスミウムとの間の反応が迅速であるために、反応時間及び化学量論の制御によってこれらの基の選択的なヒドロキシル化が可能であった。条件の代表的な組合せにおいては、5−(エフモックアミノフェニル−15−アリール−10,20−ジエテニルポルフィリンは、10%ピリジン/クロロホルム中の四酸化オスミウム(5等量)を用いて24〜48時間処理する場合に、望ましい5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ビス(1,2−ジヒドロキシエチル)ポルフィリンを与え、一方で、より一層長い反応時間(72時間)及び四酸化オスミウムのより一層高いモル比(7.5又は10等量)を同じ条件下で用いる場合は、5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ビス(1,2−ジヒドロキシエチル)7,8−ジヒドロキシクロリン及び5−(エフモックアミノフェニル)−15−アリール−10,20−ビス(1,2−ジヒドロキシエチル)7,8,17,18−テトラヒドロキシバクテリオクロリンのそれぞれが得られる。すべての上記生成物は、アミノ基のピペリジン媒介脱保護(上記参照)及び標準的な方法(Clarke,O.J.及びBoyle,R.W.(1999,J.C.S.Chem.Commun.2231))を用いる1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドンでの処理の際に、相当するイソチオシアナートにきれいに転換される。
【0104】
例21
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−フェニル−10,20−(ジアリール)−ポルフィリン−PD媒介Suzukiカップリングによる5,15−ジフェニルポルフィリンからの合成
ボックN−保護5−(アミノフェニル)−15−フェニルポルフィリンを上述したように10及び20メソ位でブロム化した。メソ10,20−ジブロム化した生成物(0.75ミリモル)を乾燥THF(50mL)又はトルエン(50mL)中に溶解し、カップリング反応で用いるボロン酸に応じて、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.75ミリモル)及び無水リン酸カリウム(0.75ミリモル)を添加し、次いで、還流冷却器をフラスコに装着し、及び全体の装置をアルゴン雰囲気下に配置した。次いで、所要のアリール又は複素環式ボロン酸を適切な溶媒(10mL)中の溶液として注入によって添加した。反応物を還流させ、TLCによって完結させた。完結の際に、粗製の反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、及び飽和炭酸水素ナトリウム(2×50mL)、水(2×50mL)及びかん水(2×50mL)で抽出した。有機層を乾燥(MgSO)し、及び減圧中の蒸発によって濃縮した。最後に、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配溶出:ジクロロメタンからメタノールまで)によって精製し、紫色の結晶性固体としてのボックN−保護5−(アミノフェニル)−15−フェニル−10,20−(ジアリール)−ポルフィリンを与えた。ボック保護基を、クロロホルム又はアセトニトリル中のポルフィリンの溶解、溶解度に応じ、更にトリメチルシリルヨウ化物(1.2等量)の添加によって除去し、30分後、メタノール(10mL)を用いて反応をクエンチングさせた。蒸発による溶媒の除去、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;勾配:ジクロロメタンからメタノールまで)によって精製し、5−(アミノフェニル)−15−フェニル−10,20−(ジアリール)−ポルフィリンを与え、これを標準的な方法〔Clarke,O.J.及びBoyle,R.W.(1999.J.C.S.Chem.Commun.2231)〕を用いる1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドンでの処理によって表題の化合物に転換した。
【0105】
例22
5−(4−イソチオシアナトフェニル)−10,15,20−トリ(4−グリコシルフェニル)−ポルフィリン及び5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−グリコシルフェニル)−ポルフィリン−一般的な合成方法
4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ)ベンズアルデヒドを、Lindsey(リンジー)条件〔Sol(ソル),V.,Blais(ブレイズ),J.C.,Carre(カレ),V.,Granet(グラネ),R.,Guilloton(ギロトン),M.,Spiro(シュピーロ),M.,Krausz(クラウス),P.(1999)J.Org.Chem.64,4431〕を用いて、4−ニトロベンズアルデヒド及びピロールで凝縮させ、及び粗製の反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、5−(4−ニトロフェニル)−10,15,20−トリス[4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−グルコピラノシルオキシ)フェニル]ポルフィリンを与えた。あるいはまた、4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシロキシ)ベンズアルデヒドを用い、Boyleの方法(Boyle,R.W.,Bruckner,C.,Posakony,J.,James,B.R.,Dolphin,D.(1999)Organic Syntheses.76,287)を用いることで、5−(4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシロキシ)フェニル)ジピロメタンを合成し、次いで凝縮して、5−(4−ニトロフェニル)−15,−[4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−グルコピラノシルオキシ)フェニル]ポルフィリンを与えた。これらのポルフィリンのニトロ基の還元をTHF中への溶解及び炭素上での10%パラジウムの添加によって行った。混合物のH下での5時間の撹拌に次いでCelite(セライト)によるろ過を行い、及びフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して相当するアミノポルフィリンを与え、これを、アルゴン下、無水1,4−ジオキサンにおいて炭酸水素ナトリウム(6等量)の存在下にエフモッククロライド(2等量)と反応させることによってN保護した。反応をTLCによって監視し、及び完結の際、ジクロロメタンで希釈し、及び水で洗浄し次いで有機層の乾燥(MgSO)の前にかん水で洗浄した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製は、エフモックN−保護5−(4−アミノフェニル)−10,15,20−トリス[4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−グルコピラノシルオキシ)フェニル]ポルフィリン又は5−(4−アミノフェニル)−15,−[4−(2’,3’,4’,6’−テトラ−O−アセチル−β−グルコピラノシルオキシ)フェニル]ポルフィリンを与えた。N及びO保護基を、ジクロロメタン/モルフォリン(1:1)中でのポルフィリンの溶解及び1時間の撹拌によって除去した。減圧中での蒸発による溶媒の除去に次いで残留物をジクロロメタン及びメタノール(4:1)中で再溶解した。乾燥メタノール中のナトリウムメタノレート(sodium methanolate)(OAc基当たり1.5等量)を添加し、及びその混合物を1時間撹拌した。十分に脱保護したポルフィリンを、ヘキサンを用いた沈殿によって回収した。最後に、5−(4−アミノフェニル)ポルフィリンを乾燥メタノール中で溶解し、及び1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(2等量)を添加した。反応物を、アルゴン下、2時間撹拌し、及びTLCによって監視し、完結の際、溶媒を減圧中で蒸発させ、及び粗生成物を調製用の媒体圧逆相クロマトグラフィー(C18;勾配溶出:0.1%TFA水溶液からメタノールまで)によって精製した。
【0106】
例23:
対称的なポルフィリン/クロリンジオール/バクテリオクロリンテトロールシリーズ
5,15−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)ポルフィリン(一般的方法)
3Lの丸底フラスコに、5−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)ジピロメタン(1.86g,6ミリモル)、次いで、N下にDCM(1L)を添加した。この撹拌した溶液に、オルトギ酸トリメチル(48mL,ミリモル)を添加した。次いで、DCM(500mL)中のトリクロロ酢酸(23.0g,ミリモル)の溶液を含有する圧均等滴下漏斗をそのフラスコに装着し、及びその溶液をその反応混合物に10分間にかけて滴下して加えた。反応容器をアルミニウムホイル中に被覆して光を遮り、及びN下に3.5時間撹拌した。次いで、ピリジンを反応混合物中に、迅速に撹拌しながら添加し、及び反応物を更に16時間、光を遮りながら、Nの下に室温で撹拌させた。アルミニウムホイルを除去し、及びその溶液中で空気を20分間泡立てた。この後、その反応物を更に3時間室温でアルミニウムホイルを除去した状態で栓なしで撹拌させた。次いで、反応混合物を減圧中で濃縮して、蒸発、次いで高い減圧によってDCM及び残留するピリジンを除去した。次いで、粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(250mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから50mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷して完全な溶解性を確保した。)、クロロホルムを用いて溶出した。表題の化合物を紫色の結晶性固体として得た(347mg,18%);λmax/(相対強度)410(1.0),502(0.04),538(0.02),578(0.015),630(0.01)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax=634nm(λ励起=408nm);(270MHz,CDCl)10.32(2H,s,10−H,20−H),9.40(4H,d,J=4.8Hz,β−H),9.18(4H,d,J=4.8Hz,β−H),7.52(4H,s,o−Ar),4.20(6H,s,CH),4.00(12H,s,CH),−3.10(2H,br.s,NH);MS(MALDI)m/z=643.4(100%,M)。
【0107】
7,8−ジヒドロキシ5,15−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)クロリン(一般的方法
HPLC等級のクロロホルム(5.0mL)中の5,15−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)ポルフィリン(50mg,77.8μモル)の撹拌した溶液に、無水ピリジン(0.5mL)中の四酸化オスミウム(2.5等量,0.195ミリモル,49mg)の溶液を添加した。反応容器にNを流し、及びわずかに油を塗ったガラス栓を用いて密封し、次いでアルミニウムホイル中に被覆し光を遮り、及び72時間室温で撹拌させた。この期間の後、反応容器のガラス栓をプラスチック栓と置き換え、及び硫化水素ガスの連続した流れによって反応混合物中を5分間泡立てた(ガス出口ニードルを取り付け、及び過剰な硫化水素ガスを、鉱油及び漂白溶液でそれぞれ満たされた一連のDreshel(ドレッシェル)ボトル中に逃がした)。この時間の後、反応混合物をCelite(R)(登録商標)によってろ過し、及び次いで減圧中で濃縮した。いくらかの過剰なピリジンを高減圧下に除去した。次いで、粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(100mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから20mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷して完全な溶解性を確保した。)、DCM中の1%メタノールを用いて溶出した。いくつかの出発物質を回収し(15%)、及び表題の化合物をブラウニー−パープルの結晶性固体として得た、(26mg,50%);融点170℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)410(1.0),504(0.09),534(0.06),582(0.04),636(0.18)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax639nm(λ励起410nm);δH(270MHz,CDCl)9.98(1H,s,10−H),9.42(1H,s,20−H),9.20(1H,m,β−H),9.04(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.99(2H,s,β−H),8.79(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.66(1H,m,β−H),7.45(1H,d,J=1.6Hz,15−o−Ar),7.42(1H,d,J=1.6Hz,15−o−Ar),7.40(1H,d,J=1.6Hz,5−o−Ar),7.19(1H,d,J=1.6Hz,15−O−Ar),6.49(1H,d,J=7.3Hz,7−H),6.23(1H,d,J=7.3Hz,8−H),4.17(3H,s,CH),4.15(3H,s,CH),4.04(3H,s,CH),4.00(3H,s,CH),3.98(3H,s,CH),3.91(3H,CH),−1.80(1H,br.s,NH),−2.19(1H,br.s,NH),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=677.3(100%,M);C3836についての計算されたHRMSは:676.2533、見出されたのは:676.2587である。
