JP2004361429A - 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶表示装置の液晶表示パネル21は、複数の走査線Yk,Yk+1と複数の信号線Xkとの交差部に対応してマトリクス配置された複数の画素25と、各画素25に設けられたスイッチング素子26と、各画素25の画素電極29に接続された保持容量素子32とを備える。階調データに応じた電圧の信号を各画素25の画素電極に書き込むアナログ階調制御が120HZ以上のフレーム周波数で行われる。ゲート配線40の電位が画素25への信号の書き込み後に変化され、各画素25に加わる直流電圧成分を抑制するように画素電圧が補正される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置、電気光学装置の駆動方法、及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気光学装置として、例えば、薄膜トランジスタ(thin film transistor: 以下、「TFT」という。)を各画素に設けたアクティブマトリクス型液晶表示装置が知られている。その液晶表示装置には、書き込み電圧(画素電圧)を保持するための保持容量素子が各画素に接続され、TFTのリーク電流による画素電圧の変動が抑制されるようになっている。
【0003】
液晶表示装置では、各画素の液晶に長時間にわたり直流電圧が印加されると、焼き付きと呼ばれる現象(残像現象)が生じるため、各画素の画素電極には正極性の信号と負極性の信号とを所定期間毎に交互に書き込むようにしている。液晶表示装置において、所定の画素の書き込みが終了しその画素が非選択(TFTがオフ)となるとき、液晶や保持容量素子の容量とTFTの寄生容量との容量結合によって画素電圧が低下してしまう。つまり、正極性の信号と負極性の信号と交互に書き込み液晶を交流駆動する場合でも、前記容量結合に伴う電圧低下によって直流電圧成分が各画素の画素電極に加わることとなり、フリッカ等の画像劣化が生じる。これを防止するために、TFTを駆動する走査線に変調信号を与え、各画素に加わる直流電圧成分を補正するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また近年では、より高精細でコントラストの高い液晶表示装置が要求されている。例えば、液晶データプロジェクター用のL/V(ライトバルブ)としては、従来のSVGAからXGA、SXGA+、UXGAクラスの画素が用いられるようになってきている。さらに、コントラストは、従来のデータプロジェクターの400−500程度のものから、ホームプロジェクターの映像の用途では、1000−2000のものが求められている。また、携帯電話に用いられる表示装置においても、従来の130ppiから最近は200ppiへと変化し、よりリアルな表示をするために300ppiクラスへと進化するものと予想されている。なおここで、「ppi」は精細度の単位であり、1インチ当たりの画素数を示す。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−230339号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1では、液晶に加わる直流電圧成分を補正することによりフリッカを防止すことができるが、高精細、高コントラストの表示を得ることができない。
【0007】
一般に、液晶表示装置の表示を高精細にする場合には開口率が低下するため、コントラストが不足して暗い表示しか得られなくなる。具体的には、液晶表示装置において高精細化を図ると、液晶容量そのものが小さくなり、画素電圧の保持期間中における電圧低下量が大きくなってしまう。そのため、保持容量素子の保持容量を大きくとる必要が生じるが、保持容量を大きくとることにより開口率が低下してしまう。
【0008】
因みに、特許文献1の駆動方法を用いる場合、画素に加わる直流電圧成分を補正できるので、補正をしない従来の液晶表示装置と比較して保持容量を小さくすることが可能となる。また、画素電圧を増幅することが可能であるため、リーク電流に起因する画素電圧の減少もある程度抑制される。しかし、この場合でも、変調信号を与える配線の時定数によって、直流電圧成分の補正効果が面内で異なるため、十分な表示品質を得ることができない。つまり、特許文献1の液晶表示装置において高精細化を図る場合、フリッカがなくコントラストの高い表示を得ることができない。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、画素の高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる電気光学装置、電気光学装置の駆動方法、及び電子機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明における電気光学装置は、複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、階調データに応じた電圧の信号を前記各画素の画素電極に書き込むアナログ階調制御を120HZ以上のフレーム周波数で行う書き込み制御手段と、前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記画素への信号の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段とを備えた。
【0011】
これによれば、保持容量素子に接続された配線の電位を信号の書き込み後に変化させることで、画素電極の印加電圧が補正され、各画素に加わる直流電圧成分が抑制される。これにより、保持容量素子の保持容量を小さくすることができる。また、各画素の画素電極への信号の書き込みを120HZ以上のフレーム周波数で行うので、フレーム周期が短くなる。この場合、各画素の画素電極に書き込んだ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。よって、スイッチング素子のリーク電流に起因する画素電圧の電圧低下量を小さくするために、各画素に設けられる保持容量素子の保持容量を大きくする必要がない。この保持容量素子の保持容量を小さくできることから、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示でかつ明るい表示が得られる。このように、本発明の電気光学装置では、高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる。
【0012】
本発明における電気光学装置は、複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、1フレームをNビットの階調データの各ビットに応じた長さの期間を有するN個のサブフィールドに分割し、1フレームに前記N個のサブフィールドのうち最短のサブフィールドの周期で、前記階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込む2N階調のデジタル階調制御を行う書き込み制御手段と、前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段とを備えた。
【0013】
