JP2004361874A - 音楽再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲管理データを読み上げる、音楽再生装置から出力される音声に、エンターテイメント性を与えることを目的とする。
【解決手段】本発明の音楽再生装置は、記録媒体1から音楽データ2を読み出して再生すると共に、前記記録媒体1から前記音楽データ2に関する曲管理データ3を読み出して、前記曲管理データ3を音声合成して音声出力し、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データ3を音声合成する音声合成部10と、前記曲管理データ3と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲管理データ3に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成10に設定する制御部5とを具えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の音楽再生装置は、記録媒体1から音楽データ2を読み出して再生すると共に、前記記録媒体1から前記音楽データ2に関する曲管理データ3を読み出して、前記曲管理データ3を音声合成して音声出力し、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データ3を音声合成する音声合成部10と、前記曲管理データ3と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲管理データ3に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成10に設定する制御部5とを具えている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、音楽データを再生する音楽再生装置に関し、より詳細には、音楽データに関する曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MD(Mini Disk)、CD(Compact disk)等の記録媒体には、再生される音楽データに加えて、該音楽データに関する曲番号やタイトル等の曲管理データを記録することができる。音楽再生装置は、一般的に曲管理データをテキスト表示する表示部を具えているが、使用者の便宜を図るために曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−146579号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の音楽再生装置では、どのような音楽データを再生しても、曲管理データは同じ特性の音声で、すなわち声音や音量等が一定の音声で読み上げられる。これでは、使用者は、自らを楽しませるために音楽再生装置を用いて音楽鑑賞を行うにも拘わらず、非常に殺伐とした印象が使用者に与えられてしまう。また、例えば、従来の音楽再生装置では、再生される楽曲のジャンルがロックである場合と、クラシックである場合とで、同じ声音で曲管理データが読み上げられる。声音が落ち着いた感じに設定されていると、音楽再生装置を用いてロックを頻繁に聴く使用者は、曲管理データが読み上げられる度に違和感を感じてしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、音楽再生装置において、曲管理データを読み上げる音声にエンターテイメント性を与えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、前記曲管理データ、又は前記音楽データの曲調に基づいて、出力する音声の特性が定められることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データを音声合成する音声合成部と、前記曲管理データと前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲管理データに応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部に設定する制御部とを具えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データを音声合成する音声合成部と、前記音楽データを処理して前記音楽データの曲調情報を検出する曲調検出部と、前記曲調情報と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲調情報に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部に設定する制御部とを具えることを特徴とする。
【0009】
【作用及び効果】
曲管理データ、又は音楽データの曲調に基づいて、出力する音声の特性を定めることにより、音声合成されて出力される音声の特性を、すなわち、曲管理データを読み上げる音声の声音や音量等を、再生される楽曲に応じて変化させることができる。これにより、曲管理データを読み上げる音声にエンターテイメント性を与えることができる。さらに、曲管理データ又は曲調と音声の特性とを関連づけているので、再生される楽曲に適した声音の音声を出力させることができ、出力された音声によって使用者が違和感を感じることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例である音楽再生装置の概要を示すブロック図である。記録媒体たるハードディスク(1)には、音楽データ(2)、及び該音楽データ(2)に関する曲管理データ(3)が記録されている。図1では、夫々1つの音楽データ及び曲管理データが示されているが、ハードディスク(1)には複数の音楽データ(2)と、これら各々に関する曲管理データ(3)が記録されている。各音楽データ(2)はMP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer−3)方式でハードディスク(1)に記録されており、各曲管理データ(3)は、ID3タグとして対応する音楽データ(2)に付加されている。