【0108】
7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5,15−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)バクテリオクロリン(一般的方法
HPLC等級のクロロホルム(5.0mL)中の5,15−(3,4,5−トリスメトキシフェニル)ポルフィリン(50mg,77.8μモル)の撹拌した溶液に、無水ピリジン(0.5mL)中の四酸化オスミウム(5.0等量,0.39ミリモル,49mg)の溶液を添加した。反応容器にNを流し、及びしっかりと油を塗ったガラス栓を用いて密封し、次いでアルミニウムホイル中に被覆し光を遮り、及び72時間室温で撹拌させた。この期間の後、反応容器のガラス栓をプラスチック栓と置き換え、及び硫化水素ガスの連続した流れによって反応混合物中を5分間泡立てた(ガス出口ニードルを取り付け、及び過剰な硫化水素ガスを、鉱油及び漂白溶液でそれぞれ満たされた一連のドレッシェルボトル中に逃がした)。この時間の後、反応混合物をCelite(R)によってろ過し、及び次いで減圧中で濃縮した。いくらかの過剰なピリジンを高減圧下に除去した。次いで、粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(100mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから20mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷して完全な溶解性を確保した。)、最初にDCM中の1%メタノールを用いる溶出でクロリン副産物を溶出し、次いでDCM中の2.5%メタノールで、主要なバクテリオクロリン異性体〔トランス型と思われるBruckner(ブレックナー)等の(1995)Tetrahedron Lett.36,9425〕を溶出させた。表題の化合物を緑がかった−ピンク(greeny−pink)の結晶性固体として得た、(20mg,36%);融点135℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)374(1.0),512(0.23),702(0.52)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax708nm(λ励起512nm);δH(270MHz,CDCl)9.23(2H,s,10−H,20−H),8.79(2H,d,J=3.2Hz,β−H),8.44(2H,d,J=3.2Hz,β−H),7.37(2H,s,5+15−o−Ar),7.13(2H,s,5+15−o−Ar),6.31(2H,d,J=6.5Hz,7−H,17−H),6.01(2H,d,J=6.5Hz,8−H,18−H),4.12(6H,s,CH),3.92(6H,s,CH),3.89(6H,s,CH),−1.97(2H,br.s,NH),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=712.4(100%,(M+1));C383610についての計算されたHRMSは:710.2590、見出されたのは:710.2607である。
【0109】
例24
生物学的接合のための非対称ポルフィリン/クロリンジオール/バクテリオクロリンテトロール蛍光色素の組合せ
5−(4−アセトミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン
所要の非対称ジフェニルポルフィリンを、先立って概要を述べた一般的な方法を用いるが、わずかな改変のみを行って合成した。この例では、ジピロメタンの混合物を用いた。それぞれのジピロメタンの異なる反応性により、混合されたポルフィリンの最適化に必要な量は異なっていた。同じ規模の反応のために、5−(4−メトキシフェニル)ジピロメタン(505mg,2ミリモル)及び5−(4−アセトミドフェニル)ジピロメタン(838mg,3ミリモル)を用いた。ポルフィリン混合物をシリカゲル(400mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから20mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷して完全な溶解性を確保した。)、最初にDCM(1ガラスピペットいっぱいのトリエチルアミンを溶出液の500mLに添加し溶出を助けた。)を用いて溶出し、5,15−(メトキシフェニル)ポルフィリンの副産物を除去した。この成分の分離後、溶出をクロロホルムで続け、5−(4−アセトミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリンを収集した。望ましいポルフィリンを紫色の結晶として得た(150mg,12%);λmax/(相対強度)410(1.0),502(0.04),538(0.02),578(0.015),630(0.01)nm;δH(270MHz,CDCl)10.35(2H,s,10−H,20−H),9.43(4H,d,J=4.8Hz,β−H),9.14(4H,d,J=4.8Hz,β−H),8.65(2H,d,J=7.2Hz,5−m−Ar),8.22−8.12(4H,d(重複),J=8.1Hz,5−o−Ar+15−o−Ar),7.56(2H,d,J=8.1Hz,15−m−Ar),4.14(3H,s,CH),−3.00(2H,br.s,NH);MS(MALDI)m/z=550.3(100%,M)。
【0110】
5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン
5−(4−アセトミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン(100mg,0.182ミリモル)を18%塩酸(200mL)で処理し、及び空気冷却機を取り付けた。緑色の溶液を3時間85℃に温めた。冷却に先立って、反応混合物を減圧中で濃縮し(水流吸引機;蒸発装置水浴75℃)、過剰の塩酸を除去し、次いで、DCM中のトリエチルアミン(50mL)の溶液を用いて慎重に処理した。有機抽出物を、乾燥(無水NaSO)に先立って、水(100mL)次いで飽和かん水(100mL)で洗浄し、ブフナー漏斗によってろ過し、及び最後に減圧中で濃縮した。所要のポルフィリンをシリカゲル(100mL)上のクロマトグラフィー(10mLのDCM中での液体負荷)、DCM(1ガラスピペットいっぱいのトリエチルアミンを500mLの溶出液に添加し溶出を助けた。)を用いる溶出によって得た。望ましいポルフィリンを、紫色の結晶として得た;(150mg,12%);λmax/(相対強度)410(1.0),503(0.045),538(0.02),578(0.015),630(0.005)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax=634nm(λ励起=410nm);δH(270MHz,CDCl)10.30(2H,s,10−H,20−H),9.39(4H,d,J=4.9Hz,β−H),9.17(2H,d,J=4.9Hz,β−H)9.10(2H,d,J=4.9Hz,β−H),8.19(2H,d,J=8.8Hz,15−o−Ar),8.07(2H,d,J=8.1Hz,5−o−Ar),7.35(2H,d,J=8.8Hz,15−m−Ar),7.14(2H,d,J=8.1Hz,5−m−Ar),4.13(3H,s,CH),4.08(2H,br.s,NH),−3.06(2H,br.s,NH);MS(MALDI)m/z=508.3(100%,(M+1))。
【0111】
5−(4−フルオレノメチルアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン
無水1,4−ジオキサン(2.5mL)中の5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン(28mg,55μモル)の撹拌した溶液に、固体の炭酸水素ナトリウム(6等量,28mg,0.33ミリモル)を添加した。次いで、この混合物に、1,4−ジオキサン(0.5mL)中の9−フルオレノメチルクロロフォルメート(2等量,0.11ミリモル,28.5mg)の溶液をN下に添加した。反応フラスコをアルミニウムホイルで被覆し光を遮り、及び室温で3時間撹拌した。このとき、反応が完結した(TLCによって監視したように)。1,4−ジオキサンを減圧中で除去し、及び残留物を水(25mL)とDCM(2×25mL)との間に分配させた。組み合わせた有機抽出物を飽和かん水(25mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(無水NaSO)、ろ過し、及び減圧中で濃縮した。所要のポルフィリンをシリカゲル(100mL)上のクロマトグラフィー(溶解のためにDCM及び少しのメタノールから10mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷した。)、DCMを用いる溶出によって得た。望ましいポルフィリンを、紫色の結晶として得た;(38mg,95%);λmax/(相対強度)410(1.0),505(0.042),541(0.02),578(0.015),633(0.01)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax=635nm(λ励起=410nm);δH(270MHz,CDCl)10.35(2H,s,10−H,20−H),9.69(1H,br.s,NH),9.44(4H,d,J=4.8Hz,β−H),9.12(4H,d,J=4.8Hz,β−H),8.20−8.17(4H,2×d(重複),J=8.1Hz,5+15−o−Ar),7.85(4H,m,5+15−m−Ar),7.76−7.66(2H,m,フルオレノ−Ar),7.51−7.30(6H,m,フルオレノ−Ar),4.69(2H,d,J=7.2Hz,CH),4.30(1H,t,J=7.2Hz,CH),4.13(3H,s,CH),−3.15(2H,br.s,NH);MS(MALDI)m/z=731.5(100%,(M+1)),508.3(52%,(M−FMOC+1))。
【0112】
17,18−ジヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン及び7,8−ジヒドロキシ5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリンレジオイソマー
5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン(28mg,55.2μモル)を、先立って述べた一般的なクロリン形成方法を用いて、クロリンジオールのレジオイソマーの混合物に転換した。次いで、粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(200mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから20mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷し完全な溶解性を確保した。)、DCM中の1%メタノールで溶出し、最初にいくつかの未反応出発物質、次いでブラウニー−パープルの結晶性固体としてのより一層高いRのクロリン異性体を溶出した。より一層低いRの異性体を、更にDCM中の2.5%のメタノールでの溶出によって得、及びまたブラウニー−パープルの結晶性固体を与えた。
高いR のクロリンレジオイソマー〔2,3−ジヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−15−(4−アミノフェニル)クロリン,nOe measurements(ノエメジャーメンツ)及びJPP paper(ペーパー)から〕:(8.5mg,30%);融点165℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)401(0.99),414(1.0),503(0.08),535(0.07),582(0.035),636(0.22)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax639nm(λ励起412nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)9.95(1H,s,10−H),9.42(1H,s,20−H),9.17(1H,d,J=4.8Hz,β−H),9.03(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.97(2H,s,β−H),8.78(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.51(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.05(2H,d,J=8.9Hz,o−Ar),7.94(2H,d,J=8.1Hz,o’−Ar),7.25(2H,d,J=8.9Hz,m−Ar),7.12(2H,d,J=8.1Hz,m’−Ar),6.42(1H,d,J=6.5Hz,17−H),6.03(1H,d,J=6.5Hz,18−H),4.08(3H,s,CH),(NHのものの交換),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=642.2(100%,(M+1))。
