JP2004501244A - ポリマー反応生成物の製造方法 - Google Patents

ポリマー反応生成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

下記の工程(i)、
(i)下記式(I)、
【化1】
Figure 2004501244

(ここで、R〜Rは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、かつ、ジフェニルエチレン、ジナフチルエチレン、4,4’−ビニリデンビス(N,N’−ジメチルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(アミノベンゼン)、シス−及びトランス−スチルベン及びこれらの2種以上の混合物を、化学式(I)で表されている化合物としては除外する)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応、
を含むことを特徴とする反応生成物(A)の製造方法、及び
下記工程(i)、
(i)下記式(II)、
【化2】
Figure 2004501244

(ここで、R〜R及びR11とR12とは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基である)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程、
を含むことを特徴とする反応生成物(A’)の製造方法である。

Description

【0001】
本発明は、少なくとも1個の遊離基開始剤の存在下でラジカル反応の可能な、少なくとも1個のモノマー(a)の、フリーラジカル条件下での反応による反応生成物(A)の製造方法、及び下述の如き、該反応生成物自体の化合物(I)及び/又は化合物(II)と、この反応生成物を用いるポリマーの製造方法並びにポリマー分散液における、又は、フィルム、造形品、繊維及びフォームの製造用としての用途に関する。
【0002】
本発明は、ラジカル重合の技術分野に関する。モノマーの適切な選択及び所望に応じて、これに続く異なるモノマーの付加によって、直鎖及び分枝の両ホモポリマーとコポリマー並びにブロックコポリマーを製造することができる。ポリマー自体に加えて、本発明は、第一段階において得られる反応生成物に関する。
【0003】
最近、数年に亘って、多用なポリマーの製造に好適であり、かつ、予定した構造、分子量及び分子量分布を有するようなポリマーの提供を可能にする方法、又は方法に関する概念に大きな関心が寄せられている。そこで、特許WO第98/01478号公報には、特にビニルモノマー及び不飽和基、例えば(メタ)アクリル酸の無水物、エステル及びイミドを有する酸誘導体から選択される反応用モノマーを、遊離基開始剤と連鎖移動剤としてのチオカルボニルチオ化合物との存在下で反応させるポリマーの製造方法が開示されている。
【0004】
特許WO第92/13903号公報には、そこに定義されている如く、C−S二重結合を有する基移動剤の存在下で1個以上のポリマーのラジカル連鎖重合による低分子量を有するポリマーの製造方法が開示されている。この文献によれば、ここに記載された、C−S二重結合を有する化合物は、連鎖移動剤として作用するばかりでなく、成長調整剤としても作用するので、この文献によれば、この化合物の存在下においてのみ、低分子量を有するポリマーを調製することができる。
【0005】
特許WO第93/22351号公報には、水性媒体において、かつ、末端−CH−C(X)=CH基(但し、Xはこの公報中に定義されている)を有する高分子モノマーの存在下での不飽和モノマーのラジカル連鎖重合方法が開示されている。この使用方法の例に従えば、異なる(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸若しくは、所望に応じて、スチレンのようなモノマーを、いずれも乳化重合又は懸濁重合条件下で反応させる。
【0006】
特許WO第93/22355号公報は、特許WO第93/22351号に記載された高分子モノマーを用いる架橋可能ポリマーの製造方法に関する。特許WO第96/15157号公報には、同様に比較的狭い分子量分布を有するポリマーの製造方法が開示されており、そこでは、その中で定義されているビニルモノマーを、遊離基開始剤の存在下で、同様に末端ビニルの高分子モノマーと反応させている。更に、特許WO第98/37104号公報は、その中でより詳細に定義され、かつ、C−C二重結合と、モノマーのラジカル付加に関してこの二重結合を活性化するラジカルとを有する連鎖移動剤を用いて対応するモノマーのラジカル重合により、アクリレートを基材とするものを含有していて分子量を調節するポリマーの製造方法に関するものである。
【0007】
コモノマーとしてエチルアクリレート、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリル及び酢酸ビニルを用いる、ω−不飽和オリゴ(メチルメタクリレート)とのラジカル連鎖重合又は共重合が、J.Macromol.Sci.Chem.A23巻(7号)(1986年)、839〜852頁の科学文献に記載されている。
【0008】
更に、Macromol.Chem.phys.201巻(2000年)、74〜83頁には、モノマーとしてメチルメタクリレート、スチレン、フェニルアセテート、ブチルアクリレート及びグリシジチルメタクリレートを用いる、1,2−(トリメチルシリロキシ)−テトラフェニルエタンを用いるラジカル連鎖重合又は共重合が記載されている。
【0009】
特にテトラフェニルエタン(誘導体)を用いるラジカル連鎖重合の概観が、Otsu及びMatsumotoによって、Advances in Polymer Science,136巻、75〜137頁及びPolymer Bulletin,16巻(1986年)、95〜102頁に記載されている。
【0010】
更に、Harwoodらは、Macromol.Symp.111巻(1996年)、25〜35頁に、NMR感受性開始剤及び高分子開始剤を用いるランダム、ブロック及びグラフトコポリマーのNMR研究について報じている。それには、この場合、メチルメタクリレート/スチルベン混合物の反応とそれで得られるポリマーの性能が記載されている。
【0011】
特にジフェニルエチレンとその誘導体を用いるポリマー反応生成物の製造方法が、西独特許公開第19858708、2号公報に記載されている。
【0012】
