JP2004361907A - 機能性素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、形成された機能層の端部の変形が、色調ムラ等の不都合を発生させない機能層を有する機能性素子の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、機能層端部の変形を防止するため、前記機能層周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法および機能性素子製造装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒を揮発させて固化させる際に生じる、機能層端部の変形が防止された機能性素子の製造方法および機能性素子製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のパーソナルコンピューターの発達や携帯電話の普及に伴い、より高精細でかつ薄層軽量なディスプレイの製造競争が激化している。その中で、有機エレクトロルミネッセント(以下、エレクトロルミネッセントをELと略す場合がある)素子、カラーフィルタ(以下、カラーフィルタをCFと略す場合がある)、色変換フィルタ等は、そのような要求を満足し、次世代のディスプレイを担うものとして注目されている。
【0003】
これら有機EL素子、CF、色変換フィルタを構成する複数の機能層の中には、微細なパターニングを必要とするものが多く、そのような微細なパターニングを行う方法として吐出法が用いられている。吐出法は、パターニング精度に優れ、かつ製造効率に優れている等利点の多い方法である。
【0004】
さらに、吐出法は、吐出装置本体のノズル口から機能層形成用塗工液を吐出し、目的箇所に付着させ塗布する方法であるため、その機能層形成用塗工液としては、ノズル口から容易に吐出させることが可能な粘度、すなわち比較的希薄な濃度の機能層形成用塗工液であることが要求される。しかし、希薄な濃度の機能層形成用塗工液は粘度が低いため塗布後、過剰な濡れ広がりによりパターニング精度を低下させるおそれがある。このような機能層形成用塗工液の過剰な濡れ広がりを防止する手段として、隔壁等の設置や塗布する対象物に予め濡れ性の差を設けるなどの方法により、パターンの精度を向上させる方法が提案されている。
【0005】
しかし、上述のような方法を講じて形成された機能層は、図2(b)のような形状となることが多い。図2(a)のように、機能層の端部では、機能層形成用塗工液中の溶媒は上部だけではなく、端部に向かっても揮発する。機能層上部周辺に比べ、機能層端部周辺は大気中の溶媒の飽和度が低いため、端部方向への揮発が進む。そのため、溶媒の揮発が進むにつれて機能層形成用塗工液は外側に移動し、機能層は図2(b)のように外側に傾くように変形した状態で固化する。このような機能層は局部的に層の厚みが異なり、表面も平らではないため、不都合が生じる可能性がある。例えば、機能層が有機EL素子の発光層、CFの着色層または色変換フィルタの色変換層等の用途に用いられた場合、端部の不均一さから色調ムラが生じ高精細な発色を妨げ、さらには素子寿命を低下させるといった影響を及ぼす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機能層の端部が外側に傾くことなく、色調ムラ等の不都合を発生させない機能層を有する機能性素子の製造方法および機能性素子製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、機能層端部の変形を防止するため、前記機能層周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
【0008】
本発明においては、上述するように塗布された機能層形成用塗工液を乾燥させる際に、機能層周辺部に溶剤が存在することを特徴とする。これにより、機能層の中心部と端部とは同じ条件で乾燥されるため、端部が変形することなく固化された機能層を形成することができ、このような均一な形状の機能層を有する機能性素子は色調ムラ等の不都合を発生させる可能性を低下させる効果を奏する。
【0009】
上記発明においては、前記機能層周辺部に塗布される溶剤の沸点が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒の沸点から−200℃〜+50℃の範囲内であることが好ましい。溶剤の沸点が上記範囲を超えて高い場合は、機能層形成用塗工液の固化に比べて溶剤の揮発が遅くなり、変形防止の効果が低くなるなどの不具合が生じる場合がある。逆に、溶剤の沸点の方が低い場合は溶剤の方が先に揮発してしまい、本発明の効果が十分に発揮できない可能性があるからである。
【0010】
上記発明においては、前記溶剤塗布工程は、前記乾燥工程時に、前記溶剤が存在するように前記溶剤を塗布する工程であることが好ましい。前記乾燥工程において、前記機能層の形状が決定される際に、溶剤を存在させることによって、機能層の形状の変形を防止することができるからである。
【0011】
上記発明においてはまた、前記機能層周辺部に塗布される溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であることが好ましい。機能層周辺部に塗布される溶剤と機能層形成用塗工液に用いられる溶媒を同一にすることで、機能層中心部と端部とでの揮発速度と揮発方向を同一にでき、溶剤を塗布しない場合と乾燥時間が変わることもなく、本発明の効果がよりいっそう発揮されるからである。
【0012】
また上記発明においては、前記基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記パターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って前記機能層形成用塗工液を塗布する工程としてもよく、また前記基材上に、隔壁が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記隔壁のパターンに沿って、前記機能層形成用塗工液を塗布する工程としてもよい。濡れ性変化パターンや、隔壁のパターンに沿って塗布された機能層形成用塗工液は流動性があり、このような場合に、本発明の効果を十分に発揮することが可能となるからである。
【0013】
また、本発明においては前記機能層形成用塗工液が、吐出法により塗布されることが好ましく、中でも、上記吐出法は、インクジェット法であることが好ましい。本発明は、外側に傾いて形成される機能層端部の形状を均一化することを目的とする発明であり、吐出法、さらにその中でもインクジェット法は、高精細なパターンを形成することができる方法であると共に、機能層端部が外側に傾いた形状に形成するおそれが大きい方法だからである。
【0014】
また本発明は、上記いずれかの機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の前記機能層が着色層であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0015】
本発明によれば、中心部と端部との膜厚が均一なカラーフィルタを製造することができ、色調ムラや着色層上に形成されたITOの配線が断線すること等のない、高品質なカラーフィルタを製造することができる。
【0016】
上記発明においては、前記溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であり、前記溶剤塗布工程が、前記溶剤を1mm当たりに、0.01ml〜1.0mlの範囲内塗布する工程であることが好ましい。これにより、上記着色層を乾燥させる乾燥工程の間、上記溶剤の作用によって、着色層の端部の形状が変形することを防ぐことが可能となるからである。
【0017】
また、上記発明においては、前記溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であり、前記溶剤塗布工程により前記溶剤を塗布する領域の前記着色層側の端部から、前記着色層端部までの幅が1μm〜20000μmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記乾燥工程において、上記溶剤が揮発する作用を上記着色層に寄与させることができ、上記着色層の端部の形状が変形することを防止することが可能となるからである。
【0018】