低いR のクロリンレジオイソマー〔nOe measurements及びJPP paperからの2,3−ジヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン〕:(8.5mg,30%);融点168℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)401(0.99),413(1.0),507(0.08),536(0.06),586(0.025),637(0.20)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax639nm(λ励起412nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)9.96(1H,s,20−H),9.40(1H,s,10−H),9.18(1H,d,J=4.8Hz,β−H),9.05(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.98(1H,d,J=4.0,β−H),8.92(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.74(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.58(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.13(1H,d,J=8.9Hz,o−Ar),8.08(1H,d,J=8.9Hz,o−Ar),7.95(1H,d,J=8.1Hz,o’−Ar),7.79(1H,d,J=8.1Hz,o’−Ar),7.36(1H,d,J=8.9Hz,m−Ar),7.30(1H,d,J=8.9Hz,m−Ar),7.11(1H,d,J=8.1Hz,m’−Ar),7.05(1H,d,J=8.1Hz,m’−Ar),6.42(1H,d,J=6.5Hz,7−H),6.09(1H,d,J=6.5Hz,8−H),4.11(3H,s,CH),(NHのものの交換),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=642.2(100%,(M+1))。
【0113】
17,18−ジヒドロキシ−5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)クロリン(より一層高いRレジオイソマー)
DCM(25mL)中の1,l’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(1.07等量,7.6mg,43.5ミリモル)の撹拌した溶液に、(活性化アルミナカラム中の通過によって乾燥させた。)、DCM(10mL)中の17,18−ジヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−15−(4−アミノフェニル)クロリン(17.5mg,23.2□モル)の溶液を添加した。反応フラスコをアルミニウムホイルで被覆し光を遮り、及びN下に2時間撹拌し、その時間でTLCが出発物質の完全な消失を示した。次いで、反応混合物を水(2×50mL)及び飽和かん水(50mL)で洗浄し、次いで、乾燥した(無水NaSO)。次いで、有機抽出物をろ過し、及び10mLのフラッシュシリカゲル上で濃縮し、及びフラッシュシリカゲル(100mL)上でクロマトグラフ処理し、DCM中の1%メタノールで溶出して所要のイソチオシアナトクロリンジオールを溶出した(すべてのTDPのNB.微量成分を、カラムクロマトグラフィーからの生成物の濃縮に先立って除去しなければならず、さもないと、3つのより一層高いRの副産物に対していくつかの分解が発生する。これらのことは、このときには確認できない。)表題の化合物をブラウニー−パープルの結晶性固体として得た(17mg,90%);融点155℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)410(1.0),505(0.09),534(0.06),586(0.04),637(0.18)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax639nm(λ励起412nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)10.0(1H,s,10−H),9.45(1H,s,20−H),9.20(1H,d,J=4.8Hz,β−H),9.06(1H,d,J=4.0Hz,β−H),9.02(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.84(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.64(1H,d,J=4.0Hz,β−H),8.55(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.21(1H,d,J=8.1Hz,o−Ar),8.15(1H,d,J=8.1Hz,o−Ar),8.05(1H,d,J=8.9Hz,o’−Ar),7.93(1H,d,J=8.9Hz,o’−Ar),7.65(2H,m,m−Ar),7.24(2H,m,m’−Ar),6.43(1H,d,J=6.5Hz,17−H),6.04(1H,d,J=6.5Hz,18−H),4.08(3H,s,CH),(NHのものの交換),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=583.7(100%,M);C3426Sについての計算されたHRMSは:584.1757、見出されたのは:584.1756((M+1))である。
【0114】
7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−フルオレノメチルアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(シス/トランス立体異性体)
5−(4−フルオレノメチルアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)ポルフィリン(35mg,48.0□モル)を、先立って述べた一般的なバクテリオクロリン形成方法を用いて、バクテリオクロリンの立体異性体の混合物に転換した。次いで、粗製の反応混合物をフラッシュシリカゲル(200mL)上でクロマトグラフ処理し(DCM及び少しのメタノールから20mLのフラッシュシリカゲルに乾燥負荷し完全な溶解性を確保した。)、DCM中の1%メタノールで最初に溶出し、より一層高いRのクロリン副産物を溶出し、次いで2%メタノール/DCMで2つの立体異性のバクテリオクロリンを別々に溶出した。より一層高いR −トランスのバクテリオクロリン異性体を、ピンキー−グリーンの結晶性固体として単離した(6mg,15%);融点142℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)374(1.0),512(0.23),702(0.52)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax708nm(λ励起512nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)9.20(2H,s,10−H,20−H),8.78(2H,d,J=4.0Hz,β−H),8.36(2H,d,J=4.0Hz,β−H),7.95(2H,m,o−Ar),7.85(2H,d,J=7.3Hz,フルオレノ−Ar),7.79(2H,m,o’−Ar),7.65(2H,m,m’−Ar),7.47−7.38(6H,m,フルオレノ−Ar),7.24(2H,m,m−Ar),6.27−6.24(2H,2×d(重複),J=6.5Hz,7−H,17−H),5.85(2H,d,J=6.5Hz,8−H,18−H),4.65(2H,d,J=7.2Hz,CH),4.39(1H,t,J=7.2Hz,CH),4.06(3H,s,CH),−1.94(2H,br.s(部分的に交換),NH),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=800.4(100%,(M+1))。
より一層低いR −シスのバクテリオクロリン異性体を、ピンキー−グリーンの結晶性固体として単離した(8.5mg,21%);融点148℃(分解);UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)374(1.0),512(0.24),703(0.54)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax708nm(λ励起512nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)9.12(2H,s,10−H,20−H),8.76(2H,d,J=4.8Hz,β−H),8.34(2H,2×d(重複),J=4.8Hz,β−H),8.02(2H,m,o−Ar),7.85(2H,d(不明瞭),J=8.0Hz,o’−Ar),7.83(2H,d,J=7.3Hz,フルオレノ−Ar),7.76(2H,d,J=8.0Hz,m’−Ar),7.50−7.38(6H,m,フルオレノ−Ar),7.24(2H,m,m−Ar),6.27−6.23(2H,2×d(重複),J=6.5Hz,7−H,17−H),5.85−5.82(2H,2×d(重複),J=6.5Hz,8−H,18−H),4.65(2H,d,J=7.2Hz,CH),4.39(1H,t,J=7.2Hz,CH),4.05(3H,s,CH),−1.88(2H,br.s(部分的に交換),NH),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=800.4(100%,(M+1))。
【0115】
7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(より一層低いRシス立体異性体)
DCM中の25%メタノール(1.25mL)における7,8,17,18−テトラヒドロキシ−5−(4−フルオレノメチアミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(より一層低いRシス立体異性体)(8.5mg,10.7μモル)の溶液をピペリジン(50等量,53μL,0.53ミリモル)で処理し、及び3時間の時間光を遮ってN下に室温で撹拌した。反応混合物を減圧中に濃縮しピペリジンのすべての微量成分を除去した(高い減圧が必要である。)。DCM中の1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(1.07等量,7.6mg,43.5ミリモル)(25mL)の撹拌した溶液に、(活性化させたアルミナカラムに通すことによって乾燥させて)DCM中の2,3,12,13−テトラヒドロキシ−5−(4−アミノフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(6.1mg,10.7μモル)(10mL)の溶液を添加した。反応フラスコをアルミニウムホイルで被覆し光を遮り、及びN下に2時間、TLCが出発物質の完全な減少を示す時間撹拌させた。次いで、反応混合物を水(2×50mL)で及び飽和かん水(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させた(無水NaSO)。次いで、有機抽出物をろ過し、及び10mLのフラッシュシリカゲル上で濃縮してフラッシュシリカゲル(100mL)上でクロマトグラフ処理し、DCM中の2%メタノールで溶出して所要のイソチオシアナトバクテリオクロリンテトロールを溶出させた(すべてのTDPのNB.微量成分を、カラムクロマトグラフィからの生成物の濃縮に先立って除去しなければならず、さもなければ、若干の分解が起こる。)。より一層低いR シスバクテリオクロリン異性体をピンキー−グリーンの結晶性固体として単離した(5.0mg,76%);融点132℃(分解);)UV−VIS(CHCl)λmax(相対強度)375(1.0),516(0.22),702(0.48)nm;UV−VIS(CHCl)(蛍光)λmax709nm(λ励起516nm);δH(270MHz,CDCl中の10%MeOH−d)9.20(1H,s,メソ−H)、9.18(1H,s,メソ’−H),8.77(2H,d,J=4.8Hz,β−H),8.40(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.34(1H,d,J=4.8Hz,β−H),8.14(2H,m,o−Ar),8.05(2H,m,o’−Ar),7.42−7.08(4H,m,5+15−m−Ar),6.20(2H,2×d(重複),J=6.5Hz,7−H,17−H),5.98(1H,d,J=6.5Hz,8−H),5.93(1H,d,J=6.5Hz,18−H),4.04(3H,s,CH),−1.80(2H,br.s(部分的に交換),NH),(OHのものは観察されない);MS(MALDI)m/z=618.9(100%,(M+1));C3428Sについて計算されたHRMSは:618.1815、見出されたのは:618.1810((M+1))である。
【0116】
また、さらなる合成プロトコル及び方法論プロトコルは、Sutton等のPorphyrin, Chlorin and Bacteriochlorin Isothiocyanates−Synthesis and Potential Applications in Fluorescence Imaging and Photodynamic Therapy(Journal of Phthalocyanines&Photosensitisers−印刷中)及びOliver(オリバ)J Clarke(クラーク),Isothiocyanato Porphyrins for bioconjugation synthesis and applications in photochemotherapy and fluorescence imaging(博士号論文,2001年4月,エセックス大学)に記載されている;各々のすべての内容を参考として本明細書に組み入れる。
【0117】
方法論の記載1:一般的な生物学的接合プロトコル
ヘキサヒドロキシPITC+抗体
