JP2004500393A - 毛髪のボリューム減少をもたらす、ポリアルキレン(n)アルキルアミンを含有するヘアケア組成物 - Google Patents

毛髪のボリューム減少をもたらす、ポリアルキレン(n)アルキルアミンを含有するヘアケア組成物 Download PDF

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Abstract

次式(I)、(II)
【化1】
Figure 2004500393

【化2】
Figure 2004500393

で表され、式中、各Rは独立して1〜約30個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、R’は1〜約4個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、各mは2又は3であり、各nは2又は3であり、各x及び各yは独立して1以上の数で各xと各yの合計が約3〜約9であり、そしてXは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、グルタミン酸イオン、アスパラギン酸イオン及びこれらの混合物から成る群から選択される、安全で好適な任意の塩形成アニオンを表わし、その融点が約45℃未満であるポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン又はこれらの混合物及び好適なキャリアを含み、画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%減少させるヘアケア組成物を開示する。

Description

【0001】
(相互参照)
本出願は、2000年3月14日、米国を含めたすべての国に向け英語にて出願された国際特許出願PCT/US00/06666号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、毛髪ボリュームの減少をもたらすポリアルキレン(n)アルキルアミンを含有するヘアケア組成物に関する。
【0003】
(発明の背景)
ヒトの毛髪は周囲環境との接触及び頭皮から分泌される皮脂によって次第に汚れる。毛髪が汚れると、毛髪は汚い又は油っぽい感触となり、魅力のない外観を示すようになる。毛髪が汚れると定期的にシャンプーする必要がある。
シャンプーをすると、過剰な汚れや皮脂を除去することにより、毛髪が清潔になる。しかし、シャンプーをすると、毛髪を濡らし、もつれさせ、そして一般に扱いにくい状態になる可能性がある。シャンプーの後、毛髪の天然の油分及び他の天然のコンディショニング成分や加湿成分が除去されるため、毛髪が乾燥し、ごわごわし、艶がなく又は縮れた状態のままになることが多い。毛髪は更に乾燥するとともに静電気の程度が高くなって、櫛の梳きぐあいを損ない、一般に「はねた毛髪」と呼ばれる状態を招き得る。一部の顧客はこのようなはねた毛髪や、それにともなって全体の毛髪のボリュームが増加することは望ましくないと考えている。従って、はねた毛髪のボリューム及び毛髪全体のボリュームを減らす一方で、滑らかで、柔軟で、絹のような感触で、健康に見える毛髪の提供が望ましい。さらに、通常、ヘアケア組成物の生分解性を高めることが望ましい。
【0004】
これらの問題に対処する様々な試みが開発されている。このような試みは一般的には、ヘアコンディショニング化合物、一般的にはカチオン界面活性剤のようなカチオン系化合物をヘアケア組成物に包含させることによって、滑らかさ、柔軟性及び光沢を求めるものである。このようなヘアコンディショニング化合物は、静電気を軽減する可能性もある。理論上は、第四級アンモニウム化合物を含むこれらのカチオン性化合物は、毛髪上の静電気を中和しようとし、それによってはねた毛髪ボリュームをある程度まで低減する。しかしながら、このようなヘアコンディショニング化合物は、毛髪全体のボリュームを十分には減らさず、毛髪、皮膚又は頭皮にきつすぎる可能性がある。
従って、ヘアケア組成物を効果的に毛髪に付着させて、かさばった毛髪のボリューム及びはねた毛髪のボリュームの両方を減らすことにより、毛髪全体のボリュームをめだって減少させることが必要とされている。また、毛髪、皮膚及び頭皮に一層穏やかであり、生分解性の向上したヘアケア組成物が必要とされている。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、次式(I)、(II)
【0006】
【化3】
Figure 2004500393
【0007】
【化4】
Figure 2004500393
【0008】
で表わされ、式中、各Rは独立して1〜約30個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、R’は1〜約4個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、各mは2又は3であり、各nは2又は3であり、各x及び各yは独立して1以上の数で各xと各yの合計が約3〜約9であり、そしてXは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、グルタミン酸イオン、アスパラギン酸イオン及びこれらの混合物から成る群から選択される、安全で好適な任意の塩生成アニオンを表わし、その融点が約45℃未満であるポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン又はこれらの混合物又はこれらの混合物、及び好適なキャリアを含んでなるヘアケア組成物であって、画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%減少させる組成物に関する。
【0009】
今や、全毛髪のボリュームは実際には「はねた毛髪のボリューム」及び「かさばった毛髪のボリューム」の合計であることが見出されている。また本明細書に記載の画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積、はねた毛髪の面積及び全毛髪面積の測定できる減少がそれぞれ、かさばった毛髪のボリューム、はねた毛髪のボリューム及び全毛髪のボリュームにおける顕著な減少に相当することも見出されている。従って、かさばった毛髪の面積を減らすことは、全毛髪のボリュームを減らすことにおいて重要な役割を担うことができることが見出されている。特定の化合物及び組成物は例えば毛髪の静電気的荷電を減らすことによってはねた毛髪のボリュームを減らすことが知られている一方で、このような組成物は、かさばった毛髪ボリュームを顕著には減らさない。今や、毛髪を加湿するヘアケア組成物はかさばった毛髪のボリュームを顕著に減少する可能性があり、またはねた毛髪のボリュームも顕著に減少する可能性もあることが見出されている。このことは言い換えれば、全毛髪のボリュームの有意で顕著な減少をもたらす。
【0010】
今や、ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン及びゲルマトリックスを含有するヘアケア組成物、好ましくはヘアコンディショニング組成物及び/又はスタイリング組成物が、有効に毛髪に付着し、顧客が所望する有意な利益(例えば、毛髪の改善された外観及び感触、かさばった毛髪のボリュームの減少、はねた毛髪のボリュームの減少及び全毛髪のボリュームの減少)をもたらすことが見出されている。更にヘアケア組成物は、油状成分を添加した場合でも安定であり、毛髪、皮膚及び頭皮に対してより穏やかで、向上した生分解性を有する。
本発明の前記及び他の特徴、態様、利益、変形、並びに本明細書に記載された実施態様は、添付の請求の範囲と共に本明細書を読めば当業者に明らかであり、そして本請求の範囲内に含まれるものである。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本明細書において、特に指定しない限り、全てのパーセント、比率及び割合は最終ヘアケア組成物の重量による。本明細書で用いられる分子量は、特に指定しない限り、全て重量平均分子量による。本明細書で用いられる温度は、特に指定しない限り、全て摂氏(℃)による。本明細書において引用した全ての文書はその全文を参考として本明細書に組み入れられる。いかなる引例の引用も、特許請求した発明の従来技術としての有用性についての決定に関する容認ではない。本明細書における図面は、必ずしも一定の比率に拡大/縮小して描かれたものではない。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキル」は、直鎖状、分岐鎖状又は環状の飽和又は不飽和のヒドロカルビル部分を意味する。特に指定しない限り、アルキル部分は、好ましくは飽和又は二重結合を伴う不飽和であって、好ましくは二重結合は1つ又は2つである。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が包含される。
【0012】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘアコンディショニング利益」は、コンディショニング、柔軟化、かさばった毛髪ボリュームの減少、はねた毛髪ボリュームの減少、毛髪全体のボリュームの減少、保湿、濡れた毛髪又は乾いた毛髪の感触の改善、潤滑性、滑らかさ、柔軟性及び/又は毛髪に適用したときの他の効果を指す。かさばった毛髪のボリューム、はねた毛髪のボリューム及び/又は毛髪全体のボリュームの減少は全て、本明細書に記述されるような画像解析プロトコールによるものである。
本明細書で使用されるとき、用語「水不溶性」は、その化合物が25℃で実質的には水に可溶性ではないことを意味し、この化合物を1.0重量%より高い濃度で、好ましくは0.5重量%より高い濃度で水と混合させると、化合物は一時的に分散して水中に不安定なコロイドを形成し、次いで速やかに水と分離して二相に分かれる。
【0013】
ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン
本発明のヘアケア組成物は、ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンを含有し、このものは室温で実質的に液体であり、一般的に約45℃未満、より好ましくは約30℃未満の融点を有する。
理論に限定されるものではないが、本明細書で有用なポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンは次のメカニズムによってかさばった髪のボリュームを減少させると考えられている:すなわち、洗い流した条件下であっても、アミノ及び疎水性のアルキル部分が化合物の毛髪繊維への付着を助け、その一方で親水性のアルコキシレート基類が水分子を引き付け、毛髪繊維中の水分含有量の変化を低下させる水分緩衝液として機能する。これが、毛髪繊維を柔軟で、柔らかく、可塑的な状態に保つのを助ける。次に、これによって毛髪繊維はよく整った形態(他の毛髪繊維と比較して)に維持され、変形から容易に回復する。これによりさらに、毛髪繊維が平行性を維持する可能性及び/又は真っ直ぐ下に下がる可能性が高まる。これにより、個々の毛髪繊維間の空間が顕著に減少し、それによってかさばった毛髪のボリューム及びはねた毛髪のボリュームが共に減少する。
【0014】
理論に限定されるものではないが、さらにポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンは、はねた髪のボリュームを減少させる可能性があることも考えられている。ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンのアミン部分は、水性キャリア中又は低pH環境下で、わずかに正に帯電しているので、毛髪の表面に引き付けられ、よく付着する。従って、毛髪繊維に潤いを与える効果と共に、ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンはまた、毛髪繊維の静電気及び歪みをも減少させる可能性がある。これによって静電気反発力及び毛髪繊維間の空間が減少し、その結果はねた毛髪のボリュームが減少することになる。
本発明に有用なポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンは、下記一般式(I)、(II)を有するか又はこの2種の混合物である:
【0015】
【化5】
Figure 2004500393
【0016】
【化6】
Figure 2004500393
【0017】
式中、各Rは独立に1〜約30個の炭素原子、好ましくは約8〜約22個の炭素原子、より好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖アルキル基であり;R’は1〜約4個の炭素原子を有する飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、好ましくは水素、メチル又はエチルであり;各mは2又は3、好ましくは2であり;各nは2又は3、好ましくは2であり;各x及び各yは独立に1以上の数で、各xと各yの合計が約3〜約9、好ましくは4〜6であり、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、グルタミン酸イオン及びアスパラギン酸ラジカルイオンなどの安全で好適な任意の塩形成性アニオンである。
【0018】
好ましいポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン類は、一般式(I)を有するものである。一般式(I)の化合物は、一般的に酸と組み合わせて用いられ、カチオン性の種を供給する。本明細書において有用な好ましい酸としては、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、L−アスパラギン酸及びこれらの混合物が挙げられる。プロトン化可能なアミン類と、前記酸からのHとのモル比は、好ましくは約1:0.3〜1:1.2である。極めて好適なポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン類は、m及びnが共に約2であるポリエチレングリコール(n)アルキルアミン類である。
【0019】
本発明に有用なきわめて好ましいポリエチレングリコール(n)アルキルアミン類は、xとyの合計が約5でPEG−5オレイルアミンとも略されるポリエチレングリコール−5−オレイルアミン及びRが実質上10〜16個の炭素原子を有する直鎖アルキル類でできており、xとyの合計が約5であるPEG−5コカミンとも略されるポリエチレングリコール−5−コカミンである。
このポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンは、ヘアケア組成物の重量に対して、約0.1%〜約5%の濃度で存在することが好ましく、より好ましくは約0.4%〜約3%で、さらに好ましくは約0.5%〜約2%である。
特に好ましく且つ市販品として入手可能なポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンは、Th.ゴルトシュミットAG(Th. Goldschmidt AG)から入手可能な商標名ヴァロニック(Varonic)Q−205のPEG−5−オレイルアミン及び商標名ヴァロニックK−205のPEG−5−コカミンである。