上記発明においてはまた、前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記溶剤塗布工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の各ストライプの端部側に溶剤を塗布する工程であってもよい。ストライプ型着色層を有するカラーフィルタにおいては、ストライプ型着色層の各ストライプの端部側における端部の形状の変化によって、問題が生じる場合があり、上記溶剤を上記端部側に塗布することにより、ストライプ型着色層の各ストライプの端部の形状が変形等することのない、高品質なカラーフィルタとすることができるからである。
【0019】
上記発明においては、さらに、前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記溶剤塗布工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の側部側に溶剤を塗布する工程であってもよい。ストライプ型着色層の側部の形状の変化によっても、問題が生じる場合があり、上記溶剤をその側部側に塗布することにより、ストライプ型着色層の側部の形状が変形等することのない、高品質なカラーフィルタとすることができるからである。
【0020】
また本発明は、機能性素子が形成される基材を固定するステージと、前記ステージ上をX−Y―Z方向に相対的に移動し機能層形成用塗工液を吐出する機能層形成用吐出部とを有する機能性素子製造装置において、さらに、機能層周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有することを特徴とする機能性素子製造装置を提供する。
【0021】
本発明の機能性素子製造装置は、機能層形成用吐出部の他に、機能層周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有することを特徴とする。機能層形成用塗工液と溶剤との、それぞれ専用の吐出部を設けることにより、例えば、基材に機能層周辺部に溶剤を塗布した後に機能層形成用塗工液を塗布する場合でも、それぞれ専用の吐出部があるので、吐出部の洗浄などをすることなく、効率的に機能性素子を製造することができる。
【0022】
またさらに、本発明は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、前記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、前記機能層形成用塗工液周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有することを特徴とする機能性素子製造装置を提供する。
【0023】
本発明によれば、上記乾燥手段に溶剤用吐出部を有することから、上記機能層を乾燥させる際に、溶剤を塗布することができ、また上記乾燥工程中に溶剤を機能層形成用塗工液周辺部に適宜補給することが可能となる。これにより、機能層形成用塗工液を乾燥させる際に、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発速度を調整することが可能となり、効率的に機能性部の端部が変形等することのない高品質な機能性素子を製造することができるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における機能性素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、および機能性素子製造装置について詳しく説明する。
【0025】
なお、本発明において、溶媒とは機能層形成用塗工液に用いる溶媒を指し、溶剤とは機能層の周辺部に塗布する溶剤を指すものとする。
【0026】
I.機能性素子の製造方法
まず、機能性素子の製造方法について説明する。
【0027】
本発明の機能性素子の製造方法は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、機能層端部の変形を防止するため、前記機能層周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程を有するものである。
【0028】
本発明の機能性素子の製造方法においては、塗工液塗布工程によって、例えば図1に示すように、基材1上に塗布された機能性層形成用塗工液3を乾燥させる乾燥工程において、上記機能層形成層形成用塗工液3が塗布された機能層周辺部2に溶剤を塗布することを特徴とするものである。
【0029】
本発明の機能性素子の製造方法は、図2(b)に示すように、端部が外側に傾いた形状に形成されるおそれが大きい機能層を均一化することを目的とする。このような形状の機能層は、端部に白い箇所が形成されるため、機能性素子を実際に機能させた場合に、色調ムラ等の不都合が生じる可能性が高い。そこで、本発明においては、この端部の変形を容易に均一化することが可能な方法を提供する。
【0030】
本発明における機能性素子の製造方法が有用な機能層の形成方法としては、機能層の端部が外側に傾いた形状に変形する可能性がある塗布法であれば特に限定されるものではなく、例えば、印刷法、ディッピング法、スピンコート法等の一般的な塗布方法、さらには吐出法等を挙げることができる。本発明が特に好適に用いられる方法としては、塗布された機能層形成用塗工液の流動性が高い場合には、端部が外側に傾いた形状に形成されるおそれが大きいことから、上記の中でも、吐出法が挙げられる。吐出法は、その塗布方法から用いられる機能層形成用塗工液の粘度が低く、希薄であり、比較的高沸点であることが好ましいからである。つまり、吐出法は、ノズル口から機能層形成用塗工液を吐出させて目的対象物へ機能層形成用塗工液を付着させ塗布する方法であり、ノズル口から速やかに吐出させることが可能であり、かつノズル口への付着を防止するために上述のような性質を有する機能層形成用塗工液を用いることが好ましいのである。本発明は、上述のような性質を有する機能層形成用塗工液の乾燥後に生じる変形の防止に効果的である。
【0031】
そこで、上記吐出法により機能層を形成する場合に、図2(b)に示すような形状に形成される理由を説明する。ここで、図2は、図1の機能性素子の横断線aで示される部分の断面の一例を示す図であり、また、図3は、図1の縦断線bで示される部分の断面の一例を示す図である。塗布された直後の機能層形成用塗工液は、図2(a)のように、機能層3の中心部も端部も均一な形状をしている。このような状態の機能層3を乾燥させる際、中心部と端部では、端部の周辺雰囲気における溶媒の飽和度の方が低いため、端部の外側から溶媒の揮発が進む。そのため、機能層端部4の機能層形成用塗工液は揮発が進むにつれて外側に移動し、その結果図2(b)および図3のように端部が外側に変形した形状で固化する可能性が高い。
【0032】
本発明は、このような端部の変形が防止された機能性素子の製造方法を提供するものである。以下、詳細に説明する。
【0033】
上述したような変形の防止を実現する本発明の製造方法においては、一般的には、まず、基材上の所定の位置に機能層形成用塗工液を塗布する塗布工程が行われる。ここで、この工程における塗布法が吐出法である場合には、吐出させた機能層形成用塗工液の過剰な濡れ広がりを防止するため、機能層形成用塗工液を塗布する前に予め、基材上に隔壁または、濡れ性の差によるパターン等を形成するために、基材の調製を行う場合がある。次いで、塗布工程後に、塗布された機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程が行われる。本発明の特徴である機能層の変形防止は、この上記塗工液塗布工程または乾燥工程を行う際に、機能層形成用塗工液を塗布した周辺部分に溶剤を塗布し、その後乾燥させることにより行われ、この変形防止を伴う工程を経ることにより均一化された機能層を得ることができる。
【0034】
本発明によれば、例えば図4(a)に示すように、機能層3の中心部も端部も均一な形状となるように、機能層形成用塗工液を塗布し、この機能層形成用塗工液を乾燥させる際、その機能層形成用塗工液を塗布した周辺部2に溶剤を塗布する。これにより、機能層3の中心部および端部の雰囲気中の溶媒の飽和度を同等とすることができ、機能層形成用塗工液の中心部から外側への流れの発生を防止することができることから、例えば図4(b)および図5に示すような、均一な膜厚の機能層3を形成することが可能となる。なお、図4は、図1の機能性素子の横断線aで示される部分の断面の一例を示す図であり、また、図5は、図1の縦断線bで示される部分の断面の一例を示す図である。
【0035】
本発明においては、上述した変形防止をするために溶剤を塗布することが特徴的であるため、まず、溶剤および溶剤塗布工程について説明し、その後、他の工程について説明することとする。
【0036】
1.溶剤および溶剤塗布工程
