JP2001251270A - 通信システム - Google Patents
通信システムInfo
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Abstract
数の送信手段から同一周波数で同時に同一データととも
にそれぞれの送信手段により異なるデータを送信し、受
信側でそれぞれのデータを分離して受信可能な通信シス
テムを提供する。 【解決手段】 送信制御部1は、送信部2,3に同一の
データ、あるいは送信部2と送信部3とで異なるデータ
をOFDM変調方式により同一周波数で同時に送信させ
る。受信端末4には複数のアンテナが設けられており、
各アンテナで受信した信号について、離散フーリエ変換
後の各キャリアに適応的に重み付けし、各アンテナから
の同一キャリアについて加算する。これによって、送信
部2,3から同一データが送信された場合にはダイバー
シティ効果により受信特性が改善される。また、送信部
2と送信部3が異なるデータを送信した場合には、干渉
成分を抑制し、希望の信号のみを取り出すことができ
る。
Description
hogonal Frequency Divisio
n Multiplexing)変調を利用した通信シ
ステムに関するものである。
確実にデータを伝達するためにはある程度の電界強度が
必要である。そのために、例えば複数の送信局から同じ
データを送信することによってサービスエリアを広げる
ことが有効である。しかし、サービスエリアが重複する
複数の送信局から同じデータを同じ周波数で送信する
と、電波が干渉しあって通信を行うことができない。こ
れを回避するため、従来は、複数の送信局から同じデー
タを送信する際には、異なる周波数もしくは時間を割り
当てる。そして、受信側でいずれかの送信局から送信さ
れる電波を検波することで、チャネルの分離を行ってき
た。しかし、送信局が多くなると、割り当てる周波数が
枯渇し、また時分割にも限界があるといった問題があっ
た。
列にデータを伝送するOFDM変調方式の活用が考えら
れている。例えばIEEE802.11規格のように、
OFDM変調方式を無線LANに応用することが考えら
れており、現在標準化が進められている。このOFDM
変調方式は、同じ周波数で送信された同一データは、ガ
ードインターバルに収まる限り干渉を与えずに復調でき
ることが知られている。例えば同じ送信局から発射され
た電波が異なる経路を通って受信される、いわゆるマル
チパスが発生した場合でも、良好にデータを受信するこ
とができる。このように、OFDM変調方式はマルチパ
スに強いという性質を持っており、マルチパス環境で伝
送する際の有効な方式である。
利用することによって、サービスエリアが重複する複数
の送信局から同一の周波数を用いて同一の内容のデータ
を送信することができる。これによって、サービスエリ
アを広くすることができるとともに、重複するサービス
エリア内の受信機においても干渉の影響をほとんど受け
ずにデータを受信することができる。
合、壁や天井、床などによる反射によりマルチパスが発
生する。そのため、受信機においては各パスからの電波
が干渉しあうことになる。しかしOFDM変調方式を用
いることによって、このようなマルチパス環境において
も、良好にデータを受信することができる。また、サー
ビスエリアが重複する放送局や、同じく室内(屋内)に
サービスエリアが重複する複数の送信局を設置する場
合、同じ周波数で同じデータを送信しても、それぞれの
放送局あるいは送信局から発射された電波は、受信機側
ではマルチパスと同様に1つの波として扱うことがで
き、合成波を干渉せずに取り込んで、良好に受信するこ
とができる。
とによって、例えばサービスエリアが重複していても、
同一のデータを同一の周波数で送信することが可能にな
る。これによって、従来のように同一のデータを送信す
る隣接局に対して異なる周波数を割り当てる必要がなく
なり、周波数の枯渇といった問題を解決することができ
る。
タを送信するほか、それぞれが異なるデータを送信した
い場合がある。サービスエリアが重複する複数の送信局
からOFDM変調により異なるデータを送信した場合に
は、その重複するサービスエリア内ではそれぞれの送信
局から発射される波は互いに干渉しあうため、通常のO
FDM復調を行ってもデータを受信することは困難とな
る。
