JP2004501640A - 電流を用いて核酸および他の生物学的に活性な分子を高等真核細胞の核に導入する方法 - Google Patents

電流を用いて核酸および他の生物学的に活性な分子を高等真核細胞の核に導入する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞分裂とは独立して、低い細胞死滅率にて、電流を用い、真核細胞の核へのDNAおよび/または他の生物学的に活性な分子の輸送を可能とする新規な方法に関する。

Description

【0001】
本発明は、細胞分裂とは独立して、低い細胞死滅率にて、電流を用い、DNAおよび/または他の生物学的に活性な分子を高等真核細胞の核に輸送するのを可能とする新規な方法に関する。本発明は、さらに、トランスフェクションおよび細胞分析の間の時間を短くし、かくして、実験を加速する方法に関する。DNAおよび/または他の生物学的に活性な分子の核局所化で用いることができる最適化された電気的パルスを記載する。
【0002】
発明の背景
核は真核生物DNAの機能的位置であるので、外部DNAは転写されるためには核に進入されなければならない。慣用的なトランスフェクション方法は、細胞膜を通じての細胞質へのDNAの輸送を引き起こすにすぎない。核エンベロープは高等真核生物の細胞分裂の間に一時的に崩壊するという理由のみで、DNAは受動的に核に進入でき、従って、そのコードされた蛋白質は発現させることができる。非常に小さなDNA分子(オリゴヌクレオチド)のみが、核エンベロープ中のポアを通じて自由に拡散することができる。休止細胞または分裂条件の低い率を持つ細胞の効果的なトランスフェクションが提供されなければならず、その結果、より大きなDNA分子が閉じられた核膜を通って十分な量で核に進入できる。本明細書中に記載する方法はこれを高等真核細胞で可能とする。
【0003】
先行技術
DNAは電流の助けを借りて緩衝液から細胞に導入することができることは長い間知られていた。しかしながら、従前に記載されている実験条件は、高等真核細胞の細胞質へのDNAの輸送に制限されており、従って、トランスフェクトされたDNAの発現は、細胞分裂の間、核エンベロープの崩壊に依存したままである。高等真核細胞の核へのDNAの電気的に標的化された導入に向けられた公知の方法はない。電気的核輸送で最適化されたシステムは未だ知られていない。
【0004】
エレクトロポレーションの開発は、生体膜が短い電気的パルスの効果を介して一時的により透過性となるという観察に基づいている(Neumann & Rosenheck 1972)。1976年に、Auerらは、電流を通じてのDNAの赤血球細胞への取込みを記載した。
【0005】
細胞系細胞のエレクトロポレーションの最初の報告は1982年に遡る(Neumannら)。ネズミ線維芽細胞系は、ほとんどの場合、3秒の間隔の一連の3パルスにて、8kV/cmの電界強度および各々5μsの持続時間を有する短いパルスを用いてトランスフェクトされた。2週間後に、分析が行われた。電気的核輸送は観察されなかった。
【0006】
トランスフォーマーを短くすることによって、Potterら(1984)も、8kV/cmの電界強度を生じさせ、それを、細胞系細胞のトランスフェクションに用いた。しかしながら、電流は最大0.9Aに制限された。再度、電気的核輸送は観察されなかった。
【0007】
開発の間に、より低電圧での徐々に長くした放電が用いられた。というのは、ほぼ1kV/cmの電界強度は、(10〜20μmの平均細胞直径を持つ)細胞膜中のポアの最適開口に十分なように見えたからである。かくして、高等真核細胞のエレクトロポレーションのための市販のデバイスおよび供給されたプロトコルのほとんどは、これらの電界強度でのトランスフェクションにつき最適化されている。
【0008】
1つの場合(Bertlingら,1987)において、細胞質および核中のDNAの分布速度が、分裂細胞系で追跡された。DNA濃度の増加とは別に、DNAの核への早期取り込みを最適化しようとする他の試みはなされなかった。より具体的には、電気的パラメーターが分布に対して影響を有し得るかは調べられなかった。
【0009】
