JP2004362890A - 放電電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達して異常放電が発生してしまうことを防ぐ放電電極を提供する。
【解決手段】互いに対向する第1の電極21及び第2の電極22と、前記第1の電極21の対向面を被覆する被覆部310と前記被覆部310の外周に位置する延出部311とからなる固体誘電体31と、前記第1の電極21の周囲に設けられ、前記固体誘電体31の延出部311のうち、前記第1の電極21側の面に密着される沿面バリア41とを備える放電電極。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを利用して被処理体を処理するプラズマ処理に用いられる放電電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、被処理体に安定したプラズマ処理を行うには、互いに対向する電極の対向面を固体誘電体で被覆された放電電極が用いられている。
【0003】
このような放電電極では、一方の電極の側面部からもう一方の電極に向けてアーク放電等の異常放電が発生する恐れがある。異常放電の発生を防止するため、固体誘電体は、電極の対向面を被覆する被覆部とその被覆部の周囲に位置する延出部を有した形状となっている。
【0004】
しかし、アーク放電の発生を防ぐためには、電極から固体誘電体の延出部の周縁までの距離を長くする必要があり、誘電体の面積に対して広い処理面積を確保することが困難であるという問題があった。
【0005】
このような問題に対して、互いに対向する一対の電極と、それぞれの電極の対向面を被覆する固体誘電体と、電極の側面部に設けられた固体誘電体とを備えた放電電極が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の放電電極によれば、電極の側面部からの異常放電の発生を防ぐことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−279453号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような放電電極では、電極の対向面を被覆する固体誘電体と電極の側面部に設けられた固体誘電体とが密着されていないため、沿面放電がこれらの固体誘電体の間を進展することが可能になっている。ここで、沿面放電が、固体誘電体の表面を進展してその周縁まで到達してしまうと、一方の電極に向けて異常放電が発生してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達することを防ぐ放電電極を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題点を解決するために提案されたものであり、互いに対向する第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極の対向面を被覆する被覆部と前記被覆部の外周に位置する延出部とからなる固体誘電体と、前記第1の電極の周囲に設けられ、前記固体誘電体の延出部のうち、前記第1の電極側の面に密着される沿面バリアとを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達して異常放電を発生することを防ぐことができる。
【0011】
これらの電極間の距離は、固体誘電体の種類、プラズマを利用する目的等に応じて適宜決定されるが、1〜10mmであることが好ましい。1mm未満では電極間に被処理体を設けることが困難となり、10mmを超えると、均一なプラズマを発生することが困難になる。
【0012】
第1の電極と第2の電極の比抵抗率は、エネルギー損失を抑えるためには比抵抗率が10Ωcm以下であることが好ましい。また、第1の電極と第2の電極の比抵抗率が1Ωcm以下であるとエネルギー損失を抑え、より安定したプラズマを発生することができる。
【0013】
このような第1の電極及び第2の電極電極を構成するものとしては、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム、チタン、タングステン、真鍮等の金属や、ゴムに金属粉等の粉末導電体を配合した導電性ゴム等の導電体が挙げられる。これらの導電体は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
また、第1の電極には、この電極の対向面を被覆する固体誘電体が設けられている。この固体誘電体は、第1の対向面を被覆する被覆部と、その被覆部の外周に位置する延出部とから構成されている。
これによって、第1の電極と固体誘電体の周縁との間に所定の距離を設けることができるので、沿面放電が固体誘電体の周縁まで進展する間に沿面放電を減衰させ、沿面放電が異常放電を引き起こすことを防ぐことができる。
【0015】
固体誘電体の形状としては特に限定されないが、例えば、板状、シート状、フィルム状等が挙げられる。
固体誘電体の厚みとしては特に限定されないが、0.01〜4mmであることが好ましい。固体誘電体の厚みが0.01mm未満であると電圧を印加したときに絶縁破壊が起こる恐れがある。また、固体誘電体の厚みが4mmを超えると、プラズマを発生するために高電圧を印加する必要がある。
【0016】
