JP2004361833A - カラーホイール、その製造方法、およびそれを備えた分光装置並びに画像表示装置 - Google Patents

カラーホイール、その製造方法、およびそれを備えた分光装置並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタ領域間を容易かつ高精度に位置合わせ可能なカラーホイールの製造方法を提供すること。
【解決手段】カラーホイール10が備える各フィルタ領域を、基板1の表面と裏面に分離して形成する。それによって、各フィルタ領域2、3の範囲を画定する凹凸構造をフィルタ形成工程以前に基板1上に一括して形成することが可能になり、かつフィルタ領域2を表面に、フィルタ領域と境界を接して隣り合うフィルタ領域3を裏面に形成することによって、フィルタ形成工程の間にたとえばマスク治具等の位置合わせを実施することなく、上記凹凸構造の精度をもってフィルタ領域間の位置合わせを実施することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時分割型の分光装置のフィルタ素子として好適なカラーホイール、その製造方法、およびそのカラーホイールを備えた分光装置並びに投射型の画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投射型の画像表示装置における色合成の方式は、画素毎の光量を調節して画像を生成するライトバルブ素子を1つ使用し、画素ごとにR(赤色)光、G(緑色)光、B(青色)光に分光する単板式、R光用、G光用、B光用にライトバルブ素子を3つ使用して並列に生成したR画像、G画像、B画像を合成する3板式などの方式が一般的であった。近年、たとえば強誘電性液晶表示素子やデジタルマイクロミラーデバイスなどの高速スイッチング可能なライトバルブ素子が実用化されるにつれて、1つのライトバルブ素子にR光、G光、B光を順次入射させ、そのライトバルブ素子を入射光の切り替えに同期させて駆動してR画像、G画像、B画像を時系列的に生成し、それらを順次スクリーン等に投射する時分割型の単板方式が広く使用されるようになってきている。この場合、画像の色合成はいわゆる残像効果により観察者の視覚系において実行されるものである。この方式は、装置の小型化、軽量化という単板式の特徴を比較的単純な光学系を用いて達成できるため、低コストで投射型の画像表示装置を実現する上で好適な方式である。カラーホイールは、このような画像表示装置において白色光源から出射する光をR、G、Bそれぞれの波長帯域の光に順次分光するための時分割型分光装置用のフィルタ素子として好適に使用されるものである(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなカラーホイールを備えた時分割型の分光装置の例を図10に示す。図10において、分光装置200はカラーホイール100と、ハブ105と、モータ106とを備えている。カラーホイール100は、たとえば光学ガラスなどの光透過性材料からなる円盤状の基板101上にたとえばR光のみを透過させるフィルタ領域102、G光のみを透過させるフィルタ領域103、B光のみを透過させるフィルタ領域104が形成され、ハブ105を介してモータ106に同軸に固定されている。この分光装置200は、モータ106の回転につれてカラーホイール100が回転し、カラーホイール100に入射する白色光Sの入射面に対するフィルタ領域がR領域102、G領域103、B領域104と順次切り替ることによって、入射白色光SをそれぞれR光、G光、B光に順次分光するものである。
【0004】
また、上述したような時分割型の色合成方式には、その1つの応用として白色光からたとえばB光のみが減光されたY(黄色)光、およびG光のみが減光されたM(マゼンタ)光を順次取り出し、引き続く光学系によってY光をR光およびG光、M光をR光およびB光にそれぞれ分割し、R画像およびG画像を並列に生成後、合成したY画像、同様にR画像およびB画像を並列に生成後、合成したM画像をスクリーン等に順次投射する方式も知られている。この方式では、R光用のライトバルブ素子が1つと、G光用とB光用とを兼ねるライトバルブ素子が1つと合計2つのライトバルブ素子が必要になるものの、白色光源から出射されるR光をすべて使用できるため画面の明るさを向上させることができる。この場合、分光装置には上記Y光およびM光をそれぞれ取り出す2色のフィルタ領域を有するカラーホイールが使用される。
【0005】
図11(a)は、上述した2色カラーホイールの例を示す平面図、図11(b)は図11(a)のA−A’断面線による断面図である。図10に示すカラーホイール100と同様に、このカラーホイール110は、たとえば光学ガラスなどの光透過性の材料からなる円盤状の基板111に、フィルタ領域112、113を形成してなるものであり、フィルタ領域112はたとえばB光だけを反射して残りの光を透過させるY透過フィルタ、フィルタ領域113はたとえばG光だけを反射して残りの光を透過させるM透過フィルタである。なお、以下において、説明のための例として主に上述した2色カラーホイールを用いるが、本発明が解決しようとする課題および解決するための手段は後述するようにカラーホイールが有するフィルタ領域の数によらないものである。
【0006】