かかる従来技術の考察によって、本発明の目的は、反応生成物の新規な製造方法を提供することであり、その生成物は、特に高分子開始剤として使用することができ、また一方、それ自身特に乳化剤又は分散剤として使用できるものであり、かつ、その補助によってラジカル重合又は共重合の可能な他のモノマーを、異なる組成を有する他のポリマーを得るために反応させることもできるものである。更に、制御された方法によってポリマーの性能を確立し、それによって簡単なラジカル重合により、特にラジカル重合によるブロック構造の調製によって得ることができる、かかるポリマーの潜在的用途範囲を拡大できることが本発明の目的である。
【0013】
本発明に関して、「異なるモノマー組成」とは、ブロックコポリマーの少なくとも2領域が異なるモノマー組成を有するという意味として理解される。本発明に関して、2ブロック間の移行が連続である、即ち、2ブロック間にはブロックを構成するモノマーのランダムか、又は規則的な配列のある領域が存在することが可能である。しかし、本発明に関しては、2ブロック間の移行は、実質的には不連続であることが予想されることである。「実質的に不連続な移行」とは、移行領域は、移行領域によって分離しているブロックの少なくとも1つより実質的に短い長さであるという意味として理解される。ブロックは単一型のモノマーのみを基材とする可能性がある。しかし、ブロックは二個以上のモノマーで構成されていることも予想される。本発明の好適実施態様においては、かかる移行領域の鎖長は、移行領域によって分離されている、少なくとも1個のブロックの長さの1/10未満、好ましくは1/20未満である。
【0014】
本発明に関して、「異なるモノマー組成」とは、各ブロックを構成するモノマーが、例えば、その相互の結合型式、その構造又はその構成における、少なくとも1つの形態が異なるという意味として理解される。既に上記した如く、ブロックが1種より多くのタイプのモノマーを基材とする場合には、今の場合、ブロックコポリマーの異なるブロックは、例えば、各ブロックを構成するモノマーの異なる濃度によっても相違することができる。
【0015】
この目的及び更なる他の目的は、反応生成物(A)の新規製造方法、反応生成物(A’)の製造方法、及び反応生成物(A)と(A’)、かつ、ポリマー(B)の製造方法とポリマー(B)によって達成されることが見出されたのであって、反応生成物(A)の新規製造方法は下記の工程(i)、
(i)下記式(I)、
【0016】
【化5】
Figure 2004501244
【0017】
(ここで、R〜Rは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、かつ、ジフェニルエチレン、ジナフチルエチレン、4,4’−ビニリデンビス(N,N’−ジメチルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(アミノベンゼン)、シス−及びトランス−スチルベン及びこれらの2種以上の混合物を、化学式(I)で表されている化合物としては除外する)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程、
を含むものであり、
また、反応生成物(A’)の製造方法は、下記工程(i)、
(i)下記式(II)、
【0018】
【化6】
Figure 2004501244
【0019】
(ここで、R〜R及びR11とR12とは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基である)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程、
を含むものであり、
また、
反応生成物(A)は、下記工程(i)、
(i)下記式(I)、
【0020】
【化7】
Figure 2004501244
【0021】
(ここで、R〜Rは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基であり、かつ、ジフェニルエチレン、ジナフチルエチレン、4,4’−ビニリデンビス(N,N’−ジメチルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(アミノベンゼン)、シス−及びトランス−スチルベン及びこれらの2種以上の混合物を、化学式(I)で表されている化合物としては除外する)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程、
を含む方法によって製造することができ、また、
反応生成物(A’)は、下記工程(i)
(i)下記式(II)
【0022】
【化8】
Figure 2004501244
【0023】
(ここで、R〜R及びR11とR12とは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC−〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基である)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程、
を含む方法によって製造することができ、
かつ、ポリマー(B)の製造方法は、(ii)ラジカルホモ重合又は共重合可能な、少なくとも1種のモノマー(b)の存在下で、フリーラジカル条件下の工程(i)で得られる反応生成物(A)及び/又は(A’)の反応、
を含むものであり、また、
ポリマー(B)は工程(ii)
(ii)ラジカルホモ重合又は共重合可能な、少なくとも1種のモノマー(b)の存在下で、フリーラジカル条件下の工程(i)で得られる反応生成物(A)及び/又は(A’)の反応、を含む方法によって製造することができる。
【0024】
ラジカル反応可能な全てのモノマーを、上記新規方法でのモノマー(a)として使用できる。好ましいのは、ラジカルホモ重合又は共重合の可能な化合物をモノマー(a)として使用することである。
【0025】
勿論、異なるモノマーの混合物を、本発明に関するモノマー(a)として利用することもできる。
【0026】
更に、少なくとも1種の親水性モノマーと、少なくとも1種の疎水性モノマーの混合物を上記方法によって重合させることができる。
【0027】
特定のモノマー(a)の例は以下の通りである。
【0028】
ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、ミルセン又はペンタジエン、及び更にモノエチレン性不飽和C−〜C10−モノカルボン酸又はC−〜C−のジカルボン酸のC−〜C20−アルキル及びヒドロキシルアルキルエステル、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート(全異性体)、ブチルメタクリレート(全異性体)、2エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート(全異性体)、ブチルアクリレート(全異性体)、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジエチルマレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、又はヒドロキシブチルアクリレート、更に2〜50モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はこれらの混合物と反応したアルコキシル化C〜C18アルコールの(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メタクリロニトリル、アクリロニトリル又は官能化メタクリレート、グリシジルメタクリレートから選択されるアクリレート及びスチレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(全異性体)、ヒドロキシブチルメタクリレート(全異性体)、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート及びヘキシルアクリレート(いずれも全異性体)、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、無水イタコン酸、イタコン酸、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、トリエチレングリコールアクリレート、メタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチロールメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、ビ二ル安息香酸(全異性体)、ジエチルアミノスチレン(全異性体)、α−メチルビニルベンゼンスルホン酸(全異性体)、ジエチルアミノ−α−メチルスチレン(全異性体)、p−メチルスチレン、p−ビニルベンゼンスルホン酸、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレート、トリブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジメトキシシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリエトキシシリルプロピルアクリレート、トリブトキシシリルプロピルアクリレート、ジメトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジブトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジメトキシシリルプロピルアクリレート、ジエトキシシリルプロピルアクリレート、ジブトキシシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルアクリレート、酢酸ビニル及び酪酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、ビニルアルコール、C−〜C18−アルコールのビニルエーテル、アルコキシル化C−からC18−アルコールのビニルエーテル及びポリアルキレンオキサイド、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又はポリブチレンオキサイドのビニルエーテル、モノエチレン性不飽和C−〜C10−モノカルボン酸、それらのアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸、ジメチルアクリル酸、エチルアクリル酸、アリル酢酸、又はビニル酢酸、更にモノエチレン性不飽和C−〜C−ジカルボン酸、そのモノエステル、無水物、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸又は無水メチルマロン酸;更に、スルホ基又はその塩、例えば、そのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、例えば、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート又は3−スルホプロピルメタクリレート、更にホスホン酸基又はその塩、例えば、そのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、例えば、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸又はアクリルアミドエチルプロパンホスホン酸、更にはモノエチレン性不飽和C−〜C10−モノカルボン酸又はC−〜C−ジカルボン酸のアミド及びN−置換アミド、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド又はN,N−ジアルキルアクリルアミド、いずれも、アルキル基に1〜18個の炭素原子を有するもの、例えば、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクルアミド又はN−オクタデシルアクリルアミド、N−モノメチルヘキシルマレイン酸アミド、N−モノデシルマレイン酸アミド、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド又はアクリルアミドグリコール酸;更に、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチルアミノエチルアクリレート、ジエルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート又はジメチルアミノプロピルメタクリレート;更には、ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、これらが重合後加水分解した形態で存在することも可能である;更に、N−ビニル化合物、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