JP2004364074A - 超音波探触子および超音波探触子製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の振動素子を有する超音波探触子において、素子特性を向上させるために、バッキングを介した音響クロストークを軽減する必要がある。
【解決手段】まず、バッキング12の上部から、複数のバッキング溝28a−28cを、音響分離効果が発揮できる深さに切削形成する(a)。続いて、バッキング12の上面に圧電プレート16を積層させ(c)、各バッキング溝の対応位置に素子分離溝34a−34cを切削形成する(d)。バッキング溝と素子分離溝とは、バッキング内において結合される。
【選択図】 図3
【解決手段】まず、バッキング12の上部から、複数のバッキング溝28a−28cを、音響分離効果が発揮できる深さに切削形成する(a)。続いて、バッキング12の上面に圧電プレート16を積層させ(c)、各バッキング溝の対応位置に素子分離溝34a−34cを切削形成する(d)。バッキング溝と素子分離溝とは、バッキング内において結合される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探触子及びその製造方法、特に、アレイ状に配置された複数の振動素子の構造または製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用等の超音波診断装置においては、各種の超音波画像を得るために、超音波探触子(プローブとも呼ぶ)を用いて、生体等に対する超音波の送受信が行われる。探触子には、一般に、1次元あるいは2次元のアレイ状に複数の振動素子が配置されている。そして、各振動素子の駆動タイミングを制御することで、所望の波面をもつ超音波が発信される。
【0003】
図6は、従来の超音波探触子の部分的な断面図である。図6において、探触子100は、バッキング102を備えている。その前方には3つの信号電極素子104a−104c及び対応した3つの圧電素子106a−106cが設けられ、これらは溝108a,108bによって分離されている。そして、さらに前方にはグラウンド電極110、音響整合層112、及び整合層溝114a,bが配置されている。
【0004】
3つの信号電極素子104a−104c、圧電素子106a−106c、及び、共通のグラウンド電極110によって、3つの振動素子が形成されている。すなわち、超音波の送信時には、各信号電極素子104a−104cとのグラウンド電極110の間の電圧を制御して各圧電素子106a−106cを振動させ、超音波を前方に向けて発信する。また、受信時には、圧電素子106a−106cの振動を信号電極素子104a−104cによって受信信号に変換する。
【0005】
バッキング102は、各素子が発する超音波を、その後方側で吸収する役割を果たしている。また、溝108a,108bは、各素子の音響的分離を行っており、さらに整合層溝114a,114bも、送受信される超音波の音響的な分離のために設けられている。
【0006】
各振動素子は密に配置されており、圧電素子106a−106c間においては、バッキング102を介して、音波(振動)の相互伝播、すなわちの音響クロストークが発生してしまう。図6の矢印118a,bは、中央の圧電素子106bに対して、隣接する圧電素子106a,106cによってもたらされる音響クロストークを模式的に説明したものであり、溝108a,108bを迂回して音波(振動)が伝播している。この音響クロストークは、送受信超音波、特にエネルギの強い送信超音波にノイズを与え、振動素子特性を低下させてしまう。
【0007】
なお、下記特許文献1には、2次元アレイ形超音波探触子及びその製造方法が示されている。この製造方法では、振動素子を隔てる溝は、圧電プレートを積層した時点で、バッキングにかけて一度に切削されている。また、下記特許文献2には、2次元アレイ形超音波探触子の製造方法の改良について記載されている。しかし、この方法においても、少なくとも圧電プレートからバッキングにかけての切削は、一度に実施されている。一方、下記特許文献3には、超音波探触子のバッキング材において、振動素子側の表面に音響インピーダンスの分布を調整するための溝を設け、前面への音響パワーの集中度合いを制御する手段が開示されている。ただし、振動素子間の音響クロストークの低減に関する開示はなされていない。さらに、下記特許文献4にも、超音波探触子の製造方法が開示されているが、やはり、バッキング及び圧電体は同時に切削されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−131895号公報
【特許文献2】
特開2002−262397号公報
【特許文献3】
特開2000−271116号公報
【特許文献4】
特開平9−238399号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
バッキング102を介した音響クロストークを軽減するためには、バッキング102において溝108a,108bを深く作成する必要がある。しかし、上記特許文献1,2等の製造方法では、溝108a,108bは、バッキング102と圧電プレートを積層させた後に、ダイシングソーにより切削形成する方法が用いられていたため、ダイシングソー等の加工具の切削可能深度よりも深く切削することができない問題があった。
