JP2004364121A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】RTS/CTS方式のように交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する無線通信システムにおいて、交信相手以外の第3の通信装置からの電波をキャンセルする機能を装備することにより、RTS/CTS信号に記載されている送信待機期間においても交信相手以外の第3の通信装置にも電波を送信することを許容する。効率よく時間を共有することによってそれぞれの通信効率を上げ、全体としてのデータ伝送量を増やすことができる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、端末同士が非同期で直接通信(ランダム・アクセス)を行なうことにより無線ネットワークが運営される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、情報受信先の通信装置に送信要求(Request to Send:RTS)を送信するとともに、情報受信先が確認信号(Clear to Send:CTS)を返信することによって、送受信通信装置間で一種のコネクションを確立してから情報伝送を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、RTS信号又はCTS信号を受信した交信相手以外の通信装置が短い待機期間で送信を開始することができる無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
複数のコンピュータを接続してLANを構成することにより、ファイルやデータなどの情報の共有化、プリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータ・コンテンツの転送などの情報の交換を行なったりすることができる。
【0004】
従来、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線でLAN接続することが一般的であったが、この場合、回線敷設工事が必要であり、手軽にネットワークを構築することが難しいとともに、ケーブルの引き回しが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便である。
【0005】
そこで、有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
【0006】
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システムが規定されている。
【0007】
無線ネットワークに関する標準的な規格の1つにIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11やIEEE802.15.3を挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格‥‥などの各種無線通信方式が存在する。
【0008】
ところで、パーソナル・コンピュータ(PC)などの情報機器が普及し、オフィス内に多数の機器が混在する作業環境下では、通信局が散乱し、複数のネットワークが重なり合って構築されていることが想定される。このため、無線ネットワークにおいては、衝突回避により通信品質を維持することが必須であると思料される。
【0009】
例えば、小規模無線ネットワークにおいて非同期通信を行なう場合、そのアクセス制御には、CSMA/CA(Carrier Sense MultipleAccess with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス/衝突回避)方式を採用することが一般的である。
【0010】
CSMA/CD方式は、自ら情報送信した信号を受信することで他の通信装置の情報送信との衝突の有無を検出する方式であり(Collision Detection:衝突検出)、主に有線通信において採用されている。これに対し、無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CDMA/CA方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。このようなアクセス制御方式によれば、同じ無線伝送路を複数の端末が共有して、互いに通信する(Multiple Access)ことができる。
【0011】
また、従来の非同期通信における伝送方式のさらに他の例として、通信装置は受信できた信号をすべて復号して、自分を宛先として送信されてきた情報のみをピックアップするという方法が知られている。しかしながら、無線通信の場合には、複数の通信装置が同時に情報送信を開始すると衝突が発生するという問題がある。このため、情報送信に先立って、情報受信先の通信装置に送信要求(Request to Send:RTS)を送信するとともに、情報受信先が確認信号(Clear to Send:CTS)を返信することによって、送受信通信装置間で一種のコネクションを確立してから情報伝送を行なうという、RTS/CTS方式が考えられる。
【0012】
図1には、RTS/CTS方式に基づくデータ送受信シーケンス例を示している。同図に示す例は、送信元通信装置#1から受信先通信装置#2へデータ伝送が行なわれる場合のシーケンスである。
【0013】
まず、無線通信装置#1から#2へデータを送信するに先立ち、無線通信装置#1において伝送路が空き状態であることを検出した後に、所定のプリアンブル信号Pと、RTS信号を送信する。
【0014】
ここで、RTS信号には、CTSを受信するまでの時間情報が記載され、このRTS信号を受信できた周辺の無線通信装置は、その期間は信号の送信を停止することで衝突回避動作を行なう。図示の例では、無線通信装置#0が、無線通信装置#1のRTS信号を受信したことによって、その受信時刻情報から、自己からの送信を控える時間(送信待機期間)を設定する動作を行なう。
【0015】
さらに、無線通信装置#2が前記RTS信号を受信できて、なお且つその後のデータ受信が可能であれば、所定のプリアンブル信号Pと、CTS信号を返信する。
【0016】
CTS信号には、データの受信が終了するまでの時間情報が記載され、このCTS信号を受信できた周辺の通信装置は、その期間は信号の送信を停止することで衝突回避動作を行なう。図示の例では、無線通信装置#3が、無線通信装置#2のCTS信号を受信したことによって、その受信時刻情報から、自己からの送信を控える時間(送信待機期間)を設定する動作を行なう。
