JP2004501317A - 汚染物の影響が小さい燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
外側リング部材(52)を備えたインペラ(20)に対する汚染物の起こりうる堆積及び効果を減少させる車両用再生型燃料ポンプ(10)。外側リング部材(52)は、外面を摩耗させてこれをざらざらにし、その結果、トルクを大きくすると共にポンプ効率を減少させる場合のある汚染物の影響を減少させる非一様な形態(傾斜形態、湾曲形態、溝付き形態等)を有している。
Description
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、燃料ポンプに関し、特に、インペラに対して起こりうる汚染物の堆積及び効果が小さい燃料ポンプに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
従来のタンク取付け型自動車用燃料ポンプは代表的には、ハウジング内に設けられた回転圧送機構を有している。燃料は、ポンプハウジング内の圧送室に流入し、回転圧送要素(例えば、インペラ)により、燃料は、高圧でハウジングから吐き出される。燃料を自動車エンジンに圧送するのに通常、再生型燃料ポンプ(以下、「再生ポンプ」という場合がある)が用いられる。と言うのは、かかる再生ポンプは、例えば容量形ポンプよりも吐出し圧力が高く且つ一定だからである。加うるに、再生ポンプは代表的には、安価であり、作動中に生じる可聴騒音が小さい。
【0003】
この種の再生ポンプでは、流体、例えばガソリンがインペラによって加圧されてハウジング中へ供給され、ここで流体はモータを冷却し、最終的には、車両のエンジンに供給される。インペラは、ポンプハウジングのエンドキャップとポンプカバーとの間に形成されたキャビティ又は室内に配置されている。流体をインペラ室内に導入するための吸込み口又は入口ポートがエンドキャップに設けられている。ハウジングのポンプカバーは、インペラによって加圧された燃料をポンプハウジング内へ送り出す出口ポートを有している。エンドキャップ及びポンプカバーの内面に設けられた互いに合致するC字形溝が、入口ポートからの燃料をインペラの周りに且つこれを通して差し向け、出口ポートから流出するようにするのに役立つ。
【0004】
一般に、インペラの周囲にはぐるりと複数の羽根が設けられ、これら羽根は、インペラキャビティ内の燃料を加圧し、これをポンプハウジング内へ圧送するのに用いられる。インペラは、羽根の周囲にぐるりと且つインペラキャビティの壁に隣接して外側リングを更に有する場合がある。ダスト、砂等による汚染物により、インペラの外側リングだけでなくエンドキャップ及びポンプカバー内の流路及び室内の或る特定の領域が摩耗してざらざらになる。この結果、圧送効率が低下し、モータトルクが増大し(かくして、電流使用量が多くなり)、ポンプ効率が減少する。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、燃料を燃料タンクから車両エンジンに供給する改良型燃料ポンプを提供する。燃料ポンプは、ポンプハウジング、ハウジング内に設けられていて、これから延びるシャフトを備えたモータ、及びシャフトと共に回転自在にシャフトに取り付けられているインペラを有する。インペラは、ポンプハウジングに連結されたポンプカバー部材とエンドキャップ部材との間に形成されたキャビティ又は室内に設けられている。室は、複数の開口部を有し、インペラの外周部の周りにはぐるりと半径方向外方に延びる羽根が設けられと共に羽根の外端部には外側リングが取り付けられている。
【0006】
エンドキャップ部材は、燃料をインペラ室内へ差し向ける入口ポートを有し、ポンプカバー部材は、加圧された燃料をインペラ室からポンプハウジング内へ送り出す出口ポートを有している。ポンプハウジングに入った燃料は、モータを通過し、車両エンジンに差し向けられる。
【0007】
エンドキャップ部材のインペラ室側に設けられたC字形溝又はチャネルが、一端で入口ポートと連通している。ポンプカバーのインペラ室側に設けられたこれと合致するC字形の溝又はチャネルが、一端で出口ポートと連通する。
【0008】
インペラリングの外面は、静止状態のポンプ構成部品とのインペラ外側リングの接触面を少なくするため非一様な形態を有している。外面を傾斜させ、丸くし、スカラップ模様付けし、溝切りするなどするのがよい。
【0009】
ポンプハウジングカバーに設けられた出口ポートは、燃料の絞り具合を減少させると共に燃料ポンプ内への燃料の流量を増大させる拡大開口部(又は、「窓」)を有している。通路を大きくすると、インペラ、エンドキャップ及びポンプカバー構成部品に対する摩耗を生じさせる汚染物の洗い落とし又は押出しが促進される。
【0010】
これは又、汚染物がインペラの羽根及び外面に悪影響を及ぼす機会を減らすと共に付着し又は堆積している可能性のある汚染物を洗い流すのに役立つ。
【0011】
したがって、本発明の目的は、起こりうる汚染及びインペラ及びインペラ室内及びその周りへのその効果を減少させるリング付きインペラを備えた改良型燃料ポンプ機構を提供することにある。本発明の別の目的は、燃料ポンプ内での汚染物の速度及び流路を変更し、これを案内して一層容易にインペラ室から流出させて燃料ポンプ構成部品への影響を小さくするようにすることにある。