DMSO中のヘキサヒドロキシPITCの保存溶液を0.027のモル濃度に調製し、この溶液を乾燥させ及び必要なときまで0℃で貯蔵した。抗体の溶液を滅菌したPBSに対して大規模に透析しアジ化物の任意の微量成分を除去した。次いで、透析した抗体の溶液を遠心性の濃縮によって10mg/mLの濃度に調整し、及び250μLのアリコートに分けた。
炭酸水素ナトリウムの1M溶液を調製し、及び2M水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した。
抗体の250μLのアリコートに、30μLの1M炭酸水素ナトリウムを添加した。次いで、所定の容積のヘキサヒドロキシPITCの保存溶液を添加し、望ましいモル比(MR)のポルフィリンを抗体に与えた。例えば、20のMRは、250μLの10mg/mLの抗体に10μLの保存溶液の添加によって達成された。生物学的接合反応混合物中でのDMSOの一定の濃度を維持するために、保存溶液のすべてのアリコートを更に一部のDMSOを用いて25μLに希釈した。
【0118】
Figure 2004501923
【0119】
PITCの添加に次いで、生物学的接合の反応物を25℃で1時間緩徐に撹拌した。1時間後、粗製の生物学的接合反応混合物を、滅菌したPBS(25mL)で前もって平衡化された予め包装されたPD10寸法排除カラムの頂上に直接負荷した。カラムを無菌のPBSで溶出させた。抗体−ポルフィリン接合物を最初の色のバンド/画分中に溶出させた。抗体−ポルフィリン接合物の濃度はクロマトグラフィーの間の希釈により1.25mg/mLとして測定された。抗体に対するポルフィリンの標識の程度(DOL,degree of labelling)を、ポルフィリン及びタンパク質の双方についてのモル吸光率の既知の定数を用いる標準的な分光法によって算出した。
抗体−ポルフィリン接合物を、更に濃縮することなく、他に断らない限り、PBS+アジ化物中、0℃で保存した。
【0120】
N−メチルピリジニウムクロライドPITC+抗体
DMSO中のN−メチルピリジニウムクロライドPITCの保存溶液を0.027モル濃度に調製し、この溶液を乾燥させ、及び用いるまで0℃で保存した。抗体の溶液を滅菌したPBSに対して大規模に透析しアジ化物の任意の微量成分を除去した。次いで、透析した抗体の溶液を遠心性の濃縮によって10mg/mLの濃度に調整し、及び250μLのアリコートに分けた。
炭酸水素ナトリウムの1M溶液を調製し、及び2M水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した。
抗体の250μLのアリコートに、250μLの滅菌PBS、次いで60μLの1M炭酸水素ナトリウムを添加した。次いで、所定の容積のN−メチルピリジニウムクロライドPITCの保存溶液を添加し、望ましいモル比(MR)のポルフィリンを抗体に与えた。例えば、20のMRは、500μLの5mg/mLの抗体に10μLの保存溶液を添加することによって達成された。生物学的接合反応混合物中でのDMSOの一定の濃度を維持するために、保存溶液のすべてのアリコートを更に一部のDMSOを用いて25μLに希釈した。
【0121】
Figure 2004501923
【0122】
PITCの添加に次いで、生物学的接合の反応物を25℃で1時間緩徐に撹拌した。1時間後、粗製の生物学的接合反応混合物を、滅菌PBS(25mL)で前もって平衡化された予め包装されたPD10寸法排除カラムの頂上に直接負荷した。カラムを滅菌PBSで溶出させた。抗体−ポルフィリン接合物を最初の色のバンド/画分中に溶出させた。抗体−ポルフィリン接合物の濃度はクロマトグラフィーの間の希釈によって1.25mg/mLとして測定された。抗体に対するポルフィリンの標識の程度(DOL)を、ポルフィリン及びタンパク質の双方についてのモル吸光率の既知の定数を用いる標準的な分光法によって算出した。
抗体−ポルフィリン接合物を、更に濃縮することなく、他に断らない限り、PBS+アジ化物中、0℃で保存した。
【0123】
方法論の記載2:標準的な光細胞障害性
細胞を、集密にまでか、又は適当な密度にまで増殖させ、次いで2回PBS(リン酸緩衝食塩水)で洗浄し、FBS(ウシ胎児血清)のすべての痕跡成分を除去した。細胞密度を、FBSを含まない培地中で1.5×10細胞/mLに調整し、及び次いで、これらを1時間、暗所(37度C,5%CO)、光増感剤/接合物濃度の範囲で温置する。温置後、細胞を更に培地(FBSを含まない)で洗浄して結合しない光増感剤を除去し、次いで再懸濁させ、及びクワドルプレート(quadruplate)中の96ウェルプレート(1×10細胞/ウェル)に播種した。次いで、プレートを照射するか(フィルターを通した赤色光□600nmの3.6J/cm)、又は暗所中で“暗所毒性コントロール”として、同じ時間(〜14分)の間放置するかのいずれかを行う。FBSの5マイクロリットル(5%/ウェル)を、照射/暗所の期間の後、添加し、及びプレートを、一昼夜の温置に戻す。処理後12から24時間まで、10μLのMTT溶液〔PBS中のSigma Thiazolyl blue(シグマチアゾリルブルー)、4.8×10−4M〕を、ウェル当たりに添加し、及びプレートを、発色まで(1及び4時間の間)インキュベータに戻す。酸−アルコールの溶液(イソプロパノール中の0.04NのHClの100μL/ウェル)を添加し、及び十分に混合し濃青色の結晶を溶解する。次いで、プレートをマイクロプレート読み取り機において570nmで読み取り、及びその%の細胞生存率をコントロールに対して算出する。
【0124】
方法論の記載3:初期(initial)フローサイトメトリー発色団分析
2つの蛍光色素プローブを、2,3−ジヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−15−(4−イソチオシアナトフェニル)クロリン(より一層高いRのレジオイソマー)及び2,3,12,13−テトラヒドロキシ−5−(4−イソチオシアナトフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(より一層低いRシス立体異性体)とアビジンとの先立って述べた標準的な生物学的接合プロトコルの下での別々の反応から作製した。初期フロー実験をこれらの各々のアビジンのRAJI細胞及びビオチンモノクローナル抗体(HLA−DRI,L243)との接合物を利用することによって行った(レーザ励起488nm,<640nm(FL2)>670nm(FL3)での発光の収集)。データは、DPBC試料からの信号が、発光フィルター(FL3)に良好に適合するために、著しく高いことを示した。アビジンDPCH又はDPBCのL243抗体との接合物はコントロールに比べ蛍光において中程度の増加を示した。アビジン−DPCH/DPBCのより一層高い濃度を用いることによって、ピークの蛍光が増加し、それは接合物の初期濃度が、受容体を飽和させるのにか、又はそれほどではないにせよ、若干の非共有性の結合にとって余りに低いためのいずれかかもしれない。アビジン−DPCH/DPBC(抗体のない)とのコントロール試料は、L243抗体の不存在下に若干の背景蛍光を示し、接合物のRAJI細胞に対する若干の非特異的結合が生じるか、又は若干の量の非共有的に結合するフルオロフォアがタンパク質から細胞表面に移ったことを示唆する。FITC−アビジンのコントロールは、わずかにより一層高い信号がFL2に存在し、それはまた広い発光バンドのためにFL3にも現れることを示した。L243抗体の存在において、平均の信号は150%の増加を示した。このことは、非共有結合がFITC−アビジン接合物に対してあまり重要でないことを示した。
【0125】
実験を、フルオロフォアのタンパク質表面(BSA及びアビジン)に対する非共有結合のレベルを決定するために行った。非反応性のDPCH及びDPBC誘導体2,3−ジヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−15−(4−アセトミドフェニル)クロリン(より一層高いRのレジオイソマー)及び2,3,12,13−テトラヒドロキシ−5−(4−アセトミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(より一層高いRのトランス立体異性体)とBSA及びアビジンの双方の混合物を用いる‘ブランク’の生物学的接合を実行し、及び得られたタンパク質溶液を先に記載した反応性プローブのために記載したように、ゲルろ過(PD−10)によって精製した。UV分析は、ほぼ同様の量の非反応性プローブがタンパク質に非共有的に結合することを示した。BSA又はアビジンにとって、1つの非反応性DPCHが各タンパク質分子に結合するが、DPBCは、おそらくその増加した極性及び非両親媒性の性質によって1つより少ない。
【0126】
初期の研究を行い、SDS−PAGEを用いて、タンパク質(BSA及びアビジン)から、非共有的に結合したフルオロフォアを除去した。‘ブランク’の生物学的接合の混合物をSDS−PAGEにかける場合、すべての非共有的に結合したフルオロフォアの分離が行えた(可溶化したゲルセグメントの、BSAについての66000D及びアビジンモノマーについての16500DのUV/蛍光は信号を示さなかった。)。さらに、これらの検討に加えて、我々は、BSA(又はアビジン)に非共有結合するフルオロフォアがヒーラ細胞の表面に移ることを示すことができた。ヒーラ細胞を非共有結合的なフルオロフォア−タンパク質複合体の溶液に添加し、及び20分間温置する場合、ヒーラ細胞を除去した溶液から蛍光が除去された。この効果は、2,3−ジヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−15−(4−アセトミドフェニル)クロリン(より一層高いRのレジオイソマー)で2,3,12,13−テトラヒドロキシ−5−(4−アセトミドフェニル)−15−(4−メトキシフェニル)バクテリオクロリン(より一層高いRのトランス立体異性体)よりも極めて顕著であった。細胞の再懸濁及び蛍光の測定は、DPCHの場合において蛍光の10倍の増加を示したが、DPBCだけは中程度の増加を示した。これらの測定によって、タンパク質によるDPCH及びDPBCの双方の重大な蛍光クエンチングが起こること、及びDPCHの両親媒性の性質がヒーラ細胞の膜中に組み込まれてほとんど完全な蛍光の修復が起こることを示唆する。DPBCは、非両親媒性であり、それがタンパク質に対して行うように同様な方法でヒーラ細胞の表面を複雑にすることができ、同様な蛍光のクエンチングを起こす。
【0127】
フルオロフォア接合物がSDS−PAGEによって精製できるので、我々は、非共有結合的に結合したフルオロフォアの除去のための技術として、調製用電気泳動の使用を検討した。このために、我々は、Millipore(ミリポア社)から購入したCentrilutor(R)(セントリルータ、登録商標)micro−electroeluter(マイクロ−エレクトロエルータ)を用いた。この装置はSDSゲルから純粋なタンパク質フルオロフォア接合物を回収させた。
【0128】
方法論の記載4:Micro−Electroeluterを用いるSDS PAGEからの接合物の溶出
・著しく抑制した照明での作業、所要のタンパク質接合物のSDS−PAGEを小さなストリップに切断し、及びセントリルータ試料管に添加し、及びその頂上を閉じた(半分以下、3〜4試料管を用いた)。
・エレクトロエルータのより一層低い緩衝液チャンバーを脱気したSDSランニング緩衝液を用いて第1電極のレベルまで満たした。
・ミリポア社からの3から4のCentricon(R)(セントリコン、登録商標)の遠心装置(BSA接合物のためのYM−30及びアビジン接合物のためのYM−3を用いた。)をエレクトロエルータの上側緩衝液チャンバーラック中の孔に下から(フィルター膜を下にして)しっかり挿入し、及びそのラックの空の孔を、ラックの下側から栓を設けることにより塞いだ。
・上側の緩衝液チャンバーを、エレクトロエルータの同じ側に並べた双方の電極を有する下側の緩衝液チャンバー中に配置した。
・次いで、上側の緩衝液チャンバーを、脱気したSDSランニング緩衝液(上述のような)によって、すべてのCentricon(R)ユニットの頂上が完全に浸漬するまで満たした。漏出が検出されない場合、Centricon(R)ユニットの下に捕捉された気泡を、曲がったプラスチックピペット(ペーパークリップを用いて強化した)によって除去した。
・次いで、セントリルータ試料管をCentricon(R)ユニットの頂上中に配置して、試料管がぴったりと装着されるようにし、及び試料緩衝液(気泡を上述の様に除去した)で完全に満たした。
・エレクトロエルータの安全カバーを追加し、及び電源装置を接続した(200V,50mAを用いた)。
・2〜3時間の後、電源装置を除去し、及びCentricon(R)フィルターをエレクトロエルータの上側緩衝液チャンバーから引き出した。
・ろ液バイアルをフィルターユニットに追加し、及び濃縮水のトップ(retentate top)を追加した。次いで、過剰の緩衝液を、5000G(BSA)及び7,500G(アビジン)で2時間の遠心分離によって除去した。新鮮な0.5Mリン酸緩衝液(pH7.0)をCentricon(R)ユニットに添加し、及びその方法をすべてのSDSが除去されるまで繰り返した。
・次いで、濃縮された精製接合物を、フィルターユニットの濃縮水バイアル中に、反転及び遠心分離によって収集した。アジ化ナトリウム(2M,20mL)を添加し、及び接合物を4℃で保存した。
【0129】
方法論の記載5:FACS接合物結合プロトコル
リン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.3を用いて細胞のフラスコを洗浄する。PBS中の5mMのEDTAを用いて37℃で10分間処理する。フラスコを軽くたたいて細胞を移動させ、50mLのポリプロピレン管中に配置し、及び400gの3分間で小さく丸める。10mLのPBS中に再懸濁し、及び細胞を計数する。FACS管〔ファルコン(Falcon)2054〕中に2×10で配置し、及び1mLのPBSを用いて遠心分離(400g3分)によって洗浄し、及びかき混ぜによって再懸濁させる。
細胞を、500μLのPBS中の2%マーベルミルク粉末、1%BSA中で30分間室温でブロックする。
細胞を1mLのPBS/BSA/アジ化物遠心分離中で洗浄し、及びペレットを再懸濁させる(上述のように)。