されているように、サービスエリアが重複する複数の送
信局から同一データを送信する場合にはOFDM変調方
式を用い、それぞれの送信局が異なるデータを送信する
場合にはスペクトラム拡散方式を用いることが提案され
ている。しかしこの場合にも、それぞれの送信局が同一
データを送信する周波数帯と異なるデータを送信する周
波数帯を別々に設けている。そのため、複数の送信局が
同一周波数で同一データと異なるデータを送信すること
はできなかった。また、スペクトラム拡散方式で異なる
データを別々に送信するためには、非常に広い帯域が必
要となるという問題もある。
情に鑑みてなされたもので、サービスエリアが重複して
いる場合でも、複数の送信手段から同一周波数で同時に
同一データとともにそれぞれの送信手段により異なるデ
ータを送信し、受信側でそれぞれのデータを分離して受
信可能な通信システムを提供することを目的とするもの
である。
において、データをOFDM変調して送信する複数の送
信手段と、複数の送信手段に対して同一のデータあるい
はそれぞれの送信手段によって異なるデータを送信させ
るように制御する送信制御手段と、複数の送信手段から
送信された電波を受信する複数のアンテナを有する1な
いし複数の受信手段を含むことを特徴とするものであ
る。
異なるデータをOFDM変調して送信した場合、そのま
まOFDM復調してもデータを取り出すことは困難であ
る。しかし受信手段において複数のアンテナを有し、例
えばアダプティブアレーアンテナとして位相及び振幅を
制御することにより、相関の高い電波を取り込み、相関
の低いデータに関しては除去することが可能となる。こ
れによって、複数の送信手段から同一のデータが送信さ
れている場合にはそれぞれのアンテナにおいて受信した
電波をダイバーシティ効果により強め合い、受信特性を
改善することができる。また、複数の送信手段からそれ
ぞれ異なるデータが送信されている場合には、相互の干
渉を抑制し、所望の送信手段から送出されたデータのみ
を選択的に受信することができる。
同一のデータあるいは各送信手段によって異なるデータ
を送信させる際には、それぞれの送信手段に対して、O
FDM変調する複数のキャリアを、同一のデータを送信
するキャリア群と異なるデータを送信するキャリア群に
より構成してOFDM変調し、送信させることができ
る。このとき、同一のデータを送信するキャリア群と、
前記異なるデータを送信するキャリア群として、OFD
M変調する複数のキャリアのうちのいずれを用いるかを
1ないし複数の送信フレームごとに変更可能に制御する
ことができる。あるいは、送信制御手段は、複数の送信
手段に対して、送信フレームごとに、同一のデータ、あ
るいは、それぞれの送信手段によって異なるデータのい
ずれかをOFDM変調して送信させることができる。
にOFDM変調された信号を複数のキャリア信号に変換
するフーリエ変換手段と、該フーリエ変換手段で変換し
た各キャリア信号に対してそれぞれに対応した所定の重
みを乗算する乗算手段と、各アンテナごとに前記フーリ
エ変換手段で変換された同一のキャリア信号について前
記乗算手段で乗算後の信号を加算する加算手段を有する
構成とすることができる。重みは、例えば適応的に設定
し、少なくとも、それぞれの送信手段から異なるデータ
が送信されているキャリアについては希望波のみを取り
出すべく調整することができる。これによって、不要な
信号を除去し、必要な信号のみを取り込むことができ、
複数の送信手段からOFDM変調して送信された信号に
ついても選択的に受信することができる。また、重みと
して、複数の送信手段から同一のデータが送信されてい
るキャリアについては信号を強めあうように調整するこ
とによって、受信特性を改善し、良好に受信することが
できる。これらの重みは各キャリア信号について設定す
ることができる。そのため、キャリアごとに、同一のデ
ータあるいは送信手段によって異なったデータを割り当
てることが可能である。
実施の一形態を示す概念図である。図中、1は送信制御
部、2,3は送信部、4は受信端末である。送信部2,
3は、それぞれが送信制御部1から送られてくるデータ
をOFDM変調し、同一の周波数により同時に送信す
る。送信部2と送信部3は、サービスエリアを拡大する
ように離れて設置される場合が多いが、そのサービスエ
リアは一部において重複している。なお、この例では送
信部を2つ設けた例を示しているが、これに限らず、3