【0020】
好適なキャリア
好適なキャリアは、代表的に水又は液体脂肪族アルコール及び酸、液体炭化水素並びにこれらの混合物のような液体炭化水素物質のいずれかである連続相を含有する。連続相は好ましくは水であるが、水の連続相であっても乳化した油又は分散した油をその中に含んでもよく、その逆も可である。他のキャリア成分及び/又は他の追加的成分もまた好適なキャリアに添加してもよい。理論に限られることなく、本発明のポリアルキレン(n)アルキルアミンは、水性キャリアのような好適なキャリアに包含された場合には特に十分に毛髪に沈着すると考えられている。かさ密度と分岐鎖及び高分子量の組合せは、ゲルマトリックスがない場合でさえ、沈着と効果に著しく貢献すると考えられている。従ってゲルマトリックスが好ましいものの、本発明のポリアルキレン(n)アルキルアミンはゲルマトリックスがない場合でさえ顕著に望ましい利益をもたらす。
【0021】
ゲルマトリックス
本発明で有用な好適な水性キャリアはゲルマトリックスである。このゲルマトリックスは、ヘアケア組成物の重量に対して、好ましくは約60%〜約99%で含まれ、好ましくは約70%〜約95%、より好ましくは約80%〜約95%である。ゲルマトリックスには、カチオン界面活性剤、固体脂肪族化合物及び水が含まれる。ゲルマトリックスは、アルキルエトキシレートの水性キャリアとして作用し、通常、25℃、せん断速度1.0rpmでブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer)を用いて測定した場合、約5,000cps〜約40,000cps、好ましくは約10,000cps〜約30,000cps、より好ましくは約12,000cps〜約28,000cpsの粘度を特徴とする。理論に限定されるものではないが、ゲルマトリックスが上記アルキルエトキシレートの毛髪への付着性を有意に向上させるものと考えられている。
【0022】
きわめて好ましい実施形態では、ゲルマトリックスは層状のゲルマトリックスであり、付着性の向上、濡れた髪の感触、柔軟性及び他の多くの利益を提供する。層状のゲルマトリックスにおいて、カチオン界面活性剤と固体脂肪族化合物との重量比は、約1:1〜約1:20、好ましくは約1:2〜約1:10、より好ましくは約1:3〜1:5である。一般に、層状のゲルマトリックスにおける好ましいカチオン界面活性剤は、1又は2個の長鎖(例えば、C1230)アルキル基及び第三級又は第四級アミン基を含有する。1又は2個のC1622アルキル鎖を有する三級アミン基が好ましい。
【0023】
層状のゲルマトリックスの存在を、組成物の示差走査熱量計(以下、「DSC]という)の測定によって検出してもよい。DSC測定によって得られた特性チャートには、走査試料の化学的及び物理的変化(試料の温度が変動した場合のエンタルピー変化又はエネルギー勾配を含む)が示される。例えば、本発明のヘアコンディショニング組成物の成分間の相挙動及び相互作用をDSC特性によって理解することができる。本発明の組成物のDSC測定を、利用可能な任意の好適な機器によって行ってもよい。例えば、セイコーインスツルメンツ社(Seiko Instruments Inc)から入手可能なセイコー(Seiko)DSC6000機器によりDSC測定を適切に行ってもよい。代表的な測定手順においては、適量の組成物をDSC測定用の容器に封入することによって試料を調製し、密封する。試料の重量を記録する。空試料、すなわち、同じ容器の封入されていない試料も調製する。試料及びブランク試料を測定器内部に置き、約−50℃から約130℃までの測定条件、約1℃/分から約10℃/分までの加熱条件のもとで測定器を作動させる。求められたピーク面積を計算し、試料の重量で割ることによりエンタルピーの変化をmJ/mgの単位で得る。
【0024】
好ましい層状のゲルマトリックスに関して、DSC特性において、約3mJ/mgより大きいピークの形成がみられる。ピーク位置をピークのトップ位置から同定する。好ましい層状ゲルマトリックスのDSC分析は、ピークトップ温度が約55℃から約75℃までで、約6mJ/mgから約10mJ/mgまでのシングルピークを示す。層状ゲルマトリックスの好ましいDSC特性は、40℃〜55℃で3mJ/mgより大きいピークを示さない。主にこのようなゲルマトリックスで形成された組成物は、約40℃〜約55℃の温度範囲で比較的安定な相挙動を示す。さらにより好ましい層状ゲルマトリックスにおいて、DSC特性は、約60℃〜70℃のピークトップ温度で約8mJ/mgの単一ピークを示し、40℃〜約55℃で3mJ/mgより大きいピークを示さない。
このゲルマトリックスは不安定になる可能性があり、最悪の場合、ある成分の存在下で崩壊するようになる可能性がある。このような成分としては、高濃度のアニオン界面活性剤類及びアニオン部分を有する皮膜形成ポリマー類が挙げられる。実質的にこのような成分を含まない組成物がきわめて好ましい。
【0025】
a.カチオン界面活性剤
本明細書で有用なカチオン界面活性剤の中では、下記一般式(I)に対応するものもある:
【0026】
【化7】
Figure 2004500393
【0027】
式中、R101、R102、R103及びR104の少なくとも1つは、炭素原子8〜30個の脂肪族基又は炭素原子を約22個まで有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から選択され、R101、R102、R103及びR104の残りは独立に、炭素原子1〜約22個の脂肪族基又は炭素原子を約22個まで有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から選択され、Xは、ハロゲン(例えば(例えば塩素イオン、臭素イオン)、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸ラジカルイオンから選択されるような塩形成性アニオンである。脂肪族基類には、炭素及び水素原子に加え、エーテル結合類及びアミノ基類のような他の基類を包含することもできる。更に長鎖の脂肪族基類、例えば、炭素数約12以上のものは、飽和にも不飽和にもなり得る。好ましいのは、R101、R102、R103及びR104が独立にC〜約C22アルキルから選択される場合である。本発明において有用なカチオン界面活性剤の非限定例としては、次のCTFA指定物質が挙げられる:クアテルニウム−8、クアテルニウム−14、クアテルニウム−18、クアテルニウム−18メト硫酸塩、クアテルニウム−24及びこれらの混合物。
【0028】
一般式(I)のカチオン界面活性剤の中では、少なくとも16個の炭素を有する少なくとも1つのアルキル鎖を分子内に含有しているものが好ましい。このような好ましいカチオン界面活性剤の非限定例としては、例えば、クローダ(Croda)から商品名INCROQUAT TMC−80として及び三洋化成(日本、大阪)から商品名ECONOL TM22として入手可能なベヘニルトリメチル塩化アンモニウム;ニッコーケミカル(日本/東京)から商品名CA−2350として入手可能なセチルトリメチル塩化アンモニウム、水素添加タローアルキルトリメチル塩化アンモニウム、ジアルキル(14−18)ジメチル塩化アンモニウム、ジタローアルキルジメチル塩化アンモニウム、ニ水素添加タローアルキルジメチル塩化アンモニウム、ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ジセチルジメチル塩化アンモニウム、ジ(ベヘニル/アラキジル)ジメチル塩化アンモニウム、ジベヘニルジメチル塩化アンモニウム、ステアリルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ステアリルプロピレングリコールホスフェートジメチル塩化アンモニウム、ステアロイルアミドプロピルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ステアロイルアミドプロピルジメチル(ミリスチル酢酸塩)塩化アンモニウム及びN−(ステアロイルコラミノホルミルメチル)塩化ピリジニウムが挙げられる。
【0029】
また陽イオン界面活性剤として好ましいのは、親水性置換型陽イオン界面活性剤であり、少なくとも1つの置換基が、置換基又はラジカル連鎖の結合部として存在する1つ以上の芳香族、エーテル、エステル、アミド又はアミノ部分を含有し、この際R101〜R104ラジカルの少なくとも1つが、アルコキシ(好ましくはC〜Cアルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC〜Cポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル及びこれらの組合せから選択される1つまたはそれ以上の親水性部分を含有する。好ましくは、親水性置換型カチオン界面活性剤は、上記の範囲内に位置する、2〜約10の非イオン性の親水性部分を含有する。好ましい親水性置換型カチオン系界面活性剤としては、以下の式(II)〜(VIII)のものが挙げられる:
【0030】
【化8】
Figure 2004500393
【0031】
式中、nは8〜約28であり、m+mは2〜約40であり、Zは短鎖アルキル、好ましくはC〜Cのアルキル、さらに好ましくはメチル又は(CHCHO)m3Hであり、式中、m+m+mは約10〜約60であり、そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである;
【0032】
【化9】
Figure 2004500393
【0033】
式中、nは1〜5、1以上のR105、R106及びR107が独立してC〜C30のアルキルであり、残りはCHCHOHであり、1又は2のR108、R109及びR110は独立してC〜C30のアルキルであり、そして残りはCHCHOHであり、そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである;
【0034】
【化10】
Figure 2004500393
【0035】
【化11】
Figure 2004500393
【0036】
式(IV)及び(V)については、式中、Zは独立してアルキル、好ましくはC〜Cのアルキル、さらに好ましくはメチルであり、Zは短鎖ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルであり、n及びnは独立して2〜4の整数、好ましくは2〜3、さらに好ましくは2であり、R111及びR112は独立して置換型又は非置換型のヒドロカルビル、C12〜C20のアルキル又はアルケニルであり、そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである;
【0037】
【化12】
Figure 2004500393
【0038】
式中、R113は、ヒドロカルビル、好ましくはC〜Cのアルキル、さらに好ましくはメチルであり、Z及びZは独立して短鎖ヒドロカルビル、好ましくはC〜Cのアルキル又はアルケニル、さらに好ましくはエチルであり、mは2〜約40、好ましくは約7〜約30であり、そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである;
【0039】
【化13】
Figure 2004500393
【0040】
式中、R114及びR115は独立して、C〜Cのアルキル、好ましくはメチルであり、ZはC12〜C22のヒドロカルビル、アルキルカルボキシ又はアルキルアミドであり、そしてAはタンパク質、好ましくはコラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、絹、大豆タンパク質、小麦タンパク質又はそれらの加水分解形態であり;そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである;
【0041】
【化14】
Figure 2004500393
【0042】
式中、nは2又は3であり、R116及びR117は独立して、C〜Cのヒドロカルビル、好ましくはメチルであり、そしてXは上記で定義された塩形成性アニオンである。本発明に有用な親水性置換型カチオン界面活性剤の非限定例としては、以下のCIFA名称を有する物質及びこれらの混合物が挙げられる:クアテルニウム−16、クアテルニウム−26、クアテルニウム−27クアテルニウム−30、クアテルニウム−33、クアテルニウム−43、クアテルニウム−52、クアテルニウム−53、クアテルニウム−56、クアテルニウム−60、クアテルニウム−61、クアテルニウム−62、クアテルニウム−70、クアテルニウム−71、クアテルニウム−72、クアテルニウム−75、クアテルニウム−76水素添加コラーゲン、クアテルニウム−77、クアテルニウム−78、クアテルニウム−79加水分解コラーゲン、クアテルニウム−79加水分解ケラチン、クアテルニウム−79加水分解乳タンパク質、クアテルニウム−79加水分解シルク、クアテルニウム−79加水分解大豆タンパク質及びクアテルニウム−79加水分解小麦タンパク質、クアテルニウム−80、クアテルニウム−81、クアテルニウム−82、クアテルニウム−83、クアテルニウム−84。
【0043】
きわめて好ましい親水性置換カチオン界面活性剤としては、ジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキロイルエチルジモニウム塩及びこれらの混合物が挙げられ、これらは例えば、次の商品名で市販されている;すなわち、ウィトコケミカル(WitcoChemicals)(米国コネティカット州グリーンウイッチ)からVARISOFT 110、VARISOFT 222、 VARIQUAT K1215及び VARIQUAT 638、マッキンタイア(McIntyre)からMACKPRO KLP、MACKPRO WLW、MACKPRO MLP、MACKPRO NSP、MACKPRO NLW、MACKPRO WWP、MACKPRO NLP、MACKPRO SLP、アクゾー(Akzo)からETHOQUAD18/25、ETHOQUAD O/12PG、ETHOQUAD C/25、ETHOQUAD S/25及びETHODUOQUAD、ヘンケル(Henkel)(ドイツ)からDEHYQUAT SP、ICIアメリカ(ICIAmericas)(米国デラウェア州ウィルミントン)からATLAS G265である。
【0044】