【0010】
本発明の目的は、探触子内で生じるバッキングを介した音響クロストークを低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の超音波探触子は、複数のバッキング溝が少なくとも上部に形成されたバッキングと、前記バッキングの上面側に配置され、各バッキング溝の対応位置に設けられた素子分離溝により相互分離された複数の圧電素子と、を含み、前記各素子分離溝は、各バッキング溝を形成した後に形成され、かつ、前記バッキング内で各バッキング溝に結合されている。
【0012】
すなわち、この探触子において、圧電素子は、素子分離溝に隔てられて、アレー状に配置されている。また、圧電素子の背後にあるバッキングには、バッキング溝が設けられている。素子分離溝は、バッキング溝を形成した後に形成されたものであり、バッキング溝と対応した位置に設けられ、バッキング内で結合されている。この構成のため、バッキング溝を、あらかじめ十分に深く切削形成することが可能となり、音響クロストーク低減が容易となる。
【0013】
さらに、探触子における振動素子のアレー状の配置は、1次元的であっても2次元的であってもよい。そして、この配置は、曲線的あるいは曲面的になされてもよい。また、音響整合層や音響レンズの配置などは適宜行うことが可能である。
【0014】
また、本発明の超音波探触子製造方法は、バッキングに対し、その上面から複数のバッキング溝を切削形成する第1切削工程と、前記バッキング溝に第1音響分離材を充填する第1充填工程と、前記第1充填工程を経た前記バッキングに対し、その上面に圧電プレートを積層する積層工程と、前記複数のバッキング溝と対応した各位置において、前記圧電プレートの上面から対応するバッキング溝に至る素子分離溝を切削形成する第2切削工程と、前記各位置における前記素子分離溝に対し、第2音響分離材を充填する第2充填工程と、を含む。
【0015】
なお、本発明における超音波探触子あるいはその製造方法は、以下に記すように、様々に変形することが可能である。例えば、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝とそれに対応する各素子分離溝は、互いに同じ広さの溝幅を有することが可能である。したがって、両溝を同じ加工具を用いて形成することが可能となる。なお、両溝は、基本的に互いに正対するように配置されるが、結合可能な範囲内で正対位置から外すように製作しても、音響分離の役割を果たすことができる。
【0016】
また、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝とそれに対応する各素子分離溝は、それぞれ互いに異なる広さの溝幅を有してもよい。これにより、素子性能向上の観点などから、各溝幅を別々に定めることができる。バッキングにおける音響クロストークの軽減を重視する場合には、バッキング溝を素子分離溝に比べて幅広とすればよい。また、バッキング本来の役割を重視する場合には、バッキング溝を素子分離溝に比べて幅狭とすればよい。これらの場合に、必ずしも両溝が正対する必要がないことは、両溝を同じ幅にする場合と同様である。
【0017】
望ましくは、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝と前記各素子分離溝には、その内部に音響分離材が設けられている。また、本発明の超音波探触子において、前記音響分離材は、前記バッキング溝の内部に設けられた第1音響分離材と、前記素子分離溝に設けられ前記第1音響分離材に接合する第2音響分離材と、からなるように構成してもよい。また、本発明の超音波探触子において、前記第1音響分離材と前記第2音響分離材は、互いに同じ材質からなるように構成してもよい。また、本発明の超音波探触子において、前記第1音響分離材と前記第2音響分離材は、互いに異なる材質からなるように構成してもよい。
【0018】
音響分離材としては、超音波探触子の強度補強と、音響分離効果を両立させるように、音響インピーダンスが異なる材質のものが用いられる。この音響分離材を設ける工程は、バッキング溝と素子分離溝に対して、同時に実施してもよいし、別々に実施してもよい。そして、設ける音響分離材の材質を変えることも可能である。同じ材質の音響分離材を用いる場合には、別の材料を用意する必要がなくなり、製造が容易となる。一方、別々の材質からなる音響分離材を設ける場合には、各溝における音響効果を別々に制御できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を、図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る1次元アレー型の超音波探触子10の概略的斜視図である。超音波探触子10は、層状構造をなしており、図の下から上に(z軸方向に)向けて、バッキング12、信号電極素子14a,14b,...、圧電素子16a,16b,...、グラウンド電極18、音響整合素子20a,20b,...、音響レンズ22がこの順に積層している。このうち、信号電極素子14a,14b,...と対応する圧電素子16a,16b,...はグラウンド電極18と合わせて、振動素子を形成している。各振動素子の間には、音響分離溝24a,24b,...が設けられている。各音響分離溝24a,24b,...は、各位置においてグラウンド電極18直下からバッキング12の内部深くにまで延びている。また、音響整合素子20a,20b,...の間には、音響レンズとの境界面からグラウンド電極18近くにまで延びる整合層溝26a,26b,...が、音響分離溝24a,24b,...と対応する位置に設けられている。なお、図1においては、音響分離溝24a,24b,...を5個のみしか記載していないが、実際の1次元アレー型探触子においては、例えば数百の音響分離溝及び振動素子が形成されることに注意されたい。