【0012】
本発明の上記目的及び他の目的は、添付の図面を参照して行われる本発明の実施形態の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載から明らかになろう。
〔好ましい実施形態の説明〕
今図1を参照すると、再生型燃料ポンプ10がハウジング12を有し、この中には内部構成要素が収納されている。シャフト18を回転させるためのモータ14、好ましくは電気モータが、キャビティ16内に設けられ、このシャフト18は、モータから燃料吸込み口又は入口ポート38に向かって延びている。回転圧送要素、例えば、インペラ20が、シャフト18に取り付けられており、このインペラは、ポンプハウジングに設けられたエンドキャップ部材22とポンプカバー部材24との間に形成されたキャビティ又は室21内に配置されている。インペラ20は、シャフト18の軸線と一致した中心軸線を備えている。シャフト18は、ポンプカバー部材22に設けられたシャフト開口部26を通り、インペラ20を通り、そしてエンドキャップ部材22に設けられた凹部28内に延びている。シャフト18は、軸受32で支承されている。
【0013】
ポンプカバー部材24は、エンドキャップ部材22とポンプカバー部材24との間に形成された圧送室21からモータキャビティ16内へ通じる燃料出口ポート34を有している。エンドキャップ部材は、燃料をインペラ20に供給する入口ポート38を有している。エンドキャップ部材及びポンプカバー部材の内面に設けられた互いに合致するC字形環状溝(以下に説明する)が、燃料を圧送室内でインペラの周りに差し向けるために用いられる。
【0014】
インペラ室からの加圧燃料は、燃料出口ポート34を通ってモータキャビティ16内に送り込まれ、ここで、この燃料はモータ14上を通ってポンプ吐出し口42に流れる際にモータ14を冷却する。ポンプ吐出し口42は、燃料吸込み口38から見てポンプ10の反対側に位置している。
【0015】
図2は、燃料ポンプ10の部分断面図であり、インペラ20の側面図を示している。図3は、インペラ20の断面図である。羽根50が、インペラの中央本体23から半径方向外方に延び、それにより、インペラの周囲にぐるりと一連の開口部52を形成している。リング部材54が、インペラの外周部の周りにぐるりと設けられ、このリング部材は、羽根部材50の外端部に連結されている。リング54は、インペラ周りの燃料の漏れを減少させ、車両エンジンの低速走行性能を向上させる。ボア58が、インペラ20に設けられていて、インペラをシャフト18に取り付けることができるようになっている。インペラ20は好ましくはその中心軸線の回りに対称であり、外径は20〜60mmである。インペラ室21内のインペラの2つの側部に加わる圧力のバランスを取るため又はかかる圧力を等しくするために複数の均圧穴60をインペラ本体23内に設けるのがよい。これにより、インペラは、エンドキャップ部材及びポンプカバー部材の内面相互間で「浮動」し、インペラとキャビティ表面との間の摩擦力を最小限に抑える。
【0016】
図4及び図5は、互いに逆方向から見た場合のエンドキャップ部材22、インペラ20及びポンプカバー部材24の分解斜視図である。図示のように、インペラ20は、インペラ本体23と外側リング54との間に位置した複数の羽根50及び開口部52を有している。
【0017】
エンドキャップ部材22は、インペラ20に隣接したその内面に環状のC字形溝又はチャネル70を備えると共に入口ポート38を包囲したその外面に環状リング72を有している。インペラ室内の燃料蒸気を排出してこれを燃料タンクに戻し、ベーパロック(蒸気閉塞)を防止するために蒸気ポート71が、溝70に沿って設けられている。上述のように、燃料タンク内の燃料は入口ポート38内に吸い込まれ、ここで室21内のインペラ20によって加圧され、燃料カバー部材24に設けられた出口ポート又は出口ポート34を通って出て、そしてモータハウジング26内に入る。加圧燃料は、ポンプハウジングを通って流れるときにモータ14を冷却し、次に、燃料ポンプの反対側のところの吐出し口42を通って送り出され、その後、車両エンジン及び燃料系統の燃料フィルタ、燃料レール等に送られる。
【0018】
エンドキャップ部材22のC字形チャネル70は、一端に、入口ポート38からの燃料を流入させる開口部74を備え、他端に、ポンプカバー部材24の出口ポート34に近接して位置した傾斜面76を備えている。図6に示すように、傾斜端部76は、C字形溝70の環状中心線78に対して半径方向外方に延長して形成されている。これにより、燃料がインペラキャビティから出てポンプカバー部材24の出口ポート34内に流入するときにインペラの周りの燃料が一層多く、インペラ20の外側リング54の周囲周りに差し向けられる。
【0019】