【0011】
図2は、曲管理データ(3)の、すなわちID3タグの各項目を示す表である。ID3タグは、128バイト固定のデータであり、ID3タグの有無を識別可能とするために、最初の3バイトは文字列「TAG」が必ず設定される。3バイト目から32バイト目には、音楽データ(2)に係る楽曲のタイトル名が設定される。33バイト目から62バイト目には、楽曲のアーティスト名が、63バイト目から92バイト目には、楽曲が収められたアルバム名が設定される。93バイト目から96バイト目には、楽曲が発表された年が、97バイト目から124バイト目には、任意のコメントが設定される。125バイト目及び126バイト目には曲番号が設定され、127バイト目には、所定のジャンル表に対応して楽曲のジャンルを示す番号が設定される。曲番号及びジャンル番号は、文字コード列ではなくバイトデータとして記録される。
【0012】
音楽データ(2)は、読出部(4)によってハードディスク(1)から読み出される。読出部(4)は、磁気ヘッド、スピンドルモータ、これらを制御するサーボ機構やA/D変換器等を含んでおり、制御部(5)によって再生を指示された音楽データ(2)の読出しを行う。音楽データ再生部(6)は、読み出された音楽データ(2)に復号処理等を施し、該音楽データ(2)をアナログ音声信号に変換して出力する。音楽データ再生部(6)から出力されたアナログ音声信号は、加算器(7)を介して増幅部(8)に送られる。そして、アナログ音声信号は、増幅部(8)により増幅された後、スピーカ(9)から音声として出力される。
【0013】
制御部(5)により、音楽データ(2)に加えて該音楽データ(2)に付加された曲管理データ(3)の読出しが指示された場合(又は、曲管理データ(3)のみの読出しが指示された場合)、読出部(4)は、曲管理データ(3)をハードディスク(1)から読み出して制御部(5)及び音声合成部(10)に出力する。音声合成部(10)は、合成される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、入力された曲管理データ(3)の音声合成処理を行う。音声合成パラメータとしては、音声の声音を定める声質、ピッチ(声の高さ)及び話速(話す速さ)や、音声の音量を定めるパワー等がある。これら音声合成パラメータは可変となっており、制御部(5)は、曲調データに応じた音声合成パラメータの値を決定し、音声合成部(10)に設定する。
【0014】
音声合成部(10)は、制御部(5)より指定された項目の文字コード列について曲管理データ(3)の音声合成処理を行い、各文字コード列が表す文字列を順次読み上げる音声に係るアナログ音声信号を出力する。該アナログ音声信号は、加算器(7)を介して増幅部(8)に送られる。そして、アナログ音声信号は、増幅部(8)により増幅された後、スピーカ(9)から音声として出力される。音楽データ再生部(6)及び音声合成部(10)から出力されるアナログ音声信号を、加算器(7)を介して増幅部(8)に送ることにより、例えば、楽曲のイントロ部分を再生している際に、曲管理データ(3)の内容を読み上げる音声を出力できる。
【0015】
記憶部(11)には、ID3タグのジャンル番号と各ジャンル番号に対応したジャンルを表す文字コード列とが記憶されている。ジャンルを読み上げる音声を音声合成処理して出力する場合、制御部(5)は、取得した曲管理データ(3)のジャンル番号を参照し、該ジャンル番号に対応する文字コード列を記憶部(11)から読み出して音声合成部(10)に送る。曲番号を読み上げる音声を出力する場合も、同様に処理される。
【0016】
第1実施例の音楽再生装置では、曲管理データ(3)を読み上げる音声が合成される場合、制御部(5)は、該曲管理データ(3)のジャンル番号に基づいて音声合成パラメータの値を決定し、音声合成部(10)に設定する。記憶部(11)には、図3に示すような、ジャンル番号と各音声合成パラメータの値とを対応づけるテーブルが記憶されている。例えば、ジャズに対応するジャンル番号「8」には、声質に値「a1」が、ピッチに値「b1」が、話速に値「c1」が、パワーに値「d1」が与えられている。これらの値は、例えば、声質やピッチ等のレベルを示す数値となっている。
【0017】
各音声合成パラメータの値は、ジャンルに適した声音及び音量の音声が出力されるように定められている。例えば、ロックを示すジャンル番号「17」に対応する、声音を定める音声合成パラメータの値「a3」乃至「c3」は、ディスクジョッキー調の早口な男性の声が合成されるように定められており、クラシックを示すジャンル番号「32」に対応する、声音を定める音声合成パラメータの値「a4」乃至「c4」は、落ち着いた口調の女性の声が合成されるように定められている。また、ジャンル番号「17」に対応するパワーの値「d3」は、ジャンル番号「32」に対応するパワーの値「d4」よりも、大きな音量の音声が合成されるように定められている。
【0018】
次に、第1実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図4は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、図1に示す操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された複数の音楽データ(2)から再生を希望する音楽データを指定する(S1)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)に付加された曲管理データ(3)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された曲管理データ(3)は、制御部(5)及び音声合成部(10)に送られる(S2)。制御部(5)は、記憶部(11)から、曲管理データ(3)のジャンル番号に対応する一連の音声合成パラメータの値を読み出す(S3)。そして、制御部(5)は、読み出した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する(S4)。