、1−ビニルイミダゾール又は1−ビニル−2−メチルイミダゾール;更には、C−〜C18−アルコールのビニルエーテル、アルコキシル化C−〜C18−アルコールのビニルエーテル及びポリアルキレンオキサイド、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又はポリブチレンオキサイドのビニルエーテル、スチレン又はその誘導体、例えばα−スチルスチレン、インデン、ジシクロペンタジエン、アミノ又はイミノ基を有するモノマー、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、又はアリルアミン、例えば、塩基性アミノ官能基を酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸又は酢酸と反応させることによって得た塩として、又は四級化(好適な四級化剤の例はジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化メチル、塩化エチル又は塩化ベンジルである)形態において存在する第四級アンモニウム基を有するモノマー、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレートヒドロクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド、ジメチルアミノエチルアミノプロピルメタクリルアミドメゾサルフェート、ビニルピリジウム塩又は1−ビニルイミダゾリウム塩;アミノ基及び/又はアンモニウム基が重合と、それに続く加水分解の後にのみ遊離したモノマー、例えば、N−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドであり、上記モノマー2種以上の混合物である。
【0029】
第一のモノマー(a)として用いられるのに好ましいものは、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリレート又はその遊離酸、ジエン又はN−ビニル化合物で、好ましくは上記の群のメンバー、又は所望に応じてラジカルホモ重合若しくは共重合の可能な,少なくとも1種の他のモノマー(a)との2種以上の混合物である。
【0030】
本発明によれば、化学式(I)
【0031】
【化9】
Figure 2004501244
又は、化学式(II)
【0032】
【化10】
Figure 2004501244
で表される化合物が、反応生成物(A)の調製に更に使用される。
【0033】
原理的には、上記並びに請求の範囲での定義に対応するものである限り、本発明に従って上記化学式で表される全ての化合物を使用することが可能である。
【0034】
基R〜Rの内少なくとも2個がいずれもラジカル安定化の及び/又は嵩高の基であることは、特に重要である。本発明に関して用いられる語「嵩高の基」とは、フリーラジカル条件下での新規反応におけるいずれの場合にも、その基の大きさがイソプロピル基の大きさよりも大きいか又は等しいものであることを意味する。本発明に従って用いられる語「ラジカル安定化の基」とは、その電子構造がラジカルを安定化させるような、請求項1に定義したタイプの基について称するものである。
【0035】
特定の基の例は、上記タイプの下記の基である:
3個以上の炭素原子を有する分枝アルキル基、特にイソプロピル及びtert−ブチル基;シクロアルキル基、例えば無置換又は置換のシクロペンチル、又はシクロヘキシル基;アルコールの基、例えば、分枝アルコールの基、例えば、イソプロポキシ又はtert−ブトキシ基;アリールアルキル基;置換または無置換の芳香族又はヘテロ環炭素水素、例えば、フェニル又はピリジル基;ハロゲン;シアノ;ニトロ;−CO(O)ORの構造を有するエステルの基、例えば、直鎖又は分枝の無置換又は置換のアルキル又はアリールアルキル基、芳香族又はヘテロ芳香族化合物である。
【0036】
また、好ましくはラジカルとして下記組合せの安定化の基を有する化学式(I)で表される化合物が用いられる;
少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基とC(O)Rと;
少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基とCNと;
少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基とC(O)ORと;
相互に無関係で、少なくとも2個の置換または無置換のフェニル基;
相互に無関係で、少なくとも2個のC(O)OR;及び
相互に無関係で、少なくとも2個のCNである。
【0037】
特に、化学式(I)又は(II)で表される化合物として下記が用いられる。
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン
1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン
1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン
1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン
アセナフチレン
シス−及びトランス−アルファ−メチルスチルベン
シス−及びトランス−4,4’−ジフェニルスチルベン
トランス−トランス及びトランス−シス−並びにシス−シス−1,4−ジフェニル−1,3ブタジエン
アルファ−オメガ−テトラフェニルポリエチン
ジフェニルフルベン
トリフェニルエテン
テトラフェニルエテン
1−シアノ−1−フェニルエチレン;1−アルコキシカルボニル−1−フェニルエチレン;1,1−ジアルコキシカルボニル−2−エチルエチレン;1,1−ジアルコキシカルボニル−2−フェニルエチレン,1,1−ジアルコキシカルボニル−2,2−ジメチルエチレン;1,1−ジアルコキシ−カルボニルメチルエチレン;9−メチレンキサンテン;9−メチレンチオキサンテン、
9−メチレン−10−H−アクリジン及びこれらの2種以上の混合物。
【0038】
本発明によれば、遊離基生成は各種の方法によって実施できる。従って、熱的、光化学的、電気化学的又は電子移動誘導製造法は、丁度、遊離基生成のための酸化又は還元剤の使用と同様に可能である。
【0039】