1986年以来、トランスフェクションの方法としてのエレクトロポレーションに関する特許が提供されてきた。主に、それらはデバイスの構成およびパルスの形態を記載する。DNAの核への非有糸分裂輸送の問題に向けられたものはない。
【0010】
Bio−Rad Laboratories, Richmond, U.S.A.に対する米国特許第4,750,100号(1986)は、コンデンサー放電によって最大125Aにて最大3000Vを供する特定のデバイス構成を記載する。
【0011】
米国特許第5,869,326号(Genetronics, Inc., San Diego, U.S.A., 1996)は、それに関し2、3またはそれ以上のパルスを2つの別々の電源を用いて発生させることができる特定のデバイス構成を記載する。しかしながら、米国特許第5,869,326号は、これらのパルスがDNAの細胞質への輸送を超える効果を有することを示していない。
【0012】
米国特許第6,008,038号およびEP 0 866 123 A1(Eppendorf−Netheler−Hinz GmbH, Hamburg, 1998)は、それにより10〜500μsの短いパルスおよび最大1.5kVを発生させることができるデバイスを記載するが、再度、DNAの核への輸送をもたらすことができるある条件を示していない。
【0013】
現在知られている方法は、低い細胞死滅率でもって、DNAおよび/または他の生物学的分子の核への効率的な輸送を可能としない。
【0014】
従って、本発明の目的は、低い細胞死滅率をもって、DNAおよび/または他の生物学的電子の核への効率的な輸送を確保する方法を提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、トランスフェクションおよびトランスフェクトされた細胞の引き続いての分析の間の時間をおおいに短くする方法を提供することにある。
【0016】
該目的は、本出願の特許請求の範囲の主題によって解決される。
【0017】
本明細書中において、DNAの効率的な核輸送を媒介する特異的電気的条件、および特に低い細胞死滅率をもたらす放電および電流をまず記載する。低い細胞死滅率につき最適化された緩衝液および実験手法を同様に記載する。
【0018】
発明の記載
本明細書中に記載する方法において、2ないし10kV/cmの非常に高い電界強度を用いて、細胞分裂とは独立して核に進入させるおいて、DNAおよび/または生物学的に活性な分子を助ける。これらの電界強度は、エレクトロポレーションで通常用いられているものよりも実質的に高く、細胞膜ポアの効果的な開口に十分な電界強度(Lurquin, 1997によると平均して1kV/cm)よりも高い。
【0019】
従って、本発明の主題は、電流を用いて生物学的に活性な分子を真核細胞の核に導入する方法であって、核への該導入が、2〜10のkV/cmの電界強度を有するパルス、および少なくとも10μsの持続時間および少なくとも1Aの電流によって達成されることを特徴とする該方法である。
【0020】
用いる高電圧の結果、核エンベロープの双方の膜中にポアが生じ、あるいは核ポア複合体が分子に対してより透過性となることができ、かくして、核への生物学的に活性な分子の非常に効果的な輸送を可能とする。該パルスは、核輸送効果を達成するには、少なくとも10μsの持続時間を有することを必要とする。
【0021】
本明細書中で用いる用語「生物学的に活性な分子」は、核酸、ペプチド、蛋白質、多糖、脂質またはその組み合わせを含む。ただし、それらは細胞中で生物学的活性を示すものとする。
【0022】
核への核酸、ペプチド、蛋白質および/または他の生物学的に活性な分子の導入は、好ましくは、本発明の好ましい具体例では、3〜8kV/cmの電界強度、200μsを超えないパルスの持続時間を有するパルスによって達成することができる。細胞にわたる1〜2Vの電圧の結果、細胞膜中のポアの効果的および可逆的な開口がもたらされる(Zimmermannら, 1981)。これは、10〜20μmの細胞直径において平均して1kV/cmに対応する。区別されるようにより高い電圧の結果,1ms未満のパルス持続時間においてさえ、不可逆的な膜の崩壊がもたらされる(Zimmernammら,1981)。しかしながら、これは、本発明の方法を用いると起こらない。本発明による方法において、2〜10kV/cm、好ましくは3〜8kV/cmにおいてさえ、実質的な不可逆的膜崩壊が起こりえないほど十分に短いが、同時に、核輸送効果を達成するには依然として十分に長い最大200μsにパルス持続時間を維持するのが特に好ましい。
