JP2004500350A - 標的分子に対するリガンドを同定する方法 - Google Patents
標的分子に対するリガンドを同定する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004500350A JP2004500350A JP2001541020A JP2001541020A JP2004500350A JP 2004500350 A JP2004500350 A JP 2004500350A JP 2001541020 A JP2001541020 A JP 2001541020A JP 2001541020 A JP2001541020 A JP 2001541020A JP 2004500350 A JP2004500350 A JP 2004500350A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seq
- peptide
- ligand
- target
- complex
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K7/00—Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K7/04—Linear peptides containing only normal peptide links
- C07K7/06—Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K7/00—Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K7/04—Linear peptides containing only normal peptide links
- C07K7/08—Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
標的(例えば、ウイルス上に存在する標的)と相互作用するリガンドは、儀陽性の相互作用(特異的または非特異的)が、その標的特異的相互作用と区別される場合に、より容易に同定され得る。標的に結合する表面に固定したリガンドのライブラリーをスクリーニングするための改善された方法を提示する。この方法は、多くの異なるリガンドについて、同じ表面に固定したライブラリーの複数回のスクリーニングに使用され得る。1つの局面において、本発明は、20アミノ酸未満の長さであり、そしてPPV結合ドメイン、HAV結合ドメインおよびプリオン結合ドメインからなる群より選択される配列を含む、ペプチドである。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的には、標的に結合するリガンド(例えば、ポリペプチド、ペプチド、およびポリヌクレオチド)を同定するための方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
多くの生物学的なプロセスは、1つの高分子の、第2の分子への結合を必要とする。第2の分子は、しばしば、第1の分子のリガンドと呼ばれる。標的分子とリガンドとの間の相互作用が、免疫認識、細胞のシグナル伝達および情報伝達、転写および翻訳、細胞内シグナル伝達、ならびに酵素による触媒のような、生物学的なプロセスにおいて重要であり得る。結果として、所定の分子のリガンドを同定することにかなりの目的が存在する。このようなリガンドのアゴニストまたはアンタゴニストを同定することもまた、目的である。
【0003】
ポリマー性の生物学的試験化合物または合成試験化合物のライブラリーが、しばしば、生物学的に活性な分子についてのリガンドを同定するために使用される。現在は、高スループットスクリーニング技術が、生物学的標的についてのリガンド分子を迅速に同定し、最適化するために、化合物ライブラリー(分子生物学的または組換え化学技術、および他の高スループットの合成方法のいずれかによって得られる)の合成と組み合わせられる。
【0004】
多くの生物学的なリガンドは、タンパク質またはペプチドであるので、推定されるリガンドのライブラリーは、代表的には、ペプチドの設計および合成を含む。他のライブラリーは、ポリマー性の化合物(例えば、ペプチド様オリゴマー化合物)および低分子有機(非オリゴマー)化合物を含み得る。
【0005】
所定の標的のリガンドについてライブラリーをスクリーニングするための現在の方法は、高いバックグラウンドによって妨害され得る。これらのバックグラウンドのレベルは、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに対する標的以外の因子の結合に関係し得る。これらの因子は、リガンドのライブラリーをプローブするために使用されるスクリーニング溶液中に、標的とともに存在し得る。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、リガンドライブラリーをスクリーニングするための、迅速な、高感度な、そして再使用が可能な方法の発見に、一部基づく。この方法は、リガンドと標的との間の特異的な結合とスクリーニング溶液中の因子へのリガンドの非特異的な結合とを区別する。リガンドライブラリーは、標的に対する結合および同定された標的について特異的なリガンドのプロフィールについてスクリーニングされ得る。次いで、所望される場合には、このプロセスが、1つ以上のさらなる標的を用いて繰り返され得る。
【0007】
この方法は、実質的に標的を含まない1つ以上の溶液とともに、複数の固定されたリガンドをインキュベーションする工程を包含する。この溶液は、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに対する所望されない結合を示し得る、1つ以上の因子を含む。溶液は、リガンドと因子との間での安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションされる。いくつかのリガンド−因子複合体が、標的について親和性を有するプローブ分子を用いて検出される。リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子が、複合体と関連したシグナルを同定することによって検出される。
【0008】
次いで、リガンドが、標的および先に使用した少なくとも1つの溶液を含む第2の溶液とともに、インキュベーションされる。第2の溶液はまた、標的とリガンドとの間の安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドとの間での安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションされる。次いで、これらの複合体をプローブ分子と接触させ、リガンド−標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子が同定される。
【0009】
第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体と関係するシグナルが、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較される。第1の溶液と比較して第2の溶液に優先的に関連するシグナルは、標的についての特異的なリガンドを含有しているリガンド−プローブ分子複合体を示す。
【0010】
スクリーニング方法において使用されるシグナルの少なくとも1つは、一過性のシグナルである。好ましい実施形態において、この方法で使用されるシグナルの2つ以上または全てが、一過性のシグナルである。
【0011】
本明細書中で開示されるスクリーニング方法を使用して同定されるペプチドもまた、本発明の範囲内である。1つの局面において、本発明は、20未満のアミノ酸長であり、そして、そしてブタのパルボウイルス(PPV)結合ドメイン、A型肝炎ウイルス(HAV)結合ドメイン、またはプリオン結合ドメインを含むペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドは、18、16、15、14、または13未満のアミノ酸長である。
【0012】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する。HAV結合ドメインを含むペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLFRF(配列番号9);FLIHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI;FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25)、および(F)LLVLP。本明細書中の括弧中に示されるアミノ酸は、D−アミノ酸を示す。
【0013】
いくつかの実施形態において、PPV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でPPVに結合する。PPV結合ドメインを含むペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL;(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);およびFLLSVI(配列番号20)。
【0014】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する。HAV結合ドメインを含むこのようなペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;およびFLLYAK(配列番号27)。
【0015】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインはPRVに結合する。このようなHAV結合ドメインの例として、例えば、以下が挙げられる:FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN;(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7);およびFLLYAK(配列番号8)。
【0016】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、プリオンタンパク質に結合する配列(すなわち、プリオンタンパク質結合配列)を含む。プリオン結合配列を含有しているタンパク質の例として、例えば、以下が挙げられる:(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF;(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);およびAVFNFD(配列番号30)。
【0017】
さらなる実施形態において、ペプチドは、以下のポリペプチド配列を含む:FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN;(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7);FLLYAK(配列番号8);FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF;(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);AVFNFD(配列番号30);FLLFRF(配列番号9);FLLHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI;FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25)、(F)LLVLP;(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL;(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);およびFLLSVI(配列番号20);(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;またはFLLYAK(配列番号27)。
【0018】
さらなる局面において、本発明は、20未満のアミノ酸長であり、そして脳心筋炎(EMCV)結合ドメイン、シミアンウイルス40(SV−40)結合ドメイン、ポリオウイルス結合ドメイン、ウシウイルス性下痢ウシウイルス(BVDV)結合ドメイン、またはα−1−プロテイナーゼインヒビター(API)結合ドメインを含む配列を含有するペプチドを提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、EMCV結合ドメインを含む。EMCV結合ドメインを有するペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLRNV(配列番号33)、FLLNAH(配列番号34)、FLLGPR(配列番号35)、およびFLLNQE(配列番号36)。
【0020】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、SV−40結合ドメインを含む。SV−40結合ドメインを有するペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLFQP(配列番号37)、FLLEVY(配列番号38)、およびFLLRGS(配列番号39)。
【0021】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、ポリオウイルス結合ドメインを含む。ポリオウイルス結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLIDA(配列番号40)、FLLQSA(配列番号41)、FLLKEI(配列番号42)、FLLPFK(配列番号43)、FLLAPN(配列番号44)、FLLYSA(配列番号45)、FLLLNS(配列番号46)、FLLYRR(配列番号47)、およびFLLKSV(配列番号48)。
【0022】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、BVDV結合ドメインを含む。BVDV結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLLRN(配列番号49)、およびFLLRGH(配列番号50)。
【0023】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、API結合ドメインを含む。API結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:AQTFHD(配列番号51)、RDYDTD(配列番号52)、LKRIEY(配列番号53)、SDLRRL(配列番号54)、APPRTV(配列番号55)、VLYTNN(配列番号56)、NFZQNT(配列番号57)、およびSKNNAA(配列番号58)。
【0024】
さらなる局面において、本発明は、本明細書中に記載されるリガンド結合ペプチドを含む組成物を提供する。例えば、組成物は、20未満のアミノ酸長を有し、そしてPPV結合ドメイン、HAV結合ドメイン、またはプリオン結合ドメインを含有している配列を含むペプチドを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、固体支持体に結合されている。固体支持体は、例えば、樹脂であり得る。
【0026】
別の局面において、本発明は、生物学的な流体を本明細書中に記載されているリガンド結合ペプチドを含む組成物と接触させることによって、生物学的な流体から標的を除去する方法を含む。組成物は、その組成物中のペプチドに対する標的の特異的な結合を引き起こすに十分な条件下で、標的と接触させられる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、標的は、例えば、HAV、PPV、PRV、プリオンタンパク質、HIV、EMCV、BVDV、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、またはSV40である。他の実施形態においては、標的は、例えば、EMCV、SV40、BVDV、API、またはポリオウイルスである。
【0028】
生物学的な流体は、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、導管液(ductal fluid)、涙液、または精液であり得る。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、標的についてのリガンドを同定するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の固定されたリガンドを、標的を実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する第1の溶液とともに、リガンドと因子との間での安定な複合体の形成を可能にする条件下でインキュベーションする工程;(b)リガンド−因子複合体を、標的について親和性を有するプローブ分子と接触させる工程;(c)複合体に関係する一過性のシグナルを同定することによって、リガンド−因子複合体に対して結合したプローブ分子を同定する工程;(d)リガンドを、標的および第1の溶液を含む第2の溶液とともに、標的とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(e)リガンド−標的複合体およびリガンド−因子複合体を、プローブ分子と接触させる工程;(f)一過性のシグナルを検出することによって、第2の溶液中のリガンド−標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;ならびに(g)第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較する工程。第1の溶液に対して第2の溶液と優先的に関係するシグナルは、標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す。
【0030】
いくつかの実施形態において、複数の固定されたリガンドは、個々に支持体上に固定され、それによって、支持体の集団を生成する。支持体は、例えば、ビーズであり得る。例えば、複数の固定されたリガンドは、リガンドを含有するビーズのコンビナトリアルライブラリーを含む。いくつかの実施形態において、支持体の集団が、表面上に固定される。
【0031】
いくつかの実施形態において、表面は、平面である。いくつかの実施形態においては、表面は透明であり、例えば、表面は、平面な透明の表面であり得る。
【0032】
本発明のいくつかの局面において、支持体の集団は、接着剤中に包埋させられる。接着剤は、例えば、ビニル接着コーキング材料(vinyl adhesive caulking material)のような、エラストマー封止剤(シーラント)であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、リガンド分子は、ポリマーである。例えば、リガンド分子は、例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低有機分子、核酸、および炭水化物であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、プローブ分子は、抗体である。
【0035】
いくつかの実施形態において、検出可能な一過性のシグナルは、化学発光である。特定の局面においては、化学発光は、例えば、オートラジオグラフィーによって検出され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、標的は細胞である。他の実施形態において、標的はウイルスである。ウイルス標的の例として、例えば、ブタのパルボウイルス、仮性狂犬病ウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、シミアンウイルス40、脳心筋炎ウイルス、ウシのウイルス性下痢ウイルスが挙げられる。
【0037】
なお他の実施形態において、標的は、タンパク質(例えば、α−1−プロテイナーゼインヒビター)である。他の実施形態において、標的は、プリオン(例えば、スクラピープリオン)である。
【0038】
いくつかの実施形態において、この方法は、複合体に関係する一過性のシグナルを検出した後でかつリガンドと第2の溶液をインキュベーションする前に、リガンド−因子複合体から因子を除去する工程をさらに包含する。特定の実施形態において、この方法はさらに、標的に特異的であるリガンドの正体を決定する工程を包含する。
【0039】