【0017】
そして、このCTS信号を受信できた無線通信装置#1では、CTS信号で記載された時間にわたり、所定のプリアンブル信号Pとデータの送信処理を行なうとともに、無線通信装置#2では、同時にデータの受信動作を行なう。
【0018】
このとき、無線通信装置#0では、無線通信装置#1からのデータ通信が行なわれることを、データのヘッダ情報から把握し、このデータ通信持続時間にわたり、無線通信装置#1宛ての送信が行なわない制御を行なうようにしても良い。
【0019】
この他に必要に応じて、データの受信が正しく行なわれたか否かをACK情報(図示しない)として、無線通信装置#2から無線通信装置#1に返送するようにしても良い。
【0020】
RTS/CTS方式は、例えば特定の制御局を配置しないアドホック・ネットワークにおいて各通信装置がランダム・アクセスを行なうような通信環境下において、衝突を回避し通信品質を向上するのに有効である。しかしながら、RTS信号やCTS信号を受信した周辺の通信装置においては、所定期間だけ電波の送信が禁止される送信待機期間を設定しなければならないため、送信効率が抑制されるという問題がある。
【0021】
例えば、図2に示すように4台の通信装置A〜Bが配置されている場合、RTS/CTS方式に従うと、通信装置Bの電波を受信できる範囲にある通信装置Cは、通信装置Bの受信中には通信装置Dに送信できない。また逆に、通信装置Bは通信装置Cの受信中には送信できない。
【0022】
例えば、図3に示すように、通信装置Cは通信装置BからのCTSを受信したために、その後に到来する通信装置DからのRTS信号に応答することができず、通信装置C及びD間の通信は制限される。このように、通信装置A及びB間、並びに通信装置C及びD間の通信速度は制限される。
【0023】
図4には、図2に示すように4台の通信装置A〜Bが配置されている場合における、RTS/CTS方式による制約条件をまとめている。同図に示すように、通信装置Aから通信装置Bへのデータ伝送と通信装置Dから通信装置Cへのデータ伝送、あるいは通信装置Bから通信装置Aへのデータ伝送と通信装置Cから通信装置Dへのデータ伝送を同時に可能である。これに対し、通信装置Aから通信装置Bへのデータ伝送と通信装置Cから通信装置Dへのデータ伝送や、通信装置Bから通信装置Aへのデータ伝送と通信装置Dから通信装置Cへのデータ伝送は同時に不可能であるので制限される。
【0024】
図3では、通信装置CはNAVと規定されている期間において送信が禁じられているので、通信装置Dからの信号を受信できるのにもかかわらず、通信装置DからのRTS信号に対して応答することができない。このため、通信装置Cは通信装置Dからの信号を受信するのをしばらく待たなくてはいけない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、情報受信先の通信装置に送信要求RTSを送信するとともに情報受信先が確認信号CTSを返信することによって送受信通信装置間で一種のコネクションを確立してから情報伝送を行なう、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0026】
本発明のさらなる目的は、RTS信号又はCTS信号を受信した交信相手以外の通信装置が短い待機期間で送信を開始することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、通信装置間のデータ伝送時に交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する無線通信システムであって、
データ伝送を行なう通信装置は、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、データ受信時において交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する、
ことを特徴とする無線通信システムである。
【0028】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0029】
本発明に係る無線通信システムでは、情報送信に先立って、情報受信先の通信装置に送信要求信号RTSを送信するとともに、情報受信先が確認信号CTSを返信することによって、送受信通信装置間で一種のコネクションを確立してから情報伝送を行なうという、RTS/CTS方式が採用される。
【0030】
RTS/CTS方式では、送信元通信装置と受信先通信装置間でデータ伝送に先立って交換される送信要求信号RTS及び/又は受信準備信号CTS中に交信相手以外の通信装置の送信待機期間を記載することにより同じ通信範囲における送信の一時的な禁止を規定することができる。
【0031】
このように特定の交信相手以外の通信装置において送信の一時的な禁止が規定されるために、システム全体ではデータ通信速度が制限されてしまう。そこで、本発明では、データ受信時において交信相手以外の通信装置からの電波ヲキャンセルすることにより、その送信を許容することとした。そして、電波の受信をキャンセルした通信装置に対して通信動作を許容する例外表示を含むRTS信号及び/又はCTS信号、又は例外表示を含むその他の形式のコマンドを送信することにより、電波の送信が許容されたことを通知するようにする。
【0032】
したがって、本発明に係る無線通信システムによれば、交信相手以外の通信装置の送信も許容することで、限られた範囲内でより多くの通信を共存できるようにして、システム全体の通信容量を増やし、端末収容数を増やすことができる。
【0033】
本発明に係る無線ネットワークでは、例えば、各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されたOFDMマルチキャリア伝送方式が採用される。そして、無線通信装置は、2本以上のアンテナでOFDM信号を受信しOFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する。
【0034】
ここで、無線通信装置は、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を最大比合成するとともに、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするようにすることで、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、データ受信時において交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容するという作用効果を得ることができる。