一級、二級及び三級脂肪族アミン類の塩類も、好適なカチオン界面活性剤である。このようなアミン類のアルキル基は、好ましくは約12〜約22個の炭素原子を有し、置換型又は非置換型であり得る。特に有用なものはアミド置換型三級脂肪族アミン類である。本明細書において有用なかかるアミン類としては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。ジメチルステアラミン、ジメチル大豆アミン、大豆アミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロープロパンジアミン、エトキシル化(5モルのエチレンオキシドによる)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン及びアラキジルベヘニルアミンもまた有用である。こうしたアミン類は通常、酸と組み合わせて用いられ、カチオン種を提供する。本明細書において有用な好ましい酸としては、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、L−アスパラギン酸及びこれらの混合物;より好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、クエン酸が挙げられる。本発明において有用なものの中に含まれるカチオン系アミン界面活性剤は、1981年6月23日発行のナハチガル(Nachtigal)他、米国特許第4,275,055号に開示されている。
プロトン化可能なアミン類と、前記酸からのH+とのモル比は、好ましくは約1:0.3〜約1:1.2、より好ましくは約1:0.4〜約1:1.1である。
【0045】
b.固体脂肪族化合物
本明細書で有用な固体脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール類、脂肪酸類及びこれらの混合物から成る群から選択される。本明細書のこの節で開示された化合物は、場合によっては1つ以上の分類に属することができ、例えば、ある種の脂肪族アルコールの誘導体を脂肪酸誘導体として分類してもよいことは、当業者には理解されている。しかしながら、示される分類はこの特定の化合物に限定することを意図しているのではなく、分類及び命名の便宜上そうしているものである。更に、二重結合の数と位置及び分岐鎖の長さと位置によって、ある必要とされる炭素原子を有するある種の化合物は25℃未満の融点を有することができると当業者は理解している。この項では、融点の低いこのような化合物を包含することは意図していない。融点の高い化合物の非限定例は、国際化粧品材料辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、1993年、及びCTFA化粧品材料ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年に記載されている。
【0046】
この固体脂肪族化合物は、組成物中、重量で約0.1%〜約20%、より好ましくは約1%〜約15%、さらに好ましくは約2%〜約10%の濃度で含まれている。
本明細書で有用な脂肪族アルコール類は、約14〜約30個の炭素原子、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコール類は飽和であり、直鎖又は分岐鎖アルコール類とすることができる。脂肪族アルコール類の非限定例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で有用な脂肪酸類は、約10〜約30個の炭素原子、好ましくは約12〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪酸は飽和であり、直鎖又は分岐鎖の酸類とすることができる。さらに、本明細書の要件を充たす、二酸、三酸及び他の多酸類もまた含まれる。さらに本明細書には、これらの脂肪酸類の塩類もまた含まれる。脂肪酸類の非限定例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸及びこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
高純度の単一化合物の固体脂肪族化合物類が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから成る群から選択される純粋な脂肪族アルコール類の単一化合物類が極めて好ましい。本明細書では、「純粋」とは、化合物が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。高純度のこれらの単一化合物は、消費者が組成物を洗い流す時に、毛髪からの良好な洗い流し効果を提供する。
本発明において有用な市販の固体脂肪族化合物類としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール及び新日本理化(Shin−nihon Rika)(日本、大阪)から商品名KONOLシリーズとして及びNOF(日本、東京)から商品名NAAシリーズとして入手可能なベヘニルアルコール、和光化学(Wako Chemical)(日本、大阪)から商品名1−DOCOSANOLとして入手可能な純粋ベヘニルアルコール、アクゾ(Akzo)(米国、イリノイ州シカゴ)から商品名NEO−FATとして、ウィトコ社(Witco Corp.)(米国、オハイオ州ダブリン)から商品名HYSTRENEとして及びヴェヴィ(Vevy)(イタリア、ジェノバ)から商品名DERMAとして入手可能な各種脂肪酸類が挙げられる。
【0048】
ポリ脂肪族アルコール類がゲルマトリックスを形成するが、モノ脂肪族アルコール類が好ましい。ゲルマトリックスを形成する際に、カチオン界面活性剤及び/又は固体脂肪族化合物のいずれかを、まず水と混合、懸濁及び/又は溶解させてもよい。
【0049】
c.水
一般に、本発明の最終ヘアケア組成物は、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約70%の水、より好ましくは約75%〜約95%の水を含む。脱イオン水を使用することが好ましい。製品の所望の特徴に応じて、ミネラルカチオン類を含有する天然供給源から得られる水もまた使用することができる。
【0050】
ポリプロピレングリコール
本発明のヘアケア組成物は、約200g/モル〜約100,000g/モル、好ましくは約1,000g/モル〜約60,000g/モルの重量平均分子量を有するポリプロピレングリコールを含有することが好ましい。理論に限定されるものではないが、本明細書のポリプロピレングリコールは、毛髪に付着するか又は毛髪中に吸収されて保湿緩衝剤として作用し及び/又は1以上の他の望ましいヘアコンディショニング利益を提供すると考えられている。本明細書で使用する時、用語「ポリプロピレングリコール」は、単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー類及び多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー類を包含する。本明細書における多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー類のような分岐鎖状ポリマー類の一般構造は、例えば、G.オディアン(G. Odian)著「重合の原理(Principles of Polymerization)」17〜19ページ、(ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、第3版、1991年)に記載されている。
【0051】
本明細書のポリプロピレングリコールは通常多分散性ポリマー類である。本明細書で有用なポリプリピレングリコール類は、約1〜約2.5、好ましくは約1〜約2、より好ましくは約1〜約1.5の多分散性を有する。本明細書で使用されるとき、用語「多分散性」は、ポリマー試料の分子量分布の程度を指す。具体的には、上記多分散性は1を越える比率であり、重量平均分子量を数平均分子量で割った数に等しい。多分散性に関するさらなる議論については、G.オディアン(G. Odian)著「重合の原理(Principles of Polymerization)」20〜24ページ(ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、第3版、1991年)を参照されたい。
【0052】
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、重合度や他の部分が付いているかどうかにより、水溶性であっても、水不溶性であっても又は水に対して限られた溶解度を有してもよい。ポリプロピレングリコールの水に対する所望の溶解度は、大部分はヘアケア組成物の形式(例えば、残留型又は洗い流し形式)による。本明細書におけるポリプロピレングリコールの水に対する溶解度は、種々の因子によって当業者により選択されてもよい。従って、残留型のヘアケア組成物としては、本明細書のポリプロピレングリコールは、水溶性のポリプロピレングリコールであることが好ましい。溶解度の情報は、三洋化成(日本、大阪)などのポリプロピレングリコールの供給元から容易に入手可能である。一方、本発明はまた洗い流しのヘアケア組成物の形式を採ってもよい。理論に限定されるものではないが、このような組成物において、水溶性のポリプロピレングリコールは、容易に洗い流され過ぎてしまい、有効に毛髪上に付着して所望の利益を提供できないと考えられている。このため、かかる組成物については、水にあまり溶けやすくないか又は水不溶性でさえあるポリプロピレングリコールが好ましい。従って、洗い流し型のヘアケア組成物としては、本明細書におけるポリプロピレングリコールは、25℃の水に対する溶解度が水100gに対して約1g未満であることが好ましく、より好ましくは水に対する溶解度が水100gに対して約0.5g未満、更により好ましくは水に対する溶解度が水100gに対して約0.1g未満である。
【0053】
このポリプロピレングリコールは、一般的にはヘアケア組成物の重量で約0.5%〜約10%、好ましくは約2%〜約6%の濃度で存在する。
このポリプロピレングリコールは、好ましくは、単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー、多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー及びこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは下の式Iの単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー、下の式IIの多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0054】
単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー
従って、きわめて好ましい単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーは次式を有する。
HO−(CO)H (III)
式中、aは約4〜約400、好ましくは約20〜約100、より好ましくは約20〜約40の値である。
本明細書で有用な単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーは、通常安価であり、例えば三洋化成(日本、大阪)、ダウケミカル(Dow Chemicals)(米国ミシガン州ミドランド)、カルゴンケミカル(Calgon Chemical, Inc.)(米国イリノイ州スコキエ)、アルコケミカル(Arco Chemical Co.)(米国ペンシルバニア州ニュートンスクエア)、ウィトコケミカル(Witco Chemicals Corp.)(米国コネチカット州グリーンウイッチ)及びPPGスペシャルティケミカル(PPG Specialty Chemicals)(米国イリノイ州ガーニー)から、容易に入手可能である。
【0055】
多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマー
極めて好ましい多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーは、次式を有する:
【0056】
【化15】
Figure 2004500393
【0057】
式中、nは約0〜約10、好ましくは約0〜約7、より好ましくは約1〜4の値である。式IVでは、R”はそれぞれ独立してH及びC〜C30のアルキルから成る群から選択され、好ましくはR”はそれぞれ独立してH及びC〜Cのアルキルから成る群から選択される。式IVにおいて、各bは、独立に、約0〜約2、好ましくは約0〜約1の値、より好ましくはb=0である。同様に、c及びdは独立に、約0〜約2、好ましくは約0〜約1の値である。ただし、b+c+dの合計は少なくとも約2、好ましくはb+c+dの合計は約2〜約3である。各eは独立に、0又は1の値で、nが約1〜約4の場合には、eは1に等しいことが好ましい。また式IVでは、x、y及びzは独立に、約1〜約120、好ましくは約7〜約100、より好ましくは約7〜約100の値であり、x+y+zは約20より大きい。
【0058】
本明細書で特に有用な、式IVの多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーの例としては、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(n=1、R’=H、b=0、c及びd=1、e=1及びx、y、zは独立に個々のポリプロピレングリコール鎖セグメントの重合度を示し、三洋化成(Sanyo Kasei)(日本、大阪)からニュー・ポール(New Pol)GP−4000として入手可能)、ポリプロピレントリメチロールプロパン(n=1、R’=C、b=1、c及びd=1、e=1及びx、y、zは独立に個々のポリプロピレングリコール鎖セグメントの重合度を示す)、ポリオキシプロピレンソルビトール(n=4、各R’=H、b=0、c及びd=1、各e=1、そしてy、z及び各xは独立に個々のポリプロピレングリコール鎖セグメントの重合度を示し、三洋化成(Sanyo Kasei)(日本、大阪)からニュー・ポル(New Pol)SP−4000として入手可能)及びPPG−10ブタンジオール(n=0、c及びd=2、そしてy+z=10で、米国ニュージャージー州パーシッパニー(Parsippany)のクローダ(Croda, Inc.)からプロブチル(Probutyl)DB−10として入手可能)が挙げられる。
【0059】
好ましい実施形態では、ポリプロピレングリコール中の1つまたはそれ以上のプロピレン反復基は、イソプロピルオキシド反復基である。より好ましくは、式IIIのポリプロピレングリコール及び/又は式IVのポリプロピレングリコールの、1つまたはそれ以上のプロピレンオキシド反復基は、イソプロピルオキシド反復基である。さらにより好ましくは、式IIIのポリプロピレングリコール及び/又は式IVのポリプロピレングリコールの実質的に全てのプロピレンオキシド反復基は、イソプロピルオキシド反復基である。従って、きわめて好ましい単一ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーは次式を有する。
【0060】
【化16】
Figure 2004500393
【0061】
式中、aは式IIIに対して上述したように定義する。同様に、きわめて好ましい多ポリプロピレングリコール鎖セグメントポリマーは次式を有する。
【0062】
【化17】
Figure 2004500393
【0063】
式中、n、R’’、b、c、d、e、x、y及びzは、式IVに対して上のように定義する。イソプロピルオキシド反復基はまた、単一の場合でも、上に示したものと組み合わせた場合のいずれでも、下記に対応することが認識されている。