【0021】
超音波の送信は、送信信号に基づいて、各振動素子における信号電極素子14a,14b,...の電位をグラウンド電極18の電位に対して変化させることで行われる。圧電素子16a,16b,...は、電圧に応じて歪み、超音波を発生させる。このとき、バッキング12は、その上面では超音波を反射して前方に伝播させるとともに、内部に進入した超音波を吸収減衰させる役割を担っている。一方、前面に向かって伝播する超音波は、音響インピーダンスの調整層である音響整合素子20a,20b,..を通って音響レンズ22に達し、その表面から生体等の測定対象に向けて送信される。音響レンズ22の上面は、音波の伝播方向を屈折により調整するように、丸みを帯びている。
【0022】
また、超音波の受信は、送信と逆の動作により行われる。すなわち、生体等からの反射波は、各圧電素子16a,16b,...を振動させる。そして、この時の歪みが信号電極素子14a,14b,...によって電気信号に変えられて、装置本体に送られることになる。
【0023】
本実施の形態において特徴的な点は、音響分離溝24a,24b,...が、バッキング12の深い位置にまで到達していることである。従来の超音波探触子においては、バッキング12における溝の深さは、最大でも500μm程度でしかなかった。しかし、本実施の形態においては従来よりも音響分離を確実に行うため、少なくとも600μmあるいは800μm程度を確保している。これにより、バッキング12を介しての各振動素子間の音響クロストークを軽減されており、素子性能の向上がはかられている。
【0024】
次に、超音波探触子10の製造工程を説明する。図2は、この超音波探触子10の代表的な製造方法の主要部を示したフローチャートである。また、図3は、図2の各ステップにおける断面図(図1のxz面で切断した)を時系列的に示したものである。
【0025】
製造工程においては、まず、バッキング12にバッキング溝28a−28cが切削形成される(S10;図3(a))。この切削は、典型的には、図4に主要部を示すダイシングソー80を用いて行われる。ダイシングソー80は、金属刃82と支え部84を有しており、これらは回転軸86を中心に高速回転される。そして、切削対象物に金属刃82を押し当てることで、切削対象物が切削される。切削される幅は、金属刃82の厚み88で決定される。また、切削の可能深度は、支え部84より先にある金属刃82の長さ、すなわち刃出し長90によって決定される。典型的には、厚み88は50μm、刃出し長90は1.2mm程度である。ダイシングソー80においては、強度の観点から刃出し長90をこれよりも極端に長くすることは困難であり、例えば、1.5mm程度が切削可能な最大深度となる。
【0026】
図3の(a)においては、約1mmの深さで切削が行われている。前に述べたように、この深さは従来の切削可能深度である500μm程度よりも深い。これは、バッキング12に直接切削を行う態様を取っているため、刃出し長によって決まる切削可能範囲内で、従来よりも音響クロストークの影響を軽減する深さに切削できたことによる。切削の適当な深さは、バッキング12の材質や振動素子の間隔などさまざまな条件に依存するため、実験を行って定めるなどすればよい。また、バッキング溝28a−28cの厚みについても、音響クロストークの効果などを考慮して様々に変えることが可能である。
【0027】
続いて、バッキング溝28a−28cに対し、第1音響分離材30a−30cとして、充填材が真空状態で注入される(S12;図3(b))。望ましくは、充填材としては、主剤としてのエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などを、添加剤としての中空ガラスフィラーや樹脂フィラーと任意に組み合わせて用いる。これらは、音響インピーダンスが低く、十分な音響分離効果を発揮することができる部材である。注入した充填材は、その性質に応じて加熱などを行い硬化させる。
【0028】
ステップS14では、信号電極プレート14及び圧電プレート16が、この並び順でバッキング12の上面に成層配置される(図3(c))。各層は、バッキング12の上で順番に形成されてもよいし、予め一体化して製作しておいてもよい。また、各層間の固定には、例えば接着剤を適宜用いれば良い。
【0029】