以上設けることももちろん可能である。
タを送信部2,3に転送し、送信させる。このとき、複
数の受信端末に対して同一のデータを送信する場合に
は、送信部2,3に同一のデータを転送する。また、送
信部2と送信部3のそれぞれのサービスエリアに異なる
データを送信したい場合には、データを送信するサービ
スエリアを担当する送信部に対してデータを送信する。
このとき、OFDM変調方式において用いる複数のキャ
リアについて、送信部2,3から同一のデータを送信さ
せるキャリア群と、送信部2と送信部3に異なるデータ
を送信させるキャリア群に分け、それぞれのキャリアに
データを乗せて送信させてもよい。この場合、送信部
2,3から同一のデータを送信させるキャリア群と、送
信部2と送信部3に異なるデータを送信させるキャリア
群は、常に同じでなくてもよく、使用するキャリヤを時
間とともに変更したり、データ量に応じてキャリア数を
変更することもできる。あるいは、送信フレームごと
に、送信部2と送信部3で同じデータを送信する送信フ
レームと、送信部2と送信部3に異なるデータを送信さ
せる送信フレームを設けてもよい。このように、送信部
2,3について同一のデータを送信する場合と、送信部
2と送信部3に異なるデータを送信する場合とで、同じ
周波数を用いて送信部2,3に送信させることができ
る。なお、送信部2と送信部3の動作タイミングなどに
ついても、この送信制御部1によって制御することがで
きる。もちろん、3以上の送信部についても同様に制御
することができる。
レーアンテナの構成を有しており、送信部2及び送信部
3から送信された電波を受信する。図2は、受信端末の
一例を示す概略図である。図中、11はアンテナ、12
は受信部、13は端末装置である。この例では、アンテ
ナ11及び受信部12からなる受信機を、端末装置13
に取り付けた例を示している。各アンテナ11で受信し
た電波は、受信部12においてOFDM復調され、送信
部2,3から送信されたデータが取り出される。このと
き、OFDM変調方式で用いる複数のキャリアのそれぞ
れについて適応的に重み付けを行う。これによって、送
信部2と送信部3から同じデータが送られてきている時
には、それぞれのアンテナで受信し、OFDM復調した
それぞれのキャリアについて強めるように合成すること
ができる。また、送信部2と送信部3から異なるデータ
が送られてきている時には、それぞれのアンテナで受信
し、OFDM復調したそれぞれのキャリアについて、干
渉が少なくなるように重み付けして所望のデータを分離
する。取り出されたデータは、この例では端末装置13
に送られる。なお、図2では受信端末4にアンテナ11
を4本図示しているが、これに限らず、送信部の数より
多いアンテナがあれば構成可能である。
くとも送信部2及び送信部3からの電波が到来する。ま
た、例えば室内などの環境を考えると、天井や床、壁な
どによる反射によって、図1に矢線で示すように複数の
経路を介して、送信部2及び送信部3からの電波が受信
端末4に到来する。上述のように、送信部2及び送信部
3は、上述のようにデータをOFDM変調して送信して
いる。そのため、送信部2及び送信部3が同一のデータ
を同時に送信している場合には、図1に示すように種々
の経路を通って電波が到来する場合でも、到来する電波
の位相差がガードインターバルの範囲内であれば、干渉
の影響を受けることなく復調することができる。この場
合は通常のOFDM変調方式を利用した通信と同じであ
るが、複数のアンテナを利用することによって、復調後
のキャリアをそれぞれのアンテナからの出力によって強
めあい、ダイバーシティ効果により良好な受信特性を得
ることができる。例えば送信部2と送信部3が離れてお
り、受信端末4がそのどちらからも遠い場合でも、電波
の減衰による影響を軽減することができる。
ータを同時に送信している場合には、送信部2からの直
接波及びその反射波と、送信部3からの直接波及びその
反射波は互いに干渉してしまう。そのため、1本のアン
テナのみでは復調することが困難である。しかし本発明
では、受信端末4に複数のアンテナを設けている。これ
によって相互に干渉する成分を抑え、希望する成分のみ
を取り出すことができる。そのため、例えば送信部2と
送信部3のサービスエリアが重なる部分に配置された受
信端末4であっても、送信部2あるいは送信部3のいず
