JP2004361442A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャム処理時の操作性を向上させる定着装置を提供する。
【解決手段】定着入口ガイド上部材114の後端部114cを手で(指で)を、回動軸114aを中心にして矢印G方向(反時計回り)に回動させる。この回動によって、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、入口ガイド下部材116が入口ガイド上部材114に連動して回動軸120aを中心に時計回りに回動する。さらに、加圧板130も連動して回動軸134を中心に時計回り(矢印F方向とは反対の方向)に回動して加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。この結果、ニップ部22に挟持されてジャムした記録媒体Pを外部に容易に取り出せる状態となる。
【選択図】 図2
【解決手段】定着入口ガイド上部材114の後端部114cを手で(指で)を、回動軸114aを中心にして矢印G方向(反時計回り)に回動させる。この回動によって、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、入口ガイド下部材116が入口ガイド上部材114に連動して回動軸120aを中心に時計回りに回動する。さらに、加圧板130も連動して回動軸134を中心に時計回り(矢印F方向とは反対の方向)に回動して加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。この結果、ニップ部22に挟持されてジャムした記録媒体Pを外部に容易に取り出せる状態となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の定着回転体を互いに押し付けることにより形成されたニップ部(定着ニップ部)に記録媒体を挟持しながら搬送することによりこの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ光)を感光ドラムなどの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナーを供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は定着装置に搬送され、定着装置では転写像が記録媒体に定着される。定着装置には、例えば、ヒータを内蔵した定着ローラとこの定着ローラに圧接する加圧ローラとが備えられている。転写像を記録媒体に定着する際は、定着ローラと加圧ローラとで記録媒体を挟持して搬送しながら転写像を所定の定着温度で加熱すると同時に加圧する。この加熱と加圧で転写像が記録媒体に定着される。転写像が定着された記録媒体は排紙ローラなどに挟持されながら排出される。
【0003】
図6を参照して従来の定着装置の一例を説明する。
【0004】
図6は、従来の定着装置の一例を示す模式図である。
【0005】
定着装置10は、トナー像を記録媒体Pに永久可視像化するためのものである。搬送部12によって矢印J方向に搬送された記録媒体Pは入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16に案内されて、定着ローラ18と加圧ローラ20の間のニップ部22に進入する。入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16は、定着装置10の筐体13に固定されている。
【0006】
定着ローラ18は記録媒体Pを定着温度に加熱するためのものである。定着ローラ18の外周面(表面)には給電部材23が接触しており、この給電部材23によって定着ローラ18にはトナーと同極性の定着バイアスが印加される。このため、定着プロセス時に発生する画質劣化が防止される。また、定着ローラ18にはハロゲンヒータ18aなどの発熱体が内蔵されている。
【0007】
定着ローラ18は駆動源(図示せず)によって、矢印B方向に回転させられる。加圧ローラ20は、記録媒体Pを定着ローラ18に所定圧力で押し付けるためのものである。加圧ローラ20は、図6の紙面に垂直に延びる回転中心軸20aを中心にして矢印C方向に定着ローラ18に従動回転する。この加圧ローラ20を定着ローラ18に所定圧力で押し付け、これにより、記録媒体Pにトナー像を定着させるための荷重を付与する。
【0008】
記録媒体Pがニップ部22に進入することにより、記録媒体P上のトナーが上記の定着温度で溶融すると共にこの溶融しているトナーが上記の荷重で記録媒体Pに押さえ付けられて記録媒体Pに定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ対24に到達し、この排紙ローラ対24によって装置外に排出される。なお、定着後に定着ローラ18や加圧ローラ20から分離されにくい記録媒体P、例えば画像濃度が高い記録媒体Pや厚さの薄い記録媒体Pなどは、定着ローラ18に摺接されている分離爪26によって定着ローラ18から引き離される。
【0009】
加圧ローラ20の回転中心軸20aは、ローラ軸受32を介して加圧板30に回転自在に固定されている。加圧板30は排紙方向(矢印D方向)に延びる板状のものであり、回動中心軸34を中心にして回動する。加圧板30のうち回転中心軸20aとは反対側の端部には、加圧ローラ20を定着ローラ18から離すための圧解除レバー36が固定されている。また、加圧板30のうち圧解除レバー36と回動中心軸34との間の下部には、コイルばね38の上端部が引っ掛けられている。このコイルばね38の下端部は筐体13の底壁13aに引っ掛けられている。コイルばね38によって加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向(図6においては反時計方向)に回動するように付勢されている。このため、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられており、この状態では、圧解除レバー36は、図6の実線で示す位置に存在している。
【0010】
圧解除レバー36は回動軸36aによって筐体13に回動自在に固定されている。回動軸36aに近接してカム36bが形成されている。圧解除レバー36が図6の二点鎖線で示される位置のときは、カム36bは加圧板30の当接部30aに当接する。これにより、コイルばね38の付勢力に抗して加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向とは反対方向(図6においては時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。一方、圧解除レバー36が図6の実線で示される位置のときは、カム36bは加圧板30の当接部30aには当接しない。これにより、コイルばね38の付勢力によって加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向(図6においては反時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられる。