ポンプカバー部材24は、エンドキャップ部材22のC字形溝70と対応関係をなして合致するC字形溝又はチャネル80を有している。2つのC字形溝70,80は一緒になって、燃料がインペラキャビティ21内のインペラ20によって加圧されるときに、全体としてドーナツ形のチャネルを構成する。ポンプカバー部材24のC字形溝80は、一端に拡大開口部82を備えると共にその他端にラッパ状又は傾斜した表面84を備えている。傾斜面84は、燃料ポンプの構成部品を互いに組み立てると、エンドキャップ部材22の入口ポート38と対向して位置する。同様に、開口部82は、エンドキャップ部材22のC字形チャネル70の傾斜端部76と軸方向整列関係をなしてこれと対向して位置する。
【0020】
図8に示すように、出口ポート34の開口部82は、拡大され、ポンプカバー部材24の中心から半径方向外方に延長されている。また、開口部82の拡大を可能にすると共に開口部を通る燃料の流れを増大させることができるようにするために凹部83がポンプハウジングカバー24の環状段部又はフランジ81に設けられている。開口部82のサイズを大きくすると共にその位置を延長させることにより、燃料がインペラキャビティ21からインペラ20の外側リング54の周りに流れ、そして出口ポート34を通って流れるようにするための領域が広くなる。
【0021】
また、図7に示すように、ポンプカバー部材24は、ポンプモータ14に隣接した表面に拡大開口部(又は、「窓」)88を有している。窓は、ポンプカバー部材24の端面85で開口しているだけでなく、側壁表面87においても開口している。これにより、燃料がインペラを通過し、ポンプカバー部材24を通ってモータキャビティ16内に一段と多く流れることができるようになる。
【0022】
エンドキャップ部材22の溝70の半径方向外方に傾斜した端面76、ポンプカバー部材24の拡大開口部82(フランジ80の凹部83と共に)、及びポンプカバー部材24の拡大窓88との組み合わせにより、インペラリング54(又は、インペラの外周部)の周りでの燃料又は流体の流れを増やし、汚染物を洗い流すと共に(或いは)ポンプ損失を生じさせたりポンプ効率を減少させる場合のあるダスト、スラッジ又は他の汚染物の堆積を防止しやすくする燃料ポンプ機構が得られる。
【0023】
特にインペラ20の外側リング54の外面に対する燃料中の汚染物の摩耗効果を減少させるため、外側リング54は、非一様な形態、例えば、湾曲した形態、傾斜した形態、スカラップ模様付きの形態、又は溝切り又は溝付き形態等を有している。これにより、車両燃料中の代表的な汚染物である汚れ、ダスト、砂、ゴミ等の影響を受ける場合のある外側リング54の表面領域が減少する。これら汚染物はインペラリング54の表面を経時的に摩耗させてざらざらにし、それにより、モータトルクを高くすると共にポンプ効率を減少させる。この結果を達成できるリング54の外面の代表的な実施形態が、図9〜図12に示されている。
【0024】
代表的には、インペラの外面又は羽根とキャビティ21の内壁との間の隙間又は間隔は、およそ0.005〜0.030mmである。この隙間は、結果的にポンプ損失をもたらすと共にポンプ効率の低下を生じさせるインペラ周りの漏れを減少させるため、通常はできるだけ小さく保たれる。また、インペラリングの外面及びインペラキャビティ21の内面は代表的には、インペラとキャビティ又はハウジングとの接触を最小限に抑えるために、できるだけ滑らかに構成されている。
【0025】
図9に示すように、インペラリング100の外面90は、傾斜した部分又は表面92及びこれよりも小さく且つ平らな又は平坦な部分又は表面94を有している。傾斜面92は、好ましくは0.1°〜5.0°、より好ましくは約1°の角度によって定められる。この実施形態は、小さな軸方向に延びる領域、即ち部分94を備え、これはインペラキャビティの内面に隣接して位置し、これにより、ポンプ損失を生じさせる場合のある汚染の影響を受ける領域が小さくなる。好ましくは、平坦面94の幅Wは、1.0mm以下である。同様に、この傾斜面は、インペラ20の外周部沿い及びその周りにおける流体の流量を増やすのに役立ち、これは又、汚染物の堆積の機会を減少させると共にリングに付着し又は堆積している恐れのある汚染物を洗い流すのに役立つ。
【0026】
図10では、インペラ120の外側リング110は、本質的に湾曲した表面112を有している。外面は、連続した状態の湾曲面を有していてもよく、或いは、図示のように実質的に本質的に湾曲した表面を形成する複数の短い真っ直ぐな表面で構成された表面を有していてもよい。図10では、外面112は、2つの傾斜した又は湾曲した表面116,118相互間に配置された小さな平らな又は平坦な部分114を有している。好ましくは、インペラキャビティ表面と密接な関連を持つことができる状態の表面114は、幅W′が1.0mm以下である。表面116,118の角度は、図9を参照して上述した角度Aの範囲内にあるのがよい。
【0027】
図11及び図12に示す実施形態では、インペラ130の外側リング部材132は、その外周部又は周囲にぐるりと一様に形成された複数のスカラップ模様部又は溝134を有している。この目的のため、スロット又はスリットもまた設けるのがよい。上記のことから分かるように、スカラップ模様部又は溝134は、燃料ポンプの長手方向軸線に対して傾斜すると共に矢印140で示したインペラ130の回転方向に向かう方向に傾斜している。この点に関し、インペラ130の表面130Aは、燃料ポンプ組立体のエンドキャップ部材に隣接して位置し、表面130Bは、ポンプカバー部材に隣接して位置している。