【0064】
【化18】
Figure 2004500393
【0065】
エステル油
本発明のヘアケア組成物は、エステル油を含有することが好ましい。本明細書で有用なエステル油は、次式のものである。
【0066】
R°COOR°   (式V)
式中、各R°は独立にC〜C22アルキルで、好ましくは少なくとも1つのR°がC〜C22アルキルである。各R°は直鎖状又は分岐鎖状のアルキル鎖のいずれかであってよい。R°が分岐鎖状である場合、R°が2〜4の分岐鎖を有することが好ましい。エステル油のHLB値は、約4未満、好ましくは約0〜約3である。本明細書で有用なエステル油は、配合及び製法が容易であるべきである。したがって、エステル油は代表的には融点が約40℃未満であって、好ましくは水不溶性であり、25℃において液状である。
HLB値は、特定の化合物の親水性−疎水性の均衡を表す理論的指数値である。一般に、HLB指数は、0(非常に疎水性)〜40(非常に親水性)の範囲であることが認識されている。アルキルアルコキシレートのHLB値は、当該技術分野で既知の表及びチャートで調べることができ又は以下の一般式を用いて計算することもできる:HLB=7+Σ(疎水性基の値)+Σ(親水性基の値)。化合物のHLB及びHLBの計算方法は、M.J.シック(M. J. Schick)著「界面活性剤の科学シリーズ、第1巻:非イオン界面活性剤(Surfactant Science Series, Vol. 1: Nonionic Surfactants)」606〜613ページ(ニューヨーク、マーセルデッカー(Marcel Dekker, Inc.)、1996)に詳細に説明されている。
【0067】
特に指定しないかぎり、本明細書で有用なエステル油類の重量平均分子量は、約70g/モルより大きく、好ましくは約100g/モル〜約2,000g/モルで、より好ましくは約160g/モル〜約1,200g/モルが特に本明細書で有用である。本明細書で有用な好ましいエステル油としては、ペンタエリスリチルエステル油類、トリメチロールエステル油類、クエン酸エステル油類、グリセリルエステル油類及びこれらの混合物が挙げられる。
理論に限定されるものではないが、エステル油類はかさばった髪のボリュームを減少させ及び/又は、他のヘアコンディショニング利益をもたらすものと考えられている。さらに、本明細書のエステル油は、潤いのある感触、滑らかな感触及び毛髪が乾いている時の毛髪の扱い易さを提供し、しかも毛髪を油っぽい感触のままにはしない。従って、エステル油の添加によって、毛髪が濡れている時及び乾燥後にも、その両方で、特に好適なコンディショニング利益を提供する可能性のある組成物が得られる。エステル油は、組成物の重量で約0.1%〜約20%、好ましくは約0.2%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で含むことができる。
【0068】
本明細書で有用なペンタエリスリチルエステル油類は、少なくとも800g/molの重量平均分子量を有する以下の式のようなものである。
【0069】
【化19】
Figure 2004500393
【0070】
式中、R、R、R及びRは独立に、1〜約30の炭素を有する分岐鎖状、直鎖状、飽和又は不飽和のアルキル、アリール及びアルキルアリール基である。好ましくは、R、R、R及びRは、独立して、約8から約22個までの炭素を有する分岐鎖、直鎖、飽和又は不飽和アルキル基である。より好ましくは、R、R、R、及びRは、化合物の重量平均分子量が約800g/モル〜約1,200g/モルとなるように定義される。
本明細書で有用なトリメチロールエステル油類は、少なくとも800g/molの重量平均分子量を有する以下の式のようなものである。
【0071】
【化20】
Figure 2004500393
【0072】
式中、R11は、1〜約30の炭素を有するアルキル基であり、R12、R13及びR14は独立に、1〜約30の炭素を有する分岐鎖状、直鎖状、飽和又は不飽和のアルキル、アリール及びアルキルアリール基である。好ましくは、R11はエチルであり、そしてR12、R13及びR14は、独立して、8から約22個までの炭素を有する分岐鎖、直鎖、飽和又は不飽和アルキル基である。より好ましくは、R11、R12、R13及びR14は、化合物の重量平均分子量が約800g/モル〜約1,200g/モルとなるように定義される。
特に好ましいエステル油類は、ペンタエステル油類及びトリメチロールエステル油類であり、より好ましくはペンタエリスリチルテトライソステアレート、ペンタエリスリチルテトラオレエート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチロールプロパントリオレエート及びこれらの混合物である。このような化合物は、高級アルコール(Kokyo Alcohol)(日本)から商品名KAK P.T.I.及びKAK T.T.I.として及び新日本理化(Shin−nihon Rika)(日本、東京)から商品名PTO及びENUJERUBU TP3SOとして入手可能である。
本明細書で有用なクエン酸エステル油類は、少なくとも約500g/molの重量平均分子量を有し、以下の式を有するようなものである:
【0073】
【化21】
Figure 2004500393
【0074】
式中、R21は、OH又はCHCOOであり、R22、R23及びR24は独立に、1〜約30個の炭素を有する分岐鎖、直鎖、飽和又は不飽和のアルキル基、アリール基及びアルキルアリール基である。好ましくは、R21はOHであり、そしてR22、R23及びR24は、独立して、8から約22個までの炭素を有する分岐鎖、直鎖、飽和又は不飽和アルキル、アリール及びアルキルアリール基である。より好ましくは、R21、R22、R23、及びR24は、化合物の重量平均分子量が少なくとも約800g/モルとなるように定義される。本明細書で特に有用なクエン酸エステル油類としては、バーネル(Bernel)から商品名CITMOL316として入手可能なトリイソセチルクエン酸塩、フェニックス(Phoenix)から商品名PELEMOL TISCとして入手可能なトリイソステアリルクエン酸塩及びバーネル(Bernel)から商品名CITMOL320として入手可能なトリオクチルドデシルクエン酸塩が挙げられる。
本明細書で有用なグリセリルエステル油類は、少なくとも約400g/molの重量平均分子量を有し、以下の式を有するようなものである:
【0075】
【化22】
Figure 2004500393
【0076】
式中、R41、R42及びR43は独立して、1〜約30の炭素を有する分岐鎖状、直鎖状、飽和又は不飽和のアルキル、アリール及びアルキルアリール基である。好ましくはR41、R42及びR43は、独立して、8から約22個までの炭素を有する分岐鎖、直鎖、飽和又は不飽和アルキル、アリール及びアルキルアリール基である。より好ましくは、R41、R42及びR43は、化合物の重量平均分子量が少なくとも約500g/モルとなるように定義される。
【0077】
本明細書で特に有用なグリセリルエステル油類としては、デグサヒュールズAG(Degussa−Hu lsAG)(ドイツ、フランクフルト)から商品名ミグリオール(Miglyol)812として入手可能なカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、太陽化学(Taiyo Kagaku)から商品名サン・エスポール(SUN ESPOL)G−318として入手可能なトリイソステアリン、クローダ(Croda, Inc.)(米国、ニュージャージー州、パーシパニー)から商品名CITHROL GTOとして入手可能なトリオレイン、ヴェヴィ(Vevy)(イタリア、ジェノバ)から商品名EFADERMA−Fとして入手可能、又はブルックス(Brooks)(米国、ニュージャージー州、サウスプレインフィールド)から商品名EFA−GLYCERIDESとして入手可能なトリリノレインが挙げられる。
【0078】
追加成分
本発明では、特定の成分を追加することが好ましい。本明細書に包含する場合、これらには、例えば、追加的なヘアケア及び/又はヘアコンディショニング利益を提供し得る化合物が挙げられる。好ましい他の追加成分としては、アルキルエトキシレート、液体脂肪族アルコール類及び酸類、炭化水素類、シリコーン化合物類、カチオン系ポリマー類及びこれらの混合物が挙げられる。室温で液体である液体脂肪族アルコール及び酸、炭化水素、室温で液体であるシリコーン化合物、並びにこれらの混合物は本発明の油性キャリアとして有用である。これらの成分がキャリアとして使用される場合、それらは本発明のヘア組成物中に少なくとも約60%の濃度で含まれる。しかしながら水性キャリアが使用される場合、本明細書の他の追加の成分は代表的に個々に、組成物の重量において約0.001%〜約10.0%、好ましくは約0.01%〜約5.0%の濃度で使用される。
【0079】
アルキルエトキシレート
本発明のヘアケア組成物はアルキルエトキシレートを含む。本明細書で有用なアルキルエトキシレートは次式を有する。
R−O−(CO)
式中、Rは約1〜約30個の炭素原子、好ましくは約6〜約22個の炭素原子、より好ましくは約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは分岐鎖、直鎖、飽和、不飽和であってよいが、好ましくは直鎖及び飽和又は約1個の二重結合を有する不飽和であり、nは約1〜約10、好ましくは約2〜約8、より好ましくは約3〜約6であり、アルキルエトキシレートの重量平均分子量は約500g/モル未満、好ましくは約100〜約500g/モル、より好ましくは約200〜約500g/モルであり、アルキルエトキシレートのHLB値は約5〜約12、好ましくは約6〜約11、より好ましくは約6〜約10である。
【0080】
HLB値より明らかであるように、このようなアルキルエトキシレートは、油及び水の両方に混和性である。更に、アルキルエトキシレートは、代表的には、その融点が約30℃未満、好ましくは約25℃未満、更に好ましくは約20℃未満であり、またその曇点(1%溶液)が約50℃未満、好ましくは約40℃未満、更に好ましくは約35℃未満である。
HLB値は、特定の化合物の親水性−疎水性の均衡を表す、理論的指数値である。一般に、HLB指数は、0(非常に疎水性)〜40(非常に親水性)の範囲であることが認識されている。アルキルエトキシレートのHLB値は、当該技術分野で既知の表及びチャートで調べることができ、又は次の一般式で計算することもできる:HLB=7+Σ(疎水性基の値)+Σ(親水性基の値)。化合物のHLB及びHLBの計算方法は、M.J.シック(M. J. Schick)著「界面活性剤の科学シリーズ、第1巻:非イオン界面活性剤(Surfactant Science Series, Vol. 1: Nonionic Surfactants)」606〜613ページ(ニューヨーク、マーセルデッカー(Marcel Dekker, Inc.)、1996)に詳細に説明されている。
【0081】
理論に限定されるものではないが、本明細書のポリプロピレングリコールは、毛髪に付着するか又は毛髪内に吸収されて、保湿剤/加湿剤として作用し及び/又は1またはそれ以上の他の望ましいヘアコンディショニング利益を提供すると考えられている。
本発明で有用なアルキルエトキシレートの非常に好ましい例としては、例えばCTFA名によりオレス−5、オレス−3、ステアレス−5、ステアレス−4、セテアレス−5、セテアレス−4及びセテアレス−3、並びにC11EO5の混合物、C11EO2.5の混合物、C1213EO3の混合物、C1113EO5の混合物及びこれらの混合物が挙げられる。これらのアルキルエトキシレートは、例えば米国ニュージャージー州パーシッパニーのクローダ社(Croda, Inc.)、米国のシェルケミカル(Shell Chemical)独国のBASF(BASF)日本の三菱化学及び日本の日光ケミカルから入手可能である。このようなアルキルエトキシレート類は、洗い流し型のヘアコンディショニング組成物における使用で特に好ましい。
【0082】
ヘアケア組成物中に存在するアルキルエトキシレートの濃度は、ヘアケア組成物の重量で、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.2%〜約15%、更により好ましくは約0.5%〜約10%である。上記ヘアケア組成物が洗い流し型ヘアコンディショニング組成物である場合、その際アルキルエトキシレートは、洗い流し型ヘアコンディショニング組成物の重量で、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは約2%〜約20%、更により好ましくは約3%〜約10%の濃度で存在する。
上記ヘアケア剤組成物を洗い流し型ヘアコンディショニング剤組成物として使用しようとする場合、上記アルキルエトキシレートの曇点が約40℃未満であることがきわめて好ましい。理論に限定されるものではないが、このことが上記アルキルエトキシレートの毛髪への付着効率を有意に向上させるものと考えられている。
【0083】
液体脂肪族アルコール及び脂肪酸
本明細書で有用な液体脂肪族アルコール類としては、約10〜約30個の炭素原子、好ましくは約12〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものが挙げられる。このような液体脂肪族アルコール類は、直鎖アルコール類でも分岐鎖アルコール類でもよく、飽和アルコール類でも不飽和アルコール類でもよいが、好ましくは不飽和アルコール類である。固体脂肪族化合物とは、実質的に純粋な状態の時、25℃で固体である脂肪族アルコール類のことであり、液体脂肪族アルコール類とは25℃で液体である脂肪族アルコール類のことである。このような化合物の非限定例としては、オレイルアルコール、パルミトレインアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書ではポリ脂肪族アルコール類は有用であるが、モノ脂肪族アルコール類が好ましい。
【0084】
本発明で有用な脂肪酸類としては、約10〜約30個の炭素原子、好ましくは約12〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸類は、直鎖又は分岐鎖の酸類であることができ、飽和又は不飽和であることができる。好適な脂肪酸類としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、リノレン酸、エチルリノール酸、エチルリノレン酸、アラキドン酸及びリシノール酸が挙げられる。
【0085】
本明細書では脂肪酸誘導体類及び脂肪族アルコール誘導体類は、例えば、脂肪酸類のエステル類、アルコキシ化脂肪族アルコール類、脂肪族アルコール類のアルキルエーテル類、アルコキシ化脂肪族アルコール類のアルキルエーテル類及びこれらの混合物を含有するものとして定義される。脂肪酸誘導体類及び脂肪族アルコール誘導体類の非限定的例としては、例えばリノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸ブチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸オクチルドデシル、イソペラルゴン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸メチル及びオレス−2が挙げられる。