フィルタ領域112、113を形成するフィルタには、通常、高屈折率の材料(例えば、TiO 、ZrO 、ZnS等)よりなる透明薄膜および低屈折率の材料(例えば、SiO 、MgF等)よりなる透明薄膜を、たとえば蒸着法やスパッタリング法等によって交互に複数積層した誘電体多層膜による光干渉フィルタが用いられる。この光干渉フィルタは、染色法や顔料分散法等で形成されるカラーフィルタに対し、耐久性(耐熱、耐光、耐薬品)に優れ、透過率が高く、シャープな分光特性が得やすい等の特長を有するため、高強度の光束の適用に耐え、かつ表示品位の高い画像を得るために好適なものである。
【0007】
ここで、上記誘電体多層膜からなるフィルタ領域の形成においてフィルタ領域を画定する手段としては、金属性の薄板からなるマスク治具(以下、メタルマスクと記す)を使用することが多い。このメタルマスクを使用したフィルタ領域の形成工程の例を図12(a)〜図12(d)に示す。各図には左側に平面図、右側にそのA−A’断面図が示されている。この工程は、まず、(a)基板111上にフィルタ領域112に対応する開口部212を有するメタルマスク210を配置して固定する工程、次に(b)蒸着法やスパッタリング法等によってフィルタ領域112を形成する工程、その後(c)フィルタ領域113に対応する開口部213を有するメタルマスク220を所定の位置に位置合わせして固定する工程、次に(d)蒸着法やスパッタリング法等によってフィルタ領域113を形成する工程からなる。このメタルマスクを使用する方法は、たとえばフォトリソグラフ法等と比較してコストおよび環境負荷の点で有利なものである。
【0008】
一方、一般にカラーホイールにおいて、異なる色に対応するフィルタ領域同士は、フィルタを形成しない無彩色領域を意図的に形成する場合を除いて、できるだけ突き合わせて形成することが望ましい。それは、フィルタ領域間の所定の色のいずれとも確定しない境界領域を通過した結果、画像生成用として使用できずに捨てられる光を低減させ、光の利用効率を高めるためである。したがって、上述した工程において、最初にフィルタ領域112を形成した後、次にフィルタ領域113を形成する際のメタルマスクの位置合わせを高精度に実施することが重要となる。そのため、図12(c)に示す上記位置合わせ工程において基準ピン等を使用した機械的な位置合わせの精度を補正するために、メタルマスク220を固定する前に、すでに形成されたフィルタ領域112の周縁部とメタルマスク220の開口部213の側壁w’とをたとえば顕微鏡等を用いて観察することによってメタルマスク220の位置を調整するといった手段が取られていた。
【0009】
しかしながら、上記位置合わせ手段には次のような問題が存在する。すなわち、通常メタルマスクは100μm程度の厚さを有しているため、たとえばフィルタ領域112の形成工程において、図12(b)に示すように、メタルマスク210の開口部212を形成する側壁wの厚みの影となって、フィルタを形成する誘電体多層膜が所定の膜厚にまで堆積されない領域Dが数10〜100μm程度の幅をもって発生する場合がある。この場合、上述した周縁部の領域Dでは、視認される色が所定の色から無彩色まで連続的に変化するため、図12(c)に示す位置合わせ工程において、たとえ顕微鏡等によって観察したとしても、フィルタ領域112とその周囲のフィルタ未形成領域との境界を明瞭に判別し、それによってフィルタ領域112の周縁部とマスク220の開口部側壁w’とを十分な精度で一致させることは困難である。したがって、フィルタ領域112、113はこの位置合わせ精度の範囲内で形成せざるを得ず、典型的には、図11(b)に示すようにフィルタ領域間の境界領域Bはフィルタ未形成部分Cを残して形成されていた。
【0010】
上記問題に関連して、従来、メタルマスク開口部側面による蒸着源からの粒子の入射制限を緩和し、開口周縁部の膜厚の均一化を達成することを目的として、メタルマスクの開口部に蒸着源に向かって孔径を大きくしたテーパを設けることなどが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−347639号公報
【特許文献2】
特開平11−222664号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、たとえば特許文献1には、フィルタ領域同士が突き合わされて形成されるのが望ましいことについての記載は存在するが、その具体的な実現方法については記載されていない。また、特許文献2に記載の方法は、周縁部までの膜厚の均一化に有効であって、かつテーパに沿った方向への膜の成長を促さない程度の最適なテーパ角度が存在し、かつそれを求めることが可能であれば、フィルタ領域の境界の明瞭化に一定の効果を奏することが予想されるものの、そのためにはその最適角度をたとえば膜材料、成膜方法およびその条件、所望の膜厚、使用するメタルマスクの厚さなどの様々な条件ごとに予め理論的、実験的に求める必要があり、少なくともカラーホイールへの製造に直ちに適用可能であるとは言えない。
【0013】
上記課題に鑑みて、本発明は、隣接するフィルタ領域同士が高精度に位置合わせされたカラーホイールと、そのカラーホイールを容易かつ安価に製造する方法とを提供し、かつそのカラーホイールを使用した時分割型の分光装置並びに画像表示装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1によれば、光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールの製造方法であって、前記基板の一方の面側および他方の面側に所定の前記フィルタ領域を定める凹部を有する凹凸構造を形成する工程と、前記基板の一方の面側および他方の面側に所定のフィルタを形成する工程と、前記基板の一方の面側および他方の面側に形成された前記凹凸構造の凸部を削除する工程とを備えていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2によれば、請求項1に記載のカラーホイールの製造方法において、前記凹凸構造を形成する工程は、前記基板の一方の面側に形成する前記フィルタ領域を定める開口部を有する第1のマスク治具と、前記基板の他方の面側に形成する前記フィルタ領域を定める開口部を有する第2のマスク治具とを用意するステップと、前記第1のマスク治具を前記基板の一方の面側に配置し、かつ前記第2のマスク治具を前記基板の他方の面側に配置して、前記第1のマスク治具と前記第2のマスク治具と前記基板とを固定するステップとを含み、前記凸部を削除する工程は、前記第1のマスク治具と前記第2のマスク治具とを前記基板から取り外すステップを含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3によれば、請求項1に記載のカラーホイールの製造方法において、前記凹凸構造を形成する工程は、前記基板の一方の面側および他方の面側に前記凹凸構造を前記基板と一体に形成するステップを含み、前記凸部を削除する工程は、研磨加工によって前記凸部を削除するステップを含むことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4によれば、請求項3に記載のカラーホイールの製造方法において、前記凹凸構造を前記基板と一体に成形するステップは、型成形、接着、エッチングのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせを含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項5によれば、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のカラーホイールの製造方法であって、前記フィルタを形成する工程は、前記基板上に誘電体多層膜を成膜するステップを含むことを特徴とする。
【0019】
また、請求項6によれば、光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールであって、それぞれの前記フィルタ領域は前記基板の一方の面側または他方の面側のいずれかに形成され、境界を接して隣り合うフィルタ領域は前記基板の異なる面側に形成されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7によれば、光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールと、それを回転させるモータとを有する分光装置であって、前記カラーホイールが請求項6に記載のカラーホイールであることを特徴とする。
【0021】
また、請求項8によれば、光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールと、それを回転させるモータとを有する分光装置を備えた画像表示装置であって、前記カラーホイールは請求項6に記載のカラーホイールであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は本発明の第1の実施形態であるカラーホイールを示す平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面線による断面図である。このカラーホイール10は、たとえばガラスもしくは樹脂材料などの光透過性の材料からなる円盤状の基板1の一方の面(以後、表面と記す)に3ヶ所のフィルタ領域2を、同様に他方の面(以後、裏面と記す)に3ヶ所のフィルタ領域3を形成してなるものである。表面に形成されたフィルタ領域2はいずれもたとえばB光だけを反射してその他の波長帯域の光を透過させるY透過フィルタ、裏面に形成されたフィルタ領域3はいずれもたとえばG光だけを反射してその他の波長帯域の光を透過させるM透過フィルタとし、したがって、このカラーホイール10は透過型の2色カラーホイールとして機能するものである。ここで、すべてのフィルタ領域2、3は、蒸着法やスパッタリング法などによって成膜された誘電体多層膜からなる公知の光干渉フィルタとする。上記基板1を形成する光透過性の材料としては、たとえばホウケイ酸ガラス等の光学ガラス材料、またはポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の光学プラスチック材料が好適である。なお、以下の説明において、カラーホイール上に形成される各フィルタ領域は所望の波長帯域の光のみを透過させて入射光を濾波するものとして説明するが、本発明は、所望の波長帯域の光のみを反射させて入射光を濾波するように形成されたフィルタ領域を備えるカラーホイールを含むものである。
【0023】
本実施形態において、各フィルタ領域間の境界領域Bは必ず基板1の表面側と裏面側にまたがって存在し、表面上に形成されたフィルタ領域2同士および裏面上に形成されたフィルタ領域3同士は境界を接して隣合うことがないように配置されている。
【0024】
次に、図2および図3を参照して、図1に示す本実施形態におけるカラーホイール10の製造方法を説明する。本発明に係るカラーホイールの製造方法は、基板の表面および裏面にそれぞれ所定のフィルタ領域を定める凹部を有する凹凸構造を形成する工程と、基板の表面および裏面にそれぞれ所定のフィルタを形成する工程と、基板の表面および裏面の凹凸構造から凸部を削除する工程とを備えるものである。
【0025】
本実施形態では、図2に示すように、上記凹凸構造はフィルタ領域に対応する部分を露出し、残りの部分を保護してフィルタ領域を画定するマスク治具を基板上に配置することによって形成される。ここで、図2(a)は上記マスク治具を基板上に配置した状態を表面側から見た平面図であり、図2(c)は同様に裏面側から見た平面図である。また、図2(b)は図2(a)のA−A’断面線による断面図である。本実施形態では、マスク治具として金属製の薄板をたとえば電鋳法、エッチング法、レーザー加工法等によって加工製造した公知のメタルマスクを使用するものとする。図2において、基板1の表面にはフィルタ領域2に対応する開口部12を有するメタルマスクである第1のマスク治具5が配置され、基板1の裏面にはフィルタ領域3に対応する開口部13を有するメタルマスクである第2のマスク治具6が配置されている。本実施形態では、開口部12、13がそれぞれ基板1の表面および裏面と共に上記凹凸構造における凹部を形成するものである。この際、表面側の開口部12と裏面側の開口部13とは互いに重なり合う領域を有さず、開口部12の半径方向の側壁部分12a、12b、12cは、開口部13の半径方向の側壁部分13a、13b、13cと、それぞれほぼ同面になるように設定されている。
【0026】
次に、図3に従って上述した各工程を説明する。ここで図3(a)〜図3(c)は、図2(b)と同様の断面図によって各工程を示した図である。まず、図3(a)は上述した凹凸構造の形成工程を示す。この際、基板1、メタルマスク5、およびメタルマスク6の位置合わせは、図示しない基準ピン等を使用した機械的な位置合わせに加えて、たとえば開口部12の半径方向の側壁部分12aと開口部13の側壁部分13aのようなメタルマスク5およびメタルマスク6の対応する部分を、たとえば顕微鏡等を用いて観察することによって調整されるものである。したがって、基板1上に形成される各フィルタ領域間の位置合わせ精度は、数μm程度のメタルマスクの加工精度をもってこの工程で確定する。
【0027】
次に、図3(b)はフィルタの形成工程を示す図である。この工程において、誘電体多層膜からなる所定の光干渉フィルタが蒸着法やスパッタリング法などの公知の薄膜形成工程によって形成される。この際、本実施形態では、上述したように各フィルタが形成される領域は直前の工程によって予め一括して画定されているため、従来のフィルタ形成工程のようにたとえば形成するフィルタ領域の種類ごとにメタルマスクを交換するかもしくはその位置をずらし、直前に形成されたフィルタ領域の周縁部等を基準にして次の位置合わせを実施するといった工程を経ることなく、全フィルタ領域が形成されるものである。また、両面同時成膜が可能な装置を使用することによって、表面のフィルタ領域2と裏面のフィルタ領域3とを同時に形成することも任意に選択できる。このフィルタ形成工程の終了後、図3(c)に示すように、メタルマスク5とメタルマスク6とを基板1から取り外すことによって、これらのメタルマスクによって形成されていた凸部が基板1上から削除され、図1に示すカラーホイール10を得る。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態であるカラーホイールおよびその製造方法を説明する。図4(a)は本発明の第2の実施形態であるカラーホイールを示す平面図、図4(b)は図4(a)のA−A’断面線による断面図である。このカラーホイール20は、たとえばガラス材料もしくは樹脂材料などの光透過性の材料からなる円盤状の基板21の表面に3ヶ所のフィルタ領域22を、同様に裏面に3ヶ所のフィルタ領域23を形成してなるものである。表面に形成されたフィルタ領域22はいずれもたとえばB光だけを反射して残りの光を透過させるY透過フィルタ、裏面側に形成されたフィルタ領域23はいずれもたとえばG光だけを反射して残りの光を透過させるM透過フィルタとし、したがって、このカラーホイール20は透過型の2色カラーホイールとして機能するものである。また、すべてのフィルタ領域22、23は、蒸着法やスパッタリング法などによって成膜された誘電体多層膜からなる公知の光干渉フィルタとする。上記基板21を形成する光透過性の材料としては、たとえばホウケイ酸ガラス等の光学ガラス材料、またはポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の光学プラスチック材料が好適である。
【0029】
本実施形態においても、上述した第1の実施形態におけるカラーホイール10と同様に、各フィルタ領域間の境界領域Bは必ず基板21の表面側と裏面側にまたがって存在し、表面側に形成されたフィルタ領域22同士および裏面側に形成されたフィルタ領域23同士は境界を接して隣合うことがないように配置されている。ただし本実施形態では、各フィルタ領域22、23は後述する製造方法に従って基板21に埋め込まれるような態様で形成されている。
【0030】
次に、図5および図6を参照して、図4に示す本実施形態におけるカラーホイール20の製造方法を説明する。本発明に係るカラーホイールの製造方法は、上述したように基板の表面および裏面にそれぞれ所定のフィルタ領域を定める凹部を有する凹凸構造を形成する工程と、基板の表面および裏面にそれぞれ所定のフィルタを形成する工程と、基板の表面および裏面の凹凸構造から凸部を削除する工程とを備えるものであるが、本実施形態では、図5に示すように、上記凹凸構造は円盤状の基板21と一体に形成されるものである。
【0031】
図5(a)は上記凹凸構造が形成された基板21を表面側から見た平面図であり、図5(c)は同様に裏面側から見た平面図である。また、図5(b)は図5(a)のA−A’断面線による断面図である。図5において、基板21の表面にはフィルタ領域22に対応する凹部32が、裏面にはフィルタ領域23に対応する凹部33がそれぞれ形成され、凸部34と共に本実施形態における凹凸構造を形成している。この際、表面側の凹部32と裏面側の凹部33とは互いに重なり合う領域を有さず、凹部32の半径方向の側壁部分32a、32b、32cは、凹部33の半径方向の側壁部分33a、33b、33cと、それぞれほぼ同面になるように設定されるものである。また、この凹凸構造の段差は、好ましくは凹部32、33に形成されるフィルタの膜厚(通常1μm〜4μm)の2倍から10倍程度に設定されるものである。
【0032】
ここで、上述したような凹凸構造を基板21と一体に形成するには、たとえばレンズや回折格子等の光学素子の成形、またはCDやDVD等の光情報記録媒体の基板成形等に使用される、ガラス材料や樹脂材料を高精度に成形するための任意の方法が適用できる。具体的には、基板21がガラスからなる場合には、たとえば溶融プレス成形などの型成形、接着による貼り合わせ、エッチングによる凹部形成などが使用でき、基板21が樹脂材料からなる場合には、たとえば鋳造、射出成形、圧縮成形などの型成形のほか、ガラスの場合と同様に接着による貼り合わせ、エッチングによる凹部形成などが使用できる。ここで、上記接着にはいわゆる接着剤を使用する方法の他、熱によって材料を溶融して接着するいわゆる溶着法も含むものとする。また、必要に応じてこれらの成形方法を組み合わせて使用することも任意に選択できる。上述した成形方法によって、基板21に数μm程度の加工精度をもって上記凹凸構造を形成することができる。
【0033】
なお、エッチングによって凹部を形成する際には、たとえばフォトプロセスを使用したパターニングが必要となるが、従来同様のフォトプロセスによってフィルタ領域を形成する際には、フォトレジストの塗膜、露光、現像、成膜、フォトレジストの除去といった一連の工程がフィルタ領域の種類ごとに必要となるのに対して、本工程におけるエッチングでは、後に形成すべきフィルタ領域の種類によらず、必要な一連の工程は片面ずつ加工する場合には2回、または両面同時に加工する場合には1回のみであるため、高精度なパターニングを維持しながら必要な工数を低減することができる点で有利であり、このことは特に3色カラーホイールを製造する場合において顕著である。
【0034】
次に、図6に従って上述した各工程を説明する。ここで図6(a)〜図6(c)は、図5(b)と同様の断面図によって各工程を示した図である。まず、図6(a)は上述した方法によって凹凸構造が一体に形成された基板21を示す図である。本実施形態において、基板21上に形成される各フィルタ領域22、23の範囲は基板21と一体に形成された上記凹凸構造の加工精度をもって基板21に予め作り込まれるものであり、各フィルタ領域間の位置合わせ精度はこの工程で確定する。
【0035】
次に、図6(b)はフィルタの形成工程を示す図である。この工程において、誘電体多層膜からなる所定の光干渉フィルタが蒸着法やスパッタリング法などの公知の薄膜形成工程によって形成される。この際、本実施形態では、上述したように各フィルタが形成される領域は基板21と一体に形成された凹凸構造によって予め一括して画定されているため、従来のフィルタ形成工程のようにたとえば形成するフィルタ領域の種類ごとにメタルマスクを交換するかもしくはその位置をずらし、直前に形成されたフィルタ領域の周縁部等を基準にして次の位置合わせを実施するといった工程を経ることなく、全フィルタ領域が形成されるものである。また、両面同時成膜が可能な装置を使用することによって、表面のフィルタ領域22と裏面のフィルタ領域23とを同時に形成することも任意に選択できる。
【0036】
上記フィルタ形成工程の終了後、図3(c)に示すように、たとえば光学素子等の加工に使用される通常の研磨装置によって凸部34を研磨して削除し、図4に示すカラーホイール20を得る。
【0037】
次に、本発明の第3の実施形態として本発明に係る3色カラーホイールおよびその製造方法を説明する。なお、以下の説明において上述した第1および第2の実施形態と共通の部分はその説明および図示を省略し、本実施形態に特徴的な部分のみを詳述する。
【0038】
図7(a)および図7(b)は、本発明に係る3色カラーホイールを示す平面図である。図7(a)において、カラーホイール40は、円盤状の基板の表面に3ヶ所のフィルタ領域41、43、45を、同様に裏面に3ヶ所のフィルタ領域42、44、46を形成してなるものである。ここで、表面に形成された3ヶ所のフィルタ領域のうち、フィルタ領域41はR光だけ透過させるR透過フィルタ、フィルタ領域43はB光だけを透過するB透過フィルタ、フィルタ領域45はG光だけ透過させるG透過フィルタである。また、裏面に形成された3ヶ所のフィルタ領域のうち、フィルタ領域42はG透過フィルタ、フィルタ領域44はR透過フィルタ、フィルタ領域46はB透過フィルタである。
【0039】
カラーホイール40は、上述した第1および第2の実施形態におけるカラーホイールの製造方法と同様な方法で製造することができるが、フィルタを形成する工程に上述した実施形態における方法とは異なる点が存在する。以下、第1の実施形態におけるカラーホイールの製造方法に沿って本実施形態におけるカラーホイールの製造方法を説明する。
【0040】
本実施形態では、上記凹凸構造の形成工程において、基板の表面にはフィルタ領域41、43、45に対応する開口部を有するメタルマスクが配置され、基板の裏面にはフィルタ領域42、44、46に対応する開口部を有するメタルマスクが配置される。その際、基板上に形成される各フィルタ領域41〜46間の位置合わせ精度が数μm程度のメタルマスクの加工精度をもってこの工程で確定することは上述した第1の実施形態における製造方法と同様である。
【0041】
しかしながら、本実施形態では、表面および裏面に形成されるフィルタ領域がR透過フィルタ領域41、B透過フィルタ領域43、G透過フィルタ領域45の3種類であるため、次のフィルタの形成工程において所定の光干渉フィルタを形成する際に、上記3種類のフィルタ領域のそれぞれを個別に形成するものである。そのため、たとえば表面のR透過フィルタ領域41を形成する際には、補助的なマスク治具等を用いてB透過フィルタ領域43およびG透過フィルタ領域45を保護し、B透過フィルタ領域43を形成する際にはR透過フィルタ領域41およびG透過フィルタ領域45を保護し、G透過フィルタ領域45を形成する際にはR透過フィルタ領域41およびB透過フィルタ領域43を保護する必要がある。裏面についても同様であり、このような個別のフィルタ形成工程が、表裏個別にフィルタを形成する際には6回、たとえば表面のR透過フィルタ領域41と裏面のR透過フィルタ領域44などの同一種類のフィルタ領域を同時に形成するなど、両面同時成膜を適用する場合には3回必要となる。ただし、この場合でも、上述した補助的なマスク治具は各フィルタ領域の範囲の画定およびフィルタ領域間の位置合わせ精度に影響を及ぼすものではなく、単にその時点でフィルタの形成が不要な領域を保護すればよいだけである。
【0042】
図7(b)は、本発明に係る3色カラーホイールの別の例を示す平面図である。図7(b)において、カラーホイール50は、円盤状の基板の表面に4ヶ所のフィルタ領域51、53、55、57を、同様に裏面に2ヶ所のフィルタ領域52、56を形成してなるものである。また、このカラーホイール50には意図的にフィルタを形成しない無彩色領域54、58が存在している。このような無彩色領域は、たとえば投射型の画像表示装置において画像全体の明るさを向上させるために使用されるものである。ここで、表面に形成された4ヶ所のフィルタ領域のうち、フィルタ領域51、55はR透過フィルタ、フィルタ領域53、57はB透過フィルタであり、裏面に形成された2ヶ所のフィルタ領域52、56はG透過フィルタである。
【0043】
カラーホイール50は、カラーホイール40が基板の表裏それぞれに3種類の異なるフィルタ領域を有するのに対して、表面に2種類、裏面に1種類のフィルタ領域を有する点で異なっている。したがって、上述したフィルタ形成工程において片面ごとにフィルタを形成する場合でも、必要な個別のフィルタ形成工程は従来の3色カラーホイールの場合と同様に3回のみである。
【0044】
次に、本発明の第4の実施形態として本発明に係る分光装置を説明する。図8(a)は本発明に係る分光装置の一実施形態を示す正面図、図8(b)は同様に側面図である。本実施形態において分光装置60は、本発明に係るカラーホイール61と、カラーホイール61を回転させるモータ63と、カラーホイール61をモータ63に取り付けるためのハブ62を備えてなり、カラーホイール61は、その内周部がたとえば接着剤等によってハブ62に固着され、ハブ62とモータ63も接着剤もしくはねじ等の機械的手段によって固着されている。カラーホイール61は、境界を接して隣合うフィルタ領域が、同一面側に配置されることなく基板の表面および裏面に形成されたカラーホイールであって、具体的には上述した実施形態に記載されたような2色または3色のカラーホイールである。なお、カラーホイール61は、ハブ62を介さずにモータ63と共通のシャフト等を使用してモータ63に固着するものであってもよい。
【0045】
次に、本発明の第5の実施形態として本発明に係る画像表示装置を説明する。図9は本発明に係る画像表示装置の一実施形態を示す概略構成図である。図9(a)には3色カラーホイール有する分光装置と1つのライトバルブ素子を備えた画像表示装置の例を示し、図9(b)には2色カラーホイールを有する分光装置と2つのライトバルブ素子を備えた画像表示装置の例を示す。図9(a)において画像表示装置70は、たとえばメタルハライドランプ等からなる白色光源71と、3色カラーホイールを有する分光装置72と、たとえばデジタルマイクロミラーデバイスのような反射型のライトバルブ素子73と、投射レンズ系74とを備えている。白色光源71から出射された白色光は、3色カラーホイールを有する分光装置72によってたとえばR光、G光、B光に順次分光されてライトバルブ素子73に入射し、ライトバルブ素子73は各入射光を変調してR画像、G画像、B画像を順次生成し、生成された各画像は投射レンズ系74によって順次投射されてフルカラー画像が合成される。ここで、分光装置72は、たとえば上述した第4の実施形態に記載された本発明に係る分光装置であり、第3の実施形態に記載されたような3色カラーホイールを有して入射光の分光を実行するものである。
【0046】
図9(b)において画像表示装置80は、たとえばメタルハライドランプ等からなる白色光源81と、2色カラーホイールを有する分光装置82と、ミラー83と、全反射プリズム84と、ダイクロイックプリズム85と、たとえばデジタルマイクロミラーデバイスのような反射型のライトバルブ素子86、87と、投射レンズ系88とを備えている。白色光源81から出射された白色光は、2色カラーホイールを有する分光装置72によって、たとえばY光およびM光に順次分光され、ミラー83および全反射プリズム84によって光路が変更されてダイクロイックプリズム85に入射する。ダイクロイックプリズム85は、たとえばR光のみを透過させ、その他の波長帯域の光を反射する特性を有するものであり、入射したY光はR光およびG光に分光されてそれぞれライトバルブ素子86およびライトバルブ素子87に入射し、同様にM光はR光およびB光に分光されてそれぞれライトバルブ素子86およびライトバルブ素子87に入射する。ライトバルブ素子86は入射R光を変調してR画像を生成し、またライトバルブ素子87は入射G光および入射B光を変調してそれぞれG画像、B画像を生成する。生成されたR画像およびG画像、R画像およびB画像は、再びダイクロイックプリズム85に入射してそれぞれY画像およびM画像に順次合成され、合成されたY画像およびM画像は全反射プリズム84を透過した後投射レンズ系88によって順次投射されてフルカラー画像が合成される。ここで、分光装置82は、たとえば上述した第4の実施形態に記載された本発明に係る分光装置であり、第1および第2の実施形態に記載されたような2色カラーホイールを有して入射光の分光を実行するものである。
【0047】
なお、上述した画像表示装置70および画像表示装置80において、ライトバルブ素子73およびライトバルブ素子86、87はすべて反射型のものとしたが、本発明に係る画像表示装置はこの態様に限定されるものではなく、これらのライトバルブ素子73またはライトバルブ素子86、87のいずれかもしくは両方を、たとえば液晶ライトバルブ素子のような透過型のライトバルブ素子としてもよい。また、本発明に係る画像表示装置において、図9(a)および図9(b)に図示されていない任意の光学系および制御系を追加できることは当業者にとって自明のことである。
【0048】
これまで、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明はここに記載した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び修正を含み、添付された特許請求の範囲またはその技術的思想から逸脱しないものを含むものである。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るカラーホイールの製造方法によれば、境界を接して隣合うフィルタ領域を基板の表裏に分離して形成することによって、各フィルタ領域の範囲をフィルタの形成工程以前に予め一括して画定できるため、直前に形成されたフィルタ領域の不明瞭な周縁部を基準として次のフィルタ領域を形成する位置を定めるという工程を経ることなく、すべてのフィルタ領域を形成することが可能となる。さらに、フィルタの形成工程を基板の両面に対して同時に進行させることによってフィルタ形成工程の工数を低減させることが可能となる。
【0050】
特に、請求項2に記載のカラーホイールの製造方法によれば、形成されるフィルタ領域の周縁部よりもはるかに明瞭なマスク治具の開口部を基準として各フィルタ領域を画定する範囲の位置合わせを実施することができるため、フィルタ領域間の高精度な位置合わせを容易に実施することが可能となる。
【0051】
また、請求項3に記載のカラーホイールの製造方法によれば、フィルタ領域を画定する凹凸構造は基板と一体に形成されるため、各フィルタ領域を画定する範囲はその加工精度をもって予め基板に作り込まれ、基板形成後の位置合わせ工程を一切経ることなくすべてのフィルタ領域を形成することが可能となる。
【0052】
さらに、請求項4に記載のカラーホイールの製造方法によれば、フィルタ領域を画定する凹凸構造は、型成形、接着、エッチングといった、たとえば精密光学素子を成形するために使用される高精度な成形方法を使用して基板と一体に形成することができるため、フィルタ領域間の高精度な位置合わせを容易に実施することが可能となる。
【0053】
さらに、請求項5に記載のカラーホイールの製造方法によれば、各フィルタ領域は誘電体多層膜からなる光干渉フィルタによって形成されるため、上述した効果に加えて耐久性(耐熱、耐光、耐薬品)に優れ、透過率が高く、シャープな分光特性を有するカラーホイールを得ることが可能となる。
【0054】
また、請求項6に記載のカラーホイールによれば、境界を接して隣り合うフィルタ領域が基板の異なる面側に形成されているため、そのカラーホイールを請求項1ないし5のいずれかに記載の方法によって製造することができ、フィルタ領域の境界部分におけるフィルタ未形成領域を、たとえば数μm程度の最小限の幅に抑えることが可能となる。
【0055】
請求項7に記載の分光装置によれば、使用されるカラーホイール上の各フィルタ領域の境界部分におけるフィルタ未形成領域が最小限に抑えられているため、分光装置に入射する白色光を高効率に利用することが可能となる。
【0056】
請求項8に記載の画像表示装置によれば、入射白色光を高効率に利用可能な分光装置を備えているため、表示品位の高い画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるカラーホイールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’における断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるカラーホイールの製造方法において、凹凸構造を形成する工程を示す図であり、(a)は表面より見た平面図、(b)は(a)のA−A’における断面図、(c)は裏面より見た平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるカラーホイールの製造方法において、各工程を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるカラーホイールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’における断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるカラーホイールの製造方法において、凹凸構造を形成する工程を示す図であり、(a)は表面より見た平面図、(b)は(a)のA−A’における断面図、(c)は裏面より見た平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるカラーホイールの製造方法において、各工程を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるカラーホイールを示す平面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における分光装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における画像表示装置の概略を示す構成図であり、(a)は3色カラーホイールを使用した例を示し、(b)は2色カラーホイールを使用した例を示すものである。
【図10】カラーホイールを使用した従来の分光装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】従来のカラーホイールを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図12】従来のカラーホイールの製造方法における各工程を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 Y光透過フィルタ領域
3 M光透過フィルタ領域
5 第1のマスク治具
6 第2のマスク治具
10 2色カラーホイール
12 開口部(凹部)
13 開口部(凹部)
20 2色カラーホイール
21 基板
22 Y光透過フィルタ領域
23 M光透過フィルタ領域
32 凹部
33 凹部
34 凸部
40 3色カラーホイール
50 3色カラーホイール
60 分光装置
70 画像表示装置
80 画像表示装置

Claims (8)

  1. 光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールの製造方法であって、
    前記基板の一方の面側および他方の面側に所定の前記フィルタ領域を定める凹部を有する凹凸構造を形成する工程と、
    前記基板の一方の面側および他方の面側に所定のフィルタを形成する工程と、
    前記基板の一方の面側および他方の面側に形成された前記凹凸構造の凸部を削除する工程とを備えていることを特徴とするカラーホイールの製造方法。
  2. 前記凹凸構造を形成する工程は、
    前記基板の一方の面側に形成する前記フィルタ領域を定める開口部を有する第1のマスク治具と、前記基板の他方の面側に形成する前記フィルタ領域を定める開口部を有する第2のマスク治具とを用意するステップと、
    前記第1のマスク治具を前記基板の一方の面側に配置し、かつ前記第2のマスク治具を前記基板の他方の面側に配置して、前記第1のマスク治具と前記第2のマスク治具と前記基板とを固定するステップとを含み、
    前記凸部を削除する工程は、前記第1のマスク治具と前記第2のマスク治具とを前記基板から取り外すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーホイールの製造方法。
  3. 前記凹凸構造を形成する工程は、前記基板の一方の面側および他方の面側に前記凹凸構造を前記基板と一体に形成するステップを含み、
    前記凸部を削除する工程は、研磨加工によって前記凸部を削除するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーホイールの製造方法。
  4. 前記凹凸構造を前記基板と一体に形成するステップは、型成形、接着、エッチングのいずれか1つまたはこれらの任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項3に記載のカラーホイールの製造方法。
  5. 前記フィルタを形成する工程は、前記基板上に誘電体多層膜を成膜するステップを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のカラーホイールの製造方法。
  6. 光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールであって、
    それぞれの前記フィルタ領域は前記基板の一方の面側または他方の面側のいずれかに形成され、
    境界を接して隣り合うフィルタ領域は前記基板の異なる面側に形成されていることを特徴とするカラーホイール。
  7. 光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールと、それを回転させるモータとを有する分光装置であって、前記カラーホイールが請求項6に記載のカラーホイールであることを特徴とする分光装置。
  8. 光透過性の材料からなる円盤状の基板に、それぞれ異なる波長帯域の光を透過または反射する複数のフィルタ領域が形成されたカラーホイールと、それを回転させるモータとを有する分光装置を備えた画像表示装置であって、前記カラーホイールは請求項6に記載のカラーホイールであることを特徴とする画像表示装置。
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