れかから送られてくるデータでも選択的に受信すること
が可能である。なお、1つの干渉する成分を抑えるため
にアンテナ1つ分のダイバーシティゲインは減少する。
しかし、独立な干渉波以上のアンテナが残っている場
合、希望波を取り込むことができ、ある程度の品質を保
った通信が可能である。
示すブロック図である。図中、21は離散フーリエ変換
(DFT:Discrete Fourier Tra
nsform)部、22は重み付け部、23は加算部、
24は復調部、25は並直列変換部、26は重み制御部
である。OFDM変調方式では、送信部2,3におい
て、データを並直列変換し、複数のキャリアに乗せた上
で逆離散フーリエ変換(Inverse Discre
te Fourier Transform:IDF
T)して、所定の周波数帯域の信号として送信する。基
本的には、受信側ではこの逆の操作を行うことでデータ
を取り出すことができる。本発明では、複数のアンテナ
を用い、適応的に重み付けをして干渉を防止している。
周波数の1/2波長以上の間隔を置いて設置されてい
る。M本のアンテナ11で受信されたOFDM信号は、
それぞれのアンテナ11ごとに設けられた離散フーリエ
変換部21に入力される。離散フーリエ変換部21で
は、複数のキャリア成分に分離される。この例では、K
本のキャリア成分に分離している。それぞれのキャリア
成分をxij(i=1〜K、j=1〜M)で示している。
なお、離散フーリエ変換部21は、例えば高速フーリエ
変換手段などにより置換可能である。
ぞれのキャリア成分は、重み付け部22において、重み
制御部26から供給される重みが乗算される。重み付け
部22は、それぞれの離散フーリエ変換部21で分離さ
れたそれぞれのキャリア成分ごとに設けられており、す
なわち、K×M個設けられている。それぞれの重み付け
部22に入力される重みをwij(i=1〜K、j=1〜
M)で示している。なお、重みwijは複素数であり、位
相及び振幅の両方について重み付けすることになる。ま
た、重み付け部22で重み付けされたキャリア成分をy
ij(i=1〜K、j=1〜M)で示しており、yij=x
ijwijである。
とに分離して得られた同じキャリア成分について、その
重み付け後のキャリア成分を加算する。すなわち、i番
目のキャリア成分についての加算後の信号は、 yi =Σj=1 Myij=Σj=1 Mxijwij となる。
は、それぞれ、復調部24において復調されてデータに
戻される。この例では、その後、並直列変換部25でシ
リアルデータに変換され、端末装置13などに出力され
る。もちろん、パラレルデータとして出力してもよい。
なお、複数のキャリアのうち、一部を共通のデータの送
信に用い、他の部分を各送信部2,3について個別のデ
ータを送信している場合には、出力の際に共通データと
個別のデータとを分離して端末装置13に出力してもよ
い。あるいは、受信部12からはデータが混在したまま
端末装置13に転送し、端末装置13の側で共通データ
と個別のデータを分離してもよい。
て各キャリア成分に乗算する重みを算出する。重みの算
出法としては、非相関波を抑圧して、希望波を取り出す
ことが可能なMMSE(Minimum Mean S
quare Error)規範のRLS(Recurs
ive Least Squares)法などを利用す
ることができる。この方式では、各キャリアにおいて参
照信号ri をあらかじめトレーニングシーケンスなどを
用いて生成し、加算演算後のキャリア信号yiとから生
成される誤差信号ei を最小にするように逐次重みwij
(j=1〜M)が制御される。ここで、誤差信号ei は ei =ri −yi である。なお、上述のように重みは複素共役数であるの
で、実数部と虚数部について、それぞれ、誤差信号ei
が最小になるように制御される。このような重み制御
は、K個のキャリア信号それぞれについて行われること
になる。もちろん、他の方式を用いて重みを決定しても
よい。
れぞれ個別のデータの送信方法の一例について説明す
る。図4は、OFDMフレーム構成の一例の説明図であ
る。送信部2,3から送信するOFDM変調方式による
1フレーム分の送信シーケンスの一例を図4に示してい
る。図中、縦軸は周波数を示しており、左右に延在する
矩形がそれぞれのキャリアについてのシーケンスを示し
ている。また、横軸は時間であり、トレーニングスロッ