次に、圧電プレート16の上面から、バッキング12の内部にかけて、素子分離溝34a−34cが切削形成される(S16;図3(d))。各素子分離溝34a−34cは、それぞれ、バッキング溝28a−28cに対応した位置に形成されている。そして、圧電プレート16及び信号電極プレート14を素子分離して、それぞれ圧電素子16a−16dと信号電極素子14a−14dを作りだしている。素子分離溝34a−34cは、バッキング12の内部においてバッキング溝28a−28cとオーバーラップして結合され、一体となった音響分離溝24a−24cを形成している。なお、素子分離溝34a−34cとバッキング溝28a−28cは、異なる溝幅で形成してもよい。また、両溝は必ずしも正対させて設置する必要はなく、結合可能な範囲で位置をずらして作成することができる。
【0030】
素子分離溝34a−34cに対しては、やはり充填材を真空状態で注入し、第2音響分離材36a−36cを形成する(S18;図3(e))。充填材は、第1音響分離材30a−30cと同じであっても、異なってもよい。また、第1音響分離材30a−30cと第2音響分離材36a−36cとは、隙間なく接合されることが望ましいが、空気にも音響分離効果があるため、接合されていない構成をとることもできる。なお、接合を行う場合には、両者を物理的に密着させた状態としても、化学的な一体化を行ってもよい。なお、ステップS12を省略し、ステップS16で充填材を注入することで、両溝内に音響分離材を一度に形成することも可能である。
【0031】
ステップS20では、圧電プレート16の上面に、グラウンド電極18および音響整合層20をこの並び順に積層する(図3(f))。
【0032】
音響整合層20に対しては、その上面から切削が行われ、整合層溝26a−26cが形成され(S22;図3(g))、これによって音響整合素子20a,20b,...が形成される。そして、整合層溝26a−26cには、第3音響分離材40a−40cとして、充填材が真空注入される(S24;図3(h))。なお、必要があれば、音響整合素子20a,20b,...の上面に、音響レンズ22を積層形成すればよい。なお、整合層溝26a−26cは、素子分離溝と結合させてもよい。この際には、グラウンド電極18の配線が若干複雑になるものの、十分実施可能である。したがって、例えば、素子分離溝34a−34cを切削するタイミングを、この工程段階にまで遅らせることができる。つまり、素子分離溝34a−34cを、音響整合層20の上面からバッキング12内にかけて一気に切削整形することも可能である。
【0033】
以上の説明においては、例えば、信号電極素子14a−14d及びグラウンド電極18に対する配線の方法や、音響レンズの設置方法などの一般的な技術に関する説明を省略した。これらについては、上記特許文献1乃至4などに記載されているような従来から知られた方法を適宜用いればよい。
【0034】
図5は、本実施の形態の変形例を説明する断面図である。この超音波探触子50は、図3(h)に対応する製造工程を経たものであり、基本的には、上の説明と同様にして製造される。特徴的な相違は、バッキング溝52a,52bの溝幅が素子分離溝54a,54bの溝幅に比べて広い点にある。このため、バッキング56における音響分離効果を向上させることができる。
【0035】
バッキング溝52a,52b及び素子分離溝54a,54bは、図4のダイシングソー80などを用いて切削形成される。このため、幅広のバッキング溝52a,52bを形成する場合には、厚み88が厚い金属刃82を用いればよい。もちろん、薄い金属刃82を用いて、水平位置をずらした2回の切削を行うことでも溝幅の広いバッキング溝52a,52bを形成することができる。
【0036】
溝幅の設定は任意に行うことができる。ただし、バッキング56本来の働きを損なわないようにすることが必要である。適切な一例としては、バッキング溝52a,52bの溝幅を60μm程度、素子分離溝54a,54bの溝幅を50μmに設定する場合を挙げることができる。
【0037】
以上においては、超音波探触子は、1次元アレー型であるものとして説明を行った。しかし、2次元のアレー状に振動素子が配置された2次元アレー型探触子に対しても容易に拡張可能である。例えば、図1のx軸方向に延びる音響分離溝を、y軸方向に複数切削形成することで、2次元アレー型探触子を形成することができる。
【0038】
【発明の効果】
バッキング溝と素子分離溝を別々に形成することにより、バッキング溝を深く切削することが可能となり、振動素子間の音響クロストークを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る超音波探触子の概略的斜視図である。
【図2】超音波探触子の製造工程を説明するフローチャートである。
【図3】図2に対応した超音波探触子の概略断面図である。
【図4】ダイシングソーの断面図である。
【図5】変形例に係る超音波探触子の概略断面図である。
【図6】従来技術に係る超音波探触子の概略断面図である。
【符号の説明】
10 超音波探触子、12 バッキング、14a,14b 信号電極素子、16a,16b 圧電素子、18 グラウンド電極、20a,20b 音響整合素子、22 音響レンズ、24a−24c 音響分離溝、26a−26c 整合層溝、28a−28c バッキング溝、30a−30c 第1音響分離材、34a−34c 素子分離溝、36a−36c 第2音響分離材、40a−40c 第3音響分離材、80 ダイシングソー、82 金属刃、88 厚み、90 刃出し長。