【0023】
該方法の好ましい具体例において、1msないし最大50msの持続時間を持つ1Aないし最大2.5Aの電流の流れによって、中断されることなくパルスを続ける。
【0024】
電流を用いるトランスフェクションは2つの効果:細胞膜のエレクトロポレーションおよび得られた膜ポアを介するDNAの電気泳動に基づいている。記載したエレクトロポレーションパルスは、各細胞型の細胞膜にポアを開けるのに十分なパルスの開始において電圧が存在し、かつパルスのさらなる経過がDNA電気泳動に十分であるように、それらの生成およびそれらの形態とは独立して双方の条件に適合する。
【0025】
本発明の好ましい具体例において、2〜10kV/cmの電界強度が、細胞膜を介してのDNAおよび/または他の生物学的に活性な分子の核への輸送のためにパルスの開始において10〜200μsの間用いられ、引き続いての電気泳動は通常の条件下で行われる。
【0026】
強いパルスおよび低い強度の短い持続時間および/または引き続いて電流の流れの短い持続時間を介して、電気的核輸送でのトランスフェクションは、非常に高い初期電圧にもかかわらず、細胞の高い生存率につき最適化される。同時に、一次細胞のタイプに応じて微妙なチューニングを行うことができる。短くかつ非常に高い電圧パルスはDNAの電気泳動に寄与できるので、それは、引き続いての電流の流れが少数の細胞タイプにつき強く減少されるかまたは完全に省略することができる。
【0027】
好ましいバージョンにおいては、緩衝液、細胞および核酸(およびおそらくは他の生物学的に活性な分子)を満たしたキュベットを、2〜10kV/cmの電界強度を持つ(10〜200μsの長さの)短いインパルス、続いての50msまで最大2.5Aの電流に曝露する。
【0028】
より好ましいバージョンにおいて、緩衝液、細胞および核酸(およびおそらくは他の生物学的に活性な分子)を満たしたキュベットを、3〜8kV/cmの電界強度を持つ(10〜100μsの長さの)短いインパルス、続いての30msまでの最大2.2Aの電流に曝露する。
【0029】
このトランスフェクション方法は、細胞分裂とは独立しているので、分裂細胞ならびに低い分裂活性を持つ休止または一次細胞をトランスフェクトすることができる。
【0030】
本発明の具体例において、ヒト末梢血細胞(好ましくはT細胞、B細胞、またはヒト血液の多能性前駆細胞)のごとき一次細胞をトランスフェクトする。もう1つの好ましい具体例において、真核細胞は、ヒト、ラットまたはマウスまたはニワトリからのニューロンの胚細胞を含む。
【0031】
もう1つの好ましい具体例はヒト骨髄細胞を含む。
【0032】
本発明による方法でトランスフェクトされた真核細胞は、診断方法で、およびエクス・ビボ(ex−vivo)遺伝子治療用の薬物を調製するのに用いることができる。
【0033】
トランフェクション効率は分裂一次細胞および細胞系で増大させることができる。というのは、DNAはそれが分解する細胞分裂まで細胞質に留まる必要がないからである。かつ、分析の時点で細胞分裂を受けていない細胞を同様に分析することができる。
【0034】
さらに、分析はトランスフェクション後直ちに可能であり、その結果、実験がかなり加速される。発現ベクターでのトランスフェクション実験では、プロモーターおよび発現された蛋白質に応じて、トランスフェクションからほぼ20時間後に分析を行うことができる。細胞質におけるトランスフェクトされたDNAの短い滞留のため、DNAはヌクレアーゼの効果にほとんど曝露されないであろう。
【0035】
電気的核輸送に関しては、細胞分裂単独により予測されるよりも、多量のDNAを分裂細胞の核に輸送することができる。両者は、完全な発現カセットの組み込みの確立を実質的に増大させる。
【0036】