【0028】
好ましくは、溝134の深さDは、約0.05mm、角度Bは、約20〜25°、幅Cは、約2.0mm、溝相互間の距離Eは、約1.0mmである。
【0029】
変形実施形態として、インペラの外側リングのスカラップ模様部及び(又は)溝を、数個の軸方向に延びる幅の狭い帯状の表面を外側リング上に形成できるに過ぎないほどの大きさ及び形状に作ってもよい。例えば、各々が幅約2.0〜5.0mm、高さ約20μmの3、4又は6個の帯を、インペラの周囲の周りに一定間隔で設けることができる。これら「こぶ状部」又は隆起部を用いても、インペラと、この隣に位置する圧送室21の環状内壁との間に存在している可能性のある汚染物を除くことができる。
【0030】
本発明によれば、インペラ表面に悪影響を及ぼし又はインペラ室内又はその周りに堆積する場合のある例えばダスト、スラッジ等の汚染物が、インペラ室からポンプカバー部材を通って一層容易に洗い流され又は案内排出される。このように、インペラ室及び出口ポートに対する汚染物による損傷並びに燃料ポンプの効率及び出力に対する汚染物の影響は小さくなる。半径方向外方の流れチャンネルの拡大により、インペラ室から出口ポートを通る出口が滑らかになると共に外方への汚染物の流動の一層容易な案内が可能になる。これにより、ポンプの効率が向上する。
【0031】
インペラに取り付けられる外側リングの外面について種々の別の設計を施しても、インペラ室の内壁に近接した表面領域が減少し、かくして、汚染物の堆積の恐れが無くなると共にインペラリングの外面の外面が摩耗してざらざらになる恐れが無くなる。追加の利点として、インペラの外側リングの表面にスロット、溝等を設けることにより、エンドキャップ部材から遠ざかるインペラについての揚力も得られ、かくして、インペラとその隣のエンドキャップ表面73との間に望ましくない摩擦力の生じる機会が一段と減少する。
【0032】
インペラ羽根の外部に設けられたリング付きの再生型燃料ポンプは今日知られている。これら燃料ポンプは、特に低電圧/低速レンジにおいてコストが安く且つ効率が高い傾向がある。しかしながら、この種の設計は、汚染物がリング表面に悪影響を及ぼし、場合によってはインペラキャビティ内に堆積することがあり、それによりポンプ効率を減少させる傾向をも持っている。従来、この問題を解決するため、インペラリングとインペラハウジングとの間の隙間を減少させる「予防(又は防止)」設計が開発された。しかしながら、かかる方法は、製造工程におけるコストを高くした。また、結果的に汚染物が生じ、かかる汚染物は、燃料ポンプの効率を低下させると共に流れ室を損傷させる場合が多く、この場合もまた、燃料ポンプの出力に悪影響を及ぼすものであった。
【0033】
本発明を1以上の実施形態と関連して説明したが、上述の構造及び方法は本発明の原理の単なる例示に過ぎないものであることは理解されるべきである。特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく上述の方法及び装置について多くの改造例を想到できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料ポンプの断面図である。
【図2】図1の2−2線矢視断面図であり、本発明の回転圧送要素(インペラ)を示す図である。
【図3】図2示すインペラの3−3線矢視断面図である。
【図4】一方向から見た場合の本発明のエンドキャップ部材、インペラ及びポンプカバー部材の分解図である。
【図5】別の方向から見た場合の本発明のエンドキャップ部材、インペラ及びポンプカバー部材の分解図である。
【図6】本発明のエンドキャップ部材のインペラ側の側面図である。
【図7】本発明のポンプカバー部材の斜視図である。
【図7A】図7に示すポンプカバー部材の一部についての図7の7A−7A線矢視断面図である。
【図8】本発明のポンプカバー部材のインペラ側の側面図である。
【図9】本発明のインペラの第1の実施形態の側面図である。
【図10】本発明のインペラの別の実施形態の側面図である。
【図11】本発明のインペラの更に別の実施形態を示す図である。
【図12】本発明のインペラの更に別の実施形態を示す図である。
〔技術分野〕
本発明は、燃料ポンプに関し、特に、インペラに対して起こりうる汚染物の堆積及び効果が小さい燃料ポンプに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
従来のタンク取付け型自動車用燃料ポンプは代表的には、ハウジング内に設けられた回転圧送機構を有している。燃料は、ポンプハウジング内の圧送室に流入し、回転圧送要素(例えば、インペラ)により、燃料は、高圧でハウジングから吐き出される。燃料を自動車エンジンに圧送するのに通常、再生型燃料ポンプ(以下、「再生ポンプ」という場合がある)が用いられる。と言うのは、かかる再生ポンプは、例えば容量形ポンプよりも吐出し圧力が高く且つ一定だからである。加うるに、再生ポンプは代表的には、安価であり、作動中に生じる可聴騒音が小さい。
【0003】