【0035】
交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比は、伝搬チャネル推定に基づき、各アンテナへの受信信号を最大比合成ベクトルと直交する直交補空間よりベクトルを選ぶことにより求めることができる。
【0036】
また、マルチホップ通信時において、通信装置はデータ伝送経路上の次の通信装置へのデータ送信を完了した後に該次の通信装置からの電波をキャンセルすることにより、該次の通信装置がさらに次の通信装置へのデータ送信動作を直ちに開始することを許容するように動作してもよい。
【0037】
このような場合、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、データ受信時において交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容するというメカニズムを利用して、データ伝送の経路上の複数の通信装置が同時に次の通信装置へデータ伝送を行なうことができ、マルチホップにおけるデータ伝送量を増大させることができる。
【0038】
また、本発明の第2の側面は、交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する方式により無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
交信相手との正規のデータ伝送動作を制御するデータ伝送シーケンス制御ステップと、
正規のデータ受信動作中に交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する受信動作制御ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0039】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムを各コンピュータ・システムにインストールして無線ネットワーク上で無線通信動作を実行することによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0042】
本発明において想定している通信の伝播路は無線であり、且つ単一の伝送媒体(周波数チャネルによりリンクが分離されていない場合)を用いて、複数の通信局間でネットワークを構築する。但し、複数の周波数チャネルが伝送媒体として存在する場合であっても、同様に本発明の効果を奏することができる。また、本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。
【0043】
以下に説明する各通信局での処理は、基本的にネットワークに参入する全通信局で実行される処理である。但し、場合によっては、ネットワークを構成するすべての通信局が、以下に説明する処理を実行するとは限らない。
【0044】
本発明は、RTS/CTS方式のように交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する無線通信システムにおいて、交信相手以外の第3の通信装置からの電波をキャンセルする機能を装備することにより、RTS/CTS信号に記載されている送信待機期間においても交信相手以外の第3の通信装置にも電波を送信することを許容するように構成したものである。
【0045】
第3の通信装置からの電波をキャンセルする機能を実現するための手段として、2本以上のアンテナを備えたアンテナ・ダイバーシティ機能を利用することができる。無線通信装置は、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を合成する(あるいは、干渉元となる通信装置に対し、アダプティブ・アレーのヌルを向ける)ようにする。
【0046】
無線LAN規格の1つであるIEEE802.11aでは、マルチキャリア伝送方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を採用している。OFDM方式では、各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されている。情報伝送時には、シリアルで送られてきた情報を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パラレル変換して出力される複数のデータを各キャリアに割り当ててキャリア毎に振幅及び位相の変調を行い、その複数キャリアについて逆FFTを行なうことで周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信する。また、受信時はこの逆の操作、すなわちFFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換して各キャリアについてそれぞれの変調方式に対応した復調を行い、パラレル/シリアル変換して元のシリアル信号で送られた情報を再生するといったことで行なわれる。
【0047】
OFDMのようなマルチキャリア伝送方式では、送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、同じ伝送容量のシングル・キャリア伝送方式に比べ1シンボル周期が長くなるので、到来波の遅延時間差が大きなマルチパス・フェージングや選択性フェージングに対する耐フェージング特性が強いという特徴がある。しかしながら、各到来波の遅延時間差が比較的小さなフラット・フェージングに対する耐フェージング特性は強いとは言い難い。この対策としては、信号間の相関が小さくなるように配置された複数のアンテナで受信した信号を用いる「ダイバーシティ(diversity)受信」が有効であることが知られている。
【0048】
以下に説明する本発明の実施形態では、無線通信システムはOFDMマルチキャリア伝送方式を採用し、各アンテナからの受信信号をそれぞれ復調してその最大比合成をとる「最大比合成ダイバーシティ」により第3の通信装置からの電波をキャンセルするように構成する。
【0049】
図5には、本発明の一実施形態に係るOFDM方式の無線通信装置10のハードウェア構成(但し、通信信号処理部のみ)を模式的に示している。
【0050】