なおさらなる局面において、本発明は、複数の標的ついてリガンドを同定するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の固定されたリガンドを、第1の標的を実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する第1の溶液とともに、リガンドと因子との間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(b)リガンド−因子複合体を、第1の標的について親和性を有するプローブ分子と接触させる工程;(c)複合体に関係する一過性のシグナルを同定することによって、リガンド−因子複合体に対して結合したプローブ分子を同定する工程;(d)リガンド−因子複合体から因子を除去する工程;(e)リガンドを、第1の標的および第1の溶液を含有する第2の溶液とともに、第1の標的とリガンドとの間での安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(f)リガンド−第1の標的複合体およびリガンド−因子複合体を、プローブ分子と接触させる工程;(g)一過性のシグナルを検出することによって、第2の溶液中のリガンド−第1の標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;(h)第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較する工程、ここで、第1の標的に対して第2の溶液に優先的に関係するシグナルが、第1の標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す、工程;(i)リガンド−因子複合体から因子を、そしてリガンド−第1の標的複合体から第1の標的を除去する工程;ならびに(j)第2の標的を含む第3の溶液を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程。
【0040】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程を包含する。
【0041】
別の局面において、本発明は、血液組成物中に存在するウイルスに結合するペプチドを同定するための方法を含む。この方法は、以下の工程を包含する:(a)コンビナトリアルペプチドライブラリーを含む複数の固定されたビーズを提供する工程;(b)このペプチドライブラリーを、ウイルスを実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する血液組成物とともに、ペプチドと因子の間で安定な複合体の形成を可能にする条件下でインキュベーションする工程;(c)複合体を、ペプチド−因子−第1の抗体複合体の形成を可能にする条件下で、ウイルスについて親和性を有する第1の抗体と接触させる工程;(d)ペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを同定する工程;(e)ペプチドを、ウイルス分子および第1の血液組成物を含有する第2の血液組成物とともに、安定なペプチド−ウイルス複合体およびペプチド−因子複合体の形成を可能にする条件下で、接触させる工程;(g)ペプチド−ウイルス複合体およびペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを同定する工程;ならびに(h)このペプチド−ウイルス複合体に関係する一過性のシグナルおよびペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の血液組成物中のペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルと、比較する工程であって、ここで、第1の血液組成物に対して第2の血液組成物に優先的に関係する一過性のシグナルが、ウイルスに特異的なペプチドを含むペプチド−ウイルス複合体を示す、工程。
【0042】
いくつかの実施形態において、この方法は、さらに、第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程を包含する。いくつかの局面において、この方法は、ペプチドの配列を同定する工程を包含する。
【0043】
いくつかの実施形態において、ペプチドライブラリーは、ビニルコーキング接着剤を使用して透明なフィルム上に固定される。
【0044】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第2の標的を含有する第3の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程を包含する。いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第3の標的を含む第4の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程を包含する。
【0045】
本発明は、多くの利点を付与する。例えば、これは、反応媒体中に含まれる因子に対するビーズ(および/または対応しているリガンド)の結合を含む結合反応から、特異的なリガンド−標的相互作用に関係している結合反応を区別する能力を付与する。
【0046】
本発明の別の利点は、リガンドがスクリーニングプロセスにおいて消費されないことである。さらに、リガンドの結合は、結合したプローブ分子に関係している一過的なシグナルを使用して検出される。従って、複数のプローブ分子が、リガンドの同じ固定化されたライブラリーに対して連続的に適用され得る。一連のプロフィールが作成され得、そしてその結果が、例えば、多数の異なる標的とのリガンドの結合プロフィールを比較することによって、互いに直接比較され得る。
【0047】
他に特に定義されない限りは、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される、ものと同じ意味を有する。本明細書中に記載されているものと類似または等価である方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が、以下に記載される。本明細書中に記載されている全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献が、それらの全体において参考として援用されている。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は、説明のためだけであり、限定するようには意図されない。
【0048】
本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0049】
(発明の詳細な説明)
本発明は、標的に対するリガンドを同定する方法を記載する。標的は、目的の任意の分子または複合体であり得る。従って、これは、例えば、ポリペプチド、リポポリサッカライド、ポリサッカライド、または生物学的な目的の他の分子であり得る。これは、さらに、ウイルスまたは細胞のような、高分子構造を含み得る。この方法は、必要に応じて、QuASARTMスクリーニング:「Quick Assay for Selecting Affinity Resin」と呼ばれ得る。
【0050】
この方法は、標的に対して特異的に結合するリガンドライブラリーのメンバーについての差引き分析技術(subtractive analytical technique)の選択を使用する。一般的には、2工程のスクリーニング手順が使用される。第1に、リガンドの固定化されたライブラリーが、標的を含まないスクリーニング溶液と共にインキュベートされる。スクリーニング溶液は、因子−リガンド複合体を形成するように、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに結合する1つ以上の因子を含み得る。次いで、リガンド−因子複合体は、特異的なリガンド−標的複合体を同定するために使用される検出システムによって検出され得る。同定されない限りは、因子−リガンド複合体は、標的について特異的であるリガンドの同定を曖昧(obfuscate)にし得る。
【0051】
スクリーニング溶液は、代表的には、標的がスクリーニングライブラリーとともにインキュベートされる溶液である。例えば、標的が細胞培養培地中に分泌される成長因子である場合には、スクリーニング溶液は、分泌される成長因子を欠いている細胞培養培地であり得る。他のスクリーニング溶液は、例えば、ウイルスに対応している標的が試験される場合には、ウイルス増殖培地であり得るか、または血液組成物中の標的が試験される場合には、血液組成物などの他の液体であり得る。別の適切な第1のスクリーニング溶液は、プローブ分子を含む溶液である。このスクリーニングは、因子または標的の非存在下でプローブ分子に結合するそのようなライブラリーのメンバーを同定する。
【0052】
所望される場合には、標的を欠いている複数のスクリーニング溶液が、使用され得る。例えば、1つのスクリーニング溶液は、スクリーニング溶液中に存在する因子の非存在下でプローブ分子を含み得、そして別の予備スクリーニング溶液は、標的を含まない細胞性の抽出物を含み得る。従って、プリオンタンパク質に対して惹起された標的のスクリーニングのためには、適切な予備スクリーニング溶液は、プリオンタンパク質についての抗体を含有している第1の溶液、および感染性のプリオンタンパク質が存在していないことが既知であるかまたは存在していないと思われる「ブランク」または「コントロール」の脳抽出物を含有している第2の溶液を含む。
【0053】
次に、プローブ分子が、リガンド−因子複合体を同定するために添加される。一般的には、標的を認識する限り、任意のプローブ分子が使用され得る。プローブ分子は、例えば、ウイルスまたはウイルスタンパク質がプローブとして使用される場合には、そのウイルスまたはウイルスタンパク質に対する抗体であり得るか、あるいは、タンパク質または成長因子が標的として使用され得る場合には、そのタンパク質または成長因子に対する抗体であり得る。
【0054】
ライブラリー中の1つ以上のリガンドに結合した因子を検出するプローブ分子は、結合したプローブ分子に関係しているシグナルを生成することによって、同定される。いくつかの実施態様においては、シグナルは、X線(オートラジオグラフィー)フィルム上に記録され、そしてフィルムに対する曝露のパターンは、スターマップ(star map)と呼ばれる。フィルムの曝露された部分は、プローブ分子に結合したリガンドライブラリー中の領域を示す。
【0055】
因子−リガンド複合体を認識するプローブ分子が同定された後に、固定されたリガンドが、第2のスクリーニング溶液を用いてプローブされる。上記に記載されるように、第2の溶液は、代表的には、第1の溶液の成分の全て、および標的を含む。第2のスクリーニング溶液およびリガンドライブラリーは、リガンド−標的複合体、ならびにスクリーニング溶液中の1つ以上の因子とリガンドとの間での複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベートされる。
【0056】
第2の溶液分子とのインキュベーション後に、プローブ分子が、ライブラリー中の1つ以上のビーズに結合した因子および標的を検出するために添加される。標的−リガンド複合体、または因子−リガンド複合体に結合するプローブ分子が、結合したプローブ分子に関係する一過的なシグナルを生成することによって、同定される。一過的なシグナルは、第1回目のスクリーニングと同様に記録されて、第2のスターマップを作製する。このマップは、第1のスクリーニング溶液とのインキュベーションの後で観察されるものと同じ位置のシグナル、および新しいシグナルセットを含む。スクリーニングが、同じタイプのシグナルを生成することによって2工程で行われ得る(ここでは、種々のマップ位置が、同じ様式で標識される)か、あるいは、スクリーニングは、異なるタイプのシグナルを生成することによって2工程で行われ得る(ここでは、種々のマップ位置は、異なる様式で標識される)ことが、理解される。
【0057】
標的に関係しているシグナルを同定することは、第1および第2の工程において生成されたシグナルを比較することを必要とする。第2のシグナルセットは、代表的には、第1のセットと共通であり、そしてリガンドをプローブする際に使用される試薬に結合するビーズからのシグナルに対応する大部分のシグナル、およびリガンド−標的結合からのシグナルを有する。第2のシグナルセットからの第1のシグナルセットの差引きによって、標的に対して特異的に結合するリガンドを含むビーズに対応するシグナルのセットを明らかにする。
【0058】
第1または第2のスクリーニング工程においてプローブ分子を同定するために使用される少なくとも1つのシグナルは、一過的なシグナルである。一過的なシグナルとは、その持続期間が有限であるシグナルを意味する。いくつかの実施態様においては、シグナルは、14日またはそれ未満の間持続する。例えば、シグナルは、7日間、3日間、2日間、1日間、12時間、6時間、3時間、1時間、または30分間、あるいはそれ未満の間、持続し得る。結合した因子−リガンド複合体、または標的−因子複合体に関係している一過的なシグナルは、代表的には、永久的な媒体上に記録され、そして保存される。好ましい実施態様においては、両方のスクリーニング工程が、一過的なシグナルを使用して検出される。
【0059】
所望される場合には、リガンドの同じライブラリーが、種々の標的に対する結合についてスクリーニングされ得る。例えば、それぞれが特有のリガンドを有している個々のビーズが、接着剤の薄いフィルム上に固定され、そして標的の非存在下で培養培地(「コントロール」または「ブランク」)のようなスクリーニング溶液を用いてプローブされる。スクリーニング溶液中の因子に結合するビーズが、プローブに対して交差反応するビーズとして同定される。次いで、スクリーニング溶液が除去され、そして洗浄後に、標的を含有している培地を用いてプローブ手順が繰り返される。シグナルの生成および同定の後、因子、標的、およびプローブ分子が除去され、それによってライブラリー中のリガンドを結合のために再び利用可能にする。この手順はまた、リガンドライブラリーの再生と呼ばれる。次いで、再生されたライブラリーは、異なる標的に対する結合について再スクリーニングされ得る。全てのスクリーニングが完了すると、特異的なシグナルに対応しているビーズが接着剤から除去され、そして1つ以上の標的に結合するリガンドが特徴付けられる。例えば、特定のライブラリーが、標的のファミリー(例えば、類似の構造的なモチーフを有すると考えられるタンパク質のグループ、または血液中に見出される種々のウイルス)のメンバーに結合するリガンドについて、多くの種々の時点でスクリーニングされ得る。特定のファミリー中の多数の標的に対して効率的に結合するリガンドの比較によって、治療薬の設計のための有用な情報を提供する。
【0060】
この方法はさらに、1つ以上の標的に結合するが、第2の標的(単数または複数)には結合しないリガンドを同定するために、使用され得る。さらに、この方法は、血液に関係しているタンパク質であるフィブリノーゲンのような、生物学的な液体の成分(単数または複数)の存在下で標的に結合するリガンドを同定するために使用され得る。成分(例えば、フィブリノーゲン)は、リガンドについて標的と競合し得る。
【0061】
本明細書中で記載されるスクリーニング方法は、一般的には、標的を含まない溶液での最初のスクリーニング(単数または複数)、次いで、標的を含有している溶液でのスクリーニングをいう。しかし、この時間的順序は、絶対的ではない。従って、他の場所で特に記載されない限りは、本明細書中に記載されている方法は、リガンドライブラリーが、1つ以上の標的を含有している溶液(単数または複数)を用いて最初にスクリーニングされ、続いて標的を含まない溶液(単数または複数)を用いてスクリーニングされる工程を包含する。
【0062】
本明細書中に記載される方法は、種々の適用において使用され得る。リガンド分子のライブラリーは、例えば、標的(「レセプター」)分子に結合するそれらに能力についてスクリーニングされ得る。これらの標的として、例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、低分子、または細胞が挙げられる。一般的には、任意のタイプの細胞が、このアッセイにおいて使用され得る。従って、細胞は、原核生物細胞または真核生物細胞を含み得る。原核生物細胞の例として、例えば、グラム陰性細菌(例えば、Yersinia spp.)またはグラム陽性細菌(例えば、StaphylococcusまたはStreptococcus spp.)が挙げられる。真核生物細胞として、単細胞生物(例えば、原生生物または真菌細胞(例えば、Candida spp.のような酵母)、あるいは後生生物に由来する細胞が挙げられ得る。例えば、いくつかの実施態様においては、細胞は、哺乳動物の血液の種々の成分に関係し得る。従って、細胞は、例えば、血小板、赤血球、リンパ球を含み得る。
【0063】
用語「標的」は、それについての結合リガンド(例えば、核酸、ペプチド、ペプトイド、またはそれらに結合し得る他の化合物)が所望されるものをいう。新しくリガンドを同定することによって、標的の配列または構造、あるいはその天然の結合パートナーの正体または構造が既知である必要はない。実際、多くの「レセプター」分子についての結合パートナーは、同定されていない。
【0064】
本明細書中で使用される場合には、ライブラリーは、異なる配列を有する、少なくとも2つ(例えば、5;10;50;100;200;500;1,000;2,500;5,000;10,000;25,000;またはそれ以上)の分子のものを意味する。ライブラリーは、核酸、炭水化物、またはペプチドのようなポリマー性の化合物を含み得る。ペプチドライブラリーの場合には、アミノ酸の基礎曝露は、20個の遺伝的にコードされるL−アミノ酸、D−アミノ酸、合成のアミノ酸、側鎖の改変(例えば、硫酸基、リン酸基、炭水化物部分など)を有するアミノ酸であり得る。本明細書中で使用される場合には、アミノ酸のDイソマーは、括弧内に示される。例えば、(F)は、フェニルアラニンのD−イソマーを示す。ランダムペプチドライブラリーは、2〜100アミノ酸またはそれ以上の長さの範囲のペプチドの混合物を含み得るが、代表的には、約5〜15アミノ酸の長さである。用語「ランダム」は、ライブラリーの最も代表的な調製物のみを示し、そして組成物が未知であることを必要としない。従って、当業者は、所望される場合には、正確に公知の組成物の混合物を調製し得る。ライブラリーはまた、非オリゴマーであるリガンド(例えば、小さい非オリゴマーである有機化合物)を含み得る。
【0065】
一般的には、リガンドライブラリーを構築するための、当該分野で認識される任意の方法が、使用され得る。不活性な表面上で合成のペプチドコンビナトリアルライブラリーの開発によって、リガンド−標的相互作用を研究するために多数の異なるペプチドが利用可能となった。ランダムペプチドライブラリーは、マイクロビーズ上に重合化されたアミノ酸の標準的な有機合成によって産生され得る。代表的には、ライブラリー中の任意の1つのビーズ上のペプチドは、実質的には同じであるが;しかし、ペプチド配列は、個々のビーズによって変化する。例えば、混合、分離、およびカップリング合成方法が、Furkaら、Int.J.Pept.Protein Res.37:487−493(1991);Lamら、Nature 354:82−84(1991)に記載されているように、ポリスチレンに基づく樹脂ビーズ上に特有のペプチド配列を作製するために使用され得る。あるいは、表面に結合した、化学的に合成されたライブラリーは、現在、商業的な製造業者から購入することができる。例えば、ライブラリーは、Peptides International,Inc.(Louisville,KY)から得ることができる。
【0066】
リガンドのライブラリーは、任意の接着方法を使用して表面(例えば、ビーズ)に固定され得る。これによって、ライブラリーの膜の相対的な空間位置が、表面上で検出され得るために十分に安定な連結を生じる。
【0067】
いくつかの実施態様においては、ペプチドリガンドを含有しているライブラリーは、TentaGel樹脂(Peptides International,Inc.,Louisville,KY)上でペプチドを合成することによって構築される。このゼラチン様の樹脂は、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)と融合された低架橋ポリスチレンの骨格から構築される。代表的なポリエチレンの鎖の長さは、68エチレンオキシド単位である。ポリエチレンの末端には、リガンドが付着する反応基(例えば、第1級アミンまたはチオール)が存在する。例えば、反応基は、そのカルボキシ基を通じてカップリングされる第1の保護されたアミノ酸の接着部位である。カップリング後に、第1のアミノ酸の保護されたアミノ基が、新しいアミノ末端を露出するように脱保護される。この新しいアミノ末端は、次の保護されたアミノ酸の付着のための部位として機能する。カップリングおよび脱保護のサイクルを通じて、ライブラリーは、TentaGel樹脂の最初の反応基から発展する。
【0068】