【0086】
市販の液体脂肪族アルコール類及び本発明で有用なこれらの誘導体類としては、新日本理化(Shin−nihon Rika)から商品名UNJECOL 90BHRとして入手可能なオレイルアルコール、シェール(Scher)から商品名SCHERCEMOLシリーズとして入手可能な種々の液体エステル類、並びに高級アルコール(Kokyu Alcohol)から商品名HISとして入手可能なイソステアリン酸ヘキシル及び商品名ZPISとして入手可能なイソステアリン酸イソプロピルが挙げられる。
【0087】
炭化水素
本発明で有用な炭化水素類としては、約25℃以下の融点を有していさえすれば、飽和型又は不飽和型のいずれにもなり得る、直鎖、環状及び分岐鎖炭化水素類が挙げられる。これらの炭化水素類は約12〜約40個の炭素原子、好ましくは約12〜約30個の炭素原子、そして好ましくは約12〜約22個の炭素原子を有する。本明細書には、Cアルケニルモノマー類のポリマー類などの、アルケニルモノマー類のポリマー炭化水素類もまた包含される。これらのポリマー類は、直鎖又は分岐鎖ポリマー類である。上記直鎖ポリマー類は、一般的には長さが比較的短く、上述のような総数の炭素原子を有している。上記分岐鎖ポリマー類は、実質的により長い鎖長を有することができる。このような物質の数平均分子量は、広範に変わり得るが、通常は約500g/モルまでで、好ましくは約200g/モル〜約400g/モルであり、より好ましくは約300g/モル〜約350g/モルである。本明細書では、種々の等級の鉱物油類もまた有用である。鉱物油類は、石油から得られる炭化水素類の液体混合物である。好適な炭化水素物質の特定な例としては、パラフィン油、鉱物油、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、エイコセン、イソエイコセン、トリデカン、テトラデカン、ポリブテン、ポリイソブテン及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書での使用には、鉱物油、イソドデカン、イソヘキサデカン、ポリブテン、ポリイソブテンなどのポリα−オレフィン油類及びこれらの混合物から成る群から選択される炭化水素類が好ましい。
【0088】
本明細書で有用なポリα−オレフィン油類は、約6〜約16個の炭素、好ましくは約6〜約12個の炭素原子を有する、1−アルケンモノマー類から誘導されるものである。ポリα−オレフィン油類の調製に有用な1−アルケンモノマー類の非限定例としては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの分岐鎖状異性体及びこれらの混合物が挙げられる。ポリα−オレフィン油類を調製するのに有用な好ましい1−アルケンモノマー類は、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン及びこれらの混合物である。本明細書で有用なポリα−オレフィン油類は、さらに、約1〜約35,000cpsの粘度、約200g/mol〜約60,000g/molの重量平均分子量、及び3以下の多分散性を有する。
【0089】
重量平均分子量が少なくとも約800g/molのポリα−オレフィン油類は本明細書で有用であり、長く続く潤いのある感触を毛髪に与える。しかし、重量平均分子量が約800g/mol未満のポリα−オレフィン油類もまた本明細書で有用であり、滑らかで、軽く、清潔な感触を毛髪に与える。本明細書で特に有用なポリα−オレフィン油類としては、モービル・ケミカル(MobilChemicalCo.)から、重量平均分子量が約500の商品名PURESYN6及び重量平均分子量が3000g/molを越える商品名PURESYN100として入手可能な、ポリデセン類が挙げられる。
【0090】
本発明で有用な市販の炭化水素類としては、プレスパース(Presperse)(米国、ニュージャージー州サウスプレインフイールド)から商品名PERMETHYL 99A、PERMETHYL 101A及びPERMETHYL 1082として入手可能なイソドデカン、イソヘキサデカン及びイソエイコセン、アモコケミカル(Amoco Chemicals)(米国、イリノイ州シカゴ)から商品名INDOPOL H−100として入手可能なイソブテンとノーマルブテンのコポリマー、ウィトコケミカル(Witco Chemicals)から商品名BENOLとして入手可能な鉱物油、エクソンケミカル(Exxon Chemical Co.)(米国、テキサス州ヒューストン)から商品名ISOPARとして入手可能なイソパラフイン、モービルケミカル(Mobil Chemical Co.)(米国、テキサス州ヒューストン)から商品名PURESYN 6として入手可能なポリデセンが挙げられる。
【0091】
シリコーン化合物
本明細書で有用なシリコーン化合物としては、揮発性で可溶性又は不溶性又は非揮発性で可溶性又は不溶性のシリコーンコンディショニング剤が挙げられる。可溶性とは、このシリコーン化合物が上記組成物のキャリアと、同一相の部分を形成するように混和可能であることを意味する。不溶性とは、このシリコーンが、キャリアと分離した不連続相を、例えばシリコーンの液滴のエマルション又は懸濁液の形式で形成することである。本明細書のシリコーン化合物は、エマルション重合を含めて、当該技術分野で既知の任意の好適な方法で製造することができる。このシリコーン化合物はさらに、機械的混合によって又はエマルション重合を通した合成段階で、アニオン界面活性剤類、非イオン界面活性剤類、カチオン界面活性剤類及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の助けにより又は助けなしに製造されるエマルションの形態で本発明の組成物に組み込むことができる。
【0092】
本明細書で用いるためのシリコーン化合物は、25℃で、好ましくは約1,000〜約2,000,000センチストークの粘度を有し、より好ましくは約10,000〜約1,800,000センチストーク、更により好ましくは約100,000〜約1,500,000センチストークである。上記粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート試験方法(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004(1970年7月20日)に記載のガラス毛管粘度計によって測定することができる。高分子量のシリコーン化合物はエマルション重合によって製造することができる。好適なシリコーン液体類としては、ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類及びこれらの混合物が挙げられる。ヘアコンディショニング特性を有する他の非揮発性シリコーン化合物を使用することもできる。
本明細書のシリコーン化合物には、以下の構造(I)をもつポリアルキル又はポリアリールシロキサン類もまた含まれる。
【0093】
【化23】
Figure 2004500393
【0094】
式中、R123はアルキル又はアリールで、xは約7〜約8,000の整数である。Zはシリコーン鎖の末端を保護する基を表す。シロキサン鎖(R123)上又はシロキサン鎖の末端Zにおいて置換されたアルキル又はアリール基は、次の条件であれば、すなわち結果として生成されるシリコーンが室温で液体であり、分散性で、毛髪に適用した時に刺激性や毒性もなければ有害性もなく、組成物中の他の成分と適合性があり、通常の使用及び保管条件において化学的に安定であり、毛髪に付着可能で、毛髪をコンディショニングすることができれば、任意の構造を有することができる。好適なZ基類としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシが挙げられる。シリコン原子上の2つのR123基は、同じ基を表していても、違う基を表していてもよい。2つのR123基が同じ基を表していることが好ましい。好適なR123基類としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコーンとしても知られているポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。使用できるポリアルキルシロキサン類としては、例えば、ポリジメチルシロキサン類が挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、ゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)(米国、ニューヨーク州ウオーターフォード)からビスカシル(Viscasil)(登録商標)及びSF96シリーズとして又はダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)(米国、ミシガン州ミッドランド)からダウ・コーニング(Dow Corning)200シリーズ及びBY22−067として入手可能である。
【0095】
ポリアルキルアリールシロキサン流体もまた使用することができ、例えば、ポリメチルフェニルシロキサン類が挙げられる。これらのシロキサン類は、例えばゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として又はダウコーニング(Dow Corning)から556コスメチックグレード流体として入手可能である。
毛髪の輝き特性を高めるには、高度にアリール化したシリコーン化合物、例えば約1.46以上、特に約1.52以上の屈折率を有する高度にフェニル化したポリエチルシリコーンなどが特に好ましい。これらの高屈折率のシリコーン化合物を使用する時は、以下に記載するように、これらを界面活性剤又はシリコーン樹脂のような展着剤と混合して、表面張力を低下させ、その物質の膜形成能を高めるべきである。
【0096】
使用できるシリコーン化合物としては、例えば、ポリプロピレンオキシド修飾ポリジメチルシロキサンが挙げられるが、エチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物もまた使用することができる。シリコーンの分散性特性に干渉しない程度に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの濃度は、十分に低くあるべきである。これらの物質はまた、ジメチコーンコポリオール類としても知られている。
他のシリコーン化合物としてはアミノ置換物質が挙げられる。好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物には、次の構造(II)によって表されるものが含まれる。
【0097】
【化24】
Figure 2004500393
【0098】
式中、R124はH、CH又はOHであり、p、p、q及びqは、その分子量に依存する整数で、この重量平均分子量はおよそ5,000〜10,000の間である。このポリマーはまた、「アモジメチコーン」としても知られている。これらのアモジメチコーンは、例えばダウ・コーニング(Dow Corning)からSM8704Cとして入手可能である。
好適なアミノ置換シリコーン流体類には式(III)で表されるものが含まれる。
(R1253−a−Si−(OSiGp3−(OSiG(R1252−bp4−O−SiG3−a(R125(III)
式中、Gは、水素、フェニル、OH、C〜Cアルキルから成る群から選択され、好ましくはメチルであり;aは0又は1〜3の整数を示し、好ましくは0に等しく;bは0又は1を示し、好ましくは1に等しく;p+pの合計は1〜2,000、好ましくは50〜150の数であり、pは0〜1,999の数を示すことができ、好ましくは49〜149であり、pは1〜2,000の整数を示すことができ、好ましくは1〜10であり;R125は式Cq32q3Lの一価のラジカルであり、式中qは2〜8の整数であり、Lは以下の基から選択される。
【0099】
−N(R126)CH−CH−N(R126
−N(R126
−N(R126X’
−N(R126)CH−CH−NR126X’
式中、R126は、水素、フェニル、ベンジル、飽和炭化水素ラジカル、好ましくは1〜20個の炭素原子を含むアルキルラジカル、から成る群から選択され、X’はハロゲンイオンを示す。
式(III)に対応する特に好ましいアミノ置換シリコーンは、R124がCHである「トリメチルシリルアモジメチコーン」として知られるポリマーである。 本発明において有用とされる他のアミノ置換型シリコーンポリマーには、式(V)で表されるカチオン性アミノ置換型シリコーンが含まれる。
【0100】
【化25】
Figure 2004500393
【0101】
式中、R128は一価の炭化水素ラジカルであって1個から18個までの炭素原子をもつもの、好ましくはメチルのようなアルキル基又はアルケニルラジカルを表す。R129は炭化水素ラジカル、好ましくはC〜C18アルキレンラジカル又はC〜C18、更に好ましくはC〜Cアルキレンオキシラジカルを表す。Qはハロゲンイオン、好ましくは塩素である。pは平均統計値で2から20まで、好ましくは2から8までを表す。pは平均統計値で20から200まで、好ましくは20から50までを表す。この種類の好ましいポリマーは、ユニオンカーバイド社から”UCAR SILICONE ALE 56”の商品名で入手可能である。
【0102】
好適な非揮発性分散シリコーン化合物を開示している参考文献としては、ジーン(Geen)によって発行された米国特許第2,826,551号;1976年6月22日ドラコフ(Drakoff)によって発行された米国特許第3,964,500号;1982年12月21日ペイダー(Pader)によって発行された米国特許第4,364,837号及びウールストン(Woolston)によって発行された英国特許第849,433号が挙げられる。1984年ペトラーチ・システムズ(Petrarch Systems, Inc.)出版の「シリコーン化合物(Silicon Compounds)」は、好適なシリコーン化合物の、限定的ではなく、広範な表を提供している。
【0103】
特に有用であるもう1つの不揮発性分散シリコーンはシリコーンゴムである。本明細書で使用するとき、用語「シリコーンゴム」は、25℃で1,000,000センチストークより大きいか又はこれに等しい粘度を有するポリオルガノシロキサン物質を意味する。本明細書に記載されているシリコーンゴム類はまた、上記で開示したシリコーン化合物とある程度重複し得ることが認められている。この重複はこれらの物質のいずれをも限定するものではない。シリコーンゴムについては、米国特許第4,152,416号(スピッツァー(Spitzer)ら、1979年5月1日発行);及びノル(Noll)、ウォルター(Walter)著の「シリコーンの化学と技術(Chemistry and Technology of Silicones)」(ニューヨーク:アカデミック・プレス(Academic Press)1968年)など、ペトラルカ(Petrarch)らによって記述されている。ゼネラル・エレクトリック・シリコーンラバー製品データシートSE30、SE33、SE54及びSE76もシリコーンゴムについて記載している。この「シリコーンゴム類」は、典型的に重量平均分子量約200,000以上であり、通常は約200,000と約1,000,000の間である。具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー及びこれらの混合物が含まれる。