更に、本新規方法は、少なくとも1種の遊離基開始剤の存在下で実施できる。更に、熱的に、電気化学的に、又は光化学的に開始するモノマーは、開始剤としても使用できる。しかし、一般的に、全てのアゾ及び/又はペルオキソ化合物及び/又はラジカル連鎖重合に慣用されている均等解離可能なC−C結合を有する化合物を使用できる。好適な開始剤は、特許WO第98/01478号公報の10頁、17行目〜11頁、15行目に開示されており、本発明への使用に関して参考までに、明細書に全て収載されている;更に、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン及び2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを用いることもできる。好ましく用いられた開始剤はいずれの場合も、用いた反応系に可溶なものである。水相中での反応の場合、酸化性遊離基開始剤、例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸アンモニウム、或いは慣用の、即ち、非酸化性の開始剤とHとの組み合わせを好ましく用いる。更に、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウリル及びAIBNを使用することができる。
【0040】
新規方法の好適実施形態においては、比較的大量の遊離基開始剤を添加し、反応混合物中の遊離基開始剤の割合は、いずれの場合もモノマー(a)と開始剤との合計量に対して、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。開始剤対化合物(I)のモル比は、好ましくは3:1〜1:3であり、より好ましくは2:1〜1:2、特に好ましくは1.5:1〜1:1.5である。
【0041】
工程(i)によると記載された反応が水相で実施される場合、本発明に関する「水相」の語は、相が10〜100重量%の水を含有する意味である。水相の水分含量が10%より小さい場合には、本発明に関しては、水相が水分と、1種以上の水混和性溶媒、例えば、THF、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどとの混合物を含有することが好ましい。しかし、水と水に非混和性の溶媒、例えばトルエンのような芳香族の溶媒との混合物の存在下で工程(i)に従って反応を実施することも可能である。
【0042】
更なる実施形態としては、工程(i)による上記反応を、少なくとも1種の塩基の存在下で実施する。原理的には、全ての低分子量の塩基を用いることが可能で、そのうち、NaOH、KOH、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−又はトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン又はこれらの2種以上の混合物が好ましく、アンモニア及びジ−並びにトリエタノールアミンが特に好ましい。
【0043】
しかし、工程(i)による反応を有機溶媒中で、又は、無溶媒で、例えば、溶融状態で実施することも可能である。「有機溶媒中で、又は、無溶媒での反応過程」の語を本発明に関して用いる場合、10重量%未満の水、好ましくは5、又は1重量%未満の水の存在で反応過程を進めるという意味である。続いて、本発明の他の実施形態として、少なくとも1種のブロックコポリマーを新規な結合剤組成物に使用し、そのブロックコポリマーの調製において工程(i)を有機溶媒中で又は無溶媒で実施するが、その反応混合物の水分含量は0.5未満、例えば、0.3ないし0.1重量%未満である。本発明のその他の実施態様として、工程(i)の反応過程を、水分の非存在下、即ち、0.001重量%未満の水分含量で実施する。このような水分含量は、例えば、ラジカル重合用有機溶媒として通常用いるような市販の溶媒を用いることによって達成可能である。
【0044】
本発明に関して好適な溶媒は、原理的には全ての極性及び非極性の有機溶媒で、場合により昇温時に、対応するポリマー及び好ましくはまた得られるポリマーが溶解性のある溶媒である。好適な溶媒は、例えば、C−〜C10−のアルカン、シクロヘキサン、デカリン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、グリコール、例えば、エチレングリコール又はトリエチレングリコル、末端基の一部又は全部をブロックしたグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、メタノール又はエタノール或いは18個以下の炭素原子のアルカノールの高級同族体(所要な場合に補助溶剤として)、又はこれらの2種以上の混合物である。
【0045】
工程(i)による反応は一般に、室温以上で、モノマーの分解温度以下で実施され、好ましくは50〜200℃の温度範囲が選ばれ、より好ましくは70〜150℃、特に好ましいのは80〜120℃である。
【0046】
工程(i)による反応は、一般に、1〜300バール、例えば、約1.5〜100、又は約2〜約20バールで実施される。
【0047】
分子量分布に関しては全く制限はないけれども、標準としてポリスチレンを用いるゲル透過クロマトグラフィによって測定した分量分布で、≦4を、好ましくは≦3、より好ましくは≦2、特に好ましくは≦1.5、特別な場合として≦1.3のMw/Mnを有する反応生成物を、(i)による反応で得ることができる。反応生成物(A)の分子量は、モノマー(a)対化合物(I)対遊離基開始剤の比の選択により、広い限界内で調節できる。特に、化合物(I)の含有量が分子量を決めるもので、化合物(I)の量が大となるほど、得られる分子量は低くなる。
【0048】
工程(i)による反応は、また、界面活性剤の存在下でも実施できる。
【0049】
(i)による反応で得られる反応生成物は、更に直接加工することができ、又は下記に説明するように、工程(ii)による更に先の反応に高分子開始剤として用いることができる。工程(i)による反応生成物を固体として単離し、次いで先の反応にかけるか又は使用することも可能である。
【0050】
工程(ii)による反応で、ラジカルホモ重合又は共重合可能な、少なくとも1種の自由に選択し得るモノマー(b)を反応させることができ、好適なモノマー(b)は、モノマー(a)の説明で述べたとおりのモノマーである。
【0051】
モノマー(b)は、工程(i)で用いるモノマー(a)と同一でも異なっていることもできる。勿論、2種以上のモノマーの混合物をモノマー(a)又はモノマー(b)として用いることもできる。モノマー(b)は、原理的には、工程(ii)で調製されるポリマーの所望の構造により、従ってまた、このポリマーの所望の用途によって選択される。