いくつかの実施態様においては、それぞれが特有のリガンドを有している個々のビーズが、平面上に固定される。例えば、リガンドライブラリーが付着させられる表面は、不活性なポリマーのシートであり得る。最も好ましい実施態様においては、表面は、透明なフィルムである。接着剤は、ビーズを固定するために使用され得る。好ましい接着剤は、metal−grayPHENOSEALTMvinyl adhesive caulk(Gloucester Company,Inc.Franklin,MA)である。
【0069】
リガンドに対する因子または標的の結合は、当該分野で認識されている方法を使用することによってプローブ分子を用いて検出され得る。少なくとも1つのスクリーニング工程によって、プローブ分子の存在に関係している一過的なシグナルを使用して標的を同定する。例えば、表面に固定されたリガンドに対する標的の結合を検出するために当該分野で一般的に利用されるいくつかの方法が、存在する。
【0070】
結合していないリガンドと標的に結合したリガンドとの間での任意の検出可能な差異が、利用され得る。例えば、標的を認識するプローブ分子が、スクリーニングされるリガンドライブラリーに対して添加され得、そして結合させられ得る。あるいは(またはさらに)、リガンドに結合した蛍光標識された標的が、分光光度的に測定され得る。放射性標識されたプローブ分子もまた、使用され得る。例えば、標識は、放射性ヨウ素であり得る。他の実施態様においては、標的に対する抗体が、検出分子として使用され得る。特定の実施態様においては、標的は、それ自体は標識されないが、結合反応の後に、標的が、検出可能な一過的なシグナル(すなわち、一過的に光を放射するシグナル)を生じるように反応させられる。
【0071】
1つの実施態様においては、結合事象の検出は、標的を認識する一次抗体を含有しているスクリーニング溶液でリガンド−標的複合体をプローブする工程、続いて、一次抗体に対して結合する二次抗体/ホスファターゼ結合体を含有しているスクリーニング溶液でプローブする工程を包含する。抗体またはホスファターゼのいずれかに結合したリガンドを有するビーズが、ホスファターゼの存在を検出するために化学発光基質(例えば、CDP−Star(登録商標)、Tropix,Inc.,Bedford MAによる)を添加することによって可視化される。光の産生の検出は、オートラジオグラフィーフィルム上に捕捉される。得られるフィルムは、「スターマップ」として現れ、フィルム上のシグナルの強度は、異なるビーズによる光の生成の強度を反映する。
【0072】
一旦、リガンド−標的複合体が検出されると、リガンドが同定され、そしてさらに、特徴付けられる。リガンドを同定することは、推定の標的−結合リガンドを含有しているリガンドライブラリーの領域から元々のライブラリー中のいくつかのメンバーを再度スクリーニングすることを含み得る。これは、代表的には、リガンドライブラリーが比較的高い密度で配置される場合に、行われる。
【0073】
1つの実施態様においては、多数の異なるタイプの標的に結合するペプチドリガンドが、同定される。特定の実施態様においては、標的は低分子またはポリマー(例えば、タンパク質、核酸、または炭水化物)である。他の実施態様においては、標的は大きい細胞(例えば、赤血球、リンパ球、または血小板)である。なお他の実施態様においては、標的は、完全な生物体(例えば、細菌)である。
【0074】
1つの局面においては、ペプチドライブラリーは、1つ以上のウイルスに結合し得るリガンドについてスクリーニングされる。例えば、1つの適切なウイルス標的は、ウイルスのキャニオン(canyon)構造モチーフである。これは、ウイルスのキャプシド中の深い陥没(すなわち、キャニオン)である。例えば、Rossmannら、Nature 317:145−153(1985);Colonnoら、Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:5449−5453(1988);Rossmannら、Ann.Rev.Biochem.58:533−573(1989)を参照のこと。このキャニオンの基底の残基は、細胞内接着分子(IntraCellular Adhesion Molecule)−1(ICAM−1)の結合に関係している。従って、リガンドライブラリー中のペプチドは、ウイルスの表面上のキャニオンのような一般的な構造に結合し、そしておそらくICAM−1の結合を模倣する能力についてスクリーニングされ得る。
【0075】
(QuASARTMスクリーニングを使用して同定されたペプチドリガンド)
本明細書中ではまた、種々のウイルスまたはタンパク質標的に結合するリガンドが、開示される。従って、本発明はまた、これらの標的−結合ペプチドのアミノ酸配列を含有しているペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、20未満のアミノ酸の長さ(例えば、18、15、12、10、または8未満のアミノ酸)で、そして標的に結合する配列を含有しているペプチドを含む。このペプチド中の、標的に結合する配列は、「結合ドメイン」と呼ばれる。従って、ペプチドは、例えば、以下に対して結合するドメインを規定するアミノ酸配列を含み得る:ポリオウイルス、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、ブタのパルボウイルス(PPV)、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、ウシのウイルス性下痢性ウイルス(BVDV)、シミアンウイルス40(SV40)、ヒトの免疫不全ウイルス(HIV)、またはタンパク質標的(例えば、プリオンタンパク質またはα−1−プロテイナーゼインヒビター(API))。いくつかの実施形態においては、結合ドメインは標的(例えば、HAV、PRV、またはPPV)に対して、体液の構成成分の存在下で結合する。例えば、ペプチドは、血液に関係しているタンパク質であるフィブリノーゲンの存在下で標的に対して結合する。表4のサンプル1〜12および15〜17に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドは、血漿またはフィブリノーゲンを含有しているスクリーニング溶液の存在下でHAV標的に結合する。表4のサンプル18〜32に示されるアミノ酸配列を有しているペプチドは、血漿またはフィブリノーゲンの存在下でPPVに結合するが、一方、表4のサンプル33〜42に示されるアミノ酸配列を有しているペプチドは、HAVに結合するが、全血を有している第1のスクリーニング溶液には結合しない。
【0076】
いくつかのペプチドは、1つより多くの標的に結合する。例えば、いくつかのペプチドは、2個、3個、またはそれより多くの標的に結合する。例えば、いくつかのペプチドは、HAVまたはPPVの両方に結合する。好ましくは、縮重結合を示すこれらのペプチドは、内因性の体液の成分(例えば、フィブリノーゲン)について親和性をほとんど示さないかまたは全く親和性を示さない。HAV、PPV、およびPRVに結合するが、体液の構成成分には結合しないペプチドの例は、表4のサンプル43〜46に示されるものである。
【0077】
HAV、PAV、およびPRVに結合するペプチドの例は、FHALRH(配列番号1)、FFSKQN(配列番号2)、(F)AAFIN、(F)LLTSY、(F)LKLFP、(F)PNGGI、(F)VEVKF、FPLIKA(配列番号3)、(F)FFTFK、(F)LLDLX、(F)YYLNV、FLILDP(配列番号4)、FYTPPY(配列番号5)、FFYPAX(配列番号6)、FLLDKX(配列番号7)およびFLLYAK(配列番号8)である。ここでは、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧であるアミノ酸を示し、そしてXは、ライブラリーの構築において使用される17個のアミノ酸の任意のものであり得る。
【0078】
スクラピーに感染したハムスターに由来するプリオンタンパク質に結合するが、健康な同腹子に由来する脳抽出物には結合しないペプチドとして、表6に示されるアミノ酸配列を有するものが挙げられる。これらの配列を有するペプチドはまた、プローブ分子であるモノクローナル抗体FH11を含有しているコントロール溶液に対しても結合しない。この抗体は、組換えPrPタンパク質のアミノ末端領域を認識する。
【0079】
これらの配列を含むポリペプチドが、種々の分析適用、調製適用、および診断適用のために有用である。例えば、これらは、固体支持体(例えば、樹脂)に対してカップリングされ得、そして溶液(例えば、生物学的な流体)中に存在する標的を結合させるために使用され得る。例えば、Doyle、米国特許第5,750,344号を参照のこと。生物学的な流体の例として、例えば、血液または血液の成分(例えば、血漿または血清)が挙げられる。さらなる流体として、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管液、涙、または精液が挙げられる。
【0080】
結合は、溶液中の標的の存在を明らかにし得る。あるいは、またはさらに、結合は、生物学的な流体から同種の標的(単数または複数)を選択的に除去するために使用され得る。溶液からの標的の選択的な検出および除去のために、ペプチドは、固体支持体(例えば、樹脂)に付着させられ得る。流体(例えば、血液または血液産物)から因子を除去するための樹脂は、当該分野で周知であり、そして例えば、Horowitzら、米国特許第5,541,294号;Buettnerら、米国特許第5,723,579号;Buettner、米国特許第5,834,318号に記載されている。除去され得る標的は、中でも、HAV、PPV、PRV、シミアンウイルス40(SV40)、HIV、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、ウシのウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、ポリオウイルス、ならびにプリオンタンパク質およびAPIのようなタンパク質である。さらに、標的は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌であり得る。
【0081】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に説明するために示される。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲を限定しない。
【0082】
(実施例1:QuASARTMスクリーニングを使用した、ウイルスに結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニング方法を、血液中に見出される標的に対して特異的に結合するペプチドを同定するために使用する。
【0083】
PHENOSEALTM接着剤の薄いフィルムを、透明なフィルム上に広げる。2枚の透明な接着テープを、表面に平行に貼り付け、そしてPHENOSEALTM接着剤を、金属チューブを用いてテープの小片の間に広げる。テープを、そのテープの厚みの接着剤のフィルムを提供するためにスペーサーとして使用する。それぞれ33個のサブライブラリーのそれぞれに由来する約1000個のビーズ(5mg)を、プラスチックラップ上の薄層の中の水の中に配置する。接着剤によってビーズが固体の表面に貼り付くように、接着剤で覆われた透明なものを、ビーズ溶液上に反転させる。透明なもの/ラップを、次いで反転させて、ここでラップが上部にある。ラップを取り除き、そしてビーズをPHENOSEALTM接着剤に固着したままにする。
【0084】
ビーズの上部を空気と接触させたままにする。接着剤を数時間の間硬化させた後、ビーズをタンパク質溶液で4℃でブロック(2時間から一晩)する。通常は、カゼインをブロッキング剤として使用する。ブロッキング剤は、損傷したビーズの表面に接着して、疎水性表面に対する標的の非特異的な結合を妨げる。いくつかの実験においては、ビーズを、ブロッキング工程の前に、再生緩衝液(下記を参照のこと)であらかじめ洗浄する。
【0085】
表面に固定されたライブラリーを、次いで、室温で2時間の間、新しい媒質(例えば、血漿)とともにインキュベートする。次いで、ビーズを、TS(0.05MのTris、0.15MのNaCl、pH7.4)でそれぞれ5分間、6回洗浄する。この洗浄によって、ビーズから任意の弱く結合したタンパク質を除去する。ビーズを、代表的には、目的の標的(例えば、タンパク質またはウイルス)に対する一次抗体とともに一晩インキュベートする。次いで、洗浄工程を繰り返して、あらゆる弱く結合した一次抗体を除去する。ビーズを、一次抗体について特異的である標識された二次抗体とともに約30分間インキュベートする。ほとんどの試行において、二次抗体は、ホスファターゼで標識される。抗体とのインキュベーションの後、ビーズを、TS+0.05%のTweenで6回洗浄し、そしてTSで6回洗浄する。全ての洗浄は、10分の長さである。大量洗浄プロトコールが、結合してないホスファターゼを全て除去するために必要である。最後のTSでの洗浄の後、ビーズを、0.05MのTris pH9.5+0.005MのMgCl2で10分間洗浄する。より高いpHが、結合したホスファターゼの活性については必要である。
【0086】
ホスファターゼ標識した二次抗体を使用する場合には、それぞれのビーズと会合させたホスファターゼを、0.05MのTris pH9.5、0.005MのMgCl2中に化学発光基質(例えば、CDP−Star(登録商標)、Tropix,Inc.,Bedford MAによる)を添加することによって発光させる。この基質を、ビーズの表面に対して穏やかに適用し、そして化学発光をオートラジオグラフィーによって検出する:固定されたビーズを、防水性の接着フィルムでラップし、そしてオートラジオグラフィーフィルムに対して曝露する。
【0087】
化学発光シグナルを放出するビーズは、シグナルのパターンを生じるか、または「スターマップ」をフィルム上に生じる。透明なものの上のフィルムの位置を、3個のピンの穴で印をつけることによっていくつかの場合において記録する。曝露時間を、産生されるシグナルの強度に基づいて経験的に評価する。バックグラウンドのスクリーニングのために、フィルムを、弱いシグナルを生じるビーズさえも検出することを確実にするために、過剰に曝露(通常は、一晩の曝露)させる。化学発光アッセイの感度のために、高い割合のビーズが最終的に、非常に長いインキュベーション期間(例えば、72時間またはそれより長く)にわたって検出可能なシグナルを生じる。この過剰な曝露によって、オートラジオグラフィーフィルム上のパターンとのビーズの正確なアラインメントを容易にする。
【0088】
標的のスクリーニングのためにビーズを再生するために、試薬を、代表的には、3Mのチオ硫酸ナトリウム中で15分間;6Mの尿素、および2%の酢酸で各15分間を3回洗浄することによって、ビーズから洗い流す。pHを、0.15Mのクエン酸、pH7.4での十分な洗浄によって平衡化させて、pHを約7にする。標的に特異的に結合するペプチドを含有しているビーズを検出するために、上記のブロッキング手順およびブローブ手順を、標的が2時間の結合インキュベーション中に存在することを除いて、二連で行う。いくつかのスクリーニングにおいては、標的は、PPV、PRV、またはHAVである。他においては、標的は、スクラピータンパク質またはAPIである。
【0089】
第2回目のオートラジオグラムを上記に記載するように行い、そして第1回目のバックグラウンドのオートラジオグラムと比較する。標的の存在下での第2回目のスクリーニングにおいてのみ検出されるビーズを、同定する。このビーズのサブ−セットは、通常は、標的特異的ビーズに対応する、過剰に発光させたオートラジオグラフィーのフィルム上のスポット上に赤い印を配置することによって示される。フィルムを、透明な支持体の下に配置し、そしてビーズをオートラジオグラム上のそれらの対応しているスポットを用いて集める。フィルムおよび透明なものを、正確なアラインメントを維持するためにともにテープで止める。赤いスポット上のビーズは、視覚的にまたは顕微鏡を用いて容易に同定される。
【0090】
個々のポジティブなビーズを、以下の手順に従って接着剤から除去する:接着剤の表面を生理食塩水溶液で湿らせ、そしてポジティブなビーズ(赤い点で示されるような)を、注射器の針を使用して接着剤から採取する。これらを、次いで、小さいチューブ中に別々に入れ、そして取り扱いを容易にするためにクマシーブルーで染色する。次いで、ビーズを、タンパク質配列決定装置上にロードし、そしてポジティブなビーズ上のリガンドを、Edman分解によって特徴付ける。
【0091】
種々のウイルス標的について同定されたリガンドの例を、表1に示す。全てのビーズは、1位〜3位で(F)LLまたはFLLのいずれかで始まった。ポジティブなビーズの4位〜6位の配列の結果を、表1に概説する。
【0092】
【表1】
α−1−プロテイナーゼインヒビター(API)に結合するリガンドの例を、表2に示す。APIタンパク質の欠損は、肺気腫の早発性発症に関係していると考えられる。例えば、米国特許第4,496,689号を参照のこと。
【0093】
【表2】
(実施例2:QuASARTMスクリーニングを使用した、複数のウイルスに対して結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニングを使用して、フィブリノーゲン、または全血もしくは血清の成分の存在下でもなお、1つ以上のウイルスに結合するペプチドリガンドを同定する。
【0094】
33個のサブライブラリーを、TentaGel樹脂上で合成する。それぞれのビーズは、遊離のアミノ基上で合成された6個のアミノ酸配列を有する。これらのライブラリーは、N末端(1位)にD−またはL−アミノ酸を有する。システイン、メチオニン、およびトリプトファンを除いて、一般的なアミノ酸の全てを使用する。他の5個の位置(2位〜6位)は、L−アミノ酸のみを有する。それぞれのサブライブラリーを、PPVに対する抗体を用い、続いて上記のような化学発光検出によって個々にスクリーニングする。サブライブラリーを、次いで、上記に記載するように、PPVの存在下で再スクリーニングする。それぞれのサブライブラリーにおけるPPVの結合について特異的なビーズの数を計数する。81個のポジティブなシグナルのうち、56個が、D−フェニルアラニン(F)で始まるペプチドを含有しているサブライブラリー中に存在する。3個のシグナルが、フェイニアラニンFで始まるサブライブラリー中に存在し;3個が、L−アラニンAで始まるサブライブラリー中に存在し;3個が、L−プロリンPで始まるサブライブラリー中に存在し;そして3個が、D−ロイシン(L)で始まるサブライブラリー中に存在する。
【0095】
(F)およびFで始まるサブライブラリーを、それらをプレートし、そしてウイルスPPV、HAV、およびPRVでプローブすることによってさらに分析する。3個のウイルス全てに結合する16個の配列を得、そしてそれらのアミノ酸配列を決定する。これらのペプチドおよびそれらの配列は、以下を含む:FHALRH(配列番号1)、FFSKQN(配列番号2)、(F)AAFIN、(F)LLTSY、(F)LKLFP、(F)PNGGI、(F)VEVKF、FPLIKA(配列番号3)、(F)FFTFK、(F)LLDLX、(F)YYLNV、FLILDP(配列番号4)、FYTPPY(配列番号5)、FFYPAX(配列番号6)、FLLDKX(配列番号7)、およびFLLYAK(配列番号8)。ここでは、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧であるアミノ酸を示し、そしてXは、ライブラリーの構築において使用される17個のアミノ酸の任意のものであり得る。
【0096】
配列は、アミノ酸のランダムな分布は示さない。例えば、1つのアミノ酸Lは、2位で6回見出されるが、6位では1回も見られない。さらに、16個のペプチドのうちの4個が、FLLで始まる。統計学的には、289個のうちの1個が、これらの3個のアミノ酸で始まると予想され、このことは、この配列がウイルスの結合について偏っていることを示している。
【0097】
複数のウイルスに対して結合するペプチド配列をさらに規定するために、(F)LLXXX FLLXXX配列モチーフに基づくサブライブラリーを合成し、そしてPPV、PRV、ポリオウイルス、EMCV、BVDV、SV40、およびHAVの結合についてスクリーニングする。
【0098】
それぞれのウイルスと関係しているシグナルの強度を、シグナルがHAV、PPV、PRV、または媒質のみでのプロービングの後に観察されるかどうかに従って分類する。シグナルの強度を、その特定のプレートについての曝露の範囲に基づいてそれぞれのビーズについて考慮し、そして+/−のスケールで記録する。ここで、[−]は検出可能ではないものであり、そして[++++]はスターマップ中の最も高い強度である。ビーズの詳細の表の例を、以下の表3に示す:
【0099】
【表3】
(実施例3:QuASARTMスクリーニングを使用した、体液の成分の存在下で複数のウイルスに対して結合するペプチドの同定)