ト(A)、重み生成スロット(B)、データスロット
(C)から構成されている。
は、図3に示した受信部12における重み制御部26に
入力される参照信号を生成するための時間である。この
トレーニングスロットでは、例えば送信部2及び送信部
3から、順次、例えば拡散符号などによって送信し、各
送信部2,3からの参照信号を取得する。なお、この時
点でキャリア毎に送信部2,3から同一のデータが送ら
れてくるのか、あるいはそれぞれ異なるデータが送信さ
れ、いずれの送信部から送信されたデータを選択したら
よいのか等が決定される。このような同一のデータが送
られるのか異なったデータが送られるのか、及び、異な
ったデータが送られる場合にはいずれの送信部からのデ
ータを選択するか等の情報は、予め与えられることもあ
るし、このトレーニングスロットにおいて送信部2,3
から送信してもよい。
送信部2,3から所定のデータを送信し、受信部12の
重み制御部26において重みを決定する。このとき、ト
レーニングスロット(A)において取得した参照信号に
従い、誤差が少なくなるように重みを適応的に制御す
る。例えば送信部2,3から同一のデータが送られてく
るキャリアについては、それぞれのアンテナ11で受信
して分離した各キャリア信号が加算部23で加算されて
大きな信号となるように、重みが制御される。また、送
信部2と送信部3で異なるデータを送信しているキャリ
アについては、それぞれのアンテナ11で受信して分離
したキャリア信号のうち干渉となる成分については減衰
させ、参照信号として与えられた送信部2あるいは送信
部3のいずれかから送られてくる信号のみを選択するよ
うに、重みが制御される。
て、実際に送信部2,3から受信端末4に対して転送す
るデータが送られる。受信端末4では、重み生成スロッ
ト(B)において決定した重みを用い、キャリア毎に送
信部2,3に共通のデータ、あるいは、送信部2または
送信部3のいずれかから送信されたデータを受信する。
び重み生成スロット(B)は、各フレームに挿入するほ
か、例えば複数フレーム毎に挿入したり、変更を要する
場合にのみ挿入するようにしてもよい。また、重み生成
スロット(B)及びデータスロット(C)ではOFDM
変調方式によって通信が行われるので、ガードインター
バルを設けておく必要がある。
シーケンスの一例の説明図である。図4に示すようなO
FDMフレームを用い、各キャリアにどのようなデータ
を乗せるかを示す。図5に示す例は、キャリアごとに、
送信部2,3から同一のデータ(BROADと表記)
か、あるいは、送信部2と送信部3から異なるデータ
(UNIと表記)のいずれかを送信する例である。
は制御情報や放送型の通信を送るブロードキャスト型パ
ケットと個別の端末に対して情報を送信するユニキャス
ト型パケットの2種類がある。ブロードキャスト型パケ
ットはエリア内の全端末に対して誤りを少なくして正確
に伝送しなければならない。そのため、送信部2及び送
信部3から同一のデータを送信することになる。一方、
ユニキャストパケットは大量のデータをある一定の端末
に対して送る必要がある。この場合には、受信端末4が
サービスエリア内に含まれている送信部2または送信部
3のいずれかからデータを送信すればよく、他方の送信
部では別のユニキャストパケットを送信することができ
る。すなわち、送信部2と送信部3で異なるデータを送
信することになる。
1/4のキャリアにおいて送信部2,3で同一のデータ
(ブロードキャストパケット)を送信し、3/4のキャ
リアにおいて送信部2と送信部3から異なるデータ(ユ
ニキャストパケット)を送信している。これによって、
ユニキャストパケットのための転送データ量を確保して
いる。
おいて送信部2,3で同一のデータ(ブロードキャスト
パケット)を送信し、残り半分のキャリアにおいて送信
部2と送信部3から異なるデータ(ユニキャストパケッ
ト)を送信している。このように、転送しなければなら
ないブロードキャストパケットとユニキャストパケット
のデータ量に応じて、使用するキャリア数を変更するこ
とが可能である。
重みを決定しているので、上述のように、キャリアごと
に、送信部2,3から同一のデータ(BROADと表
記)か、あるいは、送信部2と送信部3から異なるデー
タ(UNIと表記)のいずれかを送信することが可能で
ある。
送信するキャリアと、送信部2と送信部3から異なるデ