用語「電気的核輸送」は、細胞分裂とは独立して、電流によって引き起こされる、高等真核細胞の核への生物学的に活性な分子の輸送を記載する。
【0037】
好ましくは、核に進入させることを意図する生物学的活性分子が、核酸、特にDNAを含み、あるいは少なくとも1つの核酸の一部を含む。
【0038】
核酸がペプチド、蛋白質、多糖、脂質またはこれらの分子の組み合わせまたは誘導体との複合体にて、またはそれらと会合して存在することができる。核酸複合体化した、またはそれと会合した分子は、細胞のゲノムでのトランスフェクトされた核酸分子の組み込み、核内局所化または保持、クロマチンとの会合、または発現の調節を助ける。
【0039】
好ましい具体例においては、核酸と複合体化し、細胞のゲノムでの導入された核酸の組み込みで用いられる分子は、レトロウイルスインテグラーゼ、原核生物トランスポザーゼ、真核生物トランスポザーゼ、配列特異的リコンビナーゼ、トポイソメラーゼ、E. coli recA、E. coli recE、E. Coli recT、ファージλレッドα、ファージλレッドβおよびファージλターミナーゼよりなる群から選択される。
【0040】
特に好ましい具体例において、核酸と複合体となるか、またはそれと関連して、クロマチンとの細胞内保持または会合に用いる分子は、EBV蛋白質EBNA−1のドメインを含む。これらのドメインは、該EBNA−1蛋白質のアミノ酸8−54および/または72−84、または70−89、および/または328−365を含む(Marechalら、1999)。
【0041】
本発明による方法に用いるのに適当な緩衝剤は、以下の組成:0.42mM Ca(NO;5.36mM KCl;0.41mM MgSO;103mM NaCl;23.8mM NaHCO;5.64mM NaHPO;11.1mM d(+)−グルコース;3.25μMグルタチオン;20mM Hepes;pH7.3を有する「緩衝液1」である。
【0042】
真核細胞の核への核酸の導入では、以下のプロトコールを行う:1×10〜1×10個の細胞および10μgまでのDNAを室温にて10分間2mmの電極間隔を持つキュベット内の100μl緩衝液1中でインキュベートし、次いで、本発明による条件に従ってトランスフェクトする。その後直ちに、該細胞を血清を含まない400μl細胞培養基でキュベット外にすすぎ、37℃にて10分間インキュベートする。次いで、細胞を37℃の温度の(血清を含む)細胞培養基中で培養する。
【0043】
例えば、蛋白質の電気的核輸送は、以下のプロトコールにより生じる:100μlの適当な緩衝液中の10μgまでの蛋白質を本発明の条件により1×10〜1×10個の細胞にトランスフェクトする。その後直ちに、該細胞を血清を含まない400μl細胞培養基でキュベット外にすすぎ、37℃にて10分間インキュベートする。次いで、細胞を37℃の温度の(血清を含む)細胞培養基中で培養し、6時間までのインキュベート期間後に分析する。
【0044】
適当なキュベットは、例えば、原核生物のエレクトロポレーションにつき商業的に入手可能なキュベットのごとき2mmまたは1mmの電極間隔を持つものである。
【0045】
用いられた略語は本発明により以下の意味を有する。
Duden辞書に列記された略語に加えて、以下の略語を用いた:
FACS 蛍光活性化セルソーター
FCS  ウシ胎仔血清
H    時間
kV   キロボルト
Ms   ミリ秒
μs   マイクロ秒
PBMC 末梢血単核球細胞
PE   フィコエリスリン
【0046】
実施例
以下の実施例は本発明を例示するが、限定として考えられるべきではない。
【0047】
実施例1
電界強度およびパルス持続時間に関連する電気的核輸送
新たに調製され刺激されていないヒト末梢血からの単核球細胞(PBMC)をネズミMHCクラスI蛋白質H−2Kの重鎖をコードしているベクターでトランスフェクトした。緩衝液1中の10μgのベクターDNAを一緒に含む1×10個の細胞を2mm電極間隔を持つキュベットに室温にて移し、記載された条件下にてトランスフェクトした。その後直ちに、細胞を500μl RPMI培地(ウシ胎仔血清FCSを含まない)でキュベット外へすすぎ、37℃にて10分間インキュベートし、次いで、予め温めた培地(FCSを含む)で培養皿に移した。5時間培養後、該細胞を引き続いてジゴキシゲニン結合抗−H−2K抗体と、次いで、Cy5結合抗−ジゴキシゲニン抗体、ならびに該Tヘルパー細胞の同定用のフィコエリトリン(PE)−結合抗−CD4抗体とインキュベートし、フローサイトメトリー(FACScan)により分析した。死滅細胞数は、ヨウ化プロピジウム染色により決定した。