バックグラウンドの結合は、標的が、標的に対する結合についてリガンドと競合し得る1つ以上の成分を有している溶液中に存在する場合には、標的に対して特異的に結合するリガンドのスクリーニングにおいて重要な考慮すべき事柄である。これらの競合するリガンドは、例えば、体液(特に、フィブリノーゲン)中に見出され得る。従って、ウイルスのレセプター結合ドメインを標的化する実験は、ICAM結合部位を通じてフィブリノーゲンにもまた結合する、ペプチドに対して選択するように設計される。スクリーニング手順は、本質的には、過剰のフィブリノーゲンの存在下でウイルスに結合するビーズについてのスクリーニングが行われることを除いて、実施例1に記載されるとおりである。すなわち、フィブリノーゲンが、第1回目のスクリーニングの媒体中の因子である。
【0100】
実施例1に記載する手順を使用して、ビーズ上に固定されたヘキサマーのペプチドのライブラリーを、血漿、フィブリノーゲン溶液、または全血中でHAV、PPV、およびPRVについてスクリーニングする。結果を、以下の表に示す。全ての3個のウイルスに結合する配列をもまた、示す。全てのビーズは、1位〜3位で(F)LLまたはFLLのいずれかで始まる。ポジティブなビーズの4〜6の位置の配列の結果を、表4に概説する。
【0101】
【表4】
4位〜6位での種々のアミノ酸の頻度を、表5にまとめる。上記に示すように、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧なままであるアミノ酸を示し、そして、これは、ライブラリーの構築において使用されるアミノ酸の任意のものであり得る。
【0102】
4位〜6位で頻繁に検出される3個のアミノ酸は、それぞれ、P、Y、およびKである。配列FLLPYK(配列番号28)および(F)LLHPIを、血液サンプルからのウイルスの除去におけるさらなる研究のために使用されるコンセンサスペプチドとして選択する。
【0103】
【表5】
ペプチドを、Toyopearl 650アミノ樹脂上に、またはTosoHaas製のより大きな孔隙の樹脂(例えば、Toyopearl 750アミノ)上に直接合成する。最初の実験によって、PPVがペプチドFLLPYK(配列番号28)に結合したかどうかを評価する。生理食塩水を、PPVでスパイクし、そして溶液を、アミノ樹脂上に合成したFLLPYKのカラムに通過させる。εアミノ酸が、ペプチドと樹脂との間にスペーサーとして作用するように、ペプチドのカルボキシ末端に含まれる。出発物質およびフロースルーのサンプルを、感染性のPPVについてアッセイする。代表的には、ウイルスの5logの減少が、FLLPYK(配列番号28)ペプチドを有するカラムのフロースルー中で見出されるが、一方、3logの除去がアミノ樹脂のみを用いて見出される。1logの減少は90%の除去を意味し、2logは99%を意味するなどである。接触時間は4分であり、そして実験を室温で行う。アミノ−FLLPY(配列番号31)は、4.5logのクリアランスを生じ、一方、アミノ−FLLP(配列番号32)およびアミノ−FLLは有意なクリアランスを生じない。アセチル−FLLPYK(配列番号28)はクリアランスを生じず、そしてアセチル−FLLPY(配列番号31)も生じない。従って、このペプチドの末端アミノ基が、PPVへの効率的な結合に不可欠である。匹敵する実験は、アミノ−FLLPYK(配列番号28)がHAV、PRV、HIV、およびBVDVに結合することを示す。
【0104】
配列(F)LLHPIを用いる一連の実験を、遊離のアミノ末端およびアセチル化アミノ末端の両方を用いて行う。PPVでスパイクした生理食塩水(10mL)を、4分間の滞留時間で、配列(F)LLHPIを含有している樹脂(1mL)を通過させる。このカラムは、5logのクリアランスを提供する。アミノ樹脂を用いる同一の実験においては、約2〜3logのクリアランスが見られる。このことは、ウイルスの除去の2つの方法が存在していることを示唆する:1)ペプチド配列との親和性相互作用、および2)遊離のアミノ基とのより弱いイオン交換。遊離のアミノ基がアセチル化されている場合には、基本の樹脂(アセチル化アミノ樹脂)は、ウイルスをほとんどクリアリングせず(1log未満)、一方、アセチル化(F)LLHPIは、2〜3logのPPVに結合する。
【0105】
アセチル化―(F)LLHPI配列がウイルスに選択的に結合する能力をさらに、血漿に対するPPVの添加によって示す。PPVでスパイクした血漿10mLを、1mlの樹脂に通過させる。全部で2logのPPVがクリアリングされる。血漿を同じ樹脂に再び通過させる場合には、3.2logが除去される。リサイクルされる場合には、3.5logが除去され、そして3回目に通過させる場合には、全部で4.7logが血漿からクリアされる。従って、ウイルスは、樹脂に対して実質的に結合し得る、すなわち、99.99%より多くが血漿から除去され得る。この樹脂はまた、PRV、HAV、HIV、EMCV、BVDV、B19、およびSV40に結合することが示される。
【0106】
(実施例4:QuASARTMスクリーニングを使用した、プリオンに対して結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニング方法をまた、プリオン粒子について特異的なリガンドを同定するために使用する。ペプチドライブラリーを再生し、そして組換えPrPタンパク質のアミノ末端領域に対して惹起された、モノクローナル抗体FH11(Animal Health Institute、Compton、Berkshire、UKのJim Hopeによって提供された;Fosterら、Vet.Rec.139:512−515(1996)もまた参照のこと)を用いて予備スクリーニングする。リガンドライブラリーを、次いで、再生し、そしてスクラピー粒子に感染した動物の同腹子である正常なハムスターに由来する脳抽出物でプローブする。正常なプリオンについての4個のリガンドが、表6に示すように同定される。
【0107】
再生後、ライブラリーを、スクラピーに感染したハムスターに由来する脳の抽出物に対して結合するリガンドについてスクリーニングする。さらに10個のリガンドが、表6に示すように同定される。スクラピータンパク質について特異的な合計14個の異なるリガンドが同定され、そのうちの12個を配列決定する。配列決定の結果を、表6に提供する。
【0108】
【表6】
上記の記載は、説明の目的だけのために示されており、そして本明細書に添付される特許請求の範囲による以外は、開示されている正確な形態に本発明を限定することは意図されない。
(発明の分野)
本発明は、一般的には、標的に結合するリガンド(例えば、ポリペプチド、ペプチド、およびポリヌクレオチド)を同定するための方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
多くの生物学的なプロセスは、1つの高分子の、第2の分子への結合を必要とする。第2の分子は、しばしば、第1の分子のリガンドと呼ばれる。標的分子とリガンドとの間の相互作用が、免疫認識、細胞のシグナル伝達および情報伝達、転写および翻訳、細胞内シグナル伝達、ならびに酵素による触媒のような、生物学的なプロセスにおいて重要であり得る。結果として、所定の分子のリガンドを同定することにかなりの目的が存在する。このようなリガンドのアゴニストまたはアンタゴニストを同定することもまた、目的である。
【0003】
ポリマー性の生物学的試験化合物または合成試験化合物のライブラリーが、しばしば、生物学的に活性な分子についてのリガンドを同定するために使用される。現在は、高スループットスクリーニング技術が、生物学的標的についてのリガンド分子を迅速に同定し、最適化するために、化合物ライブラリー(分子生物学的または組換え化学技術、および他の高スループットの合成方法のいずれかによって得られる)の合成と組み合わせられる。
【0004】
多くの生物学的なリガンドは、タンパク質またはペプチドであるので、推定されるリガンドのライブラリーは、代表的には、ペプチドの設計および合成を含む。他のライブラリーは、ポリマー性の化合物(例えば、ペプチド様オリゴマー化合物)および低分子有機(非オリゴマー)化合物を含み得る。
【0005】
所定の標的のリガンドについてライブラリーをスクリーニングするための現在の方法は、高いバックグラウンドによって妨害され得る。これらのバックグラウンドのレベルは、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに対する標的以外の因子の結合に関係し得る。これらの因子は、リガンドのライブラリーをプローブするために使用されるスクリーニング溶液中に、標的とともに存在し得る。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、リガンドライブラリーをスクリーニングするための、迅速な、高感度な、そして再使用が可能な方法の発見に、一部基づく。この方法は、リガンドと標的との間の特異的な結合とスクリーニング溶液中の因子へのリガンドの非特異的な結合とを区別する。リガンドライブラリーは、標的に対する結合および同定された標的について特異的なリガンドのプロフィールについてスクリーニングされ得る。次いで、所望される場合には、このプロセスが、1つ以上のさらなる標的を用いて繰り返され得る。
【0007】
この方法は、実質的に標的を含まない1つ以上の溶液とともに、複数の固定されたリガンドをインキュベーションする工程を包含する。この溶液は、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに対する所望されない結合を示し得る、1つ以上の因子を含む。溶液は、リガンドと因子との間での安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションされる。いくつかのリガンド−因子複合体が、標的について親和性を有するプローブ分子を用いて検出される。リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子が、複合体と関連したシグナルを同定することによって検出される。
【0008】
次いで、リガンドが、標的および先に使用した少なくとも1つの溶液を含む第2の溶液とともに、インキュベーションされる。第2の溶液はまた、標的とリガンドとの間の安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドとの間での安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションされる。次いで、これらの複合体をプローブ分子と接触させ、リガンド−標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子が同定される。
【0009】
第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体と関係するシグナルが、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較される。第1の溶液と比較して第2の溶液に優先的に関連するシグナルは、標的についての特異的なリガンドを含有しているリガンド−プローブ分子複合体を示す。
【0010】
スクリーニング方法において使用されるシグナルの少なくとも1つは、一過性のシグナルである。好ましい実施形態において、この方法で使用されるシグナルの2つ以上または全てが、一過性のシグナルである。
【0011】
本明細書中で開示されるスクリーニング方法を使用して同定されるペプチドもまた、本発明の範囲内である。1つの局面において、本発明は、20未満のアミノ酸長であり、そして、そしてブタのパルボウイルス(PPV)結合ドメイン、A型肝炎ウイルス(HAV)結合ドメイン、またはプリオン結合ドメインを含むペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドは、18、16、15、14、または13未満のアミノ酸長である。
【0012】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する。HAV結合ドメインを含むペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLFRF(配列番号9);FLIHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI;FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25)、および(F)LLVLP。本明細書中の括弧中に示されるアミノ酸は、D−アミノ酸を示す。
【0013】
いくつかの実施形態において、PPV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でPPVに結合する。PPV結合ドメインを含むペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL;(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);およびFLLSVI(配列番号20)。
【0014】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインは、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する。HAV結合ドメインを含むこのようなペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;およびFLLYAK(配列番号27)。
【0015】
いくつかの実施形態において、HAV結合ドメインはPRVに結合する。このようなHAV結合ドメインの例として、例えば、以下が挙げられる:FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN;(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7);およびFLLYAK(配列番号8)。
【0016】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、プリオンタンパク質に結合する配列(すなわち、プリオンタンパク質結合配列)を含む。プリオン結合配列を含有しているタンパク質の例として、例えば、以下が挙げられる:(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF;(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);およびAVFNFD(配列番号30)。
【0017】
さらなる実施形態において、ペプチドは、以下のポリペプチド配列を含む:FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN;(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7);FLLYAK(配列番号8);FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF;(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);AVFNFD(配列番号30);FLLFRF(配列番号9);FLLHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI;FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25)、(F)LLVLP;(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL;(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);およびFLLSVI(配列番号20);(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;またはFLLYAK(配列番号27)。
【0018】
さらなる局面において、本発明は、20未満のアミノ酸長であり、そして脳心筋炎(EMCV)結合ドメイン、シミアンウイルス40(SV−40)結合ドメイン、ポリオウイルス結合ドメイン、ウシウイルス性下痢ウシウイルス(BVDV)結合ドメイン、またはα−1−プロテイナーゼインヒビター(API)結合ドメインを含む配列を含有するペプチドを提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、EMCV結合ドメインを含む。EMCV結合ドメインを有するペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLRNV(配列番号33)、FLLNAH(配列番号34)、FLLGPR(配列番号35)、およびFLLNQE(配列番号36)。
【0020】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、SV−40結合ドメインを含む。SV−40結合ドメインを有するペプチド配列の例として、例えば、以下が挙げられる:FLLFQP(配列番号37)、FLLEVY(配列番号38)、およびFLLRGS(配列番号39)。
【0021】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、ポリオウイルス結合ドメインを含む。ポリオウイルス結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLIDA(配列番号40)、FLLQSA(配列番号41)、FLLKEI(配列番号42)、FLLPFK(配列番号43)、FLLAPN(配列番号44)、FLLYSA(配列番号45)、FLLLNS(配列番号46)、FLLYRR(配列番号47)、およびFLLKSV(配列番号48)。
【0022】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、BVDV結合ドメインを含む。BVDV結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:FLLLRN(配列番号49)、およびFLLRGH(配列番号50)。
【0023】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、API結合ドメインを含む。API結合ドメインを有するペプチドの例として、例えば、以下が挙げられる:AQTFHD(配列番号51)、RDYDTD(配列番号52)、LKRIEY(配列番号53)、SDLRRL(配列番号54)、APPRTV(配列番号55)、VLYTNN(配列番号56)、NFZQNT(配列番号57)、およびSKNNAA(配列番号58)。
【0024】
さらなる局面において、本発明は、本明細書中に記載されるリガンド結合ペプチドを含む組成物を提供する。例えば、組成物は、20未満のアミノ酸長を有し、そしてPPV結合ドメイン、HAV結合ドメイン、またはプリオン結合ドメインを含有している配列を含むペプチドを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、固体支持体に結合されている。固体支持体は、例えば、樹脂であり得る。
【0026】
別の局面において、本発明は、生物学的な流体を本明細書中に記載されているリガンド結合ペプチドを含む組成物と接触させることによって、生物学的な流体から標的を除去する方法を含む。組成物は、その組成物中のペプチドに対する標的の特異的な結合を引き起こすに十分な条件下で、標的と接触させられる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、標的は、例えば、HAV、PPV、PRV、プリオンタンパク質、HIV、EMCV、BVDV、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、またはSV40である。他の実施形態においては、標的は、例えば、EMCV、SV40、BVDV、API、またはポリオウイルスである。
【0028】