本発明では機能層端部の変形を防止するために、機能層周辺部に溶剤を塗布し、乾燥工程において機能層形成用塗工液を乾燥させる際に、その後機能層形成用塗工液と共に乾燥させることを特徴とする。以下、機能層周辺部に塗布する溶剤、塗布する範囲、溶剤塗布工程について説明する。
【0037】
A.塗布する溶剤
本発明において、機能層周辺部に塗布する溶剤としては、機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と近い特性、つまり、粘度が低く、比較的高沸点のものであれば特に限定はされないが、本発明においては溶剤の沸点が機能層形成用塗工液に用いられる溶媒の沸点から−200℃〜+50℃、より好ましくは−50℃〜+50℃、さらに好ましくは、−10℃〜+10℃の範囲内のものが好適に用いられる。さらに、塗布方法への適応性や沸点などの点から、溶剤として機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一のものもしくは同一の溶剤を含む混合溶剤を用いることが特に好ましい。中でも、同一のものが最も好ましい。溶剤の沸点が機能層形成用塗工液に用いられる溶媒の沸点より低いと、機能層形成用塗工液が固化する前に溶剤が揮発してしまい、本発明の効果があまり発揮されない可能性がある。逆に、溶剤の沸点が機能層形成用塗工液に用いられる溶媒の沸点よりも上記範囲を超えて高いと、機能層形成用塗工液の固化に比べて溶剤の揮発が遅くなり、本発明の効果が低くなったり、乾燥に時間がかかったりするなどの不具合が生じる場合があるからである。
【0038】
このように本発明に用いられる溶剤の例としては下記のものが挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
・グリコールエーテル類(エチレングリコールモノエチルエーテル)
・グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・グリコールオリゴマーエーテル類(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)
・グリコールオリゴマーエーテルエステル類(ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・脂肪族カルボン酸類またはその無水物(酢酸、2−エチルヘキサン酸、無水酢酸)
・脂肪族または芳香族エステル類(安息香酸プロピル)
・ジカルボン酸ジエステル類(炭酸ジエチル)
・アルコキシカルボン酸エステル類(3−メトキシプロピオン酸メチル)
・ケトカルボン酸エステル類(アセト酢酸エチル)
・ハロゲン化カルボン酸類(クロロ酢酸、ジクロロ酢酸)
・アルコール類またはフェノール類(エタノール、イソプロパノール、フェノール)
・脂肪族または芳香族エーテル類(ジエチルエーテル、アニソール)
・アルコキシアルコール類(2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール)
・グリコールオリゴマー類(ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール)・アミノアルコール類(2−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン)
・アルコキシアルコールエステル類(2−エトキシエチルアセテート)
・ケトン類(アセトン、メチルイソブチルケトン)
・モルホリン類(N−エチルモルホリン、フェニルモルホリン)
・脂肪族または芳香族アミン類(ペンチルアミン、トリペンチルアミン、アニリン)また、より好ましい溶剤の例としては、下記のものを挙げることができる。
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
・ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
・ジエチレングリコールジブチルエーテル
・アジピン酸ジエチル
・シュウ酸ジブチル
・マロン酸ジメチル
・マロン酸ジエチル
・コハク酸ジメチル
・コハク酸ジエチル
・3−メトキシブチルアセテート
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0039】
B.塗布する範囲
溶剤を塗布しないで乾燥させた場合に変形する端部の幅を考慮すると、溶剤を塗布する範囲の幅は、1500〜50000μmの範囲内、より好ましくは1500〜2500μmの範囲内である。上記範囲より小さいと本発明の効果が得られにくく、上記範囲より大きい場合は、基材の幅が大きくなってしまい、コスト面等で問題が生じる場合があるからである。
【0040】
C.溶剤塗布工程
本発明において、溶剤の塗布方法は、溶剤が所望の範囲に塗布できる方法ならば特に限定はされないが、具体的には、印刷法、ディッピング法、吐出法等を挙げることができるが、中でも吐出法が好ましく、具体的にはインクジェット法が好ましい。溶剤の塗布は、機能層形成用塗工液の塗布より前に行なわれても、同時に行なわれても、後に行なわれてもよい。また、本工程においては、後述する乾燥工程において、溶剤が存在するように塗布を行う。ここで、乾燥工程において、溶剤が存在するとは、後述する乾燥工程において、機能層形成用塗工液が乾燥し、機能層の形状が決定されるまでの間、溶剤が存在することをいう。後述する乾燥工程は、例えば予備乾燥工程と、本乾燥の2工程から行われるものであってもよく、予備乾燥において機能層の形状が決定される場合には、少なくともこの予備乾燥の間、溶剤が存在するように溶剤が塗布される。また、予備乾燥および本乾燥により、機能層の形状が決定される場合には、予備乾燥および本乾燥の間、溶剤が存在するように塗布されるものとする。
【0041】
上記溶剤の塗布は、、一度に必要とされる溶剤を全部塗布するものであってもよいが、溶剤の塗布を数回にわけて行ってもよい。上記機能層の形状が決定される前に、溶剤が全て揮発した場合には、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発速度が変わり、機能層の形状が変形することとなるからである。
【0042】
また、本発明において溶剤は、塗布された溶剤と機能層形成用塗工液とが混ざらない程度に近く、かつ、基材上のなるべく広い範囲に塗布することが好ましい。溶剤の塗布領域端部と機能層形成用塗工液の塗布領域端部との間隙は、1〜20000μm、より好ましくは5〜20μmの範囲内である。この間隔が上記範囲より小さいと、溶剤と機能層形成用塗工液が混ざってしまう可能性があり、上記範囲を超えて離れすぎていると、本発明の効果が十分に発揮されない可能性があるからである。ここで、上記溶剤が塗布される機能層周辺部とは、目的とする機能層の形状により異なるものであるが、機能層が形成される領域の周囲であれば、特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、機能層の形成される領域の周囲全てであってもよく、また機能層の形成される領域の外側の一部の領域であってもよい。ここで、上記溶剤は必ずしも同一基材上に塗布される必要はなく、例えば他の部材上に溶剤を塗布し、上記機能層周辺部に配置するものであってもよい。
【0043】
さらに、本発明では、上記「A.塗布する溶剤」で述べたように、粘度が低い溶剤を塗布するので、基材上で濡れ広がる可能性が高い。さらに、振動や基材の傾きなどにより、塗布された溶剤と機能層形成用塗工液とが混ざってしまう可能性がある。そのような不具合を防止するため、溶剤の過剰な濡れ広がりを防止する混合防止手段を予め基材に施すことが好ましい。このような混合防止手段としては、塗布された溶剤と機能層形成用塗工液との混合を防止できる手段であれば特に限定されないが、具体的には隔壁を設置し機能層形成用塗工液の進行を防止する方法や親液性および撥液性の濡れ性の差によるパターンが形成されたパターン形成層を基材上に設ける方法等を挙げることができる。本発明における基材の調製においては、このような混合防止手段が基材上に形成されることが好ましい。以下、このような隔壁およびパターン形成層について説明する。
【0044】
(1) 隔壁
本発明における隔壁とは、溶剤の濡れ広がりを、隔壁側面または表面にて食い止めることができるものである。このような隔壁としては、例えば、断面形状が四角形状、T字形状、逆テーパ形状等のものを挙げることができる。さらに、より効果的に機能層形成用塗工液の濡れ広がりを防止するために、撥液性を保持させた隔壁としてもよい。このような隔壁は、隔壁自体を撥液性を保持する材料から形成する方法や、表面に撥液性処理を施し隔壁表面に撥液性を保持させる方法等により形成することが可能である。