【0019】
制御部(5)により設定された音声合成パラメータの値に基づいて、音声合成部(10)は、曲管理データ(3)の音声合成処理を行う(S5)。音声合成部(10)は、操作部(12)から制御部(5)を介して読み上げが指定された項目について、曲管理データ(3)の文字コード列を処理する。曲番号及び/又はジャンルの読み上げが指定されている場合には、先に説明したような処理がなされる。音声合成部(10)から出力されたアナログ音声信号は、増幅されてスピーカ(9)に送られる。そして、スピーカ(9)から、曲管理データ(3)の項目に設定された文字列を読み上げる音声が出力される。音声の出力が終了した後、制御部(5)は、読出部(4)に音楽データ(2)の読出しを指示する。読出部(4)から読み出された音楽データ(2)は、音楽データ再生部(6)で処理されて再生される(S6)。
【0020】
図5は、本発明の第2実施例である音楽再生装置の概要を示すブロック図である。この音楽再生装置は、第1実施例の音楽再生装置に音楽データ記憶部(21)及び曲調検出部(22)を加えた構成を有している。音楽データ記憶部(21)は、読出部(4)によってハードディスク(1)から読み出された音楽データ(2)を一時的に記憶する。曲調検出部(22)は、音楽データ(2)から曲調情報を検出して制御部(5)に送る。曲調情報としては、例えば、音楽データ(2)に係る楽曲の周波数分布情報、テンポ情報、音程情報及びリズム情報等がある。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から読み出した音楽データ(2)に高速フーリエ変換処理を施すことによって、楽曲の周波数分布を算出して周波数分布情報を検出する。さらに、曲調検出部(22)は、算出した周波数分布を用いてテンポ情報等の曲調情報を検出する。
【0021】
曲調検出部(22)は、例えば、算出された周波数分布が所定の第1範囲に収まる場合、「狭い」という周波数分布情報を、また、周波数分布が第1範囲よりも広い所定の第2範囲に収まらない場合、「広い」という周波数分布情報を制御部(5)に送る。何れでもない場合、曲調検出部(22)は、「普通」という周波数分布情報を制御部(5)に送る。周波数分布情報以外の曲調情報は、例えば、複数の周波数分布パターンを記憶しておき、算出された周波数分布をこれらパターンと比較して、パターンマッチングをすることにより検出される。例えば、楽曲のテンポが速い場合、普通の場合、及び遅い場合の各々について周波数分布パターンを定めておき、これらパターンと算出された周波数分布とを比較することにより、曲調検出部(22)は、楽曲のテンポを判断して、「速い」、「普通」又は「遅い」というテンポ情報を制御部(5)に送る。
【0022】
記憶部(11)には、曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルが記憶されており、制御部(5)は、このテーブルを参照して、曲調検出部(22)から送られた曲調情報に基づいて音声合成パラメータの値を決定する。図6は、このテーブルの一例である。本実施例では、周波数分布情報及びテンポ情報の2つの曲調情報から、音声合成パラメータの値を決定している。図6に示すテーブルでは、周波数分布情報とテンポ情報の組合せに対応して、一連の音声合成パラメータの値が与えられている。例えば、周波数分布情報が「狭い」であり且つテンポ情報が「速い」である場合に対応して、声質に値「a11」が、ピッチに値「b11」が、話速に値「c11」が、パワーに値「d11」が与えられている。これら音声合成パラメータの値「a11」乃至「d11」は、例えば、早口の男性の声音であると共に音量が比較的大きい音声が合成されるように定められており、周波数分布が「広い」であり且つテンポが「遅い」である場合に対応する音声合成パラメータの値「a16」乃至「d16」は、例えば、落ち着いた女性の声音であると共に音量が比較的小さい音声が合成されるように定められている。制御部(5)は、決定した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する。
【0023】
次に、第2実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図7は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された音楽データ(2)から再生を希望する音楽データを指定する(S21)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された音楽データ(2)は、音楽データ記憶部(21)に記憶される(S22)。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して、周波数分布情報及びテンポ情報を検出する処理を行う(S23)。曲調検出部(22)で検出された周波数分布情報及びテンポ情報は、制御部(5)に送られる。制御部(5)は、検出された周波数分布情報及びテンポ情報に対応する一連の音声合成パラメータの値を記憶部(11)から読み出し(S24)、これらの値を音声合成部(10)に設定する(S25)。
【0024】
音声合成部(10)は、制御部(5)により設定された音声合成パラメータの値に基づいて、曲管理データ(3)の音声合成処理を行う(S26)。音声合成部(10)は、操作部(12)から制御部(5)を介して読み上げが指定された項目について、曲管理データ(3)の文字コード列を処理する。曲番号及び/又はジャンルの読み上げが指定されている場合には、先に説明したような処理がなされる。音声合成部(10)から出力されたアナログ音声信号は、増幅されてスピーカ(9)に送られる。そして、スピーカ(9)から、曲管理データ(3)の項目に設定された文字列を読み上げる音声が出力される。音声の出力が終了した後、制御部(5)は、音楽データ再生部(6)に音楽データ(2)の再生を指示する。音楽データ再生部(6)は音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して処理し、該音楽データ(2)の再生が行われる(S27)。