これによれば、保持容量素子に接続された配線の電位を2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させることで、画素電極の印加電圧が補正され、各画素に加わる直流電圧成分が抑制される。これにより、保持容量素子の保持容量を小さくすることができる。また、1フレームをNビットの階調データの各ビットに応じた長さの期間を有するN個のサブフィールドに分割し、1フレームにN個のサブフィールドのうち最短のサブフィールドの周期で、階調データに基づき各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込み2N階調の表示を行う。このような階調制御を行うのに、1フレームにおいて、最短のサブフィールドの周期で2N−1回、2値の電圧のいずれか一方(信号)の書き込みを行うことになる。例えば、3ビットの階調データにより23階調(8階調)の階調表示を行う場合、3つのサブフィードの期間は、各ビットに応じた長さに、即ち1(20):2(21):4(22)の比率に設定される。こうして設定された3つのサブフィールドのうち最短のサブフィールドの周期で、7回(23−1回)2値の電圧のいずれか一方の書き込みを行う。これにより、1フレームにおいて各画素に書き込んだ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が通常の駆動方式よりも1/(2N−1)だけ短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。よって、スイッチング素子のリーク電流に起因する画素電圧の電圧低下量を小さくするために、各画素に設けられる保持容量素子の保持容量を大きくする必要がない。この保持容量素子の保持容量を小さくできることから、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示でかつ明るい表示が得られる。このように、本発明の電気光学装置では、高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる。
【0014】
本発明における電気光学装置は、複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、1フレームを同じ長さの期間を有する2N−1個のサブフィールドに分割し、前記サブフィールド毎に、階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込む2N階調のデジタル階調制御を行う書き込み制御手段と、前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段とを備えた。
【0015】
これによれば、保持容量素子に接続された配線の電位を2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させることで、画素電極の印加電圧が補正され、各画素に加わる直流電圧成分が抑制される。これにより、保持容量素子の保持容量を小さくすることができる。また、1フレームを同じ長さの期間を有する2N−1個のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に、階調データに基づき各画素に2値の電圧のいずれか一方(信号)を書き込み2N階調の表示を行う。このような階調表示を行うのに、1フレームにおいて、サブフィールド毎に2N−1回、2値の電圧のいずれか一方の書き込みを行うことになる。これにより、1フレームにおいて各画素に書き込んだ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が通常の駆動方式よりも1/(2N−1)だけ短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。よって、スイッチング素子のリーク電流に起因する画素電圧の電圧低下量を小さくするために、各画素に設けられる保持容量素子の保持容量を大きくする必要がない。この保持容量素子の保持容量を小さくできることから、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示でかつ明るい表示が得られる。このように、本発明の電気光学装置では、高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる。
【0016】
この電気光学装置において、前記配線は、前記複数の走査線のうち1つ前に選択される前段の走査線に接続されるゲート配線であり、そのゲート配線は、前記画素電圧補正手段によって4つの電位レベルに制御される。
【0017】
これによれば、走査線を利用して電圧補正が行われるので、その電圧補正のための特別な配線を設ける必要がなく、変更が僅かですむ。
この電気光学装置において、前記配線は、前記保持容量素子にそれぞれ個別に接続された複数の保持容量配線であり、その保持容量配線は、前記画素電圧補正手段によって3つの電位レベルに制御される。
【0018】
これによれば、各画素の画素電圧を、直流電圧成分が生じないように個別に補正することができる。
この電気光学装置において、前記画素電圧補正手段は、前記各画素に正極性の信号を書き込むプラスフィールドでは、該信号の書き込み後に前記配線を基準値よりも低い電位レベルに制御する一方、前記各画素に負極性の信号を書き込むマイナスフィールドでは、該信号の書き込み後に前記配線を基準値よりも高い電位レベルに制御する。
【0019】
これによれば、プラスフィールドにおいて、配線の電位を低い電位レベルから基準値に戻す際に、画素電圧を上昇させることができる。また、マイナスフィールドにおいて、配線の電位を高い電位レベルから基準値に戻す際に、画素電圧を低下させることができる。このように、画素電圧を増幅することが可能であるため、リーク電流による画素電圧の減少を補正することができる。
【0020】
この電気光学装置において、1フレーム毎に正極性の信号と負極性の信号とを交互に書き込むフレーム反転駆動を行う。
これによれば、1水平走査毎に正極性の信号と負極性の信号とを交互に書き込む水平反転駆動を行う場合と比較して消費電力を低減できる。また、信号の電圧変化量が小さくなることから、ディスクリネーションが抑えられ、コントラストや開口率が向上し、明るい表示が得られる。なお、ディスクリネーションとは、例えば、液晶分子の並びが隣の画素電圧の影響を受けて乱れることによる表示不良などの欠陥をいう。これにより開口率が向上し、高精細で明るい表示が可能となる。
【0021】
本発明における電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備え、前記スイッチング素子を駆動して前記各画素の画素電極に正極性の信号と負極性の信号とを所定期間毎に交互に書き込む電気光学装置の駆動方法であって、階調データに応じた電圧の信号を前記各画素の画素電極に書き込むアナログ階調制御を120HZ以上のフレーム周波数で行うとともに、前記保持容量素子に接続されている配線の電位を前記画素への信号の書き込み後に変化させて前記画素電極の印加電圧を補正する。
【0022】
これによれば、保持容量素子の保持容量を小さくでき、高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる。
本発明における電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備え、前記スイッチング素子を駆動して前記各画素の画素電極に正極性の信号と負極性の信号とを所定期間毎に交互に書き込む電気光学装置の駆動方法であって、1フレームを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドに対応する周期で、階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込むデジタル階調制御を行うとともに、前記保持容量素子に接続されている配線の電位を前記2値の電圧の書き込み後に変化させて前記画素電極の印加電圧を補正する。
【0023】
これによれば、保持容量素子の保持容量を小さくでき、高精細化を図りつつ、明るい表示を実現することができる。
本発明における電子機器は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気光学装置を備える。
【0024】
これによれば、電子機器の表示品質を向上させることができる。従って、視認性の良い電子機器を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を液晶表示装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置20の電気的構成を概略的に示しており、また、図2はその液晶表示装置20における液晶表示パネル21の電気的等価回路の一部を示している。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置20は、液晶表示パネル21を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置である。その表示パネル21において、2つの基板間にTN(Twisted Nematic)型の液晶が封入され、マトリクス配置された画素25毎にスイッチング素子が設けられている。また、液晶表示装置20は、予め設定された所定期間毎に、例えば1フレーム毎に、各画素25の画素電極に正極性のデータ信号と負極性のデータ信号を交互に書き込み、液晶を交流駆動(反転駆動)するように構成されている。