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探触子及びその製造方法、特に、アレイ状に配置された複数の振動素子の構造または製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用等の超音波診断装置においては、各種の超音波画像を得るために、超音波探触子(プローブとも呼ぶ)を用いて、生体等に対する超音波の送受信が行われる。探触子には、一般に、1次元あるいは2次元のアレイ状に複数の振動素子が配置されている。そして、各振動素子の駆動タイミングを制御することで、所望の波面をもつ超音波が発信される。
【0003】
図6は、従来の超音波探触子の部分的な断面図である。図6において、探触子100は、バッキング102を備えている。その前方には3つの信号電極素子104a−104c及び対応した3つの圧電素子106a−106cが設けられ、これらは溝108a,108bによって分離されている。そして、さらに前方にはグラウンド電極110、音響整合層112、及び整合層溝114a,bが配置されている。
【0004】
3つの信号電極素子104a−104c、圧電素子106a−106c、及び、共通のグラウンド電極110によって、3つの振動素子が形成されている。すなわち、超音波の送信時には、各信号電極素子104a−104cとのグラウンド電極110の間の電圧を制御して各圧電素子106a−106cを振動させ、超音波を前方に向けて発信する。また、受信時には、圧電素子106a−106cの振動を信号電極素子104a−104cによって受信信号に変換する。
【0005】
バッキング102は、各素子が発する超音波を、その後方側で吸収する役割を果たしている。また、溝108a,108bは、各素子の音響的分離を行っており、さらに整合層溝114a,114bも、送受信される超音波の音響的な分離のために設けられている。
【0006】
各振動素子は密に配置されており、圧電素子106a−106c間においては、バッキング102を介して、音波(振動)の相互伝播、すなわちの音響クロストークが発生してしまう。図6の矢印118a,bは、中央の圧電素子106bに対して、隣接する圧電素子106a,106cによってもたらされる音響クロストークを模式的に説明したものであり、溝108a,108bを迂回して音波(振動)が伝播している。この音響クロストークは、送受信超音波、特にエネルギの強い送信超音波にノイズを与え、振動素子特性を低下させてしまう。
【0007】
なお、下記特許文献1には、2次元アレイ形超音波探触子及びその製造方法が示されている。この製造方法では、振動素子を隔てる溝は、圧電プレートを積層した時点で、バッキングにかけて一度に切削されている。また、下記特許文献2には、2次元アレイ形超音波探触子の製造方法の改良について記載されている。しかし、この方法においても、少なくとも圧電プレートからバッキングにかけての切削は、一度に実施されている。一方、下記特許文献3には、超音波探触子のバッキング材において、振動素子側の表面に音響インピーダンスの分布を調整するための溝を設け、前面への音響パワーの集中度合いを制御する手段が開示されている。ただし、振動素子間の音響クロストークの低減に関する開示はなされていない。さらに、下記特許文献4にも、超音波探触子の製造方法が開示されているが、やはり、バッキング及び圧電体は同時に切削されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−131895号公報
【特許文献2】
特開2002−262397号公報
【特許文献3】
特開2000−271116号公報
【特許文献4】
特開平9−238399号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
バッキング102を介した音響クロストークを軽減するためには、バッキング102において溝108a,108bを深く作成する必要がある。しかし、上記特許文献1,2等の製造方法では、溝108a,108bは、バッキング102と圧電プレートを積層させた後に、ダイシングソーにより切削形成する方法が用いられていたため、ダイシングソー等の加工具の切削可能深度よりも深く切削することができない問題があった。
【0010】
本発明の目的は、探触子内で生じるバッキングを介した音響クロストークを低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の超音波探触子は、複数のバッキング溝が少なくとも上部に形成されたバッキングと、前記バッキングの上面側に配置され、各バッキング溝の対応位置に設けられた素子分離溝により相互分離された複数の圧電素子と、を含み、前記各素子分離溝は、各バッキング溝を形成した後に形成され、かつ、前記バッキング内で各バッキング溝に結合されている。
【0012】
すなわち、この探触子において、圧電素子は、素子分離溝に隔てられて、アレー状に配置されている。また、圧電素子の背後にあるバッキングには、バッキング溝が設けられている。素子分離溝は、バッキング溝を形成した後に形成されたものであり、バッキング溝と対応した位置に設けられ、バッキング内で結合されている。この構成のため、バッキング溝を、あらかじめ十分に深く切削形成することが可能となり、音響クロストーク低減が容易となる。
【0013】
