JP2004363452A - ワークの位置決め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行えるワークの位置決め装置を提供する。
【解決手段】複数個の受け具12により、略円盤形状のワークWの周縁部下面を支持するとともに、複数個の受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めするワークの位置決め装置10。受け具12は板状部材であり、ワークの外径と略同一の内径の円弧状の土手14と、ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁16と、土手の下縁14Aより下方に傾斜しながら内縁16の上縁へつながるテーパ部18と、を有し、テーパ部18でワークWの周縁部下面を支持する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数個の受け具12により、略円盤形状のワークWの周縁部下面を支持するとともに、複数個の受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めするワークの位置決め装置10。受け具12は板状部材であり、ワークの外径と略同一の内径の円弧状の土手14と、ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁16と、土手の下縁14Aより下方に傾斜しながら内縁16の上縁へつながるテーパ部18と、を有し、テーパ部18でワークWの周縁部下面を支持する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワークの位置決め装置に係り、特に、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )によってウェーハ等を研磨する際のウェーハ等の自動搬送の位置決め等に好適に使用できるワークの位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学的機械研磨法等によってウェーハ等のワークを研磨する際に、ワークの品質向上、作業の省力化等の観点より、研磨装置内でロボット等によりワークの自動搬送を行う技術が導入されている。
【0003】
このようなワークの自動搬送を行う場合、ウェーハ等のワークが収納されているカセットよりワークを1枚づつ取り出し、このワークを研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける必要がある。
【0004】
この場合、1台のロボットを使用し、カセットよりワークを1枚づつ取り出して研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける作業はかなりの困難を伴う。すなわち、カセットにワークが収納しやすいように、カセットの収納スペースはワークのサイズより大きく形成されており、カセットの収納スペースとワークとの間には所定のガタがあるので、ロボットのハンドでワークを精度良く把持することは困難である。
【0005】
また、カセットに収納されている研磨前のワークは清浄な状態にあるが、研磨後のワークはスラリー等で汚れた状態にあり、これを1台ロボットのハンドを使用してハンドリングすると、ロボットハンドに汚れを付けるとともに、清浄な状態にあるワークをも汚染することとなる。
【0006】
このような状況に対処すべく、研磨装置の内部にワークの受け渡しステーションが設けられることが多い。この場合、ワークの受け渡しステーションにはワークの位置決め装置が設けられ、ワークが位置決めされた状態でロボットのハンドがこのワークを取りに行く態様となる。
【0007】
すなわち、第1のロボットのハンドを使用し、カセットよりワークを1枚取り出して、ワークの受け渡しステーションのワークの位置決め装置にこのワークを置く。そして、ワークの位置決め装置でワークが正確に位置決めされた状態で、第2のロボットのハンドを使用し、このワークを研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける。
【0008】
図3は、このようなワークの受け渡しステーションに使用される、従来のワークの位置決め装置1の概略図である。同図において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0009】
このワークの位置決め装置1は、円盤状のベース2の周縁部の6箇所に円錐形状の位置決めピン3、3…が立設された構成であり、ロボットのハンドによるワークWの位置決めが多少不良であっても、この位置決めピン3、3…にガイドされて、ワークWがベース2の上面に密着するように載置される構造となっている。
【0010】
図4は、図3と同様な、従来のワークの位置決め装置4の概略図である。同図において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のB−B線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0011】
このワークの位置決め装置4は、ドーナツ状のベース4Aの周縁部5が土手状に形成され、この周縁部5の内周側にワーク載置部6が設けられており、周縁部5とワーク載置部6とがテーパ部7により連結されている。このワークの位置決め装置4によれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決めが多少不良であっても、このテーパ部7にガイドされて、ワークWがワーク載置部6の上面に密着するように載置される構造となっている。
【0012】
また、同様の目的で、コーンと、このコーンに連結された可撓体と、この可撓体へ連結されたチャックとを備える装置(ロードカップ)が提案されている(特許文献1参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−144053号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワークの位置決め装置1、4では以下に述べるような問題点が指摘されている。1)位置決め可能な範囲が小さい。すなわち、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲が小さい。具体的には、ワークの位置決め装置1においては、ワークWの端縁が全ての位置決めピン3、3…の内側面に位置している必要があり、ワークの位置決め装置4においては、ワークWの端縁がテーパ部7上に載っている必要がある。