【0025】
第1実施例では曲管理データを、第2実施例では曲調情報を用いて音声合成部(10)の音声合成パラメータを設定していたが、曲管理データ及び曲調情報の両方を用いて音声合成パラメータを設定してもよい。以下、本発明の第3実施例の音楽再生装置について説明する。第3実施例の音楽再生装置の構成は図5と同様であるが、図5に示す記憶部(11)には、図8に示すテーブルが記憶されており、制御部(5)は、曲管理データの一項目であるジャンル番号と曲調情報の一つであるテンポ情報に基づいて、音声合成部(10)に設定する音声合成パラメータの値を決定する。図8に示すテーブルでは、ジャンル番号とテンポ情報の組合せに対応して、一連の音声合成パラメータの値が与えられている。例えば、ジャンル番号が「8」(ジャズ)であり且つテンポが「速い」場合に対応する値「a21」乃至「d21」は、早口の女性の声音であり且つ音量が比較的小さい音声が合成されるように定められており、ジャンル番号が「13」(ポップ)であり且つテンポが「遅い」場合に対応する値「a26」乃至「d26」は、明るい緩やかな口調の男性の声音であり且つ音量が比較的大きい音声が合成されるように定められている。
【0026】
次に、第3実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図9は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された音楽データから再生を希望する音楽データ(2)を指定する(S41)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)及びこれに付加された曲管理データ(3)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された音楽データ(2)は音楽データ記憶部(21)に記憶され、曲管理データ(3)は制御部(5)に送られ、該制御部(5)を介して音声合成部(10)にも送られる(S42)。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して、テンポ情報を検出する処理を行う(S43)。曲調検出部(22)で検出されたテンポ情報は制御部(5)に送られ、制御部(5)は、ジャンル番号及びテンポ情報に対応する一連の音声合成パラメータの値を記憶部(11)から読み出し(S44)、読み出した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する(S45)。以下の処理(S46、S47)は、図7に示す処理(S26、S27)と同じであるので説明を省略する。
【0027】
上記実施例では、曲管理データ(3)及び/又は曲調情報に対応して、出力される音声の声音及び音量が変化するように音声合成パラメータの値を定めていたが、声音のみ又は音量のみが変化するように音声合成パラメータの値を定めてもよい。また、記録媒体にハードディスク(1)を使用した音楽再生装置を実施例として本発明を説明してきたが、本発明は、記録媒体にCDやMD等を使用した音楽再生装置にも適用することができる。第1実施例及び第3実施例では、曲管理データ(3)のジャンル番号と音声合成パラメータの値を対応づけているが、本発明の実施においては、曲管理データ(3)においてジャンルが文字コード列で与えられていてもよく、例えば、ジャンルを表す文字列又はアーティスト名等を表す文字列と音声合成パラメータの値を対応づけることにより、音声合成部(10)に設定する音声合成パラメータの値が決定されてもよい。
【0028】
また、本発明において、曲管理データ(3)及び/又は曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づける手段は、記憶部(11)に記憶されたテーブルに限定されることはない。音声合成パラメータの値を決定するために使用する曲管理データ(3)の項目の数及び種類、さらには曲調情報の数及び種類も、上記実施例に限定されることはなく、例えば、図2に示す曲管理データ(2)のタイトル名及びアーティスト名に設定された文字列により、さらには、これら文字列と曲調情報の幾つかとを組み合わせて音声合成パラメータの値を決定してもよい。
【0029】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である音楽再生装置のブロック図である。
【図2】ID3タグの内容を示す表である。
【図3】本発明の第1実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、ジャンル番号と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図4】本発明の第1実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例である音楽再生装置のブロック図である。
【図6】本発明の第2実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図7】本発明の第2実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、曲管理データ及び曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図9】本発明の第3実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1) ハードディスク
(2) 音楽データ
(3) 曲管理データ
(5) 制御部
(10) 音声合成部
(22) 曲調検出部
【発明が属する技術分野】