【0011】
上記した定着装置10で紙詰まり(ジャム)が発生した場合、定着装置10の斜め上方に配置された排紙部カバー(図示せず)を開ける。これにより、ニップ部22に挟持されている記録媒体Pを排紙側(排紙ローラ対24よりも矢印D方向下流側)に取り除けることとなる。なお、定着ローラ18に代えて定着フィルムを採用する定着装置の場合も上記のような構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−328406号公報
【0013】
上記のように構成した場合、ジャムを起した記録媒体Pの先端が排紙ローラ対24よりも排紙方向(矢印D方向)に飛び出て止まったときは排紙側からジャム処理作業ができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構成ではジャムを起した記録媒体Pの先端が排紙ローラ対24の手前(排紙ローラ対24よりも排紙方向上流側)で止まった場合、定着装置10の右上方に形成された前カバー(図示せず)を開けカートリッジ(図示せず)を取出し、その後、定着入口側からジャム処理作業を行わなければならない。この場合、加圧ローラ20の加圧力を解除させなければならないので、上記した排紙カバー(図示せず)を開けて更に圧解除レバー36を矢印E方向に押して加圧ローラ20を定着ローラ18から離す。従って、ジャム処理時の工数が増えて操作性が悪化する。
【0015】
また、定着入口側からジャム処理作業を行う場合、入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16が筐体13に固定されて矢印J方向とは反対側に突出しているので入口ガイド14,16付近でのジャム処理が難しい。このような状態でジャム処理を行う場合、ユーザの指が高温になっている定着ローラ18に触れるまで挿入されるおそれがある。
【0016】
さらに、上記のように給電部材23を設けた場合、ジャム処理時には安全のためにインターロックスイッチ等で高圧回路を遮断する機構が必要となってその分のコストが向上する。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑み、ジャム処理時の操作性を向上させた定着装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の定着装置は、未定着トナー像を担持する記録媒体をそのニップ部で挟持しながら搬送する一対の定着回転体と、前記ニップ部の入口側の上方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド上部材と、前記ニップ部の入口側の下方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド下部材とを備え、前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材で記録媒体を前記ニップ部に案内してこの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置において、
(1)前記入口ガイド上部材は、該入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が上下動するように回動するものであり、且つ、
(2)前記入口ガイド下部材及び前記入口ガイド上部材は、互いに連動して回動するものであることを特徴とするものである。
【0019】
ここで、
(3)前記入口ガイド上部材と前記入口ガイド下部材とを連結して連動さるリンク部材を備えてもよい。
【0020】
また、
(4)前記一対の定着回転体を互いに離して前記ニップ部を開放させるレバー部材を備え、
(5)前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材は、
(6)前記レバー部材の動きに連動して回動するものであってもよい。
【0021】
さらに、
(7)前記一対の定着回転体のうちのいずれか一方の定着回転体に接触して定着バイアスを印加する給電部材を備え、
(8)該給電部材は、前記入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が下降したときに、前記いずれか一方の定着回転体から離れるものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の概略構造を説明する。
【0023】
図1は、本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタを示す模式図である。
【0024】
レーザビームプリンタ50は、駆動モータ(図示せず)によって所定のプロセススピードで矢印G方向に回転する感光ドラム52を備えている。この感光ドラム52には、画像情報を担持するレーザ光55がスキャナ54から照射されて静電潜像が形成される。
【0025】
感光ドラム52の周囲には、その回転方向(矢印L方向)に沿ってほぼ順に、感光ドラム52の表面層を一様に帯電する帯電ローラ56、感光ドラム52に形成された静電潜像に現像剤を供給する現像器58、感光ドラム52に形成された現像像を記録媒体Pに転写する転写ローラ60、感光ドラム52に残留した現像剤を除去するクリーニング装置62が配置されている。
【0026】
また、レーザビームプリンタ50の下部には、記録紙などシート状の記録媒体Pを収納する給紙カセット64が着脱自在に装着されている。給紙カセット64からは給紙ローラ68によって記録媒体Pが所定の給紙方向(矢印H方向)に給紙される。この給紙方向の上流側から下流側に向けてレジストローラ70、搬送ガイド72、定着装置100などが順に配置されている。給紙ローラ68の近傍には、記録媒体Pの有無を検知する給紙センサ69が配置されている。また、レジストローラ70の近傍には、記録媒体Pの有無を検知するレジ前センサ142が配置されている。
【0027】
上記した感光ドラム52、帯電ローラ56、現像器58などは一体的にカートリッジ59に組み込まれており、前カバー61を開くことによりレーザビームプリンタ50からカートリッジ59を取り出せる。また、定着装置100の左斜め上方には、排紙カバー63が開閉自在に形成されている。
【0028】
レーザビームプリンタ50で画像を形成する手順等を説明する。
【0029】
画像情報を担持するレーザ光55がスキャナ54から感光ドラム52に照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器58から供給された現像剤で現像されて感光ドラム52に現像像が形成される。
