JP2004501645A - C末端Ernsペプチド中の輸送ペプチドおよびその類似体 - Google Patents

C末端Ernsペプチド中の輸送ペプチドおよびその類似体 Download PDF

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Abstract

本発明は、感染の型特異性診断のための、抗菌活性を引出すための、または細胞内に物質を輸送するためのペスチウィルスErnsタンパク質由来のまたは類似のペプチドに関する。特に、これらの目的のために、本発明はペスチウィルスErnsタンパク質においておよそアミノ酸ポジション194〜220に位置するペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された、合成もしくは組換えタンパク質モジュールまたはその機能的同等物を提供する。

Description

【0001】
本発明は、抗菌活性を引出し、細胞への物質の輸送を行うための、たとえば感染の型特異性診断法のためのペスチウィルスのErnsタンパク質由来の輸送ペプチドに関する。ブタコレラウィルスまたは古典的ブタ熱ウィルス(classical swine fever virus;略称:CSFV)、ウシ下痢症ウィルス(bovine viral diarrhea virus;略称:BVDV)およびボーダー病ウィルス(border disease virus;略称:BDV)はフラビウィルス科ファミリのペスチウィルス属に属し、CSFVはブタに制限され、BVDVおよびBDVは畜牛、ブタ、ヒツジ、シカおよびキリンのようないくつかの種から単離される。ブタはすべてのこれらのペスチウィルスによって感染されるけれども、CSFVのみが深刻な病気を引起こし、しばしば致命的である。病気は熱およびたとえば白血球減少症によって特徴づけられ、急性、慢性または無症状の進行を起こすことができる。効果的な生弱毒ワクチンを利用することができるけれども、ブタは欧州連合ではCSFVに対してワクチン接種されない。ワクチン接種されたブタおよび感染したブタは血清学的に区別がつかないからである。EUにおけるCSFの大発生は、感染した飼育場および近所の飼育場からすべてのブタの根絶によって制御される。この戦略のため、オランダにおける1997年〜1998年のCSFの動物間流行中に、20億USドル以上の費用をかけて、1000万頭以上のブタが殺されて焼却処分された。防御的免疫を提供することができ、野生のCSFV感染によって引起こされる抗体反応と区物することができる、ワクチン接種されたブタにおける抗体反応を導くマーカーワクチンの多大な需用があるのはこの理由のためである。
【0002】
ファミリの他のメンバーのように、1つの長いオープンリーディングフレームを含むゲノムを有するペスチウィルスはプラス鎖RNAウィルスである。仮定されるポリタンパク質への翻訳は、成熟タンパク質へのプロセッシングを伴う。構造タンパク質は、ヌクレオカプシドタンパク質C、3つのエンベロープ糖タンパク質Erns、E1およびE2を含む。エンベロープタンパク質ErnsおよびE2は中和抗体を誘導することができる。糖タンパク質E2は、ペスチウィルスの最も免疫原性のタンパク質であり、感染後中和抗体の高い力価を引出す。E2での標的動物のワクチン接種は、致死の同一源のチャレンジに対する完全な防御を与えることを示す。E2がワクチン接種のために使用される場合、野生のペスチウィルス感染の血清学的な診断方法は、感染性のペスチウィルスにおいて存在するE2以外の免疫原性/抗原性タンパク質で行わなければならない。この目的のため、Erns糖タンパク質は診断試験において抗原として使用することができる。E2糖タンパク質でワクチン接種された集団は、Erns抗原に基づいた診断テストでペスチウィルス感染に対して血清学的に試験することがまだ可能である。Ernsに基づく血清学的試験は、ウィルスに感染した動物由来のErns抗体陽性血清と非感染動物由来のErns抗体陰性血清とを区別することができる。これは、マーカーワクチン方法と呼ばれる。もちろんこれらのマーカーワクチンは、感度のよい試験に依存し、CSFVの場合は、ブタを他のペスチウィルスBVDVおよびBDVに感染させることができるので、試験はまた非常に特異的でなければならない。BVDVおよびBDVはブタにおける(深刻な)臨床的症状を引起こさず、動物はこれらのウィルスに対してワクチン接種されないので、CSFVマーカーワクチンに対する診断試験はCSFV抗体のみを検出し、他のペスチウィルス抗体は検出しないはずである。完全なErnsタンパク質に基づく血清学的試験は、以前に発達しているけれども、常に満足なものではなく、異なるペスチウィルス種での感染と充分区別できない、またはペスチウィルスでの早期感染を検出するのに充分な感度ではない。
【0003】
1つの実施の形態において、本発明はここではモビン(Movin)と呼ばれるいわゆる輸送ペプチドモジュールを提供する。原則として、我々は積荷を付着することができるこのような輸送ペプチドモジュールとして機能することができる40%以上のアルギニン(R)またはリジン(K)を有する10〜18残基の長いほぼ線状のペプチドを発見した。このような輸送ペプチドモジュールは、好ましくはアスパラギン酸(D)またはグルタミン酸(E)のような負に帯電したアミノ酸を含まないまたは少量のみ含むべきである。好ましいペプチドモジュールは、たとえば表4、表5および表9〜表11のように完全な配列またはその逆反転変異を同定した。アミノ酸配列における多様性は、少なくとも移動活性の観点から見てうまく耐性があり、概算して、関連する配列は、前記表に示されるように、少なくとも30〜50%の相同性、好ましくは少なくとも70%の相同性、最も好ましくは少なくとも85%の相同性を有し、このことは自然に存在するまたは合成することができるさらなる関連配列を同定させる。
【0004】
輸送ペプチドモジュールのアミノ酸配列における置換は、移動(輸送)活性を増加させることができる。最適化された輸送ペプチドモジュールは、たとえば、配列が逆でありD−アミノ酸をL−アミノ酸の代わりに使用することができる逆反転ペプチド化学に基づいて合成されることができる。Ernsペプチド、L3ループペプチドまたはヒト呼吸シンシチアルウィルスタンパク質G(human respiratory syncytial virus peotein G;略称:HRSV−G)ペプチド、およびペプチドミミックまたはそれ由来のペプチドのここで示されたポジション由来の輸送ペプチドは、ヘパリン様の表面グリコサミノグリカンに結合することができる。そのため、ペプチドが線状のヘパリン結合性ペプチド群に属し、関連するグリコサミノグリカンに結合することができるという見解は、ペプチドはまたおそらく輸送ペプチドとして機能することができるという予測として用いられ得る。しかしながら、ヘパリン結合は、輸送ペプチドであるペプチドにとって欠くことのできないものではない。
【0005】
細胞表面におけるヘパリンの存在が移動の効率に影響したか否かを確認するために、ヘパリン結合性ペプチドはまた、グリコサミノグリカン欠乏性突然変異細胞(細胞株はpgsA−745およびpgsD−677)へ移動するか否かを試験した。異なる細胞におけるすべてのヘパリン結合性ペプチドの滴定は、ペプチドがヘパリンを含む細胞およびヘパリンのない突然変異細胞において同じ効率/活性で移動したことを示した(データ示さず)。このように、ヘパリン結合性ペプチドは、移動活性を有し、ヘパリンへのペプチドの結合は、明らかに原形質膜の浸透からペプチドを阻止しない。おそらく、ペプチドは、ヘパリンに対して高いオン/オフ率を有し、リン脂質に対する高い親和性は、ペプチドを膜、最終的には細胞へ向かわせる。他方で、ヘパリン結合は、予測にかかわらず、ペプチドの効率的な移動にとって欠くことのできないものではないようである。
【0006】
さらに本発明は、細胞膜、上皮層、粘液層、血液−脳関門または皮膚を超えて前記化合物を移動するための方法であって、該方法は、本発明による化合物を輸送ペプチドモジュールに与えて、細胞とそれを接触させることを含む。
【0007】
ここでは積荷と呼ばれるそのような化合物は大きく、600kDまでの化合物の移動の成功が示されており、より大きな化合物ですら移動させるであろうことが予想される。化合物の有用性に関連する移動速度の観点から、好ましい化合物の分子量は60〜500kDであり、さらに好ましくは120〜300kDである。
【0008】
化合物は様々な性質を有することができ、たとえばヌクレオチド、ポリペプチドなどのマクロ分子、および抗ウィルス性、抗菌性または抗炎症性薬などの薬剤を、そのような化合物の成功した移動のためにここに提供されるようなモジュールに結合することができる。
【0009】
そのような化合物の主題となる応用法、たとえば薬剤組成物としての応用法が特に提供され、ここで提供されるようなモジュールは、皮膚の上層に浸透する優れた能力を有する。典型的な応用法は、チオエステルのような不安定なリンカーまたはO(C=O)CHNRC(=O)CHNHCH(C=O)SCysリンカーのような不安定なリンカーの更なる使用を含む。本発明による輸送ペプチドモジュールの使用のために、薬剤またはマクロ分子は、前記ペプチドと概して共有結合される。例としては、シクロスポリンA、アシクロビアおよび本発明のモジュールと結合させたテルビナフィンである。
【0010】
また本発明は、特に、ペスチウィルス感染によって引起こされる疾患と関連するペプチドに基づく診断を提供する。ここで提供され、診断に有用な抗原性ペプチドは、驚くべきことに、抗菌または輸送ペプチドなどの別の用途で利用可能である。1つの実施の形態において輸送ペプチドモジュールはErnsタンパク質由来の断片であるので、E2、他のペスチウィルス表面タンパク質に基づくマーカーワクチンが使用されるときペスチウィルス感染の診断に利用される。その独特な生化学的特徴のために、ここで提供されるようなペプチドは、浸透する能力および微生物を殺す能力を有し、それ自身および結合した積荷を細胞膜および上皮関門を横切って移動する能力を有する。
【0011】
好ましい実施の形態では、本発明は、ペスチウィルスErnsのC末端において、好ましくはヘパリン結合性ペプチド、DNA/RNA結合性ペプチドにおいて、HRSV−Gタンパク質において、α−サルシン、レスチクトシン、ミトギリン、トキシンAspfI、クラビン、またはジャイアンチンのようなII型リボトキシン群に属する分泌された細胞障害性RNaseのL3ループにおいて存在するモジュールに関連する、このようなさらに非同定の小さい独立した折りたたみタンパク質(ペプチド)モジュールおよび輸送ペプチドとしてのその使用を提供する。以前には、α−サルシンの移動の原因である領域は、L3ループから離れて位置する疎水性の伸長部分において位置すると考えられていた(Mancheno et al.,Biophys.J.68,2387−2395,1995)。好ましい実施の形態において、本発明は単離された合成もしくは組換えタンパク質モジュール、または表1〜表4および表9〜表11に示されるいかなる配列に対して、またはたとえばペスチウィルスErnsタンパク質においておよそアミノ酸ポジション194〜220に位置するアミノ酸配列に対して少なくとも85%一致するアミノ酸配列を有する、および/または表5に示すようにL3ループ配列に対して少なくとも70%一致するその機能的な同等物を提供する。