10μLの適切な希釈度の抗体を添加する。氷上で1時間温置する。
細胞を1mLのPBS/BSA/アジ化物遠心分離中で洗浄し、及びペレットを再懸濁させる(上述のように)。
50μLのラビット抗−マウス:FITC〔Serotec(セロテック),1/100希釈〕を添加し、及び氷上暗所で1時間温置する。
細胞を1mLのPBS/BSA/アジ化物遠心分離中で洗浄し(上述のように)、及びペレットを400μLのPBS/BSA/アジ化物中で再懸濁させる。
試料を、FACS機械に、CellQuest(セルクエスト)捕捉(acquisition )ソフトウェアを用いて通し、データを収集する。
PBS/BSA/アジ化物
250mL PBS
0.625g BSA
1.56mLアジ化ナトリウム(1.6M)
【0130】
方法論の記載6:SDS−PAGE
分離ゲル
成分   ゲルの%            5       20
アクリルアミド/ビス(40%w/v)  1.67mL  6.66mL
1.5Mのトリス−塩酸(pH8.8)  2.5mL   2.5mL
水                   5.67mL  0.7mL
TEMED               10μL    10μL
10%過硫酸アンモニウム        50μL    50μL
SDS                 100μL   100μL
勾配ゲル5〜20%のために、ペリスタポンプに連通させた勾配撹拌機を用いる。
スタッキングゲル(3%)
成分                    mL
アクリルアミド/ビス(40%w/v)    1.3
1Mのトリス−塩酸(pH6.8)      1.25
水                     7.4
TEMED                20μL
10%過硫酸アンモニウム         50μL
SDS                 100μL
ランニング緩衝液
0.025Mトリス,0.192Mグリシン,0.1%SDS,水中pH8.3。
サンプル緩衝液
1Mのトリス−塩酸(pH6.8)     13mL
20%SDS                6.5mL
グリセロール                5.2mL
0.5%ブロモフェノールブルー       0.26mL
BIORAD(バイオラド社)プロテアン2(Protean2)装置を製造者の指示に従って用いた。
試料(1〜10μgの試料タンパク質を含有する全量15〜20μL)をゲル上に負荷した。
ゲルを200Vで約1時間運転した。次いで、ゲルを光によってスキャンし、その後、それらを、クーマシーブルー染色を用いて染色し、次いで、酢酸/メタノールを用いて脱染した。
【0131】
本発明の更なる例証
我々の独創的な研究において、特に、SuttonJ, Fernandez,N,及びBoyle,R.W.(2000)Functionalised Diphenylchlorins and Bacteriochlorins−Their Synthesis and Bioconjugation for Targeted Photodynamic Therapy and Tumour Cell Imaging.J.Porphyrin and Phthalocyanines 4,655−658);及びClarke,O.J.及びBoyle,R.W.(1999)Isothiocyanatoporphyrins,useful intermediates for the conjugation of porphyrins with biomolecules and solid supports.,J.C.S.Chem.Commun.2231−2232に記載されるように、それらのそれぞれを参考として本明細書に組み入れ、それは、ポルフィリン、クロリン及びバクテリオクロリン分子の組合せが、安定なチオ尿素結合によってタンパク質に効率的に接合することができ、及びこれらの接合物が蛍光造影剤としての潜在能力を有することを示した。
【0132】
本発明の例証として、我々は次に、ヒトの癌細胞に高度な特異性を有するモノクローナル抗体と、ポルフィリン系の光増感剤の我々の組合せとの間に接合を形成するためのこの方法の使用を記載する。この方法で形成された接合物は、相当する癌腫細胞に対する光線力学的な活性について、及びまた、標的でない細胞の存在下にこれらの標的の細胞に選択的に結合し、及び光増感するそれらの能力についてアッセイした。また、我々は、ポルフィリン−BSA接合物のヒーラ細胞への特異的な内部移行を例示する。
【0133】
我々の例は、5,10,15−トリス(3,5−ジヒドロキシフェニル)−20−(4−イソチオシアナトフェニル)ポルフィリン(OH6)及び5,10,15−トリス(ピリジル)−20−(4−イソチオシアナトフェニル)ポルフィリン(PYR)を用い、我々が我々の以前の研究から見出したように、これらの発色団のそれぞれの光活動性のポルフィリンコアの周りの親水性置換基のパターンがタンパク質との効率的な接合を導き;親水性置換基がまた、より一層疎水性のポルフィリンで多く見られるように、光増感剤のタンパク質に対する非共有結合を最小化する。これらの発色団のための合成プロトコルを上記の例1及び2にそれぞれ記載する。
【化94】
Figure 2004501923
【化95】
Figure 2004501923
【0134】
例25−抗体に対する安定な接合
OH6及びPYRを上記例1及び2にそれぞれ記載したように調製した。抗体17.1Aを生物学的接合の方法のために選定した。17.1Aは結腸直腸の癌細胞、特に、Colo(コロ)320細胞(ECACC,寄託番号87061205)上に余分に発現する受容体と特異的に反応する抗体である。しかし、適切な細胞系上で余分に発現する任意の抗原に対し反応する任意の抗体を、本発明にしたがって用いることができる。かかる抗体の例には、Ber−EP4及びMOK−31が含まれ、それぞれはDAKO Ltd(ダコ社),Ely(イーリー),ケンブリッジシャー州から商業的に入手でき、及びそれぞれは上皮細胞上に余分に発現する抗原に対して反応性である。
【0135】
抗体調製物の緩衝液pHを約pH9に増加させるために、先立って、及び生物学的接合の方法の目的のために、モノクローナル抗体調製物を、Centricon遠心機を用いるか、又はリン酸緩衝液を酢酸緩衝液に交換するために、透析にかけて、リン酸から酢酸緩衝液に交換した。
【0136】
OH6及びPYRのそれぞれを、17.1Aモノクローナル抗体と、方法論の記載1に記載した方法に従って別々に接合させ、2.5,5,10及び20のそれぞれのMRを有する接合希釈率の範囲を得た。
【0137】
酢酸緩衝化抗体調製物及びそれから得られたさまざまな希釈率の接合物を方法論の記載6に説明した方法に従ってSDS−PAGEにかけた。結果を図1〜3にそれぞれ示す。図1は緩衝液交換した17.1Aの抗体(レーン1)、及び緩衝液交換した抗体/OH6接合物のMR2.5(レーン2,3)、5(レーン4,5)、10(レーン6,7)及び20(レーン8,9)、及び分子量マーカー(レーン10)を用いて負荷したゲルを示す。図2は透析した17.1Aの抗体(レーン1)、及び透析した抗体/OH6接合物のMR2.5(レーン2,3)、5(レーン4,5)、10(レーン6,7)及び20(レーン8,9)、及び分子量マーカー(レーン10)を用いて負荷したゲルを示す。図3は緩衝液交換した17.1Aの抗体(レーン1)、及び緩衝液交換した抗体/PYR接合物のMR2.5(レーン2,6)、5(レーン3,7)、10(レーン4,8)及び20(レーン5,9)、及び分子量マーカー(レーン10)を用いて負荷したゲルを示す。
【0138】
これらの図に示すように、緩衝液交換か、又は透析かのいずれの方法も、抗体構造を分裂させず、軽鎖及び重鎖は互いと結合したままであり、及びゲル(レーン1)のそれぞれに共に移動する。また、OH6及びPYRの各MRでの接合をゲル(レーン2〜9)上で確認することができる。
【0139】
例26−FACS分析
FACS分析を方法論の記載5に従って行った。
図4はFITC標識化17.1A及びColo320細胞(3回繰り返し)を用いて引き出した結果を示し、及び抗体の細胞への結合が起こっていることを示す(すなわち、Colo320細胞が17.1Aに特異的な抗原を発現する)。
図5は検出のためのFITC標識化した抗17.1A抗体と共にOH6/17.1A接合物及びColo320細胞(3回繰り返し)を用いて引き出した結果を示し、及びOH6/17.1A接合物が細胞に結合していることを示す。
図6は検出のためのFITC標識化した抗17.1A抗体と共にPYR/17.1A接合物及びColo320細胞(3回繰り返し)を用いて引き出した結果を示し、及びPYR/17.1A接合物が細胞に結合していることを示す。
図7は、FITC標識化OX−34(3回繰り返し)を用いて引き出した結果を示し、OX−34は17.1Aと同じクラス(IgG2a)の抗体であるが、異なった高原特異性を有する。これらの結果は、OX−34がColo320細胞に結合せず、従ってColo320細胞上にはOX−34のための結合部位がないことを示す。
【0140】
例27−光細胞障害性の実験
方法論の記載2に説明した方法に従う光細胞障害性の試験を、種々の抗体接合物を用いてColo320細胞上で行った。
図8及び9はOH6/OX−34及びPYR/OX−34接合物のそれぞれを用いて行ったコントロール実験の結果を示す。例16に示すように、OX−34はColo320細胞の表面に発現する任意の抗原に対して特異性を欠くことが見出された。したがって、予想通りに、これらのコントロール実験は照射後の光細胞障害性を示さない。
【0141】
図10及び11は”キャップ(capped)”OH6及びPYRのそれぞれを用いて行った更なるコントロール実験の結果を示す。”キャップ”法は、各発色団上のNCS基とプロピルアミンとの反応を含み、血清タンパク質の接合をブロックする。図10では、暗所での細胞障害性を示さず、OH6がColo320細胞に対して無毒であることを示す。しかし、照射において、若干の光細胞障害性が観察され、キャップOH6のある量がColo細胞の表面に移ったことが示される。一方、図11は暗所での若干の細胞障害性を示し、PYRがColo320細胞に対する若干の程度の細胞障害性に関し、及び照射による光細胞障害性を増加させることを示唆し、再び、キャップPYRのある量がColo320細胞の表面に移ったことを示す。
【0142】
任意の抗体の欠損下で、キャップ発色団の細胞膜への移動は、おそらくキャップ発色団の両親媒性の性質に起因し、これはポルフィリンのコアの周りの親水性基及び疎水性プロピルアミンの”キャッピング”基の双方を有する。このことは特にそれらをColo320細胞膜のような脂質膜中に包埋させ易くする。
【0143】
図12及び13は、OH6/17.1A及びPYR/17.1A接合物をそれぞれ用い、種々の接合物希釈率(OH6/17.1Aについて2.5,5,10,20;PYR/17.1Aについて10及び20)で得た結果を示す。これらの結果は、照射による細胞障害性の有意な増加を示し、生物学的接合物の細胞表面に対する結合が細胞上の感光性を与えることを示す。したがって、これらの種類はPDTの適切な候補である。
【0144】
例28−インビボの光線力学的治療
本発明にかかる接合物を用いる、インビボでの光線力学的治療を行い評価するプロトコルは、R Boyle等の、Br.J.Cancer(1992)65:813−817;R Boyle等の、Br.J.Cancer(1993)67:1177−1181;R Boyle等の、Br.J.Cancer(1996)73:49−53;及びLapointe(ラポワント)等の、J.Nuclear Medicine,Vol.40,No.5(May 1999)876−882に多様に記載されており;これらの各内容を参考として本明細書に組み入れる。
【0145】
これらの論文に記載されているように、腫瘍をマウスのような動物に誘導するか、又は移植することができ、及び次いでその動物に、本発明にかかる抗原に特異性を有する抗体に接合した光増感剤のある量を注射することができ、この抗原は腫瘍細胞の表面上に特異的に発現されるか、又は余分に発現される。その後、動物に照射をすることができ、及び腫瘍に対する効果を、質的にか、又は計量的に、腫瘍の代謝を参照して評価することができる(Lapointe等の、J.Nuclear Medicine,Vol.40,No.5(May 1999)876−882に記載されているように)。また、R Boyle等のBr.J.Cancer(1996)73:49−53に記載されているように、インビボでの光増感剤の分布を、体内分布及び/又は血管性静止アッセイ(vascular stasis assays)によって測定することができる。
【0146】
例29−共焦点レーザー顕微鏡
10,15,20−トリス(3,5−ジヒドロキシフェニル)5−イソチオシアナトフェニルポルフィリン(OH6−NCS)とBSAとの接合物の細胞内局在性の予試験を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて行った。容易に入手できる上皮性のヒト癌腫細胞系ヒーラを、接合物との温置のために選定した。すべての温置は、ヒーラ細胞のサブ集密的な(sub−confluent)培養物を用いて、一連の、標識していないBSAのコントロール溶液、10,15,20−トリス(3,5−ジヒドロキシフェニル)5−アミノフェニルポルフィリン(OH6−NH2,OH6−NCSのアミノ前駆体)、及びPBSのそのままでのものを含む、3通りで行った。細胞を35mmの皿においてカバーガラスの上に播種した。
【0147】
細胞の蛍光画像を、60×(NA1.4)の油浸対物レンズを用いる倒立のオリンパスIX70顕微鏡上のBio−Rad Radiance(バイオラドラジアンス)2000の共焦点レーザー顕微鏡〔Bio−Rad Microscience(バイオラドマイクロサイエンス),ケンブリッジ,MA〕を用いて得た。照明源は25mWアルゴンイオンレーザーからの514nm線であった。ポルフィリンを、514nmのバンドパス励起フィルター、510nmの2色性ミラー、及び570nmの長波長パス発光フィルターを用いて可視化した。
【0148】