【0030】
一方、給紙カセット64からは記録媒体Pが給紙ローラ68によって矢印H方向(給紙方向)に給紙され、レジストローラ70によって転写ローラ60まで搬送される。転写ローラ60は感光ドラム52と共に記録媒体Pを挟持しながら、この記録媒体Pに感光ドラム52の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体Pは搬送ガイド72によって定着装置100に案内される。定着装置100には定着ローラ18と加圧ローラ20(本発明にいう一対の定着回転体の一例である)が配置されており、これら2つのローラ18,20に記録媒体Pが挟持されながら搬送されて、現像像が記録媒体Pに定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体Pは排紙ローラ対74によって排出されて排紙トレイ76に積載される。
【0031】
図2から図5までを参照して、定着装置100について説明する。
【0032】
図2は、定着装置を模式的に示す側面図である。図3は、画像形成時における定着装置を模式的に示す側面図である。図4は、ジャム処理時における定着装置を模式的に示す側面図である。図5は、カートリッジを取り出したレーザビームプリンタを示す模式図である。これらの図では、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0033】
定着装置100は、トナー像を記録媒体Pに永久可視像化するためのものである。矢印J方向に搬送された記録媒体Pは入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116に案内されて、定着ローラ18と加圧ローラ20の間のニップ部22に進入する。入口ガイド上部材114は、矢印J方向に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に延びる板状のものである。また、入口ガイド上部材114は、筐体113に固定された回動軸114aに回動自在に固定されている。この回動軸114aは、入口ガイド上部材114の上面のうち矢印J方向上流側から約4分の3の位置に形成されている。入口ガイド上部材114の上面のうち回動軸114aよりもやや矢印J方向下流側部分には、定着ローラ18にトナーと同極性の定着バイアスを印加するための給電部材123が固定されている。入口ガイド上部材114のうち給電部123の近傍部分には、入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116を連結するリンク部材102の上端部102aが回動自在に固定されている。リンク部材102は、棒状のものであって、入口ガイド上部材114の幅方向(矢印J方向に直交する方向)端部に配置されている。従って、その上端部102aも、入口ガイド上部材114の幅方向端部に回動自在に固定されている。
【0034】
入口ガイド下 部材116は、その横断面が略L字状のものである。入口ガイド下部材116は、入口ガイド上部材114に対向するガイド部118と、このガイド部118の矢印J方向下流側端部から下方に延びる連結部120とから構成されている。ガイド部118は、矢印J方向に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に延びる板状のものである。ガイド部118の幅方向(矢印J方向に直交する方向)端部には、リンク部材102の下端部102bが回動自在に固定されている。ガイド部118の矢印J方向下流側部分からは連結部120が下方に延びている。連結部120の長手方向中央部は、筐体113の側壁に固定された回動軸120aを介して回動自在に固定されている。従って、入口ガイド下部材116の全体は、回動軸120aを中心にして回動するように構成されている。なお、入口ガイド下部材116よりも矢印J方向下流側には、筐体113に固定された固定ガイド部材122が配置されている。
【0035】
加圧ローラ20の回転中心軸20aは、ローラ軸受32を介して加圧板130に回転自在に固定されている。加圧板130は排紙方向(矢印D方向)に延びる板状ものであり、回動中心軸134を中心にして回動する。加圧板130のうち回転中心軸20aとは反対側の端部には、加圧ローラ20を定着ローラ18から離すための圧解除レバー136が固定されている。また、加圧板130のうち圧解除レバー136と回動中心軸134との間の下部には、コイルばね38の上端部が引っ掛けられている。このコイルばね38の下端部は筐体113の底壁113aに引っ掛けられている。コイルばね38によって加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向(図2においては反時計方向)に回動するように付勢されている。このため、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられており、この状態では、圧解除レバー136は、図3で示す位置に存在している。
【0036】
圧解除レバー136は回動軸136aによって加圧板130に筐体113回動自在に固定されている。回動軸136aに近接してカム136bが形成されている。圧解除レバー136が図4で示される位置のときは、カム136bは加圧板130の当接部130aに当接する。これにより、コイルばね38の付勢力に抗して加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向とは反対方向(図2においては時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。一方、圧解除レバー136が図3で示される位置のときは、カム136bは加圧板130の当接部130aには当接しない。これにより、コイルばね38の付勢力によって加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向(図3においては反時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられる。加圧板130のうち回動中心軸134を挟んで圧解除レバー136とは反対側の部分には、連結部120の下端部に当接するアーム部138が形成されている。なお、ニップ部22と排紙ローラ対24との間には、記録媒体Pを検知する排紙センサ140が配置されている。
【0037】
定着装置100においてジャム(紙詰まり)が発生した場合について説明する。
【0038】