【0052】
特定の例は、好ましく用いられる下記のモノマー(b)である:
スチレン及び誘導体、例えば、スチレンスルホン酸、メタクリル酸及びアクリル酸、酸とメタノール、エタノール、プロパノール(全ての異性体)又はブタノール(全ての異性体)とのエステル、ヘキサン(全ての異性体)、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル化合物、例えば、N−ビニルピロリドン、及びジエン、例えばブタジエン、イソプレン、ミルセン及びペンタジエン。
【0053】
従って、本発明はまた、
(ii)ラジカルホモ重合又は共重合可能な少なくとも1種のモノマー(b)の存在のもと、フリーラジカル条件下で工程(i)で得られた反応生成物(A)の反応、
を含む、ポリマー(B)の製造方法に関する。
【0054】
工程(ii)による反応は原理的には、ラジカル重合用慣用条件下で実施し、好適な溶媒の存在下で可能である。
【0055】
本発明の更なる実施形態において、工程(ii)は、工程(i)の終結後に添加される、一般式I又はIIで表わされる化合物の存在下で実施することができる。
【0056】
本新規方法に関しては、工程(i)と(ii)とは、空間と時間との両方の見地から相互に分離して実施でき、その手順の場合には第一に工程(i)を実施し、続いて工程(ii)を実施する。更に工程(i)と(ii)は、一つの反応器中で続けて実施することができ、即ち、第一に化学式(I)の化合物を、所望の用途又は所望の性質により少なくとも1種のモノマー(a)と完全に、又は部分的に反応させ、次いで、少なくとも1種のモノマー(b)を添加してラジカル重合にかけるか、又は、少なくとも1種のモノマー(a)と少なくとも1種のモノマー(b)とを含有するモノマー混合物を最初から用い、かつ、化合物(I)と反応させる。化合物(I)が、初めに少なくとも1種のモノマー(a)と反応し、次いで、そこから生成した反応生成物(A)が、特定の分子量以上のモノマー(b)と反応することが想定される。この点で特に重要なのは、反応生成物(A)によって生成した高分子開始剤が再び分解する温度に加熱されることによって、更に開始剤の追加がなくとも、新規(共)重合が任意の休止の後にまた、持続できることである。
【0057】
得られるポリマー(反応生成物(A))を、単離することができ、あるいは、加熱して現場で、(更なる)重合を再開することもできる。次のモノマー(b)を、直接追加することもできる。モノマー(b)は、モノマー(a)と同一でも、または異なっていることもできる。更に、最初からモノマー混合物を用いることもできる。必要な場合には、個々の段階で生じた生成物の単離の後、工程(ii)を所望なだけ何回でも繰返すことができる。
【0058】
反応手順により、本発明に従って、末端基に官能化されたポリマー、セグメント化されたポリマー、ブロック又は多ブロックの、及び勾配(gradient)(コ)ポリマー、スター(star)(コ)ポリマー、グラフトコポリマー及び分枝、並びに多分枝(コ)ポリマーを調製することができる。
【0059】
上記から明らかな如く、本発明はまた、上述の方法によって調製することができるポリマー(B)それ自体に関する。新規反応は、ブロック構造を有するポリマー(B)を得るような方法で実施するのが好ましい。本発明に従って、容易に得ることのできる化合物(I)を用いる簡単な方法で、例えば、親水性のブロック、例えば(メタ)アクリル酸又はC −アルキル(メタ)アクリレートブロックを、及び、更に好ましくは疎水性のポリマーブロックを有するブロックコポリマー、例えば、ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン又は置換されたスチレン、アクリロニトリル、ジエン及び非芳香族のビニル化合物、例えば、醋酸ビニル及びより高級な(>C)アルキル(メタ)アクリレートを基材とするブロックを有するブロックコポリマーを提供することが可能である。
【0060】
本発明によって、下記構造のポリマーもまた、調製することができる:
ポリ((メタ)アクリル酸−stat−(メタ)アクリレート−b−(スチレン−stat−(メタ)アクリレート))、ここで、「(メタ)アクリレート」の語はメタクリル酸とアクリル酸とのアルキルエステルを意味する。
【0061】
特定の例は、下記ブロックコポリマーである:
ポリ(アクリル酸−b−スチレン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸−b−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−N−ビニルピロリドン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−N−ビニルホルムアミド)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−(スチレン−stat−アクリロニトリル))、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−n−ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン−b−メチルメタクリレート−b−スチレン)及びポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン)。
【0062】
更に、例えば、新規結合剤組成物に用いることのできる下記構造のポリマーを調製することができる:
ポリ((メタ)アクリル酸−stat−(メタ)アクリレート−b−(スチレン−stat−(メタ)アクリレート))、ここで、「(メタ)アクリレート」の語はメタクリル酸とアクリル酸とのアルキルエステルを意味する。
【0063】
特定の例は、下記ブロックコポリマーである:
ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−エチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−エチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−b−メタクリル酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−メチルアクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−エチルアクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−エチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−スチレン)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b−酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−b―α―メチルスチレン)、ポリ(N−ビニルホルムアミド−b−メチルメタクリレ−ト)、ポリ(N−ビニルホルムアミド−b−エチルメタクリレ−ト)、ポリ(N−ビニルホルムアミド−b−酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニルホルムアミド−b−メチルアクリレ−ト)及びポリ(N−ビニルホルムアミド−b−エチルアクリレート)。
【0064】
下記のものも、本発明に従って調製できる:
ポリ(メチルメタクリレート−b−(スチレン−stat−アクリロニトリル))、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−n−ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−n−ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン−b−メチルメタクリレート−b−スチレン)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−ポリブタジエン)、ポリ(スチレン−b−スチレン−stat−ブタジエン)、ポリ(スチレン−stat−アクリロニトリル−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−stat−アクリロニトリル−b−スチレン−stat−ブタジエン)、ポリ(スチレン−stat−アクリロニトリル−b−スチレン−stat−アクリロニトリル−stat−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−ビニルピロリドン)、ポリ(スチレン−stat−アクリロニトリル−ビニルピロリドン)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(n−ブチルアクリレート−スチレン−アクリロニトリル)、及びそのABA及びABC三ブロック又はより高級なブロックコポリマーなどである。
【0065】
本発明は、更に、新規反応生成物(A)又は(A’)、新規ポリマー(B)若しくはこれらの2種以上の組成物、及び、これらから製造されるフィルム、造型品、繊維又はフォームを含有する混合物に関する。
【0066】
特に、反応生成物(A)又は(A’)を含有する水性混合物は、第一次分散液として使用できる。反応生成物(A)又は(A’)あるいはポリマー(B)又はこれらの2種以上の混合物は、用途分野に従って、その好適な形態で、特に好ましくはポリマー分散液の形態で使用できる。

Claims (12)

  1. 反応生成物(A)の製造方法において、
    (i)下記式(I)、
    Figure 2004501244
    (ここで、R〜Rは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基、又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
    で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、かつ、ジフェニルエチレン、ジナフチルエチレン、4,4’−ビニリデンビス(N,N’−ジメチルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(アミノベンゼン)、シス−及びトランス−スチルベン及びこれらの2種以上の混合物を、化学式(I)で表されている化合物としては除外する)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程(i)、
    を含むことを特徴とする反応生成物(A)の製造方法。
  2. 反応生成物(A’)の製造方法において、
    (i)下記式(II)、
    Figure 2004501244
    (ここで、R〜R及びR11とR12とは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基、又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
    で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基である)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程(i)、
    を含むことを特徴とする反応生成物(A’)の製造方法。
  3. 反応を少なくとも1種の塩基の存在下で実施することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の製造方法。
  4. ラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基として下記組合せ、
    少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基と−C(O)Rと;
    少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基と−CNと;
    少なくとも1個の置換又は無置換のフェニル基と−C(O)ORと;
    相互に無関係な、少なくとも2個の置換または無置換のフェニル基;
    相互に無関係な、少なくとも2個の−C(O)OR;及び
    相互に無関係な、少なくとも2個の−CN
    を示す化学式(I)又は(II)で表される化合物を用いる請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 化学式(I)又は(II)で表される化合物が以下の化合物、