本発明は、音楽データを再生する音楽再生装置に関し、より詳細には、音楽データに関する曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MD(Mini Disk)、CD(Compact disk)等の記録媒体には、再生される音楽データに加えて、該音楽データに関する曲番号やタイトル等の曲管理データを記録することができる。音楽再生装置は、一般的に曲管理データをテキスト表示する表示部を具えているが、使用者の便宜を図るために曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−146579号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の音楽再生装置では、どのような音楽データを再生しても、曲管理データは同じ特性の音声で、すなわち声音や音量等が一定の音声で読み上げられる。これでは、使用者は、自らを楽しませるために音楽再生装置を用いて音楽鑑賞を行うにも拘わらず、非常に殺伐とした印象が使用者に与えられてしまう。また、例えば、従来の音楽再生装置では、再生される楽曲のジャンルがロックである場合と、クラシックである場合とで、同じ声音で曲管理データが読み上げられる。声音が落ち着いた感じに設定されていると、音楽再生装置を用いてロックを頻繁に聴く使用者は、曲管理データが読み上げられる度に違和感を感じてしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、音楽再生装置において、曲管理データを読み上げる音声にエンターテイメント性を与えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、前記曲管理データ、又は前記音楽データの曲調に基づいて、出力する音声の特性が定められることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データを音声合成する音声合成部と、前記曲管理データと前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲管理データに応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部に設定する制御部とを具えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の音楽再生装置は、記録媒体から音楽データを読み出して再生すると共に、前記記録媒体から前記音楽データに関する曲管理データを読み出して、前記曲管理データを音声合成して音声出力する音楽再生装置において、出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データを音声合成する音声合成部と、前記音楽データを処理して前記音楽データの曲調情報を検出する曲調検出部と、前記曲調情報と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、前記手段を用いて、前記曲調情報に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部に設定する制御部とを具えることを特徴とする。
【0009】
【作用及び効果】
曲管理データ、又は音楽データの曲調に基づいて、出力する音声の特性を定めることにより、音声合成されて出力される音声の特性を、すなわち、曲管理データを読み上げる音声の声音や音量等を、再生される楽曲に応じて変化させることができる。これにより、曲管理データを読み上げる音声にエンターテイメント性を与えることができる。さらに、曲管理データ又は曲調と音声の特性とを関連づけているので、再生される楽曲に適した声音の音声を出力させることができ、出力された音声によって使用者が違和感を感じることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例である音楽再生装置の概要を示すブロック図である。記録媒体たるハードディスク(1)には、音楽データ(2)、及び該音楽データ(2)に関する曲管理データ(3)が記録されている。図1では、夫々1つの音楽データ及び曲管理データが示されているが、ハードディスク(1)には複数の音楽データ(2)と、これら各々に関する曲管理データ(3)が記録されている。各音楽データ(2)はMP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer−3)方式でハードディスク(1)に記録されており、各曲管理データ(3)は、ID3タグとして対応する音楽データ(2)に付加されている。
【0011】
図2は、曲管理データ(3)の、すなわちID3タグの各項目を示す表である。ID3タグは、128バイト固定のデータであり、ID3タグの有無を識別可能とするために、最初の3バイトは文字列「TAG」が必ず設定される。3バイト目から32バイト目には、音楽データ(2)に係る楽曲のタイトル名が設定される。33バイト目から62バイト目には、楽曲のアーティスト名が、63バイト目から92バイト目には、楽曲が収められたアルバム名が設定される。93バイト目から96バイト目には、楽曲が発表された年が、97バイト目から124バイト目には、任意のコメントが設定される。125バイト目及び126バイト目には曲番号が設定され、127バイト目には、所定のジャンル表に対応して楽曲のジャンルを示す番号が設定される。曲番号及びジャンル番号は、文字コード列ではなくバイトデータとして記録される。
【0012】
音楽データ(2)は、読出部(4)によってハードディスク(1)から読み出される。読出部(4)は、磁気ヘッド、スピンドルモータ、これらを制御するサーボ機構やA/D変換器等を含んでおり、制御部(5)によって再生を指示された音楽データ(2)の読出しを行う。音楽データ再生部(6)は、読み出された音楽データ(2)に復号処理等を施し、該音楽データ(2)をアナログ音声信号に変換して出力する。音楽データ再生部(6)から出力されたアナログ音声信号は、加算器(7)を介して増幅部(8)に送られる。そして、アナログ音声信号は、増幅部(8)により増幅された後、スピーカ(9)から音声として出力される。
【0013】
制御部(5)により、音楽データ(2)に加えて該音楽データ(2)に付加された曲管理データ(3)の読出しが指示された場合(又は、曲管理データ(3)のみの読出しが指示された場合)、読出部(4)は、曲管理データ(3)をハードディスク(1)から読み出して制御部(5)及び音声合成部(10)に出力する。音声合成部(10)は、合成される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、入力された曲管理データ(3)の音声合成処理を行う。音声合成パラメータとしては、音声の声音を定める声質、ピッチ(声の高さ)及び話速(話す速さ)や、音声の音量を定めるパワー等がある。これら音声合成パラメータは可変となっており、制御部(5)は、曲調データに応じた音声合成パラメータの値を決定し、音声合成部(10)に設定する。
【0014】
音声合成部(10)は、制御部(5)より指定された項目の文字コード列について曲管理データ(3)の音声合成処理を行い、各文字コード列が表す文字列を順次読み上げる音声に係るアナログ音声信号を出力する。該アナログ音声信号は、加算器(7)を介して増幅部(8)に送られる。そして、アナログ音声信号は、増幅部(8)により増幅された後、スピーカ(9)から音声として出力される。音楽データ再生部(6)及び音声合成部(10)から出力されるアナログ音声信号を、加算器(7)を介して増幅部(8)に送ることにより、例えば、楽曲のイントロ部分を再生している際に、曲管理データ(3)の内容を読み上げる音声を出力できる。
【0015】
記憶部(11)には、ID3タグのジャンル番号と各ジャンル番号に対応したジャンルを表す文字コード列とが記憶されている。ジャンルを読み上げる音声を音声合成処理して出力する場合、制御部(5)は、取得した曲管理データ(3)のジャンル番号を参照し、該ジャンル番号に対応する文字コード列を記憶部(11)から読み出して音声合成部(10)に送る。曲番号を読み上げる音声を出力する場合も、同様に処理される。
【0016】
第1実施例の音楽再生装置では、曲管理データ(3)を読み上げる音声が合成される場合、制御部(5)は、該曲管理データ(3)のジャンル番号に基づいて音声合成パラメータの値を決定し、音声合成部(10)に設定する。記憶部(11)には、図3に示すような、ジャンル番号と各音声合成パラメータの値とを対応づけるテーブルが記憶されている。例えば、ジャズに対応するジャンル番号「8」には、声質に値「a1」が、ピッチに値「b1」が、話速に値「c1」が、パワーに値「d1」が与えられている。これらの値は、例えば、声質やピッチ等のレベルを示す数値となっている。
【0017】
各音声合成パラメータの値は、ジャンルに適した声音及び音量の音声が出力されるように定められている。例えば、ロックを示すジャンル番号「17」に対応する、声音を定める音声合成パラメータの値「a3」乃至「c3」は、ディスクジョッキー調の早口な男性の声が合成されるように定められており、クラシックを示すジャンル番号「32」に対応する、声音を定める音声合成パラメータの値「a4」乃至「c4」は、落ち着いた口調の女性の声が合成されるように定められている。また、ジャンル番号「17」に対応するパワーの値「d3」は、ジャンル番号「32」に対応するパワーの値「d4」よりも、大きな音量の音声が合成されるように定められている。
【0018】
次に、第1実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図4は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、図1に示す操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された複数の音楽データ(2)から再生を希望する音楽データを指定する(S1)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)に付加された曲管理データ(3)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された曲管理データ(3)は、制御部(5)及び音声合成部(10)に送られる(S2)。制御部(5)は、記憶部(11)から、曲管理データ(3)のジャンル番号に対応する一連の音声合成パラメータの値を読み出す(S3)。そして、制御部(5)は、読み出した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する(S4)。
【0019】
制御部(5)により設定された音声合成パラメータの値に基づいて、音声合成部(10)は、曲管理データ(3)の音声合成処理を行う(S5)。音声合成部(10)は、操作部(12)から制御部(5)を介して読み上げが指定された項目について、曲管理データ(3)の文字コード列を処理する。曲番号及び/又はジャンルの読み上げが指定されている場合には、先に説明したような処理がなされる。音声合成部(10)から出力されたアナログ音声信号は、増幅されてスピーカ(9)に送られる。そして、スピーカ(9)から、曲管理データ(3)の項目に設定された文字列を読み上げる音声が出力される。音声の出力が終了した後、制御部(5)は、読出部(4)に音楽データ(2)の読出しを指示する。読出部(4)から読み出された音楽データ(2)は、音楽データ再生部(6)で処理されて再生される(S6)。
【0020】
図5は、本発明の第2実施例である音楽再生装置の概要を示すブロック図である。この音楽再生装置は、第1実施例の音楽再生装置に音楽データ記憶部(21)及び曲調検出部(22)を加えた構成を有している。音楽データ記憶部(21)は、読出部(4)によってハードディスク(1)から読み出された音楽データ(2)を一時的に記憶する。曲調検出部(22)は、音楽データ(2)から曲調情報を検出して制御部(5)に送る。曲調情報としては、例えば、音楽データ(2)に係る楽曲の周波数分布情報、テンポ情報、音程情報及びリズム情報等がある。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から読み出した音楽データ(2)に高速フーリエ変換処理を施すことによって、楽曲の周波数分布を算出して周波数分布情報を検出する。さらに、曲調検出部(22)は、算出した周波数分布を用いてテンポ情報等の曲調情報を検出する。