図1は、(a)40μsの持続時間を持つパルスでの電界強度に対する、および(b)5kV/cmのパルス持続時間に対するTヘルパー細胞のトランスフェクション効率を示す。
【0048】
実施例2
バルス後の電流による電気的核輸送の効率の増大
新たに調製した刺激していないPBMCを実施例1に記載されたH−2K発現ベクターでトランスフェクトした。40μs間の5kV/cmのパルスは、異なる強度および持続時間の電流の流れにより中断されなかった。5時間インキュベーション後、該細胞を実施例1のごとく分析し、Tヘルパー細胞のトランスフェクション効率を決定した(図2)。
【0049】
実施例3
PBMCのトランスフェクション
新たに調製した刺激していないPBMCを、実施例1に記載のごとく、5kV/cmの40μsパルス、続いて、20ms間の2.2Aの電流の流れによりH−2K発現ベクターでトランスフェクトし、実施例1のごとく分析した。
【0050】
図3は、該PBMCのCD4陽性およびCD4陰性の画分中の一部分のトランスフェクトされた細胞の分析を示す。36%の該CD4および19%のCD4細胞は、トランスフェクトしたDNAを発現する。26%の死滅率の4分の3は、トランスフェクション手順のためである。
【0051】
実施例4
ヒト臍帯からの一次(分裂)内皮細胞(HUVEC)における電気的核輸送
実施例1に記載のごとく、HUVECを5kV/cmの70μsパルス、続いて、10ms間の2.2Aの電流の流れによりH−2K発現ベクターでトランスフェクトし、4時間後、引き続いてジゴキシゲニン結合抗−H−2K抗体と、次いで、Cy5結合抗−ジゴキシゲニン抗体、ならびにヨウ化プロピジウムとインキュベートし、フローサイトメトリー(FACScan)により分析した。
【0052】
図4に示すごとく、該細胞の58%が、32%の死滅率でトランスフェクトしたDNAを発現する。24時間の分裂時間を有する細胞の100%において、DNAがトランスフェクションにより細胞質に達し、該トランスフェクション後の再生が考えられないならば、DNAは、最大16%の細胞にて核エンベロープの崩壊により核に達することができる。
【0053】
実施例5
ある種の細胞系(HeLa)における電気的核輸送
実施例4に記載のごとく、HeLa細胞を4kV/cmの100μsパルスによりトランスフェクトし、3時間後に分析した。図5に示すごとく、28%の細胞がトランスフェクトしたDNAを発現し、死滅率は5.5%であった。24時間の分裂時間を有する細胞の100%において、DNAがトランスフェクションにより細胞質に達し、該トランスフェクション後の再生が考えられないならば、DNAは、3時間後に最大12.5%の細胞にて核エンベロープの崩壊により核に達する。
【0054】
実施例6
種々の刺激されていない一次細胞および細胞系のトランスフェクション効率
1×10個のPBMC、他の一次細胞または細胞系の細胞を実施例1に記載の手順に従い種々の発現ベクターおよび実施例1に記載の設定でトランスフェクトした。引き続いて行なったフローサイトメトリー分析(FACScan)において、種々のサブ集団を特異的抗体により同定した。以下の表1において、平均トランスフェクション効率をリストする。CD34前駆細胞のトランスフェクションの分析では、2.5〜5×10個のPBMCをトランスフェクトした。この時間間隔の間、細胞系の細胞は全く分裂を受けなかったか、またはほんのわずかだけが分裂を受けたので、そのトランスフェクション効率の最初の分析を3.5時間後に行なった。また、星印(*)を付けた値はトランスフェクションの3日後に測定し、それらは24時間の値と同様に高かった。
【0055】
実施例7
HeLa細胞中のHPV18−E2蛋白質の電気的核輸送