この種の再生ポンプでは、流体、例えばガソリンがインペラによって加圧されてハウジング中へ供給され、ここで流体はモータを冷却し、最終的には、車両のエンジンに供給される。インペラは、ポンプハウジングのエンドキャップとポンプカバーとの間に形成されたキャビティ又は室内に配置されている。流体をインペラ室内に導入するための吸込み口又は入口ポートがエンドキャップに設けられている。ハウジングのポンプカバーは、インペラによって加圧された燃料をポンプハウジング内へ送り出す出口ポートを有している。エンドキャップ及びポンプカバーの内面に設けられた互いに合致するC字形溝が、入口ポートからの燃料をインペラの周りに且つこれを通して差し向け、出口ポートから流出するようにするのに役立つ。
【0004】
一般に、インペラの周囲にはぐるりと複数の羽根が設けられ、これら羽根は、インペラキャビティ内の燃料を加圧し、これをポンプハウジング内へ圧送するのに用いられる。インペラは、羽根の周囲にぐるりと且つインペラキャビティの壁に隣接して外側リングを更に有する場合がある。ダスト、砂等による汚染物により、インペラの外側リングだけでなくエンドキャップ及びポンプカバー内の流路及び室内の或る特定の領域が摩耗してざらざらになる。この結果、圧送効率が低下し、モータトルクが増大し(かくして、電流使用量が多くなり)、ポンプ効率が減少する。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、燃料を燃料タンクから車両エンジンに供給する改良型燃料ポンプを提供する。燃料ポンプは、ポンプハウジング、ハウジング内に設けられていて、これから延びるシャフトを備えたモータ、及びシャフトと共に回転自在にシャフトに取り付けられているインペラを有する。インペラは、ポンプハウジングに連結されたポンプカバー部材とエンドキャップ部材との間に形成されたキャビティ又は室内に設けられている。室は、複数の開口部を有し、インペラの外周部の周りにはぐるりと半径方向外方に延びる羽根が設けられと共に羽根の外端部には外側リングが取り付けられている。
【0006】
エンドキャップ部材は、燃料をインペラ室内へ差し向ける入口ポートを有し、ポンプカバー部材は、加圧された燃料をインペラ室からポンプハウジング内へ送り出す出口ポートを有している。ポンプハウジングに入った燃料は、モータを通過し、車両エンジンに差し向けられる。
【0007】
エンドキャップ部材のインペラ室側に設けられたC字形溝又はチャネルが、一端で入口ポートと連通している。ポンプカバーのインペラ室側に設けられたこれと合致するC字形の溝又はチャネルが、一端で出口ポートと連通する。
【0008】
インペラリングの外面は、静止状態のポンプ構成部品とのインペラ外側リングの接触面を少なくするため非一様な形態を有している。外面を傾斜させ、丸くし、スカラップ模様付けし、溝切りするなどするのがよい。
【0009】
ポンプハウジングカバーに設けられた出口ポートは、燃料の絞り具合を減少させると共に燃料ポンプ内への燃料の流量を増大させる拡大開口部(又は、「窓」)を有している。通路を大きくすると、インペラ、エンドキャップ及びポンプカバー構成部品に対する摩耗を生じさせる汚染物の洗い落とし又は押出しが促進される。
【0010】
これは又、汚染物がインペラの羽根及び外面に悪影響を及ぼす機会を減らすと共に付着し又は堆積している可能性のある汚染物を洗い流すのに役立つ。
【0011】
したがって、本発明の目的は、起こりうる汚染及びインペラ及びインペラ室内及びその周りへのその効果を減少させるリング付きインペラを備えた改良型燃料ポンプ機構を提供することにある。本発明の別の目的は、燃料ポンプ内での汚染物の速度及び流路を変更し、これを案内して一層容易にインペラ室から流出させて燃料ポンプ構成部品への影響を小さくするようにすることにある。
【0012】
本発明の上記目的及び他の目的は、添付の図面を参照して行われる本発明の実施形態の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載から明らかになろう。
〔好ましい実施形態の説明〕
今図1を参照すると、再生型燃料ポンプ10がハウジング12を有し、この中には内部構成要素が収納されている。シャフト18を回転させるためのモータ14、好ましくは電気モータが、キャビティ16内に設けられ、このシャフト18は、モータから燃料吸込み口又は入口ポート38に向かって延びている。回転圧送要素、例えば、インペラ20が、シャフト18に取り付けられており、このインペラは、ポンプハウジングに設けられたエンドキャップ部材22とポンプカバー部材24との間に形成されたキャビティ又は室21内に配置されている。インペラ20は、シャフト18の軸線と一致した中心軸線を備えている。シャフト18は、ポンプカバー部材22に設けられたシャフト開口部26を通り、インペラ20を通り、そしてエンドキャップ部材22に設けられた凹部28内に延びている。シャフト18は、軸受32で支承されている。
【0013】
ポンプカバー部材24は、エンドキャップ部材22とポンプカバー部材24との間に形成された圧送室21からモータキャビティ16内へ通じる燃料出口ポート34を有している。エンドキャップ部材は、燃料をインペラ20に供給する入口ポート38を有している。エンドキャップ部材及びポンプカバー部材の内面に設けられた互いに合致するC字形環状溝(以下に説明する)が、燃料を圧送室内でインペラの周りに差し向けるために用いられる。