通常の画像形成動作時には、図3に示すように、トナー像が転写された記録媒体Pは入口ガイド下部材116の傾斜した上面に沿ってニップ部22に搬送され、加熱されながら加圧されてトナー像が記録媒体Pに熱定着されて排紙ローラ対24によって排出される。定着装置100においてジャムが発生した場合、排紙センサ140、給紙センサ69(図1参照)、レジ前センサ142(図1参照)などからの検知信号に基づいて画像形成動作が停止される。ジャムのタイミングによっては、図2のように、定着装置100の定着ローラ18と加圧ローラ20に記録媒体Pが挟持されたままの状態で停止することがある。
【0039】
このような状態の場合、記録媒体Pの先端部が排紙ローラ対24よりも出ている(矢印D方向下流側に位置している)ことがある(ケース1)。この場合は、排紙側ジャム処理動作となり、先ず、図1に示すように排紙カバー63を二点鎖線の状態まで開く。続いて、図2に示すように、圧解除レバー136を回動軸136aを中心にして矢印G方向に回動させる(実線の位置から二点鎖線の位置に移動させる)。これにより、圧解除レバー136のカム136bが加圧板130のカム当接部130aに当接してコイルばね38の付勢力に抗して加圧板130が回転軸134を中心に時計方向(矢印F方向とは反対方向)に回動する。
【0040】
この回動に伴ってそのとき加圧板130のローラ軸受部132に取付けられた加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる(圧解除状態になる)。また、加圧板130が時計方向に回動するに伴ってアーム部138も時計方向に回動する。アーム部138のこの回動に伴ってアーム部138が連結部120を回動軸120aを中心に時計回りに回動させる。これにより、入口ガイド下部材116は回動中心軸120aを中心に時計方向に回動する。さらに、入口ガイド下部材116と入口ガイド上部材114がリンク部材102で連結されているので、入口ガイド下部材116の回動に連動して入口ガイド上部材114が回動中心軸114aを中心に反時計方向(矢印G方向)に回動して入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、入口ガイド上部材114が矢印G方向に回動すると同時に、入口ガイド上部材114に固定された給電部材123が定着ローラ18から離れる。即ち、図3の状態から図4の状態へと移行する。これにより定着ローラ18へのバイアス印加経路も機械的に遮断されて、ジャムした記録媒体Pを安全に外部に取り出せる。なお、圧解除レバー136の解除状態と非解除状態を検出するために、定着バイアスの電気的変化(電流、電圧、抵抗値)を測定する手段を用いて表示装置等によってユーザへアナウンスすることも可能である。
【0041】
次に、定着装置100内でジャムが発生しても記録媒体Pの先端部が排紙ローラ対24から出ていない(排紙ローラ対24よりも矢印D方向上流側に位置している)ことがある(ケース2であり、図2に示す記録媒体Pの状態である)。この場合は、図5に示すように前カバー61を開き、カートリッジ59を前カバー方向に取り出す。この状態から機内にアクセスして、図2に示すように、定着入口ガイド上部材114の後端部114cを手で(指で)、回動軸114aを中心にして矢印G方向(反時計回り)に回動させる。この回動によって、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、ケース1とは逆の動作で入口ガイド下部材116が入口ガイド上部材114に連動して回動軸120aを中心に時計回りに回動する。さらに、加圧板130も連動して回動軸134を中心に時計回り(矢印F方向とは反対の方向)に回動して加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。この結果、ニップ部22に挟持されてジャムした記録媒体Pを外部に取り出せる可能な状態となる。従って、従来のように排紙カバー63を開けて更に圧解除レバー136を移動させて加圧解除させる必要がなくなる。
【0042】
画像形成時では、図3に示すように、入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116のうちニップ部22の近傍部分の隙間Xは、指が差し込めて定着ローラ18に接触できる程度のもの(約15mm程度)である。従って、隙間Xのままでは、ジャム処理時に指が高温の定着ローラ18に接触して熱いおそれがある。しかし、ジャム処理時に加圧ローラ20を定着ローラ18から離すと同時に、図4に示すように、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動してニップ部22の入口が狭められて、隙間Xが5mm程度になるので指が入らない。さらに、上述したように、給電部材123が定着ローラ18から離れるので定着ローラ18へのバイアス印加経路も機械的に遮断される。以上の結果、ジャムした記録媒体Pを安全に外部に取り出せる。
【0043】
また、上記した定着装置100では、定着ローラ18を有するローラ定着器を用いたが、これに限らずフィルムを用いたサーフ定着器や誘導加熱体を用いた定着器などにおいても本発明を適用することができる。また、給電部材123を、移動する入口ガイド下部材116、入口ガイド上部材114、リンク部材102のうちのいずれに固定しても良い。さらに、本実施例では固定入口ガイド122を入口ガイド下部材116と別体に設けたが、入口ガイド下部材116と一体化しても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の定着装置によれば、ジャム処理の際に、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分を下降させるように入口ガイド上ガイド部材若しくは入口ガイド下ガイド部材を回動させる。これにより、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分が下降してこの入口側部分が狭くなるので、入口側から手を差し入れても定着回転体に接触し難い。従って、ジャム処理が容易にできる。また、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分を下降させることにより、この入口側部分とは反対側の部分が上昇するのでジャム処理の際の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタを示す模式図である。
【図2】定着装置を模式的に示す側面図である。
【図3】画像形成時における定着装置を模式的に示す側面図である。
【図4】ジャム処理時における定着装置を模式的に示す側面図である。
【図5】カートリッジを取り出したレーザビームプリンタを示す模式図である。
【図6】従来の定着装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
18 定着ローラ
20 加圧ローラ
100 定着装置
114 入口ガイド上部材
116 入口ガイド下部材
123 給電部材