【0027】
詳述すると、図1及び図2に示すように、液晶表示パネル21における一方の基板(素子基板)には、Y方向に配列されたm行の走査線Y1〜Ymと、X方向に配列されたn列の信号線X1〜Xnとが形成されている。そして、その液晶表示パネル21には、m行の走査線Y1〜Ymとn列の信号線X1〜Xnとが交差する個所(交差部)に対応してマトリクス配置されたm×n個の画素25と、各画素25に設けたスイッチング素子としてのTFT26とが備えられている。
【0028】
各TFT26のゲートは走査線Y1〜Ymの1つに、そのソースは信号線X1〜Xnの1つに、そして、そのドレインは対応する1つの画素25の画素電極29にそれぞれ接続されている。各画素25の画素電極29は、液晶24を介して共通電極30と対向して設けられる。各画素25の画素電極29及びTFT26は素子基板に形成され、共通電極30は、素子基板に対向配置される対向基板に形成されている。
【0029】
図2に示すように、各画素25は、矩形状の画素電極29と共通電極30の間の液晶24で構成される液晶容量31を備え、各画素25の画素電極29には、保持容量素子32が接続されている。各画素25の保持容量素子32は、ゲート配線40を介して、m行の走査線Y1〜Ymのうち1つ前に選択される前段(1行前)の走査線に接続されている。例えば、走査線Yk+1と信号線X1〜Xnの各交差部にある各画素25の保持容量素子32は、ゲート配線40を介して、1つ前に選択される前段の走査線である走査線Ykに接続されている。なお、第1行目の走査線Y1にTFT26のゲートがそれぞれ接続される各画素25の保持容量素子32については、第1行目の走査線Y1に対する前段の走査線がないので、ダミーの走査線Y0(図示省略)を設ける。走査線Y1と信号線X1〜Xnの各交差部にある各画素25の保持容量素子32を、ゲート配線40を介してダミーの走査線Y0に接続する。そして、その走査線Y0には、他の走査線Y1〜Ymと同様の電圧波形の走査信号が印加される。
【0030】
図1に示すように、液晶表示装置20には、走査線Y1〜Ymを駆動するための左右2つの走査線駆動回路33,33と、信号線X1〜Xnを駆動するための信号線駆動回路34と、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する制御回路35とが設けられている。なお、本実施形態において、走査線駆動回路33、信号線駆動回路34、及び制御回路35は、液晶表示パネル21においてTFT26が形成されている素子基板上に集積化されている。
【0031】
制御回路35には、データ信号と、同期信号と、クロック信号とが外部回路から入力されるようになっている。また、制御回路35から左右2つの走査線駆動回路33,33には、垂直同期信号、クロック信号などが信号線36を介して供給される。そして、制御回路35から信号線駆動回路34には、データ信号、水平同期信号などが信号線37を介して供給される。
【0032】
次に、本実施形態における液晶表示装置20の動作について説明する。
液晶表示装置20は、1フレーム毎に、各画素25の画素電極29に正極性のデータ信号と負極性のデータ信号を交互に書き込み、液晶24を交流駆動(反転駆動)する。以下の説明において、各画素25の画素電極29に正極性のデータ信号を書き込む1フレームをプラスフィールドと呼ぶとともに、各画素25の画素電極29に負極性のデータ信号を書き込む1フレームをマイナスフィールドと呼ぶ。また、ここにいう「1フレーム」は、走査線Y1〜Ymを順に選択して全ての画素25の容量(液晶容量31及び保持容量素子32の保持容量)にデータ信号を書き込むことで1画面の表示を構成する期間をいう。
【0033】
書き込み制御手段としての制御回路35は、各画素25の画素電極29に階調に応じた電圧のデータ信号を書き込むアナログ階調制御を行う。また、制御回路35は、各画素25の画素電極29へのデータ信号の書き込みを、例えば通常の60Hzの2倍である120Hzのフレーム周波数で行うように、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する。
【0034】
具体的に、制御回路35は、同期信号及びクロック信号に基づき、周期(T=1/120)の間隔で垂直走査開始信号DY(図示省略)を走査線駆動回路33に出力する。上記左右の走査線駆動回路33はそれぞれ、制御回路35から垂直走査開始信号DY(以下、単に開始信号DYという。)が入力されると、図3に示す走査信号G1〜Gmを順に生成して出力することで、走査線Y1〜Ymを順に選択する。信号線駆動回路34は、走査線Y1〜Ymが順に選択される各選択期間において、選択された走査線に接続された各画素に階調に応じた電圧のデータ信号を順に出力する。これにより、階調に応じた電圧が、上記各選択期間において、選択された走査線に接続された各画素25の液晶容量31と保持容量素子32に、オン(導通状態)になったTFT26を介して書き込まれる。そして、その書き込み後にTFT26がオフ(非導通状態)になると、各画素25の液晶容量31と保持容量素子32にデータ信号に応じた電荷が保持される。
【0035】
また、本実施形態の液晶表示装置20では、走査線Y1〜Ymの走査信号G1〜Gmの電圧を変化させることで、画素電極29の印加電圧(画素電圧)を補正する画素電圧補正制御を行う。
【0036】
具体的に、画素電圧補正手段としての制御回路35は、図3(a)〜(c)に示すように、走査線Y1〜Ymに印加する走査信号G1〜Gmの電圧を、プラスフィールドにおける正極性のデータ信号の書き込み後に、選択時の電圧V0から、基準値(例えば0V)より電圧V2だけ低い電圧値まで低下させる。また、マイナスフィールドにおける負極性のデータ信号の書き込み後に、選択時の電圧V0から、基準値より電圧V1だけ高い電圧値まで低下させる。そして、その電圧値を一定時間維持した後に基準値に戻すように、制御回路35は走査線駆動回路33を制御するようになっている。この一定時間は、選択期間hと期間τの合計時間である。
【0037】
このような電圧補正制御を行うことにより、選択された一つの走査線、例えば走査線Yk+1に接続された各画素25の画素電圧は、プラスフィールド及びマイナスフィールドにおいてそれぞれ図4(c)に示すように変化する。
【0038】
詳述すると、走査線Yk+1の画素電圧は、前段の走査線Ykが選択されてその走査線Ykが電圧V0になると、各容量の容量結合によって次式のように電圧ΔVdだけ上昇する。
【0039】
ΔVd=Cs/(Ctft+Cs+Clc)*V0
ここで、CtftはTFTのゲート・ソース間の寄生容量、Csは保持容量素子32の保持容量、Clcは液晶容量である。
【0040】
マイナスフィールドの選択期間に負極性のデータ信号が書き込まれると、走査線Yk+1の画素電圧は−Vになる。その書き込みが終了し時刻t1にてTFT26がオフすると、その画素電圧は−Vから電圧ΔVd1だけ低下する。また、時刻t1から期間τが経過すると(時刻t2)、前段の走査線Ykに印加される走査信号Gkの電位が電圧V1だけ低下して基準値に戻る。このとき、走査線Yk+1に接続された各画素25の画素電圧が、電圧ΔVd2だけ低下する。さらに、時刻t2から選択期間hが経過すると(時刻t3)、走査線Yk+1に印加される走査信号Gk+1の電圧が電圧V1だけ低下する。これにより、走査線Yk+1に接続された各画素25の画素電圧が、さらにΔVd3だけ低下する。
【0041】