さらに、探触子における振動素子のアレー状の配置は、1次元的であっても2次元的であってもよい。そして、この配置は、曲線的あるいは曲面的になされてもよい。また、音響整合層や音響レンズの配置などは適宜行うことが可能である。
【0014】
また、本発明の超音波探触子製造方法は、バッキングに対し、その上面から複数のバッキング溝を切削形成する第1切削工程と、前記バッキング溝に第1音響分離材を充填する第1充填工程と、前記第1充填工程を経た前記バッキングに対し、その上面に圧電プレートを積層する積層工程と、前記複数のバッキング溝と対応した各位置において、前記圧電プレートの上面から対応するバッキング溝に至る素子分離溝を切削形成する第2切削工程と、前記各位置における前記素子分離溝に対し、第2音響分離材を充填する第2充填工程と、を含む。
【0015】
なお、本発明における超音波探触子あるいはその製造方法は、以下に記すように、様々に変形することが可能である。例えば、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝とそれに対応する各素子分離溝は、互いに同じ広さの溝幅を有することが可能である。したがって、両溝を同じ加工具を用いて形成することが可能となる。なお、両溝は、基本的に互いに正対するように配置されるが、結合可能な範囲内で正対位置から外すように製作しても、音響分離の役割を果たすことができる。
【0016】
また、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝とそれに対応する各素子分離溝は、それぞれ互いに異なる広さの溝幅を有してもよい。これにより、素子性能向上の観点などから、各溝幅を別々に定めることができる。バッキングにおける音響クロストークの軽減を重視する場合には、バッキング溝を素子分離溝に比べて幅広とすればよい。また、バッキング本来の役割を重視する場合には、バッキング溝を素子分離溝に比べて幅狭とすればよい。これらの場合に、必ずしも両溝が正対する必要がないことは、両溝を同じ幅にする場合と同様である。
【0017】
望ましくは、本発明の超音波探触子において、前記各バッキング溝と前記各素子分離溝には、その内部に音響分離材が設けられている。また、本発明の超音波探触子において、前記音響分離材は、前記バッキング溝の内部に設けられた第1音響分離材と、前記素子分離溝に設けられ前記第1音響分離材に接合する第2音響分離材と、からなるように構成してもよい。また、本発明の超音波探触子において、前記第1音響分離材と前記第2音響分離材は、互いに同じ材質からなるように構成してもよい。また、本発明の超音波探触子において、前記第1音響分離材と前記第2音響分離材は、互いに異なる材質からなるように構成してもよい。
【0018】
音響分離材としては、超音波探触子の強度補強と、音響分離効果を両立させるように、音響インピーダンスが異なる材質のものが用いられる。この音響分離材を設ける工程は、バッキング溝と素子分離溝に対して、同時に実施してもよいし、別々に実施してもよい。そして、設ける音響分離材の材質を変えることも可能である。同じ材質の音響分離材を用いる場合には、別の材料を用意する必要がなくなり、製造が容易となる。一方、別々の材質からなる音響分離材を設ける場合には、各溝における音響効果を別々に制御できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を、図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る1次元アレー型の超音波探触子10の概略的斜視図である。超音波探触子10は、層状構造をなしており、図の下から上に(z軸方向に)向けて、バッキング12、信号電極素子14a,14b,...、圧電素子16a,16b,...、グラウンド電極18、音響整合素子20a,20b,...、音響レンズ22がこの順に積層している。このうち、信号電極素子14a,14b,...と対応する圧電素子16a,16b,...はグラウンド電極18と合わせて、振動素子を形成している。各振動素子の間には、音響分離溝24a,24b,...が設けられている。各音響分離溝24a,24b,...は、各位置においてグラウンド電極18直下からバッキング12の内部深くにまで延びている。また、音響整合素子20a,20b,...の間には、音響レンズとの境界面からグラウンド電極18近くにまで延びる整合層溝26a,26b,...が、音響分離溝24a,24b,...と対応する位置に設けられている。なお、図1においては、音響分離溝24a,24b,...を5個のみしか記載していないが、実際の1次元アレー型探触子においては、例えば数百の音響分離溝及び振動素子が形成されることに注意されたい。
【0021】
超音波の送信は、送信信号に基づいて、各振動素子における信号電極素子14a,14b,...の電位をグラウンド電極18の電位に対して変化させることで行われる。圧電素子16a,16b,...は、電圧に応じて歪み、超音波を発生させる。このとき、バッキング12は、その上面では超音波を反射して前方に伝播させるとともに、内部に進入した超音波を吸収減衰させる役割を担っている。一方、前面に向かって伝播する超音波は、音響インピーダンスの調整層である音響整合素子20a,20b,..を通って音響レンズ22に達し、その表面から生体等の測定対象に向けて送信される。音響レンズ22の上面は、音波の伝播方向を屈折により調整するように、丸みを帯びている。