136 圧解除レバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の定着回転体を互いに押し付けることにより形成されたニップ部(定着ニップ部)に記録媒体を挟持しながら搬送することによりこの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ光)を感光ドラムなどの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナーを供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は定着装置に搬送され、定着装置では転写像が記録媒体に定着される。定着装置には、例えば、ヒータを内蔵した定着ローラとこの定着ローラに圧接する加圧ローラとが備えられている。転写像を記録媒体に定着する際は、定着ローラと加圧ローラとで記録媒体を挟持して搬送しながら転写像を所定の定着温度で加熱すると同時に加圧する。この加熱と加圧で転写像が記録媒体に定着される。転写像が定着された記録媒体は排紙ローラなどに挟持されながら排出される。
【0003】
図6を参照して従来の定着装置の一例を説明する。
【0004】
図6は、従来の定着装置の一例を示す模式図である。
【0005】
定着装置10は、トナー像を記録媒体Pに永久可視像化するためのものである。搬送部12によって矢印J方向に搬送された記録媒体Pは入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16に案内されて、定着ローラ18と加圧ローラ20の間のニップ部22に進入する。入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16は、定着装置10の筐体13に固定されている。
【0006】
定着ローラ18は記録媒体Pを定着温度に加熱するためのものである。定着ローラ18の外周面(表面)には給電部材23が接触しており、この給電部材23によって定着ローラ18にはトナーと同極性の定着バイアスが印加される。このため、定着プロセス時に発生する画質劣化が防止される。また、定着ローラ18にはハロゲンヒータ18aなどの発熱体が内蔵されている。
【0007】
定着ローラ18は駆動源(図示せず)によって、矢印B方向に回転させられる。加圧ローラ20は、記録媒体Pを定着ローラ18に所定圧力で押し付けるためのものである。加圧ローラ20は、図6の紙面に垂直に延びる回転中心軸20aを中心にして矢印C方向に定着ローラ18に従動回転する。この加圧ローラ20を定着ローラ18に所定圧力で押し付け、これにより、記録媒体Pにトナー像を定着させるための荷重を付与する。
【0008】
記録媒体Pがニップ部22に進入することにより、記録媒体P上のトナーが上記の定着温度で溶融すると共にこの溶融しているトナーが上記の荷重で記録媒体Pに押さえ付けられて記録媒体Pに定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ対24に到達し、この排紙ローラ対24によって装置外に排出される。なお、定着後に定着ローラ18や加圧ローラ20から分離されにくい記録媒体P、例えば画像濃度が高い記録媒体Pや厚さの薄い記録媒体Pなどは、定着ローラ18に摺接されている分離爪26によって定着ローラ18から引き離される。
【0009】
加圧ローラ20の回転中心軸20aは、ローラ軸受32を介して加圧板30に回転自在に固定されている。加圧板30は排紙方向(矢印D方向)に延びる板状のものであり、回動中心軸34を中心にして回動する。加圧板30のうち回転中心軸20aとは反対側の端部には、加圧ローラ20を定着ローラ18から離すための圧解除レバー36が固定されている。また、加圧板30のうち圧解除レバー36と回動中心軸34との間の下部には、コイルばね38の上端部が引っ掛けられている。このコイルばね38の下端部は筐体13の底壁13aに引っ掛けられている。コイルばね38によって加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向(図6においては反時計方向)に回動するように付勢されている。このため、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられており、この状態では、圧解除レバー36は、図6の実線で示す位置に存在している。
【0010】
圧解除レバー36は回動軸36aによって筐体13に回動自在に固定されている。回動軸36aに近接してカム36bが形成されている。圧解除レバー36が図6の二点鎖線で示される位置のときは、カム36bは加圧板30の当接部30aに当接する。これにより、コイルばね38の付勢力に抗して加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向とは反対方向(図6においては時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。一方、圧解除レバー36が図6の実線で示される位置のときは、カム36bは加圧板30の当接部30aには当接しない。これにより、コイルばね38の付勢力によって加圧板30は回動中心軸34を中心にして矢印F方向(図6においては反時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられる。
【0011】
上記した定着装置10で紙詰まり(ジャム)が発生した場合、定着装置10の斜め上方に配置された排紙部カバー(図示せず)を開ける。これにより、ニップ部22に挟持されている記録媒体Pを排紙側(排紙ローラ対24よりも矢印D方向下流側)に取り除けることとなる。なお、定着ローラ18に代えて定着フィルムを採用する定着装置の場合も上記のような構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−328406号公報
【0013】
上記のように構成した場合、ジャムを起した記録媒体Pの先端が排紙ローラ対24よりも排紙方向(矢印D方向)に飛び出て止まったときは排紙側からジャム処理作業ができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構成ではジャムを起した記録媒体Pの先端が排紙ローラ対24の手前(排紙ローラ対24よりも排紙方向上流側)で止まった場合、定着装置10の右上方に形成された前カバー(図示せず)を開けカートリッジ(図示せず)を取出し、その後、定着入口側からジャム処理作業を行わなければならない。この場合、加圧ローラ20の加圧力を解除させなければならないので、上記した排紙カバー(図示せず)を開けて更に圧解除レバー36を矢印E方向に押して加圧ローラ20を定着ローラ18から離す。従って、ジャム処理時の工数が増えて操作性が悪化する。
【0015】