蛋白質の電気的核輸送は、例えば、転写アクチベーター蛋白質およびレポーター構築体の同時のトランスフェクションにより示すことができ、その発現は、核中のアクチベーター分子の結合により作動できる。かくして、HeLa細胞をプロモーター配列の上流のパピローマウィルス転写アクチベーターHPV18−E2に対する4つの結合部位、ならびにルミネセンスレポーター配列を含有するプラスミドのベクターpC18Sp1lucと、精製したHPV18−E2蛋白質とでトランスフェクトした。室温にて、1×10個の細胞を緩衝液中の200ngベクターDNAおよび8ng蛋白質と一緒にキュベットに移し、4kV/cmの100μsパルスでトランスフェクトした。37℃および5%COでの6時間インキュベーション後、細胞を相対的ルミネセンス活性を測定することにより分析した。
【0056】
図6は、該蛋白質を含むベクターDNAのコトランスフェクションを示し、蛋白質の含まない調製物は対照値を表す。8ng蛋白質とのコトランスフェクション後、該対照に比較してルミネセンス活性の明らかな増大を観察し、それは、該転写アクチベーターが核に達し、その結果、レポーター配列を発現することを示す。従って、本発明による方法は、真核細胞の核にも蛋白質の導入を可能とする。
【0057】
実施例8
抗体の電気的核輸送
抗体の電気的核輸送は、例えば、以下のセットアップにより得ることができる。1×10個のHeLa細胞を、室温にて、4kV/cmの10μsパルスで、続いて、5Aおよび10msの電流の流れによる中断なく、100μl緩衝液中の核特異的蛋白質複合体ND10に対して指向される抗体でトランスフェクトした。該パルスの送達直後に、細胞を血清を含まない400μlの細胞培養基でキュベット外へすすぎ、37℃にて10分間インキュベートした。該細胞を37℃の温かい細胞培養基(血清を含む)中で培養し、37℃および5%COにて5時間インキュベートした。次いで、それらをホルムアルデヒド/グルタルアルデヒド中で固定し、トリトンX100で透過性とし、抗−ND10抗体に特異的なFITC標識抗体と共にインキュベートし、蛍光顕微鏡により分析した。
【0058】
実施例9
CHO細胞中のDNA−蛋白質複合体の電気的核輸送
DNA−蛋白質複合体の電気的核輸送は、例えば、トランスフェクトしたレポータープラスミド−リプレッサー複合体の発現の抑制により示すことができる。この目的のために、CHO細胞をプロモーターおよびlacリプレッサー分子が結合するH2Kマーカー配列間のlac−オペレーター配列を有するベクター(pSpe(Lac0)−H2K)でトランスフェクトした。同時に、該細胞をヒトCD4をコードし、lac−オペレーター配列を含有しないベクターpMACS4.1でコトランスフェクトした。というのは、lacリプレッサー分子はそれに特異的に結合できないからである。1×10個の細胞を、緩衝液中で、lac0配列を含む1μgのH2K発現ベクターDNAおよびlac0配列を含まない1μgのCD4発現ベクターDNAと、室温にて、30分間200nglacリプレッサー蛋白質と共にインキュベートし、キュベットに移し、70μs間の5kV/cmのパルス、続いて、60ms間の2.2Aの電流の流れでトランスフェクトした。37℃および5%COにて5.5時間インキュベーション後、細胞をトリプシン化し、染色し、各マーカーの発現につきフローサイトメトリーにより分析した。H2K発現は、Cy5結合抗−H−2K抗体とのインキュベーションにより分析し、CD4発現をフィコエリトリン(PE)−結合抗−CD4抗体とのインキュベーションにより分析した。
【0059】
図7に示された2つの実験結果は、結合したlacリプレッサーの有無でのDNA蛋白質複合体のトランスフェクション後のマーカー配列の発現を示す。特異的に結合したlacリプレッサー(lac0配列を含むH2K発現ベクター、プラスミド1)では、lacリプレッサーのない対照に比較してH2K発現の明らかな抑制が見られ、一方、特異的lacリプレッサー結合のない(lac0配列のないCD4発現ベクター、プラスミド2)では、該CD4発現の抑制は生じなかった。これは、該DNA−蛋白質複合体が核に達し、該リプレッサー蛋白質は、マーカー配列の発現の抑制を生じなったことを示す。従って、本発明による方法は、真核細胞の核へのDNA−蛋白質複合体の導入も可能とする。
【0060】
実施例10