細胞の各フィールドを、一連の焦平面からの記録画像によって3次元的に区分化した。1つの焦平面から他のものへの移動は、顕微鏡のファインフォーカスコントロールに関連するステッピングモーターによって達成され、増分量(step sizes)(0.5μmから1.25μmまでの範囲における)は用いられる開口寸法に関して選定し、隣接する区分の間に若干の重複が存在する。十分な垂直区分を採用し、各フィールドにおけるすべての細胞の頂部及び底部を記録する。収集された各画像は共焦点顕微鏡の通常の走査速度での4つの走査の平均値であった。各画像化セッション較正の間に、画像を:(i)培地を含む顕微鏡スライド、背景レベルを測定するため;(ii)DMSO中に溶解したITCポルフィリンOH6−NCSを含むスライド;及び(iii)プローブでない(un−probed)ヒーラ細胞のみを有するスライドで採取した。
【0149】
画像データの取得及び遠隔顕微鏡の操作はBio−Rad Lasersharp2000ソフトウェアを用いて行った。すべての画像を、Confocal Assistant(コンフォクルアシスタント)バージョン4.02、(構築101)1994−1996 Todd Clark Brelje(トッドクラークブレルヘ)を用いて管理した。人工的な色を標準的なBio−Radの参照表(look−up tables,LUT)を用いてあてはめた。
【0150】
設定されたCLSM上で入手できる励起レーザー線のそれぞれでのOH6−NCSの蛍光の予備的な評価は、DMSO中のOH6の0.01mM溶液について行った。図14はOH6−NCSのUV−可視スペクトルを示し、その主要な吸収帯を確認できる。残念ながら、レーザー線はOH6−NCSをそのソレー帯λmaxで励起するために入手できなかった。図15は422nm(最適)、及び4種の波長、457、476、488、及び514nmのアルゴンイオンレーザーで励起した場合のOH6−NCSについての蛍光発光の相対的強度を示す。
【0151】
514nmで励起した場合のOH6−NCSの溶液によって発光した蛍光の強度が、457、476、及び488nmの励起波長での蛍光発光よりおよそ3倍大きいことが示された。OH6−NCSのUV−可視吸収スペクトルは、516nmのアルゴン−イオンレーザー線がOH6−NCSに適合する唯一の励起源であることを示した。3種の最も強いレーザー線、457、476、及び488nmは、OH6−NCSのソレー帯及び第1帯の間の領域においてすべて励起し、一方、514線は516nmでQ帯と十分に重複した。
【0152】
別々に接合物OH6−NCS−BSA及び各々の3つのコントロールと温置した細胞培養物を、次いで、洗浄し及び固定した。次いで、温置した細胞を含むカバースリップを標準ガラス顕微鏡スライド上に注意して取り付け、画像化の準備をした。すべての4種のアルゴン−イオンレーザー線を試験するが、予想通り、蛍光の良好な解像度は514nmのレーザー線を用いることでのみ達成することができた。
【0153】
OH6−NCS−BSAと温置したヒーラ細胞のZ−系列の蛍光画像を図16に示す(この図は左上から右下に見るべきである)。連続した区分を、顕微鏡によって分離された各焦平面の間の2μMのステップで走査し、従って、細胞内での接合物の局在性の3次元の可視化を可能にする。明らかに、接合物OH6−NCS−BSAが細胞に入り、細胞の取り込みの性質の研究は行っていないが、取り込みが飲食細胞運動によって起こっている可能性が最も高い。接合物が核に入らないと思われ、細胞質の至るところに大部分分布していることがわかった。
【0154】
画像化のとき、BSAコントロール又はPBSコントロールと温置した細胞は、極めて低い、かろうじて検出できる程度の蛍光のみを示し、通常の程度の細胞の自己蛍光のせいである。OH6−NH2(接合していないポルフィリンコントロール)の局在性を図17に示すが、これは、ポルフィリンコントロール細胞のズーム画を伴うCLSM画像を示す。細胞内から発する蛍光は観察されず、代わりに、大多数のOH6−NH2は形質膜上に局在した。明らかに、接合物のBSA成分はポルフィリンが細胞の内部に運ばれるのを促進するために必要である。
【0155】
要約すれば、ポルフィリン−BSA接合物の細胞での局在性が、共有結合性のチオ尿素結合の形成によって構成され、通常のCLSM技術を用いて画像化できることが示された。接合していないポルフィリンOH6−NH2は、細胞の膜を浸透しないことがわかったが、有意な程度の蛍光がOH6−NCS−BSAと温置した細胞の内部から検出され、良好な接合物の浸透が示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】緩衝液交換した17.1Aの抗体等を負荷したゲルを示す図である。
【図2】透析した17.1Aの抗体等を負荷したゲルを示す図である。
【図3】緩衝液交換した17.1Aの抗体等を負荷したゲルを示す図である。
【図4】FITC標識化17.1A及びColo320細胞の結果を示す図である。
【図5】検出のためのFITC標識化した抗17.1A抗体と共にOH6/17.1A接合物及びColo320細胞を用いた結果を示す図である。
【図6】検出のためのFITC標識化した抗17.1A抗体と共にPYR/17.1A接合物及びColo320細胞を用いた結果を示す図である。
【図7】FITC標識化OX−34を用いた結果を示す図である。
【図8】OH6/OX−34接合物のコントロール実験の結果を示す図である。
【図9】PYR/OX−34接合物のコントロール実験の結果を示す図である。
【図10】キャップOH6の更なるコントロール実験の結果を示す図である。
【図11】キャップPYRの更なるコントロール実験の結果を示す図である。
【図12】OH6/17.1A接合物の種々の希釈率の結果を示す図である。
【図13】PYR/17.1A接合物の種々の希釈率の結果を示す図である。
【図14】OH6−NCSのUV−可視スペクトルを示す図である。
【図15】4種の波長で励起した場合のOH6−NCSの蛍光発光の相対的強度を示す図である。
【図16】OH6−NCS−BSAと温置したヒーラ細胞のZ−系列の蛍光画像を示す図である。
【図17】OH6−NH2の局在性を示す図である。

Claims (43)

  1. 次の式(I)のポルフィリン発色団:
    Figure 2004501923
    又は次の式(II)、(III)、(IV)、及び(V)のいずれかのクロリン発色団:
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    又は次の式(VI)及び(VII)のいずれかのバクテリオクロリン発色団:
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    〔式中、Rがアリール部分であり、このアリール部分が接合基Zに連結し、この接合基がインビトロ又はインビボの所定の生物学的標的に発色団を送達するためのポリペプチド分子に前記発色団を接合させることができ;
    が親水性アリール部分であり;
    がH又は親水性アリール又は親水性非芳香族部分であり;
    及びX、X、X、及びXのそれぞれが、無関係に、H、OH、ハロゲン、C1〜3アルキル及びOC1〜3アルキルから選ばれるか、又は隣接するC−C結合を有するX及びX及び/又はX及びXがエポキシド又はシクロプロパニル構造を形成するように、X及びX及び/又はX及びXが互いに、O、CH、CHC1〜3アルキル、又はC(C1〜3アルキル)から選ばれる架橋部分を形成し;
    式中、前記R及び前記Rの一方又は双方が、フェニル環を含んでおり、このフェニル環が1又はそれ以上の回数、好ましくは少なくとも2回、1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されており、この親水性置換基が前記R及び/又は前記Rの親水性を高める役目を果たすか、又は四級化ピリジル(ピリジニウミル)環のようなヘテロアリール環を含んでおり、このヘテロアリール環が随意に1又はそれ以上の回数、好ましくは少なくとも2回、1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されており、この親水性置換基が前記R及び/又は前記Rの親水性を高める役目を果たしており;
    前記1又はそれ以上の親水性置換基が、無関係に、ヒドロキシ;メトキシ又はエトキシのようなアルコキシ;C〜C15ポリエチレングリコール;N−メチルピリジニウミルのような四級化ピリジル(ピリジニウミル);モノ−、ジ−又はポリ−糖類;C1〜6アルキルスルホン酸;ホスホニウム基RP(R)(R)(R)(式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR、R及びRのそれぞれが、無関係に、水素、フェニル環のようなアリール環、ピリジル環のようなヘテロアリール環、及びC1〜6アルキル鎖から選ばれ、これらアリール環、ヘテロアリール環又はC1〜6アルキル鎖が置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ、C1〜6アルキル又はアルコキシ、アリール、オキソ、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノによって置換されている。);又はリン酸基又はホスホネート基{それぞれ、ROP(O)(OR)(OR10)又はRP(O)(OR)(OR10)で表され、式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR及びR10のそれぞれが無関係に水素及びC1〜6アルキルから選ばれている。}から選ばれており、
    式中、前記R、R及びRのそれぞれが随意に、更に1又はそれ以上の回数、−OH、−CN、−NO、ハロゲン,−T、又は−OT{式中、TがC1〜15アルキル、シクロアルキル又はアリール基又はそれらのヒドロキシル化、ハロゲン化、硫酸化、スルホン化又はアミノ化誘導体又はそれらのカルボン酸、エステル、エーテル、ポリエーテル、アミド、アルデヒド又はケトン誘導体である。}によって置換されている。〕
    であることを特徴とする発色団。
  2. 前記アリール部分Rがフェニル環を含んでおり、このフェニル環が前記発色団の大環状コアに、単結合によって連結しているか、又はC1〜6の分枝状又は線状アルキル鎖によって連結しているかのいずれかである請求項1記載の発色団。
  3. がHであるか、又はC1〜6アルキル鎖のような親水性のアルキル部分であり、これが、1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ又はC2〜15ポリエチレングリコールのような1又はそれ以上の親水性置換基によって置換されている請求項1又は2記載の発色団。
  4. が親水性アリール部分からなり、このアリール部分が前記親水性アリール部分Rと同じである請求項1〜3のいずれか一項記載の発色団。
  5. 前記R及び前記Rの一方又は双方が、無関係に、
    m,m−(ジヒドロキシ)フェニル
    Figure 2004501923
    又はそのPEG化誘導体;
    m,m,p−(トリヒドロキシ)フェニル
    Figure 2004501923
    又はそのPEG化誘導体;
    o,p,o−(トリヒドロキシ)フェニル
    Figure 2004501923
    又はそのPEG化誘導体;
    p−(メチルトリフェニルホスホニウム)フェニル
    Figure 2004501923
    のようなm−又はp−(C1〜6アルキルトリフェニルホスホニウム)フェニル;
    p−(メチルホスホノ−ジ−エトキシ)フェニル
    Figure 2004501923
    のようなm−又はp−(C1〜6アルキルホスホノ−ジ−アルコキシ)フェニル;
    p−(メチルホスホナト−ジ−エトキシ)フェニル
    Figure 2004501923
    のようなm−又はp−(C1〜6アルキルホスホナト−ジ−アルコキシ)フェニル;
    m−又はp−(N−メチル−ピリジニウミル)フェニル
    Figure 2004501923
    ;ペントース−、ヘキソース−又は二糖類−置換フェニル
    Figure 2004501923
    のようなメタ−又はパラ−糖−置換フェニル;
    及びm−N−メチルピリジニウミル
    Figure 2004501923
    又はp−N−メチルピリジニウミル
    Figure 2004501923
    のようなp−N−(C1〜6アルキル)ピリジニウミル基又はm−N−(C1〜6アルキル)ピリジニウミル基のような四級化ピリジル(ピリジニウミル)基;
    及びp−N−(C1〜6アルキルスルホン酸)ピリジニウミル又はm−N−(C1〜6アルキルスルホン酸)ピリジニウミル、特に、p−N−(プロピルスルホン酸)ピリジニウミル
    Figure 2004501923
    又はm−N−(プロピルスルホン酸)ピリジニウミル
    Figure 2004501923
    のような双性イオン基
    から選ばれる請求項1〜4のいずれか一項記載の発色団。
  6. 前記RがHであり、及び前記Rが、
    Figure 2004501923
    〔式中、Wが、C1〜6アルキル、又はヒドロキシ;メトキシ又はエトキシのようなアルコキシ;C〜C15ポリエチレングリコール;N−メチルピリジニウミルのような四級化ピリジル(ピリジニウミル);モノ−、ジ−又はポリ−糖類;C1〜6アルキルスルホン酸;ホスホニウム基RP(R)(R)(R)(式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR、R及びRのそれぞれが、無関係に、水素、フェニル環のようなアリール環、ピリジル環のようなヘテロアリール環、及びC1〜6アルキル鎖から選ばれ、これらアリール環、ヘテロアリール環又はC1〜6アルキル鎖が置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ、C1〜6アルキル又はアルコキシ、アリール、オキソ、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノによって置換されている。);又はリン酸基又はホスホネート基{それぞれ、ROP(O)(OR)(OR10)又はRP(O)(OR)(OR10)で表され、式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR及びR10のそれぞれが無関係に水素及びC1〜6アルキルから選ばれている。}から選ばれる親水性置換基である。〕;及び