    1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、
    1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、
    1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン、
    1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、
    アセナフチレン、
    シス−及びトランス−アルファ−メチルスチルベン、
    シス−及びトランス−4,4’−ジフェニルスチルベン、
    トランス−トランス及びトランス−シス−並びにシス−シス−1,4−ジフェニル−1,3ブタジエン、
    アルファ−オメガ−テトラフェニルポリエチン、
    ジフェニルフルベン、
    トリフェニルエテン、
    テトラフェニルエテン、
    1−シアノ−1−フェニルエチレン;1−アルコキシカルボニル−1−フェニルエチレン;1,1−ジアルコキシカルボニル−2−エチルエチレン;1,1−ジアルコキシカルボニル−2−フェニルエチレン,1,1−ジアルコキシカルボニル−2,2−ジメチルエチレン;1,1−ジアルコキシ−カルボニルメチルエチレン;9−メチレンキサンテン;9−メチレンチオキサンテン、
    9−メチレン−10−H−アクリジン、1,4−ジアルコキシ−1,1,4,4−テトラフェニルブタン、1,4−ジアルコキシカルボニル−1,1,4,4−テトラフェニルブタン、1,4−ジシアノ−1,1,4,4−テトラフェニルブタン、1,4−(トリアルキルシリルオキシ)−1,1,4,4−テトラフェニルブタン及びこれらの2種以上の混合物、
    から選択されることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 低分子量の塩基が、NaOH、KOH、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−又はトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン又はこれらの2種以上の混合物である請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 下記工程(i)、
    (i)下記式(I)、
    Figure 2004501244
    (ここで、R〜Rは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基、又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
    で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基であり、かつ、ジフェニルエチレン、ジナフチルエチレン、4,4’−ビニリデンビス(N,N’−ジメチルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(アミノベンゼン)、シス−及びトランス−スチルベン及びこれらの2種以上の混合物を、化学式(I)で表されている化合物としては除外する)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程(i)、を含む方法によって製造することができる反応生成物(A)。
  8. 下記工程(i)
    (i)下記式(II)
    Figure 2004501244
    (ここで、R〜R及びR11とR12とは相互に無関係で、いずれも水素原子、メチル基、又はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基で、また、無置換か又は置換され、直鎖状又は分枝状の2個以上の炭素原子のアルキル基、シクロアルキル基、アルコール、エーテル、ポリエーテル、アミン又はアリールアルキル基、置換又は無置換の芳香族、ヘテロ環式又はオレフィン性炭化水素、ハロゲン原子、置換又は無置換で、直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基、−C(O)R、−C(O)OR、−CR−O−R、−O−C(O)R、−CN、−O−CN、−S−CN、−O−C=NR、−S−C=NR、−O−CR−CRNR10、−N=C=O、−C=NR、−CR−Hal、−C(S)R、−CR−P(O)R、−CR−PR、−CR−NR、−CR(OR)(OR)、−CR(OR)(NR)、−CR(NR)(NR)、無水物、アセタール又はケタール基、−SO、アミジン基、−NRC(S)NR、−NRC(S)−OR、−N=C=S、−NO、−C=N−OH、−N(R)=NR,−PR、−OSiR又は−SiR、(なお、R〜R10は、相互に無関係でいずれもR〜Rと同様に定義され、又は、基R〜Rの2個が、置換又は無置換であることができ、かつ、1個以上のヘテロ原子を含有することができるC〜C−環基を形成する)から選択されるものである)、
    で表される少なくとも1種の化合物(但し、上記の如く、基R〜Rの少なくとも2個はラジカルを安定化し、及び/又は嵩高である基である)の存在下で、ラジカル反応可能な少なくとも1種のモノマー(a)を含有する反応混合物の、フリーラジカル条件下での反応工程(i)、
    を含む方法によって製造することができる反応生成物(A’)。
  9. ラジカルホモ重合又は共重合可能な、少なくとも1種のモノマー(b)の存在下で、フリーラジカル条件下の工程(i)で得られる反応生成物(A)及び/又は(A’)の反応を行う工程(ii)を含むことを特徴とするポリマー(B)の製造方法。
  10. ラジカルホモ重合又は共重合可能な、少なくとも1種のモノマー(b)の存在下で、フリーラジカル条件下の工程(i)で得られる反応生成物(A)及び/又は(A’)の反応を行う工程(ii)を含む方法によって製造することができるポリマー(B)。
  11. 請求項7及び8のいずれかに記載の反応生成物(A)又は(A’)、又は請求項10に記載のポリマー(B)或いはこれらの2種以上の組み合わせを含有する混合物。
  12. 反応生成物(A)又は(A’)、又はポリマー(B)或いはこれらの2種以上の組み合わせを含有する混合物を、分散液としての又はフィルム、造形品、繊維又はフォーム用の使用法。
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