ペプチド−DNA−複合体の電気的核輸送
ペプチド−DNA−複合体の電気的核輸送は、例えば、トランスフェクションに先立つレポータープラスミドのプロモーターおよびレポーターカセット間のPNA結合配列に対するPNA(ペプチド核酸)の結合によるレポータープラスミドの発現抑制により示すことができる。1μgのH−2K発現ベクターを25μM PNAペプチド(低濃度)または50μM PNAペプチド(高濃度)を含む10mMトリス、1mM EDTA中で65℃にて15分間インキュベートした。該発現ベクターを2つの変形、特異的PNA結合配列の有無で用い、また、非特異的PNAペプチド(ペプチド1)および特異的結合PNAペプチド(ペプチド2)を用いた。特異的PNA結合は、制限部位の標識を生じ、各制限分析により確かめた。用いたPNAペプチドは、以下のDNA結合配列:NH−CCTTTCTCCCTTC−ペプチド(ペプチド1)またはNH−CTCTTCCTTTTTC−ペプチド(ペプチド2)を有した。ペプチド部分は、以下の配列:NH−GKPTADDQHSTPPKKKRKVED−COOHを有するにすぎない。K562細胞のトランスフェクションでは、以下の配列:NH−GKPSSDDEATADSQHSTPPKKKRKVED−COOHを含むペプチド部分を用いた。インキュベーション後、該複合体をCHO細胞において70μs間の5kV/cmのパルス、続いて、40ms間の2.2Aの電流の流れ、およびK562細胞において100μs間の5kV/cmのパルス、続いて、10ms間の5Aの電流の流れによりトランスフェクトした。37℃および5%COでの4時間インキュベーション後、細胞をCy5結合抗―H−2K抗体で染色し、フローサイトメトリーによりH−2K発現につき分析した。
【0061】
図8は、レポーター構築体の発現に対するベクターDNAを含むPNAペプチドの特異的結合および非特異的相互作用の効果を示し、それに加えて、該ペプチド−DNA複合体が核に達したことを示す。従って、本発明による方法は、真核細胞の核へのペプチド−DNA複合体の導入も可能とする。
【0062】
【表1】
Figure 2004501640
【0063】
引用文献
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【0065】
引用特許
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【図面の簡単な説明】
【図1】
図1(a)および1(b)は、(a)40μsの持続時間を持つパルスでの電界強度に対する、および(b)5kV/cmのパルス持続時間に対するTヘルパー細胞のトランスフェクション効率を示す。
【図2】
図2(a)および(b)は、40μs間の5kV/cmのパルス後、異なる強度および持続時間の電流による中断がないTヘルパー細胞のトランスフェクション効率を示す。
【図3】
図3は、該H−2K発現ベクターでトランスフェクトされたPBMCのFACScanを示す。該細胞を引き続いてジゴキシゲニン結合抗−H−2K抗体と、次いで、Cy5結合抗−ジゴキシゲニン抗体、ならびに該Tヘルパー細胞の同定用のフィコエリトリン(PE)−結合抗―CD4抗体とインキュベートし、フローサイトメトリーにより分析した。死滅細胞数は、ヨウ化プロピジウム染色により決定した(非染色蛍光性チャンネルFL3)(SSC=側方散乱光;FSC=前方散乱光)。
【図4】
図4は、5kV/cmの70μsパルス、続いて10ms間の2.2Aの電流によりトランスフェクトされた、ヒト臍帯からの一次(分裂)内皮細胞(HUVEC)における電気的核輸送のFACScan分析である。該細胞を引き続いてジゴキシゲニン結合抗−H−2K抗体と、次いで、Cy5結合抗−ジゴキシゲニン抗体、ならびにヨウ化プロピジウムとインキュベートし、フローサイトメトリー(FACScan)により分析した(非染色蛍光性チャンネルFL2およびFL3)(SSC=側方散乱光;FSC=前方散乱光)。
【図5】