【0104】
高度に架橋したポリマーシロキサン系のシリコーン樹脂類もまた有用である。この架橋は、シリコーン樹脂製造中に、一官能性シラン類又はニ官能性シラン類又はこれらの両方と共に、三官能性シラン類及び四官能性シラン類を組み入れることによって導入される。当該技術分野では良く理解されているように、シリコーン樹脂を得るのに必要な架橋の程度は、シリコーン樹脂に組み入れられる特定のシランユニットによって変動する。一般に、十分なレベルの三官能性及び四官能性のシロキサンモノマーユニットを有し、そしてそれ故に十分なレベルの架橋を有し、乾燥して堅くなるか又は硬質の皮膜になるシリコーン物質が、シリコーン樹脂であるとみなされる。酸素原子とケイ素原子の比は、特定のシリコーン物質での架橋レベルを表す。ケイ素1原子当たり少なくとも約1.1の酸素原子を有するシリコーン物質は、本明細書においては一般にシリコーン樹脂となる。
【0105】
好ましくは、酸素原子:ケイ素原子の比率は少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に用いられるシラン類としては、最も一般に利用されているメチル置換シラン類と共に、モノメチル−、ジメチル−、トリメチル−、モノフェニル−、ジフェニル−、メチルフェニル−、モノビニル−及びメチルビニルクロロシラン類及びテトラクロロシランが挙げられる。好ましい樹脂類は、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)からGESS4230及びSS4267として提供されている。市販のシリコーン樹脂類は、一般に、低粘度の揮発性又は非揮発性シリコーン流体中に溶解された形態で供給されることになる。本明細書で使用されるシリコーン樹脂類は、当業者にはすぐに明らかになるように、上記のような溶解した形態で、供給され、本発明の組成物中に組み入れられるべきである。理論に限定されるものではないが、これらのシリコーン樹脂類は、他のシリコーン化合物の毛髪への付着を高めることができ、そして高屈折率容量で毛髪の輝きを高めることが可能であると考えられている。
【0106】
その他の有用なシリコーン樹脂は、CTFAの呼称がポリメチルシルセキオキサンである物質のようなシリコーン樹脂粉末であり、トスパール(Tospearl)(登録商標)として東芝シリコーン(Toshiba Silicones)より市販されている。 これらシリコーン化合物の製造方法は、ポリマーの科学とエンジニアリング百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)15巻、第2版、204〜308ページ(ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、1989年)中に見ることができる。
【0107】
特にシリコーン物質類やシリコーン樹脂類は、「MDTQ」命名法として当業者に良く知られている省略命名システムに従って好都合に同定することができる。このシステムでは、当該シリコーンはそのシリコーンを構成する種々のシロキサンモノマーユニットの存在に従って記載される。簡単に述べると、記号Mは一官能性ユニット(CHSiO0.5を示し、Dはニ官能性ユニット(CHSiOを示し、Tは三官能性ユニット(CH)SiO1.5を示し、Qは四−又は四官能性ユニットSiO2を示す。ユニット記号、例えば、M´、D´、T´及びQ´のダッシュ記号は、メチル以外の置換基を表し、出てくる度に具体的に定義しなければならない。典型的な代替置換基としては、ビニル、フェニル、アミノ、ヒドロキシル等のような基が挙げられる。種々のユニットのモル比は、記号に対する下付き文字によりシリコーン内のユニットの各タイプの総数を示すか、又はこれらの平均を示すか、又は重量平均分子量との併用により、具体的に示された比として示すかであるが、このモル比により、MDTQシステムにおけるシリコーン物質の記述が完成する。シリコーン樹脂内のD、D’、M及び/又はM’に対する、T、Q、T’及び/又はQ’の相対的モル量がより高いことは、架橋レベルがより高いということを示している。しかし、前述のように、架橋の全体的なレベルはまた、酸素とケイ素の比によっても示すことができる。
【0108】
本明細書で有用な好ましいシリコーン樹脂類は、MQ、MT、MTQ、MQ及びMDTQ樹脂である。従って、好ましいシリコーン置換基はメチルである。M:Q比が約0.5:1.0〜約1.5:1.0で、樹脂の重量平均分子量が約1000〜約10,000であるMQ樹脂が特に好ましい。
本発明で有用な市販品として入手可能なシリコーン化合物としては、英国出願第2,303,857号に記載の通りダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)(米国ミシガン州ミッドランド)から入手可能な商標名D−130のジメチコーン、商標名DC2502のセチルジメチコーン、商標名DC2503のステアリルジメチコーン、商標名DC1664及びDC1784の乳化ポリジメチルシロキサン、並びに商標名DC2−2845のアルキルグラフト化コポリマーシリコーンエマルジョン、東芝シリコーン社(日本、東京)から入手可能な乳化重合ジメチコノール、ダウ・コーニングから入手可能な商標名DCQ2−1403のジメチコーン及びジメチジノールの混合物、並びに商標名DRQ2−1401のシクロメチコン及びジメチコノールの混合物が挙げられる。
【0109】
カチオン系ポリマー
本発明のヘアケア組成物は、1つまたはそれ以上のカチオン系ポリマーを含有することができる。本明細書で用いられる場合、用語「ポリマー」は、1つのタイプのモノマーの重合により作られるか、又は2つ(例えばコポリマー)又はそれ以上のタイプのモノマー類により作られた物質を含む。好ましくは、カチオン系ポリマーは水溶性カチオン系ポリマーである。本明細書で使用されるとき、用語「水溶性」カチオン系ポリマーとは、水に十分可溶であり、25℃の水(蒸留水又は同等の水)に0.1%の濃度で、肉眼で見て実質的に透明な溶液を形成するポリマーを指す。好ましいカチオン系ポリマーは、十分に可溶性であり、0.5%の濃度で、より好ましくは1.0%の濃度で実質的に透明な溶液を形成する。カチオン系ポリマーを使用する場合は、通常、組成物の重量に対して、約0.5%〜約5%の濃度であることが好ましく、更に好ましくは約1%〜約3%の濃度である。
【0110】
本発明におけるカチオン系ポリマー類は、一般に、重量平均分子量が少なくとも約5,000であり、典型的には約10,000〜約10,000,000のものである。重量平均分子量は約100,000〜約2,000,000が好ましい。カチオン系ポリマーは一般に、四級アンモニウム又はカチオン性アミノ部分及びこれらの混合物などの、カチオン性窒素含有部分を有することになる。
カチオン窒素含有部分はカチオンヘアコンディショニングポリマーの全モノマー単位の部分に置換基として通常存在する。このため、カチオン系ポリマーは、四級アンモニウム又はカチオン性アミン置換型モノマーユニット、及び本明細書においてスペーサーモノマーユニットと呼ばれる他の非カチオン性ユニットのコポリマー類やターポリマー類などを含んでもよい。このようなポリマー類は当該技術分野で既知であり、多種多様なものを、エストリン(Estrin)、クローズリィ(Crosley)及びヘインズ(Haynes)編集のCTFA化粧品材料事典、第3版(ワシントンD.C.米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)1982年)に見ることができる。
【0111】
カチオン系ポリマーのカチオン電荷密度は、好ましくは少なくとも約0.1ミリ当量/g、より好ましくは少なくとも約0.5ミリ当量/g、さらに好ましくは少なくとも約1.1ミリ当量/g、さらにより好ましくは少なくとも約1.2ミリ当量/gである。カチオン系ポリマーのカチオン電荷密度は、ケールダール法(Kjeldahl Method)によって測定することができる。アミノ含有ポリマー類の電荷密度がpH及びアミノ基の等電点に応じて変わり得ることは、当業者には認識されよう。電荷密度は意図された用途のpHで、上述の限度内であるべきである。
水溶性の基準を満たす限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン系ポリマーのために利用することができる。好適な対イオンとしては、例えば、ハロゲン化物(例えば、Cl、Br、I又はF、好ましくはCl、Br又はI)、硫酸塩及び硫酸メチルが挙げられる。
【0112】
好適なカチオン系ポリマー類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミド及びジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミド及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン及びビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマー類をもつ4級アンモニウム官能基類又はカチオン性アミンを有するビニルモノマー類のコポリマー類が挙げられる。カチオン性アミン類は、特定の種及び組成物のpHにより、一級、二級又は三級アミン類であってもよい。一般に、二級及び三級アミン類、特に三級アミン類が好ましい。アルキル置換モノマー及びジアルキル置換モノマーは、好ましくはC〜Cアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基を有する。他の好適なスペーサーモノマー類としては、ビニルエステル類、ビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解によって得られる)、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールが挙げられる。
【0113】
アミン置換型ビニルモノマー類をアミン形態で重合させてもよく、その後任意に、四級化反応によってアンモニウムに変換させてもよい。アミン類はまた、ポリマーの形成に続いて、同様に四級化させてもよい。例えば、三級アミン官能基類は式R’Xの塩との反応によって四級化することができ、式中、R’は短鎖アルキルで、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキルであり、Xは四級化アンモニウムとともに水溶性の塩を生成するアニオンである。
【0114】
好適なカチオン性アミノ及び四級アンモニウムモノマー類としては、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩類で置換されたビニル化合物、及び、ピリジニウム、イミダゾリウム及び四級化ピロリドンなどの環状カチオン性窒素含有環を有するビニル四級アンモニウムモノマー類、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩類が挙げられる。これらのモノマーのアルキル部分は、好ましくはC〜Cのアルキル基、より好ましくはCアルキル基及びCのアルキル基のような低級アルキル基である。本明細書において使用する好適なアミン置換ビニルモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド及びジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドが挙げられ、ここでアルキル基は好ましくはC〜Cヒドロカルビル、より好ましくはC〜Cアルキルである。
【0115】
本明細書で有用なカチオン系ポリマー類は、アミン及び/又は四級アンモニウム置換型モノマーから得られるモノマーユニット及び/又は適合性のあるスペーサーモノマー類の混合物を含んでもよい。
好適なカチオン系ヘアコンディショニングポリマー類としては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば塩化物塩)のコポリマー類(業界では「CTFA」すなわち米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association)により、ポリクアテルニウム−16と呼ばれる)であって、BASFワイアンドット社(BASF Wyandotte Corp.)(米国、ニュージャージー州パーシッパニー)より商品名LUVIQUAT(例えばLUVIQUAT FC370)として市販されているもの;1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー類(業界ではCTFAにより、ポリクアテルニウム−11と呼ばれる)、例えば、ガフ社(Gaf Corporation)(米国、ニュージャージー州ウェイン)より商品名GAFQUAT(例えばGAFQUAT755N)として市販されているもの;カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー類であって、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー(業界(CTFA)では、ポリクアテルニウム−6と呼ばれる)及びアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(業界(CTFA)では、ポリクアテルニウム−7と呼ばれる)を含むもの;及び3〜5の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマー及びコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩類であって、1977年2月22日ノヴァック(Nowack)他によって発行された米国特許第4,009,256号に記載のものが挙げられる。
【0116】
他の有用なカチオン系ポリマー類としては、カチオン性セルロース誘導体類、及びカチオン性スターチ誘導体類のような、カチオン系多糖類ポリマー類が挙げられる。本発明での使用に好適なカチオン性多糖類ポリマー材料としては次の式のものが挙げられる。
【0117】
【化26】
Figure 2004500393
【0118】
式中、Aはデンプン又はセルロースの無水グルコース残留のような無水グルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン又はヒドロキシアルキレン基又はこれらの組み合わせであり、R、R及びRは独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリールの基であって、各基は約18個までの炭素原子を含有し、各カチオン部分に対する炭素原子合計数(すなわちR、R及びRの炭素原子の合計)は好ましくは約20個以下で、Xは既に述べたようにアニオン性対イオンである。
【0119】