【0022】
また、超音波の受信は、送信と逆の動作により行われる。すなわち、生体等からの反射波は、各圧電素子16a,16b,...を振動させる。そして、この時の歪みが信号電極素子14a,14b,...によって電気信号に変えられて、装置本体に送られることになる。
【0023】
本実施の形態において特徴的な点は、音響分離溝24a,24b,...が、バッキング12の深い位置にまで到達していることである。従来の超音波探触子においては、バッキング12における溝の深さは、最大でも500μm程度でしかなかった。しかし、本実施の形態においては従来よりも音響分離を確実に行うため、少なくとも600μmあるいは800μm程度を確保している。これにより、バッキング12を介しての各振動素子間の音響クロストークを軽減されており、素子性能の向上がはかられている。
【0024】
次に、超音波探触子10の製造工程を説明する。図2は、この超音波探触子10の代表的な製造方法の主要部を示したフローチャートである。また、図3は、図2の各ステップにおける断面図(図1のxz面で切断した)を時系列的に示したものである。
【0025】
製造工程においては、まず、バッキング12にバッキング溝28a−28cが切削形成される(S10;図3(a))。この切削は、典型的には、図4に主要部を示すダイシングソー80を用いて行われる。ダイシングソー80は、金属刃82と支え部84を有しており、これらは回転軸86を中心に高速回転される。そして、切削対象物に金属刃82を押し当てることで、切削対象物が切削される。切削される幅は、金属刃82の厚み88で決定される。また、切削の可能深度は、支え部84より先にある金属刃82の長さ、すなわち刃出し長90によって決定される。典型的には、厚み88は50μm、刃出し長90は1.2mm程度である。ダイシングソー80においては、強度の観点から刃出し長90をこれよりも極端に長くすることは困難であり、例えば、1.5mm程度が切削可能な最大深度となる。
【0026】
図3の(a)においては、約1mmの深さで切削が行われている。前に述べたように、この深さは従来の切削可能深度である500μm程度よりも深い。これは、バッキング12に直接切削を行う態様を取っているため、刃出し長によって決まる切削可能範囲内で、従来よりも音響クロストークの影響を軽減する深さに切削できたことによる。切削の適当な深さは、バッキング12の材質や振動素子の間隔などさまざまな条件に依存するため、実験を行って定めるなどすればよい。また、バッキング溝28a−28cの厚みについても、音響クロストークの効果などを考慮して様々に変えることが可能である。
【0027】
続いて、バッキング溝28a−28cに対し、第1音響分離材30a−30cとして、充填材が真空状態で注入される(S12;図3(b))。望ましくは、充填材としては、主剤としてのエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などを、添加剤としての中空ガラスフィラーや樹脂フィラーと任意に組み合わせて用いる。これらは、音響インピーダンスが低く、十分な音響分離効果を発揮することができる部材である。注入した充填材は、その性質に応じて加熱などを行い硬化させる。
【0028】
ステップS14では、信号電極プレート14及び圧電プレート16が、この並び順でバッキング12の上面に成層配置される(図3(c))。各層は、バッキング12の上で順番に形成されてもよいし、予め一体化して製作しておいてもよい。また、各層間の固定には、例えば接着剤を適宜用いれば良い。
【0029】
次に、圧電プレート16の上面から、バッキング12の内部にかけて、素子分離溝34a−34cが切削形成される(S16;図3(d))。各素子分離溝34a−34cは、それぞれ、バッキング溝28a−28cに対応した位置に形成されている。そして、圧電プレート16及び信号電極プレート14を素子分離して、それぞれ圧電素子16a−16dと信号電極素子14a−14dを作りだしている。素子分離溝34a−34cは、バッキング12の内部においてバッキング溝28a−28cとオーバーラップして結合され、一体となった音響分離溝24a−24cを形成している。なお、素子分離溝34a−34cとバッキング溝28a−28cは、異なる溝幅で形成してもよい。また、両溝は必ずしも正対させて設置する必要はなく、結合可能な範囲で位置をずらして作成することができる。
【0030】
素子分離溝34a−34cに対しては、やはり充填材を真空状態で注入し、第2音響分離材36a−36cを形成する(S18;図3(e))。充填材は、第1音響分離材30a−30cと同じであっても、異なってもよい。また、第1音響分離材30a−30cと第2音響分離材36a−36cとは、隙間なく接合されることが望ましいが、空気にも音響分離効果があるため、接合されていない構成をとることもできる。なお、接合を行う場合には、両者を物理的に密着させた状態としても、化学的な一体化を行ってもよい。なお、ステップS12を省略し、ステップS16で充填材を注入することで、両溝内に音響分離材を一度に形成することも可能である。
【0031】