ータを送信するキャリアを、ある程度決めて使用してい
るが、例えば時間の経過とともに、それぞれのデータの
転送に使用するキャリアを変更してゆくこともできる。
シーケンスの別の例の説明図である。この例では、各フ
レーム毎に送信部2,3で同一のデータを送信するフレ
ームと、送信部2と送信部3から異なるデータを送信す
るフレームを設けた例を示している。フレームとで
は、送信部2,3からすべてのキャリアを用いて同一の
データを送信する。このフレームでは、通常のOFDM
通信と同様である。また、フレームでは、すべてのキ
ャリアについて、送信部2と送信部3から異なるデータ
を送信している。この場合には、受信端末4における複
数のアンテナによって、干渉成分が除去され、目的の信
号のみを取り出して受信することになる。もちろん、送
信部2,3で同一のデータを送信するフレームと、送信
部2と送信部3から異なるデータを送信するフレーム
は、交互に設ける必要はなく、データ量に応じて適宜変
更すればよい。
同一のデータを送信するフレームと、送信部2と送信部
3から異なるデータを送信するフレームを設ける場合に
は、フレームの変更の都度、重みを変更してゆくことに
なる。
めの実験例をシミュレーション結果により示す。図7
は、シミュレーション条件の一例を示す説明図、図8
は、同一データを送信した時のCNR特性の一例を示す
グラフ、図9は、異なるデータを送信したときのCNR
特性の一例を示すグラフである。図7に示すように、各
キャリアの変調方式としてDQPSK(Diferen
tial Quadrature Phase Shi
ft Keying)を用いることとして、受信端末4
側にM本のアンテナを持つシステムを考える。マルチキ
ャリアのキャリア数を48とし、ガードタイムとして2
0%取ることとする。送信部2,3から発射された32
の素波が受信端末4近傍において反射し、到来するもの
とする。このとき、各素波は、一様に分布するランダム
な角度から到来するものとし、各々の電力、遅延が下記
に示すような指数分布に従うとする。 p(τ)=(2PR /N)exp(−τ/2στ ) ここで、p(τ)は素波の電力、PR は受信平均電力、
Nは素波の数を示し、σ τ は遅延スプレッドを表して
いる。このようにランダムな角度で入力される波は統計
的にはレイリーフェージングで表すことができる。
は、上述のRLS法を利用することとする。さらに、図
4に示したトレーニングスロット(A)において、参照
信号作成用にトレーニングビットを系列長31ビットの
M系列で31ビット送信する。また重み生成スロット
(B)において、更新用のビットとして系列長31のM
系列を2周期62ビットを送信する。データスロット
(C)におけるパケットとしてキャリアあたり192ビ
ットのランダムデータを仮定し、パケット内の伝搬環境
の変化は無いものとした。
4が配置されているものと仮定して、各々の送信部2,
3からの搬送波電力対雑音電力比(carrier t
onoise ratio:CNR)を変化させて性能
評価を行った。ここで、受信端末4のアンテナ数を1、
2、4本として、送信部2,3からの受信電力が等しい
時に、送信部2,3から同一データを送信した場合のB
ER特性と別のデータを送信した場合のBER特性をそ
れぞれ図8,図9に示している。ここで、横軸は1つの
送信部あたりのCNRを示している。
3から同一データを送信した場合、アンテナのエレメン
ト数が1つの場合でも、送信部2,3から送信されたデ
ータは一つの相関の高い波の合成と考えられ、フラット
レイリーフェージングの特性を持っている。これは、O
FDM変調を利用して、送信部2,3からの波がガード
インターバル内に収まり、双方からの波を取り込んでい
るものと考えられる。また、アンテナエレメント数を増
加させると、エレメント数分のダイバーシティ効果が発
生して、特性は大幅に改善する。
送信した場合には、図9に示すように、エレメント数が
1つの場合には互いに干渉になるため、高い誤り率とな
っている。この状態では、いずれの送信部が送信したデ
ータも、取り込むことは困難である。それに対して、エ
レメント数を増やすことにより、相関の低い別の送信部
からのデータを抑圧するように、適応的に重み付けが行
われ、特性は改善する。OFDM変調を用いているた
め、複数の遅延を持った波の集合が、キャリア毎には1
つの振る舞いをするため、アンテナエレメント数がマル