【0045】
このような隔壁の幅は、1〜50μm、より好ましくは2〜20μmである。隔壁の幅が上記範囲より狭いと、溶剤の濡れ広がりを防止するのに十分でない可能性があり、上記範囲より広いと、溶剤と機能層形成用塗工液との間隔が広すぎて、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。
【0046】
また、隔壁の高さは、0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜1.5μmである。隔壁の高さが上記範囲より低いと、溶剤や機能層形成用塗工液が隔壁を越えて濡れ広がる可能性があり、隔壁の高さが上記範囲より高いと、基材の取り扱いの際に邪魔になる等の不具合が発生するおそれがあるからである。
【0047】
このような隔壁の形成方法は、特に限定されるものではないが、一般的にはフォトリソグラフィー法で行なわれる場合が多い。
【0048】
(2) パターン形成層
上記混合防止手段においては、上記隔壁を設置し溶剤の過剰な濡れ広がりを防止する方法の他に、基材表面に溶剤と良好な濡れ性を有する親液性領域と、溶剤との濡れ性が悪い撥液性領域とのパターンが形成されたパターン形成層を設けることにより、撥液性領域への溶剤の濡れ広がりを防止し、パターニング精度を向上させる方法がある。このようなパターン形成層の形成方法としては、親液性が要求される領域に親液性の表面処理を施す方法や、エネルギー照射により表面の濡れ性が変化するパターン形成層を基材上に形成し、エネルギーのパターン照射により濡れ性の差によるパターンを形成する方法等が挙げられる。
【0049】
さらに、パターン形成層の態様として、濡れ性変化層自体に光触媒が含有されている光触媒含有層の場合と、光触媒が含有されていない濡れ性変化層である場合とがある。いずれもパターン形成層に用いることが可能であるが、光触媒含有層を用いた場合は、光触媒含有層に直接エネルギーをパターン照射するのみで、光触媒含有層に濡れ性の差によるパターンを形成することができることから製造効率上有利である。一方、光触媒を含有しない濡れ性変化層である場合には、機能性素子として用いた場合に、光触媒の半永久的な作用による経時劣化が回避できることを利点とする。以下、パターン形成層として使用可能な光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層とについて詳細に説明する。
【0050】
a. 濡れ性変化層
パターン形成層を構成する濡れ性変化層は、光触媒の作用により表面の濡れ性が変化する層であれば特に限定されるものではないが、一般的にはエネルギーの照射に伴う光触媒の作用により、その濡れ性変化層表面における液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることが好ましい。また、光触媒を活性化させるエネルギーを透過させる材料である必要がある。
【0051】
このように、露光(本発明においては、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射されたことをも意味するものとする。)により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層とすることにより、エネルギーのパターン照射を行うことにより容易に濡れ性をパターン状に変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することが可能となり、この親液性領域に溶剤を付着させることにより、容易に溶剤をパターン状に塗布することができる。
【0052】
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、濡れ性が良い領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、溶剤に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0053】
上記濡れ性変化層は、露光していない部分、すなわち撥液性領域においては、塗布される溶剤に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、特に50°以上の濡れ性を示すことが好ましい。これは、露光していない部分は、本発明においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、上記溶剤が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0054】
また、上記濡れ性変化層は、露光すると液体との接触角が低下して、塗布される溶剤に対する接触角が20°以下、特に、10°以下となるような層であることが好ましい。露光した部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高いと、この部分での溶剤の広がりが劣る可能性があり、溶剤が塗布されない部分が生じる等の問題が起こる可能性があるからである。
【0055】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。
【0056】
また、本発明において上述したような濡れ性変化層を用いた場合、この濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
【0057】
このような特徴を有する濡れ性変化層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
【0058】
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親液性領域のみに溶剤を塗布することが容易に可能となる。
【0059】
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち光触媒の作用により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥液牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0060】
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0061】
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、フルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0062】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0063】
【化1】
Figure 2004361907
【0064】
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0065】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0066】
本発明における濡れ性変化層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0067】
また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0068】
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに有機溶剤中に分散して調製し、この有機溶剤を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系のものが好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することができる。
【0069】
本発明において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0070】
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、光触媒の作用による上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、未露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、溶剤との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、所望の領域のみに溶剤を塗布することができる。
【0071】