一方、プラスフィールドでは、走査線Yk+1の画素電圧は、選択期間に正極性のデータ信号が書き込まれると+Vになり、その書き込みが終了してTFT26がオフする瞬間に+Vから電圧ΔVu1だけ低下する。この後、その低下した画素電圧は、前段の走査信号Gkの電位が電圧V2だけ上昇して基準値に戻ることによりΔVu2だけ上昇する。さらに、走査信号Gk+1の電圧が電圧V2だけ上昇すると、走査線Yk+1の画素電圧がΔVu3だけ上昇する。
【0042】
このように、本実施形態の画素電圧補正制御では、各画素25の画素電圧を変化させるようになっているが、上記各電圧ΔVd1〜ΔVd3,ΔVu1〜ΔVu3は、それぞれ下式で表される。
【0043】
ΔVd1=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*(V0−V1)
ΔVd2=Cs/(Ctft+Cs+Clc)*V1
ΔVd3=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*V1
ΔVu1=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*(V0+V2)
ΔVu2=Cs/(Ctft+Cs+Clc)*V2
ΔVu3=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*V2
なお、上記の各式ではそれぞれ単純化のために、Ctftはゲート電圧、ドレイン電圧に依存しないと仮定している。
【0044】
本実施形態において、マイナスフィールド及びプラスフィールドでの電圧変調分の総計ΔVdt,ΔVutは、それぞれ下式で表される。
ここで、マイナスフィールド及びプラスフィールドで直流電圧成分が生じない条件は、ΔVdt=ΔVutである。そのため、本実施形態では、2V0/(V2−V1)=Cs/Ctftを満足するように、電圧V1,V2と保持容量Csを設定している。
【0045】
また、上記画素電圧補正制御を行うことより、液晶24に印加される電圧は、プラスフィールドでは選択時の印加電圧である+VよりもΔVutだけ高い電圧が印加され、マイナスフィールドでは選択時の印加電圧である−VよりもΔVdtだけ低い電圧が印加される。つまり、画素電圧補正制御を行うことより、液晶24の印加電圧が増幅されている。
【0046】
また、図3及び図4に示す上記期間τは、電圧補正がゲート配線40のなまりや電流供給能力不足で不十分になるのを避けるために設けてあるが、期間τの長さを特定の値にする必要はない。期間τを選択期間hと同じ長さにしてもよい。この場合、データ信号の各書き込み終了時から選択期間hと同じ長さの期間τ(τ=h)が経過したタイミングで走査信号の電圧を変化させればよく、回路構成が簡単になる。また、期間τ=0でも問題がなければ、τ=0とすることにより回路構成が更に簡単になる。
【0047】
図5には、液晶24に印加する電圧と液晶24の透過率との関係を示している。すなわち、画素25の液晶24に2Vの電圧が印加される場合、液晶24は光を透過するため画素25が白色に見え、液晶24に5Vの電圧が印加される場合、液晶24は光を非透過状態にするため画素25は黒色に見える。
【0048】
ここで、データ信号の極性を1水平走査期間(1H)ごとに反転させる1H反転駆動により走査線の一本おきに黒と白を表示させる場合、液晶24には5Vと−2V(又は−5Vと2V)が印加され、変化量の7Vの電圧が1H毎に印加される。一方、本実施形態のように、データ信号の極性を1フレーム毎に反転させるフレーム反転駆動により走査線の一本おきに黒と白を表示させる場合、液晶24には5Vと2V(又は−5Vと−2V)が印加される。この場合、変化量は3Vの電圧となるため、本実施形態のようにフレーム反転駆動を採用すると、1H反転駆動の場合と比較して消費電力は3/7に低減される。
【0049】
特に、ラスター表示(面内同一階調表示)の場合には、フレーム反転駆動におけるデータ信号の変化がフィールド内ではゼロとなるため、消費電力の低減効果は絶大となる。因みに、1H反転駆動でラスター表示する場合には、全面白表示で4V(2V〜−2V)の変化量が必要であるため、4V以上の変化量が必要となる。ラスター表示は実使用においてはあまり存在しないが、パーソナルコンピュータの画面では部分的ではあるがラスター表示が多用されている。従って、フレーム反転駆動を採用することで、画面表示のための低消費電力化が容易に実現される。
【0050】
さらに、フレーム反転駆動の場合には垂直方向の画素間の電圧差が上記のように低減されるため、ディスクリネーションの発生が抑えられる。その結果、コントラストや開口率が向上する。さらに、高精細化も実現することができる。
【0051】
因みに、ノート型パソコンやモニタなどで用いられる13インチXGAクラスの大きい画素(画素ピッチ254μmの画素)の液晶表示装置では、データ信号の書き込みを通常の60HZのフレーム周波数で行う場合において、上記電圧補正制御を行うことで、フリッカ等の画像劣化を抑制することができる。しかし、最近の市場で要求される高精細な(200ppi(画素ピッチ125μm)以上の)液晶表示装置や1000ppi(画素ピッチ25μm)程度のプロジェクター用L/V(ライトバルブ)になると、コントラストの高い表示を得ることができなくなる。
【0052】
すなわち、高精細化を図ると、液晶容量そのものが小さくなり、TFT26のリーク電流によって画素電圧を次の書き込み時まで保持するのが難しくなる。ここで、TFT26のリーク電流に起因する画素電圧の電圧低下量ΔVは、
ΔV=Ileak・T1/(Ctft+Cs+Clc)
で表される。但し、IleakはTFT26のリーク電流であり、T1は保持期間である。従って、画素ピッチ254μmが、高精細な画素である画素ピッチ125μmや画素ピッチ25μmになると、液晶の容量Clcは1/4、1/100となり、上記保持期間中の電圧低下量ΔVは4倍、100倍となる。これにより、従来のように通常の60HZのフレーム周波数でデータ信号の書き込みを行う場合には、フリッカ等の画像劣化の問題が発生する。これに対し、本実施形態では、120HZのフレーム周波数で書き込みを行うことにより、保持期間T1が短くなり電圧低下量ΔVが低減されるため、フリッカ等の画像劣化の問題が解消される。
【0053】
以上詳述したように本実施の形態は、以下の特徴を有する。
(イ)保持容量素子32に接続されたゲート配線40の電位をデータ信号の書き込み後に変化させることで、画素電極29の印加電圧が補正され、液晶24に加わる直流電圧成分を抑制することができる。これにより、保持容量素子32の保持容量Csを小さくすることが可能となり開口率を向上できる。また、保持容量Csを小さくすると、リーク電流に起因する画素電圧の減少が懸念されるが、上記画素電圧補正制御では、液晶24の印加電圧(画素電圧)の増幅効果があるため、リーク電流による画素電圧の減少を補正(キャンセル)することができる。
【0054】
(ロ)各画素25の画素電極29へのデータ信号の書き込みを120HZのフレーム周波数で行うので、フレーム周期が短くなる。即ち、フレーム周期を通常のフレーム周期(1/60sec)の1/2(1/120sec)にすることができる。フレーム周期を短くすることにより、各画素25の画素電極29に書き込んだデータ信号(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。その電圧低下量を小さくできることから、各画素25に設けられる保持容量素子32の保持容量を大きくする必要がなく、フリッカ、焼き付き、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示が得られる。従って、画素25の高精細化を図りつつ、低消費電力でかつ明るい表示を実現することができる。
【0055】
(ハ)本実施形態では、ゲート配線40の電位を通常の2レベルから4レベルに変化させることで画素電圧補正制御が行われる。そのため、そのゲート配線40の駆動回路を装置の外付けICとして実現する場合には、回路の製造コストの増大を招く。これに対し、走査線駆動回路33、信号線駆動回路34、及び制御回路35を、液晶表示パネル21においてTFT26が形成されている素子基板上に集積化することにより、特別な工程を増やすことなく液晶表示装置20を製造することができる。また、走査線Y1〜Ymを利用して画素電圧補正制御が行われるので、その補正制御のための特別な配線を設ける必要がなく、変更が僅かですむ。