生物学的な流体は、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、導管液(ductal fluid)、涙液、または精液であり得る。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、標的についてのリガンドを同定するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の固定されたリガンドを、標的を実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する第1の溶液とともに、リガンドと因子との間での安定な複合体の形成を可能にする条件下でインキュベーションする工程;(b)リガンド−因子複合体を、標的について親和性を有するプローブ分子と接触させる工程;(c)複合体に関係する一過性のシグナルを同定することによって、リガンド−因子複合体に対して結合したプローブ分子を同定する工程;(d)リガンドを、標的および第1の溶液を含む第2の溶液とともに、標的とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(e)リガンド−標的複合体およびリガンド−因子複合体を、プローブ分子と接触させる工程;(f)一過性のシグナルを検出することによって、第2の溶液中のリガンド−標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;ならびに(g)第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較する工程。第1の溶液に対して第2の溶液と優先的に関係するシグナルは、標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す。
【0030】
いくつかの実施形態において、複数の固定されたリガンドは、個々に支持体上に固定され、それによって、支持体の集団を生成する。支持体は、例えば、ビーズであり得る。例えば、複数の固定されたリガンドは、リガンドを含有するビーズのコンビナトリアルライブラリーを含む。いくつかの実施形態において、支持体の集団が、表面上に固定される。
【0031】
いくつかの実施形態において、表面は、平面である。いくつかの実施形態においては、表面は透明であり、例えば、表面は、平面な透明の表面であり得る。
【0032】
本発明のいくつかの局面において、支持体の集団は、接着剤中に包埋させられる。接着剤は、例えば、ビニル接着コーキング材料(vinyl adhesive caulking material)のような、エラストマー封止剤(シーラント)であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、リガンド分子は、ポリマーである。例えば、リガンド分子は、例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低有機分子、核酸、および炭水化物であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、プローブ分子は、抗体である。
【0035】
いくつかの実施形態において、検出可能な一過性のシグナルは、化学発光である。特定の局面においては、化学発光は、例えば、オートラジオグラフィーによって検出され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、標的は細胞である。他の実施形態において、標的はウイルスである。ウイルス標的の例として、例えば、ブタのパルボウイルス、仮性狂犬病ウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、シミアンウイルス40、脳心筋炎ウイルス、ウシのウイルス性下痢ウイルスが挙げられる。
【0037】
なお他の実施形態において、標的は、タンパク質(例えば、α−1−プロテイナーゼインヒビター)である。他の実施形態において、標的は、プリオン(例えば、スクラピープリオン)である。
【0038】
いくつかの実施形態において、この方法は、複合体に関係する一過性のシグナルを検出した後でかつリガンドと第2の溶液をインキュベーションする前に、リガンド−因子複合体から因子を除去する工程をさらに包含する。特定の実施形態において、この方法はさらに、標的に特異的であるリガンドの正体を決定する工程を包含する。
【0039】
なおさらなる局面において、本発明は、複数の標的ついてリガンドを同定するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の固定されたリガンドを、第1の標的を実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する第1の溶液とともに、リガンドと因子との間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(b)リガンド−因子複合体を、第1の標的について親和性を有するプローブ分子と接触させる工程;(c)複合体に関係する一過性のシグナルを同定することによって、リガンド−因子複合体に対して結合したプローブ分子を同定する工程;(d)リガンド−因子複合体から因子を除去する工程;(e)リガンドを、第1の標的および第1の溶液を含有する第2の溶液とともに、第1の標的とリガンドとの間での安定な複合体の形成を可能にしかつ因子とリガンドの間で安定な複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベーションする工程;(f)リガンド−第1の標的複合体およびリガンド−因子複合体を、プローブ分子と接触させる工程;(g)一過性のシグナルを検出することによって、第2の溶液中のリガンド−第1の標的複合体に結合したプローブ分子およびリガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;(h)第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関係する一過性のシグナルと比較する工程、ここで、第1の標的に対して第2の溶液に優先的に関係するシグナルが、第1の標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す、工程;(i)リガンド−因子複合体から因子を、そしてリガンド−第1の標的複合体から第1の標的を除去する工程;ならびに(j)第2の標的を含む第3の溶液を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程。
【0040】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程を包含する。
【0041】
別の局面において、本発明は、血液組成物中に存在するウイルスに結合するペプチドを同定するための方法を含む。この方法は、以下の工程を包含する:(a)コンビナトリアルペプチドライブラリーを含む複数の固定されたビーズを提供する工程;(b)このペプチドライブラリーを、ウイルスを実質的に含まず、1つ以上の因子を含有する血液組成物とともに、ペプチドと因子の間で安定な複合体の形成を可能にする条件下でインキュベーションする工程;(c)複合体を、ペプチド−因子−第1の抗体複合体の形成を可能にする条件下で、ウイルスについて親和性を有する第1の抗体と接触させる工程;(d)ペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを同定する工程;(e)ペプチドを、ウイルス分子および第1の血液組成物を含有する第2の血液組成物とともに、安定なペプチド−ウイルス複合体およびペプチド−因子複合体の形成を可能にする条件下で、接触させる工程;(g)ペプチド−ウイルス複合体およびペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを同定する工程;ならびに(h)このペプチド−ウイルス複合体に関係する一過性のシグナルおよびペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルを、第1の血液組成物中のペプチド−因子複合体に関係する一過性のシグナルと、比較する工程であって、ここで、第1の血液組成物に対して第2の血液組成物に優先的に関係する一過性のシグナルが、ウイルスに特異的なペプチドを含むペプチド−ウイルス複合体を示す、工程。
【0042】
いくつかの実施形態において、この方法は、さらに、第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程を包含する。いくつかの局面において、この方法は、ペプチドの配列を同定する工程を包含する。
【0043】
いくつかの実施形態において、ペプチドライブラリーは、ビニルコーキング接着剤を使用して透明なフィルム上に固定される。
【0044】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第2の標的を含有する第3の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程を包含する。いくつかの実施形態において、この方法はさらに、第3の標的を含む第4の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程を包含する。
【0045】
本発明は、多くの利点を付与する。例えば、これは、反応媒体中に含まれる因子に対するビーズ(および/または対応しているリガンド)の結合を含む結合反応から、特異的なリガンド−標的相互作用に関係している結合反応を区別する能力を付与する。
【0046】
本発明の別の利点は、リガンドがスクリーニングプロセスにおいて消費されないことである。さらに、リガンドの結合は、結合したプローブ分子に関係している一過的なシグナルを使用して検出される。従って、複数のプローブ分子が、リガンドの同じ固定化されたライブラリーに対して連続的に適用され得る。一連のプロフィールが作成され得、そしてその結果が、例えば、多数の異なる標的とのリガンドの結合プロフィールを比較することによって、互いに直接比較され得る。
【0047】
他に特に定義されない限りは、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される、ものと同じ意味を有する。本明細書中に記載されているものと類似または等価である方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が、以下に記載される。本明細書中に記載されている全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献が、それらの全体において参考として援用されている。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は、説明のためだけであり、限定するようには意図されない。
【0048】
本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0049】
(発明の詳細な説明)
本発明は、標的に対するリガンドを同定する方法を記載する。標的は、目的の任意の分子または複合体であり得る。従って、これは、例えば、ポリペプチド、リポポリサッカライド、ポリサッカライド、または生物学的な目的の他の分子であり得る。これは、さらに、ウイルスまたは細胞のような、高分子構造を含み得る。この方法は、必要に応じて、QuASARTMスクリーニング:「Quick Assay for Selecting Affinity Resin」と呼ばれ得る。
【0050】
この方法は、標的に対して特異的に結合するリガンドライブラリーのメンバーについての差引き分析技術(subtractive analytical technique)の選択を使用する。一般的には、2工程のスクリーニング手順が使用される。第1に、リガンドの固定化されたライブラリーが、標的を含まないスクリーニング溶液と共にインキュベートされる。スクリーニング溶液は、因子−リガンド複合体を形成するように、ライブラリー中の1つ以上のリガンドに結合する1つ以上の因子を含み得る。次いで、リガンド−因子複合体は、特異的なリガンド−標的複合体を同定するために使用される検出システムによって検出され得る。同定されない限りは、因子−リガンド複合体は、標的について特異的であるリガンドの同定を曖昧(obfuscate)にし得る。
【0051】
スクリーニング溶液は、代表的には、標的がスクリーニングライブラリーとともにインキュベートされる溶液である。例えば、標的が細胞培養培地中に分泌される成長因子である場合には、スクリーニング溶液は、分泌される成長因子を欠いている細胞培養培地であり得る。他のスクリーニング溶液は、例えば、ウイルスに対応している標的が試験される場合には、ウイルス増殖培地であり得るか、または血液組成物中の標的が試験される場合には、血液組成物などの他の液体であり得る。別の適切な第1のスクリーニング溶液は、プローブ分子を含む溶液である。このスクリーニングは、因子または標的の非存在下でプローブ分子に結合するそのようなライブラリーのメンバーを同定する。
【0052】
所望される場合には、標的を欠いている複数のスクリーニング溶液が、使用され得る。例えば、1つのスクリーニング溶液は、スクリーニング溶液中に存在する因子の非存在下でプローブ分子を含み得、そして別の予備スクリーニング溶液は、標的を含まない細胞性の抽出物を含み得る。従って、プリオンタンパク質に対して惹起された標的のスクリーニングのためには、適切な予備スクリーニング溶液は、プリオンタンパク質についての抗体を含有している第1の溶液、および感染性のプリオンタンパク質が存在していないことが既知であるかまたは存在していないと思われる「ブランク」または「コントロール」の脳抽出物を含有している第2の溶液を含む。
【0053】
次に、プローブ分子が、リガンド−因子複合体を同定するために添加される。一般的には、標的を認識する限り、任意のプローブ分子が使用され得る。プローブ分子は、例えば、ウイルスまたはウイルスタンパク質がプローブとして使用される場合には、そのウイルスまたはウイルスタンパク質に対する抗体であり得るか、あるいは、タンパク質または成長因子が標的として使用され得る場合には、そのタンパク質または成長因子に対する抗体であり得る。
【0054】
ライブラリー中の1つ以上のリガンドに結合した因子を検出するプローブ分子は、結合したプローブ分子に関係しているシグナルを生成することによって、同定される。いくつかの実施態様においては、シグナルは、X線(オートラジオグラフィー)フィルム上に記録され、そしてフィルムに対する曝露のパターンは、スターマップ(star map)と呼ばれる。フィルムの曝露された部分は、プローブ分子に結合したリガンドライブラリー中の領域を示す。
【0055】
因子−リガンド複合体を認識するプローブ分子が同定された後に、固定されたリガンドが、第2のスクリーニング溶液を用いてプローブされる。上記に記載されるように、第2の溶液は、代表的には、第1の溶液の成分の全て、および標的を含む。第2のスクリーニング溶液およびリガンドライブラリーは、リガンド−標的複合体、ならびにスクリーニング溶液中の1つ以上の因子とリガンドとの間での複合体の形成を可能にする条件下で、インキュベートされる。
【0056】
第2の溶液分子とのインキュベーション後に、プローブ分子が、ライブラリー中の1つ以上のビーズに結合した因子および標的を検出するために添加される。標的−リガンド複合体、または因子−リガンド複合体に結合するプローブ分子が、結合したプローブ分子に関係する一過的なシグナルを生成することによって、同定される。一過的なシグナルは、第1回目のスクリーニングと同様に記録されて、第2のスターマップを作製する。このマップは、第1のスクリーニング溶液とのインキュベーションの後で観察されるものと同じ位置のシグナル、および新しいシグナルセットを含む。スクリーニングが、同じタイプのシグナルを生成することによって2工程で行われ得る(ここでは、種々のマップ位置が、同じ様式で標識される)か、あるいは、スクリーニングは、異なるタイプのシグナルを生成することによって2工程で行われ得る(ここでは、種々のマップ位置は、異なる様式で標識される)ことが、理解される。
【0057】
標的に関係しているシグナルを同定することは、第1および第2の工程において生成されたシグナルを比較することを必要とする。第2のシグナルセットは、代表的には、第1のセットと共通であり、そしてリガンドをプローブする際に使用される試薬に結合するビーズからのシグナルに対応する大部分のシグナル、およびリガンド−標的結合からのシグナルを有する。第2のシグナルセットからの第1のシグナルセットの差引きによって、標的に対して特異的に結合するリガンドを含むビーズに対応するシグナルのセットを明らかにする。
【0058】
第1または第2のスクリーニング工程においてプローブ分子を同定するために使用される少なくとも1つのシグナルは、一過的なシグナルである。一過的なシグナルとは、その持続期間が有限であるシグナルを意味する。いくつかの実施態様においては、シグナルは、14日またはそれ未満の間持続する。例えば、シグナルは、7日間、3日間、2日間、1日間、12時間、6時間、3時間、1時間、または30分間、あるいはそれ未満の間、持続し得る。結合した因子−リガンド複合体、または標的−因子複合体に関係している一過的なシグナルは、代表的には、永久的な媒体上に記録され、そして保存される。好ましい実施態様においては、両方のスクリーニング工程が、一過的なシグナルを使用して検出される。
【0059】
所望される場合には、リガンドの同じライブラリーが、種々の標的に対する結合についてスクリーニングされ得る。例えば、それぞれが特有のリガンドを有している個々のビーズが、接着剤の薄いフィルム上に固定され、そして標的の非存在下で培養培地(「コントロール」または「ブランク」)のようなスクリーニング溶液を用いてプローブされる。スクリーニング溶液中の因子に結合するビーズが、プローブに対して交差反応するビーズとして同定される。次いで、スクリーニング溶液が除去され、そして洗浄後に、標的を含有している培地を用いてプローブ手順が繰り返される。シグナルの生成および同定の後、因子、標的、およびプローブ分子が除去され、それによってライブラリー中のリガンドを結合のために再び利用可能にする。この手順はまた、リガンドライブラリーの再生と呼ばれる。次いで、再生されたライブラリーは、異なる標的に対する結合について再スクリーニングされ得る。全てのスクリーニングが完了すると、特異的なシグナルに対応しているビーズが接着剤から除去され、そして1つ以上の標的に結合するリガンドが特徴付けられる。例えば、特定のライブラリーが、標的のファミリー(例えば、類似の構造的なモチーフを有すると考えられるタンパク質のグループ、または血液中に見出される種々のウイルス)のメンバーに結合するリガンドについて、多くの種々の時点でスクリーニングされ得る。特定のファミリー中の多数の標的に対して効率的に結合するリガンドの比較によって、治療薬の設計のための有用な情報を提供する。
【0060】
この方法はさらに、1つ以上の標的に結合するが、第2の標的(単数または複数)には結合しないリガンドを同定するために、使用され得る。さらに、この方法は、血液に関係しているタンパク質であるフィブリノーゲンのような、生物学的な液体の成分(単数または複数)の存在下で標的に結合するリガンドを同定するために使用され得る。成分(例えば、フィブリノーゲン)は、リガンドについて標的と競合し得る。
【0061】
本明細書中で記載されるスクリーニング方法は、一般的には、標的を含まない溶液での最初のスクリーニング(単数または複数)、次いで、標的を含有している溶液でのスクリーニングをいう。しかし、この時間的順序は、絶対的ではない。従って、他の場所で特に記載されない限りは、本明細書中に記載されている方法は、リガンドライブラリーが、1つ以上の標的を含有している溶液(単数または複数)を用いて最初にスクリーニングされ、続いて標的を含まない溶液(単数または複数)を用いてスクリーニングされる工程を包含する。
【0062】
本明細書中に記載される方法は、種々の適用において使用され得る。リガンド分子のライブラリーは、例えば、標的(「レセプター」)分子に結合するそれらに能力についてスクリーニングされ得る。これらの標的として、例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、低分子、または細胞が挙げられる。一般的には、任意のタイプの細胞が、このアッセイにおいて使用され得る。従って、細胞は、原核生物細胞または真核生物細胞を含み得る。原核生物細胞の例として、例えば、グラム陰性細菌(例えば、Yersinia spp.)またはグラム陽性細菌(例えば、StaphylococcusまたはStreptococcus spp.)が挙げられる。真核生物細胞として、単細胞生物(例えば、原生生物または真菌細胞(例えば、Candida spp.のような酵母)、あるいは後生生物に由来する細胞が挙げられ得る。例えば、いくつかの実施態様においては、細胞は、哺乳動物の血液の種々の成分に関係し得る。従って、細胞は、例えば、血小板、赤血球、リンパ球を含み得る。
【0063】
用語「標的」は、それについての結合リガンド(例えば、核酸、ペプチド、ペプトイド、またはそれらに結合し得る他の化合物)が所望されるものをいう。新しくリガンドを同定することによって、標的の配列または構造、あるいはその天然の結合パートナーの正体または構造が既知である必要はない。実際、多くの「レセプター」分子についての結合パートナーは、同定されていない。
【0064】
本明細書中で使用される場合には、ライブラリーは、異なる配列を有する、少なくとも2つ(例えば、5;10;50;100;200;500;1,000;2,500;5,000;10,000;25,000;またはそれ以上)の分子のものを意味する。ライブラリーは、核酸、炭水化物、またはペプチドのようなポリマー性の化合物を含み得る。ペプチドライブラリーの場合には、アミノ酸の基礎曝露は、20個の遺伝的にコードされるL−アミノ酸、D−アミノ酸、合成のアミノ酸、側鎖の改変(例えば、硫酸基、リン酸基、炭水化物部分など)を有するアミノ酸であり得る。本明細書中で使用される場合には、アミノ酸のDイソマーは、括弧内に示される。例えば、(F)は、フェニルアラニンのD−イソマーを示す。ランダムペプチドライブラリーは、2〜100アミノ酸またはそれ以上の長さの範囲のペプチドの混合物を含み得るが、代表的には、約5〜15アミノ酸の長さである。用語「ランダム」は、ライブラリーの最も代表的な調製物のみを示し、そして組成物が未知であることを必要としない。従って、当業者は、所望される場合には、正確に公知の組成物の混合物を調製し得る。ライブラリーはまた、非オリゴマーであるリガンド(例えば、小さい非オリゴマーである有機化合物)を含み得る。
【0065】
一般的には、リガンドライブラリーを構築するための、当該分野で認識される任意の方法が、使用され得る。不活性な表面上で合成のペプチドコンビナトリアルライブラリーの開発によって、リガンド−標的相互作用を研究するために多数の異なるペプチドが利用可能となった。ランダムペプチドライブラリーは、マイクロビーズ上に重合化されたアミノ酸の標準的な有機合成によって産生され得る。代表的には、ライブラリー中の任意の1つのビーズ上のペプチドは、実質的には同じであるが;しかし、ペプチド配列は、個々のビーズによって変化する。例えば、混合、分離、およびカップリング合成方法が、Furkaら、Int.J.Pept.Protein Res.37:487−493(1991);Lamら、Nature 354:82−84(1991)に記載されているように、ポリスチレンに基づく樹脂ビーズ上に特有のペプチド配列を作製するために使用され得る。あるいは、表面に結合した、化学的に合成されたライブラリーは、現在、商業的な製造業者から購入することができる。例えば、ライブラリーは、Peptides International,Inc.(Louisville,KY)から得ることができる。
【0066】
リガンドのライブラリーは、任意の接着方法を使用して表面(例えば、ビーズ)に固定され得る。これによって、ライブラリーの膜の相対的な空間位置が、表面上で検出され得るために十分に安定な連結を生じる。
【0067】
いくつかの実施態様においては、ペプチドリガンドを含有しているライブラリーは、TentaGel樹脂(Peptides International,Inc.,Louisville,KY)上でペプチドを合成することによって構築される。このゼラチン様の樹脂は、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)と融合された低架橋ポリスチレンの骨格から構築される。代表的なポリエチレンの鎖の長さは、68エチレンオキシド単位である。ポリエチレンの末端には、リガンドが付着する反応基(例えば、第1級アミンまたはチオール)が存在する。例えば、反応基は、そのカルボキシ基を通じてカップリングされる第1の保護されたアミノ酸の接着部位である。カップリング後に、第1のアミノ酸の保護されたアミノ基が、新しいアミノ末端を露出するように脱保護される。この新しいアミノ末端は、次の保護されたアミノ酸の付着のための部位として機能する。カップリングおよび脱保護のサイクルを通じて、ライブラリーは、TentaGel樹脂の最初の反応基から発展する。
【0068】
いくつかの実施態様においては、それぞれが特有のリガンドを有している個々のビーズが、平面上に固定される。例えば、リガンドライブラリーが付着させられる表面は、不活性なポリマーのシートであり得る。最も好ましい実施態様においては、表面は、透明なフィルムである。接着剤は、ビーズを固定するために使用され得る。好ましい接着剤は、metal−grayPHENOSEALTMvinyl adhesive caulk(Gloucester Company,Inc.Franklin,MA)である。
【0069】
リガンドに対する因子または標的の結合は、当該分野で認識されている方法を使用することによってプローブ分子を用いて検出され得る。少なくとも1つのスクリーニング工程によって、プローブ分子の存在に関係している一過的なシグナルを使用して標的を同定する。例えば、表面に固定されたリガンドに対する標的の結合を検出するために当該分野で一般的に利用されるいくつかの方法が、存在する。
【0070】
結合していないリガンドと標的に結合したリガンドとの間での任意の検出可能な差異が、利用され得る。例えば、標的を認識するプローブ分子が、スクリーニングされるリガンドライブラリーに対して添加され得、そして結合させられ得る。あるいは(またはさらに)、リガンドに結合した蛍光標識された標的が、分光光度的に測定され得る。放射性標識されたプローブ分子もまた、使用され得る。例えば、標識は、放射性ヨウ素であり得る。他の実施態様においては、標的に対する抗体が、検出分子として使用され得る。特定の実施態様においては、標的は、それ自体は標識されないが、結合反応の後に、標的が、検出可能な一過的なシグナル(すなわち、一過的に光を放射するシグナル)を生じるように反応させられる。
【0071】
1つの実施態様においては、結合事象の検出は、標的を認識する一次抗体を含有しているスクリーニング溶液でリガンド−標的複合体をプローブする工程、続いて、一次抗体に対して結合する二次抗体/ホスファターゼ結合体を含有しているスクリーニング溶液でプローブする工程を包含する。抗体またはホスファターゼのいずれかに結合したリガンドを有するビーズが、ホスファターゼの存在を検出するために化学発光基質(例えば、CDP−Star(登録商標)、Tropix,Inc.,Bedford MAによる)を添加することによって可視化される。光の産生の検出は、オートラジオグラフィーフィルム上に捕捉される。得られるフィルムは、「スターマップ」として現れ、フィルム上のシグナルの強度は、異なるビーズによる光の生成の強度を反映する。
【0072】
一旦、リガンド−標的複合体が検出されると、リガンドが同定され、そしてさらに、特徴付けられる。リガンドを同定することは、推定の標的−結合リガンドを含有しているリガンドライブラリーの領域から元々のライブラリー中のいくつかのメンバーを再度スクリーニングすることを含み得る。これは、代表的には、リガンドライブラリーが比較的高い密度で配置される場合に、行われる。
【0073】
1つの実施態様においては、多数の異なるタイプの標的に結合するペプチドリガンドが、同定される。特定の実施態様においては、標的は低分子またはポリマー(例えば、タンパク質、核酸、または炭水化物)である。他の実施態様においては、標的は大きい細胞(例えば、赤血球、リンパ球、または血小板)である。なお他の実施態様においては、標的は、完全な生物体(例えば、細菌)である。
【0074】
1つの局面においては、ペプチドライブラリーは、1つ以上のウイルスに結合し得るリガンドについてスクリーニングされる。例えば、1つの適切なウイルス標的は、ウイルスのキャニオン(canyon)構造モチーフである。これは、ウイルスのキャプシド中の深い陥没(すなわち、キャニオン)である。例えば、Rossmannら、Nature 317:145−153(1985);Colonnoら、Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:5449−5453(1988);Rossmannら、Ann.Rev.Biochem.58:533−573(1989)を参照のこと。このキャニオンの基底の残基は、細胞内接着分子(IntraCellular Adhesion Molecule)−1(ICAM−1)の結合に関係している。従って、リガンドライブラリー中のペプチドは、ウイルスの表面上のキャニオンのような一般的な構造に結合し、そしておそらくICAM−1の結合を模倣する能力についてスクリーニングされ得る。
【0075】
(QuASARTMスクリーニングを使用して同定されたペプチドリガンド)
本明細書中ではまた、種々のウイルスまたはタンパク質標的に結合するリガンドが、開示される。従って、本発明はまた、これらの標的−結合ペプチドのアミノ酸配列を含有しているペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、20未満のアミノ酸の長さ(例えば、18、15、12、10、または8未満のアミノ酸)で、そして標的に結合する配列を含有しているペプチドを含む。このペプチド中の、標的に結合する配列は、「結合ドメイン」と呼ばれる。従って、ペプチドは、例えば、以下に対して結合するドメインを規定するアミノ酸配列を含み得る:ポリオウイルス、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、ブタのパルボウイルス(PPV)、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、ウシのウイルス性下痢性ウイルス(BVDV)、シミアンウイルス40(SV40)、ヒトの免疫不全ウイルス(HIV)、またはタンパク質標的(例えば、プリオンタンパク質またはα−1−プロテイナーゼインヒビター(API))。いくつかの実施形態においては、結合ドメインは標的(例えば、HAV、PRV、またはPPV)に対して、体液の構成成分の存在下で結合する。例えば、ペプチドは、血液に関係しているタンパク質であるフィブリノーゲンの存在下で標的に対して結合する。表4のサンプル1〜12および15〜17に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドは、血漿またはフィブリノーゲンを含有しているスクリーニング溶液の存在下でHAV標的に結合する。表4のサンプル18〜32に示されるアミノ酸配列を有しているペプチドは、血漿またはフィブリノーゲンの存在下でPPVに結合するが、一方、表4のサンプル33〜42に示されるアミノ酸配列を有しているペプチドは、HAVに結合するが、全血を有している第1のスクリーニング溶液には結合しない。
【0076】
いくつかのペプチドは、1つより多くの標的に結合する。例えば、いくつかのペプチドは、2個、3個、またはそれより多くの標的に結合する。例えば、いくつかのペプチドは、HAVまたはPPVの両方に結合する。好ましくは、縮重結合を示すこれらのペプチドは、内因性の体液の成分(例えば、フィブリノーゲン)について親和性をほとんど示さないかまたは全く親和性を示さない。HAV、PPV、およびPRVに結合するが、体液の構成成分には結合しないペプチドの例は、表4のサンプル43〜46に示されるものである。
【0077】
HAV、PAV、およびPRVに結合するペプチドの例は、FHALRH(配列番号1)、FFSKQN(配列番号2)、(F)AAFIN、(F)LLTSY、(F)LKLFP、(F)PNGGI、(F)VEVKF、FPLIKA(配列番号3)、(F)FFTFK、(F)LLDLX、(F)YYLNV、FLILDP(配列番号4)、FYTPPY(配列番号5)、FFYPAX(配列番号6)、FLLDKX(配列番号7)およびFLLYAK(配列番号8)である。ここでは、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧であるアミノ酸を示し、そしてXは、ライブラリーの構築において使用される17個のアミノ酸の任意のものであり得る。
【0078】
スクラピーに感染したハムスターに由来するプリオンタンパク質に結合するが、健康な同腹子に由来する脳抽出物には結合しないペプチドとして、表6に示されるアミノ酸配列を有するものが挙げられる。これらの配列を有するペプチドはまた、プローブ分子であるモノクローナル抗体FH11を含有しているコントロール溶液に対しても結合しない。この抗体は、組換えPrPタンパク質のアミノ末端領域を認識する。
【0079】
これらの配列を含むポリペプチドが、種々の分析適用、調製適用、および診断適用のために有用である。例えば、これらは、固体支持体(例えば、樹脂)に対してカップリングされ得、そして溶液(例えば、生物学的な流体)中に存在する標的を結合させるために使用され得る。例えば、Doyle、米国特許第5,750,344号を参照のこと。生物学的な流体の例として、例えば、血液または血液の成分(例えば、血漿または血清)が挙げられる。さらなる流体として、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管液、涙、または精液が挙げられる。
【0080】
結合は、溶液中の標的の存在を明らかにし得る。あるいは、またはさらに、結合は、生物学的な流体から同種の標的(単数または複数)を選択的に除去するために使用され得る。溶液からの標的の選択的な検出および除去のために、ペプチドは、固体支持体(例えば、樹脂)に付着させられ得る。流体(例えば、血液または血液産物)から因子を除去するための樹脂は、当該分野で周知であり、そして例えば、Horowitzら、米国特許第5,541,294号;Buettnerら、米国特許第5,723,579号;Buettner、米国特許第5,834,318号に記載されている。除去され得る標的は、中でも、HAV、PPV、PRV、シミアンウイルス40(SV40)、HIV、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、ヒトのパルボウイルスB19(B19)、ウシのウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、ポリオウイルス、ならびにプリオンタンパク質およびAPIのようなタンパク質である。さらに、標的は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌であり得る。
【0081】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に説明するために示される。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲を限定しない。
【0082】
(実施例1:QuASARTMスクリーニングを使用した、ウイルスに結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニング方法を、血液中に見出される標的に対して特異的に結合するペプチドを同定するために使用する。
【0083】
PHENOSEALTM接着剤の薄いフィルムを、透明なフィルム上に広げる。2枚の透明な接着テープを、表面に平行に貼り付け、そしてPHENOSEALTM接着剤を、金属チューブを用いてテープの小片の間に広げる。テープを、そのテープの厚みの接着剤のフィルムを提供するためにスペーサーとして使用する。それぞれ33個のサブライブラリーのそれぞれに由来する約1000個のビーズ(5mg)を、プラスチックラップ上の薄層の中の水の中に配置する。接着剤によってビーズが固体の表面に貼り付くように、接着剤で覆われた透明なものを、ビーズ溶液上に反転させる。透明なもの/ラップを、次いで反転させて、ここでラップが上部にある。ラップを取り除き、そしてビーズをPHENOSEALTM接着剤に固着したままにする。
【0084】
ビーズの上部を空気と接触させたままにする。接着剤を数時間の間硬化させた後、ビーズをタンパク質溶液で4℃でブロック(2時間から一晩)する。通常は、カゼインをブロッキング剤として使用する。ブロッキング剤は、損傷したビーズの表面に接着して、疎水性表面に対する標的の非特異的な結合を妨げる。いくつかの実験においては、ビーズを、ブロッキング工程の前に、再生緩衝液(下記を参照のこと)であらかじめ洗浄する。
【0085】
表面に固定されたライブラリーを、次いで、室温で2時間の間、新しい媒質(例えば、血漿)とともにインキュベートする。次いで、ビーズを、TS(0.05MのTris、0.15MのNaCl、pH7.4)でそれぞれ5分間、6回洗浄する。この洗浄によって、ビーズから任意の弱く結合したタンパク質を除去する。ビーズを、代表的には、目的の標的(例えば、タンパク質またはウイルス)に対する一次抗体とともに一晩インキュベートする。次いで、洗浄工程を繰り返して、あらゆる弱く結合した一次抗体を除去する。ビーズを、一次抗体について特異的である標識された二次抗体とともに約30分間インキュベートする。ほとんどの試行において、二次抗体は、ホスファターゼで標識される。抗体とのインキュベーションの後、ビーズを、TS+0.05%のTweenで6回洗浄し、そしてTSで6回洗浄する。全ての洗浄は、10分の長さである。大量洗浄プロトコールが、結合してないホスファターゼを全て除去するために必要である。最後のTSでの洗浄の後、ビーズを、0.05MのTris pH9.5+0.005MのMgCl2で10分間洗浄する。より高いpHが、結合したホスファターゼの活性については必要である。
【0086】
ホスファターゼ標識した二次抗体を使用する場合には、それぞれのビーズと会合させたホスファターゼを、0.05MのTris pH9.5、0.005MのMgCl2中に化学発光基質(例えば、CDP−Star(登録商標)、Tropix,Inc.,Bedford MAによる)を添加することによって発光させる。この基質を、ビーズの表面に対して穏やかに適用し、そして化学発光をオートラジオグラフィーによって検出する:固定されたビーズを、防水性の接着フィルムでラップし、そしてオートラジオグラフィーフィルムに対して曝露する。
【0087】
化学発光シグナルを放出するビーズは、シグナルのパターンを生じるか、または「スターマップ」をフィルム上に生じる。透明なものの上のフィルムの位置を、3個のピンの穴で印をつけることによっていくつかの場合において記録する。曝露時間を、産生されるシグナルの強度に基づいて経験的に評価する。バックグラウンドのスクリーニングのために、フィルムを、弱いシグナルを生じるビーズさえも検出することを確実にするために、過剰に曝露(通常は、一晩の曝露)させる。化学発光アッセイの感度のために、高い割合のビーズが最終的に、非常に長いインキュベーション期間(例えば、72時間またはそれより長く)にわたって検出可能なシグナルを生じる。この過剰な曝露によって、オートラジオグラフィーフィルム上のパターンとのビーズの正確なアラインメントを容易にする。
【0088】
標的のスクリーニングのためにビーズを再生するために、試薬を、代表的には、3Mのチオ硫酸ナトリウム中で15分間;6Mの尿素、および2%の酢酸で各15分間を3回洗浄することによって、ビーズから洗い流す。pHを、0.15Mのクエン酸、pH7.4での十分な洗浄によって平衡化させて、pHを約7にする。標的に特異的に結合するペプチドを含有しているビーズを検出するために、上記のブロッキング手順およびブローブ手順を、標的が2時間の結合インキュベーション中に存在することを除いて、二連で行う。いくつかのスクリーニングにおいては、標的は、PPV、PRV、またはHAVである。他においては、標的は、スクラピータンパク質またはAPIである。
【0089】
第2回目のオートラジオグラムを上記に記載するように行い、そして第1回目のバックグラウンドのオートラジオグラムと比較する。標的の存在下での第2回目のスクリーニングにおいてのみ検出されるビーズを、同定する。このビーズのサブ−セットは、通常は、標的特異的ビーズに対応する、過剰に発光させたオートラジオグラフィーのフィルム上のスポット上に赤い印を配置することによって示される。フィルムを、透明な支持体の下に配置し、そしてビーズをオートラジオグラム上のそれらの対応しているスポットを用いて集める。フィルムおよび透明なものを、正確なアラインメントを維持するためにともにテープで止める。赤いスポット上のビーズは、視覚的にまたは顕微鏡を用いて容易に同定される。
【0090】
個々のポジティブなビーズを、以下の手順に従って接着剤から除去する:接着剤の表面を生理食塩水溶液で湿らせ、そしてポジティブなビーズ(赤い点で示されるような)を、注射器の針を使用して接着剤から採取する。これらを、次いで、小さいチューブ中に別々に入れ、そして取り扱いを容易にするためにクマシーブルーで染色する。次いで、ビーズを、タンパク質配列決定装置上にロードし、そしてポジティブなビーズ上のリガンドを、Edman分解によって特徴付ける。
【0091】
種々のウイルス標的について同定されたリガンドの例を、表1に示す。全てのビーズは、1位〜3位で(F)LLまたはFLLのいずれかで始まった。ポジティブなビーズの4位〜6位の配列の結果を、表1に概説する。
【0092】
【表1】
α−1−プロテイナーゼインヒビター(API)に結合するリガンドの例を、表2に示す。APIタンパク質の欠損は、肺気腫の早発性発症に関係していると考えられる。例えば、米国特許第4,496,689号を参照のこと。
【0093】
【表2】
(実施例2:QuASARTMスクリーニングを使用した、複数のウイルスに対して結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニングを使用して、フィブリノーゲン、または全血もしくは血清の成分の存在下でもなお、1つ以上のウイルスに結合するペプチドリガンドを同定する。