カチオン系セルロースは、アメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エディソン)からポリマー類のシリーズであるポリマーJR(登録商標)及びLR(登録商標)として、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させた塩として入手可能であり、業界(CTFA)ではポリクアテルニウム(Polyquaternium)10と呼ばれている。別のタイプのカチオン系セルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロースとラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたポリマー四級アンモニウム塩類、業界(CTFA)ではポリクアテルニウム(Polyquaternium)24と呼ばれるものが挙げられる。これらの物質は、アメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エディソン)から商品名ポリマーLM−200(Polymer LM−200)(登録商標)として入手可能である。
【0120】
他の使用可能なカチオン系ポリマー類としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(セラニーズ社(Celanese Corp.)のジャガー(Jaguar)Rシリーズとして市販されている)のようなカチオン系グアーゴム誘導体類が挙げられる。他の物質としては、四級窒素含有セルロースエーテル類(例えば米国特許第3,962,418号に記載されているもの、参照として本明細書に組み入れる)及びエーテル化セルロースとデンプンのコポリマー(例えば米国特許第3,958,581号に記載されているもの、参照として本明細書に組み入れる)が挙げられる。
【0121】
他の追加成分
本明細書のヘアケア組成物は、さらに他の追加成分を含んでもよく、それは最終製品の所望の特性に従って技術者によって選択されてよく、組成物をより美容的又は審美的に満足にさせるために、又はさらなる使用利益をもたらすために好適なものである。
【0122】
本発明の組成物に配合してもよい好ましい他の追加成分のさらなる例としては、ホーメル(Hormel)から商品名ペプチン(Peptein)2000として入手可能な加水分解コラーゲン、ロシュ(Roche)から入手可能なパンテノール、ロシュ(Roche)から入手可能なパンテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質類、ポリゴナタム・マルチフローリ(Polygonatum multiflori)抽出物のような植物抽出物及び栄養剤などの他のコンディショニング剤;エーザイ(Eisai)から商品名Eミックス−d(Emix−d)で入手可能なビタミンE、チロシンメチルエーテル、ヒスチジン及び塩酸リジンのようなビタミン類及び/又はアミノ酸類、;カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物のような界面活性剤;ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素のような防腐剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムのようなpH調整剤;酢酸カリウム及び塩化ナトリウムのような一般的な塩;FD&C又はD&C染料のような任意の着色剤;過酸化水素、過ホウ酸塩及び過硫酸塩のような毛髪酸化(漂白)剤;チオグリコレートのような毛髪還元剤;香水;エチレンジアミン四酢酸ニナトリウムのような金属イオン封鎖剤;蛍光漂白剤及びサリチル酸オクテルのような紫外線及び赤外線スクリーニング及び吸収剤;亜鉛ピリチオン、ピロクトンオラミン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン及びサリチル酸のような抗フケ剤が挙げられる。
【0123】
製造工程
本発明のヘアケア組成物は、当技術分野において既知の任意のプロセスにより簡便かつ安価に製造でき、好ましくはポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンをゲルマトリックスと同時に、又はゲルマトリックスが好適な相条件に達した後、組み合わせることにより製造される。極めて好ましいゲルマトリックスを形成するためには、通常水を少なくとも約70℃まで、好ましくは約80℃〜約90℃まで加熱する。カチオン界面活性剤及び固体脂肪族化合物を水と組み合わせて、混合物を形成する。ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンを、この手順で、安定度を向上させた組成物に添加することもできる。混合物の温度を、好ましくは、カチオン界面活性剤の融点と、固体脂肪族化合物の融点の両方よりも高く保持し、混合物全体を均質化する。固形物が見られなくなるまで混合した後、この混合物を徐々に(例えば、約2℃/分の速度で)60℃以下まで、好ましくは約55℃未満まで冷却する。この緩やかな冷却工程において、約55℃と約75℃の間に、顕著な粘度の増加が観察される。これはきわめて好ましいゲルマトリックスが形成されたことを示す。あるいは、ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンをこの段階で、任意の他の付加的成分とともに添加し、ゲルマトリックスと混合させ、室温に冷却することもできる。
ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンを含有する、上述のプロセスによって製造されたヘアケア組成物は、良好な安定度及び優れた性能を有する。
【0124】
使用方法
本発明のヘアケア組成物は、例えば、ヘア化粧品組成物、ヘアスタイリング組成物、残留型及び/又は洗い流し型ヘアコンディショニング組成物としての使用に好適である。これらのヘアケア組成物は従来の方法で使用されるとき、本発明の、調湿、洗浄性、スタイリング及び/又はその他の利益を提供する。このような使用方法は使われている組成物のタイプによるが、一般には毛髪に対する製品の有効量の適用を含み、この有効量はその後毛髪から洗い流してもよく(ヘアリンスの場合のように)、毛髪上に残したままにしてもよい(ゲル、ローション及びクリームの場合のように)。「有効量」とは、かさばった毛髪を減少させる望ましい利益を提供するのに十分な量を意味する。一般に、約1g〜約50gが毛髪及び/又は頭皮に適用される。この組成物は、通常毛髪及び頭皮をこするか又はマッサージすることによって毛髪全体に行き渡らせることができ、又は毛髪の一部分に選択的に適用させることができる。この組成物は、濡れた又は湿った毛髪に適用し、毛髪を乾燥させる前に十分な水で洗い流すことが好ましい。このような組成物を毛髪に適用した後、使用者の好みに応じて、毛髪を乾かし、整える。別の方法では、ヘアスタイリング組成物のように、乾燥した毛髪に適用してもよく、その後使用者の好みに応じて毛髪を櫛で梳かすか又は整える。
【0125】
画像解析プロトコール
画像解析プロトコールは、次々に毛髪全体の面積を形成している、かさばった毛髪面積とはねた毛髪面積の成分を、デジタル測定し解析するために設計されたシステム及び手順である。このプロトコールは、ヘアケア組成物による処理の前後で、毛髪全体の面積、はねた毛髪面積及びかさばった毛髪面積の、正確な識別、測定及び比較をするための、定量可能で再現可能な方法を提供する。この毛髪全体の面積、はねた毛髪面積及びかさばった毛髪面積は、それぞれ直接に、毛髪全体のボリューム、はねた毛髪のボリューム及びかさばった毛髪のボリュームと関係している。本発明のヘアケア組成物は、かさばった毛髪の面積を顕著にめだって減少させ、以下に述べる方法で測定すると、少なくとも約10%減少させることが好ましい。本発明のヘアケア組成物は、毛髪の面積の3つのタイプの全てで、顕著でめだった減少をもたらすことが好ましく、すなわち以下に述べる方法で測定した時、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約15%減少させ、はねた毛髪の面積を少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%減少させ、毛髪全体の面積を少なくとも約12.5%、より好ましくは少なくとも約20%減少させる。
【0126】
かさばった毛髪面積の減少は、扱いやすさを高め及び/又は梳かしやすさを向上させるような、1つ以上の消費者が望む顕著な利益と関係していることがわかっている。例えば、かさばった毛髪面積の減少は毛髪の潤いと相互に関連し、この潤いのある毛髪は、乾燥した毛髪より柔らかく、より可塑性があり、滑らかで、また柔軟性があると考えられている。毛髪に潤いがあると、毛髪が他の毛髪と共によりよく整列し、個々の毛髪間の空間がより少なくなるので、かさばった毛髪面積が減少する。潤いのある毛髪はまた、より梳かしやすく扱いやすい。
【0127】
図面を参照すると、図1は、本明細書で有用な画像解析システムの好ましい実施形態の平面図を示す。この画像解析システム10は、白色スクリーン12、照明装置14、試料ホルダー16、高解像度デジタルカメラ18及びパーソナルコンピューター20から成る。試料ホルダー16を白色スクリーン12と高解像度デジタルカメラ18の間に置く。試料ホルダー16は、通常、白色スクリーン12の約40cm前で毛髪試料22を安定に吊るすクリップ又はクランプである。試料ホルダー16は、通常、高解像度デジタルカメラ18から約80cmのところにあり、撮影された画像に写らないように高解像度デジタルカメラの視野より上方に設置する。
【0128】
白色スクリーン12は、マットな仕上がり(例えばノングレア)の白色のスクリーンであり、これに照明を当てて、毛髪試料22を測定するときの、一定した再現可能な背景を提供する。かさばった毛髪面積とはねた毛髪面積の差は画像の輝度により判断されるため(下記参照)、毛髪試料は一定の輝度を有する背景の前で写真撮影することが重要である。図1に見られるように、好ましい照明装置14は、試料の各側面に位置する二つの写真撮影用ライトと、白色スクリーンに向いたポインティングとから構成される。これらの各ライトは好ましくは、照明器具の中に取付けられた二つの蛍光管ライトであり、通常試料ホルダー16の側面まで約20cm〜約60cmにある。このため、高解像度デジタルカメラ18から見えないように、ライトは毛髪試料22から十分離して置かれている。これにより、撮影された画像には確実に毛髪試料22の画像のみが含まれ、例えば照明装置14の背面は含まれないことになる。従って、照明装置14が撮られる写真に干渉したり、妨害したりすることはない。またこのような構成では、毛髪試料22は照明装置14によって直接的に照明されない。その代わり、光はまず白色スクリーン12で反射し、次いで毛髪試料22を通過して、高解像度デジタルカメラ18に達する。この高解像度デジタルカメラ18は、白色スクリーン12ではなく毛髪試料22に焦点を合わせる。使い易くするために、高解像度デジタルカメラ18をパーソナルコンピューター20に接続し、撮影した画像を自動的にコンピュータの画像処理ソフトに転送する。このような配置により、毛髪試料22のプロファイルの正確な写真が得られ、毛髪試料22の測定や解析の支障となり得る、いかなるグレア及び/又は影も回避される。
【0129】
好ましくは、画像解析システムを気流又は毛髪試料を乱し得る他の力から離して設置するべきであり、確実に再現性のある結果を得るために、管理された温度及び湿度環境の中に置かれる。高解像度デジタルカメラ(例えば富士フイルム(Fujifilm Co.)(日本、東京)のモデルHC−2500 3−CCD)は、少なくとも、水平方向1280ピクセル及び垂直方向1000ピクセルの解像度を有する。高解像度デジタルカメラをリニアゲインに較正し、全輝度における増分(8ビット、0〜255輝度スケール)を等しくする。このような較正は、例えば、標準グレースケール較正セル及び/又は高解像度デジタルカメラ内部のルック・アップ・テーブル(LUT)を利用して行うことができる。較正の目的のため、白色スクリーン(照明装置により照明されている場合)は、約245より高い輝度、好ましくは約250〜約255の輝度を必要とする。
【0130】
代表的な毛髪試料は、15cm(5g)の、アジア人の黒色直毛のヘアピース(カワムラヤ(Kawamuraya Co.)(日本、大阪)より入手可能)又は白人の茶色直毛のヘアピース(インターナショナル・ヘアー・インポーターズ・アンド・プロダクツ社(International Hair Importers & products Inc.)(米国、ニューヨーク州ベルローズ)より入手可能)から成る。白色スクリーンに対するコントラストがより容易に観察できるので、アジア人の黒色直毛ヘアピースが好ましい。黒色ヘアピースを用いた場合には、画像解析プロトコールを用いた測定は、顕著により簡単で、より再現可能である。しかし本発明の毛髪面積減少の利益、及びそれに関連する毛髪のボリューム減少の利益は、すべてのタイプのヘアピースに適用可能である。さらに、ヘアピースで得られた結果は、人が実際に使用する際に得られた結果と同等であることがわかっている。
【0131】
毛髪試料は以下のように調製する:
1)毛髪試料を温水(38℃)で30秒間濡らす。
2)1mlのラウリル硫酸アンモニウム溶液を毛髪試料に適用し、30秒間泡立てる。
3)毛髪試料を60秒間洗い流す。
4)毛髪試料を温水に24時間浸す。
5)1mlのラウリル硫酸アンモニウム溶液を毛髪試料に適用し、30秒間泡立てる。
6)毛髪試料を30秒間洗い流す。
7)1mlのラウリル硫酸アンモニウム溶液を毛髪試料に適用し、30秒間泡立てる。
8)毛髪試料を60秒間洗い流す。
9)処理された毛髪試料に対し:この毛髪試料に試験されるヘアケア組成物1mlを適用する。
10)処理された毛髪試料に対し:毛髪試料を10秒間洗い流す。
11)毛髪試料の前側を5回櫛で梳かす。
12)毛髪試料の後ろ側を5回櫛で梳かす。
13)毛髪試料から余分な水を搾り出し、断面を丸くする。
14)毛髪試料を21℃/65%相対湿度の部屋に放置し、24時間乾燥させる。
15)これで画像解析システムによる測定のための毛髪試料を準備する。
【0132】
手順9及び10は、単に、処理された毛髪試料に対して行う。かさばった毛髪面積、はねた毛髪面積及び毛髪全体の面積上のヘアケア組成物の効果を比較するために、毛髪試料の「未処理写真」を先ず撮影し、次いで「処理後の写真」を撮影する。次いで、写真に示される、未処理及び処理後のかさばった毛髪面積、はねた毛髪面積及び毛髪全体の面積を比較する。通常、同じヘアピースをまず未処理毛髪試料として使用し、次いで上述の手順に従って、処理後の毛髪試料として使用する。同じヘアピースを用いることにより、試料間のばらつきを最小限にする。
一旦毛髪試料22(処理済又は未処理のいずれか)を調製したら、それを白色スクリーン12の前の試料ホルダー16上に置く。高解像度デジタルカメラ18と毛髪試料22との距離は、処理済みと未処理の写真の両方に対して同じにすべきである。未処理及び処理済の両方の写真について、毛髪試料の最も幅の広いプロファイル(毛髪試料の下端による)が高解像度デジタルカメラで撮影されるように、毛髪試料を配置する。この配置は毛髪の頭への配列のしかたに似せているため、処理後の毛髪面積(及び毛髪のボリューム)に対する効果を最も正確に見ることができる。これはまた、かさばった毛髪面積の減少、はねた毛髪面積の減少及び/又は毛髪全体の面積の減少効果の正確な測定を保証する。