固体誘電体の誘電率としては特に限定されないが、低電圧でも高い放電電流密度のプラズマを発生させるためには25℃の環境下における誘電率が2以上であることが好ましく、誘電率が10以上であることがより好ましい。
【0017】
このような固体誘電体の材質としては、例えば、金属酸化物、ガラス、ゴム、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(誘電率:約9〜10)、二酸化ジルコニウム(誘電率:約25〜40)、二酸化チタン(誘電率:約80〜100)等が挙げられる。
ガラスとしては、例えば、石英(誘電率:約3〜4)、二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0018】
また、固体誘電体の延出部には、第1の電極側の面に沿面バリアが密着されている。
固体誘電体に密着された沿面バリアは、固体誘電体との界面を電気的に絶縁状態にするものであることが好ましい。また、沿面バリアと固体誘電体との間の界面に気泡等の空気層がない状態であることが好ましい。
固体誘電体に沿面バリアが密着されていることによって、固体誘電体と沿面バリアの間の界面を沿面放電が進展することを防ぐことができる。
【0019】
また、沿面放電は、その進展方向に沿面バリア等の段差が存在する場合は段差を乗り越えて進展しにくいという性質を有しているので、第1の電極の周囲に設けられた沿面バリアの存在によって、沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達することを阻止することができる。
【0020】
沿面バリアを延出部に密着させる方法としては特に限定されないが、例えば、粘着、圧着、接着、融着等による方法が挙げられる。
【0021】
沿面バリアは、第1の電極の周囲に設けられている。
沿面バリアが設けられる位置としては特に限定されないが、第1の電極と離れた位置であることが好ましい。沿面バリアと第1の電極とが離れた位置関係にあることによって、沿面放電が沿面バリアに到達するまでに減衰させることができるので、沿面放電が沿面バリアを乗り越えて進展することを防ぐことができる。
【0022】
また、沿面バリアは、第1の電極の周囲を取り囲んで設けられていることが好ましい。これによって、沿面放電が進展する方向に関係なく、沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達することを防ぐことができる。
ここで、沿面バリアが第1の電極の周囲を取り囲んで設けられていない場合、第1の電極と固体誘電体の周縁との距離が短い所に沿面バリアが設けられていることが好ましい。
【0023】
また、沿面バリアの形状としては特に限定されないが、その断面形状が沿面放電の進展方向に対して窪んだ形状であってもよい。沿面電流の進展方向に対して窪んだ形状としては、例えば、コの字型、逆台形型、逆三角形型、T字型等が挙げられる。
沿面バリアの断面形状が窪んでいることによって、沿面放電が沿面バリアを乗り越えて進展することを防ぐことができる。
【0024】
沿面バリアを構成する材質としては、沿面放電の進展を防ぐことができるものであれば特に限定されないが、例えば、粘土(誘電率:約2〜40)、金属酸化物、ガラス、樹脂組成物等が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(誘電率:約9〜10)、二酸化ジルコニウム(誘電率:約25〜40)、二酸化チタン(誘電率:約80〜100)
ガラスとしては、例えば、石英(誘電率:約3〜4)、二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂組成物としては、例えば、フッ素樹脂(誘電率:約2〜3)、ポリイミド樹脂等(誘電率:約3〜4)が挙げられる。
また、これらの材質は、沿面放電が沿面バリアを超えて進展することを防ぐために固体誘電体の誘電率以下の誘電率を有するものが好ましい。
【0025】
本発明の放電電極は、第1の電極及び第2の電極の間に電圧を印加することによって、第1の電極と第2の電極との間の空間の放電空間にプラズマを発生する。
プラズマが発生する放電空間とは、具体的には、第2の電極に固体誘電体を備えていない場合は、第2の電極に設けられた固体誘電体と第1の電極との間の空間であり、第2の電極に固体誘電体を備えている場合は、第1の電極と第2の電極のそれぞれに設けられた固体誘電体間の空間と、第1の電極と第2の電極との間の空間の共通する空間である。
【0026】
第1の電極及び第2の電極に印加される電圧はパルス化された電圧であることが好ましい。パルス化された電圧を印加することによって、大気圧近傍の圧力下でも安定したプラズマを容易に発生させることができる。
【0027】
本発明の放電電極を用いたプラズマ処理装置は、プラズマが発生する放電空間に存在する気体(以下、処理用ガスという。)を選択することによって任意の処理を被処理体に行うことができる。
【0028】
このような処理用ガスとしては、例えば、被処理体表面を撥水性表面とするにはフッ素含有化合物ガス等が用いられ、被処理体表面を親水性表面とするには酸素元素含有化合物ガス、窒素元素含有化合物ガス、硫黄元素含有化合物ガス等が用いられる。また、被処理体表面に電気的特性や光学的特性を付与させるために金属含有化合物ガス等が用いられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
本発明の放電電極を用いたプラズマ処理装置の模式的斜視図を図1に示し、本発明の放電電極の断面図を図2に示す。
【0030】
図1に示すプラズマ処理装置は、電極21、22等からなる放電電極1、電源71、ガス導入口62、及びガス排出口63等を備えている。
【0031】
放電電極1は、上部電極(第1の電極)21、下部電極(第2の電極)22、石英板(固体誘電体)31、32等から形成されている。上部電極21の対向面には石英板31が設けられており、下部電極22の対向面には石英板32が設けられている。また、上側の石英板31と下側の石英板32との間の空間と、上部電極21と下部電極22とが対向する空間との共通の空間に放電空間50が形成される。
【0032】
石英板31の両端には、放電空間50を挟むようにガス導入口62とガス排出口63とが設けられている。ガス導入口62、ガス排出口63はそれぞれ放電空間50の方を向いており、効率的に処理用ガスの導入及び排出を行うことができる。
【0033】
ガス導入口62には、ガスボンベ60と接続されているガス供給管が設けられている。また、ガス排出口63には、吸引ポンプ65と接続されているガス排出管64が設けられている。
【0034】
ガスボンベ60には処理用ガスが充填されている。処理用ガスは、ガス供給管61を経てガス導入口62から放電空間50に供給される。この際、処理用ガスは、流量が調整された状態で供給される。
放電空間50に供給された処理用ガスは、吸引ポンプ65の吸引によって、放電空間50を経てガス排出口63から排出される。
【0035】
また、プラズマ処理装置は、ローラー状のコンベア(図示しない)をガス導入口62の外部とガス排出口63の外部に備えている。コンベアは、プラズマ処理装置によって処理される被処理体を、ガス導入口62側から放電空間50を経てガス排出口63側に搬送することができる。
【0036】
放電電極1について詳細に説明する。
放電電極1は、上部電極21(第1の電極)、下部電極(第2の電極)、石英板(固体誘電体)31、32、及び粘土(沿面バリア)41とを備えている。
【0037】
上部電極21(ステンレス製、L60mm×W280mm×t20mm)と下部電極22(ステンレス製、L600mm×W300mm×t20mm)とはそれぞれ平板状の形状をなしており、上部電極21と下部電極22とが互いに対向して平行に配置されている。上部電極21は電源71と接続され、下部電極22は接地されている。
また、それぞれの電極21、22には、図示しない温度調節装置によって50℃に保たれている。
【0038】
上部電極21の対向面には、シリコーン樹脂を介して平板状の石英板31(L80mm×W300mm×t1mm:誘電率3)が設けられており、上側の石英板31によって上部電極21の対向面が被覆されている。
【0039】
上側の石英板31は、上部電極21の対向面を被覆する被覆部310とともに、被覆部310の周囲に位置する延出部311を有している。
石英板31は、上部電極21の対向面の面積よりも大きな面積を有しており、延出部311が上部電極の対向面の周縁から突出している。また、延出部311は、被覆部310の周囲を取り囲んでおり、被覆部310が延出部311の内側に位置している。
延出部311が被覆部310の周囲を取り囲んでいることによって、沿面放電が周縁312に到達するまでの間に沿面放電を減衰させることができる。
なお、被覆部310の周囲から延出部311の周縁312までの距離は10mmとなっている。
【0040】
下部電極22の対向面には、シリコーン樹脂を介して平板状の石英板32(L610mm×W310mm×t1mm:誘電率3)が設けられており、下側の石英板32によって下部電極22の対向面が被覆されている。
【0041】
下側の石英板32は、上側の石英板と同様に、下部電極22の対向面を被覆する被覆部320、及び被覆部320の周囲を取り囲む延出部321を有している。なお、被覆部320の周囲から延出部321の周縁322までの距離は5mmである。
【0042】
また、電極21、22の形状は、石英板と接している対向面から側面部にかけて半径1mmで面取りされて曲面状になっている。電極21、22が面取りされていることによって、沿面放電の発生部位51と石英板31の周縁312との距離x及び沿面放電の発生部位52と石英板32の周縁322との距離yをそれぞれ長くすることができるので、沿面放電が石英板の周縁まで進展する間に沿面放電を減衰させ、沿面放電が異常放電を引き起こすことを防ぐことができる。
【0043】
フッ素樹脂からなる絶縁テープ42、43が電極21、22と石英板31、32との両方にまたがるように密着されている。絶縁テープが密着されていることによって、沿面放電の発生部位51、52を覆うことができるので、沿面放電の発生を防ぐことができる。
【0044】
石英板31の延出部311には、断面三角形(底辺5mm、高さ5mm)の粘土41が密着され、延出部311と粘土41との間に気泡等の空気層が存在しない状態になっている。空気層の有無の確認は、石英板31が透明の場合、粘土41が設けられる面と反対側の面からの目視によって行うことができる。
【0045】
粘土41は、上部電極21側の面上に、延出部311の周縁312に沿って設けられており、上部電極21取り囲んでいる。
粘土41が上部電極21を取り囲んでいることによって、沿面放電が進展する距離を長くすることができるので、沿面放電が延出部311の周縁312に到達することを防ぐことができる。
【0046】
粘土41は、上部電極21と間隔を空けて設けられている。上部電極21と粘土41との間に間隔が設けられることによって、沿面放電が粘土41まで進展する間に沿面放電を減衰させることができるので、沿面放電が粘土41を乗り越えて進展することを防止することができる。
また、粘土41の誘電率は、石英板の誘電率よりも低い2.9となっているので、沿面放電が粘土41を乗り超えて進展しにくくなっている。
【0047】
プラズマ処理装置によるプラズマ処理方法を説明する。
放電空間50に処理用ガスが供給された状態で、上部電極21と下部電極22との間に電源71からのパルス電圧を印加する。パルス電圧の印加によって、放電空間50にプラズマが発生する。このプラズマによって放電空間50に供給された処理用ガスが励起状態となる。
このとき、コンベアによって搬送される被処理体8は、放電空間50を通過する際に励起状態の処理用ガスによって表面処理される。また、被処理体8はコンベアで搬送されながら表面処理されるので、プラズマ処理装置は連続的に表面処理を行うことができる。
【0048】
本発明の放電電極は、上記の実施例に限られず、種々の改変をすることができる。
例えば、第2の電極22の対向面に延出部を有する固体誘電体が設けられていてもよく、沿面バリアは電極の周囲を何周も取り囲むように設けられていてもよい。
更に、電極21、22の間に発生させたプラズマを処理用ガスの吹き付けによって放電空間50の外部に位置する被処理体8の表面に表面処理を施してもよい。
【0049】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
上記の実施形態において、処理用ガスを窒素ガスとし、窒素ガスを20SLMの流量で放電空間に導入した状態で、被処理体としての銅箔(厚さ25μm、250×500mm)を500mm/minで搬送させながら、ステンレス電極21、22間に20kHz、18kVのパルス電圧の印加を行ってプラズマを発生させ、銅箔の表面処理を行った。
【0051】
(比較例1)
実施例1において、第1の電極に設けられた石英板31に粘土41が設けられていないこと以外は実施例1と同様にして銅箔の表面処理を行った。
【0052】
放電確認
実施例1及び比較例1で用いたプラズマ処理装置において、放電電極からのプラズマの発生状況を目視で観察した。
実施例1の放電電極は、放電空間50のみに安定したプラズマを発生していたのに対し、比較例1の放電電極では、石英板31の周縁から対向する側の石英板32の方に向けて異常放電を発生してしまった。
【0053】
接触角評価
実施例1及び比較例1で処理された銅箔の非処理面に水滴2μlを滴下し、接触角測定装置(協和界面科学社製、商品名「CA−X150」)を用いて静的接触角を測定した。
実施例1で処理された銅箔では、処理前の水の接触角が115°であるのに対して処理後の接触角が5°となったことから、良好な親水化処理が行われていることが確認された。一方、比較例2で処理された銅箔では、異常放電が発生したために銅箔の親水化処理を行うことができなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、沿面バリアが固体誘電体の延出部に密着され、沿面バリアが第1の電極の周囲に設けられているので、沿面放電が固体誘電体の周縁まで到達することを防ぐことができる。
【0055】
また、沿面バリアが固体誘電体の周囲を取り囲むように設けられていると、沿面放電がどの方向に進展しても沿面放電が異常放電を引き起こすことを防ぐことができる。
さらに、沿面バリアは、その誘電率が前記固体誘電体の誘電率以下のものであると、沿面放電が沿面バリアを超えて進展することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電電極を用いたプラズマ処理装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の放電電極の断面図である。
【符号の説明】
1 放電電極
21、22 電極
31、32 固体誘電体
310、320 被覆部
311、321 延出部
312 周縁
41 沿面バリア
50 放電空間
60 ガス供給源
61 ガス供給管
62 ガス導入口
63 ガス排出口
64 ガス排出管
71 電源
8 被処理体

Claims (3)

  1. 互いに対向する第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極の対向面を被覆する被覆部と前記被覆部の外周に位置する延出部とからなる固体誘電体と、
    前記第1の電極の周囲に設けられ、前記固体誘電体の延出部のうち、前記第1の電極側の面に密着される沿面バリアと
    を備えることを特徴とする放電電極。
  2. 前記第1の電極が、前記沿面バリアによって取り囲まれていることを特徴とする請求項1に記載の放電電極。
  3. 前記沿面バリアの誘電率が、前記固体誘電体の誘電率以下であることを特徴とする請求項1に記載の放電電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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