【0015】
2)端縁(エッジ部)がシャープな形状のワークWは、ワークの位置決め装置1の位置決めピン3、3…や、ワークの位置決め装置4のテーパ部7に引っ掛かりやすく、位置決めに失敗することが多い。
【0016】
3)ワークの位置決め装置1の場合、オリフラを有するワークに対処すべく、位置決めピン3、3…の間隔を密にしなければならない。4)ワークの位置決め装置1、4では、ロボットのハンドと干渉しやすく、ワークのハンドリングが難しい。
【0017】
一方、従来よりアライナー等で使用されている位置決め装置は、ピン部材等の偏心等を利用して正確な位置決め精度が得られるものであり(10〜20μm程度まで位置決め可能)、導入は可能であるが、5)価額が高い、6)位置決めに時間を要する、7)ワークの裏面に接触する、等の問題点もある。
【0018】
また、特許文献1において提案されている装置(ロードカップ)は、構成が非常に複雑であるという問題点がある。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行えるワークの位置決め装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、複数個の受け具により、略円盤形状のワークの周縁部下面を支持するとともに、前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めするワークの位置決め装置であって、前記受け具は板状部材であり、ワークの外径と略同一の内径の円弧状の土手と、ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁と、前記土手の下縁より下方に傾斜しながら前記内縁の上縁へつながるテーパ部と、を有し、前記テーパ部でワークの周縁部下面を支持することを特徴とするワークの位置決め装置を提供する。
【0021】
本発明によれば、板状部材である受け具は、円弧状の土手と、円弧状の内縁と、土手と内縁とを繋ぐテーパ部とを有しており、テーパ部でワークの周縁部下面を支持しながら、受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めできる。これにより、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行える。
【0022】
本発明において、前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めした際に、前記受け具同士の間にロボットハンドが挿入可能な間隙が形成されていることが好ましい。このような間隙が形成されていれば、ロボットによるワークのハンドリングが容易となるからである。
【0023】
また、本発明において、前記受け具が同一形状の2個又は4個であることが好ましい。受け具は複数であればよいが、このように同一形状の受け具が2個又は4個備わっている構成であれば、本発明の効果がより発揮できるからである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るワークの位置決め装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0025】
図1及び図2は、ワークの位置決め装置10の要部の構成を示す概念図である。このうち、図1は、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態を示しており、図2は、位置決めがなされた後のワークの位置決め装置10の状態を示している。図1において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。同様に、図2において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のD−D線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0026】
図1及び図2に示されるように、ワークの位置決め装置10は、2個の同一形状の受け具12、12を有している。この受け具12は板状部材であり、ワークWの外径と略同一の内径の円弧状の土手14と、ワークWの外径より小さい内径の円弧状の内縁16と、土手14の下縁14Aより下方に傾斜しながら内縁16の上縁へつながるテーパ部18とを有している。そして、テーパ部18でワークWの周縁部下面を支持する構造となっている。
【0027】
ワークの位置決め装置10において、受け具12、12は、それぞれ図示しない直動装置上に固定されており、この直動装置により図1及び図2の左右方向に移動可能となっている。直動装置による左右方向の移動エンドはストッパで規定される構成が採られる。
【0028】
すなわち、図1は、既述のように、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態を示しており、受け具12、12同士の間隔が最も大きくなった状態で、直動装置による左右方向の移動エンドとなっている状態である。同様に、図2は、既述のように、位置決めがなされた後のワークの位置決め装置10の状態を示しており、受け具12、12同士の間隔が最も小さくなった状態で、直動装置による左右方向の移動エンドとなっている状態である。
【0029】
受け具12における土手14の内径は、ワークWの外径と同一であるか、これより若干大きいことが望ましい。このような内径とすることにより、ワークWの位置決めが良好に行える。
【0030】
また、土手14の内周形状を円弧状ではなく、図1及び図2に示される土手14の上下端部近傍の曲率半径を中央部の曲率半径より大きくした曲面形状とすることもできる。このようにすれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の、図1及び図2における上下方向の許容範囲を大きくできる。
【0031】
土手14の内周側の段差量に特に制限はなく、適宜の値を採用できる。また、土手14の内周側の段差形状を垂直ではなく、図4に示されるテーパ部7のような断面形状とすることもできる。このようにすれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲を更に大きくできる。
【0032】
受け具12における内縁16の内径は、ワークWの外径より小さければ特に制限はない。但し、内縁16の内径とワークWの外径との差が過少であると適切な幅のテーパ部18が形成できない。なお、内縁16の形状を円弧以外の形状とすることもできる。たとえば、テーパ部18の内周側18Aを直線状の端縁とすることもできる。このような構成であっても、同様な機能が発揮できるからである。なお、このような状態は、「ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁」が実質的に存在しないことになるが、均等な発明思想の範囲にあると言える。
【0033】
テーパ部18の傾斜角度には特に制限はなく、適宜の値を採用できる。但し、テーパ部18の傾斜角度が過大であると、ワークWの端縁(エッジ部)がテーパ部18に引っ掛かりやすく、一方、テーパ部18の傾斜角度が過少であると、ワークWの端縁(エッジ部)近傍の下面に擦り傷を生じやすく、いずれも好ましくない。
【0034】
受け具12の材質としては、ワークWを汚染せず、ワークWに傷を発生させず、ワークWとの摩擦係数が所定の値以下となるものであれば特に制限はない。このような材質としては、各種の樹脂材が使用でき、たとえば、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、PFA、PTFE、PPS、PEEK、ポリイミド(商品名:ベスペル)等が使用できる
直動装置としては、公知の各種のものが使用でき、たとえば、各種シリンダー部材、リニアモータ、ボールねじとステッピングモータとを組み合わせた直動装置等が使用できる。
【0035】
なお、上記の構成は直動装置を2台使用し、受け具12、12をそれぞれ駆動しているが、一方の受け具12を固定し、他方の受け具12のみ直動装置により駆動する構成も採用できる。
【0036】
次に、ワークの位置決め装置10の作用について説明する。図1に示されるような、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態において、ロボットのハンドで把持したワークWがテーパ部18で周縁部下面を支持するように載置される。図示のように、ワークWが土手14と干渉しないように載置すればよいので、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲が大きい。特に左右方向の位置決め誤差の許容範囲は大きい。
【0037】
なお、図2に示されるように、受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めした際に、受け具12、12同士の間、より具体的にはテーパ部18の内周側18A、18A同士の間にロボットハンドが挿入可能な間隙が形成されているので、ロボットのハンドによるワークWのハンドリングが容易となる。
【0038】
ワークWがテーパ部18で周縁部下面を支持するように載置された状態が位置センサ等(図示略)により確認された後、直動装置を作動させて、図2に示されるように、受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めできる。
【0039】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、以下に列挙するような効果が得られる。1)ワークWの端縁(エッジ部)のみに接触しながら、ワークWの位置決めができる。2)従来の機械式のワークの位置決め装置に比べて短時間でワークWの位置決めができる。3)ワークWをセットした際のオリフラ部の位置に拘らずワークWの位置決めができる。4)構成が単純であり、安価に製造できる。5)ワークWの位置決め誤差の許容範囲が大きい。
【0040】
以上、本発明に係るワークの位置決め装置の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0041】
たとえば、実施形態の例では、同一形状の受け具12を2個使用する構成としたが、同一形状の受け具を4個使用する構成も採用できる。この場合、個々の受け具は、半径方向の放射状の動きをする構成となる。この、受け具を4個使用する構成の場合、直動装置の台数が増えるが、ワークWの位置決め誤差の許容範囲が、X方向、Y方向ともに大きくなるというメリットが得られる。
【0042】
また、実施形態の例では、受け具12を直動装置により移動させる構成としたが、受け具12、12同士を円弧状の運動により接近させる構成であってもよい。このような構成であっても、本実施形態の例と同様な効果が得られるからである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板状部材である受け具は、円弧状の土手と、円弧状の内縁と、土手と内縁とを繋ぐテーパ部とを有しており、テーパ部でワークの周縁部下面を支持しながら、受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めできる。これにより、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークの位置決め装置の要部の構成を示す概念図
【図2】ワークの位置決め装置の要部の構成を示す概念図
【図3】従来のワークの位置決め装置の構成を示す概念図
【図4】従来のワークの位置決め装置の構成を示す概念図
【符号の説明】
10…ワークの位置決め装置、12…受け具、14…土手、16…内縁、18…テーパ部、W…ワーク
【発明の属する技術分野】
本発明はワークの位置決め装置に係り、特に、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )によってウェーハ等を研磨する際のウェーハ等の自動搬送の位置決め等に好適に使用できるワークの位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学的機械研磨法等によってウェーハ等のワークを研磨する際に、ワークの品質向上、作業の省力化等の観点より、研磨装置内でロボット等によりワークの自動搬送を行う技術が導入されている。
【0003】
このようなワークの自動搬送を行う場合、ウェーハ等のワークが収納されているカセットよりワークを1枚づつ取り出し、このワークを研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける必要がある。
【0004】
この場合、1台のロボットを使用し、カセットよりワークを1枚づつ取り出して研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける作業はかなりの困難を伴う。すなわち、カセットにワークが収納しやすいように、カセットの収納スペースはワークのサイズより大きく形成されており、カセットの収納スペースとワークとの間には所定のガタがあるので、ロボットのハンドでワークを精度良く把持することは困難である。
【0005】
また、カセットに収納されている研磨前のワークは清浄な状態にあるが、研磨後のワークはスラリー等で汚れた状態にあり、これを1台ロボットのハンドを使用してハンドリングすると、ロボットハンドに汚れを付けるとともに、清浄な状態にあるワークをも汚染することとなる。
【0006】
このような状況に対処すべく、研磨装置の内部にワークの受け渡しステーションが設けられることが多い。この場合、ワークの受け渡しステーションにはワークの位置決め装置が設けられ、ワークが位置決めされた状態でロボットのハンドがこのワークを取りに行く態様となる。
【0007】
すなわち、第1のロボットのハンドを使用し、カセットよりワークを1枚取り出して、ワークの受け渡しステーションのワークの位置決め装置にこのワークを置く。そして、ワークの位置決め装置でワークが正確に位置決めされた状態で、第2のロボットのハンドを使用し、このワークを研磨装置のワーク保持ヘッドに正確に取り付ける。
【0008】
図3は、このようなワークの受け渡しステーションに使用される、従来のワークの位置決め装置1の概略図である。同図において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0009】
このワークの位置決め装置1は、円盤状のベース2の周縁部の6箇所に円錐形状の位置決めピン3、3…が立設された構成であり、ロボットのハンドによるワークWの位置決めが多少不良であっても、この位置決めピン3、3…にガイドされて、ワークWがベース2の上面に密着するように載置される構造となっている。
【0010】
図4は、図3と同様な、従来のワークの位置決め装置4の概略図である。同図において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のB−B線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0011】
このワークの位置決め装置4は、ドーナツ状のベース4Aの周縁部5が土手状に形成され、この周縁部5の内周側にワーク載置部6が設けられており、周縁部5とワーク載置部6とがテーパ部7により連結されている。このワークの位置決め装置4によれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決めが多少不良であっても、このテーパ部7にガイドされて、ワークWがワーク載置部6の上面に密着するように載置される構造となっている。
【0012】
また、同様の目的で、コーンと、このコーンに連結された可撓体と、この可撓体へ連結されたチャックとを備える装置(ロードカップ)が提案されている(特許文献1参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−144053号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワークの位置決め装置1、4では以下に述べるような問題点が指摘されている。1)位置決め可能な範囲が小さい。すなわち、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲が小さい。具体的には、ワークの位置決め装置1においては、ワークWの端縁が全ての位置決めピン3、3…の内側面に位置している必要があり、ワークの位置決め装置4においては、ワークWの端縁がテーパ部7上に載っている必要がある。
【0015】
2)端縁(エッジ部)がシャープな形状のワークWは、ワークの位置決め装置1の位置決めピン3、3…や、ワークの位置決め装置4のテーパ部7に引っ掛かりやすく、位置決めに失敗することが多い。
【0016】
3)ワークの位置決め装置1の場合、オリフラを有するワークに対処すべく、位置決めピン3、3…の間隔を密にしなければならない。4)ワークの位置決め装置1、4では、ロボットのハンドと干渉しやすく、ワークのハンドリングが難しい。
【0017】
一方、従来よりアライナー等で使用されている位置決め装置は、ピン部材等の偏心等を利用して正確な位置決め精度が得られるものであり(10〜20μm程度まで位置決め可能)、導入は可能であるが、5)価額が高い、6)位置決めに時間を要する、7)ワークの裏面に接触する、等の問題点もある。
【0018】
また、特許文献1において提案されている装置(ロードカップ)は、構成が非常に複雑であるという問題点がある。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行えるワークの位置決め装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、複数個の受け具により、略円盤形状のワークの周縁部下面を支持するとともに、前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めするワークの位置決め装置であって、前記受け具は板状部材であり、ワークの外径と略同一の内径の円弧状の土手と、ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁と、前記土手の下縁より下方に傾斜しながら前記内縁の上縁へつながるテーパ部と、を有し、前記テーパ部でワークの周縁部下面を支持することを特徴とするワークの位置決め装置を提供する。
【0021】
本発明によれば、板状部材である受け具は、円弧状の土手と、円弧状の内縁と、土手と内縁とを繋ぐテーパ部とを有しており、テーパ部でワークの周縁部下面を支持しながら、受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めできる。これにより、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行える。
【0022】
本発明において、前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めした際に、前記受け具同士の間にロボットハンドが挿入可能な間隙が形成されていることが好ましい。このような間隙が形成されていれば、ロボットによるワークのハンドリングが容易となるからである。
【0023】
また、本発明において、前記受け具が同一形状の2個又は4個であることが好ましい。受け具は複数であればよいが、このように同一形状の受け具が2個又は4個備わっている構成であれば、本発明の効果がより発揮できるからである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るワークの位置決め装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0025】
図1及び図2は、ワークの位置決め装置10の要部の構成を示す概念図である。このうち、図1は、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態を示しており、図2は、位置決めがなされた後のワークの位置決め装置10の状態を示している。図1において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。同様に、図2において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のD−D線断面図である。なお、(b)において、ワークWが位置決めされた状態が図示されている。
【0026】
図1及び図2に示されるように、ワークの位置決め装置10は、2個の同一形状の受け具12、12を有している。この受け具12は板状部材であり、ワークWの外径と略同一の内径の円弧状の土手14と、ワークWの外径より小さい内径の円弧状の内縁16と、土手14の下縁14Aより下方に傾斜しながら内縁16の上縁へつながるテーパ部18とを有している。そして、テーパ部18でワークWの周縁部下面を支持する構造となっている。
【0027】
ワークの位置決め装置10において、受け具12、12は、それぞれ図示しない直動装置上に固定されており、この直動装置により図1及び図2の左右方向に移動可能となっている。直動装置による左右方向の移動エンドはストッパで規定される構成が採られる。
【0028】
すなわち、図1は、既述のように、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態を示しており、受け具12、12同士の間隔が最も大きくなった状態で、直動装置による左右方向の移動エンドとなっている状態である。同様に、図2は、既述のように、位置決めがなされた後のワークの位置決め装置10の状態を示しており、受け具12、12同士の間隔が最も小さくなった状態で、直動装置による左右方向の移動エンドとなっている状態である。
【0029】
受け具12における土手14の内径は、ワークWの外径と同一であるか、これより若干大きいことが望ましい。このような内径とすることにより、ワークWの位置決めが良好に行える。
【0030】
また、土手14の内周形状を円弧状ではなく、図1及び図2に示される土手14の上下端部近傍の曲率半径を中央部の曲率半径より大きくした曲面形状とすることもできる。このようにすれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の、図1及び図2における上下方向の許容範囲を大きくできる。
【0031】
土手14の内周側の段差量に特に制限はなく、適宜の値を採用できる。また、土手14の内周側の段差形状を垂直ではなく、図4に示されるテーパ部7のような断面形状とすることもできる。このようにすれば、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲を更に大きくできる。
【0032】
受け具12における内縁16の内径は、ワークWの外径より小さければ特に制限はない。但し、内縁16の内径とワークWの外径との差が過少であると適切な幅のテーパ部18が形成できない。なお、内縁16の形状を円弧以外の形状とすることもできる。たとえば、テーパ部18の内周側18Aを直線状の端縁とすることもできる。このような構成であっても、同様な機能が発揮できるからである。なお、このような状態は、「ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁」が実質的に存在しないことになるが、均等な発明思想の範囲にあると言える。
【0033】
テーパ部18の傾斜角度には特に制限はなく、適宜の値を採用できる。但し、テーパ部18の傾斜角度が過大であると、ワークWの端縁(エッジ部)がテーパ部18に引っ掛かりやすく、一方、テーパ部18の傾斜角度が過少であると、ワークWの端縁(エッジ部)近傍の下面に擦り傷を生じやすく、いずれも好ましくない。
【0034】
受け具12の材質としては、ワークWを汚染せず、ワークWに傷を発生させず、ワークWとの摩擦係数が所定の値以下となるものであれば特に制限はない。このような材質としては、各種の樹脂材が使用でき、たとえば、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、PFA、PTFE、PPS、PEEK、ポリイミド(商品名:ベスペル)等が使用できる