【0021】
曲調検出部(22)は、例えば、算出された周波数分布が所定の第1範囲に収まる場合、「狭い」という周波数分布情報を、また、周波数分布が第1範囲よりも広い所定の第2範囲に収まらない場合、「広い」という周波数分布情報を制御部(5)に送る。何れでもない場合、曲調検出部(22)は、「普通」という周波数分布情報を制御部(5)に送る。周波数分布情報以外の曲調情報は、例えば、複数の周波数分布パターンを記憶しておき、算出された周波数分布をこれらパターンと比較して、パターンマッチングをすることにより検出される。例えば、楽曲のテンポが速い場合、普通の場合、及び遅い場合の各々について周波数分布パターンを定めておき、これらパターンと算出された周波数分布とを比較することにより、曲調検出部(22)は、楽曲のテンポを判断して、「速い」、「普通」又は「遅い」というテンポ情報を制御部(5)に送る。
【0022】
記憶部(11)には、曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルが記憶されており、制御部(5)は、このテーブルを参照して、曲調検出部(22)から送られた曲調情報に基づいて音声合成パラメータの値を決定する。図6は、このテーブルの一例である。本実施例では、周波数分布情報及びテンポ情報の2つの曲調情報から、音声合成パラメータの値を決定している。図6に示すテーブルでは、周波数分布情報とテンポ情報の組合せに対応して、一連の音声合成パラメータの値が与えられている。例えば、周波数分布情報が「狭い」であり且つテンポ情報が「速い」である場合に対応して、声質に値「a11」が、ピッチに値「b11」が、話速に値「c11」が、パワーに値「d11」が与えられている。これら音声合成パラメータの値「a11」乃至「d11」は、例えば、早口の男性の声音であると共に音量が比較的大きい音声が合成されるように定められており、周波数分布が「広い」であり且つテンポが「遅い」である場合に対応する音声合成パラメータの値「a16」乃至「d16」は、例えば、落ち着いた女性の声音であると共に音量が比較的小さい音声が合成されるように定められている。制御部(5)は、決定した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する。
【0023】
次に、第2実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図7は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された音楽データ(2)から再生を希望する音楽データを指定する(S21)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された音楽データ(2)は、音楽データ記憶部(21)に記憶される(S22)。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して、周波数分布情報及びテンポ情報を検出する処理を行う(S23)。曲調検出部(22)で検出された周波数分布情報及びテンポ情報は、制御部(5)に送られる。制御部(5)は、検出された周波数分布情報及びテンポ情報に対応する一連の音声合成パラメータの値を記憶部(11)から読み出し(S24)、これらの値を音声合成部(10)に設定する(S25)。
【0024】
音声合成部(10)は、制御部(5)により設定された音声合成パラメータの値に基づいて、曲管理データ(3)の音声合成処理を行う(S26)。音声合成部(10)は、操作部(12)から制御部(5)を介して読み上げが指定された項目について、曲管理データ(3)の文字コード列を処理する。曲番号及び/又はジャンルの読み上げが指定されている場合には、先に説明したような処理がなされる。音声合成部(10)から出力されたアナログ音声信号は、増幅されてスピーカ(9)に送られる。そして、スピーカ(9)から、曲管理データ(3)の項目に設定された文字列を読み上げる音声が出力される。音声の出力が終了した後、制御部(5)は、音楽データ再生部(6)に音楽データ(2)の再生を指示する。音楽データ再生部(6)は音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して処理し、該音楽データ(2)の再生が行われる(S27)。
【0025】
第1実施例では曲管理データを、第2実施例では曲調情報を用いて音声合成部(10)の音声合成パラメータを設定していたが、曲管理データ及び曲調情報の両方を用いて音声合成パラメータを設定してもよい。以下、本発明の第3実施例の音楽再生装置について説明する。第3実施例の音楽再生装置の構成は図5と同様であるが、図5に示す記憶部(11)には、図8に示すテーブルが記憶されており、制御部(5)は、曲管理データの一項目であるジャンル番号と曲調情報の一つであるテンポ情報に基づいて、音声合成部(10)に設定する音声合成パラメータの値を決定する。図8に示すテーブルでは、ジャンル番号とテンポ情報の組合せに対応して、一連の音声合成パラメータの値が与えられている。例えば、ジャンル番号が「8」(ジャズ)であり且つテンポが「速い」場合に対応する値「a21」乃至「d21」は、早口の女性の声音であり且つ音量が比較的小さい音声が合成されるように定められており、ジャンル番号が「13」(ポップ)であり且つテンポが「遅い」場合に対応する値「a26」乃至「d26」は、明るい緩やかな口調の男性の声音であり且つ音量が比較的大きい音声が合成されるように定められている。
【0026】
次に、第3実施例の音楽再生装置の再生処理の一例について説明する。図9は、該再生処理の概要を示すフローチャートである。まず、使用者は、操作部(12)を操作して、ハードディスク(1)に記憶された音楽データから再生を希望する音楽データ(2)を指定する(S41)。制御部(5)は、指定された音楽データ(2)及びこれに付加された曲管理データ(3)を読み出すように読出部(4)に指示し、読み出された音楽データ(2)は音楽データ記憶部(21)に記憶され、曲管理データ(3)は制御部(5)に送られ、該制御部(5)を介して音声合成部(10)にも送られる(S42)。曲調検出部(22)は、音楽データ記憶部(21)から音楽データ(2)を読み出して、テンポ情報を検出する処理を行う(S43)。曲調検出部(22)で検出されたテンポ情報は制御部(5)に送られ、制御部(5)は、ジャンル番号及びテンポ情報に対応する一連の音声合成パラメータの値を記憶部(11)から読み出し(S44)、読み出した音声合成パラメータの値を音声合成部(10)に設定する(S45)。以下の処理(S46、S47)は、図7に示す処理(S26、S27)と同じであるので説明を省略する。
【0027】
上記実施例では、曲管理データ(3)及び/又は曲調情報に対応して、出力される音声の声音及び音量が変化するように音声合成パラメータの値を定めていたが、声音のみ又は音量のみが変化するように音声合成パラメータの値を定めてもよい。また、記録媒体にハードディスク(1)を使用した音楽再生装置を実施例として本発明を説明してきたが、本発明は、記録媒体にCDやMD等を使用した音楽再生装置にも適用することができる。第1実施例及び第3実施例では、曲管理データ(3)のジャンル番号と音声合成パラメータの値を対応づけているが、本発明の実施においては、曲管理データ(3)においてジャンルが文字コード列で与えられていてもよく、例えば、ジャンルを表す文字列又はアーティスト名等を表す文字列と音声合成パラメータの値を対応づけることにより、音声合成部(10)に設定する音声合成パラメータの値が決定されてもよい。
【0028】
また、本発明において、曲管理データ(3)及び/又は曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づける手段は、記憶部(11)に記憶されたテーブルに限定されることはない。音声合成パラメータの値を決定するために使用する曲管理データ(3)の項目の数及び種類、さらには曲調情報の数及び種類も、上記実施例に限定されることはなく、例えば、図2に示す曲管理データ(2)のタイトル名及びアーティスト名に設定された文字列により、さらには、これら文字列と曲調情報の幾つかとを組み合わせて音声合成パラメータの値を決定してもよい。
【0029】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である音楽再生装置のブロック図である。
【図2】ID3タグの内容を示す表である。
【図3】本発明の第1実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、ジャンル番号と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図4】本発明の第1実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例である音楽再生装置のブロック図である。
【図6】本発明の第2実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図7】本発明の第2実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施例である音楽再生装置の記憶部に記憶された、曲管理データ及び曲調情報と音声合成パラメータの値を対応づけるテーブルの図である。
【図9】本発明の第3実施例である音楽再生装置の再生処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1) ハードディスク
(2) 音楽データ
(3) 曲管理データ
(5) 制御部
(10) 音声合成部
(22) 曲調検出部
Claims (3)
- 記録媒体(1)から音楽データ(2)を読み出して再生すると共に、前記記録媒体(1)から前記音楽データ(2)に関する曲管理データ(3)を読み出して、前記曲管理データ(3)を音声合成して音声出力する音楽再生装置において、
前記曲管理データ(3)、又は前記音楽データ(2)の曲調に基づいて、出力する音声の特性が定められることを特徴とする音楽再生装置。 - 記録媒体(1)から音楽データ(2)を読み出して再生すると共に、前記記録媒体(1)から前記音楽データ(2)に関する曲管理データ(3)を読み出して、前記曲管理データ(3)を音声合成して音声出力する音楽再生装置において、
出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データ(3)を音声合成する音声合成部(10)と、
前記曲管理データ(3)と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、
前記手段を用いて、前記曲管理データ(3)に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部(10)に設定する制御部(5)とを具えることを特徴とする音楽再生装置。 - 記録媒体(1)から音楽データ(2)を読み出して再生すると共に、前記記録媒体(1)から前記音楽データ(2)に関する曲管理データ(3)を読み出して、前記曲管理データ(3)を音声合成して音声出力する音楽再生装置において、
出力される音声の特性を定める複数の音声合成パラメータに基づいて、前記曲管理データ(3)を音声合成する音声合成部(10)と、
前記音楽データ(2)を処理して前記音楽データ(2)の曲調情報を検出する曲調検出部(22)と、
前記曲調情報と前記複数の音声合成パラメータの値とを対応づける手段と、
前記手段を用いて、前記曲調情報に応じた前記複数の音声合成パラメータの値を、前記音声合成部(10)に設定する制御部(5)とを具えることを特徴とする音楽再生装置。
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003163233A patent/JP2004361874A/ja not_active Withdrawn
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