【0094】
33個のサブライブラリーを、TentaGel樹脂上で合成する。それぞれのビーズは、遊離のアミノ基上で合成された6個のアミノ酸配列を有する。これらのライブラリーは、N末端(1位)にD−またはL−アミノ酸を有する。システイン、メチオニン、およびトリプトファンを除いて、一般的なアミノ酸の全てを使用する。他の5個の位置(2位〜6位)は、L−アミノ酸のみを有する。それぞれのサブライブラリーを、PPVに対する抗体を用い、続いて上記のような化学発光検出によって個々にスクリーニングする。サブライブラリーを、次いで、上記に記載するように、PPVの存在下で再スクリーニングする。それぞれのサブライブラリーにおけるPPVの結合について特異的なビーズの数を計数する。81個のポジティブなシグナルのうち、56個が、D−フェニルアラニン(F)で始まるペプチドを含有しているサブライブラリー中に存在する。3個のシグナルが、フェイニアラニンFで始まるサブライブラリー中に存在し;3個が、L−アラニンAで始まるサブライブラリー中に存在し;3個が、L−プロリンPで始まるサブライブラリー中に存在し;そして3個が、D−ロイシン(L)で始まるサブライブラリー中に存在する。
【0095】
(F)およびFで始まるサブライブラリーを、それらをプレートし、そしてウイルスPPV、HAV、およびPRVでプローブすることによってさらに分析する。3個のウイルス全てに結合する16個の配列を得、そしてそれらのアミノ酸配列を決定する。これらのペプチドおよびそれらの配列は、以下を含む:FHALRH(配列番号1)、FFSKQN(配列番号2)、(F)AAFIN、(F)LLTSY、(F)LKLFP、(F)PNGGI、(F)VEVKF、FPLIKA(配列番号3)、(F)FFTFK、(F)LLDLX、(F)YYLNV、FLILDP(配列番号4)、FYTPPY(配列番号5)、FFYPAX(配列番号6)、FLLDKX(配列番号7)、およびFLLYAK(配列番号8)。ここでは、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧であるアミノ酸を示し、そしてXは、ライブラリーの構築において使用される17個のアミノ酸の任意のものであり得る。
【0096】
配列は、アミノ酸のランダムな分布は示さない。例えば、1つのアミノ酸Lは、2位で6回見出されるが、6位では1回も見られない。さらに、16個のペプチドのうちの4個が、FLLで始まる。統計学的には、289個のうちの1個が、これらの3個のアミノ酸で始まると予想され、このことは、この配列がウイルスの結合について偏っていることを示している。
【0097】
複数のウイルスに対して結合するペプチド配列をさらに規定するために、(F)LLXXX FLLXXX配列モチーフに基づくサブライブラリーを合成し、そしてPPV、PRV、ポリオウイルス、EMCV、BVDV、SV40、およびHAVの結合についてスクリーニングする。
【0098】
それぞれのウイルスと関係しているシグナルの強度を、シグナルがHAV、PPV、PRV、または媒質のみでのプロービングの後に観察されるかどうかに従って分類する。シグナルの強度を、その特定のプレートについての曝露の範囲に基づいてそれぞれのビーズについて考慮し、そして+/−のスケールで記録する。ここで、[−]は検出可能ではないものであり、そして[++++]はスターマップ中の最も高い強度である。ビーズの詳細の表の例を、以下の表3に示す:
【0099】
【表3】
(実施例3:QuASARTMスクリーニングを使用した、体液の成分の存在下で複数のウイルスに対して結合するペプチドの同定)
バックグラウンドの結合は、標的が、標的に対する結合についてリガンドと競合し得る1つ以上の成分を有している溶液中に存在する場合には、標的に対して特異的に結合するリガンドのスクリーニングにおいて重要な考慮すべき事柄である。これらの競合するリガンドは、例えば、体液(特に、フィブリノーゲン)中に見出され得る。従って、ウイルスのレセプター結合ドメインを標的化する実験は、ICAM結合部位を通じてフィブリノーゲンにもまた結合する、ペプチドに対して選択するように設計される。スクリーニング手順は、本質的には、過剰のフィブリノーゲンの存在下でウイルスに結合するビーズについてのスクリーニングが行われることを除いて、実施例1に記載されるとおりである。すなわち、フィブリノーゲンが、第1回目のスクリーニングの媒体中の因子である。
【0100】
実施例1に記載する手順を使用して、ビーズ上に固定されたヘキサマーのペプチドのライブラリーを、血漿、フィブリノーゲン溶液、または全血中でHAV、PPV、およびPRVについてスクリーニングする。結果を、以下の表に示す。全ての3個のウイルスに結合する配列をもまた、示す。全てのビーズは、1位〜3位で(F)LLまたはFLLのいずれかで始まる。ポジティブなビーズの4〜6の位置の配列の結果を、表4に概説する。
【0101】
【表4】
4位〜6位での種々のアミノ酸の頻度を、表5にまとめる。上記に示すように、Xは、その正体が配列決定の後で曖昧なままであるアミノ酸を示し、そして、これは、ライブラリーの構築において使用されるアミノ酸の任意のものであり得る。
【0102】
4位〜6位で頻繁に検出される3個のアミノ酸は、それぞれ、P、Y、およびKである。配列FLLPYK(配列番号28)および(F)LLHPIを、血液サンプルからのウイルスの除去におけるさらなる研究のために使用されるコンセンサスペプチドとして選択する。
【0103】
【表5】
ペプチドを、Toyopearl 650アミノ樹脂上に、またはTosoHaas製のより大きな孔隙の樹脂(例えば、Toyopearl 750アミノ)上に直接合成する。最初の実験によって、PPVがペプチドFLLPYK(配列番号28)に結合したかどうかを評価する。生理食塩水を、PPVでスパイクし、そして溶液を、アミノ樹脂上に合成したFLLPYKのカラムに通過させる。εアミノ酸が、ペプチドと樹脂との間にスペーサーとして作用するように、ペプチドのカルボキシ末端に含まれる。出発物質およびフロースルーのサンプルを、感染性のPPVについてアッセイする。代表的には、ウイルスの5logの減少が、FLLPYK(配列番号28)ペプチドを有するカラムのフロースルー中で見出されるが、一方、3logの除去がアミノ樹脂のみを用いて見出される。1logの減少は90%の除去を意味し、2logは99%を意味するなどである。接触時間は4分であり、そして実験を室温で行う。アミノ−FLLPY(配列番号31)は、4.5logのクリアランスを生じ、一方、アミノ−FLLP(配列番号32)およびアミノ−FLLは有意なクリアランスを生じない。アセチル−FLLPYK(配列番号28)はクリアランスを生じず、そしてアセチル−FLLPY(配列番号31)も生じない。従って、このペプチドの末端アミノ基が、PPVへの効率的な結合に不可欠である。匹敵する実験は、アミノ−FLLPYK(配列番号28)がHAV、PRV、HIV、およびBVDVに結合することを示す。
【0104】
配列(F)LLHPIを用いる一連の実験を、遊離のアミノ末端およびアセチル化アミノ末端の両方を用いて行う。PPVでスパイクした生理食塩水(10mL)を、4分間の滞留時間で、配列(F)LLHPIを含有している樹脂(1mL)を通過させる。このカラムは、5logのクリアランスを提供する。アミノ樹脂を用いる同一の実験においては、約2〜3logのクリアランスが見られる。このことは、ウイルスの除去の2つの方法が存在していることを示唆する:1)ペプチド配列との親和性相互作用、および2)遊離のアミノ基とのより弱いイオン交換。遊離のアミノ基がアセチル化されている場合には、基本の樹脂(アセチル化アミノ樹脂)は、ウイルスをほとんどクリアリングせず(1log未満)、一方、アセチル化(F)LLHPIは、2〜3logのPPVに結合する。
【0105】
アセチル化―(F)LLHPI配列がウイルスに選択的に結合する能力をさらに、血漿に対するPPVの添加によって示す。PPVでスパイクした血漿10mLを、1mlの樹脂に通過させる。全部で2logのPPVがクリアリングされる。血漿を同じ樹脂に再び通過させる場合には、3.2logが除去される。リサイクルされる場合には、3.5logが除去され、そして3回目に通過させる場合には、全部で4.7logが血漿からクリアされる。従って、ウイルスは、樹脂に対して実質的に結合し得る、すなわち、99.99%より多くが血漿から除去され得る。この樹脂はまた、PRV、HAV、HIV、EMCV、BVDV、B19、およびSV40に結合することが示される。
【0106】
(実施例4:QuASARTMスクリーニングを使用した、プリオンに対して結合するペプチドの同定)
QuASARTMスクリーニング方法をまた、プリオン粒子について特異的なリガンドを同定するために使用する。ペプチドライブラリーを再生し、そして組換えPrPタンパク質のアミノ末端領域に対して惹起された、モノクローナル抗体FH11(Animal Health Institute、Compton、Berkshire、UKのJim Hopeによって提供された;Fosterら、Vet.Rec.139:512−515(1996)もまた参照のこと)を用いて予備スクリーニングする。リガンドライブラリーを、次いで、再生し、そしてスクラピー粒子に感染した動物の同腹子である正常なハムスターに由来する脳抽出物でプローブする。正常なプリオンについての4個のリガンドが、表6に示すように同定される。
【0107】
再生後、ライブラリーを、スクラピーに感染したハムスターに由来する脳の抽出物に対して結合するリガンドについてスクリーニングする。さらに10個のリガンドが、表6に示すように同定される。スクラピータンパク質について特異的な合計14個の異なるリガンドが同定され、そのうちの12個を配列決定する。配列決定の結果を、表6に提供する。
【0108】
【表6】
上記の記載は、説明の目的だけのために示されており、そして本明細書に添付される特許請求の範囲による以外は、開示されている正確な形態に本発明を限定することは意図されない。
Claims (78)
- 20アミノ酸未満の長さであり、そしてPPV結合ドメイン、HAV結合ドメインおよびプリオン結合ドメインからなる群より選択される配列を含む、ペプチド。
- HAV結合ドメインを含む、請求項1に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する、請求項2に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、FLLFRF(配列番号9);FLLHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI:FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25)および(F)LLVLPからなる群より選択される配列を含む、請求項3に記載のペプチド。
- PPV結合ドメインを含む、請求項1に記載のペプチド。
- 前記PPV結合ドメインが、フィブリノーゲンの存在下でPPVに結合する、請求項5に記載のペプチド。
- 前記PPV結合ドメインが、(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL:(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);およびFLLSVI(配列番号20)からなる群より選択される配列を含む、請求項6に記載のペプチド。
- HAV結合ドメインを含む、請求項1に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、フィブリノーゲンの存在下でHAVに結合する、請求項8に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;およびFLLYAK(配列番号27)からなる群より選択される配列を含む、請求項9に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、PRVを結合する、請求項2に記載のペプチド。
- 前記HAV結合ドメインが、FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN:(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7)およびFLLYAK(配列番号8)からなる群より選択される配列を含む、請求項11に記載のペプチド。
- プリオンタンパク質に結合する配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 前記プリオンタンパク質結合配列が、(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF;(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);およびAVFNFD(配列番号30)からなる群より選択される、請求項13に記載のペプチド。
- 15アミノ酸未満の長さである、請求項1に記載のペプチド。
- 10アミノ酸未満の長さである、請求項1に記載のペプチド。
- 請求項1に記載のペプチドであって、該ペプチドは、FHALRH(配列番号1);FFSKQN(配列番号2);(F)AAFIN;(F)LLTSY;(F)LKLFP;(F)PNGGI;(F)VEVKF;FPLIKA(配列番号3);(F)FFTFK;(F)LLDLX;(F)YYLNV;FLILDP(配列番号4);FYTPPY(配列番号5);FFYPAX(配列番号6);FLLDKX(配列番号7);FLLYAK(配列番号8);FLLPYK(配列番号28);(F)LLHPI;(R)AATEH;(H)HHPQT;(V)SHLLS;(T)LHETL;(V)AGQGQ;(S)DFLKR;(V)FVRFX;(V)AKVSP;(R)YHVYF:(E)RPDKG;YRNQFR(配列番号29);AVFNFD(配列番号30);FLLFRF(配列番号9);FLLHEE(配列番号10);FLLHPH(配列番号11);FLLHSL(配列番号12);FLLRKF(配列番号13);FLLRYS(配列番号14);FLLYRY(配列番号15);(F)LLDIR;(F)LLKFP;(F)LLKQI;(F)LLPLK;(F)LLQAY;(F)LLQHY;(F)LLRFT;(F)LLYGK;(F)LLATI;(F)LLDSQ;(F)LLEIK;(F)LLHPI;FLLFRH(配列番号21);FLLKDQ(配列番号22);FLLQYK(配列番号23);FLLTGK(配列番号24);FLLYFT(配列番号25);(F)LLVLP;(F)LLAEY;(F)LLAFS;(F)LLAGV;(F)LLHHI;(F)LLKGY;(F)LLLPK;(F)LLPAK;(F)LLPFL;(F)LLPPR;(F)LLPYK;FLLQNK(配列番号16);FLLQPF(配列番号17);FLLRFA(配列番号18);FLLRYT(配列番号19);FLLSVI(配列番号20);(F)LLTSY;FLLDLX(配列番号26);(F)LLDKX;およびFLLYAK(配列番号27)からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、ペプチド。
- 請求項1に記載のペプチドを含む、組成物。
- 前記ペプチドが、固体支持体に結合されている請求項18に記載の組成物。
- 前記固体支持体が、樹脂である、請求項19に記載の組成物。
- 生物学的流体から標的を除去する方法であって、該方法は、該生物学的流体に、請求項18に記載の組成物を、該組成物中の前記ペプチドヘの該標的の特異的結合を生じるのに十分な条件下で接触させる工程を包含する、方法。
- 前記標的が、HAV、PPV、PRV、プリオンタンパク質、HIV、EMCV、BVDV、B19およびSV40からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
- 前記生物学的流体が、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管の流体、涙および精液からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
- 20アミノ酸未満の長さであり、そしてEMCV結合ドメイン、SV40結合ドメイン、ポリオウイルス結合ドメイン、BVDV結合ドメインおよびAPI結合ドメインからなる群より選択される配列を含む、ペプチド。
- EMCV結合ドメインを含む、請求項24に記載のペプチド。
- 前記EMCV結合ドメインが、FLLRNV(配列番号33)、FLLNAH(配列番号34)、FLLGPR(配列番号35)およびFLLNQE(配列番号36)からなる群より選択される配列を含む、請求項25に記載のペプチド。
- SV40結合ドメインを含む、請求項24に記載のペプチド。
- 前記SV40結合ドメインが、FLLFQP(配列番号37)、FLLEVY(配列番号38)およびFLLRGS(配列番号39)からなる群より選択される配列を含む、請求項27に記載のペプチド。
- ポリオウイルス結合ドメインを含む、請求項24に記載のペプチド。
- 前記ポリオウイルス結合ドメインが、FLLIDA(配列番号40)、FLLQSA(配列番号41)、FLLKEI(配列番号42)、FLLPFK(配列番号43)、FLLAPN(配列番号44)、FLLYSA(配列番号45)、FLLLNS(配列番号46)、FLLYRR(配列番号47)およびFLLKSV(配列番号48)からなる群より選択される配列を含む、請求項29に記載のペプチド。
- BVDV結合ドメインを含む、請求項24に記載のペプチド。
- 前記BVDV結合ドメインが、FLLLRN(配列番号49)およびFLLRGH(配列番号50)からなる群より選択される配列を含む、請求項31に記載のペプチド。
- API結合ドメインを含む、請求項24に記載のペプチド。
- 前記API結合ドメインが、AQTFHD(配列番号51)、RDYDTD(配列番号52)、LKRIEY(配列番号53)、SDLRRL(配列番号54)、APPRTV(配列番号55)、VLYTNN(配列番号56)、NFZQNT(配列番号57)およびSKNNAA(配列番号58)からなる群より選択される配列を含む、請求項33に記載のペプチド。
- 請求項24に記載のペプチドを含む、組成物。
- 前記ペプチドが、固体支持体に結合されている、請求項35に記載の組成物。
- 前記固体支持体が、樹脂である、請求項36に記載の組成物。
- 生物学的流体から標的を除去する方法であって、該方法は、該生物学的流体に、請求項35に記載の組成物を、該組成物中の前記ペプチドヘの該標的の特異的結合を生じるのに十分な条件下で接触させる工程を包含する、方法。
- 前記標的が、EMCV、SV40、BVDV、APIおよびポリオウイルスからなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
- 前記生物学的流体が、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、唾液、乳汁、管の流体、涙および精液からなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
- 標的に対するリガンドを同定するための方法であって、該方法は、以下:
a)複数の固定したリガンドを第1の溶液と共にインキュベートする工程であって、該第1の溶液は、該標的を実質的に含まず、そして1以上の因子を含み、該工程は、該リガンドと該因子との間の安定な複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
b)該リガンド−因子複合体に、該標的に対する親和性を有するプローブ分子を接触させる工程;
c)該リガンド−因子複合体に関連する一過性のシグナルを同定することによって、該リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;
d)該リガンドを、該標的および該第1の溶液を含む第2の溶液と共にインキュベートする工程であって、該工程は、該標的と該リガンドとの間の安定な複合体の形成および該因子と該リガンドとの間の安定な複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
e)該リガンド−標的複合体および該リガンド−因子複合体に、該プローブ分子を接触させる工程;
f)該一過性のシグナルを検出することによって、該第2の溶液中の該リガンド−標的複合体に結合したプローブ分子および該リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;および
g)該第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関連する該一過性のシグナルを、該第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関連する該一過性のシグナルと比較する工程であって、ここで、該第1の溶液に対する該第2の溶液に優先的に関連するシグナルは、該標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す、工程