ステップS20では、圧電プレート16の上面に、グラウンド電極18および音響整合層20をこの並び順に積層する(図3(f))。
【0032】
音響整合層20に対しては、その上面から切削が行われ、整合層溝26a−26cが形成され(S22;図3(g))、これによって音響整合素子20a,20b,...が形成される。そして、整合層溝26a−26cには、第3音響分離材40a−40cとして、充填材が真空注入される(S24;図3(h))。なお、必要があれば、音響整合素子20a,20b,...の上面に、音響レンズ22を積層形成すればよい。なお、整合層溝26a−26cは、素子分離溝と結合させてもよい。この際には、グラウンド電極18の配線が若干複雑になるものの、十分実施可能である。したがって、例えば、素子分離溝34a−34cを切削するタイミングを、この工程段階にまで遅らせることができる。つまり、素子分離溝34a−34cを、音響整合層20の上面からバッキング12内にかけて一気に切削整形することも可能である。
【0033】
以上の説明においては、例えば、信号電極素子14a−14d及びグラウンド電極18に対する配線の方法や、音響レンズの設置方法などの一般的な技術に関する説明を省略した。これらについては、上記特許文献1乃至4などに記載されているような従来から知られた方法を適宜用いればよい。
【0034】
図5は、本実施の形態の変形例を説明する断面図である。この超音波探触子50は、図3(h)に対応する製造工程を経たものであり、基本的には、上の説明と同様にして製造される。特徴的な相違は、バッキング溝52a,52bの溝幅が素子分離溝54a,54bの溝幅に比べて広い点にある。このため、バッキング56における音響分離効果を向上させることができる。
【0035】
バッキング溝52a,52b及び素子分離溝54a,54bは、図4のダイシングソー80などを用いて切削形成される。このため、幅広のバッキング溝52a,52bを形成する場合には、厚み88が厚い金属刃82を用いればよい。もちろん、薄い金属刃82を用いて、水平位置をずらした2回の切削を行うことでも溝幅の広いバッキング溝52a,52bを形成することができる。
【0036】
溝幅の設定は任意に行うことができる。ただし、バッキング56本来の働きを損なわないようにすることが必要である。適切な一例としては、バッキング溝52a,52bの溝幅を60μm程度、素子分離溝54a,54bの溝幅を50μmに設定する場合を挙げることができる。
【0037】
以上においては、超音波探触子は、1次元アレー型であるものとして説明を行った。しかし、2次元のアレー状に振動素子が配置された2次元アレー型探触子に対しても容易に拡張可能である。例えば、図1のx軸方向に延びる音響分離溝を、y軸方向に複数切削形成することで、2次元アレー型探触子を形成することができる。
【0038】
【発明の効果】
バッキング溝と素子分離溝を別々に形成することにより、バッキング溝を深く切削することが可能となり、振動素子間の音響クロストークを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る超音波探触子の概略的斜視図である。
【図2】超音波探触子の製造工程を説明するフローチャートである。
【図3】図2に対応した超音波探触子の概略断面図である。
【図4】ダイシングソーの断面図である。
【図5】変形例に係る超音波探触子の概略断面図である。
【図6】従来技術に係る超音波探触子の概略断面図である。
【符号の説明】
10 超音波探触子、12 バッキング、14a,14b 信号電極素子、16a,16b 圧電素子、18 グラウンド電極、20a,20b 音響整合素子、22 音響レンズ、24a−24c 音響分離溝、26a−26c 整合層溝、28a−28c バッキング溝、30a−30c 第1音響分離材、34a−34c 素子分離溝、36a−36c 第2音響分離材、40a−40c 第3音響分離材、80 ダイシングソー、82 金属刃、88 厚み、90 刃出し長。
Claims (2)
- 複数のバッキング溝が少なくとも上部に形成されたバッキングと、
前記バッキングの上面側に配置され、各バッキング溝の対応位置に設けられた素子分離溝により相互分離された複数の圧電素子と、
を含み、
前記各素子分離溝は、各バッキング溝を形成した後に形成され、かつ、前記バッキング内で各バッキング溝に結合されている、
ことを特徴とする超音波探触子。 - バッキングに対し、その上面から複数のバッキング溝を切削形成する第1切削工程と、
前記バッキング溝に第1音響分離材を充填する第1充填工程と、
前記第1充填工程を経た前記バッキングに対し、その上面に圧電プレートを積層する積層工程と、
前記複数のバッキング溝と対応した各位置において、前記圧電プレートの上面から対応するバッキング溝に至る素子分離溝を切削形成する第2切削工程と、
前記各位置における前記素子分離溝に対し、第2音響分離材を充填する第2充填工程と、
を含む、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
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2003
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