チパス波の数より少ない場合でも効果的に干渉信号の抑
圧が可能となっている。
明の通信システムが高い伝送容量を有することを示す。
ここでは本発明の通信システムを用い、図5で説明した
ように各キャリア毎に共通データあるいは個別データの
いずれかを送信する方式で送信部2,3からOFDM変
調されたデータを送信するものとする。比較のために、
2つの送信部2,3が共通データ及び個別データを含む
OFDM変調したデータを同時に送信する場合と、送信
部2と送信部3が時分割によりいずれか一方のみがOF
DMフレームごとに送信する場合を考える。
送信部から送信するOFDMフレーム構成の一例の説明
図である。図中、送信部2,3から同一データを送信す
る場合に‘BROAD’、個別データを送信する場合に
送信部2から送信されるデータに‘UNI BS2’、
同様に送信部3から送信される個別データに‘UNIB
S3’と付して示している。ここでは4キャリアのみを
示している。図10(A)に示すOFDMフレーム構成
は図5で説明したものと同様であり、同一のOFDMフ
レーム中に、同一データのためのキャリアと個別データ
のためのキャリアが混在している。また、送信部2と送
信部3は同時に送信する。一方、図10(B)に示すO
FDMフレーム構成では、同一のOFDMフレーム中
に、同一データのためのキャリアと個別データのための
キャリアが混在していることは変わりがないが、送信部
2と送信部3は同時に送信することはなく、1つのOF
DMフレームにおいてはいずれか一方のみが送信する。
なお、送信部2と送信部3のいずれか一方のみ送信する
場合には、図4に示す重み生成スロット(B)が必要な
いため、フレーム長は短くなっている。
送信部2,3の設置条件の説明図である。シミュレーシ
ョンの条件として、図11に示すような50m×100
m、高さ3mの室内を想定する。この室内の中心から2
5mずつ、50m離して送信部2,3を設置している。
送信電力は17dBm(50mW)、雑音レベルは−9
5dBmとした。また、受信端末4の位置は、ランダム
に配置する。受信端末4におけるアンテナ数Mは2とし
た。さらに、受信信号は送信部2,3からの距離の3乗
に反比例して減衰するものとした。このような条件の下
で、個別データのパケットを80%、同一データのパケ
ットを20%の割合で発生させることとし、送信は全体
に行き渡らせる必要のある同一データのパケットを優先
して送信するものとする。
伝送負荷と伝送容量との関係を示すグラフである。上述
のような条件でシミュレーションを行うと、横軸を図1
0(A)のフレームの長さを基準としたときの伝送負
荷、縦軸を伝送容量とした場合に、個別データのパケッ
トの伝送容量は図12に示すような結果が得られた。図
12において、実線で示すグラフは、図10(A)に示
すOFDMフレーム構成の場合、すなわち送信部2と送
信部3が同時に送信する場合を示している。また、破線
で示すグラフは、図10(B)に示すOFDMフレーム
構成の場合、すなわち送信部2と送信部3のいずれか一
方のみが送信する場合を示している。
ステムを利用し、同一周波数で複数の送信部から同時に
送信することによって、別の種類のデータに関して時分
割のシステムと比べ、同じ帯域幅で見た場合に伝送路の
容量が大きくなっている。これにより、本発明の通信シ
ステムが、高い伝送負荷まで耐えられることが分かる。
ュレーションにおいても条件として設定したように、例
えば屋内における無線ネットワークなどに応用すること
ができる。例えば天井などに間隔を置いて複数の送信部
を設置し、ネットワークを介して送られてくる、すべて
の受信端末に送信するデータ、及び、特定の受信端末に
送信するデータを、同一周波数を用いて同時に送信する
ことが可能である。もともと、OFDM変調方式はマル
チパスに強い特性を有しているので、屋内のようにマル
チパスが発生する環境においては適している通信方式で
ある。特に本発明の通信システムでは、同一周波数で複
数の送信部から異なるデータを同時に送信することがで
きるので、通信データ量を増大させることができる。
端末側へのデータ転送について示しているが、端末側か
らネットワーク側へのデータ転送についても同様の構成
を用いることができる。あるいは、端末側からのデータ
転送については、別の通信方式を用いてもよい。
いることも可能である。この場合、サービスエリアが重