送信側では、まず、入力されたビット系列をスクランブラ11がスクランブルして干渉の影響を最小化する。次いで、チャネル符号化器12により符号化し、インターリーバ13により攪拌する。そして、変調器14を経て、変調されたシンボルがまとめられてIFFT(逆フーリエ変換)部15により逆フーリエ変換され、複数キャリアについて逆FFTを行うことで周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換される。その後、さらにガード・インターバルを付加したOFDMシンボル作られ、データ信号系列にチャンネル同期・推定信号も付加されて、バースト組立て部16により送信用バースト信号が作られる。データ信号系列にチャンネル同期・推定信号も付加されて、送信用バースト信号が作られる。最後に、D/A変換器17によりアナログ信号に変換され、RF送信器18によりアップコンバートされて、アンテナ共用機19を介して送出される。
【0051】
一方、受信側では、アンテナ共用機19を介して受信された信号がRF受信器21によってRF周波数帯からベースバンド信号にダウンコンバートされ、A/D変換器22により複素デジタル信号に変換される。そして、チャネル同期用信号を用いて同期をとった後、チャネル推定用信号(プリアンブル)でチャネル推定をする。チャネル推定は、同期によって選ばれたチャネル推定用部分をフーリエ変換し、それを既知のデータ系列と比較することで行われる。その後、それはOFDMシンボル切り出し部23が同期情報によってOFDMデータ・シンボルを切り出し、ガード・インターバルを除いた後、フーリエ変換器24によりフーリエ変換することにより、データ信号が復調される。ここで、等化器25は、フーリエ変換と復調の間に推定されたチャネルの推定値を用いて等化を行なう。また、復調器26は、軟判定値を出力してチャネル復号器28での判定に使われることもある。また、軟判定値を作るために前述のチャネル推定を用いることもできる。復調器26以降は送信の場合と逆の手順で元の送信ビット系列に戻されるので、説明を省略する。
【0052】
OFDM方式による伝送は、同じ伝送容量のシングル・キャリア伝送方式に比べ、1シンボル周期が長くなるので、到来波の遅延時間差が大きなマルチパス・フェージングや選択性フェージングに対する耐フェージング特性が強いという特徴がある。しかしながら、到来波の遅延時間差が比較的小さなフラット・フェージングに対する耐フェージング特性は強いとは言い難い。この対策として、複数のアンテナからの受信信号をそれぞれ復調してその最大比合成をとる最大比合成ダイバーシティが採られている。
【0053】
図6には、無線機に2本以上のアンテナがありそれを、OFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する場合におけるアンテナ合成部分の構成例を示している。これは、図5に示したOFDM通信装置10の受信側におけるフーリエ変換器24及び等化器25の一部に相当する。
【0054】
図示の通り、アンテナAからのデータ信号yAは、送信データxがチャネル特性HAを持つ伝搬路を経て到来したものであり、yA=HAxが成り立つものとする。分離器31は、この受信信号HAxを同期によってチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体に分離する。そして、各々はFFT32及び33によってフーリエ変換されて、時間軸の信号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関しては乗算器34においてプリアンブル中の既知パターンPreanbleCと乗算されて、チャネル特性HAが取り出される。その後、複素共役部(Conj)35においてこのチャネル特性HAの複素共役HA *がとられ、伝搬路上の歪みをキャンセルする。これが乗算器36及び37においてそれぞれチャネル特性HA及びデータ本体yとの乗算が行われ、HAHA *並びにHAHA *xが得られる。
【0055】
同様に、アンテナBからのデータ信号yBは、送信データxがチャネル特性HBを持つ伝搬路を経て到来したものであり、yB=HBxが成り立つものとする。分離器41は、この受信信号HBxを同期によってチャンネル推定用部分(プリアンブル)とデータ本体に分離する。そして、各々はFFT42及び43によってフーリエ変換されて、時間軸の信号が周波数軸の信号に変換される。プリアンブルに関しては乗算器44においてプリアンブル中の既知パターンPreanbleCと乗算されて、チャネル特性HBが取り出される。その後、複素共役部(Conj)45においてこのチャネル特性HBの複素共役HB *がとられ、伝搬路上の歪みをキャンセルする。これが乗算器46及び47においてそれぞれチャネル特性HB及びデータ本体yとの乗算が行われ、HBHB *並びにHBHB *xが得られる。
【0056】
加算器39は、乗算器36及び46の乗算結果を加算して、最大比合成(HAHA *+HBHB *)を得る。また、加算器38は、乗算器37及び47の乗算結果を加算して、チャネルの電力の和(HAHA *x+HBHB *x)を得る。除算器40は、加算器38の出力を加算器39の出力で除算して、元の送信データxを得る。また、それぞれのチャネル特性HAHA *及びHBHB *に対して各アンテナにおける受信特性などを考慮した重み因子WeightA及びWeightBを掛けることにより、最大比合成処理を行なうことができる。
【0057】
本実施形態では、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を最大比合成するとともに、干渉元となる通信装置からの電波をキャンセルするようにするが、これはアダプティブアレイ・アンテナのビームやヌルを該当する遅延波や直接波に向けることに相当する。交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比は、各アンテナへの受信信号を最大比合成ベクトルと直交する直交補空間よりベクトルを選ぶことにより求めることができる。
【0058】
ここで、図2に示したような無線通信環境下で、図3に示したようなRTS/CTS方式のデータ伝送シーケンスを行なう場合について考察する。
【0059】
例えば通信装置Bは、普段から通信相手の無線装置Aや干渉元になる無線端末Cからの電波のとりわけチャネル推定用信号を受信し、これら通信装置A並びにCから通信装置B自身の各アンテナへの電波伝播特性を把握している。
【0060】
通信装置Bが通信装置Aからの電波を受信する場合、通常は通信装置Bの各アンテナで受信した通信装置Aの信号を最大比合成することにより、通信装置Aよりの信号を最適に受信するように構成されている。これに対し、本実施形態では、通信装置Aの希望信号を受信するのと同時に、通信装置Cが他の通信装置Dへデータ送信することを許容するために、通信装置Cからの電波をキャンセルするように、通信装置Bは各アンテナからの受信信号の合成をする。