【0014】
インペラ室からの加圧燃料は、燃料出口ポート34を通ってモータキャビティ16内に送り込まれ、ここで、この燃料はモータ14上を通ってポンプ吐出し口42に流れる際にモータ14を冷却する。ポンプ吐出し口42は、燃料吸込み口38から見てポンプ10の反対側に位置している。
【0015】
図2は、燃料ポンプ10の部分断面図であり、インペラ20の側面図を示している。図3は、インペラ20の断面図である。羽根50が、インペラの中央本体23から半径方向外方に延び、それにより、インペラの周囲にぐるりと一連の開口部52を形成している。リング部材54が、インペラの外周部の周りにぐるりと設けられ、このリング部材は、羽根部材50の外端部に連結されている。リング54は、インペラ周りの燃料の漏れを減少させ、車両エンジンの低速走行性能を向上させる。ボア58が、インペラ20に設けられていて、インペラをシャフト18に取り付けることができるようになっている。インペラ20は好ましくはその中心軸線の回りに対称であり、外径は20〜60mmである。インペラ室21内のインペラの2つの側部に加わる圧力のバランスを取るため又はかかる圧力を等しくするために複数の均圧穴60をインペラ本体23内に設けるのがよい。これにより、インペラは、エンドキャップ部材及びポンプカバー部材の内面相互間で「浮動」し、インペラとキャビティ表面との間の摩擦力を最小限に抑える。
【0016】
図4及び図5は、互いに逆方向から見た場合のエンドキャップ部材22、インペラ20及びポンプカバー部材24の分解斜視図である。図示のように、インペラ20は、インペラ本体23と外側リング54との間に位置した複数の羽根50及び開口部52を有している。
【0017】
エンドキャップ部材22は、インペラ20に隣接したその内面に環状のC字形溝又はチャネル70を備えると共に入口ポート38を包囲したその外面に環状リング72を有している。インペラ室内の燃料蒸気を排出してこれを燃料タンクに戻し、ベーパロック(蒸気閉塞)を防止するために蒸気ポート71が、溝70に沿って設けられている。上述のように、燃料タンク内の燃料は入口ポート38内に吸い込まれ、ここで室21内のインペラ20によって加圧され、燃料カバー部材24に設けられた出口ポート又は出口ポート34を通って出て、そしてモータハウジング26内に入る。加圧燃料は、ポンプハウジングを通って流れるときにモータ14を冷却し、次に、燃料ポンプの反対側のところの吐出し口42を通って送り出され、その後、車両エンジン及び燃料系統の燃料フィルタ、燃料レール等に送られる。
【0018】
エンドキャップ部材22のC字形チャネル70は、一端に、入口ポート38からの燃料を流入させる開口部74を備え、他端に、ポンプカバー部材24の出口ポート34に近接して位置した傾斜面76を備えている。図6に示すように、傾斜端部76は、C字形溝70の環状中心線78に対して半径方向外方に延長して形成されている。これにより、燃料がインペラキャビティから出てポンプカバー部材24の出口ポート34内に流入するときにインペラの周りの燃料が一層多く、インペラ20の外側リング54の周囲周りに差し向けられる。
【0019】
ポンプカバー部材24は、エンドキャップ部材22のC字形溝70と対応関係をなして合致するC字形溝又はチャネル80を有している。2つのC字形溝70,80は一緒になって、燃料がインペラキャビティ21内のインペラ20によって加圧されるときに、全体としてドーナツ形のチャネルを構成する。ポンプカバー部材24のC字形溝80は、一端に拡大開口部82を備えると共にその他端にラッパ状又は傾斜した表面84を備えている。傾斜面84は、燃料ポンプの構成部品を互いに組み立てると、エンドキャップ部材22の入口ポート38と対向して位置する。同様に、開口部82は、エンドキャップ部材22のC字形チャネル70の傾斜端部76と軸方向整列関係をなしてこれと対向して位置する。
【0020】
図8に示すように、出口ポート34の開口部82は、拡大され、ポンプカバー部材24の中心から半径方向外方に延長されている。また、開口部82の拡大を可能にすると共に開口部を通る燃料の流れを増大させることができるようにするために凹部83がポンプハウジングカバー24の環状段部又はフランジ81に設けられている。開口部82のサイズを大きくすると共にその位置を延長させることにより、燃料がインペラキャビティ21からインペラ20の外側リング54の周りに流れ、そして出口ポート34を通って流れるようにするための領域が広くなる。
【0021】
また、図7に示すように、ポンプカバー部材24は、ポンプモータ14に隣接した表面に拡大開口部(又は、「窓」)88を有している。窓は、ポンプカバー部材24の端面85で開口しているだけでなく、側壁表面87においても開口している。これにより、燃料がインペラを通過し、ポンプカバー部材24を通ってモータキャビティ16内に一段と多く流れることができるようになる。
【0022】