複する複数の放送局は、同一周波数を用いて放送するこ
とが可能になる。例えば広域用放送では、複数の放送局
は同一のデータを送信すればよい。また、地域用放送で
は、各放送局が異なるデータを送信すればよい。この場
合、例えば図5に示したようにキャリアで分けたり,図
6に示したようにフレームによって分けることが可能で
ある。例えば複数の放送局のサービスエリアに含まれる
受信機では、上述のように複数本のアンテナを用いて適
応的に重み付けして受信することによって、それぞれの
放送局から行われる地域用放送についても選択的に受信
することができる。また、広域用放送についても、例え
ばいずれの放送局からも遠い位置の受信機でも、複数本
のアンテナによるダイバーシティ効果によって受信特性
は改善し、良好に受信することができるようになる。
によれば、サービスエリアが重複する複数の送信手段か
ら、同一のデータだけでなく、それぞれ異なるデータに
ついても、OFDM変調方式により同一周波数で同時に
送信することができる。受信手段は複数のアンテナを有
しているので、複数の送信手段が同一のデータを送信し
た場合にはダイバーシティ効果によって高い通信品質を
確保することができる。また、複数の送信手段が異なる
データを送信した場合には、干渉成分を抑圧し、希望波
のみを取り出すことが可能である。この場合、異なるデ
ータを同一の周波数で同時に送信することができるの
で、伝送容量を大幅に向上させることが可能となるとい
う効果がある。
念図である。
図である。
一例の説明図である。
別の例の説明図である。
る。
示すグラフである。
例を示すグラフである。
信するOFDMフレーム構成の一例の説明図である。
の設置条件の説明図である。
送容量との関係を示すグラフである。
…アンテナ、12…受信部、13…端末装置、21…離
散フーリエ変換部、22…重み付け部、23…加算部、
24…復調部、25…並直列変換部、26…重み制御
部。
Claims (7)
- 【請求項1】 データをOFDM変調して送信する複数
の送信手段と、前記複数の送信手段に対して同一のデー
タあるいはそれぞれの送信手段によって異なるデータを
送信させるように制御する送信制御手段と、前記複数の
送信手段から送信された電波を受信する複数のアンテナ
を有する1ないし複数の受信手段を含むことを特徴とす
る通信システム。 - 【請求項2】 前記送信制御手段は、それぞれの前記送
信手段に対して、OFDM変調する複数のキャリアを、
同一のデータを送信するキャリア群と異なるデータを送
信するキャリア群により構成してOFDM変調し、送信
させることを特徴とする請求項1に記載の通信システ
ム。 - 【請求項3】 前記送信制御手段は、前記同一のデータ
を送信するキャリア群と、前記異なるデータを送信する
キャリア群として、前記OFDM変調する複数のキャリ
アのうちのいずれを用いるかを1ないし複数の送信フレ
ームごとに変更可能に制御することを特徴とする請求項
2に記載の通信システム。 - 【請求項4】 前記送信制御手段は、前記複数の送信手
段に対して、送信フレームごとに同一のデータあるいは
それぞれの送信手段によって異なるデータのいずれかを
OFDM変調して送信させることを特徴とする請求項1
に記載の通信システム。 - 【請求項5】 前記受信手段は、各アンテナごとにOF
DM変調された信号を複数のキャリア信号に変換するフ
ーリエ変換手段と、該フーリエ変換手段で変換した各キ
ャリア信号に対してそれぞれに対応した所定の重みを乗
算する乗算手段と、各アンテナごとに前記フーリエ変換
手段で変換された同一のキャリア信号について前記乗算
手段で乗算後の信号を加算する加算手段を有することを
特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記
載の通信システム。 - 【請求項6】 前記重みは、少なくとも、それぞれの送
信手段から異なるデータが送信されているキャリアにつ
いては希望波のみを取り出すべく調整されることを特徴
とする請求項5に記載の通信システム。 - 【請求項7】 前記重みは、複数の送信手段から同一の
データが送信されているキャリアについては信号を強め
あうように調整されることを特徴とする請求項5に記載
の通信システム。
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