【0061】
ここで、通信装置Bが通信装置Cからの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比は、通信装置Cから通信装置Bの各アンテナへの受信信号を最大比合成ベクトルと直交する直交補空間よりベクトルを選ぶことによって求めることができる。さらに、通信装置Cからの電波をキャンセルした上で、通信装置Aからの電波を最大にするアンテナ合成比は、この直交補空間のなかから通信装置Aの電波を最大比合成するベクトルの射影を選ぶことによって求めることができる。
【0062】
図17には、ある伝搬チャネル(ここでは、交信相手以外の通信装置Cからの電波に相当)を最小化した上で、他の伝搬チャネル(ここでは、交信相手となる通信装置Aからの電波に相当)を極大化させる方法を図解している。この場合、図示の通り、キャンセルしたい伝搬チャネル・ベクトルの直交補空間において、他の極大化させたい伝搬チャネル・ベクトルを射影したものをアンテナ・ベクトルとして選択すればよい。
【0063】
通信装置Bは、通信装置Cからの信号をキャンセルすることができるので、通信装置Aからの信号を受信している間も、通信装置Cによる送信動作を許容することができる。通信装置Bは、通信装置AからのRTSを受信した後、通信装置Cの送信を許容できる状態になると、CTS信号46を送信する際に、通信装置Bは交信相手としての通信装置A並びに通信装置C以外の送信を差し止める旨を記載して、例外表示を含んだCTS信号41を送信する。
【0064】
この結果、通信装置Cが送信できる時間が拡大することになり、図7には、このときのデータ伝送シーケンスを示している。同図から判るように、通信装置AがCTS信号46に応答して通信装置BにDATA47を伝送する間、通信装置Cは、通信装置DからのRTS信号42に対しても、CTS信号43を返信することが可能となり、通常のCTS信号46に記載されている送信待機期間の終了を待つことなく、通信装置DよりのDATA44を受信することができるようになる。
【0065】
この他に必要に応じて、データの受信が正しく行なわれたか否かをACK情報として、無線通信装置#2から無線通信装置#1に返送するようにしても良い。
【0066】
図8及び図9には、交信相手以外の第3の通信装置からの伝搬チャネルをキャンセルすることができる無線通信装置の動作手順をフローチャートの形式で示している。
【0067】
通信装置は、RTS信号又はCTS信号を受信すると(ステップS1)、この受信信号に基づいて伝播チャネル推定を行ない、推定結果を記憶しておく(ステップS2)。
【0068】
そして、自分宛てのRTS信号でない場合には(ステップS3)、例外として送信することが許容されているかどうかを判別する(ステップS30)。そして、許容されていない場合には、RTS信号又はCTS信号で指定されている時間だけ送信を控えるように設定してから(ステップS31)、ステップS1に戻る。
【0069】
また、自分宛てのRTS信号である場合には(ステップS3)、このRTS信号の送信元端末の他に伝搬チャネルを推定しているかどうかを判別する(ステップS4)。他端末の伝搬チャネルを推定している場合には、その端末の伝搬チャネルをキャンセルし(ステップS5)、その端末を例外として表示したCTS信号をRTS信号の送信元端末に送信する(ステップS6)。また、他端末の伝搬チャネルを推定していない場合には、通常のCTS信号をRTS信号の送信元端末に送信する(ステップS7)。
【0070】
ステップS6又はS7において、CTS信号を送信した後、RTS信号の送信元端末からの送信データの受信処理を行なう(ステップS8)。そして、伝搬チャネル値を更新し(ステップS9)、必要に応じてACK情報を送信元の端末に返す(ステップS10)。
【0071】
RTS/CTS方式によるデータ伝送が終了した後、ステップS5において伝搬チャネルのキャンセルを行なっている場合には(ステップS11)、伝搬チャネルのキャンセルを止めてから(ステップS12)、ステップS1に戻る。
【0072】
ステップS1において、RTS信号又はCTS信号のいずれも受信していない場合には、他の端末への送信データがあるかどうかを判別する(ステップS20)。送信データがない場合にはステップS1に戻り、送信データがある場合にはステップS21へジャンプする。
【0073】
他の端末へデータ送信を行なうとき、まず、RTS信号又はCTS信号により送信が禁止されていないかどうかを判別する(ステップS21)。送信が禁止されている場合には、送信動作を行なわずに、ステップS1へ戻る。
【0074】
送信動作が禁止されていない場合には、さらにそのチャネルが空いているかどうかを判別する(ステップS22)。チャネルが空いていない場合には、送信動作を行なわずに、ステップS1へ戻る。
【0075】
一方、チャネルが空いている場合には、まずRTS信号を送信し(ステップS23)、CTS信号の受信を待ってから(ステップS24)、データ送信を行なう(ステップS25)。そして、必要に応じACK情報を受信し(ステップS26)、送信データを送信済みとして(ステップS27)、ステップS1へ戻る。
【0076】
ここで、マルチホップ通信を行なう場合について考察してみる。図2に示したように、直接通信できない通信装置Aと通信装置D間で通信を行なうために通信装置Bと通信装置Cを介してデータ伝送する場合を想定する。
【0077】
図3及び図4に示したように、交信相手以外の通信装置の送信動作をすべて禁止するRTS/CTS方式においては、通信装置Bの受信動作と通信装置Cの送信が同時に不可能なため(図4を参照のこと)、図10において、参照番号(51)、(52)、(53)、(54)で示すようにデータを順々にリレーしなければならない。
【0078】
これに対し、本実施形態では、交信相手以外の第3の通信装置からの電波をキャンセルする機能を装備することにより、RTS/CTS信号に記載されている送信待機期間においても交信相手以外の第3の通信装置にも電波を送信することを許容することができる。すなわち、通信装置Bの受信動作と通信装置Cの送信を同時に行なうことが可能であるので、図11において、参照番号(61)、(62)、(63)、(64)で示すように、効率よく通信装置Aから通信装置Dまでデータを伝送する。特に、フェーズ(63)において、通信装置Cから通信装置Bへのデータ伝送動作の完了を待たずに、通信装置Aは通信装置Bへの次のデータ伝送動作を開始することができる。すなわち、効率的なマルチホップ通信が可能になる。