【0012】
そのような輸送ペプチドモジュールは、個々のアミノ酸から開始するここで記載されるような通常のペプチド合成または結合技術によって、または関連する配列のより小さいペプチドを他の物に結合または連結することによって、またはより大きなペプチドから切出すことによって人工的に調製することができる。望ましいときには、非従来的なアミノ酸は、自然においては通常存在しないD−アミノ酸またはその他の物を使用することができる。ペプチドはまた、ペプチドまたはタンパク質モジュールなどをコードする組換え核酸からの転写および翻訳を介する組換えDNA技術を介して調製することができ、それはたとえば抗体由来の所望の結合性分子またはタンパク質リガンドまたは受容体結合性分子などのような融合タンパク質または特異的標的分子などに結合される。たとえば、我々はA72細胞において輸送ペプチドおよびグリーン蛍光タンパク質の融合タンパク質をうまく発現した。グリーン蛍光タンパク質は、ビオチン化された輸送ペプチド、すなわち核小体として同じ細胞の位置および核周辺を示した。このことは細胞を超えて均一に分配された通常に発現されたグリーン蛍光タンパク質とは対照的である(データ示さず)。
【0013】
好ましい実施の形態では、本発明は、輸送ペプチドモジュールまたはその機能的部分を提供する。前記ペプチドの少なくとも前記機能的部分は、請求項1〜6において与えられる配列の1つに対して逆のアミノ酸配列を含む。D−アミノ酸配列は、L−アミノ酸の代わりに使用される。配列を逆にすることおよび代わりにD−アミノ酸を使用することは、移動活性を強め、たとえば細胞膜関門を通って細胞へマクロ分子または薬剤を輸送するために改良された使用を可能にする。
【0014】
ここで説明されるような好ましい実施の形態では、本発明は輸送ペプチドモジュールとして機能的であるモジュールを提供する。また、積荷が付着されると、前記ペプチドは、アミノ酸ポジション約191〜222、約194〜227、約191〜227、ペスチウィルスErnsタンパク質の場合はアミノ酸ポジション約176〜約220、222または227、L3ループタンパク質の場合は51〜91残基、59〜88残基、62〜88残基または62〜74残基、呼吸シンシチアルウィルスGタンパク質の場合はアミノ酸ポジション187〜223に位置する。また、HRSVのB型においては、類似の領域がタンパク質Gにおいてポジション149〜160で検出された。これらのアミノ酸ポジションおよびその番号はもちろん、たとえばここでの様々なペスチウィルス配列の配列が示される図において示されるような既知の配列に関連する。このことは、もちろん、たとえば未知のペスチウィルス配列のアラインメントを可能にし、リボトキシンL3ループ配列でのアラインメントを可能にする。概算して、関連する配列は少なくとも30〜50%の相同性、好ましくは少なくとも70%の相同性、最も好ましくは少なくとも85%の相同性を有する。このことは自然に存在するまたは合成することができる関連配列をさらに同定させる。ここでの例としてモジュールが記載される。前記ペプチドは以下のアミノ酸配列を含む。RQGAARVTSW LGRQLRIAGK RLEGRSK、またはRQGTAKLTTW LGKQLGILGK KLENKSK、またはRVGTAKLTTW LGKQLGILGK KLENKTK、またはRQGAAKLTSW LGKQLGIMGK KLEHKSK、またはGNGKLIKGRTPIKFGKADCD RPPKHSQNGMGK、またはGDGKLIPGRTPIKFGKSDCDRPPKHSKDGNGK、またはGEGKILKGRTPIKFGKSDCDRPPKHSKDGNGK、またはGDGKILKGRTPIK WGNSDCDRPPKHSKNGDGK、またはKRIPNKKPGKK、またはKTIPSNKPKKK、またはKPRSKNPPKKPK、またはその機能的部分である。しかしながら変形例は、好ましくはペプチドの両新媒性の性質を最も効果的にするポジションで、ペプチドの正電荷を増加させることによって導入することができるが、必要ではない。
【0015】
他の例では、プロテアーゼ感度をできるだけ減少させるために、いくつかのまたはすべてのL−アミノ酸をD−アミノ酸に換えている。Ernsペプチドの移動活性は、2つのリジンおよびグルタミン酸のアルギニンによる置換によって更に改良される。好ましい実施の形態においては、前記同定されたペプチドモジュールの逆反転変異が提供される。すなわち逆の配列およびL−アミノ酸を置換するD−アミノ酸を有するそのような逆反転ペプチドは、より高い移動活性を含む。
【0016】
もちろん、また本発明はたとえば標的手段を有する、たとえば本発明によるモジュールとともに提供されるタンパク質物質を供給するために、本発明によるモジュールをコードする組換え核酸を提供する。
【0017】
また1つの局面における本発明は、ペスチウィルスのErnsタンパク質またはたとえば診断試験、抗菌性または輸送ペプチドのための基礎として使用することができるリボトキシンIIのL3ループにおける前記タンパク質モジュールに相当する、好ましくはペプチドに基づいた、抗原物質の設計に関連する。たとえば、ある実施の形態では、本発明は、本発明による抗体、モジュールまたは物質を形成することができる宿主への投与物を含む抗体を誘導する方法を提供する。抗体は、たとえば前記抗原物質で動物を免疫することによって、またはたとえばいわゆる合成抗体が産生されるファージディスプレイ法などのより近代的な技術を介して、古典的に誘導することができる。それは、合成または古典的(モノ、またはポリクローナル)抗体であるので、本発明は、本発明によるモジュールに対して特異的に向けられた抗体を提供する。
【0018】
ここで提供されるように、ペスチウィルス由来のモジュールおよび/または抗体とともに、本発明は、検体においてペスチウィルスに対する抗体の有無を検出するための方法であって、前記検体を本発明によるモジュールまたは物質と接触させることを含む方法を提供し、前記方法は、好ましくは前記モジュールまたは物質に結合した抗体の有無を検出することをさらに含む。前記モジュールに対する競争抗体の存在下において前記検体を前記モジュールまたは物質と接触させて、前記モジュールまたは物質と結合した競合抗体の有無を検出することを含む方法を提供する。これにより、本発明は、少なくともある動物を他の動物と区別するための本発明による方法の使用を提供する。このように本発明は、Ernsタンパク質の小さな断片に基づく試験を提供する。配列分析および相同性モデリングは、抗原物質の設計に使用することができる領域を同定するためにペスチウィルスErnsに対して使用され、完全なErnsタンパク質のタンパク質表面で未感作状態において暴露される小さな独立の折りたたみタンパク質モジュールの同定を生じた。また前記領域は、完全なタンパク質に匹敵するまたはより優れる抗原物質を設計するために使用することができる。
【0019】
さらなる実施の形態には、本発明はErnsペプチド−Elisaにおいてより優れた抗原として働くペプチドを提供するだけではなく、とても興味深く有用な付加的特徴を持ったペプチドもまた提供する。その独特な化学的性質のために、ここで提供されるペプチドは、たとえばリボトキシンにおいてErnsC末端ドメインまたはL3ループに相当し、細胞膜と相互作用し、膜を不安定にする。
【0020】
さらに本発明は、細胞膜、上皮層、粘液層、血液−脳関門または皮膚を超えて化合物を移動させるための方法を提供し、該方法は前記化合物に本発明によるモジュールまたは物質または輸送ペプチドモジュールを与えることを含む。さらに、前記モジュールまたは物質と前記微生物と接触させることを含む、微生物への抗菌活性を引出すのための方法を提供する。
【0021】
ここで、提供されるそのようなErnsペプチドまたはタンパク質モジュールは、たとえばグラム陰性菌(E.Coli)に対する抗菌活性を有する。L3ループまたはErnsペプチドは、たとえば真核細胞の膜に対して移動活性を有する。生物学的膜は、外側の環境から細胞の微環境または細胞内画分を保護する非常に効率のよい関門である。細胞内の生物学的過程を直接的に阻害するために、薬剤はその標的を阻止/結合するために脂質二重膜を通過する必要がある。多くの有望な発達の可能性がある治療学(親水性有機分子、ペプチド、タンパク質または遺伝子)は有効ではない。細胞膜がうち勝ちがたい関門を形成するからである。しかしながら、この問題を解決することができるいくつかのペプチドが最近発見されている。それらのペプチドは、脂質二重膜を移動することができ、また細胞内で積荷の別種の組合せを輸送することができる。
【0022】
孔を形成するペプチドと模型および人工膜との相互作用は、少なくとも30年に渡って研究されている。抗腫瘍、溶血、抗菌活性を有する膜不安定性ペプチドのいくつかのファミリまたは組合せが発見されている。これらのペプチドの多くが膜表面において組織化および統合し、膜を不安定にする疎水性表面および正帯電性表面を有する両親媒性ヘリックスを形成する。それらの作用形式は、最近発見された輸送ペプチドといくつかの類似点を有する(Matsuzaki et al,Biochem Biophys Acta 1376:391−400,1998;Lindgren et al.,Trends Pharmacol SCI 21:99−103,2000)。現在本発明は、いくつかの目的に対して有用な本発明のモジュールまたは物質を含む薬剤組成物を提供する。たとえば本発明は、膜移動が可能な薬剤組成物(輸送ペプチド)の調製のため、抗菌活性を引出すことができる薬剤組成物(抗菌性ペプチド)の調製のため、または宿主に対しての投与に関する抗体を誘導することができる薬剤組成物(ワクチン)の調製のための本発明によるモジュールまたは物質の使用を提供する。さらに本発明は、詳細な説明において説明されるが、それに対して限定されるものではない。
【0023】
(詳細な説明)
診断のため、本発明はペスチウィルスのErns由来のアミノ酸配列を含むペプチドを提供する。前記アミノ酸配列はたとえばErnsのC末端に相当する37アミノ酸残基の長さを有する。それはRNaseドメインに対してC末端に配置される。好ましくは、前記アミノ酸配列は、ペスチウィルスErnsの少なくともアミノ酸残基191〜227を含み、それに加えて多くとも4つのアミノ酸の違いを有する。好ましくは、前記ペスチウィルスErnsペプチドは、古典的ブタ熱ウィルス(CSFV)を構成するグループ、株Alfort187、BVDV−1株M96751、BVDV−2、BDV、株X818から選択される。好ましくは、前記アミノ酸配列は、以下からなるグループから選択された一部分を含む。
【0024】
【表1】
Figure 2004501645
【0025】
さらに好ましくは一部分は、以下からなるグループから選択された。
【表2】
Figure 2004501645
【0026】
そのような一部分は以下からなるグループから選択された。
【表3】
Figure 2004501645
【0027】
ペプチドが抗原物質またはその前駆体に関連する場合、ペプチドは、相当するErnsタンパク質においてその相対物の三次構造を採用することができることが好ましい。このことは異なるペスチウィルスのタイプまたはサブタイプ間の区別または同定を可能にし、異なるペスチウィルスタイプまたはサブタイプに対する抗体間の区別または同定を可能にする。抗原物質またはその前駆体は、ここで定義されるペプチドを含む。