を包含する、方法。 - 前記リガンドが、個々の支持体に固定されており、それによって、支持体の集団を作製する、請求項41に記載の方法。
- 前記個々の支持体が、ビーズである、請求項42に記載の方法。
- 前記複数の固定されたリガンドが、リガンド含有ビーズのコンビナトリアルライブラリーを含む、請求項41に記載の方法。
- 前記支持体の集団が、表面上に固定されている、請求項42に記載の方法。
- 前記表面が、平面である、請求項45に記載の方法。
- 前記表面が、透明である、請求項46に記載の方法。
- 前記支持体の集団が、接着剤中に包理されている、請求項42に記載の方法。
- 前記接着剤が、エラストマー性シーラントである、請求項48に記載の方法。
- 前記接着剤が、ビニル接着性コーキング材料である、請求項49に記載の方法。
- 前記リガンド分子が、ポリマーである、請求項41に記載の方法。
- 前記リガンド分子が、ペプチド、ペプチド模倣物、小さい有機分子、核酸および炭水化物からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
- 前記プローブ分子が、抗体である、請求項41に記載の方法。
- 前記一過性のシグナルが、化学発光である、請求項41に記載の方法。
- 前記化学発光が、オートラジオグラフィーによって検出される、請求項54に記載の方法。
- 前記標的が、細胞である、請求項41に記載の方法。
- 前記標的が、ウイルスである、請求項41に記載の方法。
- 前記ウイルスが、ブタパルボウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、仮性狂犬病ウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、A型肝炎ウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、ポリオウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、シミアンウイルス40である、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、脳心筋炎ウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記ウイルスが、ウシウイルス性下痢性ウイルスである、請求項57に記載の方法。
- 前記標的が、タンパク質である、請求項41に記載の方法。
- 前記タンパク質が、α一1プロテイナーゼインヒビターである、請求項65に記載の方法。
- 前記タンパク質が、プリオンである、請求項65に記載の方法。
- 前記プリオンが、スクラピープリオンである、請求項67に記載の方法。
- 請求項41に記載の方法であって、前記リガンド−因子複合体に関連する前記一過性のシグナルを検出した後で、かつ該リガンドを該第2の溶液と共にインキュベートする前に、該リガンド−因子複合体から該因子を除去する工程をさらに包含する、方法。
- 前記標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程を包含する、請求項41に記載の方法。
- 複数の標的に対するリガンドを同定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)複数の固定したリガンドを第1の溶液と共にインキュベートする工程であって、該第1の溶液は、第1の標的を実質的に含まず、そして1以上の因子を含み、該工程は、該リガンドと該因子との間の安定な複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
(b)該リガンド−因子複合体に、該第1の標的に対する親和性を有するプローブ分子を接触させる工程;
(c)該リガンド−因子複合体に関連する一過性のシグナルを同定することによって、該リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;
(d)該リガンド−因子複合体から該因子を除去する工程;
(e)該リガンドを、該第1の標的および該第1の溶液を含む第2の溶液と共にインキュベートする工程であって、該工程は、該第1の標的と該リガンドとの間の安定な複合体の形成および該因子と該リガンドとの間の安定な複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
(f)該リガンド−第1の標的複合体および該リガンド−因子複合体に、該プローブ分子を接触させる工程;
(g)該一過性のシグナルを検出することによって、該第2の溶液中の該リガンド−第1の標的複合体に結合したプローブ分子および該リガンド−因子複合体に結合したプローブ分子を同定する工程;および
(h)該第2の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関連する該一過性のシグナルを、該第1の溶液中のリガンド−プローブ複合体に関連する該一過性のシグナルと比較する工程であって、ここで、該第1の溶液に対する該第2の溶液に優先的に関連するシグナルは、該第1の標的に特異的なリガンドを含むリガンド−プローブ分子複合体を示す、工程;
(i)該リガンド−因子複合体から該因子を、そして該リガンド−第1の標的複合体から該第1の標的を除去する工程;および
(j)第2の標的を含む第3の溶液を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程、
を包含する、方法。 - 第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程をさらに包含する、請求項71に記載の方法。
- 血液組成物中に存在するウイルスに結合するペプチドを同定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)コンビナトリアルペプチドライブラリーを含む、複数の固定したビーズを提供する工程;
(b)該ペプチドライブラリーを血液組成物と共にインキュベートする工程であって、該血液組成物は、該ウイルスを実質的に含まず、そして1以上の因子を含み、該工程は、該ペプチドと該因子との間の安定な複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
(c)該複合体に、該ウイルスに対する親和性を有する第1の抗体を、ペプチド−因子−第1の抗体複合体の形成を可能にする条件下で、接触させる工程;
(d)該ペプチド−因子複合体に関連する一過性のシグナルを同定する工程;
(e)該ペプチドを、該ウイルス分子および該第1の血液組成物を含む第2の血液組成物と接触させる工程であって、該工程は、安定なペプチド−ウイルス複合体およびペプチド−因子複合体の形成を可能にする条件下で行う、工程;
(g)該ペプチド−ウイルス複合体および該ペプチド−因子複合体に関連する一過性のシグナルを同定する工程;および
(h)ペプチド−ウイルス複合体に関連する該一過性のシグナルおよびペプチド−因子複合体に関連する該一過性のシグナルを、該第1の血液組成物中のペプチド−因子複合体に関連する該一過性のシグナルと比較する工程であって、ここで、該第1の血液組成物に対する該第2の血液組成物に優先的に関連する一過性のシグナルは、該ウイルスに特異的なペプチドを含むペプチド−ウイルス複合体を示す、工程、
を包含する、方法。 - 第1の標的または第2の標的に特異的なリガンドの正体を決定する工程をさらに包含する、請求項73に記載の方法。
- 前記ペプチドの配列を同定する工程をさらに包含する、請求項73に記載の方法。
- 前記ペプチドライブラリーが、ビニルコーキング接着剤を使用して透明のフィルムに固定されている、請求項73に記載の方法。
- 第2の標的を含む第3の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程をさらに包含する、請求項73に記載の方法。
- 第3の標的を含む第4の血液組成物を用いて、工程(e)から(i)を繰り返す工程をさらに包含する、請求項77に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US45311599A | 1999-12-02 | 1999-12-02 | |
PCT/US2000/042515 WO2001040265A2 (en) | 1999-12-02 | 2000-12-01 | Ligands for a target molecule and a method for indentifying them |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004500350A true JP2004500350A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=23799267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001541020A Pending JP2004500350A (ja) | 1999-12-02 | 2000-12-01 | 標的分子に対するリガンドを同定する方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1237908A2 (ja) |
JP (1) | JP2004500350A (ja) |
AU (1) | AU4309201A (ja) |
CA (1) | CA2392797A1 (ja) |
WO (1) | WO2001040265A2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2003200922B8 (en) * | 1997-10-06 | 2006-08-31 | Trustees Of Tufts College | Self-encoding fiber optic sensor |
WO2001077687A2 (en) * | 2000-04-05 | 2001-10-18 | V.I Technologies, Inc. | Prion-binding peptidic ligands and methods of using same |
US7291456B2 (en) | 2002-01-24 | 2007-11-06 | The Regents Of The University Of California | Method for determining differences in molecular interactions and for screening a combinatorial library |
WO2003062831A1 (en) * | 2002-01-24 | 2003-07-31 | The Regents Of The University Of California | Method for determining differences in molecular interactions and for screening a combinatorial library |
JPWO2003066672A1 (ja) * | 2002-02-08 | 2005-06-09 | 坂本 賢二 | ペプチド |
AU2003225008A1 (en) | 2002-04-15 | 2003-11-03 | American National Red Cross | Plasma protein-binding ligands |
CN1671859A (zh) | 2002-07-11 | 2005-09-21 | 美国红十字会 | 从复杂混合物中鉴定出单一活性实体的方法 |
AU2004229535A1 (en) * | 2003-04-14 | 2004-10-28 | Pathogen Removal And Diagnostic Technologies, Inc. | Method for identifying ligands specific for structural isoforms of proteins |
CN101124238A (zh) * | 2004-12-23 | 2008-02-13 | 诺和诺德公司 | 结合抗体的亲和性配体 |
ATE461211T1 (de) * | 2004-12-23 | 2010-04-15 | Novo Nordisk As | Liganden mit antikörperbindender affinität |
CN104597256B (zh) * | 2015-02-14 | 2016-05-25 | 河南省农业科学院 | 一条与牛病毒性腹泻病毒e2蛋白相结合的多肽序列及其应用 |
WO2023122721A2 (en) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | Oregon State University | Peptides for cell-type specific targeting of the retina |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5516889A (en) * | 1993-06-21 | 1996-05-14 | University Technologies International, Inc. | Synthetic thrombin receptor peptides |
US5834318A (en) * | 1995-05-10 | 1998-11-10 | Bayer Corporation | Screening of combinatorial peptide libraries for selection of peptide ligand useful in affinity purification of target proteins |
AT403477B (de) * | 1996-04-30 | 1998-02-25 | Immuno Ag | Biologisches material frei von viralen und molekularen pathogenen und verfahren zur herstellung |
FI962269A (fi) * | 1996-05-30 | 1997-12-01 | Univ Helsinki Licensing | Järjestelmä taudin aiheuttajia estävien peptidien seulomiseksi ja taudin aiheuttajien neutralisointikohtien kuvaamiseksi |
US6238860B1 (en) * | 1998-11-05 | 2001-05-29 | Dyax Corp. | Binding moieties for human parvovirus B19 |
-
2000
- 2000-12-01 WO PCT/US2000/042515 patent/WO2001040265A2/en not_active Application Discontinuation
- 2000-12-01 JP JP2001541020A patent/JP2004500350A/ja active Pending
- 2000-12-01 EP EP00992385A patent/EP1237908A2/en not_active Withdrawn
- 2000-12-01 CA CA002392797A patent/CA2392797A1/en not_active Abandoned
- 2000-12-01 AU AU43092/01A patent/AU4309201A/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1237908A2 (en) | 2002-09-11 |
AU4309201A (en) | 2001-06-12 |
CA2392797A1 (en) | 2001-06-07 |
WO2001040265A3 (en) | 2002-07-04 |
WO2001040265A2 (en) | 2001-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7217507B2 (en) | Method for detecting ligands and targets in a mixture | |
Reineke et al. | Applications of peptide arrays prepared by the SPOT-technology | |
PT742438E (pt) | Rastreio de bibliotecas combinatórias de péptidos para a selecção de ligandos de péptidos úteis na purificação por afinidade de proteínas-alvo | |
Min et al. | Peptide arrays: towards routine implementation | |
Reineke et al. | Antigen Sequence-and Library-Based Mapping of Linear and Discontinuous Protein—Protein-Interaction Sites by Spot Synthesis | |
Volkmer | Synthesis and application of peptide arrays: quo vadis SPOT technology | |
US20020155106A1 (en) | Method of identifying a ligand for a target molecule | |
JP2004500350A (ja) | 標的分子に対するリガンドを同定する方法 | |
CN1334463A (zh) | 鉴别细胞特异性靶结构的方法 | |
JP2009175157A (ja) | サンプル分子を単離および標識するための方法 | |
US20120040860A1 (en) | Methods for Determining Protein Binding Specificity Using Peptide Libraries | |
PT1255716E (pt) | Síntese de segmentos | |
Kunys et al. | Specificity Profiling of Protein‐Binding Domains Using One‐Bead‐One‐Compound Peptide Libraries | |
CA2491969A1 (en) | Method for identifying individual active entities from complex mixtures | |
CA2518632C (en) | Screening assay | |
Tu et al. | Combinatorial search for diagnostic agents: Lyme antibody H9724 as an example | |
JP2021054848A (ja) | 系統的な探索、成熟化および伸長プロセスにより同定した、タンパク質に対する特異的ペプチドバインダー | |
US20030082560A1 (en) | Method of making interactive protein arrays | |
US7291456B2 (en) | Method for determining differences in molecular interactions and for screening a combinatorial library | |
JP2005069788A (ja) | リン酸化蛋白質の検出方法 | |
US6569636B2 (en) | Assay for modulators of metallo-enzyme activity | |
JPH11209394A (ja) | フイブリノーゲンのアフイニテイー精製のためのペプチドリガンド | |
WO1997001098A1 (en) | Process for detection, quantification and/or identification of a peptide | |
Smith et al. | The potential of protein-detecting microarrays for clinical diagnostics | |
US20060094065A1 (en) | Methods of analyzing a sample by MALDI-mass spectrometry |