【0079】
図11に示すような効率的なマルチホップ通信動作は、各通信装置が図8及び図9に示したフローチャートに従い動作することによって実現される。図12には、図11に示した通信動作をより詳細に示している。
【0080】
通信装置Aは、通信装置Dへのデータをまず通信装置Bに送信する。このときの様子が図12中の参照番号850、860、870、880で示した動作に相当する。
【0081】
次いで、通信装置Bは、通信装置Aから受信したデータを通信装置Cに伝送する。このときの様子が図12中の参照番号851、861、871、881で示した動作に相当する。
【0082】
通信装置Aは、続けて2番目のデータを伝送するために、2度目のRTSを送信しようとするが、通信装置BよりのRTS信号851やデータ871があるため送信を控える。この処理は、図9に示したフローチャートのステップS21及びS22に相当する。
【0083】
次いで、通信装置Bのデータ送信が終了して通信装置Aの送信が再び可能になると、通信装置Aは、RTS信号852を通信装置Bに送る。これに対し、通信装置BはCTS信号862で応答するが、通信装置Cを例外として送信を容認する旨をCTSに記述するか、又はCTS信号に続けて例外として送信待機期間に通信装置Cの送信を容認することを示す例外表示フレームを送信する。通信装置Bより通信装置CへのCTS(例外)信号812は例外をCTS信号に含めて参照番号862と同じとするのも可能であるし、例外を別のフレームとしてCTS信号862とは区別することも可能である。
【0084】
通信装置Bが、RTS信号852を通信装置Aから受信してCTS信号862を送信するまでの処理手順は、図8に示したフローチャートのステップS2、S3、S4、S5に相当する。
【0085】
通信装置Aがデータ送信872を開始する一方で、例外として送信が容認された通信装置Cは、通信装置Dに対しRTS信号853を送信し、CTS信号863を受信した後、データ873の伝送を並行して開始する。
【0086】
通信装置Cの送信するRTS信号853は、通信装置Bに届くが、通信装置Bは通信装置Cよりの伝播チャネルをキャンセルしているので、データ872の受信に影響を与えない。
【0087】
図13には、本実施形態に係る無線ネットワークにおいて、無線通信装置がRTS/CTS方式でランダム・アクセスする際に使用されるCTSコマンドのフレーム構成例を示している。
【0088】
図示のCTSコマンド・フレームは、送信された情報がCTSコマンドであることを示すTypeと、当該フレームの情報長を示すLengthと、受信先のアドレス情報となる受信先MACアドレスと、送信元のアドレス情報となる送信元MACアドレスと、当該コマンド特有のパラメータを記載するCTSパラメータと、当該フレーム全体の誤り検出符号CRCとで構成される。図示の例では、CTSパラメータには、当該RTS/CTSシーケンスに基づく交信相手以外の通信装置に対して送信動作を禁止する送信待機期間などが記載される。
【0089】
また、本実施形態では、RTS/CTS信号に記載されている送信待機期間においても、電波の受信をキャンセルすることにより、交信相手以外の第3の通信装置にも電波を送信することを許容することができる。この場合、CTS信号には送信待機期間において例外的に送信動作が許容されていることを示す例外表示を含めるようにする。図14には、例外表示を含んだCTSコマンド・フレームの構成例を示している。
【0090】
図示のCTSコマンド・フレームは、送信された情報がCTSコマンドであることを示すTypeと、当該フレームの情報長を示すLengthと、受信先のアドレス情報となる受信先MACアドレスと、送信元のアドレス情報となる送信元MACアドレスと、当該コマンド特有のパラメータを記載するCTSパラメータと、当該フレーム全体の誤り検出符号CRCとで構成される。図示の例では、CTSパラメータには、当該RTS/CTSシーケンスに基づく交信相手以外の通信装置に対して送信動作を禁止する送信待機期間や、送信待機期間において例外的に送信動作が許容される通信装置のアドレス情報(例外アドレス)などが記載される。
【0091】
また、例外表示をCTS信号の中で記載することは、本発明において必須ではない。例えば、CTS信号に続けて、送信待機期間において例外的に送信動作が許容される通信装置のアドレス情報を通知するコマンド(例外表示コマンド)を転送するようにしてもよい。図15には、例外表示コマンド・フレームの構成例を示している。
【0092】
図示の例外表示コマンド・フレームは、送信された情報が例外表示コマンドであることを示すTypeと、当該フレームの情報長を示すLengthと、例外的に送信動作が許容される通信装置のアドレス情報(例外アドレス)と、当該フレーム全体の誤り検出符号CRCとで構成される
【0093】
また、CTS信号だけではなくRTS信号に例外表示を含めて、更新相手以外の通信装置に電波の送信が許容されていることを通知することができる。図14には、例外表示を含んだRTSコマンド・フレームの構成例を示している。
【0094】
図示のRTSコマンド・フレームは、送信された情報がRTSコマンドであることを示すTypeと、当該フレームの情報長を示すLengthと、受信先のアドレス情報となる受信先MACアドレスと、送信元のアドレス情報となる送信元MACアドレスと、当該コマンド特有のパラメータを記載するRTSパラメータと、当該フレーム全体の誤り検出符号CRCとで構成される。図示の例では、RTSパラメータには、当該RTS/CTSシーケンスに基づく交信相手以外の通信装置に対して送信動作を禁止する送信待機期間や、送信待機期間において例外的に送信動作が許容される通信装置のアドレス情報(例外アドレス)などが記載される。
【0095】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0096】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、情報受信先の通信装置に送信要求RTSを送信するとともに情報受信先が確認信号CTSを返信することによって送受信通信装置間で一種のコネクションを確立してから情報伝送を行なう、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0097】
また、本発明によれば、RTS信号又はCTS信号を受信した交信相手以外の通信装置が短い待機期間で送信を開始することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0098】