【0133】
一旦毛髪が本質的に動かなくなったら、高解像度デジタルカメラ18によって8ビットのグレー・スケールの写真を撮影する。通常、高解像度デジタルカメラ18は、各ピクセルに0(完全な黒)〜255(完全な白)の輝度を割り当てる。次いでこの写真をパーソナルコンピューター20に転送する。別の方法としては、あまり好ましくないが、パーソナルコンピューターで各ピクセルに0〜255の輝度を割り当ててもよい。このような写真は「取り込み画像」とも呼ばれ、後で参照できるように、電子的に、例えばTIFF(タグ付きイメージファイル形式)ファイルとして保存することができる。この取り込み画像では、各毛髪試料は、白色背景上に灰色〜黒色として現れる。次いで、画像処理ソフト(例えば、メディアサイバネティクス(MediaCybernetics)(米国、メリーランド州シルバースプリングス)のオプティマス(Optimas)バージョン6.2(v.6.2)として入手可能)で、取り込み画像をピクセルごとに解析する。画像処理ソフトは、カメラにより各ピクセルに割り当てられた輝度を用いて、各ピクセルを黒色(輝度=0〜120)、灰色(輝度=121〜235)又は白色(輝度=236〜255)のいずれかに分類する。次いで、画像ソフトによって、黒色の線で境界付けられた最も大きな連続領域として、取り込み画像の中で「かさばった毛髪」を定義する。「はねた毛髪」は、1またはそれ以上の灰色の線で区切られた、黒色、灰色及び白色領域として定義される。画像処理ソフトに関して本明細書で使用されるとき、用語「区切られた」は、指定された陰影の少なくとも1つの線で参照領域が完全に取り囲まれることを指す。
【0134】
画像処理ソフトウェアは、各領域の面積を、通常cmにより計算して、かさばった毛髪面積と、はねた毛髪面積を算出する。毛髪全体の面積は、かさばった毛髪面積と、はねた毛髪面積の合計である。こうして、かさばった毛髪面積及び/又ははねた毛髪面積の、毛髪全体の面積に対するパーセンテージもまた計算することができる。好ましい実施形態では、画像処理ソフトは自動的に未処理の全体の毛髪面積を1.0の値に等しく設定し、それに従って他の値を標準化する。画像処理ソフトはまた、容易に参照できるように、かさばった毛髪面積及び/又ははねた毛髪面積の輪郭を描いたり及び/又はカラーコードを付けることができる。
【0135】
処理後の毛髪のボリュームの減少は、未処理と処理後の毛髪試料の解析から得られたデータの比較に基づいている。未処理の毛髪全体の面積(UTA)、未処理のかさばった毛髪面積(UBA)、及び未処理のはねた毛髪面積(UFA)に対して毛髪面積を計算する。次いでこれらを、処理後の毛髪全体の面積(TTA)、処理後のかさばった毛髪面積(TBA)及び処理後のはねた毛髪面積(TFA)に対して計算された毛髪面積と比較する。処理後のかさばった毛髪面積の減少は、かさばった毛髪のボリュームの減少に相当し、以下の式により計算する:
かさばった毛髪面積の減少=100*[1−(TBA/UBA)]
同様に、処理後のはねた毛髪面積のパーセントの減少は、はねた毛髪のボリュームの減少に相当し、以下の式に従って計算する:
はねた毛髪面積の減少=100*[1−(TFA/UFA)]
処理後の毛髪全体の面積のパーセントの減少は、毛髪全体のボリュームの減少に相当し、以下の式に従って計算する:
全体の毛髪面積の減少=100*[1−(TTA/UTA)]
特定のヘアケア組成物(又はコントロール)は、一般に、少なくとも3つの別個の毛髪試料で試験する。次いで、かさばった毛髪面積の減少、はねた毛髪面積の減少及び毛髪全体の面積の減少を、各毛髪試料について計算し、かさばった毛髪面積の減少の平均、はねた毛髪面積の減少の平均及び毛髪全体の面積の減少の平均を計算する。
【0136】
画像解析プロトコールの好ましい実施形態では、未処理と処理後のそれぞれの毛髪試料について、2枚の写真を撮影する。1枚目の画像は毛髪試料の最大幅の輪郭に相当し、2枚目の画像は毛髪試料の最小幅の輪郭に相当する。この最小幅の輪郭は、典型的には最大幅の輪郭から90°回転されたものである。その後、未処理のかさばった毛髪面積、処理後のかさばった毛髪面積などについて平均値を計算する。次いでこのような平均値を上記の式に適用する。このような手順は、本来の外形又は洗浄のために、わずかに曲がっている毛髪試料に特に有用である。
【0137】
(実施例)
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに述べ、実施するものである。これらの実施例は単に説明の目的で示されるもので、本発明を制限するものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が実施可能である。成分は、化学名によって特定し、そうでない場合は以下のように定義する。
【0138】
(実施例1)
ヘアコンディショニング組成物は以下の方法で調製する。
好適なキャリアは水性ゲルマトリックスであり、これは以下の通り形成される:81%の脱イオン水を85℃まで加熱し、そしてTh.ゴルトシュミットAGから入手可能な1%のPEG−5コカミン、日光ケミカルから入手可能な2%のステアラミドプロピルジメチルアミン及び味の素から入手可能な1.4%のL−グルタミン酸を、新日本理科(Shin−nihon Rika)からの3.6%セチルアルコール及び6.4%のステアリルアルコールと混合する。諸成分が均質化し、固体が観察されなくなるまで、水性キャリアを約5分間、温度約85℃に維持する。次いで、水性キャリアを約55℃まで冷却し、ゲルマトリックスが形成されるまでこの温度に維持する。高級アルコール工業社(Koukyu Alcohol Kogyo Co.)から入手可能なペンタエリスリチルテトライソステアレートのようなエステル油類もゲルマトリックスに混合される。
【0139】
三洋化成(Sanyo Kasei)から入手可能な2%PPG−34(分子量=2,000)をゲルマトリックスと混合し、15分間一定の攪拌とミルを行って、確実に均質化する。例えば、ガム及び商品名BY22−072(ダウコーリング(Dow Corning))の20cs流体混合のエマルジョンなどのシリコーン又はシリコーンエマルジョンもこの段階で添加することができる。ゲルマトリックスを、この期間約50℃に維持する。均質化した後、室温まで冷却して、包装し、保管する。香料及び防腐剤もまたヘアケア組成物に添加する。
この組成物は、次の各毛髪面積の減少をもたらす:画像解析プロトコールによる測定で、はねた毛髪面積31%の減少、かさばった毛髪面積17%の減少、毛髪全体の面積22%の減少。
【0140】
(実施例2〜7)
以下のヘアケア組成物を、本明細書に記載の方法により、形成する:
【0141】
【表1】
Figure 2004500393
【0142】
【表2】
Figure 2004500393
【0143】
成分の定義
*1 PEG−5コカミン:バロニック(Varonic)K−205(Th.ゴールドシュミット(Goldschmidt)AGから入手可能)
*2 PEG−5オレイルアミン:バロニック(Varonic)Q−205(Th.ゴールドシュミット(Goldschmidt)AGから入手可能)
*3 PPG−34:ニューポール(New Pol)PP−2000(三洋化成(Sanyo Kasei)から入手可能)
*4 PPG−26:ポリグリコールP−2000(ダウケミカル(Dow Chemical)から入手可能)
*5 PPG−30:ポリグリコールP−4000(ダウケミカル(Dow Chemical)から入手可能)
*6 オレイルアルコール:UNJECOL 90BHR(新日本化学(New Japan Chemical)から入手可能)
*7 カプリル酸/カプリル酸トリグリセリド:ミグルヨール(Miglyol)812(ヒュールス(Huls)AGから入手可能)
*8 ペンタエリスリチルテトライソステアレート:KAK P.T.I.(高級アルコール工業(Koukyu Alcohol Kogyo Co.)から入手可能)
*9 鉱物油:BENOL(ウィトコ(Witco)から入手可能)
*10 ステアラミドプロピルジメチルアミン(イノレックス(Inolex)から入手可能)
*11 L−グルタミン酸(味の素(Ajinomoto)から入手可能)
*12 乳酸(昭和化工Showa Kako)から入手可能)
*13 塩化ベヘントリモニウム;VarisoftBT85(ウィトコ(Witco)から入手可能)
*14 塩化ステアリルトリモニウム:VarisoftTSC(ウィトコ(Witco)から入手可能)
*15 塩化セトリモニウム:VarisoftCTB40(ウィトコ(Witco)から入手可能)
*16 塩化ジステアリルジモニウム:VarisoftTA100(ウィトコ(Witco)から入手可能)
*17 セチルアルコール:KONOLシリーズ(新日本化学(New Japan Chemical)から入手可能)
*18 ステアリルアルコール:KONOLシリーズ(新日本化学(New Japan Chemical)から入手可能)
*19 ジメチコーンガム/流体混合(fluid blend):BY22−067(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能)
*20 アモジメチコーンエマルジョン:SM8704C(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能)
*21 シクロメチコーン及びジメチコーン:D5シクロメチコーン及びジメチコーンガムの85%/15%混合(約400,000〜約600,000の重量分子量)(ゼネラル・エレクトリック(General Electric Co.)から入手可能)
*22 ジメチコーン及びジメチコノール:DCQ2−1403(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能)
*23 シクロメチコーン/ジメチコノール:DCQ2−1401(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能)
*24 ヘキシレングリコール:三井東圧(Mitsui Toatsu)から入手可能なヘキシレングリコール)
*25 ポリエチレングリコール200:カーボワックス(Carbowax)PEG200(ユニオンカーバイド(Union Carbide)から入手可能)
*26 メトキシけい皮酸オクチル:パラソール(Parasol)MCX(ロシュ(Roche)から入手可能)
*27 ビタミンE:Eミックス−d(Emix−d)(エーザイ(Eisai)から入手可能)
*28 DL−パンチル:パンチル(Pantyl)(ロシュ(Roche)から入手可能)
*29 DL−パンテノール:パンテノール(Panthenol)(ロシュ(Roche)から入手可能)
先行の実施例により開示され、示された実施形態には多くの利点がある。例えば、これらの組成物は次のように毛髪面積を減少させることができる:画像解析プロトコールによる測定で、はねた毛髪の面積を少なくとも20%減少、かさばった毛髪の面積を少なくとも10%減少、毛髪全体の面積を少なくとも12.5%減少させる。これらの組成物は簡便な製造方法で作ることができる。
【0144】
本明細書の実施例や実施形態は説明の目的のみのために記載されるものであり、これらを考慮して、本発明の精神や範囲から逸脱することなく、種々の修正又は変更が当業者に示唆されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像解析システムの好ましい実施形態の平面図である。

Claims (9)

  1. (a)次式(I)、(II)
    Figure 2004500393
    Figure 2004500393
    (式中、各Rは独立して1〜約30個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、R’は1〜約4個の炭素原子を有する飽和型、不飽和型、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、各mは2又は3であり、各nは2又は3であり、各x及び各yは独立して1以上の数であり、各xと各yの合計が約3〜約9であり、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、グルタミン酸イオン、アスパラギン酸イオン及びこれらの混合物から成る群から選択される安全で好適な任意の塩形成アニオンである)で表わされ、その融点が約45℃未満であるポリアルキレングリコール(n)アルキルアミン又はこれらの混合物、及び
    (b)好適なキャリア
    を含み、
    画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%減少させるヘアケア組成物。
  2. 画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%減少させ、はねた毛髪の面積を少なくとも約20%減少させ、毛髪全体の面積を少なくとも約12.5%減少させる請求項1に記載のヘアケア組成物。
  3. 前記ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンが、式(I)から選択され、更に、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、L−アスパラギン酸及びこれらの混合物から成る群から選択される酸を含み、前記ポリアルキレングリコール(n)アルキルアミンと前記酸からのHとのモル比が、好ましくは約1:0.3〜1:1.2である請求項1に記載のヘアケア組成物。
  4. Rが約8〜約22個の炭素原子を有する飽和アルキル基であり、mが2であり、x及びyの合計が3〜7であり、好適なキャリアが水性キャリアである請求項1に記載のヘアケア組成物。
  5. 前記組成物が、アニオン系界面活性剤を実質的に含まず、アニオン性部分を含む膜形成ポリマーを実質的に含まない請求項1に記載のヘアケア組成物。
  6. 前記組成物が、約5000〜約40000cpsの粘度を有する請求項1に記載のヘアケア組成物。
  7. 画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約15%減少させ、はねた毛髪の面積を少なくとも約30%減少させ、毛髪全体の面積を少なくとも約20%減少させる請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
  8. 請求項1に記載のヘアケア組成物を毛髪に適用する手順を含み、画像解析プロトコールに従って、かさばった毛髪の面積を少なくとも約10%減少させる方法。
  9. 更に、過剰量の水で毛髪をすすぐ手順及び毛髪を乾燥させる手順を含む請求項8に記載の方法。
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