本発明において上述のような濡れ性変化層をパターン形成層に用いた場合の親液性および撥液性のパターンの形成方法としては、少なくとも光触媒を有する層を別個に準備し、この光触媒を有する層と濡れ性変化層とを接触またはある程度の間隔を置いて配置させた状態でパターン露光し、次いで、光触媒を有する層を濡れ性変化層から剥離することにより親液性および撥液性のパターンを有する濡れ性変化層を得るものであってもよく、また基材と濡れ性変化層との間に、光触媒を含有する層を形成し、上記濡れ性変化層にエネルギーをパターン露光するものであってもよい。
【0072】
b. 光触媒含有層
本発明に用いられる光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとからなり、エネルギー照射により溶剤との接触角が低下する方向に濡れ性が変化するものである。このような光触媒含有層としては、上記濡れ性変化層に光触媒を含有させることにより得ることできる。そこで、バインダ等の濡れ性変化層と同様の構成のものについては、ここでの説明を省略し、以下、光触媒に関することについて説明する。
【0073】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0074】
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0075】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0076】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0077】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば上述する濡れ性変化層で詳しく説明するオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0078】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
【0079】
このような光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0080】
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、上述の濡れ性変化層における場合と同様であるためここでの説明は省略する。
【0081】
本発明において光触媒含有層はその内部に光触媒を含有するため、直接光触媒含有層にパターン露光を行うことにより光触媒の作用から親液性および撥液性のパターンを形成することが可能である。
【0082】
2.その他の工程
本発明においては、上記の溶剤塗布工程の前後の工程として、一般的には、塗工液塗布工程、乾燥工程等が行われる。以下、これらの工程について説明する。
【0083】
A.塗工液塗布工程
(1)機能層形成用塗工液
本発明における機能層としては、有機EL素子の発光層、CFの着色層または有機EL素子に用いられる色変換フィルタの色変換層等を挙げることができ、これら各層を形成する際の機能層形成用塗工液が本発明で言う機能層形成用塗工液となる。
【0084】
また、インクジェット法により機能層を形成する場合には、機能層形成用塗工液としては、インクジェット法に適したものが用いられる。このようなインクジェット法に用いる機能層形成用塗工液の性質としては、溶媒を含み、粘度が低く、比較的高沸点であること等が挙げられる。上記性質を有する機能層形成用塗工液とすることにより、ノズル口から速やかに滞りなく機能層形成用塗工液を吐出させることができ、かつノズル内壁への機能層形成用塗工液の残存を防止し、機能層形成用塗工液の側面からインクジェット法の塗布精度を向上させることができるからである。
【0085】
(2)塗布方法
本発明は、端部が外側に傾いた形状に形成されるおそれがある機能層を均一化することを主目的とする発明である。従って、塗布法としては、機能層の端部が外側に傾いた形状に変形する可能性がある塗布法であれば特に限定されない。具体的には、印刷法、ディッピング法、吐出法を挙げることができる。中でも、吐出法であることが好ましい。吐出法は、その塗布方法から機能層が上記形状に変形されるおそれが大きいからである。さらに、吐出法の中でも、インクジェット法であることが好ましい。インクジェット法は、一般的に汎用されている吐出法であり、材料効率に優れ、製造工程が短い等製造効率上有利であるからである。
【0086】
しかし、上記の方法により機能層を形成した場合には、粘度が低い機能層形成用塗工液が用いられる。従って、このような機能層形成用塗工液が基材上に塗布されると、機能層形成用塗工液の粘度の低さから過剰に濡れ広がることがある。そこで、通常は上記「C.溶剤塗布工程」で混合防止手段として説明した、隔壁やパターン形成層等のパターン形成手段を予め基材上に形成しておき、これにそって機能層形成用塗工液を塗布する方法が好ましい。具体的には、基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、塗工液塗布工程が、このパターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って上記機能層形成用塗工液が塗布される場合や、上記基材上に隔壁が形成されており、塗工液塗布工程が、この隔壁のパターンに沿って上記機能層形成用塗工液を塗布するもの等である。このようなパターン形成手段に用いられるパターン形成層や隔壁等の説明は上記「C.溶剤塗布工程」における混合防止手段の説明と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0087】
なお、溶剤の濡れ広がりを防止する混合防止手段と、機能層形成用塗工液の濡れ広がりを防止するパターン形成手段は、同じ方法であっても、異なる方法であってもよい。
【0088】
(3)基材
本発明において、機能層形成用塗工液は基材上にパターン状に塗布される。このような基材としては、特に限定されるものではないが、得られる機能性素子が光学素子として用いられる場合、透明性が高いものが好ましい。具体的には、ガラス等の無機材料や、透明樹脂等を用いることができる。
【0089】
上記透明樹脂としては、フィルム状に成形が可能であれば特に限定されるものではないが、透明性が高く、耐溶媒性、耐熱性の比較的高い高分子材料が好ましい。具体的には、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、および非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。
【0090】
B.乾燥工程
本発明においては、溶剤と機能層形成用塗工液が塗布された基材を乾燥工程において乾燥させる。その方法は、溶剤と機能層形成用塗工液が均一に乾燥される方法ならば特に限定はされないが、具体的には、機能層形成用塗工液が塗布された基材を減圧下に配置する方法や加熱する方法等が挙げられる。さらに、加熱する方法としては、機能層形成用塗工液の温度を容易に上昇させ、固化させることが可能であるものならば特に限定されない。従って、一般的に用いられている加熱方法を使用することができ、具体的には、オーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等が挙げられる。また、上述したように、予備乾燥と本乾燥等、2段階以上にわけて行うものであってもよい。
【0091】
3.機能層
本発明の機能層は、上述したように端部が外側に傾いて変形することが防止されていることを特徴とする。本発明の機能性素子の製造方法により形成される機能層としては、溶媒を用いてパターニングされる、有機EL素子の発光層、CFの着色層または色変換フィルタの色変換層等が挙げられる。
【0092】
有機EL素子は、対向する電極から注入された正孔および電子が発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の蛍光物質を励起し、蛍光物質に応じた色の発光を行うものであり、カラーフィルタは赤、青、緑の画素部を有し、通常ブラックマトリックスが上記画素部間に形成されており、液晶表示装置等に用いられるものである。
【0093】
また、色変換フィルタとは、例えば、発光部から青色または白色の発光を受けた際に、多数色、例えば赤色、緑色、および青色の3原色に色を変換することができる色変換層を有するフィルタを示すものであり、必要に応じて色補正用のCFを有するものであってもよい。
【0094】
このような色変換フィルタと共に用いられる発光部としては、例えば有機EL、無機EL、LED、VFD、PDP等の発光部を用いることが可能であり、発光部により種々の自発光型の表示装置として用いられるものである。