また、定着入口側からジャム処理作業を行う場合、入口ガイド上部材14と入口ガイド下部材16が筐体13に固定されて矢印J方向とは反対側に突出しているので入口ガイド14,16付近でのジャム処理が難しい。このような状態でジャム処理を行う場合、ユーザの指が高温になっている定着ローラ18に触れるまで挿入されるおそれがある。
【0016】
さらに、上記のように給電部材23を設けた場合、ジャム処理時には安全のためにインターロックスイッチ等で高圧回路を遮断する機構が必要となってその分のコストが向上する。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑み、ジャム処理時の操作性を向上させた定着装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の定着装置は、未定着トナー像を担持する記録媒体をそのニップ部で挟持しながら搬送する一対の定着回転体と、前記ニップ部の入口側の上方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド上部材と、前記ニップ部の入口側の下方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド下部材とを備え、前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材で記録媒体を前記ニップ部に案内してこの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置において、
(1)前記入口ガイド上部材は、該入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が上下動するように回動するものであり、且つ、
(2)前記入口ガイド下部材及び前記入口ガイド上部材は、互いに連動して回動するものであることを特徴とするものである。
【0019】
ここで、
(3)前記入口ガイド上部材と前記入口ガイド下部材とを連結して連動さるリンク部材を備えてもよい。
【0020】
また、
(4)前記一対の定着回転体を互いに離して前記ニップ部を開放させるレバー部材を備え、
(5)前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材は、
(6)前記レバー部材の動きに連動して回動するものであってもよい。
【0021】
さらに、
(7)前記一対の定着回転体のうちのいずれか一方の定着回転体に接触して定着バイアスを印加する給電部材を備え、
(8)該給電部材は、前記入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が下降したときに、前記いずれか一方の定着回転体から離れるものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の概略構造を説明する。
【0023】
図1は、本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタを示す模式図である。
【0024】
レーザビームプリンタ50は、駆動モータ(図示せず)によって所定のプロセススピードで矢印G方向に回転する感光ドラム52を備えている。この感光ドラム52には、画像情報を担持するレーザ光55がスキャナ54から照射されて静電潜像が形成される。
【0025】
感光ドラム52の周囲には、その回転方向(矢印L方向)に沿ってほぼ順に、感光ドラム52の表面層を一様に帯電する帯電ローラ56、感光ドラム52に形成された静電潜像に現像剤を供給する現像器58、感光ドラム52に形成された現像像を記録媒体Pに転写する転写ローラ60、感光ドラム52に残留した現像剤を除去するクリーニング装置62が配置されている。
【0026】
また、レーザビームプリンタ50の下部には、記録紙などシート状の記録媒体Pを収納する給紙カセット64が着脱自在に装着されている。給紙カセット64からは給紙ローラ68によって記録媒体Pが所定の給紙方向(矢印H方向)に給紙される。この給紙方向の上流側から下流側に向けてレジストローラ70、搬送ガイド72、定着装置100などが順に配置されている。給紙ローラ68の近傍には、記録媒体Pの有無を検知する給紙センサ69が配置されている。また、レジストローラ70の近傍には、記録媒体Pの有無を検知するレジ前センサ142が配置されている。
【0027】
上記した感光ドラム52、帯電ローラ56、現像器58などは一体的にカートリッジ59に組み込まれており、前カバー61を開くことによりレーザビームプリンタ50からカートリッジ59を取り出せる。また、定着装置100の左斜め上方には、排紙カバー63が開閉自在に形成されている。
【0028】
レーザビームプリンタ50で画像を形成する手順等を説明する。
【0029】
画像情報を担持するレーザ光55がスキャナ54から感光ドラム52に照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器58から供給された現像剤で現像されて感光ドラム52に現像像が形成される。
【0030】
一方、給紙カセット64からは記録媒体Pが給紙ローラ68によって矢印H方向(給紙方向)に給紙され、レジストローラ70によって転写ローラ60まで搬送される。転写ローラ60は感光ドラム52と共に記録媒体Pを挟持しながら、この記録媒体Pに感光ドラム52の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体Pは搬送ガイド72によって定着装置100に案内される。定着装置100には定着ローラ18と加圧ローラ20(本発明にいう一対の定着回転体の一例である)が配置されており、これら2つのローラ18,20に記録媒体Pが挟持されながら搬送されて、現像像が記録媒体Pに定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体Pは排紙ローラ対74によって排出されて排紙トレイ76に積載される。
【0031】
図2から図5までを参照して、定着装置100について説明する。
【0032】
図2は、定着装置を模式的に示す側面図である。図3は、画像形成時における定着装置を模式的に示す側面図である。図4は、ジャム処理時における定着装置を模式的に示す側面図である。図5は、カートリッジを取り出したレーザビームプリンタを示す模式図である。これらの図では、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0033】