直動装置としては、公知の各種のものが使用でき、たとえば、各種シリンダー部材、リニアモータ、ボールねじとステッピングモータとを組み合わせた直動装置等が使用できる。
【0035】
なお、上記の構成は直動装置を2台使用し、受け具12、12をそれぞれ駆動しているが、一方の受け具12を固定し、他方の受け具12のみ直動装置により駆動する構成も採用できる。
【0036】
次に、ワークの位置決め装置10の作用について説明する。図1に示されるような、位置決めがなされる前のワークの位置決め装置10の状態において、ロボットのハンドで把持したワークWがテーパ部18で周縁部下面を支持するように載置される。図示のように、ワークWが土手14と干渉しないように載置すればよいので、ロボットのハンドによるワークWの位置決め誤差の許容範囲が大きい。特に左右方向の位置決め誤差の許容範囲は大きい。
【0037】
なお、図2に示されるように、受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めした際に、受け具12、12同士の間、より具体的にはテーパ部18の内周側18A、18A同士の間にロボットハンドが挿入可能な間隙が形成されているので、ロボットのハンドによるワークWのハンドリングが容易となる。
【0038】
ワークWがテーパ部18で周縁部下面を支持するように載置された状態が位置センサ等(図示略)により確認された後、直動装置を作動させて、図2に示されるように、受け具12、12同士を接近させることによりワークWを所定の位置に位置決めできる。
【0039】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、以下に列挙するような効果が得られる。1)ワークWの端縁(エッジ部)のみに接触しながら、ワークWの位置決めができる。2)従来の機械式のワークの位置決め装置に比べて短時間でワークWの位置決めができる。3)ワークWをセットした際のオリフラ部の位置に拘らずワークWの位置決めができる。4)構成が単純であり、安価に製造できる。5)ワークWの位置決め誤差の許容範囲が大きい。
【0040】
以上、本発明に係るワークの位置決め装置の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0041】
たとえば、実施形態の例では、同一形状の受け具12を2個使用する構成としたが、同一形状の受け具を4個使用する構成も採用できる。この場合、個々の受け具は、半径方向の放射状の動きをする構成となる。この、受け具を4個使用する構成の場合、直動装置の台数が増えるが、ワークWの位置決め誤差の許容範囲が、X方向、Y方向ともに大きくなるというメリットが得られる。
【0042】
また、実施形態の例では、受け具12を直動装置により移動させる構成としたが、受け具12、12同士を円弧状の運動により接近させる構成であってもよい。このような構成であっても、本実施形態の例と同様な効果が得られるからである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板状部材である受け具は、円弧状の土手と、円弧状の内縁と、土手と内縁とを繋ぐテーパ部とを有しており、テーパ部でワークの周縁部下面を支持しながら、受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めできる。これにより、簡易な構造で、迅速に、高精度でワークの位置決めが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークの位置決め装置の要部の構成を示す概念図
【図2】ワークの位置決め装置の要部の構成を示す概念図
【図3】従来のワークの位置決め装置の構成を示す概念図
【図4】従来のワークの位置決め装置の構成を示す概念図
【符号の説明】
10…ワークの位置決め装置、12…受け具、14…土手、16…内縁、18…テーパ部、W…ワーク
Claims (3)
- 複数個の受け具により、略円盤形状のワークの周縁部下面を支持するとともに、前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めするワークの位置決め装置であって、
前記受け具は板状部材であり、ワークの外径と略同一の内径の円弧状の土手と、ワークの外径より小さい内径の円弧状の内縁と、前記土手の下縁より下方に傾斜しながら前記内縁の上縁へつながるテーパ部と、を有し、
前記テーパ部でワークの周縁部下面を支持することを特徴とするワークの位置決め装置。 - 前記複数個の受け具同士を接近させることによりワークを所定の位置に位置決めした際に、前記受け具同士の間にロボットハンドが挿入可能な間隙が形成されている請求項1に記載のワークの位置決め装置。
- 前記受け具が同一形状の2個又は4個である請求項1又は2に記載のワークの位置決め装置。
Priority Applications (1)
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JP2003162100A JP2004363452A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | ワークの位置決め装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012156418A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Lintec Corp | 板状部材の支持装置 |
JP7357121B2 (ja) | 2021-10-12 | 2023-10-05 | セメス株式会社 | 基板移送装置および方法 |
-
2003
- 2003-06-06 JP JP2003162100A patent/JP2004363452A/ja active Pending
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