エンドキャップ部材22の溝70の半径方向外方に傾斜した端面76、ポンプカバー部材24の拡大開口部82(フランジ80の凹部83と共に)、及びポンプカバー部材24の拡大窓88との組み合わせにより、インペラリング54(又は、インペラの外周部)の周りでの燃料又は流体の流れを増やし、汚染物を洗い流すと共に(或いは)ポンプ損失を生じさせたりポンプ効率を減少させる場合のあるダスト、スラッジ又は他の汚染物の堆積を防止しやすくする燃料ポンプ機構が得られる。
【0023】
特にインペラ20の外側リング54の外面に対する燃料中の汚染物の摩耗効果を減少させるため、外側リング54は、非一様な形態、例えば、湾曲した形態、傾斜した形態、スカラップ模様付きの形態、又は溝切り又は溝付き形態等を有している。これにより、車両燃料中の代表的な汚染物である汚れ、ダスト、砂、ゴミ等の影響を受ける場合のある外側リング54の表面領域が減少する。これら汚染物はインペラリング54の表面を経時的に摩耗させてざらざらにし、それにより、モータトルクを高くすると共にポンプ効率を減少させる。この結果を達成できるリング54の外面の代表的な実施形態が、図9〜図12に示されている。
【0024】
代表的には、インペラの外面又は羽根とキャビティ21の内壁との間の隙間又は間隔は、およそ0.005〜0.030mmである。この隙間は、結果的にポンプ損失をもたらすと共にポンプ効率の低下を生じさせるインペラ周りの漏れを減少させるため、通常はできるだけ小さく保たれる。また、インペラリングの外面及びインペラキャビティ21の内面は代表的には、インペラとキャビティ又はハウジングとの接触を最小限に抑えるために、できるだけ滑らかに構成されている。
【0025】
図9に示すように、インペラリング100の外面90は、傾斜した部分又は表面92及びこれよりも小さく且つ平らな又は平坦な部分又は表面94を有している。傾斜面92は、好ましくは0.1°〜5.0°、より好ましくは約1°の角度によって定められる。この実施形態は、小さな軸方向に延びる領域、即ち部分94を備え、これはインペラキャビティの内面に隣接して位置し、これにより、ポンプ損失を生じさせる場合のある汚染の影響を受ける領域が小さくなる。好ましくは、平坦面94の幅Wは、1.0mm以下である。同様に、この傾斜面は、インペラ20の外周部沿い及びその周りにおける流体の流量を増やすのに役立ち、これは又、汚染物の堆積の機会を減少させると共にリングに付着し又は堆積している恐れのある汚染物を洗い流すのに役立つ。
【0026】
図10では、インペラ120の外側リング110は、本質的に湾曲した表面112を有している。外面は、連続した状態の湾曲面を有していてもよく、或いは、図示のように実質的に本質的に湾曲した表面を形成する複数の短い真っ直ぐな表面で構成された表面を有していてもよい。図10では、外面112は、2つの傾斜した又は湾曲した表面116,118相互間に配置された小さな平らな又は平坦な部分114を有している。好ましくは、インペラキャビティ表面と密接な関連を持つことができる状態の表面114は、幅W′が1.0mm以下である。表面116,118の角度は、図9を参照して上述した角度Aの範囲内にあるのがよい。
【0027】
図11及び図12に示す実施形態では、インペラ130の外側リング部材132は、その外周部又は周囲にぐるりと一様に形成された複数のスカラップ模様部又は溝134を有している。この目的のため、スロット又はスリットもまた設けるのがよい。上記のことから分かるように、スカラップ模様部又は溝134は、燃料ポンプの長手方向軸線に対して傾斜すると共に矢印140で示したインペラ130の回転方向に向かう方向に傾斜している。この点に関し、インペラ130の表面130Aは、燃料ポンプ組立体のエンドキャップ部材に隣接して位置し、表面130Bは、ポンプカバー部材に隣接して位置している。
【0028】
好ましくは、溝134の深さDは、約0.05mm、角度Bは、約20〜25°、幅Cは、約2.0mm、溝相互間の距離Eは、約1.0mmである。
【0029】
変形実施形態として、インペラの外側リングのスカラップ模様部及び(又は)溝を、数個の軸方向に延びる幅の狭い帯状の表面を外側リング上に形成できるに過ぎないほどの大きさ及び形状に作ってもよい。例えば、各々が幅約2.0〜5.0mm、高さ約20μmの3、4又は6個の帯を、インペラの周囲の周りに一定間隔で設けることができる。これら「こぶ状部」又は隆起部を用いても、インペラと、この隣に位置する圧送室21の環状内壁との間に存在している可能性のある汚染物を除くことができる。
【0030】
本発明によれば、インペラ表面に悪影響を及ぼし又はインペラ室内又はその周りに堆積する場合のある例えばダスト、スラッジ等の汚染物が、インペラ室からポンプカバー部材を通って一層容易に洗い流され又は案内排出される。このように、インペラ室及び出口ポートに対する汚染物による損傷並びに燃料ポンプの効率及び出力に対する汚染物の影響は小さくなる。半径方向外方の流れチャンネルの拡大により、インペラ室から出口ポートを通る出口が滑らかになると共に外方への汚染物の流動の一層容易な案内が可能になる。これにより、ポンプの効率が向上する。
【0031】
インペラに取り付けられる外側リングの外面について種々の別の設計を施しても、インペラ室の内壁に近接した表面領域が減少し、かくして、汚染物の堆積の恐れが無くなると共にインペラリングの外面の外面が摩耗してざらざらになる恐れが無くなる。追加の利点として、インペラの外側リングの表面にスロット、溝等を設けることにより、エンドキャップ部材から遠ざかるインペラについての揚力も得られ、かくして、インペラとその隣のエンドキャップ表面73との間に望ましくない摩擦力の生じる機会が一段と減少する。