【0056】
(ニ)液晶表示装置20では、1フレーム毎に正極性の信号と負極性の信号とを交互に書き込むフレーム反転駆動を採用しているため、水平反転駆動を行う場合と比較して消費電力を低減できる。またこの場合、信号の電圧変化量が小さくなることから、ディスクリネーションが抑えられ、コントラストや開口率を向上でき、より明るい表示を得ることができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置を図6〜図8に基づいて説明する。なお、この実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部材及び信号には、同じ符号を使って重複した説明を省略する。
【0058】
この第2実施形態は、各走査線Y1〜Ymにそれぞれ対応する複数の保持容量配線411〜41mを各保持容量素子32aに個別に接続してある点で第1実施形態とは異なる。
【0059】
図6では保持容量配線411〜41mのうち、保持容量配線41kと41k+1のみを示している。これらの保持容量配線411〜41mのうち選択される一つの走査線に対応する保持容量配線には、制御回路35により制御される保持容量配線用の駆動回路(図示省略)から図7(a)〜(c)及び図8(a),(b)に示す電圧信号Sが出力される。本実施形態では、保持容量配線用の駆動回路(図示省略)が画素電圧補正手段に相当する。
【0060】
図7(a)〜(c)に示すように、プラスフィールドにおける電圧信号Sは、各走査線Y1〜Ymが順に選択される前或いはその選択時とほぼ同時に、基準値(例えば0V)より電圧V2だけ低い電圧値まで低下され、その低い電圧値が一定時間(期間τ1+期間τ2)維持された後に基準値に戻るよう変化される。マイナスフィールドにおける電圧信号Sは、各走査線Y1〜Ymが順に選択される前或いはその選択時とほぼ同時に、基準値(例えば0V)より電圧V1だけ高い電圧値まで上昇され、その高い電圧値が一定時間(期間τ1+期間τ2)維持された後に基準値に戻るよう変化される。期間τ2は、各選択期間の終了時から、基準値に戻るまでの期間である。
【0061】
本実施形態の画素電圧補正制御により、選択された一つの走査線、例えば走査線Yk+1に接続された各画素25の画素電圧は、プラスフィールド及びマイナスフィールドにおいてそれぞれ図8(c)に示すように変化する。
【0062】
すなわち、プラスフィールドでは、例えば走査線Yk+1の画素電圧は、正極性のデータ信号の書き込みが終了してTFT26がオフする瞬間に+Vから電圧ΔVu4だけ低下する。この後、期間τ2が経過すると、走査線Yk+1に接続された各画素の保持容量素子32aに保持容量配線41k+1を介して供給される電位が前記低い電圧値から電圧V2だけ上昇して基準値に戻る。これにより、走査線Yk+1に接続された各画素25の画素電圧がΔVu5だけ上昇する。
【0063】
マイナスフィールドでは、走査線Yk+1の画素電圧は、負極性のデータ信号の書き込みが終了してTFT26がオフする瞬間に−Vから電圧ΔVd4だけ低下する。この後、期間τ2が経過すると、保持容量配線41k+1の電位が前記高い電圧値から電圧V1だけ低下することにより、走査線Yk+1の画素電圧がΔVd5だけ低下する。
【0064】
このように各画素25の画素電圧を変化させるようになっているが、上記各電圧ΔVd4,ΔVd5,ΔVu4,ΔVu5は、それぞれ下式で表される。
ΔVd4=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*V0
ΔVd5=Cs/(Ctft+Cs+Clc)*V1
ΔVu4=Ctft/(Ctft+Cs+Clc)*V0
ΔVu5=Cs/(Ctft+Cs+Clc)*V2
なお、上記の各式ではそれぞれ単純化のために、Ctftはゲート電圧、ドレイン電圧に依存しないと仮定している。
【0065】
本実施形態において、プラスフィールド及びマイナスフィールドでの電圧変調分の総計ΔVdt2,ΔVut2は、それぞれ下式で表される。
ここで、プラスフィールド及びマイナスフィールドで直流電圧成分が生じない条件は、ΔVdt2=ΔVut2である。そのため、本実施形態では、2V0/(V2−V1)=Cs/Ctftを満足するように、電圧V1,V2と保持容量Csを設定している。
【0066】
このように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(ホ)各走査線Y1〜Ymにそれぞれ対応する複数の保持容量配線411〜41mを保持容量素子32aに個別に接続した。これにより、各画素25の画素電圧を、直流電圧成分が生じないように個別に補正することができる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置を図9に基づいて説明する。この第3実施形態は、上記画素電圧補正制御をゲート配線40を使って行う点で上記第1実施形態と同じであり、アナログ階調制御ではなく、サブフィールド駆動によるデジタル階調制御を行う点が第1実施形態と異なる。
【0068】
すなわち、本実施形態の制御回路35は、サブフィールド駆動により2N階調の表示を行うように、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する。その「サブフィールド駆動」では、1フレーム(プラスフィールド及びマイナスフィールドの各々)をNビットの階調データの各ビットに応じた長さの期間を有するN個のサブフィールドに分割する。N個のサブフィードの期間は、各ビットに応じた長さに、即ち1(20):2(21):4(22)・・・2N−1の比率に設定される。こうして設定されたN個のサブフィールドのうち最短のサブフィールドの周期で、階調データに基づき各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込み2N階調の表示を行う。
【0069】
具体的に、本実施形態の制御回路35は、23階調(2NのN=3で、8階調)の階調表示、即ち階調度0〜階調度7の階調表示を行うので、図9に示すように、1フレームが3つのサブフィールドSF1、SF2及びSF3にそれぞれ分割される。3つのサブフィールドSF1、SF2及びSF3の各期間(時間長)は、3ビットの階調データの各ビットに応じた長さに(2進法に従うように)、即ち1(20):2(21):4(22)の比率に設定される。従って、サブフィールドSF2,SF3の各期間は、サブフィールドSF1の2倍,4倍になる。この場合、3つのサブフィールドSF1、SF2及びSF3のうち期間が最短のサブフィールドはSF1であり、そのサブフィールドSF1の周期T(図9参照)で、各画素25にデータ信号として2値の電圧(Lレベルの電圧とHレベルの電圧)のいずれか一方を書き込む。
【0070】
本実施形態のサブフィールド駆動によるデジタル階調制御では、各画素25の画素電極29へのデータ信号の書き込みを60Hzのフレーム周波数(フレーム周期が1/60sec)で行うとともに、各画素25の画素電極29に、1フレームにおいて周期T毎に、2値の電圧のいずれか一方を書き込む。つまり、1/60秒(sec)の1フレームに、各画素25の画素電極29へのデータ信号の書き込みを周期T毎に7回(23−1回)行う。そのために、制御回路35は、同期信号及びクロック信号に基づき、1フレームにおいて、周期Tの間隔で垂直走査開始信号DY(図示省略)を走査線駆動回路33に7回出力するようになっている。
【0071】
上記左右の走査線駆動回路33はそれぞれ、制御回路35から垂直走査開始信号DY(以下、単に開始信号DYという。)が入力される毎に、走査信号G1〜Gmを順に生成して出力することで、走査線Y1〜Ymを順に選択するようになっている。つまり、走査線駆動回路33は、1フレームの最初に1番目の開始信号DYが入力されると、図9に示すように1回目の走査信号G11〜Gm1を順に出力し、走査線Y1〜Ymを順に選択する。この選択期間が1フレームにおける1回目の選択期間である。また、走査線駆動回路33は、1番目の開始信号DYの入力時から周期Tが経過する毎に2番目〜7番目の開始信号DYがそれぞれ入力されると、2回目の走査信号G12〜Gm2・・・7回目の走査信号G17〜Gm7を順に出力し、走査線Y1〜Ymを順に選択する。これらの選択期間が、1フレームにおける2回目〜7回目の選択期間である。このように走査線Y1〜Ymを順に選択する動作が1フレームに7回繰り返される。
【0072】
また、制御回路35には、同期信号及びクロック信号のほかに、フィールド駆動を行うのに、画像信号である2値のデータ信号として3ビットの階調データが入力される。その階調データは、下記の表1に示すように、(000)から(111)までの8種類の2値のデータ信号である。
【0073】
【表1】
ノーマリホワイトモードの場合、階調データ(000)は一つの画素25に階調度0の表示(白表示)をするためのデータであり、階調データ(111)は一つの画素25に階調度7の表示(黒表示)をするためのデータである。また、階調データ(001)〜(110)はそれぞれ、一つの画素25に中間の階調度1〜6の表示をするためのデータである。
【0074】
信号線駆動回路34は、走査線Y1〜Ymが順に選択される各選択期間に、選択された走査線に接続された各画素にデータ信号として、上記の表1に示すようにLレベルの電圧又はHレベルの電圧のいずれか一方を順に出力する。これにより、Lレベルの電圧又はHレベルの電圧いずれか一方が、上記7回の各選択期間において、選択された走査線に接続された各画素25の液晶容量31と保持容量素子32に、オン(導通状態)になったTFT26を介して書き込まれる。そして、Lレベル又はHレベルのデータ信号が書き込まれた後にTFT26がオフ(非導通状態)になると、各画素25の液晶容量31と保持容量素子32にデータ信号に応じた電荷が保持される。
【0075】
下記の表2は、上述した8種類の階調度に応じた階調データと、1フレームにおけるサブフィールドSF1(1回目の選択期間)、SF2(2回目と3回目の各選択期間)及びSF3(4回目〜7回目の各選択期間)で一つの画素25に印加されるデータ信号との関係を示してある。
【0076】
【表2】
例えば、階調データ(000)で各画素25に階調度0の表示をする場合、表2に示すように、サブフィールドSF1(1回目の選択期間)、SF2(2回目と3回目の各選択期間)及びSF3(4回目〜7回目の各選択期間)の7回の全ての選択期間でLレベルのデータ信号のみが各画素25に書き込まれる。また、階調データ(001)で各画素25に階調度1の表示をする場合、表2に示すように、1回目の選択期間にのみHレベルのデータ信号が書き込まれ、2回目〜7回目までの各選択期間にはLのデータ信号が書き込まれる。以下同様に、階調データ(010)〜(111)で各画素25に階調度2〜7の表示をする場合、表2に示すように、7回の各選択期間でL又はHレベルのデータ信号が書き込まれる。
【0077】
次に、サブフィールド駆動によるデジタル階調制御の動作について説明する。ここでは、一例として、ある1フレームで全ての画素25に、階調データ(001)に基づき、階調度1の表示をする場合について説明する。
【0078】
走査線駆動回路33は、1フレームの最初に1番目の開始信号DYが入力されると、図9(a)〜(c)に示す走査信号G11〜Gm1を順に出力し、走査線Y1〜Ymを順に選択する(1回目の選択期間)。これにより、走査線Y1〜Ymのうち選択された一つの走査線に接続された各画素25のTFT26がオンになる。
【0079】
この1回目の選択期間(サブフィールドSF1の間)において、信号線駆動回路34は、選択された一つの走査線に接続された各画素25に表2に示すようにHレベルのデータ信号を順に出力する。これにより、その走査線に接続された各画素25の液晶容量31と保持容量素子32に、Hレベルのデータ信号がTFT26を介してそれぞれ書き込まれる。
【0080】
1回目の選択期間が終了して各TFT26がオフになると、各画素25に書き込まれたデータ信号(Hレベルの電圧)が、次の選択期間(2回目の選択期間)になるまでの保持期間(上記周期T−選択期間h)の間保持される。
【0081】
1番目の開始信号DYの入力時から周期Tが経過して2番目の開始信号DYが入力されると、走査線駆動回路33は、走査信号G12〜Gm2を順に出力し、走査線Y1〜Ymを順に選択する。この2回目の選択期間、即ち図9に示すサブフィールドSF2における最初の周期Tでは、信号線駆動回路34は、選択される走査線Y1〜Ymの一つに接続された各画素25にLレベルのデータ信号を順に出力する。これにより、各画素25の画素電極29にLレベルのデータ信号がTFT26を介してそれぞれ書き込まれる。2回目の選択期間が終了してTFT26がオフになると、各画素25の画素電極29に書き込まれたデータ信号(Lレベルの電圧)が、次の選択期間(3回目の選択期間)になるまでの前記保持期間の間保持される。
【0082】
2番目の開始信号DYの入力時から周期Tが経過して3番目の開始信号DYが入力されると、走査線駆動回路33は、走査信号G13〜Gm3を順に出力し、走査線Y1〜Ymを順に選択する。この3回目の選択期間、即ち図9に示すサブフィールドSF2における2番目の周期Tでは、信号線駆動回路34は、選択される走査線の一つに接続された各画素25にLレベルのデータ信号を順に出力する。これにより、各画素にLレベルの電圧がそれぞれ書き込まれる。3回目の選択期間が終了してTFT26がオフになると、各画素25に書き込まれた電荷(Lレベルの電圧)が、次の選択期間(4回目の選択期間)になるまでの前記保持期間の間保持される。
【0083】
この後、上記と同様に4番目〜7番目の開始信号DYが周期Tの間隔で入力される毎に、走査線駆動回路33は、走査信号G14〜Gm4・・・走査信号G17〜Gm7を順に出力し、4回目〜7回目の選択期間になる。これら4回目〜7回目の選択期間、即ちサブフィールドSF3における1回目〜4回目の各周期Tではそれぞれ、選択される走査線の一つに接続された各画素にLレベルのデータ信号がそれぞれ書き込まれる。
【0084】
こうして、上記7回目の選択期間において、最後に選択される走査線Ymに接続された各画素にLレベルのデータ信号を書き込むことにより、1画面を構成する全ての画素に階調度1の表示をさせて1画面を構成する動作(1フレーム周期)が終了する。
【0085】
本実施形態の液晶表示装置においても、走査線Y1〜Ymに印加する走査信号G1〜Gmの電圧を、データ信号の書き込み後において、選択時の電圧V0から、基準値(例えば0V)とは異なる電位に変化させることで、各画素25の画素電圧を補正する画素電圧補正制御を行っている。
【0086】
具体的には、制御回路35は、プラスフィールドにおける正極性のデータ信号の書き込み後に、走査信号G1〜Gmの電圧を選択時のV0から、基準値(例えば0V)より電圧V2だけ低い電圧値まで低下させる。そして、制御回路35は、その低い電圧値を一定時間維持し、その後基準値に戻すように、走査線駆動回路33を制御する。また、制御回路35は、マイナスフィールドにおける負極性のデータ信号の書き込み後には、走査信号G1〜Gmの電圧をV0から基準値より電圧V1だけ高い電圧値まで低下させる。そして、制御回路35は、その高い電圧値を一定時間維持し、その後基準値に戻すように、走査線駆動回路33を制御する。なおここで、一定時間は、選択期間hと期間τの合計時間である。
【0087】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、液晶24に加わる直流電圧成分が生じないように、電圧V1,V2と保持容量Csを設定している。
このように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0088】
(ヘ)サブフィールド駆動により、各画素25に23階調(8階調)の階調表示、即ち階調度0〜階調度7の階調表示を行うことができる。
(ト)サブフィールド駆動では、1フレームを3ビットの階調データの各ビットに応じた長さの期間を有する3つのサブフィールドSF1、SF2及びSF3に分割する。3つのサブフィールドSF1、SF2及びSF3は、1:2:4の比率の期間(時間長)に設定される。そして、1フレームに、3つのサブフィールドのうち期間が最短のサブフィールドSF1の周期Tで、階調データに基づき各画素25にLレベル又はHレベルのデータ信号を書き込み23階調の表示を行う。
【0089】
このようなデジタル階調制御では、フレーム周波数を60Hzとすると、フレーム周期が1/60秒(sec)である1フレームに、各画素25へのデータ信号の書き込みを周期T毎に7回(23−1回)行うことになる。これにより、1フレームにおいて各画素25に書き込んだデータ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が通常の駆動方式よりも1/7だけ短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。例えば、画素ピッチが200ppi、1000ppiになり、液晶容量Clcが1/4、1/100となり、保持期間中の電圧低下量が4倍、100倍となるような場合に、2NのNを適宜大きな値に設定することで、その電圧低下量を抑えることが可能になる。そのため、スイッチング素子のリーク電流を小さくして画素電圧の電圧低下量を小さくするために、各画素25に設けられる保持容量素子32の保持容量Csを大きくする必要がない。これにより、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示でかつ明るい表示が得られる。
【0090】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置を図10に基づいて説明する。
【0091】
この第4実施形態では、上記画素電圧補正制御を、各走査線Y1〜Ymにそれぞれ対応する複数の保持容量配線411〜41mを使って行う点で上記第2実施形態と同じであるが、サブフィールド駆動によるデジタル階調制御を行う点で第2実施形態とは異なる。
【0092】
この第4実施形態では、制御回路35は、サブフィールド駆動により2N階調の表示を行うように、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する。また、複数の保持容量配線411〜41mのうち選択される一つの走査線に対応する保持容量配線には、制御回路35により制御される保持容量配線用の駆動回路(図示省略)から図10(a)〜(c)に示す電圧信号Sが出力される。
【0093】
すなわち、プラスフィールドにおける電圧信号Sは、各走査線Y1〜Ymが順に選択される前或いはその選択時とほぼ同時に、基準値(例えば0V)より電圧V2だけ低い電圧値まで低下され、その低い電圧値が一定時間(期間τ1+期間τ2)維持された後に基準値に戻るよう変化される。マイナスフィールドにおける電圧信号Sは、各走査線Y1〜Ymが順に選択される前或いはその選択時とほぼ同時に、基準値(例えば0V)より電圧V1だけ高い電圧値まで上昇され、その高い電圧値が一定時間(期間τ1+期間τ2)維持された後に基準値に戻るよう変化される。期間τ2は、各選択期間の終了時から、基準値に戻るまでの期間である。
【0094】
この実施形態においても、上記第2実施形態と同様に、直流電圧成分が生じないように、電圧V1,V2と保持容量Csを設定している。
このように構成された第4実施形態によれば、上記第3実施形態と同様にサブフィールド駆動によるデジタル階調表示を行うことができる。また、1フレームにおいて各画素25に書き込んだデータ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が通常の駆動方式よりも1/7だけ短くなり、その保持期間中における画素電圧の電圧低下量を小さくすることができる。従って、コントラスト低下、開口率低下などの問題が発生するのを抑制しつつ、画素ピッチの小さい高精細な表示でかつ明るい表示が得られる。
【0095】
[電子機器]
次に、上記各実施形態で説明した液晶表示装置20の液晶表示パネル21を用いた電子機器について説明する。液晶表示パネル21は、図11に示すようなモバイル型のパーソナルコンピュータに適用できる。図11に示すパーソナルコンピュータ70は、キーボード71を備えた本体部72と、液晶表示パネル21を用いた表示ユニット73とを備えている。この表示ユニット73に用いた液晶表示パネル21では、高精細でも、低消費電力でかつ明るい表示を実現することができる。
【0096】
[変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第3実施形態において、上述したサブフィールド駆動による階調制御に代えて、サブフィールド駆動による階調制御を次のように行う構成にも本発明は適用可能である。制御回路35は、1フレームを同じ長さの期間(周期T)を有する2N−1個のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に、上記階調データに基づき各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込み2N階調の表示を行うように、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する。下記の表3は、一例として23階調の表示を行う場合における8種類の階調データと、23−1(=7)個のサブフィールドSF1〜SF7毎に行う1回目〜7回目の各選択期間で一つの画素25に印加されるデータ信号との関係を示してある。
【0097】
【表3】
例えば、階調データ(000)で各画素25に階調度0の表示をする場合、表3に示すように、サブフィールドSF1(1回目の選択期間)〜SF7(7回目の選択期間)の各選択期間でLレベルのデータ信号のみが各画素25に書き込まれる。また、階調データ(001)で各画素25に階調度1の表示をする場合、表3に示すように、サブフィールドSF1でのみHレベルのデータ信号が書き込まれ、サブフィールドSF2〜SF7の各選択期間にはLレベルのデータ信号が書き込まれる。以下同様に、階調データ(010)〜(111)で各画素25に階調度2〜7の表示をする場合、表3に示すように、L又はHレベルのデータ信号が書き込まれるようになっている。このようなサブフィールド駆動による階調制御によって、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0098】
・上記第3実施形態では、23階調(2NのN=3で、8階調)の階調表示、即ち階調度0〜階調度7の階調表示を行う構成であるが、Nの値を適宜設定して2N階調の表示、即ち階調度0〜階調度2N−1の階調表示を行う構成にも本発明は適用される。
【0099】
・上記第1及び第2実施形態では、フレーム周波数を120Hzとしているが、これに限定されるものではない。フレーム周波数を通常のフレーム周波数である60Hzの2倍(120Hz)以上とする液晶表示装置において、本発明は適用可能である。この場合、各画素25に書き込んだデータ信号の電圧(画素電圧)を次の書き込み時まで保持する保持期間が短くなるので、高精細で明るい表示を実現することができる。勿論、第3実施形態におけるフレーム周波数を60Hzから120Hz以上のフレーム周波数に変更してもよい。
【0100】
・上記各実施形態では、走査線Y1〜Ymを駆動するための左右2つの走査線駆動回路(Yドライバー)33,33を設けてあるが、走査線駆動回路33を一つ設けた構成にも本発明は適用可能である。
【0101】
・上記各実施形態では、走査線駆動回路33、信号線駆動回路34及び制御回路35は、素子基板上に内蔵されているように記載されているが、これに限るものではない。例えば、COGでICを各回路33〜35に実装してもよいし、内蔵を行わずにTAB等でICを接続してもよい。また、制御回路35は外部回路基板上に設けてもよい。
【0102】
・上記各実施形態では、TN(Twisted Nematic)型の液晶24を用いている。しかし、液晶24として180°以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bi−stable Twisted Nematic)型、強誘電型等のメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。
【0103】
・上記各実施形態において、液晶24として非メモリ形(単安定型)のものを用いるのが好ましい。メモリ形の液晶はリーク電流の影響を保持に関して受けないが、非メモリ形の液晶であるとリーク電流の影響を受けるので、液晶24として非メモリ形のものを用いる場合に特に有効となる。
【0104】
・上記各実施形態で用いたTFT26は、a−Si(アモルファスシリコン:非晶質シリコン)形の薄膜トランジスタ、p−Si(ポリシリコン)形の薄膜トランジスタ、或いは、単結晶シリコン、SiGeを用いたひずみシリコン、他の半導体材料を用いたものであってもよい。
【0105】
・上記各実施形態では、各画素のスイッチング素子として3端子スイッチング素子であるTFTを用いているが、これに代えてTFD(Thin Film Diode)のような2端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示パネルにも本発明は適用可能である。なお、2端子スイッチング素子を用いる場合には、素子基板上にある各画素の画素電極と液晶を介して対向電極を対向基板側に設け、この対向電極を走査線ごと分割する。そして、素子基板上にある信号線と対向基板上にある対向電極(走査線)とが空間的に交差する個所に対応してTFDのような2端子スイッチング素子を素子基板側に配置する。
【0106】
・上記各実施形態では、電気光学装置を液晶表示装置20として説明したが、本発明はこれに限るものではなく、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置及び該電気光学装置を備えた電子機器に対しても適用可能である。例えば、本発明を有機EL素子などの発光素子を用いる電気光学装置に適用する場合、各画素に書き込む「データ信号」とは、各画素の発光素子を駆動する駆動用トランジスタのゲートに印加される電圧をいう。
【0107】
・液晶表示装置20の液晶表示パネル21は、図11に示すようなパーソナルコンピュータに限らず、携帯電話、デジタルカメラ等の各種の電子機器に適用できる。
【0108】
・上記各実施形態において、走査線駆動回路33は、走査線Y1〜Ymを順次に選択する垂直走査を、垂直走査開始時にHレベルの走査方向切換え信号が入力されたときには上から順に行うとともに、Lレベルの走査方向切換え信号が入力されたときには下から順に行うようになっている。こうした構成は、本発明をプロジェクター用L/V(ライトバルブ)に適用して、スクリーンに投写する場合に有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶表示装置を示す概略構成図。
【図2】液晶表示パネルの電気的等価回路を示す回路図。
【図3】(a)〜(c)は走査信号の波形図。
【図4】(a),(b)は走査信号の波形図、(c)は画素電圧の波形図。
【図5】液晶の印加電圧と液晶の透過率との関係を示す特性図。
【図6】第2実施形態の液晶表示パネルの電気的等価回路を示す回路図。
【図7】(a)〜(c)は走査信号の波形図。
【図8】(a),(b)は走査信号の波形図、(c)は画素電圧の波形図。
【図9】(a)〜(c)は第3実施形態における走査信号を示す波形図。
【図10】(a)〜(c)は第4実施形態における走査信号を示す波形図。
【図11】液晶表示装置を用いたパーソナルコンピュータを示す斜視図。
【符号の説明】
SF1〜SF7…サブフィールド、T…周期、X1〜Xn…信号線、Y1〜Ym…走査線、20…電気光学装置としての液晶表示装置、24…液晶、25…画素、26…スイッチング素子としてのTFT、29…画素電極、32,32a…保持容量素子、35…制御回路、40…ゲート配線、411〜41m…保持容量配線、70…電子機器としてのパーソナルコンピュータ。
Claims (10)
- 複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、
階調データに応じた電圧の信号を前記各画素の画素電極に書き込むアナログ階調制御を120HZ以上のフレーム周波数で行う書き込み制御手段と、
前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記画素への信号の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、
1フレームをNビットの階調データの各ビットに応じた長さの期間を有するN個のサブフィールドに分割し、1フレームに前記N個のサブフィールドのうち最短のサブフィールドの周期で、前記階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込む2N階調のデジタル階調制御を行う書き込み制御手段と、
前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備えた電気光学装置であって、
1フレームを同じ長さの期間を有する2N−1個のサブフィールドに分割し、前記サブフィールド毎に、階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込む2N階調のデジタル階調制御を行う書き込み制御手段と、
前記保持容量素子に接続された配線の電位を前記2値の電圧のいずれか一方の書き込み後に変化させて前記画素電極に印加される電圧を補正する画素電圧補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 前記配線は、前記複数の走査線のうち1つ前に選択される前段の走査線に接続されるゲート配線であり、そのゲート配線は、前記画素電圧補正手段によって4つの電位レベルに制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気光学装置。
- 前記配線は、前記保持容量素子にそれぞれ個別に接続された複数の保持容量配線であり、その保持容量配線は、前記画素電圧補正手段によって3つの電位レベルに制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気光学装置。
- 前記画素電圧補正手段は、前記各画素に正極性の信号を書き込むプラスフィールドでは、該信号の書き込み後に前記配線を基準値よりも低い電位レベルに制御する一方、前記各画素に負極性の信号を書き込むマイナスフィールドでは、該信号の書き込み後に前記配線を基準値よりも高い電位レベルに制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気光学装置。
- 1フレーム毎に正極性の信号と負極性の信号とを交互に書き込むフレーム反転駆動を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電気光学装置。
- 複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備え、前記スイッチング素子を駆動して前記各画素の画素電極に正極性の信号と負極性の信号とを所定期間毎に交互に書き込む電気光学装置の駆動方法であって、
階調データに応じた電圧の信号を前記各画素の画素電極に書き込むアナログ階調制御を120HZ以上のフレーム周波数で行うとともに、
前記保持容量素子に接続されている配線の電位を前記画素への信号の書き込み後に変化させて前記画素電極の印加電圧を補正することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と複数の信号線との交差部に対応して配置された複数の画素と、前記各画素に設けられたスイッチング素子と、前記各画素の画素電極に接続された保持容量素子とを備え、前記スイッチング素子を駆動して前記各画素の画素電極に正極性の信号と負極性の信号とを所定期間毎に交互に書き込む電気光学装置の駆動方法であって、
1フレームを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドに対応する周期で、階調データに基づき前記各画素に2値の電圧のいずれか一方を書き込むデジタル階調制御を行うとともに、
前記保持容量素子に接続されている配線の電位を前記2値の電圧の書き込み後に変化させて前記画素電極の印加電圧を補正することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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