    Figure 2004501923
    〔式中、Wが水素、C1〜6アルキル、複素環式基又は芳香族基である。〕
    から選ばれることを特徴とする請求項1記載の発色団。
  7. 前記R及び前記Rが、
    Figure 2004501923
    〔式中、Wが、水素、又はヒドロキシ;メトキシ又はエトキシのようなアルコキシ;C〜C15ポリエチレングリコール;N−メチルピリジニウミルのような四級化ピリジル(ピリジニウミル);モノ−、ジ−又はポリ−糖類;C1〜6アルキルスルホン酸;ホスホニウム基RP(R)(R)(R)(式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR、R及びRのそれぞれが、無関係に、水素、フェニル環のようなアリール環、ピリジル環のようなヘテロアリール環、及びC1〜6アルキル鎖から選ばれ、これらアリール環、ヘテロアリール環又はC1〜6アルキル鎖が置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ、C1〜6アルキル又はアルコキシ、アリール、オキソ、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノによって置換されている。);又はリン酸基又はホスホネート基{それぞれ、ROP(O)(OR)(OR10)又はRP(O)(OR)(OR10)で表され、式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR及びR10のそれぞれが無関係に水素及びC1〜6アルキルから選ばれている。}から選ばれる親水性置換基である。〕;又は
    Figure 2004501923
    又は
    Figure 2004501923
    〔式中、WがOH、ONa、及びO(C1〜6アルキル)から選ばれる。〕
    の同じものであることを特徴とする請求項1記載の発色団。
  8. 前記Rが、
    Figure 2004501923
    であり、及び前記Rが、基
    Figure 2004501923
    〔式中、Wが、ヒドロキシ;メトキシ又はエトキシのようなアルコキシ;C〜C15ポリエチレングリコール;N−メチルピリジニウミルのような四級化ピリジル(ピリジニウミル);モノ−、ジ−又はポリ−糖類;C1〜6アルキルスルホン酸;ホスホニウム基RP(R)(R)(R)(式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR、R及びRのそれぞれが、無関係に、水素、フェニル環のようなアリール環、ピリジル環のようなヘテロアリール環、及びC1〜6アルキル鎖から選ばれ、これらアリール環、ヘテロアリール環又はC1〜6アルキル鎖が置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、ヒドロキシ、C1〜6アルキル又はアルコキシ、アリール、オキソ、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノによって置換されている。);又はリン酸基又はホスホネート基{それぞれ、ROP(O)(OR)(OR10)又はRP(O)(OR)(OR10)で表され、式中、Rが、単結合か、又はC1〜6アルキルであり、及びR及びR10のそれぞれが無関係に水素及びC1〜6アルキルから選ばれている。}から選ばれる親水性置換基であり;及びXがC又はNである。〕である請求項1記載の発色団。
  9. 5,15−ジフェニルポルフィリン、5,15−ジフェニルクロリン又は5,15−ジフェニルバクテリオクロリン発色団であって、5−及び15−フェニル基の各オルト−、メタ−、及び/又はパラ−位のそれぞれが、置換基P〜P及びQ〜Qによってそれぞれ置換されており、それら置換基が無関係にH又は不活性置換基であり、この置換基が他の置換基P〜P及びQ〜Qと相まって発色団の蛍光特性を実質的に損なうことなく;及び発色団が更に接合基Zを含み、この接合基がインビトロ又はインビボの所定の生物学的標的に発色団を送達するためのポリペプチド分子に前記発色団を接合させることができることを特徴とする発色団。
  10. 次の化合物:
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    〔式中、X、X、X、及びXのそれぞれが、無関係に、H、OH、ハロゲン、C1〜3アルキル及びOC1〜3アルキルから選ばれるか、又は隣接するC−C結合を有するX及びX及び/又はX及びXがエポキシド又はシクロプロパニル構造を形成するように、X及びX及び/又はX及びXが互いに、O、CH、CHC1〜3アルキル、又はC(C1〜3アルキル)から選ばれる架橋部分を形成する。〕から選ばれる請求項9記載の発色団。
  11. 前記P〜Pのそれぞれが、前記2つの主要なフェニル環が対称的に置換されるように、前記Q〜Qの相当する1種と同じであるか、又は実質的に同じである請求項9又は10記載の発色団。
  12. 前記P〜Pの1又はそれ以上が、前記2つの主要なフェニル環が対称的に置換されないように、前記Q〜Qの相当する1種と同じでない請求項9又は10記載の発色団。
  13. 前記発色団が空気中で実質的に不活性であるが、実質的な範囲で、前記発色団のコアの周りの2、3、7、8、12、13、17又は18位での選択的な付加又は置換を抑制しないように、前記置換基P〜P及びQ〜Qが、全体として、前記発色団の自発的酸化の速度を減少させるのに十分な程度の前記発色団のコアの周りの立体障害を提供する請求項9〜12のいずれか一項記載の発色団。
  14. 前記置換基P〜P及びQ〜Qの1又はそれ以上が、H、−OH、−CN、−NO、ハロゲン、−T、又は−OT(式中、TがC1〜15アルキル、シクロアルキル又はアリール基又はそれらのヒドロキシル化、ハロゲン化、硫酸化、スルホン化又はアミノ化誘導体又はそれらのカルボン酸、エステル、エーテル、ポリエーテル、アミド、アルデヒド又はケトン誘導体である。);又はC3〜12シクロアルキル及び/又はアリール環構造、又は2と6との間の、好ましくは2〜3の、融合されたか、又は連結されたC3〜12シクロアルキル及び/又はアリール環構造(それらの各環構造が随意に1又はそれ以上のN、O又はS原子を含むことがある。)からなる請求項9〜13のいずれか一項記載の発色団。
  15. 前記置換基P〜P及びQ〜Qの1又はそれ以上が、無関係に、A14
    〔式中、ZがZ、Z又はZであり;
    及びAが、無関係に、−(CA−、−C(Y)(CA−、−C(Y)Y’(CA−、−C(Y)NA(CA−、−NAC(Y)(CA−、−NA(CA、−YC(Y’)(CA−及び−Y(CA−から選ばれており;n=0〜6であり;Y及びY’が無関係にO又はSであり;A、A及びAが無関係にH又はC1〜2アルキルであり、この基が置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;
    =−(CO)−又は−S(O)であり;m=1〜12であり;p=0〜2であり;
    が単結合又はZであり;ZがZ、Z及びZから選ばれており、 このZが、置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、OH、ハロ、CN、NO、A10、A、NA1011、C(Y)A、C(Y)Y’A、Y(CHY’A、Y(CH、C(Y)NA1011、Y(CHC(Y’)NA1011、Y(CHC(Y’)A、NA10C(Y)NA1011、NA10C(Y)A11、NA10C(Y)Y’A、NA10C(Y)Z、C(NA10)NA1011、C(NCN)NA1011、C(NCN)SA、NA10C(NCN)SA、NA10C(NCN)NA1011、NA10S(O)、S(O)、NA10C(Y)C(Y’)NA1011、NA10C(Y)C(Y’)A10又はZによって置換されており;q=0、1又は2であり;r=0〜2であり;Aが無関係にH及びAから選ばれており;AがO又はAであり;AがC1〜4アルキルであり、このアルキルが置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;A10がOA又はA11であり;A11は、Aであるか、又はA10及びA11がNA1011としてのときには、それらが窒素と共に、炭素原子だけからなるか、又は炭素原子と、O、N及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子とからなる5乃至7員環を形成することができ;
    がC6〜12アリール又はアリールオキシC1〜3アルキルであり;
    が、フラニル、テトラヒドロフラニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、1又は2の不飽和結合を含むC3〜8シクロアルキル又はC4〜8シクロアルキル、及びC7〜11ポリシクロアルキルから選ばれており;
    が、N−アゾリル、ジオキサジアジニル、ジオキサジアゾリル、ジオキサニル、2−N−ジオキサトリアジニル、ジオキサジニル、N−ジオキサゾリル、ジオキソリル、ジチアジアジニル、ジチアジアゾリル、N−ジチアトリアジニル、ジチアジニル、N−ジチアゾリル、1−N−イミダゾリル、N−モルフォリニル、ピロールイル、テトラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ナフチドリニル、オキサジアジニル、オキサジアゾリル、オキサテトラジニル、オキサトリアジニル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ペンタジニル、フタルアジニル、N−ピペリジニル、N,N−ピペラジニル、1−N−ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラチアジニル、テトラジニル、1−N−テトラゾリル、テトロキサジニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアテトラジニル、チアトリアジニル、チアトリアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、1−N−トリアゾリル、トリオキサダジニル、トリオキサニル、トリオキサジニル、トリオキサゾリル、トリチアジアジニル、トリチアジニル、トリチアジアゾリルから選ばれており;
    式中、Z、Z又はZが、Z、Z及びZから無関係に選ばれる1又はそれ以上の他の構成員に融合することができ;
    14が、水素、メチル、ヒドロキシ、アリール、ハロ置換アリール、アリールオキシC1〜3アルキル、ハロ置換アリールオキシC1〜3アルキル、インダニル、インデニル、C7〜11ポリシクロアルキル、テトラヒドロフラニル、フラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、C3〜6シクロアルキル、又は1又は2の不飽和結合を含むC4〜6シクロアルキル(シクロアルキル又は複素環式部分が置換されていないか、又は1〜3のメチル基、1のエチル基、又はヒドロキシル基によって置換されている。)である。〕
    からなる群より選ばれる一員からなる請求項9〜14のいずれか一項記載の発色団。
  16. 前記P〜P及び前記Q〜Qの1つが前記接合基Zを含む接合置換基である請求項9〜15記載の発色団。
  17. 前記接合置換基が、AZ;
    〔式中、ZがZ、Z又はZであり;
    及びAが、無関係に、−(CA−、−C(Y)(CA−、−C(Y)Y’(CA−、−C(Y)NA(CA−、−NAC(Y)(CA−、−NA(CA、−YC(Y’)(CA−及び−Y(CA−から選ばれており;n=0〜6であり;Y及びY’が無関係にO又はSであり;A、A及びAが無関係にH又はC1〜2アルキルであり、この基が置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;
    =−(CO)−又は−S(O)であり;m=1〜12であり;p=0〜2であり;
    が単結合又はZであり;Zが、Z、Z及びZから選ばれており、
    このZが、置換されていないか、又は1又はそれ以上の回数、OH、ハロ、CN、NO、A10、A、NA1011、C(Y)A、C(Y)Y’A、Y(CHY’A、Y(CH、C(Y)NA1011、Y(CHC(Y’)NA1011、Y(CHC(Y’)A、NA10C(Y)NA1011、NA10C(Y)A11、NA10C(Y)Y’A、NA10C(Y)Z、C(NA10)NA1011、C(NCN)NA1011、C(NCN)SA、NA10C(NCN)SA、NA10C(NCN)NA1011、NA10S(O)、S(O)、NA10C(Y)C(Y’)NA1011、NA10C(Y)C(Y’)A10又はZによって置換されており;q=0、1又は2であり;r=0〜2であり;Aが無関係にH及びAから選ばれており;AがO又はAであり;AがC1〜4アルキルであり、このアルキルが置換されていないか、又は1又はそれ以上のフッ素によって置換されており;A10がOA又はA11であり;A11は、Aであるか、又はA10及びA11がNA1011としてのときには、それらが窒素と共に、炭素原子だけからなるか、又は炭素原子と、O、N及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子とからなる5乃至7員環を形成することができ;
    がC6〜12アリール又はアリールオキシC1〜3アルキルであり;
    が、フラニル、テトラヒドロフラニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル、1又は2の不飽和結合を含むC3〜8シクロアルキル又はC4〜8シクロアルキル、及びC7〜11ポリシクロアルキルから選ばれており;