【0028】
ここで定義されるペプチド、抗原物質またはその前駆体は、ペスチウィルス感染の診断において使用され得る。また本発明は、ペスチウィルスまたはペスチウィルスのタイプまたはサブタイプの検出のための診断試験キットを提供する。診断試験キットは、検出のための適切な方法とともにここで定義されるペプチド、抗原物質またはその前駆体を含む。好ましくは試験キットは、酵素結合性免疫吸着剤アッセイを供給する。
【0029】
また本発明は、ここで定義されるペプチド、抗原物質またはその前駆体、ある意味では前記ペプチド、抗原物質またはその前駆体を含む複合体とともに体液の検体に接触することを含む、ペスチウィルス(に対する)抗体を検出する方法を提供する。前記ペプチド、抗原物質または前駆体に対する抗体を形成することができ、続いて前記複合体を検出する。
【0030】
さらに、本発明は、ここで定義されるように、ほ乳類に対する投与のための適したアジュバントまたは賦形剤とともに、ペプチド、抗原物質またはその前駆体を含むペスチウィルス感染予防のための薬剤組成物またはワクチンを提供する。
【0031】
また本発明は、ペスチウィルスに対する免疫反応を引出すために十分な量において、前述の定義のようにほ乳類に投与する組成物を含むペスチウィルス感染予防法を提供する。さらに、本発明は、ここで定義されるペプチドを模倣するペプチド模倣物を提供する。
【0032】
本発明の他の局面は、ここで定義されるように、抗原物質またはその前駆体を適したアジュバントとともにほ乳類の宿主に投与し、前記ほ乳類宿主から結果として生じる抗体または抗体産生細胞を収穫することを含む、ペスチウィルスのタイプまたはサブタイプに対する抗体を誘導するための方法である。
【0033】
また前記方法によって得ることができるペスチウィルスのタイプまたはサブタイプに対する抗体は、本発明の一部である。好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。他の局面では、本発明は、前記抗体と検出のための適した手段とを含むペスチウィルスのサブタイプまたはタイプ(に対する抗体)を検出するまたは区別するための診断試験キットを提供する。
【0034】
抗菌および輸送活性のために、本発明は、表1および表2に列挙されるような類似のアミノ酸配列を提供する。組織分析は、Ernsアミノ酸194〜220を含むより短いペプチドが、より高い輸送活性を有し、より低い溶血活性を有した。好ましくは、前記アミノ酸配列は、以下からなるグループ、またはリボソーム不活性化タンパク質のL3ループに関連する表5に示すものから選択された部分を含む。
【0035】
【表4】
Figure 2004501645
【0036】
血清学において使用されている主なペプチドは、連続的なエピトープに相当する。小さな線状のペプチドを使用して非連続エピトープ複合体に対して抗原を検出することは不可能であり、タンパク質のアミノ酸配列に基づいた非連続のエピトープを予測することは難しい。さらに、大きい球状タンパク質の抗原性表面は、小さな線状ペプチドで正確に模造することはできない。我々は、抗原性を維持している間安定した三次構造をとるペスチウィルスのErnsタンパク質において、独立した折りたたみタンパク質を予測することによってこの問題を解決した。
【0037】
この予測は、有用な抗原の正しい設計のために非常に重要である。ペスチウィルスErnsの2つの伸長部分は、リボヌクレアーゼRh(Ribonuclease Rh;略称:RNaseRh)、Rizopus niveusの微生物リボヌクレアーゼの新しいクラス、T/S RNaseスーパーファミリのメンバーと配列の相同性を示す。このタイプのRNaseの典型的な特徴は、低い塩基特異性および大きな分子量である。
【0038】
RNaseRhの結晶構造が決定され(Kurihara et al.,J.Mol Biol 255:310−320,1996)、その3次元(3D)構造によって、Ernsに対する配列相同性を有する両方の伸長部分がRNaseの活性部位を構成するということを確認した。2つの伸長部分の配列相同性を除けば、タンパク質の残りの部分におけるさらなる相同性は明らかではない。
【0039】
低い配列相同性に関わらず、我々は評価するマトリクスの異なるタイプを用いたアラインメントおよびRNase配列の大きな組合せの複合的配列アラインメントの構成を可能にした。満足のいくアラインメントは、いかなるパラメータ設定でもアラインメントソフトウェアを使用できない。そのため、アラインメントの一部は手動で編集された。低い配列相同性の部分のために、アラインメントはPHDソフトウェアの二次構造予測によって導かれた(Rost,B. and C.Sander,1992,Nature,360:540)。
【0040】
複合的配列アライメントの検査後、ペスチウィルスErnsと他のRNaseとの間でいくつかの主要な相違点が観察された。他のRNaseの配列と比較して、ペスチウィルス配列は、N末端での省略、83残基、135残基後の大きな挿入および伸長された非常に異なるC末端を有する。
【0041】
37C末端残基は、他のRNaseと揃えることができなかった。C末端の他の特徴は、正電荷が非常に多く、親水性のらせん度が高値を示した。191〜221残基のらせん状の環の表示は、疎水性表面および正帯電性表面を有する親水性ヘリックスを示す(図2)。
【0042】
完全な両親媒性に相当しないであろう、ただ3つの残基は、Ile210、Arg214およびArg218である。明らかなドメインがSMARTのようなソフトウェアで見られたにもかかわらず(Schultz et al.,PNAS 95:5857−5864,1998)、アライメントに従うRNaseドメインから分離し、その典型的な二次構造を有するこのC末端領域は、現在、分離性ドメインまたはモジュールとして考えることができる。RNase分子におけるそのような正帯電性ドメインは、Eに独特のものではなく、II型リボトキシンにおいても観察されている。RNaseのこのクラスは、大きなリボソームRNAを加水分解する細胞外細胞毒であり(22)、リン脂質二重膜を超えて移動することができる(23)。リボトキシンは細胞に入ることが知られているけれども、タンパク質のその領域が移動の原因ということは知られていない。α−サルシンおよびレストリクトシンのようなII型リボトキシンが、T1スーパーファミリの他のRNaseと比較して大きな挿入されたL3ループを含む(24,25)。このループは、レクチン糖結合性ドメインにおいて見られたループと構造的な類似性(しかし配列類似性はない)を有し、細胞表面に結合するリボトキシン活性の原因であり得る(24)。ErnsのC末端ドメインは、およそ同じ長さであり、リボトキシンIIL3ループとして類似の配列モチーフを含む(図3)。リボトキシンL3ループとErnsのC末端との配列類似性は低く(図3)、L3と構造的に類似するレクチン結合性ドメインとの類似性より高い。またリボトキシンL3ループは正帯電性であるけれども、明らかな親水性の性質はない。ErnsC末端領域の他の興味深い相同性は、膜相互作用性ペプチドであるマゲイニンとのものである。Ernsペプチドの中心は、マゲイニンのN末端半分と高い配列相同性を有する(図3)。この相同性は、記載されている他の孔形成ペプチドとのマゲイニンの相同性と比較してより高い(26)。
【0043】
rnsの(総合的な)3D構造は、C末端領域を除くRNaseRhと類似しており、驚くべきことに、レストリクトシンのループL3または他のリボトキシンIIタンパク質と類似する。(このタンパク質モジュールは、おそらく独立して折りたたまれ、それが細胞膜に結合する場合、αらせん構造に変化することができる。)C末端ドメインの3D構造は、RNaseドメインからのその空間的独立性のためそれほど重要ではない。
【0044】
モジュール構造を用いて、1本の線状ペプチドで模倣することができるタンパク質表面において抗原領域を定義することが可能である。C末端37残基(191〜227)に相当するドメインは、Ernsダイマーの表面の外側の縁におけるその位置のため最も良い候補であり、タンパク質の残りの部分から独立して折りたたまれる小さな機能的ドメインを形成し、いかなる潜在的な炭水化物によっても遮蔽されない。
【0045】
(Elisaの発達)
本発明は、抗原性およびErnsペプチドを含まないサブユニットワクチンが接種された動物および感染した動物由来の異なるタイプのペスチウィルスに感染した動物を区別するための、抗原性のある本質的にはタンパク質の物質を提供する。抗原物質は、RNaseRhと揃えられてはいないけれども、リボトキシンのL3ループとは揃えられ、タンパク質の残りの部分とは独立して折りたたまれるペスチウィルスErnsのC末端アミノ酸配列に相当するペプチドである。
【0046】
本発明による抗原物質は、ペスチウィルスに対して免疫反応を誘導し、ペスチウィルスに対する抗体を含む血清によって認識することができる(たとえばペプチドまたはタンパク質などの他のグループに随意に結合する、ここで提供されるようなタンパク質モジュール)いずれのペプチド様またはペプチドに基づく物質として説明することができる。このような抗原物質の前駆体は、たとえば匹敵するペプチド様またはペプチドに基づく物質であり、該物質はそれ自身免疫原性はないけれども、たとえば免疫反応を誘導または認識されることができるキャリアと結合させることが必要である。ペプチドに基づくまたはペプチド様物質により、本発明によるペプチドの機能を有するいかなるものも含むことに意図される。このことは、これらの物質が多くのアミノ酸残基が置換されまたは修飾されているペプチド自体であり得ることを意味する。またこのことは、その表面において本発明のペプチドのアミノ酸配列を示すように設計された融合タンパク質であり得ることを意味する。また定義は、本発明によるペプチド由来のペプチド模倣物および抗イデオタイプ抗体を含む。
【0047】
好ましい実施の形態において、本発明は、特異的ペスチウィルスタイプ(CSFV、BDV、BVDV−I、BVDV−II)に対する抗体の検出のための診断アッセイにおいて使用することができるペプチドを提供する。
【0048】
タンパク質モジュールであるErnsの独立した折りたたみ領域の提供は、ペスチウィルスの全てのタイプおよびその範囲を超えて関連する。結果として、本発明は、ここで開示されるペプチドに特に限定されないけれども、ペスチウィルスの全てのタイプおよびこれらのウィルスの全てのサブタイプにおいて類似のペプチドおよびそれらの誘導体に広がり、(リボソーム相互作用性)リボトキシンIIタンパク質のL3ループの相同物に広がる。本発明により使用される好ましいペプチドは、表2において与えられるペプチドまたはその誘導体の少なくとも抗原性部分を含み、その長さが約27残基から約51残基であり、または表1〜表5のいずれかによる輸送ペプチドである。
【0049】
我々は、異なる診断アッセイの発展によって診断におけるペプチドの適用性を評価した。すなわち、抗原が固相において認識される間接ELISA、抗原が液相において認識される間接ELISAである。他の診断アッセイは、もちろん当業者によって容易に設計可能である。これらは、もちろんいかなる適切なフォーマットにおいても提供され得る。
【0050】
アッセイは、液相または固相において行うことができ、酵素、または金属ゾルまたは他のゾルなどの固体粒子、ラテックス分子、染料、蛍光物質または放射能活性材料などのいかなる種類のラベルを用いて行うことができる。凝集アッセイによっても行うことができるので、それらはラベルなしでもおそらく行うことができる。ペプチドは、血液、血清、尿または母乳などのほ乳類由来の液体において抗体を検出するために用いることができる。通常、抗体は本発明によるペプチド、モジュールまたは物質によって結合され、固相または液相において存在し得る。その後、ペプチドおよび抗体の複合体は、標識された試薬によって検出可能であり、該試薬は、宿主(ブタ、ウシまたはヒツジなど)の抗体に対する標識された抗体であり得る。
【0051】
また本発明に従えば、ペプチドは、ペスチウィルスのタイプおよび/またはサブタイプに対して特異的な抗体を得るように使用可能である。ペプチドは、免疫原性の形態でほ乳類、通常齧歯類に投与され、1回またはそれ以上の追加投与の後、動物由来の血清が収穫され、抗体をそれから精製することができる。
【0052】
あるいは、そのような動物の脾臓が抗体産生細胞を得るために除去される。これらは、モノクローナル抗体を産生する細胞株に融合または形質転換することによって変化する。そのため、ペスチウィルスに対する、本発明によるペプチドによって誘導される(モノクローナル)抗体に基づくアッセイは、本発明の一部である。
【0053】
また本発明によるペプチドは、もちろんペスチウィルス感染を防ぐためのワクチンにおいても使用することができる。それらは、ペスチウィルスに対する免疫反応を引出す他の抗原ととともに使用され得る。通常、ペプチドは宿主への投与の前に免疫原性の形態で示されるべきキャリアに結合されなければならない。ペプチドに十分な免疫原性を与える他の方法は、当業者に知られている。アジュバントは、通常より特異的な方法で免疫反応を高めるためにワクチンに添加される。
【0054】
(抗菌性および輸送ペプチド)
さらに本発明は、抗生物質として使用することができ、たとえば細胞膜を通過して積荷を運ぶことができる輸送ペプチドとして使用することができる、膜活性ペプチド、モジュールまたは物質を提供する。薬剤、マクロ分子などの積荷の結合のために、結合されるべき化合物に関して有用な場合は、好ましくは、フリーの水酸基群が使用される。
【0055】
ドラッグデリバリーシステムとしての輸送ペプチドを使用するために、これらのペプチドは、リンカーを介して薬剤と結合可能である。たとえばシクロスポリンA、アシクロビアまたはテルビナフィンなどの薬剤または化合物の側面から、水酸基のような官能基がエステル結合を介して結合基に結合するために使用可能である。結合基において第2アミン(−NH−)のような機能を挿入することができ、その位置づけによって薬剤とのエステル結合の開裂を触媒し、それに続いて元の薬剤を放出する。そのようなリンカーの例は以下の通りである。
(薬剤)−O−CO−CH−NR−CO−CH−NH−CH−CO−link2−(輸送ペプチド)
【0056】
輸送ペプチドは、異なる化学を用いた第2リンカー(link2)によってこのリンカーと結合可能である。たとえば、エチレンジアミンは第1リンカーのフリーのカルボン酸と結合可能である。それに続いて、生じたアミノ基は、ブロモ酢酸と結合可能であり、このブロモアセチル基は、たとえば輸送ペプチドにおけるシステインのフリーの−SH基と高い収量で反応することができる。あるいは、輸送ペプチドは、たとえば輸送ペプチドのフリーのアミノ基を介して不安定なリンカーに直接結合させることもできる。
【0057】
第3アミンにおける基Rのような異なる基のリンカーにおける置換基は、エステルの安定性のさらなる調節を援助することができる。あるいは、チオエステルは、より不安定な結合性基として使用することができる。
【0058】
代替の戦略は、容易に接近しやすい有用な水酸基を有しない化合物への輸送ペプチドの結合のために使用可能である。テルビナフィンの場合、エチニルエテンの機能は、たとえば、例として以下のものを形成するためのリンカーにおけるフリーの−SH基の添加のために利用可能である。
(薬剤)−S−(CH−NR−CH−NH−CH−CO−link2−(輸送タンパク質)
【0059】
この共役結合は、基本的な条件(内在的な塩基が、第2NH基として存在する)下で容易に開裂可能であり、たとえばテルビナフィンのような元の薬剤を放出する。
【0060】
膜活性ペプチドは、RNaseRhと揃えられていないけれども、マゲイニンと揃えられ、リボトキシンのL3ループとある程度揃えられ、タンパク質の残りの部分とは独立して折りたたまれるペスチウィルスErnsのC末端アミノ酸配列に相当する記載された抗原性ペプチドに類似する。なおL3ループペプチドは、特に本発明による膜活性ペプチドである。
【0061】
本発明による膜活性物質は、たとえば細菌の膜の漏出または漏出なしで真核細胞膜の阻害を誘導することが可能なペプチド様またはペプチドに基づいた物質を含む。ペプチドに基づいたまたはペプチド様物質は、本発明によるペプチドの機能を有するいかなるものも含むことをに意図される。このことは、これらの物質自体が多くのアミノ酸残基が置換または修飾されているペプチドであり得ることを意味する。またそれは、たとえばペプチドの細胞特異性を緩和するために設計された融合タンパク質であり得ることを意味する。
【0062】
本発明により使用される好ましいペプチドは、少なくとも表4、表5および表10で与えられるペプチドの膜活性部位を含む。より高い移動活性を有する誘導体は、表9に列挙される。
【0063】
本発明は、ペスチウィルスの診断アッセイ、抗菌性ペプチド、およびペスチウィルスErnsのC末端ドメインまたはリボトキシンII型タンパク質のL3ループに相当するペプチドに基づく輸送ペプチドのセットに関連する。診断の基礎とされるペプチドに対して使用される好ましい領域が表2に列挙され、抗体または輸送ペプチドに対して使用される好ましい膜活性ペプチドは、表4、表5または表9〜表11に列挙される。しかしながら、それらはもちろんその多用な使用のために互換性をもって使用することができる。診断アッセイまたはワクチンにおいて使用されるペプチドの長さは、都合のよいことにドメインの正確な長さ(191〜227残基の37残基)であるが、もちろん本質的に抗原性または免疫原性特徴に変化がない限りは、より短くまたはより長いものでも可能である。適切なペプチドの最大長さ(177〜227残基の51残基)は、RNaseドメインとC末端ドメインとの間に14残基のリンカー領域を組込むことができる。このリンカー領域は、RNaseドメインに対するC末端ドメインの正確な空間位置が不確定な場合においてさらされ得、これはC末端ドメインの構造変化のためである。その理由のために、リンカー領域は、大きなC末端抗原性部位の部分であり得る。診断アッセイまたはワクチンにおいて使用される適切なペプチドの好ましい最小長さは、親水性ヘリックスを形成するC末端ドメインの部分である。これは、5C末端疎水性残基(191〜222残基の32残基)のないC末端ドメインの部分である。
【0064】
ペプチドに基づく診断アッセイは、血液、血清、母乳または他の体液において抗体レベルを決定するために使用可能である。
【0065】
本発明による材料は、たとえば抗原提示細胞への所望の抗原のキャリアを供給するために、またはMHC(IまたはII)ペプチド提示の関連で抗原を示すために、または、上皮(腸)層を超えて所望の抗原の移動を提供することによって粘膜ワクチンを供給するためにワクチンにおける取込みのために使用することができる。またペプチドは、真核細胞においてゴルジシステムまたは細胞の核まで、様々な積荷を輸送するために使用することができる。そのような積荷は、タンパク質またはペプチド材料、PNA、RNA、DNA、薬剤または二次代謝物などを含むことができる。なおペプチド混合物は、抗菌活性、輸送または移動における相互作用を与えるために使用することができた。
【0066】
(実施例)
(ペスチウィルスErnsの構造分析)
ペスチウィルスErnsの一次構造および相同性モデリングの詳細な分析は、1本の線状ペプチドによって模倣可能なタンパク質の表面における抗原領域の定義を可能にする。C末端37残基(191〜227)は、Ernsの表面における外縁でのその位置のために最良の候補である。なぜならそれはサブドメインとしてタンパク質の残りの部分とは独立して折りたたまれ、いかなる潜在的な炭水化物によっても遮蔽されないからである。
【0067】
またC末端の独立した特徴は、Ernsの機能的な分析によって説明される。168残基から省略されたErns突然変異体が作られている。これらの突然変異体において、169〜227残基からC末端部分全体が欠損している。この突然変異体は、まだ自然に折りたたむことが可能である。なぜなら不連続活性部位がまだ損なわれておらず、突然変異体は、野生型のRNase活性を有するからである。さらに、C末端37残基は、他のRNaseと揃えられていないけれども、それらはリボトキシンII型タンパク質におけるL3ループと、またはマゲイニンのような膜活性ペプチドと揃えられる。これらの膜活性ペプチドが明確な機能を有し、マゲイニンに対しては、細胞膜に接触すればそれらがらせん構造をとることが示されている。我々は、ErnsおよびL3の膜活性の性質を示した。Ernsペプチドの膜活性の性質は、サブドメインの機能的に独立した性質と一致している。
【0068】
このサブドメインの位置、配列のできる限り独立した折りたたみ、潜在的な糖タンパク質化部位の欠如およびその生化学的機能は、この領域を表すペプチドを、免疫測定およびワクチンのための抗原/免疫原として使用されるべき適した候補にする。さらに、ErnsまたはL3ペプチドの生化学的活性は、これらのペプチドを、抗菌剤および/または輸送ペプチドとして使用されるべき最適な候補にする。
【0069】
(Elisaの発展)
(ペプチド合成)
ペプチドは、C末端領域、CSFV Erns(の191〜227残基)、株Alfort187、BVDV Erns、株M96751、BDV Erns、株X818、ならびにレストリクトシン(59〜88残基、Lamy and Davies,NAR 19:1001−1006,1999)およびマゲイニン(Zasloff,PNAS 84:5449−5453,1987)ののL3ループから選択される。
Figure 2004501645
【0070】
ペプチドは、Fastmocケミストリ(Fields et al.Pept Res 4:95−101,1991)を用いた応用バイオシステム430A合成機において標準的な手法によって合成された。アセチル化の代わりにN末端がビオチン化された特別なCSFVおよびBVDVペプチドが合成された。
【0071】
(血清検体)
以下のブタ血清検体が、Elisaのペプチドを評価するために研究に組込こまれた。
【0072】
陰性の野生血清サンプル(96検体)は、屠殺された成熟したブタから無作為に得られた。血清はすべてCSFV−E2およびpan−ペスチウィルス抗体特異性CeditestELISAにおいて陰性で試験がなされた。
【0073】
CSFV陰性血清検体(96検体)以外のペスチウィルス血清抗体陽性検体は、屠殺された成熟したブタから無作為に得られた。ブタ血清は、Ceditest CSFV−E2特異性ELISAにおいて陰性(Colijn et al.Vet Micro Biol.59:15−25,1997)の、pan−ペスチウィルスELISAにおいて陽性(Panton et al.J.Virol Meth.31:315−324,1991;Kramps et al.Vet Micro Biol.64:135−144,1999)の試験がなされた。
【0074】
ウィルス中和試験によって試験されたCSFV抗体陽性野生血清検体は、1997〜1998年においてオランダでCSFの動物間流行中に感染したブタの飼育場から得られた(95検体)。
【0075】
配列分析の血清検体は、E2でワクチン接種されたおよびCSFVの株Bresciaに感染した12頭のブタのワクチン接種/チャレンジ実験中に収集された。特異的病原体フリー(Specific Pathogen Free;略称:SPF)動物は、E2サブユニットワクチンで1回ワクチン接種後2週間有毒なCSFV 株Bresciaでチャレンジされた。
【0076】
実験的にBVDVに感染させたブタ血清パネル(5検体、4〜8番)。
実験的にCSFVの株Paderbornに感染させたブタ血清のパネル(5検体、9〜13番)。
実験的にBVDVに感染させたウシ血清のパネル(9検体、1〜6番、r4590−51、r4590−52、841)。
CSFV欧州照会研究室(European reference laboratory for CSFV)から得られる関連するパネル、すなわち実験的にCSFV(14検体)、BDV(1検体)またはBVDV(12検体)に感染させたブタ由来の血清。3つの血清は、実験的にBVDV/BDV(1検体)およびCSFV/BVDV(2検体)の混合感染させたブタから得られた。
CSFV(HIS CSFV)に対する高度免疫血清プール。
BVDV(HIS BVDV)に対する高度免疫血清プール。
【0077】
(固相ペプチドElisa(solid phase peptide Elisa;略称:sp−Elisa))
(試験手順)
sp−Elisaのために、類似のフォーマットが以前の発達したRSV G−ペプチドElisa(Langedijk et al.j.imm.meth.193:153−166,1996)に関して選択された。N末端のアセチル化ペスチウィルスペプチドの1μgが、pH9.0、37℃のカーボネートバッファー50μlにおいて高結合能平底マイクロプレート(Greiner)のウェル(well)ごとに被覆され、一晩乾燥された。ELISAプレートを被覆するためのペプチドの最適な希釈は、最大の結合がチェッカー盤滴定において決定されながら得られるという方法で選ばれた。試験血清が滴定された。ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;略称:HRP)と共役したマウス抗ブタIgG(23.3.1b)が1対1000で希釈された。ウサギ抗ウシIgG−HRPは(P0159,Deko,Denmark)が1対1000で希釈された。
【0078】
共役物および試験血清は、4%ウマ血清を含むELISA緩衝剤(8.1mMのNHHPO、2.79mMのKHPO、0.5MのNaCl、2.68mMのKCl、1mMのNa2EDTA、0.05%v/vTween80、pH7.2)において37℃で1時間放置された。基質であるクロモゲンはABTS/H2O2からなる。22℃で30分間放置された。ODは、405nm(Titertek multiscan)で測定された。
【0079】
(結果)
BVDV陽性ブタ血清(4〜8)およびCSFV陽性ブタ血清(9−13)の反応性はCSFV sp−ELISAおよびBVDV sp−ELISAにおいて反応性に対して試験された。
【0080】
ウシ血清(1〜6番、r4590−51、r4590−52、841)の反応性は、CSFV sp−ELISAおよびBVDV sp−ELISAにおける反応性に対して試験された。
【0081】
ペプチドとの血清の反応性はすばらしく、このことはペプチドが実際にErnsの免疫優性決定領域に相当することを示す。このことは、サブドメインの免疫優性決定特性の予測と一致する。しかしながら、CSFVおよびBVDV血清は、両ペプチドと交差反応する。CSFV特異的ブタ血清のパネルが、CSFV ELISAにおいてBVDV−特異的ブタ血清のパネルよりもよりよく反応した。両血清のパネルの反応性はBVDV ELISAにおいて類似している。同様に、BVDV−特異的ウシ血清のパネルは、BVDVペプチドELISAにおいて高い反応性を示す(図4d)。しかし、血清はまたCSFV ELISAにおいて相当交差反応する(図4c)。
【0082】
(液相ペプチドElisa(liquid phase peptide Elisa;略称:lp−Elisa))
固相ペプチドELISAにおける高い交差反応性のために、Elisaは発達し、抗原は液相(lp−Elisa)において認識された。さらに、当該(CSFVペプチド)のペスチウィルスの相同性ペプチドを標識することによって、交差反応性ペスチウィルス(BVDVペプチド)の標識されていない異形ペプチドが非特異的交差反応性を阻害するために使用することができた。
【0083】
CSFVに対する抗体の検出のための液相ペプチドElisaにおいて、試験する血清は、ビオチン化されたCSFVペプチドおよび(ビオチンのない)アセチル化されたBVDVペプチドの混合物とともに放置された。CSFV−特異的抗体は、好ましくはビオチン化されたCSFVペプチドに結合し、BVDV−特異的ペプチドは、好ましくは非ビオチン化BVDVペプチドに結合するであろう。それに続いて、混合物はアビジンで被覆されたマイクロタイタープレートに移され、ビオチン化CSFVペプチドに複合された抗体がアビジンによって捕獲され、抗ブタペルオキシダーゼと共役させ、それに続いて基質とともに放置して検出可能である。
【0084】
(試験手順)
アビジン被覆マイクロタイタープレート:高結合能平底マイクロプレート(Gerner)の各ウェルにカーボネート緩衝剤(pH9)100μl中に400ngの免疫純正アビジン(No.21121,Pierce,rockfort,Illinois,USA)。
【0085】
プレートは蓋をされ、37℃で一晩放置された。コーティング後、プレートは使用するまで冷凍された。
【0086】
使用前に、アビジンで被覆プレートは、ウェルあたり10%のウマ血清を含むリン酸緩衝食塩水(phosphate buffered saline;略称:PBS、pH7)100μlとともにシェイカーで37℃2時間放置された。同時に、試験血清(1対50)は、4%のウマ血清を含むElisa緩衝剤100μl中10ngのビオチン化CSFVペプチドおよび30ngのBVDVペプチドの混合物とともに37℃で1時間放置された。
【0087】
アビジン被覆プレートは洗浄され、100μlの試験検体とペプチド混合物とがウェルに移され、37℃で45分放置された。それに続いて、プレートは洗浄され、1対1000に希釈されたホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)(Van Zaane et al.,1987)と共役した100μlのマウス抗ブタIgG(23.3.1b)、または1対 で希釈されたウサギ抗ウシIgG−HRP(P0159,Dko,Denmark)とともに放置された。基質であるクロモゲンは、ABTS/Hから構成された。22℃で30分間の放置がなされた。ODは、405nm(Titertek multiscan)で測定された。カットオフ値は、既知の陰性の血清の約3回の平均バックグラウンドであるOD>0.5において選ばれた。
【0088】
(結果)
BVDV陽性ブタ血清(4〜8)およびCSFV陽性ブタ血清(9〜13)の反応性が、CSFV lp−ELISAにおける反応性に対して試験された(図5)。この試験のフォーマットは、sp−ペプチドElisaよりも非常によい特異性を示した。
【0089】
lp−ELISAの特性を決定するために、96の陰性野生血清検体が、CSFV Erns−Abに対するlp−ペプチド−ELISAにおいて試験された。96検体うち2検体のみが、陽性反応を示した(カットオフはOD>0.5で選ばれた)。これらのデータに基づき、CSFV Erns−Abに対するlp−ペプチド−ELISAの特異性は、98%(=94/96×100%)に達する(図6)。
【0090】
lp−ペプチド−ELISAの特異性を決定するために、CSFV(BVDVおよびBDV)よりも他のペスチウィルスに対する抗体を含む96の野生血清が、lp−ペプチド−ELISAにおいて試験された。96検体のうち2検体のみが陽性反応を示した(OD>0.5)。これらのデータに基づいて、CSFV Erns−Abに対する、また非CSFV―ペスチウィルス陽性血清に対するlp−ペプチドーELISAの特異性は、98%(=94/96×100%)に達する(図6)。
【0091】
lp−ペプチド−ELISAの感度を決定するため、1997〜1998年においてオランダでCSFの動物間流行中に得られたCSFV感染性飼育場由来の95の野生血清検体が、lp−ペプチド−ELISAにおいて試験された。陽性反応(OD>0.5)を示した血清検体は1つではなかった。これらのデータに基づいて、CSFV抗体に対するlp−ペプチド−ELISAの感度は100%に達した(図6)。
【0092】
lp−ペプチド−Elisaの興味深い応用は、E2をワクチン接種されたブタのCSFV感染を検出するために使用することができる診断試験である。そのため、E2をワクチン接種されたブタの血清は、lp−ペプチド−ELisaにおいて反応するはずはなく、ブタのCSFVチャレンジ後陽性となるはずである。CSFVで感染させE2をワクチン接種された12頭のブタのチャレンジ実験中に収集された連続的な血清検体は、lp−ペプチド−ELisaにおいて試験された(図7)。結果は、E2ワクチン接種ブタ由来の1つ以外の全ての血清が、CSFVチャレンジ前は陰性であった。全ての動物(1頭を除く)は、チャレンジ後14〜28日で血清交換が起こった。最終的に、lp−ペプチド−Elisaの実施が、E2に基づくCeditest ELISAおよび2つの他のE2に基づくElisaと比較された。欧州照会血清(European reference sera)のパネル(方法参照)は、すべての4つのELISAで試験された(表6)。E2に基づくElisa(陰性で1つの失敗)は優れているけれども、lp−ペプチド−ELISA(陰性で3つの失敗)は、完全なErnsを用いたエピトープ阻害に基づく他のELISA(陰性で5つの失敗、陽性で1つおよび陰性で1つの失敗、陽性で6つの失敗)よりもよりよく実施された。表6における他の3つのELISAのように抗体阻害フォーマットへ変化する場合、lp−ペプチド−ELISAは最適化され得ることは、非常に適切である。
【0093】
他のペスチウィルスでのペプチドELISAの適合性を説明するために、CSFV特異性ペプチドELISAは、ビオチン化されたCSFVペプチドをビオチン化されたBVDVペプチドまたはビオチン化されたBDVペプチドに、アセチル化されたBVDVペプチドをアセチル化されたCSFVペプチドに交換することによって、BVDVおよびBDV ELISAへ変化させた。lp−CSFVペプチドELISAにおいては、同量のペプチドが使用され、全てのアッセイ条件は、同様に保たれた。実験的にBVDV(5頭、4〜8番)またはCSFV(5頭、9〜13番)に感染させたブタ血清のパネルは、3つの異なるペスチウィルスのタイプに対する3つの異なるlp−ペプチド−ELISAにおいて試験された。表7は、BVDV−陽性血清がBVDV特異性ペプチドELISAで最も良く反応し、CSFV血清はBVDVペプチドとある程度交差反応するけれども、CSFV陽性血清はCSFV ELISAにおいて最も良く反応した。配列相同性を基礎として予測されるように、BVDVおよびBDV ELISAはより低い区別を示した。BVDVおよびBDV ELISAの両方が、競合抗原としてアセチル化されたCSFVペプチドを含んだ。BDVおよびBVDVペプチドが、BVDVおよびBDV ELISAそれぞれにおいて、競合ペプチドとして使用される場合、いくつかの改良が可能になりうる。
【0094】
アセチル化されたCSFVペプチド(表2)は、ブタにおいてペプチドの免疫原性を試験し、ペプチドでのワクチン接種がCSFVチャレンジ後ブタを保護することができるか否かを確かめるためにさらに使用された。ブタは、フロイント完全アジュバント(Freund’s Complete Adjuvant;略称:FCA)において処方された様々な量のペプチドでワクチン接種された。4週間後、ブタは、フロイント不完全アジュバント(Freund’s Incomplete Adjuvant;略称:FIA)において処方された1.3mgのペプチドで再びワクチン接種された。5頭の制御ブタは、FCAおよびFIAのみで同様にワクチン接種された。2回目のワクチン接種から3週間後、ブタには100LD50CSFVの株Brescia456610で鼻にチャレンジが行われた。ペプチドに対する抗体反応性は、実験の間監視された。チャレンジ前後のウィルス単離は、白血球に関して行われた。死亡または安楽死後、臓器(扁桃、脾臓、腎臓および回腸)免疫蛍光試験を用いてウィルス抗原の存在が試験された。
【0095】
(モノクローナル抗体産生)
rnsペプチド特異性モノクローナル抗体(Mabs)の産生は、記載されるように(Wensvoort et al.,1986)実施された。2つのBALB/cマウスには、フロイント完全アジュバント(FCA)と混合された400μgCSFVまたはBVDVペプチド(191〜227残基)が腹膜内に予防接種された。4週間後、マウスには、不完全なFCAと混合された400μgのペプチドが追加された。3週間後、マウスには、リン酸緩衝食塩水中の400μgのペプチドが追加された。3日後、脾臓細胞がsp20細胞と融合され、ハイブリドーマは選択的培地において増殖された。産生されたMabs(Mab906−2−1(BVDV)およびMab907−35−1−1(CSFV))のErns特異性がErns抗原検出ELISAを用いて決定された。
【0096】
(Ernsペプチドの輸送活性)
(試験手順)
(Ernsペプチドの結合)いくつかの細胞のタイプ(Ebtr、SK6、sf−21、Caco−2およびHT−29)の細胞浮遊物の単層またはサイトスピンは、アセトンまたは4%パラホルムアルデヒドで固定された。固定された細胞とともにスライドガラスまたはカバーガラスが、ビオチン化されたCSFVペプチド(100または10μg/ml PBS)とともに37℃で1時間放置された。PBSで洗浄後、カバーガラスは、アビジン−HRP(1対100、Zymed)またはアビジン−FITC(1対70、Zymed)とともに37℃で30分放置した。細胞は、光学顕微鏡(HRP)または蛍光顕微鏡(FITC)によってペプチドの特異的結合を調べた。
【0097】
(Ernsペプチドの移動)原形質膜を超えたペプチドの移動は、1、10、30、45または180分間ビオチン化されたペプチド(0.4〜200μg/ml培養培地)のカバーガラス上の浮遊物または副融合単層における生細胞の放置によって研究された。その時間後、細胞は、4%のパラホルムアルデヒドまたは冷たいメタノールで固定され、前述したようにアビジン−FITCで標識された。固定された細胞は、蛍光顕微鏡で調べられた。内面化は、共焦点顕微鏡によって確立された。以下の細胞株が使用された。A72、イヌ繊維芽細胞主要細胞であるMDCK、イヌ腎臓上皮細胞であるCCO、ダニューブナマズ卵巣細胞であるEK−1、ウナギ腎臓細胞であるCHS−E、サケ胚細胞であるBUEC、ウシ臍帯上皮細胞であるBFDL、ウシ胎児二倍体肺細胞(繊維芽細胞)であるPUEC、ブタ臍帯上皮細胞であるHT29、結腸上皮細胞の結腸直腸腺癌であるCaCo−2、結腸上皮細胞の結腸直腸腺癌であるHela、頸の腺癌であるVero、正常なサル腎臓上皮細胞であるSK6、ブタ腎臓細胞であるNPTh、新生児ブタ甲状腺細胞であるECTC、胎児の子ウシの甲状腺細胞であるMDBK、正常なウシ腎臓上皮細胞であるEBTr、上皮ウシ気管細胞、ウシ精子細胞、Sp20マウスミエローマB細胞である。
【0098】
(上皮を超えた輸送)上皮に浸透し上皮を超えた分子の輸送を援助するためのErnsペプチドの潜在能力が、上皮細胞シートを厳密に模倣するCaCo−2またはHT29細胞を有するスナップウェル型のUSSINGチャンバーにおいて試験された。
【0099】
上皮を超えて非結合性分子を運ぶErnsペプチドの潜在能力は、上方のチャンバーで、HRP(0.08μg/ml培養培地)といくつかの濃度のErnsペプチド(50、5および0.5μg/mlリンガー培地)とを混合することによって試験された。血清は、15、30、45、60、120および240分後に下方のチャンバーから取出し、HRP濃度の試験がなされた。
【0100】
(皮膚を超えた輸送)皮膚に浸透するErnsペプチドの潜在能力が、「新鮮な」ヒトの胸部の皮膚の単離した切片を含むチャンバーまたは生きているブタの皮膚を接着したチャンバー内に0.3〜4mMのビオチン化されたペプチドを150μl塗布すること、脱脂綿チップで皮膚にペプチド溶液を50μl塗布すること、または30〜120分間皮膚に接触ゲル50μlで混合したペプチド溶液50μlを塗布することによって試験された。放置時間後、ブタは殺され、皮膚がきれいにされ、生検は液体窒素で凍結された。皮膚検体の凍結部分は、アセトンで顕微鏡のスライドガラスに固定され、30分間アストレプトアビジン−FITC(1/100)とともに放置された。
【0101】
(溶血アッセイ)様々なペプチド濃度の溶血活性は、ヒト、モルモットまたはヒツジの赤血球浮遊物(最終赤血球濃度は1%v/v)と37℃1時間放置することによって決定された。冷却および濃縮後、上清の光学密度は、540nmで測定された。50%の溶血を引起こすペプチド濃度(EC50)は、投与反応曲線から得られた。
【0102】
(ほ乳類細胞のクローン遺伝子)HeLaまたはEBTr細胞は、37℃で5%COが供給された吸湿した大気中で20%胎児ウシ血清および抗体とを補ったDMEMにおいて培養された。指数関数的に増殖する細胞は、トリプシンで処理され、96wellマイクロタイタープレートのウェルに移され、様々な濃度のペプチドを含む増殖培地30μlあたりおよそ300細胞を生じた。75分間放置後(プレートは、固定を避けるためにさかさまにして放置された)、細胞は、100μlの増殖培地を含む組織培養プレートのウェルに移され培養された。細胞増殖は、3〜6日後に確認された。
【0103】
(抗菌性アッセイ)2つの細菌株(Escherichia coli ATCC 25922,Enterococcus feacalis ATCC 29212)は、5%のヒツジの血液とともに心臓注入寒天に接種され、37℃で一晩好気的に放置された。純粋な培養物由来の上清は、0.5McFarlandの密度に塩で作られた。これらの上清は、およそ10cfu/mlの最終接種原となるようにミュラーヒントンIIブロスで10倍希釈された。
【0104】
標準の96wellマイクロタイタートレイは、以下の濃度範囲になるように各ウェルに生理食塩水でのペプチドの2倍希釈物100μlで満たした。濃度範囲は、4000、2000、1000、500、250、125、62.25、31.63、15.82、7.96および0μg/mlである。カラム12内はMHIIブロス200μlで満たされた(陰性制御)。
【0105】
マイクロタイタートレイのカラム1〜11は、細菌上清物である最終接種物100μlで満たされた。このようにペプチド濃度を2倍希釈し、ウェルに以下のペプチド濃度を生じさせた。2000、1000、500、250、125、62.25、31.63、15.82、7.96、3.98および0μg/mlである。B、CおよびDの列においてE.coliの最終接種物100μlおよびE、FおよびG列においてE.faecalisの最終接種物100μlがピペットで移された。最終菌濃度は、およそ5×10cfu/wellである。全てのトレイが蓋をされ、37℃で一晩放置された。放置後、マイクロタイタートレイは、菌増殖のために視覚的に検査され、630nm(A630)での培養物の吸光度は、Elisaリーダで決定された。認識できる成長を示さず陰性制御ウェルと比較して吸光度が増加したウェル内での最小濃度のペプチド濃度は、最小阻害濃度(Minimum Inhibitory Concentrations;略称:MICs)であると考えられた。実験は、3つ独立して行われた。試験は、2日後、ウェル内に以下の最終ペプチド濃度で3つ再び繰返された。濃度は、5000、2500、1250、625、312.5、156.25、78.12、39.06、19.58、9.79、4.88、2.44および1.22μg/mlである。
【0106】
(ペプチド合成)省略されたErnsペプチドのパネルは、最小の膜活性領域を解明するために合成された。省略されたレストリクトシンL3ループのパネルは、最小の膜活性領域を解明するために合成された。輸送ペプチドモジュールのアミノ酸配列における置換は、移動活性を増加させるために利用することができる。最適化された輸送ペプチドはたとえば、配列が逆でありD−アミノ酸がL―アミノ酸の代わりに使用される逆反転ペプチド化学によって合成することができる。合成は、前述したように行われる。
【0107】
(オリゴヌクレオチドに対するペプチドの結合)N末端にブロモ酢酸(ブロモ−GRQLRIAGKRLEGRSK)を含む最適化されたErnsペプチドは、FITCラベルされた32残基の長いオリゴヌクレオチド(チオール−GTFITCCCACCGAGGCTAGCTACAACGACCCTTATAT−チオール)の5’または3’末端で2つのメルカプト基グループに結合した。
【0108】
(結果)
rnsペプチドの結合性を決定するために、ビオチン化されたCSFVペプチドは、様々な融合細胞と放置された。結合性は、アビジン−HRPまたはアビジン−FITCと放置後決定された。ビオチン化されたCSFVは、全ての試験された細胞型と結合することができた。パラホルムアルデヒド融合細胞対アセトン融合細胞への結合には際立った違いがある。パラホルムアルデヒド融合細胞とは反対に、アセトン融合細胞は、ペプチドとの低い結合性を示した。膜画分の多くはアセトン融合後浸食されるので、このことは、ペプチドは膜に結合し得るということを示している。
【0109】
次に、細胞懸濁液(マウスミエローマおよびウシ精子)および様々な細胞型の副融合性単層(試験手順参照)は、ビオチン化されたCSFVペプチドとともに放置され、異なる時間間隔後融合された。蛍光顕微鏡および共焦点顕微鏡での検査は、ペプチドが全ての細胞タイプの内部に浸透していたことを示した。ペプチドは、1分以内に細胞内に入り、最適な蛍光が30分後に確立された(図8)。ペプチドは、核内の特異的領域に移動され、それは核小体であり得る。またペプチドは、サイトソルにおいて膜部分での核の周囲に分配された。核小体における相互局在性は、アクリジンオレンジ(Merck,Darmstadt,Germany)およびストレプトアビジン−テキサスレッドでの2重染色によって確立された。ペプチドの相互局在性および核小体染色を示す黄色蛍光発光が観察された。次に、ペプチドの膜活性領域は、省略した、ErnsペプチドおよびN末端付加およびC末端欠失のあるいくつかのペプチドのパネルの移動活性を試験することによって正確に定義された(表8)。
【0110】
核への移動は、BVDVまたはBDVのErnsペプチドと比較して、CSFVの株AlfortのErnsペプチドで効率的である。また移動されたCSFVの株AlfortのErnsペプチドは、ポジション209、210および217が置換された株に相当するCSFVペプチドよりもより効率的に移動した。さらに、7つの主にC末端の残基および3つのN末端の残基の欠失は、ペプチドの核移動活性を増加させた。さらに輸送ペプチドの長さを減らすために、アルギニンが移動活性を維持するまたは強めるために導入される間、移動に関する領域(194〜220残基)は省略された。N末端欠失は、4および5残基であり、1つの余分なアルギニンは、仮定されたヘリックスの同じ表面に導入された。これらのより短いペプチドは、移動活性を維持する(表9)。
【0111】
次に、11のN末端残基が欠失され、グルタミン酸がアルギニンによって置換された。この置換は、ファクター33によって移動活性が強められる。2つのリジン残基のアルギニン残基による置換は、付加的ファクター3によって移動活性を強める。配列におけるさらなるアルギニンの導入は、ビオチン化されたペプチドの移動活性を改善しなかった。
【0112】
次に、最適化されたペプチド(MDK−20)は、付加的リジン−MTT(ペプチドA941、ビオチン−rsrgrlrrgairlqrgk(MTT)−BrHAc)での逆反転アプローチによるD−アミノ酸と合成された。このペプチドは、その移動活性を維持し、逆反転アプローチの利点を示す原型のMDK−20と比較してより高い移動活性を示した。
【0113】
rnsペプチド間の相同性のために、マゲイニンおよびL3ループペプチド、ビオチン化されたマゲイニンおよびL3ループペプチドはまた、移動活性が試験された。L3は、移動活性を示したけれども、マゲイニンは示さなかった(図9)。
【0114】
次に、移動の原因であるペプチドの膜活性領域は、省略したL3ペプチドのパネルの移動活性を試験することによって正確に定義される。ペプチド移動の一般的法則を解明するために、我々は新しい輸送ペプチドを探索し、原形質膜を超えた移動に関してそれらを試験した。
【0115】
HIV−1tatペプチドは、DNAに結合する転写ファクターであり、AntPペプチドは、ホメオボックスタンパク質であり、トランスポルタンは、蜂毒およびガルパランのハイブリッドペプチドである。既知の輸送ペプチド間の類似性のみが、基本的な残基の含有量である。しかしながら、またWeder.Pa.A.et al.,2000.Proc Natl Acad Sci USA.97:13003−8を参照すると、50%以上のアルギニンを要求する。
【0116】
さらなる輸送ペプチドを探索するために、我々は線状DNA結合性モチーフ、RNA−結合性モチーフ、ヘパリン結合性モチーフ、塩基性酵素開裂部位および核移動シグナル由来の塩基性ペプチドの移動を試験した。核移動シグナルに対しては、それらが移動するために受容体によって認識されることが必要であると考えられているけれども、核膜に移動することができることがすでに知られている。我々は、核移動部位に相当するペプチドが原形質膜を超える一般的な輸送ペプチドとして使用することができるか否かを試験した。
【0117】
短い輸送ペプチドのいくつかの型が発見された。
一分割:PKKKRKV
移入受容体Imp alpha/impβ複合体と結合する。
この配列はブタウィルス40の大きなT抗原のNLSと同一である。
二分割:KRPAAIKKAGQAKKK(リジンリッチシグナル)
HIV−1RevのNLS RQARRNRRRRWR
HIV−1revは、ウィルスのRNA輸出ファクターであり、核の外へRNAを往復して輸送する。配列モチーフは、RNAと結合する。
【0118】
10倍以上の親和性を持つRev結合性部位RNAに結合する合成ペプチドが発達している(RSG−1.2)。
DRRRRGSRPSGAERRRRR
ヒトヘルペスウィルスK8タンパク質のNLS TRRSKRRSHRKF
K8タンパク質は、DNAに関する特異的部位に直接的に結合する転写アクチベータであるエプスタインバーウィルス(Epstein−Barr virus;略称:EBV)のEB1タンパク質と一致する。
【0119】
いくつかの場合においてNLSペプチドであり得る塩基性ペプチドの他のクラスは、RNA/ENA結合性ペプチドである。たとえばHIV−1Revペプチドはまた直接的にRNAに結合する。
DNAまたはRNAに結合するペプチドの他の例:
フロックハウスウィルス(flockhouse virus;略称:FHV)のRNA結合性エレメント
NRTRRNRRRVR
バクテリオファージλ−NのRNA結合性エレメント
QTRRRERRAEKQAQW
【0120】
塩基性ペプチドの他のクラスは、基本的な酵素の開裂部位である。ウィルスの酵素開裂部位の例は、αウィルスの表面タンパク質にある。E3およびE2間の開裂部位は、高度に塩基性である。開裂後最初にE2と相互作用するのは、ウィルスのスパイクの末端に位置するE3のC末端領域である。
西部ウマ脳炎ウィルスE3:KCPSRRPKR
【0121】
塩基性ペプチドの他の例は、線状のヘパリン結合性部位である。ErnsC末端ドメインに相当する輸送ペプチドはまた、ヘパリンと結合する。例は、以下に見られるペプチドである。
HRSV−GのA型:
KRIPNKKPGKKTTTKPTKKPTIKTTKKDLKPQTTKPK、および
HRSV−GのB型:KSICKTIPSNKPKKK
【0122】
これらのペプチドは移動活性を示した(表11)。HRSV−Gのヘパリン結合性部位の場合、移動の原因である領域が位置づけられた(表11)。最も活性化するHRSV−Gペプチドの1つ(ビオチン−KRIPNKKPKK)は、より塩基性である残基が導入された場合、ペプチドがより高い移動活性を示すか否かを確認するためにすべてのリジン残基をアルギニン残基に換えることによってさらに最適化された。4つのリジンをアルギニンに換えることは、ファクター3による移動活性を改善する(表11)。
【0123】
表9に従えば、最も活性化するビオチン化されたペプチド(194〜220残基)は、未だ(かすかに)125nMで検出可能である。結果として、移動ペプチドの最小必須部分の解明はまた、少なくとも6残基のC末端積荷が輸送可能であり、ビオチンに足された少なくとも13残基のN末端積荷が輸送可能であるということを示す。ペプチドがおそらく細胞内のErnsのRNaseドメインを輸送することができるので、大きなタンパク質が、ペプチドによって輸送されることができると予想される。最も活性化するErnsペプチド(194〜220残基)および最適化されたErnsペプチド(ビオチン−GRQLRIAGKRLEGRSK)とストレプトアビジン−FITC(60kD、非糖タンパク質化、中性)との等モル量を混合後、細胞および核内へのストレプトアビジン−FITCを輸送することが可能である(図10)。またペプチドは、アビジン−テキサスレッド(66kD、糖タンパク質化、正帯電)を細胞内に運ぶことができた。また最適化されたErnsペプチドなおよび長いならびに短いHRSV A型ペプチド(表11によるMDN−12およびMDP−32)は、細胞内へのストレプトアビジン−FITCを輸送するその能力を試験された(f〜h)。ストレプトアビジン積荷に複合されたペプチドの移動活性は、ビオチン化されたペプチドのみの輸送とは異なる。最適化されたErnsペプチドMDK−20と比較して2つの付加的な正電荷を有する最適化されたErnsペプチドMDM−27は、MDK−20よりもよりよくストレプトアビジン−FITCを輸送する。反対に、複合されていないビオチン化されたペプチドの場合、移動活性は類似している。この効果は、より長いHRSV−Gペプチド(MDN−12)が、積荷のない1つの非複合分子として低い正電荷を有するけれども、より高い移動活性を有するより短いHRSV−Gペプチド(MDP−32)と比較された場合、より明白である(図10g、h)。
【0124】
輸送ペプチドが、生化学的活性を維持するタンパク質を輸送することができるか否かを確認するために、ペプチドが酵素であるβ−ガラクシトシダーゼ(600kD)に結合するストレプトアビジンと合成された。複合体は、効果的に細胞内に輸送され、非減少性末端ガラクトシダーゼを放出するその活性が維持された。ペプチドは、オリゴヌクレオチドを輸送することができるか否かを確認するために、最適化されたErnsペプチドがブロモ酢酸によって活性化された。輸送モジュールであるブロモ−GRQLRIAGRRLRGRSRは、5’および3’末端でFITCラベルされた32のオリゴヌクレオチドと結合した。複合体は、細胞および核内への移動が試験された。
【0125】
非結合のオリゴヌクレオチドおよびペプチドとオリゴとの複合体の滴定は、輸送ペプチドに結合した場合、オリゴヌクレオチドの細胞内蓄積が75倍高いことを示した。膜不安定化活性が細胞に関して毒性効果を有する否かを確認するために、細胞の漏出が30分ペプチド放置後トリファンブルーで試験された。高濃度のペプチド(>35μM)でのみトリファンブルーが細胞内で、特に核の単離された領域で測定することができた。
【0126】
赤血球の溶血は、真核細胞膜におけるペプチドの細胞溶解効果を示すことができる。いくつかの種由来の赤血球の溶血は、Ernsペプチドのパネルで試験された(表8)。異なるペプチドは、モルモット赤血球における広い範囲の溶血活性を示す。最も高い移動活性を有するペプチド(194〜220残基)は低い溶血活性を有する。ヒツジおよびヒト赤血球では顕著な溶血は観察されなかった。HeLa細胞およびEBTr細胞の細胞増殖に関するErnsペプチドの効果は、表12に示されるようにクローン産生性アッセイで決定された。これらのデータは、他の毒性アッセイに相当し、移動活性は細胞毒性活性よりもさらに高いことを示す。
【0127】
(表皮を超えた輸送)
次に最適化されたErnsペプチド(MDK−20)が上皮層に浸透することができるか否かを試験した。角質層のため、皮膚は超えることが最も困難な上皮関門であると思われる。ビオチン化されたペプチドによる浸透を試験するために、ヒト胸部の皮膚の検体を、試験管内で2時間ビオチン化されたペプチドと接触させた。皮膚の融合した低温部分において、ビオチン化されたペプチドは表皮および真皮においてストレプトアビジン−FITCで視覚化され得た(図13)。ペプチドを生体内でブタの皮膚と接触させた場合同じ結果が得られた、塗布から30分すると直ちに表皮へのペプチドの浸透が観察された。皮膚におけるタンパク質分解酵素の高い量のために、表皮を超えた輸送はまた、D−アミノ酸を含む安定した逆反転ペプチドで試験された。L−アミノ酸を含む原型のペプチド(MDK−20)と比較して、D−アミノ酸でのペプチド(A941)に対して皮膚におけるさらに多くの蓄積が観察された。