【0095】
上記各素子は、中心部と端部との形状が均一に形成された各機能層を有することにより、素子特性が向上し、高精細な発色を可能とし、また、有機EL素子においては素子寿命を伸長させる効果を得ることができる。
【0096】
本発明においては、上記の中でも特に本発明の効果を発揮することが可能となることから、後述するカラーフィルタであることが好ましい。
【0097】
II.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の、上記機能層が着色層であることを特徴とするものである。
【0098】
本発明によれば、上記機能性素子の製造方法により、着色層が形成されることから、色調ムラや着色層上に形成されたITOの配線が断線すること等のない、高品質なカラーフィルタとすることができる。
【0099】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色層を形成する着色層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、その着色層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程と、着色層形成用塗工液を乾燥させる際に、着色層の端部の変形を防止するために着色層の周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程とを有するものである。上記各工程は、上述した「I.機能性素子の製造方法」で説明した各工程に対応するものである。
【0100】
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上記着色層形成用塗工液を乾燥させる際に、着色層の周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程を有することを特徴とするものである。ここで、上記溶剤塗布工程は、上述したように塗工液塗布工程と同時に溶剤を塗布するものであってもよく、また塗工液塗布工程後、乾燥工程前に溶剤を塗布するものであってもよい。ここで、溶剤塗布工程により塗布された溶剤は、乾燥工程が終了した後にも、溶剤が残存しているように溶剤を塗布するものであることが好ましい。
【0101】
また、本発明のカラーフィルタの製造方法における上記塗工液塗布工程は、上述した機能性素子の製造方法の項で説明したような方法の中でも基材上にエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、このパターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って着色層を形成することが好ましい。これにより、高精細で混色等のない、高品質な着色層を有するカラーフィルタとすることができるからである。また、カラーフィルタと同一基材上に上記溶剤を塗布する場合には、このパターン形成層のパターンの差を利用して溶剤を容易に、所定の位置に塗布することも可能となるからである。なお、本発明においては、上記基材は、ブラックマトリクス等の必要な部材が形成されているものであってもよい。
【0102】
ここで、本発明のカラーフィルタの製造方法における着色層形成工程で形成される着色層は、千鳥状等に形成される着色層であってもよいが、特にストライプ状に形成されるストライプ型着色層であることが好ましい。ストライプ型着色層は、上記パターン変化層や上記隔壁を用いて形成する場合等に、特に着色層形成領域内で着色層形成用塗工液が動きやすく、着色層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発に伴い、着色層の形状が変形しやすいからである。
【0103】
着色層がこのようなストライプ型着色層である場合には、上記溶剤塗布工程は、例えば図6(a)に示すように、ストライプ型着色層3のストライプの側部a側に溶剤を塗布する工程であってもよいが、本発明においては、例えば図6(b)に示すように、少なくともストライプ型着色層3の各端部b側に溶剤を塗布する工程であることが好ましい。これは、各ストライプ型着色層のストライプの端部b側の着色層の形状が溶媒の揮発によって影響を受けやすいからである。なおこの際、上記着色層を形成する領域の周囲全てに溶剤を塗布してもよい。
【0104】
ここで、本発明のカラーフィルタの製造方法における溶剤塗布工程に用いられる溶剤は、上記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤、または同一の溶剤を含む混合溶剤であることが好ましい。またこの際、溶剤塗布工程において塗布される量としては、着色層に用いられる溶媒の種類や膜厚等によって異なるものであるが、通常溶剤を1mm当たり0.01ml〜1.0mlの範囲内、中でも0.02ml〜0.1lの範囲内塗布することが好ましい。この塗布量は、溶剤塗布工程により塗布される総量であり一時に所定の位置に塗布されるものであってもよく、また数回にわけて塗布されるものであってもよい。
【0105】
また、上記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤、または同一の溶剤を含む混合溶剤である場合、上記溶剤を塗布する領域としては、溶剤を塗布する領域の着色層側の端部から、上記着色層の端部までの幅(例えば図6のcに示される幅)が、1μm〜20000μmの範囲内、中でも5μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記溶剤の作用によって、着色層の端部の形状が変化することを防止することが可能となるからである。
【0106】
III.機能性素子製造装置
次に、本発明の機能性素子の製造装置について説明する。本発明の機能性素子製造装置には、二つの実施態様がある。本発明においては、どちらの実施態様においても、機能性素子の機能層の周囲に溶剤を塗布する溶剤用吐出部を有しており、上述した機能性素子の製造方法に用いることによって、機能層を形成する際に、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の影響によって機能層の形状が変形することを防ぐことが可能である。
【0107】
以下、それぞれの実施態様についてわけて説明する。
【0108】
A.第一の実施態様
まず、本発明の機能性素子の製造装置の第一の実施態様としては、機能性素子が形成される基材を固定するステージと、前記ステージ上をX−Y―Z方向に相対的に移動し機能層形成用塗工液を吐出する機能層形成用吐出部と、を有する機能性素子製造装置において、さらに、機能層周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有するものである。
【0109】
本実施態様によれば、機能層形成用塗工液を塗布する際、または機能層形成用塗工液を吐出後に、機能層周辺部に溶剤を塗布することが可能となるのである。また、機能層形成用塗工液と溶剤との、それぞれ専用の吐出部を有することにより、例えば、基材に機能層周辺部に溶剤を塗布した後に機能層形成用塗工液を塗布する場合でも、それぞれ専用の吐出部があるので、吐出部の洗浄などをすることなく、効率的に機能性素子を製造することができる。
【0110】
また、それぞれの専用吐出部があるので、機能層形成用塗工液と溶剤とを同時に塗布することもできる。塗布する時間差がほとんどなくなるので、揮発が同時に始まり、本発明の効果がより期待できる。さらに、塗布に要する時間が短縮され、吐出部の洗浄などの必要ないので、生産効率を大幅に向上できる。
【0111】
このような利点を有する本発明の機能性素子製造装置について図面を用いて説明する。図7は、本発明の機能性素子製造装置の一例を示した説明図である。本発明の機能性素子製造装置には機能層形成用吐出部5と溶剤用吐出部6との2種類の吐出部があり、これらの吐出部はステージ7と相対的にX−Y−Z方向に移動する。その際、機能層形成用吐出部5および溶剤用吐出部6側が動いても、ステージ7側が動いてもよく、また同時に両方が動いてもよい。機能層形成用吐出部5、溶剤用吐出部6、ステージ7の駆動方法は、安定的に上記を移動させることのできる方法ならば特に限定されるものではない。
【0112】
また、機能層形成用塗工液を吐出する機能層形成用吐出部5、および溶剤用吐出部6の吐出方法は、溶媒を含み機能層を形成する機能層形成用塗工液を吐出法により塗布することができる方法であれば特に限定はされないが、インクジェット法やディスペンサー法が一般的に用いられる。その中でも、インクジェット法であることが好ましい。インクジェット法は、吐出法の中でも最も汎用されている方法であり、製造効率に優れ、簡便な製造工程で塗布することを可能とするからである。上記溶剤用吐出部は、1個のみでも、2個以上設けてもよい。また、ステージ7は、基材1を安定に保持できるものならば、特に限定はされない。