    が、N−アゾリル、ジオキサジアジニル、ジオキサジアゾリル、ジオキサニル、2−N−ジオキサトリアジニル、ジオキサジニル、N−ジオキサゾリル、ジオキソリル、ジチアジアジニル、ジチアジアゾリル、N−ジチアトリアジニル、ジチアジニル、N−ジチアゾリル、1−N−イミダゾリル、N−モルフォリニル、ピロールイル、テトラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ナフチドリニル、オキサジアジニル、オキサジアゾリル、オキサテトラジニル、オキサトリアジニル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、ペンタジニル、フタルアジニル、N−ピペリジニル、N,N−ピペラジニル、1−N−ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、テトラチアジニル、テトラジニル、1−N−テトラゾリル、テトロキサジニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアテトラジニル、チアトリアジニル、チアトリアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、1−N−トリアゾリル、トリオキサダジニル、トリオキサニル、トリオキサジニル、トリオキサゾリル、トリチアジアジニル、トリチアジニル、トリチアジアゾリルから選ばれており;
    、Z又はZが、無関係に、Z、Z及びZから選ばれる1又はそれ以上の他の構成員に融合することができる。〕
    からなる群より選ばれる一員からなる請求項16記載の発色団。
  18. 次の(x)、(y)又は(z)
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    Figure 2004501923
    (式中、R及びR’が以下の組合せ
    R               R’
    4−H             4−NCS
    4−Me            4−NCS
    4−Br            4−NCS
    4−COMe          4−NCS
    3,4,5−トリス(OMe)  4−NCS
    4−NCS           4−OMe
    4−NCS           4−Me
    4−NCS           4−COMe
    4−NCS           4−Br
    4−NCS           4−CN
    4−NCS           4−COMe
    のいずれかであることができる。)
    として示される構造を有する請求項9〜17のいずれか一項記載の発色団。
  19. 〜Xのそれぞれ又はいくつかがH又はOHである請求項1〜18のいずれか一項記載の発色団。
  20. 前記接合基Zが、イソシアナート、イソチオシアナート、又はNHSエステル基;又は−NH、−NH(C1〜6アルキル)、マレアミド、ヨードアセトアミド、ケトン又はアルデヒドのような;ポリペプチド分子に共有結合で結合することができる結合基からなる請求項1〜19記載の発色団。
  21. 前記接合基Zが、比較的高い程度の剛直性及び/又は立体障害を有する連結部分を含んでおり、連結部分が、前記発色団の大環状コアに対する前記結合基の連結に適合する請求項20記載の発色団。
  22. マルチカラー蛍光色素分析用の蛍光色素マーカーの組合せであって、ポルフィリン発色団、クロリン発色団及びバクテリオクロリン発色団からなる群より選ばれる少なくとも2つの発色団からなり、それらの各発色団が同じポルフィリン骨格からなり、それらの各発色団が前記ポルフィリン骨格上の1又はそれ以上の置換基を含んでおり、それらの置換基の1つが接合基Zを含む接合置換基Lであり、Zが、複数の異なる所定の生物学的標的の1つに各発色団を送達するためのポリペプチド分子に、前記各発色団を接合させることができる接合基であることを特徴とする蛍光色素マーカーの組合せ。
  23. 請求項1〜21のいずれか一項記載の2又はそれ以上のポルフィリン、相当するクロリン、及び相当するバクテリオクロリンからなる請求項22記載の蛍光色素マーカーの組合せ。
  24. 前記接合基Zが、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質に接合するか;又は架橋ポリペプチドに接合し、この架橋ポリペプチドが、前記発色団を相補的な架橋ポリペプチドに連関させるために、前記相補的な架橋ポリペプチドに対する結合に適合する請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団又は請求項22又は23記載の組合せ。
  25. 前記架橋ポリペプチドが前記相補的架橋ポリペプチドに結合し、及び前記相補的架橋ポリペプチドが、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質からなるか、これに連関するか、又はこれと融合する請求項24記載の発色団又は組合せ。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項記載の発色団又は発色団の組合せからなる発色団のキットであって、前記発色団又は各発色団が架橋ポリペプチドに接合され、この架橋ポリペプチドが、前記発色団を相補的な架橋ポリペプチドに連関させるために、前記相補的な架橋ポリペプチドに対する結合に適合し;及び構成物又は複数の構成物が、それぞれ、前記生物学的標的に対する特異的な結合に適合する結合タンパク質に融合するか、又は連関する前記相補的な架橋ポリペプチドからなり;その配列が、前記発色団又は各発色団を、前記所定の生物学的標的に対して特異性を有する結合タンパク質に連結させるために、キット中の前記発色団又は各発色団を、前記所定の生物学的標的に対して特異性を有するキット中での異なる構成物への結合に適合させていることを特徴とする発色団のキット。
  27. 前記結合タンパク質が、前記生物学的標的の表面上の標的特異的分子に対して特異性を有するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体又はそれらの断片のような抗体からなる請求項24〜26のいずれか一項記載の発色団、発色団の組合せ又は発色団のキット。
  28. 前記抗体がファージ抗体であり、バクテリオファージの表面上に発現される抗体である請求項27記載の発色団、発色団の組合せ又は発色団のキット。
  29. 前記結合タンパク質が、血清アルブミンタンパク質;又は細胞膜中への挿入のために適合される脂肪酸鎖のような低密度リポタンパク質のような1又はそれ以上の細胞表面分子又は受容体への結合に適合するタンパク質からなる請求項24〜26のいずれか一項記載の発色団、発色団の組合せ又は発色団のキット。
  30. 前記架橋ポリペプチドがカルモジュリンからなり、及び前記相補的な架橋ポリペプチドがカルモジュリン結合ペプチドからなり;又は逆もまた同じで;又は前記架橋ポリペプチドがアビジン又はストレプトアビジンからなり、及び前記相補的な架橋ポリペプチドがビオチンからなり;又は逆もまた同じである請求項24〜29のいずれか一項記載の発色団、発色団の組合せ又は発色団のキット。
  31. 前記発色団又は各発色団がアビジンに接合しており、及び前記構成物又は各構成物が、前記生物学的標的の表面上の標的特異的分子に対して特異性を有するビオチン化モノクローナル抗体からなる請求項30記載の発色団のキット。
  32. 請求項1〜30のいずれか一項記載の発色団を、前記所定の生物学的標的又は標的群に対して付着させるにあたり、請求項26〜31のいずれか一項記載のキットを提供する工程、及び前記キットの成分を、前記結合タンパク質又は各結合タンパク質の前記所定の生物学的標的又は標的群に対する結合を可能にするための適切な条件下に、前記所定の生物学的標的又は標的群の近くに導入する工程を含むことを特徴とする発色団の付着方法。
  33. 前記所定の生物学的標的が、癌細胞、腫瘍細胞、HIVにか、又は任意の他の微生物又はウイルスに感染した細胞、自己免疫疾患において有害な活性を引き起こす細胞、外来のか、又は異常細胞、又は任意の他のそのような細胞のような細胞又は膜である請求項1〜32のいずれか一項記載の発色団、発色団の組合せ又は発色団のキット。
  34. 細胞の混合物から標的細胞を蛍光活性化選別するにあたり、請求項1〜30のいずれか一項記載の発色団又は請求項22〜30のいずれか一項記載の発色団の組合せを前記標的細胞に付着させ、前記標的細胞に付着した前記発色団の1又はそれ以上の蛍光を生じさせるために、細胞の前記混合物に照射をし、蛍光を発する細胞に荷電を与え、及び前記荷電細胞を前記混合物から分離するか、又は分離させるために、細胞の前記混合物を偏光環境に通す工程を含むことを特徴とする蛍光活性化選別方法。
  35. 2又は3の異なる細胞種の細胞を含む複数の標的細胞を可視化するか及び/又は計数するにあたり、請求項22〜30のいずれか一項記載の発色団の組合せを提供する工程であって、この発色団の組合せが2又は3の発色団を含み、各発色団が異なる1つの前記細胞種に送達されるのに適合する工程;その組合せ中の前記発色団を前記標的細胞に付着させる工程;前記発色団によって蛍光の発光を生じさせるために、前記標的細胞に照射をする工程;前記各発色団によって生じる蛍光発光バンドを検出する工程;及び随意に前記各バンドについて、それぞれの個別の細胞種の蛍光細胞の数の測定値を得るために、発光/波長曲線の下での領域を測定する工程を含むことを特徴とする標的細胞の可視化及び/又は計数方法。
  36. 標的細胞を消滅させるにあたり、請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団を前記細胞に付着させ、及び一重項酸素の生成を前記細胞の近くで起こさせるために、前記細胞に照射をする工程を含み、それによって、細胞の死を起こさせることを特徴とする標的細胞の消滅方法。
  37. 腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を処置するにあたり、請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団の有効な量を必要としている患者に投与する工程であって、その発色団が前記細胞への付着を生じるように、その発色団が前記異常細胞か又は望ましくない細胞の表面上の標的細胞特異的分子に対してそれらへの付着のための標的にされるのに適合し、及び前記細胞の近くで一重項酸素の生成を生じさせるために、光を用いて前記細胞に照射をする工程を含み、それによって前記細胞を死滅させることを特徴とする疾病又は障害の処置方法。
  38. 腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を処置するために患者に投与される薬学組成物であって、組成物が、請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団であって、前記異常細胞か又は望ましくない細胞へ送達されるのに適合する発色団、及び適切な担体からなることを特徴とする薬学組成物。
  39. 腫瘍、癌、HIV感染のようなウイルス感染、又はリウマチ様関節炎又は多発性硬化症のような自己免疫疾患のような、異常細胞か又は望ましくない細胞の体内での存在によって特徴付けられる疾病又は障害を患う患者の処置において用いる薬剤の製造における、請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団の使用であって;前記発色団が、前記異常細胞か又は望ましくない細胞に対する送達のために適合することを特徴とする発色団の使用。
  40. それぞれが親水性又は両親媒性部分を有している1又はそれ以上の親水性発色団、及びあまり親水性でない複数の物質及び/又は分子を含む混合物を分離するにあたり、前記混合物を疎水性溶出溶媒に導入し、及び、前記1又はそれ以上の発色団が前記固相上に停止すると共に前記物質及び/又は分子が前記固相から前記溶出溶媒によって溶出するか、又は実質的に溶出するように、前記混合物及び前記溶出溶媒を親水性又は極性固相上に通す工程を含むことを特徴とする混合物の分離方法。
  41. 5,10,15及び20メソ−位に選定された置換基を有する5,10,15,20−テトラ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団を合成するにあたり;5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団を提供する工程;脱離基Qを前記発色団の10及び20メソ−位に付着させる工程であって、脱離基Qがハロゲン化物及びトリフレートから選ばれている工程;連関試薬(R11O)(R12O)BR13を提供する工程であって、R11及びR12が、無関係に、H又はC1〜6アルキルから選ばれているか、又はR11及びR12が互いに前記2つのO原子でつながれているC1〜6アルキル鎖を構成し、及びR13が、上記Rに関して規定される親水性アリール部分のようなビニル又はアリールである工程;及び前記発色団と前記連関試薬とを、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸セシウム及び水酸化バリウムから選ばれる塩基、及びPd触媒の存在下に反応させる工程を含み;前記R13を前記発色団の10−及び20−メソ位で前記離脱基Qと交換することを特徴とするポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリンの合成方法。
  42. 前記5,15−ジ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団が、請求項1〜21のいずれか一項記載の発色団であるか、又はそれらの保護形態である請求項41記載の方法。
  43. 前記R13がビニルであり、及び前記5,10,15,20−テトラ−メソ−置換ポルフィリン、クロリン又はバクテリオクロリン発色団が、前記連関反応に次いで、前記10−及び20−ビニル置換基をヒドロキシアルキルに転換させるように、OsOによってオスミレーション反応を受ける請求項41又は42記載の方法。
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