本発明によれば、RTS/CTS方式のように交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する無線通信システムにおいて、交信相手以外の第3の通信装置からの電波をキャンセルする機能を装備することにより、RTS/CTS信号に記載されている送信待機期間においても交信相手以外の第3の通信装置にも電波を送信することを許容することができる。
【0099】
本発明によれば、ホットスポットや、オフィス、教室、家庭など、限られた範囲の中に複数の無線端末があるような場合に、効率よく時間を共有することによってそれぞれの通信効率を上げ、全体としてのデータ伝送量を増やすことができ、それぞれの利用者の満足度を上げることができる。
【0100】
また、本発明によれば、効率よくデータ伝送することで、マルチホップ通信の効率を上げ伝送容量を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】RTS/CTS方式の通信動作(従来例)を説明するための図である。
【図2】RTS/CTS方式の通信動作(従来例)を説明するための図である。
【図3】RTS/CTS方式の通信動作(従来例)を説明するための図である。
【図4】RTS/CTS方式の通信動作(従来例)を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るOFDM方式の無線通信装置10のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図6】OFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する場合におけるアンテナ合成部分の構成例を示した図である。
【図7】本発明に係る無線ネットワークにおけるRTS/CTS方式に基づくデータ伝送動作を示したシーケンス図である。
【図8】交信相手以外の第3の通信装置からの伝搬チャネルをキャンセルすることができる無線通信装置の動作手順をフローチャートである。
【図9】交信相手以外の第3の通信装置からの伝搬チャネルをキャンセルすることができる無線通信装置の動作手順をフローチャートである。
【図10】マルチホップ通信を行なう動作を示した図である。
【図11】マルチホップ通信を行なう動作を示した図である。
【図12】図10に示した通信動作をより詳細に示したシーケンス図である。
【図13】CTSコマンド・フレームの構成例を示した図である。
【図14】例外表示を含んだCTSコマンド・フレームの構成例を示した図である。
【図15】例外表示コマンド・フレームの構成例を示した図である。
【図16】例外表示を含んだRTSコマンド・フレームの構成例を示した図である。
【図17】ある伝搬チャネルを最小化した上で、他の伝搬チャネルを極大化させる方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10…無線通信装置
11…スクランブラ
12…チャネル符号化器
13…インターリーバ
14…変調器
15…逆フーリエ変換部
16…バースト組立て部
17…D/A変換器
18…RF送信器
19…アンテナ共用機
21…RF受信器
22…A/D変換器
23…OFDMシンボル切り出し部
24…フーリエ変換器
25…等化器
26…復調器
28…チャネル復号器
31…分離器
32,33…フーリエ変換器
34…乗算器
35…複素共役部
41…分離器
42,43…フーリエ変換器
44…乗算器
45…複素共役部
Claims (22)
- 通信装置間のデータ伝送時に交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する無線通信システムであって、
データ伝送を行なう通信装置は、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、データ受信時において交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 送信元通信装置と受信先通信装置間でデータ伝送に先立って交換される送信要求信号RTS及び/又は受信準備信号CTS中に交信相手以外の通信装置の送信待機期間を記載することにより同じ通信範囲における送信の一時的な禁止を規定し、
電波の受信をキャンセルした通信装置に対して送信待機期間における通信動作を許容する例外表示を含むRTS信号及び/又はCTS信号、又は例外表示を含むその他の形式のコマンドを送信することにより、電波の送信が許容されたことを通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)マルチキャリア伝送方式が採用され、
無線通信装置は、2本以上のアンテナでOFDM信号を受信しOFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 無線通信装置は、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を最大にする、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。 - 交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比は、交信相手以外の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの直交補空間の中から選択される、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。 - 交信相手の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの前記直交補空間への射影を選択する、
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。 - マルチホップ通信時において、通信装置はデータ伝送経路上の次の通信装置へのデータ送信を完了した後に該次の通信装置からの電波をキャンセルすることにより、該次の通信装置がさらに次の通信装置へのデータ送信動作を直ちに開始することを許容する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する方式により無線通信動作を行なう無線通信装置であって、
所定の通信範囲でデータの送受信を行なう通信手段と、
交信相手との正規のデータ伝送動作を制御するデータ伝送シーケンス制御手段と、