定着装置100は、トナー像を記録媒体Pに永久可視像化するためのものである。矢印J方向に搬送された記録媒体Pは入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116に案内されて、定着ローラ18と加圧ローラ20の間のニップ部22に進入する。入口ガイド上部材114は、矢印J方向に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に延びる板状のものである。また、入口ガイド上部材114は、筐体113に固定された回動軸114aに回動自在に固定されている。この回動軸114aは、入口ガイド上部材114の上面のうち矢印J方向上流側から約4分の3の位置に形成されている。入口ガイド上部材114の上面のうち回動軸114aよりもやや矢印J方向下流側部分には、定着ローラ18にトナーと同極性の定着バイアスを印加するための給電部材123が固定されている。入口ガイド上部材114のうち給電部123の近傍部分には、入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116を連結するリンク部材102の上端部102aが回動自在に固定されている。リンク部材102は、棒状のものであって、入口ガイド上部材114の幅方向(矢印J方向に直交する方向)端部に配置されている。従って、その上端部102aも、入口ガイド上部材114の幅方向端部に回動自在に固定されている。
【0034】
入口ガイド下 部材116は、その横断面が略L字状のものである。入口ガイド下部材116は、入口ガイド上部材114に対向するガイド部118と、このガイド部118の矢印J方向下流側端部から下方に延びる連結部120とから構成されている。ガイド部118は、矢印J方向に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に延びる板状のものである。ガイド部118の幅方向(矢印J方向に直交する方向)端部には、リンク部材102の下端部102bが回動自在に固定されている。ガイド部118の矢印J方向下流側部分からは連結部120が下方に延びている。連結部120の長手方向中央部は、筐体113の側壁に固定された回動軸120aを介して回動自在に固定されている。従って、入口ガイド下部材116の全体は、回動軸120aを中心にして回動するように構成されている。なお、入口ガイド下部材116よりも矢印J方向下流側には、筐体113に固定された固定ガイド部材122が配置されている。
【0035】
加圧ローラ20の回転中心軸20aは、ローラ軸受32を介して加圧板130に回転自在に固定されている。加圧板130は排紙方向(矢印D方向)に延びる板状ものであり、回動中心軸134を中心にして回動する。加圧板130のうち回転中心軸20aとは反対側の端部には、加圧ローラ20を定着ローラ18から離すための圧解除レバー136が固定されている。また、加圧板130のうち圧解除レバー136と回動中心軸134との間の下部には、コイルばね38の上端部が引っ掛けられている。このコイルばね38の下端部は筐体113の底壁113aに引っ掛けられている。コイルばね38によって加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向(図2においては反時計方向)に回動するように付勢されている。このため、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられており、この状態では、圧解除レバー136は、図3で示す位置に存在している。
【0036】
圧解除レバー136は回動軸136aによって加圧板130に筐体113回動自在に固定されている。回動軸136aに近接してカム136bが形成されている。圧解除レバー136が図4で示される位置のときは、カム136bは加圧板130の当接部130aに当接する。これにより、コイルばね38の付勢力に抗して加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向とは反対方向(図2においては時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。一方、圧解除レバー136が図3で示される位置のときは、カム136bは加圧板130の当接部130aには当接しない。これにより、コイルばね38の付勢力によって加圧板130は回動中心軸134を中心にして矢印F方向(図3においては反時計方向)に回動し、加圧ローラ20が定着ローラ18に押し付けられる。加圧板130のうち回動中心軸134を挟んで圧解除レバー136とは反対側の部分には、連結部120の下端部に当接するアーム部138が形成されている。なお、ニップ部22と排紙ローラ対24との間には、記録媒体Pを検知する排紙センサ140が配置されている。
【0037】
定着装置100においてジャム(紙詰まり)が発生した場合について説明する。
【0038】
通常の画像形成動作時には、図3に示すように、トナー像が転写された記録媒体Pは入口ガイド下部材116の傾斜した上面に沿ってニップ部22に搬送され、加熱されながら加圧されてトナー像が記録媒体Pに熱定着されて排紙ローラ対24によって排出される。定着装置100においてジャムが発生した場合、排紙センサ140、給紙センサ69(図1参照)、レジ前センサ142(図1参照)などからの検知信号に基づいて画像形成動作が停止される。ジャムのタイミングによっては、図2のように、定着装置100の定着ローラ18と加圧ローラ20に記録媒体Pが挟持されたままの状態で停止することがある。
【0039】
このような状態の場合、記録媒体Pの先端部が排紙ローラ対24よりも出ている(矢印D方向下流側に位置している)ことがある(ケース1)。この場合は、排紙側ジャム処理動作となり、先ず、図1に示すように排紙カバー63を二点鎖線の状態まで開く。続いて、図2に示すように、圧解除レバー136を回動軸136aを中心にして矢印G方向に回動させる(実線の位置から二点鎖線の位置に移動させる)。これにより、圧解除レバー136のカム136bが加圧板130のカム当接部130aに当接してコイルばね38の付勢力に抗して加圧板130が回転軸134を中心に時計方向(矢印F方向とは反対方向)に回動する。
【0040】
この回動に伴ってそのとき加圧板130のローラ軸受部132に取付けられた加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる(圧解除状態になる)。また、加圧板130が時計方向に回動するに伴ってアーム部138も時計方向に回動する。アーム部138のこの回動に伴ってアーム部138が連結部120を回動軸120aを中心に時計回りに回動させる。これにより、入口ガイド下部材116は回動中心軸120aを中心に時計方向に回動する。さらに、入口ガイド下部材116と入口ガイド上部材114がリンク部材102で連結されているので、入口ガイド下部材116の回動に連動して入口ガイド上部材114が回動中心軸114aを中心に反時計方向(矢印G方向)に回動して入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、入口ガイド上部材114が矢印G方向に回動すると同時に、入口ガイド上部材114に固定された給電部材123が定着ローラ18から離れる。即ち、図3の状態から図4の状態へと移行する。これにより定着ローラ18へのバイアス印加経路も機械的に遮断されて、ジャムした記録媒体Pを安全に外部に取り出せる。なお、圧解除レバー136の解除状態と非解除状態を検出するために、定着バイアスの電気的変化(電流、電圧、抵抗値)を測定する手段を用いて表示装置等によってユーザへアナウンスすることも可能である。