【0113】
B.第二の実施態様
次に、本発明の機能性素子製造装置の第二の実施態様について説明する。本発明の機能性素子製造装置の第二の実施態様は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、前記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、前記機能層形成用塗工液周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有するものである。
【0114】
本実施態様によれば、上記乾燥手段に上記溶剤用吐出部を有することから、機能層を乾燥させる際に、機能層形成用塗工液周辺部に溶剤を塗布することが可能となり、機能層形成用塗工液中の溶媒の揮発速度を調整し、機能層が変形することを防止することができるのである。ここで、溶剤用吐出部による溶剤の塗布は、乾燥工程の前に行われてもよく、また乾燥工程時に適宜溶剤を数回にわたり塗布するものであってもよい。
【0115】
本発明において上記溶剤吐出部は、相対的にX−Y−Z方向に移動し、機能層周辺部に溶剤を塗布することが可能であれば、その吐出方法等は特に限定されるものではなく、上述した第一の実施態様で用いられるものと同様のものを用いることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0116】
また、上記塗工液塗布手段については、上述した第一の実施態様と同様のものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0117】
上記乾燥手段については、機能性素子の機能層を形成する際に、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒を乾燥させることが可能であれば、特にその方法は限定されるものではなく、一般的に機能性素子の製造に用いられる方法、例えばオーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等とすることができる。
【0118】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0119】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0120】
(実施例1)
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300×400×0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。
【0121】
次に、紫外線を下記の領域にライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
【0122】
領域A:90×200000μm、100μmピッチで1024本
領域B:ライン両端から20ミクロン離れた位置に1500×200000μmのライン(計2本)
【0123】
2.塗工液塗布工程、および溶剤塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により、上記基材上の領域Aに機能層形成用塗工液としてカラーフィルタ層形成用塗工液を、領域Bに溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを1.0ml塗布した。両液は親液性部分に均一に塗れ広がった。
【0124】
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液および溶剤が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。領域Bに塗布した溶剤は、基材がホットプレート上にある際には残存していたが、オーブンでの焼成後にはすべて蒸発していた。
【0125】
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部も、端部も、断面形状は均一であった。
【0126】
(実施例2)
1.基材の調製(遮光層、および隔壁の形成)
実施例1で用いた基材と同様の基材表面にスパッタリング法によって、平均厚さ約0.15μmのクロム膜を形成し、パターニングをして遮光層を形成した。
【0127】
遮光層を形成した基材上にフッ素アクリル系感光性樹脂組成物層を形成し、パターニングによって、遮光層上および遮光層の左右から20μm離れて位置する1,500μm幅の溶剤塗布領域を囲むように隔壁を形成した。
【0128】
2.塗工液塗布工程、および溶剤塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により、上記基材上の遮光層に囲まれた領域に機能層形成用塗工液としてカラーフィルタ層形成用塗工液を吐出し、カラーフィルタ層を形成した。
【0129】
上記隔壁により周囲を囲まれた溶剤塗布領域にディスペンサーを用いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを1.0ml塗布した。
【0130】
3.乾燥工程
上記インクジェット法およびディスペンサー法を用いた吐出法により機能層形成用塗工液および溶剤が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。上記溶剤塗布領域に塗布した溶剤は、基材がホットプレート上にある際には残存していたが、オーブンでの焼成後にはすべて蒸発していた。
【0131】
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部も、端部も、断面形状は均一であった。
【0132】
(実施例3)
1.基材の調整(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を下記の領域にライン上マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:10°以下)のラインパターンが形成された。
【0133】
領域A:90x200000μm、100μmピッチで1024本
領域B:最外ラインから20μm離れた位置に1500x200000μmのライン(計2本)
領域C:各ライン両端から300μm離れた位置に105000x10000μmのライン(計2本)
2.塗工液塗布工程、および溶剤塗布工程
128個の吐出穴を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により、上記器材上の領域Aに機能層形成用塗工液としてカラーフィルタ層形成用塗工液を、溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを領域Bに0.6ml、領域Cに2mlそれぞれ塗布した。両液は親液性部分に均一に塗れ広がった。
【0134】
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液および溶剤が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。領域Bおよび領域Cに塗布した溶剤は、基材がホットプレート上にある際には残存していたが、オーブンでの焼成後にはすべて蒸発していた。
【0135】
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
【0136】
(実施例4)
1.基材の調整(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な器材上に光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を下記の領域にライン上マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:10°以下)のラインパターンが形成された。
【0137】
領域A:90x200000μm、100μmピッチで1024本
領域B:各ライン両端から150μm離れた位置に105000x10000μmのライン(計2本)
2.塗工液塗布工程、および溶剤塗布工程
128個の吐出穴を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により、上記基材上の領域Aに機能層形成用塗工液としてカラーフィルタ層形成用塗工液を、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを領域Bに2ml塗布した。両液は親液性部分に均一に塗れ広がった。