図5は、H−2K発現ベクターを含む4kV/cmの100μsパルスによりトランスフェクトされた後のある細胞系(HeLa)における電気的核輸送のFACScan分析である。4時間後、該細胞を引き続いてジゴキシゲニン結合抗−H−2K抗体と、次いで、Cy5結合抗−ジゴキシゲニン抗体、ならびにヨウ化プロピジウムとインキュベートし、フローサイトメトリー(FACScan)により分析した(非染色蛍光性チャンネルFL2およびFL3)(SSC=側方散乱光;FSC=前方散乱光)。
【図6】
図6は、転写活性蛋白質(HPV 18−E2)の電気的核輸送をHeLa細胞中のレポーター構築体(pC18Sp1luc)に対するその効果の分析により示す。蛋白質およびプラスミドが、4kV/cmの100μsパルスにより細胞に導入された6時間後に測定を行なった。
【図7】
図7は、5kV/cmの70μsパルス、続いての2.2Aおよび60msの電流による中断のないDNA蛋白質複合体でトランスフェクトされた5 1/2の時間後CHO細胞へのDNA−lac−リプレッサー複合体の電気的核輸送のフローサイトメトリー測定の2つのダイアグラムを示す。
【図8】
図8は、CHOおよびK562細胞へのペプチド−DNA複合体の電気的核輸送のフローサイトメトリー測定の2つのダイアグラムを示す。該複合体は、5kV/cmの70μsパルス、続いての40ms間の2.2Aの電流により該CHO細胞に、および5kV/cmの100μsパルス、続いての10ms間の5Aの電流により該K562細胞に導入された。分析はトランスフェクションの4時間後に行なった。

Claims (19)

  1. 電流を用いて生物学的に活性な分子を真核細胞の核に導入する方法であって、核への該導入は、2〜10kV/cmの電界強度および少なくとも10μsの持続時間および少なくとも1Aの電流を有するパルスによって達成されることを特徴とする該方法。
  2. パルスの電界強度が3〜8kV/cmである請求項1記載の方法。
  3. パルスが最大200μsの持続時間を有する請求項1または2記載の方法。
  4. パルスが、1msないし最大50msの持続時間を持つ1Aないし最大2.5Aの電流の流れによって中断されることなく続けられる請求項1ないし3いずれか1記載の方法。
  5. 生物学的に活性な分子が核酸を含み、あるいは少なくとも核酸の一部を含む請求項1ないし4いずれか1記載の方法。
  6. 核酸がペプチド、蛋白質、多糖、脂質、またはこれらの分子の組み合わせまたは誘導体との複合体にて、またはそれらと会合して存在する請求項5記載の方法。
  7. 核酸と複合体化した、または核酸と会合した分子を、導入された核酸の細胞のゲノムへの組み込み、核内局所化または保持、クロマチンとの会合、または発現の調節のために用いる請求項6記載の方法。
  8. 導入された核酸の細胞のゲノムへの組み込みに用いられる核酸と複合体化された分子が、レトロウイルス・インテグラーゼ、原核生物トランスポザーゼ、真核生物トランスポザーゼ、配列−特異的リコンビナーゼ、トポイソメラよりなる群から選択される請求項6記載の方法。
  9. ゼ、E.coli recA、E.coli recE、E.coli recT、ファージλレッドα、ファージλレッドβおよびファージλターミナーゼ。
  10. 核内保持またはクロマチンとの会合で用いられる核酸と複合体化または会合した分子が、EBV蛋白質EBNA−1のドメインを含む請求項6記載の方法。
  11. 真核細胞が休止非分裂細胞である請求項1ないし9いずれか1記載の方法。
  12. 真核細胞が分裂細胞である請求項1ないし9いずれか1記載の方法。
  13. 真核細胞が一次細胞である請求項1ないし9いずれか1記載の方法。
  14. 真核細胞がヒト末梢血細胞である請求項12記載の方法。
  15. 真核細胞がヒト血液の多能性前駆細胞である請求項12記載の方法。
  16. 真核細胞がヒト、ラット、マウスおよびニワトリのニューロンからの胚細胞である請求項12記載の方法。
  17. 真核細胞がヒト骨髄細胞である請求項12記載の方法。
  18. トランスフェクトされた真核細胞が診断方法に用いられる請求項1ないし16いずれか1記載の方法。
  19. エクス・ビボ遺伝子治療のための薬物の調製用の請求項1ないし17いずれか1記載のトランスフェクトされた真核細胞の使用。
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