【0041】
次に、定着装置100内でジャムが発生しても記録媒体Pの先端部が排紙ローラ対24から出ていない(排紙ローラ対24よりも矢印D方向上流側に位置している)ことがある(ケース2であり、図2に示す記録媒体Pの状態である)。この場合は、図5に示すように前カバー61を開き、カートリッジ59を前カバー方向に取り出す。この状態から機内にアクセスして、図2に示すように、定着入口ガイド上部材114の後端部114cを手で(指で)、回動軸114aを中心にして矢印G方向(反時計回り)に回動させる。この回動によって、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動し、ニップ部22の入口を狭める。また、ケース1とは逆の動作で入口ガイド下部材116が入口ガイド上部材114に連動して回動軸120aを中心に時計回りに回動する。さらに、加圧板130も連動して回動軸134を中心に時計回り(矢印F方向とは反対の方向)に回動して加圧ローラ20が定着ローラ18から離れる。この結果、ニップ部22に挟持されてジャムした記録媒体Pを外部に取り出せる可能な状態となる。従って、従来のように排紙カバー63を開けて更に圧解除レバー136を移動させて加圧解除させる必要がなくなる。
【0042】
画像形成時では、図3に示すように、入口ガイド上部材114と入口ガイド下部材116のうちニップ部22の近傍部分の隙間Xは、指が差し込めて定着ローラ18に接触できる程度のもの(約15mm程度)である。従って、隙間Xのままでは、ジャム処理時に指が高温の定着ローラ18に接触して熱いおそれがある。しかし、ジャム処理時に加圧ローラ20を定着ローラ18から離すと同時に、図4に示すように、入口ガイド上部材114のうちニップ部22の入口側部分114bが下方に移動してニップ部22の入口が狭められて、隙間Xが5mm程度になるので指が入らない。さらに、上述したように、給電部材123が定着ローラ18から離れるので定着ローラ18へのバイアス印加経路も機械的に遮断される。以上の結果、ジャムした記録媒体Pを安全に外部に取り出せる。
【0043】
また、上記した定着装置100では、定着ローラ18を有するローラ定着器を用いたが、これに限らずフィルムを用いたサーフ定着器や誘導加熱体を用いた定着器などにおいても本発明を適用することができる。また、給電部材123を、移動する入口ガイド下部材116、入口ガイド上部材114、リンク部材102のうちのいずれに固定しても良い。さらに、本実施例では固定入口ガイド122を入口ガイド下部材116と別体に設けたが、入口ガイド下部材116と一体化しても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の定着装置によれば、ジャム処理の際に、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分を下降させるように入口ガイド上ガイド部材若しくは入口ガイド下ガイド部材を回動させる。これにより、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分が下降してこの入口側部分が狭くなるので、入口側から手を差し入れても定着回転体に接触し難い。従って、ジャム処理が容易にできる。また、入口ガイド上部材のうちニップ部の入口側部分を下降させることにより、この入口側部分とは反対側の部分が上昇するのでジャム処理の際の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の一実施形態が組み込まれた画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタを示す模式図である。
【図2】定着装置を模式的に示す側面図である。
【図3】画像形成時における定着装置を模式的に示す側面図である。
【図4】ジャム処理時における定着装置を模式的に示す側面図である。
【図5】カートリッジを取り出したレーザビームプリンタを示す模式図である。
【図6】従来の定着装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
18 定着ローラ
20 加圧ローラ
100 定着装置
114 入口ガイド上部材
116 入口ガイド下部材
123 給電部材
136 圧解除レバー
Claims (4)
- 未定着トナー像を担持する記録媒体をそのニップ部で挟持しながら搬送する一対の定着回転体と、前記ニップ部の入口側の上方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド上部材と、前記ニップ部の入口側の下方に配置されて該ニップ部に記録媒体を案内する入口ガイド下部材とを備え、前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材で記録媒体を前記ニップ部に案内してこの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置において、
前記入口ガイド上部材は、該入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が上下動するように回動するものであり、且つ、
前記入口ガイド下部材及び前記入口ガイド上部材は、互いに連動して回動するものであることを特徴とする定着装置。 - 前記入口ガイド上部材と前記入口ガイド下部材とを連結して連動させるリンク部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記一対の定着回転体を互いに離して前記ニップ部を開放させるレバー部材を備え、
前記入口ガイド上部材及び前記入口ガイド下部材は、
前記レバー部材の動きに連動して回動するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記一対の定着回転体のうちのいずれか一方の定着回転体に接触して定着バイアスを印加する給電部材を備え、
該給電部材は、
前記入口ガイド上部材のうち前記ニップ部の入口側部分が下降したときに、前記いずれか一方の定着回転体から離れるものであることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の定着装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |