JP2004500472A - タンパク質物質を除去するのに適当な組成物 - Google Patents

Abstract

本発明は、水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を含有する、タンパク質物質の除去に適当な組成物を提供する。ここで乳化剤はポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドであり；キレート剤はアルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸であり；１又は複数の無機酸は組成物のｐＨを約４．５未満にする量で存在し；且つ界面活性剤は下記の式（Ｉ）化合物である。
【化１】

（Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、この任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；Ｒ^４は、−［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は−［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈであり；Ｒ^５及びＲ^６は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、任意のこのアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；Ｒ^７は、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、このアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；ｑは、約１〜約１００の平均値であり；ｒは、約１〜約１００の平均値であり；且つＸは、ハロゲン、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、ここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである）。

Description

【０００１】
［発明の背景］
食品加工産業における定期的な清浄化及び殺菌は、現在の消費者が望む食品の衛生状態及び貯蔵寿命の非常に高度な基準を維持するために、法律上定められており、また厳格に実施されている。食品に接触する装置の表面に残った残留食品汚れは、日和見病原体及び食品腐敗微生物の成長の温床となり、またこれらに栄養を与えることがある。これらの病原体及び微生物は、残留汚れの近くで処理される食品を汚染することがある。食品に由来する病原体及び毒素に関連する潜在的な健康被害からの消費者の保護を確実にするためには、食物に直接に接触する全ての表面又は加工環境と関連する全ての表面からの汚れの除去及び熱心な清浄化が必要である。
【０００２】
食品の品質に対する関心及び公的な健康に関する圧力のために、食品加工産業は、高水準の事実上の清浄さ及び殺菌を得ている。これを達成するには非常に費用がかかり、比較的効果的に且つ比較的費用がかからない技術でこの目的を達成することがかなり求められている。
【０００３】
食品加工産業は、食品に接触する表面からの食品汚れの除去に関して、洗浄剤の効果を当てにしている。食品産業のための洗浄剤開発の主な試みとしては、（１）従来の処理に耐性の食品汚れの連続的な除去、及び（２）食品加工に適合しない化学物質の除去を挙げることができる。１つのそのような食品汚れはタンパク質であり、２つのそのような化学物質は塩素（又は塩素発生化合物）及び第４級アンモニウム化合物である。これらの化学物質は、その両方を洗浄剤組成物に導入することがあり、又はタンパク質除去のための清浄化プログラムに別々に加えることがある。
【０００４】
タンパク質膜としても言及されるタンパク質汚れ残留物は、全ての食品加工産業でもたらされるが、問題は乳製品産業で大きい。これは乳製品が主要な食品の中で最も腐敗しやすく、また全ての汚れ残留物が深刻な品質に関する問題をもたらすことによる。タンパク質汚れ残留物は、酪農場を含む流体のミルク及びミルク副産物産業で一般的である。タンパク質は天然のミルク固体成分の２７％を構成しているので、これは当然のことである（Ｈａｒｐｅｒ，Ｗ．Ｊ．、Ｍｉｌｋ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ ａｎｄ Ｔｈｅｉｒ Ｃｈａｒａｃｔｅｒｉｓｔｉｃｓ、Ｄａｉｒｙ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ ａｎｄ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ（Ｈａｒｐｅｒ，Ｗ．Ｊ．及びＨａｌｌ，Ｃ．Ｗ．編集）ｐ．１８〜１９、Ｔｈｅ ＡＶＩ Ｐｕｂｌｉｓｈｉｎｇ Ｃｏｍｐａｎｙ、Ｗｅｓｔｐｏｒｔ、１９７６年）。
【０００５】
次亜塩素酸は、タンパク質清浄化助剤としてよく知られており、タンパク質膜を除去するのに役立つことが分かっている連続定位置（ｃｏｎｔｉｎｏｕｓ ｉｎ−ｐｌａｃｅ）（ＣＩＰ）アルカリ洗浄剤化合物中の成分として使用されることが多い。結果として、食品加工産業は現在、この技術を使用している。塩素は、大きいタンパク質分子を比較的小さいペプチド鎖に分ける酸化分裂及びペプチド結合の加水分解によってタンパク質を分解する。タンパク質の配列構造は分解し、結合エネルギーが劇的に低下し、また表面から効果的に脱着し、そして清浄化溶液中に溶解し又は懸濁する。
【０００６】
しかしながら食品加工産業における塩素化洗浄溶液の使用は、問題がないわけではない。腐食が継続的に起こり、それによってポリマーガスケット、ホース及び機器が劣化する。最適なタンパク質膜除去のためには、使用可能な塩素濃度は初めに、少なくとも７５ｐｐｍ、好ましくは１００ｐｐｍでなければならない。利用可能な塩素の濃度が５０ｐｐｍ未満である場合、タンパク質汚れの堆積が、不溶性の付着性塩素化タンパク質の生成によって促進される。洗浄溶液中の塩素濃度の解析的な検知又は維持は容易ではない。溶液温度及びｐＨが低下すると、タンパク質汚れの除去への塩素の効果が低下する。これは比較的低い温度が反応速度に影響を与え、また比較的小さいｐＨが、ＯＣｌ⁻コロイド種以外の塩素部分を優勢にすることによる。従って高温及び大きいｐＨは一般に、タンパク質をコロイド状にするのに望ましい。しかしながらミルクタンパク質の場合、高温及び大きいｐＨはタンパク質を変性させ、これがタンパク質の除去を比較的困難にする。更に清浄化伝熱と関連する高温では、典型的に１６５ＥＦ超の食品接触表面が、塩素化アルカリ清浄化剤からの塩素のガス漏れを起こし、これがステンレス鋼装置の腐食をもたらす。食品加工産業における塩素含有清浄化剤の使用及び用途に関連する問題は、数十年来にわたって既知であり、また許容されてきた。しかしながら安全で効果的で且つ比較的費用がかからない代替手段が、洗浄剤製造者によっては開発されなかった。
【０００７】
塩素放出化合物（例えば有機塩素化合物）は、更なる問題をもたらす。塩素及び有機塩素化合物の環境及び健康への影響が注目されてきている。発ガン性に関する科学的な証明はいかなるものであれ、有機ハロゲン化合物は分解されにくく、生物蓄積性であること、及びこれらの化合物の多くが、非常に低い暴露レベルであっても、主として暴露された人間及び野生動物の子孫に比較的大きいガン以外の健康問題（例えば内分泌系、免疫系及び神経系に関する問題）をもたらすことがいくらか論じられている。従って食品加工産業及びそれらの洗浄剤の供給者は、塩素放出剤を含有しない清浄化組成物を見出そうとしている。
【０００８】
他の既知の清浄化助剤である第４アンモニウム化合物は、健康、環境及び塩素化洗浄剤の適用の困難性がない。しかしながら第４アンモニウム化合物は、金属表面に対して高度に付着性であり、残留殺生物活性を有する場合がある。この性質は、日常的に清浄化される表面に接触するチーズ製造環境を不活性化する。このように、これらの第４アンモニウム化合物は、チーズ製造環境に接触することがある表面領域の清浄化又は殺菌のための化合物としては適当ではない。
【０００９】
従って、食品加工産業でタンパク質物質を除去するのに適当な、新しい安全で効果的な組成物がまだ必要とされている。この組成物は塩素又は塩素含有化合物を含有すべきでない。更に、この組成物は、乳製品産業において残留殺生物活性を有する化合物を含有すべきではない。
【００１０】
［発明の概略］
本発明は、タンパク質物質の除去のための清浄化剤として使用するのに適当な組成物を意図している。この組成物は、水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を含有している。乳化剤は、ポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドである。キレート剤は、アルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸である。１又は複数の無機酸は、組成物のｐＨが約４．５未満になる量で存在する。界面活性剤は、下記の式（Ｉ）の第４アンモニウム化合物である。
【化６】

ここで、Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、またここで任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；Ｒ^４は、
−［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は
−［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈである。
ここでＲ^５及びＲ^６は独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またここで任意のアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；Ｒ^７は（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またここでアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；ｑは約１〜約１００の平均値であり；ｒは約１〜約１００の平均値であり；且つＸはハロゲン、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、またここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである。
【００１１】
また本発明は、タンパク質物質を除去する方法に関する。この方法は、（１）タンパク質物質が存在する表面を、タンパク質物質を除去するの効果的な期間にわたって、効果的な量の本発明の組成物と接触させること、及び（２）表面からタンパク質物質汚れを除去することを含む。
【００１２】
使用する濃度及び条件では、第４アンモニウム界面活性剤成分を伴う組成物は、乳製品培養微生物に対する残留殺性物活性がほとんど又は全くなく、またこの組成物は、タンパク質の除去、特に乳製品物質の除去のための効果的な清浄化剤を提供する。
【００１３】
［本発明の詳細な説明］
本発明は、食品（例えば乳製品）加工装置からタンパク質物質を除去するのに適当な組成物を提供する。この組成物は、タンパク質物質の除去に必要な、時間、水の量、腐食性化学物質の量を効果的に減少させることを可能にする。第４アンモニウム化合物を含有するこの組成物は、考慮される残留濃度での殺生物効果（すなわち残留殺生物活性）がほとんど又は全くない。更にこの組成物は有害な又は腐食性の化合物（例えば塩素又は塩素発生化合物）を含有していない。
【００１４】
本発明で使用する化合物が、適当な非毒性酸又は塩基性塩を作るのに十分に塩基性又は酸性である場合、塩としての化合物の使用も適当なことがある。許容できる無機塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、及び炭酸塩を挙げることができる。適当な塩は当業者に既知の標準的な方法を使用して、例えばアミンのような十分に塩基性の化合物を、生理学的に許容できるアニオンを作る適当な酸と反応させることによって得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属（例えばナトリウム又はリチウム）又はアルカリ土類金属（例えばカルシウム）塩を作ることもできる。
【００１５】
特に説明しない限り、下記の定義を使用する：ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素。アルキル、アルキレン、アルコキシ等は、直鎖の又は枝分かれ鎖の基の両方を示す。
【００１６】
組成物は水を含有する。水は随意に、蒸留、純化又は脱イオン化することができる。濃縮された状態の組成物は、タンパク質物質を除去するために使用する組成物よりも比較的少量の水を含有する。水は、濃縮組成物の約９９．００ｗｔ％までの量で存在することができる。好ましくは水は、濃縮組成物の約５０．００ｗｔ％までの量で存在することができる。濃縮された状態の組成物は典型的に、タンパク質物質を除去するために使用する組成物と比較して、輸送、取り扱い及び貯蔵のために比較的費用がかからない。濃縮された状態の組成物は、組成物を提供するための使用の前に、元に戻す又は希釈する。その後、組成物を使用してタンパク質物質を除去することができる。水は、組成物の約９０．００ｗｔ％〜約９９．９９ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくは水は、組成物の約９４．８８ｗｔ％〜約９９．９９ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００１７】
【化７】

ここで、
Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３はそれぞれ独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、またここで任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
Ｒ^４は
−［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は
−［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈである。
ここでＲ^５及びＲ^６は独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またここで任意のアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
Ｒ^７は（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またここでこのアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
ｑは約１〜約１００の平均値であり；
ｒは約１〜約１００の平均値であり；且つ
Ｘはハロゲン（例えば塩素、フッ素、臭素又はヨウ素）、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、またここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである。
【００１８】
好ましいＲ^１はエチルである。好ましいＲ^２はメチルである。好ましいＲ^３はエチルである。好ましいＲ^４は［ＣＨ_２Ｃ（Ｈ）（ＣＨ_３）Ｏ］_ｎであり、ここでｎは約１〜約１００の平均値である。より好ましくはｎは約４０の平均値である。好ましいＲ^５はＣＨ_２Ｃ（Ｈ）（ＣＨ_３）である。好ましいｑは約９の平均値、約２０の平均値、約２５の平均値、又は約４０の平均値である。より好ましくはｑは約４０の平均値である。好ましいＲ^６はＣＨ_２Ｃ（Ｈ）（ＣＨ_３）である。好ましいＲ^７はＣＨ_２Ｃ（Ｈ）（ＣＨ_３）である。好ましいｒは約２０の平均値である。好ましいＸは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−、又はＳＯ_４ ^２−であり、ここでＲはメチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、又はｓ−ブチルである。より好ましくはＸは塩素である。
【００１９】
組成物がタンパク質物質を効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において有意の残留殺生物活性を有さない限り、界面活性剤を、組成物中において任意の適当な量で使用することができる。好ましくは界面活性剤は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約１．０ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくは界面活性剤は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約０．１ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００２０】
適当な界面活性剤としては、Ｅｍｃｏｌ ＣＣ９としてＷｉｔｃｏ（コネティカット州グリニッジ）から商業的に入手可能なＰＰＧ−９ジエチルアンモニウムクロリド、ｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−２０としてＷｉｔｃｏ（コネティカット州グリニッジ）から商業的に入手可能なＰＰＧ−２５ジエチルアンモニウムクロリド、又はＥｍｃｏｌ ＣＣ４２としてＷｉｔｃｏ（コネティカット州グリニッジ）から商業的に入手可能なＰＰＧ−４０ジエチルアンモニウムクロリド又はＧｌｅｎｓｕｒｆ４２（ＣＡＳ Ｎｏ．６８１３２−９６−７）を挙げることができる。より好ましくは界面活性剤は、Ｇｌｅｎｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ（ミネソタ州セントポール）から入手可能なＧｌｅｎｓｕｒｆ４２、ＰＰＧ−４０ジエチルアンモニウムクロリドである。
【００２１】
乳化剤は、ポリエーテル非イオン性乳化剤、又はアミンオキシドである。ポリエーテル非イオン性乳化剤は、下記の式（ＩＩＩ）の化合物である。
Ｒ^１０−Ｏ−（Ｒ^１１Ｏ）_ｍ−［Ｒ^１２Ｏ］_ｎ−Ｈ （ＩＩＩ）
ここで、
Ｒ^１０は、（Ｃ_８〜Ｃ_２０）アルキルであり、またここでこのアルキルは１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ若しくはヒドロキシ、又はＣ_１〜Ｃ_１２アルキルフェノールで置換されていてよく；
Ｒ^１１及びＲ^１２はそれぞれ独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またここでそれぞれのアルキレンは、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
ｍは約５〜約２００の平均値であり；且つ
ｎは約０〜約２００の平均値である。
【００２２】
好ましいＲ^１０は（Ｃ_１０〜Ｃ_１８）アルキルである。より好ましくは、アルキル基は直線状（すなわちノルマル又は直鎖）でよい。好ましくはＲ^１１はエチレンである。
【００２３】
好ましいＲ^１２はブチレンである。より好ましいＲ^１２はＢＣＨ_２ＣＨ_２ＣＨ_２ＣＨ_２Ｂでよい。ｍの好ましい値は、約５〜約５０の平均値である。ｎの好ましい値は、約１〜約２の平均値である。
【００２４】
組成物がタンパク質物質を効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において有意の残留殺生物活性を有さない限り、ポリエーテル非イオン性乳化剤を、組成物中において任意の適当な量で使用することができる。好ましくはポリエーテル非イオン性乳化剤は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約２．０ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくはポリエーテル非イオン性乳化剤は、組成物の約０．０００２ｗｔ％〜組成物の約０．２ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００２５】
１つの適当なポリエーテル非イオン性乳化剤は、非イオン性直鎖アルコキシル化第１級アルコールであり、これはＤｅｈｙｐｏｎ ＬＴ １０４としてＨｅｎｋｅｌ（ドイツ国デュッセルブルグ）から、ＣＡＳ Ｎｏ．１４６３４０−１６−１又はＰｌｕｒａｆａｃ ＬＦ−２２１としてＢＡＳＦ（ニュージャージー州マウントオリーブ）から商業的に入手可能である。
【００２６】
アミンオキシド乳化剤は、下記の化合物（ＩＶ）でよい。
【化８】

ここで、
Ｒ^１３及びＲ^１５はそれぞれ独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、またここでそれぞれのアルキルは、１又は複数のヒドロキシによって随意に置換されていてよく；
Ｒ^１４は（Ｃ_６〜Ｃ_１６）アルキルである。
【００２７】
好ましいＲ^１３はメチルである。好ましいＲ^１４はイソ−アルキルである。使用する場合のイソ−アルキルは、鎖の最後の炭素に隣接する炭素に単一の炭素枝を有する（Ｃ_３〜Ｃ_６）アルキルであり、ここで結合箇所は、鎖の反対側の端部である（すなわち（ＣＨ_３）（ＣＨ_３）ＣＨ（ＣＨ_２）_ｎ−であり、ｎは０〜３）。Ｍｏｒｒｉｓｏｎ ａｎｄ Ｂｏｙｄ、Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ第４版、ｐ．８８〜８９、１９８３参照。例えばイソアルキルは、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、又はイソヘキシルである好ましいＲ^１５はメチルである。
【００２８】
組成物がタンパク質物質を効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において有意の残留殺生物活性を有さない限り、アミンオキシド乳化剤は、組成物中に任意の適当な量で存在していてよい。好ましくはアミンオキシド乳化剤は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約２．０ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくはアミンオキシド乳化剤は、組成物の約０．０００２ｗｔ％〜組成物の約０．２ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００２９】
１つの適当なアミンオキシド乳化剤は、Ｌｏｎｚａ社（ニュージャージー州フェアローン）からＢａｒｌｏｘ１２ｉ（ＣＡＳ Ｎｏ．１５１１５１−２８−９）として商業的に入手可能なイソ−アルキルジメチルアミンオキシドである。
【００３０】
キレート剤は、アルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸である。
【００３１】
組成物がタンパク質物質を効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において有意の残留殺生物活性を有さない限り、キレート剤は、組成物中に任意の適当な量で存在していてよい。好ましくはキレート剤は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約５．０ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくはキレート剤は、組成物の約０．０００５ｗｔ％〜組成物の約０．５ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００３２】
アルキルアミノホスホン酸は、炭素上に１又は複数のホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換した（Ｃ_３〜Ｃ_１６）アルキルでよく、ここで１又は複数の炭素原子は、１又は複数の窒素（すなわちＮ）原子によって中断されている。好ましくは（Ｃ_３〜Ｃ_１６）アルキルは、炭素上に３、４又は５のホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換していてもよい。好ましくは（Ｃ_６〜Ｃ_１６）アルキルの１、２又は３の炭素原子は、１、２又は３個の窒素（すなわちＮ）原子によって中断されていてよい。
【００３３】
適当なアルキルアミノホスホン酸としては、Ｄｅｑｕｅｓｔ２０６０ＳとしてＳｏｌｕｔｉａ社（ミズーリ州セントルイス）から商業的に入手することができるジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）；Ｄｅｑｕｅｓｔ２０４１としてＳｏｌｕｔｉａ社（ミズーリ州セントルイス）から商業的に入手することができるエチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）；及びＤｅｑｕｅｓｔ２０００としてＳｏｌｕｔｉａ社（ミズーリ州セントルイス）から商業的に入手することができるアミノトリ（メチレン−ホスホン酸）を挙げることができる。
【００３４】
ヒドロキシアルキルホスホン酸は、炭素上に１又は複数のヒドロキシル基が置換し、且つ炭素上に１又は複数のホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換した（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルでよい。好ましくは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルは、炭素上に１つのヒドロキシル基が置換していてよい。好ましくは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルは、炭素上に２つのホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換していてよい。
【００３５】
１つの適当なヒドロキシアルキルホスホン酸は、Ｄｅｑｕｅｓｔ２０１０としてＳｏｌｕｔｉａ社（ミズーリ州セントルイス）から商業的に入手することができる１−ヒドロキシエチレン−１，１−ジホスホン酸である。
【００３６】
アルキルホスホン酸カルボン酸は、炭素上に１又は複数のホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換し、且つ炭素上に１又は複数のカルボン酸（すなわちＣＯＯＨ）基が置換した（Ｃ_３〜Ｃ_１６）アルキルでよい。好ましくは（Ｃ_３〜Ｃ_１６）アルキルは、炭素上に１つのホスホン酸（すなわちＰＯ_３Ｈ_２）基が置換していてよい。好ましくは（Ｃ_３〜Ｃ_１６）アルキルは、炭素上に３つのカルボン酸（すなわちＣＯＯＨ）基が置換していてよい。
【００３７】
１つの適当なアルキルホスホン酸カルボン酸は、Ｄｅｑｕｅｓｔ７０００としてＳｏｌｕｔｉａ社（ミズーリ州セントルイス）から商業的に入手することができる２−ホスホノブタン−１，２，４−トリカルボン酸である。
【００３８】
１又は複数の無機酸は、組成物のｐＨを約６．０未満にする量で存在する。好ましくは組成物のｐＨは、約４．５未満、約３．０未満、約２．５未満又は約２．０未満である。
【００３９】
ここで使用する場合、無機酸は、天然には地核中又は大気中に存在する無機元素、例えば水素、窒素、硫黄、リン、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を含有する酸である。適当な無機酸としては例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、スルファミン酸、及びフッ化水素酸を挙げることができる。組成物がタンパク質物質汚れを効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において実質的な残留殺生物活性を持たない限り、上述の無機酸の任意の組み合わせを任意の適当な量で使用して、組成物のｐＨを約６．０未満にすることができる。
【００４０】
組成物は随意に、ハイドロトロープを含有することができる。組成物がタンパク質物質汚れを効果的に除去でき、且つハイドロトロープが、特に乳製品産業において実質的な残留殺生物活性を持たない限り、任意の適当なハイドロトロープを使用することができる。特にハイドロトロープは、下記の式の芳香族スルホン酸塩でよい。
【化９】

ここで、
Ｒ^８及びＲ^９はそれぞれ独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、またここで任意のアルキルが、１又は複数のヒドロキシで置換されていてよく；
Ｘはナトリウム、カリウム、リチウム又は^＋ＮＨＲ^１０Ｒ^１１Ｒ^１２であり、ここでＲ^１０〜Ｒ^１２はそれぞれ独立にＨ又は（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またこのアルキレンは１又は複数のヒドロキシで置換されていてよい。
【００４１】
好ましいＲ^８は、メチル、エチル、プロピル、又はイソ−プロピルである。より好ましくはＲ^８はメチルである。好ましいＲ^９はメチル、エチル、プロピル又はイソ−プロピルである。より好ましくはＲ^９はメチルである。好ましいＸはナトリウム（すなわちＮａ）である。
【００４２】
組成物がタンパク質物質汚れを効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において実質的な残留殺生物活性を持たない限り、芳香族スルホン酸塩は任意の適当な量で組成物中に存在していてよい。好ましくは芳香族スルホン酸塩は、組成物の約０．０００１ｗｔ％〜組成物の約５．０ｗｔ％の量で存在していてよい。より好ましくは、芳香族スルホン酸塩は組成物の０．０００５ｗｔ％〜組成物の約０．５ｗｔ％の量で存在していてよい。
【００４３】
適当な芳香族スルホン酸塩としては、ＳｔｅｐａｎａｔｅＳＸＳ（ＣＡＳ Ｎｏ．１３００−７２−７）としてＳｔｅｐａｎ又はＭｉｌｓｏｌｖ社（ミネソタ州ローズビル）のようなＳｔｅｐａｎの販売者から商業的に入手可能なナトリウムキシレンスルホネート；ナトリウムナフタレンスルホネート；及びナトリウムクメンスルホネートを挙げることができる。
【００４４】
配合プロセスの間及び後でそれぞれの組成物がその安定性を維持しており、組成物がタンパク質物質汚れを効果的に除去でき、且つ組成物の成分のいずれもが、特に乳製品産業において実質的な残留殺生物活性を持たない限り、組成物は任意の適当な様式で配合することができる。清浄化組成物の成分のいくらかが濃縮状態に不適合な場合、２又はそれよりも多くの配合成分濃縮物を組み合わせることによって、清浄化組成物を使用濃度に配合することができる。好ましくは界面活性剤、乳化剤、及びキレート剤のそれぞれを、任意の順序で水と接触させる。より好ましくは、上述の成分のそれぞれを水に加える。１又は複数の無機酸は、その後で水性混合物と接触させることができる。好ましくは、その後で１又は複数の無機酸を水性混合物に加えることができる。得られる酸性混合物をその後、加熱、撹拌、振盪又は撹乱して、それぞれの成分が水に効果的に溶解することを促進できる。
【００４５】
また本発明は、タンパク質物質が存在する表面からのタンパク質物質の除去方法を提供する。この方法は、（１）タンパク質物質を除去するのに効果的な時間にわたって、効果的な量の本発明の組成物を表面に接触させること、及び（２）表面からタンパク質物質を除去することを含む。
【００４６】
タンパク質物質は、任意の適当な乳製品産業装置と接触する任意の表面上に存在することがある。適当な乳製品産業装置としては、チーズバット、ファーストフードのミルクシェイク装置、低温殺菌装置、乳清蒸発装置、透過液蒸発装置、超高温乳製品加工装置、及び加熱を必要とする乳製品に基づく製品を作るために使用する混合容器を挙げることができる。本発明の組成物自身は、チーズバット、ファーストフードのミルクシェイク装置、低温殺菌装置、乳清蒸発装置、透過液蒸発装置、超高温乳製品加工装置、及び加熱を必要とする乳製品に基づく製品を作るために使用する混合容器からタンパク質物質を効果的に除去することができる。
【００４７】
タンパク質物質を有する表面は、任意の適当な様式で組成物と接触させることができる。例えば組成物での表面のブラシがけ、組成物での表面の噴霧、組成物での表面のふき取り、組成物での表面の浸漬、ＣＩＰ（その場での循環清浄化）、又は任意のこれらの組み合わせによって、組成物を表面に適用することができる。接触させる表面の大きさ及び形状は、表面に接触させる様式に影響を与える。組成物でのチーズバット表面の噴霧を行うことも比較的効果的な場合があり、また組成物でファーストフードミルクシェイク装置の表面を拭く、ブラシ掛けする又は浸漬することも比較的効果的である。
【００４８】
タンパク質物質が表面から効果的に除去される限り、タンパク質物質は任意の適当な様式で除去することができる。タンパク質物質は例えば、タンパク質物質を有する表面を擦ることによって、タンパク質物質を有する表面からこすり落すことによって、タンパク質物質を有する表面を拭くことによって、又はタンパク質物質を有する表面に噴霧を行うことによって除去できる。タンパク質物質を除去する表面の大きさ及び形状は、タンパク質物質を除去できる様式に影響を与えることがある。チーズバット表面に噴霧を行って、タンパク質物質を除去することが比較的効果的な場合があり、またファーストフードミルクシェイク装置の表面を拭くこと、ブラシ掛けすること又は浸漬してタンパク質物質を除去することができる。
【００４９】
タンパク質物質を有する表面を組成物に接触させておく期間は、複数の要素に依存している。この期間は例えば、タンパク質物質の量及び性質に依存していてよい。更にこの期間は、清浄化する表面の大きさ、形状及び温度に依存することもある。典型的にこの期間は、約１分〜約１２０分である。好ましくはこの期間は、約３分〜約１５分である。
【００５０】
組成物の効果的な量は、複数の要素に依存している。組成物の効果的な量は例えば、タンパク質物質の量及び性質に依存している。更に組成物の効果的な量は、清浄化する表面の大きさ、形状及び温度に依存することもある。典型的に組成物の効果的な量は、タンパク質物質を有する表面を効果的に覆うのに十分な量でよい。
【００５１】
タンパク質物質を除去する組成物の効果は、清浄化する表面の温度又は組成物の温度に依存することがある。好ましくは表面の温度又は組成物の温度は、室温（すなわち６９ＥＦ）を超える温度でよい。より好ましくは、表面の温度又は組成物の温度は、約９０ＥＦ超でよく、約１２０ＥＦ超でよく、又は約１３０ＥＦ超でよい。最も好ましくは、温度は１５０ＥＦ未満に維持して、タンパク質の変性を最少化する。
【００５２】
随意に、表面を組成物と接触させる前に、表面を水と接触させることができる。これは、いくらかのタンパク質物質を効果的に緩め又は表面から除去する。更に、表面を組成物と接触させた後で、随意に表面を水と接触させることができる。これは、効果的な量の水で表面から組成物及び／又はタンパク質物質をすすぐことによって、表面から組成物を効果的に除去し、また表面に残留する残留タンパク質物質を効果的に除去する。
【００５３】
表面は随意に殺菌することができる。表面を組成物に接触させた後で、表面を殺菌することができる。更に、随意のすすぎ工程の間に表面を水に接触させた後で、表面を殺菌することができる。表面が効果的に殺菌され、且つ殺菌が表面に、特に乳製品産業において残留殺菌活性を有する１又は複数の残留化合物を残さない限り、任意の適当な殺菌方法を使用することができる。
【００５４】
組成物は、タンパク質物質を有する表面に適用することができる。タンパク質物質を有する表面に、組成物を噴霧することができる。組成物は、約１分〜約５分間にわたって表面に存在していてよい。その後、表面を擦って、タンパク質物質を除去することができる。表面を水ですすいで、表面上に残留している残留タンパク質物質を除去すること、及び表面上に残留している組成物を除去することができる。組成物は表面からタンパク質物質を効果的に除去するが、特に乳製品産業において殺生物活性を有する１又は複数の化合物を表面に残留させないことが予想外に見出された。このように、乳製品製造プロセスを妨害する１又は複数の化合物を表面に残留させずに、例えば乳製品産業において、表面を再使用することができる。
【００５５】
本発明は以下の限定をしない例によって説明する。
【００５６】
［例１：組成物の配合（ｗｔ％）］
【表１】

【００５７】
［例２：タンパク質物質を有する表面を清浄化するための組成物の使用］
約９４．８８ｗｔ％〜約９９．９９ｗｔ％の水、約０．０００２ｗｔ％〜約０．２ｗｔ％のＰｌｕｒａｆａｃ　ＬＦ−２２１、約０．０００１ｗｔ％〜約０．１ｗｔ％のＧｌｅｎｓｕｒｆ４２、約０．０００５ｗｔ％〜約０．５ｗｔ％のＤｅｑｕｅｓｔ２０００、約０．０００５ｗｔ％〜約０．５ｗｔ％のＳｔｅｐａｎａｔｅＳＸＳ、及び約０．０３６ｗｔ％〜約３．６ｗｔ％のホスホン酸、硝酸及び硫酸の組み合わせを含有する２ガロンの組成物を、約１２０ＥＦまで加熱する。この組成物を、循環ポンプに接続されたスプレーボールに通して、タンパク質物質を有する５０ガロンのチーズバット表面に噴霧する。組成物は、この表面上に約１分〜５分間にわたって存在するようにする。この表面を水ですすいで、表面に残留している残留タンパク質物質を除去し、且つ表面に残留している組成物を除去する。その後、チーズバットを、チーズ又はチーズ製品製造の通常操作で使用する。チーズバット表面は、チーズ製造プロセスを妨害することがある有意の量の１又は複数の化合物を有さない。このように、チーズ又はチーズ製品製造の間にチーズバット表面に接触する乳製品は、表面に残留する上述の組成物に起因する１又は複数の残留化合物量によっては被害を受けない。
【００５８】
全ての文献、特許明細書及び特許文献は、個々に参照して含められるようにして、ここで参照して本発明の記載に含める。本発明は様々な特定の態様及び好ましい態様及び技術を参照して説明してきた。しかしながら、多くの変形及び変更を、本発明の本質及び範囲内で行えることに注意すべきである。

Claims (28)

1. 水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を含有する、タンパク質物質の除去に適当な組成物であって、
   前記乳化剤が、ポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドであり；
   前記キレート剤が、アルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸であり；
   前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約４．５未満にする量で存在し；且つ
   前記界面活性剤が、下記の式（Ｉ）の化合物である；
   タンパク質物質の除去に適当な組成物：
   

   

   （Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、この任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
   Ｒ^４は、
   −［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は
   −［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈであり；
   Ｒ^５及びＲ^６は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、任意のこのアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
   Ｒ^７は、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、このアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
   ｑの平均値は、約１〜約１００であり；
   ｒの平均値は、約１〜約１００であり；且つ
   Ｘは、ハロゲン、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、ここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである）。
2. 前記乳化剤が、ポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドであり、ここで前記乳化剤が下記の式（ＩＩＩ）の化合物であり、また前記アミンオキシドが下記の式（ＩＶ）の化合物である、請求項１に記載の組成物：
   Ｒ^１０−Ｏ−（Ｒ^１１Ｏ）_ｍ−［Ｒ^１２Ｏ］_ｎ−Ｈ （ＩＩＩ）
   （Ｒ^１０は、（Ｃ_８〜Ｃ_２０）アルキルであり、このアルキルは１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ若しくはヒドロキシ、又は（Ｃ_１〜Ｃ_１２）アルキルフェノールで置換されていてよく；
   Ｒ^１１及びＲ^１２はそれぞれ独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、ここでそれぞれのアルキレンは、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
   ｍの平均値は、約５〜約２００であり；
   ｎの平均値は、約０〜約２００）；
   

   

   （Ｒ^１３及びＲ^１５はそれぞれ独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、ここでそれぞれのアルキルは、１又は複数のヒドロキシによって置換されていてよく；
   Ｒ^１４は（Ｃ_６〜Ｃ_１６）アルキルである）。
3. Ｒ^１０が（Ｃ_１０〜Ｃ_１８）直鎖アルキル；Ｒ^１１がエチレン；Ｒ^１２がＣＨ_２ＣＨ_２ＣＨ_２ＣＨ_２；ｎの平均値は約１〜約２；且つｍの平均値は約５〜約５０である、請求項２に記載の組成物。
4. 前記ポリエーテル乳化剤が、非イオン性直鎖アルコキシル化第１級アルコールであり、且つ前記アミンオキシドがイソ−アルキルジメチルアミンオキシドである、請求項１に記載の組成物。
5. 前記アルキルアミノホスホン酸がジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、又はアミノトリ（メチレン−ホスホン酸）であり；前記ヒドロキシアルキルホスホン酸が、１−ヒドロキシエチレン−１，１−ジホスホン酸であり；且つ前記アルキルホスホン酸カルボン酸が２−ホスホノブタン−１，２，４−トリカルボン酸である、請求項１に記載の組成物。
6. 前記１又は複数の無機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、スルファミン酸、又は任意のこれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の組成物。
7. 前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約２．０未満にする量で存在する、請求項１に記載の組成物。
8. Ｒ^１がエチル、Ｒ^２がメチル、Ｒ^３がエチルであり、且つＲ^４が−［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ（Ｒ^５はプロピレンであり、ｑの平均値は約４０）である、請求項１に記載の組成物。
9. 前記乳化剤が、非イオン性直鎖アルコキシル化第１級アルコール又はイソ−アルキルジメチルアミンオキシドであり；前記キレート剤が、１−ヒドロキシエチリデン−１，１−ジホスホン酸、２−ホスホノブタン−１，２，４−トリカルボン酸、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、ヘキサメチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、又はジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）であり；前記１又は複数の無機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、又は任意のこれらの組み合わせを含み；前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約２．０未満にする量で存在し；且つ前記界面活性剤がＰＰＧ−４０ジエチルアンモニウムクロリドである、請求項１に記載の組成物。
10. 前記水が、組成物の約９４．８８ｗｔ％〜約９９．９９ｗｔ％の量で存在しており；前記乳化剤が組成物の約０．０００２ｗｔ％〜約０．２ｗｔ％の量で存在しており；前記キレート剤が、組成物の約０．０００５ｗｔ％〜約０．５ｗｔ％の量で存在しており；前記１又は複数の無機酸が、合計で組成物の約０．０３６ｗｔ％〜約３．６ｗｔ％の量で存在しており；且つ前記界面活性剤が組成物の約０．０００１ｗｔ％〜約０．１ｗｔ％の量で存在している、請求項１に記載の組成物。
11. ハイドロトロープを更に含有する、請求項１に記載の組成物。
12. 前記ハイドロトロープが芳香族スルホン酸塩である、請求項１１に記載の組成物。
13. 前記芳香族スルホン酸塩が下記の式の化合物である、請求項１２に記載の組成物：
    

    

    （Ｒ^８及びＲ^９はそれぞれ独立に（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、ここで任意のアルキルが、１又は複数のヒドロキシで置換されていてよく；
    ＸはＮａ、Ｋ、Ｌｉ又は^＋ＮＨＲ^１０Ｒ^１１Ｒ^１２であり、ここでＲ^１０〜Ｒ^１２はそれぞれ独立に、Ｈ又は（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、またこのアルキレンは１又は複数のヒドロキシで置換されていてよい）。
14. Ｒ^８がメチルであり、Ｒ^９がメチルであり、且つＸがＮａである、請求項１２に記載の組成物。
15. 前記芳香族スルホン酸塩が、ナトリウムキシレンスルホネート、ナトリウムナフタレートスルホネート、又はナトリウムクメンスルホネートである、請求項１２に記載の組成物。
16. 前記ハイドロトロープが、組成物の約０．００５ｗｔ％〜約０．５ｗｔ％の量で存在する、請求項１１に記載の組成物。
17. タンパク質物質を除去するのに効果的な期間にわたって、効果的な量の組成物を、タンパク質物質を有する表面に接触させること、及び
    前記表面からタンパク質物質を除去すること、
    を含む、タンパク質物質の除去方法であって、この組成物が水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を含有しており、
    前記乳化剤が、ポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドであり；
    前記キレート剤が、アルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸であり；
    前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約４．５未満にする量で存在し；且つ
    前記界面活性剤が、下記の式（Ｉ）化合物である；
    タンパク質物質の除去方法：
    

    

    （Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、ここで任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    Ｒ^４は、
    −［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は
    −［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈであり；
    Ｒ^５及びＲ^６は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、ここで任意のアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    Ｒ^７は、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、ここでこのアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    ｑは、約１〜約１００の平均値であり；
    ｒは、約１〜約１００の平均値であり；且つ
    Ｘは、ハロゲン、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、ここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである）。
18. 前記乳化剤が、非イオン性直鎖アルコキシル化第１級アルコール又はイソ−アルキルジメチルアミンオキシドであり；前記キレート剤が、１−ヒドロキシエチリデン−１，１−ジホスホン酸、２−ホスホノブタン−１，２，４−トリカルボン酸、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、ヘキサメチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）、又はジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）であり；前記１又は複数の無機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸又はスルファミン酸を含み；前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約２．０未満にする量で存在し；且つ前記界面活性剤がＰＰＧ−４０ジエチルアンモニウムクロリドである、請求項１７に記載の方法。
19. 前記タンパク質物質が、チーズバット、ファーストフードのミルクシェイク装置、低温殺菌装置、乳清蒸発装置、透過液蒸発装置、超高温乳製品加工装置、及び加熱を必要とする乳製品に基づく製品を作るために使用する混合容器の表面上に存在する、請求項１７に記載の方法。
20. 前記水が、組成物の約９４．８８ｗｔ％〜約９９．９９ｗｔ％の量で存在しており；前記乳化剤が、組成物の約０．０００２ｗｔ％〜約０．２ｗｔ％の量で存在しており；前記キレート剤が、組成物の約０．０００５ｗｔ％〜約０．５ｗｔ％の量で存在しており；前記１又は複数の無機酸が、合計で組成物の約０．０３６ｗｔ％〜約３．６ｗｔ％の量で存在しており；且つ前記界面活性剤が組成物の約０．０００１ｗｔ％〜約０．１ｗｔ％の量で存在している、請求項１７に記載の方法。
21. 前記効果的な期間が約３分〜約１５分である、請求項１７に記載の方法。
22. 前記表面の温度又は前記組成物の温度が約１２０ＥＦ超になるようにして、前記タンパク質物質を有する表面を前記組成物に接触させる、請求項１７に記載の方法。
23. 前記表面を前記組成物に接触させた後で、前記表面を殺菌することを含む、請求項１７に記載の方法。
24. 水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を任意の順序で組み合わせて組成物を提供することを含む、水、乳化剤、キレート剤、１又は複数の無機酸、及び界面活性剤を含有する組成物の調製方法であって、
    前記乳化剤が、ポリエーテル非イオン性乳化剤又はアミンオキシドであり；
    前記キレート剤が、アルキルアミノホスホン酸、ヒドロキシアルキルホスホン酸、又はアルキルホスホン酸カルボン酸であり；
    前記１又は複数の無機酸が、組成物のｐＨを約４．５未満にする量で存在し；且つ
    前記界面活性剤が、下記の式（Ｉ）化合物である；
    組成物の調製方法：
    

    

    （Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルであり、ここで任意のアルキル基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    Ｒ^４は、
    −［Ｒ^５−Ｏ］_ｑ−Ｈ、又は
    −［Ｒ^６−Ｏ］_ｑ−［Ｒ^７−Ｏ］_ｒ−Ｈであり；
    Ｒ^５及びＲ^６は独立に、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、任意のこのアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    Ｒ^７は、（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキレンであり、このアルキレン基は、１又は複数の（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルコキシ又はヒドロキシで置換されていてよく；
    ｑの平均値は、約１〜約１００であり；
    ｒの平均値は、約１〜約１００であり；且つ
    Ｘは、ハロゲン、ＲＣＯＯ⁻、ＰＯ_４ ^２−又はＳＯ_４ ^２−であり、ここでＲは（Ｃ_１〜Ｃ_６）アルキルである）。
25. 前記水、乳化剤、キレート剤、及び界面活性剤を組み合わせて水性混合物を作り、そしてこの水性混合物を、前記１又は複数の無機酸と組み合わせて前記組成物を提供する、請求項２４に記載の方法。
26. 前記乳化剤、キレート剤及び界面活性剤を水に加える、請求項２４に記載の方法。
27. 前記１又は複数の無機酸を前記水性混合物に加える、請求項２４に記載の方法。
28. 前記水性混合物を加熱、撹拌、振盪、又は撹乱することを更に含む、請求項２５に記載の方法。