【0128】
(皮膚を超えた輸送)次にペプチドは、上皮細胞シートを通るタンパク質の漏出を援護する能力を試験した。ペプチドと混合されたホースラディッシュ・ペルオキシダーゼは、細胞シートを通って移動することができた。
【0129】
(抗菌活性)膜活性および抗菌性ペプチドとの相同性のために、ペプチドの抗菌活性が前述のように決定された。さらにペプチドは、グラムネガティブであるE.coliに対して抗菌活性を示したけれども(図13)、E.faecalisに対しては示さなかった。E.coliに対するMICは、ペプチドの移動活性と関連する。レストリクトシンL3ペプチドは抗菌活性を全く示さなかった。
【0130】
【表5】
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【0131】
【表6】
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【0132】
【表7】
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【0133】
【表8】
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【0134】
【表9】
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【0135】
【表10】
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【0136】
【表11】
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【0137】
【表12】
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【0138】
【表13】
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【0139】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】
rnsのモジュール構成を示すRNaseRhでのペスチウィルスErnsのアラインメントの図解表示である。Ernsは、RNaseドメイン(ドット)、C末端膜活性ドメイン(黒塗りつぶし)からなる。細胞毒性RNaseのL3ループとの類似を示すC末端ドメイン(191−227残基)は、本発明において記載される。RNase活性部位ドメインは、変化に富んだボックスとして示される。潜在的な糖タンパク質化部位は省略して示す。
【図2】
CSFV Ernsの194〜220残基のらせん状の環の表示である。
【図3】
マゲイニンおよびレストリクトシンのL3ループとのペスチウィルスErnsC末端ドメインの配列アラインメントを示す。マゲイニンからのある距離単位以内の残基は閉じこめられる。単位は、DNASTAR,Inc.のマゲイニンの包装の中の構造的距離表において定義される。構造の表は、化学的および空間的に類似する残基を評価する。全ての同一物が6つの値に評価される。不適当な組合せは同一物より低い評価である。構造の表はJotun−Hein法で使用するために設計される。
【図4】
RNaseRhの結晶構造である。
【図5】
aは、BVDV特異的ブタ血清(4b〜9b)、CFSV特異的ブタ血清(9c〜13c)およびCSFV−特異的高度免疫血清の希釈物のCSFV lp−ペプチド−ELISAにおける反応性(最適密度、OD)を示す。
bは、BVDV特異的ウシ血清(1〜6、r4590−51、r4590−52、841)およびBVDV−特異的高度免疫血清の希釈物のCSFV lp−ペプチド−ELISAにおける反応性を示す。
【図6】
試験手順において記載されるCSFV lp−ペプチド−ELISAにおける血清のいくつかのパネルの反応性を示す。陰性の野生血清検体(96検体)は、屠殺された成熟したブタから無作為に得られ、すべてが標準的なペスチウィルスELISAにおいて陰性で試験された。CSFV−陰性血清検体(96検体)以外のペスチウィルス陽性血清検体は、屠殺された成熟したブタから無作為に得られた。CSFV−陽性野生血清検体は、1997年〜1998年にオランダでCSFの動物間流行中に感染したブタの飼育場(VR)から得られた(95検体)。
【図7】
CSFV lp−ペプチド−Elisaにおいてワクチン接種/チャレンジ実験中に集められた連続した血清検体の反応性を示す。12頭のブタが、チャレンジ前の14日間E2でワクチン接種された。
【図8】
10well顕微鏡スライドで増殖した副融合性EBTr細胞と30分放置後の、ビオチン化されたCSFVのErnsペプチド(a,c)およびビオチン化された標準ペプチド(b)(25μM)の分布を示す。細胞は、冷たいメタノールで固定され、ビオチン化されたペプチドは、30分間アビジン−FITCで洗浄することによって視覚化された。蛍光顕微鏡写真(250倍)(a,b)または共焦点顕微鏡を用いた蛍光顕微鏡写真(600倍)(c)を示す。
【図9】
10well顕微鏡スライドにおいて増殖した副融合性EBTr細胞と30分放置後のビオチン化されたL3ペプチド(a)およびマゲイニン−1ペプチド(b)(6μM)の分布を示す。細胞は冷たいメタノールで固定され、ビオチン化されたペプチドは、30分間アビジン−FITCでの染色によって視覚化された。蛍光顕微鏡写真(250倍)を示す。
【図10】
アビジンおよびストレプトアビジンの輸送を示す。アビジン−テキサスレッド(66kD)(a)またはストレプトアビジン−FITC(60kD)(c)の等モル量がビオチン化されたErnsペプチドまたは非ビオチン化ペプチド(b,d)(194〜220残基)(3μM)と混合され、30分間EBTr細胞とともに放置された。最適化されたErnsペプチドであるビオチン−GRQLRIAGRRLRGRSR(e)、最適化されたErnsペプチドであるビオチン−GRQLRRAGRRLRRRSR(f)、HRSV−GのA型ペプチドであるビオチン−KRIPNKKPGKKTTTPTKKPTIKTTKKDLKPQTTKPK(g)およびHRSV−GのA型ペプチドであるビオチン−KRIPNKKPGKKT(h)とストレプトアビジン−FITCの複合体の輸送を示す。
【図11】
FITCラベルされたオリゴヌクレオチド(32nt)(a)および細胞と30分間放置後56μgオリゴ/mlで最適化されたErnsペプチドと結合したFITCラベルされたオリゴヌクレオチド(b)を示す。
【図12】
BVDVのErnsペプチド0、0.5、5および50μg/mlと放置した上皮細胞シートを通過するHRPの通過を示す。

Claims (14)

  1. ヘパリンと結合することが可能であるペプチドのアミノ酸配列と少なくとも50%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された、合成もしくは組換えのペプチドモジュール、またはそれらの機能的同等物。
  2. ペスチウィルスErnsタンパク質RNaseにおいておよそアミノ酸ポジション194〜220に位置する、またはリボソーム−相互作用性タンパク質の細胞毒性RNaseのL3ループにおいておよそアミノ酸ポジション59〜88に位置する、または呼吸シンシチアルウィルスGタンパク質においておよそアミノ酸ポジション187〜223に位置する、ペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一であるアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項1記載のモジュールまたはその機能的同等物。
  3. ペスチウィルスErnsタンパク質RNaseにおいておよそアミノ酸ポジション194〜220に位置する、またはリボソーム−相互作用性タンパク質の細胞毒性RNaseのL3ループにおいておよそアミノ酸ポジション59〜88に位置するまたは呼吸シンシチアルウィルスGタンパク質においておよそアミノ酸ポジション187〜223に位置するペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一であるアミノ酸配列を含む単離された、合成もしくは組換えタンパク質モジュールまたはその機能的同等物。
  4. 前記アミノ酸配列と少なくとも70%同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモジュール。
  5. 前記アミノ酸配列と少なくとも85%同一であることを特徴とする請求項4記載のモジュール。
  6. 前記ペプチドが、
    RQGAARVTSW LGRQLRIAGK RLEGRSK、
    RQGTAKLTTW LGKQLGILGK KLENKSK、
    RVGTAKLTTW LGKQLGILGK KLENKTK、
    RQGAAKLTSW LGKQLGIMGK KLEHKSK、
    GNGKLIKGRTPIKFGKADCDRPPKHSQNGMGK、
    GDGKLIPGRTPIKFGKSDCDRPPKHSKDGNGK、
    GEGKILKGRTPIKFGKSDCDRPPKHSKDGNGK、
    GDGKILKGRTPIKWGNSDCDRPPKHSKNGDGK、
    KRIPNKKPGKK、
    KTIPSNKPKKK、
    KPRSKNPPKKPK、
    またはその機能的部分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモジュール。
  7. 少なくとも前記ペプチドの前記機能的部分が、請求項1〜6に記載の配列の1つに対して逆のアミノ酸配列を含み、D−アミノ酸が、L−アミノ酸の代わりに使用されるペプチドモジュールまたはその機能的部分。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のモジュールまたはその機能的部分を有する化合物。
  9. 標的手段を有することを特徴とする請求項9記載の化合物。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のモジュールを含む、または請求項8または9記載の化合物の薬剤組成物。
  11. 膜移動可能な薬剤または化粧品組成物のような組成物の調製のための請求項1〜7のいずれかに記載のモジュールまたは請求項8または9記載の化合物の使用。
  12. 抗菌活性を引出すことが可能な薬剤または化粧品組成物のような組成物の調製のための請求項1〜7のいずれかに記載のモジュールまたは請求項8または9記載の物質の使用。
  13. 化合物に請求項1〜7のいずれかに記載のモジュールを与えて、細胞と前記化合物を接触させることを含む、細胞膜を超えて前記化合物を移動するための方法。
  14. 前記化合物が、600kDまでの分子量であることを特徴とする請求項14記載の方法。
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