【0138】
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液および溶剤が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。ホットプレート静置2分後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを領域Bに2ml補充した。塗布した溶剤は、オーブンでの焼成後にはすべて蒸発していた。
【0139】
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
【0140】
(比較例)
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
実施例1で用いた基材上に光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角74°)を示した。
【0141】
次に、紫外線を90×200000μm、100μmピッチで1024本のマスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
【0142】
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液としてカラーフィルタ層形成用塗工液を塗布した。塗工液は親液性部分に均一に塗れ広がった。
【0143】
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタカラーフィルターを得た。
【0144】
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、ライン列両端から1.5mmの範囲内の画素において、外側に傾くように変形した状態でインキが固化されており、画素内で局部的な層の厚さの違いが見られ、端部に薄い白い個所が形成された。また、各ラインの端部の膜厚は、中心部の膜厚の約3倍程度に盛り上がって固化されており、画素間においても局部的な層の厚さの違いが見られた。
【0145】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布された機能層形成用塗工液を乾燥させる乾燥工程の前に、機能層周辺部に溶剤を塗布することにより、機能層の端部の変形が防止された機能層を形成することができ、このような均一化された機能層を有する機能性素子は色調ムラ等の不都合を発生させる可能性を低下させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性素子の製造方法における、乾燥工程前の機能性素子の一例を示す概略上面図である。
【図2】従来の機能性素子の製造方法における、機能性素子の乾燥工程の一例を示す概略断面図である。
【図3】従来の機能性素子の製造方法における、機能性素子の機能層の形状の一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の機能性素子の製造方法における、機能性素子の乾燥工程の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の機能性素子の製造方法における、機能性素子の機能層の形状の一例を示す概略断面図である。
【図6】本発明のカラーフィルタの製造方法における、乾燥工程前のカラーフィルタの一例を示した説明図である。
【図7】本発明の機能性素子製造装置の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 … 基材
2 … 機能層周辺部
3 … 機能層
4 … 変形した機能層端部
5 … 機能層形成用吐出部
6 … 溶剤用吐出部
7 … ステージ
a … 機能層横断線
b … 機能層縦断線

Claims (15)

  1. 溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、機能層端部の変形を防止するため、前記機能層周辺部に溶剤を塗布する溶剤塗布工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。
  2. 前記機能層周辺部に塗布される溶剤の沸点が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒の沸点から−200℃〜+50℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  3. 前記溶剤塗布工程は、前記乾燥工程時に、前記溶剤が存在するように前記溶剤を塗布する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性素子の製造方法。
  4. 前記機能層周辺部に塗布される溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法。
  5. 前記基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記パターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って前記機能層形成用塗工液を塗布する工程であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法。
  6. 前記基材上に、隔壁が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記隔壁のパターンに沿って、前記機能層形成用塗工液を塗布する工程であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法。
  7. 前記機能層形成用塗工液が、吐出法により塗布されることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法。
  8. 前記吐出法は、インクジェット法であることを特徴とする請求項7に記載の機能性素子の製造方法。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の前記機能層が着色層であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であり、前記溶剤塗布工程が、前記溶剤を1mm当たりに、0.01ml〜1.0mlの範囲内塗布する工程であることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記溶剤が、前記機能層形成用塗工液に用いられる溶媒と同一の溶剤または、同一の溶剤を含む混合溶剤であり、前記溶剤塗布工程により前記溶剤を塗布する領域の前記着色層側の端部から、前記着色層端部までの幅が1μm〜20000μmの範囲内であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記溶剤塗布工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の各ストライプの端部側に溶剤を塗布する工程であることを特徴とする請求項9から請求項11までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記溶剤塗布工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の側部側に溶剤を塗布する工程であることを特徴とする請求項9から請求項11までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 機能性素子が形成される基材を固定するステージと、前記ステージ上をX−Y―Z方向に相対的に移動し機能層形成用塗工液を吐出する機能層形成用吐出部と、を有する機能性素子製造装置において、さらに、機能層周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有することを特徴とする機能性素子製造装置。
  15. 溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、前記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、前記機能層形成用塗工液周辺部に塗布される溶剤用の溶剤用吐出部を有することを特徴とする機能性素子製造装置。
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