正規のデータ受信動作中に交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する受信動作制御手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記データ伝送シーケンス制御手段は、
データ伝送に先立って送信要求信号RTS及び/又は受信準備信号CTSを交信相手と交換し、RTS信号及び/又はCTS信号中に交信相手以外の通信装置の送信待機期間を記載することにより同じ通信範囲における送信の一時的な禁止を規定し、
電波の受信をキャンセルした通信装置に対して送信待機期間における通信動作を許容する例外表示を含むRTS信号及び/又はCTS信号、又は例外表示を含むその他の形式のコマンドを送信することにより、電波の送信が許容されたことを通知する、
ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。 - 前記通信手段は、各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されたOFDMマルチキャリア伝送方式によりデータ伝送を行ない、且つ、2本以上のアンテナでOFDM信号を受信し、
前記受信動作制御手段は、OFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。 - 前記受信動作制御手段は、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を最大にする、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。 - 前記受信動作制御手段は、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比を、交信相手以外の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの直交補空間の中から選択する、
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。 - 前記受信動作制御手段は、交信相手の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの前記直交補空間への射影を選択する、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。 - 前記受信動作制御手段は、マルチホップ通信時において、データ伝送経路上の次の通信装置へのデータ送信を完了した後に該次の通信装置からの電波をキャンセルすることにより、該次の通信装置がさらに次の通信装置へのデータ送信動作を直ちに開始することを許容する、
ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。 - 交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する方式により無線通信動作を行なう無線通信方法であって、
交信相手との正規のデータ伝送動作を制御するデータ伝送シーケンス制御ステップと、
正規のデータ受信動作中に交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する受信動作制御ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 前記データ伝送シーケンス制御ステップでは、
データ伝送に先立って送信要求信号RTS及び/又は受信準備信号CTSを交信相手と交換し、RTS信号及び/又はCTS信号中に交信相手以外の通信装置の送信待機期間を記載することにより同じ通信範囲における送信の一時的な禁止を規定し、
電波の受信をキャンセルした通信装置に対して送信待機期間における通信動作を許容する例外表示を含むRTS信号及び/又はCTS信号、又は例外表示を含むその他の形式のコマンドを送信することにより、電波の送信が許容されたことを通知する、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信方法。 - 各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されたOFDMマルチキャリア伝送方式によりデータ伝送を行ない、且つ、2本以上のアンテナでOFDM信号を受信し、
前記受信動作制御ステップでは、OFDMサブキャリア毎の最大比合成受信する、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信方法。 - 前記受信動作制御ステップでは、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、正規のデータを受信するように各アンテナの受信信号を最大にする、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信方法。 - 前記受信動作制御ステップでは、交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルするためのアンテナ合成比を、交信相手以外の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの直交補空間の中から選択する、
ことを特徴とする請求項18に記載の無線通信方法。 - 前記受信動作制御ステップでは、交信相手の通信装置からの伝搬チャネルの最大比合成ベクトルの前記直交補空間への射影を選択する、
ことを特徴とする請求項19に記載の無線通信方法。 - 前記受信動作制御ステップでは、マルチホップ通信時において、データ伝送経路上の次の通信装置へのデータ送信を完了した後に該次の通信装置からの電波をキャンセルすることにより、該次の通信装置がさらに次の通信装置へのデータ送信動作を直ちに開始することを許容する、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信方法。 - 交信相手以外の送信を一時的に禁止して干渉を防止する方式により無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
交信相手との正規のデータ伝送動作を制御するデータ伝送シーケンス制御ステップと、
正規のデータ受信動作中に交信相手以外の通信装置からの電波をキャンセルし、交信相手以外の通信装置からの電波の送信を許容する受信動作制御ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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