【0032】
インペラ羽根の外部に設けられたリング付きの再生型燃料ポンプは今日知られている。これら燃料ポンプは、特に低電圧/低速レンジにおいてコストが安く且つ効率が高い傾向がある。しかしながら、この種の設計は、汚染物がリング表面に悪影響を及ぼし、場合によってはインペラキャビティ内に堆積することがあり、それによりポンプ効率を減少させる傾向をも持っている。従来、この問題を解決するため、インペラリングとインペラハウジングとの間の隙間を減少させる「予防(又は防止)」設計が開発された。しかしながら、かかる方法は、製造工程におけるコストを高くした。また、結果的に汚染物が生じ、かかる汚染物は、燃料ポンプの効率を低下させると共に流れ室を損傷させる場合が多く、この場合もまた、燃料ポンプの出力に悪影響を及ぼすものであった。
【0033】
本発明を1以上の実施形態と関連して説明したが、上述の構造及び方法は本発明の原理の単なる例示に過ぎないものであることは理解されるべきである。特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく上述の方法及び装置について多くの改造例を想到できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料ポンプの断面図である。
【図2】図1の2−2線矢視断面図であり、本発明の回転圧送要素(インペラ)を示す図である。
【図3】図2示すインペラの3−3線矢視断面図である。
【図4】一方向から見た場合の本発明のエンドキャップ部材、インペラ及びポンプカバー部材の分解図である。
【図5】別の方向から見た場合の本発明のエンドキャップ部材、インペラ及びポンプカバー部材の分解図である。
【図6】本発明のエンドキャップ部材のインペラ側の側面図である。
【図7】本発明のポンプカバー部材の斜視図である。
【図7A】図7に示すポンプカバー部材の一部についての図7の7A−7A線矢視断面図である。
【図8】本発明のポンプカバー部材のインペラ側の側面図である。
【図9】本発明のインペラの第1の実施形態の側面図である。
【図10】本発明のインペラの別の実施形態の側面図である。
【図11】本発明のインペラの更に別の実施形態を示す図である。
【図12】本発明のインペラの更に別の実施形態を示す図である。
Claims (14)
- ハウジング、モータ、エンドキャップ部材、インペラ及びポンプカバー部材を有する燃料ポンプであって、インペラに取り付けられた外側リング部材を更に有し、外側リング部材は、非一様な形態の外面を有していることを特徴とする燃料ポンプ。
- 前記形態は、傾斜部分及び平坦部分を有していることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
- 前記平坦部分は、前記傾斜部分よりも軸方向長さが短いことを特徴とする請求項2記載の燃料ポンプ。
- 前記傾斜部分は、0.1°〜5.0°の角度を備えていることを特徴とする請求項2記載の燃料ポンプ。
- 前記形態は、湾曲表面、一連の平坦表面、スカラップ模様付き表面、溝付き表面、スロット付き表面及びスリット付き表面から成る群から選択されていることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
- 前記形態は、溝付き形態であり、前記溝は、前記インペラの回転方向に傾斜していて、20°〜25°の角度を備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
- 前記形態は、湾曲表面であることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
- 圧送機構のためのインペラであって、前記インペラは、中央本体部分、前記中央本体部分から外方に延びる複数の羽根部材、前記羽根部材の相互間に設けられた開口部及び前記羽根部材の外端部の周りにぐるりと位置した状態でこれらに結合された外側リング部材を有し、前記外側リング部材は、非一様な形態を有していることを特徴とするインペラ。
- 前記形態は、傾斜部分及び平坦部分を有していることを特徴とする請求項8記載のインペラ。
- 前記平坦部分は、前記傾斜部分よりも軸方向長さが短いことを特徴とする請求項9記載のインペラ。
- 前記傾斜部分は、0.1°〜5.0°の角度を備えていることを特徴とする請求項9記載のインペラ。
- 前記形態は、湾曲表面、一連の平坦表面、スカラップ模様付き表面、溝付き表面、スロット付き表面及びスリット付き表面から成る群から選択されていることを特徴とする請求項8記載のインペラ。
- 前記形態は、溝付き形態であり、前記溝は、前記インペラの回転方向に傾斜していて、20°〜25°の角度を備えていることを特徴とする請求項8記載のインペラ。
- 前記形態は、湾曲表面であることを特徴とする請求項8記載のインペラ。
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